JP6714231B2 - 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法 - Google Patents

放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6714231B2
JP6714231B2 JP2016142817A JP2016142817A JP6714231B2 JP 6714231 B2 JP6714231 B2 JP 6714231B2 JP 2016142817 A JP2016142817 A JP 2016142817A JP 2016142817 A JP2016142817 A JP 2016142817A JP 6714231 B2 JP6714231 B2 JP 6714231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
radiation
indicator
gel indicator
sensitive gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016142817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018013402A (ja
Inventor
武義 砂川
武義 砂川
祐太郎 青木
祐太郎 青木
ハーベル グレン
ハーベル グレン
醇一 速水
醇一 速水
幸子 吉橋
幸子 吉橋
俊治 佐倉
俊治 佐倉
和久 榊原
和久 榊原
弘昭 五東
弘昭 五東
蛯名 武雄
武雄 蛯名
田口 光正
光正 田口
尚鼠 長澤
尚鼠 長澤
昌範 畑下
昌範 畑下
恭 久米
恭 久米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuclear Technology
Original Assignee
Nuclear Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuclear Technology filed Critical Nuclear Technology
Priority to JP2016142817A priority Critical patent/JP6714231B2/ja
Publication of JP2018013402A publication Critical patent/JP2018013402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6714231B2 publication Critical patent/JP6714231B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、放射線感応性ゲルインジケータの改良、詳しくは、放射線の線量分布を可視化することができ、更に反応性や非拡散性、安全性、廃棄処理の容易性にも優れ、しかも、使用済みの状態から短時間で使用前の状態に戻すことが可能な放射線感応性ゲルインジケータ、及びその効率的な調製方法、及びその効果的な使用方法、及びその安全な処理方法に関するものである。
近年、放射線治療等の分野では、放射線の線量分布を可視化できる化学線量計の開発が進んでおり、その中でも治療分野では、生体成分と同等の組成を持つゲル線量計が注目されている。また従来におけるこの種のゲル線量計としては、ポリマーゲル(例えば、特許文献1参照)、フリッケゲルおよび色素ゲルの3種類が広く知られている。
しかしながら、上記従来のゲル線量計に関しては、反応時間や使用薬品の毒性、使用後の処理等で多くの問題点が指摘されているため、未だ実用化には至っていない。具体的に説明すると、例えば上記ポリマーゲルは、放射線を照射してから呈色反応が完結するまでの時間が長いため、短時間で線量分布の評価を行うことが難しい。
また上記ポリマーゲルとフリッケゲルは、人体に有毒な材料(モノマーや硫酸)を使用するため、製造時や取り扱い時の安全性に問題がある。また更に、上記フリッケゲルと色素ゲルは拡散性が高いため、放射線照射によって呈色させた部位をそのままの状態で留めておくことが難しく、しばらく放置すると色が周囲に拡散してどの部位に放射線が照射されたか分からなくなってしまう。
また、上記従来のゲル線量計に関しては、放射線を照射して呈色反応させた後、元の状態に戻すことができない(または戻す方法が一般的に知られていない)ため、放射線の線量分布の評価作業を繰り返し行いたい場合に多量のゲルを使い捨てる必要がある。しかも、上記ゲル線量計は、大学や研究施設のような危険物の廃棄施設がない場所(病院や医療機関等)で廃棄処理を行うことも難しい。
そこで、本件発明者は、上記従来のゲル線量計に代わりに、部分ケン化PVAとヨウ化カリウムを含有する放射線感応性ゲルを、放射線の線量分布を確認するためのインジケータとして利用する考えに至った。※ちなみに部分ケン化PVAとヨウ化カリウムと水を含むゲルが放射線感応性を有することは、過去の論文等(例えば、非特許文献1〜6参照)からも容易に推測できる。
しかし、上記部分ケン化PVAとヨウ化カリウムの含む水溶液をゲル化させただけのもの(特許文献2参照)は、透明なゲルを放射線照射により赤色に呈色させた後、そのゲルを元の透明な状態に戻すために長い時間待つ必要があり、それを短縮化する技術(消色反応を制御する技術)も開発されていなかったため、ゲルインジケータを短いスパンで再使用することができなかった。
特開2012−2669号公報 特開2016−61675号公報
磯崎真夫、石川昇、簑島美雄「ヨウ化物‐樹脂皮膜による放射線線量計測」東京工業試験所報告 第59回 第8号 p.359-364(1964) 林貞夫、中野千世子、本山卓彦「部分ケン化ポリビニルアルコールのヨード反応」高分子化学 第20巻 第217号 p.303-311(1963) 磯崎真夫、石川昇、簑島美雄「ヨウ化物‐樹脂皮膜による放射線線量計測」東京工業試験所報告 第59回 第8号 p.359-364(1964) Y.Morisima,K.Fujisawa and S.Nozaki "Sequence Length Required for Poly(vinyl acetate)-Iodine Color Reaction" Polymer Science,Vol.14,p.467-469(1976) Y.Morisima,K.Fujisawa and S.Nozaki "Sequence Length Required for Poly(vinyl acetate)-Iodine and Poly(vinyl alcohol)-Iodine Color Reaction" Polymer Journal,Vol.10,No.3,p281-285(1978) 田畑米穂 「放射線化学」p43-45(1978)
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、放射線の線量分布を可視化できるだけでなく、機能面で必要となる反応性や非拡散性、再利用性、並びに取り扱い面で必要となる安全性や廃棄処理の容易性に優れ、しかも、短いスパンで再使用が可能な放射線感応性ゲルインジケータ、及びその効率的な調製方法、及びその効果的な使用方法、及びその安全な処理方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、放射線感応性ゲルインジケータを、ヨウ化カリウムを加えた部分ケン化PVA水溶液をゲル化させて成るpH6超、pH8未満のゲル状体とし、更にゲル化剤としてホウ砂、pH調整剤として還元性単糖類を含む構成を採用した点に特徴がある。
また、上記還元性単糖類に関しては、消色作用の制御を容易にするために果糖を使用するのが好ましい。
また更に、上記ゲルインジケータのpHについては、より安定した発色作用を得るためにpH6.5〜pH7.0のゲル状体とするのが好ましい。
また上記、上記ゲルインジケータの放射線感度を高めるためにヨウ化カリウムの配合量は5.0〜9.5wt%とするのが好ましい。
一方、上記放射線感応性ゲルインジケータを調製する際には、部分ケン化PVA水溶液にヨウ化カリウムを加え、更にホウ砂および還元性単糖類を加えてpH6超、pH8未満の状態でゲル化させることで効率的な製造が行える。
また上記製造時には、ヨウ化カリウムを配合量5.0〜9.5wt%の範囲で加えると共に、ゲル化後、加温処理を行ってゲル状体を透明な状態にすることで放射線感度に優れたゲルインジケータを製造できる。
他方、上記放射線感応性ゲルインジケータを使用する際には、透明なゲルインジケータに10℃〜40℃の温度環境下で放射線を照射して赤色に呈色させた後、このゲルインジケータを45℃以上の温度で加温して色を消失させることによって繰り返し使用することが可能となる。
また更に、上記放射線感応性ゲルインジケータを処理する際には、ゲルインジケータにクエン酸水溶液を添加して液化させた後、この液中にチオ硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸を添加してヨウ素を還元し、更に塩化ナトリウムを添加して析出させたPVAを液中から分離して取り除くことで、残った廃液を下水等に流すことができる。
まず本発明では、ゲルインジケータを、部分ケン化PVAとヨウ化カリウムと水を含有し、かつ、放射線に対して呈色反応(透明から赤色に変化)を示すゲルから構成したことにより、放射線が照射された部位をはっきりと可視化することが可能となる。しかも、本発明のゲルインジケータは、吸収線量によって明度や輝度が異なる発色となるため、放射線の立体的な線量分布を目視で確認することができる。
ちなみに、本発明で利用した上記ゲルの呈色反応のメカニズムについて説明すると、まず放射線照射に伴いゲル中に生じたヨウ素(I2)とヨウ素イオン(I-)が結合し、ポリヨウ素(I3 -)が生成される。そして、このポリヨウ素が、部分ケン化PVAに集団的(8〜10個)に存在する酢酸基(CH3COO)と結合して、赤色を呈する錯体が形成される。なおこの呈色反応の感度は、ヨウ化カリウムの配合量によって調整できる。
また上記呈色反応を得るためには、ゲル中のポリヨウ素が消失しないようにゲルをpH6超、pH8未満に調製する必要があるが、アルカリ性(約pH9)のホウ砂をゲル化剤として使用すると、ゲル自体がpH8以上のアルカリ性となって放射線感応性が失われてしまう。そのため、本発明では、還元性単糖をpH調整剤として加え、ゲルをpH6超、pH8未満に調製することによって上記呈色反応が得られるようにしている。
一方、本発明のゲルインジケータは、その優れた反応性によって放射線照射による色の変化が瞬時に起こるため、呈色反応の完了を待つ必要はなく、線量分布の確認作業を効率的に行える。また更に、本発明のゲルインジケータは、拡散性が非常に低いため、放射線の照射後、そのまま放置したとしても色が周囲に拡散してしまう心配はなく、線量分布の評価作業をじっくりと行うことができる。
また、本発明のゲルインジケータに関しては、放射線を照射して赤色に呈色させた状態(使用後の状態)でゲルを45℃以上に加温することによって、数時間から十数時間で元の透明な状態(使用前の状態)に戻すことができる。そのため、従来のように何日も待たなくてもゲルインジケータを短いスパンで繰り返し使用することが可能となる。
ちなみに、上記ゲルの消色反応に関しては、部分ケン化PVAとヨウ化カリウムと還元性単糖類とを含み、かつ、pH6超、pH8未満に調製された水溶液を約45℃以上に加温したとき、ポリヨウ素が還元されて透明に戻る現象を利用している。この現象は、還元性単糖類以外の糖類、例えばマンニトールを使用した場合には生じないため、本発明では還元性単糖類の使用が必須となっている。
また、本発明のゲルインジケータは、取り扱いの面でも人体に有害な危険な物質を材料に使用していないため、製造時や使用時、廃棄時の安全性も非常に高い。加えて、本発明のゲルインジケータは、不要となった場合でも簡単な処理で燃えるゴミや下水等を利用して廃棄することができるため、特別な廃棄施設を持たない病院や医療機関でも問題なく廃棄することができる。
したがって、本発明により、放射線の線量分布の確認に用いられるインジケータとしての機能に優れるだけでなく、従来のゲル線量計に存在していた製品ライフサイクル上の問題を解決できる使い勝手に優れた放射線感応性ゲルインジケータを提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
γ線照射後の吸光度の測定結果を表わすグラフである。 X線照射後の吸光度の測定結果を表わすグラフである。
本発明の好ましい実施態様について以下に説明する。
[1]ゲルインジケータの構成について
まず本発明では、放射線感応性ゲルインジケータを、部分ケン化PVAとヨウ化カリウムと水を含むゲル状体から構成している。またこのゲル状体には、ゲル化剤としてホウ砂、pH調整剤として還元性単糖類を使用している。またゲル状体のpHに関しては、インジケータ機能を得るためにpH6超、pH8未満の範囲で調整しているが、特に機能を安定させたい場合にはpH6.5〜pH7.0の範囲で調整するのが好ましい。
[2]ゲルインジケータの調製方法について
<部分ケン化PVA水溶液の作製>
次に上記ゲルインジケータを調製方法について説明する。まず最初に、部分ケン化PVAを水に溶かした水溶液を作製する。具体的には、常温の水にPVA粉末を攪拌しながら投入し、加温装置(ホットスターラー等)で70〜90℃程度に加温して、PVA粉末を完全に溶解させる。その後、攪拌を続けつつ加温を停止して水溶液が50℃以下になるまで冷却を行う(なおPVA水溶液の作製方法はこの方法に限定されない)。
<PVA-KI水溶液のゲル化>
そして次に、上記部分ケン化PVA水溶液にヨウ化カリウム、ホウ砂および還元性単糖類を加えてゲル化させる。具体的には、ホウ砂と還元性単糖類を水に溶かした水溶液に、ヨウ化カリウムを加えて水溶液の温度が約35℃になるまで加温装置で加温する。その後、この水溶液に30℃まで加温したPVA水溶液と90℃の熱湯を加え、pH6超、pH8未満の範囲に調整した水溶液を攪拌しながらゲル化させる(なおPVA-KI水溶液のゲル化の方法はこれに限定されない)。なおゲル化後の冷却方法やグアガムの添加により、ゲルの硬度を変えることもできる。
<ゲルの包装体への封入>
その後、上記の方法で作製したPVA-KIゲルを、空気と反応しないようにガスバリア性を有する透明容器に封入して、遮光状体で所定時間(約12時間)静置しゲル内のガス抜きを行う。なおゲルを封入する透明容器に関しては、ガスバリア性を有していれば瓶状のもの(プラスチック製やガラス製の瓶等)や袋状のもの(樹脂シート製の袋等)を使用することができる。
<ゲルの加温処理>
一方、上記ゲルインジケータにおけるヨウ化カリウムの配合量を5.0〜9.5wt%とした場合には、PVA-KI水溶液をゲル化させた直後に赤く呈色してしまう。そのため、ゲルインジケータとして使用できるように、ゲルを40℃以上の温度で数時間(6時間程度)加温して透明にする必要がある。なおヨウ化カリウムの配合量を1〜2wt%程度に減らした場合でも、時間をかけて呈色反応が起こるため、加温処理は有効である。
[3]部分ケン化PVAについて
次に上記ゲルインジケータの各材料について説明する。まず部分ケン化PVAについては、ケン化度95mol%以下(より好ましくは85〜90mol%の範囲)のものを使用することができ、特に水に溶かし易い粉末状のものを好適に使用できる。なおケン化度はJIS K6726に準拠して測定するものとする。また部分ケン化PVAには、市販の洗濯のりを使用することもできるが、インジケータ機能が損なわれないように不純物が少ないものを選択することが望ましい。
[4]ヨウ化カリウムについて
上記ヨウ化カリウムについても、水に溶かし易い粉末状のものを好適に使用できる。インジケータ機能が損なわれないように不純物が少ないものを選択することが望ましい。
[5]ホウ砂および還元性単糖類について
上記ホウ砂についても、水に溶かし易い粉末状のものを好適に使用できるが、粉末より粒径が大きい結晶を使用することもできる。また上記還元性単糖類には、粉末状の果糖やブドウ糖などを好適に使用することができるが、特にゲルインジケータの消色機能(その要因であるポリヨウ素の還元)を制御し易い果糖を使用することが望ましい。
[6]各材料の配合量について
次に上記各材料の配合量について説明する。まず水の配合量に関しては、ゲル全量に対して70〜85wt%(より好ましくは76.9〜80.4wt%)の範囲とすることが望ましい。なお水の配合量を多くすることで、軟らかめのゲルを作製することができ、また少なくすることで硬めのゲルを作製できるため、用途に応じて水の配合量を調節することが望ましい。
また部分ケン化PVAの配合量に関しては、ゲル全量に対して3〜7wt%(より好ましくは4.6〜5.6wt%)の範囲とすることが望ましい。そしてまた、ヨウ化カリウムの配合量に関しては、良好な放射線感度を得るために3.0〜9.5wt%(より好ましくは5.0〜9.5wt%)の範囲とすることが望ましい。なおヨウ化カリウムの配合量については、ヨウ化カリウムの多寡によってゲルインジケータの放射線感度が変わってくるため、求められる感度に応じて配合量を調節する必要がある。一方、ヨウ化カリウムの配合量を10wt%以上とした場合には、ゲルインジケータ作製直後から薄く赤色に呈色し、その後24時間以内にゲル状体が全体的に濃い赤に呈色した。また加温処理を行っても常温で透明な状態を維持できず赤色の呈色反応を示してしまうため、配合量は10wt%未満に抑える必要がある。
またホウ砂の配合量に関しては、ゲル全量に対して2〜5wt%(より好ましくは3.1〜3.8wt%)の範囲とすることが望ましい。また還元性単糖類の配合量に関しては、ゲル全量に対して3〜6wt%(より好ましくは4.2〜5.1wt%)の範囲とすることが望ましい。なお上記配合量については、望ましい数値であってこれに限定されるものではない。
[7]インジケータの対象となる放射線の種類について
本発明のゲルインジケータが感度を有する放射線としては、紫外線、X線、γ線、粒子線(陽子線や重粒子線)、α線、電子線および中性子線などが挙げられる。特に中性子線に関しては、水により減速された中性子線をホウ砂内のホウ素が吸収し、α線を生成するため、粒子線に感度を持つ本発明のゲルインジケータを使用すれば、中性子線の吸収の有無を判断できるものと予測される。
[8]ゲルインジケータの使用方法について
次に上記ゲルインジケータの使用方法について説明する。まずゲルインジケータは、透明容器(瓶や袋等)に入れた状態で使用する。そして透明なゲルインジケータに放射線を照射して、ゲルインジケータの呈色反応(透明から赤色に変化)を評価することにより、放射線が照射された部位を確認することができる。なお呈色反応の評価は、目視による感覚的な評価だけでなく、色測定(CIELAB等の色座標を用いた測定)によって明度及び輝度を数値化することにより定量的に評価することもできる。
また上記ゲルインジケータに対する放射線照射は、10〜40℃(好ましくは20〜25℃)の温度環境下で行う必要がある。これは10℃よりも低い温度下では、放射線を照射する前にゲルインジケータが赤色に変色してしまうためであり、また40℃よりも高い温度下では、放射線照射によって赤色に変色したゲルインジケータが透明に戻ってしまうためである。
そして、上記放射線照射を行った後は、赤色に呈色させたゲルインジケータを、45℃以上の温度で加温することによって透明な元の状態に戻す(色を消失させる)。これによりゲルインジケータを繰り返し使用することが可能となる。なお加温を開始してからゲルインジケータが透明に戻るまでの時間は、数時間から十数時間程度である。
[9]廃棄時の処理方法
次に上記ゲルインジケータの廃棄方法について説明する。まずゲルインジケータに対してクエン酸水溶液を添加し、ゲルを架橋しているボラートアニオンをクエン酸によって中和することによりゲルを液化させる。その後、水槽内のカルキ抜き等に使用されるチオ硫酸ナトリウムを添加してヨウ素を還元する。なおチオ硫酸ナトリウムの代わりにアスコルビン酸(ビタミンC)を用いることも可能である。
そして、上記処理液を加温して塩化ナトリウム(食塩)を添加することにより、処理液中のPVAを塩析により析出させる。なお、にがり成分を含む食塩を使用すれば、塩化ナトリウム単体よりも塩析の効果を高めることができる。また、析出させたPVAについては液中から分離して取り除いた後、燃えないゴミとして廃棄することができる。一方、残った廃液については、下水等に流して廃棄できる。これによりゲルインジケータを簡単かつ安全に廃棄処理できる。
「効果の実証試験」
次に本発明の効果の実証試験について説明する。なお本試験で確認を行ったのは、(ア)室温下で透明なゲル状体の調製が可能か否か、(イ)放射線照射によって呈色反応を示すか否か、(ウ)加温によって消色反応を示すか否か、の3点である。また本試験では、部分ケン化PVAに、ケン化度86.5〜89mol%のものを使用し、完全ケン化PVAに、ケン化度98.5mol%のものを使用している。
<X線照射について>
本試験のX線照射には、日立製作所社製のX線照射装置(MBR-1520R-3)を使用し、電圧:150kV、管電流:20mA、フィルタ:Al0.5mm+Cu0.1mm、線量率:2Gy/minの照射条件で、試料に対し0.5Gyずつ照射し、積算した吸収線量が10Gyになるまで照射を行った。
<γ線照射について>
本試験のγ線照射は、JAEA高崎量子応用研究所 食品照射棟第1照射室で行い、線源:60Co 803Ci、測定高さ:22.5cm、線源から試料までの距離:69cm、線量率:20Gy/hの照射条件で、試料に対し3Gyずつ照射し、積算した吸収線量が12Gyまで照射を行った。
<陽子線照射について>
本試験の陽子線照射は、若狭湾エネルギー研究センター 多目的シンクロトロン・タンデム加速器(W-MAST)を使用して行い、吸収線量:20Gyの照射条件で、試料上部を遮蔽し下部への照射を行った。
<透明容器について>
本試験では、ガスバリア性を有する透明容器としてPET樹脂製の容器(ASONE社製ペット広口瓶No.250)を使用し、このPET容器に試料(ゲル状体)を封入して上記各放射線の照射実験を行った。次に本試験で使用した試料(実施例及び比較例)とそれらの試験結果について説明する。
『実施例1』
この実施例1では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、水30.0gにヨウ化カリウム15.0gを溶かしたヨウ化カリウム水溶液、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:195.0g)に対して7.7wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例1の試験結果>
本実施例では、ゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温(約25℃)で静置後、赤色に呈色したゲルを45℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的軟らかめ)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温で静置後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、赤色に呈色したゲルは、約1ヶ月以上放置しても赤色に呈色したゲル状であった。またゲル化後に加温処理をし、アルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、透明なゲル状体は約1ヶ月以上放置しても透明なゲル状体であった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
<γ線照射後の吸光度の測定結果>
また上記実施例1のゲル状体を、光路長1cmのポリスチレン製ディスポーサブルカプセルに封入してγ線照射した後、赤色に変色したゲル状体に対し、ファイバーマルチチャンネル分光器システム(StellarNet社製)を用いて300nm〜600nmの領域での吸光度の測定を行ったところ、図1に示す結果が得られた。これによりゲル状体に対するγ線の照射量が多いほど、呈色反応が進むことが確認できた。
『実施例2』
この実施例2では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、水30.0gにヨウ化カリウム10.0gを溶かしたヨウ化カリウム水溶液、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:190.0g)に対して5.3wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例2の試験結果>
本実施例でも、ゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温(約25℃)で静置後、赤色に呈色したゲルを45℃以上の加温処理を数時間行うことにより40℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的軟らかめ)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温で静置後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、赤色に呈色したゲルは、約1ヶ月以上放置しても赤色に呈色したゲル状であった。またゲル化後に加温処理し、アルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、透明なゲル状体は約1ヶ月以上放置しても透明なゲル状体であった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
<X線照射後の吸光度の測定結果>
また上記実施例1と実施例2のゲル状体を、光路長1cmのポリスチレン製ディスポーサブルカプセルに封入してX線照射した後、赤色に変色したゲル状体に対し、ファイバーマルチチャンネル分光器システム(StellarNet社製)を用いて300nm〜600nmの領域での吸光度の測定を行ったところ、図2に示す結果が得られた。これによりゲル状体に対するX線の照射量が多いほど、呈色反応が進むこと、並びにゲル状体のX線に対する感度がヨウ化カリウムの配合量に依存することが確認できた。
『実施例3』
この実施例3では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、ヨウ化カリウム15.0g、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:165.0g)に対して9.1wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例3の試験結果>
本実施例でも、ゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温(約25℃)で静置後、赤色に呈色したゲルを45℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的硬め)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温で静置後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、赤色に呈色したゲルは、約1ヶ月以上放置しても赤色に呈色したゲル状であった。またゲル化後に加温処理し、アルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、透明なゲル状体は約1ヶ月以上放置しても透明なゲル状体であった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
『実施例4』
この実施例4では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、ヨウ化カリウム10.0g、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:160.0g)に対して6.3wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例4の試験結果>
本実施例でも、ゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温(約25℃)で静置後、赤色に呈色したゲルを45℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的硬め)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温で静置後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、赤色に呈色したゲルは、約1ヶ月以上放置しても赤色に呈色したゲル状であった。またゲル化後に加温処理し、アルミホイルで遮光をし、室温で保管したところ、透明なゲル状体は約1ヶ月以上放置しても透明なゲル状体であった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
『実施例5』
この実施例5では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、水30gにヨウ化カリウム1.8gを溶かしたヨウ化カリウム水溶液、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:181.8g)に対して1.0wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例5の試験結果>
本実施例では、ゲル化後に40℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的硬め)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温(約25℃)で保管したところ、約2週間透明を維持した。その後、ゲル状体は薄く呈色し、更にそのゲル状体を1ヶ月程度放置したところ透明になった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
『実施例6』
この実施例5では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、水30gにヨウ化カリウム3.6gを溶かしたヨウ化カリウム水溶液、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:183.6g)に対して2.0wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<実施例6の試験結果>
本実施例でも、ゲル化後に40℃以上の加温処理を数時間行うことにより透明なゲル状体(比較的硬め)を調製できたことから、(ア)の条件を満たすことが確認できた。なおゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温で静置後、加温処理せずにアルミホイルで遮光をし、室温(約25℃)で保管したところ、約12時間以内に薄く呈色した。その後、24時間以上経過するとゲル状体が全体的に赤色に呈色し、更にそのゲル状体を約1ヶ月程度放置したところ透明になった。また本実施例で作製したゲル状体に、X線、γ線および陽子線をそれぞれ照射したところ、全ての放射線について呈色反応を示したことから、(イ)の条件も満たすことが確認できた。また本実施例のゲル状体を、赤色に呈色させた状態で45℃以上の温度に加温したところ、消色反応を示して透明に戻ったことから、(ウ)の条件を満たすことも確認できた。
『比較例1』
この比較例1では、実施例1の部分ケン化PVAを完全ケン化PVAに替えてゲル状体の作製を行った。
<比較例1の試験結果>
本比較例では、透明なゲル状体を作製することはできたが、このゲル状体に、X線、γ線および陽子線を照射しても呈色反応を示さなかったことから、(イ)の条件を満たさないことが確認できた。
『比較例2』
この比較例2では、実施例1の果糖を使用せずにゲル状体の作製を行った。なお本比較例において、各材料を混ぜた状態でpHを測定したところ、pH9.93であった。
<比較例2の試験結果>
本比較例でも、透明なゲル状体を作製することはできたが、このゲル状体に、X線、γ線および陽子線を照射しても呈色反応を示さなかったことから、(イ)の条件を満たさないことが確認できた。
『比較例3』
この比較例3では、実施例1の材料に酸性物質を添加して、pH6以下となるようにゲル状体の作製を行った。
<比較例3の試験結果>
本比較例では、ゲル状体の作製直後、ゲル状体が直ぐに赤色に変色し、加温処理を行っても透明な状態に戻らなかったことから、(ア)の条件を満たさないことが確認できた。
『比較例4』
この比較例4では、実施例1の果糖の代わりにマンニトールを使用してゲル状体の作製を行った。
<比較例4の試験結果>
本比較例では、透明なゲル状体を作製することができ、またX線、γ線および陽子線の照射によって呈色反応も示したが、45℃以上に加温しても消失反応が生じず透明に戻らなかったことから、(ウ)の条件を満たさないことが確認できた。
『比較例5』
この比較例5では、水81.0gに部分ケン化PVA9.0gを溶かした部分ケン化PVA水溶液、水30gにヨウ化カリウム20gを溶かしたヨウ化カリウム水溶液、並びに水45.8gにホウ砂6.0gと果糖8.2gを溶かしたホウ砂果糖水溶液を加温混合してゲル状体を作製した。なお本実施例では、ヨウ化カリウムの配合量をゲル全量(総質量:200g)に対して10.0wt%とし、ゲル状体のpHが、pH6.5〜pH7.0の範囲に収まるように調整した。本実施例の配合量についてまとめた表を以下に示す。
<比較例5の試験結果>
本実施例では、ゲル化後、ガスバリア製容器に封入し、室温(約25℃)で静置後、赤色に呈色したゲル状体を45℃以上の加温処理を数時間行ったところ、透明なゲル状体にはなったが、そのゲル状体をアルミホイルで遮光し、室温で約1日保管したところ、放射線を照射しなくても常温でゲル状体が赤色の呈色反応を示し、透明を維持することができなかったことから、(ア)の条件を満たさないことが確認できた。
<試験結果のまとめ>
上記実施例1〜6及び比較例1〜5の試験結果をまとめた表を以下に示す。
人体に負担が少ない放射線を使用したがん治療、特に陽子線、中性子線等を使用したがん治療は、研究段階から実用段階へと進み、今後このような放射線を使用する治療施設は増加していくものと考えられる。そのような中で、本発明の放射線感応性ゲルインジケータは、放射線の可視化や線量分布の評価において必要不可欠な技術であることから、産業上の利用可能性は非常に高い。もちろん本発明のゲルインジケータは、放射線治療以外の用途(例えば、食品照射等)にも利用することができる。

Claims (9)

  1. ヨウ化カリウムを加えた部分ケン化PVA水溶液をゲル化させて成るpH6超、pH8未満のゲル状体であって、ゲル化剤としてホウ砂が含まれると共に、pH調整剤として還元性単糖類が含まれていることを特徴とする放射線感応性ゲルインジケータ。
  2. 還元性単糖類として果糖が使用されていることを特徴とする請求項1記載の放射線感応性ゲルインジケータ。
  3. pH6.5〜pH7.0のゲル状体であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線感応性ゲルインジケータ。
  4. ヨウ化カリウムの配合量が5.0〜9.5wt%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の放射線感応性ゲルインジケータ。
  5. 部分ケン化PVA水溶液にヨウ化カリウムを加え、更にホウ砂および還元性単糖類を加えてpH6超、pH8未満の状態でゲル化させることを特徴とする放射線感応性ゲルインジケータの調製方法。
  6. ヨウ化カリウムを配合量5.0〜9.5wt%の範囲で加えると共に、ゲル化後に加温処理を行ってゲル状体を透明な状態にすることを特徴とする請求項5記載の放射線感応性ゲルインジケータの調製方法。
  7. 請求項1に記載された放射線感応性ゲルインジケータの使用方法であって、透明なゲルインジケータに10℃〜40℃の温度環境下で放射線を照射して赤色に呈色させた後、このゲルインジケータを45℃以上の温度で加温して色を消失させることを特徴とする放射線感応性ゲルインジケータの使用方法。
  8. 請求項1に記載された放射線感応性ゲルインジケータの使用方法であって、透明なゲルインジケータに10℃〜40℃の温度環境下で放射線を照射して赤色に呈色させた後、このゲルインジケータを45℃以上の温度で加温して色を消失させることを特徴とする放射線感応性ゲルインジケータの使用方法。
  9. 請求項1に記載された放射線感応性ゲルインジケータの処理方法であって、ゲルインジケータにクエン酸水溶液を添加して液化させた後、この液中にチオ硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸を添加してヨウ素を還元し、更に塩化ナトリウムを添加して析出させたPVAを液中から分離して取り除くことを特徴とする放射線感応性ゲルインジケータの処理方法。
JP2016142817A 2016-07-20 2016-07-20 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法 Active JP6714231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016142817A JP6714231B2 (ja) 2016-07-20 2016-07-20 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016142817A JP6714231B2 (ja) 2016-07-20 2016-07-20 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018013402A JP2018013402A (ja) 2018-01-25
JP6714231B2 true JP6714231B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=61020069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016142817A Active JP6714231B2 (ja) 2016-07-20 2016-07-20 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6714231B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109507710B (zh) * 2018-10-31 2021-01-05 深圳中广核工程设计有限公司 核电站辐射监测方法、装置、计算机设备及存储介质

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60177066A (ja) * 1984-02-23 1985-09-11 Bio Materiaru Yunibaasu:Kk Pva濃厚水溶液の低温結晶化によるゲル生成法
JPS62293177A (ja) * 1986-06-12 1987-12-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 放射線線量計
JPH01174505A (ja) * 1987-12-29 1989-07-11 Mitsubishi Kasei Corp 複合化分離剤の製造方法
JP2005156550A (ja) * 2003-11-06 2005-06-16 Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd インジケータ用高分子化合物
WO2005045471A1 (ja) * 2003-11-06 2005-05-19 Nichiyu Giken Kogyo Co., Ltd. 放射線照射量履歴インジケータ
JP6068015B2 (ja) * 2012-06-20 2017-01-25 学校法人金井学園 ゲル状玩具製作キット
JP2016061675A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 国立大学法人徳島大学 放射線感知材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018013402A (ja) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gallo et al. Characterization of radiochromic poly (vinyl-alcohol)–glutaraldehyde Fricke gels for dosimetry in external x-ray radiation therapy
WO2016098888A1 (ja) 放射線線量測定ゲル、及びそれを放射線線量の計測材料として備える放射線線量計
JP2012002669A (ja) 放射線線量計用ゲル、及びそれを用いた放射線線量計
Kertzscher et al. Inorganic scintillation detectors based on Eu-activated phosphors for 192Ir brachytherapy
JP6714231B2 (ja) 放射線感応性ゲルインジケータ、及びその調製方法、及びその使用方法、及びその処理方法
Rabaeh et al. Novel radio-chromic solution dosimeter for radiotherapy treatment planning
Maeyama et al. Dose-rate-independent and diffusion-free nanoclay-based radio-fluorogenic gel dosimeter
Chen et al. Citrate-based fluorophores in polymeric matrix by easy and green in situ synthesis for full-band UV shielding and emissive transparent display
Smith et al. A very low diffusion Fricke gel dosimeter with functionalised xylenol orange-PVA (XOPVA)
Aldweri et al. Characterization of Thymol blue Radiochromic dosimeters for high dose applications
Boyd et al. Recoil Reactions with High Intensity Slow Neutron Sources. IV. The Radiolysis of Crystalline Alkali Metal Bromates with γ-Rays
CN105440188A (zh) 一种新型三维凝胶剂量计材料及其制备方法
Souza et al. OSL films for in-vivo entrance dose measurements
Hayashi et al. Effects of PVA-GTA-I radiochromic gel dosimeter components on optical dose-response
CN104017319A (zh) 一种对紫外光具有光响应特性的高分子水凝胶
Hiroki et al. New polymer gel dosimeters consisting of less toxic monomers with radiation-crosslinked gel matrix
Kovacs et al. Alcohol solutions of triphenyl-tetrazolium chloride as high-dose radiochromic dosimeters
JP2016061675A (ja) 放射線感知材料
El-Kelany Effect of γ-radiation on the physical properties of poly (vinyl alcohol) dyed with tetrapromophenolphthalein ethyl ester
US3073955A (en) Gamma radiation dosimeter
Lima et al. Assessment of dosimetric sensitivity enhancement of xylenol orange Fricke gel by AuNPs: optical and MR imaging investigation
Taplin et al. A colorimetric dosimeter for qualitative measurement of penetrating radiations
JP2015017934A (ja) 放射線線量計用ゲル、およびそのゲルを用いた放射線線量計
Eid et al. Optical band gap and radiation chemical formation of HCl in polyvinyl alcohol films containing chloral hydrate for use in radiation dosimetry
Edalatkhah et al. Fricke Gel Dose Indicators Applicable for Blood Irradiators

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190514

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6714231

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250