JP6715590B2 - プレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係るプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法は、プレキャストコンクリートブロックを用いた組みばらし設計による自由断面構造の構築方法に関するものであり、特に、プレキャストコンクリートブロックの接続部に高剛性部材からなる接続治具を設けることにより、分解後(解体後)のプレキャストコンクリートブロックを容易に再利用できるようにして、生産性を向上させた建築構法である。
接続治具10は、図2に示すように、プレキャストコンクリートブロック40の端部に取り付けて、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40同士を接続するための部材である。この接続治具10は、例えば、プレキャストコンクリートブロック40内に存在する鉄筋60の定着を行う鉄筋定着部20と、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40同士の接続を行う接続部30とを備えている。また、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40の端面同士を向かい合わせた際に、互いに係合する凹凸部を備えている。図2に示す例では、接続部30の外側面に凸部34を形成するとともに、接続部30の外側面を相対的な凹部として機能させることにより、凹凸部が形成されている。
鉄筋定着部20は、図2に示すように、プレキャストコンクリートブロック40の端面に取り付ける定着プレート21と、定着プレート21の外側面から突出して設けた接続凸部22とを備えている。また、定着プレート21には、プレキャストコンクリートブロック40の端面から突出した鉄筋60を挿通するための鉄筋挿通孔(図示せず)を設けてあり、接続凸部22には、接続部30と接続するための定着部側接続ボルト挿通孔23を設けてある。
接続部30は、図2に示すように、鉄筋定着部20の外面側に取り付けて、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40と接続するための部材である。この接続治具10は、例えば、図2に示すように、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40の接続部30と当接する接続プレート31と、接続プレート31の一側面(鉄筋定着部20側)から突出して設けた接続凹部32と、接続プレート31の他側面(隣り合うプレキャストコンクリートブロック40の接続部30側)から突出して設けた凸部34とを備えている。また、接続凹部32には、接続凸部22を挿入した状態で、接続凸部22に設けた定着部側接続ボルト挿通孔23と一連となる凹部側接続ボルト挿通孔33を設けてある。これにより、接続凹部32内に接続凸部22を挿入して、定着部側接続ボルト挿通孔23と凹部側接続ボルト挿通孔33を一連として接続ボルト70を挿通し、接続ボルト70の先端部にナット71をねじ付けることにより、鉄筋定着部20と接続部30とを一体に接続することができる。
接続部30の接続プレート31の他側面(隣り合うプレキャストコンクリートブロック40の接続部30側)と、当該他側面に設けた凸部34とにより凹凸部を形成する。すなわち、接続プレート31の他側面(隣り合うプレキャストコンクリートブロック40の接続部30側)には、外方へ向かって突出した凸部34が形成されており、凸部34に対して相対的に凹状となる接続プレート31の他側面(凹部)とにより凹凸部が形成されている。これにより、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40を当接した際に、凸部34と凹部(接続プレート31の外側面)とが係合して、隣り合うプレキャストコンクリートブロック40同士の位置合わせを行うとともに、プレキャストコンクリートブロック40の接続部30におけるせん断耐力を増加させることができる。
隣り合うプレキャストコンクリートブロック40同士を接続するには、種々の方法がある。例えば、接続部30同士を突き合わせて、接続部30に設けたコッタージョイント、スライドコッタージョイント、ビクトリックジョイント、ワンタッチカプラージョイント、溶接等を用いて接続部30同士を一体に接続すればよい。
隣り合うプレキャストコンクリートブロック40同士を接続する際、あるいは解体する際に、接続治具10を把持可能な揚重装置を用いることが可能である。揚重装置は、例えば、接続治具10を把持する把持装置と、把持装置を目的位置に移動させる移動装置とを備えている。このような装置として、把持装置を備えたクレーン等を用いることができる。
本発明の構築方法では、接続治具10に発生する耐力または応力を管理することにより、プレキャストコンクリートブロック40自体の損傷を防止することができる。また、接続治具10により接続したプレキャストコンクリートブロック40を接続治具10の部分で解体し、解体後のプレキャストコンクリートブロック40を再利用して建築物の再構築を行うことができる。さらに、接続治具10に作用する応力、歪み、変位、加速度、振動、温度の少なくとも一つを計測することにより、プレキャストコンクリートブロック40を用いた構造物の健全性を管理することができる。この場合には、接続治具10の適宜箇所に、応力、歪み、変位、加速度、振動、温度の少なくとも一つを計測するための計測装置(図示せず)を取り付けておけばよい。
20 鉄筋定着部
21 定着プレート
22 接続凸部
23 定着部側接続ボルト挿通孔
30 接続部
31 接続プレート
32 接続凹部
33 凹部側接続ボルト挿通孔
34 凸部
35 連結ボルト挿通孔
40 プレキャストコンクリートブロック
50 連結ボルト
51 ナット
60 鉄筋
70 接続ボルト
71 ナット
80 本体部
81 コッター挿入孔
82 コッター
83 凸部
90 スラブ
Claims (6)
- プレキャストコンクリートブロックの端部に高剛性部材からなる接続治具を設け、
前記接続治具を用いて、隣り合うプレキャストコンクリートブロック内に存在する鉄筋の定着、及び隣り合うプレキャストコンクリートブロック同士の接続を行う建築構法であって、
前記隣り合うプレキャストコンクリートブロックの端面のそれぞれに、別々の接続治具が取り付けられており、
前記接続治具は、前記隣り合うプレキャストコンクリートブロックの端面同士を向かい合わせた際に、互いに係合する凹凸部を備え、
当該凹凸部により、前記プレキャストコンクリートブロックの接続部におけるせん断耐力を増加させるとともに、前記隣り合うプレキャストコンクリートブロック同士を接続する際に、一方の接合治具の凹凸部と他方の接合治具の凹凸部とを係合させて位置合わせを行う、
ことを特徴とするプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。 - 前記接続治具に発生する耐力または応力を管理することにより、前記プレキャストコンクリートブロック自体の損傷を防止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。 - 前記接続治具により接続した前記プレキャストコンクリートブロックを前記接続治具の部分で解体し、解体後の前記プレキャストコンクリートブロックを再利用して建築物の再構築を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。 - 前記接続治具は、前記プレキャストコンクリートブロック内に存在する鉄筋の定着を行う鉄筋定着部と、前記隣り合うプレキャストコンクリートブロック同士の接続を行う接続部とを備え、
当該接続治具が損傷した際に、少なくとも前記接続部を交換可能とした、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。 - 前記接続治具を把持可能な揚重装置を用いて、前記隣り合うプレキャストコンクリートブロック同士の接続または解体を行う、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。 - 前記接続治具に作用する応力、歪み、変位、加速度、振動、温度の少なくとも一つを計測することにより、前記プレキャストコンクリートブロックを用いた構造物の健全性を管理する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリートブロックを用いた建築構法。
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