JP6721094B2 - ガイドチューブ - Google Patents
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Description
本発明におけるチューブ本体に関し、先端とは、体腔に挿入される挿入先端を意味し、基端とは、チューブ本体の長尺方向において上記先端と反対側の端部を意味する。また先端基端方向とは、チューブ本体の長尺方向を意味する。また本明細書においてガイドワイヤおよび穿刺針の先端とは、体腔に挿入される挿入先端を意味し、基端とは、長尺方向において上記先端と反対側の端部を意味する。
本明細書において縦断面とは、チューブ本体の軸心を通って長手方向に平行に切断した断面をいう。また横断面とは、チューブ本体の軸心の延在方向に対し垂直に切断した断面をいう。
本発明のガイドチューブの各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
以下に、本発明のガイドチューブに関し、本発明の第一実施形態であるガイドチューブ100の構成について図1から図6を用いて説明する。
図1(a)は、ガイドチューブ100の縦断面図であり、内バルーン60および外バルーン70が膨張した状態を示している。図1(a)における破線は、膨張前の内バルーン60を示している。図1(b)は、図1(a)に示すガイドチューブ100のI−I線横断面図であり、チューブ本体10の横断面にてサブルーメン22と造影部24とが視認される。図2(a)は、チューブ本体10および補強部材50の分解斜視図であり、図2(b)は、チューブ本体10に対し補強部材50を装着した状態を示す斜視図である。図3は、図1(a)のIII−III線横断面図であり内バルーン60および外バルーン70が膨張する前の状態を示している。図4は、図1(a)のIII−III線横断面図であり内バルーン60および外バルーン70が膨張した状態を示している。図5(a)は、ガイドチューブ100の概略横断面図であり、図5(b)および図5(c)は、第一実施形態の変形例にかかるガイドチューブ100の概略横断面図である。図6は、ガイドチューブ100を経口により被験者170の食道頸部172に挿入し穿刺針200を穿刺した状態を示す説明図である。
本実施形態にかかるガイドチューブ100は、以下の2つの特徴を有している。
即ち、図3に示すとおり、ガイドチューブ100は、チューブ本体10の軸心Xの延在方向に対し垂直に切断してなる横断面にて、穿刺開口端面40の軸心Xの側の端部16と軸心Xとを結ぶ二本の線分14でなす開口角度θが180度未満である。かかる特徴を、以下において、第一の特徴という場合がある。
加えて、ガイドチューブ100は、線分14の垂線IVに含まれる穿刺開口30の開口方向IIの方向成分よりも、穿刺開口端面40の法線Iに含まれる開口方向IIの方向成分が大きい。かかる特徴を、以下、第二の特徴という場合がある。
尚、軸心Xの側の端部16とは、チューブ本体10の内腔(ルーメン20)の側に位置している穿刺開口端面40の端である。
即ち、第一の特徴を有することにより、ガイドチューブ100は、従来技術1のごとく周方向において半円以上に大きく切り欠かれて開口が形成されることがないよう開口領域が制限されている。そのため、チューブ本体10が、穿刺開口30の設けられた箇所またはその近傍にて断面が変形し、または屈曲することが防止される。
一般的には、このように穿刺開口30の開口領域を制限することにより、穿刺範囲が狭まり穿刺作業がシビアになるが、ガイドチューブ100は、第二の特徴を有することにより、穿刺範囲の狭まった穿刺開口30に対し正確に穿刺作業を行うことができる。
尚、以下の説明において特段の言及なく用いられる「超音波」なる用語は、穿刺開口30を確認するために被験者の体表側から開口方向IIにおいて穿刺開口30側に照射された超音波を意味する。
チューブ本体10は、薄肉のチューブであって1つ以上の内腔を有している。具体的には本実施形態にかかるガイドチューブ100は、上記内腔として、ルーメン20とサブルーメン22とを有している。
ルーメン20は、たとえばチューブ本体10の基端から先端まで貫通するとともに、基端から内視鏡160(図6参照)などの医療器具出し入れ可能、また薬液等を注入可能な大径の内腔である。ルーメン20の口径は特に限定されないが、チューブ本体10の細径化の観点からは、挿入される内視鏡160の外径とほぼ同等の寸法とすることができる。
サブルーメン22は、チューブ本体10の基端から先端の手前まで連続する内腔である。チューブ本体10の先端側にはサブルーメン22が外部に連通するための側孔12が設けられており、サブルーメン22は側孔12の近傍にて終端し、それより先端側は封止されている。
本実施形態にかかるガイドチューブ100は、図1(a)に示すとおり、穿刺開口30を封止する内バルーン60および穿刺開口30を覆うとともにチューブ本体10の外周を周回し径方向の外向に膨張可能な外バルーン70を有している。外バルーン70の内側には、液体または気体を気密に充填可能な気密室90が構成されている。気密室90は、外バルーン70の内側の内部空間である。内バルーン60、外バルーン70および気密室90の詳細は後述する。
本実施形態における穿刺開口30は、図2(a)および図2(b)に示すとおり、チューブ本体10の壁面に設けられた開口であるチューブ開口32と、補強部材50の壁面に設けられた開口であるパイプ開口34と、が、重複することによって形成されている。穿刺のためのパイプ開口34が確保された補強部材50を備えることによって、チューブ本体10の穿刺開口30近傍の強度が良好に補強される。
チューブ本体10に設けられたチューブ開口32は、チューブ本体10の壁面に設けられチューブ状のチューブ本体10の厚み方向に貫通し、穿刺針200が通過可能な開口である。チューブ開口32の例としては、チューブ本体10の先端または基端には連続せず壁面の一部が貫通してなる開口を挙げることができる。
ここで、パイプ開口端面44とは、チューブ本体10の先端基端方向に延在しパイプ開口34(図2(a)(b)参照)を区画する面である。またチューブ開口端面42とは、チューブ本体10の先端基端方向に延在しチューブ開口32(図2(a)(b)参照)を区画する面である。尚、パイプ開口端面44とチューブ開口端面42とが連続するとは、両端面が段差なく隣り合うことをいう。
より具体的には、上記変形例は、上向き開口に図示する図5(b)において、チューブ本体10の内周面に沿って設けられた補強部材50のパイプ開口端面44がチューブ開口端面42よりも上方(即ち穿刺開口30側)に位置する態様である。かかる態様によれば、パイプ開口端面44が穿刺開口端面40をなす。
また他の変形例として、上向き開口に図示する図5(c)において、チューブ本体10の外周面に沿って設けられた補強部材50のパイプ開口端面44がチューブ開口端面42よりも上方(即ち穿刺開口30側)に位置した態様であってもよい。かかる態様によれば、パイプ開口端面44が穿刺開口端面40をなす。
図3および図4に示すとおり、本実施形態にかかるガイドチューブ100は、穿刺開口30を封止し穿刺開口30よりも軸心Xの側に膨張可能な内バルーン60を有している。図3では膨張する前の内バルーン60を示し、図4では膨張した内バルーン60を示している。また縦断面において観察される膨張した内バルーン60は図1(a)が参照される。
ここで内バルーン60が平坦状に膨張するとは、膨張した内バルーン60の中央領域62が、平坦状であると確認される程度をいい、厳密に平坦である場合および拡大観察によって内バルーン60に膨張の頂点が確認されない程度の平坦状である場合を含む。
あるいは、合成樹脂で形成された内バルーン60における外縁領域61の肉厚よりも中央領域62の肉厚を大きくして、中央領域62の柔軟性を相対的に低減させてもよい。
あるいは、中央領域62を平坦状に形成するとともに、外縁領域61を蛇腹状に形成し、蛇腹の伸長によって外縁領域61の柔軟性を相対的に高めてもよい。
図示省略する他の例としては、内バルーン60が、穿刺開口30を覆ってチューブ本体10の内周面側に設けられる態様、または穿刺開口30を覆って、チューブ本体10と補強部材50との間に設けられる態様を挙げることができる。
中空円筒状の内バルーン60の代替として、チューブ本体10の周方向に非連続のシート状の内バルーン60を用いることもできる。
本実施形態にかかるガイドチューブ100は、穿刺開口30を覆うとともにチューブ本体10の外周を周回し径方向の外向に膨張可能な外バルーン70、を有している。
外バルーン70の内側には、液体または気体を気密に充填可能な気密室90が構成されている。径方向の外向に膨張した外バルーン70は、チューブ本体10が挿入された体腔(例えば図6に示す食道頸部172)の内壁面に当接し、チューブ本体10の留置状態を安定させるとともに、当該体腔を拡張した状態を維持することができる。
内バルーン60も上述の物性の範囲のいずれか一以上を有していることが好ましく、これらの物性は、外バルーン70と同程度とすることができる。内バルーン60と外バルーン70とは同一の材料から構成されてもよいし、異質の材料から構成されてもよい。
図1(a)に示すとおり、サブルーメン22の基端側からシリンジ150などによって内部に流動物が注入され、サブルーメン22から側孔12、孔52、および孔63を通じて、当該流動物が気密室90に充填される。
図6に示すように、内視鏡160をルーメン20に挿入した状態で、チューブ本体10を経口的に食道頸部172まで挿入する。たとえば穿刺開口30の位置が、被験者170の左側面側に向くよう、造影部24をX線観察で確認しながら位置合わせをするとよい。ガイドチューブ100は、任意の構成としてチューブ本体10の所定の位置に外装されたマウスピース140が設けられている。マウスピース140は被験者170が口で咥えることのできる口腔挿入部142を有している。適度な深さまでチューブ本体10が挿入された状態で、被験者170がマウスピース140の口腔挿入部142の中間位置を咥えた状態を図6に示している。これにより、口腔内に挿入されたチューブ本体10の挿入位置を安定させる。このとき、挿入経路の確認をし易くするために、適宜、チューブ本体10の先端から内視鏡160の先端を突出させてもよい。
次いで内視鏡160をチューブ本体10に対し相対的に基端側に引き、外バルーン70が所定の位置(食道頸部172付近)にくるよう位置合わせをする。内視鏡160の先端(図示省略)は、穿刺開口30よりも基端側に位置させて穿刺開口30よりも軸心X(図4参照)側に膨張する内バルーン60の膨張のスペースを確保するとよい。そして、サブルーメン22の基端側に接続したシリンジ150から、サブルーメン22に対し、造影剤を含有する流体物(例えば生理食塩水)を注入し、当該流体物を気密室90に充填させることによって外バルーン70および内バルーン60を膨張させる。
体表側から穿刺された針本体220が、外バルーン70、および内バルーン60を通過して内バルーン60よりもチューブ本体10の内腔側に到達したことは、ルーメン20に挿入された内視鏡160によって観察し確認することができる。
(1)内部にルーメンを有し体腔に挿入されるチューブ本体と、
前記ルーメンと前記チューブ本体の外部とに通じる穿刺開口と、
前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記穿刺開口を区画する穿刺開口端面と、を有し、
前記チューブ本体の軸心の延在方向に対し垂直に切断してなる横断面にて、前記穿刺開口端面の前記軸心の側の端部と前記軸心とを結ぶ二本の線分でなす開口角度が180度未満であり、かつ、前記線分の垂線に含まれる前記穿刺開口の開口方向の方向成分よりも、前記穿刺開口端面の法線に含まれる前記開口方向の方向成分が大きいことを特徴とするガイドチューブ。
(2)前記穿刺開口を封止し前記穿刺開口よりも前記軸心の側に膨張可能な内バルーンを有する上記(1)に記載のガイドチューブ。
(3)前記穿刺開口を覆うとともに前記チューブ本体の外周を周回し径方向の外向に膨張可能な外バルーンを有し、
前記外バルーンの内側に、液体または気体を気密に充填可能な気密室が構成されている上記(1)または(2)に記載のガイドチューブ。
(4)前記横断面にて、前記軸心を通り開口方向に伸長する線分を対称軸として、2つの前記穿刺開口端面が線対称である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のガイドチューブ。
(5)2つの前記穿刺開口端面の法線が、前記開口方向と平行である上記(4)に記載のガイドチューブ。
(6)前記チューブ本体の内周面または外周面に沿って設けられた補強部材を有し、
前記チューブ本体の壁面に設けられた開口であるチューブ開口と、
前記補強部材の壁面に設けられた開口であるパイプ開口と、が、
重複することによって前記穿刺開口が形成されている上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のガイドチューブ。
(7)前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記パイプ開口を区画するパイプ開口端面が、前記穿刺開口端面をなす上記(6)に記載のガイドチューブ。
(8)前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記チューブ開口を区画するチューブ開口端面が、前記穿刺開口端面をなす上記(6)に記載のガイドチューブ。
(9)前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記パイプ開口を区画するパイプ開口端面と、
前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記チューブ開口を区画するチューブ開口端面と、が連続し、
前記パイプ開口端面および前記チューブ開口端面により前記穿刺開口端面が構成されている上記(6)に記載のガイドチューブ。
(10)前記穿刺開口を封止し前記穿刺開口よりも前記軸心の側に膨張可能な内バルーンを有し、
前記内バルーンは、前記穿刺開口端面の前記軸心の側の2つの端部を結んだ線分を直径とする円の曲率よりも小さい曲率で膨張するか、または、平坦状に膨張する上記(1)から(9)のいずれか一項に記載のガイドチューブ。
12・・・側孔
14・・・線分
16・・・端部
20・・・ルーメン
22・・・サブルーメン
24・・・造影部
30・・・穿刺開口
32・・・チューブ開口
34・・・パイプ開口
40・・・穿刺開口端面
42・・・チューブ開口端面
44・・・パイプ開口端面
50・・・補強部材
52・・・孔
60・・・内バルーン
61・・・外縁領域
62・・・中央領域
63・・・孔
70・・・外バルーン
90・・・気密室
100・・・ガイドチューブ
140・・・マウスピース
142・・・口腔挿入部
150・・・シリンジ
160・・・内視鏡
170・・・被験者
172・・・食道頸部
200・・・穿刺針
210・・・把持部
220・・・針本体
θ・・・開口角度
B・・・線分
I・・・法線
II・・・開口方向
IV・・・垂線
X・・・軸心
Claims (6)
- 内部にルーメンを有し体腔に挿入されるチューブ本体と、
前記ルーメンと前記チューブ本体の外部とに通じる穿刺開口と、
前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記穿刺開口を区画する穿刺開口端面と、
前記チューブ本体の内周面または外周面に沿って設けられた補強部材と、を有し、
前記チューブ本体の壁面に設けられた開口であるチューブ開口と、
前記補強部材の壁面に設けられた開口であるパイプ開口と、が、重複することによって前記穿刺開口が形成されており、
前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記パイプ開口を区画するパイプ開口端面が、前記チューブ本体の先端基端方向に延在し前記チューブ開口を区画するチューブ開口端面よりも穿刺開口側に位置して、前記穿刺開口端面をなしており、
前記穿刺開口端面は、
前記チューブ本体の軸心の延在方向に対し垂直に切断してなる横断面にて、前記穿刺開口端面の前記軸心の側の端部と前記軸心とを結ぶ二本の線分でなす開口角度が180度未満であり、かつ、前記線分の垂線に含まれる前記穿刺開口の開口方向の方向成分よりも、前記穿刺開口端面の法線に含まれる前記開口方向の方向成分が大きいことで超音波を反射させる機能を有することを特徴とするガイドチューブ。 - 前記穿刺開口を封止し前記穿刺開口よりも前記軸心の側に膨張可能な内バルーンを有する請求項1に記載のガイドチューブ。
- 前記穿刺開口を覆うとともに前記チューブ本体の外周を周回し径方向の外向に膨張可能な外バルーンを有し、
前記外バルーンの内側に、液体または気体を気密に充填可能な気密室が構成されている請求項1または2に記載のガイドチューブ。 - 前記横断面にて、前記軸心を通り開口方向に伸長する線分を対称軸として、2つの前記穿刺開口端面が線対称である請求項1から3のいずれか一項に記載のガイドチューブ。
- 2つの前記穿刺開口端面の法線が、前記開口方向と平行である請求項4に記載のガイドチューブ。
- 前記穿刺開口を封止し前記穿刺開口よりも前記軸心の側に膨張可能な内バルーンを有し、
前記内バルーンは、前記穿刺開口端面の前記軸心の側の2つの端部を結んだ線分を直径とする円の曲率よりも小さい曲率で膨張するか、または、平坦状に膨張する請求項1から5のいずれか一項に記載のガイドチューブ。
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