JP6719816B2 - 親水化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、親水化剤に関する。
一般に樹脂成形品表面が親水化されると、付着水滴が基材表面に一様に拡がるようになるので、透明性が必要なフィルム、シート等の曇りを有効に防止でき、微小な水滴による結露や、流水が水滴状に付着することも防止できることから幅広い用途で使用されている。特に、基材に塗布することで使用できる親水化剤は、親水化処理が容易であり、利用価値が高い。例えば、弁当容器や惣菜容器の蓋材用途として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの樹脂表面にショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤を塗布したものが用いられている(特許文献1)。
特開2003−119451号公報
しかしながら、特許文献1の防曇剤は、親水性が十分でなく、また、低温環境下における初期親水性、長期の親水性維持効果が低いという問題があった。そこで、本発明は、これらの課題を解決する親水化剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る親水化剤は、
(1) (A)および(B)を含有する親水化剤。
(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物であって、平均エステル化度0.5〜4.5であるエステル化物
(B)溶媒
(2) 前記(A)が、数平均分子量が、500〜3000である(1)に記載の親水化剤、
(3) さらに(C)熱可塑性樹脂を含有する(1)または(2)に記載の親水化剤、
に関する。
本発明によれば、十分な親水性を有する親水化剤が得られる。またさらに(C)熱可塑性樹脂を含有する親水化剤については、長期の親水性維持効果、低温下での親水性も有する親水化剤が得られる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態の親水化剤は、(A)および(B)を含有する。
(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物であって、平均エステル化度0.5〜4.5であるエステル化物
(B)溶媒
本発明に用いる(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)における糖類としては、例えば、糖および糖アルコールなどが挙げられる。糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトースおよびマンノースなどの単糖、スクロース、ラクトース、マルトースおよびトレハロースなどの二糖、セルロース、アミロースおよびキチンなどの多糖などが挙げられる。また、糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトールおよびエリスリトールなどが挙げられる。これらのうち、比較的低粘度であるため取り扱いが容易であること、また、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、二糖および糖アルコールが好ましく、ショ糖がより好ましい。
本発明に用いる(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物におけるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、親水性をより長期にわたって維持できること、低温環境下における初期親水性がより優れることから、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから選択される少なくとも1種であることが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの組み合わせがより好ましい。特に限定されないが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを組み合わせて使用する場合、その割合(モル比)は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドが1/9〜9/1であることが好ましく、2/8〜8/2であることがより好ましく、3/7〜7/3であることがさらに好ましい。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを組み合わせて用いる場合は、ランダム付加物であってもよく、ブロック付加物であってもよい。これらのうち、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、ブロック付加物が好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドをこの順でブロック付加したものであることがより好ましい。
前記アルキレンオキシドの付加量は、糖類1モルあたり3〜100モルであることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れたものとなる。上記アルキレンオキシドの付加量は、4〜50モルであることがより好ましく、5〜30モルであることがより好ましく、6〜20モルであることがさらに好ましい。
本発明に用いる(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物における炭素数1〜24のモノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。これらのうち、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、脂肪族カルボン酸は炭素数が6〜22であることが好ましく、8〜20であることがより好ましく、12〜18であることがさらに好ましい。
また、前記炭素数1〜24のモノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸、メトキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族カルボン酸も用いることができる。これらのうち、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、芳香族カルボン酸は炭素数が6〜22であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜18であることがさらに好ましい。
前記(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物は、数平均分子量が600〜5000であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れたものとなる。上記数平均分子量は、700〜3000であることがより好ましく、800〜2500であることがさらに好ましい。
前記(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物は、平均エステル化度が0.5〜4.5である。上記範囲内とすることにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れたものとなる。上記平均エステル化度は、1.0〜4.2であることが好ましく、1.5〜4.0であることがより好ましい。特に(C)熱可塑性樹脂を含有する系においては、0.5〜3.5であることが好ましく、0.8〜3.2であることがより好ましい。なお、本明細書において、平均エステル化度は、1分子中に含まれる炭素数1〜24のモノカルボン酸エステル基の平均値を示す。なお、本明細書において、平均エステル化度は1分子中に含まれるエステル基の平均数を示す。
本発明に用いる(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物は、糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和が20〜95質量%である。上記範囲内とすることにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れたものとなる。糖類残基の含有量とオキシエチレン基の含有量との総和は、25〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましい。なお、本明細書において、糖類残基は、糖類からアルキレンオキシドや炭素数1〜24のモノカルボン酸が置換している水酸基を除いた基を示す。
前記(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物は、平均水酸基価が70〜700mgKOH/gであることが好ましい。上記範囲内とすることにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れたものとなる。上記平均水酸基価は、150〜600mgKOH/gであることがより好ましく、200〜500mgKOH/gであることがさらに好ましい。なお、平均水酸基価は、JIS K0070に準じて測定することができる。
本発明に用いる(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物は、例えば、糖類にアルキレンオキシドを付加して糖類のアルキレンオキシド付加物とし、これと炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応を行う方法(製法1)、糖類と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応により糖類のモノカルボン酸エステルとし、これにアルキレンオキシドを付加する方法(製法2)、などにより得ることができる。これらのうち親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れることから、製法1が好ましい。
以下、前記製法1について説明する。
糖類にアルキレンオキシドを付加する方法としては、例えば、糖類および触媒の存在下、アルキレンオキシドを70〜120℃、0〜0.3MPaとなるように反応容器に導入し、糖類と反応させる方法など、公知の方法を用いることができる。
前記アルキレンオキシド付加反応に用いる糖類は、糖類単独でも使用可能であるが、反応溶液の粘度を低下させる観点から、糖類を溶解しうる化合物に溶解した糖類を用いることが好ましい。このような糖類を溶解しうる化合物としては、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの糖類以外の水酸基含有化合物が挙げられる。これらのうち、糖類の溶解性が高く、付加反応後の留去が容易であることから水が好ましい。また、糖類を溶解しうる化合物の使用量は、糖類に付加するアルキレンオキシドの割合を高める観点から、糖類100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
前記アルキレンオキシド付加反応に用いる触媒としては、特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属類、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、カチオン重合触媒、複合金属シアン化物錯体触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、例えば、糖類100質量部に対して0.01〜5.0質量部である。
前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物は、さらに精製処理を行ってもよい。精製処理を行うことにより、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性がより優れる。このような精製処理としては、例えば、吸着剤処理、蒸留処理などが挙げられる。これらのうち、製造工程が容易であることから吸着剤処理が好ましい。
前記吸着剤処理の方法は特に限定されないが、例えば、前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物と吸着剤とを攪拌機などを用いて混合する方法、吸着剤充填カラムに前記糖類のアルキレンオキシド付加反応物を通過させる方法などが挙げられる。これらのうち、操作が簡便であることから、糖類のアルキレンオキシド付加反応物と活性炭とを混合する方法が好ましい。また、水や有機溶媒などの溶媒を用いる場合は、予め糖類のアルキレンオキシド付加反応物と混合してから吸着剤を添加してもよく、吸着剤を溶媒に分散してから糖類のアルキレンオキシド付加反応物と混合してもよい。
吸着剤は、糖類のアルキレンオキシド付加反応物に含まれる不純物を吸着させてこれを除去するためのものである。かかる吸着剤は、粉末状、粒状、ペレット状のいずれであってもよく、好ましくは粉末状である。このような吸着剤としては、活性炭、ゼオライトなどが挙げられ、特に、親水化剤の耐熱性がより優れることから、活性炭が好ましく、1質量%の水懸濁液におけるpHが4〜11である活性炭がより好ましく、該pHが4.5〜7.5である活性炭がさらに好ましい。
前記吸着剤の使用量は、特に限定されないが、前記アルキレンオキシド付加反応物100質量部に対して0.1〜20.0質量部であることが好ましく、1.0〜10.0質量部であることがより好ましい。吸着剤の使用量を上記範囲内とすることにより、製造工程がより簡便なものとなる。
また、前記吸着剤処理においては、溶媒を用いることが好ましい。溶媒を用いることにより、前記アルキレンオキシド付加反応物が低粘度化され、精製処理を簡便に行うことができる。
また、前記吸着剤処理においては、前記溶媒以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤など、各種添加剤を使用してもよい。
上記方法により得られた糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化反応は、公知の方法により行うことができる。例えば、触媒の存在下、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とを70℃〜180℃、1kPa〜100kPaの条件で反応させる方法などが挙げられる。
前記炭素数1〜24のモノカルボン酸は、モノカルボン酸エステル基を形成し得る化合物であればよく、モノカルボン酸誘導体を用いることができる。このようなモノカルボン酸誘導体としては、モノカルボン酸クロライドやモノカルボン酸ブロマイドなどのモノカルボン酸ハロゲン化物、モノカルボン酸メチルエステルやモノカルボン酸エチルエステルなどのモノカルボン酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物の着色をより抑制できることから、モノカルボン酸エステルを用いることが好ましい。
本発明に使用し得る(B)溶媒としては、(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物を溶解しうるものであれば、特に限定されない。例えば、水、有機溶媒等が挙げられる。前記有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アルコール系、アセトン系、芳香族系、ハロゲン系等が挙げられる。これらは一種または二種以上を使用することができる。なお、前記有機溶媒は、親水化剤を塗布する基材の耐溶剤性によって適宜選択される。
本発明の親水化剤における(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物の濃度としては、特に限定されないが、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、0.05〜10(質量%)が好ましく、0.3〜7(質量%)がより好ましい。
本発明に係る親水化剤は、さらに(C)熱可塑性樹脂を含有することも好ましい形態である。前記熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂などがあげられる。これのうち、特に長期の親水性維持効果の観点から、ガラス転移温度が60℃以下である樹脂が好ましく、40℃以下である樹脂がさらに好ましい。ガラス転移温度が40℃以下である樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体などがあげられる。
本発明に係る親水化剤における(C)熱可塑性樹脂を含有割合としては、特に限定されないが、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性の観点から、例えば、(B)溶媒の合計量/(C)熱可塑性樹脂=40〜3/1が好ましく、30〜5/1がより好ましい。
本発明に係る親水化剤は、(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物、および(B)溶媒、さらに必要に応じ(C)熱可塑性樹脂を混合することで得られる。前記混合は公知の方法によって行うことができる。
本発明の親水化剤は、特に限定されないが、例えば、基材に塗布することで使用することができる。前記基材としては、(B)溶媒によって侵されない物質であれば特に限定されないが、非晶性ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂シート、ポリプロピレンシート、二軸延伸ポリスチレンシート、ポリ塩化ビニルシートなどが挙げられる。前記樹脂シートは、そのまま表面に親水化剤を塗布してもよいが、樹脂の種類や状態によっては、予め、樹脂シート表面をコロナ放電処理、高周波処理などの表面処理を行うことにより、親水化剤の塗布性、密着性が向上する場合がある。その他基材としては、ガラスなども挙げられる。また前記塗布方法としては特に限定されないが、例えば、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーターなどが挙げられる。
本発明の親水化剤は、さらに公知の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
本発明の親水化剤の実施例記載方法による常温での親水化度は35度以下が好ましく、30度以下がより好ましく、25度以下がさらに好ましい。
本発明の親水化剤の実施例記載方法による低温での親水化度は45度以下が好ましく、40度以下がより好ましく、35度以下がさらに好ましい。
本発明の親水化剤の実施例記載方法による30日後の親水化度は40度以下が好ましく、35度以下がより好ましく、30度以下がさらに好ましい。
本発明の親水化剤の実施例記載方法による(C)熱可塑性樹脂を含有しない系の10秒後、30秒後の親水化度は20度以下が好ましく、18度以下がより好ましく、15度以下がさらに好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A)として、下記製造例1〜18で得られる糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物(A−1)〜(A−18)を用いた。比較例として、(A)および類似化好物を含有しない系、ソルビタンモノステアレート、ショ糖モノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、およびエステル化度が本願発明の範囲外である化合物(a−19)〜(a−23)を用いた。
(製造例1)
ステンレス製オートクレーブに、ショ糖342g(1モル)、水70g、水酸化カリウム3gを仕込み、反応器内を窒素置換した。80℃まで昇温してショ糖を溶解し、続いて、100℃に昇温し、エチレンオキシド176g(4モル)を内圧0.3MPa以下に保ちながら導入した。導入終了後、さらに100℃で2時間反応させた。続いて、プロピレンオキシド232g(4モル)を内圧0.3MPa以下に保ちながら導入した。プロピレンオキシドの導入終了後、100℃で2時間反応させた。この反応物500と水150gとを混合して50℃に調整し、さらに酢酸を添加してpHを6に調整した。続いて、粉末状の活性炭(商品名:強力白鷺A(日本エンバイロケミカルズ社製、1%水溶液のpH:4.9)50gを加え、50℃で2時間攪拌した。その後、ろ過により活性炭を取り除き、減圧下90℃にて水を除去することにより、ショ糖のエチレンオキシド(4モル)プロピレンオキシド(4モル)ブロック付加物を得た。続いて、ステンレス製オートクレーブに、上記ショ糖のエチレンオキシド(4モル)プロピレンオキシド(4モル)ブロック付加物389g、ラウリン酸メチル(商品名:パステルM−12、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)111g、炭酸カリウム1.5gを仕込み、反応器内を窒素置換した。100℃まで昇温し、減圧下(2.7kPa)で5時間反応させた。次いで、70℃まで冷却してから1気圧に戻し、乳酸2.4gを加えて炭酸カリウム中和することにより、ショ糖のエチレンオキシド(4モル)プロピレンオキシド(4モル)ブロック付加物とラウリン酸とのエステル化物(エステル化度:2)(A−1)を得た。
(製造例2〜18、21、22、24)
上記製造例1と同様にして、表1および2記載の組成になるよう合成した(A−2〜18、a−21、a−22、a−24)。また、炭素数18のものについては、上記ラウリン酸メチルに変えてステアリン酸メチル(商品名:パステルM−180、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を用いて合成した。
(製造例19、20、22、23)
アルキレンオキシドまたはモノカルボン酸を使用しない以外は、上記製造例1と同様にして、表1および2記載の組成になるよう合成した(a−19、a−20、a−22、a−23)。
<(C)熱可塑性樹脂を使用した系>
表1記載の(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物0.05g、(B)クロロホルム45g、および(C)エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名: エバフレックスV5772ETR)5gをマグネチックスターラーAS2T(ADVANTEC製)を用いて1時間混合し、親水化剤を得た。
得られた親水化剤を、ガラスの上に、厚さ1mmのバーコーターを用いて塗布した。
さらに、20℃の雰囲気下で8時間乾燥させた後、さらに80℃の雰囲気下で1時間乾燥させることで試験片を得た。この試験片を用いて、下記の方法により親水性を評価した。結果を表1に示す。
なお、比較例1については(A)および類似化好物を含有せず、比較例2〜4についてはソルビタンモノステアレート、ショ糖モノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、比較例5〜8については、(a−19)〜(a−22)を各0.05g使用した。
Figure 0006719816
(数平均分子量の測定方法)
下記条件でGPC法にて測定し、ポリエチレン換算の数平均分子量を算出した。
[測定条件]
測定サンプル:1質量%テトラヒドロフラン溶液
装置:LC−10AD(商品名、島津製作所社製)
カラム:GPC KF−801、GPC KF−801およびGPC KF−803(商品名、いずれも昭和電工社製)を直列に接続したもの
移動相:テトラヒドロフラン(流量:0.8mL/min)
カラム温度:25℃
(親水性)
得られた試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
(常温環境下での初期親水性)
得られた試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
(低温環境下での初期親水性)
得られた試験片を恒温恒湿器(5℃、70%RH)で1日間静置した。この試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
(30日後の親水性)
得られた試験片を恒温恒湿器(50℃、70%RH)で30日間静置した。この試験片を用いて、JIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
<(C)熱可塑性樹脂を使用しない系>
表2記載の(A)糖類のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物0.5g、および(B)水50gをマグネチックスターラーAS2T(ADVANTEC製)を用いて1時間混合し、親水化剤を得た。
得られた親水化剤を、コロナ放電処理を施したPETフィルムの上に、厚さ1mmのバーコーターを用いて塗布した。
さらに、20℃の雰囲気下で8時間乾燥させた後、さらに80℃の雰囲気下で1時間乾燥させることで試験片を得た。この試験片を用いて、下記の方法により親水性を評価した。結果を表2に示す。
なお、比較例9については(A)および類似化好物を含有せず、比較例10〜12についてはショ糖モノステアリン酸エステル、(a−23)、(a−22)を各0.05g使用した。
Figure 0006719816
(親水性)
得られた試験片を塗布10秒後、30秒後にJIS R3257に準じて接線法による接触角(度)を測定した。
表1および2から明らかなとおり、本発明の親水化剤は、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性に優れていることが分かる。一方、本発明の範囲外である比較例は、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性が劣っていることが分かる。
本発明の親水化剤は、親水性、長期親水維持効果、低温下親水性に優れているため、塗布により親水性を付与しうる幅広い用途に用いることが出来る。

Claims (3)

  1. (A)および(B)を含有する塗布用親水化剤。
    (A)二糖のアルキレンオキシド付加物と炭素数1〜24のモノカルボン酸とのエステル化物であって、平均エステル化度0.5〜4.5であるエステル化物
    (B)溶媒
  2. 前記(A)が、数平均分子量が、500〜3000である請求項1に記載の塗布用親水化剤。
  3. さらに(C)熱可塑性樹脂を含有する請求項1または2記載の塗布用親水化剤。

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