JP6721220B1 - 蒸気駆動式ポンプ装置 - Google Patents

蒸気駆動式ポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6721220B1
JP6721220B1 JP2019059422A JP2019059422A JP6721220B1 JP 6721220 B1 JP6721220 B1 JP 6721220B1 JP 2019059422 A JP2019059422 A JP 2019059422A JP 2019059422 A JP2019059422 A JP 2019059422A JP 6721220 B1 JP6721220 B1 JP 6721220B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
water vapor
driven pump
pump device
spiral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019059422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020159282A (ja
Inventor
和也 森下
和也 森下
Original Assignee
有限会社森下商会
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社森下商会 filed Critical 有限会社森下商会
Priority to JP2019059422A priority Critical patent/JP6721220B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6721220B1 publication Critical patent/JP6721220B1/ja
Publication of JP2020159282A publication Critical patent/JP2020159282A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】ボイラーで発生する水蒸気(飽和蒸気)の持つエネルギーを減圧することなく最大限に利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置を提供すること。【解決手段】装置の外郭を構成するハウジング部材30と、ハウジング部材30を貫通させて設置する回転軸40と、回転軸40を貫通させた状態で設置する内側と外側に螺旋状フィンを備えた螺旋状フィン付き筒状体50と、回転軸40の一方側に設置されており、ボイラーから供給された水蒸気圧を受けて回転する複数の水蒸気圧受け部材60と、回転軸40の他方側に設置されており、装置外部から被加熱流体を前記ハウジング部材の内側であって前記螺旋状フィン付き筒状体の外側に吸い込んで、装置外部に送り出す推進スクリュー部材70を備えていることを特徴とする蒸気駆動式ポンプ装置10とした。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラー設備から発生する水蒸気(飽和蒸気)を動力源として、かつ、熱源として利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置に関する。さらに言えば、水蒸気の有する高いポテンシャルを最大限に利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置に関する。
水蒸気の用途は主に、加熱、加湿等の熱源と動力源とに大別できる。昔は「蒸気」と言えば蒸気船の代名詞であり、陸蒸気といえば蒸気機関車であり、蒸気ハンマーといえば、鍛造等に使う動力源が蒸気自動ハンマーであった。現在は、水蒸気の用途は、動力源としてよりも加熱、加湿等の熱源としての利用が多くなっている。加熱、加湿等の熱源としての水蒸気は工業分野だけでなく、家庭用のスチームオーブンやスチームクリーナーのように、その応用範囲が拡大しつつある。多くの場合、圧力と温度の関係が一定で使用しやすく、潜熱加熱による素早い加熱が可能であるため飽和蒸気の状態で使用される。
水蒸気は通常、ボイラー設備により発生させることになる。工場で使用される水蒸気の圧力は、通常0.1MPa〜5MPa、水蒸気の温度は、通常110℃〜250℃程度である。工場で使用されるボイラーは、工場内で必要とされる最も高い圧力を供給できるよう設定されているのが普通であるが、用途によってはボイラーで発生したままの高圧蒸気では圧力が高すぎる場合がある。そこで、減圧器を配管の途中に設置することにより水蒸気圧を減圧して使用している。このように、高圧の水蒸気をわざわざ減圧して使用しているという実態があり、水蒸気の持つ高いポテンシャルを十分に活用できたら良いと考えられていた。要するに、水蒸気の持つエネルギーを減圧することなく最大限に利用することができる装置があれば良いと考えられていた。
特許文献1には、「籾殻燃焼機を用いて籾殻とチップダストを混合した燃料を燃焼させて水蒸気を発生させ、発生した水蒸気を本発明装置の蒸気ノズルから回転体に噴射することで回転体が回転運動を起こす。この時回転体では、一方のシリンダー内から水蒸気圧力を受ける。さらに、他方のシリンダー内では、前工程で使われた水蒸気を同時に排出穴から排出する。などの工程が左右のシリンダー内で行われることで連続回転動力が発生する。発生動力を発電機に連動することで連続発電が起きる。」水蒸気の圧力を利用した動力発生方法(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
特開2018−080692号公報
特許文献1に係る水蒸気の圧力を利用した動力発生方法(特許文献1:発明の名称)は、シリンダーブロックの左右にそれぞれの円形シリンダーを設け、円形シリンダーの内部に、回転体が動くように設置されており、蒸気圧力を回転体の円周面で受けることで回転体が円形シリンダーの内部を回転しながら移動しクランクシャフトを回転することで、発電のための動力を得ているものである。水蒸気を動力源として利用しているが、水蒸気の熱源を利用することはできていないものである。さらに、水蒸気の有するポテンシャルを十分に活用していないものであった。
本発明の目的は、ボイラー設備から発生する水蒸気(飽和蒸気)を動力源として、かつ、熱源として利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置、さらには、水蒸気の持つ高いポテンシャルを十分に生かすべく、要するに、水蒸気の持つエネルギーを減圧することなく最大限に活用することができる蒸気駆動式ポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、ボイラーから供給される水蒸気圧を動力源とする蒸気駆動式ポンプ装置であって、
装置の外郭を構成するハウジング部材と、
前記ハウジング部材を貫通させて設置する回転軸と、
前記回転軸を貫通させた状態で設置する内側と外側に螺旋状フィンを備えた螺旋状フィン付き筒状体と、
前記回転軸の一方側に設置されており、ボイラーから供給された水蒸気圧を受けて回転する入口と出口を備えた開放型の3次元曲面を有する筒状体であって、入口面側断面積が出口面側断面積の50倍〜100倍である複数の水蒸気圧受け部材と、
前記回転軸の他方側に設置されており、装置外部から被加熱流体を前記ハウジング部材の内側であって前記螺旋状フィン付き筒状体の外側に吸い込んで、装置外部に送り出す推進スクリュー部材を備えており、
前記水蒸気圧受け部材が前記螺旋状フィン付き筒状体内部に水蒸気を噴射するように設置され、前記水蒸気圧受け部材が水蒸気を前記螺旋状フィン付き筒状体内部に噴射し、前記水蒸気が前記螺旋状フィン付き筒状体を通過してハウジング外部へ排出されることを特徴とする蒸気駆動式ポンプ装置であることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ハウジング部材は、内側に突出するように複数の環状フィン部材を備えている蒸気駆動式ポンプ装置であることを特徴とするものである。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置により、ボイラーで発生する水蒸気(飽和蒸気)を動力源として、かつ、熱源として利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置、水蒸気の持つ高いポテンシャルを十分に生かすべく、要するに、水蒸気の持つエネルギーを減圧することなく最大限に活用することができる装置を提供することができるようになった。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置の全体図である。 (a)回転軸、水蒸気圧受け部材、及び推進スクリュー部材の全体図である。(b)水蒸気圧受け部材における水蒸気の挙動を説明するための図である。 蒸気駆動式ポンプ装置の駆動原理を説明するための図である。 螺旋状フィン付き筒状体50の断面図である。 水蒸気圧受け部材の回転と水蒸気の噴射状態を説明するための図である。 蒸気駆動式ポンプ装置の使用について具体例を説明するための図である。
<蒸気駆動式ポンプ装置の構造>
以下、本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10の一実施形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10の全体図である。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10は、ボイラーから供給される(高圧)水蒸気を動力源とし、さらに水蒸気を熱源とすることで熱水(温水であっても良い)を供給することができる蒸気駆動式ポンプ装置10である。図1に記載したように、蒸気駆動式ポンプ装置10は、外郭を構成するハウジング部材30を備えている。尚、図1においては、さらに、ハウジング部材30の周囲を覆うように被加熱流体物を貯蔵(蒸気駆動式ポンプ装置10作動時には流れが発生する)するための空間(水槽のようなものでも良い)が記載されている。
そして、ハウジング部材30の内部には、ハウジング部材30を貫通する回転軸40と、回転軸40を貫通させた状態で設置する螺旋状フィン付き筒状体50(螺旋状フィン付き筒状体50の詳細な形状については、図4参照のこと)と、回転軸40の一端に設置されており、ボイラーから供給された水蒸気圧を受けて回転する複数(3個から5個程度)の水蒸気圧受け部材60と、回転軸40の他端に設置されており、装置外部から被加熱流体物をハウジング部材30の内側であって螺旋状フィン付き筒状体の外側に吸い込んで装置外部に送り出す推進スクリュー部材70を備えている。
さらに、ハウジング部材30は、内側に突出するように複数の環状フィン部材80を備えている。環状フィン部材80の先端部分は、螺旋状フィン付き筒状体50から突き出した螺旋状フィン部分との位置関係において、互いの隙間に入り込んだ状態で設置されている(図1参照)。
尚、本明細書において、環状フィン部材80、螺旋状フィン付き筒状体50等における「フィン」とは、熱交換器や放熱器等を構成する平板やパイプ等につける「ヒレ」のことで、伝熱面積を広くし、伝達熱量を増加させるものである。「フィン」には、直線フィン、環状フィン、螺旋状フィン等の種類がある。
図2(a)は、蒸気駆動式ポンプ装置10に係る回転軸40、水蒸気圧受け部材60、及び推進スクリュー部材70の全体図であり、図2(b)は、水蒸気圧受け部材60における水蒸気の挙動を説明するための図である。図2(a)に記載したように、回転軸40の一方側に水蒸気圧受け部材60、他方側に推進スクリュー部材70が設置されている。回転軸40と、水蒸気圧受け部材60と、推進スクリュー部材70は全てが連動して回転するように構成されている。
図2(b)に記載したように、水蒸気圧受け部材60の形状は、簡単に言えば、筒状体を自在に曲げたものであるとも言える。要するに、水蒸気圧受け部材60は、入口面と出口面を備えた(入口面と出口面とのなす角度は自由に選択することができる)開放型部材であり、入口面と出口面を結ぶ3次元曲面を有する筒状体であり、水蒸気を受け入れる側の入口面側の断面積の方が水蒸気を排出する側の出口面側の断面積よりも広くなっていることに特徴がある。尚、数値的には、入口側断面積が出口側断面積の50倍〜100倍になっていることが好ましい。
推進スクリュー部材70は、スクリューの原理によりその作用を説明することができる。スクリューの原理は、流体中で回転することで回転軸方向に流体の流れを生む推進装置であるが、推進スクリュー部材70の回転によって、被加熱流体物が装置外部から、ハウジング部材30の内部であって、ハウジング部材30の内部と螺旋状フィン付き筒状体50の外部が形成する空間に吸い込まれる流れが生じるように羽根が形成されている。
<蒸気駆動式ポンプ装置の駆動方式>
図3は、本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10の駆動原理を説明するための図である。図4は、螺旋状フィン付き筒状体50の断面図(及び、被加熱流体物の流れを説明するための図)である。蒸気駆動式ポンプ装置10は、図3に記載したように、蒸気駆動式ポンプ装置10の外部から水蒸気導入口を通じて導入された、即ち、ボイラーを発生源として噴射された水蒸気(高圧スチーム:図3参照)を、回転自在に設置された水蒸気圧受け部材60が受け(図2(b)参照)、水蒸気圧受け部材60が回転することにより、水蒸気圧受け部材60と連結した回転軸40が回転する。即ち、回転軸40が水蒸気圧(高圧スチーム:図3参照)を動力源として回転する。
水蒸気圧受け部材60と連結した回転軸40が、水蒸気圧を動力源として回転すると、回転軸40と同軸上にある推進スクリュー部材70も連動して回転する。推進スクリュー部材70は、流体の流れと回転とを相互変換する装置であると言える。推進スクリュー部材70は、流体中で回転することで回転軸方向に流体の流れを生む推進装置である。
推進スクリュー部材70も同期して回転する際、図3に記載したように、ハウジング部材30の周囲を覆うように形成された被加熱流体物を貯蔵するための空間に充填された、被加熱流体物となる流体(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)が、推進スクリュー部材70の回転によって、ハウジング部材30の周囲を覆うように形成された被加熱流体物を貯蔵するための空間から、ハウジング部材30の内部であって、ハウジング部材30の内部と螺旋状フィン付き筒状体50の外部が形成する空間に吸い込まれる流れが生じる(図3に矢印で記載されている)。
それと同時に、螺旋状フィン付き筒状体50内部に、水蒸気圧受け部材60から噴射された(水蒸気圧受け部材60を通過した)水蒸気が侵入してくる。螺旋状フィン付き筒状体50内部における水蒸気は、螺旋状フィン付き筒状体50内部に螺旋状フィン51が備わっているので、螺旋状フィン付き筒状体50内部に侵入した水蒸気がそのまま真っすぐ通過すること無く、水蒸気の流れは螺旋状の挙動(図3に矢印で記載)を示すことになる。螺旋状フィン付き筒状体50内部に侵入した水蒸気がそのまま真っすぐ、螺旋状フィン付き筒状体50内部を通過すると水蒸気の有する熱量を十分に伝達することができない。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10においては、螺旋状フィン付き筒状体50内壁(内側螺旋状フィン51を含む)に衝突した水蒸気の熱量が、要するに、熱源としての水蒸気が有する気化熱(潜熱)が、螺旋状フィン付き筒状体50の(外側螺旋状フィン52も含む)を介して、内側ハウジング部材30の内部であって、螺旋状フィン付き筒状体50の外部が形成する空間に吸い込まれた被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)に伝わることにより、被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)が加熱される。
蒸気駆動式ポンプ装置10のハウジング部材30の内部における被加熱流体物の流れを説明すると、ハウジング部材30の内部であって、螺旋状フィン付き筒状体50の外部が形成する空間に引き込まれた被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)は、下方向から螺旋状フィン付き筒状体50のフィン部分の間を螺旋回転して上方向に流れていくことになる(図4に被加熱流体物の流れを記載している)。加熱された被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)は、最終的に蒸気駆動式ポンプ装置10の外部に押し出されることになる(図3に矢印で記載されている)。
さらに、被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)が水蒸気からの熱量を供給されやすくするための工夫として、ハウジング部材30は、内側に突出するように複数の環状フィン部材80を備えていることが挙げられる。ハウジング部材30が環状フィン部材80付きであることにより、加熱される被加熱流体物(水、エチレングリコールを主成分とするクーラント液等)の流れは、螺旋状フィン付き筒状体50付近を通過しなければならない構造になっている(図3参照)。従って、被加熱流体物が、内側ハウジング部材30の内部と螺旋状フィン付き筒状体50の外部が形成する空間を通過するのにより多くの時間が掛かることになるが、この時間が長ければ長い程、水蒸気から螺旋状フィン付き筒状体50を介して伝わる熱量をより多く吸収することができるので、より効率的に被加熱流体物の温度を上昇させることができる。
蒸気駆動式ポンプ装置10の作動中には、被加熱流体物が加熱されて蒸気駆動式ポンプ装置10外に排出されて給湯器等に供給された後、新たに被加熱流体物が供給されることにより、或いは、床暖房、融雪等の仕事を終えた被加熱流体物が戻って来ることにより、蒸気駆動式ポンプ装置10の外部であって、ハウジング部材30の周囲を覆うように形成された被加熱流体物を貯蔵するための空間に補充される。このような流れを繰り返すことにより、蒸気駆動式ポンプ装置10は熱水(温水)を外部に供給し続けることができる。
図5は、水蒸気圧受け部材60の回転と水蒸気の噴射状態を説明するための図である。図5に記載したように、水蒸気圧受け部材60が水蒸気を受ける(矢印cと記載)と水蒸気圧受け部材60は、螺旋状フィン付き回転軸40を中心に回転する(矢印aと記載)。そうすると、(噴射源が回転するので)水蒸気圧受け部材60から噴射する水蒸気は、螺旋状フィン付き回転軸40の周りを回転しながら噴射されることになる(噴射する水蒸気は、遠心力の影響を受ける)。従って、水蒸気圧受け部材60が回転せずに、要するに、噴射源が固定された状態で水蒸気が噴射されるよりも、水蒸気の螺旋状フィン付き筒状体50内部を通過する時間が掛かるため、水蒸気の螺旋状フィン付き筒状体50内部における滞留時間がその分長くなるので、水蒸気有する熱量を余すことなく、螺旋状フィン付き筒状体50に伝導させることができる。
水蒸気圧受け部材60から噴射される水蒸気は、螺旋状フィン付き回転軸40の周りを回転しながら噴射されることになるのであるが、噴射される水蒸気を噴射ベクトル(矢印bと記載)として考えると、水蒸気圧受け部材60が水蒸気を受けるベクトル(矢印cと記載)との関係において、平行の関係にあるベクトル成分(矢印dと記載)が、回転に寄与する成分(要するに、逆噴射として作用することで回転に寄与する)として作用することになる。噴射される水蒸気が結果として螺旋状フィン付き回転軸40の回転に寄与するため、水蒸気の圧力を回転エネルギーとして、さらに、効率的に利用することができる。水蒸気圧受け部材60の入口面と出口面とのなす角度は自由に選択することができるが、水蒸気の圧力を回転エネルギーとして効率的に利用するという観点からすれば、80°〜100°であることが望ましいと言える。
<蒸気駆動式ポンプ装置の使用に係る具体例>
図6は、蒸気駆動式ポンプ装置10の使用について具体例を説明するための図である。本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10の使用、及び応用例は多々あると思われるが、ここでは、本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10を高層ビル等の給湯システムに使用した場合について説明する。蒸気駆動式ポンプ装置10は、従来の給湯設備システム(給湯方式)を一変させるものであり、高層ビル等における給湯方式を根本的に変貌させてしまうものである。
図6左図に記載したように、従来の給湯方式は、高層ビルの屋上に給湯用の貯水タンク(ストレージージタンクとも言う。湯沸かし機能を備えたものであることが通常)を設置し、各階に(重力を利用して)供給する方式が一般的に採用されていた。この方式であれば、高層ビルの屋上に給湯用の貯水タンクを設置するということで設置費用が掛かる。さらに、貯水タンク等を含めて給湯設備の維持管理にコストが掛かる。貯水タンク(ストレージタンク)は毎年の法定検査に合格するためにコストが掛かるという問題もある。
これに対して、本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10による給湯システムであれば、図6右図に記載したように、地面にボイラー設備を設置し、各階に蒸気駆動式ポンプ装置10を設置し、ボイラー設備と蒸気駆動式ポンプ装置10を配管するだけで設置を完了することができる。
蒸気駆動式ポンプ装置10は、元々高いポテンシャルルを持つ水蒸気圧を利用して、各階に設置された蒸気駆動式ポンプ装置10に直接水蒸気を供給し、各階に設置された蒸気駆動式ポンプ装置10が、ボイラー設備から供給された水蒸気を、動力源として蒸気駆動式ポンプ装置10を作動し、さらに、水蒸気を熱源として熱湯(温水でも良い)を沸かし、各階に給湯するものである。この方式であれば、設置費用が掛からないし、メンテナンスに掛かる費用も少なく抑えることができる。
<蒸気駆動式ポンプ装置の効果>
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10は、ボイラー設備により発生した水蒸気を利用するものである。(ボイラーで発生する)水蒸気を動力源として、かつ、熱源として利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置10、さらには、水蒸気の持つ高いポテンシャルを十分に生かすべく、要するに、水蒸気の持つエネルギーを減圧することなく最大限に活用することができる蒸気駆動式ポンプ装置10を提供することができるようになったことが最大の特徴である。
螺旋状フィン付き回転軸40と螺旋状フィン付き筒状体50は、いわゆるアルキメデスのスクリューの原理を応用している。アルキメデスのスクリューは、空洞の筒の中に入れたスクリュー(螺旋状の面が中心の棒軸を囲むように作られている)によって構成され、軸が回ると螺旋の底面により、水が回転する螺旋により上部へ押し上げられるものである。この原理を本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10の螺旋状フィン付き回転軸40と螺旋状フィン付き筒状体50に当て嵌めると、螺旋状フィン付き筒状体50内部に侵入した水蒸気は、螺旋状フィン付き回転軸40が回転することにより、進行方向と逆の方向に押仕上げられる。要するに、螺旋状フィン付き筒状体50内部での滞留時間が長くなる方向に作用することになるため、水蒸気持つ熱量を余すことなく、螺旋状フィン付き筒状体50に伝導させることができる。
さらに、被加熱流体物は、図4に記載したように、下方向から内部ハウジング部材30と螺旋状フィン付き筒状体50のフィン部分の間を螺旋回転して上方向に流れていくことになる(図4に被加熱流体物の流れを記載している)。即ち、螺旋状フィン付き筒状体50のフィン部分の存在により、被加熱流体物の伝熱面積をより広くし、伝達熱量を増加させることができる。従って、螺旋状フィン付き筒状体50からの熱量をより受け入れやすくなるため、効率的に水温を上げることができる。要するに、水蒸気の持つエネルギーを減圧することなく最大限に利用することができる蒸気駆動式ポンプ装置10を提供することができるようになった。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置10を高層ビル等の給湯システムとして使用すれば、図6に記載したように、地面にボイラー設備を設置し、(減圧弁を介在させてわざわざ減圧すること無く)高いポテンシャルを持つ水蒸気圧の勢いをそのまま利用して各階に直接水蒸気を供給し、各階に設置された蒸気駆動式ポンプ装置10が、水蒸気を熱源としてお湯を沸かし、各階に給湯することができる。このシステムであれば設置費用が掛からないし、メンテナンスに掛かる費用も少なく抑えることができる。高層ビルの給湯システムのみならず、(高層ビルの)床暖房システム等にも使用することができるし、さらに、屋根上の雪を溶かす融雪装置としての応用も考えられる。
<蒸気駆動式ポンプ装置の変更例>
本発明に係る蒸気駆動式ポンプ装置は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、外側ハウジング部材、内側ハウジング部材、螺旋状フィン付き回転軸、螺旋状フィン付き筒状体、水蒸気圧受け部材、推進スクリュー部材、環状フィン部材等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
例えば、螺旋状フィン付き回転軸は、螺旋状のフィンが形成されていない形態(単なる回転軸)であっても良いし、螺旋状フィン付き筒状体は、螺旋状のフィンが形成されていない形態(単なる筒状体)であっても良い。また、螺旋状フィン付き回転軸と螺旋状のフィンが形成されていない筒状体との組み合わせであっても良いし、螺旋状フィンが形成されていない回転軸と螺旋状フィン付き筒状体との組み合わせであっても良い。さらに、内側ハウジング部材に環状フィン部材が形成されていない形態であっても良い。
本発明に係る蒸気駆動式ポンプは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、ボイラーで発生する水蒸気(飽和蒸気)を動力源として、かつ、熱源として利用することができる、高層ビルの給湯システムのみならず、床暖房システム、融雪装置としての使用も可能な、蒸気駆動式ポンプ装置として好適に用いることができる。
10・・蒸気駆動式ポンプ装置
30・・ハウジング部材
40・・回転軸
50・・螺旋状フィン付き筒状体
51・・(螺旋状フィン付き筒状体における内側に設置した)内側螺旋状フィン
52・・(螺旋状フィン付き筒状体における外側に設置した)外側螺旋状フィン
60・・水蒸気圧受け部材
70・・推進スクリュー部材
80・・環状フィン部材

Claims (2)

  1. ボイラーから供給される水蒸気圧を動力源とする蒸気駆動式ポンプ装置であって、
    装置の外郭を構成するハウジング部材と、
    前記ハウジング部材を貫通させて設置する回転軸と、
    前記回転軸を貫通させた状態で設置する内側と外側に螺旋状フィンを備えた螺旋状フィン付き筒状体と、
    前記回転軸の一方側に設置されており、ボイラーから供給された水蒸気圧を受けて回転する入口と出口を備えた開放型の3次元曲面を有する筒状体であって、入口面側断面積が出口面側断面積の50倍〜100倍である複数の水蒸気圧受け部材と、
    前記回転軸の他方側に設置されており、装置外部から被加熱流体を前記ハウジング部材の内側であって前記螺旋状フィン付き筒状体の外側に吸い込んで、装置外部に送り出す推進スクリュー部材を備えており、
    前記水蒸気圧受け部材が前記螺旋状フィン付き筒状体内部に水蒸気を噴射するように設置され、前記水蒸気圧受け部材が水蒸気を前記螺旋状フィン付き筒状体内部に噴射し、前記水蒸気が前記螺旋状フィン付き筒状体を通過してハウジング外部へ排出されることを特徴とする蒸気駆動式ポンプ装置。
  2. 前記ハウジング部材は、内側に突出するように複数の環状フィン部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気駆動式ポンプ装置。
JP2019059422A 2019-03-26 2019-03-26 蒸気駆動式ポンプ装置 Active JP6721220B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019059422A JP6721220B1 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 蒸気駆動式ポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019059422A JP6721220B1 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 蒸気駆動式ポンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6721220B1 true JP6721220B1 (ja) 2020-07-08
JP2020159282A JP2020159282A (ja) 2020-10-01

Family

ID=71402424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019059422A Active JP6721220B1 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 蒸気駆動式ポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6721220B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020159282A (ja) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2015284297B2 (en) An apparatus, system and method for utilizing thermal energy
WO2013013582A1 (zh) 一种汲取高温地热进行发电的装置和方法
JP2650395B2 (ja) 吸収サイクルヒートポンプ
RU2610562C2 (ru) Насосное устройство, использующее давление пара для подачи воды в энергетическую установку
JP2008045807A (ja) 蒸気発生システム
JP6721220B1 (ja) 蒸気駆動式ポンプ装置
KR101247772B1 (ko) 유기 랭킨 사이클을 이용한 선박의 발전장치
JP2021195899A (ja) 蒸気駆動式ポンプ装置
CN105180436A (zh) 防垢空气能热水器
WO2013006080A1 (ru) Способ и вихревой теплогенератор для получения пара и тепловой энергии
KR101946869B1 (ko) 지열, 수열 및 폐열 열교환장치 및 이를 이용한 복합발전시스템
KR20170111144A (ko) 다단 연소기능을 갖는 소형증기보일러 및 이를 이용한 소형 열병합발전시스템
JP2003299710A (ja) スチームサウナ装置
CN206571539U (zh) 利用燃料动力机余热实施动力输出或发电的系统
JP4811810B2 (ja) 外燃機関
CN108301879A (zh) 一种生物燃料发电装置
CN204513338U (zh) 一种自供式换热器
CN203336559U (zh) 一种雾化加热式热机
CN207892668U (zh) 一种锅炉汽轮机组的蒸汽回收利用装置及节能装置
JP2007291908A (ja) 熱発電システム
JP2007291907A (ja) 熱発電システム
CN108336388A (zh) 一种生物燃料发电设备
US479454A (en) Generation of steam-power
CN106321376A (zh) 利用高温地热能进行发电的方法
CN205579527U (zh) 一种内燃双锅筒节能蒸汽发生器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191224

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200116

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6721220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250