広い意味で、流体送達装置は、注射器を保持するクレードル要素等の流体送達ユニットと、注射器等の使い捨てユニット又は流体路要素と、線形駆動ピストン及び駆動要素等の流体路アクチュエータユニットとを含み得、これらは一緒に動作し、制御ユニットによって制御されて、注入を提供する。制御ユニットは、注入プロトコールのセットアップ、注入中の進行中のステータス、及び手順が完了した後の注入手順に関する追加の情報に関する情報をユーザに提示し得る。一例では、情報は、使用中の注入プロトコールのタイプに固有のグラフィカルインタフェースとして提示し得る。さらに、制御ユニットは、注入プロトコールのセットアップに必要なパラメータに関する入力装置を介して、ユーザから情報を受信し得、それにより、流体送達装置のセットアップ及び動作に影響を及ぼす。
そのような流体送達装置に典型的な設計サイクルは、アクチュエータユニット、流体送達ユニット、流体送達路又は使い捨てユニット、及び制御ユニットの開発専用の別個の部分を有し得る。特に、制御ユニットの設計には、流体送達ユニット、流体アクチュエータユニット、及び使い捨てユニットの詳細な知識が必要であり得る。制御ユニットは、何れか1つの構成要素が破損しないように、又は設計仕様外で動作しないようにする安全特徴を組み込むプログラミングを含み得る。そのような限度についての情報は、システム構成要素のうちの1つ又は複数に関連付けられた1つ又は複数のデータソースに含むことができ、制御ユニットに通信可能であり、且つ/又は制御ユニットから通信可能である。最大流体送達率、合計流体送達容量、及び最大流体送達圧等のそのような安全特徴は、流体送達システムの様々な構成要素の機能に依存し得る。システム限度を、最初に故障するシステム構成要素、例えば、最低圧定格を有する要素に従って設定する必要があり得る「最弱リンク」現象がある。制御ユニットは、全ての要素及びオペレータからのデータを使用し、システムモデル及び制御戦略を構築する。さらに、制御ユニットは、流体送達装置を使用し得、その手順に関する最適な情報を提供するように設計し得る手順のタイプに固有のグラフィカルインタフェースをユーザに提示し得る。グラフィカルインタフェースは、その注入手順に関連する情報のみを受信するように設計し、そのプロトコール中に流体送達ユニットの動作に適切な範囲外の情報をユーザが入力しないようにするセーフガードを含むこともできる。
したがって、制御ユニットの設計には大きなプログラミングが関わり得ることを理解し得る。任意の1つのタイプの流体送達装置は、別のタイプの流体送達装置と異なり得るが、それにも関わらず、幾つかの装置にわたって同様の制御構成要素があり得る。制御ユニットの設計を簡易化する一方法は、開発中、特定の制御ルーチンを制御ユニットソフトウェアに組み込み得るルーチン(再使用可能コード)のライブラリを開発者が有することであり得る。この方法のソフトウェア開発に伴う問題は、流体送達装置のハードウェア構成要素の潜在的なアップグレード及び変更に存在し得る。既に動作しているか、又は販売に提供されている流体送達装置のハードウェアが交換される場合、アップグレードされたハードウェアでの新規の特徴は、元の制御ソフトウェアでは反映されておらず、したがって、使用されないことがある。代替的には、装置ハードウェアのアップグレードは、新しい特徴を利用するような制御ユニットソフトウェアでの均等なアップグレードを必要とし得る。
制御ユニットソフトウェア及び送達ユニットハードウェアの生じ得る不均等な開発サイクルに対処する一方法は、流体送達装置に関連付けられた別個のハードウェア構成要素内へのインテリジェンスの追加を含み得る。一実施形態では、各流体送達ユニット、各アクチュエータユニット、及び各使い捨てユニットは、それ自体のハードウェアに含まれる識別情報を有し得る。その場合、そのような識別情報は、流体送達装置に含まれる各構成要素を識別する手段として制御ユニットによって読み出し得る。次に、制御ユニットソフトウェアは、識別情報を使用して、様々な予めプログラムされたステップのうちのいずれを行うかを判断し得る。別の実施形態では、流体送達ユニットのうちの幾つか又は全ては、識別情報のみならず、実行のために制御ユニットによってダウンロードし得る実行可能ソフトウェアコードも含み得る(例えば、小さなフラッシュメモリユニット内に)。このようにして、元の制御ユニットプログラミングは、元のプログラミングに限定しなくてもよく、必要な個々のハードウェア構成要素に関連付けられた更新されたプログラミングを組み込むこともできる。代替的には、各流体送達ユニット構成要素は、システム制御ユニットに標準化インタフェースを提示し得るユニット固有の制御ユニットを含み得る。
以下に開示されるのは、そのような知的で構成可能な流体送達装置及びシステムで使用し得る一般的な構成要素と、そこから展開し得る流体送達装置のタイプの特定の例との概説である。そのようなシステムから広範囲の個々の装置を生成し得、以下に開示される例が単に少数の生じ得る装置を含むことを理解し得る。流体送達ユニット、流体アクチュエータユニット、使い捨てユニット、又はインタフェース装置等の単一の構成要素が開示される場合、複数の構成要素も本開示の範囲内に組み込まれるものとして理解することもできることを更に理解し得る。
本発明の様々な実施形態を利用して、流体送達システムの以下の欠点又は制限のうちの1つ又は複数を解消可能なことを理解されたい。一欠点は、大半のポンプが限られた精度範囲、例えば、2桁、高くとも3桁の容量又は流量精度を有することである。第2の欠点は、管内で無駄になる容量である。小量の高価な流体を使用すべき場合、流体の無駄が極わずかであることが望ましい。これを行う一手法は、小さな内径(ID)の管を使用する。しかし、小さなIDの管を用いる場合、圧力降下が大きいことがある。別の手法は、Uberらに付与された特許文献1において考察される同心流手法を使用することであり、この特許出願は参照により本明細書に援用され、この特許出願では、小さな容量及び流れをより大きな流れの中心に配置して、流体を受容者に運ぶことができる。
本発明の実施形態のうちの1つ又は複数が対処する追加の項目としては、特定の流体の送達開始時の遅い立ち上がり時間、アクチュエータ移動が停止した後の滴り落ち又は望ましくない流れ、異なる流体のみを含むべき流体路要素へのある流体の逆流、同時送達の開始時の比率不正確性、注入器の停止時又は終了時の比率不正確性、漏れを検出することができないこと、様々な流体路又はシステム要素のキャパシタンスの様々な影響、様々な流体が様々な粘度を有することを可能にして、流れを制御する能力、並びに流体及び流体送達装置の受容者及び/又はユーザを保護するように圧力を正確に測定し制御する能力が挙げられる。
図1は、全体的に100で示される一般的な知的で構成可能な流体送達システムを示す。システム100は、流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120を含み得、これらは可逆的機械通信115し、それにより、流体アクチュエータユニット120は、流体送達ユニット110に、手順中に使用する流体を表現させ得る。流体送達ユニット110はまた、流体送達ユニット通信リンク127を介して制御ユニット130と可逆的に通信し得る。同様に、流体アクチュエータユニット120はまた、流体アクチュエータユニット通信リンク125を介して制御ユニット130と可逆的に通信し得る。
図2に示されるように、流体送達ユニット210の非限定的な例は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:単一の注射器送達ユニット260a、微小注射器送達ユニット260b、カテーテル260c、複数注射器送達ユニット260d、及びニードル。追加の非限定的な流体送達ユニットは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:ギアポンプユニット、蠕動ポンプユニット、複数インライン注射器ポンプユニット、ダイアフラムポンプユニット、及び医療用流体送達分野で既知の他のポンプ機構。
図1を再び参照すると、流体送達ユニット110は、少なくとも1つの送達ユニットデータソース111を含み得る。幾つかの非限定的な実施形態では、送達ユニットデータソース111は以下のうちの1つ又は複数を含み得る:送達ユニットセンサ111a、送達ユニットID装置111b、及び送達ユニットデータ記憶装置111c。幾つかの他の非限定的な実施形態では、送達ユニットデータソース111は以下のうちの1つ又は複数を含み得る:送達ユニット温度センサ111d、送達ユニット圧力センサ111e、モータ電流センサ111f、力センサ111g、送達ユニット流体フローセンサ111h、送達ユニット流体流加速度センサ111i、送達ユニット流体流減速度センサ111j、送達ユニット粒子カウントセンサ111k、送達ユニット流体粘度センサ111l、及び送達ユニット流体漏出センサ111m。他の非限定的な実施形態では、送達ユニットデータソース111は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:線形又はマトリックスバーコード111n、データラベル111o、及びRFID装置111p。送達ユニットデータソース111の追加の非限定的な実施形態は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:フラッシュドライブデバイス111q、読み取り可能固体状態メモリデバイス111r、磁気メモリストリップ111s、ディスクドライブ111t、及びプログラマブル/読み取り可能固体状態メモリデバイス111u。幾つかの非限定的な実施形態では、データソース111は、制御ユニット130と双方向通信し得、例えば、制御システムは、使用データでデータソース111を更新することができ、それにより、要素が使用され、次に取っておかれる場合、制御ユニット130はこれを知り、例えば、その時間が長すぎる場合にユーザに警告するか、又は前回、要素に流体が充填された場合、充填容量及び内容物を示すことによって適宜動作することができる。
送達ユニットデータソース111のうちの任意の1つ又は複数に関連付けられた送達ユニットデータは、限定ではなく、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:送達ユニットセンサユニットデータ、送達ユニット識別子データ、及び送達データ記憶装置からの送達ユニットデータ。幾つかの実施形態では、送達ユニットデータは、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:送達ユニット製品IDコード、送達ユニット型番、送達ユニットシリアルナンバー、送達ユニット製造日、流体注入時間、ソフトウェアバージョン識別子、ファームウェアバージョン識別子、較正データ、動作機能データ、及び送達ユニット製造場所。送達ユニットデータの追加の非限定的な例は、以下のうちの1つ又は複数を更に含み得る:送達ユニット構成データ、送達ユニット使用データ、アクチュエータユニット互換性データ、流体注入時間、及び送達ユニット機能命令コード。1つ又は複数の流体路要素に関連付けられた例示的なデータの説明は、Uberに付与された特許文献2に見出すことができ、この米国特許を参照により本明細書に援用する。
流体送達ユニット110はまた、流体路要素、例えば、使い捨て装置と可逆的機械通信するように構成し得る。使い捨て装置は、非限定的な例として、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:ニードルを含み得るカニューラ、造影剤含有注射器、薬剤含有注射器、細胞流体含有注射器、遺伝子治療含有注射器、フラッシュ流体含有注射器、空の注射器、高圧流体注射器、微小注射器、転送管、一方向弁、手動制御可能なマルチポート弁又は栓、自動制御可能なマルチポート弁、及び一緒になって流体路を形成し得る1本又は複数のT字形又はY字形の管又は導管。代替的には、1つ又は複数の流体路要素は、設計及び用途に応じて、フラッシュされ、洗浄され、滅菌され、且つ/又は繰り返しの安全な使用に追加の準備を必要とせずに再使用可能であり得る。
使い捨て装置は、非限定的な例として、以下のうちの1つ又は複数も含み得る:少なくとも1つの使い捨て装置識別装置、少なくとも1つの使い捨て装置センサ、及び少なくとも1つの使い捨て装置データ記憶装置。流体送達ユニット110は、以下のうちの1つ又は複数から使い捨てユニットデータを受信するように構成し得る:使い捨て装置識別装置、使い捨て装置センサ、及び使い捨て装置データ記憶装置。使い捨てユニットの非限定的な例は、以下のうちの1つ又は複数を更に含み得る:ディスポーザブル識別データ、ディスポーザブル温度データ、ディスポーザブル圧力データ、ディスポーザブル流体漏出データ、及びディスポーザブル複数使用データ。
図3A〜図3Eは、関連付けられた流体送達ユニットを有する使い捨てユニットの非限定的な構成を更に示す。
図3Aは、ニードルを有する使い捨て管セット360と可逆的機械通信を形成可能なタイプであり得る流体送達ユニット310aを示す。管セット360は、識別データを含むセンサ又は装置等のデータソース363を含み得る。データソース363は、流体送達システム100の任意の構成要素と通信し得るデータソース出力365を更に含み得る。流体送達ユニット310aの供給流体は、流体送達ライン361を介して幾つかの流体ソース366のうちの任意の流体ソースから供給し得る。ソースは、ソースの中でも特にバッグ又はバイアルを含み得る。流体ソース366は、識別データを含むセンサ又は装置等のデータソース367を含むこともできる。
図3Bは、複数の流体ソースから異なる流体を受け取り得る流体送達ユニット310bを示す。流体送達ユニット310bの一流体は、第1の流体送達ライン371を介して第1の流体ソース370から供給し得る。第1の流体ソース370は、放射性薬剤流体等の小量の流体を含むバイアルであり得る。第2の流体ソース373は、放射性薬剤流体の流体送達ユニット310bをパージするための流体等の大量の流体を含むバッグであり得る。第2の流体ソース373も、識別データを含むセンサ又は装置等のデータソース376を含み得る。図3Bには示されていないが、第1の流体ソース370もデータソースを含み得る。
図3Cは、バルーンカテーテル等のカテーテル380と可逆的物理的通信し得る流体送達ユニット310cを示す。流体送達ユニット310cは、流入ライン384を介して流体をカテーテル380に供給し、流体を戻りライン386から受け取るように構成し得る。カテーテル380に導入された流体を使用して、血管形成術用バルーン382を膨張されるか、又は収縮させ得る。カテーテル380も、識別データを含むセンサ又は装置等のデータソース387を含み得る。データソース387は、流体送達システム100の任意の構成要素と通信し得るデータソース出力389を更に含み得る。
図3Dは、複数の流体の供給に使用し得る流体送達ユニット310dを示す。図3Dは、複数の流体の供給に使用し得る単一の流体送達ユニット310dを示すが、1つ又は複数の流体アクチュエータユニット120及び/又は制御ユニット130の通信を通して調整される、260a等の2つの別個の流体送達ユニットにより、複数の流体を送達してもよいことを認識し得る。各流体は、注射器等の別個の装置から供給し得る。そのような装置の一例は、放射線造影流体と、中性生理食塩水等の別個のフラッシュ溶液とを注入するように設計される流体送達システムを含み得る。流体を供給する注射器に加えて、使い捨てユニットは、各注射器からの流体を受け取るように構成されるマニフォルド390を含み得る。マニフォルドは、第1の弁等の第1の流体制御装置396を含む転送ラインを介して第1の注射器と流体連通し得る。第1の流体制御装置396は、自己作動式であってもよく、手動で制御されてもよく、又は制御ユニット(130、図1参照)による自動制御下にあってもよい。自己作動式弁の一例は、一方向弁又はチェック弁であり、他の注射器又は別のソースからの流体が第1の注射器に流入しないようにし得る。手動弁の一例はボール弁又は栓である。自動制御は、第1の弁制御ライン397を介する制御信号の送信によって達成し得る。マニフォルド390は、第2の弁等の第2の流体制御装置398を含む転送ラインを介して第2の注射器と流体連通することもできる。第2の流体制御装置398は、自己作動式であってもよく、手動で制御されてもよく、又は制御ユニット(130、図1参照)による自動制御下にあってもよい。自己作動式弁の一例は、流体が第2の注射器に流入しないようにする一方向流体弁であり得る。自動制御は、第2の弁制御ライン399を介する制御信号の送信によって達成し得る。第1の流体制御装置396及び第2の流体制御装置398は、一度に1つのみの流体を流すように動作し得るか、又は両流体をマニフォルド390に効果的に同時に流入させて、流体を混合できるようにし得る。マニフォルド390は1つ又は複数の合流点を含み、合流点では、2つ以上の流体路が集合する。合流点の一例は、管セット内の単純なT又はYであり得る。合流点はより複雑であってもよい:第2の流体流の中央に1つの流体の流れを配するように構成し得、又は代替的に、「Fluid Path Set With Turbulent Mixing Chamber,Backflow Compensator」という名称のSchriverらに付与された同時係属中の米国特許出願第13/799,426号明細書において考察されるように、2つの流体を完全に混合し得、この米国特許出願を参照により本明細書に援用する。合流点は、一度に2つの流体のうちの一方のみの流れを選択する選択弁393を含むこともでき、又は2つの流体のセレクタ、結合器、及び/又は混合弁として機能するように構成されてもよい。選択弁393は、自己作動式であってもよく、手動制御下にあってもよく、又は制御ユニット(130、図1参照)による自動制御下にあってもよい。自動制御は、選択弁制御ライン392を介する制御信号の送信によって達成し得る。手動要素が使用されるか、又は流体送達の前、送達中、送達後に他のオペレータ介入が必要である場合、制御ユニットは、例えば、弁を動かすか、又は流体路要素内の空気をチェックするために必要な動作を実行するようにオペレータに指示し、その動作がとられたことを確認するように求め得る。これはその制御アルゴリズム内に組み込まれる。
図3Eは、ワイヤ又は他の通信手段280、281、282、283、284を介して制御ユニット130とそれぞれ通信し得る1つ又は複数のセンサ270、271、272、273、及び274が任意選択的に追加された、図3Dの実施形態を備える別の実施形態を表す。これらのセンサは、使い捨て流体路要素の部分であってもよく、又は再使用可能であり、流体送達ユニット110若しくは流体アクチュエータユニット120の部分であってもよい。センサは、圧力センサ、温度センサ、空気センサ、又は本明細書に記載されるか、若しくは当分野で使用される他のセンサであり得る。流体送達ユニット、流体アクチュエータ、又は全体制御ユニットの何れか内のこれらのセンサの出力は、制御システムによって使用されて、システムの適切で安全な動作を評価してもよく、又は様々な弁及び/又はアクチュエータを動作させる制御アルゴリズム若しくはプログラムの一環として使用されてもよい。この実施形態例の使用例について、他の箇所で考察する。
上述される使い捨てユニットに関連付けられた任意のセンサ又は機能制御装置によって送信される制御データ及び/又はセンサデータを、限定ではなく、流体送達ユニット110、流体アクチュエータユニット120、及び/又は制御ユニット130を含む流体送達システム100の構成要素のうちの任意の1つ又は複数によって受信し得ることを理解し得る。同様に、上述される使い捨てユニットに関連付けられた任意のセンサ又は機能制御装置によって受信される制御データ及び/又はセンサデータを、限定ではなく、流体送達ユニット110、流体アクチュエータユニット120、及び/又は制御ユニット130を含む流体送達システム100の構成要素のうちの任意の1つ又は複数によって送信し得る。同様に、上述される使い捨てユニットに関連付けられた任意のセンサ又は機能制御装置から流体送達ユニット110によって受信される制御データ及び/又はセンサデータは、限定ではなく、流体アクチュエータユニット120及び/又は制御ユニット130を含む流体送達システム100の残りの構成要素のうちの任意の1つ又は複数に送信し得る。
図1に戻ると、流体アクチュエータユニット120の非限定的な例は以下のうちの1つ又は複数を含み得る:ポンプ、単一ピストンアクチュエータ、マルチピストンアクチュエータ、マルチシリンダアクチュエータ、回転型アクチュエータ、往復プランジャアクチュエータ、及び蠕動アクチュエータ。流体アクチュエータユニット120は、少なくとも1つのアクチュエータユニットデータソース121を含むこともできる。アクチュエータユニットデータソース121は、非限定的な例として、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:アクチュエータユニットセンサ121a、アクチュエータユニットID装置121b、及びアクチュエータユニットデータ記憶装置121c。アクチュエータユニットデータソース121は、非限定的な例として、以下のうちの1つ又は複数を更に含み得る:アクチュエータユニット温度センサ121d、アクチュエータユニット圧力センサ121e、アクチュエータユニット機械的運動センサ121f、アクチュエータユニット流体送達率センサ121g、アクチュエータユニット流体送達加速度センサ121h、力センサ、モータ電流センサ121i、注射器識別センサ121j、アクチュエータユニット流体送達粒子カウントセンサ121k、アクチュエータユニット流体粘度センサ121l、アクチュエータユニット流体送達減速度センサ121m、弁位置又は作動センサ121n、及び漏出検出センサ121o。さらに、アクチュエータユニットデータソース121は、以下のうちの1つ又は複数を組み込み得る:線形バーコード121p、マトリックスバーコード121q、及びRFID装置121r。さらに、アクチュエータユニットデータソース121は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:ディスクドライブ121s、フラッシュドライブデバイス121t、読み取り可能固体状態メモリデバイス121u、及びプログラマブル/読み取り可能固体状態メモリデバイス121v。
アクチュエータユニットデータソース121は、流体送達ユニット110及び制御ユニット130のうちの1つ又は複数が利用可能であり得るアクチュエータユニットデータを提供し得る。アクチュエータユニットデータは、非限定的な例として、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:アクチュエータユニットセンサユニットデータ、アクチュエータユニット識別子データ、及びアクチュエータユニットデータ記憶装置からのアクチュエータユニットデータ。さらに、アクチュエータユニットデータは、以下のうちの1つ又は複数を更に含み得る:アクチュエータユニット製品IDコード、アクチュエータユニット型番、アクチュエータユニットシリアルナンバー、アクチュエータユニット製造日、ソフトウェアバージョン識別子、ファームウェアバージョン識別子、及びアクチュエータユニット製造場所。アクチュエータユニットデータは、以下のうちの1つ又は複数を含むこともできる:アクチュエータユニット構成データ、アクチュエータユニット使用データ、送達ユニット互換性データ、較正データ、動作機能データ、及びアクチュエータユニット機能命令コード。
流体アクチュエータユニット120は、1つ又は複数の送達ユニットデータソース111と送達ユニットデータの受信及び提供を行うように更に構成し得る。さらに、流体アクチュエータユニット120は、流体ソースと可逆的流体連通するように構成し得る。
機械的通信115は物理的構成要素の構成のみを指し得るが、通信が、流体送達ユニット110と流体アクチュエータユニット120との間のデータ通信も組み込み得ることを理解されたい。流体送達ユニット110と流体アクチュエータユニット120との間でのそのようなデータ通信は、機械的通信コネクタ(「プラグアンドプレイ」接続等)と同じ物理的コネクタで実施してもよく、又は2つのユニット間のデータ通信は、1つ若しくは複数の別個の電気コネクタを使用して、又は当業者に既知の他の有線若しくは無線通信方法を使用して達成してもよい。非限定的な一実施形態では、アクチュエータユニット120及び送達ユニット110は単に、「一緒にスナップ嵌め」し得る。代替の非限定的な実施形態では、アクチュエータユニット120及び送達ユニット110はさらに、機能的関係でアクチュエータユニット及び送達ユニットを安定化するのを支援し得る機械的又は電子機械的ベース、フレーム、又は支持体105に固定し得る。流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120を、流体送達システム100の部分として使用されるように特に設計し得ることを理解し得る。代替的には、1つ又は複数の「変換ポッド」により、市販の流体送達ユニット110又は流体アクチュエータユニット120を流体送達システムに組み込むことを可能にし得る。そのような「変換ポッド」は、制御ユニット130とのデータ交換を可能にする単純なパススルー構成要素を含み得る。代替的には、「変換ポッド」は、マイクロプロセッサ、不揮発性及び揮発性記憶媒体、及び他の知的電子装置を、制御ユニット130によって発行される命令を市販の流体送達ユニット110又は流体アクチュエータユニット120にネイティブのコマンド及びデータに変換するプログラム命令と共に含み得る。「変換ポッド」は同様に、市販の構成要素からのデータを、制御ユニット130が容易に使用可能なデータ及び情報に変換し得る。代替的には、市販の流体送達ユニット110又は流体アクチュエータユニット120は、「変換ポッド」の必要なく、制御ユニット130とデータを交換するように予め構成されるデータ及びインタフェース接続を含み得る。代替的には、「変換ポッド」機能は、制御ユニット130によって組み込むか、又は実行することができる。
流体アクチュエータユニット120と流体送達ユニット110との間の機械的通信115が可逆的であり得ることを更に理解し得る。そのような特徴は、流体アクチュエータユニット120及び/又は流体送達ユニット110が、使用中に故障し、故障したユニットを交換部品で置換する必要がある場合に有用であり得る。流体アクチュエータユニット120及び/又は流体送達ユニット110の故障状態は、幾つかの可能な出力装置のうちの任意の装置を介して制御ユニット130によってユーザに通信し得る。故障通知は、少なくとも部分的に、流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120から制御ユニット130によって受信される機械的ステータスデータに基づき得る。流体送達ユニット110又は流体アクチュエータユニット120の何れかの交換部品は、元の(故障した)ユニットと同じタイプのものであってもよく、又はアップグレードされた部品等の異なるタイプのものであってもよい。
流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120は、制御ユニット130と更にデータ通信し得る。流体送達ユニット110は、制御ユニット130と流体送達ユニット通信リンク127を有し得、一方、流体アクチュエータユニット120は、制御ユニットと別個の流体アクチュエータユニット通信リンク125を有し得る。代替的には、流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120は、同じデータ通信リンクを介して制御ユニット130と通信し得る。通信リンクは可逆的であり得、それにより、制御ユニット130は、流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120とデータの送受信の両方を行い得る。流体送達ユニット110のデータソース111はまた、通信リンク127を使用して、制御ユニット130と通信するか、又は別個のリンク127aを使用し得る。同様に、流体アクチュエータユニット120のデータソース121も、通信リンク125を使用して、制御ユニット130と通信するか、又は別個のリンク125aを使用し得る。そのようなリンクは、当業者に既知の有線又は無線の実施態様で実現し得る。
なお図1を参照すると、本発明の流体送達システム100は、受容者10又は受容者10の1つ若しくは複数の対象領域の1つ又は複数の診断品質像が得られる造影撮像手順の一環として、患者10又は他の受容者に1つ又は複数の流体(例えば、造影剤及び生理食塩水等の希釈剤)を注入する際での使用に適するように構成し得る。この点に関して、システム100は、全体的に20と示される1つ又は複数のセンサを含み得、センサを用いて、受容者10の1つ又は複数の生理学的パラメータを検知する。センサ20によって検知されるパラメータは、1つ又は複数の流体が受容者10に注入される初期プロトコールを導出すること、又は注入プロトコールを変更することに関してシステムを支援するために、制御ユニット130又は流体送達システム100の他の構成要素にフィードバックとして提供し得る。何れの場合でも、1つ又は複数のセンサ20を使用して、受容者10の心拍数、血圧、血管、組織、若しくは体腔内部の圧力、血液pH、体温、体重、又は他の所望の生理学的パラメータを測定し得る。用途に応じて、センサ20は、例えば、生体内又は患者外部に配置し得、上述した使い捨て流体路要素に関連して開示されたセンサとは別個の機器として実施してもよいことが考えられる。代替的には、センサ20は、それらの使い捨て流体路要素に関連して開示されたセンサに統合してもよく、且つ/又はそのようなセンサの形態で実施してもよい。
2つ以上の流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120を流体送達システム100に関連付け得ることを理解し得る。非限定的な一例として、制御ユニット130は、複数の流体送達ユニット110及び関連付けられた流体アクチュエータユニット120とデータ通信し得る。そのような構成は、幾つかの実験動物にそれぞれ、各動物に特に設計されるプロトコールに従って1つ又は複数の薬剤が注入される獣医学研究用途に有用であり得る。制御ユニット130は、ユーザが、各流体送達ユニット110を別個に制御し監視できるようにし、流体送達ユニット110及び流体アクチュエータユニット120の各組合せから情報を提供し得る。
上述するように、流体送達ユニット110は、流体送達ユニット通信リンク127を介して制御ユニット130と可逆的通信し得る。通信されるデータの非限定的な例は、流体送達ユニットデータ及び/又は使い捨て装置データを含み得る。同様に、流体アクチュエータユニット120は、流体アクチュエータユニット通信リンク125を介して制御ユニット130と可逆的通信し得る。通信される非限定的な例は、流体アクチュエータを作動させるアクチュエータ信号及び/又は制御信号を含み得る。そのような制御信号の幾つかの非限定的な例は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:流体送達ユニット率信号、流体送達ユニット容量信号、流体送達ユニット圧力信号、流体送達ユニット粒子カウント信号、及び流体送達ユニット加速度/減速度信号。さらに、制御ユニット130は、入力装置140から入力通信リンク137を介して入力データを受信し、出力通信リンク135を介して出力装置150に出力データを提供し得る。入力装置140及び出力装置150が同じ物理的装置であり得ることを理解し得る。したがって、入力通信リンク137及び出力通信リンク135は、同じ物理的装置又は無線リンクであり得る。
制御ユニット130は、任意の数の構成要素を含み得る。幾つかの非限定的な例では、制御ユニットは、計算装置と動作可能に通信する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。幾つかの実施形態では、制御ユニット130は、計算装置と動作可能に通信135する出力装置150と、計算装置と動作可能に通信137する入力装置140とを含むこともできる。代替的には、出力装置150及び入力装置140のうちの一方又は両方は、制御ユニット130とは別個の装置であり得る。代替的には、制御ユニット130は、以下のうちの任意の1つ又は複数を含み得る:インターネット通信インタフェース、シリアル通信インタフェース、パラレル通信インタフェース、ローカルネットワークインタフェース、広範囲ネットワークインタフェース、光学インタフェース、無線通信インタフェース、ジェスチャ駆動インタフェース、音声作動インタフェース、及びRFインタフェース。そのような通信インタフェースは、非限定的な例として、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、撮像システム、ワークステーション、画像保管通信システム(PACS)、及びサービス又は監視システム。出力装置150の非限定的な例としては、コンピュータ、ワーステーション、ラップトップコンピュータ、iPad、タブレット、ファブレット、Blackberry装置、PDA、及びセルラ電話を挙げ得る。入力装置140の非限定的な例としては、キーボード、マウス、ジョイスティック、光学文字リーダ、RF装置インタフェース、音声認識インタフェース、タッチスクリーン、及びモーショントラッキング装置を挙げ得る。
制御ユニット130の部分としての計算装置と動作可能に通信する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数のプログラミング命令を含み得、プログラミング命令は、実行されると、計算装置に、送達ユニットデータを送達ユニットデータソース111から、アクチュエータユニットデータをアクチュエータユニットデータソース121から受信することと、少なくとも部分的に、送達ユニットデータ及びアクチュエータユニットデータに基づいて、流体送達ユニット110と流体アクチュエータユニット120との間での機械的互換性ステータスを特定することと、出力装置150に、機械的互換性ステータスに関連する出力を送信することと、流体送達ユニット110、流体アクチュエータユニット120、及び制御ユニット130のうちの2つ以上の間での通信整合性ステータスを特定することと、出力装置150に、通信整合性ステータスに関連する出力を送信することとを実行させる。さらに、1つ又は複数のプログラミング命令は、計算装置に、グラフィカル表示等のユーザが理解可能な形態での流体送達システムの出力構成を出力装置150に送信することを実行させ得る。出力構成は、好ましくは、少なくとも部分的に、送達ユニットデータ及びアクチュエータユニットデータのうちの1つ又は複数に依存する。出力表示情報は、非一時的メモリに予めロードされる表示データの中から、制御ユニット130によって選び得る。非限定的な一実施形態では、特定の表示は、少なくとも部分的に流体送達ユニットデータ、使い捨てデータ、及び/又は流体アクチュエータデータに基づき得る。別の非限定的な例では、特定の表示は、少なくとも部分的に、入力装置140を介してユーザによって入力された手順に基づき得る。代替的には、ユーザは、表示ライブラリから特定の表示を選び得る。別の実施形態では、ユーザは、制御ユニット130によって提供されるグラフィカルプリミティブからカスタム表示を作成する。
制御ユニット130が、1つ又は複数の送達ユニットデータソース111から、流体送達ユニット110に固有のプログラミング命令を受信することも可能なことを理解し得る。同様に、制御ユニット130は、1つ又は複数のアクチュエータユニットデータソース121から、流体アクチュエータユニット120に固有のプログラミング命令を受信し得る。更に別の代替では、制御ユニット130は、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、セル電話、又は任意の他の電子データソースを含むが、これらに限定されない別の装置から通信リンクを介してプログラミング命令を受信し得る。流体送達ユニット110、使い捨て装置、流体アクチュエータユニット120、又は流体送達システム100の任意の他の構成要素に関連する追加のデータは、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、セル電話、又は任意の他の電子データソースを含むが、これらに限定されない別の装置から通信リンクを介して制御ユニット130によって受信し得る。そのような追加のデータは、限定ではなく、流体送達システム100の任意の構成要素のソフトウェア若しくはファームウェアアップグレード又はユーザ表示に関連する情報を含み得る。
計算装置は、関連付けられた揮発性及び不揮発性記憶媒体と共に、流体送達システム100の任意の構成要素からの性能データ及び/又は活動データの保持、追跡、編成、分析、及びログ記録を行うように更に機能し得る。そのような性能データ及び/又は活動データは、ユーザによって流体送達システム100又はリモートにダウンロードし得る。ローカルにダウンロードされる性能データ及び/又は活動データは、出力装置150でユーザ表示の一部として、又はハードコピーとしてユーザに提示し得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、入力装置140を介して命令を更に入力してもよく、又は計算装置にリモートで、ユーザが指示する方法に従って性能データ及び/又は活動データを分析させてもよい。幾つかの非限定的な例では、計算装置は、可能な分析ルーチン又は報告ルーチンのライブラリを含み得、ライブラリからユーザが選び得る。
制御ユニット130が、単一の装置を表してもよく、又は上述した制御ユニットの様々な機能を分散させ得る複数の装置を表してもよいことを理解し得る。例えば、スタンドアロン流体送達システムが流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120として使用される場合、スタンドアロン流体送達システムは既に、幾つかの内部制御機能と、幾つかのユーザインタフェース及びデータ通信機能とを含み得る。したがって、制御ユニット130は、そのような独立ユニットを制御し、通信することが可能なより上位レベルの制御機能を含み得る。制御ユニット130の機能は、そのような独立ユニットと、動作を調整するデータ及び/又は他の情報を送信又は受信することにより、そのような独立ユニットの動作を調整することを含み得る。
さらに、流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120が、患者への流体の適切で安全な送達を確認するためのリアルタイム安全チェック、十分な安全チェック、又は連続安全チェックを有さない場合、そのような安全チェックは、制御ユニット130又は「変換ポッド」の機能の中に含め得る。流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120が、上述したようなベース105に組み込まれる場合、ベースは、1つ又は複数の安全チェック機能を含むこともできる。そのような安全チェックは、例えば、ベース105に組み込まれる独立したコンピュータシステムによって実行し得る。ベース105は、流体送達ユニット110、流体アクチュエータユニット120、及び/又は制御ユニット130と通信するように構成し得る。代替的に、ベース105がない構成の場合、制御ユニット130は、注入中に安全ではない動作を検出すると、流体送達ユニット110及び/又は流体アクチュエータユニット120に、電子コマンド又はソフトウェアコマンドを介して送達を停止するように命令し得る。代替の非限定的な一例では、制御ユニット130は、動作が止まるように、1つ又は複数の故障ユニットから電力を除去し得る。上述したように、例えば、ユーザ入力、監督プログラミング、及び動作安全性チェックからモータサーボ制御及び弁作動まで、様々なレベルの制御ユニット機能がある。これらの機能は、様々な計算機能又は制御機能、中央制御ユニット、並びに/或いは流体アクチュエータユニット、流体送達ユニット、流体路要素、ベース、及び/又は外部コンピュータ又は装置内の計算機能の間で分散させ得る。任意選択的に、中央制御ユニットがなくてもよく、より高位の機能は、セルフチェック及びピアツーピアチェックベースで実行し得る。
図4は、構成可能な流体送達システムを組み立て得る非限定的な方法の流れ図である。システムのユーザは、複数の流体送達ユニットのうちの1つ又は複数を選択し(400)、複数の流体アクチュエータユニットのうちの1つ又は複数を選択(405)し得る。ユーザ又はアセンブラは、限定ではなく、医療手順、獣医学手順、又は研究手順を含む、流体送達システムを使用し得る手順のタイプ等のユーザ基準に応じて、送達ユニット又はアクチュエータユニットの何れかをまず選び得る。ユーザは、流体アクチュエータユニットを流体送達ユニットに機械的に接続し得る(410)。開示されているシステムの趣旨では、機械的接続は可逆的であり得ることを理解し得る。そのような可逆的な機械接続は、組み立てられたユニットを分解して、正しくない、動作しない、又は故障したユニットを交換し得るか、又は代替の手順で使用する代替の構成で再組み立てし得る。
ユーザは、制御ユニットを1つ又は複数の流体送達ユニット及び/又はアクチュエータユニットと可逆的データ通信させ得る(415)。ここでも、方法並びに流体送達ユニット、流体アクチュエータユニット、及び制御ユニットの間でのデータ通信に関連付けられる構成要素により、データ通信を開始し、保持し、解離を可能にし得ることを理解し得る。組み立てプロセスの順序が非限定的であることを理解し得る。ステップの非限定的な一代替の順序では、最初に、制御ユニットをまず送達ユニットに接続し得、次に、アクチュエータユニットを送達ユニット及び制御ユニットに接続し得る。
3つのユニットが一緒に、機械的及び電子的の両方で接続されると、制御ユニットは、流体アクチュエータユニットと流体送達ユニットとの間の可逆的機械通信に関連する機械的ステータスデータを出力装置に送信し得る(420)。制御ユニットは、通信ステータスデータを出力装置に送信する(425)こともできる。通信ステータスデータは、流体送達ユニットと制御ユニットとの間及び/又は流体アクチュエータユニットと制御ユニットとの間での可逆的データ通信に関連し得る。
流体送達システムの構成可能性を所与として、機械的ステータスデータに関連する、制御ユニットによって送信される出力が、少なくとも部分的に、(i)制御ユニットによって受信される流体送達ユニットデータ及び/又は(ii)制御ユニットによって受信される流体アクチュエータユニットデータに基づいて決定されるフォーマットであり得ることを理解し得る。したがって、非限定的な例として、ユニットのうちの1つ又は複数に固有のステータス情報を示す、出力装置によって提示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、流体送達ユニット及び/又はアクチュエータユニットのタイプによって決定し得る。同様に、通信ステータスデータに関連する、制御ユニットによって送信される出力は、少なくとも部分的に、(i)制御ユニットによって受信される流体送達ユニットデータ及び/又は(ii)制御ユニットによって受信される流体アクチュエータユニットデータに基づいて決定されるフォーマットであり得る。特定のデータが隠されるが、ユーザインタフェースのより下位レベルでアクセス可能な、接続及び対話の更にグラフィック的又は線図的表示を利用する共通又は標準ユーザインタフェースに利点がある。グラフィックス、例えば、異なる用途で承認される特定のユニット又は構成要素に関連付けられたマウス、ブタ、サル、又はヒトのグラフィックスを使用して、様々な流体送達ユニット、流体アクチュエータ、及び/又は流体路要素のステータスを示すことに安全性(及び使用可能性)の利点があり得る。ユーザインタフェースにユーザカスタマイズ可能なグラフィックスを利用することにも利点がある。
方法は、ユーザが使い捨てユニットを選択し、使い捨てユニットを1つ又は複数の流体送達ユニットと可逆的機械通信及びデータ通信させることも含み得る。代替的には、ユーザは、例えば、流体送達ユニットを介して、使い捨てユニットをアクチュエータユニット又は制御ユニットと可逆的データ通信できるようにし得る。制御ユニットが、使い捨てユニットと流体送達ユニットとの間での可逆的機械通信に関連する機械的ステータスデータを出力装置に送信し得、又は代替的に、ユーザに問い合わせて、制御ユニット130が自動的に検知することができない流体送達システムの構成要素についての機械的又は他のステータス情報を確認し得ることを更に理解し得る。加えて、制御ユニットは、使い捨てユニットから通信データを受信するユニットに応じて、使い捨てユニットと、流体送達ユニット、流体アクチュエータユニット、及び制御ユニットのうちの1つ又は複数との間の可逆的データ通信に関連する通信ステータスデータを出力装置に送信し得る。ユーザによる出力ステータスデータの使用の一例として、出力装置に表示される機械的ステータスデータは、流体送達ユニットとアクチュエータユニットとの間での機械的接続、流体路接続、又はデータ接続の故障を示し得る。その結果、ユーザは、流体送達ユニットと流体アクチュエータユニットとの適切な接続を変更することにより、故障した機械的接続、流体路接続、又はデータ接続を修理しようとし得る。
図5は、本発明がいかに、特定の流体送達システムを構成するに当たりユーザを支援し得るかの一実施形態のブローチャートを提示する。制御ユニットは、ユーザに可能な手順のリストを表示し得る(500)。リストは、以下のうちの1つ若しくは複数に基づくか、又は以下のうちの1つ若しくは複数から導出することができる:理解及び選択を容易にするために、好ましくは階層になった可能な全ての手順、現在接続されているユニット、ユーザが利用可能なユニットセット全体、利用可能なものとしてユーザが入力したユニットのリスト、及びこの制御ユニットがインタフェースしたユニットのユーザ変更可能な履歴からのユニットのリスト。ユーザは、ユーザが先に進めたい手順のタイプを表す手順のうちの1つを選択し得る(505)。制御ユニットは、手順に適切な流体送達ユニットのリストを出力装置に表示し得る(510)。構成可能なシステムが機械的又は電子機械的ベースを含む場合、ユーザは、流体送達ユニットをベースに取り付け得る。制御ユニットは、設置された流体送達ユニットとデータ通信し、流体送達ユニットデータを受信して、手順に関して、ユニットが許容可能であるか否かを判断し得る。許容可能ではない場合、制御ユニットは、ユニットが許容不可能であることをユーザに通知し得る(515)。流体送達システムが、全ての側面で適切に制御ユニットに取り付けられ、インタフェースすることを、システムが確認することができない場合、制御ユニットはユーザに問い合わせて、流体送達ユニットが全ての側面で適切に取り付けられインタフェースされることを検証し得る。
制御ユニットは、選ばれた手順に従って、可能な全ての流体アクチュエータユニットのリストをユーザに表示し得る(520)。ユーザは、アクチュエータユニットを選び、それを流体送達ユニットに結合し得る。制御ユニットは、設置された流体送達ユニット及び流体アクチュエータユニットの両方とデータ接続し、流体送達ユニットデータ及び流体アクチュエータデータを受信し、アクチュエータユニットが送達ユニットに適切であるか否か、及び正確に機械的に取り付けられているか否かを判断し得る。ここでも、アクチュエータユニットが不適切である場合、又は2つのユニット間の機械的接続が過っている場合、制御はユーザに通知し得る(525)。送達ユニット、アクチュエータユニット、及び流体送達システムの適宜動作を保証するために、流体アクチュエータユニットが、全ての側面で適切に取り付けられインタフェースされていることを、システムが確認することができない場合、制御ユニットはユーザに問い合わせて、流体アクチュエータユニットが、全ての側面で適切に取り付けられインタフェースされることを検証し得る。ベース及び/又は制御ユニットへの流体送達ユニット及び流体アクチュエータユニットの取り付け順序が任意であり得ることを理解し得る。
送達ユニット、アクチュエータユニット、及び制御ユニットが組み付けられると、システムは、ユーザからのデータ(手順のタイプ)と、送達ユニット及びアクチュエータユニットからのデータを使用して、1つ又は複数の可能な予めプログラムされた流体送達プロトコールを表示し得る(530)。一実施形態では、ユーザは、制御ユニットによって生成されるプロトコールプロンプトに応答し、リストから選択される1つを入力し得る(535)。代替の一実施形態では、ユーザは、手順及び組み付けられた構成要素に基づいて新しいプロトコールをプログラムしたいことがある。そのようなプロトコールは、上述した任意の入力方法により、ユーザによって制御ユニットに入力し得る。制御ユニットは、前に提供された手順、送達ユニット、アクチュエータ、及びプロトコール情報と一貫した可能な使い捨てユニットのリストを出力装置に表示し得る(540)。ユーザは、使い捨てユニットを送達ユニットに取り付け得る。制御ユニットに提供される送達ユニットからのデータは、適宜性について制御ユニットによってチェックし得る。上述したように、制御ユニットは、使い捨てユニットが用途に不適切である場合、又は使い捨てユニットが流体送達ユニットと適切に機械的接触していない場合、ユーザに通知し得る(545)。流体送達ユニット、アクチュエータユニット、及び流体送達システムの適宜動作を保証するために、使い捨てユニットが全ての側面で適切に取り付けられていることを、システムが確認することができない場合、制御ユニットは、ユーザに問い合わせて、使い捨てユニットが全ての側面で適切に取り付けられていることを検証し得る。
機械的及びデータ接続シーケンスの終わりに、制御ユニットは、最終的なシステム全体チェックを提供して、適切な送達ユニット、アクチュエータユニット、及び使い捨てユニットがユーザによって選ばれ、正しく組み付けられたことを保証し得る。制御ユニットは、完成した組立体での任意の機械的又は電子的故障をユーザに通知し得る(550)。流体送達システムが組み立てられ、テストされた後、制御ユニットは、ユーザによって組み立てられる手順、構成要素、及びプロトコールに固有であり得る、GUI等の出力を出力装置上でユーザに表示し得る(555)。
本発明の利点の理解を助けるために、様々な構成要素からデスクトップパーソナルコンピュータ(PC)を構築することと幾らか同様のことを考え得る。マザーボードとの幾つかの類似点を有するベースがある。中央制御ユニットは、メインプロセッサ、メモリ、及びソフトウェアと同様であり得る。流体アクチュエータユニットは、プラグインカードに類似し得る。流体送達ユニットは、流体アクチュエータユニット又はベース自体に差し込まれるカードであり得る。ディスポーザブル又は流体路要素は、流体送達ユニットに接続し得る。幾つかの場合、流体アクチュエータユニットには、流体送達ユニットが既に組み込まれて固定されている。代替的には、流体送達ユニット及び少なくとも幾つかの流体路要素は、予め組み立てられ固定され得る。代替的には、全ての独立構成要素を有する完全に機能するポンプが、この構成可能なシステムと嵌合可能にし得、全体的な制御ユニットの制御下にあり、それ自体で行うことができるよりも高度な手順を可能にし得る。PCと同様に、本発明の構成可能な流体送達システム100は、少なくとも通信及びデータ処理に最小の標準を利用する場合、様々な企業製のユニット又は要素に適合するように設計し得る。(安価な使い捨て又は非制御要素の場合、鍵は流密封止であり、ユーザは関連データを入力することができるため、データ通信は任意選択的になり得る)。PCの例えでのように、異なるアドインは、単純なハードドライブからiPad等の完全スタンドアロンのタブレットまで、非常に異なるレベルの精巧さ及び機能を有することができる。
[実施例]
非限定的な一例として、構成可能なシステムを使用して、それぞれが注射器駆動アクチュエータと関連付けられた2つの注射器で構成される二重注入装置を組み立て得る。そのような二重注射器システムを図3Dに概略的に提示する。
複数の流体を送達する本発明の柔軟な注入システムを使用する流体送達に関連付けられる問題は、第1の流体の送達中、システム及び流体路が加圧されているとき、加圧手段が移動を阻止又は回避するように設計される場合であっても、その第1の流体が他の流体を逆流方向に駆動することがあることである。この逆流は、C=V/Pとして定義される機械キャパシタンスに起因し得る。キャパシタンスは、ユニット又は流体路要素内の流体への所与の圧力変化に対して、そのユニット又は要素内で生じる容量変化として定義される。キャパシタンスCが増大するにつれて、所与の圧力Pでの容量変化Vも増大する。金属構成要素は、プラスチック構成要素よりもはるかに低いキャパシタンスを有する傾向がある。しかし、多くの使い捨て流体要素はプラスチックであり、その理由は、プラスチックが提供し得る他の利点による。さらに、管、注射筒、及びゴムカバーも、大きなキャパシタンスを有し得る。
図3Dでは、流体路390が弁396及び398を含まない場合、第1の注射器が前方に移動して、流体を第1の注射器から駆動する圧力を生み出すとき、圧力は、流体に第2の注射器の流出端部を加圧させることがあり、さらには流体を第1の注射器から第2の注射器に駆動させることがある。
この逆流を低減するか、又は基本的になくす一実施形態は、弁396及び398を含むことである。この実施形態では、弁396及び398は、比較的低い圧力降下で一方向に流す一方向弁又はチェック弁であり得る。しかし、注射器又は流体の部分容量のみを送達すべき場合、チェック弁を用いる場合であっても、望ましくない挙動が生じることがある。第1の注射器が移動して、第1の流体を加圧するとき、圧力は流体路に沿って生じる。チェック弁396が所定位置にある状態では、圧力により第2のラインに流入する流体は極わずかであるか、又はない。第1の注射器は、流体を注射器外に流体路390を通して押し出すために必要な圧力を蓄積する。第2の流体が第1の流体に続くか、又は第1の流体をフラッシュすると、第1の注射器は移動を停止し、第2の注射器は移動を開始する。第2のライン内の圧力が、第1のライン内の圧力よりも十分大きくなると、流体はチェック弁396を通って流れる。送達のこの時点で、両注射器を加圧し得るが、第2の流体のみが流れることができる。流体送達が完了し、注射器が移動を停止すると、流体路390内の圧力は、流体が使い捨てユニットを出て患者に入るにつれて、低減し得る。圧力差が存在する限り、流体は、2つの注射器から連続して、流体路に、そして恐らくは患者内に流入又は滴下し得る。この追加の流れは、注射器及び/又は他の流体路要素のキャパシタンスに起因し得る。使い捨て注射器は、ゴムカバーに起因して特に高いキャパシタンスを有する。長い可撓性使い捨て管も比較的高いキャパシタンスを有し得る。一解決策は、システムの最大動作圧を超えるか、又はその近傍であり得る高開口又はクラック圧を有する弁396及び398を組み込むことである。そのような高クラック圧弁の一実施形態は、流体流を遮断することができる内部摺動要素を有するスプール弁を含み得る。弁は、摺動要素の移動に抵抗するために、ばね又は加圧ブラダー等の抵抗力要素を含み得る。スプール型の高クラック圧弁が、図6A、図6Bに関連して以下で考察する。
動作に当たり、図6A及び図6Bが示唆するように、摺動要素に対抗する流体圧が、力要素からの力よりも大きくなると、摺動要素は移動して、弁の出口セグメントを開くことができ、それにより、流体を流す。摺動要素に対抗する圧力が、力要素に対抗するために必要な圧力よりも下がると、摺動要素は元の位置に戻ることができ、それにより、流体が弁を通って流れないようにする。非限定的な例では、摺動要素は、ゴム又は熱可塑性エラストマーで作り得る。力要素は、金属ばねであってもよく、又はエラストマーであってもよく、摺動要素の一体部分として製造し得る。
第2の非限定的な実施形態は、圧縮可能管と、管を圧縮する非対称圧力要素とで構成し得る。非対称圧力要素は、一セグメントにおいて管を完全に圧縮し、第2のセグメントにおいて管を部分的に圧縮し、第3のセグメントにおいて管を圧縮しないように設計し得る。圧縮の力は、例えば、ばね、ブラダー、電子機械的アクチュエータ、又は磁気アクチュエータを含む様々な方法によって生み出すことができる。この構成は、連続した流体路要素を組立体内に配置して、再使用可能であり得るか、又はばね及び圧力要素は、管の一部に配置され、管と共に破棄される単純なクランプオンプラスチック又は金属構成要素の部分であり得る。第3のセグメント内の圧力が増大するにつれて、圧力要素の下向きの力に、第2のセグメント内の流体圧で対抗し得る。流体圧が増大すると、第1のセグメントにおける圧力要素の力が打ち勝つことになり得、流体は弁を通って流れることができる。圧縮型高クラック圧弁及びその性能の一例を図8C及び図8Dに示す。
更に別の実施形態では、弁396及び398は、ライン397及び399を介して制御ユニットによってそれぞれ送信される制御データにより、制御ユニット130によって能動的に制御し得る。制御ユニットは、使い捨てユニットに関連付けられた1つ又は複数の圧力センサから受信されるデータに基づいて、弁396及び398の何れか一方又は両方の状態を調整し得る。例えば、図3Eに示されるような非限定的な一実施形態では、そのような圧力センサは、1つが各弁271及び272のそれぞれの上流にあり、任意選択的に、1つが各弁273及び274のそれぞれの下流にあるように配置し得る。自動制御される弁396及び398を開くためのクラック圧が、制御ユニットにより構成可能であり、装置を使用し得る手順及びプロトコールに従って調整し得ることを理解し得る。非限定的な一実施形態では、弁396及び398はオンオフ弁であり、制御ユニットは、弁396及び398を素早く開閉して、高クラック圧弁の模倣に適切な制御点に圧力を維持する。代替的には、弁396及び398は、圧力を適切な制御点に維持するように制御ユニットが作動させ制御する比例弁であり得る。能動的に制御される弁には、準備段階中に充填又は他の流体の移動を行うため、及び手順完了時に注射器内の圧力を解放することが適切である場合、制御可能に開くことができるという利点があることを認識し得る。代替的には、圧力は、注射器ピストン又はアクチュエータが逆方向に移動する(すなわち、非分注)場合、機械的に解放することができる。更に別の代替の例では、栓又は他の手動制御弁(図示せず)を弁396又は398に関連付けて使用して、充填及び/又は圧力の漸次的低減を行い得る。更に別の代替の例では、弁396は、機械的レバー、ロッド、又はハンドルを組み込んで、充填のための手動又は自動作動を可能にし、且つ/又は圧力を解放し得る。
非限定的な例では、高クラック圧弁は、流体送達ユニット110からの流体路に配置し得、ベロー又は折りたたみ式の注射器若しくは容器を含み得る。例示的な折りたたみ式注射器及び/又はブラダーの説明は、Gelblumらに付与された特許文献3、Cowanらに付与された特許文献4、及びCowanらに付与された特許文献5に見出し得、これらのそれぞれを参照により本明細書に援用する。このタイプの注射器では、ベローの折りたたみ又は折りたたみ部材若しくはローリングダイアフラムの可撓性の結果として、注射器キャパシタンスが増大し得、容量及びフローと変位との関係は可変であり得、非線形である。ベロー注射器が低圧で動作する場合、ピストン位置と流体の出力との関係は、一関数関係を有し得る。ベローが、最大性能で、又はその近くの圧力で動作することによって最大まで圧縮されつつある場合、大量の流体が分注される前、折り畳みは大きく膨張するか、又は歪み得る。したがって、ピストン位置と流体の出力との関係は、非常に異なる関数関係を有し得る。これら2つの間の圧力を解放するために、折り畳みの量は中間であり得、ピストン位置と流体の出力との関数関係も同様に、異なる関数関係を有する。注射器プランジャの移動量と送達される流体量との関係を正確に、又は再生可能に特定することは困難であり得る。流体送達の正確で一貫した制御には、ピストン又はポンプの移動と流体容量送達との一貫した関係が必要である。注射器が、高クラック圧弁を通して流体を送出する場合、流体容器への圧力は、より再現性が高く、既知であり得る。したがって、制御ユニット130は、ピストン又はポンプの移動と流体容量との既知の関係を使用して、正確で一貫した所望の流体送達を提供し得る。
図3Dでの弁396等の高クラック圧弁の第1の実施形態を図6A及び図6Bに示す。流体路セグメント611及び612はそれぞれ、弁に流体を伝えると共に、弁から流体を伝えるように機能する。弁は、セグメント611と612との間での流体流を遮断し得る可動(この場合、摺動)要素613を更に備える。セグメント612内の圧力は、圧力によって生み出される力が対称に作用するため、可動又は摺動要素613を動かすことはできない。封止613a及び613bは、セグメント612内外への流体の漏出を阻止し得る。セグメント611内の圧力は、図6Bに示されるように、摺動要素613を左側に押す力を生成し得、流体をセグメント611からセグメント612内に流すことができる。セグメント611内の圧力からの力は、ばね、加圧ブラダー、又は電子機械的若しくは電磁力アクチュエータ等の力要素615によって抵抗し得る。力要素615は、手動式要素613を右側に押し得る。摺動要素613の移動は、図6Aに示される閉位置と、図6Bに示される開位置との間での移動に制約し得る。移動は、弁(図示せず)の内側の戻り止め又はロッド614若しくは力要素615によって課される制約によって制約し得る。移動制約及び/又は事前負荷には、要素613の摺動/移動量を低減するという利点があり、これはシステムキャパシタンスを低減する。
動作に当たり、セグメント611内の圧力がP−openの値に達すると、要素613への力は、流体圧力が力要素615からの力よりも大きいことに起因して、要素613を左側に移動させ得、出口セグメント612を開け、弁を通して流体を流す。セグメント611内の圧力がP−open未満に降下すると、要素613は右側に移動し得、セグメント611内又は外への流体の流れを阻止し得る。
この弁が医療装置に使用される場合、流体路要素は、ポリカーボネート又はPVC等のプラスチックから製造し得る。要素613は、ゴム又は熱可塑性エラストマーで製造し得る。力要素615は、金属ばね若しくはエラストマーを含み得るか、又は任意選択的に、要素613の一体部分として製造し得る。滅菌状況で使用される場合、この設計では、流体に接触する全ての要素を滅菌する必要があるか、又は流体に接触する全ての要素が使い捨てである必要があり得る。
図3Dでの弁396等の高クラック圧弁の第2の実施形態を図7に示し、図7では、圧縮可能な流体路要素701のみ、例えば、管のみが流体に接触し得、したがって、使い捨てであり得る。弁のその他の構成要素は、複数回使用することができる。圧力要素703は管701を圧縮し、セグメント701aにおいて閉じる。圧力要素703は、セグメント701aを閉じる場合、セグメント701bを部分的に圧縮し、セグメント701cを圧縮しないように設計し得る。圧縮の力は、例えば、ばね、ブラダー、電子機械的アクチュエータ、又は磁気的アクチュエータを含む様々な方法によって生み出すことができる。流入セグメント711において圧力が増大するにつれて、圧力要素703への下向きの力は、セグメント701b内の流体圧によって対抗し得る。正味の力が、圧力要素703がセグメント701aにおいて管を閉位置に保持することができないようなものである場合、管は開き、流体は流入セグメント711から流出セグメント712に流れ始める。これは、圧力P−openで発生し得る。流入セグメント711内の圧力がP−open未満に降下すると、圧力要素703への正味の力は、管701を再び閉じ、流体流が停止するようなものであり得る。
この第2の実施形態では、セグメント701dがあり得、セグメント701dは、流出側にあってもよく、又は流体路要素701の剛性及び形状に起因して、圧力要素703によって部分的に圧縮されてもよい。したがって、管セグメント701d内の圧力によって生成される小さな力が圧力要素703に存在し得る。セグメント701dの面積が、セグメント701bの面積よりもはるかに小さい場合、この非理想的な状況の影響を最小に抑えるか、又はほんの僅かにすることができる。
図8A〜図8Fは、構成可能な流体送達システムの代替の実施形態で使用可能な3つの弁を示す。3つ全ての弁450、470、及び490は、流体及び他の機械部品を含む筐体451、471、及び491を有する。全て、流入口455、475、及び495と、流出口456、476、及び496と、封止表面454、474、及び494とそれぞれ相互作用する可動要素452、472、及び492とを有する。可動要素452、472、及び492には、入力圧457、477、及び497と、流出圧458、478、及び498と、外圧459、479、及び499と、力アクチュエータ453、473、及び493とのそれぞれが作用する。幾何学的形状の違いにより、3つの弁の流れと圧力との関係の曲線は異なる。他の箇所で述べたように、力アクチュエータは、受動的、例えば、ばね又はブラダーであってもよく、手動調整可能、例えば、ばねを圧縮するねじであってもよく、又は制御ユニットによって制御可能、例えば、ソレノイド、液圧、空気圧、モータ駆動のばね圧縮、若しくは他の力アクチュエータであってもよい。
弁450では、流出圧458及び力アクチュエータ453は、可動要素452を封止454に押し付ける。可動部材は左側に移動し、流入圧457からの力が出力圧458及び力アクチュエータ459からの力よりも大きい場合、流体を流す。図8Bのグラフはこれを示す。縦軸は流れであり、横軸は出力圧458であり、両方とも任意の単位である。出力圧458が0の場合、グラフは線440を辿り、2単位で開く。出力圧458が1単位の場合、曲線441が値の挙動を表す。3単位で開く。出力圧458が2の場合も同様に、曲線442は、値が4単位の圧力で開くことを示す。なお、システムの何らかの部分が故障するか、又は力アクチュエータ453に負の力がある場合を除き、流出口から流入口への流れは生じ得ない。
図8Cに示される弁470では、可動部材は、474において流入口で摺動可能に封止されるとともに、筐体474’にも動可能に封止される。これは、図6A及び図6Bの弁と同様である。この弁の動作を図8Dに示す。関わる幾何学的形状により、流出圧478の可動要素472の移動に対する影響は、あるとしても極わずかである。したがって、流入圧477からの力が、力アクチュエータ473及び外圧479からの力を超える場合、可動要素472は動き、流体は流れることができる。なお、流体は、両方向に流れることができ、流入圧477が可動要素472を開いたまま維持するのに十分に高い場合、流入圧477が流出圧478よりも大きいとき、流入口475から流出口476に流れ、又は流出圧478が流入圧477よりも大きいとき、流出口476から流出口475に流れることができる。これは、本発明の実施形態の幾つかで使用される高クラック圧弁の挙動である。
図8Eは、第3の一般的なタイプの弁を示し、流入圧497及び流出圧498は両方とも、力アクチュエータ493及び外圧499からの拘束力に打ち勝って、可動要素492を押し開くように機能する。図8Fは、この弁の性能曲線を示す。この例において簡明化のために、入力圧497及び出力圧498からの力は、単位圧力当たり同じである。出力圧498が0の場合、弁は、クラック圧が2単位の弁450と同様の、曲線480に示されるような通常のチェック弁として機能する。出力圧が2単位の場合、弁は、入力圧497がゼロを超えるとすぐに開き、流体は流出口495から流入口496に流れ、その理由は、それが圧力差の方向であるためである。ドット又はグラフ481は、入力圧497が出力498に等しく、それらが一緒に、弁を開くのに辛うじて足りるが、ここでは、圧力が等しいため、流れが無い状況を表す。何れか一方の圧力がわずかに増大する場合、流体は高圧側から低圧側に流れる。
図9A〜図9D、図10A〜図10D、及び図11A〜図11Dは、例示的な流体路構成を有する本発明のシステムの実施形態例の動作例を示す。図9A〜図9Dは、2つ以上の流体を送達する図3Dに提示される流体送達ユニット及びディスポーザブルのセットの動作例を表す。この例では、弁396及び398はなく、代わりに、流体を妨げなく、又は変更せずに伝導する単純な管396’及び398’が示される。同様に、選択弁393はなく、単純なY又はT393’が、2つの流入口を1つの流出口390に結合する。図9Aは、図3Dのシステム及びディスポーザブルセットから送達中の2つの流体の、任意の単位での時間の経過に伴うグラフである。図9Bは、例えば、2つの注射器で構成される流体送達ユニット310dを示し、右にある第1の注射器801は流体1を含み、左にある第2の注射器802は流体2を含む。2つの注射器は、手動で操作し得るか、又は示されていない2つの駆動ユニット及び1つ又は複数の制御ユニットとインタフェースし得る。図9Aのグラフを参照すると、第1の注射器801のプランジャが前方に駆動される(t=1で開始される線851)と、様々なシステム構成要素のキャパシタンスにより、圧力853が徐々に蓄積する。これは、流体を注射器801から出す(852)ように駆動する。注射器802のプランジャ854の移動がゼロである場合であっても、又は注射器802のプランジャ854の移動がゼロであるため、注射器801からのその流体の幾らかは、注射器802内に流れ(855)、注射器802内に圧力856を蓄積し、注射器802からの負のフロー855を生じさせる。これは図9Bに線図で示され、図9Bにおいて、矢印811は注射器801から流出する流体を表し、矢印813は流出口390から出て受容者に入る流体流を表し、矢印812は注射器801から注射器802に流入する流体を表す。図9Aを再び参照すると、t=2において定常状態に達すると、圧力852及び856は同じであり、注射器802内又は外へのそれ以上の流体流855はなく、その間、流体は注射器801から流出口に流れ続ける(852)。t=4において、注射器801のプランジャの移動851が停止すると、両注射器801/802の圧力853/856は、徐々に低減し、主に注射器のキャパシタンスに蓄えられているエネルギーに起因して、いずれの注射器も前方に駆動されていないにも関わらず、両注射器801/802から出る流れ852/855又は滴りがある。これは図9Dに線図で示され、図9Dでは、矢印831は注射器801から流れる流体を示し、矢印832は注射器802から流れる流体を表し、矢印833は、選択弁392での合流点から流れる混合物を表し、混合物は、一般に合流点から上流の流体路要素のキャパシタンスの容量と、合流点から下流の流体路容量とに応じて、受容者に到達する。第1の注射器801及び第2の注射器802からの流れ及び容量の比率は、特に、注射器、弁、及び感レスル流体路要素のキャパシタンスに依存する。
図9Aを参照すると、時間t=5において、注射器802のプランジャ854は移動を開始する。上述したものと同様の挙動が確保されるが、注射器802は注射器801で置換され、及び逆も同様であり、注射器802からの流体の幾らかは、加圧されるため、注射器801内に移動し、次に、t=6において、定常状態に達し、次に、t=7〜8で、両注射器内の圧力が0に戻るにつれて、両注射器からの滴りがある。
時間t=9において、続く注入が開始され、流体は注射器801から送達される。t=9〜12でのシステムの動作及び性能は、t=1〜4での動作性能と同じである。t=12において、注射器801のプランジャ851は、前方移動を停止し、注射器802のプランジャ854は前方移動を開始する。両注射器は加圧されるため、慣性及び他の二次効果を無視して、注射器801の流体流852及び注射器802の流体流855が開始する。これは図9Cの図に表され、注射器801のプランジャが後方に押されないか、又は移動しない場合、注射器802からの流れは極わずかであるか、又はなく、これは、注射器801への矢印822、ヘッド又は動きがない矢印821である。流体2の流れは、矢印823で示されるように、流出口390を通って出る。両注射器が前方移動を停止するt=16において、図9Dに示され、上述したように、流れは、両注射器から流出口への滴りがあるt=4〜5及びt=7〜8の流れと同様である。したがって、最も単純な使い捨てセットは、注入後の流体の混合及び滴りに起因して、大きな欠点を有する。図10A〜図10D、図11A〜図11D、及び図12A〜図12Dにおいて、例えば、項目801、811、及び813での濃い斜行平行線模様が第1の注射器801からの流体の流れを表すことに留意されたい。項目802、822、及び823での塗りつぶしなしは、第2の注射器802からの流体の流れを表し、薄い斜行平行線模様の項目、例えば、833は、注射器801及び802からの流体の混合物である流れを表す。通常の層流又は乱流挙動により連続流の境界面で生じ得る拡散又は混合を考慮しないことにより、これを簡易化して、より容易に通信可能にする。当業者は、必要な場合にはこれを考慮することができる。
なお、図9A〜図9D、図10A〜図10D、及び図11A〜図11Dでは、t=1〜4の第1の注入は、様々な流体路要素のプライミングを表すことができ、この場合、定常状態送達を大幅に短くすることができ、又は手順での流体1のみの受容者への送達を表すことができる。同様に、t=5〜8でのシステム動作は、流体2に関連する流体路の流体プライミング及び/又は手順での流体2のみの受容者への送達を表すことができる。t=9〜17は、流体1の注入の後に流体2の注入が続く2段階注入を表す。
幾つかの手順では、例えば、100mlの造影剤で一杯になった注射器を患者に送達し、その後、50mlの生理食塩水で一杯になった注射器を送達する場合、この挙動又は性能は問題ではない。その後の滴りはあまり大きくなく、その理由は、両注射器が十分に分注され、生理食塩水内に入る僅かな造影剤は、患者に付与される総量と比較して極わずかであるため、問題ではないためである。複数のマウスに続けて、放射性薬剤及び生理食塩水を有する3ml注射器から約50μlの容量を送達する別の状況では、この影響は大きな不正確性を生じさせる。
図10A〜図10Dは、弁396及び398に単純な一方向チェック弁を利用する代替の実施形態を示す。これらは、図8Aに関連して考察されるように、一般に低クラック圧を有し、開口圧が、クラック圧に流出圧を加えたものに等しい弁である。そのような実施形態の性能を図10Aに示す。時間t=1において、注射器801のプランジャ移動951が開始される。これは注射器801を加圧し(953)、流体は出力に流れる(952)。なお、注射器802内外への流れ955はない。このフローパターンを図10Bに示す。弁398は、第1の注射器801から出る流れ、矢印911がない場合、第2の注射器802への流入、矢印912を阻止する。t=5〜7では、状況は定常状態にあり、流体1が送達される(952)。t=7において、注射器801のプランジャは移動を停止し(951)、注射器801内の圧力953が解放されるにつれて、流れの滴りがある。注射器802の加圧はない(956)ため、注射器802からの滴り955はない。t=5において、注射器802のプランジャは移動を開始し(954)、圧力が蓄積され(956)、流体は流れる(955)。挙動はここで、t=1〜5での挙動と同様であるが、第1の注射器801は第2の注射器802で置換されている。これを図10Cに示す。t=9において、順次注入が開始され、t=9〜10はt=1〜2と同じであり、プランジャが移動し(951)、圧力が蓄積され(953)、流体は注射器801から流れ(952)、t=10〜12で、定常状態送達に達する。t=12において、注射器801のプランジャは移動を停止し(951)、注射器802のプランジャは移動を開始する(954)。注射器802は加圧されていないため(956)、圧力956及び流れ955が蓄積されるまでに幾らか時間がかかる。その遷移期間中、流体が注射器801から流れ続ける(952)につれて、注射器801内の圧力953は低減する。注射器801からの流れ952も同様に低減する。注射器802内の圧力956が、合流点での圧力を上げてきた注射器801内の圧力953よりも大きい場合、チェック弁396は閉じ、チェック弁398は開く。第2の注射器802からの流体流955が開始され、注射器801からの流体流952は停止し、注射器801内の圧力953は下げ止まり、注射器802内の圧力956未満のあるレベルに留まる。流体は、注射器802のみから流れる(955)。この遷移中に小さな低下又は降下があったことに留意する。注射器802の流れ955が最大に達すると、そのレベルで流れ続ける。t=16において、注射器802のプランジャ移動954が停止するとき、第2の注射器802及び第1の注射器801の両方にそれぞれ残留圧力956/953がある。したがって、流体は、注射器802及び注射器801からそれぞれ流れるか、又は滴り(955/952)、混合物は流出口390内に入り、恐らくは流出口390から出る。これは、図10Dにおいて矢印で示され、矢印933での明るい斜行平行線模様は混合物を表す。
この実施形態は、初期注入中、一方の流体が第2の流体の流体路又はリザーバ内に注入される問題をなくすが、注入終了時の滴り低減は極わずかであるか、又はない。この挙動は、クラック圧が弁のすぐ下流の最終的な動作圧を下回る場合、数psiよりも高いクラック圧を有するチェック弁の場合であっても発生する。この場合、注射器内の圧力は動作圧から弁396及び398のクラック圧に解放されるため、注射器と、弁の上流の他の流体路要素とのキャパシタンスに起因して、停止後に少ないが常に幾らかの滴りがある。
図11A〜図11Dは、弁396及び398として、高クラック圧弁、例えば、図6A、図6B、及び図7の高クラック圧弁を有する一実施形態例を示す。図11Aを考慮すると、t=1において、注射器801のプランジャ移動991が開始する。注射器801内の圧力993は蓄積され、注射器及び関連付けられたディスポーザブルを、弁396のクラック圧に達するまで膨張させ、クラック圧に達したとき、圧力は増大を停止し、注射器801の流れ992が開始し、プランジャ速度991によって示されるレベルに素早くなる。図11Bはt=1〜4でフローパターンを示す。時間t=4において、注射器プランジャ速度991が止まると、注射器801内の圧力993は小量降下し(このグラフでは見えない)、高クラック圧弁は閉じる。注射器ピストンが注射器801内の圧力993によって後方に移動しないか、又は押し戻されない場合、注射器801の圧力993は弁クラック圧に留まる。図11Dはこの時点でのフローパターンを示し、流れはない。時間t=5において、注射器802も同様の挙動を経る:第1の注射器802のプランジャが移動し(994)、第2の注射器802を加圧し(996)、弁のクラック圧に達すると、圧力は増大を停止し、第2の注射器802からの流れ995がある。図11Cは、この時点での流れを示す。注射器802のプランジャが移動を停止すると、圧力は素早く降下し、弁のクラック圧に留まり、流れは止まる。図11Dはこの時点でのフローパターンを示し、流れ又は滴りはない。なお、プランジャ移動によって変位する流体の幾らかは、キャパシタンスによる圧力での膨張に起因して、注射器及び関連付けられたディスポーザブル内に捕捉されたままである。これは、流体容量送達の不正確性を表し、例えば、プランジャは、背圧がない条件下では、4mlを分注するのに十分に移動したが、3mlしか分注されず、1mlは流体路要素の加圧に使用された。図9A〜図9D及び図10A〜図10Dに関連して説明した実施形態では、終圧は0に近かったため、プランジャによって変位された全容量は受容者に送達されたが、速度のゆっくりとした上昇及びプランジャが移動を停止した後のゆっくりとした降下又は滴りに示されるように、流量(時間の経過に伴う送達)は理想的ではなかった。第1の流体送達でのこの容量不正確性は、第1の送達がシステムのプライミングに使用される場合は極わずかである。システムのキャパシタンス容量をプライミングするものとして考えることができる。
図11Aを更に考慮すると、t=9において、第1の注射器801のプランジャ移動991が再び開始される。システムは、弁のクラック圧に加圧されたままであるため、キャパシタンスの大部分はなお一杯であり、したがって、非常に小さな前方移動991が、弁を開き、流体流992を開始するのに十分、圧力993を増大させる。t=12において、注射器801のプランジャ移動991は停止し、流れ992も素早く停止する。同時に、注射器802のプランジャは、前方移動994を開始する。これは略瞬時に、注射器802内の圧力996を、流体が注射器802から流れる(996)ポイントまで増大させる。t=16において、注射器802のプランジャ速度994は0に低下し、移動は停止する。注射器802の流れ995もかなり素早く停止する。なお、この実施形態では、流体送達ユニットが弁のクラック圧まで加圧されると、注射器プランジャ又はアクチュエータのいかなる変位も流体を変位させ、流体は下流に送達される。この性能は、このシステムが達成可能な理想的な独立流体送達に近く、上昇時間及び降下時間は、他の箇所で考察されるように、アクチュエータ性能及び弁の流れと圧力との関係のグラフでの非理想性のみによって制限される。
なお、図11A〜図11Dでは、好ましくは、圧力を弁396及び398の背後に解放させる何らかの手段又は機構がある。そのような例としては、受動的若しくは能動的に注射器プランジャを十分に逆行させること、別個の開放弁を有すること、又は弁396及び398自体にレバー若しくは調整を組み込むこと、例えば、手動で、若しくはシステム制御を通して、要素613へのばね力を解放するか、又はロッド614を引っ張って弁を開くレバーを有することが含まれ得る。更なる例は、圧力をゴミ袋又は流体路の充填に使用される流体路要素(図示せず)を通る流体のソースに解放することができる追加の弁を含み得る。
図9A〜図9D、図10A〜図10D、及び図11A〜図11Dに関して考察した実施形態では、システム挙動、すなわち、制御ユニット130の制御下でのアクチュエータ又は送達ユニットの動作は、アクチュエータ(この例ではプランジャ)をある位置から新しい位置に移動させ、次に、アクチュエータをその新しい位置に保持することである。これは、任意選択的に解放可能なラチェット等の制御可能若しくは被制御機械的手段を通して、又は制御ユニット130の制御下の能動サーボを通して達成することができる。ピストンを定位置に保持するこの戦略は、図9Aの状況で必要であり、その理由は、1つの注射器の加圧は、それに接続された任意の他の注射器を加圧し、仮にプランジャが定位置に保持されない場合には、圧力がプランジャを後方に押すためである。システムが手動で動作する場合、これを行うことは非常に難しい。その場合、ラチェットを使用して、後方移動を阻止し得るか、又はセレクタ弁393に配置される栓が存在し得、栓はユーザによって手動で作動させ得る。
本発明の代替の実施形態は、弁及び流体路構成の組合せの1つ又は複数との様々なシステム制御又はアクチュエータ戦略の組合せの1つ又は複数を利用し得る。任意の時点で、アクチュエータがなくてもよく、又は制御ユニット130によって作動される1つ若しくは複数のアクチュエータがあってもよい。作動される場合、アクチュエータは前方に移動するか、位置を維持するか、又は逆に移動して、例えば、圧力を充填又は解放し得る。作動されない場合、アクチュエータは、内蔵された、任意選択的に選択可能なブレーキ機構に起因して、又はアクチュエータ若しくは流体送達ユニットに固有の摩擦に起因して、位置を維持し得る。流体の送達終了時での1つのアクチュエータ戦略は、流体送達ユニット内部の圧力に基づいて、アクチュエータが浮動するか、又は移動することである。必ずではないが一般に、流体送達ユニット又はアクチュエータに関連付けられた摩擦があり、例えば、注射器プランジャを摺動させること又は管を蠕動ポンプ内の管を圧縮することに関連付けられた摩擦がある。その結果、移動が生じる前に、解消すべき静的及び動的摩擦力があり得る。流体の送達終了時での第2の戦略は、ラチェット等の機械的手段を用いて、又は制御ユニット130からの能動的制御下で、上述したように移動して位置を維持することである。別の代替の戦略は、アクチュエータを移動させて流体を送達し、アクチュエータが最終位置に来ると、アクチュエータを解放し、流体送達ユニット(この例では、注射器)内のいかなる圧力にも、アクチュエータを後方に駆動して、システム内の圧力を低減することである。例えば、これは、チェック弁と併用して、送達後に滴りを低減することができる。これは、高クラック圧力弁と併用して、システム内の圧力を低減するとともに、システムが使用するエネルギーを低減することもできる。別の代替の戦略は、アクチュエータによる送達後に、特定の圧力を流体送達ユニット内に生じさせる位置にアクチュエータを能動的に制御することである。一例は、流体送達ユニット内の圧力がゼロになるまで、アクチュエータを後方に引っ張ることである。第2の例は、流体アクチュエータを後方に引っ張り、それにより、流体送達ユニット内の負圧により、外部リザーバから流体送達ユニットを充填する。
能動的なシステム位置制御下又は流体送達ユニット内に保持される圧力の影響下で受動的に、アクチュエータが後方に移動する一実施形態では、アクチュエータは容量変位を測定し得、それにより、この情報を使用して、次の流体送達を行うべきときを補償することができる。例えば、アクチュエータが2mlに等しい分だけ後方に移動し、そして次の注入で10mlを注入する必要がある場合、システムからの送達を開始することができるようにシステムを加圧するために、最初の2mlの移動又は見掛けの送達がかかる可能性が高いことを認識して、システム制御ユニットは、例えば、12mlを移動又は送達するようにアクチュエータに指示する。
1つ又は複数のアクチュエータの後方移動を利用して、システム性能を改善する代替の一実施形態の動作を図12A〜図12Dに示す。この実施形態は、他の箇所で考察される基本的に同じ物理的な実施形態であり、図10A〜図10Dに示され、単純なチェック弁である弁396及び398を有する。t=1において、挙動は同じであり、第1の注射器801のプランジャは前方に移動し(951’)、注射器801を加圧し(953’)、流体を流す(952’)。差が、t=4における注入の終了時に生じる。この時点で、注射器801のプランジャの速度951’は、短時間、負になり、注射器801内の圧力951’を素早く降下させ、これにより、注射器801からの流れ952’が素早く低減する。したがって、滴りはあっても極わずかである。逆移動は受動的であることができ、これは、プランジャが、注射器自体内の流体の圧力によって後方に押されることを意味する。代替的には、プランジャは、関連する制御ユニットによって能動的に移動させることができる。他の箇所で述べるように、制御ユニットが、生じた逆移動量及び任意選択的に、生じた圧力を記憶し、それにより、そのような情報を、進める制御アルゴリズム及び戦略で使用して、送達される将来の容量の正確性及び将来のフロープロファイルの鮮鋭性を増大させることができることが有利である。
t=5において、第2の注射器802が作動し、挙動は同様である。t=7での注射器802の逆移動956’は、滴りを低減するか、又は実際になくす。t=9において、2段階注入が開始される。t=13を通しての動作は同じである。定常状態に達した後であるが、注入の終了前のある時点で、注射器801内の圧力953’は、能動的又は受動的に、注射器801のプランジャを適切な量だけ後方に移動させる(951’)ことによってゼロに低減される。これは、注入の終了時に注射器801からの滴りがないことを意味する。t=16において、システムの挙動はt=7における挙動と同じであり、注射器802のプランジャは素早く後方に移動して(954’)、注射器802内の圧力956’を降下させ、これにより、注射器802からの流れ955’を素早く止める。
代替の実施形態では、弁396及び398は異なり得、アクチュエータの動作戦略は異なり得る。例えば、流体1が、小量の精密な送達が極めて重要な放射性流体又は遺伝子治療である場合、弁396は高クラック圧弁であり得る。流体2が、単にシステムをプライミングして、空気を除去するとともに、流体1のライン390をフラッシュするために使用されている生理食塩水である場合、滴り、容量精密性、及び急速上昇は、流体2にとって重要でないことがあり、したがって、弁398は単純なチェック弁であり得、アクチュエータ動作は、移動及び位置維持手法であることができる。任意選択的に、注射器802は、合流点までの経路に弁を有さなくてもよく、すなわち、弁398はない。弁のなしで被制御流体送達を達成する様々なシステム設計及び戦略は、上記引用した米国特許出願第13/799,426号明細書で考察されている。
システム及び流体路要素のキャパシタンスが必ずしも一定であるわけではなく、時間、温度、及び圧力に伴って変化し得ることが当業者によって認識される。注射器が圧力ジャケット内にある状態で、キャパシタンスが圧力に伴って低減する場合、高クラック圧弁は、システムの通常の動作圧よりも高いクラック圧を有する必要がなく、注射器が移動又は膨張して、圧力ジャケットを充填するにつれて、キャパシタンスの大半を占めるのに十分に高いだけのクラック圧を有するだけでよいことがある。同様に、流体システム及び流体路要素の他の側面も、通常動作圧に対する高クラック圧弁の関係に影響し得る。
一実施形態では、流体送達の正確性、性能、及び/又は安全性を改善するために、制御ユニットは、注射器キャパシタンス及び流体路抵抗の非理想性のモデルを含む図13Aに示されるシステムモデルを利用し得る。このモデルは、弁がない図9A〜図9Dのシステムを表す。流体流システムの電気的アナログでは、電荷は電圧に対応し、電流は流れに対応し、流体路抵抗は電気抵抗に対応し、慣性はインダクタンスに対応し、圧力は電圧に対応する。ピストンの移動は、電流(流体)を注射器内に駆動する電流源722a及び722bとしてモデリングされる。注射器キャパシタンスは、キャパシタ721a及び721bによってモデリングされる。参照により本明細書に援用されるSchriverらに付与された国際特許出願第PCT/US2014/026324号の図32に示されるように、キャパシタンスの値はピストンの位置に依存し、したがって、単純な固定キャパシタではない。キャパシタンスは幾つかの潜在的原因、例えば、取り付けに逆らう注射器の移動、もしあれば、圧力ジャケット内部の注射器の伸張、任意のエラストマー構成要素又は封止の圧縮、及び流体に残され得る任意の気泡の圧縮を有する。これらのうちの幾つかは非線形であり、例えば、注射器は、膨張する際、比較的高いキャパシタンスを有するが、圧力ジャケットに係合すると、キャパシタンスは、圧力ジャケットの剛性に起因してかなり低減する。注射器の出力は、抵抗723a及び723bのそれぞれを通って流れ、抵抗は、接合部、合流点、又はフロー混合装置への流体路の抵抗をモデリングする。抵抗は、流体路要素の幾何学的形状、例えば、ID、長さ、湾曲等、及び流体の粘度に依存し、流体の粘度自体は、温度及び生じた任意の混合に依存するとともに、流体が非ニュートンである場合には、流体速度自体に依存する。混合装置の抵抗は、T内の3つの抵抗724a、724b、及び724cとして示されている。724aの抵抗はその注射器内の流体の粘度(及び温度)に依存し、抵抗724bはそれぞれの注射器内の流体の粘度(及び温度)に依存し、抵抗724cは、結果として生成される混合物の粘度に依存し、混合物の粘度は混合チャンバ内に入る2つの流れに依存するため、この分離は、モデリングを簡易化するために行われる。抵抗725は、下流の流体路要素の残りの抵抗を表し、内部に流体の混合物を有する。このモデルの挙動は、SPICEのような容易に利用可能なシミュレーションツールからMatlab/Simulink又はCOMSOL等のより高度なモデルまでを用いてシミュレーションすることができる。このようなシステムモデルは、流体路要素の抵抗が粘度に依存し、注射器のキャパシタンスが残りの容量に依存することも扱うことさえ可能である。これらのタイプのモデルは、制御ユニット又は別個の計算装置内で実施することができる。システムの組み立て中、ユーザ又は制御ユニットはこれらのタイプのモデルを使用して、システム機能をユーザに通知することができ、且つ/又はシステム動作中に使用して、所望の流体送達プロファイルを送達するために最適なアクチュエータ又はシステム動作活動を特定し、且つ/又は送達を安全且つ効率的に続けることが可能であるか否かを判断することができる。
代替の実施形態では、流体制御モジュールはより高度なモデルを利用することができる。例えば、モータの慣性は、電流源とキャパシタとの間のインダクタンスとしてモデリングすることができる。同様に、流体路要素内の流体流慣性は、流体路抵抗を有するライン内のインダクタンスとしてモデリングすることができ、流体路キャパシタンスは、接地へのキャパシタとしてモデリングすることができる。有用な場合に利用可能な、より高度な実施形態は、流体路要素に分散ランプパラメータ又は伝送ラインモデルを使用することである。追加の制御アルゴリズムは、上記の国際特許出願第PCT/US2014/026324号に記載されている。
図13Bは、1本又は複数の流体ライン内の1つ又は複数の弁を用いる動作をモデリングするために制御ユニットの一実施形態に含めることができるモデルを表す。例えば、性能を図10A〜図10Dに関して考察した低クラック圧チェック弁である弁398及び398を有するシステムでは、モデル要素は、I−V又は図8Bに示されるような流れと圧力との関係を有するダイオードである。制御ユニットでのモデリングを使用して、システムの性能を予測し評価することができる。
例えば、図12A〜図12Dに関連して記載され、図12A〜図12Dに関連して考察したように動作する一実施形態では、ピストンの後退が能動的な場合、すなわち、サーボ制御下にある場合、制御ユニットは、一般的なシステム設計の属性から、又は上記の国際特許出願第PCT/US2014/026324号の図32に与えられる実験若しくは経験的に特定される性能データを介して、システムでのキャパシタンス容量の量を推定することができる。注射器が一杯であり、達した圧力が200psiである場合、注入器は約4mlのキャパシタンス容量を予期する。略一杯の注射器で圧力が1200psiに達する場合、予期されるキャパシタンス容量は10mlである。略空の注射器の場合、キャパシタンス容量は、200psiの場合は2mlであり、1200psiの場合は7mlである。容量を予期される容量に等しくなるように引き戻すことで、滴りが大幅に低減する。加えて、引き戻し前、注入器は、予期されるキャパシタンスの量を、送達すべき容量に追加することができ、例えば、ユーザが送達すべき容量30mlを選択した場合、注入器ピストンが動かす総容量は、注射器が略一杯であり、注入器の端部での圧力が200psiに達する場合、34ml(30+4)である。変位容量の34mlに達すると、ピストンは停止し、後方に移動し、注入の終了時での滴りをより高速で停止させる。注射器が略一杯である状態で、注入圧が1200psi点に達する場合、注入器は、ピストンが40ml(30+10)を動かすまで流体を送達し続け、40mlを動かしてから停止し、後方に移動する。同様に、注射器が略空である場合、ピストン移動量は、200psi及び1200psiでそれぞれ32ml(30+2)及び35ml(30+5)である。本発明の構成可能なシステムの選択された実施形態の一利点は、幾つかの実施形態では、制御ユニットが、様々な流体送達ユニット又はアクチュエータの非理想性、非線形性、又は制限を補償する複数の一般的又は全般的なアルゴリズムを組み込むことができることである。様々な構成要素に関連付けられたデータ記憶装置からの情報又はユーザ若しくはユーザ選択可能なメニューからのデータを用いて、ユーザ及び/又はシステムは、システム構成時にはユーザが含めるためにチェック弁等の流体路要素を示唆し、システムが構成されると、ユーザの送達ニーズを最もよく満たすアルゴリズムを用いてシステムを動作させるポイントさえまで、最も適切なアルゴリズム又は手法を選択することができる。例えば、満杯又は略満杯の注射器を送達する場合、注射器キャパシタンスはあまり問題ではなく、単純なプッシュアンドストップアルゴリズムが適切である。代替的には、ユーザが比較的小量をより大きな注射器から送達したいか、又は送達させようとしていることをシステムが認識する場合、システムは、チェック弁の包含と、改良されたアルゴリズムの実施、例えば、本明細書に記載されるもののうちの1つ又は複数の実施を推奨することができる。
複数の流体の送達及び異なるシステム能力に適応するために、下流の弁が上流の弁よりも低い圧力を有することを条件として、複数の高クラック圧弁を直列に、例えば、様々な合流点の前又は大きなキャパシタンスを有する物品の後に使用することができる。本明細書で説明されるように、この弁は、流体路要素、流体送達ユニット、及び/又は流体アクチュエータユニットのキャパシタンス容量を分離するように機能する。
本明細書でなされた説明及び開示を用いて、幾つかの可能な統合様相があることを当業者は認識することができる。構成可能な流体送達システムの実施は、特定の選択又は実施が関わるこれらのうちのそれぞれへのアプローチを必要とし、例えば、あらゆる側面が少なくとも300psiの圧力限度まで動作することが求められるか、又は特定の界面側面を定義することが求められるか、又は1つ又は複数の側面を指定せず、ユーザに対処若しくは理解させることが求められる。
この構成可能な流体送達システムの様々な実施形態は、様々な相互作用の様相に沿って様々なレベルの統合を利用することができる。有用な構成可能システムは、互いとのデータ通信を共有のみするユニットで作ることができる。このデータ通信は、注入前、注入中、リアルタイム制御及び対話を用いての注入中、及び/又は注入後に行うことができる。更なる統合様相は、注入シーケンスをプログラミング、例えば、セットアップすることを含む。各ユニットは、何らかのタイプのインタフェースを有し、独立してプログラムすることもでき、又は全てのプログラミングを単一の中央ユーザインタフェースで行ってもよく、又は独立機能及び中央機能の両方を有し、任意の1つのインタフェースでの変更を他のインタフェースに素早く表示することを含め、それらの間の任意の組合せで行ってもよい。更なる統合様相は、動作の調整である。この調整は、中央制御ユニット、互いに通信する個々の制御ユニット、又は両方の組合せを通して行うことができる。他の箇所で述べたように、階層手法が好ましく、幾らかのローカル制御により、各ユニットのニーズ及び能力に合わせてカスタマイズ可能にし、幾らかの中央監督により、正確性及び安全性に関してプログラミング調整をし易くする。患者を評価する1つ又は複数のセンサとの任意選択的通信が、もう1つの様相である。そのような通信は、中央制御ユニット又は特定の流体送達ユニット若しくは流体アクチュエータユニットまで行くことができる。同様に、そのデータに基づく動作又は行動は、中央制御ユニット又は機能的により低レベルで行うことができる。ピアツーピアからマスタ−スレーブトポロジーまで、この構成可能な流体送達システムに適することができる、当業者に既知の略無数の通信アーキテクチャ、方法、媒体、及びプロトコールがある。
相互作用の追加の様相は物理的である。例えば、ユニットは、別個であり、ユーザによってベンチで設定されてもよく、ラックに取り付けてもよく、他の箇所で述べたようにプレートに取り付けてもよく、又は複数の流体機能を有する単一のユニットに予め組み付けてもよい。電力は別の統合様相である。各ユニットは、それ自体のAC電力プラグ又はアダプタを有し得る。代替的には、デスクトップパーソナルコンピュータで行われるものと同様に、何らかのタイプのバスを介して、調整済みの電力を供給することができる。安全のために、選択された実施形態では、個々のユニットは、DC又はACのいずれかを、電力バス又はパネルを通して給電し得、それにより、制御ユニットは、何か完全ではないことが検出された場合、1つ又は複数の流体送達ユニット又は流体アクチュエータユニットへの電力をカットして、流体送達を瞬時に止めることができる。代替的には、1つ又は複数のユニットは、電池又は他のエネルギー源により、例えば、重力、ばね、真空ガス、又は圧縮ガスによって給電し得る。流体路は、別の統合様相である。標準のルアー接続を利用することができる。代替的には、小さな容量又は細胞を送達する場合、死容積又は乱流及び剪断を最小にするコネクタを使用し得る。
最終的に、流体送達ユニット及び/又は流体アクチュエータユニットの幾つか又は全ては、1つ又は複数の様相に沿って完全に予め統合された状態で売られ、他の様相に沿った更なる統合に向けて単一のユニットとして見なし得る。
当業者が本発明をよりよく実施できるように、以下の統合様相例リストが提供される:ユニットパッケージ及び筐体、マウント及びサポート、電力、流体路要素、流体ソース、通信、プロトコール又はプログラムデータ、関連データ記憶装置、ユニット及びシステム状態機械及びリアルタイム制御、安全性チェック、患者、ユニット及びシステムセンサ、実際のデータ及び/又は達成されたデータ、ビジネス関連データ、使用関連データ、オペレータ及び患者識別データ、並びに規制当局の承認。より大きなシステム、例えば、撮像システムと共に使用されている流体送達ユニットの任意選択的な追加の統合側面及び統合様相は、Griffithsらに付与された特許文献6に開示され考察されており、この特許出願を参照により本明細書に援用する。当業者は、このリストを念頭に置けば、十分な構成可能性及び特定用途での統合を提供する様々な実施手法を開発することが可能であろう。
本明細書でなされた説明及び開示を用いて、例えば、複数の段階及び/又は制御された送達比率を有する2つ以上の流体の同時送達が関わる段階を含むより複雑な注入手順の場合でのシステムの挙動を当業者は認識することができる。様々な流体路要素、特に弁が、特定の手順又はニーズで満足のいくように機能するために、システムで同一である必要がないことも当業者は認識することができる。一手順例では、注射器801からの流体の滴りがないことのみが問題であり得る。第1の注射器801から第2の注射器802のラインへの流体の押し出しは、第2の段階又はフラッシュ段階中に流体が続けて受容者に送達されるため、問題ではないことがある。この場合、高クラック圧弁は、注射器801にのみ提供する必要があり、弁396及び弁398はそれぞれ、通常の低クラック圧チェック弁又は注射器802に接続する流体路要素内に入る流体が、注射器802からの流体の送達中に十分にフラッシュされるような十分な容量の流体路要素であることができる。したがって、各流体送達ユニット260a〜260dは、ニーズ、用途、又は手順で要求されるように、出力に関連付けられた異なる弁を有し得、又は出力に関連付けられた弁を有さなくてもよい(弁は単純な管)。
別の非限定的な例では、インライン高クラック圧弁を、ダイアフラム又は蠕動ポンプ等の脈動ポンプである流体アクチュエータ及び/又は流体送達ユニットと併用し得る。蓄積器、例えば、ばね又は圧力付勢のリザーバをそのようなポンプの出力に配置して、流れを平滑化しようとすることができるが、蓄積器は、限られた圧力範囲内でしか有効に動作しないことがある。高クラック圧弁を蓄積器の下流に配置することにより、蓄積器は一貫して、下流の圧力変動から独立して、高クラック圧弁と同じ範囲の圧力で動作し得る。その結果、ポンプの動作に起因する流体流の潜在的な振動を減衰させ得る。蓄積器の容量に加えて、蓄積器及び高クラック圧弁の各圧力範囲は、少なくとも部分的に、ポンプの動作圧、流体路の詳細、送達の流体容量及び流量、及びポンプ出力脈動性に依存し得るか、又は依存するように選ばれ得る。さらに、インライン高クラック圧弁は、複数の流体送達装置と同じくらい、単一の流体送達装置でも有用であり得る。
CT造影剤送達等の幾つかの状況では、通常の注入中にポンプによって生成される圧力は、300psiに近づくか、又は300psiを超えることがある。そのような場合、開口圧又はクラック圧は約350psi以上であり得る。血管造影法では、開口圧又はクラック圧は1000psiを超え得る。マウスへの流体注入等の代替の手順では、注入される容量は、約50μmと小さいことがあり、関わる注入圧は約十台のpsiであり得る。したがって、小型動物を用いる手順では、50psi又はさらには20psiのクラック圧で十分であり得る。非限定的な一例では、各用途には、1組の手順に固有のP−openを有する特定の高クラック圧弁が関連付けられ得る。代替の非限定的な例では、様々な手順の中でも特に、調整可能なP−open圧を有する単一の高クラック圧弁を使用し得る。調整可能な高クラック圧弁の一実施形態は、ユーザ調整可能なねじを含み、それにより、任意選択的に、オペレータが圧縮を評価し、圧縮が正確であると判断することができるようにダイアル又はインジケータを有するばねを圧縮し得る。代替的には、システムはセンサを含み得、センサを通して、制御ユニットは、高クラック圧弁の正確な圧縮、準備、又は動作を評価することができる。システムは、流体を送達するのに十分な圧力を生成し、タイトなボーラス又はシャープな流体流を保証し、混合及び滴りを回避するだけでよく、一方、非調整可能な弁を用いる場合には、弁クラック圧は好ましくは、システムが必要とするか、又は適応可能な最高圧に設定されるため、これは効率を改善することができる。調整可能な高クラック圧弁の別の実施形態では、調整可能な電子機械アクチュエータを使用して、可変クランプ力を適用し得る。そのような自動調整可能な高クラック圧弁は、システムコントローラによるリアルタイム変更に有用であり得る。非限定的な一例では、制御ユニットは、少なくとも部分的に、システム内の1つ又は複数の圧力センサから制御ユニットによって受信されるデータに基づいて、可変クランプ力を変更し得る。
本開示は、様々な態様の例示として意図される本願に記載される特定の実施形態の条件に限定されるべきではない。当業者には明らかなように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに多くの変更及び変形を行い得る。本開示で列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に均等な方法及び装置が、上記説明から当業者には明らかであろう。そのような変更及び変形は、添付される特許請求の範囲内にあることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件と共に、そのような特許請求の範囲が権利を有する全範囲の均等物によってのみ限定されるべきである。本開示で使用される用語が、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、限定を意図しないことも理解されたい。
本開示での略あらゆる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、状況及び/又は用途に適切なように、複数形から単数形に、且つ/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の交換は、明確にするために、本開示において明示的に記載され得る。
一般に、本開示、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語が一般に、「オープン」用語(例えば、用語「含む(including)は「〜を含むがそれ(ら)に限定されない」として解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は「少なくとも〜を有する」として解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は「〜を含むがそれ(ら)に限定されない」として解釈されるべきであるなど)として意図されることが当業者によって理解されよう。様々な組成物、方法、装置が、様々な構成要素又はステップを「備える(comprising)」(「〜を含むがそれ(ら)に限定されない」の意味として解釈される)という観点で説明されているが、組成物、方法、及び装置は、様々な構成要素及びステップ「から基本的になる」又は「からなる」こともでき、そのような用語は、基本的に閉じられたメンバグループを定義するものとして解釈されるべきである。摺動等の用語が、移動、回転、偏向、又は他の相対的な位置変更を含み得ることが理解されよう。
紹介される請求項の特定数の記述が意図される場合、そのような意図は請求項中で明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図が存在しないことが記述当業者によって更に理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入するために、導入語句「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」の使用を含み得る。しかし、そのような語句の使用は、同じ請求項が導入語句「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」等の不定冠詞(例えば、「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味するものとして解釈されるべきである)を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項記述の導入が、そのように導入される請求項記述を含む任意の特定の請求項を、1つのみのそのような記述を含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではなく、同じことが、請求項記述の導入に使用される定冠詞の使用に関しても当てはまる。略あらゆる離接語及び/又は2つ以上の代替の用語を提示する語句が、説明中にあるか、特許請求の範囲中にあるか、それとも図面中にあるかに関係なく、用語のうちの一方、用語のうちの何れか一方、又は両用語を含む可能性が考えられることが当業者によって更に理解されよう。例えば、語句「A又はB」は、「A」、又は「B」、又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
上記から、本開示の様々な実施形態が例示のために記載され、本開示の範囲及び趣旨から逸脱せずに様々な変更を行い得ることが理解されよう。したがって、開示される様々な実施形態は、限定を意図せず、真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。