上述したように、従来、パチンコ機等の遊技機には、装飾効果や演出効果を高めるべく、図柄変動表示等を行う液晶表示装置や、LED等の発光素子を多数備えた電飾装置など、各種発光手段が多数設けられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、パチンコ機等の表示装置や電飾装置等は、例えば遊技者が遊技を行っていない状態においても、客に対し遊技への興味をわかせるべく、常に点灯・点滅等している。そのため、遊技機の消費電力も相当量となり、節電(消費電力の節約)が望まれていた。
近年では、発光素子の設置個数の増加や高輝度化、液晶画面の大型化等により、上記不具合がより顕著となるおそれがあった。
但し、単に発光素子の設置個数を減らしたり、発光素子を輝度の低いものに変更したりするのでは、光による装飾効果や演出効果が低下し、他の機種の遊技機に比べて見劣りしてしまったり、遊技性の低下を招くおそれもある。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、消費電力を節約することのできる遊技機を提供することにある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図である。また、図3は、内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137などを省略して示している。
図1乃至図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。
外枠11の左辺部には、上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持される。また、便宜上、図示は省略するが、外枠11の右辺部には、後述する施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受け金具が取付けられている。さらに、外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。
内枠12の開閉軸線は、上述したようにパチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす青色の樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には、前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられ、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、遊技者の接触を検出するタッチ検出手段としてのタッチセンサ451と、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための操作量検出手段としての可変抵抗器445と、遊技球の発射を停止させるためのストップスイッチ455とが設けられている(図8参照)。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19から溢れる遊技球は下皿15へ案内されるようになっている。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、上皿19の手前には、演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の電飾装置が設けられている。これら電飾装置は、主として大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて発光態様が変更制御され、点灯、点滅等して遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
例えば、窓部101の周縁には、その側部にてサイドランプ102が設けられ、その上部中央にてトップランプ103が設けられ、左右上コーナー部にてコーナーランプ104が設けられている。各ランプ102〜104は、LED等の発光源や、LED等を駆動する制御基板などを内蔵している。
このうち、トップランプ103は大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。また、コーナーランプ104は、エラー表示ランプとして機能し、所定のエラー発生時に点灯する。
以下、サイドランプ102、トップランプ103及びコーナーランプ104については、個別に言及する場合を除き、これらを総称して枠ランプ群LG1という。
また、各コーナーランプ104に隣接してスピーカSP(図8参照)が設けられるとともに、当該スピーカSPの前側にスピーカカバー24が取着されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。図4は、内枠及び遊技盤の構成を示す正面図である。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側に遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、後側へ膨出した膨出部40が形成されている。この膨出部40の前面右側には、発射装置70が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。また、膨出部40には、後述する払出機構部352から上記下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、発射装置70の発射レール70aと後述するレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球が後述する戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72及び球通路71を介して下皿15に排出される。また、球通路71の下側にはハーネスカバー74が設けられている。これにより中継基板75と発射装置70とを接続するハーネス(図示略)をまとめている。
また、図3に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14及び裏パックユニット203を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14及び裏パックユニット203は内枠12に対し施錠される。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、入球手段としての各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
そして、第1契機対応口33へ遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が行われ、当該大当たり抽選により当選結果が得られた場合には特別遊技状態としての大当たり状態が発生する。
また、第1契機対応口33には、一対の開閉部材が設けられており、当該開閉部材が所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、第1契機対応口33は、遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換り可能となる。第1契機対応口33は、例えば、通常モード時には開閉部材が開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に点灯表示態様が切換表示(変動表示)される。具体的には、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応口33(開閉部材)が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成されている。具体的には、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されており、遊技球が第1契機対応口33を通過する毎に発光部の色が切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の色により、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置であって、後述するサブ制御装置560によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンド(指令信号)に基づき、サブ制御装置560によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42の表示部42aには、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設定されている。そして、各図柄表示領域においてそれぞれ複数の図柄がスクロール変動表示され、その後、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に停止表示される。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。
より詳しくは、第1契機対応口33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示である。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する時間短縮モードであることを示す表示である。そのため、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、発射装置70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレール50を通じて、遊技盤面上に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
内レール構成部51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
また、遊技盤30には、各種ランプ等の電飾装置が設けられている。これら電飾装置は、主として大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて発光態様が変更制御され、点灯、点滅等して遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
例えば、センターフレーム47の周縁にはセンターランプ57が設けられ、遊技盤30(遊技領域)の左右下部にはサイドランプ58,59が設けられている。各ランプ57〜59は、LED等の発光源や、LED等を駆動する制御基板などを内蔵している。
以下、センターランプ57及びサイドランプ58,59については、個別に言及する場合を除き、これらを総称して盤面ランプ群LG2という。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5〜図7を参照して説明する。図5は、遊技盤の構成を示す背面図であり、図6はその斜視図である。また、図7は、パチンコ機の構成を示す背面図である。
パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されている。さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主制御基板としての主基板だけを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。上述したように遊技盤30の中央にはルータ加工によって形成された貫通穴に対して可変表示装置ユニット35が配設されている。
可変表示装置ユニット35の後部には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。但し、本実施形態では、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。そして、このフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ね合わされ一体化(ユニット化)された状態で取付けられている。さらに、表示制御装置45の背面側にはサブ制御装置560が取付けられている。
表示制御装置45は、各種電子部品が実装された表示制御基板650(図8参照)を具備しており、この表示制御基板650が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス651に収容されて構成されている。
基板ボックス651の背面部には、表示制御基板650に設けられた端子部(基板側コネクタ)658,659を外部に露出させるための端子部窓660が形成されている。この端子部窓660を介して表示制御装置45の外側から表示制御基板650の端子部658,659への後述するケーブルコネクタC2,C4のコネクタ等の抜き差しが可能となる。
表示制御基板650には、後述するようなCPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、ビデオRAM524、キャラクタROM525、VDP526などの各種電子部品が実装されている。また、表示制御基板650は、出力ポート529を介して図示しないケーブルコネクタにより装飾図柄表示装置(液晶表示器)42と電気的に接続されている。
また、本実施形態では、基板ボックス651の背面部において、サブ制御装置560が載置されている。
サブ制御装置560は、後述するように主制御装置261(主基板262)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板561(図8参照)を具備しており、このサブ制御基板561が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス562に収容されて構成されている。
また、基板ボックス562の背面側には、サブ中継基板570(図8参照)が搭載されており、後述する電源基板313aより供給される電源がこのサブ中継基板570を介してサブ制御装置560及び表示制御装置45に供給されるようになっている。
より詳しくは、サブ中継基板570には、後述する各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)571,572,573が左右方向に沿って並設されている。各端子部571〜573は、サブ中継基板570に突出形成されている。これに対応してサブ制御装置560の基板ボックス562の下部には凹部(退避部)574が形成さている。そして、当該凹部574に開口した孔部を介して端子部571,572,573が基板ボックス562外に露出状態となっている。
図7,図9,図10に示すように、端子部571には、電源供給用のケーブルコネクタC1が接続される。ケーブルコネクタC1の他方は、電源装置313の端子部(基板側コネクタ)590に接続される。図9は、各種ケーブルコネクタが配線された状態を示す遊技盤30の背面図であり、図10は、その斜視図である。なお、図5,6等においては便宜上、各ケーブルコネクタの図示を省略するとともに、図7,図9,10においてのみ、主要なケーブルコネクタC1〜C10を図示しているが、勿論、パチンコ機10にはこの他にも多数のケーブルコネクタが配線される。
端子部572には、電源供給用のケーブルコネクタC2が接続される。ケーブルコネクタC2の他方は、表示制御装置45の端子部659に接続される。つまり、サブ中継基板570を介して表示制御装置45へ電源供給がなされる。
端子部573には、コマンド信号(指令信号)用のケーブルコネクタC3が接続される。ケーブルコネクタC3の他方は、主制御装置261の端子部702が接続される。
また、サブ中継基板570の上縁部には、差込部となるコネクタ(図示略)が上方向に向け突設され、これに対応するサブ制御基板561の下縁部には、前記コネクタに対向するようにして差込口となるコネクタ(図示略)が下方向に向け突設されている。そして、サブ制御基板561及びサブ中継基板570を基板ボックス562に搭載するに際して、サブ中継基板570側のコネクタが、サブ制御基板561側のコネクタに差込まれることにより両者が電気的に接続される。これらのコネクタは電源供給用及びコマンド信号(指令信号)用である。つまり、サブ中継基板570を介して、主制御装置261からサブ制御装置560に対しコマンド(指令信号)が送信される。
なお、サブ中継基板570には、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43も電気的に接続されている(図8参照)。そして、主制御装置261は、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43に対し、ケーブルコネクタC3すなわちサブ中継基板570を介して制御信号等を出力する。従って、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43は、サブ制御基板561を介さず、主制御装置261により直接的に制御される。
一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置560(サブ制御基板561)を介して制御される。より詳しくは、サブ制御基板561の上部右端部近傍には、コマンド信号(指令信号)用の端子部(基板側コネクタ)579が突設されている。これに対応してサブ制御装置560の基板ボックス562の上部右端部近傍には開口部580が形成され、当該開口部580を介して端子部579が基板ボックス562外に露出状態となっている。そして、この端子部579には、コマンド信号(指令信号)用のケーブルコネクタC4が接続される(図9等参照)。ケーブルコネクタC4の他方は、表示制御装置45の端子部658が接続される。図9等からも分かる通り、本実施形態では、サブ制御装置560の端子部579と、表示制御装置45の端子部658とが比較的近い位置に設けられており、ケーブルコネクタC4として比較的ケーブル長の短いものを採用している。これは所謂「ぶら下げ」等の不正行為を抑制するためである。
さて、図5の説明に戻り、遊技盤30の裏面には、フレームカバー213の下方にて、裏枠セット215が取付けられている。この裏枠セット215は、第1制御基板ユニット201の取付台として機能するとともに、図示は省略するが、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている。
第1制御基板ユニット201の下方に位置する第2制御基板ユニット202には、図7に示すように前記裏枠セット215の球回収機構の下方位置において排出通路部217が形成されており、該排出通路部217には排出球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。
さらに、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入球検出手段としての検出スイッチなどが設けられている。具体的には、図4に示すように、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32に入賞した遊技球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応口33に対応する位置には第1契機対応口(始動口)スイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応口スイッチ224及び第2契機対応口スイッチ225は、ケーブルコネクタを介して図示しない第1盤面中継基板に接続され、さらにこの第1盤面中継基板が後述する主基板262(主制御装置261)にケーブルコネクタC6を介して接続されている(図9等参照)。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための駆動手段としての大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応口33には、電動役物を開放するための駆動手段としての第1契機対応口(始動口)ソレノイドが設けられている。これら大入賞口ソレノイド及び第1契機対応口(始動口)ソレノイドはケーブルコネクタを介して図示しない第2盤面中継基板に接続され、さらにこの第2盤面中継基板がやはりケーブルコネクタC7を介して主基板262に接続されている(図9等参照)。
上記検出スイッチにて各々検出された検出結果は、後述する主基板262(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板262よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311a(図8参照)に送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
さて、第1制御基板ユニット201に設けられた主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板262(図8参照)を具備しており、この主基板262が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。
なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース265と該ボックスベース265を覆うボックスカバー266とを備えている(図6等参照)。
また、これらボックスベース265とボックスカバー266とは左右の封印ユニット264A,264Bによって連結されており、基板ボックス263が開封された場合には、封印ユニット264A,264Bにおいて所定の痕跡が残るよう構成されている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。封印ユニット264A,264Bによって本実施形態における封印手段が構成される。
封印ユニット264A,264Bはボックスベース265とボックスカバー266とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施形態では左側の封印ユニット264Aは3つの封印部材が連結された構成となっており、右側の封印ユニット264Bは2つの封印部材が連結された構成となっている。そして、これら封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベース265とボックスカバー266とが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264A,264Bによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264A,264Bを構成する3つ又は2つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板262の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、図5、図6に示すように、主基板262の上縁部近傍には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)701,702,703,704が左右方向に沿って並設されている。各端子部701〜704は、主基板262に突出形成されており、ボックスカバー266の上部に形成された凹部(退避部)266aに開口した孔部を介して基板ボックス263外に露出状態となっている。
図9,10に示すように、端子部701には、発射制御装置312に繋がるケーブルコネクタC5が接続される。端子部702には、サブ中継基板570に接続されるケーブルコネクタC3が接続される。端子部703には、入賞口スイッチ221等との中継機能を果たす上記第1盤面中継基板に繋がるケーブルコネクタC6が接続される。端子部704には、大入賞口ソレノイドや第1契機対応口ソレノイド等との中継機能を果たす上記第2盤面中継基板に繋がるケーブルコネクタC7が接続される。
また、主基板262の下縁部近傍にも、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)705,706が設けられている。各端子部705,706は、主基板262に突出形成されており、ボックスカバー266の下部に開口した孔部を介して基板ボックス263外に露出状態となっている。
端子部705には、電源供給用のケーブルコネクタC8が接続される。ケーブルコネクタC8の他方は、電源装置313の端子部591に接続される。
端子部706には、コマンド信号用のケーブルコネクタC9が接続される。ケーブルコネクタC9の他方は、払出制御装置311の端子部592が接続される。これにより、ケーブルコネクタC9を介して、主制御装置261から払出制御装置311に対しコマンドが送信される。
なお、図9等からも分かる通り、本実施形態では、主基板262の端子部702と、サブ中継基板570の端子部573とが比較的近い位置に設けられており、ケーブルコネクタC3として比較的ケーブル長の短いものを採用している。これは所謂「ぶら下げ」等の不正行為を抑制するためである。
さて、裏枠セット215に取付けられる第1制御基板ユニット201のベース部201aは、主制御装置261を搭載する基板搭載部201bが、裏枠セット215から離間した状態で設けられており、両者間には隙間が形成されている。つまり、第1制御基板ユニット201を遊技盤30(裏枠セット215)に装着した状態では、基板搭載部201bの後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。さらに、図9等に示すように、サブ中継基板570と電源装置313とを繋ぐ電源供給用のケーブルコネクタC1が、この隙間を通っている。このため、当該ケーブルコネクタC1により主制御装置261が覆われて、当該主制御装置261の内部の視認性が妨げられないようになっている。結果として、不正行為等の早期発見が可能となる。
さて、図7の説明に戻り、第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板311a(図8参照)により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射装置等の制御が行われ、電源装置313の電源基板313a(図8参照)により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
上記払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313についても、それぞれに対応する制御基板が基板ボックス315、316、317に収容されて構成されている。但し、発射制御装置312(基板ボックス316)は、電源装置313(基板ボックス317)の裏側に配置されている。また、払出制御装置311が収容される基板ボックス315には、前述した主制御装置261と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス315の開封した痕跡が残るようになっている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、払出制御基板311aの上縁部近傍にも、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)592,593が設けられている。各端子部592,593は、払出制御基板311aに突出形成されており、基板ボックス315の上部に開口した孔部を介して基板ボックス315外に露出状態となっている。
端子部592は、上述したようにケーブルコネクタC9を介して主制御装置261の端子部706と電気的に接続される。
一方、端子部593には、電源供給用のケーブルコネクタC10が接続される。ケーブルコネクタC10の他方は、電源装置313の図示しない端子部に接続される。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ前面及び下面が開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、主制御装置261の一部も合わせて覆う構成となっている。保護カバー部354により、後述する上部のタンク355等から落下してくる遊技球等から可変表示装置ユニット35が保護される。
また、保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。但し、上記端子部702等に接続されるケーブルコネクタC3等への不正行為を抑制するために、端子部702等の後方位置には通気孔354aが設けられていない。そして、裏パック351(裏パックユニット203)の閉鎖状態では、端子部702等に接続されたケーブルコネクタC3等のコネクタの抜け方向側を覆うようにして、保護カバー部354が配されることとなる。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は上記上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より電源装置313に対し主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板262)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス、データバス及び電源ライン等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505及び電源ポート507が接続されている。勿論、電源ラインがバスライン504から独立して配された構成であってもよい(他の基板の回路構成でも同様)。なお、入出力ポート505は、上記端子部701〜704や端子部706等によって構成され、電源ポート507は上記端子部705によって構成される。
入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ中継基板570などが接続されている。その他、便宜上、図示は省略するが、上記第1契機対応口スイッチ224等の各種検出スイッチや、上記第1盤面中継基板等の各種基板などの各種電気部品が接続されている。そして、発射制御装置312などへの電源供給も、この主制御装置261を介して行われる。
また、サブ中継基板570は、上述したように主制御装置261の入出力ポート505と接続されるとともに、サブ制御装置560の入出力ポート554,電源ポート556、及び表示制御装置45の電源ポート533に接続されている。なお、サブ制御装置560の入出力ポート554は上記コネクタ578により構成される。また、サブ中継基板570は、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43とも電気的に接続されている。
サブ制御装置560(サブ制御基板561)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン(電源ラインを含む)555、電源ポート556を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。例えば、RAM553には後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファ等が設けられている。
入出力ポート554及び電源ポート556には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されている。さらに、入出力ポート554には、表示制御装置45、演出ボタン125、スピーカSP、枠ランプ群LG1、盤面ランプ群LG2等が接続されている。そして、スピーカSP、枠ランプ群LG1、盤面ランプ群LG2等への電源供給も、このサブ制御装置560を介して行われる。
サブ制御装置560のCPU551は、例えばサブ中継基板570を介して主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。さらに、サブ制御装置560は、スピーカSP、枠ランプ群LG1、盤面ランプ群LG2等を制御し、音声やランプ表示の制御を司る。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置560が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、サブ制御装置560には、スピーカSPから出力される音量の大小、及び、後述する節電状態の度合いを切換えるための音量節電切換スイッチSWが設けられている(図6等参照)。音量節電切換スイッチSWが、本実施形態における切換操作手段を構成する。
以下、図11(a),(b)を参照して音量節電切換スイッチSWの構成について詳しく説明する。図11(a)は、音量節電切換スイッチSWの平面模式図であり、図11(b)は、音量節電切換スイッチSWの目盛値と、音量レベル及び節電レベルとの関係を示した図である。
音量レベルは、スピーカSPから出力される音量を表すレベルであり、本実施形態では最小の「0」〜最大の「4」までの4段階に切換えられる。ここで、音量レベル「0」は、「無音(消音)状態」を意味する。
一方、節電レベルは、枠ランプ群LG1等を消灯するなど節電の度合いを表すレベルであり、本実施形態では、最小の「0」〜最大の「4」までの4段階に切換えられる。ここで、節電レベル「0」は、節電しない「通常状態」を意味する。節電レベル「1」は「装飾図柄表示装置42の表示部42a」のみを節電する状態を示し、節電レベル「2」は「装飾図柄表示装置42の表示部42a」+「盤面ランプ群LG2」を節電する状態を示し、節電レベル「3」は「装飾図柄表示装置42の表示部42a」+「盤面ランプ群LG2」+「枠ランプ群LG1」を節電する状態を示す。
そして、音量節電切換スイッチSWは、音量レベル4段階と節電レベル4段階をそれぞれ指定可能なように、16箇所のポイントに切換可能に構成されている。例えば、目盛「01」が表記されたポイントを指定した場合には、音量レベル「0」,節電レベル「1」が設定され、目盛「23」が表記されたポイントを指定した場合には、音量レベル「2」,節電レベル「3」が設定されることとなる。
また、サブ制御装置560は、音量節電切換スイッチSWが指定するポイントを定期的に読取り、これに相当する音量レベルの値、及び節電レベルの値をそれぞれRAM553の所定エリア(音量レベル値格エリア、節電レベル値格納エリア)に記憶する。
また、払出制御装置311(払出制御基板311a)は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
RAM513の作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図29参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス、データバス及び電源ライン等で構成されるバスライン514を介して入出力ポート515及び電源ポート517が接続されている。なお、入出力ポート515は、上記端子部592によって構成され、電源ポート517は上記端子部593によって構成されている。
入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。そして、払出モータ358aなどへの電源供給も、この払出制御装置311を介して行われる。
表示制御装置45は、サブ制御装置560からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン(電源ラインを含む)530,531と、電源ポート533とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置560の入出力ポート554が接続されている。
入力ポート527及び電源ポート533には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。なお、入力ポート527は上記端子部658により構成され、電源ポート533は端子部659により構成される。
また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。そして、装飾図柄表示装置42への電源供給も、この表示制御装置45を介して行われる。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置560から送信される表示コマンド(指令信号)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313(電源基板313a)は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、上記ケーブルコネクタC1等の電気経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源(駆動電力)を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。
上述したように、電源部541は、主制御装置261の電源ポート507や、払出制御装置311の電源ポート517に接続されるとともに、サブ中継基板570を介してサブ制御装置560の電源ポート556や、表示制御装置45の電源ポート533に接続されている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。発射制御装置312はケーブルコネクタC5を介して主制御装置261に接続されている。
発射制御装置312には、上述した可変抵抗器445、タッチセンサ451、及び、ストップスイッチ455が電気的に接続されており、可変抵抗器445からは抵抗値に関する信号が、タッチセンサ451からは遊技者がハンドル18に触れているか否かに関する信号が、また、ストップスイッチ455からは所定のストップレバーが押圧操作されているか否かに関する信号が、それぞれ発射制御装置312に対し入力される。
また、タッチセンサ451からの信号に関しては、発射制御装置312を介して主制御装置261へも入力される。そして、主制御装置261は、遊技者がハンドル18に触れている旨の信号がタッチセンサ451から入力されることを条件に、発射制御装置312に対し発射許可信号を出力すると共に、サブ制御装置560に対し節電解除信号を出力する。
なお、タッチセンサ451が発射制御装置312を介することなく、直接、主制御装置261に電気的に接続され、タッチセンサ451からの信号が主制御装置261に直接入力される構成としてもよい。
また、節電解除信号とは、サブ制御装置560に節電設定を許可させないための信号である。つまり、節電解除信号が主制御装置261から出力されている間は、サブ制御装置560による節電設定は禁止される。
一方、発射制御装置312は、主制御装置261から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18に触れている旨の信号がタッチセンサ451から出力されていること、ストップレバーが押圧操作されている旨の信号がストップスイッチ455から出力されていないことを条件に、発射装置70を駆動し、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球を1球ずつ発射させる。尚、発射に際しては、可変抵抗器445から入力される抵抗値に関する信号に基づき、発射制御装置312により発射装置70への供給電力が調整等され、結果として遊技球の発射速度が調整されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図12に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタV1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタV2と、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタV3と、大当たり乱数カウンタV1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタVINIと、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタVS1,VS2と、普通図柄表示装置41の抽選に使用する普通図柄乱数カウンタV4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタV3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタVS1,VS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターン(演出態様)が決定される。
カウンタV1,V2,V3,VINI,VS1,VS2,V4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタVINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタV1、モード決定カウンタV2、及び変動選択カウンタV3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタV4の値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタV1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタV1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタVINIの値が当該大当たり乱数カウンタV1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタVINIは、大当たり乱数カウンタV1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタV1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタV1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタV1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
また、高確率モードとは、特別表示装置43において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くした状態、(3)第1契機対応口33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応口33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、高確率モード時には、第1契機対応口33の開閉部材が開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応口33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、高確率モードとしては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)を高めることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せ(例えば(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(1)と(5)、(2)と(3)、(2)と(4)、(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)、(4)と(5)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(2)と(5)、(1)と(3)と(4)、(1)と(3)と(5)、(1)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)、(2)と(3)と(5)、(2)と(4)と(5)、(3)と(4)と(5)、(1)と(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(5)、(1)と(2)と(4)と(5)、(1)と(3)と(4)と(5)、(2)と(3)と(4)と(5))を採用できる。なお、上記(2)〜(5)の状態により、第1契機対応口33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時のように、上記(2)〜(5)の状態ではない状態は低入球状態に相当する。
また、時間短縮モードとは、特別表示装置43において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置43の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応口33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。本実施形態では、高確率モード時に付与される上記(1)〜(5)の状態が同様に付与される。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。もちろん、高確率モード時と同様に、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
モード決定カウンタV2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタV2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタV2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタV2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタV2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタV3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタV3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、V3=0,1が前後外れリーチに該当し、V3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、V3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタV3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタV3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタV3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタVS1,VS2のうち、一方の変動種別カウンタVS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタVS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、VS1を「第1変動種別カウンタ」、VS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図12中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタVS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタVS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタVS1,VS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタVS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタVS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタVS1,VS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してVS1,VS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタV1、変動選択カウンタV3、変動種別カウンタVS1,VS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタV4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタV4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタV4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時及び時間短縮モード時、つまり第1契機対応口33が高入球状態にある場合においては224あり、その範囲は「5〜228」である。つまり、普通図柄表示装置41における「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタV4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応口33が所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード時及び時間短縮モード時においては、普通図柄表示装置41において抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、第1契機対応口33が高入球状態となる割合が多くなる。これによって、第1契機対応口33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図15は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図15において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタVINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタV1、モード決定カウンタV2、変動選択カウンタV3及び普通図柄乱数カウンタV4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタV1,V2,V3,V4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1契機対応口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図17のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応口33に入賞したか否かを第1契機対応口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応口33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応口33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタV1、モード決定カウンタV2及び変動選択カウンタV3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。
次に、ステップS305の第2契機対応口通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、続くステップS602では、普通図柄表示装置41の保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口34への通過があり、且つ保留球数N<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタV4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を一旦終了する。
図16は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図16のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置560,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置560及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第1契機対応口33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置560に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置560に出力されるコマンド(指令情報)である。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置560は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置560には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブル(図33参照)で記憶されている。そして、サブ制御装置560は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
また、サブ制御装置560は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置560に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置560には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置560は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置560は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置560は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置560は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図14の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタVS1,VS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタVS1,VS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタVS1,VS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した各種払出情報(例えば賞球計数信号や払出異常信号等)を読み込む。
ステップS204では、遊技者がハンドル18に触れている旨の信号がタッチセンサ451から入力されることを条件に、発射制御装置312に対し発射許可信号を出力する旨の設定を行うと共に、サブ制御装置560に対し節電解除信号を出力する旨の設定を行う。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような制御を行うか当該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応口開閉制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応口33の開閉部材においてどのような制御を行うか当該開閉部材の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタVINI及び変動種別カウンタVS1,VS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタVINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタVINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタVS1,VS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタVS1,VS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタVS1,VS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタVINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタVINI(すなわち大当たり乱数カウンタV1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタVS1,VS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
図19において、ステップS801では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
続くステップS802では、表示タイマの設定状況を見て特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図20のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタV1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタV1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタV1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタV2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタV2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタVS1,VS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタVS1、VS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタVS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタVS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
ここで、第1変動種別カウンタVS1及び第2変動種別カウンタVS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図22(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、VS1=0〜9のときは、VS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。VS1=10〜196かつVS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。VS1=10〜196かつVS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。VS1=10〜196かつVS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。VS1=197,198かつVS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。VS1=197,198かつVS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置560が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置560が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置560が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタV3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタV3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、V3=0,1が前後外れリーチに該当し、V3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、V3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタVS1,VS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。
ここで、第1変動種別カウンタVS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図22(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、VS1=0〜9のときは、VS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。VS1=10〜198かつVS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。VS1=10〜198かつVS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。VS1=10〜198かつVS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(V3=2〜21)においては、変動種別カウンタVS1,VS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(V3=22〜238)においては、変動種別カウンタVS1,VS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置560は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置560が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置560が停止図柄として決定する。
さて、ステップS917では、特別表示装置43において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における特別表示装置43の変動表示時間は、上記変動種別カウンタVS1,VS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43において色換え表示が開始される。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図19の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの表示タイマが設定された場合には、当該表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において表示タイマの値は9996msecとなる。
続いてステップS808に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS810において特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図21に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、可変フラグ、可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタV1の値に基づき決定される。
可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタが解除されている場合(オフ状態の場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(オン状態の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタの値が残り0カウントか否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が残り0カウントであれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1008において変動回数カウンタを解除(オフ)する処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタの値が残り0カウントでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図19の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。なお、本実施形態では、停止表示設定処理(ステップS810)の後に、判別情報設定処理(ステップS811)を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、変動表示設定処理(ステップS806)の後に行う構成としてもよい。
次に上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS1203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS1207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタV2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタV2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、変動回数カウンタは解除(オフ)される。一方、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
図24において、ステップS2101では、表示タイマの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ保留球数N>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは普通図柄表示装置41の表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における普通図柄表示装置41の変動表示時間は、上述したように高入球状態と低入球状態とでそれぞれ予め設定されている。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2107に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタV4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタV4の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低入球状態では普通図柄乱数カウンタV4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モード等の高入球状態では「5〜228」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応口33(開閉部材)の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、可変フラグ、可変タイマ及び開放回数カウンタの設定処理を行う。
可変フラグとは、第1契機対応口33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
可変タイマとは、第1契機対応口33の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
開放回数カウンタとは、第1契機対応口33の開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応口開閉制御処理について図25のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応口33の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
上述したように可変フラグとは、第1契機対応口33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応口33の開閉部材(開閉部材用ソレノイド)に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には開閉部材を開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応口33が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には開閉部材を閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応口33が閉状態となる。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は第1契機対応口33が開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応口33へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応口33への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応口33は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
ステップS2204に進み、上記開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応口33の開放回数が規定回数の達したか(開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップS2207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。また、開放回数カウンタのリセット処理により、開放回数カウンタが解除(オフ)される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図26を参照して受信割込み処理を説明し、その後図27を参照してメイン処理を説明する。
図26は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図28に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図27を参照して説明する。図27は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図28のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図29を参照して以下に説明する。
図29は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図26参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図28のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置560の処理ついて説明する。サブ制御装置560は、変動パターンコマンドや節電解除信号など各種指令信号を主制御装置261から入力すると、かかる各種指令信号に基づいて装飾図柄表示装置42やスピーカSP等の制御を行う。
ここで、図30のフローチャートを参照して、サブ制御装置560の通常処理ついてより詳しく説明する。この通常処理は、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動される。
先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
ステップS3902の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置560のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図31に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタV5と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタVL,VM,VRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタVL,VM,VRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタV5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタV5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタV5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタV5はステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置560が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタV5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタVL,VM,VRは、大当たり抽選が外れとなった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタVLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタVMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタVRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタVL,VM,VRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタVL,VM,VRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタVL,VM,VRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタVL,VM,VRの更新処理を詳しく説明する。図32に示すように、ステップS4001では、上・外れ図柄カウンタVLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中・外れ図柄カウンタVMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタVL,VM,VRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタVRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタVLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタVLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上・外れ図柄カウンタVLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタVMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中・外れ図柄カウンタVMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタVRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下・外れ図柄カウンタVRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタVL,VM,VRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタVL,VM,VRの今回値とする。
上記VL,VM,VRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタVL,VM,VRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタVL,VM,VRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタVL,VM,VRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタVL,VM,VRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタVL,VM,VRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタVL,VM,VRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
図30の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。当該処理では、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。より詳しくは、サブ制御装置560は、図33に示すような装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様を決定し、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値を変動時間タイマに設定する。
上述した表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置560にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、当該ステップS3907の表示設定処理では、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図31参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置560からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3907で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置560と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
ここで装飾図柄表示装置42の表示部42aにおける通常時の表示態様の一例について説明する。装飾図柄表示装置42には、図34(a)に示すように、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられており、各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」〜「9」の数字の付された装飾図柄として各種図柄Zが表示される。各種図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示され、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄列においては、各種図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び下図柄列においては、同じく各種図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、その停止時に図柄Zが、例えば所定の大当たりライン上に大当たり図柄の組合わせ(本実施形態では、同一種類の図柄の組合わせ)で揃えば、大当たり状態が開始される。なお、上述した大当たり図柄の組合わせが表示される直前においては、いわゆるリーチ状態(リーチ態様の成立状態)となる。但し、リーチ状態となった場合でも大当たり状態に至らない場合もある。
本実施形態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄列において、各種図柄Zのうち同一種類のものが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで確定停止表示されると、大当たり状態が発生する。
尚、本実施形態では、所定条件成立時に、装飾図柄表示装置42の表示部42aが減光された節電状態となるよう構成されている。
上述したように、通常時、表示部42aには、明るく色鮮やかな画像が表示されている〔図34(a)参照〕。これに対し、節電状態となると、輝度が落ち、表示部42aは暗くなって、ほぼ黒色に見えるようになると共に、その中央には「節電中」の文字が表示される〔図34(b)参照〕。かかる「節電中」との表示が、本実施形態における節電報知表示に相当する。
ステップS3907の表示設定処理では、所定条件が成立した場合に、装飾図柄表示装置42の表示部42aを節電状態に切換えるための切換処理をあわせて行う。
ここで、装飾図柄表示装置42の表示部42aに係る切換処理について図35を参照して詳しく説明する。
先ずステップS7001では、入出力ポート554のうちの節電解除信号に対応するポートを確認し、主制御装置261から節電解除信号が入力されているか否かを判別する。
ここで節電解除信号が入力されている場合には、遊技者が遊技をハンドル18を握って遊技を行っている又は遊技を開始したとみなし、ステップS7006へ移行する。
一方、節電解除信号が入力されていない場合には、遊技者が遊技を行っていないとみなし、ステップS7002へ移行する。
ステップS7002では、所定の計測タイマTsの値が「1分」以上であるか否かを判定する。当該計測タイマTsは、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて上記変動表示演出や大当たり演出等が終了した時点から、新たな変動表示演出等が行われることなく経過した時間を計測するためのものである。つまり、ステップS7002では、各種表示演出が終了した時点から「1分」以上経過したか否かを判定している。
ここで肯定判定された場合には、ステップS7003において、RAM553の節電レベル値格納エリアに記憶された節電レベルの値をチェックし、ステップS7004へ移行する。一方、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS7004では、ステップS7003においてチェックした節電レベルの値が「1」以上であるか否かを判定する。
ここで節電レベルの値が「1」以上である場合には、ステップS7005において節電設定処理を行い、本処理を終了する。一方、節電レベルの値が「1」以上でない、すなわち節電レベルの値が「0」の場合には、ステップS7007へ移行する。
ステップS7005の節電設定処理では、装飾図柄表示装置42を節電状態とする旨の設定を行う。詳しくは、装飾図柄表示装置42の表示部42aを図34(b)に示すような節電状態(減光状態)とするための処理を表示制御装置45にて実行させるための表示コマンドを設定する。併せて、節電状態となっていることを判定するための節電フラグをオンにする。なお、ここで設定された表示コマンドは、後述するステップ3911の外部出力処理にて表示制御装置45へ出力される。
ステップS7001から移行したステップS7006においては、上記節電フラグのオンオフ状況を見て、現在、表示部42aが節電状態であるか否かを判定する。
ここで、節電中であると判定された場合には、ステップS7007においてデモ設定処理を行い、本処理を終了する。一方、節電中でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS7007のデモ設定処理では、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて、デモンストレーション表示を行う旨の処理を表示制御装置45にて実行させるための表示コマンドを設定する。併せて、上記節電フラグをオフにする。上記同様、ここで設定された表示コマンドは、ステップ3911の外部出力処理にて表示制御装置45へ出力される。
また、ステップS3907の表示設定処理では、演出ボタン125の操作の有無についても確認し、演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた表示設定をあわせて行う。
図30の説明に戻り、ステップS3908のランプ設定処理では、通常時、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2の点灯・点滅パターン等の設定など、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2を駆動するための各種制御設定を行う。
また、ステップS3908のランプ設定処理では、上記同様、所定条件が成立した場合に、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2を節電状態に切換えるための切換処理をあわせて行う。
ここで、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2に係る切換処理について図36を参照して詳しく説明する。
先ずステップS7101では、上記節電フラグがオンとなっているか否かを判定する。ここで、節電フラグがオンとなっている場合には、ステップS7102へ移行し、節電フラグがオンとなっていない場合には、ステップS7106において節電解除処理を行った後、本処理を終了する。かかる節電解除処理が行われることにより、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2に関して、上述したような点灯・点滅制御等、通常の制御を行うことが可能となる。
ステップS7102では、上記同様に、RAM553の節電レベル値格納エリアに記憶された節電レベルの値が「2」以上であるか否かを判定する。
ここで節電レベルの値が「2」以上である場合には、ステップS7103において盤面ランプ群LG2を消灯する旨の設定処理を行い、ステップS7104へ移行する。一方、節電レベルの値が「2」未満である場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS7104では、節電レベルの値が「3」であるか否かを判定する。ここで節電レベルの値が「3」である場合には、ステップS7105において枠ランプ群LG1を消灯する旨の設定処理を行い、本処理を終了する。一方、節電レベルの値が「3」未満である場合には、そのまま本処理を終了する。
上記装飾図柄表示装置42の表示部42aに係る切換処理や、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2に係る切換処理を実行する機能が、本実施形態における節電手段を構成する。
図30の説明に戻り、ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターン等の設定など、スピーカSPを駆動するための各種制御設定を行う。ここで、音量に関しては、RAM553の節電レベル値格納エリアに記憶された音量レベルの値に基づき設定される。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態では、遊技者がハンドル18を操作せず(遊技を行うことなく)、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて各種表示演出が終了した時点から、新たな表示演出が行われることなく「1分」以上経過した場合には、装飾図柄表示装置42の表示部42a等が節電状態となる。これにより、パチンコ機10の消費電力を節約することができる。
また、音量節電切換スイッチSWを備え、必要に応じて節電の度合いを多段階で調節可能となっているため、遊技店にとっての利便性の向上を図ることができる。
さらに、節電状態にある装飾図柄表示装置42の表示部42aにて、「節電中」との節電報知表示を行う構成となっている。かかる構成により、パチンコ機10が故障していないことを遊技者が把握可能となる。
加えて、節電状態において、遊技者がハンドル18に触れた場合には、当該節電状態を終了し、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて、所定のデモンストレーション表示が開始される構成となっている。節電状態中は、遊技者が装飾図柄表示装置42において行われる演出を把握することができないが、遊技者がハンドル18に触れただけで、装飾図柄表示装置42にて行われる演出内容を把握することができる。結果として、興趣の低下抑制を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、少なくとも遊技者がハンドル18を操作せず、かつ、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて各種表示演出が終了した時点から、新たな表示演出が行われることなく「1分」以上経過した場合に、装飾図柄表示装置42の表示部42a等が節電状態となる所定条件が成立する構成となっている。
節電状態となる所定条件は、これに限定されるものではなく、他の条件でもよい。例えば、遊技者が着席していることなどを検知可能な赤外線センサ等を備え、遊技者が席を離れた時点から所定時間が経過することを、節電状態となる所定条件としてもよい。また、第1契機対応口33へ遊技球が入球することなく(第1契機対応口33への最後の入球から)所定時間が経過することを所定条件としてもよい。勿論、上記実施形態のように、複数の条件を組合せた構成としてもよい。
(b)節電対象となる「発光手段」は、上記実施形態の装飾図柄表示装置42の表示部42a、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2に限定されるものではなく、これらとは異なる発光手段が節電状態となる構成としてもよい。
例えば、発光表示手段として、上記装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)以外にも、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス(EL)、回転ドラム等が一例に挙げられる。
また、各種発光手段を構成する光源(発光素子)の種類も、LEDに限定されるものではなく、例えば電球、蛍光ランプなど他のものを採用してもよい。
(c)上記実施形態の節電状態では、装飾図柄表示装置42の表示部42aが減光状態となり、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2が消灯状態となる構成となっているが、節電態様は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、装飾図柄表示装置42の表示部42aが消灯状態となり、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2が減光状態となる構成としてもよい。
なお、減光等する方法について、上記実施形態では特に言及していないが、種々の方法が考えられる。例えば(1)高速で点滅するLED等の発光素子の点灯時間と消灯時間との比率を変更する、(2)発光素子に供給される電流又は電圧を変化させる、(3)1つの発光手段(電飾装置等)において同時に点灯する発光素子の数を変化させる。
また、装飾図柄表示装置42等の液晶表示装置において減光等する場合には、バックライトを上記(1)〜(3)等の方法により制御すること以外にも、例えば表示画像をより輝度の低い画像(黒色系等)に切換える方法などが考えられる。
(d)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42の表示部42a、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2の節電状態が3段階で切換わる構成となっているが、例えば段階的ではなく一度にまとめて節電状態となる構成としてもよい。
また、装飾図柄表示装置42の表示部42a、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2等の減光度合いを段階的に切換可能な構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、節電状態にある装飾図柄表示装置42の表示部42aにて、「節電中」との節電報知表示を行う構成となっているが、節電報知表示の内容は異なるものであってもよい。勿論、節電報知表示を省略した構成としてもよい。
節電状態にある装飾図柄表示装置42の表示部42aにて節電報知表示を行う場合には、液晶パネルの焼き付きを防止する上で、定期的に又はランダムに所定の画像を動作表示させること(スクリーンセーバーを起動させること)が好ましい。ここで、ランダムに所定の画像を動作表示させる場合には、処理の簡素化等を図る上で、サブ制御装置560等にて停止図柄等を決定するために生成される乱数を利用することが好ましい。
(f)上記実施形態では、節電状態において、遊技者がハンドル18に触れた場合には、当該節電状態を終了し、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて、所定のデモンストレーション表示が開始される構成となっている。これに限らず、例えばデモンストレーション表示が行われない構成としてもよい。また、節電状態において、遊技者がハンドル18に触れた場合には、当該節電状態を終了し、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて、一旦、節電状態となる前に図柄が停止表示された画像を表示し、その後、所定時間が経過したら、デモンストレーション表示を開始する構成としてもよい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、節電状態が終了し、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいてデモンストレーション表示を開始するにあたり、一連のデモンストレーション表示を最初から表示することとしてもよいし、その途中から表示することとしてもよい。ここで、デモンストレーション表示を途中から表示する構成に関しては種々の構成が挙げられる。例えば、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて各種表示演出が終了した時点から、新たな表示演出が行われることなく所定時間が経過した場合には、節電状態中であるか否かを問わず、サブ制御装置560等が節電中の表示制御処理に加え、デモンストレーション表示に係る表示制御処理を開始し、節電状態中でない場合には、これが表示部42aに出力(表示)されるが、節電状態中である場合には、これが表示部42aに出力(表示)されないようにしてもよい。そして、かかる構成において節電状態が解除された場合には、サブ制御装置560等において既に制御処理が実行されているデモンストレーション表示が、その途中から表示部42aに出力(表示)されることとなる。また、予め決められた時間順序に則して各種プログラムが順次実行されることで一連のデモンストレーション表示が実行される構成において、所定のタイマにより前回の表示演出が終了した時点からの経過時間を計測し、節電状態が終了した際のタイマの値に対応する部分からデモンストレーション表示を実行する構成としてもよい。
(g)上記実施形態では、サブ制御装置560が節電を制御する構成となっているが、これに限らず、例えば主制御装置261など他の制御装置が制御する構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、枠ランプ群LG1及び盤面ランプ群LG2が節電状態となると単に消灯状態となるだけであるが、これに限らず、例えば節電状態にある枠ランプ群LG1や盤面ランプ群LG2において、定期的に又はランダムに所定の点灯制御又は点滅制御を行う構成としてもよい。
(i)節電状態にある装飾図柄表示装置42の表示部42aを遮蔽可能な遮蔽部材を備えた構成としてもよい。かかる遮蔽部材は、節電時専用ではなく、所定の演出にも兼用されるものであることが好ましい。
以下、装飾図柄表示装置42の表示部42aを遮蔽する遮蔽部材を備えた構成について、図37〜図41に示すシャッタ役物900を例に説明する。
シャッタ役物900は、装飾図柄表示装置42の表示部42aの上方位置に設けられている。
シャッタ役物900は、遮蔽部材組としての1組のシャッタ片セット901と、これらを駆動させるための動力伝達部材としてのスライド部材902と、動力源となるモータユニット903とからなる。
モータユニット903は、ステップモータや、当該モータの駆動力をスライド部材902に伝達する歯車機構等よりなるが、図37〜図41では、便宜上、歯車機構のみを示している。また、図37等では、シャッタ片セット901の動作を分かりやすくするため、シャッタ片セット901の部分に散点模様を付している。
シャッタ片セット901は、遮蔽部材としての5枚のシャッタ片により構成されている。より詳しくは、図示しない基枠としてのケーシングに回動可能に軸支された第1シャッタ片901aと、当該第1シャッタ片901aに対し相対変位可能に組付けられた第2シャッタ片901b、第3シャッタ片901c、第4シャッタ片901d及び第5シャッタ片901eとからなる。各シャッタ片901a〜901eは、略長方形の平板状に形成されている。
シャッタ片セット901は、各シャッタ片901a〜901eが前後方向に重畳するように組付けられており、通常時においては、第2〜第5シャッタ片901b〜901eが、第1シャッタ片901aの裏側に隠れた状態となっている(図37参照)。
第1シャッタ片901aには、所定のコーナー部近傍においてケーシング(図面手前側)に対し軸支される回動軸部905が前方向に突出形成されている。
一方、第2〜第5シャッタ片901b〜901eはスライド可能に設けられている。そして、各シャッタ片901a〜901eには、それぞれ隣り合うシャッタ片と互いに係り合うための係合手段が設けられている。これらの係合により、隣り合う各シャッタ片双方の所定量以上の相対変位が規制されるとともに、一方の動きに従動(連動)して他方が動作可能となる。
また、第1シャッタ片901aには、後方向へ突出した第1係合軸部907が形成されている。第1係合軸部907はスライド部材902に形成された後述の第1カム溝909に遊嵌される。
第5シャッタ片901eには、後方向へ突出した第2係合軸部908が形成されている。第2係合軸部908はスライド部材902に形成された後述の第2カム溝910に遊嵌される。
次にシャッタ片セット901を駆動させるスライド部材902について詳しく説明する。スライト部材902は、長尺状に形成されており、水平方向沿ったスライド動作によりシャッタ片セット901を駆動させる。
スライド部材902の表面部には、第1カム溝909及び第2カム溝910が設けられている。
第1カム溝909には、第1シャッタ片901aの第1係合軸部907の一端が差し込まれる。第2カム溝910には、第5シャッタ片901eの第2係合軸部908の一端が差し込まれる。
第1カム溝909及び第1係合軸部907により構成される第1リンク機構は、シャッタ片セット901(シャッタ片901a〜901e)を上記回動軸部905を中心として一体回動変位させるための機構である。
一方、第2カム溝910及び第2係合軸部908により構成される第2リンク機構は、第5シャッタ片901eひいては第2〜第4シャッタ片901b〜901dを第1シャッタ片901aに対し相対スライド変位させるための機構である。
上記実施形態と同様に、第1カム溝909は、シャッタ片セット901を一体回動変位させる際に第1係合軸部907に対し作用する作用区間(組回動変位時作用区間)と、第5シャッタ片901eが相対変位する際に第1係合軸部907に対し干渉しない(スライド部材902の動力が伝わらない)非干渉区間(相対変位時非干渉区間)とを備えている。
第2カム溝910は、第5シャッタ片901eを相対スライド変位させる際に第2係合軸部908に対し作用する作用区間(相対変位時作用区間)と、シャッタ片セット901が一体回動変位する際に第2係合軸部908に対し干渉しない(スライド部材902の動力が伝わらない)非干渉区間(組回動変位時非干渉区間)とを備えている。
さて、スライド部材902の上辺部にはギア部913が形成されており、モータユニット903の歯車機構と噛合している。
次に、シャッタ片セット901の動作について説明する。通常時、シャッタ片セット901は、第1〜第5シャッタ片901a〜901eが重畳した状態で装飾図柄表示装置42の表示部42a上方に保持されている(図37参照)。この状態が、シャッタ片セット901の通常状態(基準状態)にあたり、装飾図柄表示装置42の表示部42aが全開状態となる。
この状態から、モータユニット903によってスライド部材902が左方向にスライドさせられると、スライド部材902の上辺部近傍に位置していた第1シャッタ片901aの第1係合軸部907が、第1カム溝909の作用区間によって左方向へ押されつつ、徐々にスライド部材902の下辺側へ移動していく(図38参照)。これにより、シャッタ片セット901(シャッタ片901a〜901e)が回動軸部905を中心として反時計回り方向に一体回動変位して、装飾図柄表示装置42の表示部42aの前方に飛び出してくることとなる。
この際、第5シャッタ片901eの第2係合軸部908は、シャッタ片セット901の回動動作に干渉しないように第2カム溝910の非干渉区間に沿って移動する。
スライド部材902が所定量スライドすると、シャッタ片セット901の先端が下方に向き、シャッタ片セット901が略垂直状態となる(図39参照)。
この状態となると、第1シャッタ片901aの第1係合軸部907は、第1カム溝909の非干渉区間に移動し、第5シャッタ片901eの第2係合軸部908は、第2カム溝910の作用区間に移動する。
ここから、さらにスライド部材902が左方向に移動を続けると、第5シャッタ片901eの第2係合軸部908が、第2カム溝910の作用区間によって左方向へ押される。そして、第1シャッタ片901aが垂直状態で保持されたまま、第5シャッタ片901eが第1シャッタ片901aの裏側から引き出される(図40参照)。
さらにスライド部材902が左方向に移動を続けると、第5シャッタ片901eに引っ張られるようにして、第4シャッタ片901dが第1シャッタ片901aの裏側より引き出され、第4シャッタ片901dに引っ張られるようにして第3シャッタ片901cが引き出され、第3シャッタ片901cに引っ張られるようにして第2シャッタ片901bが引き出される(図41参照)。この状態となると、装飾図柄表示装置42の表示部42aが全閉状態となる。
節電状態が終了し、シャッタ片セット901が元の状態に戻る場合には、上記手順と逆の手順を辿ることとなる。
(j)上記実施形態では、音量節電切換スイッチSWとしてロータリ型のスイッチが採用されているが、スライド型など他のタイプのスイッチを採用してもよい。また、音量節電切換スイッチSWが設けられる位置もサブ制御装置560に限定されず、他の位置に設けてもよい。
(k)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機などとして実施してもよい。
(l)上記実施形態では、節電状態において遊技者がハンドル18に触れた場合、すなわち遊技者がハンドル18に触れた旨の信号がタッチセンサ451から主制御装置261に入力され、当該主制御装置261からサブ制御装置560に対し節電解除信号が出力されることを条件に、当該節電状態が終了し、通常状態に復帰する構成となっている。節電状態から通常状態に復帰する条件は、これに限定されるものではない。例えば、上記ハンドル18の操作に代えて又は加えて、演出ボタン125が操作されたことをサブ制御装置560が検出した場合に節電状態が終了する構成としてもよい。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.所定の契機に基づき抽選を行い、当該抽選により当選結果が得られた場合には遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
少なくとも1つの発光手段と、
所定条件の成立に基づき、前記発光手段を減光又は消灯した節電状態とする節電手段と、
少なくとも前記節電状態とするか否かを切換え可能な切換操作手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、例えば遊技者がいない状況が所定時間継続するなど、所定条件が成立した場合には、所定の発光手段が減光又は消灯した節電状態となる。これにより、遊技機の消費電力を節約することができる。
一方、営業を行う遊技店にとっては、客をもっと遊技機に惹きつけたいという希望もある。この点、切換操作手段を備えることにより、必要に応じて節電状態とするか否かを切換え可能となるため、遊技店にとっての利便性の向上を図ることができる。
尚、「所定条件の成立」には、例えば「所定時点から所定時間が経過すること」などが含まれる。具体的には、「所定の表示手段において変動表示が停止した時点から所定時間が経過すること」、「所定の検出手段により遊技者の存在、操作又は動作が検出されなくなった時点から所定時間が経過すること」などが挙げられる。
「発光手段」には、例えば「LED等の発光素子と、これを覆うレンズ等のカバー部材とからなる電飾装置」等のみならず、「液晶パネル及びそれを照らすバックライトを具備する液晶表示装置」等の「発光表示手段」も含まれる。
また、「減光」とあるのは、「単位時間当たりの光の照射量」や「輝度」、「明るさ」等を通常よりも低減させた状態を意味する。
手段2.前記節電手段及び前記切換操作手段は、前記節電状態を段階的に切換可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段2によれば、必要に応じて節電の度合いを調節可能となるため、さらなる利便性の向上を図ることができる。
ここで「節電状態を段階的に切換可能」とは、例えば複数の発光手段のうち消灯等する発光手段の個数を段階的に切換可能なことや、減光する発光手段の減光度合いを段階的に切換可能なことなどが含まれる。
手段3.前記発光手段として、液晶パネルからなる表示部を有した液晶表示装置を備えたことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
近年では、パチンコ機等の表示装置として液晶表示装置が採用されることが多く、さらにその液晶画面も大型化傾向にあるため、表示装置を節電するだけでもその効果は極めて大きい。
手段4.前記節電状態にある前記液晶表示装置の表示部にて、前記節電状態である旨を報知する節電報知表示を行うことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
液晶表示装置の表示部が減光等された節電状態となっていると、遊技者によっては故障中ではないかと勘違いし、当該遊技機にて遊技を行おうとしない遊技者もでてくるおそれがある。この点、上記手段4のように、液晶表示装置の表示部にて、例えば「節電中」と表示するなど、節電状態である旨を報知する節電報知表示を行うことにより、遊技機が故障していないことを遊技者が把握可能となり、前記不具合の発生を抑制することができる。
手段5.前記節電状態にある前記液晶表示装置の表示部に、定期的に又はランダムに所定の画像を動作表示させること(スクリーンセーバーを起動させること)を特徴とする手段4に記載の遊技機。
液晶表示装置の表示部にて、例えば「節電中」と表示するなど、節電状態である旨を報知する節電報知表示を行った状態のまま、遊技機が長時間使用されないと、液晶パネルの焼き付きが問題となる。この点、上記手段5によれば、前記不具合の発生を抑制することができる。
また、「ランダムに所定の画像を動作表示させる」場合には、所定の制御装置において生成される乱数を利用することができる。パチンコ機等の遊技機においては、各種抽選を行う遊技機の特性上、常時、乱数更新処理等を実行しているため、これを利用することにより、例えばパーソナルコンピュータ等のように前記処理を行うためにわざわざ乱数を生成する必要もなく、処理の簡素化を図ることができる。
手段6.前記節電状態にある前記液晶表示装置の表示部を遮蔽可能な遮蔽部材を備えたことを特徴とする手段3乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、節電中に、上記手段4のような節電報知表示や、手段5のような画像の動作表示を行うことなく、表示部を完全に消灯したとしても、遊技者が故障と勘違いする不具合や、液晶パネルの焼き付きといった不具合の発生を低減することができる。
手段7.前記節電状態において、所定の検出手段より所定の検出信号を入力した場合には、当該節電状態を終了し、前記液晶表示装置の表示部において、所定のデモンストレーション表示を実行することを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載の遊技機。
節電状態中は、遊技者が表示装置において行われる演出を把握することができないが、上記手段7によれば、例えば所定の操作手段等に触れるだけで、表示装置にて行われる演出内容を把握することができる。結果として、興趣の低下抑制を図ることができる。
手段8.前記節電状態にある前記発光手段において、定期的に又はランダムに所定の点灯制御又は点滅制御を行うことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
C.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。