JP6719876B2 - 結合金具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ホース類相互またはポンプ等の機器とホース類を接続する結合金具に関する。
従来、日本工業規格(以下、JISと呼ぶ)のB 8210-2009「蒸気用及びガス用ばね安全弁」に代表されるように、蒸気やガスのラインにおいて移送流体の圧力が異常に高くなったときに器具や結合金具やホース等を破壊から守るために安全弁が使用されてきた。
しかし、この種の蒸気用及びガス用安全弁は、石油コンビナートの石油貯蔵タンクに火災が発生したときに使用する、泡消火液による大容量泡放水システム等への使用を想定したものでない。
ところで、石油コンビナートでは、大型な石油貯蔵タンクが数十基装備されていることが多い。石油貯蔵タンクの大きさの一例を述べると、そのタンクの直径が83m、高さが24m、容量が12万キロリットルである。このように大型な石油貯蔵タンクにおいて火災が発生した場合、従来の消防ポンプ、消防ホース等を含む消防設備では十分に対応できなかった。既存の消防設備では、放水量が最大2,000(L/min)程度であり、大型な石油貯蔵タンクの火災に到底対応できない。また、大規模な石油コンビナートの火災には10,000〜30,000(L/min)の大容量泡放水システムが必要であるといわれている。
このように大規模な石油コンビナートの火災を想定した場合、大容量泡放水が要求されることは当然のことながら、水源から石油貯蔵タンクまでの距離が何kmもの遠距離になることもあり、その長距離を送水ホースによって大容量の水を移送することになる。
しかし、大容量の水を遠距離送水すると、当然のことながら送水ホースの圧力損失が極めて大きい。
そこで、移送中の圧力損失をできるだけ少なくするために送水ホースの大口径化、結合金具の大口径化(呼称300、呼称200)が要求される。さらには、送水ホースによる送水経路の途中に送水ポンプ、加圧ポンプを設置し、所定の圧力に再加圧しながら末端の放水砲まで導く。
図11は大容量泡放射システムの一例を示している。同図11中、符号11は海や湖等の水源を示し、符号12は陸地を示す。符号13は水源11から数km離れたところにある石油コンビナートの火災現場である石油貯蔵タンクを示す。水源11には水中ポンプ14が設置され、この水中ポンプ14は陸地12に設置された発動発電機15によって駆動される。陸地12には送水ポンプ16が設置されている。水中ポンプ14の吐出口17と送水ポンプ16の吸込み口18とは複数の送水ホース19によって接続されている。複数の送水ホース19を使用するために水中ポンプ14には例えば4個の吐出口17が設けられている。また、送水ポンプ16には例えば4個の吸込み口18が設けられている。これら吐出口17と吸込み口18は、例えば口径が6インチであり、長さが10mの4本と長さ調整用3mの4本の送水ホース19によって接続されている。送水ポンプ16は送水経路21を介して火災現場の石油貯蔵タンク13に近く、かつ送水ポンプ16とは遠く離れた陸地12のところに設置された加圧ポンプ20に接続されている。
次に、送水ポンプ16と加圧ポンプ20とを接続する送水経路21について説明する。送水ポンプ16には複数例えば4個の吐出口22が設けられ、加圧ポンプ20には同じく複数例えば4個の吸込み口23が設けられている。送水ポンプ16の各吐出口22には例えば口径が6インチで、長さが50mの4本の送水ホース24の一端が接続され、これら送水ホース24の他端は第1のマニホルド25の吸込み側に接続されている。第1のマニホルド25は吐出側の口径が8インチであり、この第1のマニホルド25は長さが1000mの2本の送水ホース26の一端に接続される。送水ホース26の他端は第2のマニホルド27に接続されている。第2のマニホルド27の吸込み側は口径が6インチであり、第2のマニホルド27の吐出側には長さが10mの4本の送水ホース28の一端が接続され、これらの送水ホース28の他端は加圧ポンプ20の吸込み口23に接続されている。
また、図11中、符号29は、火災中の石油貯蔵タンク13の消火に使用する泡消火薬剤(原液)を収容したタンク30を搭載した原液輸送車であり、この原液輸送車29のタンク30には口径が3インチで長さが10mの2本のゴム吸管31の一端が接続され、そのゴム吸管31の他端は原液ポンプ32の吸込み口33に接続されている。原液ポンプ32の吐出口34は口径が2.5インチで長さが10mの2本の布ホース35の一端が接続され、これら布ホース35の他端は混合器36を介して前記加圧ポンプ20の原液吸込み口37に接続されている。混合器36において、前記水源11から吸い上げた水と例えば希釈倍率1%で使用する泡消火薬剤(原液)を混合して泡消火液を生成する。
また、加圧ポンプ20には複数例えば4個の吐出口38が設けられている。泡放水砲39のマニホルド40には複数例えば4個の接続継手(結合金具)41が設けられている。加圧ポンプ20の各吐出口38と泡放水砲39のマニホルド40の吸込み側の各接続継手(結合金具)41との間は例えば長さが20mの4本の送水ホース42によって接続される。そして、泡放水砲39から大容量泡を火災現場(石油貯蔵タンク)13に向って放水して消火する。
各送水ホース24,28,42等はそれらの両端部にそれぞれ接続継手(結合金具)43を設けてこれらの接続継手43を介してポンプ類と着脱可能に接続される。また、消火活動の状況に応じて送水ホース24,28,42の本数を増減できるようになっている。送水ポンプ16及び加圧ポンプ20の吐出口22,38にはバルブ44を介して接続継手(結合金具)43が設けられている。
ところで、前述の大容量泡放水システムによる消火作業では該システムの作動状態を監視する体制が取られている。何らかの原因によって接続継手43と送水ホース24,42との接続部から水漏れが生じたり、接続継手43自体が破損して水漏れが生じたりする事故があった場合、例えば、泡放水砲39に最も近いマニホルド40の接続継手41に接続されている4個の接続継手43のうち、1個が破損して水漏れが発生した場合には、放水砲39を操作していた作業者が指揮官へ状況を報告し、指揮官が無線等によって加圧ポンプ20を監視している作業者へ、ポンプ回転を落としてから停止すると共に送水ポンプ16と水中ポンプ14が停止してから水漏れしている送水ホース42を含む4本のホースに接続されている4個のバルブ44を閉じるよう指示する。直ちに送水ポンプ16を監視している作業者へポンプ回転を落としてから停止するよう指示するとともに、水中ポンプ14を監視している作業者へも送水ポンプ16が停止したら水中ポンプ14のポンプ回転を落としてから停止するように指示する。この場合、指示を受けた加圧ポンプ20を監視している作業者が、送水ポンプ16と水中ポンプ14が停止してから水漏れしている送水ホース42を含む4本のホースに接続されている4個のバルブ44を閉じれば特に問題は生じないが、慌てて送水ポンプ16と水中ポンプ14が回転しているうちに4個のバルブ44を直ちに閉じると、送水ホース28,26,24等に送水ポンプ16等の定格圧力(静圧)ではない動圧による高圧なウォーターハンマーが加わり、送水ホース28,26,24等が破損することがあり、また、これらのホースに取り付けていた結合金具43を破損させたりする虞がある。
これら操作の不手際によって送水ホース24,26,28,42等は前述のような高圧が加わることを想定して実際にはある程度耐圧力を高くしている。しかし、耐圧力が高い送水ホース24,26,28,42は高価になるとともに送水ホース自体が重くて硬くなり、送水ホースの取扱い操作を難しくするという問題を招く。
また、この種の大容量泡放水システムにあってはその送水ラインが数十本のホースを接続して構成される。そして、安全弁が流体の圧力が高いポンプの近くに位置するマニホルド等に取り付けられている。吐出口や吸込み口等のバルブを急激に閉めたときなどにウォーターハンマーが発生し、バルブの水源側圧力が送水時の2〜3倍程度に上昇することがある。しかも、送水ラインの途中での圧力低下を解消するために送水ラインの途中に複数のポンプを組み込んでいる場合にあっては各ポンプ間の連携不足等によってもウォーターハンマーが発生し易い。バルブも送水ラインの色々な所に多数取り付けられている。したがって、送水ライン上のいたるところでウォーターハンマーが発生する虞がある。
以上のように、送水ラインに異常な高圧力が発生したときに放水器具や結合金具またはホース等を破壊から守り、人身事故を回避するために安全機構付きの結合金具が提案されている(日本特許第4834423号公報)。この安全機構付き結合金具(接続継手)50の例を図12に示す。これは結合金具50の本体に安全弁(圧力弁)を取り付けるようにしたものである。つまり、結合金具50の筒状の結合金具本体51の途中に側方へ突き出す分岐管52を設け、この分岐管52に後述する安全弁80を取り付ける構造であるので、分岐管52及び安全弁80は結合金具本体51の軸方向に対して直角な側方へ突き出す部分に組み込むので安全機構付きの結合金具全体がT字状形に嵩む構造になる。
また、図12に示すように、結合金具本体51の両端には同一の構造の結合部金具57a,57bを組み込み、これらの結合部金具57a,57bはそれぞれ筒本体58を備える構造である。各筒本体58はいずれも円筒形をなしており、その外方端部にはゴムパッキン等のシール部材59が取り付けられている。これらの結合金具57a,57bは同一構造の他の結合金具50のものと軸方向において互いに嵌合して結合されるようになる。そして、これらの結合金具相互が結合したとき、シール部材59が互いに衝合され、外部に対してのシール性を維持しながら各筒本体58内に形成された流体通路78を互いに連通させるようになる。
各結合部金具57a,57bには筒本体58に被嵌された結合環61が設けられ、この結合環61の外方端部には複数例えば9個の嵌合凸部70が一体に突設されている。これらの嵌合凸部70は周方向に等間隔に配列され、シール部材59より軸方向外側に突き出している。これらの嵌合凸部70の間の領域は嵌合凹部71となる。これらの結合部金具57a,57bが軸方向に衝合された場合、一方の結合金具57aの嵌合凸部70が他方の結合金具57bの嵌合凹部71内に嵌り込み、また、他方の結合金具57bの嵌合凸部70が一方の結合金具67aの嵌合凹部71内に嵌合し、互いに雄雌のない相補形に嵌合する。
また、嵌合凸部70の一方の側面70aには段形鉤状の係止鉤部72がそれぞれ形成されており、これらの係止鉤部72は互いに相手側の嵌合凸部70の係止鉤部72と周方向において互いに係合する。
また、これらの嵌合凸部70の係止鉤部72を設けた側面とは反対側に位置する側面にはそれぞれ付勢機構73が設けられている。これらの付勢機構73は鋼球74と、この鋼球74を突出方向に付勢するスプリング(図示せず)とから構成されている。したがって、嵌合凸部70が相手側の嵌合凹部71内に嵌合されると、鋼球74が互いに当接して互いに押圧して付勢し合い、これら嵌合凸部70の他方の側面を互いに離反するように付勢する。この結果、これら嵌合凸部70における係止鉤部72を設けた側面が互いに近接するように付勢されるために各係止鉤部72は互いに係合する。
前記分岐管52の先端部には、分岐管52の管内圧力が設定圧を超えたとき、内部流体を外部に放出させる安全弁機構としての安全弁(圧力弁)80が設けられている。この安全弁80の弁本体81は結合金具82を介して分岐管52の先端に着脱自在に取り付けられる。弁本体81には内方へ突き出す弁座84の部材と弁体86が設けられ、この弁体86は結合金具50内に形成される流体通路78の圧力が異常な高圧になったときに開き、流体通路78を外部に対し開放する。
弁体86には上方に突出する弁棒87が設けられ、この弁棒87は弁本体81の頂部に形成した雌ねじ部88に螺合した調節ねじ部材89の貫通孔90を貫通しており、その調節ねじ部材89に対して軸方向へ進退自在に支持されている。調節ねじ部材89の下面と弁体86の上面との間には弁棒87に巻装されたコイルばね91が圧縮状態で介在し、そのコイルばね91の付勢力は調節ねじ部材89を回してこれの上下動位置を定めることで弁体86が開放するときの設定圧を調節できる。弁本体81の周壁には外部に通じる逃げ孔92が設けられ、これを通じて流体通路78と外部とが連通可能である。
そして、流体通路78の泡消火液等の液圧が設定値を超えたとき、コイルばね91の付勢力に抗して弁体86が押し上げられ、弁座84から離れることにより、流体通路85を流通する泡消火液等の一部が逃し孔92を介して外部に放出し、流体通路78を流通する液圧を低下させる。したがって、他の消防ホースや結合金具等に設定値を超える大きな液圧が加わることがない。
特許第4834423号公報
上述した安全機構付き結合金具では結合金具本体の部分と安全弁の部分とが略T字状に分離して配置される形となり、特に安全弁の部分は結合金具本体とは別個の嵩張る機構部として結合金具本体の側方に突き出すように配置されるので結合金具全体が大きくなって嵩む。また、外観形状がT字形状になっているので設置する際の向きも上下に特定される。したがって、この安全機構付き結合金具を送水ライン上のいたるところに簡便に取り付けることが難しいものであった。しかも、結合金具本体に安全弁の部分が別個の機構部として取り付けられる複雑な構造になる結果、製造コストも高くなるという欠点があった。
一方、この種の接続金具が使用中に破壊し、接続金具同士の結合が離脱すると、重い接続金具類が勢い良く飛ぶことになり危険である。このような事態はホースが破断して流体が流出する事態よりも遥かに重大である。
このようなことから、安全機能を備えた簡便かつコンパクトであって利用し易い構造の結合金具の出現が求められていた。また、この種の結合金具としては、その流体通路を確保して圧力損失を少なくする要望が強く、このため、結合金具に接続されるホースや配管の内径と略同じ流体通路78を確保するように結合金具の本体を構成することが望まれる。
そこで、発明者は、結合金具として、この結合金具に接続されるホースや配管等の内径と略同じ流体通路を確保し、かつ圧力損失を少なくできるように結合金具を構成し、しかも、結合金具の強度等も考慮しながら安全弁組込み型の結合金具を提案する。
また、上述した大容量泡放水システム等で大口径の結合金具を使用した場合、移送流体が異常で高圧な状態になった場合に結合金具が破壊する等して結合が外れると、重たい結合金具が勢いよく飛び、その結合金具が人に当ると重大な人身事故になる虞があることから、例え異常事態が発生し、移送流体の圧力が使用圧や試験圧力を超えて上昇しても結合金具が使用中に外れることを回避すること、つまり、結合金具の安全弁機能が確実に作動して、結合状態を維持しながら流体をリークさせて圧力の低減化を図ることが必要である。また、流体噴出口等から噴出する流体によって異常事態を作業者等に警告することも必要がある。
そして、本発明は、使用中、何らかの原因によって結合金具やホース等に高圧力が加わっても結合金具における結合状態を維持しながら、結合金具自体のシール部にリーク路を必要量開放して圧力の低減化を図り、結合金具自身とシステム全体の安全性を高めることを目的とする。また、本発明は、リーク路から放出する流体により異常事態の発生を作業者等に警告することができる結合金具を提供することを目的とする。さらに、本発明では、結合金具が極力軽量コンパクトであり、シンプルな構造によって従来金具と大差ない価格の安全弁機能を有する本結合金具を提供できるようにすることを目的とする。また、従来の結合金具を本結合金具に置き換えることも容易に出来る程の軽量化や簡略化またはコンパクト化が達成でき、また、安価に結合金具を提供できるようにすることを目的とする。
本発明の結合金具は、ホースやパイプの管類相互または管類と他の機器とを結合する結合金具において、内部に流体通路を形成した結合金具本体と、
前記結合金具本体の端部に設けられたストッパ壁部と、
前記結合金具本体の端部に設けられ、結合相手の結合金具との結合状態において、前記結合金具本体の前端部分に形成されているシールリング部と、前記結合相手の結合金具における結合金具本体の前端部分に形成されているシールリング部との間を閉塞するシール部材と、
前記結合金具本体の外側に配置され、前記シール部材を設置した前記端部に前記結合相手の結合金具おける結合部に係合するための結合部を有した結合部本体と、
前記結合部本体に設けられ、前記シール部材が位置する前方から前記ストッパ壁部に突き当たる突部と、
前記結合部本体に設けられ、前記ストッパ壁部の後方に位置したばね受け部材による受け部と、
前記結合金具本体の外側において前記ストッパ壁部と前記受け部との間に軸方向に圧縮されて配置され、前記結合部本体の前記結合部を前記結合相手の結合金具における前記結合部に係合させた状態において、前記シール部材により前記双方のシールリング部の相互間を閉塞するように、前記結合部本体を前記結合金具本体に対し軸方向の後方へ向けて付勢する収縮部材と、
を備え、前記流体通路内の流体の圧力が異常に上昇したときに前記収縮部材を収縮させて前記結合金具本体を前記結合部本体に対して軸方向へ後退させることで、前記双方のシールリング部の相互間において、前記シール部材の閉鎖状態を開放状態とし、前記流体通路内の圧力流体を外へ放出するリーク路を形成することを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生する弾性部材であることを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生するコイルばねであることを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生する皿ばねであることを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら塑性変形する部材であることを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する中空部材であることを特徴とする。
本発明の結合金具は、前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する中実の部材であることを特徴とする。
本発明の結合金具は、両端部に結合相手の結合金具の結合部に結合可能な結合部を設け、内部に流体通路を形成した結合金具本体と、前記結合金具本体の端部に前記ストッパ壁部と前記シール部材と、前記結合金具本体の外側に前記結合部を有した結合部本体と、前記結合部本体に前記突部と前記受け部と、前記結合金具本体の外側に前記収縮部材と、を備え、前記管類相互または管類と他の機器の間に媒介金具として組み込んだ前記結合金具が、前記流体通路内の流体の圧力が異常に上昇したときに、前記流体通路内の圧力流体を外へ放出するリーク路を形成することを特徴とする。
本発明では安全性を最優先し、異常圧で安全弁が作動した場合には安全弁が元の状態に戻らなくてもよいとの条件でも可能と考える。また、本発明の各請求項に係る結合金具の使用流体としては水または海水等の液体を主に想定し、また、本発明の結合金具はホース等による一つの圧送システムに用いられる全ての結合金具、または主要な結合金具に使用することを想定することができる。また、大容量泡放水システムに結合金具を使用する場合、例えば、本結合金具が最低でも10組以上(4本繋ぎのホースを並列に2列使用の場合で結合金具10組)使用されることを想定した。
本発明によれば、使用中、何らかの原因によって結合金具やホース等に異常な高圧力が加わっても結合金具における結合状態を維持しながら、結合金具自体のシール部にリーク路を必要量開放して圧力の低減化を図り、結合金具の安全性を高める。
また、流体の圧力が異常に上昇したときに結合相手のシール部材から離反するシール部材と結合相手のシール部材との間に形成されるリーク路から流体を外へ噴出させる流体噴出口を前記結合部本体に設けたものではそのリーク路から放出する流体を流体噴出口から噴出させることにより異常な事態を顕在化させ、作業者等に警告ができる。
本発明は、使用中、何らかの原因によって結合金具やホース等に高圧力が加わっても結合金具における結合状態を維持しながら、結合金具自体のシール部にリーク路を必要量開放して圧力の低減化を図り、結合金具自身とシステム全体の安全性を高める。
本発明は、リーク路から放出する流体により異常事態の発生を作業者等に警告することができる結合金具を提供する。
本発明は、結合金具が極力軽量コンパクトであり、シンプルな構造によって従来金具と大差ない価格の安全弁機能を有する本結合金具を提供できる。
本発明の一実施形態における一対の結合金具をその一部を断面して示す側面図である。 同じくその実施形態の結合金具における結合部の構成を示す説明図である。 同じくその実施形態における一対の結合金具を結合するときの結合部の状況を示す説明図である。 同じくその実施形態の結合金具においてその安全機能が作動したときの結合部とシール部との状態を示す説明図である。 同じくその実施形態において一対の結合金具を結合した場合でのシール部材付近を示す断面図である。 同じくその実施形態において一対の結合金具を連結して流体移送中のシール部材付近を示す断面図である。 同じくその実施形態において一対の結合金具を連結した使用時に異常で過大な圧力流体を放出する際のシール部材付近を示す断面図である。 同じくその実施形態において一対の結合金具を連結した使用時の異常で過大な圧力流体を放出した後のシール部材やシールリング部を示す断面図である。 本発明の他の実施形態における一対の結合金具をその一部を断面して示す側面図である。 他の実施形態における結合金具の弾性部材として使用した皿ばねの縦断面図である。 他の実施形態における結合金具の弾性部材として使用する複数の皿ばねを組み合わせるパターンの例を示す縦断面図である。 本発明の更に他の実施形態における一対の結合金具をその一部を断面して示す側面図である。 図9に示した実施形態の変形例における一対の結合金具をその一部を断面して示す側面図である。 従来の大容量泡放水システムの概略的構成を示す説明図である。 安全弁機構付き結合金具の一部を断面して示す側面図である。
図1乃至図5は、本発明の一実施形態の結合金具を説明するための図面である。図1は例えば大容量泡放水システムにおけるホースや管類を接続する接続継手として使用する一対の結合金具を一部断面して示す側面図であり、図2はその一対の結合金具の結合部が結合した状態を示す説明図である。
一対の結合金具100は互いに前後反転した同一の構造であり、後述する結合部110を雌雄の区別のない同一の構造のものとしている。各結合金具100はそれぞれ略円筒状の管状部材からなる結合金具本体101を備える。この結合金具本体101は例えばアルミニウム合金やチタン合金等の金属材料で鍛造や引抜または押出等によってそれの概略な形状に作り、この物を切削加工等によって最終的な形状に仕上げ加工することで一体に作られている。通常の鋳物等の鋳造品は一般に伸びが小さく靱性が乏しいので不適な場合が多いので、本実施形態での結合金具本体101では通常の鋳物等の鋳造品を使用しなかった。ここでの結合金具本体101は一体に作られている。
図1に示すように結合金具本体101はその管状部内空間を該結合金具本体101の中心軸Oに沿う流体通路102としている。結合金具本体101の軸方向の一端部(結合部110の位置を前方としたときの後方側に位置する端部)の外周面には凹凸が形成されており、この部分はホース類を取り付けるための装着部103となっている。この装着部103に対してホース類を取り付ける場合にはそのホース類104を装着部103に被嵌した上で該ホース類を図示しないバインディング等で締め付けて装着部103にホース類104を固定的に取り付ける。
また、結合金具本体101の他端部つまり結合する相手の結合部110に向き合う前方側に位置する端部の外周にはいわゆる結合環としての略円筒状の結合部本体105が結合金具本体101に被嵌する状態で取り付けられている。この結合部本体105の材料にも前記結合金具本体101の材質と同様、例えばアルミニウム合金等の金属材料が用いられる。結合部本体105は後述する結合部110の部分を含めて、例えばアルミニウム合金やチタン合金等の金属材料で鍛造や引抜または押出等によって概略形状に作り、この物を切削加工等によって仕上げ加工することで作られている。ここでの結合部本体105は一体に作られている。
なお、通常の鋳物等の鋳造品は一般に伸びが小さく靱性が乏しいので不適な場合が多いので上述した結合金具本体101の場合と同様、この結合部本体105にあっても、通常の鋳物等の鋳造品を使用しなかった。また、本実施形態での結合金具本体101及び結合部本体105の材料は、JIS H 4140-1988「アルミニウム又はアルミニウム合金鍛造品」のA5056TEを使用しており、その実測値は引張強さ321N/mm2、伸び22%である。
ここでの結合金具100はその安全弁駆動機構部を結合金具本体101の内側領域に配置せずにその結合金具本体101の外側(外周側)領域に近接して極力密に配置する形態としてその結合金具本体101内に流体通路102を大きく確保できるようにした。また、本実施形態ではその安全弁駆動機構部の駆動手段を圧縮により収縮する部材を採用し、特にその収縮部材をコイルばねとしている。
そこで、図1に示すように結合金具本体101の軸方向先端部分の外周部に立ち上がり形成したストッパ壁部106を設け、このストッパ壁部106により結合金具本体101の外周に巻回して配置した収縮部材としてのコイルばね107の先端を受け止めるようにしている。一方、結合部本体105の先端部108は比較的肉厚に形成されて内方へ突き出しており、この先端部108の部分には後述する結合部110を形成する。
また、先端部108はストッパ壁部106に突き当たる突部となる。そして先端部108の後背壁面が前記ストッパ壁部106の前壁面に当たり結合部本体105の後方への終端位置が決まる。結合部本体105の後端部には、環状の受け部材109がねじ込み取着され、このばね受け部材109にはコイルばね107の後端が突き当てられるようになっている。
本発明に係る説明において、結合金具本体等の用語において、金具という語句を含めた名称を用いているが、その金具という語句は、その材料を金属に特定することを意味しない。本発明に係る説明において、金具の語句は機能的意味において使用しており、金属以外の材料であっても、強度等の特性において使用可能であれば、金属以外の材料、例えば繊維補強樹脂等の複合材等も含む。
結合部本体105は結合金具本体101の外周に被嵌して装着され、コイルばね107はその結合金具本体101の外周面と結合部本体105の内周面との間に形成される空間において結合金具本体101に対し同軸的に配置される。コイルばね107は結合金具本体101のストッパ壁部(ストッパ部)106と結合部本体105の受け部材109との間に圧縮された状態で装着され、結合部本体105を結合金具本体101に対し軸方向の後方へ向けて付勢する。結合部本体105は結合金具本体101に対し軸方向に後退させる向きに付勢されているので、一対の結合金具100を結合させない状態では図1で示す後退位置にある。また、結合部本体105はコイルばね107の付勢力に抗して結合金具本体101に対して先端部108がストッパ壁部106に当たる図1で示す待機位置から結合位置に向かっての前方への移動が可能である。
このように安全弁組込み型の結合金具100は図1で示すようにその安全弁駆動機構部を結合金具本体101の内側領域ではなくその結合金具本体101の外側(外周側)領域に配置した形態であるから結合金具本体101内に流体通路102を大きく確保できる。
ここでの実施形態ではその結合金具本体101の軸方向一端側のみに結合環としての結合部本体105を設け、結合金具本体101の軸方向の他端側部分を、ホース類を取り付ける取付け部103としているが、結合金具本体101の両端に結合部本体105を設けるようにしてもよい。結合金具本体101の軸方向の他端側部分を、ホース類を取り付けるための取付け部103の代わりに他の結合金具の結合部に結合可能な結合部を設ける装着部103とする。このように結合金具100の両端に結合する部分を設けると、この結合金具100を媒介金具として使用できるので、既に運用されている大容量泡放水システム等の既存システムに対しても、管類相互または管類と他の機器との間に媒介金具として組み込むことが可能になる。よって、既存システムに対しても、後から簡単に組み込むだけで安全弁機能を付与出来ると云う効果を得ることが出来る。
また、結合金具本体101の先端部のリング領域部分にはシール部材133を配置した。ここでは弁体となる結合金具本体101の先端リング領域部分やシール部材133の弁部としての部分の径を大きく形成できるので流体通路102の径を大きく確保できる。したがって本形態によれば送液流量を確保できるとともに同時に送液する際の圧力損失を低減できる。
前記一対の結合部本体105はいずれもその先端部108に結合部110が形成される。結合部110は雌雄の区別のない同一構造になっており、互いに相補形の構造になっている。また、結合部110はそれぞれの結合部本体105と一体に形成されているが、両者を別部材でそれぞれ構成して両者を連結するように構成した構造でもよい。
前記結合部110は図1に示すように先端部108の前端部分にその周方向へ等間隔で複数例えば12個の嵌合突部111を一体に突設し、それらの嵌合突部111の間をそれぞれ嵌合凹部112としている。嵌合突部111と嵌合凹部112の組が30°の範囲に設けられ、全周にわたり12組のものが配置される。
そして、一対の結合金具100を互いに軸方向において衝合させた場合、図2に示すように一方の結合部本体105の嵌合突部111が結合相手の結合部本体105における嵌合凹部112内に嵌合し、結合相手の結合部本体105の嵌合突部111が結合部本体105の嵌合凹部112内に嵌合して互いに相補的に嵌合するようになる。ただし、嵌合凹部112の周方向の幅は同じ位置での嵌合突部111の幅よりもやや広く形成される。したがって、これら嵌合突部111は相手の嵌合凹部112内において図2に示す所定の量(G2)だけ周方向への回動が可能である。
図2に示されるように、嵌合突部111の周方向の一方側に位置する側面111aは結合部本体105の軸方向に略平行な面として形成される。嵌合突部111の前記周方向の他方側に位置する側面111bは結合部本体105の軸方向に対して嵌合突部111の先が狭くなるように傾斜している。各嵌合突部111はその先端側ほど周方向の幅が狭くなる勾配を片側面に形成する。したがって嵌合凹部112はこれに嵌合する嵌合突部111の形状に合わせてその奥部に行くに従って周方向の幅が狭くなる。
図2に示すように、嵌合突部111と結合相手の嵌合凹部112が互いに嵌り合う状態において、前記嵌合突部111の先端面と嵌合凹部112の奥壁面との間には間隙G1が形成される。したがって、後述する如く、係止鉤部113をオーバーハング状に傾斜させても、それら係止鉤部113同士を係脱させ易い。前述したように前記嵌合突部111の背面と嵌合凹部112の背面との間にも間隙G2が形成されているため、後述する係止鉤部113が互いに噛み合う状態と、その係合を外せる後退位置との距離が確保できる。また、嵌合突部111と嵌合凹部112とは係止鉤部113が互いに係合する位置以上に軸方向へ進入させることと軸まわりの回転が可能である。したがって、係止鉤部113相互の係合及び離脱の操作が可能となる。
図2に示すように、各嵌合突部111の一方(結合部本体105の軸方向と略平行に形成されている方)の側面111aには段形鉤状の係止鉤部113が形成されている。これらの係止鉤部113は嵌合突部111が相手側の嵌合凹部112内に奥まで嵌合させて結合部本体105を互いに周方向へ回動させたときに係脱できる。つまり、一対の係止鉤部113を近接させることで対応する係止鉤部113同士が互いに周方向において噛み合って図2に示す状態で係止する。そして軸方向において互いに引き離される向きに外れないように結合部110同士が結合する。
また、図2に示す如く、前記係止鉤部113の係止面113aは結合部本体105の周方向に対して所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しており、係止面113aを傾斜させることで、一対の係止鉤部113同士が係合した状態での噛み合いの係合力が高まる。
送水使用時、結合した一対の結合金具100における各結合金具本体101には移送水の水圧等により互いに引き離される向きの軸方向の荷重が加わる。この軸方向の引張り荷重は結合金具本体101から結合部本体105に伝わり、更に互いに係止し合う結合部本体105の係止鉤部113相互に伝わる。上述したように係止面113aが所定の角度だけオーバーハング状に傾斜させているので互いに係止し合う係止鉤部113に互いに深く係止し合う向きの周方向への回転力を発生させる。この回転力によって係止鉤部113相互はより一層強く係合するとともに結合した一対の結合部本体105の抜けや外れ等を防止する。
図2に示すように、各係止鉤部113の根元部には応力集中を防止するための丸みのある切欠き孔(湾曲部)115が形成され、この切欠き孔115の開口領域は後述する流体噴出機能を奏する流体噴出口116となる。嵌合突部111の先端角部も円弧状に形成され、この円弧状の部分は嵌合凹部112と嵌合する際のガイド部117となる。嵌合凹部112の根元部分も同様に円弧状の丸み118が形成されている。これらのガイド部117及び丸み118は嵌合突部111と嵌合凹部112が嵌合する際に互いに当接して嵌合する際に嵌合突部111と嵌合凹部112の噛み合わせをガイドする機能を発揮する。ガイド部117及び丸み118を形成したので各係止鉤部113の根元部における応力集中を防ぎ、係止鉤部113を含む嵌合突部111や嵌合凹部112を備える結合部110の強度を高める。
嵌合突部111の他方の傾斜した側面111bの部位には付勢機構120が設けられている。この付勢機構120は図2に示すように円筒形のケース部材124内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球125と、この鋼球125に突き出す方向の付勢力を与えるためのスプリング126とを備えてなり、いわゆるボールプランジャーを構成している。また、鋼球125の一部は側面111bから突き出すように配置される。したがって、図3(a)に示すように嵌合突部111が相手側の嵌合凹部112内に嵌め込む際には鋼球125が互いに当接して押圧し合い、嵌合突部111同士が互いに離反する向きに付勢される。その結果、嵌合突部111の一方の側面111a同士を互いに近接さる向きに嵌合突部111をそれぞれ付勢し、この付勢力で各係止鉤部113を図3(b)に示すように係合させる状態に維持する。また、付勢機構120は嵌合突部111をそれぞれ反発する向きに付勢しているので、結合金具100同士を結合させる際に係止鉤部113を係合する状態まで誘導する作用も同時に発揮する。そして、付勢機構120による付勢力は係止鉤部113同士が係合した後もその係止鉤部113同士をその係合状態に維持する。
一方、図1に示すように、前記結合金具本体101の前端部分に形成されているシールリング部131にはシール部材用嵌込み溝132が形成されている。シール部材用嵌込み溝132は結合金具本体101の軸方向の前方へ向いて開口しており、また、シール部材用嵌込み溝132は結合金具本体101の軸に対して同心状に配置されている。本実施形態では結合金具本体101とシールリング部131とが一体に形成される。しかし、結合金具本体101に別部材のシール部材用取付け部材を取り付け、この別部材の取付け部材に前記シール部材用嵌込み溝132を形成する構成でもよい。
前記シール部材用嵌込み溝132には弾性材料からなる環状のシール部材133が取り付けられている。ここでのシール部材133はリップシールタイプのものである。シール部材133の一部である基部133aを嵌込み溝132に差し込んでシール部材133を取り付ける。また、シール部材133は図5Dに示されるように基部133aから前方へ伸びて内方へ向けて屈曲したリップ状先端部133bを有する。シール部材133はそのリップ状先端部133bの前方に向く面を結合相手の結合金具のリップ状先端部133bに向き合う接触面(衝合面)133cとしている。
図5Dに示されるようにリップ状先端部133bの接触面133cは径方向の内側がより前方へ突き出すように傾斜したテーパ状に形成されているので結合金具100を結合させる前のフリーな状態では接触面133cの内方側がより前方へ突き出すように傾斜したテーパ状にある。図5Aに示す一対の結合金具100を結合した状態では接触面133bの先端付近のみが衝合し、その最先端付近(径方向の内側)が一番強く互いに押し当たる。図5Aに示すところのリップ状先端部133bの状態が一対の結合金具100の組み付け位置であり、結合金具を結合して流体移送前の状態である。
また、流体移送時にはリップ状先端部133bにその内側から流体の圧力(例えば1.3MPa)が加わるので、リップ状先端部133bは図5Bに示す如く外向きに押されて弾性的に変形し、流体圧力に応じて接触面133c同士を強く全面的に衝合させる状態となってシール性を高めている。つまり、リップ状先端部133bが閉止状態にあるときにそのリップ状先端部133bの頂部付近(径方向の内側)の接触面133cが一番強い面圧で互いに接触し合い、リップ状先端部133bの間から外へ流れ出る流体の漏れを防止する。
また、図5Aに示すように、嵌込み溝132の開口縁において、リップ状先端部133bが内側へ向けて屈曲する部分に対応した内側領域部分が結合金具本体の外周領域部分に比べて後退している。これによって、リップ状先端部133bが内側へ屈曲するための空間領域を確保し、更に嵌込み溝132の開口縁の外側領域部分でリップ状先端部133aの腰部を受け止める受止め部132cを形成する。
また、嵌込み溝132の開口端周縁にはその開口部中央に向けて突き出す突部132dが形成されている。この突部132dは嵌込み溝132に嵌め込んだシール部材133の基部133aが抜け出ないように阻止する。突部132dは嵌込み溝132の開口周縁に部分的に設けても開口周縁の全周にわたり環状に形成してもよい。
ところで、一方の結合金具100のシール部材133は結合相手の他方の結合金具100のシール部材133を弁体とみれば弁座となり、他方のシール部材133を弁座と見れば弁体となる関係にある。つまり、各シール部材133は互いに安全弁の弁体と弁座の相補な関係にある。各シール部材133は同一形状であって、これらのシール部材133を互いに突き合わせる安全弁の弁134となる。また、シールリング部131とシール部材133が一体的になってそれら両者が弁体または弁座になるという関係と見做すこともできる。各シール部材133は一対の結合金具100が互いに結合するときのシール部でもある。
また、図2に示される如く、一対のシール部材133を前記結合部110との関係で見ると、それらシール部材133の接触面(シール面)133c同士が突き当る衝合位置は嵌合突部111及び嵌合凹部112の途中である嵌合部位の中間に位置する。この位置は係止鉤部113の係止面133aの係止領域の中央でもある。つまり、互いに係合した一対の係止鉤部113の中央部と互いに接触するシール部材133の接触面133cの衝合面とが一致する。また、一対の係止鉤部113の係合した部分は一対の係止鉤部113の切欠き孔(湾曲部)115によって形成する一対の流体噴出口116の中間に位置する。更に各シール部材133の接触面133cが衝合する面が嵌合突部111の背面と嵌合凹部112の背面との間に形成される間隙G2を横切る。
この間隙G2には付勢機構120の鋼球125が位置するが、移送する流体の圧力が異常で過大な高圧になり、リーク路138から圧力流体が外へ放出されるときに鋼球125は放出される流体の勢い(主に動圧)によってスプリング126の付勢力に抗してケース部材124内に押し込まれるため、間隙G2の部分に流体噴出口の有効領域を確保できる。この様に間隙G2の部分にも比較的大きな流体噴出口を出現させることが可能である(図4参照)。
一方、移送する流体の圧力が異常で過大な高圧になり、結合金具本体101に軸方向の引張り力が加わった際には結合部本体105にもコイルばね107を介してその引張り力が加わり、前述したコイルばね107を軸方向へ通常以上の所定量圧縮し、結合金具本体101のシールリング部131の間にリーク路138を形成する。つまり、コイルばね107は通常以上の過大な引張り力が結合金具本体101に加わったときに顕著に圧縮(収縮)され、結合部本体105に対して結合金具本体101を後退させる変形部材となる。結合した結合部本体105の間の距離は維持されながら一対の結合金具本体101の間が離れる結果、シールリング部131の間にリーク路138を形成する。
次に、結合金具100を使用したときの作用について説明する。まず、一対の結合金具100を結合する。図1に示すように各結合金具100の結合部105同士を同軸上で向き合わせて嵌合突部111を係合相手の嵌合凹部112に差し込むようにする。すると、図3(a)に示すように嵌合突部111と嵌合凹部112が互いに噛み合い、同時に付勢機構120の鋼球125が互いに突き当たって押し合って各嵌合突部111を周方向の反対向きに付勢する。このため、結合金具100を周方向へ回転させる操作を積極的に行うまでもなく、係止鉤部113同士が互いに係合する図3(b)に示す位置に誘導される。
なお、結合金具100が特に大型の場合には操作者がその結合金具100を周方向に回転操作させて係止鉤部113同士が係合する動きを補助することが好ましい。
図2に示す如く、一対の結合金具100を結合した状態では一対の結合金具100の各々のシール部材133が互いに当接している。具体的には図5Aに示すように各シール部材133のリップ状先端部133bにおける頂部が互いに当接して押し合う状態にある。そして流体を移送する通常時の内部圧力(流体圧力)の範囲では図5Bに示すように各リップ状先端部133bが内側からその圧力によって外向きに押される。このため、シール用接触面133cが全面的に当接してシール部材133の間をより強く閉塞するシール状態となる。
前述した如く、送水ラインの途中に設けたバルブ操作やポンプ間の連携不足等の種々の原因によって送水ライン中にウォーターハンマー等が発生する場合がある。送水ライン中に異常で過大な圧力が発生すると、その異常で過大な圧力を受けて結合金具100はその安全弁機能を作動させる。結合金具の使用圧(常用最大使用圧力のことであり、これは通常金具に表示されている。以下、本説明は省略する。)と、本発明で想定する異常で過大な圧力値との関係はその結合金具を使用するシステムに応じて相違する。例えば、大容量泡放水システムにおけるホースや管類を接続する接続継手として使用する場合、一般的に流体移送時の流体通路102内の使用圧(流体圧力)は1.0〜1.6MPa程度であり、試験圧力は1.5〜2.4MPa程度である。
なお、一般的に試験圧力は使用圧の1.5倍〜2倍程度であり、本発明で想定する異常で過大な圧力値は使用圧の3倍〜4倍程度(試験圧力の2倍程度)を想定している。
本発明の結合金具は、大容量泡放水システムにおけるホースや管類を接続する接続継手として使用しており、呼称300mm結合金具の使用圧は1.3MPaであり、試験圧力は使用圧の1.5倍強(2.0MPa)である。本ホース体の破断圧力は使用圧の2.5倍弱(3.0MPa)であり、本結合金具の安全弁機能における異常で過大な圧力値については使用圧の3.0倍程度(3.9MPa)で設定した。ホースの破断圧力に対して0.9MPaもの大きな余裕を設けた理由は、結合金具が破壊して金具が飛ぶという最悪の事態が迫っていないのに、安全弁機能が作動して本金具の変形部135または140が塑性変形してしまう事態を避けるためである。
次に、結合金具100の安全弁機能部134の具体的な作動について説明する。一対の結合金具100を接続したときのシール部材133は図5Aに示す状態にある。また、流体移送時は図5Bに示す状態にある。接触面133cの内方先端付近が一番強く、その接触面133cの略全体が押し当たる。そして移送流体の圧力に応じてシール部材133の間の押し当て力が相応に高まる。
ここで、何らかの原因で流体通路102内の圧力(流体圧力)値が極端に高まり、一定以上の異常で過大な圧力になると、その圧力に応じて一対の結合金具100には引き離す引張力が強くなる。この軸方向の引張力は結合金具本体101からコイルばね107を介して結合部本体105及び結合部110まで伝わる。この結果、コイルばね107が圧縮変形し、結合金具本体101は他方の結合金具本体101から軸方向に離れる。一方、シール部材133を保持した結合金具本体101の方は結合部110が連結状態にあるので実質的に移動しない。したがって、結合金具本体101の前端部に位置するシール部材133は結合部110に対して相対的に後退し、図2に示すシール状態から図4に示すリーク路138を形成する開放状態に変わる。つまり、シール部材133はいずれも結合部110に対して相対的に後退する。見方を変えると、結合部110の係止部分はそのシール部材133に対して相対的に前進したことになる。このときのシール部材133の後退量Rはコイルばね107の軸方向への圧縮変形量に対応する(図1参照)。そして、一対の結合金具本体101の各シール部材133が互いに離反してその間に生じる間隙によってリーク路138を形成する。一対の結合金具100は同じ構造の形態であるのでそれぞれの後退量Rは一致し、一対の結合金具100におけるシール部材133が相対的に離間した距離Lはそれぞれの後退量Rの和となる。
以上の如く、異常で過大な流体圧力が発生したときにシール部材133の間には2Rの幅(L)のリーク路138が出現し、このリーク路138は結合金具本体101の流体通路102に連通する。そして流体通路102内の異常で過大な高圧流体はそのリーク路138から後述する流体放出路を通じて結合金具100の外へ放出される。
この際、各シール部材133のリップ状先端部133bはリーク路138を経て放出される水流の勢いで捲れ、図5Cに示す形になることが多い。この場合もリップ状先端部133bの間に形成される隙間によってリーク路138を形成し続け、異常で過大な高圧流体が残存する限り、その高圧流体を結合金具100の外へ放出する。高圧流体がリーク路138を通じて結合金具100の外へ流出すると、流体通路102内の流体圧が急激に低下する。そして異常で過大な圧力が速やかに使用圧以下に低下し、異常で過大な圧力が解消され、流体通路102内の流体圧がそれ以上に高まることがない。
上述したように、流体通路102内の流体圧が異常で過大な圧力になると、安全弁機能部134が開き、流体通路102の高圧流体がリーク路138を通じて外へ流出し、流体通路102内での流体圧力を低下させる。このため、結合部110等が破損したり損傷したりすることがなく、一対の結合金具100は結合状態を維持することができる。
しかして、前記変形部135は流体通路102内の流体が異常で過大な高圧状態になったときに前記結合部110による結合相手との結合を維持している段階でコイルばね107が優先的に変形して各シール部材133の間にリーク路138を形成する。このため、安全弁機能部が安全弁(圧力弁)としての機能を発揮し、結合部110等の結合状態の破断による金具離脱の危険を未然に防止することができる。
ところで、本形態では図4に示すようにリーク路138から流体通路102内の異常な高圧の流体が外へ流出するとき、相対した2つのシール部材133の先端(弁体・弁座面)の離反距離は1つのシール部材133についてのリフト量の2倍となる。そこで、本形態では結合部本体105内のコイルばね107の圧縮変形の特性を、前記シール部材133の弁体・弁座(シール面)が相手側のシール部材133の弁体・弁座(シール面)から離反する全リフト量が、該結合金具100の流体流路102の最少内径の1/100以上となるまで結合部110の結合が破断せずにコイルばね107が軸方向へ圧縮変形するように設定した。これは弁体・弁座面でのリーク路138の流路面積(カーテン面積)が、この結合金具100に接続するホースや配管類の流路面積の4%以上と云うことを意味する。
一方、JIS B 8210-2009に規定される「揚程式安全弁」ではリフトが1/40以上であることが規定されており、このリフトが1/40と云うのは弁座流路面積(カーテン面積)がここでの結合金具100に接続するホースや配管類の流路面積(弁座部面積)の10%以上であることを意味する。よって、単独での警報用安全弁の放出面積は前述したJIS揚程式安全弁の2/5ということになる。このリーク路138の流路面積(カーテン面積)だけを考えれば、本形態での警報用安全弁が3組作動すれば、JIS揚程式安全弁以上の放出面積を確保できる。本形態ではいずれのシール部材133(弁部材)も移動するので片方のシール部材133での弁部材のリフト量は0.5/100ということになり、2つ合わせて1/100のリフト量を確保する。
ここでは、リップシールタイプのシール部材(パッキンリング)同士を互いに突き合わせてシールする形式としたが、このリップシールタイプのシール部材は流体圧力が非常に低いときは内圧によるシール部材(パッキンリング)同士の押し付け力があまり期待できないので金具結合時のパッキン位置を「シール部材同士が弁体・弁座口の径の0.7〜1/100程度で互いに押し付け合う位置」(呼称150〜400mm金具の場合)で設計する。よって、安全弁機能部134のリフトが1/100以上になると、シール部材133同士が互いに押し付け合っておらず、この状態で、異常で過大な高圧流体による内圧が加わった状態では各シール部材133がこの位置で図5Cに示すように実際に有効な隙間が流体通路102の最小内径の0.5/100以上(つまり流体がシール部から実際に放出されるカーテン面積が流体通路102の最小面積の2%以上)となる。
図5Cに示す、内圧によるシール部材133の反転現象は、各シール部材133同士の押し付けがなくなって隙間ができるまで発生しないのではなく、試験圧力を超えるような高圧の場合には金具結合時の各シール部材133が押し付け位置(弁座口の径の0.7〜1/100程度)の半分程度になると反転する。ここでの各シール部材133の押し付け位置とは各シール部材が変形しない接触位置を越えて互いに変形した位置を意味する。
本形態では、流体圧力が異常に上昇してコイルばね107が軸方向へ圧縮変形してシール部材133が軸方向にリフトし、シール部材133によるシール部分から流体が結合金具の外へ放出される。このとき、本結合金具の外へ放出されるリーク路138の面積を、本結合金具の流路通路102の最小面積の1%以上とすることができる。
普通の安全弁を使用する場合、一般的には、一つの安全弁で異常圧力を放出するようにするが、上述した大容量泡放水システムの場合のような大掛かりなシステムでは結合金具は最低でも10組の結合金具を用いるので、その場合はそれら全部の結合金具を安全弁機能付き結合金具とし、それらが圧力を放出する安全弁機能を発揮するようにする。このようにすれば、前記JIS B 8210揚程式安全弁の「弁体が開いた時の流路面積の中で弁座流路面積(カーテン面積)が最小となり、安全弁のリフトが1/40以上」という「実際の放出面積が弁座面積の10%以上」という意味の要求を満たす。この場合の警報用安全弁機能付き結合金具の個々に対する要求はその1/10とした(本結合金具10組合計で前記JIS揚程式安全弁の要求と同じになる。)。なお、JISでは警報用安全弁に対する放水量の定めがない。
本形態でのコイルばね107は、ばね受け部材109をねじ込むことによって、安全弁機能を作動させる圧力として設定した圧力(本発明で想定する異常で過大な圧力に対する安全を考えて設定した圧力)に対応した軸荷重を加えて圧縮してあるので、本設定圧力を超えるまでは収縮しない。そして設定した高い異常で過剰な圧力を超えるまではシール部材同士が突き当たり圧力流体の漏れを阻止している。設定した高い異常で過剰な圧力になると、そのコイルばね107は収縮変形が始まる(収縮部材は一旦変形すると、その後は弾性的に元に戻らないものでもよい。)。
流体通路102内における流体圧が異常で過剰な高圧になったときに図4に示すようにシール部材133の間が開き、リーク路138を形成する。このリーク路138の領域に係止鉤部113の切欠き孔115によって形成される流体噴出口116の部分が位置する。つまり、リーク路138の領域の一部と流体噴出口116の領域の一部が重なり合うため、リーク路138から流出する高圧流体はそのリーク路138から流体噴出口116を直線的に経て外まで勢いよく放出される。したがって、流体噴出口116を経て直線的に外へ流出する流体はその噴出途中で余計な抵抗を極力受けることなく結合金具の外へ噴出する。高くまたは遠くまで勢いよく飛ぶようにリーク流体を放出させることができるので放出する流体により異常事態を明確に顕在化する。よって、異常事態の識別力が高まり、これを見ての監視者や操作者等による異常事態の把握が容易になる。
また、係止鉤部113を設けた場所以外の結合部における隙間からも流体が放出する。特に嵌合突部111の側面で付勢機構120の鋼球125を配置した間隙G2の部分では比較的大きく開口しており、この間隙G2の開口領域にリーク路138が位置するので、この領域(流体噴出口)からも流体を噴き出すように放出させることができる。また、鋼球125は流体が噴出する際、高圧流体の放出流の勢いで図4に示す状態まで沈み込むので鋼球125は高圧流体の放出を大きく阻害せず、その部分に大きな流体噴出口を形成できる。
また、本実施形態での結合金具では、本呼称径300mmの結合金具でその円周12方向に切欠き孔115を設けているので、鋼球125のある部分を合わせて24方向という様に略全周方向に噴出流が発生する。したがって、結合金具の設置向きに拘わらず、いずれかのリーク噴出流を観察できるようになるのでその異常事態を認識し易い。最も流体噴出口116が円周方向に均等割りで3ヶ所あれば必ず1か所は上方30°以上の角度となるので十分に異常事態の顕在化に寄与できる。より好ましくは円周方向に均等割りで6か所以上あればよく、この場合には上方60°以上の角度となる。
以上の如く、各流体噴出口116を、流体が放射する噴出ノズルとしているので、その噴出流体を把握することが容易になり、異常事態の監視が容易であり、異常事態を知らせる監視及び警報機能を有効かつ顕著に発揮させることができる。更に、流体噴出口116から放射する噴出流体を遠くからでも直ちに気が付くことができる放出能力を付与できることから特に大がかりなシステム、例えば大容量泡放射システムで使用する場合に好適する。
また、本形態での流体噴出口116は係止鉤部113の部分への応力集中を防止するために形成した切欠き孔115を利用しているので流体噴出口116を別に設ける場合に比べて構成の簡略化が図れる。流体噴出口116をリーク路138に対応して別の位置に設けるようにしてもよい。
また、コイルばね107は設定した高い異常な圧力を超えるまでは収縮せず、通常はシール部材133同士を突き合せて流体の流出を阻止している。しかし、設定圧力を超えると、コイルばね107はリーク路138を形成するまで収縮する。そして、コイルばね107がリーク路138を形成するまで収縮すると、その後は元に戻っても戻らなくてもよい。元に戻らない場合は本収縮部材または本結合金具自体を交換する必要が生じる。この異常事態が実際に生じて作動する頻度は非常に稀であり、結合状態の破壊や損傷を防止できるので人命に係わる事故等の重大な事態を回避できることを考えれば、本収縮部材または本結合金具100自体を交換または破棄することでもやむを得ない。
本形態では、安全弁の弁体および弁座等を別体の構造として結合金具に組み込む必要がない。しかも、本形態では、結合金具100の構成要素である結合部及びシール部を基本的に変更することなく、結合部を形成する結合金具本体101と結合部本体105の間に収縮部材を組み込むだけで、安全弁機能を備えた結合金具とすることができる。
本形態では正常時に弁体のシール部材を押し付けて流体をシールする一方、移送流体が異常で過剰な高い圧力となったとき、結合部本体が破断せずにコイルばね107が軸方向に収縮することによってそれまで押し付けられていた弁体(弁座面)としているシール部材が相手の弁座面(弁体)としているシール部材またはシール部から離れて流体を外へ放出させるリーク路を形成するように構成して安全弁として機能させるようにしたので流体通路内の異常で過大な圧力の流体を放出する構成とするための特別かつ複雑な弁体装置をわざわざ別部材として結合金具に組み込む必要がなく、構成の簡略化が図れる。
尚、一対の結合金具の一方を大容量泡放射システムにおいてのマニホルドに設けた結合金具とし、その一対の結合金具で安全機構付き結合金具としてもよい。マニホルドに設けた結合金具にはコイルばね107を含む安全機構部を設けず、他方の結合金具100の方のみにコイルばね107を含む安全機構部を設けて前述した形態の場合と同様にリーク機能や警報機能を発揮させるように構成してもよい。この場合は流体通路102内の流体圧が一定以上の異常で過剰な高圧になると、大容量泡放射システムのマニホルドに設けた方の結合金具100ではシール部材133が軸方向へ移動しないが、他方の結合金具100の変形部135が変形し、この方のシール部材133のみが軸方向に移動してリーク路138を形成する。この場合、一方のシール部材133のみが後退するので各シール部材133相互の離反量はその一方のシール部材133の後退量Rであり、この一方のシール部材133の後退量Rに相応したリーク路138を形成する。したがって、リーク路138の幅は前述した実施形態の場合の略半分になる。
通常、結合金具の場合おいては出荷検査等で一時的に試験圧力(使用圧の1.5〜2.0倍)を受けた後、使用圧(常用最高使用圧力)以内で使用される。この範囲ではコイルばね107は圧縮(収縮)されず、通常以上の過大な引張り力が結合金具本体101に加わったときに圧縮(収縮)される。また、安全弁機能を備えた結合金具100の場合、試験圧を超える異常で過大な高圧(使用圧の3〜4倍以上)を想定して、安全弁機能が作動する圧力を任意に設定することが可能である。
図6乃至図8に基づいて、本発明の他の実施形態の結合金具における収縮部材を説明する。この実施形態では前述した実施形態のコイルばね107に代わりに圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する皿ばね150を収縮部材として使用したものである。ここでの皿ばね150は図7に示すように中心に孔151を開けた板152を円錐状に形成してなり、その円錐高さを低くする向きに撓ませることでばね作用が得られる。そして図8(A)に示すように複数の皿ばね150を同じ向きに一列に重ね合わせた並列重ねの2組の皿ばね群153,154を逆向きに直列に重ねてなる。この場合は、図7の皿ばね150(1個)に比べて荷重が3倍で撓み量が2倍になる。また、図8(B)に示すように皿ばね150を互い違いに逆向きに重ね合わせた複数の皿ばね群155を直列に重ねたものでもよい。この場合は、図7の皿ばね150(1個)に比べて荷重が同じで撓み量が6倍になる。(A)や(B)の例のように、複数の皿ばねの組み上げ形式を変えることで皿ばね全体としてのばね定数を変えることができるが、上述した機能を発揮する上で適する組み合わせを選択する。
図9は本発明の更に他の実施形態の結合金具を説明するための図面である。この実施形態では前述した実施形態のコイルばね107または皿ばね150に代わりに圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する中空の部材としてチューブ部材160を収縮部材として使用したものである。チューブ部材160はその中空な素材を円形に曲げてシームレス状態に繋いでも、中空な部材を円形に曲げてその部材の両端をシームレス状態に繋がずC型リング状に形成してもよい。なお、曲げ加工できない材料の場合は金型等を使用した成型加工を行う。この場合の材料にはばね鋼材やステンレス鋼等の金属やCFRPやAFRP等の繊維強化プラスチック等々を用いることが考えられる。
図10は本発明の更に他の実施形態の結合金具を説明するための図面である。この実施形態では前述した実施形態のチューブ部材160に代わり圧縮されるときに反発力を発生しながら変形または圧縮破壊する中実(無垢)の部材170を収縮部材として使用したものである。中実部材を円形に曲げてシームレス状態に繋いでも中実部材を円形に曲げて両端をシームレス状態に繋がずC型リング状に形成してもよい。なお、曲げ加工できない材料の場合は金型等を使用した成型加工を行う。また、この材料には錫やアルミニュウム等の金属やPMMAやPS等の樹脂等々の材料を用いることができる。
本発明での収縮部材は弾性的に収縮するものに限らず、圧縮されるときに反発力を発生しながら塑性変形する部材、または反発力を発生しながら圧縮破壊(崩壊)する部材であってもよい。もちろん、その材料には金属や樹脂等の種々の材料を用いることが考えられる。
本発明では、結合金具本体内の流体の圧力が異常に上昇したときに係合部同士が係止した状態で流体が使用圧力の3倍に高まり結合金具本体を互いに引き離す方向への軸荷重が加わったときにその荷重で流体放出路に通じるリーク路を形成するようにしてもよい。更には係止部が係止した状態で流体が結合金具の試験圧力に高まり結合金具本体を互いに引き離す方向への軸荷重が加わったときにその荷重で流体放出路に通じるリーク路を形成するようにしてもよい。
また、前述した各形態ではオスメスのない一対の同一構造の結合部を用いたツインスター金具の形態であったが、本発明の結合金具はその結合部や金具形式に依存せず、例えば日本のねじ式金具(平成25年3月27日総務省令第23号)やドイツ規格のストルツ式金具(DIN14300 A-Druckkupplung)等の機種にも適用が可能である。
100…結合金具
101…結合金具本体
102…流体通路
103…装着部
105…結合部本体
106…ストッパ壁部
107…コイルばね
109…ばね受け部材
110…結合部
116…流体噴出口
138…リーク路

Claims (9)

  1. ホースやパイプの管類相互または管類と他の機器とを結合する結合金具において、
    内部に流体通路を形成した結合金具本体と、
    前記結合金具本体の端部に設けられたストッパ壁部と、
    前記結合金具本体の端部に設けられ、結合相手の結合金具との結合状態において、前記結合金具本体の前端部分に形成されているシールリング部と、前記結合相手の結合金具における結合金具本体の前端部分に形成されているシールリング部との間を閉塞するシール部材と、
    前記結合金具本体の外側に配置され、前記シール部材を設置した前記端部に前記結合相手の結合金具おける結合部に係合するための結合部を有した結合部本体と、
    前記結合部本体に設けられ、前記シール部材が位置する前方から前記ストッパ壁部に突き当たる突部と、
    前記結合部本体に設けられ、前記ストッパ壁部の後方に位置したばね受け部材による受け部と、
    前記結合金具本体の外側において前記ストッパ壁部と前記受け部との間に軸方向に圧縮されて配置され、前記結合部本体の前記結合部を前記結合相手の結合金具における前記結合部に係合させた状態において、前記シール部材により前記双方のシールリング部の相互間を閉塞するように、前記結合部本体を前記結合金具本体に対し軸方向の後方へ向けて付勢する収縮部材と、
    を備え、
    前記流体通路内の流体の圧力が異常に上昇したときに前記収縮部材を収縮させて前記結合金具本体を前記結合部本体に対して軸方向へ後退させることで、前記双方のシールリング部の相互間において、前記シール部材の閉鎖状態を開放状態とし、前記流体通路内の圧力流体を外へ放出するリーク路を形成することを特徴とする結合金具。
  2. 前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生する弾性部材であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  3. 前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生するコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  4. 前記収縮部材は、圧縮されるときに弾性反発力を発生する皿ばねであることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  5. 前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら塑性変形する部材であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  6. 前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら圧縮破壊して変形する部材であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  7. 前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する中空部材であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  8. 前記収縮部材は、圧縮されるときに反発力を発生しながら変形する中実の部材であることを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
  9. 前記結合金具は、両端部に結合相手の結合金具の結合部に結合可能な結合部を設け、内部に流体通路を形成した結合金具本体と、前記結合金具本体の端部に前記ストッパ壁部と前記シール部材と、前記結合金具本体の外側に前記結合部を有した結合部本体と、前記結合部本体に前記突部と前記受け部と、前記結合金具本体の外側に前記収縮部材と、を備え、
    前記管類相互または管類と他の機器の間に媒介金具として組み込んだ前記結合金具が、前記流体通路内の流体の圧力が異常に上昇したときに、前記流体通路内の圧力流体を外へ放出するリーク路を形成することを特徴とする請求項1に記載の結合金具。
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