JP6715557B2 - 注射器およびプレフィルドシリンジ - Google Patents

注射器およびプレフィルドシリンジ Download PDF

Info

Publication number
JP6715557B2
JP6715557B2 JP2018132380A JP2018132380A JP6715557B2 JP 6715557 B2 JP6715557 B2 JP 6715557B2 JP 2018132380 A JP2018132380 A JP 2018132380A JP 2018132380 A JP2018132380 A JP 2018132380A JP 6715557 B2 JP6715557 B2 JP 6715557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spiral
rib
plunger
gasket
syringe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018132380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018158179A (ja
Inventor
雄二 奥田
雄二 奥田
光一郎 古川
光一郎 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TRUMO KABUSHIKI KAISHA filed Critical TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2018132380A priority Critical patent/JP6715557B2/ja
Publication of JP2018158179A publication Critical patent/JP2018158179A/ja
Priority to JP2020072953A priority patent/JP6933748B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6715557B2 publication Critical patent/JP6715557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、注射器および予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジに関する。
近年、予め薬液などの液体が充填されたプレフィルドシリンジが多く利用されている。このようなプレフィルドシリンジの中には、バイアル内の薬剤を溶解するための溶解液が充填されているものもある。
プレフィルドシリンジにおけるガスケット挿入は、先端開口がシールされた外筒内に薬剤を充填した状態とし、減圧下雰囲気(真空下雰囲気)にて、ガスケットを外筒の開口部に配置し、その後、常圧状態とすることにより、ガスケットを外筒内に挿入させるといういわゆる真空打栓といわれる方法を用いるのが一般的である。ガスケットにプランジャが装着された状態では、外筒の開口部へのガスケットの配置が困難であるため、ガスケット単体にて上記の打栓作業が行われる。このため、プレフィルドシリンジとしては、その後のプランジャ装着作業を必要とするのが一般的である。そして、ガスケットへのプランジャ装着作業を容易なものとし、かつ、装着作業時における液漏れ発生防止、内部圧の上昇抑制を少ないものとするために、プランジャに雄ねじ部、ガスケットに雌ねじ部を設け、両者の螺合による装着機構を有するものが一般的となっている。
そして、上述したように、溶解液が充填されたプレフィルドシリンジでは、バイアル内の薬剤を溶解液で溶解したり、溶解した薬剤を回収したりするために、ガスケットに装着されたプランジャを引く操作を行う。しかし、プランジャを引く操作を行った際に、プランジャがガスケットから外れ、薬剤を溶解できなかったり、溶解した薬剤を回収できない恐れがあった。
このようなガスケットの外れを防止する機構を有するものとしては、特開2009−142508号公報(特許文献1)および特開2011−72394号公報(特許文献2)がある。なお、特許文献1および特許文献2のいずれも、本願出願人の提案である。
特許文献1の注射器10は、ガスケット3と外筒2とプランジャ4とを備える。そして、プランジャ4は、ヘッド部42の外面に設けられた螺旋状リブ44を備え、ガスケットは、螺旋状リブと螺合するための螺旋状谷部33と、螺旋状谷部33の付近かつ先端側に位置するプランジャ抜け止め用環状リブ34と、プランジャのヘッド部の螺旋状リブ形成部位収納部32を備える。環状リブ34は、プランジャの螺旋状リブとガスケットの螺旋状谷部との螺合の進行により、環状リブに到達した螺旋状リブを収納部に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。環状リブ34によって螺旋状リブ44を収納部32内に保持してガスケットからのプランジャの抜け止めをはかるものである。特許文献2の注射器10は、ガスケット3と外筒とプランジャとを備える。プランジャは、ヘッド部に設けられた螺旋状リブを備え、ガスケットは、螺旋状リブと螺合するための螺旋状谷部と、プランジャのヘッド部の螺旋状リブ形成部位収納部32を備える。螺旋状谷部は、螺旋状山部36と、螺旋状山部36間により形成される螺旋状谷部33と、螺旋状谷部33の終端部に形成され、収納部32方向に向かって徐々に隆起するプランジャ抜け止め用隆起部34を有する。隆起部34によりガスケットへの装着後のプランジャを逆回転させた場合に、螺旋状谷部33の終端部に、プランジャ4の螺旋状リブが侵入し難くするものであり、ガスケットからのプランジャの抜け止めとして有効である。
特開2009−142508号公報 特開2011−72394号公報
特許文献1および2に記載のものでは、通常操作では、プランジャがガスケットより離脱する可能性は少ないが、プランジャを強く基端側に引いた状態で、プランジャを回転させたとき、螺旋状リブの終端が、抜け止め用環状リブの欠損部内に進入する可能性があった。
本発明の目的は、ガスケットへのプランジャの装着が容易であり、かつ、装着後のプランジャからのガスケットの離脱のおそれが少ない注射器およびそれを用いたプレフィルドシリンジを提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、基端側より先端側に延びる内腔部を備えるガスケットと、先端開口部を備えかつ前記ガスケットを摺動可能に収納する外筒と、前記ガスケットの前記内腔部内に収納可能なヘッド部を有するプランジャとを備える注射器であって、前記プランジャは、前記ヘッド部に設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブを備え、前記ガスケットは、前記内腔部の内面に、前記プランジャの前記螺旋状リブと螺合する螺旋状谷部を形成する螺旋状山部と、前記螺旋状山部より先端側に位置し、前記プランジャの前記ヘッド部の前記螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部を備え、前記螺旋状谷部は、前記内腔部の開口部付近に始端を有し、所定長先端方向に延び、かつ前記収納部より基端側に終端を有し、前記螺旋状リブは、前記終端に向かうにしたがって厚みが厚くなるように、または、中央部から前記終端に向かって徐々に肉厚となるように形成されており、前記終端が最も肉厚の肉厚終端部となっており、前記プランジャは、前記螺旋状リブの前記肉厚終端部により、前記ガスケットの収納部内への前記プランジャの螺旋状リブ形成部位の収納後における前記螺旋状谷部の前記終端内への前記螺旋状リブの進入を規制する進入規制終端部を備えており、前記プランジャの前記ヘッド部は、外面に前記螺旋状リブを備える軸部を有し、前記螺旋状リブの前記進入規制終端部は、前記螺旋状リブの終端に形成され、前記軸部の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面を有し、かつ、前記起立終端面は、平坦面となっており、前記螺旋状山部の先端と当接可能となっており、さらに、前記肉厚終端部は、前記螺旋状谷部の前記終端より前記ガスケットの軸方向における幅が大きく、前記肉厚終端部は、前記螺旋状谷部を押し広げることにより通過可能であり、かつ、通過後の前記螺旋状谷部の前記終端内への進入が実質的に不能である注射器。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
上記(1)または(2)の注射器と、前記外筒の前記先端開口部を封止する封止部材と、前記外筒内に収納された薬剤とを備えるプレフィルドシリンジ。
図1は、本発明の実施例の注射器を用いたプレフィルドシリンジの正面図である。 図2は、図1に示したプレフィルドシリンジの縦断面図である。 図3は、本発明の注射器に使用されるガスケットの拡大正面図である。 図4は、図3のA−A線断面図である。 図5は、図4のB−B線断面図である。 図6は、本発明の注射器に使用されるプランジャの正面図である。 図7は、図6に示したプランジャの先端部の拡大右側面図である。 図8は、本発明の注射器におけるガスケットとプランジャの装着時の作用を説明するための説明図である。 図9は、本発明の注射器に使用される外筒の一例の正面図である。 図10は、本発明の注射器に使用されるシールキャップの一例の断面図である。 図11は、本発明の注射器に使用される他の例のプランジャの先端部の拡大正面図である。 図12は、図11に示したプランジャの右側面図である。 図13は、図11および図12に示すプランジャを用いた注射器におけるガスケットとプランジャの装着時の作用を説明するための説明図である。 図14は、本発明の注射器に使用される他の例のプランジャの先端部の拡大正面図である。 図15は、図14に示したプランジャの右側面図である。 図16は、図14および図15に示すプランジャを用いた注射器におけるガスケットとプランジャの装着時の作用を説明するための説明図である。 図17は、本発明の注射器に使用される他の例のガスケットの拡大正面図である。 図18は、図17のC−C線断面図である。 図19は、図18のD−D線断面図である。 図20は、本発明の注射器に使用される他の例のプランジャの正面図である。 図21は、図20に示したプランジャの先端部の拡大正面図である。 図22は、図21に示したプランジャの右側面図である。 図23は、本発明の注射器に使用される他の例のガスケットの拡大正面図である。 図24は、図23のE−E線断面図である。 図25は、図24のF−F線断面図である。 図26は、図20ないし図22に示すプランジャと図23ないし図25に示すガスケットを用いた注射器におけるガスケットとプランジャの装着時の作用を説明するための説明図である。
以下、本発明の注射器およびプレフィルドシリンジについて、図面に示した実施の形態を用いて説明する。
本発明の注射器10は、図1および図2に示すように、先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、図4に示すように、基端側より先端側に延びる内腔部30を備えるガスケット3と、図2に示すように、先端開口部を備えかつガスケット3を摺動可能に収納する外筒2と、図6に示すように、ガスケット3の内腔部30内に収納可能なヘッド部42を有するプランジャ4とを備える。
そして、プランジャ4は、図6に示すように、ヘッド部42に設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブ44を備える。
ガスケット3は、図8に示すように、内腔部30の内面に、プランジャ4の螺旋状リブ44と螺合するための螺旋状谷部33を形成する螺旋状山部36と、螺旋状山部36より先端側に位置するプランジャ抜け止め用環状リブ34とを備え、さらに、内腔部30は、環状リブ34より先端側に位置し、プランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部32を備える。さらに、プランジャ抜け止め用環状リブ34は、プランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ44とガスケット3の螺旋状谷部33との螺合の進行により、抜け止め用環状リブ34に到達した螺旋状リブ44を収納部32に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。
そして、プランジャ4は、螺旋状リブ44の終端に、ガスケット3の収納部32内へのプランジャ4の螺旋状リブ形成部位の収納後におけるリブ欠損部35への螺旋状リブ44の進入を規制する進入規制終端部46を備えている。
この注射器では、プランジャがガスケットに装着された後、プランジャを基端方向に引いた状態にて、ガスケットとプランジャの螺合方向と逆方向(螺合の解除方向)に回転されても、プランジャは空転し、プランジャの螺旋状リブの基端側が抜け止め用環状リブの欠損部内に進入しない。このため、プランジャのガスケットからの離脱が防止される。
また、図1および図2に示すように、本発明のプレフィルドシリンジ1は、プレフィルドシリンジ用注射器10と、外筒2の先端開口部を封止する封止部材5と、外筒2内に収納された薬剤8とを備える。この実施例の注射器10は、外筒2と、外筒内に摺動可能に収納されたガスケット3と、ガスケット3に取り付けられたまたは取付可能なプランジャ4とからなる。そして、プレフィルドシリンジ1は、上記の注射器10と、外筒2の先端開口部を封止する封止部材5と、注射器内(外筒内)に収納された薬剤8とからなる。この実施例のガスケット3は、図1ないし図5に示すように、閉塞した先端と、基端開口より先端側に延びる内腔部30を有する筒状体である。図3および図4に示すように、ガスケット3の先端部位には、先端側に向かってテーパー状に縮径するテーパー部31を有する。
シリンジ用ガスケット3は、内腔部30を備え、この内腔部30が、プランジャ取付機能を備えている。内腔部30は、その内面に、プランジャ4の螺旋状リブ44と螺合するための螺旋状谷部33を形成する螺旋状山部36と、螺旋状山部36(螺旋状谷部33)の付近かつ先端側に位置するプランジャ抜け止め用環状リブ34とを備え、さらに、内腔部30は、抜け止め用環状リブ34より先端側にプランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部32を備え、抜け止め用環状リブ34は、プランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ44とガスケット3の螺旋状谷部33との螺合の進行により、抜け止め用環状リブ34に到達した螺旋状リブ44を収納部32に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。
螺旋状谷部(螺合部)33は、内腔部30の開口部付近に基端33aを有し、先端方向に所定長延び、かつ、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35付近に先端33bを有している。この実施例では、螺旋状谷部33は、後述するするプランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ44に対応するように、二条(二本)の螺旋状谷部33となっている。そして、この実施例のガスケット3では、二条(二本)の螺旋状谷部を形成するために、図4および図5に示すように、2本の螺旋状山部36a,36bを備えている。なお、上記のような複数(具体的には、二条)の螺旋状谷部を備えることが好ましいが、螺旋状山部(螺旋状山部)は、一条(一本)のみであってもよい。
また、この実施例では、螺旋状谷部33は、ガスケット3の内腔部30の内壁面より突出する螺旋状山部36間により形成された溝状部分となっている。螺旋状谷部33は、プランジャ4の螺旋状リブ44と螺合可能であり、かつ、螺旋状リブ44を先端方向に誘導可能となっている。
そして、ガスケット3は、螺旋状谷部33の付近かつ螺旋状谷部33より先端側に位置する部位の内面に設けられたプランジャ抜け止め用環状リブ34を備えている。この実施例のガスケットでは、抜け止め用環状リブ34は、ガスケット3の中心軸に対してほぼ直交する方向に延びるものとなっている。なお、抜け止め用環状リブ34は、ガスケット3の中心軸に対して直交する方向に延びることが望ましいが、直交状態より若干斜めとなっていてもよい。また、ガスケット3は、抜け止め用環状リブ34より先端側にプランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部32を備えている。
さらに、抜け止め用環状リブ34は、プランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ44とガスケット3の螺旋状谷部33との螺合の進行により、抜け止め用環状リブ34に到達した螺旋状リブ44を収納部32に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。特に、この実施例のガスケット3では、上述したように、螺旋状谷部33は、二条の螺旋状リブに対応する二条の螺旋状谷部となっており、これに対応するように、環状リブの欠損部は、図5に示すように、ほぼ向かい合う位置に2つ設けられている。言い換えれば、このガスケット3では、2つに区分された抜け止め用環状リブ34a、34bと、両者間に位置する2つのリブ欠損部35a,35bを備えるものとなっている。さらに、図5に示すように、抜け止め用環状リブ34(34a,34b)は、リブ欠損部35(35a,35b)に向かって徐々にリブ(突出高)が小さくなっていることが好ましい。なお、抜け止め用環状リブ34(34a,34b)は、リブ欠損部35(35a,35b)に向かって徐々に幅が狭くなるもの、または徐々に高さが低くなるもの、さらには、徐々に幅が狭くなるとともに徐々に高さも低くなるもののいずれであってもよい。このようにすることにより、プランジャ4の螺旋状リブ44の抜け止め用環状リブ34の通過、言い換えれば、収納部32への進入がより容易なものとなる。なお、リブ欠損部は、当該部分の抜け止め用環状リブが完全に欠損していなくても、ヘッド部の螺旋状リブを誘導する機能を有する程度に欠損していれば良い。
そして、この実施例のガスケット3では、螺旋状山部36の基端は、内腔部32の開口部付近に位置し、螺旋状山部36の先端36cは、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35に隣接する部分と連結している。言い換えれば、螺旋状山部36の先端36cは、リブ欠損部35により形成された抜け止め用環状リブ34の一端部の基端側側面と連結している。さらに、螺旋状山部36の先端部の先端側の面は、リブ欠損部35の基端に隣接している。言い換えれば、螺旋状山部36の先端部の先端側の面は、リブ欠損部35に近接し、かつ基端側に位置している。これにより、螺旋状リブ44の始端を確実にリブ欠損部35に誘導可能となっている。さらに、螺旋状リブ44は、リブ欠損部35付近の抜け止め用環状リブ34を大きく変形させることなくリブ欠損部35を通過して、抜け止め用環状リブ34を乗り越えることができる。
そして、図4に示すように、螺旋状山部36と抜け止め用環状リブ34との距離は、リブ欠損部35に向かって(同様に、螺旋状谷部33の先端33bに向かって)狭くなるものとなっている。このため、プランジャ4の螺旋状リブ44の抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35への誘導を確実なものとしている。また、ガスケット3の螺旋状谷部33を形成するための螺旋状山部36の突出高さは、抜け止め用環状リブ34の突出高さより、高いものであることが好ましい。ガスケット3へのプランジャ4の装着の際、回転されるプランジャ4の螺旋状リブ44が、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を確実に通過して収納部32内に螺旋状リブ44形成部位が収納されるようにするために、螺旋状山部36と螺旋状リブ44が螺合状態を確実に保つことが容易となるためである。
抜け止め用環状リブ34の高さ(内側への突出長)は、ガスケットの大きさや硬さによって相違するが、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、0.8〜1.5mmが好ましい。また、ガスケット3の周方向における抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35の幅は、0.5〜3.0mmであることが好ましく、特に、0.5〜1.5mmが好ましい。
また、ガスケット3は、先端部内面の中央部に基端側に突出する小さな突起部を備えている。この突起部は、ガスケット3の先端部が基端側に変形したときに、プランジャ3のヘッド部の先端に当接可能なものとなっており、ガスケット3の先端部の過剰な変形を防止する。突起部は、略半球状であることが好ましい。そして、ガスケット3は、直径が5〜30mm、全長が5〜30mm程度のものが一般的である。
そして、ガスケット3の外周面には、外筒2の内径より大きな外径を有する先端側環状リブ38と、同様に外筒2の内径より大きな外径を有する基端側環状リブ39とを備える。先端側環状リブ38は、筒状本体部の先端部外面に設けられ、基端側環状リブ39は、本体部の基端側外面に設けられている。
先端側環状リブ38は、筒状本体部の先端部外面に設けられ、基端側環状リブ39は、本体部の基端部外面に設けられている。先端側環状リブ38の外径および基端側環状リブ39の外径は、外筒2の内径より0.5〜1.5mm大きいことが好ましく、特に、外筒2の内径が8〜10mmの場合、外筒2の内径より0.5〜0.8mm大きいことが好ましい。これにより、ガスケット3と外筒2の内周面との間の液密性を保ちながら、外筒2内を摺動するガスケット3の摺動抵抗を低く抑えることができる。また、先端側環状リブ38および基端側環状リブ39は、ガスケット3の軸方向に直線状に延びる最も外側に突出した頂点部を有している。先端側環状リブ38の頂点部は、図3に示すように、軸方向に幅広に形成されていることが好ましい。また、先端側環状リブ38の頂点部の軸方向の長さは、基端側環状リブ39の軸方向の長さより長いことが好ましい。先端側環状リブ38の軸方向の長さは、0.8〜2mm、特に、0.8〜1.5mmであることが好ましい。基端側環状リブ39の軸方向の長さは、0.1〜1.0mm、特に、0.2〜0.5mmであることが好ましい。以上のような構成により、ガスケット3と外筒2の内周面との接触面積が大きくなるので液密性が高くなり薬液が漏れにくくなる。
ガスケット3の構成材料としては、従来からガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌などの各種滅菌方法が採用可能であることから好ましい。
また、ガスケットの先端側部分に低薬剤吸着性物質等を被覆したものであってもよい。低薬物吸着層の材質としては、従来からラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。低薬物吸着層の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。具体的に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。また、ガスケット3の外面、少なくとも先端側環状リブ38および基端側環状リブ39の表面に潤滑剤の塗布を行うことが好ましい。潤滑剤としては、シリコーンオイルが好適である。
プランジャ4は、図1,図2、図6ないし図8に示すように、プランジャ本体部41と、プランジャ本体部41より先端方向に突出するヘッド部42とを備える。プランジャ本体部41は、先端に位置し、ヘッド部42が突出する円盤部48と、基端に位置する押圧部45とを備えている。プランジャ本体部41は、図6および図9に示すように断面十字状に形成されたシャフト部を備え、その先端に円盤部48が設けられ、基端側に円盤状のプランジャ押圧部45が設けられている。
ヘッド部42は、プランジャ4の先端部に設けられた突出部である。ヘッド部42は、本体部41の先端に設けられた円盤部48の中央付近から前方に突出している。ヘッド部42は、棒状のものとなっている。図6ないし図8に示すように、ヘッド部42は、軸部43とその外面に形成された螺旋状リブ44を備えている。また、軸部43の先端は平坦になっている。また、軸部43は、筒状、円柱状、断面が4角形、5角形、6角形等の多角形、十字形状等であってもよい。
そして、プランジャ4のヘッド部42の先端部外面、具体的には、軸部43の先端部外面には、螺旋状リブ44が形成されている。この実施例におけるプランジャ4では、図6ないし図8に示すように、上述したガスケット3の螺旋状谷部33に対応するように、二条(二本)の螺旋状リブ44が形成されている。螺旋状リブ44は、プランジャ4のヘッド部42の先端部、具体的には、軸部43の先端に始端を有し、所定長基端側に延び、基端側に終端を有するものとなっている。このような複数(具体的には、二条)の螺旋状リブを備えることが好ましいが、螺旋状リブは、一条(一本)のみであってもよい。
そして、プランジャ4の螺旋状リブ44の高さ(外側への突出長)は、0.5〜2.5mmが好ましく、特に、1.0〜2.0mmが好ましい。プランジャ4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
そして、螺旋状リブ44は、ガスケット3の収納部32内へのプランジャ4の螺旋状リブ形成部位の収納後におけるリブ欠損部35への螺旋状リブ44の進入を規制する進入規制終端部46を有している。
特に、図6ないし図8に示す実施例のプランジャ4では、螺旋状リブの進入規制終端部は、螺旋状リブ44の終端に形成され、螺旋状リブ44の先端側の面が螺旋状リブ44の基端側の面よりも軸部の周方向に長く延びるように、軸部中心軸に対して所定角度斜めとなった進入規制用の傾斜終端面46を備えている。
具体的には、図7および図8に示すように、傾斜終端面46は、プランジャ4の軸部43の中心軸に対して所定角度斜め、かつ基端方向を向くものとなっている。このため、螺旋状リブ44の基端側は、プランジャ4の先端方向を向く先端側の面と、プランジャ4の基端方向(円盤部48)方向を向く基端側の面と、先端側の面と基端側の面をつなぎ、かつ、斜め基端方向を向く傾斜面である傾斜終端面46を有するものとなっている。
傾斜終端面46のプランジャ4の軸部43の中心軸に対する傾斜角度は、30〜60度であることが好ましく、特に、40〜70度であることが好ましい。
螺旋状リブ44の傾斜終端面46は、プランジャ4が、螺合進行方向と逆方向に回転された際には、環状リブ34がリブ欠損部35に進入する場合の先端部位となる。螺旋状リブ44の終端に、上記のような傾斜終端面46を設けることにより、螺旋状リブ44が逆回転されても、傾斜終端面46が螺旋状山部36のリブ欠損部35に隣接する部分の側面に当接し、螺旋状リブ44の終端が、リブ欠損部35内から螺旋状谷部33に進入し難くなっている。また、傾斜終端面46は斜め基端方向を向く傾斜面であるため、傾斜終端面46が螺旋状山部36のリブ欠損部35に隣接する部分の側面に当接した際に、螺旋状リブ44には、斜め先端方向に向かう力が生じる。このため、プランジャ4は空転し易く、プランジャ4がガスケット3から抜け難くなっている。
さらに、この実施例のプランジャ4では、螺旋状リブ44は、基端に、螺旋状リブ44の先端側の部分より、螺旋の傾斜が小さい螺旋終端部47(周方向延出部)を備えている。この螺旋終端部は、終端に向かって極めて緩やかに傾斜している。よって、螺旋終端部47の基端面は、軸部43の中心軸に対して、直交に近いものとなっている。このような傾斜が小さい螺旋終端部47を備えることにより、螺旋状リブ44の終端部47の先端側の面とそれと先端方向にて向かい合う螺旋状リブ44の基端側の面との対向距離は、螺旋状リブの他の部分における対向距離より短いものとなっている。このため、ガスケット3に装着されたプランジャ4を回転させたとき、螺旋状リブ44の終端のリブ欠損部35内から螺旋状谷部33への進入がより困難なものとなる。螺旋終端部47の中心角は、30〜150度であることが好ましく、特に80〜100度が好ましい。なお、ここで言う螺旋終端部(周方向延出部)の中心角とは、螺旋終端部(周方向延出部)の始端および終端と軸部の中心軸とをそれぞれ結んだ2つの直線がなす角度のことである。
そして、このプランジャ4は、ガスケット3に、プランジャ4の螺旋状リブ44をガスケット3の螺旋状谷部33の基端に挿入した後、プランジャ4を回転させることにより、螺旋状リブ44と螺旋状谷部33との螺合が進行する。さらにプランジャ4を回転させると、螺旋状リブ44は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、収納部32内に進入し、プランジャの回転を継続することにより、図8に示すように、螺旋状リブ44の全体は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、プランジャ4のヘッド部42の螺旋状リブ形成部位は、ガスケット3の収納部32内に収納された状態となる。
そして、プランジャ4が、ガスケット3に装着された状態では、プランジャ4の螺旋状リブ44(螺旋終端部47)の基端面は、ガスケット3の抜け止め用環状リブ34の先端面と当接するため、プランジャ4のガスケット3からの離脱が規制される。さらに、プランジャ4は、螺旋状リブ44が基端に螺旋終端部47(周方向延出部)を有している。このため、抜け止め用環状リブ34の先端面に当接するプランジャ4の螺旋状リブ44の基端面が大きくなり、プランジャ4が基端側に引かれた場合におけるガスケット3からのプランジャ4の離脱がより確実に防止される。さらに、プランジャ4は、螺旋状リブ44の終端に傾斜終端面46を有している。このため、プランジャ4を基端側に引き、かつ回転させるといった通常行われない操作が行われた場合において、傾斜終端面46が螺旋状山部36のリブ欠損部35に隣接する部分の側面に当接し、螺旋状リブ44の終端が、リブ欠損部35内から螺旋状谷部33に進入し難くなっている。このため、上記のような特別な操作が行われた場合においても、ガスケット3からのプランジャ4の離脱が防止される。
また、螺旋状リブ44の進入規制終端部としては、図11ないし図13に示す実施例のプランジャ4aが備えるタイプのものであってもよい。この実施例では、螺旋状リブの進入規制終端部は、軸部43の中心軸に対してほぼ直交し、かつ、軸部43の周方向に所定長延びる周方向延部47aを備えている。
具体的には、この実施例のプランジャ4aでは、螺旋状リブ44は、その基端に設けられた軸部43の周方向に延びる周方向延部47aを有している。周方向延部47aは、軸部43の中心軸にほぼ直交するように所定長周方向に延びるものなっている。このため、螺旋状リブの終端部分は、実質的に螺旋形態を持たないものとなっている。そして、周方向延部47aの基端面は、ほぼ平坦面となっている。このため、周方向延部47aの基端面は、ガスケット3にプランジャ4aが装着された状態において、ガスケット3の環状リブ34とほぼ平行となる。そして、図11に図示されているように、周方向延部47aと、周方向延部47aの上部に位置する螺旋状リブ間の距離は、周方向延部47aの終端に向かって狭くなっている。
また、周方向延部47aは、ガスケット3の螺旋状谷部33および抜け止め用環状リブ34の欠損部を通過可能なものとなっている。周方向延出部47aの中心角は、30〜150度であることが好ましく、特に80〜100度が好ましい。
そして、このプランジャ4aは、ガスケット3に上述したプランジャ4と同様に、プランジャ4aの螺旋状リブ44をガスケット3の螺旋状谷部33の基端に挿入した後、プランジャ4aを回転させることにより、螺旋状リブ44と螺旋状谷部33との螺合が進行する。さらにプランジャ4aを回転させると、螺旋状リブ44は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、収納部32内に進入し、プランジャの回転を継続することにより、図13に示すように、螺旋状リブ44の全体は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、プランジャ4aのヘッド部42aの螺旋状リブ形成部位は、ガスケット3の収納部32内に収納された状態となる。
そして、プランジャ4aが、ガスケット3に装着された状態では、プランジャ4aの螺旋状リブ44の基端面は、ガスケット3の抜け止め用環状リブ34の先端面と当接するため、プランジャ4aのガスケット3からの離脱が規制される。さらに、この実施例のプランジャ4aでは、螺旋状リブ44が基端に周方向延部47aを有している。このため、抜け止め用環状リブ34の先端面に当接するプランジャ4aの螺旋状リブ44の基端面が大きくなり、プランジャ4aが基端側に引かれた場合におけるガスケット3からのプランジャ4aの離脱がより確実に防止される。また、この実施例では、周方向延部47aの終端面は、軸部43の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面46aとなっている。螺旋状リブ44の起立終端面46aは、プランジャ4が、螺合進行方向と逆方向に回転された際には、環状リブ34がリブ欠損部35に進入する場合の先端部位となる。螺旋状リブ44の終端に、上記のような起立終端面46aを設けることにより、螺旋状リブ44が逆回転されても、起立終端面46aが螺旋状山部36のリブ欠損部35に隣接する部分の側面に当接し、螺旋状リブ44の終端が、リブ欠損部35内から螺旋状谷部33に進入し難くなっている。このため、上記のような特別な操作が行われた場合においても、ガスケット3からのプランジャ4aの離脱が防止される。
また、螺旋状リブ44の進入規制終端部としては、図14ないし図16に示す実施例のプランジャ4bが備えるタイプのものであってもよい。この実施例では、螺旋状リブは、始端から終端にかけて一定の傾斜を有し、螺旋状リブの進入規制終端部は、螺旋状リブ44の終端に形成され、かつ、軸部43の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面46bを備えている。
起立終端面46bは、図14および図16に示すように、軸部43の中心軸とほぼ平行に形成されている。螺旋状リブ44は、先端部(始端部)では、先端(始端)に向かうにしたがって厚みが薄くなるように形成されている。しかし、基端側においては、螺旋状リブは、軸部43の中心軸に対して切断された状態となっている。つまり、螺旋状リブ44の終端は、螺旋状リブの先端部を除く他の部分と同じ厚さおよび形状を有するものとなっている。このため、起立終端面46bも十分な面積を有するものとなっている。また、起立終端面46bは、その外端に向かって徐々に肉薄のものとなっているものの外端においても十分の高さ(厚さ)を有している。なお、起立終端面46bは、軸部43の中心軸と平行であることが好ましいが、中心軸に対して、若干斜めであってもよい。この場合、起立終端面46bは、基端側(円盤部48側)に傾斜するものであることが好ましい。また、起立終端面46bは、平坦面であることが好ましいが、凹凸面、湾曲面であってもよい。
そして、このプランジャ4bは、ガスケット3に上述したプランジャ4と同様に、プランジャ4bの螺旋状リブ44をガスケット3の螺旋状谷部33の基端に挿入した後、プランジャ4bを回転させることにより、螺旋状リブ44と螺旋状谷部33との螺合が進行する。さらにプランジャ4bを回転させると、螺旋状リブ44は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、収納部32内に進入し、プランジャの回転を継続することにより、図16に示すように、螺旋状リブ44の全体は、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35を通過し、プランジャ4bのヘッド部42bの螺旋状リブ形成部位は、ガスケット3の収納部32内に収納された状態となる。
そして、プランジャ4bが、ガスケット3に装着された状態では、プランジャ4bの螺旋状リブ44の基端面は、ガスケット3の抜け止め用環状リブ34の先端面と当接するため、プランジャ4bのガスケット3からの離脱が規制される。さらに、この実施例のプランジャ4bでは、螺旋状リブ44は、起立終端面46bを有している。螺旋状リブ44の起立終端面46bは、プランジャ4が、螺合進行方向と逆方向に回転された際には、環状リブ34がリブ欠損部35に進入する場合の先端部位となる。螺旋状リブ44の終端に、上記のような起立終端面46bを設けることにより、螺旋状リブ44が逆回転されても、起立終端面46bは、螺旋状山部36のリブ欠損部35に隣接する部分の側面に当接し、螺旋状リブ44がリブ欠損部35内に進入し難くなっている。このため、上記のような特別な操作が行われた場合においても、ガスケット3からのプランジャ4bの離脱が防止される。
なお、上述したすべての実施例では、螺旋状リブ44が二条設けられており、それぞれの螺旋状リブ44の終端に進入規制終端部が設けられている。このようなものが好ましいが、一方の螺旋状リブ44にのみ進入規制終端部を設けるものとしてもよい。
また、それぞれの螺旋状リブ44の終端に進入規制終端部を設ける場合において、進入規制終端部の形態は、同じであることが望ましいが、上述したすべて実施例における進入規制終端部の形態を任意に組み合わせたものであってもよい。
そして、上述したすべての実施例において、ガスケットの外周面には、図17ないし図19に示す実施例のガスケット3aのように、先端側環状リブ38と基端側環状リブ39間に設けられた中間部環状リブ37を備えるものであってもよい。
中間部環状リブ37は、ガスケット3aの外周面に設けられており、先端側環状リブ38と基端側環状リブ39との間に形成されている。中間部環状リブ37は、ガスケット3aの外周面に沿って、ガスケット3aの中心軸に直交する方向において周設されている。また、図17ないし図19に示すように、中間部環状リブ37は、ガスケット3aの外周面からほぼ一様にガスケット3aの全周に渡って突出されるように形成されている。
図18に示すように、中間部環状リブ37は、抜け止め用環状リブの側部となる部位に設けられている。プランジャ4が強く基端側に引かれた時、抜け止め用環状リブ34に付与される基端側への変形力は、抜け止め用環状リブ34の先端面より若干基端側に位置するガスケット3aの外周面に伝達される。このため、中間部環状リブ37は、抜け止め用環状リブ34の先端面より基端側に位置していることが好ましい。これにより、抜け止め用環状リブ34の変形がより確実に阻害され、螺旋状リブ44の基端面と抜け止め用環状リブ34の先端面との当接状態がより確実に維持され、プランジャ4のガスケット3aからの離脱がより確実に防止される。なお、この実施例では、中間部環状リブ37は、抜け止め用環状リブ34の基端側部分かつ螺旋状山部36の先端36cの側部となる部位に設けられている。具体的には、抜け止め用環状リブ34の最も内側に突出した頂点部より、若干基端側にとなる部分の側部外面に形成されている。よって、中間部環状リブの頂点部は、抜け止め用環状リブの頂点部より、若干基端側に位置するものとなっている。なお、中間部環状リブ37の少なくとも頂点より先端側部分は、抜け止め用環状リブ34の基端側部分と軸方向に重なっている。
また、中間部環状リブ37は、図18に示すように、螺旋状山部36の先端36cと軸方向に重なるように形成されている。さらに、この実施例のガスケット3aでは、図18に示すように、螺旋状山部36の先端36cは、抜け止め用環状リブ34のリブ欠損部35に面する部分に連結している。そして、中間部環状リブ37は、連結部(先端36c)付近に頂点が位置するように配置されている。そして、この実施例のガスケット3aでは、抜け止め用環状リブ34が、ガスケット3aの中心軸に対して直交するものとなっており、これに対応して、中間部環状リブ37も同様なものとなっている。
図18に示すように、中間部環状リブ37の外径は、先端側環状リブ38の外径および基端側環状リブ39の外径よりも小さいものとなっている。これにより、外筒2内を摺動するガスケット3aの摺動抵抗を低く抑えることができる。また、中間部環状リブ37の外径は、外筒2の内径よりも大きいものとなっている。これにより、プランジャ4が強く基端側に引かれた時、中間部環状リブ37が確実に外筒2の内周面に当接し、抜け止め用環状リブ34の変形を確実に阻害することができる。また、中間部環状リブ37の縦断面形状は、横方向に向いて頂部が尖った山型形状とされており、頂部の先端が、外筒2の内面に当接可能となっている。頂部を有する山型形状に形成されることにより、中間部環状リブ37の外筒2の内周面への接触面積を減らすことができる。特に、中間部環状リブ37と外筒2の内周面との接触面積を、先端側環状リブ38と外筒2の内周面との接触面積および基端側環状リブ39と外筒2の内周面との接触面積よりも小さくすることにより、外筒2へのガスケット3aの真空打栓時やプランジャ4の操作時におけるガスケット3aの外筒2への接触抵抗(摺動抵抗)を低く抑えることができ、かつ、先端側環状リブ38および基端側環状リブ39によって、充填される薬剤8に対する液密性は確保できる。なお、抜け止め用環状リブ34の変形をより阻害するのであれば、外筒2内周面に接触する中間部環状リブの当接部の面積を増やし、かつ中間部環状リブを十分に支持可能となるように、中間部環状リブを、例えば、その縦断面形状が矩形状や半球状となるように変更してもよい。
なお、中間部環状リブ37の外径は、外筒2の内径より0〜1.0mm大きいことが好ましく、特に、外筒2の内径が8〜10mmの場合、外筒2の内径より0.1〜0.5mm大きいことが好ましい。これにより、プランジャ4を基端側に引っ張った際の抜け止め用環状リブ34の変形を阻害しながら、外筒2内を摺動するガスケット3aの摺動抵抗を低く抑えることができる。なお、プランジャ4が強く基端側に引かれた時、中間部環状リブ37が外筒2の内周面に当接し、抜け止め用環状リブ34の変形を阻害する範囲において、中間部環状リブの外径を外筒2の内径より小さくしてもよい。
この実施例のガスケット3aにおいても、上述したガスケット3と同様に、プランジャ4の螺旋状リブ44の基端面はガスケット3aの抜け止め用環状リブ34の先端面と当接して、プランジャ4のガスケット3aからの離脱が規制される。さらに、このガスケット3aでは、プランジャ4が強く基端側に引かれた場合に、中間部環状リブ37が外筒2の内周面に当接することにより抜け止め用環状リブ34が所定以上押し広げられないように規制する。これにより、螺旋状リブ44が、抜け止め用環状リブ34を乗り越えることを防止する。
そして、上述したすべての実施例において、ガスケットの抜け止め用環状リブの高さとプランジャの螺旋状リブの高さは、ガスケットの大きさや硬さによって相違するが、以下のようなものであることが好ましい。ガスケットの抜け止め用環状リブの高さ(内側への突出長)としては、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、0.8〜1.5mmが好ましい。プランジャの螺旋状リブの高さ(外側への突出長)としては、0.5〜2.5mmが好ましく、特に、1.0〜2.0mmが好ましい。 プランジャ4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明の注射器およびプレフィルドシリンジは、上述したようなガスケットが抜け止め用環状リブを有するものに限定されるものではない。
図20ないし図22に示すプランジャ4cを用い、かつ、図23ないし図25に示すガスケット3bを用いるものであってもよい。
この実施例の注射器では、上述した注射器と同様に、先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、図23ないし図25に示すように、基端側より先端側に延びる内腔部30を備えるガスケット3bと、図2に示すように、先端開口部を備えかつガスケットを摺動可能に収納する外筒2と、図20ないし図22に示すように、ガスケット3bの内腔部30内に収納可能なヘッド部42cを有するプランジャ4cとを備える。そして、プランジャ4cも、ヘッド部42cに設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブ44を備える。
ガスケット3bは、抜け止め用環状リブ34およびリブ欠損部35を持たない以外、上述したガスケット3と同じである。よって、ガスケット3bは、内腔部30を備え、この内腔部30が、プランジャ取付機能を備えている。内腔部30は、その内面に、プランジャ4cの螺旋状リブ44と螺合するための螺旋状谷部33を形成する螺旋状山部36と、螺旋状山部36より先端側にプランジャ4cのヘッド部42cの螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部32を備えている。螺旋状谷部33は、内腔部30の開口部付近に始端を有し、所定長先端方向に延び、かつ収納部32より基端側に終端を有している。
そして、プランジャ4cの螺旋状リブ44は、ガスケット3bの収納部32内へのプランジャ4cの螺旋状リブ形成部位の収納後における螺旋状谷部33の終端33b内への螺旋状リブ44の進入を規制する進入規制終端部47bを有している。そして、進入規制終端部47bは、螺旋状谷部33の終端33bの幅より大きい肉厚終端部47bとなっている。そして、肉厚終端部47bは、螺旋状山部36を押し広げることにより、螺旋状谷部33を通過可能であり、かつ、通過後の螺旋状谷部33の終端33b内への進入が実質的に不能なものとなっている。
この実施例では、図20ないし図22および図26に示すように、螺旋状リブ44は、終端に向かうにしたがって厚みが厚くなるように形成されている。このため、終端が、最も肉厚となっている。なお、終端部のみ肉厚なものにしてもよく、先端部はほぼ均一の厚みであり、中央部から終端部に向かって徐々に肉厚になるものであってもよい。さらに、この実施例では、螺旋状リブ44の肉厚終端部47bの終端面46dは、軸部43の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面46dとなっている。このため、終端面46dは、肉厚終端部47bの肉厚と同じ面積を有するものとなっている。この実施例における螺旋状リブ44は、先端側においては、その外端に向かって徐々に肉薄のものとなっている。しかし、肉厚終端部47bにおいては、図22に示すように、外端においても十分な幅を有する断面台形状のものとなっている。このため、終端面46dも外端においても十分な幅を有する断面台形状のものとなっている。そして、肉厚終端部47bの厚さ、言い換えれば、終端面46dの高さ(軸部43の中心軸に対する軸方向長)は、螺旋状谷部33の終端33bの高さ(ガスケット3bの中心軸に対する軸方向長)より、大きいものとなっている。このため、肉厚終端部47bの終端の螺旋状谷部33の終端33b内への進入を阻害する。
なお、起立終端面46dは、軸部43の中心軸と平行であることが好ましいが、中心軸に対して、若干斜めであってもよい。この場合、起立終端面46dは、基端側(円盤部48側)に傾斜するものであることが好ましい。また、起立基端面46dは、平坦面であることが好ましいが、凹凸面、湾曲面であってもよい。
そして、このプランジャ4cおよびガスケット3bにおいても、上述した実施例と同様に、プランジャ4cの螺旋状リブ44をガスケット3bの螺旋状谷部33の始端に挿入した後、プランジャ4cを回転させることにより、螺旋状リブ44と螺旋状谷部33との螺合が進行する。そして、肉厚終端部47bは、螺旋状山部36を若干押し広げながら、螺旋状谷部33を進行する。プランジャ4cの回転を継続することにより、螺旋状リブ44は、螺旋状谷部33を通過し、収納部32内に進入することにより、図26に示すように、螺旋状リブ44の全体、言い換えれば、プランジャ4cのヘッド部42cの螺旋状リブ形成部位は、ガスケット3bの収納部32内に収納された状態となる。
そして、プランジャ4cが、ガスケット3bに装着された状態では、プランジャ4cの螺旋状リブ44の肉厚終端部47bの基端面46dは、螺旋状山部36の終端面と当接するため、プランジャ4cのガスケット3bからの離脱が規制される。そして、プランジャ4cを基端側に引き、かつ回転させるといった通常行われない操作が行われた場合において、螺旋状リブ44の肉厚終端部47bは、螺旋状谷部33の終端33b内に進入しない。このため、上記のような特別な操作が行われた場合においても、ガスケットからのプランジャの離脱が防止される。
外筒2は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。外筒2は、図2および図9に示すように、ノズル部22と、カラー23とを備える。ノズル部22は、外筒2の先端に設けられており、外筒内の薬液等を排出するための先端開口部を備えるとともに先端に向かってテーパー状に縮径するように形成されている。カラー23は、ノズル部22を取り囲むようにノズル部22と同心的に円筒状に形成されている。また、カラー23は、先端が開口しており、カラー23の内径および外径は基端(外筒先端面21)から先端までほぼ同一径となっている。また、カラー23の先端開口からはノズル部22の先端部が突出しており、ノズル部22およびカラー23の先端部は、ノズル部22およびカラー23を封止部材(シールキャップ)5内に収納しやすくするため面取り加工されている。
カラー23の内周面には、後述するシールキャップ5のノズル収納部53に形成されたネジ山(キャップ側螺旋状山部)54と螺合するためのネジ溝(外筒側螺旋状谷部)25が形成されている。これにより、外筒2とシールキャップ5はカラー23内周面とノズル収納部53外周面との間で螺合する。また、ネジ溝(外筒側螺旋状谷部)25は、シールキャップ5を外筒から取り外した後注射針(注射針のハブ)を取り付ける部分となる。外筒は、図1、図2および図9に示すように、フランジ24を有する。フランジ24は、外筒2の基端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。フランジ24は、図1、図2、図9に示すように向かい合う幅広となった2つの把持部24a,24bを備え、さらに、把持部の先端面側には、複数のリブが形成されている。
外筒2の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。封止部材であるシールキャップ5は、図1、図2、図10に示すように、閉塞端51と、ノズル収納部53とカラー収納部52を備えている。
ノズル収納部53は、シールキャップ5の中央部に設けられ、先端が閉塞し円筒状である。ノズル収納部53の内径は、ノズル部22より若干大きく作製され、先端から基端まで基端に向かって若干テーパー状に拡径しており、基端開口からノズル部22全体を収納するものとなっている。ノズル収納部53の内側閉塞面(閉塞端51の内面)には、外筒2の先端開口部を液密に密封するためのシール部材55が収納されている。シール部材55としては、外筒2の先端開口部を液密に密封可能なように弾性部材であることが好ましい。シール部材の形成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を使用することが好ましい。また、ノズル収納部53の外面には、外筒2のカラー23の内面に形成されたネジ溝(外筒側螺旋状谷部)25と螺合するためのネジ山(キャップ側螺旋状山部)54が形成されている。これにより、外筒2とシールキャップ5は、ノズル収納部53の外面とカラー23の内面との間で螺合する。
カラー収納部52は、ノズル収納部53を取り囲むように形成され先端が閉塞した円筒状体であり、カラー収納部52の内面とノズル収納部53の外面との間にカラー23を収納する。また、円筒状に形成されたカラー収納部52は、ノズル収納部53と同心状となっており、カラー収納部52の内径は、先端から基端までほぼ同一径となっている。また、図1に示すように、シールキャップ5の外側面(カラー収納部52の外周面)には、シールキャップ5を回転させる時に指等が滑らないようにするために縦方向に刻み加工が施されている。シールキャップ5の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
そして、本発明のプレフィルドシリンジ1は、図1および図2に示すように、上述した注射器10と、外筒2の先端開口部を封止する封止部材5とガスケット3間により形成される空間に充填された薬剤8とを備えている。薬剤8としては、どのような薬剤でもよいが、例えば、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、塩化ナトリウム注射液、ビタミン剤、ミネラル類などの薬液、生理食塩水などの溶解液、さらには、抗生物質、タンパク製剤等の粉末状もしくは凍結乾燥薬剤あるいは液剤が使用される。本発明のプレフィルドシリンジは、特にバイアルなどに収納された薬剤を溶解する溶解液が充填されたプレフィルドシリンジに適している。このような溶解液としては、生理食塩水、注射用水、ブドウ糖液などが挙げられる。
そして、本発明の注射器は、以下のものである。
(1)先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、基端側より先端側に延びる内腔部を備えるガスケットと、先端開口部を備えかつ前記ガスケットを摺動可能に収納する外筒と、前記ガスケットの前記内腔部内に収納可能なヘッド部を有するプランジャとを備える注射器であって、前記プランジャは、前記ヘッド部に設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブを備え、前記ガスケットは、前記内腔部の内面に、前記プランジャの前記螺旋状リブと螺合する螺旋状谷部を形成する螺旋状山部と、前記螺旋状山部より先端側に位置するプランジャ抜け止め用環状リブとを備え、さらに、前記内腔部は、前記抜け止め用環状リブより先端側に位置し、前記プランジャの前記ヘッド部の前記螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部を備え、さらに、前記抜け止め用環状リブは、前記プランジャと前記ガスケットの螺合の進行により前記抜け止め用環状リブに到達した前記螺旋状リブを前記収納部に誘導するためのリブ欠損部を備え、前記プランジャは、前記螺旋状リブの前記終端に、前記ガスケットの収納部内への前記プランジャの螺旋状リブ形成部位の収納後における前記リブ欠損部への前記螺旋状リブの進入を規制する進入規制終端部を備えていることを特徴とする注射器。
そして、上記注射器の実施形態は、以下のものであってもよい
(2) 前記螺旋状山部の先端は、前記抜け止め用環状リブの前記リブ欠損部に隣接する部分と連結しており、かつ、前記螺旋状山部の先端部の先端側の面は前記リブ欠損部の基端に隣接している上記(1)に記載の注射器。
(3) 前記ガスケットは、外周面に、前記外筒の内径よりも大きな外径を有する先端側環状リブと、前記外筒の内径よりも大きな外径を有する基端側環状リブと、前記先端側環状リブと前記基端側環状リブ間に設けられた中間部環状リブとを備え、さらに、前記中間部環状リブは、前記抜け止め用環状リブの側部となる部位に設けられている上記(1)または(2)に記載の注射器。
(4) 前記中間部環状リブの外径は、前記先端側環状リブの外径および前記基端側環状リブの外径よりも小さいものとなっている上記(3)に記載の注射器。
(5) 前記中間部環状リブは、前記外筒の内径よりも大きな外径を有している上記(4)に記載の注射器。
(6) 前記中間部環状リブと前記外筒の内周面との接触面積は、前記先端側環状リブと前記外筒の内周面との接触面積および前記基端側環状リブと前記外筒の内周面との接触面積よりも小さいものとなっている上記(5)に記載の注射器。
(7) 前記中間部環状リブの縦断面形状は、頂部を有する山型形状である上記(3)ないし(6)のいずれかに記載の注射器。
(8) 前記中間部環状リブは、前記中間部環状リブの最も外側に突出した頂点部が、前記抜け止め用環状リブの基端側部分の側部に位置するように設けられている上記(3)ないし(7)のいずれかに記載の注射器。
また、本発明の注射器は、以下のものである。
(9) 先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、基端側より先端側に延びる内腔部を備えるガスケットと、先端開口部を備えかつ前記ガスケットを摺動可能に収納する外筒と、前記ガスケットの前記内腔部内に収納可能なヘッド部を有するプランジャとを備える注射器であって、前記プランジャは、前記ヘッド部に設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブを備え、前記ガスケットは、前記内腔部の内面に、前記プランジャの前記螺旋状リブと螺合する螺旋状谷部を形成する螺旋状山部と、前記螺旋状山部より先端側に位置し、前記プランジャの前記ヘッド部の前記螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部を備え、前記螺旋状谷部は、前記内腔部の開口部付近に始端を有し、所定長先端方向に延び、かつ前記収納部より基端側に終端を有し、前記プランジャは、前記螺旋状リブの前記終端に、前記ガスケットの収納部内への前記プランジャの螺旋状リブ形成部位の収納後における前記螺旋状谷部の前記終端内への前記螺旋状リブの進入を規制する進入規制終端部を備えていることを特徴とする注射器。
そして、上記注射器の実施形態は、以下のものであってもよい
(10) 前記ヘッド部は、外面に前記螺旋状リブを備える軸部を有し、前記螺旋状リブの前記進入規制終端部は、前記螺旋状リブの終端に形成され、前記軸部の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面を有している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の注射器。
(11) 前記ヘッド部は、外面に前記螺旋状リブを備える軸部を有し、前記螺旋状リブの前記進入規制終端部は、前記螺旋状リブの終端に形成され、前記螺旋状リブの先端側の面が前記螺旋状リブの基端側の面よりも前記軸部の周方向に長く延びるように、前記軸部中心軸に対して所定角度斜めとなった進入規制用の傾斜終端面を有している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の注射器。
(12) 前記ヘッド部は、外面に前記螺旋状リブを備える軸部を有し、
前記螺旋状リブの前記進入規制終端部は、前記螺旋状リブの基端に設けられ、前記螺旋状リブの先端側の部分よりも螺旋の傾斜が小さくなるように、または前記軸部の中心軸に対してほぼ直交するように、前記軸部の周方向に前記螺旋状リブの前記終端まで延びる周方向延部を備えている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の注射器。
(13) 前記進入規制終端部は、前記螺旋状谷部の前記終端より前記ガスケットの軸方向における幅が大きい肉厚終端部を備えており、前記肉厚終端部は、前記螺旋状谷部を押し広げることにより通過可能であり、かつ、通過後の前記螺旋状谷部の前記終端内への進入が実質的に不能である上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の注射器。
(14) 前記注射器は、プレフィルドシリンジ用の注射器である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の注射器。
また、本発明のプレフィルドシリンジは、以下のものである。
(15) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の注射器と、前記外筒の前記先端開口部を封止する封止部材と、前記外筒内に収納された薬剤とを備えるプレフィルドシリンジ。

Claims (3)

  1. 先端が閉塞し基端が開口する筒状体であり、かつ、基端側より先端側に延びる内腔部を備えるガスケットと、先端開口部を備えかつ前記ガスケットを摺動可能に収納する外筒と、前記ガスケットの前記内腔部内に収納可能なヘッド部を有するプランジャとを備える注射器であって、
    前記プランジャは、前記ヘッド部に設けられ、先端側に始端、基端側に終端を有する螺旋状リブを備え、
    前記ガスケットは、前記内腔部の内面に、前記プランジャの前記螺旋状リブと螺合する螺旋状谷部を形成する螺旋状山部と、前記螺旋状山部より先端側に位置し、前記プランジャの前記ヘッド部の前記螺旋状リブ形成部位を収納するための収納部を備え、前記螺旋状谷部は、前記内腔部の開口部付近に始端を有し、所定長先端方向に延び、かつ前記収納部より基端側に終端を有し、
    前記螺旋状リブは、前記終端に向かうにしたがって厚みが厚くなるように、または、中央部から前記終端に向かって徐々に肉厚となるように形成されており、前記終端が最も肉厚の肉厚終端部となっており、
    前記プランジャは、前記螺旋状リブの前記肉厚終端部により、前記ガスケットの収納部内への前記プランジャの螺旋状リブ形成部位の収納後における前記螺旋状谷部の前記終端内への前記螺旋状リブの進入を規制する進入規制終端部を備えており、
    前記プランジャの前記ヘッド部は、外面に前記螺旋状リブを備える軸部を有し、前記螺旋状リブの前記進入規制終端部は、前記螺旋状リブの終端に形成され、前記軸部の中心軸に対してほぼ平行に延びる起立終端面を有し、かつ、前記起立終端面は、平坦面となっており、前記螺旋状山部の先端と当接可能となっており、さらに、前記肉厚終端部は、前記螺旋状谷部の前記終端より前記ガスケットの軸方向における幅が大きく、前記肉厚終端部は、前記螺旋状谷部を押し広げることにより通過可能であり、かつ、通過後の前記螺旋状谷部の前記終端内への進入が実質的に不能であることを特徴とする注射器。
  2. 前記注射器は、プレフィルドシリンジ用の注射器である請求項1に記載の注射器。
  3. 請求項1または2に記載の注射器と、前記外筒の前記先端開口部を封止する封止部材と、前記外筒内に収納された薬剤とを備えるプレフィルドシリンジ。
JP2018132380A 2018-07-12 2018-07-12 注射器およびプレフィルドシリンジ Active JP6715557B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132380A JP6715557B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP2020072953A JP6933748B2 (ja) 2018-07-12 2020-04-15 注射器およびプレフィルドシリンジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132380A JP6715557B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 注射器およびプレフィルドシリンジ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015521234A Division JP6395707B2 (ja) 2013-06-06 2013-06-06 注射器およびプレフィルドシリンジ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020072953A Division JP6933748B2 (ja) 2018-07-12 2020-04-15 注射器およびプレフィルドシリンジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018158179A JP2018158179A (ja) 2018-10-11
JP6715557B2 true JP6715557B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=63795857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018132380A Active JP6715557B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 注射器およびプレフィルドシリンジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6715557B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210144704A (ko) * 2019-03-29 2021-11-30 테루모 가부시키가이샤 플런저 키트, 시린지 키트 및 프리필드 시린지
KR102326600B1 (ko) * 2019-09-20 2021-11-15 전북대학교병원 영상의학장비용 프리필드 셀라인 시린지

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4745973B1 (ja) * 1966-12-28 1972-11-20
AU2001274548A1 (en) * 2000-06-19 2002-01-02 Terumo Kabushiki Kaisha Syringe
JP4848784B2 (ja) * 2006-02-02 2011-12-28 ニプロ株式会社 プランジャーとこれを用いたシリンジ及びプレフィルドシリンジ
JP5459204B2 (ja) * 2008-04-16 2014-04-02 味の素株式会社 シリンジ
CN102639174B (zh) * 2009-09-30 2014-04-09 泰尔茂株式会社 预充式注射器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018158179A (ja) 2018-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11045606B2 (en) Syringe and prefilled syringe
JP5567026B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5048472B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
EP2554204B1 (en) Prefilled syringe
JP6715557B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP6395707B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP5896669B2 (ja) シリンジ用プランジャー、シリンジおよびプレフィルドシリンジ
JP5784438B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5714268B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP2020108858A (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP5634695B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP4563021B2 (ja) シリンジ
JP5450731B2 (ja) シリンジ
JP5489548B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5394183B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP2010082197A (ja) プレフィルドシリンジ
JP2010184140A (ja) シリンジ
WO2014155607A1 (ja) シリンジ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190528

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200415

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6715557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250