JP6712896B2 - オーステナイト系ステンレス鋼製ばね - Google Patents

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Description

本明細書に開示の技術は、オーステナイト系ステンレス鋼製ばねに関する。
オーステナイト系ステンレス鋼は、ステンレス鋼の中でも高強度を有すると共に、表面に形成される不動態皮膜により高耐食性を有することが知られている。特許文献1には、高強度及び高耐食性が要求される環境下で使用されるオーステナイト系ステンレス鋼製のばねが開示されている。
特開2008−127590号公報
不動態皮膜は、通常の取扱い時に意図せずに破壊されてしまうことがある。破壊された不動態皮膜は、酸素環境下においてはすぐに再生するため、オーステナイト系ステンレス鋼製ばねはその耐食性を維持することができる。しかしながら、酸素不在の環境下(例えば、塩素イオンを含む湿潤環境下)においては、破壊された不動態皮膜は再生することなく、破壊箇所から腐食が進行し、孔状の腐食(いわゆる孔食)が発生することがある。孔食が生じたオーステナイト系ステンレス鋼製ばねに応力が作用すると、孔食の底部が起点となり割れが発生し(いわゆる応力腐食割れ)、ばねが折損してしまう可能性がある。
本明細書は、オーステナイト系ステンレス鋼製ばねにおいて、応力腐食割れの発生を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示するオーステナイト系ステンレス鋼製ばねは、オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼材層と、鋼材層の表面の少なくとも一部に配置される、ニッケルを含有するめっき層と、を備える。このばねでは、鋼材層の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力が200MPa以上700MPa以下であり、かつ、SEM−EDXを用いてばねの表面を元素分析した結果を原子数%から重量%に換算すると、ばねの表面のニッケルの含有率は、20重量%以上90重量%以下である。
応力腐食割れは、孔食の発生箇所に外部応力が作用することによって生じると考えられている。後述するように、本願発明者が鋭意研究した結果、鋼材層の表面の少なくとも一部にニッケルを含有するめっき層を配置することで孔食の発生を抑制でき、仮に孔食が発生したとしても鋼材層に圧縮残留応力を付与することで外部応力を相殺できるため、応力腐食割れの発生を抑制できることが判明した。上記のオーステナイト系ステンレス鋼製ばねでは、鋼材層の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力が200MPa以上700MPa以下となるように調整されると共に、ばねの表面のニッケルの含有率が20重量%以上90重量%以下となるように調整されている。これにより、応力腐食割れの発生を大幅に抑制することができる。
また、本明細書は、上記の課題を解決することができる別の新規なオーステナイト系ステンレス鋼製ばねを開示する。このばねは、オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼材層を有する。このばねでは、鋼材層の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力が350MPa以上700MPa以下であり、かつ、表面からの深さが200μmの位置での圧縮残留応力が200MPa以上500MPa以下である。
このオーステナイト系ステンレス鋼製ばねでは、鋼材層の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力が350MPa以上700MPa以下となるように調整されると共に、かつ、表面からの深さが200μmの位置での圧縮残留応力が200MPa以上500MPa以下となるように調整されている。このため、鋼材層の表面からの深さが100μm、200μmの位置では、外部から作用する応力は、圧縮残留応力の分だけ相殺される。応力腐食割れの2つの要因(即ち、孔食の発生及び外部応力の作用)のうちの外部応力の作用を抑制できるため、仮に鋼材層に孔食が発生したとしても応力腐食割れの発生を好適に抑制することができる。
また、本明細書は、上記の課題を解決することができる別の新規なオーステナイト系ステンレス鋼製ばねを開示する。このばねは、オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼材層と、鋼材層の表面の少なくとも一部に配置される、ニッケルを含有するめっき層と、を備える。SEM−EDXを用いてばねの表面を元素分析した結果を原子数%から重量%に換算すると、ばねの表面のニッケル含有率は、50重量%以上90重量%以下である。
このオーステナイト系ステンレス鋼製ばねでは、ばねの表面のニッケルの含有率が50重量%以上90重量%以下となるように調整されている。このため、応力腐食割れの2つの要因(即ち、孔食の発生及び外部応力の作用)のうちの孔食の発生を抑制できる。孔食の発生自体を抑制できるため、応力腐食割れの発生を好適に抑制することができる。
実施例1に係るばねの断面図。 実施例1に係るばねの表面に孔食が発生した様子を示す図。 実施例2に係るばねの断面図。 実施例2に係るばねの表面に孔食が発生した様子を示す図。 実施例3に係るばねの断面図。 ばね表面のニッケル含有率と鋼材層の表面から100μmの深さにおける圧縮残留応力をそれぞれ変化させたときの応力腐食割れの有無を示すグラフ。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 本明細書が開示するオーステナイト系ステンレス鋼製ばねでは、ばねの表面粗さ(最大高さRz)が6.1μmより大きく9.6μm以下であってもよい。この構成によると、ばねの疲労耐久性を向上させることができる。
(特徴2) 本明細書が開示するオーステナイト系ステンレス鋼製ばねでは、引張強さが1450N/mm以上1850N/mm以下であってもよい。ばねが硬い(即ち、引張強さが大きい)と、ばねに亀裂が生じた場合に、亀裂の進展速度が大きくなる。上記の構成によると、亀裂の進展速度が大きくなることを抑制でき、仮に応力腐食割れが発生したとしても、ばねが折損する可能性を大幅に低減しつつ、疲労耐久性も確保することができる。
実施例1に係るばね10について説明する。ばね10は、自動車のアンダーフロアに設置され、初期荷重が付与されている。ばね10は、コイル状に成形されたばね線材により構成されており、隣接するばね線材の間には所定の間隔が設けられている。ばね線材の線径は、典型的には2.0〜6.0mmである。
図1に示すように、ばね10は、鋼材層12とめっき層14から構成されている。鋼材層12は、オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS302、SUS304N1、SUS316)からなる。鋼材層12はニッケルを含有しており、鋼材層12の表面は9重量%のニッケルを含有している。ニッケルの含有率は、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)で鋼材層12の表面を面分析することにより算出される。SEM−EDXは、試料に電子線を照射することで発生する特性X線を検出し、エネルギーで分光することによって元素分析を行う公知の手法である。面分析では、各元素の原子数の比率(原子数%)が算出される。原子数%に各元素の原子量を乗算することにより、各元素の重量%が算出される。鋼材層12には、後述するショットピーニング処理により圧縮残留応力が付与されている。本実施例では、鋼材層12の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力(以下では、100μm位置圧縮残留応力とも称する)は、200MPa以上700MPa以下とされており、より好ましくは、225MPa以上240MPa以下とされている(後述)。
めっき層14は、ニッケルを含有しており、鋼材層12の表面に分散して配置されている。めっき層14は、後述する電解ニッケルめっき処理及び冷間伸線処理により形成される。めっき層14は鋼材層12の表面に分散して配置されているため、ばね10の表面は、めっき層14の表面と、めっき層14の間から露出している鋼材層12の表面によって構成されている。ここで、めっき層14の厚みは鋼材層12の線径に比べて大幅に小さいため、以下では、ばね10の表面積と鋼材層12の表面積は略同一であると見なす。めっき層14は、所定の割合でニッケルを含有している。また、上述したように、鋼材層12の表面は、9重量%のニッケルを含有している。このため、鋼材層12の表面を覆うめっき層14の割合(別言すれば、ばね10の表面積におけるめっき層14の表面積の割合)は、ばね10の表面のニッケルの含有率と相関する。ニッケルの含有率は、SEM−EDXでばね10の表面を面分析することにより算出される。ばね10の表面のニッケルの含有率が大きいほど、鋼材層12の表面を覆うめっき層14の割合は大きい。本実施例では、ばね10の表面のニッケルの含有率は、20重量%以上90重量%以下とされており、より好ましくは、20重量%以上73重量%以下とされている(後述)。
ばね10の表面粗さRzは、6.1μmより大きく9.6μm以下とされており、より好ましくは、8.1μm以上8.5μm以下とされている。また、ばね10の引張強度は、1450N/mm以上1850N/mm以下とされている。
ばね10の製造方法について説明する。まず、鋼材層12の表面に、電解めっきにより処理前めっき層(図示省略)を形成する。めっき浴にはスルファミン酸ニッケル浴が用いられる。この時点では、処理前めっき層は、鋼材層12の表面全体を覆っており、鋼材層12は外部に露出していない。電解めっきの処理時間を制御することで、処理前めっき層の厚みを制御することができる。例えば、電解めっきの処理時間を長くすると、処理前めっき層の厚みが大きくなる。
次に、処理前めっき層が配置された鋼材層12を、冷間伸線処理により所望の線径になるまで引き伸ばす。このとき、処理前めっき層も鋼材層12の伸びに追従してある程度引き伸ばされるが、鋼材層12の延びに追従しきれないときは破断する。冷間伸線処理により、処理前めっき層は引き伸ばされて薄くなり、破断して鋼材層12の表面に分散して配置される。このようにしてめっき層14が形成される。処理前めっき層が厚いほど、めっき層14は破断し難くなり、鋼材層12の表面を覆うめっき層14の割合が大きくなる。即ち、ばね10の表面のニッケル含有率が大きくなる。しかしながら、電解めっき処理において処理前めっき層をどれだけ厚く形成しても、冷間伸線処理において処理前めっき層が破断することは避けられない。本実施例における冷間伸線処理では、ばね表面のニッケル含有率は最大でも90重量%であることが確認されている。
続いて、めっき層14が配置された鋼材層12(即ち、ばね線材)を、コイリングマシンによってコイル状に成形する。ばね線材をコイル状に成形した後は、ばね線材の端部を切断し、次いで、コイル状に成形されたばね線材に低温焼鈍を施し、さらに、このコイル状に成形されたばね線材の端面を研削する。これにより、ばね線材がばね形状に成形される。
次に、ばね形状に成形されたばね線材の表面にショットピーニング処理を実施する。ショットピーニング処理により、ばね線材に圧縮残留応力が付与される。圧縮残留応力は、投射材の粒径、硬度及び投射速度を制御することにより制御できる。例えば、投射材の粒径が大きいほど、及び/又は、投射材の硬度が高いほど、及び/又は、投射速度が大きいほど、ばね線材の表面からより深い位置に、より大きな圧縮残留応力を付与できる。但し、ショットピーニング処理後のばね線材を熱処理すると、圧縮残留応力は減少する。また、ショットピーニング処理により、ばね線材の表面粗さRzが大きくなる。表面粗さRzは、投射材の粒径、硬度及び投射速度を制御することにより制御できる。例えば、投射材の粒径が大きいほど、及び/又は、投射材の硬度が高いほど、及び/又は、投射速度が大きいほど、表面粗さRzが大きくなる。なお、ショットピーニング処理は、投射材及び/又は投射速度を変更して複数回行ってもよい。この場合、表面粗さRzの大きさは、最終回のショットピーニング処理で使用される投射材の粒径、硬度及び投射速度によって決定される。このため、例えば、1回目は粒径が大きい投射材を、2回目は粒径が小さい投射材を用いてショットピーニング処理を行うことにより、1回目の処理では深い位置に大きな圧縮残留応力を付与し、2回目の処理では、1回目の処理によって荒れた表面を整えて表面粗さRzを低減することができる。上述した電解めっき処理からショットピーニング処理までを実施することで、ばね10が製造される。
本願発明者は、ばねの表面のニッケル含有率及び鋼材層の表面からの深さが100μmの位置に付与する圧縮残留応力を変えながら、応力腐食割れの有無を調べる実験(実験1)、及び疲労耐久性の有無を調べる実験(実験2)を行った。実験1、2では、SUS304−WPB材により形成された6つの試料1〜6をそれぞれ用意した。各試料1〜6には、線径が3.3mmであり、コイルの外径が24mmであり、有効巻数が4のばねを用いた。試料1〜4のばねには、電解めっき処理及びショットピーニング処理を実施した。試料5のばねには、電解めっき処理は実施せずにショットピーニング処理を実施した。試料6のばねには、電解めっき処理を実施してショットピーニング処理は実施しなかった。
試料1〜4、6では、電解めっきの処理時間を変えることで、表面のニッケル含有率が20重量%以上73重量%以下となるように調整した(但し、試料3と6の処理時間は略同一である)。一方、試料5では、電解めっき処理を行わなかったため、表面のニッケル含有率は9重量%である。また、ショットピーニング処理の条件は、各試料1〜5で共通とした。具体的には、同一の投射材(直径0.3mm、硬度500HVのスチールボール)を用いて同一の投射速度でショットピーニングを行った。これにより、試料1〜5では、鋼材層12の表面からの深さが100μmの位置に、225MPa以上240MPa以下の圧縮残留応力が付与されるように調整した。以下では、この条件でショットピーニング処理を行う場合を条件bと称する。また、ショットピーニング処理を行わない場合を条件aと称する。試料6では、ショットピーニング処理を行わなかったため、100μm位置圧縮残留応力は0MPaである。
実験1では、試料1〜6のばねに、自動車のアンダーフロアに設置されるばねと同等の条件を課して、応力腐食割れの有無を調査した。具体的には、各ばねを所定の長さに圧縮して、700MPaの外部応力を作用させる。そして、各ばねに塩化カルシウム水溶液を滴下し、乾燥させた後で、各ばねを所定の温度及び湿度の環境下で100時間放置した。一方、実験2では、疲労耐久試験機を用いて応力条件が686±360MPaとなる荷重を所定の回数だけ繰り返し負荷して疲労耐久性の有無を調査した。これらの実験結果を表1に示す。なお、表1では、実験1において応力腐食割れが起こらない場合を○、起こる場合を×で示している。また、実験2において疲労耐久性を有する場合を○、有さない場合を×で示している。
Figure 0006712896
表1から明らかなように、実験1に関しては、試料1〜4のばねでは応力腐食割れは起こらなかったが、試料5、6のばねでは応力腐食割れが起こった。このことから、ばね表面のニッケル含有率が20重量%以上73重量%以下であり、かつ、100μm位置圧縮残留応力が225MPa以上240MPa以下の条件を満たすときに、応力腐食割れを抑制できることが分かった。また、本願発明者が鋭意研究した結果、ばねが設置される自動車のアンダーフロアの一般的な環境においては、ばね表面のニッケル含有率が20重量%以上90重量%以下であり、かつ、100μm位置圧縮残留応力が200MPa以上700MPa以下の場合であれば、ばねの応力腐食割れを抑制できることが分かった。
また、実験2に関しては、試料1〜5のばねは疲労耐久性を有していたが、試料6のばねは疲労耐久性を有していなかった。このことから、100μm位置圧縮残留応力が225MPa以上240MPa以下となるようにショットピーニング処理を実施して、ばねの表面粗さRzが8.1μm以上8.5μm以下となるように調整することにより、ばねが疲労耐久性を得られることが分かった。さらに、本願発明者が行った他の実験等によると、ばね10の表面粗さRzが6.1μmより大きく9.6μm以下の場合にも、疲労耐久性を得られることが分かった。
応力腐食割れは、孔食の発生箇所に外部応力が作用することによって生じると考えられている。実験1における試料1〜4(めっき層あり)と試料5(めっき層なし)の結果を比較すると、両者には等しい外部応力(700MPa)が作用しているにも関わらず、前者では応力腐食割れが発生せず、後者では応力腐食割れが発生している。このことから、鋼材層12の表面にめっき層14を設けて、ばね10の表面のニッケル含有率が20重量%以上90重量%以下となるように制御することにより、ばね10の表面に孔食が発生することを抑制でき、これにより応力腐食割れを抑制できたものと考えられる。
また、実験1における試料1〜4(圧縮残留応力あり)と試料6(圧縮残留応力なし)の結果を比較すると、試料6は、試料3と同一のニッケル含有率を有しているにも関わらず、前者では応力腐食割れが発生せず、後者では応力腐食割れが発生している。このことから、100μm位置圧縮残留応力が200MPa以上700MPa以下となるように制御することにより、鋼材層12の表面から浅い深さの位置(100μmの深さより浅い深さ)に作用する外部応力を相殺でき、これにより応力腐食割れを抑制できたものと考えられる。
これは、次のように説明することもできる。図2は、ばね10に生じた孔食16を示す。発明者が鋭意研究した結果、めっき層を有するばねを、孔食が起こりやすい環境下で長期に亘って使用すると、孔食は鋼材層の表面から100μmより深くには進行し難いことが分かった。本実施例のばね10では、孔食16の最底部B1よりも深い位置である100μmの深さまで十分な圧縮残留応力を付与している。このため、100μmの深さまでは、外部応力は予め付与されている圧縮残留応力分だけ相殺される。従って、仮にばね10に孔食16が生じたとしても、孔食16に過大な外部応力が作用することを抑制できる。従って、孔食16を起点として応力腐食割れが発生することを抑制できる。特に、本実施例では、ばね10は自動車のアンダーフロアに設置されている。アンダーフロアには、道路に散布された融雪剤(主成分は塩化カルシウム)が付着する。このため、ばね10は応力腐食割れの2つの要因が生じやすい環境下に設置されている。本明細書が開示する技術をばね10に適用することにより、応力腐食割れが生じやすい環境下であっても、ばね10を長期に亘って信頼して使用することができる。
本実施例のばね10によると、応力腐食割れの2つの要因(孔食の発生及び外部応力の作用)の両方を抑制できるため、応力腐食割れを大幅に抑制することができる。また、仮に2つの要因のうちの一方が生じたとしても、他方の発生が抑制されるため、応力腐食割れの発生を大幅に遅らせることができる。従って、応力腐食割れに起因してばね10の耐久性が低下することを抑制できる。
また、本実施例のばね10では、表面粗さRzが6.1μmより大きく9.6μm以下となるように調整されている。この構成によると、ばね10の疲労耐久性を向上させることができる。
また、本実施例のばね10では、引張強さが1450N/mm以上1850N/mm以下となるように調整されている。ばねが硬い(即ち、引張強さが大きい)と、ばねに亀裂が生じた場合に、亀裂の進展速度が大きくなる。上記の構成によると、亀裂の進展速度が大きくなることを抑制できる。即ち、仮に応力腐食割れが発生したとしても、亀裂の進行が遅いため、ばね10が折損する可能性を大幅に低減することができる。
実施例2に係るばね110について説明する。以下では、実施例1と相違する点についてのみ説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。実施例3についても同様である。図3に示すように、本実施例のばね110は、めっき層14を有しておらず、鋼材層112のみを備える。ばね110では、鋼材層112の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力(100μm位置圧縮残留応力)は350MPa以上700MPa以下とされており、かつ、鋼材層112の表面からの深さが200μmの位置での圧縮残留応力(200μm位置圧縮残留応力)は200MPa以上500MPa以下とされている。より好ましくは、100μm位置圧縮残留応力は350MPa以上625MPa以下とされており、さらに好ましくは、350MPa以上475MPa以下とされている。また、より好ましくは、200μm位置圧縮残留応力は200MPa以上390MPa以下とされている。また、鋼材層112の表面粗さRz(即ち、ばね110の表面粗さRz)は、6.1μmより大きく9.6μm以下とされており、より好ましくは、8.3μm以上9.6μm以下とされており、さらに好ましくは、9.3μm以上9.6μm以下とされている(後述)。
ばね110は、実施例1のばね10の製造方法から電解めっき処理を除いた処理を実施することによって製造される。
本願発明者は、めっき層14を有さないばねの表面からの深さが100μm、200μmの位置に付与する圧縮残留応力を変えながら、ばねの応力腐食割れの有無を調べる実験(実験3)、及び疲労耐久性の有無を調べる実験(実験4)を行った。実験3、4の手順は、それぞれ実施例1の実験1、2の手順と同様である。実験3、4では、5つの試料7〜11をそれぞれ用意した。試料7〜11は、実施例1の試料1〜6と同一材料で形成されており、同一形状を有する。なお、試料11は、実施例1の試料5と同一の試料である。試料7〜11のばねには、それぞれ異なる処理条件でショットピーニング処理が実施された。具体的には、試料7、8のばねには、ショットピーニング処理が2回実施された。いずれの試料にも、1回目の処理では投射材として直径0.7mm、硬度550HVのカットワイヤが用いられ、2回目の処理では投射材として直径0.3mm、硬度500HVのスチールボールが用いられた。試料7ではショットピーニング処理後に熱処理を実施して、一旦付与した圧縮残留応力を低減する処理を行った(条件d1)一方、試料8ではショットピーニング処理後の熱処理は実施しなかった(条件d2)。試料9のばねには、投射材として直径0.7mm、硬度550HVのカットワイヤが用いられた(条件c)。試料10のばねには、ショットピーニング処理が2回実施された。1回目の処理では投射材として直径0.6mm、硬度700HVのハードカットワイヤが用いられ、2回目の処理では投射材として直径0.3mm、硬度700HVのハードカットワイヤが用いられた。試料11のばねには、条件bのショットピーニング処理が実施された。これらの実験結果を表2に示す。
Figure 0006712896
表2から明らかなように、実験3に関しては、試料7〜10のばねでは応力腐食割れは起こらなかったが、試料11のばねでは応力腐食割れが起こった。このことから、めっき層14を有さないばねの場合は、100μm位置圧縮残留応力が350MPa以上625MPa以下であり、かつ、200μm位置圧縮残留応力が200MPa以上390MPa以下の条件を満たすときに、応力腐食割れを抑制できることが分かった。但し、後述する疲労耐久性の実験結果を考慮すると、100μm位置圧縮残留応力が350MPa以上475MPa以下であることがより好ましい。なお、本願発明者が鋭意研究した結果、100μm位置圧縮残留応力が350MPa以上700MPa以下であり、かつ、200μm位置圧縮残留応力が200MPa以上500MPa以下の場合にも、応力腐食割れを抑制できることが分かった。
また、実験4に関しては、試料7、8、11のばねは疲労耐久性を有していたが、試料9、10のばねは疲労耐久性を有していなかった。試料9、10では、表面粗さRzが比較的に大きくなっている。これは、条件cでは投射材の粒径が大きすぎ、条件eでは2回目の処理で用いられる投射材の硬度が高すぎることが原因と考えられる。このことから、ばねの表面粗さRzが8.3μm以上9.6μm以下となるようにショットピーニング処理の条件を調整することにより、ばねが疲労耐久性を得られることが分かった。但し、応力腐食割れ有無の実験結果を考慮すると、表面粗さRzが9.3μm以上9.6μm以下であることがより好ましい。なお、本願発明者が行った他の実験等によると、ばねの表面粗さRzが6.1μmより大きく9.6μm以下の場合にも、疲労耐久性を得られることが分かった。
実験3において、試料7〜10では試料11よりも100μm位置圧縮残留応力が大きい。また、試料7〜10では、ばねに200μm位置で圧縮残留応力が付与されているのに対し、試料11では、ばねに200μm位置で圧縮残留応力が付与されていない。両者はいずれもめっき層を有していないにも関わらず、前者では応力腐食割れが発生せず、後者では応力腐食割れが発生している。このことから、ショットピーニング処理を実施して、鋼材層112の表面からの深さが100μmの位置に350MPa以上700MPaの圧縮残留応力を付与すると共に、表面からの深さが200μmの位置に200MPa以上500MPa以下の圧縮残留応力を付与することにより、200μmの深さまでに作用する外部応力を相殺でき、これにより応力腐食割れを抑制できたものと考えられる。
これは、次のように説明することもできる。図4は、ばね110に生じた孔食116を示す。発明者が鋭意研究した結果、めっき層を有さないばねを、孔食が起こりやすい環境下で長期に亘って使用すると、孔食は鋼材層の表面から200μmより深くには進行し難いことが分かった。本実施例のばね110では、孔食116の最底部B2よりも深い位置である200μmの深さまで圧縮残留応力を付与している。このため、200μmの深さまでは、外部応力は予め付与されている圧縮残留応力分だけ相殺される。従って、仮にばね110に孔食116が生じたとしても、孔食116に過大な外部応力が作用することを抑制できる。従って、孔食116を起点として応力腐食割れが発生することを抑制できる。別言すれば、応力腐食割れの2つの要因のうちの外部応力の作用を抑制できるため、応力腐食割れの発生を抑制することができる。
実施例3に係るばね210について説明する。図5に示すように、本実施例のばね210は、鋼材層212とめっき層214から構成されている。鋼材層212にはショットピーニング処理が実施されておらず、圧縮残留応力が付与されていない。このため、鋼材層212に残留している圧縮応力はゼロである。めっき層214は、めっき層14と同一の方法(電解めっき)で形成される。ばね210の表面のニッケル含有率は、50重量%以上90重量%以下とされており、より好ましくは、57重量%以上90重量%以下とされている(後述)。
ばね210は、実施例1のばね10の製造方法からショットピーニング処理を除いた処理を実施することによって製造される。
本願発明者は、ばねの表面のニッケル含有率を変えながら、応力腐食割れの有無を調べる実験(実験5)、及び疲労耐久性の有無を調べる実験(実験6)を行った。実験5、6の手順は、それぞれ実施例1の実験1、2の手順と同様である。実験5、6では、3つの試料12〜14をそれぞれ用意した。試料12〜14は、実施例1の試料1〜6と同一材料で形成されており、同一形状を有する。なお、試料14は、実施例1の試料6と同一の試料である。試料12では、試料14よりも電解めっき処理の処理時間が長くされた。試料13には電解めっき処理が実施されなかった。これらの実験結果を表3に示す。
Figure 0006712896
表3から明らかなように、実験5に関しては、試料12のばねでは応力腐食割れは起こらなかったが、試料13、14のばねでは応力腐食割れが起こった。このことから、圧縮残留応力が付与されないばねの場合は、ばね表面のニッケル含有率が57重量%の試料12のばねで応力腐食割れを抑制できることが判明し、本願発明者が鋭意研究した結果、ばね表面のニッケル含有率が50重量%以上90重量%以下の場合に、応力腐食割れを抑制できることが分かった。
また、実験6に関しては、試料12〜14のいずれも疲労耐久性を有していなかった。これは、ショットピーニング処理が実施されず、鋼材層212に圧縮残留応力が付与されていないためだと考えられる。応力腐食割れの抑制だけを目的とするばねであれば、ショットピーニング処理は不要である。しかしながら、疲労耐久性も要求される環境下でばねを使用する場合は、例えば条件bのショットピーニング処理を行って鋼材層212に圧縮残留応力を付与することが好ましい。
本実施例のばね210では、応力腐食割れの2つの要因のうちの孔食の発生を抑制できる。従って、仮にばね210に外部応力を作用させたとしても、応力腐食割れの発生を抑制することができる。
ここで、図6に、試料1〜10、12、13(試料11、14はそれぞれ試料5、6と重複)の応力腐食割れの実験結果をまとめたグラフを示す。このグラフによると、応力腐食割れが発生しない試料が存在する領域と、応力腐食割れが発生する試料が存在する領域とは、二点鎖線で示す直線によって二分される。横軸をx、縦軸をyとすると、この直線の式は、y=(−20/3)x+1000/3となる。このため、ばね表面のニッケル含有率(x)と、100μm位置圧縮残留応力(y)の組み合わせを、y≧(−20/3)x+1000/3の領域に存在する座標から選択することによって、応力腐食割れが起こらないばねを実現できると考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、本明細書に開示する技術は、自動車のアンダーフロアに設置されるばねに限られず、他の用途に用いられるばねに適用してもよい(例えば、海水中や沿岸地域で設置されるばね)。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:ばね、12:鋼材層、14:めっき層、16:孔食

Claims (3)

  1. 自動車のアンダーフロアに設置されるばねであって、
    オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼材層と、
    前記鋼材層の表面の少なくとも一部に配置される、ニッケルを含有するめっき層と、を備えるオーステナイト系ステンレス鋼製ばねであり、
    前記鋼材層の表面からの深さが100μmの位置での圧縮残留応力が200MPa以上700MPa以下であり、かつ、
    SEM−EDXを用いて前記ばねの表面を元素分析した結果を原子数%から重量%に換算すると、前記ばねの前記表面のニッケルの含有率は、20重量%以上90重量%以下である、自動車のアンダーフロアに設置されるオーステナイト系ステンレス鋼製ばね。
  2. 前記ばねの表面粗さ(最大高さRz)が6.1μmより大きく9.6μm以下である、請求項1に記載の自動車のアンダーフロアに設置されるオーステナイト系ステンレス鋼製ばね。
  3. 引張強さが1450N/mm以上1850N/mm以下である、請求項1又は2に記載の自動車のアンダーフロアに設置されるオーステナイト系ステンレス鋼製ばね。
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