JP6715059B2 - 棒状化粧料収容容器 - Google Patents

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Description

本発明は、口紅、ファンデーション、アイブロー等の棒状化粧料を収容するための棒状化粧料収容容器に関する。
一般に、棒状の口紅やファンデーション等が収容される棒状化粧料収容容器は、化粧料が充填保持される円筒状の化粧料収容筒、化粧料収容筒を出没自在に収容する外筒、化粧料収容筒を昇降移動させるための螺旋筒等で構成され、外筒と螺旋筒とを相対回動させることによって化粧料収容筒が外筒に対して昇降移動し、これにより棒状化粧料が外筒上端から出没するように構成されている。
しかしながら、このように構成される棒状化粧料収容容器においては、化粧料を使用し収容する毎に外筒と螺旋筒とを正逆相対回動する操作が必要となる。そして、棒状化粧料を必要以上に外筒上端から突出させてしまった場合は、このまま使用すると化粧料が折れたり変形したりしやすいため、外筒と螺旋筒を逆回動させる繰り戻し操作によって棒状化粧料の突出量を調整する必要が生じる。
これに対し、特許文献1に開示されるように、棒状化粧料収容容器を、化粧料を保持する化粧料ホルダと、該化粧料ホルダを収容容器の後方位置に保持するチャックと、該チャックが化粧料ホルダを押圧する状態となるようにチャックを締め付ける締め付けリングと、該締め付けリングのチャックに対する締め付け力の減少によって収容容器の先端方向に化粧料ホルダと共に移動する先端スライダ等で構成し、棒状化粧料の先端が常に先端スライダから突出した状態となるように化粧料ホルダを維持するとともに、該化粧料の先端が消費されて先端スライダからの突出量が減少した場合には、先端スライダを後方に押込む操作をすることによって先端スライダを後退させ、その後該押込み操作を解除することで締め付けリングのチャックに対する締め付け力が減少し、該締め付け力の減少によって先端スライダがばねの付勢力を受けて容器先端部へと移動し、該先端スライダとともに化粧料ホルダも容器先端方向に移動することになり、これによって化粧料の先端が再び先端スライダから突出した状態となるよう構成したものがある。
特許第3768021号公報
このものは、先端スライダの先端部を後方に押圧操作する毎に化粧料が先端部から所定量だけ突出するように構成されているが、このような押込み操作は化粧料の突出量が僅かとなった場合にはその都度行わなければならず、しかもこのように先端スライダを後方へ押込むにあたっては、締め付けリングのチャックに対する締め付けが解除される程度に強い押込み力で押込まなければならない。また、このものにおいては、化粧料ホルダがばねの付勢力を受けて前方に移動する先端スライダと共に前方に移動し、これによって化粧料が容器の先端から突出するよう構成されているため、突出に際して化粧料が弾性部材からの衝撃を受けて破損したり変形したりする惧れもある。さらにこのものは多数の部品を必要とするため費用が嵩み、構造が複雑であるが故に組立も煩雑となり、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するため鋭意創作されたものであって、請求項1の発明は、棒状の化粧料を収容するための棒状化粧料収容容器であって、該収容容器は、外筒である容器筒と、該容器筒に内嵌される状態で基端部が容器筒の筒底に支持され、先端部に棒状化粧料の基端部が支持される中皿筒と、該容器筒と中皿筒とのあいだに配されて、該容器筒および中皿筒に対して軸心方向に移動自在に取り付けられ、かつ前記中皿筒から突出した部位においては内周面同士が対向する本体筒とで構成されていると共に、本体筒は、容器筒内に没入することがないよう制動力が付与されていて、本体筒の先端が使用者の皮膚に触れることに伴い発生する該皮膚からの押圧力が制動力より大きい場合に、容器筒内に没入するよう設定するにあたり、中皿筒は、該中皿筒の前記棒状化粧料基端部の支持部位よりも下側部位の内径が段差状になる状態で小径に設定され、該小径となった部位の外周面に縦溝が形成され、本体筒の中皿筒に対する回転規制を、本体筒の内周面に設けた契合突起が前記縦溝に係合することで行うように構成したことを特徴とする棒状化粧料収容容器である。
請求項1の発明とすることで、棒状化粧料を使用していって該化粧料の先端が本体筒の先端と略同位置に達すると、本体筒の先端が使用者の皮膚に接触することになり、そしてこの接触により発生する本体筒に対する押圧力が、本体筒の没入を制動する制動力よりも大きくなると、本体筒は該制動力に抗して容器筒内に没入していくことになるため、容器に対する別段の繰り出し操作をせずとも化粧料を使用することができる。従って、使用に際して繰り出し繰り戻し操作を必要としない棒状化粧料収容容器とすることができる。
また、棒状化粧料の本体筒からの突出量は突出していたとしても僅かなものであるため、化粧料は使用時であっても先端部位が本体筒の内側面によって支持された状態となり、化粧料が不用意に折れたり割れたりすることがない。
しかも本体筒の容器筒に対する軸回り方向の回転規制によって、棒状化粧料が捻れて折れてしまうような不具合がない。
参考例の棒状化粧料収容容器の分解斜視図である。 (A)、(B)は、それぞれ棒状化粧料収容容器の使用前の状態、使用済みの状態の斜視図である。 (A)、(B)、(C)は、それぞれ棒状化粧料収容容器の使用前の状態、使用中の状態、使用済みの状態の断面図である。 (A)、(B)は、本発明が実施された第二の実施の形態の棒状化粧料収容容器の使用前の状態、使用済みの状態の断面図である。 (A)、(B)は、参考例の第三の実施の形態の棒状化粧料収容容器の使用前の状態、使用済みの状態の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜3は参考例である第一の実施の形態のものであるが、図面に基づいて詳細に説明する。
図面において、1は棒状化粧料収容容器であって、該棒状化粧料収容容器1は、本体部2と該本体部2の上部を覆蓋するキャップ部3とで構成される。
前記本体部2は、外側面である円筒状の容器筒4と、該容器筒4に内嵌される状態で固定支持される円筒状の中皿筒5と、該容器筒4と中皿筒5とのあいだに配されて、該容器筒4および中皿筒5に対して軸心方向に移動自在に取り付けられ、かつ前記中皿筒5から突出した部位においては内周面同士が対向するように設けられる本体筒6とで構成される。
前記容器筒4の筒内側面の筒底部位には、段差部である基端部4aが形成され、前記中皿筒5の下端である基端部5aは前記基端部4aに回り止めされるよう圧入により取り付けられている。本体筒6の外周面の下端には、一対の係合突起6a、6aが対向して設けられる一方、前記容器筒4の内周面には、該係合突起6a、6aを摺動自在に係合するための縦溝4b、4bが上下方向に対向して配設されている。そして、係合突起6a、6aが縦溝4b、4bに摺動自在に係合することで、本体筒6は容器筒4に対して縦方向に摺動自在に移動するようになっており、これによって本体筒6は、容器筒4および中皿筒5に対し、上下方向には移動自在だが周回り方向には回転規制された状態となっている。
縦溝4bの下端部4cは、容器筒4の底面4dよりも高い位置に形成され、縦溝4bの上端部4eは、容器筒4の上部に形成されるキャップ覆蓋部4fよりも低い位置に形成される。そして本体筒6は、係合突起6aが縦溝4bの上端部4eと下端部4cとに当接するまで上下方向に移動できるようになっている。そして、係合突起6aが上端部4eに当接した状態は、本体筒6は中皿筒5に対して最も突出した状態(図3Aの状態)であり、係合突起6aが下端部4cに当接した状態は、本体筒6が中皿筒5に対して最も没入した状態(図3Cの状態)である。本実施の形態においては、本体筒6が最も没入した状態は、本体筒6の先端6bと中皿筒5の先端5dとが同じ高さとなるように設定されている。
係合突起6aが縦溝4bに係合することで生じる係合突起6aと縦溝4bとのあいだの摺動抵抗は、本体筒6の先端6bが使用者の皮膚(唇)によって押圧されない状態、つまり、没入方向の押圧力を受けていない状態では、本体筒6が容器筒4および中皿筒5に対して没入しないよう制動する制動力として機能している。この状態で使用者が使用することで使用者の皮膚(唇)が本体筒6の先端6bに接触すると、該先端6bが下方に向けて押圧されることになり、この押圧力が前記制動力を上回った場合、係合突起6aは該押圧力によって下方に押されて縦溝4bを移動していって、本体筒6が容器筒4および中皿筒5に対して没入するようになっている。そして、前述のように本体筒6は容器筒4および中皿筒5に対して回転規制されているため、押圧力を受けた本体筒6は下方に向けて真っ直ぐに没入していき、容器筒4および中皿筒5に対して周回り方向に回転することはない。
前記中皿筒5の内側面の上部には軸心部に向けて突出する小径部5cが形成されており、棒状化粧料Aは、該小径部5cおよびその近傍の中皿筒5の内周面に密着するようにして充填されて成形される。尚、本実施の形態においては、棒状化粧料Aは中皿筒5の上部においてさらに本体筒6の内周面にも密着する状態で充填されており、これによって棒状化粧料Aと本体筒6とのあいだに粘性抵抗が存在するようになっており、ここにおいても本体筒6が中皿筒5に対して没入しないよう制動する制動力を確保することが出来るようになっている。
因みに、本実施の形態における棒状化粧料Aの充填は、容器筒4の下端部に形成される下孔4hおよび中皿筒5の下端部に形成される下孔5dから充填されるようになっているが、中皿筒5の上端5dから充填するものであっても同様に実施できることは勿論である。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、棒状化粧料収容容器1の本体部2は、容器筒4の基端部4aに中皿筒5の基端部5aが固定されることで容器筒4と中皿筒5とが一体となっており、該容器筒4と中皿筒5とのあいだに設けられる本体筒6は、該本体筒6に形成される係合突起6aが容器筒4に形成される縦溝4bに摺動自在に係合することによって、容器筒4および中皿筒5に対して回転規制された状態で上下方向に移動するようになっている。
そして、係合突起6aが縦溝4bの上端4eに当接した状態では、本体筒6は容器筒4の上端4gから最も突出した状態となるが、このように本体筒6を最も突出させた状態で棒状化粧料Aを中皿筒5および本体筒6の内側に充填し、固化した後にキャップ3を本体部2の上部に覆蓋することで製品として完成する。このようにして完成した棒状化粧料容器1においては、棒状化粧料Aと中皿筒5および本体筒6とのあいだの粘性抵抗、および係合突起6aの縦溝4bに対する摺動抵抗により発揮される制動力によって、本体筒6が容器筒4に対して没入しないように維持されている。
そして、使用に際しては、棒状化粧料収容容器1の本体部2からキャップ3を取り外し、本体筒6の先端6bから僅かに露出している棒状化粧料Aを唇に塗付して使用するが、使用につれて棒状化粧料Aの先端6bからの露出量が減って使用者の皮膚(唇)が本体筒6の先端6bに接触すると、該接触によって本体筒6が下方に向けて押圧されることになり、この押圧力が前記摺動抵抗によって生じた制動力を上回ると、本体部6は該押圧力を受けているあいだだけ没入していく。このようにして本体筒6が下方に没入すると本体筒6の先端6bにおける棒状化粧料Aの露出量は少しだけ増加することになり、これにより棒状化粧料Aは、塗付するに充分な量が露出することになるため、使用者は特段の繰り出し操作をすることなくして化粧料の塗布をし続けることができる。
従って、棒状化粧料Aを使用するにあたっては、従来のもののように容器筒4に対して本体筒6を回転させて化粧料を突出させる繰り出し操作や、使用後に化粧料を繰り戻す繰り戻し操作をする必要がなく、キャップを取り外せばいつでも直ぐに化粧料の塗付を開始することができ、また塗付が終了した後はキャップで本体部を覆蓋するだけでよい。この結果、従来のもののように繰り出し繰り戻し操作を必要としない棒状化粧料収容容器とすることができる。
また、棒状化粧料Aの本体筒6からの突出量は僅かであるため、繰り出し機構の化粧料収容容器のように化粧料を突出させすぎることに起因して化粧料が折れたり割れたりすることがない。
また、本体筒6は、係合突起6aが容器筒4の縦溝4bに係合することで本体筒6の容器筒4に対する周回り方向への回転が規制されるため、中皿筒5および本体筒6に密着して充填される棒状化粧料は本体筒6とともに、周回り方向に回転することなく軸心方向に向かって没入することができるため、本体筒6が回転することによって発生する棒状化粧料Aの捩れおよび該捩れに起因する破損や変形を防止できる。
尚、本実施の形態においては、本体筒6の制動力を、回転規制手段である係合突起6aと縦溝4bとのあいだの摺動抵抗、および本体筒6と棒状化粧料Aとの粘性抵抗の合算で構成したが、これに限定されるものではなく、どちらか一方の抵抗のみであっても良い。そして例えば、棒状化粧料Aを、中皿筒5の内周面にのみ密着させて本体筒6の内周面には密着しないように充填して実施した場合は、本体筒6と棒状化粧料Aとのあいだには粘性抵抗が生じないため、本体筒6に対する制動力は回転規制手段での摺動抵抗のみとなる。逆に、主に本体筒6と棒状化粧料Aとの粘性抵抗によってのみ制動力をもたせるように構成しても良い。
さらには、本体筒6の外周面と容器筒4の内周面を摺動面として摺動させるようにしてここで発生する摺動抵抗を制動力としても良く、また、本体筒6の内周面と中皿筒5の外周面とを摺動面として摺動させ、ここで発生する摺動抵抗を制動力としても良い。そして本発明においては、これらの摺動抵抗、粘性抵抗のうちの少なくとも一つの抵抗を選択することで実施でき、またこれらの抵抗から二つ以上の抵抗を選択して組み合わせることで実施してもよい。
図4は、本発明が実施された形態が示されるが、このものでは、係合突起16aを本体筒16の内周面側に設ける一方、中皿筒15の外周面には係合突起16aが係合する縦溝15aを設けて実施しても良い。このような構成とすることで容器筒14の内周面側には係合突起を形成する必要がなくなるため、本体部11をより細身な形状にすることができる。
そしてこのものは、図4から明らかなように、中皿筒15は、該中皿筒15の前記棒状化粧料基端部の支持部位よりも下側部位の内径が段差状になる状態で小径に設定され、しかも該小径となった部位の外周面に縦溝15aが形成され、そして本体筒16の中皿筒15に対する回転規制を、本体筒16の内周面に設けた契合突起16aが前記縦溝15aに係合することで行うようにしている。
さらには、図5に示す第三の実施の形態は参考例であって、本体部21を回転規制手段の設けられていないものに構成して実施することもできる。この場合、中皿筒25の基端部25aを容器筒24の基端部24aに対して回転自在ではあるが抜止めがなされるよう凹凸嵌合24b、25bさせて取り付けるとともに、中皿筒25の外周面と本体筒26の内周面とのあいだの摺動抵抗および本体筒26の内周面と棒状化粧料Aとのあいだの粘性抵抗を、中皿筒25と本体筒26とは一体回転するが皮膚からの押圧力を受けた場合には没入して、本体筒26が中皿筒25に対して基端側に移動できる大きさに設定することで、本体筒26が回転したとしても、中皿筒25および棒状化粧料Aを本体筒と共に一体回転することになるため、棒状化粧料Aが捩れることのない本体部21とすることができる。
本発明は、口紅、ファンデーション等の棒状化粧料を収容するための棒状化粧料収容容器の分野に利用可能である。
1 棒状化粧料収容容器
2 本体部
4 容器筒
5 中皿筒
6 本体筒

Claims (1)

  1. 棒状の化粧料を収容するための棒状化粧料収容容器であって、該収容容器は、
    外筒である容器筒と、
    該容器筒に内嵌される状態で基端部が容器筒の筒底に支持され、先端部に棒状化粧料の基端部が支持される中皿筒と、
    該容器筒と中皿筒とのあいだに配されて、該容器筒および中皿筒に対して軸心方向に移動自在に取り付けられ、かつ前記中皿筒から突出した部位においては内周面同士が対向する本体筒とで構成されていると共に、
    本体筒は、容器筒内に没入することがないよう制動力が付与されていて、本体筒の先端が使用者の皮膚に触れることに伴い発生する該皮膚からの押圧力が制動力より大きい場合に、容器筒内に没入するよう設定するにあたり、
    中皿筒は、該中皿筒の前記棒状化粧料基端部の支持部位よりも下側部位の内径が段差状になる状態で小径に設定され、
    該小径となった部位の外周面に縦溝が形成され、
    本体筒の中皿筒に対する回転規制を、本体筒の内周面に設けた契合突起が前記縦溝に係合することで行うように構成したことを特徴とする棒状化粧料収容容器。
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