JP6713851B2 - 無線装置およびレーダ検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線装置およびレーダ検出方法に関し、特に、動的周波数選択(DFS、Dynamic Frequency Selection)機能を備えた無線装置およびレーダ検出方法に関する。
動的周波数選択(以降、DFSと称する)とは、5.3GHz帯以上(W53とW56)を使う無線LAN(Local Area Network)機器が、同じ周波数帯域を使用する気象レーダや船舶用レーダ等に干渉を与えないための仕組みである。
例えば、気象レーダは、Cバンド(5GHz帯)において1秒間に複数のパルスを発射し、そのパルスエコーによって雨雲などの干渉物を把握するシステムなので、無線LAN機器によるノイズが干渉物として誤認される可能性がある。そのため、5.3GHz帯以上を使う無線LAN機器には、レーダからの所定のレベルの電波を検出した時に、干渉を避けるために無線LAN機器で使用するチャンネル(周波数)を変更するDFS機能を実装することが必須要件になっている。なお、レーダからの電波をレーダ波またはレーダ信号と称する。
5.3GHz帯以上を使う無線LAN機器としては、IEEE802.11a、IEEE802.11n、IEEE802.11acの規格がある。なお、IEEEは「Institute of Electrical and Electronic Engineers」の略称である。そして、5GHz帯無線LANの上記のような共存制御のために定められた規格としてIEEE802.11hがある。
DFSとして、概略、以下の機能が規定されている。
まず通信に使用するチャンネルにレーダ波が存在しないかどうかを装置起動後の一定期間(60秒間)傍受する有効性確認(CAC、Channel Availability Check)を行う。CAC期間中にレーダ波を検出した場合、そのチャンネルの使用を諦め、他の空きチャンネルに変更してCACを行なう。
CACで有効性が確認できた場合にチャンネルの使用を始めるが、運用中も常にレーダ波の検出を行う(In-Service Monitoring)。
そして、レーダ波が検出された場合は速やかに(規格によると10秒以内に)自装置からの電波の発射を停止する(Channel Move Time)。その後、一度レーダ波が検出されたチャンネルには一定時間(規格によると30分以上)電波を発射しない(Non-Occupancy Period)規定になっている。
なお、日本のW56帯で規定されたDFSの動作対象となるレーダの電波は、パルス変調された無線信号が一定間隔かつ間欠バースト状態で出力される形態のものであり、そのパルス条件がレーダのレーダパルスの特徴点として公開されている。この特徴点は、パルス幅(Pw)、パルス繰返し周波数(PRF、Pulse Repetition Frequency)またはパルス繰返し間隔(PRI、Pulse Repetition Interval)、連続するパルスの数(Pn)、繰返し周期(Tcycle)で規定されている。
また、現状ではレーダのレーダパルスの特徴点は地域毎に異なり、ヨーロッパや北米でも同様にそれぞれの地域で対象となるレーダのレーダパルスの特徴点が公開されている。そのため、それらの地域で稼働する無線LAN機器においても、地域毎に応じたレーダパルスの特徴点を有するレーダの電波を検出してDFSを動作させる機能が必須となっている。
上述したレーダ検出とDFSに関する技術を開示する文献として、特許文献1乃至特許文献3がある。
特許文献1は、レーダ信号以外の信号をレーダ信号として誤検出することを避けることを目的とし、受信した無線周波数(RF、Radio Frequency)信号からレーダ信号を確実に識別する技術を開示する。
特許文献1が開示する技術によれば、無線ネットワーク装置は、RF信号の所定の部分の系列の相関を求めてRF信号が正規の無線データパケットであるか否かを判定する。無線ネットワーク装置は、受信したRF信号の信号強度を求め、信号強度が所定の閾値を超えた時で、RF信号が正規の無線データパケットでないと判定したときに、所定のアルゴリズムを用いてRF信号のパルス幅や周波数などのパラメータを測定する。無線ネットワーク装置は、測定したパラメータと既知のタイプのレーダ信号の例示的パラメータと比較し、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であるか否かを判定する。無線ネットワーク装置は、この判定で、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であると判定した場合に、チャンネルを変更すべきと判定する。
特許文献2は、無線LAN装置においてレーダを効率的に、かつ正確に特定し、装置がトラフィック処理スループットに対して過度の負荷を与えないで周波数チャンネルを切り替えることができるシステムを開示する。
特許文献2が開示する技術では、受信した非LAN信号をレーダ信号として正しく特定するために、所定のアルゴリズムを用いてイベントを解析し、当該イベントがレーダ信号であるかどうかを判断する。イベントの解析に当たっては、周期性、パルス特性、バースト特性、パターン整合等が用いられる。
特許文献3は、動的周波数選択を必要とする干渉を誤検出することなく識別するための技術を開示する。
特許文献3が開示する技術では、受信信号強度を閾値回路で比較し、閾値を超えたときにビット・ストリーム中に「1」を設定し、このようなビット・ストリームを定義されたレーダ信号シグナチャと比較してレーダ信号の存在を判定する。
特開2007−171164号公報 特開2005−512436号公報 特開2014−155225号公報
昨今の無線LANの普及によりDFS機能を有する無線通信システム数も増加傾向にあり、該当無線通信システム相互での無線干渉も生じる状況になっている。そして、無線LANで使用する非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することは、DFS機能によりその都度、電波の発射を停止し、使用するチャンネルを変更しなくてはならず、無線通信稼働率を低下させることになる。
そのため、DFS機能を有する無線通信システムでは、非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することなく正確かつ簡易に判定することが求められる。特許文献1と特許文献2が開示する技術では、所定のアルゴリズムを用いた分析が必要であり簡易性の面で難点がある。また、特許文献3が開示する技術では、処理は簡易ではあるが判定の正確性の面で難点がある。
また、DFS機能を有する無線通信システムでは、その無線通信システムに適した各種のアンテナを用いたシステム形態となっている。例えば、オムニアンテナを使用して通信可能エリア(セル)を構成する形態や、セクタアンテナを使用して通信可能エリアの方向性制約をつける形態や、極度に指向性の高いアンテナ(たとえばパラボラアンテナ)を使用して長距離伝送を構成する形態がある。
そのため、DFS機能を有する無線通信システムにおける無線装置は、様々な受信アンテナゲインのアンテナを用いた環境で運用する場合であっても、規定通りのレーダ閾値で規定レーダ信号を検出することが求められる。特許文献1乃至特許文献3が開示する技術では、DFS機能を有する無線通信システムにおける無線装置を様々な受信アンテナゲインのアンテナを用いた環境で運用することは考慮されていない。
本発明は、様々な受信アンテナゲインのアンテナが適用される環境下においても、非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することなく、DFS機能の適用要否を正確かつ簡易に判定することができる無線装置とレーダ検出方法を提供する。
上記の目的を実現するために、本発明の一形態である無線装置は、アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記アンテナの受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力する受信信号レベル補正換算手段と、DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを格納し、前記レーダ情報を用いて生成した所定の周期を有するメモリ格納周期信号と、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて生成した前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクおよび前記レーダ閾値レベルを含むレーダ判定情報を出力するレーダ情報設定手段と、前記受信信号レベル補正換算手段が出力する前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記レーダ情報設定手段が出力する前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納するサンプルデータ格納手段と、前記サンプルデータ格納手段から読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定するレーダ波判定手段と、前記レーダ波判定手段がDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始するDFS制御起動手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の別の形態であるレーダ検出方法は、アンテナの受信アンテナゲインと、DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを予め格納し、前記アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力し、前記レーダ情報を用いて所定の周期を有するメモリ格納周期信号を生成し、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクを生成し、前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納し、前記メモリから読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定し、前記判定で、DFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始することを特徴とする。
本発明は、様々な受信アンテナゲインのアンテナが適用される環境下においても、非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することなく、DFS機能の適用要否を正確かつ簡易に判定することができる。
本発明の第1の実施形態の無線装置の構成を例示するブロック図である。 本発明の第1の実施形態の無線装置の動作を例示するフロー図である。 本発明の第2の実施形態の無線装置の構成を例示するブロック図である。 受信信号レベル補正換算の概略を説明する図である。 レーダパルスの特徴点のタイムドメインを示す図である。 レーダマスクを説明する図である。 抽出比較判定部と受信信号レベル判定部の構成を例示するブロック図である。 本発明の第2の実施形態の無線装置の動作を例示するフロー図である。 比較判定処理の動作を例示するフロー図である。 レーダマスクとの比較判定処理とサンプルデータのインクリメントを説明する図である。 サンプルデータとレーダマスクnとのパターン合致を検出した状態を示す図である。 補正換算した無線空間受信レベルとレーダ閾値レベルとの判定の概略を説明する図である。
本発明を実施するための形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施の形態は例示であり、開示の装置及び方法は、以下の実施の形態の構成には限定されない。また、図に付した参照符号は理解を助けるための一例として便宜上付記したものであり、なんらの限定を意図するものではない。さらに、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の無線装置1の構成を例示するブロック図である。
無線装置1は、アンテナ11、受信信号レベル補正換算手段12、レーダ情報設定手段13、サンプルデータ格納手段14、レーダ波判定手段15およびDFS(動的周波数選択)制御起動手段16を含む構成になっている。
受信信号レベル補正換算手段12は、アンテナ11で受信した無線信号の信号レベルを当該アンテナ11の受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力する。
レーダ情報設定手段13は、DFS制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となるレーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを格納する。レーダ情報設定手段13は、レーダ情報を用いて所定の周期を有するメモリ格納周期信号と、当該メモリ格納周期信号の周期を用いてレーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクを生成する。そして、レーダ情報設定手段13は、メモリ格納周期信号と、レーダマスクとレーダ閾値レベルを含むレーダ判定情報を出力する。
サンプルデータ格納手段14は、受信信号レベル補正換算手段12が出力する補正受信信号レベルのデータ系列をレーダ情報設定手段13が出力するメモリ格納周期信号の周期でサンプリングする。そして、サンプルデータ格納手段14は、当該周期で補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納する。
レーダ波判定手段15は、サンプルデータ格納手段14から読み出したサンプルデータのデータ系列が示す信号パターンとレーダ情報に対応するレーダマスクとの合致比較を行う。更に、レーダ波判定手段15は、補正受信信号レベルとレーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定する。
DFS制御起動手段16は、レーダ波判定手段15がDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始する。
図2は、本発明の第1の実施形態の無線装置1の動作を例示するフロー図である。第1の実施形態のレーダ検出方法は、第1の実施形態の無線装置1が図2のように動作することで実現される。
ステップS101で、レーダ検出に必要な各種情報を事前設定する。
次の情報が事前設定情報として予め格納される。
・アンテナの受信アンテナゲイン。
・DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報。
・DFS制御を起動する閾値となるレーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベル。
ステップS102で、受信信号レベルを換算する。
この処理は、アンテナで受信した無線信号の信号レベルを受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力する。
ステップS103で、メモリ格納周期信号とレーダマスクを生成する。
この処理は、レーダ情報を用いて所定の周期を有するメモリ格納周期信号を生成し、当該メモリ格納周期信号の周期を用いてレーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクを生成する。
ステップS104で、サンプルデータ格納処理を行う。
この処理は、補正受信信号レベルのデータ系列をメモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納する。
ステップS105で、サンプルデータとレーダマスクとの合致比較、レーダ閾値レベルとの信号レベル比較を行う。
この処理は、メモリから読み出したサンプルデータのデータ系列が示す信号パターンとレーダ情報に対応するレーダマスクとの合致比較を行う。更に、補正受信信号レベルとレーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定する。
ステップS106で、前記判定で、DFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始する。
このように、本実施形態では、アンテナで受信した無線信号の信号レベルをアンテナの受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列に基づく制御を行う。そのため、無線装置に使用されている受信アンテナの種類に依存することなく共通的な処理を行うことができる。
また、レーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報に基づいて所定の周期を有するメモリ格納周期信号を生成する。このメモリ格納周期信号の周期を用いて、補正受信信号レベルのデータ系列に対してはサンプリングを行い、レーダ情報に対してはその信号パターンを示すレーダマスクを生成する。これにより、サンプルデータとレーダマスクを同期させることができ、サンプルデータとレーダマスクとの合致比較を正確かつ簡易に行うことができる。
したがって、本実施形態では、様々な受信アンテナゲインのアンテナが適用される環境下においても、非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することなく、DFS機能の適用要否を正確かつ簡易に判定することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。
本実施形態の無線装置は、DFS(動的周波数選択)機能を装備する無線LAN機器を想定する。
[構成の説明]
図3は、本発明の第2の実施形態の無線装置2の構成を例示するブロック図である。
無線装置2は、アンテナ21、受信信号レベル補正換算部22、レーダ情報設定部23、サンプルデータ格納部24、レーダ波判定部25およびDFS制御起動部26を含む構成になっている。
受信信号レベル補正換算部22は、第1の実施形態の無線装置1の受信信号レベル補正換算手段12に対応し、受信設定部221と補正換算部222を含む。
無線装置2のアンテナ21は、無線装置2の使用形態に応じて様々なアンテナが使い分けられる。その形態としては、例えば、オムニアンテナを使用して通信可能エリア(セル)を構成する形態や、セクタアンテナを使用して通信可能エリアの方向性制約をつける形態や、極度に指向性の高いアンテナ(たとえばパラボラアンテナ)を使用して長距離伝送を構成する形態がある。そして、それぞれのアンテナは、受信アンテナゲインとして固定のゲイン(信号増幅値)を有しており、対向局からの無線受信信号に対して固定ゲイン(絶対利得でxdBi)分を増幅して受信する。
一方、レーダ波として検出する信号レベルの閾値は、絶対利得0dBiのアンテナで受信する信号レベルで規定されている。そのため、無線装置2で使用されるアンテナに応じて、アンテナ受信信号レベルをそのアンテナの固定ゲインで補正して、無線空間での受信信号レベルに換算する必要がある。
受信設定部221は、無線装置2で使用され得るアンテナの種類を考慮して、それぞれのアンテナが有する固定ゲイン(xdBi)を補正値として格納し、使用されるアンテナに対応する固定ゲインの補正値に切り替え設定する。この補正値の切り替え設定は外部からのアクセスにより変更できるようにしても良い。
補正換算部222は、無線装置2のアンテナ21で受信したアンテナ受信信号レベル(ydBm)に対して、受信設定部221に設定された補正値であるアンテナの固定ゲイン(xdBi)を減算(y−x)して、無線空間での受信信号レベルに換算する。
上述した受信信号レベル補正換算の概略を説明する図として図4を示す。
図4の(A)は無線装置2のアンテナ21で受信したアンテナ受信信号レベルを示す。そして、図4の(B)はアンテナ受信信号レベルから受信設定部221に設定された補正値であるアンテナの固定ゲインを減算して換算した、無線空間での受信信号レベルのイメージを示す。なお、図4ではアンテナゲイン補正前後のイメージをアナログ表示しているが、補正換算部222では、アナログ/デジタル変換後のデジタルデータで処理している。
図3に戻り、無線装置2の構成の説明を続ける。
レーダ情報設定部23は、第1の実施形態の無線装置1のレーダ情報設定手段13に対応し、レーダ設定部231、サンプル周期生成部232およびレーダ判定情報生成部233を含む。
レーダ設定部231は、無線装置2が検出の対象とするレーダ信号に関する情報を設定値として格納する。
レーダ信号に関する情報とは、対象とするレーダを判別するためのレーダパルスの特徴点であるパルス幅(Pw)、パルス繰返し周波数(PRF)またはパルス繰返し間隔(PRI)、連続するパルスの数(Pn)、繰返し周期(Tcycle)である。
また、レーダ設定部231は、DFS制御を起動する閾値となるレーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)も予め設定する。
対象とするレーダが複数ある場合、レーダの種別毎の設定値を全てレーダ設定部231に格納する。複数のレーダ種別の設定値を格納することで、全てのレーダに対して同時にレーダパルスの特徴点の一致判定を行うことができる。
図5は、レーダパルスの特徴点のタイムドメインを示す図である。
レーダパルスのパルス幅(Pw)は、そのレーダパルスの持続時間である。パルス繰返し間隔(PRI)は、あるレーダパルスの開始から、次のレーダパルスまでの時間間隔であり、これは、1秒当たりに送信されるレーダパルスの数であるパルス繰返し周波数(PRF)の逆数に等しい。つまり、レーダパルスはレーダ信号をパルス幅(Pw)の間持続放射し、(PRI−Pw)の間放射を停止する動作を繰返して構成している。連続するパルスの数(Pn)は、パルス繰返し間隔(PRI)で連続して繰り返されるパルスの数である。繰返し周期(Tcycle)は、PRIで連続して繰り返される一連のパルス群の開始から、次のパルス群までの時間である。
例えば、日本の5.6GHz帯を使用する無線装置では、固定パルスレーダが種別1〜3、可変パルスレーダが種別4〜6、その他チャープレーダ、周波数ホッピングレーダに関してレーダパルスの特徴点が定義されている。そして、これらを対象として所定の検出確率でレーダ波を検出することが技術基準として要求されている(参考:電波法 別表第四十五 証明規則第2条第1項第19号の3及び第19号の3の2に掲げる無線設備の試験方法)。
例えば、固定パルスレーダであれば、パルス幅Pw=1μ秒、パルス繰返し周波数PRF=700Hz、連続するパルスの数Pn=18、繰返し周期Tcycle=15秒が規定されている。更に、パルス幅Pw=2.5μ秒、パルス繰返し周波数PRF=260Hz、連続するパルスの数Pn=18、繰返し周期Tcycle=15秒の固定パルスレーダも規定されている。また、レーダ波の検出確率は、例えば、固定パルスレーダと可変パルスレーダは60%以上、チャープレーダは80%以上、周波数ホッピングレーダは70%以上とされている。この検出確率の規格は、各々のレーダに対して、レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)を超えるレーダ波の受信を行った場合の検出能力を検出確率として規定したものである。
更に、運用地域毎(例えば、日本、北米、EU)に対象とするレーダの種別が異なっていても、それらのレーダ波のレーダパルスの特徴点をレーダ設定部231に全て格納しておくことで、運用地域に適したレーダ検出が可能になる。
レーダ設定部231に格納した複数の設定値の適用変更は、外部からのアクセスにより変更できるようにしても良い。また、レーダ設定部231は、位置情報を取得して、位置情報に基づいて無線装置が運用される地域を判別し、それにより適用する設定値を切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、レーダ検出判定を共通化した複数の運用地域に適用できる無線装置を実現することができる。
図3に戻り、サンプル周期生成部232は、受信信号レベル補正換算部22で無線空間での信号レベルに補正換算された受信信号レベルをサンプリングするための、Tsamp周期のメモリ格納周期信号(a)を生成する。なお、以降は、受信信号レベル補正換算部22で無線空間での信号レベルに補正換算された受信信号レベルを、補正受信信号レベルと称して説明する。
本実施形態の無線装置2は、後述するように、DFS制御の対象となる複数のレーダに対して共通化した処理回路と共通化したメモリを用いてレーダ判定を行うように構成している。一方、受信信号レベル補正換算部22から出力される補正受信信号レベルは、アンテナで受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する際にアナログ信号からクロック再生したクロックを単位としたデータ系列となっている。
そのため、処理を容易にすることおよびメモリ容量の削減を目的として、検出対象とするレーダ波のレーダパルスの特徴点が含まれる補正受信信号レベルのデータ系列をTsamp周期のメモリ格納周期信号(a)で間引いたサンプルデータを使用する構成としている。
サンプル周期生成部232は、レーダ設定部231に設定された、DFS制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点に基づいて、補正受信信号レベルのデータ系列をTsamp周期でサンプリングするためのメモリ格納周期信号(a)を生成する。
複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点が設定されている場合には、それら複数あるレーダ波のレーダパルスの特徴点により唯一のTsamp周期のメモリ格納周期信号(a)が生成される。
メモリ格納周期信号(a)のTsamp周期は、レーダ設定部231に設定されている複数のレーダパルスの特徴点に基づく次の2つの時間間隔のいずれかの、より短い方の時間間隔の周期として生成される。1つは、複数のレーダパルスの特徴点の中で最も短いパルス幅(Pw)の時間の半分より短い時間間隔(Tsamp<Pw/2)で、他方は、複数のレーダパルスの特徴点の中で最も短いレーダ放射停止幅(PRI−Pw)の時間の半分より短い時間間隔(Tsamp<(PRI−Pw)/2)である。
言い換えれば、メモリ格納周期信号(a)は、複数あるレーダ波のレーダパルスの最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のより短い時間幅に対して2回以上のサンプリングが可能な周期信号として生成される。これは、複数あるレーダ波のレーダパルスの特徴点が含まれる補正受信信号レベルをサンプリングした際に、サンプリングした補正受信信号レベルのデータ系列に、各レーダ波のレーダパルスの特徴点が再現されているようにするためである。例えば、Tsamp周期をレーダ波の1パルスの時間幅の1/10の周期とした場合、このレーダ波の1パルス相当は、誤差を考慮すれば9×Tsampまたは11×Tsampの幅のパルス状のサンプルデータとして得られる。
サンプル周期生成部232が生成するメモリ格納周期信号(a)は、サンプルデータ格納部24とレーダ判定情報生成部233に供給される。
レーダ判定情報生成部233は、レーダ判定情報としてレーダマスク(b)とレーダ閾値レベル(c)を出力する。
レーダマスク(b)は、後述するレーダ波判定部25の抽出比較判定部251に供給され、補正受信信号レベルのサンプルデータのデータ系列に含まれるレーダ波の信号パターンの合致判定に使用される。また、レーダ閾値レベル(c)は、後述するレーダ波判定部25の受信信号レベル判定部252に供給され、信号パターンが合致したレーダ波の補正受信信号レベルが規定値を超えているか否かの判定に使用される。
レーダ閾値レベル(c)は、レーダ設定部231に予め設定されている、DFS制御を起動する閾値となるレーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)が使用される。
レーダマスク(b)は、レーダ設定部231に設定されているレーダ波のレーダパルスの特徴点(Pw、PRFまたはPRI、Pn、Tcycle)と、サンプル周期生成部232が生成したメモリ格納周期信号(a)のTsamp周期に基づいて生成される。複数のレーダ種別の情報が設定されている場合、レーダマスクは各レーダ波の信号パターンを示すマスクデータとして、それぞれのレーダ波のレーダパルスの特徴点に対応して生成される。
レーダ判定情報生成部233は、レーダ設定部231に設定されているレーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報を、サンプル周期生成部232が生成したTsamp周期でサンプリングしてレーダマスク(b)を生成する。
図6は、レーダマスクを説明する図である。
図6の最上部に示すサンプルデータは、前述した、サンプリングした補正受信信号レベルのデータ系列の例を示している。また、図6では設定された各レーダに対応するn種類のレーダマスクが生成されている。
各レーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報を唯一のTsamp周期でサンプリングすることで、各レーダマスクは同じTsamp周期でサンプリングした補正受信信号レベルのデータ系列と同期化される。また、各レーダマスクは、対応するレーダ波のレーダパルスの特徴点の繰返し周期(Tcycle)に応じた繰返し周期を有する系列データとなる。
図3に戻り、サンプルデータ格納部24は、第1の実施形態の無線装置1のサンプルデータ格納手段14に対応し、メモリ241と格納制御部242を含む。
メモリ241は、サンプリングした補正受信信号レベルの個々のデータを格納する記憶手段である。
格納制御部242は、受信信号レベル補正換算部22から出力される補正受信信号レベルのデータ系列を、サンプル周期生成部232が出力するメモリ格納周期信号(a)のタイミング(Tsamp周期)でサンプリングしてメモリ241に格納する。
つまり、メモリ241には、Tsamp周期でサンプリングされた補正受信信号レベルの個々のデータがアドレス毎に格納される。
レーダ波判定部25は、第1の実施形態の無線装置1のレーダ波判定手段15に対応し、抽出比較判定部251と受信信号レベル判定部252を含む。
抽出比較判定部251は、レーダ判定情報生成部233が出力するレーダマスク(b)が示す信号パターンと、サンプルデータ格納部24から読み出した補正受信信号レベルのサンプルデータのデータ系列が示す信号パターンを比較判定する。
図6において、サンプルデータのデータ系列に示されるパルス状の箇所は受信信号レベルが検出された状態を示し、パルス状の表示が無い箇所は受信信号レベルが検出できていない状態を示している。そして、サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンを各レーダマスク(b)が示す信号パターンと合致比較して、補正受信信号レベルのサンプルデータのデータ系列に含まれているレーダ波を抽出する。この信号パターンの合致比較はレーダマスク毎に個別に、かつ同時に行われる。
受信信号レベル判定部252は、抽出比較判定部251で抽出したサンプルデータのデータ系列を、サンプリング前の対応する補正受信信号レベルのデータ系列に換算する。そして、その補正受信信号レベルのデータ系列に含まれているレーダ波の所定の信号レベルが、レーダ判定情報生成部233が出力するレーダ閾値レベル(c)を超えているか否かを判定する。
例えば、DFS制御を起動する閾値となるレーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)は、日本国内では次のように規定されている。
無線装置の最大等価輻射電力が0.2W未満の場合、絶対利得0dBiのアンテナで受信する1μ秒当たりの平均電力が−62dBmを閾値とする。また、無線装置の最大等価輻射電力が0.2W以上の場合は、前記値が−64dBmを閾値とする。そして、閾値以上の値を検出した場合に、レーダ波が存在すると判定する。
なお、上述したレーダ波判定部25によるレーダ波の抽出や受信信号レベルの閾値との比較判定は、一度の判定で処理することなく所定の保護条件を満たした場合にレーダ波を検出したと判断するようにすれば良い。また、この保護条件はレーダの種別ごとに異なる条件にしても良い。このような保護条件を設定することで誤検出を防止することができる。
DFS制御起動部26は、第1の実施形態の無線装置1のDFS制御起動手段16に対応し、レーダ波判定部25の受信信号レベル判定部252がDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始する。
図7は、上述したレーダ波判定部25の抽出比較判定部251と受信信号レベル判定部252の構成を例示するブロック図である。
抽出比較判定部251は、サンプルデータとレーダマスク(b)の信号パターン比較を行うパターン比較回路2511と、後述するインクリメントの制御を行うインクリメント制御回路2512を含む構成となっている。
また、受信信号レベル判定部252は、合致判定回路2521と信号レベル判定回路2522を含む構成となっている。
パターン比較回路2511は比較するレーダマスク(b)に対応して設けられる。図7では、1乃至nのレーダマスク(b)に対応するものとしている。
各パターン比較回路2511には、図3に示したサンプルデータ格納部24からTsamp周期で読み出された共通のサンプルデータと、レーダ判定情報生成部233が出力する各レーダマスク(b)が入力する。
なお、レーダマスク(b)は、対応するレーダパルスの特徴点のレーダの繰返し周期(Tcycle)に応じた系列長を有する。従って、各パターン比較回路2511には、比較対象とするレーダの中で最大の系列長を有するレーダマスクとの比較が可能な系列長を少なくとも有するサンプルデータを入力する。
パターン比較回路2511は、入力したサンプルデータとレーダマスク(b)の信号パターンの合致比較を行い、その比較結果(レーダマスク比較結果)を出力する。
合致判定回路2521は、各パターン比較回路2511が出力するレーダマスク比較結果を入力して、サンプルデータとレーダマスク(b)の信号パターンの合致状況を判定する。
いずれのレーダマスク(b)とも合致していなかった場合、合致判定回路2521は、インクリメントを指示する信号であるインクリメントA=0をインクリメント制御回路2512に出力し、即時にインクリメントの開始を指示する。この場合、合致判定回路2521は、信号レベル判定回路2522には如何なるサンプルデータも出力しない。
また、いずれか1つのレーダマスクと合致していた場合、合致判定回路2521は、インクリメントA=1をインクリメント制御回路2512に出力し、インクリメントの停止を指示する。そして、合致判定回路2521は、レーダマスクと合致したサンプルデータを信号レベル判定回路2522に出力する。
なお、インクリメントについては後述する。
信号レベル判定回路2522は、合致判定回路2521から入力したサンプルデータを、サンプリング前の対応する補正受信信号レベルに換算し、その補正受信信号レベルがレーダ判定情報生成部233から入力されたレーダ閾値レベル(c)を超えているか否かを判定する。この場合、後述する図12に示すように判定する。
信号レベル判定回路2522は、レーダ閾値レベル(c)を超えていると判定した場合は、その旨を示すレーダ判定結果(d):1を図3に示したDFS制御起動部26に出力する。なお、レーダ閾値レベル(c)を超えていると判定した場合とは、後述する図12の(B)の場合で、さらに、判定保護条件を付している場合にはその判定保護条件を満たした場合に相当する。
また、信号レベル判定回路2522は、レーダ閾値レベル(c)を超えていないと判定した場合は、インクリメントを指示する信号であるインクリメントB=0をインクリメント制御回路2512に出力し、即時にインクリメントの開始を指示する。なお、レーダ閾値レベル(c)を超えていないと判定した場合とは、後述する図12の(A)の場合、もしくは、判定保護条件を付している場合において図12の(B)の場合であっても判定保護条件を満たしていない場合に相当する。
インクリメント制御回路2512は、インクリメントを指示する信号であるインクリメントAまたはインクリメントBの内容に基づいてインクリメント処理を実行する。
インクリメントA=0またはインクリメントB=0を受信すると、インクリメント制御回路2512は、各パターン比較回路2511でレーダマスク(b)と比較するサンプルデータの比較対象とするアドレスを1つ(つまり1Tsamp分)インクリメントする。ここで、アドレスを1つインクリメントするとは、後述する図10に示すように1乃至nのレーダマスク(b)を、同期して1アドレス分だけずらしたサンプルデータと比較するように制御することを意味する。
インクリメントA=1を受信すると、信号レベル判定回路2522によるレーダ閾値レベル(c)との比較判定に移行するので、インクリメント制御回路2512は、サンプルデータのインクリメントが行われないようにする。
インクリメントB=1を受信すると、判定保護条件に基づく再判定が実行されることを意味し、インクリメント制御回路2512は、所定のアドレス分のサンプルデータをずらして、新たなサンプルデータ系列との比較が行えるようにする。
インクリメントの詳細については図10を参照して後述する。
[動作の説明]
図8乃至図12を参照して、上記のように構成された本実施形態の無線装置2の動作を説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の無線装置2の動作を例示するフロー図である。第2の実施形態のレーダ検出方法は、無線装置2が図8のように動作することで実現される。
まず、アンテナの受信アンテナゲイン(固定ゲイン)を補正値として設定する受信設定(S201)、および検出の対象とするレーダ波のレーダパルスに関する情報と閾値レベルを設定するレーダ設定(S202)の事前情報設定を行う。
受信設定(S201)では信号受信に使用するアンテナの固定ゲイン(xdBi)を設定する。
レーダ設定(S202)では、レーダを判別するためのレーダパルスの特徴点を示すレーダ情報(Pw、PRFまたはPRI、Pn、Tcycle)とDFS制御を起動する閾値となる信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)を設定する。DFS制御対象とするレーダが複数ある場合には、レーダの種別毎のレーダ情報とレーダ閾値レベルを全て設定する。
受信した無線信号は、アナログ信号レベルが所定の信号レベルに増幅制御され、アナログ/デジタル変換の際にアナログ信号からクロック再生したクロック単位の時系列のデジタルデータとして生成される。このクロックを基準に、前記所定の信号レベルへの増幅制御値により検出された受信信号レベルが時系列のデジタルデータ値として入力する(S203)。
レーダ波として検出する信号レベルの閾値は、絶対利得0dBiのアンテナで受信する信号レベルで規定されているため、使用するアンテナの固定ゲインを補正して、無線空間での受信信号レベルに換算する(S204)。
ここでは、ステップS203で入力する時系列のデジタルデータの受信信号レベル(ydBm)に対して、ステップS201で受信設定した補正値であるアンテナの固定ゲイン(xdBi)を減算(y−x)して、無線空間での受信信号レベルに換算する。
つまり、ステップS204において、無線空間での受信信号レベルに補正換算された補正受信信号レベルが前記クロック単位の時系列のデジタルデータとして出力される。補正受信信号レベルのデータ系列にはDFS制御の対象となるレーダ波が含まれている。
次に、ステップS204の処理で出力された補正受信信号レベルのデータ系列から、DFS制御の対象となるレーダ波を抽出する処理に入る。
まず、補正受信信号レベルのデータ系列を所定の周期(Tsamp周期)で間引いたサンプルデータをメモリに格納するためのメモリ格納周期信号(a)を生成する(S205)。
メモリ格納周期信号(a)のTsamp周期は、ステップS202で設定した複数のレーダパルスの特徴点に基づく次の2つの時間間隔のいずれかの、より短い方の時間間隔の周期として生成される。1つは、複数のレーダパルスの特徴点の中で最も短いパルス幅(Pw)の時間の半分より短い時間間隔(Tsamp<Pw/2)で、他方は、複数のレーダパルスの特徴点の中で最も短いレーダ放射停止幅(PRI−Pw)の時間の半分より短い時間間隔(Tsamp<(PRI−Pw)/2)である。
言い換えれば、メモリ格納周期信号(a)は、複数あるレーダ波のレーダパルスの最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のより短い時間幅に対して2回以上のサンプリングが可能な周期信号として生成される。
つまり、補正受信信号レベルのデータ系列をサンプリングしても、補正受信信号レベルのデータ系列に含まれるレーダパルスの特徴点が、サンプリングされたデータのデータ系列から失われることが無いような周期をTsampに設定する。なお、Tsampが細かいほどレーダパルスの特徴点の再現性は高まるが、サンプルデータを格納するメモリエリア(アドレス数)が増加するというトレードオフが有る。
そして、ステップS204の処理で出力された補正受信信号レベルのデータ系列を、メモリ格納周期信号(a)のTsamp周期でサンプリングして、メモリの1アドレス毎に格納する(S206)。
続いて、ステップS202で設定したレーダ情報(Pw、PRFまたはPRI、Pn、Tcycle)と、ステップS205で生成したメモリ格納周期信号(a)のTsamp周期に基づいて、レーダ波のレーダパルスの特徴点を示すレーダマスク(b)を生成する(S207)。複数のレーダ情報が設定されている場合には、それぞれのレーダ情報に対応して各レーダ波のレーダパルスの特徴点を示す複数のレーダマスク(b)が生成される。
レーダマスク(b)は、レーダパルスの特徴点(Pw、PRFまたはPRI、Pn、Tcycle)のタイムドメイン情報を、Tsamp周期でサンプリングした系列データとして生成される。各レーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報を共通のTsamp周期でサンプリングすることで、各レーダマスク(b)は補正受信信号レベルをサンプリングしたサンプルデータのデータ系列と同期化される。また、各レーダマスク(b)の系列長は、対応するレーダの繰返し周期(Tcycle)に応じて異なる長さとなる。
レーダマスク(b)は、補正受信信号レベルのサンプルデータのデータ系列に含まれるレーダ波の信号パターンとの比較判定に使用される。
また、ステップS202で設定したDFS制御を起動する閾値となる信号レベルを示すレーダ閾値レベル(Rx-th)は、レーダ閾値レベル(c)として出力される(S208)。
サンプルデータとレーダマスク(b)との比較判定は、サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと、レーダマスク(b)が示す信号パターンとの合致比較による判定を行う(S209)。レーダマスク(b)が複数ある場合は、同時に合致比較による判定を行う。
サンプルデータとレーダマスク(b)との比較は、それぞれの先頭アドレスデータから比較し、比較対象とするレーダマスク(b)の繰返し周期(Tcycle)の系列長の範囲で比較する。従って、比較の最終アドレスは、各レーダマスク(b)の繰返し周期(Tcycle)に応じて異なる。
サンプルデータとレーダマスク(b)との比較結果はレーダマスク比較結果(1、2、・・・n)として次の処理のステップS210に伝達される。
複数あるレーダマスク比較結果(1、2、・・・n)が全て一致していなかった場合、ステップS210において、サンプルデータのインクリメントを指示する信号であるインクリメントA=0が出力される。インクリメントA=0が出力されると、データインクリメント処理が行われ(S211)、インクリメントされたサンプルデータに対してステップS209の比較判定が継続される。
一方、いずれか1つのレーダマスクと合致していた場合、ステップS210においてインクリメントA=1を出力して、レーダマスクと合致したサンプルデータに対して受信レベル判定が行われる。ここで出力されるインクリメントA=1は、データインクリメント処理の停止を指示する信号として使われる。
サンプルデータといずれかのレーダマスクとの合致が判定された場合であっても、補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル(c)未満の場合には、ステップS210においてサンプルデータのインクリメントを指示するインクリメントB=0が出力される。
インクリメントB=0が出力されると、インクリメントA=0が出力されたときと同様に、データインクリメント処理が行われ(S211)、インクリメントされたサンプルデータに対してステップS209の比較判定が継続される。
一方、サンプルデータといずれかのレーダマスクとの合致が判定され、補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル(c)以上の場合には、ステップS210においてレーダ判定結果(d):1が出力される。
なお、判定保護条件を付してある場合には、補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル(c)以上と判定した場合に、再度の判定を行うために、サンプルデータのインクリメントを指示するインクリメントB=1が出力される。インクリメントB=1により、新たなサンプルデータ系列との比較が行えるように所定のアドレス分のサンプルデータをずらす処理が行われる。その新たなサンプルデータ系列を対象にしてステップS209の比較判定が継続される。そして、判定保護条件を満足して補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル(c)以上と判定された場合にレーダ判定結果(d):1が出力される。
レーダ判定結果(d):1が出力されると、DFS制御が起動され(S212)、使用する周波数チャンネルが変更される。なお、DFS制御で使用する周波数チャンネルを変更した後に、再び、変更した周波数チャンネルでの比較判定処理を再起動する。
上述したステップS209乃至S211の比較判定処理の動作を図9乃至図12を参照して詳細に説明する。
図9は、比較判定処理の動作を例示するフロー図である。
図10は、レーダマスクとの比較判定処理とサンプルデータのインクリメントを説明する図である。
図11は、サンプルデータとレーダマスクnとのパターン合致を検出した状態を示す図である。
図12は、補正換算した無線空間受信レベルとレーダ閾値レベルとの判定の概略を説明する図である。
図9を参照して、比較判定処理の動作の流れを説明する。
比較判定処理の動作は、ステップS301において、サンプルデータとレーダマスク(b)を入力し、サンプルデータが示す信号パターンとレーダマスク(b)が示す信号パターンの合致比較を行う。つまり、サンプルデータにレーダマスク(b)に対応する信号パターンが含まれているか否かが比較される。
このステップS301の処理では、図3に示したサンプルデータ格納部24から読み出した所定の系列長のサンプルデータ示す信号パターンに対して、各レーダマスク(b)が示す信号パターンとの合致が同時に比較される。レーダマスク(b)の系列長は、対応するレーダの繰返し周期(Tcycle)に応じた長さを有するので、最大の系列長を有するレーダマスク(b)と比較可能なサンプルデータのデータ系列が読み出されているものとする。
例えば、図6、図10を参照すると、レーダ1〜nの中でレーダnが最大の繰返し周期(Tcycle)なので、レーダnの繰返し周期に相当するデータ数のサンプルデータ系列が少なくとも読み出されている。そして、このサンプルデータ系列がそれぞれのレーダマスク(b)の系列長の範囲で示す信号パターンと、そのレーダマスク(b)が示す信号パターンとが比較される。
次に、上述したレーダマスク(b)毎のサンプルデータとの信号パターンの合致比較結果を出力する(S302)。
レーダマスク(b)毎のサンプルデータとの信号パターンの合致比較結果において少なくとも1つのレーダマスク(b)とサンプルデータとの信号パターンが合致するか否かが判定される(S303)。
ステップS303の判定でいずれのレーダマスク(b)とも合致が判定されなかった場合(S303、No)、サンプルデータのインクリメントを指示する信号であるインクリメントA=0を出力する(S304)。
インクリメントA=0が出力されると、ステップS309で、レーダマスク(b)と比較するサンプルデータのアドレスを1つインクリメントし、ステップS301に戻って、インクリメントされたサンプルデータに対しての比較判定が継続される。従って、ステップS301に戻った処理では、インクリメントされたサンプルデータ系列に対してレーダマスク(b)との比較判定を行うことになる。前述したように、アドレスを1つインクリメントするとは、1アドレス分ずらしたサンプルデータ系列とレーダマスク(b)とを比較するように制御することを意味する。また、1アドレス分とは、メモリ格納周期信号(a)のTsamp周期でサンプルデータ格納部24のメモリ241に格納されたサンプルデータの1メモリ分を意味する。
一方、ステップS303の判定で、少なくとも1つのレーダマスク(b)との合致が判定されると(S303、Yes)、レーダマスク(b)と合致したサンプルデータに対応する補正受信信号レベルとレーダ閾値レベル(c)との比較を行う(S305)。なお、少なくとも1つのレーダマスク(b)との合致が判定されたとき、図示しないが、インクリメントA=1を出力して、サンプルデータのインクリメント処理を停止する。また、レーダマスク(b)と合致したサンプルデータに対応する補正受信信号レベルとレーダ閾値レベル(c)との比較については図12を参照して後述する。
ステップS305の比較で、サンプルデータに対応する補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル以上か否かが判定される(S306)。
ステップS306の判定で、サンプルデータに対応する補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル以上と判定されると(S306、Yes)、レーダ判定結果(d):1を出力する(S308)。
一方、ステップS306の判定で、サンプルデータに対応する補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル未満と判定された場合(S306、No)、サンプルデータのインクリメントを指示する信号であるインクリメントB=0を出力する(S307)。
インクリメントB=0が出力されると、インクリメントA=0が出力された場合と同じに、ステップS309で、レーダマスク(b)と比較するサンプルデータのアドレスを1つインクリメントする処理が行われる。そして、ステップS301に戻って、インクリメントされたサンプルデータに対しての比較判定が継続される。
なお、図示しないが、判定保護条件を付してある場合には、ステップS306の判定で補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル以上と判定されたときに、保護条件に従った回数の再度の判定を行うように動作してもよい。この場合は、サンプルデータのインクリメントを指示するインクリメントB=1を出力して、新たなサンプルデータ系列との比較が行えるように所定のアドレス分のサンプルデータをずらす処理を行えばよい。その新たなサンプルデータ系列を対象にしてステップS301からの比較判定を継続し、保護条件に従った回数を満足して補正受信信号レベルがレーダ閾値レベル(c)以上と判定された場合に、ステップS308でレーダ判定結果(d):1を出力すればよい。
図10を参照してレーダマスク(b)との比較判定処理とサンプルデータのインクリメントを説明する。
上述したように、最大の系列長(Tcycle)を有するレーダマスク(b)と比較可能な系列長のサンプルデータが読み出されており、そのサンプルデータ系列がそれぞれのレーダマスク(b)の系列長の範囲で示す信号パターンが比較される。なお、前述したように、共通のTsamp周期でサンプリングされているので、各レーダマスクの系列データとサンプリングデータは同期化している。そして、レーダマスク(b)とサンプルデータとの比較は、同一のアドレスデータから比較し、対応するレーダマスク(b)の系列長の範囲で比較する。
例えば、レーダnのレーダマスクnが最大の系列長であって、それを15とすると、先頭データアドレス1から最終データアドレス15までのサンプルデータが少なくともサンプルデータ格納部24から読み出されている。そして、レーダ1のレーダマスク1の系列長を10、レーダ2のレーダマスク2の系列長を8と仮定する。
合致比較において、レーダ1に対してはデータアドレス1〜10のサンプルデータ系列が示す信号パターンとレーダマスク1が示す信号パターンが比較される。レーダ2に対してはデータアドレス1〜8のサンプルデータ系列が示す信号パターンとレーダマスク2が示す信号パターンが合致比較される。そして、レーダnに対してはデータアドレス1〜15のサンプルデータ系列が示す信号パターンとレーダマスクnが示す信号パターンが合致比較される。
いずれのレーダマスク(b)とも合致しなかった場合、サンプルデータの比較先頭データアドレスのインクリメントを行い、レーダ1に対してはデータアドレス2〜11が、レーダ2に対してはデータアドレス2〜9のサンプルデータが比較対象とされる。そして、レーダnに対してはデータアドレス2〜16のサンプルデータが比較対象とされる。このインクリメントに伴い、最大の系列長を有するレーダマスクnと比較可能なように、少なくとも15個のサンプルデータが常に読み出されているように読み出し制御が行われる。
図10は、インクリメントA=0またはインクリメントB=0が出力されて、点線矢印の間、上述したインクリメントが継続されている状況を示している。
図11は、図10に示したインクリメントを継続する中で、サンプルデータとレーダマスクnとのパターン合致を検出した状態を示す図である。
サンプルデータとレーダマスクとのパターン合致を検出すると、インクリメントA=1を出力してインクリメント処理を停止する。そして、合致したレーダマスクに該当するサンプルデータ系列に対応する補正受信信号レベルを算出してレーダ閾値レベル(c)と比較する受信レベル判定を実行する。
図12は、補正換算した無線空間受信レベルとレーダ閾値レベルとの判定の概略を説明する図である。
図中に示すアンテナ受信信号レベル、アンテナの固定ゲイン、無線空間受信信号レベルは図4で説明したものと同じで、アンテナ受信信号レベルからアンテナの固定ゲインを減算した無線空間での受信信号レベルをレーダ閾値レベル(c)と比較する。なお、図12は、理解を容易にするために、サンプルデータ系列に対応する補正受信信号レベルをアナログ的に表現したものであり、実際の処理においてはデジタル値で処理される。
サンプルデータは補正受信信号レベルをTsamp周期でサンプリングしたデータなので、受信レベル判定にあたっては、レーダマスクと合致したサンプルデータ系列をサンプリング前の補正受信信号レベルのデータ系列に換算する。そして、その補正受信信号レベルのデータ系列に含まれているレーダ波の所定の信号レベルが、レーダ閾値レベル(c)で規定される値(Rx-th)を超えているか否かを判定する。
図12(A)は比較対象とする信号レベルがレーダ閾値レベル(Rx-th)に満たない場合を示し、図12(B)は比較対象とする信号レベルがレーダ閾値レベル(Rx-th)を上回り、レーダ波を検出した場合を示す。
補正受信信号レベルのデータ系列に含まれているレーダ波の所定の信号レベルは、当該データ系列に含まれるレーダパルスの所定時間幅当たりの平均電力として算出しても良い。そして、当該データ系列に含まれる全てのレーダパルスに対する上記比較で、所定の確率(例えば、60%以上)でレーダ閾値レベル(Rx-th)以上を検出したときにレーダ判定結果(d):1を出力する。
また、補正受信信号レベルのデータ系列に含まれるレーダパルス毎にレーダ閾値レベル(Rx-th)と比較するようにしても良い。この場合も、レーダパルスの信号レベルがレーダ閾値レベル(Rx-th)以上を検出する確率が所定の確率以上となった場合にレーダ判定結果(d):1を出力する。
なお、上述した受信レベル判定において、レーダ閾値レベル(Rx-th)以上を検出する確率が所定の確率に満たない場合には、インクリメントB=0を出力して、前述したインクリメントを行う。そして、インクリメントされたサンプルデータ系列に対するレーダマスク(b)との合致比較を継続する。
さらに、レーダ閾値レベル(Rx-th)との比較は、補正受信信号レベルのデータ系列に含まれる各レーダパルスの信号レベルの最大値、最小値、平均値の少なくともいずれかと比較する処理にしてもかまわない。
レーダ判定結果(d):1が出力されると、DFS制御が起動される。
なお、上述したレーダマスクとの合致比較による判定や受信信号レベルのレーダ閾値レベルとの比較判定は、一度の判定で処理することなく所定の保護条件を付加しても良い。保護条件としては、例えば、「t回連続して検出条件を満たした場合」とか、「m回中のk回以上検出条件を満たした場合」等の条件を付せば良い。
例えば、2回連続して検出条件を満たすことを保護条件とした場合は、前例と同様にレーダnのレーダマスクnが最大の系列長であってそれを15としたときに、次のような処理が行われる。
一度目の合致比較で、先頭データアドレス1から最終データアドレス15までのサンプルデータがレーダマスクnと合致し、信号レベル判定でもレーダ閾値レベル(Rx-th)以上を検出したとする。この場合、インクリメントA=1とインクリメントB=1が出力されることになる。
インクリメントA=1は、レーダマスクnと合致したことで信号レベル判定を行うためにインクリメントの停止を行う目的で使用される。そして、インクリメントB=1は、2回目の比較判定を行うために、対象とするサンプルデータ系列をレーザマスクnのTcycle分の15アドレス分ずらした新たなサンプルデータ系列とする処理を行う目的で使用される。つまり、インクリメントB=0の場合は1アドレス分のインクリメント(+1)処理が行われ、インクリメントB=1の場合はTcycle分のアドレスをずらす(アドレス+Tcycle)処理が行われる。
従って、先頭データアドレス16から最終データアドレス30までのサンプルデータ系列を対象として二度目の比較判定が行われる。この二度目での比較判定においてもレーダマスクnと合致し、信号レベル判定でもレーダ閾値レベル(Rx-th)以上を検出したときに、保護条件を満足したとして、レーダ判定結果(d):1を出力する。
このように、保護条件を付加して比較判定を行う場合には、別の繰返し周期(Tcycle)のサンプルデータ系列を用いて、所定の保護条件の回数の比較判定を行うように制御すれば良い。
以上に説明したように、本実施形態では、無線通信システムに応じて使用される様々な外付けアンテナの受信信号レベルを、使用するアンテナの固定ゲインで無線空間の信号レベルに補正換算する構成を備える。そのため、無線装置に使用される受信アンテナの種類に依存することなく共通的なレーダ検出閾値判定を行うことができる。
また、本実施形態では、レーダ波のレーダパルスの特徴点に基づいて生成したメモリ格納周期信号の周期で、レーダパルスの特徴点を失うことなく受信信号レベルのデータ系列をサンプリングして使用する構成を備える。そのため、処理対象とする受信信号レベルデータを時系列に格納するメモリ容量を削減することができる。
さらに、本実施形態では、複数のレーダを対象とする場合であっても、それらのレーダ波のレーダパルスの特徴点に共通するメモリ格納周期信号の周期を生成する構成を備える。そして、当該周期で各レーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報をサンプリングしたレーダマスクを生成し、しかも同じ周期で受信信号レベルをサンプリングする構成を備える。そのため、受信信号レベルのデータ系列と各レーダマスクを同期させ、受信信号レベルのデータ系列と各レーダマスクのそれぞれが示す信号パターンの合致比較による判定を同時に行うことができる。つまり、複数のレーダマスクを同期して合致判定するため、対象とするレーダ毎の非同期処理をする必要が無いので簡易化した構成が可能となる。しかも、処理対象とする受信信号レベルデータを唯一の時系列としてメモリへ格納するため、この観点でもメモリ容量を削減することができる。
以上のように、本実施形態では、様々な受信アンテナゲインのアンテナが適用される環境下においても、非レーダ信号を規定レーダ信号と誤検出することなく、DFS機能の適用要否を正確かつ簡易に判定することができる。
なお、本実施形態の無線装置は、その動作を、無線装置の内部に上述した各機能を実現するプログラムを組み込んだLSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品からなる回路部品を実装して実現してもよい。また、本実施形態の無線装置は、上述した各構成要素の各機能を提供するプログラムを、制御部として備えるCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよい。すなわち、CPUが各機能を提供するプログラムを実行して無線装置の動作を制御することにより、各機能をソフトウェア的に実現する構成であっても良い。
なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記アンテナの受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力する受信信号レベル補正換算手段と、DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを格納し、前記レーダ情報を用いて生成した所定の周期を有するメモリ格納周期信号と、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて生成した前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクおよび前記レーダ閾値レベルを含むレーダ判定情報を出力するレーダ情報設定手段と、前記受信信号レベル補正換算手段が出力する前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記レーダ情報設定手段が出力する前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納するサンプルデータ格納手段と、前記サンプルデータ格納手段から読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定するレーダ波判定手段と、前記レーダ波判定手段がDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始するDFS制御起動手段とを備えることを特徴とする無線装置。
(付記2) 前記レーダ情報設定手段は、複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点を前記レーダ情報として格納するレーダ設定部と、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点が示す最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のいずれか短い時間幅に対して、少なくとも2回サンプリングできる周期を有する前記メモリ格納周期信号を生成するサンプル周期生成部と、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報のそれぞれを、前記サンプル周期生成部が生成した前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクを生成するレーダ判定情報生成部を含むことを特徴とする付記1に記載の無線装置。
(付記3) 前記レーダ波判定手段は、前記サンプルデータ格納手段から読み出した前記サンプルデータのデータ系列と、前記レーダ判定情報生成部が生成した前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクを入力し、前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダマスクが示す信号パターンとの合致比較を行う抽出比較判定部と、前記レーダマスクのいずれかと合致する信号パターンの前記サンプルデータのデータ系列に対応する前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行う受信信号レベル判定部を含むことを特徴とする付記2に記載の無線装置。
(付記4) 前記抽出比較判定部は複数の前記レーダマスクのそれぞれを入力するパターン比較回路を含み、パターン比較回路のそれぞれは、最も長い繰返し周期の前記レーダマスクと比較可能な系列長のサンプルデータを比較対象サンプルデータとして、前記サンプルデータ格納手段から読出して入力し、対応する前記レーダマスクとはそれぞれのレーダマスクの繰返し周期の系列長の範囲で信号パターンの合致比較を行うことを特徴とする付記3に記載の無線装置。
(付記5) 前記受信信号レベル判定部は、前記パターン比較回路のそれぞれから、前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較判定結果を入力し、いずれの前記レーダマスクとも信号パターンが合致しなかった場合には比較対象とする前記サンプルデータの更新を指示する第1のサンプルデータ更新情報を出力し、いずれか1つの前記レーダマスクと信号パターンが合致した場合には合致した前記サンプルデータを出力する合致判定回路と、前記合致判定回路が出力する前記レーダマスクと信号パターンが合致した前記サンプルデータに基づいて前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行い、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル未満であった場合には前記第1のサンプルデータ更新情報を出力し、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合にはDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出した旨を通知するレーダ判定結果情報を出力する信号レベル判定回路を含むことを特徴とする付記4に記載の無線装置。
(付記6) 前記抽出比較判定部は、前記受信信号レベル判定部から前記第1のサンプルデータ更新情報を受信すると、前記パターン比較回路のそれぞれに対し、前記レーダマスクとの比較対象とする前記サンプルデータを前記メモリの1アドレス分ずらしたデータ系列に更新することを指示するインクリメント制御回路
を更に含むことを特徴とする付記5に記載の無線装置。
(付記7) 前記信号レベル判定回路は、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合でも、所定の判定保護条件が付加されていて当該判定保護条件に達していない場合には、比較判定の対象とする前記サンプルデータのデータ系列の更新を指示する第2のサンプルデータ更新情報を出力することを特徴とする付記6に記載の無線装置。
(付記8) 前記インクリメント制御回路は、前記信号レベル判定回路から前記第2のサンプルデータ更新情報を受信すると、前記パターン比較回路のそれぞれに対し、前記比較対象サンプルデータの系列長分のサンプルデータを前記メモリから読み出して前記比較対象サンプルデータとして更新することを指示することを特徴とする付記7に記載の無線装置。
(付記9) アンテナの受信アンテナゲインと、DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを予め格納し、前記アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力し、前記レーダ情報を用いて所定の周期を有するメモリ格納周期信号を生成し、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクを生成し、前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納し、前記メモリから読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定し、前記判定で、DFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始することを特徴とするレーダ検出方法。
(付記10) 前記レーダ情報はDFS制御の対象となる複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点を含み、前記メモリ格納周期信号は、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点が示す最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のいずれか短い時間幅に対して、少なくとも2回サンプリングできる周期を有する信号として生成し、前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクは、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報のそれぞれを、前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして生成することを特徴とする付記9に記載のレーダ検出方法。
(付記11) 前記メモリから読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと、前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクとの合致比較を行い、前記レーダマスクのいずれかと合致する信号パターンの前記サンプルデータのデータ系列に対応する前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行うことを特徴とする付記10に記載のレーダ検出方法。
(付記12) 前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較は、前記レーダマスクのそれぞれと、前記メモリから読み出した最も長い繰返し周期の前記レーダマスクと比較可能な系列長の前記サンプルデータを、対応する前記レーダマスクの繰返し周期の系列長の範囲で比較することを特徴とする付記11に記載のレーダ検出方法。
(付記13) 前記サンプルデータとそれぞれの前記レーダマスクとの合致比較の判定結果において、いずれの前記レーダマスクとも信号パターンが合致しなかった場合には比較対象とする前記サンプルデータを前記メモリの1アドレス分ずらしたデータ系列に更新して前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較を繰返し、いずれか1つの前記レーダマスクと信号パターンが合致した場合には合致した前記サンプルデータに基づいて前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行うことを特徴とする付記12に記載のレーダ検出方法。
(付記14) 前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較結果において、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル未満であった場合には比較対象とする前記サンプルデータを前記メモリの1アドレス分ずらしたデータ系列に更新して前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較を繰返し、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合にはDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出した旨を通知するレーダ判定結果情報を出力することを特徴とする付記13に記載のレーダ検出方法。
(付記15) 前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較結果において、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合でも、所定の判定保護条件が付加されていて当該判定保護条件に達していない場合には、前記比較対象サンプルデータの系列長分のサンプルデータを前記メモリから読み出して前記比較対象サンプルデータとして更新して前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較を繰り返すことを特徴とする付記14に記載のレーダ検出方法。
1、2 無線装置
11、21 アンテナ
12 受信信号レベル補正換算手段
13 レーダ情報設定手段
14 サンプルデータ格納手段
15 レーダ波判定手段
16 DFS制御起動手段
22 受信信号レベル補正換算部
23 レーダ情報設定部
24 サンプルデータ格納部
25 レーダ波判定部
26 DFS制御起動部
221 受信設定部
222 補正換算部
231 レーダ設定部
232 サンプル周期生成部
233 レーダ判定情報生成部
241 メモリ
242 格納制御部
251 抽出比較判定部
252 受信信号レベル判定部
2511 パターン比較回路
2512 インクリメント制御回路
2521 合致判定回路
2522 信号レベル判定回路

Claims (10)

  1. アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記アンテナの受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力する受信信号レベル補正換算手段と、
    DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを格納し、前記レーダ情報を用いて生成した所定の周期を有するメモリ格納周期信号と、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて生成した前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクおよび前記レーダ閾値レベルを含むレーダ判定情報を出力するレーダ情報設定手段と、
    前記受信信号レベル補正換算手段が出力する前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記レーダ情報設定手段が出力する前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納するサンプルデータ格納手段と、
    前記サンプルデータ格納手段から読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定するレーダ波判定手段と、
    前記レーダ波判定手段がDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始するDFS制御起動手段と
    を備えることを特徴とする無線装置。
  2. 前記レーダ情報設定手段は、
    複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点を前記レーダ情報として格納するレーダ設定部と、
    前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点が示す最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のいずれか短い時間幅に対して、少なくとも2回サンプリングできる周期を有する前記メモリ格納周期信号を生成するサンプル周期生成部と、
    前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報のそれぞれを、前記サンプル周期生成部が生成した前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクを生成するレーダ判定情報生成部
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記レーダ波判定手段は、
    前記サンプルデータ格納手段から読み出した前記サンプルデータのデータ系列と、前記レーダ判定情報生成部が生成した前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスクを入力し、前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダマスクが示す信号パターンとの合致比較を行う抽出比較判定部と、
    前記レーダマスクのいずれかと合致する信号パターンの前記サンプルデータのデータ系列に対応する前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行う受信信号レベル判定部
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の無線装置。
  4. 前記抽出比較判定部は複数の前記レーダマスクのそれぞれを入力するパターン比較回路を含み、
    パターン比較回路のそれぞれは、最も長い繰返し周期の前記レーダマスクと比較可能な系列長のサンプルデータを比較対象サンプルデータとして、前記サンプルデータ格納手段から読出して入力し、対応する前記レーダマスクとはそれぞれのレーダマスクの繰返し周期の系列長の範囲で信号パターンの合致比較を行うことを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
  5. 前記受信信号レベル判定部は、
    前記パターン比較回路のそれぞれから、前記サンプルデータと前記レーダマスクとの合致比較判定結果を入力し、いずれの前記レーダマスクとも信号パターンが合致しなかった場合には比較対象とする前記サンプルデータの更新を指示する第1のサンプルデータ更新情報を出力し、いずれか1つの前記レーダマスクと信号パターンが合致した場合には合致した前記サンプルデータを出力する合致判定回路と、
    前記合致判定回路が出力する前記レーダマスクと信号パターンが合致した前記サンプルデータに基づいて前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行い、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル未満であった場合には前記第1のサンプルデータ更新情報を出力し、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合にはDFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出した旨を通知するレーダ判定結果情報を出力する信号レベル判定回路
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の無線装置。
  6. 前記抽出比較判定部は、
    前記受信信号レベル判定部から前記第1のサンプルデータ更新情報を受信すると、前記パターン比較回路のそれぞれに対し、前記レーダマスクとの比較対象とする前記サンプルデータを前記メモリの1アドレス分ずらしたデータ系列に更新することを指示するインクリメント制御回路
    を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の無線装置。
  7. 前記信号レベル判定回路は、前記補正受信信号レベルが前記レーダ閾値レベル以上であった場合でも、所定の判定保護条件が付加されていて当該判定保護条件に達していない場合には、比較判定の対象とする前記サンプルデータのデータ系列の更新を指示する第2のサンプルデータ更新情報を出力する
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線装置。
  8. 前記インクリメント制御回路は、
    前記信号レベル判定回路から前記第2のサンプルデータ更新情報を受信すると、前記パターン比較回路のそれぞれに対し、前記比較対象サンプルデータの系列長分のサンプルデータを前記メモリから読み出して前記比較対象サンプルデータとして更新することを指示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線装置。
  9. 無線装置が、アンテナの受信アンテナゲインと、DFS(動的周波数選択)制御の対象となるレーダ波のレーダパルスの特徴点を含むレーダ情報と、DFS制御を起動する閾値となる前記レーダ波の無線空間における受信信号レベルを示すレーダ閾値レベルを予め格納し、
    前記無線装置が、前記アンテナで受信した無線信号の信号レベルを前記受信アンテナゲインで補正換算し、当該補正換算した無線空間における受信信号レベルを示す補正受信信号レベルのデータ系列を出力し、
    前記無線装置が、前記レーダ情報を用いて所定の周期を有するメモリ格納周期信号を生成し、当該メモリ格納周期信号の周期を用いて前記レーダ情報に対応するレーダパルスの信号パターンを示すレーダマスクを生成し、
    前記無線装置が、前記補正受信信号レベルのデータ系列を前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして、当該周期で前記補正受信信号レベルをサンプルデータとしてメモリに格納し、
    前記無線装置が、前記メモリから読み出した前記サンプルデータのデータ系列が示す信号パターンと前記レーダ情報に対応する前記レーダマスクとの合致比較、および、前記補正受信信号レベルと前記レーダ閾値レベルとの比較を行って、DFS制御の対象となるレーダ波の存在の有無を判定し、
    前記無線装置が、前記判定で、DFS制御の対象となるレーダ波の存在を検出したときに、DFS制御を開始する
    ことを特徴とするレーダ検出方法。
  10. 前記レーダ情報はDFS制御の対象となる複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点を含み、
    前記無線装置は、前記メモリ格納周期信号、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点が示す最小パルス幅およびレーダ放射停止時間の最小時間幅のいずれか短い時間幅に対して、少なくとも2回サンプリングできる周期を有する信号として生成し、
    前記無線装置は、前記複数のレーダ波のそれぞれに対応する前記レーダマスク、前記複数のレーダ波のレーダパルスの特徴点のタイムドメイン情報のそれぞれを、前記メモリ格納周期信号の周期でサンプリングして生成する
    ことを特徴とする請求項9に記載のレーダ検出方法。
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