JP6711894B2 - プリント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを切断可能なプリント装置に関するものである。
特許文献1には、切断時間を短縮するために、切断装置によるシートの切断範囲を複数設定しておいて、シートの幅に応じて切断範囲を切替える記録装置が記載されている。
特開2000−317884号公報
しかしながら、特許文献1に記載の切断装置は、予め固定的に設定された複数の切断範囲の中から、シートの幅に応じて切断範囲を選択するため、予期しない要因によってシートの幅が変化した場合に、切断不良が発生するおそれがある。シートの幅が変化する要因として、例えば、温湿度の変化に伴う紙などのシートの膨張、シートが搬送されるときの斜行、またはシートの端部の巻き癖などが挙げられる。このように幅が変化したシートを予め設定された切断範囲において切断した場合には、切断されないシートの部分が残る切断不良を生じるおそれがある。
本発明の目的は、シートの切断不良の発生を抑制することができるプリント装置を提供することにある。
本発明のプリント装置は、シートを搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されたシートに画像をプリントするプリントヘッドと、前記搬送方向において前記プリントヘッドの下流側に配され、シートを切断部で切断する切断手段と、シートを切断する際に前記搬送方向と交差する切断方向において、シートの第1端部の側から第2端部の側まで前記切断手段を移動させる移動手段と、前記切断手段前記切断部に対して前記搬送方向の下流側でかつ前記切断部に対して前記切断方向の後方側に形成され、前記切断手段が前記移動手段によって前記切断方向に移動する際にシートから切断され切断片を支える後方側支持面と、を備えるプリント装置であって、前記切断手段は、前記後方側支持面に対して前記切断方向の後方側でかつ前記後方側支持面よりも上側に設けられ、前記切断手段がシートを切断するために前記切断方向に移動するときに、前記切断片が支持される状態を維持することなく、前記搬送方向の下流側に前記切断片を押出す押出し部を有することを特徴とする。
本発明によれば、切断されたシートの切断片を押出して、切断不良の発生を抑制することができる。
本発明に係るプリント装置の概略構成図である。 図1のプリント装置の制御系のブロック図である。 図1における切断装置の斜視図である。 切断装置の上面図である。 切断装置の斜視図である。 切断装置におけるカッターキャリッジの斜視図である。 切断装置の側面図である。 切断装置におけるカッターユニットの要部を上方から視た拡大図である。 切断方向に移動中のカッターユニットの正面図である。 切断方向と反対の方向に移動中のカッターユニットの正面図である。 カッターユニットを背面側から視た斜視図である。 カッターユニットを正面側から視た斜視図である。 カッターユニットの取り付け開始時における要部の断面図である。 カッターユニットの取り付け途中における要部の断面図である。 カッターユニットの取り付け後における要部の断面図である。 カッターユニットの交換時の動作を説明するためのフローチャートである。 プリント開始から切断終了までの動作を説明するためのフローチャートである。 シートの切断工程の説明図である。 カッターユニットを図18中の矢印XIX方向から視た模式図である。 シートの切断開始時におけるカッターユニットの斜視図である。 シート切断片の挙動を説明するための要部の斜視図である。 シート切断片の挙動を説明するための要部の側面図である。 シートの切断終了時におけるカッターユニットの斜視図である。 比較例としてのカッターユニットの斜視図である。 比較例としてのカッターユニットによって切断されるシート切断片の挙動を説明するための要部の斜視図である。 比較例としてのカッターユニットによって切断されるシート切断片の挙動を説明するための要部の側面図である。 本発明の他の実施形態におけるプリント開始から切断終了までの動作を説明するためのフローチャートである。 図27におけるシートの切断工程の説明図である。 カッターユニットを図28中の矢印XXIX方向から視た模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るインクジェットプリント装置100の一実施形態を説明するための断面図である。プリント装置100にはロール状に巻回された連続シート1が保持され、そのシート1は、上ガイド6と下ガイド7との間の搬送路を通して送られる。シート1は、搬送ローラ8とピンチローラ9と間のニップ部に挟持されて、矢印Yの搬送方向に搬送されて、プリントヘッド2と対向するプリント位置に配備されたプラテン10上に送られる。プリント位置に搬送されたシート1には、プリントヘッド2から吐出されるインクによって画像がプリントされる。プリントヘッド2、プリントヘッド2を搭載するプリント用のキャリッジ3、およびプリントヘッド2に対向配備されたプラテン10によって、画像プリント部が構成される。プリント装置100には、キャリッジシャフト4、および不図示のガイドレールが互いに平行に配備されており、これらに沿って、キャリッジ3が搬送方向Yと交差(本例の場合は、直交)する方向に往復移動可能にガイドされている。キャリッジ3に備わる紙端センサ12は、キャリッジ3と共に移動することによりシート1の端部の位置を検知する。画像プリント部は、キャリッジ3の往動または復動を伴って1ライン分の画像をプリントしてから、シート1を搬送方向に所定量だけ搬送し、その後、キャリッジ3の移動を伴って次のラインの画像をプリントする。画像がプリントされたシート1のプリント部分(プリント済みの部分)は、排紙ガイド11へ向けて搬送される。
このような動作を繰り返すことによって、シート1に画像が順次プリント可能である。所定の画像がプリントされたシート1の部分は、切断装置5の切断位置において切断される。切断されたシート(カットシート)は、排紙ガイド11からプリント装置100の外側へ排出される。プリント装置100は、本例のようなシリアルスキャン方式のみに特定されず、いわゆるフルライン方式などであってもよく、またインクジェット方式以外のプリント方式であってもよい。
図2は、プリント装置100の制御系の構成を説明するためのブロック図である。
プリント装置100に備わる制御部400は、カッターモータ103のエンコーダ104、紙端センサ12、待機位置センサ106からの信号に基づいて、搬送モータ51、カッターモータ103、キャリッジモータ52、およびプリントヘッド2を制御する。制御部400には、不図示のCPU、ROM、RAM、およびモータドライバ等が備えられており、主制御部410、搬送制御部420、およびプリント制御部430が構成されている。主制御部410は、搬送制御部420とプリント制御部430に対して指令を与える。搬送制御部420は、主制御部410の制御下において、搬送モータ51により搬送ローラ8を回転させてシート1を搬送し、カッターモータ103により切断装置5を作動させてシート1を切断する。プリント制御部430は、キャリッジモータ52によるキャリッジ3の移動と、プリントヘッド2からのインクの吐出動作と、によって、シート1に画像をプリントする。
(切断装置の概略構成)
図3は切断装置5の全体を示す斜視図、図4は、プリント装置100に備わる切断装置5の周辺部の平面図、図5は、切断装置5の要部の斜視図である。
切断装置5は、ガイドレール101、歯付のベルト102、キャリッジ200、およびカッターユニット300を含む。ガイドレール101は、シート1の搬送方向(矢印Y方向)と交差する方向に沿って、キャリッジ200を往復移動可能にガイドする。本例の場合、キャリッジ200は、搬送方向と直交する矢印X1,X2方向に往復移動可能にガイドされる。キャリッジ200はベルト102に連結されている。ガイドレール101の一方側には、カッターモータ103およびモータプーリ107が配備され、他方側には、テンショナプーリ108およびテンショナバネ109が配備されている。ベルト102は、モータプーリ107とテンショナプーリ108との間に架け渡される。テンショナバネ109によってテンショナプーリ108が矢印X2方向に付勢されることにより、ベルト102に張力が与えられて、ベルト102の歯飛びが防止される。
カッターユニット300は、後述するように、キャリッジ200に対して結合方向(所定方向)から交換可能に結合される。カッターユニット300は、シート1を切断可能な円盤状の上可動刃301と下可動刃302とを有する。これらの可動刃301,302は、図4のように、切断方向となる方向X1に対して所定量の角度θ(交差角)で交差するように配備されており、これらの接触点においてシート1が切断される。カッターユニット300は、キャリッジ200と共に矢印X1,X2方向に往復移動し、矢印X1方向に移動するときにシート1を切断する。後述するように、キャリッジ200は、それ自体とベルト102との相対移動から回転力を得て、その回転力により、カッターユニット300の下可動刃302を回転駆動させる。これにより、シート1の切断時には、下可動刃302と、それに接触する上可動刃301と、がいずれも回転する。
画像のプリント中、カッターユニット300は、シート1の端部1aの外側の待機位置P1にて待機しており、シート1の切断時には、待機位置P1から矢印X1の切断方向に移動する。シート1の切断後は、シート1の幅に対応する反転位置P2にて反転し、次の切断動作のために待機位置P1に戻って待機する。カッターユニット300の矢印X2方向の移動は、切断動作には寄与しない。
カッターモータ103に備わるエンコーダ104の出力信号(パルス信号)に基づいて、カッターユニット300の矢印X1,X2の移動位置を制御することができる。予め、エンコーダ104のパルス数と、カッターユニット300の移動量と、の関係が分かっているため、エンコーダ104のパルス数を計数することによって、カッターユニット300の移動量が分かる。待機位置P1の近傍の定位置にセンサホルダ105が固定されており、このセンサホルダ105には待機位置センサ106が備えられている。カッターユニット300に配されたセンサフラグ部305fを待機位置センサ106によって検知することにより、カッターユニット300を待機位置P1に正確に停止させることができる。また待機位置センサ106によって、待機位置P1におけるカッターユニット300の有無を検知することもできる。
(キャリッジの構成)
図6はキャリッジ200の斜視図、図7は切断装置5の側面図である。
キャリッジ200は、後述するように4つのガイド面101a,101b,101c,101dを有するガイドレール101の内部に配される。キャリッジシャーシ201、キャリッジホルダ202、上コロホルダ(第1保持部)203、および下コロホルダ(第2保持部)204を含む。キャリッジホルダ202のベルト挿入部202aには、ベルト102の両端部が挿入されて連結される。キャリッジホルダ202はキャリッジシャーシ201に固定される。コロホルダ203,204は、後述するようにガイド体としてのコロ(回転体)を保持する。
キャリッジ200をガイドレール101に沿って滑らかに移動させるために、キャリッジ200とガイドレール101との間に若干の隙間を設けた場合には、その隙間の範囲において、キャリッジ200が変位する。前述したように、カッターユニット300の可動刃301,302が所定の角度θ(交差角)だけ傾いているため、カッターユニット300に対しては、シート1の切断中に搬送方向上流側へ変位させるような力が作用する。そのため、シート1の切断中は、キャリッジ200が搬送方向上流側へ変位するおそれがある。キャリッジ200と一体に結合されるカッターユニット300の位置が切断開始時から変位した場合には、シート1の切断部分が搬送方向に対して曲がる場合がある。よって、キャリッジ200は、ガイドレール101に対して隙間がないように配備し、かつ移動時の負荷を小さくする必要がある。
本例においては、ガイドレール101とキャリッジ200との間に下記のようなガイド機構が構成されている。
上コロホルダ203は、キャリッジシャーシ201に固定され、図6のように、コロ軸206Aに回転自在に軸支されたコロ(第1ガイド体)205Aがシート1の切断方向に2つ配備されている。下コロホルダ204は、上コロホルダ203に対向する位置において、キャリッジホルダ202に矢印A1,A2方向にスライド可能に保持されている。つまり、コロホルダ203,204は、互いに近接および離間する方向に移動可能にガイドされている。下コロホルダ204には、図6のように、コロ軸206Bに回転自在に軸支されたコロ(第2ガイド体)205Bがシート1の切断方向に2つ配備されている。上コロホルダ203と下コロホルダ204との間には、それらを互いに離間させる方向に付勢する押圧バネ207が配備されている。すなわち、上コロホルダ203は矢印A2方向、つまり図7のように搬送方向上流側かつ上方に向かって傾斜する方向に付勢される。下コロホルダ204は矢印A1方向、つまり図7のように搬送方向下流側かつ下方に向かって傾斜する方向に付勢される。
ガイドレール101は、コロ205A,205Bをガイドするための第1,第2,第3,第4ガイド面101a,101b,101c,101dを有する。第1,第2ガイド面101a,101bは、互いに異なる平面上に位置して第1ガイド部を構成し、第3,第4ガイド面101c,101dは、互いに異なる平面上に位置して第2ガイド部を構成する。これらの第1および第2ガイド部は、ガイドレール101の内側において互いに対向する。本例の場合、第1,第2ガイド面101a,101bは略直角を成す2つの平面上に位置し、同様に、第3,第4ガイド面101c,101dは略直角を成す2つの平面上に位置する。また、第1ガイド面101aと第3ガイド面101cは略並行であり、第2ガイド面101bと第4ガイド面101dは略並行である。より具体的には、第1ガイド面101aと第3ガイド面101cは、シート1の搬送方向に対して直交する面であり、第1ガイド面101aは、第3ガイド面101cよりも搬送方向の上流側に位置する。第2ガイド面101bと第4ガイド面101dは、上下方向に対して直交する面であり、第2ガイド面101bは、第4ガイド面101dより上側に位置する。
コロ205Aは、2つの周縁部の一方にテ―パ部(第1被ガイド部)205Aaが形成され、その他方にテーパ部(第2被ガイド部)205Abが形成されている。矢印A2方向に付勢される上コロホルダ203は、テ―パ部205Aaを第1ガイド面101aに押圧し、テーパ部205Abを第2ガイド面101bに押圧する。コロ205Bは、2つの周縁部の一方にテ―パ部(第4被ガイド部)205Baが形成され、その他方にテーパ部(第3被ガイド部)205Bbが形成されている。矢印A1方向に付勢される下コロホルダ204は、テ―パ部205Baを第4ガイド面101dに押圧し、テーパ部205Bbを第3ガイド面101cに押圧する。押圧バネ207は、第1ガイド面101aと第2ガイド面101bとの間の角部に向かう矢印A2方向に上コロホルダ203を付勢し、第3ガイド面101cと第4ガイド面101dとの間の角部に向かう矢印A1方向に下コロホルダ204を付勢する。これにより、コロ205A,205Bのテーパ部が対応するガイドレール101のガイド面に確実に押圧され、キャリッジ200は、ガイドレール101に対して隙間がないように配備されて、安定した姿勢を維持することができる。このように、キャリッジ200はガイドレール101に対して隙間をなくす機能を有するため、その隙間をなくすための構成を別途備える必要がなく、その分、装置の小型化を図ることができる。
本例では、上下のコロホルダ203,204のそれぞれに対して、コロを2つずつ計4つ配備している。しかし、コロの配備数は計3つ以上であればよい。すなわち、上下のコロホルダ203,204の一方にコロを複数備え、他方に2つ以上のコロを備えることによって、ガイドレール101に対してキャリッジ200の姿勢を安定させることができる。また本例では、上下のコロホルダ203,204の間に、2つの押圧バネ207を備えている。しかし、押圧バネ207の配備数は1つ以上であればよい。
キャリッジ200は、カッターモータ103により、ベルト102を介して矢印X1,X2方向に往復移動される。キャリッジ200の移動に応じて、上下のコロホルダ203,204に備わるコロ205A,205Bは、対応するガイド面101a,101b,ガイド面101c,ガイド面101dに接しつつ回転する。これによりコロ205A,205Bは、キャリッジ200の往復移動中において常にガイドレール101に接して、図7中の上下左右方向におけるキャリッジ200の位置を規制することができる。この結果、キャリッジ200に取り付けられるカッターユニット300の、切断開始時からの変位を抑制して、シート1の切断部分の曲がりの発生を抑えることができる。また、コロ205A,205Bが回転することにより、キャリッジ200の移動時の負荷を小さくすることができる。
また本例においては、上コロホルダ203がキャリッジシャーシ201に固定され、下コロホルダ204は、キャリッジシャーシ201に固定されるキャリッジホルダ202に対して、矢印A1,A2方向に移動可能に備えられている。そのため、キャリッジシャーシ201に取り付けられるキャリッジ200は、矢印A2方向(搬送方向上流側かつ上方向)の力が作用しても、その方向に動くことはない。よってシート切断時に、カッターユニット300が角度θ(交差角)のために搬送方向上流側の力を受けた場合にも、キャリッジ200は、矢印A2方向に動くことはなく、シート1の切断位置が正規な位置に規制される。
ガイドレール101には、その側面からキャリッジ200を組み付ける際に、キャリッジ200をガイドするガイドテ―パ部101e,101fが形成されている。ガイドテ―パ部101eは、搬送方向上流側に位置する第1ガイド面101aと滑らかに連続するように形成されており、搬送方向上流側に向かって傾斜されている。ガイドテ―パ部101fは、上側に位置する第2ガイド面101bと滑らかに連続するように形成されており、上側に向かって傾斜されている。このようなガイドテ―パ部101e,101fを利用することにより、ガイドレール101の側面からキャリッジ200を容易に組み付けることができる。さらに、これらの組立性を向上させるため、第3ガイド面101cおよび第4ガイド面101dに対しても同様のガイドテ―パ部を設けてもよい。
キャリッジシャーシ201には、軸208とコロ軸210が備えられている。軸208には出力ギア209が回転可能に軸支され、コロ軸210にはコロ211が回転可能に軸支されている。これらは、キャリッジ200とベルト102との相対移動に応じて、カッターユニット300の下可動刃302を回転駆動するための駆動機構を構成する。出力ギア209はベルト102の歯部と噛み合わされている。コロ211は、出力ギア209に対するベルト102の巻き付け量を増やすようにベルト102をガイドすることにより、ベルト102と出力ギア209の噛み合い量を増して、それらの間の歯飛びを抑制する。ベルト102を介して、キャリッジ200を矢印X1,X2に往復移動させると、ベルト102と噛み合う出力ギア209は、軸208を中心として回転される。出力ギア209は、カッターユニット300の下可動刃302の駆動力を供給する供給部を構成する。出力ギア209には、軸208の外周部に位置する断面多角形(本例の場合は、断面六角形)の出力部209aが設けられており、その出力部209aは、シート1の搬送方向下流側に突出している。出力部209aは、後述するように、カッターユニット300の下可動刃302に回転力を伝達する。
(カッターユニットの構成)
図8は、カッターユニット300の可動刃301,302を上方から視た拡大図、図9は、カッターユニット300が矢印X1方向(切断方向)に移動しているときの分解図、図10は、カッターユニット300が矢印X2方向に移動しているときの分解図である。
上可動刃301は、上回転軸303と一体に回転可能な円盤状の丸刃であり、画像がプリントされたシート1のプリント面の上方に配備されている。下可動刃302は、下回転軸304と一体に回転可能な円盤状の丸刃であり、シート1のプリント面と反対側の面の下方に配備されている。上回転軸303は、主ホルダ305と上ホルダ306との間に回転可能に軸支されている。下可動刃302は、上可動刃301よりもシート1の搬送方向下流側に配されており、矢印X1の切断方向に対して所定量の角度θ(交差角)を成すように、下回転軸304が主ホルダ305と下ホルダ307との間に回転可能に軸支されている。下ホルダ307が上ホルダ306よりも矢印X2に所定量ずれて配備されることにより、下回転軸304は、切断方向X1に直交する図8中の上下方向に対して傾くこととなる。そのため、下可動刃302が矢印Xの切断方向に対して所定量の角度θ(交差角)傾いて、交差角θが設定される。下可動刃302と可動刃ホルダ305との間には、下回転軸304の周囲に位置する押圧バネ308が配備されており、この押圧バネ308により、下可動刃302は上可動刃301と点接触するように押圧される。上可動刃301と下可動刃302との接触点が切断点309となり、この切断点309にてシート1が切断される。
多種多様なシートに対する切断開始時の可動刃302,301の食い付をよくして切断性能を高めるためには、切断方向(矢印X1方向)に対する交差角θを大きくすることが必要である。しかし、交差角θ大き過ぎた場合いは、シートの切断面が切り剥がされて、シートが紙の場合には紙粉が多く発生する等、切断品位の低下をもたらすおそれがある。そのため、交差角θを高精度に設定するように、可動刃302,301を位置決めすることが必要となる。交差角θは、主ホルダ305に対する上ホルダ306の組み付け位置によって位置が設定される上可動刃301と、主ホルダ305に対する下ホルダ307の組み付け位置によって位置が設定される下可動刃302と、によって決定される。上ホルダ306および下刃ホルダ307は、それぞれ主ホルダ305に対して組み付け位置の微調整が可能であり、これにより交差角θを調整可能にすることができる。交差角θの調整後は、上ホルダ306および下ホルダ307のそれぞれが主ホルダ305に固定されることにより、交差角θが維持される。
カッターユニット300は、下可動刃302を強制的に回転させるための入力ギア310と、振り子ギア311と、回転ギア312と、を有する。入力ギア310には穴形状の入力部310aが設けられており、その入力部310aには、断面多角形(本例の場合は、断面六角)の内周部が形成されている。その入力部310aと、キャリッジ200側の出力ギア209の回転出力部209aと、が嵌合することにより、出力ギア209と入力ギア310とが連結される。前述したように、キャリッジ200の往復移動に伴って出力ギア209が回転する。その出力ギア209の回転力は入力ギア310に伝達される。つまり、入力ギア310は、カッターユニット300の移動に伴って矢印B1,B2方向に回転される。
振り子ギア311は、入力ギア310の一方向の回転を回転ギア312に伝達する。すなわち、入力ギア310が図9中の矢印B1方向に回転したときに、振り子ギア311は、入力ギア310の軸を中心として矢印R1方向に回転して、回転ギア312と噛み合う位置まで回転してから、回転ギア312に回転を伝達する。これにより回転ギア312は、図9中の矢印方向に回転される。一方、入力ギア310が図10中の矢印B1向に回転したときには、振り子ギア311は、入力ギア310の軸を中心として矢印R2方向に回転して、不図示のストッパにより図10に示す位置にて止められる。これにより、振り子ギア311は回転ギア312と噛み合わず、回転ギア312は回転されない。回転ギア312は下回転軸304に取り付けられており、回転ギア312が回転することにより、下可動刃302も回転することとなる。上可動刃301は、下可動刃302と切断点309にて接触しているため、下可動刃302が回転すると上可動刃301は従動回転する。
カッターユニット300が矢印X1の切断方向X1へ移動されるときは、上可動刃301と下可動刃302は、図9のように切断点309にシート1を引き込む方向に回転する。このように回転する上可動刃301と下可動刃302の協働により、シート1を容易に切断することができる。一方、カッターユニット300が矢印X2方向へ移動されるときは、図10のように、振り子ギア311の回転は回転ギア312に伝達されないため、上可動刃301と下可動刃302は回転されない。これにより、上可動刃301と下可動刃302の摩耗を抑制し、結果的に、それらの耐久性を高めることができる。
(カッターユニットの着脱)
カッターユニット300は、キャリッジ200に対して交換可能に結合される。つまり、カッターユニット300は、キャリッジ200に対して着脱可能である。図11は、カッターユニット300を背面から視た斜視図、図12は、カッターユニット300の正面から視た斜視図である。図13は、カッターユニット300の取り付け始めの段階における要部の断面図、図14は、カッターユニット300を取り付け途中の段階における要部の断面図、図15は、カッターユニットを取り付け後における要部の断面図である。
キャリッジ200の軸208は、出力部209aの先端から搬送方向下流側に突出する先端部208aを有し、カッターユニット300の主ホルダ305は位置決め穴A305gを有する。軸208の先端部208aが位置決め穴305gに嵌合することによって、カッターユニット300が位置決めされる。また、キャリッジホルダ202はカッターユニット位置決め穴202bを有し、主ホルダ305は位置決め部305aを有する。位置決め部305aが位置決め穴202bに嵌合することによって、出力部209aを中心に回転する方向において、カッターユニット300が位置決めされる。このように、軸208の先端部208aと位置決め穴305gとの嵌合、および位置決め部305aと位置決め穴202bとの嵌合によって、キャリッジ200に対して、カッターユニット300が位置決めされる。前述したように、キャリッジ200側の出力部209aと、カッターユニット300側の入力部310aと、が嵌合することにより、出力ギア209と入力ギア310とが連結して下可動刃302の駆動力伝達系が形成される。つまり、出力部209aと入力部310aは、キャリッジ200から供給される駆動力(回転駆動力)をカッターユニット300の下可動刃302に伝達する伝達機構を構成する。出力部209a、入力部310a、軸208の先端部208a、および位置決め穴305gは、キャリッジ200とカッターユニット300の結合方向に沿って延在する同一の軸線O(図13参照)上に位置するように配備されている。
このように、軸208の先端部208aと位置決め穴305gとの嵌合によってカッターユニット300が位置決めされ、その軸208と同一軸線上に位置する出力ギア209と入力ギア310との連結によって下可動刃302の駆動力伝達系が連結される。つまり、前者のカッターユニット300の位置決めと、後者の下可動刃302の駆動力伝達系の連結と、は、同軸上において互いに干渉させることなく行うことができる。両者の機能を同軸上にまとめることにより、それらの機能を発揮する部分を離れた位置に設定した場合に比して、カッターユニット300の取り付けの作業性を高めることができると共に、省スペース化を図ることができる。仮に、両者の機能を発揮する部分が離れた別々の位置に設定された場合には、それらの部分における個別の嵌合作業が必要となり、一方の部分を先に嵌合させたときに、他方の部分の嵌合が難しくなる。また本例においては、出力部209aが入力部310a内に挿入されてから、位置決め部305aが位置決め穴202b内に挿入されるように、出力部209aの長さが位置決め部305aよりも長く設定されている。このように、嵌め合いの順序を設定することにより、カッターユニット300の取り付けの作業性をより高めることができる。
位置決め部305aの内部には、固定ネジ313を収容する収容部が形成されている。位置決め部305aは、カッターユニット300の結合方向に延在する円筒状であり、その中心軸上に位置するように固定ネジ313が配備されている。位置決め穴202bの底部に位置するキャリッジシャーシ201の部分に、この固定ネジ313をネジ付けることにより、カッターユニット300がキャリッジ200に固定される。このように、位置決め部305aと位置決め穴202bとによるカッターユニット300の位置決め機能と、位置決め部305a内の固定ネジ313によるカッターユニット300の固定機能と、を同軸上にまとめられている。したがって、それらの機能を発揮する部分が離れた別々の位置に設定された場合に比して、カッターユニット300の取り付けの作業性を高めることができると共に、省スペース化を図ることができる。また、位置決め部305aと位置決め穴202bは、軸線Oを中心とするキャリッジ200とカッターユニット300との相対回転を止める回り止め機構としても機能する。
主ホルダ305には、位置決め部305a内の固定ネジ313の落下を防止するために、固定ネジ313の頭部に引っ掛かる爪307aが設けられている。これにより、キャリッジ200からカッターユニット300を取り外した場合に、固定ネジ313の落下を防止することができる。固定ネジ313の頭部が爪307aに引っ掛かって、その落下が防止されている状態において、固定ネジ313が全長に渡って位置決め部305a内に収まるように爪307aの位置が設定されている。カッターユニット300をキャリッジ200に取り付ける際には、固定ネジ313の先端部が位置決め部305a内に収まるため、その固定ネジ313の先端部が回転止め穴202b付近に当たることによる破損などの発生を防止することができる。固定ネジ313は、図11および図12のように、カッターユニット300における切断方向(矢印X1方向)の前方側の部分に配され、入力部310aは、カッターユニット300における切断方向の後方側に配されている。固定ネジ313が切断方向の前方側に位置することにより、シート1の切断抵抗力を固定ネジ313による固定部分において効果的に受けて、カッターユニット300のふら付きを抑えて、カッターユニット300の姿勢を安定させることができる。
カッターユニット300をキャリッジ200に取り付ける際には、まず、図13のように、軸208の先端部208aを入力部310aに挿入する。先端部208aは、出力部209aよりも細い先細形状であり、かつ入力部310aの内径よりも充分に細く設定されており、カッターユニット300を取り付ける際の最初のガイド部となる。すなわち、先端部208aと入力部310aとの嵌合により、カッターユニット300の位置がおおまかに規制される。前述したように、先端部208aが位置決め部305aよりも長く設定されているため、図13のように、入力部310aに先端部208aが挿入され始めた状態では、位置決め部305aは、未だ、位置決め穴202b内に挿入されていない。
また、カッターユニット300がキャリッジ200から取り外された状態において、入力ギア310は、図13のように、隙間Gによって軸208の挿入方向に対する揺動およびスライドが許容される。つまり、入力部310aが形成されている入力ギア310は、キャリッジ200に対するカッターユニット300の結合方向と交差する方向に変位可能である。この隙間Gは、入力ギア310の揺動のみ、またはスライドのみを許容するものであってもよい。また隙間Gは、少なくとも入力ギア310と振り子ギア311と歯底当たりしない範囲において、入力ギア310の傾きを許容するように設定されており、入力ギア310はカッターユニット300に対して若干傾くことができる。
したがって、カッターユニット300をキャリッジ200に結合させる際に、キャリッジ200に対するカッターユニット300の位置が若干ずれていたとしても、入力部310aは、傾きながら出力部209aを案内する。この結果、カッターユニット300の取り付けの作業性を高めることができる。さらに使用者は、視野を確保するように、カッターユニット300を傾けて取り付けることができる。
ここで、入力部310aおよび出力部209aを同じ色(本明細書では、同一色または同系色を意味するものとする)として、他の周辺部品の色と異ならせている。これにより、使用者は、初めて取り付ける場合でも入力部310aと出力部209aの関係を視覚的に認識して、それらを容易に嵌め合わせることができる。
図14のように、さらにカッターユニット300を挿入することにより、位置決め部305aが位置決め穴202b内に挿入される。このとき、出力部209aは、また入力部310aに挿入されていない。そのため、カッターユニット300は、入力部310aと先端部208aによる規制の範囲内において動くことができ、位置決め部305aは、位置決め穴202b内に挿入し易い。
その後、さらにカッターユニット300を挿入することにより、図15のように、入力部310a内に出力部209aが挿入されて、それらが連結される。また、位置決め穴A305gに先端部208aが挿入されることにより、キャリッジ200に対してカッターユニット300が位置決めされる。したがって、図14のように、位置決め部305aを位置決め穴202bに挿入した後に、図15のように、出力部209aおよび先端部208aのそれぞれが入力部310aおよび位置決め穴A305gに挿入される。このように、これらの挿入時期をずらすことにより、それらを同時に挿入する場合よりも取り付けの作業性を向上させることができる。
このように、軸(軸部)208と、それと嵌合する位置決め穴305gと、出力部209aと、それと嵌合する入力部310aと、は、キャリッジ200とカッターユニット300との対向位置に設けられる第1組の嵌合部を構成する。また、凸状の軸208と出力部209aはキャリッジ側凸部を構成し、凹状の位置決め穴305gと入力部310aはカッターユニット側凹部を構成する。また、位置決め穴202bと位置決め部305aは、キャリッジ200とカッターユニット300との対向位置に設けられる第2組の嵌合部を構成する。また、凹状の位置決め穴202bはキャリッジ側凹部を構成し、凸状の位置決め部305aはカッターユニット側凸部を構成する。したがって、第1組の嵌合部は、第2組の嵌合部よりも先に結合が開始されることになる。より具体的には、軸208と入力部310aとの緩い嵌合が開始された後、出力部(伝達凸部)209aと入力部(伝達凹部)310aとの嵌合が開始されてから、軸208と位置決め穴305gとの嵌合が開始される。また、軸208と入力部310aとの緩い嵌合が開始されてから、出力部209aと入力部310aとの嵌合が開始されるまでの間に、図14のように、位置決め穴202bと位置決め部305aとの嵌合が開始される。このように、それぞれの嵌合部分における嵌合の開始時期をずらすことにより、カッターユニット300の結合の作業性を向上させることができる。
軸208の先端部208aは充分な長さを有し、その長さは、図15のようにカッターユニット300が位置決めされた後に、使用者がカッターユニット300から手を離しても、それをキャリッジ200から落下させない長さである。例えば、図15のようにカッターユニット300をキャリッジ200に位置決めしたときに、先端部208aの先端(図15中の左端)がカッターユニット300の重心よりも図15中の左側に位置するように、先端部208aの長さを設定する。このように、重力によるカッターユニット300の落下が防止されるため、使用者は、図15のようにカッターユニット300を位置決めした後、それから手を離して、固定ネジ313によるカッターユニット300の固定作業をすることができる。この結果、カッターユニット300の取り付けの作業性が向上する。
カッターユニット300の取り付け作業中において、それが正しい位置になかった場合には、軸208の先端部208aが上可動刃301および下可動刃302に接触するおそれがある。つまり、カッターユニット300の結合時に、先端部208aが可動刃301,302と対向した際に、それは接触するおそれがある。そこで本例においては、ガイドレール101に突き当て部101g(図7参照)が設けられている。その突き当て部101gは、軸208の先端部208aが上可動刃301および下可動刃302に接触する前に、それらの接触の発生を阻止するように、カッターユニット300の位置決め部305aと接する。位置決め部305aと接触する突き当て部101gのような部分を設ける位置は、ガイドレール101に限られず、キャリッジ200を構成する部品、あるいは切断装置5以外の部品に設けてもよい。位置決め部305aと突き当て部101gは、カッターユニット300の結合時に先端部208aが可動刃301,302と対向した際に、互いに接触可能な対の対向部を構成する。
カッターユニット300の着脱時に使用者がそれを安定して手で持つために、主ホルダ305の両側面には手掛かり部305b(図9参照)が設けられている。図9のように、手掛かり部305b、入力部310a、位置決め部305a、および固定ネジ313は、矢印X1,X2方向に沿って略同一の直線上に配されており、これにより、カッターユニット300の着脱時の保持性および操作性を確保することができる。また、カッターユニット300は、手掛かり部305b以外の部分は面を小さくして持ちにくい形状とすることにより、使用者は、初めて着脱する場合でも、手掛かり部305bを持つ部分として容易に認識することができる。
(カッターユニットの外装形状)
図11および図12のように、主ホルダ305は、支持部305c1、支持部305c2、押出し部305d、およびガイド部305eを有し、また、上ホルダ306はガイド部306aを有する。カッターユニット300に切断長さの短いシート1を切断したときに、切断されたシートの挙動が不安定となって、そのシートがガイドレール101内に入り込むおそれがある。このような状態において、切断動作が終わったカッターホルダ300が方向X2へ移動したときに、それがガイドレール101内に入り込んだシートと接触して動作不良が生じるおそれがある。そこで本例においては、切断されたシートの裏面を支持部305c1および支持部305c2によって支持する。すなわち、支持部305c1は、上可動刃301と下可動刃302との切断点(切断部)309(図9参照)の近傍から切断方向(矢印X1方向)の上流側に向かって延在し、かつシート1の搬送方向下流側に位置する。支持部305c2は、切断点309の近傍から切断方向の下流側に向かって延在し、かつシート1の搬送方向下流側に位置する。これにより、シート1の切断時に、そのシート1の切断前の部分は支持部305c1によって支持され、切断後の部分は支持部305c2によって支持される。この結果、シート1を安定した姿勢で切断し、かつ切断されたシートを確実に排出することができる。
また、シート1の切断後、カッターユニット300が矢印X2方向に戻る際に、切断されたシートの後端が上可動刃301と下可動刃302との切断点309に入り込んだ場合には、その切断されたシート1の後端が再度切断されるおそれがある。そこで本例においては、切断されたシート1の後端を押出し部305dによって押し出す。すなわち、押出し部305dは、切断点309よりもシート1の搬送方向下流側に突出しており、カッターユニット300が矢印X2方向に戻るときに、切断されたシートを搬送方向下流側に押出す。これにより、切断されたシートの後端部が再度切断されることを防止することができる。
また、シート1の切断後、カッターユニット300が矢印X2方向に戻る際に、切り残り側のシート1の端部が主ホルダ305および上ホルダ306に接触した場合には、その切り残り側のシート1における画像のプリント面が傷付けられるおそれがある。そこで本例においては、ガイド部305eおよびガイド部306aを設けた。これらのガイド部305e,306aは、シート1における画像のプリント面と対向する側、かつ搬送方向上流側に位置し、搬送方向の上流に向かうにしたがって上方へ傾斜するテ―パ形状となっている。これらのガイド部305e,306aは、カッターユニット300が矢印X2方向に戻るときに、切り残り側のシート1の端部をガイドする。これにより、主ホルダ305および上ホルダ306に対するシート1の端部と接触を回避、若しくは接触領域をシート1の端部の先端部分のみに抑えて、画像のプリント面の傷付きを抑制することができる。
(カッターユニットの交換)
図16は、カッターユニット300の交換時の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、プリント装置100の操作部(不図示)において、カッターユニット300の交換モードを選択されることにより、カッターユニット300がキャリッジ200と共に所定の交換位置まで移動される(ステップS1)。その交換位置は、使用者がカッターユニット300の交換しやすい作業位置であり、例えば、カッターユニット300の矢印X1,X2方向の移動領域の略中央位置などに設定される。次に、固定ネジ313を外してカッターユニット300を取り外し、それに代わる新規なカッターユニット300を、前述したように、キャリッジ200に位置決めしてから固定ネジ313によって固定する(ステップS2)。このようにカッターユニット300を交換してから、プリント装置100の操作部からの交換完了した旨の入力を待って、カッターユニット300の交換完了を確認する(ステップS3)。その後、キャリッジ200を矢印X1方向に移動させて(ステップS4)、その一部をカッターモータ103側の不図示のストッパに突き当てる。その突き当て時のカッターモータ103の負荷変動を検知することにより、その突き当て位置を確認する(ステップS5)。
このような突き当て時には、下記の理由によりベルト102の歯飛びが生じ難いため、カッターモータ103の負荷変動を確実に検知して、突き当て位置を正確に認識することができる。前述したように、ベルト102の両端部、つまりモータプーリ107側の一端部、およびテンショナプーリ108側の他端部は、それぞれキャリッジホルダ202のベルト挿入部202aに連結されている。ベルト102は、その一端部とモータプーリ107との間の部分の長さが比較的短く、その他端部とモータプーリ107との間の部分の長さは、テンショナプーリ108を通して折り返されているため比較的長い。キャリッジ200を矢印X1方向に移動させてストッパに突き当てる際には、ベルト102における前者の短い部分がカッターユニット300を引っ張るため、その部分の伸び量が小さく、モータプーリ107との間における歯飛びが生じ難い。仮に、キャリッジ200を矢印X2方向に移動させて、テンショナプーリ108側の不図示のストッパに突き当てた場合には、ベルト102における後者の長い部分がカッターユニット300を引っ張ることになる。そのため、その長い部分の伸び量が大きく、モータプーリ107との間における歯飛びが生じやすくなる。
ステップS5にて突き当て位置を確認した後、その突き当て位置を基準として、エンコーダ104の出力信号(パルス信号)に基づく位置制御によりキャリッジ200を矢印X2方向に移動させて、それを待機位置P1に位置させる(ステップS6)。そして、待機位置P1に備わる待機位置センサ106によって、カッターユニット300のセンサフラグ部305fが検知されたか否かを判定する(ステップS7)。それが検出された場合には、カッターユニット300が正しく交換されたと判断して一連の処理を終了する。一方、それが検出されなかった場合には、カッターユニット300が正常に取り付けられていない、またはキャリッジ200の移動動作が正常ではない、と判断し、その判断内容を使用者に報知するなどのエラー処理をする(ステップS8)。
(ユニット構成)
切断装置5におけるキャリッジ200とカッターユニット300は、それぞれユニット化されていて互いに着脱可能である。可動刃301,302は、ユニット化されたカッターユニット300に備えられているため、可動刃301,302の磨耗等により、その交換が必要となった場合には、カッターユニット300を交換するだけでよい。仮に、キャリッジ200とカッターユニット300がユニット化されてなくて、可動刃301,302が切断装置5に組み付けられていた場合には、切断装置5を分解しなければ可動刃301,302を交換することができず、極めて面倒となる。特に、切断装置5がプリント装置100などの装置に組み込まれている場合には、可動刃301,302の交換は極めて面倒となる。
前述したように、回転力を出力するキャリッジ200側の出力部209a、および、その回転力を入力するカッターユニット300側の入力部310aは、下可動刃302の回転力の伝達機能と、カッターユニット300の位置決め機能と、を兼有する。これにより、キャリッジ200およびカッターユニット300の小型化を図ることができ、特に、カッターユニット300の小型化により、それが取り扱いやすくなり、それを交換する際の作業性が大幅に向上する。
(切断動作)
次に、図17,図18,および図19を参照して切断動作について説明する。図17は、プリント開始から切断終了までの構成を説明するためのフローチャート、図18(A),(B),(C)は、幅の短いシートを短冊状に切断する工程の説明図である。図19(A),(B)は、図18(C)の切断工程の段階におけるカッターユニット300を矢印XIX方向から視た模式図である。
図17のフローチャートは、シート1に画像をプリントするプリント工程(ステップS311からS14)と、画像がプリントされたシート1を切断する切断工程(ステップS21からS28)と、に分けられる。
まず、プリント工程において、プリント制御部(図2参照)430から送信されたプリントジョブ、および動作信号に基づいて、プリントヘッド2がキャリッジ3と共に往動または復動して、1ライン分の画像をプリントする(ステップS11)。このようなプリントヘッド2の往動または復動の際に、キャリッジ3に搭載された紙端センサ(端部位置検知部)12によって、シート1の端部(紙端)1a,1bの位置を検出する(ステップS12)。つまり、紙端センサ12は、キャリッジ3と共に、カッターユニット300の移動方向に沿って移動することによってシート1の端部1a,1bの位置を検出する。端部1aは、ホームポジション側のシート1の端部(第1端部)であり、端部1bは、バックポジション側(図18中左側)のシート1の端部(第2端部)である。その後、シート1を所定量だけ搬送方向(矢印Y方向)に搬送してから(ステップS13)、次の1ライン分の画像のプリントに備える。実行されていないプリントジョブが残っていて、プリントが終了していないときには、ステップS14からステップS11に戻って、ステップS11からS14の処理を繰り返す。プリントジョブが全て実行されたときには、シート1切断可能な位置まで所定量搬送して(ステップS21)、次の切断工程に移行する。
切断工程においては、シート1の切断が要求されているか否かを判定する(ステップS22)。切断が要求されていない場合には、シート1を切断せずに矢印Y方向に所定量だけ搬送し(ステップS29)、そのシート1にプリントされた画像がプリント装置の外部から視認可能な位置においてシート1の搬送を停止する。そして、一連のプリント工程および切断工程を終了する。
一方、シート1の切断が要求されている場合には、矢印X1方向のカッターユニット300の移動と伴ってシート1を切断した後に矢印X2方向に反転移動するときの反転位置P2を決定する(ステップS23)。その反転位置P2は、ステップS12にて検知されたシート1のバックポジション側端部1bの矢印X1方向に関しての位置に、第1の反転補助長H1(図19(A))もしくは第2の反転補助長H2(図19(B))を加算することによって算出する。これらの補助長H1,H2は、それぞれ個々のカッターユニット300における固有の値である。第1の補助長さH1は、図19(A)のように、カッターユニット300反転時に、切断点309と、切断されたシート1の後端を押し出す押出し部305dと、の間に、シート1のバックポジション側の端部1bが位置するような値に設定されている。第2の補助長H2は、図19(B)のように、カッターユニット300反転時に、シート1のバックポジション側の端部1bが押出し部305dから外れるような値に設定されている。
補助長H1,H2のいずれを用いて反転位置P2を決定するかは、シートの幅(切断長さ)に応じて選択する。通常は、短い方の補助長H1が設定されており、この補助長H1を用いることにより切断時間を最短にすることができる。シートの種類によっては、それを保護する必要がある場合には、シート切断後のカッターユニット300が矢印X2方向に戻るときに、切断されたシートの部分がカッターユニット300と接触しないように、長い方の補助長をH2に設定することができる。さらに、シートが、端部の検出ができない透明フィルム等である場合、あるいはシートの端部の検知を意図的に実施しない場合には、反転位置P2として、カッターユニット300の矢印X1方向の最大移動位置を決定することができる。その最大移動位置は、例えば、切断可能な最大シートのバックポジション側の端部1cに対応する反転位置とすることができる。このような反転位置P2は、シートの種類および端部位置の情報に基づいて自動的に決定することができる。また、不図示の操作部によって、使用者が所望の反転位置P2を選択的に切り替えることも可能である。
反転位置P2の決定後は、図18(A),(B)のように、カッターユニット300を待機位置P1から矢印X1方向に移動させることによって(ステップS23)、シート1を切断する。シート1は、カッターユニット300の切断点309の移動軌跡に沿って、切断線CLを描くように切断される。前述したように、予め、エンコーダ104の出力パルス数と、カッターユニット300の移動量と、の関係が分かっているため、エンコーダ104の出力パルス数を計数することによって、カッターユニット300の移動量および現在位置が分かる。したがって、エンコーダ104は、カッターユニット300の移動位置を検知するための移動位置検知部を構成する。エンコーダ104の出力パルス数に基づいて、カッターユニット300が図18(C)のように反転位置P2に到達したと判定したときに、カッターユニット300を反転させて矢印X2方向に戻す(ステップS25,S26)。そして、カッターユニット300のセンサフラグ部(図5参照)305fが待機位置センサ(図3参照)106によって検知された後、エンコーダ104が所定数のパルスを出力してからカッターユニット300を停止させる(ステップS27,S28)。これにより、カッターユニット300は待機位置P1に停止する。
このように、シート1の端部1bからシート1の外側に、所定距離離れた位置、つまり補助長H1またはH2だけ離れた位置が反転位置P2として設定され、その反転位置をP2を越えないようにカッターユニット300が移動する。
本例においては、エンコーダ104の出力パルス数を計数することによってカッターユニット300の位置を認識するが、別の方法によって、カッターユニット300の位置を把握することもできる。例えば、カッターモータ103として、入力パルス数に対応した分だけモータ軸が回転するパルスモータを用い、その入力パルス数に基づいてカッターユニット300の位置を認識することができる。あるいは、カッターモータ103として、所定の電圧の印加時間に比例した分だけモータ軸が回転するモータを用い、その印加時間に基づいてカッターユニット300の位置を把握することもできる。
また本例においては、切断動作の直前のプリント動作(スキャン)時に紙端センサ12によって検知されたシート端部の位置に基づいて、カッターユニット300の反転位置P2を決定する。しかし、切断動作の直前のプリント動作よりも数スキャン前のプリント動作時に、紙端センサ12によって検知されたシートの端部の位置に基づいて、つまり、過去のシート端部の位置情報に基づいて、カッターユニット300の反転位置P2を決定してもよい。例えば、距離L1(図18(B))と搬送長さL2との関係から、反転位置P2を決定することができる。距離L1は、紙端センサ12によるシート1の端部の検知位置と、切断線CL上の切断位置と、の間の矢印Yの搬送方向における距離であり、搬送長さL2は、先のプリント動作と次のプリント動作の間におけるシート1の搬送長さである。例えば、距離L2が50mm、搬送長さL2が10mmの場合、今回の切断動作時に用いるシート端部の位置は、5回前のプリント動作時に検知されたシート端部の位置となる。これにより、シート1の切断位置におけるシート端部位置に基づいて、反転位置P2より正確に決定することができる。また本例においては、記録動作時に、プリントヘッド2のキャリッジ3に搭載した紙端センサ12を用いてシート端部を検知するが、シート端部の検知方法は本例の構成のみに限定されず任意である。要は、シート1の端部を検知することができればよい。
このように本例においては、切断動作の直前の記録動作時、もしくは、それよりも前の記録動作時に検知したシート端部の位置情報に基づいて、カッターユニット300の反転位置P2を決定する。このような反転位置P2までシート1を切断することにより、シート1の搬送中における斜行、および温湿度の変化によるシート1の膨張の影響などを考慮した位置にて、シート1を切断することができる。よって、シート1の切断不良を起こすことなく、それを最短時間で切断することができる。
(シートの切断片の挙動)
図20から図23は、シート1を短い長さに切断した際の切断片(短冊状のシート片)1dの挙動の説明図である。
図20は、シート1を切断し始めるときのカッターユニット300の斜視図である。カッターユニット300には、前述したように、支持部305c1,305c2および押出し部305dが設けられている。支持部305c1には、シート1の裏面を支持する支持面(第1支持面)がシート1の面と略平行に設けられている。支持部305c2には、シートの裏面を支持する支持面(第2支持面)が矢印Yの搬送方向に沿って延在するように形成されており、図20のように、その支持面はシート1を持ち上げるように傾斜している。押出し部305dは、切断1d片を搬送方向(矢印Y方向)の下流側に押して排出しやすくする。支持部305c1の支持面、および支持部305c2の傾斜する支持面は連続して形成されており、それらの支持面が交差する交点305c3は、切断点309の切断方向(矢印X1方向)の下流側に位置する。支持部305c1の支持面、および支持部305c2の支持面は連続していなくてもよく、この場合には、それらの支持面を延長した面が交点305c3において交差すればよい。
図21および図22は、カッターユニット300によってシート1を切断した際の切断片1dの挙動の説明図である。図21(A)は切断前の状態、図21(B)は、切断片1dの一部分がシート1から離された切断途中の状態、図21(C)は、図21(B)の状態から切断片1dの切断が少し進んで切断片1dが自重で折れた切断途中の状態をそれぞれ示す。図22(A)、図22(B)、図22(C)は、それぞれ、図21(A)、図21(B)、図21(C)におけるカッターユニット300とシート1を矢印XXIIA、XXIIB、XXIIC方向から視た側面図である。図23は、カッターユニット300によってシート1が切断された終えた状態を示す。
カッターユニット300の支持部305c1,305c2が切断片1dの裏面を支持することにより、その切断前および切断後において、シート1の巻き癖による切断片1dの挙動が抑制されて、それが安定する。カッターユニット300の矢印X1方向の移動に伴って、切断点309がシート1のホームポジション側の端部1aを通過してから、徐々にシート1から切断片1dが切り離される。この切断片1dは、カッターユニット300の交点305c3を通過してから支持部305c2にガイドされることにより、シート1の先端1fにおける多少の巻き癖を残したまま、上方に持ち上げられる(図21(B)、図22(B))。支持部305c2が切断片1dの裏面を支持することにより、切断片1dの巻き癖は抑制されるものの、切断片1dには多少の巻き癖が残っている。そのため切断片1dは、ある長さ分だけ切断されるまでは折れない。
さらに切断片1dの切断が進行することにより、図21(C)および図22(C)のように、切断片1dは、その自重が増大して、曲げ応力が最大となる支持部305c2の端部付近の部分(屈曲部)1gにおいて屈曲する。切断片1dは、先端1fに多少の巻き癖が残るものの、その断面がほぼ水平であるため、屈曲によってほぼ真下に垂れ下がり、ガイドレール101内には入らない。
さらに切断片1dの切断が進行して、その切断が終わったときに、カッターユニット300は反転位置、例えば、切断点309と押出し部305dの間にシート1のバックポジション側の端部1bが位置する反転位置にて停止する。その際、切断片1dは、カッターユニット300の押出し部305dによって搬送方向下流側に押し出される。これにより、切断片1dが支持部305c2の端部に引っ掛かることなく排紙ガイドに落下して、切断片1dの排出が完了する。
シートの種類あるいは画像のプリント条件(記録濃度等)によっては、図23のように、切断片1dが支持部305c2の端部に引っ掛かるおそれがある。このような状態のまま、カッターユニット300を矢印X2方向に移動させて待機位置に戻した場合には、切断片1dが再度、切断点309を通過して、再度切断(2度切り)されるおそれがある。しかし本例においては、切断片1dは、その切断が終わる際に、押出し部305dによって搬送方向下流側に押し出されているため、切断片1dは切断点309から離れている。この結果、カッターユニット300が待機位置へ戻るときに、切断片1dが再度切断される切断不良の発生を抑制することができる。
このように本例においては、カッターユニット300に、切断片1dの裏面を支持する略平面の支持部305c1,305c2と、切断片1dを押し出す押出し部305dを設けることにより、切断片1dの挙動を安定化させることができる。よって、シート1か短い長さの切断片1dを切断した場合にも、切断不良の発生を抑制して、それを正常に排出することができる。支持部305c2は、切断片1dの裏面を支持できる構成であればよく、上述したような上方に傾斜した面を形成する構成のみに特定されない。例えば、支持部305c2は、支持部305c1と同様な水平な面、あるいは下方に傾斜する面を形成する構成であってもよく、この場合にも同様の効果を得ることができる。
(比較例)
上述したように、短い長さの切断片1dを切断する際に切断不良を発生させないためには、支持部305c1,支持部305c2が機能することが重要である。以下においては、比較例として、支持部305c1,305c2が設けられていないカッターユニット320を用いた場合の、切断片1dの挙動について説明する。
図24は、シート1を切断し始めるときのカッターユニット320の斜視図である。カッターユニット320には、支持部305c1,305c2のような切断片1dの裏面を支持する支持部が設けられていないため、シート1の巻き癖を抑制することができず、先端1f付近の巻き癖は強い。
図25および図26は、カッターユニット320によってシート1を切断した際の切断片1dの挙動の説明図である。図25(A)は切断前の状態、図25(B)は、切断片1dの一部分がシート1から離された切断途中の状態、図25(C)は、図25(B)の状態から切断片1dの切断が少し進んで切断片1dが自重で折れた切断途中の状態をそれぞれ示す。図26(A)、図26(B)、図26(C)は、それぞれ、図25(A)、図25(B)、図25(C)におけるカッターユニット320とシート1を矢印XXVIA、XXVIB、XXVIC方向から視た側面図である。
カッターユニット300の矢印X1方向の移動に伴って、切断点309がシート1のホームポジション側の端部1aを通過してから、徐々にシート1から切断片1dが切り離される。この切断片1dは、傾斜部321の斜面にガイドされることにより、シート1の先端1fにおける巻き癖を残したまま、上方に持ち上げられる(図25(B)、図26(B))。切断片1dは、巻き癖が残っているため、ある長さ分だけ切断されるまでは折れない。
さらに切断片1dの切断が進行することにより、図25(C)および図26(C)のように、切断片1dは、その自重が増大して、曲げ応力が最大となる傾斜部321の端部付近の部分(屈曲部)1gにおいて屈曲する。切断片1dは、先端1fを垂れ下げる強い巻き癖が残るため、屈曲したときに真下に垂れ下がることができず、屈曲しやすい斜めの方向に垂れ下がる。そのため、切断片1dはガイドレール101内に入り込みやすくなる。
このように、カッターユニット300には、切断点309の付近にシート1を裏面から支持する面がないため、切断片1dがガイドレール101内に入り込みやすくなる。そのため、カッターユニット320が戻る際に、切断片1dが再度切断される切断不良が発生しやすい。
(第2の実施形態)
前述した第1の実施形態においては、紙端センサ12によって検出されたシーと1のバックポジション側の端部1bの位置情報に基づいて、カッターユニット300の反転位置P2を決定した。第2の実施形態においては、さらに、シート1のホームポジション側の端部1aの位置情報をも考慮する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素に関しては、同一符号を用いて、その説明は省略する。
以下、図27から図29を参照して、第2の実施形態における切断動作について説明する。図27は、プリント開始から切断終了までの構成を説明するためのフローチャート、図28(A),(B),(C)は、幅の短いシートを短冊状に切断する工程の説明図である。図29は、後述する待機位置P3からの切断開始の段階におけるカッターユニット300を図28(A)中の矢印XIX方向から視た模式図である。
図27のフローチャートは、シート1に画像をプリントするプリント工程と、画像がプリントされたシート1を切断する切断工程と、に分けられる。前述した実施形態における図17のフローチャートとの相違点は、プリント工程(ステップS11からS14)中に移動工程(ステップS31からS34)を追加した点である。この移動工程は、切断工程(ステップS21からS28)の前に、カッターユニット300を待機位置P1とは別の待機位置P3へ移動させる工程である。本例においては、このような移動工程をプリント工程の中に追加して、ステップS13にてシート1を所定量搬送した後に、移動工程を実行する。しかし、これに限定されることはなく、ステップS13におけるシート1の所定量の搬送と同時に移動工程を実行してもよく、また、切断工程の前に移動工程を実行してもよい。
移動工程においては、まず、カッターユニット300の待機位置P3を決定する(ステップS31)。待機位置P3は、図29のように、ステップS12において検知したシート1のホームポジション側端部1aの矢印Z1方向に関しての位置から、待機補助長H3を差し引くことにより算出する。この補助長H1の値は、個々のカッターユニット300における固有の値であり、シート1の搬送動作においてシート1がカッターユニットと干渉しない程度に、極力小さくすることが望ましい。
待機位置P3の決定後は、カッターユニット300を待機位置P3に位置させるように、図28(A)のように、カッターユニット300を矢印X1方向またはX2方向に移動させる(ステップS32)。図28(A)のようにカッターユニット300が待機位置P3に到達したときに、それを停止させてから(ステップS33,S34)、ステップS14に移行する。実行されていないプリントジョブが残っていて、プリントが終了していないときには、ステップS14からステップS11に戻って、ステップS11からS14の処理を繰り返す。すなわち、1ライン分の画像のプリント、シート端部の検知、およびシート1の所定量の搬送(ステップS11からS13)の後に、待機位置P3の決定、およびカッターユニット300の待機位置P3への移動(ステップS31からS34)を再度実行する。
本例において、カッターユニット300の待機位置P3への移動は、記録動作が終了するまで、シート端部の検知(ステップS12)を行う度に毎回実行される。しかし、シート端部の検知を数回行う毎に、カッターユニット300を待機位置P3へ移動させてもよい。また、今回のシート端部の検知位置と、前回のシート端部の検知位置と、の差が所定値を超えた場合に、カッターユニット300を待機位置P3へ移動させるようにしてもよい。
プリントジョブが全て実行されたときには、シート1切断可能な位置まで所定量搬送してから(ステップS21)、次の切断工程に移行する。
切断工程においては、シート1の切断が要求されているか否かを判定する(ステップS22)。シート1の切断が要求されている場合には、前述した第1の実施形態の場合と同様に、反転位置P2を決定する(ステップS22,S23)。反転位置P2の決定後は、図28(B)のように、カッターユニット300を待機位置P1から矢印X1方向に移動させることによって(ステップS23)、シート1を切断する。シート1は、カッターユニット300の切断点309の移動軌跡に沿って、切断線CLを描くように切断される。前述した第1の実施形態の場合と同様に、エンコーダ104の出力パルス数に基づいて、カッターユニット300が図28(C)のように反転位置P2に到達したか否かを判定する(ステップS25)。カッターユニット300が反転位置P2に到達したときには、カッターユニット300を反転させて矢印X2方向に戻す(ステップS26)。そして、カッターユニット300のセンサフラグ部(図5参照)305fが待機位置センサ(図3参照)106によって検知された後、エンコーダ104が所定数のパルスを出力してからカッターユニット300を停止させる(ステップS27,S28)。これにより、カッターユニット300は待機位置P1に停止して、一連の記録工程と切断工程が終了する。
このように本実施形態においては、キャリッジ3に搭載した紙端センサ12によって検知したシート端部の位置情報に基づいて、カッターユニット300の待機位置P3および反転位置P2を決定する。したがって、シート1の搬送中における斜行、および温湿度の変化によるシート1の膨張の影響などを考慮した位置にて、シート1を切断することができる。よって、シート1の切断不良を起こすことなく、それを最短時間で切断することができる。
(他の実施形態)
シートを切断する切断装置の刃の構成は、2つの回転する可動刃(回転刃)を用いる構成のみに限定されず、シートとの相対移動を伴って、そのシートを切断できる構成であればよい。例えば、上下に移動する可動刃、固定刃、および可動刃と固定刃の組み合わせを用いる構成などであってもよく、また刃は1つであってもよい。また、切断装置は、プリント装置の他、シートを扱う種々の装置に組み込むことができる。
1 シート
1a 端部(第1端部)
1b 端部(第2端部)
5 切断装置
12 紙端センサ(端部位置検知部)
200 キャリッジ
300 カッターユニット
301,302 可動刃
305d 押出し部
305c1,305c2 支持部
309 切断点(切断部)
P1,P3 待機位置
P2 反転位置
Y 搬送方向

Claims (7)

  1. シートを搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されたシートに画像をプリントするプリントヘッドと、
    前記搬送方向において前記プリントヘッドの下流側に配され、シートを切断部で切断する切断手段と、
    シートを切断する際に前記搬送方向と交差する切断方向において、シートの第1端部の側から第2端部の側まで前記切断手段を移動させる移動手段と、
    前記切断手段前記切断部に対して前記搬送方向の下流側でかつ前記切断部に対して前記切断方向の後方側に形成され、前記切断手段が前記移動手段によって前記切断方向に移動する際にシートから切断され切断片を支える後方側支持面と、を備えるプリント装置であって、
    前記切断手段は、前記後方側支持面に対して前記切断方向の後方側でかつ前記後方側支持面よりも上側に設けられ前記切断手段がシートを切断するために前記切断方向に移動するときに、前記切断片が支持される状態を維持することなく、前記搬送方向の下流側に前記切断片を押出す押出し部を有することを特徴とするプリント装置。
  2. 前記切断手段がシートを切断して前記第2端部の側に移動した際に、当該第2端部が前記切断部と前記押出し部との間にあることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記切断手段は、前記切断部に対して前記搬送方向の下流側で、かつ前記切断部に対して前記切断方向の前方側に形成されてシートを支える前方側支持面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント装置。
  4. 前記前方側支持面は、画像をプリントするシートの面と略平行であり、
    前記後方側支持面は、前記切断方向の後方側が前方側に対して高いことを特徴とする請求項3に記載のプリント装置。
  5. 前記前方側支持面と前記後方側支持面は連続していることを特徴とする請求項3または4に記載のプリント装置。
  6. 前記前方側支持面と前記後方側支持面のそれぞれを延長した面は、前記切断部に対して前記切断方向の後方側において交差することを特徴とする請求項3または4に記載のプリント装置。
  7. シートの端部の位置を検知する検知手段を備え、
    前記移動手段は、前記検知手段によって検知された前記第1端部の位置と前記第2端部の位置とに対応する範囲で、シートを切断する際に前記切断手段を移動させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のプリント装置。
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