JP6717207B2 - 経皮投与デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤の投与に用いられる経皮投与デバイスに関する。
薬剤を皮膚から体内に投与する方法として、マイクロニードル等の投与部を備えた経皮投与デバイスを用いる方法が知られている。マイクロニードルは、針形状を有する複数の突起部を基体の表面に有している。そして、経皮投与デバイスは、マイクロニードルとともに、マイクロニードルを皮膚に固定するための粘着シートや、マイクロニードルを保護する蓋部等を有している。粘着シートの粘着面は、基体の裏面に貼り付けられており、さらに、粘着面は基体の外側にはみ出している。基体の表面を皮膚に向けて基体が皮膚に押し当てられ、基体の外側にはみ出した粘着シートの粘着面が皮膚に貼り付けられることによって、マイクロニードルが皮膚に固定される。このとき、基体の表面に形成されている突起部が皮膚を穿孔し、突起部によって形成された孔を通路として、薬剤が体内に送り込まれる(例えば、特許文献1)。
特開2014−28108号公報
ところで、薬剤の円滑な投与のためには、複数の突起部の各々が皮膚に十分に刺し込まれて、上述の孔が薬剤の投与に適した所望の深さに形成されることが好ましい。そのためには、皮膚の表面に沿ってマイクロニードルが固定され、所定の期間その固定が維持されることが求められる。それゆえ、基体や粘着シートには、皮膚の表面の形状に合わせて形状を変化させるような形状の追従性を高める方策が採用されている。
例えば、粘着シートは、通常、シートの厚みを薄くしたり、シートの剛性を低くしたりすることにより柔軟性が高められ、これによって追従性が高められている。しかしながら、粘着シートの柔軟性が高いと、粘着シートの粘着面が皮膚の表面に貼り付けられる前に粘着シートが誤って折り重ねられやすいため、粘着面同士の接着を招いてしまう。結果として、蓋部を除去してから、粘着面が皮膚の表面に接着される前までの間において、経皮投与デバイスが取り扱いにくくなる。
本発明の目的は、取り扱い性を高めることのできる経皮投与デバイスを提供することである。
上記課題を解決するために、経皮投与デバイスは、第1面、および、前記第1面とは反対側の面である第2面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部と、前記第2面が貼り付けられた第1粘着シートであって、前記第2面からはみ出す前記第1粘着シートと、前記第1粘着シートのなかで前記第2面に接する面とは反対側の面が貼り付けられた第2粘着シートであって、前記第1粘着シートからはみ出す前記第2粘着シートと、前記投与部と前記第1粘着シートとに被せられた蓋部と、を備える。そして、前記蓋部は、前記投与部と前記第1粘着シートとを覆う本体部と、前記本体部の縁から前記本体部の外側に向けて延設されたフランジ部であって、前記第2粘着シートのなかで前記第1粘着シートの外側にはみ出した部分に貼り付けられた前記フランジ部と、を備え、前記本体部と前記フランジ部とから構成される構造体は、前記フランジ部の少なくとも一部を含み前記第2粘着シート上に残されることを予定された部分である残存予定部と、前記本体部の少なくとも一部を含み前記残存予定部から切り離されることを予定された部分である切り離し予定部と、前記残存予定部から前記切り離し予定部を切り離す切れ目の形成を促す切り離し促進部と、を含む。
上記構成によれば、経皮投与デバイスの使用に際して、投与部を覆う切り離し予定部が残存予定部から切り離されて除去されたとき、蓋部の一部である残存予定部が第2粘着シート上に残される。その結果、蓋部のすべてが除去される場合と比較して、経皮投与デバイスにて使用者が支持する部分の剛性は高くなる。それゆえ、切り離し予定部が除去されてから、第1粘着シートの粘着面が皮膚に貼り付けられる前までの間において、第1粘着シートや第2粘着シートの各々にて粘着面同士が接着することが起こりにくくなるため、経皮投与デバイスの取り扱い性、すなわち、取り扱いのしやすさが向上する。
上記経皮投与デバイスにおいて、前記切り離し促進部は、前記構造体のなかで前記切り離し促進部以外の部分よりも外力によって裂けやすい脆弱部であってもよい。
上記構成によれば、残存予定部からの切り離し予定部の切り離しが容易である。また、切り離し予定部は脆弱部に沿って残存予定部から切り離されるため、切り離し位置の設定が容易である。
上記経皮投与デバイスにおいて、前記残存予定部は、前記フランジ部の一部であって、前記基体の第1面と対向する方向から見て、前記残存予定部は、前記第2粘着シートの外縁に沿って配置されてもよい。
上記構成によれば、残存予定部が第2粘着シートの外縁よりも内側に配置される場合と比較して、経皮投与デバイスの端部における剛性が高くなる。そのため、使用者は、経皮投与デバイスをさらに支持しやすくなるため、経皮投与デバイスの取り扱い性が一層に高められる。また、残存予定部はフランジ部の一部であるため、切り離し予定部にもフランジ部の一部が含まれる。こうした構成では、切り離し予定部のうち、フランジ部の一部である部分は、除去前において第2粘着シートに貼り付けられている。したがって、経皮投与デバイスの使用前においては、意図しない外力が経皮投与デバイスに加えられた場合であっても、切り離し予定部が残存予定部から切り離されることが抑えられる。
上記経皮投与デバイスにおいて、前記基体の第1面と対向する方向から見て、前記残存予定部と前記第1粘着シートとが離れていてもよい。
上記構成によれば、第1粘着シートと残存予定部との間で第2粘着シートが配置されている部分においては、蓋部のすべてが剥離される場合と同様に柔軟性が高く維持されている。したがって、切り離し予定部が残存予定部から切り離された後において、残存予定部が残された状態であっても、皮膚の表面に沿って基体を押し付け、第1粘着シートを皮膚の表面に貼り付けることが困難になることが抑えられる。
上記経皮投与デバイスにおいて、前記第2粘着シートの前記第1粘着シートに対する粘着力は、前記第1粘着シートの皮膚に対する粘着力よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、第1粘着シートを皮膚の表面に貼り付けた後に、第1粘着シートから第2粘着シートを容易に剥離することができる。
本発明によれば、経皮投与デバイスの取り扱い性を高めることができる。
一実施形態における経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図である。 一実施形態における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図である。 一実施形態における経皮投与デバイスの平面構造の他の例を示す平面図である。 一実施形態の経皮投与デバイスにおける投与部の断面構造を示す断面図である。 一実施形態の経皮投与デバイスの使用方法を説明する図であって、残存予定部を残して切り離し予定部が切り離された状態を示す図である。 一実施形態の経皮投与デバイスの使用方法を説明する図であって、第1粘着シートが皮膚の表面に貼り付けられた状態を示す図である。 一実施形態の経皮投与デバイスの使用方法を説明する図であって、第2粘着シートが剥離された状態を示す図である。 一実施形態の経皮投与デバイスが変形した形態の一例を示す図である。 一実施形態の経皮投与デバイスが変形した形態の一例を示す図である。 変形例の経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図である。 変形例の経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図である。
図1〜図9を参照して、経皮投与デバイスの一実施形態について説明する。
[経皮投与デバイスの全体構成]
図1および図2を参照して、経皮投与デバイスの全体構成について説明する。
図1に示されるように、経皮投与デバイス10は、投与部の一例であるマイクロニードル20と、第1粘着シート30と、第2粘着シート40と、蓋部50とを備えている。
マイクロニードル20は、板状を有する基体21と、基体21から突き出た突起部22とを備えている。基体21は、突起部22の形成された面である第1面21Sと、第1面21Sとは反対側の面である第2面21Tとを有し、第1面21Sは突起部22の基端を支持している。第1面21Sと対向する方向から見た基体21の外形は特に限定されず、基体21の外形は、円形や楕円形であってもよいし、矩形であってもよい。
突起部22の形状は、角錐形状であってもよいし、円錐形状であってもよい。また、突起部22は、例えば、円柱形状や角柱形状のように、先端が尖っていない形状であってもよい。また、突起部22は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。要は、突起部22は皮膚を刺すことが可能な形状であればよい。また、突起部22の側壁には、括れや段差が形成されていてもよいし、溝や孔が形成されていてもよい。
突起部22の数は1以上であれば特に限定されない。マイクロニードル20が複数の突起部22を有する場合、複数の突起部22の各々は、基体21の第1面21Sに規則的に並んでいてもよいし、不規則に並んでいてもよい。例えば、複数の突起部22は、格子状や同心円状に配列される。
第1粘着シート30は、第1基材シート31と第1粘着層32とを備えている。第1基材シート31は、第1被覆面31Sと、第1被覆面31Sとは反対側の面である第1露出面31Tとを有し、第1粘着層32は、第1被覆面31Sの全体を覆っている。そして、第1粘着層32における第1基材シート31と接する面とは反対側の面に基体21の第2面21Tが貼り付けられることによって、第1粘着シート30にマイクロニードル20の基体21が貼り付けられている。なお、本実施形態において、「シート」と表現される構造物は、シート状の構造物とフィルム状の構造物とを含む。すなわち、「シート」と表現される構造物は、可撓性を有して薄く広がる構造物を示し、その構造物の厚さは限定されない。
基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、第1粘着シート30の外形は基体21よりも大きい。換言すれば、第1面21Sと対向する方向から見て、基体21の外側に第1粘着シート30の第1粘着層32がはみ出し、粘着面が露出している。第1粘着シート30の外形が有する形状は特に限定されず、第1粘着シート30の外形は、例えば、円形や楕円形であってもよいし、矩形であってもよい。
第2粘着シート40は、第2基材シート41と第2粘着層42とを備えている。第2基材シート41は、第2被覆面41Sと、第2被覆面41Sとは反対側の面である第2露出面41Tとを有し、第2粘着層42は、第2被覆面41Sの全体を覆っている。そして、第2粘着層42における第2基材シート41と接する面とは反対側の面に第1基材シート31の第1露出面31Tが貼り付けられることによって、第2粘着シート40に第1粘着シート30が貼り付けられている。第1基材シート31の第1露出面31Tは、第1粘着シート30のなかで基体21の第2面21Tに接する面とは反対側の面である。
基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、第2粘着シート40の外形は第1粘着シート30よりも大きい。換言すれば、第1面21Sと対向する方向から見て、第1粘着シート30の外側に第2粘着シート40の第2粘着層42がはみ出し、粘着面が露出している。第2粘着シート40の外形が有する形状は特に限定されず、第2粘着シート40の外形は、例えば、円形や楕円形であってもよいし、矩形であってもよい。
上記構成において、第2粘着層42の第1基材シート31に対する粘着力は、第1粘着層32の人の皮膚に対する粘着力、および、第1粘着層32の基体21に対する粘着力の各々よりも小さく設定されている。そして、第2粘着層42は、人の手の力によって第2粘着シート40を第1粘着シート30から剥離することが可能な程度の粘着力で、第1基材シート31に貼り付けられている。
蓋部50は、マイクロニードル20と第1粘着シート30とに被せられた容器である。蓋部50は本体部51を備え、本体部51は、例えば円筒形状や四角筒形状等の筒形状を有する筒部52と、筒部52の2つの筒端のうちの一方の筒端を閉じる板形状を有する上板部53とから構成されている。筒部52の内径は、上板部53から離れるにつれて広がり、本体部51の内側面によって、マイクロニードル20の収容される収容空間51aが区画されている。さらに、蓋部50は、筒部52の2つの筒端のうち、上板部53が配置されている筒端とは反対側の筒端の全域から、筒部52の外側に向けて延設されたフランジ部54を備えている。すなわち、フランジ部54は、本体部51の縁から本体部51の外側に向けて延設され、環状の板状を有している。
本体部51は、マイクロニードル20の基体21に対して突起部22の先端と向かい合う側からマイクロニードル20と第1粘着シート30とを覆い、マイクロニードル20と第1粘着シート30とは、収容空間51a内に配置されている。すなわち、蓋部50とマイクロニードル20および第1粘着シート30とは、上板部53の有する2つの面のうちの収容空間51aに面する面と、基体21の第1面21Sおよび基体21の外側にはみ出た第1粘着層32の粘着面とが向かい合うように配置されている。
基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、筒部52の外周縁が構成する筒部52の外形は、第1粘着シート30の外形よりも大きく、第2粘着シート40の外形よりも小さい。そして、フランジ部54の有する面のうち、フランジ部54に対して上板部53とは反対側に位置する面が、第1粘着シート30の外側にはみ出ている第2粘着シート40の第2粘着層42に貼り付けられている。換言すれば、第2粘着シート40によって、収容空間51aが閉じられている。基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、第2粘着シート40の外縁とフランジ部54の外縁とは重なっていることが好ましい。
上記構成において、フランジ部54と第2粘着層42とは、人の手の力によってフランジ部54を第2粘着シート40から剥離することが可能な程度の粘着力で貼り合わされている。
なお、本体部51は、収容空間51aとしてマイクロニードル20および第1粘着シート30を収容する空間を区画可能な形状であればよく、筒部52の内径は一定であってもよいし、例えば半球形状のように、本体部51は、筒部52と上板部53との区別のない形状を有していてもよい。
図2に示されるように、蓋部50の外側にて上板部53と対向する方向、すなわち、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、フランジ部54には、切り離し促進部の一例である脆弱部55が形成されている。脆弱部55は、例えば、ミシン目に具体化され、蓋部50のせん断に対する強度が、脆弱部55の周囲の部分よりも低い部分である。すなわち、脆弱部55は、蓋部50のなかで脆弱部55以外の部分よりも外力によって裂けやすい部分である。
なお、ミシン目に代わる脆弱部の例として、脆弱部は、脆弱部の周囲よりもフランジ部54の厚みが小さくされた部分であってもよい。また、脆弱部は、ハーフカット加工等によって、厚さ方向にフランジ部54の一部が切断された部分であってもよい。図3に、脆弱部が、厚さ方向にフランジ部54の一部が切断された部分である構成の例を示す。図3にて細線で示す脆弱部65は、フランジ部54の表面から中ほどにかけて、厚さ方向にフランジ部54の一部が切断された部分である。
また、脆弱部は、上述のミシン目、周囲よりもフランジ部54の厚みが小さくされた部分、および、厚さ方向にフランジ部54の一部が切断された部分のうちの少なくとも2つを組み合わせた部分であってもよい。
図2に示す脆弱部55は、包囲部56と起点形成部57とから構成されている。基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、包囲部56は、本体部51を囲む環上に配置され、包囲部56の両端は、互いに離れている。包囲部56は、フランジ部54における径方向の中央部に配置されている。そして、起点形成部57は、包囲部56の両端の各々からフランジ部54の外縁まで直線状に延びている。
なお、図3に示したように、包囲部56の形成する環は、起点形成部57と繋がる端部以外の部分で、途切れていてもよい。
基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、フランジ部54のなかで、脆弱部55の外側に位置する部分は残存予定部58である。蓋部50のなかで、残存予定部58を除く部分、すなわち、脆弱部55によって囲まれる部分は切り離し予定部60である。フランジ部54のなかで、起点形成部57によって挟まれている部分は、切り離し予定部60の一部である起点部59である。基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58は、第2粘着シート40の外縁に沿って配置され、残存予定部58と第1粘着シート30とは離れている。
上記構成においては、脆弱部55にて蓋部50が破断されることによって、切り離し予定部60は、残存予定部58から切り離され、残存予定部58は、第2粘着シート40上に残される。このとき、第2粘着シート40上に残る残存予定部58と、切り離し予定部60との間には切れ目が形成され、脆弱部55は切れ目の形成を蓋部50において促す。すなわち、残存予定部58は、第2粘着シート40上に残されることを予定された部分であり、切り離し予定部60は、残存予定部58から切り離されることを予定された部分である。切り離し予定部60には、本体部51の全体が含まれている。
[マイクロニードルの詳細構成]
図4を参照して、突起部22の構成を中心に、マイクロニードル20の詳細な構成について説明する。
図4に示されるように、突起部22の長さHは、基体21の第1面21Sと直交する方向における、第1面21Sから突起部22の先端までの長さである。突起部22の長さHは、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、突起部22の長さHは、この範囲のなかで、突起部22によって穿孔の対象に形成される孔に必要な深さに応じて決定される。穿孔の対象が人体の皮膚であって、孔の底が角質層内に設定される場合、長さHは10μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上200μm以下であることがより好ましい。孔の底が角質層を貫通し、かつ、神経層へ到達しない深さに設定される場合、長さHは200μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上500μm以下であることがより好ましく、200μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。孔の底が真皮に到達する深さに設定される場合、長さHは200μm以上500μm以下であることが好ましい。孔の底が表皮に到達する深さに設定される場合、長さHは200μm以上300μm以下であることが好ましい。
突起部22の幅Dは、基体21の第1面21Sと平行な方向における突起部22の長さの最大値である。例えば、突起部22が正四角錐形状や正四角柱形状を有するとき、基体21の第1面21Sにて、突起部22の底部によって区画された正方形における対角線の長さが、突起部22の幅Dである。また、例えば、突起部22が円錐形状や円柱形状を有するとき、突起部22の底部によって区画された円の直径が、突起部22の幅Dである。突起部22の幅Dは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。
突起部22の幅Dに対する長さHの比であるアスペクト比A(A=H/D)は、1以上10以下であることが好ましい。
突起部22の先端が尖った形状に形成され、突起部22によって角質層を貫通する深さの孔を形成する場合、突起部22の先端角θは5°以上30°以下であることが好ましく、10°以上20°以下であることがより好ましい。先端角θは、基体21の第1面21Sと直交する断面において、突起部22の先端が形成する角度の最大値である。例えば、突起部22が正四角錐形状を有するとき、突起部22の先端角θは、突起部22の底部が区画する正方形の対角線を底辺とし、正四角錐の頂点を頂点とする三角形の頂角である。
突起部22の幅D、アスペクト比A、および、先端角θは、突起部22によって形成される孔が必要とする容積等に応じて決定される。長さH、幅D、アスペクト比A、および、先端角θが上記の範囲内であれば、突起部22の形状が、皮膚に対する孔の形成に適した形状となる。
[経皮投与デバイスの製造方法]
経皮投与デバイス10が備える各部の材料や製造方法を含めて、経皮投与デバイス10の製造方法について説明する。
マイクロニードル20は、生体適合性を有する材料から形成されることが好ましい。生体適合性を有する材料としては、例えば、シリコンや、ステンレス鋼、チタン、あるいはマンガン等の金属や、医療用シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート、あるいは環状オレフィンコポリマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。ただし、マイクロニードル20の形成材料として用いることの可能な生体適合性を有する材料は、上述の材料に限られない。
また、マイクロニードル20は、皮膚が有する水分によって溶解する水溶性材料から形成されてもよい。水溶性材料としては、水溶性高分子や多糖類を用いることができる。水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、プルラン、アルギン酸塩、ペクチン、キトサン、キトサンサクシナミド、オリゴキトサンが挙げられる。上述の材料のなかでも、キトサン、キトサンサクシナミド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、生物学的に安全性が高いため、好適に用いることができる。また、多糖類としては、トレハロースやマルトースを用いることができる。ただし、マイクロニードル20の形成材料として用いられる水溶性材料は、上述の材料に限られない。
なお、基体21と突起部22とは、互いに同一の組成を有する材料から形成されてもよいし、互いに異なる組成を有する材料から形成されてもよい。
上述の材料のなかでも、マイクロニードル20は、皮膚が有する水分によって溶解する材料、すなわち、水溶性材料から形成されることが好ましい。水溶性材料から構成されたマイクロニードル20は、柔軟性が高いため変形しやすく、取り扱いが困難である場合が多い。これに対し、本実施形態の経皮投与デバイス10が水溶性材料から構成されたマイクロニードル20を備える構成であれば、マイクロニードル20そのものの柔軟性が高くとも、経皮投与デバイス10全体の取り扱い性は高められるため、マイクロニードル20を容易に取り扱うことができる。
マイクロニードル20によって投与される薬剤は、皮内に投与されることにより機能する物質であれば、その種類は特に限定されない。薬剤は、突起部22の表面に塗布され、突起部22による孔の形成とともに皮内に送り込まれてもよいし、突起部22が上述のように溶解性を有する材料から形成されている場合には、突起部22の内部に含まれて、突起部22の溶解とともに皮内に送り込まれてもよい。あるいは、突起部22に溝や孔が形成されている場合には、溝や孔に薬剤が充填され、薬剤は、突起部22による皮膚への孔の形成とともに皮内に送り込まれてもよい。また、突起部22が皮膚に刺される前あるいは後に、液状の薬剤が皮膚に塗布され、突起部22によって形成された孔から、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。さらには、これらの方式が組み合わされた形態によって、薬剤が投与されてもよい。なお、突起部22が溶解性を有する材料から形成されている場合には、突起部22を構成する水溶性高分子が薬剤として機能してもよい。
薬剤としては、例えば、各種タンパク質や、薬理活性物質や、化粧品組成物等が挙げられ、目的に応じて選択される。
薬理活性物質としては、例えば、インフルエンザ等のワクチン、癌患者等のための鎮痛薬、インスリン、生物製剤、遺伝子治療薬、注射剤、経口剤、または、皮膚適用製剤等が挙げられる。マイクロニードル20を用いた経皮投与では、皮膚に形成された孔に薬剤が投与される。そのため、マイクロニードル20を用いた経皮投与は、従来の経皮投与に用いられる薬理活性物質以外に、皮下注射が必要な薬理活性物質の投与にも利用できる。特に、マイクロニードル20を用いた経皮投与は、投与の際に患者に痛みを与えないため、小児に対するワクチン等の注射剤の投与に適している。また、マイクロニードル20を用いた経皮投与は、投与の際に患者が薬剤を飲むことを要しないため、経口剤を飲むことが困難な小児に対する経口剤の投与に適している。
化粧品組成物は、化粧品あるいは美容品として用いられる組成物である。化粧品組成物としては、例えば、保湿剤、色料、香料、または、シワやニキビや妊娠線等に対する改善効果や脱毛に対する改善効果等の美容効果を示す生理活性物質等が挙げられる。化粧品組成物として芳香を有する材料を用いると、マイクロニードル20に匂いを付与することができるため、美容品に適した経皮投与デバイス10が得られる。
マイクロニードル20は、マイクロニードル20を形成する材料に応じて、各種の公知技術を用いて製造することが可能である。例えば、マイクロニードル20が樹脂から形成される場合には、射出成形、押出成形、インプリント、ホットエンボス、または、キャスティング等の成形技術によって、マイクロニードル20を形成することができる。また例えば、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、サンドブラスト法、レーザー加工法、精密機械加工法等の微細加工技術を用いてマイクロニードル20を形成することもできる。
また、上述の方法によってマイクロニードル20の原版を形成し、原版の凹凸を反転させた凹版を公知の形状転写法を用いて作製して、凹版にマイクロニードル20の形成材料を充填することによってマイクロニードル20を形成してもよい。
例えば、マイクロニードル20が水溶性高分子から形成される場合には、水溶性高分子と薬剤とを含有する材料溶液が調整され、凹版に供給される。材料溶液の凹版への供給方法は、凹版の形状や大きさ等を考慮して公知の方法から適宜選択されればよい。例えば、材料溶液の供給方法としては、スピンコート法、ディスペンサを用いる方法、キャスティング法、インクジェット法等を用いることができる。凹版に充填された材料溶液が乾燥固化されることによって、マイクロニードル20となる成形物が形成され、成形物が凹版から離型されることによって、マイクロニードル20が得られる。
また例えば、マイクロニードル20が熱可塑性樹脂から形成される場合には、凹版上にシート状の熱可塑性樹脂を配置し、熱プレス等により凹版に熱可塑性樹脂を充填することによって、マイクロニードル20が形成されてもよい。
形成されたマイクロニードル20における基体21の第2面21Tが第1粘着シート30の第1粘着層32に貼り付けられ、さらに、第1基材シート31の第1露出面31Tが第2粘着シート40の第2粘着層42に貼り付けられる。そして、マイクロニードル20および第1粘着シート30に、脆弱部55の形成された蓋部50が被せられてフランジ部54が第2粘着層42に貼り付けられることによって、経皮投与デバイス10が形成される。
第1粘着シート30および第2粘着シート40の材料は特に限定されないが、基材シート31,41としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、または、ポリビニルアルコール等からなる樹脂シートが用いられる。また、粘着層32,42は、例えば、シリコーン系の粘着剤、ゴム系の粘着剤、エポキシ系の粘着材、または、アクリル系の粘着剤等から形成され、第2粘着層42の第1基材シート31に対する粘着力が、第1粘着層32の人の皮膚に対する粘着力、および、第1粘着層32の基体21に対する粘着力の各々よりも小さくなるように調整される。
なお、本実施形態の経皮投与デバイス10において、第1粘着シート30および第2粘着シート40の材料、すなわち、基材シート31,41の材料と、粘着層32,42の材料とは、上述の材料に限定されない。
蓋部50の材料は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、または、ポリスチレン等のアクリル系樹脂等が用いられる。蓋部50の材料としては、第2粘着シート40の材料よりも剛性の高い材料が用いられることが好ましい。
なお、本実施形態の経皮投与デバイス10において、蓋部50の材料は、上述の材料に限定されない。
[作用]
図5〜図7を参照して、経皮投与デバイス10の使用方法を説明しつつ、経皮投与デバイス10の作用について説明する。
経皮投与デバイス10を使用するとき、使用者は、起点部59の端部を第2粘着シート40から剥がしつつ、起点部59を引き上げる。これにより、起点形成部57から包囲部56へ、脆弱部55に沿った切れ目が形成されて蓋部50が破断され、蓋部50のなかで脆弱部55によって囲まれた部分である切り離し予定部60が残存予定部58から切り離されて第2粘着シート40から剥離される。
その結果、図5に示されるように、第2粘着シート40上には、第2粘着シート40の外縁に沿って、残存予定部58が残り、マイクロニードル20と第1粘着シート30とが露出される。その後、使用者は、経皮投与デバイス10を、使用者の身体における薬剤の投与予定位置まで持っていく。このとき、第2粘着シート40上には、外縁に沿って、蓋部50の一部である残存予定部58が配置されているため、蓋部50のすべてが剥離される場合と比較して、経皮投与デバイス10にて使用者が支持する部分の剛性は高くなる。その結果、マイクロニードル20と第1粘着シート30とを覆う切り離し予定部60が除去されてから、第1粘着シート30の粘着面が皮膚に貼り付けられる前までの間において、第1粘着シート30や第2粘着シート40の各々にて粘着面同士が接着することが起こりにくくなるため、経皮投与デバイス10の取り扱い性、すなわち、取り扱いのしやすさが向上する。
特に、残存予定部58が、第2粘着シート40の外縁に沿って配置されるため、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58が第2粘着シート40の外縁よりも内側に残る場合と比較して、経皮投与デバイス10の端部における剛性が高くなる。そのため、使用者は、経皮投与デバイス10をより支持しやすくなるため、経皮投与デバイス10の取り扱い性がより向上する。経皮投与デバイス10の取り扱い性が向上する結果、第1粘着シート30の粘着面が皮膚に貼り付けられる前に、使用者が突起部22に意図せず触れることが抑えられるため、突起部22が変形することも抑えられる。
そして、図6に示されるように、使用者は、突起部22を薬剤の投与予定位置における皮膚の表面Sに向けて、基体21を皮膚の表面Sに押し付け、基体21の外側に露出している第1粘着シート30の粘着面を皮膚の表面Sに貼り付ける。
経皮投与デバイス10にて、第2粘着シート40上に残存予定部58が配置されている部分以外の部分、特に、第1粘着シート30と残存予定部58との間で第2粘着シート40の第2粘着層42が露出している部分は、蓋部50のすべてが剥離される場合と同様に柔軟性が高く維持されている。したがって、残存予定部58が残された状態であっても、皮膚の表面Sに沿って基体21を押し付け、第1粘着シート30を皮膚の表面Sに貼り付けることが困難になることが抑えられる。このように、本実施形態の経皮投与デバイス10は、第2粘着シート40そのものの剛性を高くする構成と比較して、曲面である皮膚の表面Sへのマイクロニードル20の固定のしやすさを高く維持しつつ、取り扱い性を高めることができる。
なお、残存予定部58とマイクロニードル20の基体21との間の距離、すなわち、残存予定部58とマイクロニードル20の基体21との間で粘着シート30,40が露出する部分の大きさが大きいほど、皮膚の表面Sに沿ってマイクロニードル20を固定することが容易になる。
図7に示されるように、マイクロニードル20を皮膚に固定した後、使用者は、第2粘着シート40を、残存予定部58とともに、第1粘着シート30から剥離する。第2粘着層42の第1基材シート31に対する粘着力は、第1粘着層32の皮膚に対する粘着力よりも小さいため、第2粘着シート40の剥離を容易に行うことができる。
これにより、第1粘着シート30における第1基材シート31の第1露出面31Tが露出した状態で、マイクロニードル20が皮膚に固定され、突起部22が皮膚を穿孔することにより形成された孔から、薬剤が皮内に投与される。
なお、本実施形態の経皮投与デバイス10は、以下に説明するように、図8に示す構成および図9に示す構成の双方を含む。上述のように、第1粘着シート30と残存予定部58との間で第2粘着シート40の第2粘着層42が露出している部分では経皮投与デバイス10の柔軟性が高く維持される。こうした部分以外において、マイクロニードル20および第1粘着シート30は、第2粘着シート40の変形に追従して変形してもよいし、第2粘着シート40の変形に追従しなくてもよい。
すなわち、図8に示されるように、マイクロニードル20および第1粘着シート30の各々は、第2粘着シート40の変形に追従して変形する程度の柔軟性を有していてもよい。あるいは、図9に示されるように、第1粘着シート30、もしくは、マイクロニードル20および第1粘着シート30の各々が、第2粘着シート40の変形に追従して変形しない程度の剛性を有し、マイクロニードル20および第1粘着シート30の各々は、第2粘着シート40の変形に追従しなくてもよい。この場合、第2粘着シート40の変形に伴って、第1粘着シート30と第2粘着シート40との間には隙間が形成される。
なお、図8に示す構成と図9に示す構成のいずれにおいても、経皮投与デバイス10の変形は、可逆的な変形であってもよいし、不可逆的な変形であってもよい。
以上説明したように、経皮投与デバイス10によれば、以下の効果が得られる。
(1)本体部51の少なくとも一部を含む切り離し予定部60を、フランジ部54の少なくとも一部を含む残存予定部58から切り離す切れ目の形成が促される。こうした構成によれば、経皮投与デバイス10の使用に際して、切り離し予定部60が除去されたとき、残存予定部58が第2粘着シート40上に残される。その結果、蓋部50のすべてが剥離される場合と比較して、経皮投与デバイス10にて使用者が支持する部分の剛性は高くなるため、経皮投与デバイス10の取り扱い性が向上する。
(2)切れ目の形成を促す構成が脆弱部55に具体化されているため、切り離し予定部60の切り離しが外力によって容易に進む。また、切り離し予定部60は脆弱部55に沿って残存予定部58から切り離されるため、切り離し位置の設定が容易である。
(3)残存予定部58が、第2粘着シート40の外縁に沿って配置されるため、残存予定部58が第2粘着シート40の外縁よりも内側に残る場合と比較して、経皮投与デバイス10の端部における剛性が高くなる。そのため、使用者は、経皮投与デバイス10をさらに支持しやすくなるため、経皮投与デバイス10の取り扱い性が一層に向上する。
(4)残存予定部58はフランジ部54の一部であるため、切り離し予定部60にもフランジ部54の一部が含まれる。こうした構成であれば、切り離し予定部60のうち、フランジ部54の一部である部分は、除去前において第2粘着シート40に貼り付けられている。したがって、経皮投与デバイス10の使用前においては、意図しない外力が経皮投与デバイス10に加えられた場合であっても、切り離し予定部60が残存予定部58から切り離されることが抑えられる。
(5)基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58と第1粘着シート30とが離れているため、第1粘着シート30と残存予定部58との間にて第2粘着シート40が露出している部分では、蓋部50のすべてが剥離される場合と同様に柔軟性が高く維持されている。したがって、切り離し予定部60が残存予定部58から切り離された後において、残存予定部58が残された状態であっても、皮膚の表面Sに沿って基体21を押し付け、第1粘着シート30を皮膚の表面Sに貼り付けることが困難になることが抑えられる。
(6)第2粘着層42の第1基材シート31に対する粘着力は、第1粘着層32の皮膚に対する粘着力よりも小さいため、第1粘着シート30を皮膚の表面Sに貼り付けた後に、第1粘着シート30から第2粘着シート40を容易に剥離することができる。なお、第2粘着層42の第1基材シート31に対する粘着力が、第1粘着層32の基体21に対する粘着力よりも小さい構成によっても、上記効果に準じた効果は得られる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・上記実施形態では、起点部59の配置されていた部分については、第2粘着シート40上に蓋部50が残らず、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、第2粘着シート40の外縁に沿った領域には、残存予定部58の配置されない領域が含まれている。これに代えて、図10に示されるように、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58が、第2粘着シート40の外縁に沿った領域の全域に配置されていてもよい。この場合、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、脆弱部55は、本体部51を囲む環状を有する。こうした構成においては、例えば、脆弱部55によって囲まれる切り離し予定部60を切り離す際に、使用者が引き上げる摘みとなる部分が、例えば、筒部52や上板部53に設けられていてもよいし、使用者が筒部52を掴んで引き上げることによって、切り離し予定部60が切り離されてもよい。
・上記実施形態では、脆弱部55を構成する包囲部56は、フランジ部54における径方向の中央部に配置されたが、包囲部56は、フランジ部54における径方向の中央部からずれた位置に配置されていてもよく、本体部51とフランジ部54との境界部分に配置されてもよい。また、上記図10に示した構成にて、脆弱部55を本体部51とフランジ部54との境界部分に配置してもよく、この場合、フランジ部54の全体が残存予定部58となり、本体部51の全体が切り離し予定部60となる。
・残存予定部58は、蓋部50においてフランジ部54の少なくとも一部を含む部分であればよく、本体部51の一部を含んでもよい。また、切り離し予定部60は、蓋部50において本体部51の少なくとも一部を含む部分であればよい。
・基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58と第1粘着シート30とは、接していてもよい。例えば、フランジ部54の内周縁と第1粘着シート30の外縁とが接し、脆弱部55が本体部51とフランジ部54との境界部分に配置される構成では、残存予定部58と第1粘着シート30とが接する。
・上記実施形態では、蓋部50において残存予定部58はひとつながりの部分であるが、残存予定部58は複数の部分に分離していてもよい。例えば、図11に示されるように、フランジ部54の周方向に沿って、複数の起点部59が配置されてもよい。図11に示される例では、3つの起点部59が設けられ、残存予定部58は、フランジ部54の周方向に並ぶ起点部59の間に配置された3つの残存予定片58aから構成される。ただし、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、第2粘着シート40の外縁に沿った領域のうち、残存予定部58の配置される領域の割合が多い構成ほど、使用者は、経皮投与デバイス10をより支持しやすくなるため、経皮投与デバイス10の取り扱い性が向上する。
・残存予定部58は、第2粘着シート40の外縁から離れていてもよく、基体21の第1面21Sと対向する方向から見て、残存予定部58が第2粘着シート40の外縁よりも内側に配置されてもよい。こうした構成によっても、蓋部50のすべてが除去される構成と比較して、経皮投与デバイス10の取り扱い性は向上する。
・切り離し予定部60を残存予定部58から切り離す切れ目の形成を促すための構成は、切り離し予定部60が脆弱部55によって囲まれる構成に限られない。例えば、切り離し促進部の一例である切り込みが起点部59の付近にのみ形成されており、起点部59を引き上げることによって、切れ込みの部分を起点として蓋部50が破断されてもよい。また、蓋部50には、蓋部50を切断するためのカットテープが切り離し促進部の一例として融着され、カットテープに接合された起点部59が引き上げられることによって蓋部50が切断されてもよい。
・投与部が有する突起部22の形状は、針状、すなわち、基体21の第1面21Sと直交する方向に沿って延びる形状に限られない。突起部22の形状は、ブレード状、すなわち、突起部22が基体21の第1面21Sに沿った方向である1つの延在方向に沿って延び、突起部22の先端が、基体21の第1面21Sと直交する方向とは異なる方向、例えば延在方向に延びる線状に形成された形状であってもよい。例えば、突起部22は、延在方向に沿って延びる三角柱形状であって、三角柱が有する3つの矩形の側面のなかの1つが基体21に接し、かつ、他の2つの側面を区画する辺が突起部22の先端として機能する形状を有していてもよい。
10…経皮投与デバイス、20…マイクロニードル、21…基体、21S…第1面、21T…第2面、22…突起部、30…第1粘着シート、31…第1基材シート、32…第1粘着層、40…第2粘着シート、41…第2基材シート、42…第2粘着層、50…蓋部、51…本体部、52…筒部、53…上板部、54…フランジ部、55,65…脆弱部、56…包囲部、57…起点形成部、58…残存予定部、59…起点部、60…切り離し予定部。

Claims (5)

  1. 第1面、および、前記第1面とは反対側の面である第2面を有する基体と、前記第1面から突き出た突起部とを備える投与部と、
    前記第2面が貼り付けられた第1粘着シートであって、前記第2面からはみ出す前記第1粘着シートと、
    前記第1粘着シートのなかで前記第2面に接する面とは反対側の面が貼り付けられた第2粘着シートであって、前記第1粘着シートの全周囲からはみ出す前記第2粘着シートと、
    前記投与部と前記第1粘着シートとから離間して前記投与部と前記第1粘着シートとに被せられた蓋部と、を備える経皮投与デバイスであって、
    前記蓋部は、
    前記投与部と前記第1粘着シートとを覆う本体部と、
    前記本体部の縁から前記本体部の外側に向けて延設されたフランジ部であって、前記第2粘着シートのなかで前記第1粘着シートの外側にはみ出した部分に貼り付けられた前記フランジ部と、を備え、
    前記蓋部と前記第2粘着シートとは、
    前記フランジ部が前記第2粘着シートに貼り付けられることによって前記投与部および前記第1粘着シートを収容する単一の収容空間を閉じ、
    前記本体部と前記フランジ部とから構成される構造体は、
    前記フランジ部の少なくとも一部を含み前記第2粘着シート上に残されることを予定された部分である残存予定部と、
    前記本体部の少なくとも一部を含み前記残存予定部から切り離されることを予定された部分である切り離し予定部と、
    前記残存予定部から前記切り離し予定部を切り離す切れ目の形成を促す切り離し促進部と、を含む
    経皮投与デバイス。
  2. 前記切り離し促進部は、前記構造体のなかで前記切り離し促進部以外の部分よりも外力によって裂けやすい脆弱部である
    請求項1に記載の経皮投与デバイス。
  3. 前記残存予定部は、前記フランジ部の一部であって、
    前記基体の第1面と対向する方向から見て、前記残存予定部は、前
    記第2粘着シートの外縁に沿って配置されている
    請求項1または2に記載の経皮投与デバイス。
  4. 前記基体の第1面と対向する方向から見て、
    前記残存予定部と前記第1粘着シートとが離れている
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮投与デバイス。
  5. 前記第2粘着シートの前記第1粘着シートに対する粘着力は、前記第1粘着シートの皮膚に対する粘着力よりも小さい
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の経皮投与デバイス。
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