JP6715645B2 - ルテインを高含有する粉末状組成物及び製造方法 - Google Patents

ルテインを高含有する粉末状組成物及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ルテインを高含有する粉末状組成物に関する。
カロテノイドの一種であるルテインについて、近年さまざまな生理効果が見いだされている。網膜黄斑部の酸化変性に起因する加齢性黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration:AMD)のリスク低減作用、動脈硬化の予防、白内障の予防あるいは発癌抑制等などが報告されている。このためルテインを、健康食品、栄養補助食品、食品用色素、医薬品用色素、医薬品に配合する試みがなされている。特許文献1には眼精疲労に有効な治療剤が記載されている。
ルテインは、ルテイン脂肪酸エステルの形で、オレンジ、桃、パパイヤ、プルーン、マンゴーなどの果実に含まれている。また、多くの花や野菜中にも存在し、特にマリーゴールドの花弁に多く含まれていることが分かっている。このため、乾燥・粉砕されたマリーゴールドの花をヘキサンや石油エーテル等の炭化水素、またはジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶剤で抽出し、抽出液から溶剤を除去することにより、ルテインを高濃度に含有するマリーゴールドオレオレジンが得られる。ルテインの原料として商業的に取引されている大部分のマリーゴールドオレオレジンの性状は、常温で固状または高粘度のペースト状で、オレオレジン中のルテイン脂肪酸エステル含有量は、エステルとして通常14〜20%である(特許文献2参照)。
通常マリーゴールドオレオレジンは、キク科マリーゴールド(Tagetes erecta WILLD.)の花を乾燥し、粉砕し必要ならペレット状に加工した後、有機溶剤、通常ヘキサン、で抽出し、抽出液から溶剤を除去することにより得られるものである。その性状は、常温で固状またはペースト状で、特有のにおいを有する。その主成分は、ルテイン脂肪酸エステルであるが、通常ゼアキサンチン及びクリプトキサンチンの脂肪酸エステルを含む。
マリーゴールドオレオレジンは、油性の粘液状であり、その原料由来の特有な異臭を有しているため、ルテインを含む該マリーゴールドオレオレジンをゼラチン皮膜で包み込んだルテイン含有ソフトカプセルが製造されている。しかしソフトカプセルの製造に当たっては、マリーゴールドオレオレジンを加熱・溶融し、さらに食用油に溶解または分散させて液状にすることが必要となる。一般的に、このような食用油に溶解または分散させた組成物が、ルテインの原料として市販されている。ルテイン原料の中には製造工程中に水酸化カリウムなどでケン化処理し、脱エステル化したフリー体ルテインを含む原料も市販されている。このようなルテイン原料は、総カロテノイド量に換算して20質量%程度のフリー体ルテインを含有している。本発明で言うルテインとは、フリー体ルテインをいう。
一方、ソフトカプセル化の必要のないマリーゴールドオレオレジンが提案されている。すなわち非極性溶媒にマリーゴールドオレオレジンを溶解させたコロイド懸濁液を不活性球体の流動層中に噴霧してビーズ化する方法により調製されるビーズ体(特許文献3)、30〜85℃に滴点を有する油脂またはワックスとマリーゴールドオレオレジンからなるビーズ体(特許文献4)、非極性溶媒にマリーゴールドオレオレジンを溶解させたコロイド懸濁液をヒドロキシプロピルセルロースなどの不活性球体の流動層中に噴霧してビーズ化する方法により調製されるビーズ体(特許文献5)などがある。そしてこれらの技術で調製されたルテイン含有ビーズが市販され、これらのビーズ体を用いることでハードカプセルの製剤が提供されている。しかしこれらのビーズ体はいずれもビーズ化に必要な賦形剤を含んでおり、ルテインの含有量はいずれも40質量%未満である。
高濃度のルテインを含有する粉末を得るため、ルテイン原料であるマリーゴールドオレオレジンから選択的にルテインなどのカロテノイド色素を抽出する技術が提案されている。抽出のための代表的な技術は、超臨界抽出法が検討されている。特許文献6には、超臨界抽出処理とケトン系溶剤を用いたルテイン濃縮技術が提案されている。特許文献7には超臨界二酸化炭素と亜臨界の二酸化炭素によってカロテノイドを抽出する技術が記載されている。しかしこれらの超臨界操作では、粘稠性の高い粘液状の物質しか得ることができない。
国際公開第2011/136159号 特開2004−131496号公報 特表2006−522739号公報 特表2014−513525号公報 特開2010−159276号公報 特開2004−131496号公報 特開2007−46015号公報
本発明は、ルテインを40質量%以上含有する粉末状の組成物を提供することを課題とする。また本発明は、超臨界抽出技術を用いたルテイン含有粉末状組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成である。
(1)ルテインを40質量%以上と水溶性ポリマーを5質量%以上含有する粉末状組成物であって、水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである粉末状組成物。
(2)ルテインがマリーゴールドオレオレジン由来である(1)に記載の粉末状組成物。
(3)粉末状組成物100mgを100mLの水に分散させるとき、均一に分散する特徴を有する(1)又は(2)に記載の粉末状組成物。
(4)ルテイン含有量が総カロテノイド換算である(1)〜(3)のいずれかに記載の粉末状組成物。
(5)次の工程からなるルテイン含有粉末の製造方法。
工程1.ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジンとヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースをエタノールに溶解または分散させる工程
工程2.工程1で得たエタノール溶液を、二酸化炭素を溶媒とする超臨界抽出操作によって抽出する工程
工程3.抽出操作終了後の残渣を回収し、これを粉砕する工程
(6)超臨界抽出圧力が25MPa、温度が40℃、二酸化炭素流量が65g/分である(5)に記載の方法。
本発明により、ルテインを40質量%以上含有する粉末状の組成物が提供される。本発明の粉末状組成物は、従来のルテイン含有組成物にはない水分散性を有するため、食品原料や医薬品原料として取り扱いが容易である。また保存安定性が高く、保存中のルテインの分解が抑制されているため、賞味期限を長くすることができる。この結果、保管や流通時の取り扱いが容易である。さらに粉末状であるため、容器や装置への付着がなく、食品や医薬品の製造に際してオイル状の成分付着に伴うロスがなく、さらに水によって簡単に洗浄できるという利点がある。また、市販のルテイン含有ビーズでは、錠剤に配合した際に、ビーズの結着性が乏しいことから、硬度が高く、摩損の少ない錠剤を成形することは困難だが、本発明により製造された粉末は結着性の高いヒドロキシプロピルセルロースを含有するため、硬度が高く、摩損の少ない錠剤を成形することができる。さらに粉末のルテイン含有量が市販の原料よりも高いので、サプリメントの摂取量を減らすことが可能である。
さらに本発明の製造方法は、従来の技術で使用していた組成物中のルテインの濃度を高めるために使用していたケトンなどの有機溶媒を使用しないため、安全な組成物を得ることができ、製造工程が簡単である。
実施例1〜5、比較例1〜4の製造方法で得られたルテイン含有組成物の外観状態(粉末状態)を観察した画像である。 実施例1〜5、比較例3、4の製造方法で得られたルテイン含有組成物及び市販の粉末状ルテイン、ビーズ状ルテインの水分散性を示す観察画像である。
本発明は、ルテインを40質量%以上と水溶性ポリマーを5質量%以上含有することを特徴とする粉末状組成物に係る発明である。
本発明の組成物は、ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジンとヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むエタノール溶液に対して超臨界抽出法により抽出操作を行い、抽出操作後の残存物を粉砕して得ることができる。従来のルテイン高含有組成物を得る技術は、ルテインを選択的に抽出することで、ルテインを高濃度に濃縮するものである。しかし、このような方法で得られる組成物は液状または粘液状を呈する。これを粉末状にするためには、さらにデキストリンや二酸化ケイ素などを添加する必要がある。その結果、得られる粉末状組成物中では、添加したデキストリンや二酸化ケイ素により希釈され、ルテイン含有量が40質量%を超えることはない。本発明は、まったく逆の発想を持って試行錯誤を重ね、超臨界抽出の際に、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加したルテインオイルやマリーゴールドオレオレジンに対して、残渣側にルテインが残るように超臨界抽出操作を行うことで、残渣側の組成物が容易に粉末化できることを見いだした。
本発明の粉末状の組成物を得るための操作について説明する。
(1)原料
本発明の粉末状組成物を得るための原料としては、市販のルテインオイルを例示できる。ルテインオイルはマリーゴールドオレオレジンを食用油に分散溶解させたものである。このようなものとしてザンマックス2004やフローラGLOルテイン20%懸濁液SAFを例示することができる。このオイルはフリー体ルテインを20%程度含有している。
ヒドロキシプロピルセルロース(以下「HPC」)は、セルロースの水酸基を酸化プロピレンでエーテル化することで得られ、多数のヒドロキシプロピル基(−OCHCH(OH)CH)を持つ。HPCは、食品添加物として広く利用されており、その安全性も熟知されている。HPCの分子量は、食品添加物として市販されているものとしては、質量平均分子量40000〜910000の範囲であるが、必要に応じて分子量の範囲を選択できる。本発明にあっては分子量の大きいものが好ましく、特に好ましくは、質量平均分子量が140000〜910000のものである。なおHPCの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)で容易に測定可能である。
食品添加物として市販されているHPCとしては、例えば日本曹達株式会社のセルニーSSL(分子量40000)、セルニーSL(分子量100000)、セルニーL(分子量140000)、セルニーM(分子量620000)、セルニーH(分子量910000)を例示することができる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、メチルセルロースにヒドロキシプロピル基を導入したセルロースエーテルであり、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC・Na)やカルボシキメチルセルロースカルシウム(CMC・Ca)と同じ範疇にあるセルロース誘導体(セルロースエーテル類)である。
HPMCは、食品添加物として市販されている。これは、質量平均分子量10000〜300000の範囲のものであるが、必要に応じて分子量の範囲を選択できる。なおHPMCの分子量は、HPCと同様にゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)で容易に測定可能である。
食品添加物として市販されているHPMCとしては、例えば信越化学工業株式会社のメトローズSE−03(分子量約19000)、メトローズSE−06(分子量35000)、メトローズNE−4000(290000)を例示することができる。
ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジンとHPCまたはHPMCをエタノールに溶解分散させて抽出用の溶液を調製する。ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジン1質量部に対して、HPCまたはHPMC0.005〜0.05質量部、エタノール0.7〜1.2質量部を混合し、十分に撹拌してルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジン、及びHPCまたはHPMCを溶解または分散させる。
(2)超臨界抽出操作
本発明を実施する場合の超臨界抽出装置に特に制限はない。
抽出操作に当たっては、前記のエタノール溶液を超臨界抽出装置内の抽出槽に収納し、抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、各々の抽出条件にて抽出操作を行う。適切な抽出条件は、例えば、二酸化炭素流量10〜100g/分、抽出圧力10〜100MPaおよび抽出温度32〜100℃である。より好ましくは二酸化炭素流量65g/分、抽出圧力25MPaおよび抽出温度40℃である。抽出時間が長いほど、粉末化の障害となる脂質類が多く除去される。抽出操作時間は、好ましくは0.5〜1時間である。
かくして抽出回収槽には、ルテインの粉末化を阻害するグリース状の油状成分が抽出される。一方、抽出槽には、ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジンとHPCまたはHPMCを含む固形状の残渣が生じる。この固形状残渣は、容易に粉末状に粉砕することができる。なおHPCまたはHPMCは超臨界抽出されないため、添加した量がそのまま残渣成分に含有される。また粉砕後の粉末を分級するために適切なメッシュサイズの篩を用いることもできる。
上記の方法で得られるルテインの粉末は、次のような特徴を有している。
ルテイン含有量 :40質量%以上
HPCまたはHPMC含有量:5〜30質量%
粉末状であること
水分散性を有すること
なお、粉末状組成物中のHPCまたはHPMC含有量は、超臨界抽出後の残渣重量で配合したHPCまたはHPMC配合重量を除して得られた値である。
(3)ルテイン含有量の確認方法
また、得られた粉末は、以下に示すいずれかの方法でルテイン含有量を分析することが好ましい。
1)吸光光度に基づく総カロテノイド量の測定
ルテインを含む組成物をエタノールに溶解または分散させ、吸光度を測定しアメリカ薬局法に記載の次の式によって簡易的にルテイン(総カロテノイド)含有量を得ることができる。
ルテイン(総カロテノイド)含有量(%)
=446nmの吸光度×希釈倍率/2550×W

2550:エタノール中のルテイン吸光係数
W:サンプル重量(g)
2)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
エタノールに溶解させた試料をHPLC法で定量する。
移動相A :0.1%ギ酸水溶液
移動相B :アセトン
分析カラム :InertSustain C18 φ3.0mm×100mm, 3.0μm(ジーエルサイエンス株式 会社)
注入量 :2μL
カラムオーブン:45℃
分析時間 :100分
流量 :1.0mL/分
グラジエント条件
以下に示すとおり
(1)0−30分
移動相A:45%、移動相B:55%
(2)30―40分
移動相A:25%、移動相B:75%
(3)40―55分
移動相A: 0%、移動相B:100%
(4)55分以降
移動相A:45%、移動相B:55%
本分析条件により、ルテインの標準品で作成した検量線と対比してルテイン濃度を測定できる。本発明の組成物は、上記いずれの方法を採用して測定してもよい。
以下に実施例、比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
1.実施例1〜5及び比較例1〜4の組成物の製造
市販されているソフトカプセル用ルテインオイル(マリーゴールドオレオレジン由来)を用いて超臨界抽出操作を行った。抽出操作に付した試料は表1に示した組成のエタノール溶液である。
ソフトカプセル用ルテインオイルは、Katra Phytochem Private limitedの「ザンマックス2004」(フリー体ルテイン20%以上、ゼアキサンチン4%以上含有)、HPCは、日本曹達株式会社のセルニーSSL(分子量40000)及びセルニーH(分子量910000)である。またHPMCは、信越化学工業株式会社のメトローズSE−06(分子量35000)である。
ルテインオイルとHPCまたはHPMC及びエタノールを秤量し、これらを均一に混合溶解した後、超臨界抽出装置(三菱化工機株式会社製)の耐圧容器(抽出槽、0.5L容器)に移した。次いで抽出溶媒として二酸化炭素を用いて、昇温・昇圧操作を行い、40℃、25MPaで1時間(CO流量:65g/分)、超臨界二酸化炭素を抽出槽に通して抽出操作を行った。
比較例1の超臨界抽出に付した組成は実施例2の組成にエタノールを使用しなかった例である。比較例2は、ルテインオイルのみを超臨界抽出操作に付した例である。比較例4はエタノールとルテインオイルの混合物を抽出操作した例である。
また、比較例3は、実施例3のエタノール溶液を−80℃のフリーザーで1時間凍結させた後、凍結乾燥機FDU−2110(東京理化器械株式会社製)に移し−80℃、20Paの条件で15時間の凍結乾燥処理を実施して得られた乾燥物を粉砕したものである。
抽出操作終了後残渣を回収し、秤量した。次いで乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、粉末とした。次いでこの粉末のルテイン含有量を測定した。
なお、実施例1〜5は微細な粉末となったが、比較例1、2は泥状、また比較例3は粘液性の粒状となりいずれも粉末化できなかった。また比較例4は荒い粒状または粉末状となった。各粉末の状態を撮影した画像を図1に示す。なお粉末状態となった場合〇、粒状の場合△、凝集または粉末化できなかった場合×をそれぞれの図中に付している。
2.超臨界抽出残渣から得た粉末状組成物の重量、ルテイン含有量及びHPCまたはHPMCの含有量
下記表2に実施例1〜5、比較例1〜4の回収物の重量、粉末中のルテイン含有量及びHPCまたはHPMCの含有量を示す。
比較例1、2は粉末状とならないため、ルテイン含有量は測定しなかった。実施例1〜5はいずれもルテイン含有量が40質量%を超える粉末となったことが分かる。この粉末は取り扱いの容易な好ましい粉末状態を維持していた。
3.粉末の溶解試験
実施例1〜5の粉末、比較例3、比較例4、市販品A、ビーズ状粒子をそれぞれ100mg秤取し、100mLの蒸留水に10分間超音波を当てながら分散又は溶解させ、分散状態を観察した。
市販品Aはオリーブライフサイエンスのルテインエキスパウダーであり、ルテイン含有量は約20%である。ビーズ状粒子はルテインとゼラチンのマトリックスからなるビーズであり、ルテイン含有率は約20%である。
結果を図2に示す。なお分散又は溶解した場合〇、沈殿又は分離した場合は×を図中に記載した。
実施例1〜5の粉末は、いずれも水に容易に分散又は溶解した。一方比較例3、比較例4の粒状組成物は殆ど水に分散しなかった。また市販品A及びビーズ状粒子は水に沈殿し、分散も溶解もしなかった。
以上の結果から、本発明の粉末状組成物は従来品にない水分散性という特徴を持った組成物であることが明らかとなった。
4.保存安定性試験
実施例1〜5の粉末及び市販のルテイン粉末(市販品A、市販品B)を1gチャック付密封袋に封入し、40℃で、相対湿度75%の苛酷環境下で保存試験を行った。市販品Bは太陽化学株式会社のサンアクティブLT−240であり、水への分散性に優れた原料である。ルテイン含有率は3.8%である。5日後に取り出してルテイン含有量を測定し、保存開始前のルテイン含有量を100として、残存率を求めた。ルテインの保存後の残存率を表3に示す。
表3に示すとおり、本発明の組成物はいずれも市販品よりも優れた保存安定性を示した。

Claims (5)

  1. ルテインを総カロテノイド換算で40質量%以上62.6質量%以下と水溶性ポリマーを5質量%以上含有する粉末状組成物であって、水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである粉末状組成物。
  2. ルテインがマリーゴールドオレオレジン由来である請求項1に記載の粉末状組成物。
  3. 粉末状組成物100mgを100mLの水に分散させるとき、均一に分散する特徴を有する請求項1又は2に記載の粉末状組成物。
  4. 次の工程からなるルテイン含有粉末の製造方法。
    工程1.ルテインオイルまたはマリーゴールドオレオレジンとヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースをエタノールに溶解または分散させる工程
    工程2.工程1で得たエタノール溶液を、二酸化炭素を溶媒とする超臨界抽出操作によって抽出する工程
    工程3.抽出操作終了後の残渣を回収し、これを粉砕する工程
  5. 超臨界抽出圧力が25MPa、温度が40℃、二酸化炭素流量が65g/分である請求項に記載の方法。
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