JP6711407B2 - イオンガイド及び質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、四重極イオンガイド等の多重極のイオンガイドに関し、該多重極のイオンガイドを備えた質量分析装置に関する。
質量分析装置では、イオン化室に設けられたイオン源において試料からイオンを生成し、これをイオン化室の下流に位置する質量分析部に輸送し、そこで質量電荷比に応じて分離して質量電荷比毎の強度を測定する。図1に、代表的な質量分析装置の1つであるシングル四重極質量分析装置の概略構成を示す。この四重極質量分析装置は、イオン源101、イオンを質量電荷比に応じて分離するメインロッド106、アパーチャ板107、及び検出器108を備えている。また、イオン源101とメインロッド106の間には、イオン源101で生成されたイオンを収束させるためのイオンレンズ102、104や、収束されたイオンをメインロッド106に輸送するためのイオンガイド103、105が設けられている。メインロッド106の上流に配置されるイオンガイド105はプリロッドとも呼ばれる。
イオンガイド103やプリロッド105は、四重極ロッド電極等の多重極ロッド電極から成る。図2は、その一例として四重極ロッド電極からなるイオンガイド103の断面図である。このイオンガイド103は、イオン源101からメインロッド106に向かうイオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸Cを取り囲むように等間隔に配置された4本のロッド電極103a〜103dを有する。各ロッド電極には高周波電圧のみ、あるいはこれに直流電圧を重畳した電圧が印加される。隣接して位置するロッド電極には位相が反転した高周波電圧(±VcosΩt)が印加される。直流電圧(U)は全てのロッド電極に共通である。
これらのロッド電極に囲まれた空間を通過可能なイオンの質量電荷比は、各ロッド電極に印加される電圧によって決まる。これらの関係は、以下のイオン運動方程式(マシュー方程式)で表される(例えば非特許文献1)。
d2x/dt2=-(2Zex/mr0 2)×(U-VcosΩt)
d2y/dt2=+(2Zey/mr0 2)×(U-VcosΩt)
ここで、Uは直流電圧の大きさ、Vは高周波電圧の振幅値、mはイオンの質量、r0はロッド電極の内接円半径、Ωは高周波電圧の周波数、eは素電荷、(x, y, z)は時間tにおけるイオンの位置(ロッド電極の長手方向がz軸)である。また、Zはイオンの価数である。
上記マシュー方程式を解くことにより、以下の2つのパラメータa, qが得られる。
ax=ay=8ZeU/mr0 2Ω2
qx=qy=4ZeV/mr0 2Ω2
図3は、マシュー方程式の解から得られる、イオンの安定条件を示す安定領域図である。安定領域は、パラメータa, qを2軸とする領域として表される。ある質量電荷比のイオンがロッド電極で囲まれ四重極電場が形成された空間を移動する際に、その質量電荷比に対応する座標(a, q)が図3に示す安定領域内であれば該空間を通過することができ、領域外であればイオンは該空間で発散し通過することはできない。イオンガイド103やプリロッド105では、広い質量電荷比範囲のイオンを通過させてメインロッド106に輸送するために、q軸方向の安定領域の範囲が最も広いa=0(直流電圧U=0)において、測定対象範囲の質量電荷比を有するイオンを安定領域内に位置させるようにqの値(高周波電圧振幅V)を決定する。なお、安定領域は複数存在するが、図3には最も広く用いられている第一安定領域を示している。
Peter H. Dawson, "Quadrupole Mass Spectrometry and Its Applications", AVS Classics in Vacuum Science and Technology (1995): P9-20, 95-119 Nikolai Konenkov, Frank Londry, Chuanfan Ding and D. J. Douglas, "Linear Quadrupoles with Added Hexapole Fields", Journal of the American Society for Mass Spectrometry 17, 1063 (2006)
イオンガイド103やプリロッド105を通過させる質量電荷比の範囲内には、分析対象イオンだけでなく不所望のイオン(妨害イオン)が含まれることがあり、その場合には妨害イオンも下流のメインロッド106に輸送される。例えば、イオン源101として、アルゴンガスの誘導結合プラズマにより試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源を備えた質量分析装置(誘導結合プラズマ質量分析装置。ICP-MS)では、原子イオンだけでなく、アルゴンイオンや、原子イオンにアルゴンが付加したイオン(アルゴン付加イオン)も大量に生成される。生成されたアルゴン付加イオンは、分析対象イオンとともにメインロッド106で質量分離された後、検出器に入射する。
質量分析装置において用いられる代表的な検出器の1つにマイクロチャンネルプレート(MCP: Micro Channel Plate)検出器や二次電子増倍管(SEM:Secondary Electron Multiplier)がある。例えば、誘導結合プラズマイオン源とMCP検出器を備えたICP-MSでスキャン分析を行うと、アルゴンイオンや、アルゴン付加イオンがMCP検出器に大量に入射して検出器内部に大電流が流れて飽和状態になり、その後にMCP検出器に入射するイオンを測定できない時間(不感時間)が発生してしまうという問題があった。
ここでは、具体的な一例として誘導結合プラズマイオン源及びMCP検出器を備えた質量分析装置を挙げたが、その他、例えば、液体クロマトグラフと組み合わせて用いられる質量分析装置においても、液体クロマトグラフの移動相から生成される、特定の質量電荷比を有するイオンが大量に生成され、上記同様の問題が生じていた。
本発明が解決しようとする課題は、特定の質量電荷比を有する妨害イオンの影響を低減することができるイオンガイド、及びそのようなイオンガイドを備えた質量分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様に係る質量分析装置は、
誘導結合プラズマにより試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源と、
前記誘導結合プラズマイオン源で生成されたイオンが導入されるイオンガイドであって、該イオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸を取り囲むように等間隔に配置された2n本(nは2以上の整数)の円形断面を有するロッド電極を有するイオンガイドと、
前記イオンガイドを通過したイオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部と、
前記質量分離部において分離されたイオンを検出する、マイクロチャンネルプレート検出器又は二次電子増倍管を有するイオン検出部と、
使用者による入力に基づいて、該イオンガイドから排除するイオンの質量電荷比を設定する分析条件設定部と、
前記2n本のロッド電極に高周波電圧を印加する電圧印加部と、
前記電圧印加部を制御する制御部であって、前記2n本のロッド電極で囲まれた空間に、2n重極電場に該2n重極電場よりも高次の電場成分を重畳した電場を形成する高周波電圧を前記2n本のロッド電極に印加する制御部と
を備え、
前記高次の電場成分が、前記分析条件設定部により設定された質量電荷比のイオンを該空間から排除するものである。
前記ロッド電極は、柱状電極であってもよく、あるいは柱状電極を長手方向に複数に分割した分割ロッド電極や、複数の板状電極をイオン光軸方向に並べた仮想ロッド電極であってもよい。前記2nは典型的には4(n=2)であり、その場合には、4本のロッド電極で囲まれた空間に、四重極電場に該四重極電場よりも高次の電場成分を重畳した電場を形成する。前記四重極電場よりも高次の成分とは、例えば六重極電場や八重極電場である。例えば、事前にシミュレーションを行い、2n本のロッド電極に印加する高周波電圧を個別に決めておくことにより、このような電場を形成することができる。
上記のとおり、本発明に係る質量分析装置では、2n本のロッド電極で囲まれた空間に、2n重極電場に該2n重極電場よりも高次の電場成分(ハーモニクス成分)を重畳した電場を形成する。このような多重極電場のポテンシャルΦは、次式で表される。
Φ(r, Θ)=ΣKm・(r/R)m・cos(mΘ)
ここで、rは極座標系の径方向の位置、θは極座標系の角度、Σはmについての総和、mは多重極場(ハーモニクス成分)の次数、Kmは2m重極場のハーモニクス成分、Rはロッド電極の内接円半径である。従来の四重極イオンガイドにおいて形成される四重極電場では、m=2以外の各項はm=2と比べて無視できるほど小さい。
以下、理解を容易にするため、n=2の場合、つまり4本のロッド電極を用いる場合を例に挙げて説明する。このとき、次数mが3以上であるハーモニクス成分が存在すると、マシュー方程式の解から得られる安定領域内にハーモニクス共鳴線が現れる(例えば非特許文献1)。安定領域内であってもハーモニクス共鳴線上の点に対応する質量電荷比を有するイオンは発散するため、当該イオンの透過率は大きく低下する。図4に、次数mが3, 4, 6(6, 8, 12重極成分に相当)であるハーモニクス成分が存在する場合の安定領域図を示す。図中の破線は3次の共鳴線、一点鎖線は4次の共鳴線、二点鎖線は6次の共鳴線である。また、図中の黒丸は、これら共鳴線とa=0の交点である。質量電荷比が既知である妨害イオンのq値がこの交点に一致するように、イオンガイドへの印加電圧を決定する。これにより、特定の質量電荷比を有する妨害イオンをイオンガイド内で発散させ、該イオンガイドの下流に導入される妨害イオンの量を低減することができる。なお、共鳴線上であればa=0との交点以外の点に妨害イオンのq値を一致させてもよい。つまり、上記高周波電圧に直流電圧を重畳した電圧を各ロッド電極に印加するようにしてもよい。
上記第1の態様では、イオン光軸周りに等間隔に配置された2n本のロッド電極に印加する高周波電圧をシミュレーション等に基づいて決めることにより、イオン飛行空間に2n重極電場よりも高次の電場を重畳した電場を形成する。非特許文献2に記載されているように、このような電場は、2n本のロッド電極の位置を理想的な2n重極電場を形成する位置から少しずつずらしてイオン光軸の周りに非等間隔で配置する、及び/又は少なくとも1本のロッド電極の断面形状が他のロッド電極と異なるような2n本のロッド電極を用いることによっても形成することもできる。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係るイオンガイドの第2の態様に係る質量分析装置は、
誘導結合プラズマにより試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源と、
前記誘導結合プラズマイオン源で生成されたイオンが導入されるイオンガイドであって、該イオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸を取り囲むように配置された2n本(nは2以上の整数)の円形断面を有するロッド電極であって、少なくとも1本のロッド電極の断面の径が他のロッド電極と異なる2n本のロッド電極を有するイオンガイドと、
前記イオンガイドを通過したイオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部と、
前記質量分離部において分離されたイオンを検出する、マイクロチャンネルプレート検出器又は二次電子増倍管を有するイオン検出部と、
使用者による入力に基づいて、該イオンガイドから排除するイオンの質量電荷比を設定する分析条件設定部と、
前記2n本のロッド電極に高周波電圧を印加する電圧印加部と、
前記電圧印加部を制御する制御部であって、前記イオン光軸周りに隣接配置されたロッド電極間に位相が反転した高周波電圧を印加させる制御部と
を備え、
前記2n本のロッド電極により囲まれた空間に、前記分析条件設定部により設定された質量電荷比のイオンを該空間から排除する、2n重極電場よりも高次の電場成分を含む電場が形成されるものである。
上記第2の態様においても、上記第1の態様と同様に、特定の質量電荷比を有する妨害イオンをイオンガイド内で発散させ、該イオンガイドの下流に導入される妨害イオンの量を低減することができる。
また、本発明に係る質量分析装置は、
a) 試料からイオンを生成するイオン源と、
b) 前記イオン源で生成されたイオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部と
を備えた質量分析装置であって、
前記イオン源と前記質量分離部の間に前記第1の態様又は前記第2の態様のイオンガイドが配置されていることを特徴とする。
本発明に係るイオンガイドや質量分析装置を用いることにより、特定の質量電荷比を有する妨害イオンの影響を低減することができる。
シングル四重極質量分析装置の概略構成図。 イオンガイドの断面図。 四重極電場が形成された空間におけるイオンの安定条件を示す安定領域図。 四重極電場に該四重極電場よりも高次の電場を重畳した電場が形成された空間におけるイオンの安定条件を示す安定領域図。 本発明に係る質量分析装置の一実施例である誘導結合プラズマ質量分析装置の要部構成図。 本発明に係るイオンガイドにより特定の質量電荷比のイオンを排除することを説明する概念図。 高次ハーモニクス成分の次数及び四重極電場に対する比率と、イオン透過率の関係をシミュレーションした結果。 3次ハーモニクス成分を1.0%重畳した電場に対して、質量電荷比が40であるイオンが共鳴線上に位置するようにイオンガイドのq値を調整した場合の質量電荷比に対するイオン透過率のスペクトル。 3次ハーモニクス成分を1.0%含む場合の、イオン光軸と直交する断面における等電位線。 r/r0に対する各ハーモニクス成分の変化をシミュレーションした結果。 従来のロッド電極の配置からのずれの大きさに対する高次ハーモニクス成分の変化をシミュレーションした結果。 シミュレーションにより決定したロッド電極の断面形状と配置におけるイオンの安定領域。 3次ハーモニクス成分を1.0%重畳した電位分布(等電位線)。 図13の等電位線と一致する電場を形成するように該等電位線に内接する円筒ロッド電極の形状と配置を決定した結果。 別のシミュレーションにより決定したロッド電極の断面形状と配置におけるイオンの安定領域。
本発明に係るイオンガイド及び質量分析装置の一実施例について、以下、図面を参照して説明する。本発明に係るイオンガイドは、イオン源で生成されたイオンに含まれる、特定の質量電荷比を有する妨害イオンを排除するように構成されている点に特徴を有し、具体的には、イオンガイドによって囲まれた内部空間に、四重極電場と四重極よりも高次の電場を重畳した電場を形成し、四重極電場により形成されるイオンの安定領域に高次の電場成分により形成される高次ハーモニクスの共鳴線を重畳させ、該共鳴線上に前記特定の質量電荷比を位置させることによって妨害イオンを排除するという技術的思想に基づく。その実施形態には大別して2つの方法があり、1つは従来のものからロッド電極に印加する電圧を変更したもの、別の1つは従来のものからロッド電極の配置や形状を変更したものである。
本実施例の質量分析装置は、誘導結合プラズマを用いて試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源を備えた誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)である。この誘導結合プラズマ質量分析装置は、図5に示すように、大きく分けて、プラズマイオン化部10、質量分析部20、電源部30、及び制御部40で構成される。
プラズマイオン化部10は、試料ガスが流通する試料ガス管と、該試料ガス管の外周に形成されたプラズマガス管と、さらにその外周に形成された冷却ガス管とが内部に形成されたプラズマトーチ11、試料ガス管に液体試料を導入するオートサンプラ12、試料ガス管にネブライザガスを供給して液体試料を霧化するネブライザガス供給源13、プラズマガス(アルゴンガス)供給源14、及び冷却ガス管に冷却ガスを供給する冷却ガス供給源(図示なし)を備えている。
質量分析部20は、プラズマトーチ11の先端に対向する入口にスキマーが形成された第1真空室21と、該第1真空室21との間にスキマーが形成され内部に第1イオンレンズ221、イオンガイド222、第2イオンレンズ223が配置された第2真空室22と、プリロッド231とメインロッド232からなる四重極マスフィルタ、アパーチャ板233、及びマイクロチャンネルプレート(MCP)検出器234が配置された第3真空室23を備えている。イオンガイド222は、プラズマトーチ11で生成されMCP検出器234に向かうイオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸C(図中の一点鎖線)を取り囲むように等間隔で配置された、4本のロッド電極からなる。
電源部30は、プラズマイオン化部10と質量分析部20の各部に電圧を印加する。制御部40は、記憶部41のほかに、機能ブロックとして分析条件設定部42及び分析制御部43を備えている。制御部40の実体はパーソナルコンピュータであり、CPUにより所定のプログラム(質量分析用プログラム)を実行することにより上記の機能ブロックが具現化される。また、制御部40にはキーボードやマウスといった入力部50、及び液晶ディスプレイ等の表示部60が接続されている。
記憶部41には、イオンの質量電荷比ごとに、イオンガイド222を構成する4本のロッド電極にそれぞれ印加する電圧の情報が保存されている。具体的には、質量電荷比ごとに、該質量電荷比のイオンをイオンガイド222内で発散させイオンガイド222を通過させないような電場を形成する電圧情報が、事前のシミュレーションにより決定され保存されている。
イオン光軸Cを取り囲むように等間隔で配置された4本のロッド電極に対し、隣接する電極間に位相が反転した高周波電圧を印加すると該4本のロッド電極で囲まれた空間内に四重極電場が生成される。この四重極電場内を安定して飛行することが可能なイオンの質量電荷比は、4本のロッド電極に印加される高周波電圧の振幅に応じて異なる。また、高周波電圧に加えて、4本のロッド電極に共通の直流電圧を印加する場合には、4本のロッド電極で囲まれた空間を安定して飛行することが可能なイオンの質量電荷比は、直流電圧の大きさによっても変化する。
高周波電圧の振幅及び直流電圧の大きさと、4本のロッド電極で囲まれた空間を安定して飛行することが可能なイオンの質量電荷比の関係はマシュー方程式で表され、これを解くことにより得られる2つのパラメータa, qを2軸とする領域としてイオンの安定条件を示す安定領域図が得られる(図3)。イオンガイド222は広い質量電荷比範囲のイオンを通過させ下流側に位置する質量分離部に輸送するために用いられるため、通常は、q軸方向の安定領域の範囲が最も広いa=0(直流電圧U=0)において、測定対象範囲を包含する広い範囲の質量電荷比のイオンが安定領域内に位置するようにqの値(高周波電圧振幅V)を決定する。
本実施例では、4本のロッド電極で囲まれた空間に、四重極電場と該四重極電場よりも高次の電場成分(ハーモニクス成分)を重畳した電場を形成するような電圧を各ロッド電極に印加する。このような多重極電場のポテンシャルΦは、次式で表される。
Φ(r, Θ)=ΣKm・(r/R)m・cos(mΘ)
ここで、rは極座標系の径方向の位置、θは極座標系の角度、Σはmについての総和、mは多重極場(ハーモニクス成分)の次数、Kmは2m重極場のハーモニクス成分、Rはロッド電極の内接円半径である。
次数mが3以上であるハーモニクス成分が存在すると、マシュー方程式の解から得られる安定領域内に高次ハーモニクス共鳴線が現れる(例えば非特許文献1)。安定領域内であっても、この高次ハーモニクス共鳴線上の点に対応する質量電荷比のイオンは発散するため、当該イオンの透過率を大きく低下させることができる。
本実施例の誘導結合プラズマ質量分析装置では、測定対象である原子イオンだけでなく、アルゴンイオンや、原子イオンにアルゴンが付加したイオン(アルゴン付加イオン)も大量に生成される。アルゴンイオンやアルゴン付加イオンが大量にMCP検出器234に入射すると検出器内部に大電流が流れて飽和状態になり、その後にMCP検出器に入射するイオンを測定できない時間(不感時間)が発生してしまう。また、分析対象のイオンと妨害イオンの質量電荷比が近い場合、マススペクトル上で妨害イオンの大きなマスピークの裾が分析対象イオンのマスピークに重なり正確な定量が困難になる。そこで、本実施例ではこうした妨害イオンをイオンガイド222で排除する電場をイオンガイド222内に形成する。
本実施例の誘導結合プラズマ質量分析装置では、以下のような手順で分析を実行する。
使用者が入力部50を通じて分析条件の設定開始を指示すると、分析条件設定部42によって、表示部60に種々の分析条件を入力する画面が表示される。この分析条件のうちの1つが妨害イオンの質量電荷比である。入力する妨害イオンの質量電荷比は1つに限らず、複数であってもよい。
使用者が妨害イオンの質量電荷比の値を含む分析条件を入力し、続いて分析実行を指示すると、分析制御部43は、プラズマイオン化部10及び質量分析部20の各部に分析条件に応じた電圧を印加する。このとき、分析制御部43は、使用者により入力された妨害イオンの質量電荷比に対応する電圧情報を記憶部41から読み出し、イオンガイド222にその電圧を印加するよう電源部30を制御する。
図6は、本実施例における妨害イオンの排除に関する概念図である。誘導結合プラズマイオン源において、図6(a)に示すように、特定の質量電荷比を有する妨害イオンが大量に生成される場合を考える。本実施例では、上述のとおり、四重極電場に該四重極電場よりも高次の電場を重畳した電場を形成してイオンガイド222内で妨害イオンを発散させ、図6(b)に示すようなイオン透過特性を得る。これにより、図6(c)に示すように、イオンガイド222の下流側に位置するMCP検出器234に入射する妨害イオンの量を低減することができる。
ここで、四重極電場に重畳する電場の次数及びその重畳割合に関して本発明者が行ったシミュレーションの結果を説明する。図7は、上記高次ハーモニクス成分の次数及び四重極電場に対する比率と、イオン透過率の関係をシミュレーションした結果であり、a=0において、q値(質量電荷比に対応するパラメータ)に対するイオン透過率を求めたものである。図7(a)は3次のハーモニクス成分(六重極電場に相当)、図7(b)は4次のハーモニクス成分(八重極電場に相当)、図7(c)は6次のハーモニクス成分(十二重極電場に相当)に関するシミュレーション結果である。それぞれのハーモニクス成分について、四重極電場に対する重畳比率を0.1%、1.0%、10.0%の3種類としてイオン透過率を求めた。
図7(a)では、3次のハーモニクス成分の重畳比率を0.1%、1.0%としたときに、特定のq値(質量電荷比に対応)におけるイオンの透過率を低下させることができる。特に、重畳比率を1.0%にすると、特定のq値におけるイオンの透過率を大幅に低下させることができる。一方、重畳比率を10%とした場合には、複数のq値においてイオンの透過率が低下する。これは複数の質量電荷比のイオンの透過率が同時に低下することを意味する。妨害イオンの質量電荷比をこれらq値に一致させる、あるいは測定対象のイオンの質量電荷比がこれらq値に一致しないように高周波電圧の振幅を決定することができる場合には、重畳比率を10%にすることも有効である。
図7(b)では、4次のハーモニクス成分の重畳比率を1.0%としたときに、特定のq値におけるイオンの透過率を低下させることができる。一方、重畳比率が0.1%ではイオンの透過率に殆ど影響がなく、重畳比率を10%にすると連続する広い質量電荷比の範囲においてイオンの透過率が低下してしまう。つまり、妨害イオンだけでなく、妨害イオンと質量電荷比が近いイオンの透過率も低下してしまう。従って、4次ハーモニクスを重畳させる場合には重畳比率を1.0%程度にする必要がある。
図7(c)では、6次のハーモニクス成分の重畳比率を0.1%、1.0%としたときに、複数の特定のq値におけるイオンの透過率が低下する。図7(a)と同様に、重畳比率を0.1%としたときには透過率の低下はそれほど大きくないものの、透過率の落下カーブが急峻であり、質量電荷比の選択性が高い。重畳比率を1.0%にすると質量電荷比の選択性は少し悪くなるが、上記特定のq値近傍におけるイオンの透過率を大幅に低下させることができる。ただし、複数のq値で同時にイオンの透過率が低下するため、妨害イオンの質量電荷比をこれらq値に一致させる、あるいは測定対象のイオンの質量電荷比がこれらのq値に一致しないようにする必要がある。一方、図7(b)と同様に、重畳比率を10%にすると連続する質量電荷比範囲全体にわたってイオンの透過率が低下してしまう。
上記の結果から、3次のハーモニクス成分を1.0%重畳させる構成が最も有用であると考え、この構成についてさらに別のシミュレーションも行った。
図8は、3次のハーモニクス成分を1.0%重畳した電場について、質量電荷比が40であるイオンが共鳴線上に位置するように、イオンガイドのq値、つまり高周波電圧の振幅を調整したときの、質量電荷比に対するイオン透過率のスペクトルである。図8に示すとおり、質量電荷比40においてイオンの透過率が不連続に鋭く低下している。また、質量電荷比40の前後ではイオンの透過率が連続的に変化しており、質量電荷比の選択性が高く、隣接する質量電荷比のイオンにはほとんど影響がない。なお、質量電荷比が低い側で透過率が低くなっているのは、この領域の質量電荷比が安定領域の端部近傍に位置するためであり、高次ハーモニクス成分を重畳したこととは無関係である。
図9は、3次のハーモニクス成分を1.0%含む場合の、イオン光軸Cと直交する断面における等電位線である。これは、理想的な双極場に対して数%程度の非線形性を与えることにより得たものである。つまり、このような等電位線を有する電場を形成することができれば、質量電荷比が40の妨害イオンを選択的に排除することができる。
上述の例では、イオン光軸C周りに等間隔に配置された4本のロッド電極にそれぞれ印加する高周波電圧の振幅(及び直流電圧の大きさ)を決めることにより図9に示す電場を形成した。このような電場は、ロッド電極の配置や形状を従来のものから変更することによっても得ることができる。
本発明者は、以下に説明する2通りの方法により、3次ハーモニクス成分を1.0%含む電場を形成することができるロッド電極の配置及び形状に関するシミュレーションを行った。
1つ目の方法は、従来どおり、円筒形状のロッド電極をイオン光軸C周りに等間隔に配置した状態から、ロッド電極の形状と配置を少しずつずらしてゆき、それに伴う高次ハーモニクス成分の変化を確認するというものである。
まず、シミュレーションの初期配置(従来同様の四重極電場を形成する配置)を決定するために、円筒形状のロッド電極の断面の半径をr、イオン光軸Cからロッド電極までの距離をr0として(図10(a))、r/r0に対する各ハーモニクス成分の変化をシミュレーションした。図10(b)にその結果を示す。四重極配置では、その対称性から n=4m+2(mは自然数)となる次数(n)以外のハーモニクスは全てゼロとなる。ハーモニクスの電位分布への寄与は動径r0のn乗に比例することから、最も寄与の大きいものは6次のハーモニクス成分(C6)であると考えられる。これらを考慮して、最も理想的な四重極電場に近くなるようC6=0とし、ロッド径rをr=1.15r0とした。
次に、上記の初期配置からのずれの大きさに対する高次ハーモニクス成分の変化をシミュレーションにより確認した。図11(a)に示すように、X軸方向(図の横方向)への移動量をΔX3、Y軸方向(図の縦方向)への移動量をΔY3とした。図11(b)にその結果を示す。その結果、ロッドをX方向(図の横方向)にずらす(ΔX3=0.022r0)ことにより、目標とする電場(3次のハーモニクス成分C3を1.0%重畳した電場)が得られることが分かった。一方、Y方向にずらしても他の成分が大きくなるだけで、3次のハーモニクス成分がほとんど変化しないことも分かった。
上記のようにして決定したロッド電極の断面形状(r/r0=1.15)と配置(ΔX3=0.022r0)を用いた場合のイオンの安定領域を計算した結果を図12左に示す。図12右(図7(a)を再掲)に示す、3次のハーモニクス成分を1.0%重畳した結果を良好に再現できていることが分かる。
次に、2つ目の方法を説明する。この方法は、目標とする、3次のハーモニクス成分を1.0%重畳した等電位線を描いておき、その等電位線に近い電場を形成するように、該等電位線に内接する円筒ロッド電極の形状と配置を決定するものである。図13に電位分布(等電位線)を、図14にこの方法で決定した円筒ロッド電極の形状と配置を示す。図14中のr0はイオン光軸Cからロッド電極までの距離、r1〜r4は各ロッド電極の半径、ΔXk、ΔY k(k=1〜4)は各ロッド電極の変位量である。
上記の方法により、各ロッド電極の断面形状(r1/r0=0.986, r2/r0=1.026, r3/r0=1.005, r4/r0=1.005)と配置(ΔX1=0, ΔX2=-0.010r0, ΔX3=0.015r0, ΔX4=0.015r0, ΔY1=0, ΔY2=0, ΔY3=0.005r0, ΔX4=-0.005r0)を決定した。その形状と配置におけるイオンの安定領域を計算した結果を図15左に示す。この方法でも、図15右(図7(a)を再掲)に示す、3次のハーモニクス成分を1.0%重畳した結果を良好に再現できていることが分かる。
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では誘導結合プラズマ質量分析装置について説明したが、他の質量分析装置でも同様に構成することができる。
上記実施例では、4本のロッド電極によりイオンガイドを構成したが、6本以上の偶数本のロッド電極からなるイオンガイドを用いることもできる。また、イオンガイドに限らず、四重極マスフィルタ等が備えるプリロッドにおいて上記実施例と同様の構成を採ることもできる。さらに、断面が円形以外の柱状電極、柱状電極を長手方向に複数に分割した分割ロッド電極、あるいは複数の板状電極をイオン光軸C方向に並べた仮想ロッド電極を用いることもできる。上記実施例における各数値は、具体的な実施形態を説明するための一例であり、実際に使用する装置等に応じて適宜に変更可能である。
10…プラズマイオン化部
11…プラズマトーチ
12…オートサンプラ
13…ネブライザガス供給源
14…プラズマガス供給源
20…質量分析部
21…第1真空室
22…第2真空室
221…第1イオンレンズ
222…イオンガイド
223…第2イオンレンズ
23…第3真空室
231…プリロッド
232…メインロッド
233…アパーチャ板
234…MCP検出器
30…電源部
40…制御部
41…記憶部
42…分析条件設定部
43…分析制御部
50…入力部
60…表示部

Claims (4)

  1. 誘導結合プラズマにより試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源と、
    前記誘導結合プラズマイオン源で生成されたイオンが導入されるイオンガイドであって、該イオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸を取り囲むように等間隔に配置された2n本(nは2以上の整数)の円形断面を有するロッド電極を有するイオンガイドと、
    前記イオンガイドを通過したイオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部と、
    前記質量分離部において分離されたイオンを検出する、マイクロチャンネルプレート検出器又は二次電子増倍管を有するイオン検出部と、
    使用者による入力に基づいて、該イオンガイドから排除するイオンの質量電荷比を設定する分析条件設定部と、
    前記2n本のロッド電極に高周波電圧を印加する電圧印加部と、
    前記電圧印加部を制御する制御部であって、前記2n本のロッド電極で囲まれた空間に、2n重極電場に該2n重極電場よりも高次の電場成分を重畳した電場を形成する高周波電圧を前記2n本のロッド電極に印加する制御部と
    を備え、
    前記高次の電場成分が、前記分析条件設定部により設定された質量電荷比のイオンを該空間から排除するものである
    ことを特徴とする質量分析装置
  2. 誘導結合プラズマにより試料をイオン化する誘導結合プラズマイオン源と、
    前記誘導結合プラズマイオン源で生成されたイオンが導入されるイオンガイドであって、該イオンの飛行経路の中心軸であるイオン光軸を取り囲むように配置された2n本(nは2以上の整数)の円形断面を有するロッド電極であって、少なくとも1本のロッド電極の断面の径が他のロッド電極と異なる2n本のロッド電極を有するイオンガイドと、
    前記イオンガイドを通過したイオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離部と、
    前記質量分離部において分離されたイオンを検出する、マイクロチャンネルプレート検出器又は二次電子増倍管を有するイオン検出部と、
    使用者による入力に基づいて、該イオンガイドから排除するイオンの質量電荷比を設定する分析条件設定部と、
    前記2n本のロッド電極に高周波電圧を印加する電圧印加部と、
    前記電圧印加部を制御する制御部であって、前記イオン光軸周りに隣接配置されたロッド電極間に位相が反転した高周波電圧を印加させる制御部と
    を備え、
    前記2n本のロッド電極により囲まれた空間に、前記分析条件設定部により設定された質量電荷比のイオンを該空間から排除する、2n重極電場よりも高次の電場成分を含む電場が形成される
    ことを特徴とする質量分析装置
  3. 前記2n重極電場が四重極電場であり、前記高次の電場成分が、六重極、八重極、及び十二重極の電場成分のうちのいずれかを含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の質量分析装置
  4. 前記2n重極電場よりも高次の電場成分が、アルゴンイオン又はアルゴン付加イオンを前記イオンガイドから排除するものである、請求項1から3のいずれかに記載の質量分析装置。
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