以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態では、本発明の検知システムを空気調和機に適用する例に挙げて説明する。図1は、本実施の形態にかかる空気調和機1の内部構成を示す。図2は、本実施形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す。本実施形態にかかる空気調和機1は、ヒートポンプを用いて冷房運転および暖房運転を行う。なお、第1の実施形態にかかる空気調和機1は、冷房運転と暖房運転の両方を行うことが可能であるが、冷房運転および暖房運転の何れか一方のみを行う空気調和機(冷房機または暖房機)にも本発明を適用することができる。
本実施形態にかかる空気調和機1は、換気ユニット14および生体の動き量を検知するセンサ(具体的には、カメラ16およびマイク17)を備えている。そして、センサが検知した所定時間(例えば、15分以上1時間以内の範囲内の時間)内の動き量が閾値以上である場合に、換気ユニット14を作動させる。すなわち、空気調和機1内の制御部20は、生体の動き量を指標として、空気調和機1が設置されている室内の換気が必要であるか否かを判断し、必要に応じて換気ユニット14を作動させることができる。
<空気調和機の全体構成>
先ず、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と基本的な動作の概要について、図2を用いて説明する。図2では、空気調和機1の冷房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを実線の矢印で示し、空気調和機1の暖房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを破線の矢印で示している。
図2に示すように、本実施の形態にかかる空気調和機1は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室内機10と室外機50とから構成されている。なお、空気調和機1は、室内機10と室外機50とが冷媒配管57および58を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機50、室内機10、冷媒配管57および58について詳述する。
(1)室外機
室外機50は、主に、筐体51、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58、二方弁59、および三方弁60から構成されている。なお、この室外機50は、屋外に設置されている。
筐体51には、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58、二方弁59、および三方弁60等が収納されている。
圧縮機52は、吐出管52aおよび吸入管52bを有している。吐出管52aおよび吸入管52bは、それぞれ、四方弁53の異なる接続口に接続されている。圧縮機52は、運転時、吸入管52bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管52aから吐出する。
四方弁53は、冷媒配管を介して圧縮機52の吐出管52aおよび吸入管52b、室外熱交換器54ならびに室内熱交換器12に接続されている。四方弁53は、運転時、空気調和機1の制御部20(図1参照)から送信される制御信号に従って、冷凍サイクルの経路を切り換える。すなわち、四方弁53は、冷房運転状態と暖房運転状態との間で経路の切り換えを行う。
具体的には、冷房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを室外熱交換器54に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを室内熱交換器12に連結させる(図2の実線矢印参照)。一方、暖房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを室内熱交換器12に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを室外熱交換器54に連結させる(図2の破線矢印参照)。
室外熱交換器54は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。
膨張弁55は、一方が冷媒配管57を介して二方弁59に接続されると共に、他方が室外熱交換器54に接続されている膨張弁55は、運転時において、凝縮器(暖房時は室内熱交換器12であり、冷房時は室外熱交換器54である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(暖房時は室外熱交換器54であり、冷房時は室内熱交換器12である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
室外送風機56は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器54に供給する。モータは、空気調和機1の制御部20から送信される制御信号に従って動作する。
二方弁59は、冷媒配管57に配設されている。なお、二方弁59は、室外機50から冷媒配管57が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。
三方弁60は、冷媒配管58に配設されている。なお、三方弁60は、室外機50から冷媒配管58が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機50から、あるいは室内機10を含めた冷凍サイクル(冷却機構)全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁60を通じて冷媒の回収が行われる。
(2)室内機
室内機10は、主な構成部材として、筐体11、室内熱交換器12、室内送風機13、換気ユニット14、室内温度計15、カメラ(センサ)16、およびマイク(センサ)17などを備えている。
筐体11には、室内熱交換器12、室内送風機13、室内温度計15、および制御部20等が収納されている。
室内熱交換器12は、図2に示すように、3個の熱交換器を、室内送風機13を覆う屋根のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。
室内送風機13は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を筐体11に吸い込んで室内熱交換器12に供給すると共に、室内熱交換器12で熱交換された空気を室内に送出する。
換気ユニット14は、室外との通気口を有するとともに、内部にファンを有している。換気ユニット14は、必要に応じて起動され、室内の空気の入れ換えを行う。換気ユニット14が起動されると、ファンが運転を開始し、室外から空気を取り込むとともに、室内の空気を排気する。
本実施形態では、生体反応を検知するセンサ(例えば、カメラ16、マイク17など)の検知結果に基づき、制御部20が、室内の換気が必要か否かの判断をしている。そして、制御部20によって換気が必要と判断されたときに、換気ユニット14は運転を開始する。具体的には、換気ユニット14は、センサが検知した所定時間内の生体の動き量が閾値以上である場合に、運転を開始する。また、換気ユニット14は、センサが検知した所定時間内の生体の動き量が閾値未満となった場合に、運転を停止する。なお、生体の動き量は、例えば、後述する方法によって、数値化される。
室内温度計15は、室内機10が設置されている室内の温度を測定する。室内温度計15は、例えば、筐体11の室内空気吸込み口付近に配置されている。
カメラ16は、室内の様子を撮影する。特に、本実施形態では、カメラ16は、室内に存在する人、動物などを撮影し、生体の動き量を検知する。ここで、「生体の動き」には、例えば、生体(人、動物など)そのものの移動、肩の動き、呼吸、脈、ため息、寝返りなどが含まれる。カメラ16としては、例えば、可視カメラ、CCDイメージセンサを内蔵したカメラ、赤外線カメラなどを使用することができる。
マイク17は、室内で発生する音を検知する。例えば、マイク17は、人や動物の呼吸の状態、人が発するため息、くしゃみ、あくびなどの生体反応を検知することができる。本実施形態では、カメラ16およびマイク17が、生体反応を検知するセンサとして機能する。
なお、室外機50の圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54および膨張弁55、ならびに室内機10の室内熱交換器12は、冷媒配管57,58によって順次接続され、冷凍サイクルを構成している。
(3)冷媒配管
冷媒配管57は、冷媒配管58よりも細い管であって、運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管58は、冷媒配管57よりも太い管であって、運転時にガス冷媒が流れる。なお、熱媒体(冷媒)としては、例えば、HFC系のR410AやR32等が用いられる。
<換気ユニットの運転制御について>
続いて、本実施形態にかかる空気調和機1において、カメラ16などのセンサが検知した生体反応に基づいて、換気ユニット14の運転を制御する方法について、図1、図3、及び図4を参照しながら説明する。図1には、空気調和機1の内部構成を示す。図1では、主に換気ユニット14の運転制御に関連する構成部材を示している。
図1に示すように、室内機10内には、室内送風機13、換気ユニット14、室内温度計15、カメラ16、マイク17、スピーカ18、表示部21、受信部22、および制御部20などが備えられている。また、空気調和機1には、室内機10とは別の構成部材として、リモートコントローラ(操作部)31が備えられている。
スピーカ18は、カメラ16、マイク17などが検知した生体の動き量に基づいて、室内中の酸素などの気体の濃度が低下していると予測された場合などに、その旨の音声を発する。また、スピーカ18は、カメラ16、マイク17などが検知した生体の動き量に基づいて室内の換気が必要であると判断された場合に、換気ユニット14を運転させる旨の通知を行うように構成されていてもよい。また、スピーカ18は、空気調和機1の運転の開始時、空気調和機1の運転の終了時、運転モードの変更時などに、室内の人にその旨を報知する音声を発するようにしてもよい。
表示部21は、液晶表示パネルおよびLEDライトなどを含む。表示部21は制御部20からの信号に基づいて空気調和機1の動作状況や警報等を表示する。受信部22はリモートコントローラ31を操作した際に送信される赤外線の信号を受信する。リモートコントローラ31は、ユーザが空気調和機1を操作するための操作部として機能する。ユーザは、例えば、リモートコントローラ31を操作して、空気調和機1の運転モード、設定温度などを選択することができる。
制御部20は、空気調和機1内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部20内には、メモリ23、およびタイマ24などが備えられている。また、本実施形態においては、制御部20は、カメラ16、マイク17などが検知した生体の動き量に基づいて、室内の換気が必要であるか否かの判断を行う。そして、制御部20は、室内の換気が必要であると判断した場合には、換気ユニット14の運転を開始させる。
なお、本実施形態では、換気ユニット14は、複数の異なる運転モード(換気モードともいう)での運転が可能である。すなわち、制御部20は、設定された運転モードに応じて、異なる方法で換気ユニット14の運転制御を行うことができる。
さらに、制御部20は、カメラ16、マイク17などのセンサが検知した生体の動き量に基づいて、室内中の酸素濃度(所定の気体濃度)に関する異常を予測するようにしてもよい。そして、制御部20は、例えば、室内中の酸素濃度が許容上限を超えたり、許容下限を下回ったりしていると予測した場合には、その旨の信号を表示部21、並びに、受信部22を経由して操作部31などへ送信する。またあるいは、この信号は、スピーカ18に送信することもできる。表示部21または操作部31の表示部は、この信号を受信すると、室内の酸素濃度が異常状態であるという警告表示を行う。また、スピーカ18は、この信号を受信すると、室内の酸素濃度が異常状態である旨の音声を室内へ発する。
なお、本実施形態では、室内中の酸素濃度に関する異常を予測しているが、本発明では、二酸化炭素濃度などの空気中の他の気体の濃度に関する異常を予測してもよい。気体の種類としては、酸素、二酸化炭素、窒素、水蒸気などが挙げられる。
メモリ23は、ROM(read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ23は、空気調和機1の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部20による演算結果を一時記憶する。
また、本実施形態では、メモリ23には、各種運転モードにおける換気ユニット14の制御方法、設定温度などの情報が格納されている。換気ユニット14の制御方法に関する情報とは、例えば、センサが検知した異なる種類の生体反応(肩の動き、呼吸、ため息など)のうちのどの生体反応に基づいて換気ユニット14の運転制御を行うかという情報である。
具体的には、メモリ23には、テーブルA(図4参照)が格納されている。テーブルAでは、各種運転モード(換気モード)と、検知する生体反応とが対応付けられている。これにより、制御部20は、選択された運転モードに対応付けられた生体反応の検知結果に基づいて、換気ユニット14の運転制御を行うことができる。
タイマ24は、必要に応じて、制御部20内で行われる処理の時間、空気調和機1内の各構成部材の動作時間などを計測する。
また、室外機50内には、圧縮機52、室外送風機56、および外気温度計62などが備えられている。
続いて、空気調和機1において、センサが検知した生体反応に基づいて、換気ユニット14の運転を制御する処理の大まかな流れを、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、換気ユニット14の制御の大まかな流れを示すフローチャートである。図4は、メモリ23に格納されているテーブルAである。
換気ユニット14の運転を行うか否か(ON/OFF)を決定する際には、先ず、制御部20は、ユーザが選択した運転モードの情報を取得する(ステップS11)。運転モードの選択は、例えば、リモートコントローラ31を操作することによって行われる。そして、選択された運転モードの情報は、リモートコントローラ31から受信部22を介して制御部20へ送信される。
次に、制御部20は、メモリ23に格納されたテーブルAを参照して、選択された運転モードにおいて、換気ユニット14のON/OFF制御に使用する生体反応の種類を選択する(ステップS12)。例えば、勉強モードが選択された場合には、肩の動きおよびため息を、換気ユニット14の運転制御の指標として用いる。また、ここで選択された生体反応は、空気中の酸素濃度の異常予測の指標としても用いられる。
その後、センサ(カメラ16およびマイク17)によって、所定の生体反応の検知を行う(ステップS13)。そして、制御部20は、センサが行った所定の生体反応の検知結果に基づいて、換気ユニット14を運転する必要性があるか否かを判断する(ステップS14)。このとき、制御部20は、センサが行った所定の生体反応の検知結果から、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行う。
そして、制御部20が、換気の必要性があると判断した場合には、換気ユニット14の運転を開始する(ステップS15)。また、制御部20が、換気の必要性がないと判断した場合には、換気ユニット14を停止状態のまま維持する(ステップS15)。なお、換気ユニット14が運転中のときに、換気の必要性がないと判断された場合には、制御部20は、換気ユニット14の運転を停止する(ステップS15)。
以上のような流れで、換気ユニット14の運転制御を行うことができる。図3に示す一連の処理の流れは、15分毎、30分毎、1時間毎など、所定の時間間隔で行えばよい。
なお、制御部20は、ステップS14における換気に必要性の判断に加えて、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行っている。そこで、この予測結果を、スピーカ18または表示部21などを用いて、室内の人に報知してもよい。換気の必要性の判断基準と、空気中の酸素濃度が異常状態であるか否かの判断基準とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上のように、本実施形態にかかる空気調和機1では、カメラ16およびマイク17などの生体反応を検知するセンサの検知結果に基づいて、換気の必要性を判断したり、室内の酸素濃度の異常の有無を予測したりする。すなわち、本実施形態によれば、酸素濃度センサを用いることなく、換気の必要性を判断したり、室内の酸素濃度の異常の有無を予測したりすることができる。
なお、本実施形態では、換気の必要性の判断(換気制御)と、室内の酸素濃度の異常の予測の両方を行う構成について説明したが、本発明では、何れか一方のみを行ってもよい。すなわち、室内の酸素濃度の異常の予測は行わず、換気のみを行う構成であってもよい。このような構成の場合には、空気調和機1は、スピーカ18を備えていなくてもよい。
続いて、空気調和機1において、換気ユニット14の運転を制御するときのより具体的な方法を、図4および図5を参照しながら説明する。図5は、換気ユニット14の運転制御の流れを示すフローチャートである。
図5に示す方法では、テーブルAを参照して選択された生体反応ごとに、当該生体反応が行われた状況を生体の動き量として数値化している。例えば、肩の動きや移動量に関しては、肩や個体(人や動物)が動いた距離を測定し、所定時間内に測定された距離の合計を、生体の動き量とする。また、ため息、呼吸、寝返り、脈拍などに関しては、回数を測定し、所定時間内の合計回数を、生体の動き量とする。そして、この生体の動き量が閾値以上であるか否かに基づいて、換気ユニット14の運転制御を行う。
具体的には、図5に示すように、換気ユニット14の運転を行うか否か(ON/OFF)を決定する際には、先ず、制御部20は、ユーザが選択した運転モードの情報を取得する(ステップS21)。その後、図5に示すステップS22、ステップS23を順次実行する。なお、ステップS22は、図3のステップS12に相当し、ステップS23は、図3のステップS13に相当する。
制御部20は、ステップS23を実行した後、所定時間内の生体の動き量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS24)。この閾値は、生体反応ごとに決められている。また、閾値は、同じ生体反応であっても、各運転モードに応じて異なる値に設定されている。
また、1つの運転モードにおいて、指標とする生体反応が複数ある場合には、例えば、少なくとも何れか一方の生体反応に関する動き量が閾値以上となった場合に、ステップS24においてYESと判断する。例えば、勉強モードでは、「肩の動き」及び「ため息」という2つの生体反応を指標としている。したがって、「肩の動き」に関する動き量と、「ため息」に関する動き量の何れか一方が閾値以上となった場合、あるいは、「肩の動き」に関する動き量と、「ため息」に関する動き量の両方が閾値以上となった場合に、換気ユニット14の運転を開始する(ステップS25)。
一方、ステップS24において、指標とする生体反応の全てが閾値未満の場合(すなわち、ステップS24においてNOの場合)には、制御部20は、換気ユニット14を停止状態のまま維持する(ステップS26)。
なお、ステップS24における判断方法は、上述のものに限定はされない。すなわち、複数の生体反応の両方が閾値以上の場合に、YESと判断し、少なくとも何れか一方が閾値未満の場合に、NOと判断してもよい。
その後、制御部20は、積算した動き量およびタイマ24をリセットする。そして、再び、センサは検知を行い、制御部20は、センサの検知結果に基づいて動き量を積算する。
ここで、テーブルAに含まれる各運転モードについて説明する。
勉強モードは、室内にいる人が机に向かって勉強している場合やデスクワークをしている場合などに選択される。勉強モードでは、人の肩の動き、およびため息を生体反応として検知し、この検知結果に基づいて換気ユニット14の運転制御を行う。人の肩の動きは、カメラ16によって検知することができる。また、ため息は、カメラ16およびマイク17の何れか一方、あるいは、両方を用いて検知することができる。
就寝モードは、室内にいる人が就寝している場合などに選択される。就寝モードでは、呼吸、および寝返りを生体反応として検知し、この検知結果に基づいて換気ユニット14の運転制御を行う。呼吸は、マイク17によって検知することができる。また、寝返りは、カメラ16によって検知することができる。
運動モードは、室内にいる人がエクササイズ、ダンスなどの運動をしている場合などに選択される。運動モードでは、脈拍、呼吸、および移動量を生体反応として検知し、この検知結果に基づいて換気ユト14の運転制御を行う。脈拍は、カメラ16(特に、赤外線カメラ)で検知することができる。また、呼吸は、マイク17によって検知することができる。また、移動量は、カメラ16によって検知することができる。
本実施形態では、カメラ16、マイク17などのセンサは、生体の動きを検知するものであった。しかし、本発明においては、センサは、生体の動き以外の生体反応を検知できるものであればよい。このような生体反応としては、生体の体温変化、生体(例えば、人、ペットなど)の発汗量などが挙げられる。このような生体反応を検知するためのセンサとしては、体温計、発汗量測定器など従来公知のセンサを使用することができる。また、生体には、人、動物、植物、魚類などが含まれる。
<換気ユニットの運転制御の変形例について>
続いて、本実施形態にかかる空気調和機1において、換気ユニット14の運転を制御する方法の変形例について、図6を参照しながら説明する。
上述した第1の実施形態では、制御部20は、センサが検知した個々の生体反応について、それぞれ異なる生体の動き量として数値化している。これに対して、変形例では、複数種類の生体反応を総合して、生体の動き量として数値化する。
具体的には、以下の算出式(1)から生体の動き量の総合ポイントPを算出する。
P=aFA+bFB+cFC+dFD+eFE (1)
算出式(1)において、各符号FAからFEは、それぞれ以下の生体反応の所定時間内の動き量を表している。
FA:肩の動き
FB:呼吸
FC:ため息
FD:移動量
FE:脈拍
また、算出式(1)において、各符号aからeは、各生体反応の重み係数である。この重み係数は、選択された運転モードによってそれぞれ異なっている。メモリ23には、各種運転モードと、算出式(1)に用いられる各種生体反応の重み係数とが関連付けられたテーブルB(図6参照)が格納されている。
本変形例では、制御部20は、上記の算出式(1)で得られた総合ポイントPの数値が閾値以上であるか否かを判断する(図5のステップS24参照)。そして、第1の実施形態と同様に、総合ポイントPが閾値以上であった場合に(ステップS24でYES)、換気ユニット14の運転を開始する(図5のステップS25参照)。
本変形例では、選択された運転モードに応じて、複数種類の生体反応のうちの何れの生体反応をより優先して判断するかという優先度の変更を行うことができる。したがって、本変形例によれば、各運転モードに応じて、より重要視される生体反応を選択し、主として、その生体反応に関する動き量に基づいて、換気の必要性、および室内の酸素濃度の異常の有無を判断することができる。また、複数種類の生体反応から、換気の必要性、および室内の酸素濃度の異常の有無を総合的に判定することができる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態では、センサの検知結果に基づいて、室内の人数を認識し、認識された人数に基づいて換気ユニットの運転制御を行う構成例について説明する。第2の実施形態にかかる空気調和機1の全体構成については、第1の実施形態にかかる空気調和機と同様の構成が適用できる。そこで、第2の実施形態では、第1の実施の形態とは異なる点のみを説明する。
第2の実施形態にかかる空気調和機1において、センサが検知した生体反応に基づいて、換気ユニット14の運転を制御する処理の流れを、図7および図8を参照しながら説明する。図7には、第2の実施形態にかかる空気調和機1のメモリ23に格納されているテーブルCを示す。また、図8には、第2の実施形態にかかる空気調和機1における換気ユニット14の制御の大まかな流れを示すフローチャートである。
テーブルCは、図7に示すように、空気調和機1が設置されている部屋の大きさと、当該部屋の中にいる人の数と、換気ユニット14が運転を開始するまでの時間Tとが関連付けられている。換気ユニット14が運転を開始するまでの時間Tは、部屋の大きさおよび人数という2つの因子に基づいて決定される。
なお、本実施形態では、時間Tを、換気ユニット14が運転を開始するまでの時間と定義づけている。但し、本発明を、換気ユニットを備えていない空気調和機に適用した場合には、時間Tは、室内中の所定の気体の濃度が異常状態に到達するまでの予測時間と言い換えることができる。
換気ユニット14の運転制御を開始すると、図8に示すように、先ず、制御部20は、部屋の大きさの情報を取得する(ステップS31)。部屋の大きさの情報は、例えば、空気調和機1がどの程度の広さの部屋に適したものであるかという機器の仕様から判断することができる。この場合には、制御部20は、既に部屋の大きさの情報を有している。あるいは、部屋の大きさの情報は、ユーザがリモートコントローラ31などを操作することによって入力してもよい。またあるいは、部屋の大きさの情報は、カメラ16が取得した部屋の画像データに基づいて算出してもよい。
次に、センサ(カメラ16)によって、生体反応の検知を行う(ステップS32)。そして、制御部20は、この検知結果をもとに、室内にいる人の数を割り出し、人数を認識する(ステップS33)。
その後、制御部20は、メモリ23に格納されたテーブルCを参照して、取得した部屋の大きさ情報および認識した人数から、該当する時間Tを取得する。例えば、部屋の大きさが8畳で、室内の人数が4人の場合には、時間Tとして40分を取得する。
その後、タイマ24は、時間のカウントを開始する(ステップS35)。そして、所定の時間(上記の例の場合には、40分)が経過すると(ステップS36)、制御部20は、換気ユニット14の運転を開始する(ステップS37)。またこのとき、制御部20は、センサが行った所定の生体反応の検知結果から、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行ってもよい。この予測は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
以上のような流れで、換気ユニット14の運転制御を行うことができる。
なお、制御部20は、換気ユニットの運転制御に加えて、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行うことができる。そこで、この予測結果を、スピーカ18または表示部21などを用いて、室内の人に報知してもよい。換気の必要性の判断基準と、空気中の酸素濃度が異常状態であるか否かの判断基準とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上のように、本実施形態にかかる空気調和機1では、カメラ16などの生体反応を検知するセンサの検知結果に基づいて、室内の人の数を認識し、室内の酸素濃度が異常状態となるまでの時間を予測している。そして、予測された時間を換気が必要となるまでの所要時間と判断して、所要時間経過後に換気を行っている。このように、本実施形態によれば、酸素濃度センサを用いることなく、室内にいる人数および部屋の大きさを考慮して室内の酸素濃度を予測し、この予測結果に基づいて換気を行うことができる。
〔第3の実施形態〕
上述の第1の実施形態では、空気調和機が換気ユニットを備え、センサによる生体反応の検知結果に基づいて換気ユニットの制御を行っていた。しかし、本発明にかかる検知システムを適用した空気調和機は、換気ユニットを備えていなくてもよい。そこで、第3の実施形態では、本発明にかかる検知システムを、換気ユニットを備えていない空気調和機に適用する例について説明する。
図9には、第3の実施形態にかかる空気調和機100の内部構成を示す。空気調和機100は、生体反応を検知するセンサ(具体的には、カメラ16およびマイク17)を備えている。そして、制御部20が、センサが検知した生体反応に基づいて、室内中の酸素濃度(所定の気体の濃度)に関する異常の予測をする。
図9に示すように、空気調和機100は、室内機10と室外機50とリモートコントローラ(操作部)31とから構成されている。室外機50内には、圧縮機52、室外送風機56、および外気温度計62などが備えられている。室内機10内には、室内送風機13、室内温度計15、カメラ16、マイク17、スピーカ18、表示部21、受信部22、および制御部20などが備えられている。制御部20内には、メモリ23、タイマ24などが備えられている。空気調和機100は、換気ユニット14を備えていないという以外は、第1の実施形態の空気調和機1と同様の構成を有している。
制御部20は、カメラ16、マイク17などのセンサが検知した生体の動き量に基づいて、室内中の酸素濃度(所定の気体濃度)に関する異常を予測する。そして、制御部20は、例えば、室内中の酸素濃度が許容上限を超えたり、許容下限を下回ったりしていると予測した場合には、その旨の信号を表示部21、並びに、受信部22を経由して操作部31などへ送信する。またあるいは、この信号は、スピーカ18に送信することもできる。表示部21または操作部31の表示部は、この信号を受信すると、室内の酸素濃度が異常状態であるという警告表示を行う。また、スピーカ18は、この信号を受信すると、室内の酸素濃度が異常状態である旨の音声を室内へ発する。
制御部20が、室内中の酸素濃度に関する異常の予測を行う場合には、例えば、第1の実施形態で説明した生体の動き量の閾値を用いて行うことができる。そして、制御部20は、生体の動き量が閾値以上となっているときに、室内中の酸素濃度が正常範囲を逸脱している(すなわち、酸素濃度が許容下限を下回っている)と予測することができる。
本実施形態にかかる空気調和機100によれば、カメラ16およびマイク17などの生体反応を検知するセンサの検知結果に基づいて、室内の酸素濃度の異常の有無を予測することができる。すなわち、本実施形態によれば、酸素濃度センサを用いることなく、室内の酸素濃度の異常の有無を予測することができる。
また、本実施形態にかかる空気調和機100では、制御部20が、室内中の酸素濃度が正常範囲を逸脱していると予測した場合に、スピーカ18や表示部21などの報知手段を用いて室内の人に酸素濃度の異常状態を知らせることができる。
なお、本実施形態の空気調和機100は、ネットワークサーバなどを介して、同じ室内の換気装置と通信可能に接続することもできる。このように構成することで、空気調和機100が、室内の酸素濃度が許容下限を下回っていると予測した場合に、その旨の情報を、ネットワークサーバを介して換気装置へ送信することができる。そして、この情報を受信した換気装置は、運転を開始し、室内を換気することができる。
〔第4の実施形態〕
上述の第1から第3の実施形態では、本発明の検知システムを空気調和機に適用する例について説明した。しかし、本発明の検知システムは、インターネットなどのネットワークを介して通信可能に構成された複数の機器で実現することもできる。そこで、第4の実施形態では、複数の機器で構成された検知システムの例について説明する。具体的には、生体反応を検知するためのセンサと、換気ユニットを備えた空気調和機と、換気ユニットの運転を制御するためのサービスを提供するためのサーバとが、ネットワーク(インターネット)で接続された換気制御システムを例に挙げて説明する。
図10には、第4の実施形態にかかる換気制御システム200の全体構成を示す。換気制御システム200は、主として、空気調和機210と、サーバ220と、カメラ(センサ)230と、マイク(センサ)240と、スマートフォン(携帯端末)250とで構成される。サーバ220と各機器とは、インターネットなどのネットワークを介して通信可能となっている。また、図10に示すように、サーバ220は、インターネットなどのネットワークを介して、天気情報270を入手することができる。
図11には、空気調和機210の内部構成を示す。図11に示すように、空気調和機210は、制御部211、室内側空調ユニット212、室外側空調ユニット213、表示部214、メモリ215、通信インターフェース216、換気ユニット217、およびスピーカ218などを備えている。空気調和機210の大まかな構成については、第1の実施形態の空気調和機1の構成が適用できる。但し、空気調和機210には、カメラ、マイクなどのセンサは備えられていない。また、空気調和機210は、通信インターフェース216(図11参照)を介して、サーバ220とインターネット接続されている。
カメラ230は、室内の様子を撮影する。カメラ230は、室内に存在する人、動物などを撮影し、生体の動き量を検知する。カメラ230の大まかな構成については、第1の実施形態のカメラ16の構成が適用できる。但し、カメラ230は、図示しない通信インターフェースを介して、サーバ220とインターネット接続されている。
マイク240は、室内で発生する音を検知する。例えば、マイク240は、人や動物の呼吸の状態、人が発するため息、くしゃみ、あくびなどの生体反応を検知することができる。マイク240の大まかな構成については、第1の実施形態のマイク17の構成が適用できる。但し、マイク240は、図示しない通信インターフェースを介して、サーバ220とインターネット接続されている。
空気調和機210、カメラ230、およびマイク240は、自宅やオフィスなどの同一の室内に設置される。
図13には、スマートフォン250の内部構成を示す。図13に示すように、スマートフォン250は、制御部251、操作部252、メモリ253、通信インターフェース254、表示部255、およびスピーカ256などを備えている。
制御部251は、メモリ253あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、スマートフォン250の各部を制御する。
操作部252は、ユーザからの指令を受け付けて当該指令を制御部251に入力する。
メモリ253は、各種のRAM、各種のROM、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ253は、制御部251によって実行されるプログラムや、制御部251によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部252を介して入力されたデータ、サーバ220から受信したタスクに関するデータなどを記憶する。
通信インターフェース254は、アンテナやコネクタによって実現される。通信インターフェース254は、有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。
表示部255は、制御部251からの信号に基づいて、文字や画像などの画面を出力する。なお、本実施の形態においては、スマートフォン250は、表示部255と操作部252とが組み合わされたタッチパネルを有する。
スピーカ256は、制御部251からの音声信号に基づいてタスクに関する音声、通話音声、音楽などの様々な音声を出力する。
スマートフォン250は、換気ユニットの運転を制御するためのサービスを利用するためのアプリケーションソフトをサーバ220からダウンロードするなどして、換気制御システム200に組み込むことができる。スマートフォン250は、例えば、スマートフォン250を持つ人が室内に入ったときなどに、本システム200内に取り込まれるようにしてもよい。
サーバ220は、インターネットなどのネットワークを介して、空気調和機210と、カメラ230と、マイク240と、スマートフォン250と接続される。図12には、サーバ220の内部構成を示す。図12に示すように、サーバ220は、制御部221、メモリ222、および通信インターフェース223などを備えている。
制御部221は、メモリ222あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ220の各部を制御する。すなわち、制御部221は、メモリ222に格納されているプログラムを実行することによって、後述する各種の処理を実現する。
メモリ222は、各種のRAM、各種のROM、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ222は、制御部221によって実行されるプログラムや、制御部221によるプログラムの実行により生成されたデータ、スイッチやキーボードから入力されたデータ、カメラ230およびマイク240などのセンサから受信したデータ、空気調和機210から受信したデータ、および空気調和機210の換気ユニット217の運転制御時に参照するテーブル(図4、図6、図7など参照)などを記憶する。
通信インターフェース223は、有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。
<換気ユニットの運転制御について>
続いて、本実施形態にかかる換気制御システム200において、カメラ230などのセンサが検知した生体反応に基づいて、空気調和機210の換気ユニット217の運転を制御する方法について説明する。
本実施形態の換気制御システム200では、第1の実施形態にかかる空気調和機1において図3を参照しながら説明した換気ユニット14の制御方法を、一部変更して適用することができる。そこで、以下では、図3を参照しながら、換気ユニット217の運転制御の流れを説明する。
換気ユニット217の運転を行うか否か(ON/OFF)を決定する際には、先ず、サーバ220は、ユーザが選択した空気調和機210の運転モードの情報を取得する(ステップS11)。運転モードの選択は、例えば、空気調和機210のリモートコントローラを操作することによって行われる。そして、選択された運転モードの情報は、リモートコントローラから通信インターフェース216を介して、空気調和機210内の制御部211へ送信される。
また、選択された運転モードの情報は、通信インターフェース216を介して、サーバ220へも送信される。サーバ220は、選択された運転モードの情報を、通信インターフェース223から受信し、メモリ222へ格納する。
次に、サーバ220内の制御部221は、メモリ222に格納されたテーブルAを参照して、選択された運転モードにおいて、換気ユニット217のON/OFF制御に使用する生体反応の種類を選択する(ステップS12)。例えば、勉強モードが選択された場合には、肩の動きおよびため息を、換気ユニット217の運転制御の指標として用いる。また、ここで選択された生体反応は、空気中の酸素濃度の異常予測の指標としても用いられる。
その後、サーバ220内の制御部221は、空気調和機210と同じ室内に設置されたカメラ230およびマイク240(センサ)に対して、所定の生体反応の検知を行うように指令を出す。カメラ230およびマイク240は、通信インターフェースを介してサーバ220からの指令を受信し、この指令に基づいて所定の生体反応(例えば、肩の動きおよびため息)の検知を行う(ステップS13)。カメラ230およびマイク240の検知結果は、通信インターフェースを介してサーバ220へ送信される。
そして、サーバ220内の制御部221は、センサが行った所定の生体反応の検知結果に基づいて、空気調和機210の換気ユニット217を運転する必要性があるか否かを判断する(ステップS14)。ここでの判断は、例えば、第1の実施形態と同様に、生体の動き量の閾値を基準として行うことができる。またこのとき、制御部221は、センサが行った所定の生体反応の検知結果から、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行う。
そして、サーバ220内の制御部221が、換気の必要性があると判断した場合には、通信インターフェース223から空気調和機210に対して、換気ユニット217の運転を開始させるように指令を出す。空気調和機210内の制御部211は、通信インターフェース216を介してこの指令を受けとり、換気ユニット217の運転を開始させる(ステップS15)。
また、サーバ220内の制御部221が、換気の必要性がないと判断した場合には、通信インターフェース223から空気調和機210に対して、換気ユニット14を停止状態のまま維持するように指令を出す。空気調和機210内の制御部211は、通信インターフェース216を介してこの指令を受けとり、換気ユニット14を停止状態のまま維持させる(ステップS15)。
以上のような流れで、換気ユニット217の運転制御を行うことができる。
なお、サーバ220内の制御部221は、ステップS14における換気の必要性の判断に加えて、室内の空気中の酸素濃度が許容範囲内にあるか否かの予測を行っている。そこで、この予測結果に関する情報を、スマートフォン250へ送信してもよい。スマートフォン250は、通信インターフェース254を介してこの情報を受け取り、メモリ253に格納する。そして、スマートフォン250の制御部251は、メモリ253に格納された情報に基づいて、スピーカ256または表示部255などから予測結果をユーザへ向けて発信することもできる。
以上のように、本実施形態にかかる換気制御システム200では、カメラ230およびマイク240の検知結果に基づいて、換気の必要性を判断したり、室内の酸素濃度の異常の有無を予測したりする。すなわち、本実施形態によれば、酸素濃度センサを用いることなく、換気の必要性を判断したり、室内の酸素濃度の異常の有無を予測したりすることができる。
なお、サーバ220内のメモリ222に、図6に示すテーブルBや、図7に示すテーブルCを格納しておくことで、上述の変形例や第2の実施形態と同様の方法で換気ユニット217を制御することもできる。
また、本実施形態にかかる換気制御システム200では、サーバ220が、インターネットなどのネットワークを介して、外部から天気情報270を入手することができる。そのため、サーバ220の制御部221は、入手した天気情報270を追加情報として参照して、換気ユニット217を制御することもできる。例えば、入手した天気情報270で、天気が雨の場合と晴れの場合とで、換気ユニット217のON/OFF制御の基準となる動き量の閾値を変更してもよい。また、真夏期や真冬期のように、外気温が非常に高かったり低かったりする場合には、室内の空気中の酸素濃度の許容範囲をより広くして、できるだけ換気を行わないように制御してもよい。
以上のように、本発明にかかる検知システムは、それを構成する各装置の役割の一部または全部を、クラウド上の他の装置(例えば、サーバ220)が実行してもよい。
<その他の応用例>
本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体(あるいはメモリ)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる他の記憶媒体に書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
〔第5の実施形態〕
上述の第4の実施形態では、本発明の検知システムの一例として、センサと、換気ユニットを備えた空気調和機と、サーバとが、インターネットで接続されたシステムを例に挙げて説明した。しかし、本発明の検知システムは、必ずしも換気ユニットを備えている必要はない。
そこで、第5の実施形態では、センサと、室内の酸素濃度に関する警告を報知する端末(スマートフォン)と、室内の酸素濃度の異常を予測するためのサービスを提供するサーバとが、インターネットで接続された検知システムを例に挙げて説明する。また、ここでは、生体反応を検知するためのセンサとして、カメラ230に加えてウエアラブル端末360を用いる例を示す。
図14には、第5の実施形態にかかる検知システム300の全体構成を示す。検知システム300は、主として、サーバ220と、カメラ(センサ)230と、ウエアラブル端末(センサ)360と、スマートフォン(携帯端末)250とで構成される。サーバ220と各機器とは、インターネットなどのネットワークを介して通信可能となっている。また、第4の実施形態と同様に、サーバ220は、インターネットなどのネットワークを介して、天気情報270を入手することができる。また、検知システム300には必須の構成ではないが、検知システム300によって酸素濃度の予測が行われる室内には、換気装置380が備えられていることが好ましい。
サーバ220、カメラ(センサ)230、及びスマートフォン250は、第4の実施形態で説明したものと同様の構成が適用できる。
ウエアラブル端末360は、ユーザが身に付けることのできるコンピュータ端末である。ウエアラブル端末360は、腕時計型、眼鏡型、靴型などの形態を有する。ウエアラブル端末360は、ユーザの移動量、脈拍、呼吸、体温などの生体反応を検知する。図15には、ウエアラブル端末360の内部構成を示す。図15に示すように、ウエアラブル端末360は、制御部361、センサ部362、メモリ363、および通信インターフェース364などを備えている。
制御部361は、メモリ363あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、ウエアラブル端末360の各部を制御する。
センサ部362は、ユーザの手首など身体の一部と接触するように取り付けられる。そして、ユーザの生体反応(例えば、移動量、脈拍、呼吸、体温など)を検知する。
メモリ363は、各種のRAM、各種のROM、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ363は、センサ部362が検知した生体反応に関するデータなどを記憶する。
通信インターフェース364は、アンテナやコネクタによって実現される。通信インターフェース364は、有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。制御部251は、通信インターフェース254を介して、センサ部362が検知した生体反応に関するデータを送信する。
本実施形態にかかる検知システム300では、カメラ230およびウエアラブル端末360などのセンサが検知した生体反応に基づいて、室内中の所定の酸素濃度(所定の気体の濃度)に関する異常を予測することができる。この酸素濃度に関する異常の予測については、上述の第3の実施形態において実行される方法と同様の方法が適用できる。但し、第3の実施形態においては、上記の予測の実行は、主として、空気調和機100内の制御部20が行っていたが、本実施形態では、主として、サーバ220内の制御部221が行う。
検知システム300は、インターネットなどネットワークなどを介して、同じ室内の換気装置380と通信できるようにしてもよい。このように構成することで、検知システム300内のサーバ220が、室内の酸素濃度が許容下限を下回っていると予測した場合に、その旨の情報を、ネットワークを介して換気装置380へ送信することができる。そして、この情報を受信した換気装置380は、運転を開始し、室内を換気することができる。
〔第6の実施形態〕
上述の第1から第3の実施形態では、室内の空調を行うための空気調和機を例に挙げて説明した。しかし、本発明の検知システムは、室内用の空気調和機だけではなく、車内に設置される空調システムに適用することもできる。自動車用の空調システムに本発明の検知システムを適用する場合には、カメラ、マイクなどの生体反応検知用のセンサは、空調機器とは別の機器として構成することが好ましい。この場合、例えば、第4の実施形態のようなインターネット通信を用いたり、車内の無線通信を用いたりして、空調システムとセンサとを接続することができる。また、車内に備えられた換気装置も、空調システムに含めることが好ましい。
また、本発明の検知システムは、空気清浄機、加湿装置などの室内の空気の状態を調節する機能を有する装置に適用してもよい。この場合、空気清浄機、加湿装置などの装置は、換気ユニットを備えていることが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。