JP6710629B2 - 関節トルク演算装置、関節トルク演算方法及び関節トルク演算プログラム - Google Patents

関節トルク演算装置、関節トルク演算方法及び関節トルク演算プログラム Download PDF

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Description

本発明は、関節トルク演算装置、関節トルク演算方法及び関節トルク演算プログラムに関する。
骨格の位置及び速度等の人間の動作を示す情報を与えて人間の関節トルクを求める逆動力学解析に関する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、関節力及び関節モーメントを推定する技術が開示されている。この技術は、人間の関節トルクや関節間の力を推定する。また、特許文献2には有限要素解析、プロセス統合及び設計最適化を用いた筋骨格モデリングに関する技術が開示されている。この技術は、モーションキャプチャにより得られるモーションキャプチャデータ(Motion capture data)を用いて人間の筋骨格モデルの逆動力学解析をする。
一方、自転車走行時における自転車乗員の動作を解析する技術が知られている。例えば、特許文献3には、自転車のペダリングスキルの評価指標を算出する技術が開示されている。また、特許文献4には、自転車乗員の筋疲労度、つまり、自転車のペダリング中の筋疲労情報をリアルタイムに生成する技術が開示されている。さらに、特許文献5には、自転車乗車時における自転車乗員の膝関節の運動軌跡を解析する技術が開示されている。
特表2005−527004号公報 特開2015−011714号公報 特開2014−008789号公報 特開2016−107093号公報 特開2015−091311号公報
ところで、自転車乗員が自転車を走行させる際における自転車乗員が発揮する力は、自転車に乗車した状態で自転車乗員によるペダリング動作を解析することで求めることができる。
ところが、自転車のペダリング動作中に自転車乗員の動作、例えば自転車乗員の関節位置を推定するためには、モーションキャプチャシステム等の大規模な装置を用いた複雑な処理が要求される。また、自転車乗員が発揮する力は、例えば自転車乗員の関節トルクに依存すると考えられるが、自転車に搭載可能なセンサは大きさ及び処理能力が限定的な簡易なセンサである場合が多く、簡易なセンサを用いて関節トルクを求めることは困難であった。
本発明は、上記事実を考慮し、簡単な構成で、自転車乗員の関節の関節トルクを推定することを目的とする。
本発明に係る関節トルク演算装置は、自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得する取得部と、前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定する関節トルク推定部と、前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する関節トルク変動量推定部と、を備える。
前記関節トルク変動量推定部は、前記サドルを、前記初期位置から複数の異なる位置に変位させた場合の複数の関節トルク各々を推定し、推定した複数の関節トルクのうち、自転車乗員が前記ペダルに作用させる負荷を評価する所定の評価関数の値が所定値となる変位量に対応するサドルの位置を、自転車乗員のサドルの位置として決定することができる。
前記評価関数は、ペダルへの負荷に対する前記関節トルクと関節の角速度とに基づき導出される関節パワーの負担率を示す関数を用いることができる。
なお、前記評価関数は、自転車乗員がペダルに作用させる負荷を評価できればよい。例えば、関節パワーをパラメータとして、関節パワーの最大値、最大値及び最小値の幅、そして、関節パワーの分布を評価してもよい。関節パワーの分布とは、関節パワーの波形成分であり、例えばペダル1回転分の関節パワー分布を示す。関節パワーの分布を評価する評価値には、所謂RMS(Root Mean Square)で知られている二乗平均平方根の算出方法により算出された値を用いることができる。
また、評価関数に用いるパラメータは、関節パワーに限定されるものではない。例えば、関節トルクをパラメータとして用いてもよい。
関節トルクをパラメータとして用いる場合、例えば、
例えば、関節トルクの最大値、関節トルクの最大値及び最小値の幅、そして、関節トルクの分布を評価してもよい。関節トルクの分布を評価する評価値には、関節パワーと同様に所謂RMSにより算出された値を用いることができる。
前記自転車乗員の関節の位置は、自転車乗員の股関節、膝関節及び足首関節の位置を含み、前記関節トルク推定部は、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節の少なくとも1つの関節の関節トルクを推定する。
前記関節トルク演算装置は、前記自転車に乗車した状態の自転車乗員について、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節を示す部位を節点とし、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節の各節点を繋ぐ自転車乗員の部位をリンクとしてモデル化した自転車乗員モデルを用いて、関節トルクを推定する。
前記取得部は、記憶部に記憶された前記骨格データ、及び前記構造データを取得することができる。
前記負荷データは、前記ペダルに作用する踏力を検出する踏力検出部で検出された踏力データを含む。
また、本発明に係る関節トルク演算方法は、自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得し、前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定し、前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する。
また、本発明に係る関節トルク演算プログラムは、自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得し、前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定し、前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する。
本発明によれば、簡単な構成で自転車乗員の関節の関節トルクを推定することができる。
本発明の実施の形態に係る関節トルク演算装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る関節トルク演算システム及びこの関節トルク演算システムが適用される自転車の概略構成図である。 関節トルク演算システムが適用される自転車にユーザが乗った状態においてユーザの下肢の関節位置関係を示す模式図である。 足首の関節位置関係をペダル座標系において示す要部の模式図である。 関節トルク演算システムが適用される自転車にユーザが乗った状態においてユーザの下肢の関節位置関係をクランクの一定角度毎に示す模式図である。 ユーザの下肢の一例として大腿部のリンクの位置関係を示す模式図である。 ユーザによるペダリング動作時の股関節に関係する特性の一例を示す図である。 関節パワーの発生源を説明するためのユーザの下肢を示す模式図である。 関節トルク演算システムとして機能させることが可能なコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るコンピュータシステムの制御部で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明に係る実施形態の一例を説明する。なお、図中に示される矢印X、矢印Y、矢印Zは、3次元座標のX軸、Y軸、Z軸に一致する方向である。なお、本実施の形態の適用方向が限定されるものではない。
ところで、自転車走行時に自転車乗員が有する力の発揮には、自転車乗員の関節の関節トルクが支配的と考えられる。詳細は後述するが、この関節トルクは、例えば、ペダルにかかる負荷データ、自転車乗員の骨格データ及び自転車の構造データが既知であれば、逆動力学解析(筋骨格解析)を用いて導出することができる。ところが、既知の構造データによる自転車の構造から、装備された一部の部材の位置を変更した構造に設定した場合には、既知の負荷データを用いて自転車乗員の関節の関節トルクを導出することは困難である。この課題に対して、本発明者は、鋭意研究の結果、自転車の構造を変更した変更量と、関節トルクの変動量とに相関関係があるという知見を得た。
そこで、本実施形態は、自転車の構造を変化させた際の走行時(ペダリング動作時)における自転車乗員の関節の関節トルクの変動量を効率的に求める関節トルク演算装置を開示する。つまり、本実施形態では、自転車に装備された位置調整が可能な部材の位置を変更した際における自転車乗員の関節の関節トルクを効率的に求める。また、本実施形態では、自転車乗員が有する力を最大限に発揮することが可能な部材の位置を導出する。
なお、本実施形態では、少なくとも関節トルクの変動量を求める関節トルク演算装置の一例として関節トルク演算装置の機能を内蔵した関節トルク演算システムを説明する。また、本実施形態では、自転車で位置調整が可能な部材の一例として、高さ調整が可能に自転車本体に取り付けられたサドル22(図2参照)を指定した場合を説明する。
[関節トルク演算システム]
図1に、本実施の形態に係る関節トルク演算装置を含む関節トルク演算システム10の概略構成の一例を示す。
本実施形態に係る関節トルク演算システム10は、関節トルク演算装置12、検出部14、入力部16及び出力部18を備えている。また、関節トルク演算装置12は、データ取得部122、トルク推定部124、及び変動量推定部126を備えている。
検出部14は、自転車の走行時における自転車及び自転車乗員に関係する情報を検出する。本実施形態の検出部14は、自転車乗員によるペダルにかかる負荷を検出するもので、例えば、少なくとも自転車乗員による自転車のクランクに取り付けられたペダルにかかる負荷として、ペダル1回転の踏力分布を検出できればよい(詳細は後述)。
入力部16は、自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データ、及び変位可能に自転車に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車に取り付けられたペダルの軌道並びにサドルとペダルとの距離を含む前記自転車の構造を示す構造データを入力するためのものである。
関節トルク演算装置12は、検出部14で検出されるペダルにかかる負荷を示す負荷データと、入力部16から入力される骨格データ及び構造データと、を用いて、自転車乗員の関節の関節トルクを推定する。また、関節トルク演算装置12は、サドル位置を変位させた場合の自転車乗員の関節の関節トルクの変動量を演算する。関節トルク演算装置12の演算結果は、出力部18へ出力される。
具体的には、関節トルク演算装置12に含まれるデータ取得部122は、検出部14で検出されるペダルにかかる負荷を示す負荷データと、入力部16から入力される骨格データ及び構造データと、を取得し、トルク推定部124へ出力する。トルク推定部124は、データ取得部122からの負荷データ、骨格データ及び構造データを用いて、逆動力学解析によって初期の自転車乗員の関節トルクを推定する。つまり、トルク推定部124は、骨格データ、構造データ、及び少なくともペダル1回転分の負荷データを用いて、初期位置のサドルに自転車乗員が着座した際のペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作における自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定する(詳細は後述)。変動量推定部126は、サドルを、構造データに示された位置から所定量を変位させた場合の関節トルクの変動量を推定する。つまり、変動量推定部126は、推定した関節トルク、負荷データ及び初期位置からサドルを変位させる変位量を用いて、初期位置からサドルを所定量変位させた場合の関節トルクを推定する(詳細は後述)。
出力部18は、関節トルク演算装置12で演算された関節トルクの変動量を示すデータを表示装置等のデバイスであり、自転車乗員に関節トルクの変動量を報知する。
この出力部18は、タッチ入力可能な液晶表示ディスプレイを含んで構成し、自転車乗員40がタッチして各種情報を入力する入力部16の一部として使用することができるタッチセンサ式の表示装置を用いることができる。出力部18は、関節トルク演算装置12により算出された関節トルク、関節パワー、及びそれらの変動量を示す情報を表示することができる。情報の表示は、例えば数値表示、大きさを示す記号及びグラフ等の何れかを選択して表示することができる。
なお、変動量推定部126では、複数推定した関節トルクの変動量から自転車乗員が有する力を最大限に発揮することが可能なサドルの位置を決定することができる。つまり、構造データに示されたサドルの位置から複数異なる所定量を変位させた場合の関節トルクの変動量各々を推定する。そして、推定した複数の変動量について評価する所定の評価関数(詳細は後述)の値が所定値となる変動量に対応するサドルの位置を、自転車乗員が有する力を最大限に発揮することが可能なサドルの位置として決定する。
[関節トルク変動量の推定]
ここで、自転車の構造を変更した場合における関節トルクの変動量の推定方法について説明する。
なお、本実施形態では、自転車乗員の下肢部分の関節に関係する部位について説明する。これは、自転車乗員が力(パワー)を発揮する部分は、自転車乗員の下肢部分が支配的であると考えられるためである。
(関節トルク)
まず、関節トルクの変動量を推定するのに先立って、自転車乗員の関節の関節トルクの推定について説明する。自転車乗員の関節の関節トルクを推定する一例として、逆動力学解析(筋骨格解析)手法により、ペダルにかかる負荷データ、骨格の時系列の動きを示す情報を含む自転車乗員の骨格データ及び自転車の構造データを用いた関節トルクの導出を説明する。自転車乗員の関節の関節トルクは、図1に示すトルク推定部124において導出される。
つまり、逆動力学解析は、人間の動作中の関節負担を解析することができる。一方、自転車乗員の動作は、関節Jを回転させることにより生成されるので、関節の負担はトルク(モーメント)である。従って、関節トルク(関節モーメント)は、関節負担であり、関節の負担を示す物理量である。そこで、本実施形態では、自転車乗員の動作中の関節の負担を示す物理量を、逆動力学解析によって導出する。
なお、本実施形態では、下肢の右側の右股関節J9、右膝関節J10及び右足首関節J11の少なくとも1つの関節の関節パワーも導出する。関節パワーは、関節の関節トルクと関節の角速度との積(関節パワー=関節トルク×角速度)により定義される。
具体的には、逆動力学解析を用いて、右股関節J9の股関節トルクThip は、次の(E1)式で表すことができる。なお、右膝関節J10の膝関節トルクTknee及び右足首関節J11の足首関節トルクTankle も同様に表すことができるので、記載を省略する。

なお、(E1)式では、次の記号で表記した。

上述の(E1)式における右辺第1項の左項部分は股関節〜ペダルまでのベクトルに依存する項であり、股関節からペダルシャフトまでのモーメントアームベクトルに対応する。また、右辺第1項の右項部分はペダル踏力に依存する項である。右辺第2項は下肢を動かすための成分であり、例えば、各部位の角速度、角加速度、慣性モーメント、及び質量に依存する項である。つまり、右辺第2項は例えば無負荷でペダル33を回転させるときの関節負担を示す。
ここで、(E1)式における各項の導出手法について更に説明する。
(自転車及び自転車乗員)
まず、関節トルクの導出に適用可能な自転車20及び自転車乗員40の構成を説明する。
図2に、関節トルクの導出に適用可能な自転車20及び自転車乗員40を模式的に表した構成の一例を示す。
・自転車の構成
自転車20の自転車本体である骨格部材としてのフレーム21には、高さ調整が可能とされるシートポスト221を介してサドル22が取付けられている。
また、フレーム21の後部には、リアギア27を介して、外周部にタイヤが装着されたリアホイール28が取付けられている。リアホイール28は、フロントホイール26と同様に、Y軸を中心として回転可能とされている。
フレーム21の下部には、フロントギア29に連結されたY軸方向を回転軸方向とするクランク軸30が取り付けられている。クランク軸30はY軸を中心として矢印A方向のY軸周りに回転する構成とされている。クランク軸30にはクランク(クランクアーム)31の一端部が連結されている。クランク31はクランク軸30の両端部に左右一対に設けられている。一方のクランク31は、他方のクランク31に対して、クランク軸30を中心として180度反転した位置に取付けられている。クランク31の他端部にはペダルシャフト32が連結され、ペダルシャフト32にはペダル33が矢印B方向に回転自在に取付けられている。
フロントギア29とリアギア27との間はチェーン34が巻き掛けられている。なお、チェーン34はベルトであってもよい。ここで、ペダル33に自転車乗員40の踏力が与えられると、踏力は、ペダルシャフト32及びクランク31を介してクランク軸30に、このクランク軸30を回転させる回転力として伝達される。そして、この回転力は、フロントギア29、チェーン34及びリアギア27を介してリアホイール28に伝達され、自転車20を走行させる駆動力となる。
・自転車乗員
自転車乗員(以下、ユーザという。)は自転車20に乗車して走行させる。逆動力学解析(筋骨格解析)では、剛体と見なせる2以上の自然数N個のリンク(セグメント)SとN−1個の関節(ジョイント)Jとを含んで構成される数値演算が可能なオブジェクト(対象物)としてモデル化して表現することができる。本実施形態ではユーザ40を図2に示すようにモデル化して表現する。
図2に示す例では、ユーザ40の頭部はリンクS1、胴体、腰部は各々リンクS2、S3として表現される。右上腕、右前腕、右手は各々リンクS4、S5、S6、左上腕、左前腕、左手は各々リンクS7、S8、S9として表現される。右大腿、右下腿、右足は各々リンクS10、S11、S12、左大腿、左下腿、左足は各々リンクS13、S14、S15として表現される。
リンクは、他のリンクと関節により連結される。ユーザ40の下肢部分であるリンクS10(以下、「右大腿S10」という場合がある)は関節J9(以下、「右股関節J9」という場合がある)により胴体であるリンクS3に連結されている。リンクS10、リンクS11(以下、「右下腿S11」という場合がある)の各々は関節J10(以下、「右膝関節J10」という場合がある)により連結されている。リンクS11、リンクS12(以下、「右足S12」という場合がある)の各々は関節J11(以下、「右足首関節J11」という場合がある)により連結されている。
さらに、リンクS3、リンクS13の各々は関節(左股関節)J12により連結され、リンクS13、リンクS14の各々は関節(左膝関節)J13により連結され、リンクS14、リンクS15の各々は関節(左足首関節)J14によりそれぞれ連結されている。
ここで、リンクS1〜リンクS15は、各々、X軸、Y軸及びZ軸を含む3次元座標系において3つの位置的自由度及び3つの速度的自由度を有する。つまり、リンクS1〜リンクS15各々は合計6個の自由度を備えている。同様に、関節J1〜関節J14は合計6個の自由度を備えている。
本実施の形態では、ユーザ40の下肢の右股関節J9、右膝関節J10、右足首関節J11の少なくとも1つの関節の関節トルクを算出する。なお、関節トルクの算出方法は左右において同一手法であるため、本実施の形態は下肢の右側の右股関節J9、右膝関節J10及び右足首関節J11の関節トルクの算出方法を説明し、左側の関節J12〜関節J14の関節トルクの算出方法の説明は省略する。
(ベクトルの導出)
まず、上述の構成による自転車を操作して走行させた際のユーザ40における関節トルクに関係する(E1)式における右辺第1項の左項部分(股関節からペダルまでのベクトル)の導出について説明する。
図3に、ユーザ40の下肢における関節の位置関係を模式的に示す。本実施形態では、ユーザ40の下肢を図3に示す二次元モデルとして扱う。また、図4に、ペダル33を中心とした二次元座標系におけるペダル33周辺を模式的に示す。さらに、図5に、自転車20のペダリング動作中における自転車(クランク31)の回転及びユーザ40の下肢の動きによる関節位置関係を模式的に示す。
なお、以下の説明では、自転車20のサドル22は固定されているものとし、変更可能なサドル22の位置の初期値とする。本実施形態では、サドル22の位置の初期値を含む自転車の各部分の構造を示す既知の構造データを用いる。また、自転車20ではユーザ40の足部(リンクS12)はペダル33に固定されることを想定し、ペダル33に対する足首の位置(図4では右足首関節J11の関節位置)は変動しないものとする。さらに、図3に示す自転車座標系は、クランク軸30の回転中心を座標原点とする。さらにまた、ユーザ40の下肢を図3に示す二次元モデルとして扱うが、この場合、図3に示すY軸方向の変位が0又は一定であるものとし、説明を簡単にするため、以下の説明では、図3に示すY軸方向の変位が0の場合を説明する。
また、本実施形態では、ユーザ40の各部位における既知の骨格データを用いる。骨格データの一例には、右股関節J9から右膝関節J10までの右大腿S10の長さLf 、右膝関節J10から右足首関節J11までの右下腿S11の長さLl 、及び右足首関節J11からペダルシャフト32の中心位置までの長さLapが用いられる。これらの骨格データは事前に計測器を用いて計測した値を用いる。具体的には、ユーザ40にサドル22へ腰かけてもらい、股関節(大転子)の位置座標を計測する。位置座標の計測は、定規及び分度器等の計測器を用いて計測すればよい。また、ユーザの骨格の各部位を示す長さ及び位置は、人体計測器などを用いて計測すればよい。つまり、計測部位は、股関節〜膝関節の長さLf 、膝関節〜足首関節の長さLl 、及びペダル座標系における足首位置までの長さLapである。
また、ユーザ40は初期値に固定されたサドル22に腰かけて自転車20を操作するので、右股関節J9の関節位置は固定値として扱うことができる。具体的には、自転車20のサドル22の初期位置を測定し、例えば、サドル22の前後中間位置及び左右中間位置においてサドル22の上面から上方へ例えば30mmの位置を右股関節J9の関節位置とすることができる。
さらに、走行時(ペダリング時)にはペダル33の向き(姿勢角)が変化すると考えられるが、本実施形態では、統計データに基づいたクランク角度に関する関数として足首関節の関節位置を算出する(詳細は後述)。なお、ペダル33の姿勢角を検出し、検出された姿勢角を示す姿勢角情報に基づいて右足首関節J11の関節位置を算出するようにしてもよい。
なお、骨格データは、ユーザ40をモデル化したオブジェクトを示す「ユーザモデル情報」として、入力部16に入力される。また、入力部16に入力される情報は、予め記憶部に記憶しておき、記憶部から入力されるようにしてもよい。
図3及び図4に示すように、クランク31は一定長であるので、クランク軸30の中心位置からペダルシャフト32の中心位置までの長さLc は一定である。このため、Z軸とクランク31とがなすクランク角度をθとし、図3の紙面時計回り方向を正方向とすると、クランク軸30からペダルシャフト32の二次元座標系における回転位置であるX軸方向の座標位置Xp 及びZ軸方向の座標位置Zp は、(E2)式に示すように三角関数を用いて導出することができる。

導出されたペダルシャフト32の回転位置(座標位置Xp、Zp)から、右足首関節J11の位置を導出することができる。つまり、ペダルシャフト32の回転位置(座標位置Xp、Zp)から右足首関節J11の位置までの長さは一定である。一方、走行時(ペダリング時)にはペダル33の向き(姿勢角)が規則的に変化すると考えられる。そこで、本実施形態では、(E3)式に示すように、統計データに基づいたクランク角度に関する関数を用いて右足首関節J11の位置(座標位置Xa、Za)を導出する。なお、(E3)式におけるsinθp、cosθpは、角度θpを図3の紙面時計回り方向を正方向とした場合のクランク角度に関する関数である。

導出された右足首関節J11の位置(座標位置Xa、Za)と右股関節J9の関節位置とから右膝関節J10の位置を幾何学的に導出することができる。つまり、右股関節J9の関節位置は固定値であるため、右膝関節J10の関節位置(座標位置Xp、Zp)は、右足首関節J11から右下腿S11の長さLl の線分と、右股関節J9から右大腿S10の長さLf の線分と、の交点位置が右膝関節J10の関節位置として導出できる。
上述のようにして各ジョイントの一及びペダル33の中心位置を導出することができる。
(ペダル踏力)
次に、(E1)式における右辺第1項の右項部分はペダル踏力の導出について説明する。ペダル踏力は、ペダルシャフト32の回転位置に対応して導出される。ここでは、クランク角度θの角速度は一定であるとする。
検出部14では、ペダル33を介してペダルシャフト32に作用する踏力が検出される。つまり、検出部14である踏力検出センサ(例えば3分力計や6分力計)により、二次元座標系における踏力の大きさと方向とが検出される。踏力の大きさと方向とは、ペダル33の1回転の周期に対応する周期の分布で、検出される。
従って、クランク31の1回転分の踏力情報(踏力の大きさと方向)分布を計測し、予め定めた分割数で分割、例えば100分割することで、100分の1の回転角度(360/100)毎のX軸方向に作用する力、Z軸方向に作用する力を導出することができる。なお、踏力情報は、クランク角度θの関数としてもよい。また、1周期の時間を計測することで、例えば1分間当たりのペダル回転数を算出することができ、角速度も導出することができる。
なお、自転車乗員による踏力に関係する情報を、より正確に検出する場合には、検出部14として機能するセンサを複数備えればよい。例えば、クランク31の回転位置を検出する第1検出部、ペダルシャフト32に作用する踏力の大きさ又は大きさと方向とを検出する第2検出部、及びペダルシャフト32に対するペダル33の姿勢角(傾斜角度)を検出する第3検出部を備える。
第1検出部の一例として、磁気式又は光学式の回転(回転数)検出センサを用いることができる。第1検出部は、フロントギア29に装着され、クランク軸30を中心に回転するクランク31の回転位置を検出する。また、クランク31の回転位置の検出は、クランク31の長手方向の長さ(詳細にはクランク軸30の中心からペダルシャフト32の中心までの寸法)が既知であるので、クランク31の回転位置を検出することでペダルシャフト32の回転位置を検出できる。
第2検出部の一例として、踏力検出センサ(踏力計)を用いることができる。第2検出部14は、ペダルシャフト32に装着され、X軸及びZ軸を含む二次元座標系において、自転車乗員(ユーザ)40の下肢からペダル33を介してペダルシャフト32に作用する踏力の大きさ、又は大きさと方向とを検出する。また、第2検出部には、ペダル33に装着された圧力センサを用いることができる。
第3検出部の一例として、慣性センサを用いることができる。第3検出部は、ペダル33及びペダルシャフト32のいずれか一方に装着され、ペダルシャフト32に対するペダル33の姿勢角(傾斜角度)を検出する。
(下肢成分)
次に、(E1)式における右辺第2項は下肢を動かすための成分(例えば、各部位の角速度、角加速度、慣性モーメント、及び質量)の導出について説明する。ここでは、各リンクのキネマティクス(Kinematics)量を導出する場合を一例として説明する。
図6に、ユーザ40の下肢の一例として大腿部のリンク(右大腿S10)の位置関係を模式的に示す。
図6に示すように、右大腿S10とX軸との成す角度(θf )は、右股関節J9の関節位置(xhip 、zhip)と、右膝関節J10の関節位置(xknee 、zknee)とを用いて、次の(E4)から導出することができる。また、右大腿S10の重心位置は、次の(E4)から導出することができる。
なお、αは、重心位置の場所を示す割合を表し、既存のデータベースを用いることができる。既存のデータベースの一例として、「阿江通良、湯海鵬、横井孝志、日本人アスリートの身体部分慣性特性の推定(1部形態と運動の計測)、バイオメカニズム Vol.11(1992),pp.23-33.」の文献に記載のものが挙げられる。
ここで、例えば右大腿S10の重心位置は、走行時に時々刻々と変化する。従って、上述の構造の幾何計算により、時々刻々と変化する重心位置の各々を導出し、時間微分することによって、次の(E6)に示すように、角速度、角加速度、及び加速度を導出することができる。
なお、導出した角速度、角加速度、及び加速度データの何れかの値に変動がある(がたつく)場合は適宜フィルタ(例えば、バタワース4次、10Hzなど)処理を行うことが好ましい。
また、各部位の質量、慣性モーメントはユーザ40の体重と各関節間長さをい用いて既知の手法により導出する。既知の手法の一例には、上記文献に記載の算出式を用いることができる。
(サドル位置変更による関節トルクの変動量)
上述のようにして、ユーザ40の関節の関節トルクの推定、つまり各ジョイントの関節トルクを導出することができる。
ところで、ユーザ40のクセ等による力を発揮する動作パターンが相違する場合、自転車20の構造を一部変更、例えばサドル22の位置を調整することで、ユーザが有する力を最大限に発揮させることが可能であることが経験的に知られている。しかし、自転車20の構造の一部を変更毎に逆動力学解析して関節トルクを推定するのには膨大な演算量が伴い、現実的ではない。つまり、サドル22の初期位置におけるユーザ40の各関節の関節トルクは導出できるものの、サドル22を初期位置から変位させた場合に生じる関節トルクの変動量を導出することは困難である。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、上述の(E1)式における右辺第1項が外力を出すための成分で、右辺第2項が下肢を動かすための成分であることに着目し、自転車の構造の一部を変更した変更量と、関節トルクの変動量とに依存関係があるという知見を得た。つまり、本実施形態では、関節トルクの変動量を簡単に導出して、ユーザが有する力を最大限に発揮させることを可能にする自転車20の構造、つまりサドル22の最適な位置を導出することを可能にした。ユーザ40の関節トルクの変動量は、図1に示す変動量推定部126において導出される。
以下に関節トルクの変動量の導出について詳細に説明する。
上述の(E1)式は、次の(E7)式で表すことができる。
具体的には、(E1)式における右辺第1項の外力を出すための成分は、幾何学的な構造が支配的な成分J(ポジション)と、ペダル踏力が支配的な成分fとを乗じた成分である。また、(E1)式における右辺第2項が下肢を動かすための成分は、無負荷でペダル33を回転させるときの関節負担を示す成分Kであり、関節トルクへの寄与が小さいと考えられる。なお、Jはヤコビアン(ヤコビ行列)である。
上述の(E7)式において、自転車20の構造変更、つまりサドル22の位置を変更した場合は、次の(E8)式に示す多項式で表すことができる。
上述の(E8)式における記号は、サドル22の初期位置hとし、初期位置からの変更量を△hとした場合、次に示す(E9)式に示すものである。
上述の(E7)式及び(E8)式から、関節トルクの変動量△Tは、次の(E9)式に示す多項式で近似できる。
ここで、本発明者は、鋭意研究の結果、上述の(E10)式における右辺第2項及び第3項は、互いに打ち消しあう傾向になるという結果を得た。従って、上述の(E9)式は、次の(E11)式で表すことができ、関節トルクの変動量(△T)は、幾何学的な構造変化量(△J)と、ペダル踏力(f)とを乗じた値に近似できるという結論に達した。
従って、サドル22の初期位置hからの変更量△hだけ高さを変更した場合の関節トルクは、次の(E12)式に示すように、サドル22の高さの関数として表すことができる。
なお、上述の(E12)式では、関節トルクの初期値Tは次の(E13)式で表したものである。
ここで、本実施形態では、サドル22の高さを変更した場合に導出された関節トルクの変動量、及び関節トルクから、ユーザ40が有する力を最大限に発揮することが可能な部材の位置(サドル22の高さ)を導出することができる。
図7に、2人のユーザ40各々が自転車20でペダリング動作を行った場合における股関節に関係する特性の一例を示す。図7(A)は股関節トルク特性を示し、図7(B)は股関節角速度特性を示し、図7(B)は股関節パワー特性を示す。図7では、所謂上級ユーザ(以下、ユーザ40pro という)を実線で示し、所謂初級ユーザ(以下、ユーザ40ama という)を点線で示した。
図7(B)に示すように、股関節角速度は、ユーザ40pro とユーザ40ama とに大きな相違はない。つまり、ユーザ40pro 及びユーザ40ama を一見すると、同様の動作でペダリングしているように推定される。しかし、図7(A)に示すように、股関節トルクは、ユーザ40pro が踏込時に略平均的に股関節トルクが生じているのに対して、ユーザ40ama には股関節トルクにバラツキが多くが生じている。また、図7(C)に示すように、股関節パワーは、ユーザ40pro が踏込時に大きいな股関節パワーが生じているのに対して、ユーザ40ama はバラツキが多い。つまり、ユーザ40pro は、自身が有する力を最大限に発揮していると推定されるが、ユーザ40ama は自身が有する力を発揮できずに改善の余地があると推定される。
そこで、本実施形態では、ユーザ40が有する力を最大限に発揮することが可能な部材の位置(サドル22の高さ)を導出するために、部材の位置(サドル22の高さ)の変更によるユーザ40に対するペダリングパフォーマンスを評価する。具体的には、関節トルクに関係したユーザ40に対して意味のある物理量を求め、求めた物理量の大小を判定することによりペダリングパフォーマンスを評価する。本実施形態では、ペダリングパフォーマンスを評価する一例として、ペダル33に伝達されるパワー、つまりペダルパワー(推進パワー)に対する関節パワーの寄与率をペダリングパフォーマンスの指標(パフォーマンス量)とする。
なお、本実施形態では、ペダリングパフォーマンスの指標(パフォーマンス量)を用いてペダリングパフォーマンスを評価する一例を説明するが、ペダリングパフォーマンスの指標(パフォーマンス量)に限定されるものではない。つまり、本実施形態では、評価関数として、ペダルへの負荷に対する関節トルクと関節の角速度とに基づき導出される関節パワーの負担率(寄与率)を示す関数を用いた場合を説明するが、評価関数はこれに限定されるものではない。
つまり、自転車乗員がペダルに作用させる負荷を評価する場合の一例を説明する。しかし、他の例として、関節パワーをパラメータとして、関節パワーの最大値、最大値及び最小値の幅、そして、関節パワーの分布を評価してもよい。関節パワーの分布とは、関節パワーの波形成分であり、例えばペダル1回転分の関節パワー分布を示す。関節パワーの分布を評価する評価値には、所謂RMS(Root Mean Square)で知られている二乗平均平方根の算出方法により算出された値を用いることができる。また、評価関数に用いるパラメータは、関節パワーに限定されるものではない。例えば、関節トルクをパラメータとして用いてもよい。関節トルクをパラメータとして用いる場合、例えば、関節トルクの最大値、関節トルクの最大値及び最小値の幅、そして、関節トルクの分布を評価してもよい。関節トルクの分布を評価する評価値には、関節パワーと同様に所謂RMSにより算出された値を用いることができる。
ペダリングパフォーマンスを評価することは、目的関数objの最適値を求めることに相当する。本実施形態では、目的関数objとして、次の(E14)式に示す評価関数を用いる。なお、(E14)式に示す評価関数は、ペダルパワーに対する股関節パワーの負担率(寄与率)を示す。この(E14)式に示す評価関数と同様に、膝関節パワーの負担率及び足首関節パワーの負担率を導出することができる。これらのパフォーマンス量は、図1に示す変動量推定部126において導出される。
なお、(E14)式では、tcycle は、ペダル33が1回転するのに要する時間を示す。従って、(E14)式は、ペダル33の1におけるペダルパワーの平均値と、関節の各成分の平均値の比を示している。
(関節パワー)
ペダリングパフォーマンスを評価するにあたり、関節パワーの導出について説明する。
本実施の形態では、関節トルクを導出した後に、関節パワーが算出される。自転車20においてユーザ40のペダリング動作中における下肢系の関節トルクが算出される。
図8に、ユーザ40における関節パワーの発生源を説明するためのユーザ40の下肢を模式的に示す。
ユーザ40は自転車20のペダル33にパワーを伝達する。ペダル33に伝達されたパワーは、ペダルシャフト32、クランク31、クランク軸30、フロントギア29を順次介してチェーン34に伝達される。このパワーは、更にリアギア27を介してリアホイール28に伝達され、自転車20の駆動力になる。ペダル33に伝達されるパワー、つまりペダルパワー(推進パワー)の発生源は、ユーザ40に対する運動方程式から下記式(E15)に示す関節毎に項分けされた多項式から導くことができる。


ここで、各数式に使用される記号の意味は以下の通りである。

上記式(E15)の右辺第1項は股関節、ここでは右股関節J9の並進運動によるパワーである。右辺第2項は右股関節J9の股関節パワー、右辺第3項は右膝関節J10の膝関節パワー、そして右辺第4項は右足首関節J11の足首関節パワーである。つまり、関節パワーは関節トルクと角速度との積により表わされる。
ここで、ユーザ40がサドル22から受ける反力は股関節を通じて右側の下肢がユーザ40の上体より受ける力である。詳細には、右辺第1項の股関節の並進運動によるパワーは、ユーザ40が上体の体重を使って股関節を通じて足を下方に押す成分、左足の動きを通して右足を動かす成分、ハンドルバーを強く押し引きする反動により下肢に力を伝える成分等が含まれている。つまり、股関節が発生させるパワーではなく、下肢以外の部位が股関節を通じてペダル33に影響を及ぼす成分である。
ペダルパワーにおける股関節パワーの寄与率は次の(E16)式により表される。

股関節の併進運動によるパワーの寄与率は、ペダルパワーにおいて支配的ではないことが実験的に求められている。
ペダルパワーは、単位時間当たりのエネルギの変化量であるため、時々刻々と変化する物理量である。従って、上述の(E15)式の右辺第1項から右辺第4項の各成分のペダルパワーに対する寄与率は時々刻々と変化する。
そこで、ペダル33の所定の回転角度当たり(一周期当たり)のペダルパワーの平均値と各成分の平均値との比が上述の(E14)式を用いて算出することで、関節パワーを定量化したパフォーマンス量を導出することができる。(E14)式ではペダルパワーの平均値と股関節パワーの平均値との比が算出され、股関節パワーに関するパフォーマンス量が定量化されている。他の関節パワーについても、同様の手法により定量化することができる。また、所定の回転角度とは、クランク31の1回転中の角度、例えばクランク31の上死点から下死点までの180度の角度、クランク31の1回転、又は2回転以上の複数回転を含む。
従って、パフォーマンス量が最大となるサドル22の位置を、ユーザ40が有する力を最大限に発揮することが可能な部材の位置(サドル22の高さ)として導出する。例えば、右股関節パワーに関して評価する場合、(E14)に示す股関節に関するパフォーマンス量が最大になるサドル22の位置を、右股関節J9で大きな股関節パワーを発生させることが可能な位置であることを、ユーザ40に提示することができる。
[コンピュータシステム]
図1に一例を示す関節トルク演算システム10は、汎用的なコンピュータによる構成の制御部を含むコンピュータシステムで実現可能である。
(コンピュータシステムの構成)
図9に、関節トルク演算システム10として機能させることが可能なコンピュータシステム19の概略構成を示す。なお、コンピュータシステム19は、自転車20に装備されるサイクルコンピュータに適用することができる。
コンピュータシステム19は、関節トルク演算装置12として機能される制御部13を備えている。制御部13は、CPU13A、RAM13B、ROM13C、及びI/O13Dを含むコンピュータで構成される。CPU13A、RAM13B、ROM13C、及びI/O13Dは、データやコマンドを授受可能にバス13Eに接続されている。また、ROM13Cには、演算プログラム13Pが記憶されている。演算プログラム13Pは、関節トルク演算装置12のデータ取得部122、トルク推定部124、及び変動量推定部126として制御部13を機能させるプロセスを含んでいる。
また、I/O13Dには、検出部14、入力部16及び出力部18が接続されている。なお、図9の例では、入力部16に入力される骨格データを含むユーザモデル情報、及び自転車20の構造データを含む情報を、予め記憶した記憶部としての不揮発性メモリ15がI/O13Dに接続されている。
制御部13では、CPU13AがROM13Cに記憶されている演算プログラム13Pを読み出してRAM13Bに展開し、展開された演算プログラム13Pを実行することによって、制御部13が関節トルク演算装置12として動作される。
(コンピュータシステムの動作)
次、本実施形態に係るコンピュータシステム19の制御部13で行われる具体的な処理について説明する。
図10は、本実施形態に係るコンピュータシステム19の制御部13で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、図示しないコンピュータシステム19の電源スイッチがオンされた場合に開始する。また、図10の処理は、入力部16からユーザ40の指示によるコマンド入力された場合に開始してもよい。
ステップS100では、CPU18Aが、不揮発性メモリ15からユーザ40の骨格データ及び自転車20の構造データを取得する。また、ステップS100では、骨格データ及び構造データを用いて解析対象であるユーザ40及び自転車20をモデル化する。次のステップS102では、検出部14で検出されたペダル1回転分の踏力に関係するデータを取得する。ステップS102で取得されたペダル1回転分の踏力に関係するデータは、上述の(E7)式における右辺第1項におけるペダル踏力が支配的な成分fに対応するる。これらのステップS100及びステップS102の処理プロセスは、図1に示す関節トルク演算装置12のデータ取得部122の機能に対応する。
次のステップS110では、幾何学計算によりペダル33の1回転分のユーザ40の動作が推定される。次のステップS112では、逆動力学解析による演算処理によって、ペダル33の1回転分における各関節の関節トルクの分布を導出する((E1)式も参照)。なお、ステップS110で推定されるペダル33の1回転分のユーザ40の動作は、上述の(E7)式における右辺第1項の外力を出すための成分のうち幾何学的な構造が支配的な成分Jと、右辺第2項の下肢を動かすための成分Kに対応する。これらのステップS110及びステップS112の処理プロセスは、図1に示す関節トルク演算装置12のトルク推定部124の機能に対応する。
次に、ステップS120では、関節トルクの最適化処理が実行される。ステップS120の処理プロセスは、図1に示す関節トルク演算装置12の変動量推定部126の機能に対応する。このステップS120では、少なくともサドル22の位置が変更された場合の関節トルクの変動量が導出される。また、このステップS120では、サドル22の最適な位置も導出することができる。詳細には、ステップS121で、現在位置から所定量だけ変位させた場合のサドル22の位置を設定する。最初の処理では、ステップS100で取得された自転車20の構造データの初期値(サドル22の初期位置h)から所定量変位(初期位置からの変更量△h)されたサドル22の位置が設定される。次のステップS122では、所定量変位されたサドル22の位置におけるペダル33の1回転分のユーザ40の動作がステップS110と同様に推定される。このステップS122で推定されるユーザ40の動作は、(E11)式における幾何学的な構造変化量(△J)に対応する。そして、次のステップS123では、ステップS102で取得されたペダル1回転分の踏力に関係するデータ(踏力分布)を用いて関節トルクの変動量を演算する。つまり、ステップS123では、(E11)式を用いて、構造変化量(△J)と、ペダル踏力(f)とを乗じた値を関節トルクの変動量(△T)として導出する。
次のステップS124では、ペダリングパフォーマンスを評価するためのパフォーマンス量を演算する。つまり、(E14)式に示す評価関数を用いて演算された、例えばペダルパワーに対する股関節パワーの負担率をパフォーマンス量として導出する。次のステップS125では、ステップS123で導出したパフォーマンス量の収束判定を実行する。この収束判定は、ステップS123で導出したパフォーマンス量がこれまで導出したパフォーマンス量の中で最大値であるかを判定する処理である。次のステップS126では、ステップS125の判定結果が収束(最大)である場合に肯定判断されてステップS127へ処理が移行される。一方、ステップS126で否定判断された場合は、ステップS121へ処理を戻し、サドル22の位置を現在位置から所定量だけ変位させて上記処理を実行する。
なお、パフォーマンス量の最大値判定をする処理は、予め定めたサドル22の変動範囲内で複数のパフォーマンス量を導出した中から選択するようにしてもよい。また、前回導出したパフォーマンス量からの変動傾向の大小を監視し、パフォーマンス量の特性における変曲点を求め、その変曲点に対応する値をパフォーマンス量として導出してもよい。
次に、ステップS127では、パフォーマンス量の最大値となる関節トルク変動量に対応するサドル22の位置を、ユーザ40が有する力を最大限に発揮することが可能なサドル22の高さとして決定し、決定されたサドル22の高さを示す情報を、次のステップS128で出力部18へ出力する。このようにして、ユーザ40が有する力を最大限に発揮することが可能なサドル22の高さを出力部18からユーザ40へ提示することができる。
出力部18からユーザ40へ提示するは、関節トルク変動量のみでもよい。この場合、ステップS124及びステップS125の処理はスキップし、ステップS126の判定処理を所定回数実行したかの判定処理にすればよい。
(試験例)
本実施形態にかかる関節トルク演算システム10を用いて異なるユーザ40に対してサドル22の位置の最適化処理を行った結果、次の表1に示す結果を得た。

表1は、身長171cmでかつ、体重62kgのユーザ(1)と、身長165cmでかつ、体重55kgのユーザ(2)との2名のユーザ40について実験した結果である。
また、ペダリング動作は、毎分90回転で、かつ240Wで定常走行を1分間計測した結果である。
股関節、膝関節、足首関節、ペダルにマーカーを貼りモーションキャプチャで計測する。ペダルには3分力計を配置し、その時系列データを取得するようにした。これらの位置と力のデータに対して約90回転分を平均化し、1回転データとした。これらのデータを、上述の最適化処理(トルク予測+目的関数計算)に組み入れた結果、ユーザ(1)及びユーザ(2)の各々に相違する最適なサドル高さを導出することができた。
表1に示す試験結果からも理解されるように、関節トルク演算システム10を用いたサドル位置の最適化には、十分な実用性がある。
[その他の実施形態]
上記実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、自転車に乗るユーザの下肢の関節トルクや関節パワーの測定(算出)に本発明が適用されたが、本発明は、競技用ボートを漕ぐユーザの下肢や上肢の関節トルクや関節パワーの測定に適用してもよい。
また、上記実施の形態では、ユーザは人間とされているが、例えば人間と同等のリンクと関節とを有する人間型ロボットや、下肢に相当するリンクと関節とを有するロボットに、本発明を適用することができる。勿論、本発明は、動物の関節トルクや関節パワーの測定にも適用可能である。
さらに、上記実施の形態では、出力部として表示装置に適用された例を説明したが、出力部は、音声出力装置としてもよいし、表示装置と音声出力装置とを混在させてもよい。具体的には、音声出力装置は、自転車の操作中のユーザに対して、関節トルクや関節パワーを音声により知らせる構成とされる。
10 関節トルク演算システム
12 関節トルク演算装置
14 検出部
16 入力部
18 出力部
20 自転車
30 クランク軸
31 クランク
32 ペダルシャフト
33 ペダル
40 ユーザ
122 データ取得部
124 トルク推定部
126 変動量推定部
S1〜S15 リンク(セグメント)
J1〜J14 関節(ジョイント)

Claims (9)

  1. 自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得する取得部と、
    前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定する関節トルク推定部と、
    前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する関節トルク変動量推定部と、
    を備えた関節トルク演算装置。
  2. 前記関節トルク変動量推定部は、前記初期位置からの複数の異なる変位量を用いて複数の関節トルク各々を推定し、推定した複数の関節トルクのうち、自転車乗員が前記ペダルに作用させる負荷を評価する所定の評価関数の値が所定値となる変位量に対応するサドルの位置を、自転車乗員のサドルの位置として決定する
    請求項1に記載の関節トルク演算装置。
  3. 前記評価関数は、ペダルへの負荷に対する前記関節トルクと関節の角速度とに基づき導出される関節パワーの負担率を示す関数である
    請求項2に記載の関節トルク演算装置。
  4. 前記自転車乗員の関節の位置は、自転車乗員の股関節、膝関節及び足首関節の位置を含み、
    前記関節トルク推定部は、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節の少なくとも1つの関節の関節トルクを推定する
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の関節トルク演算装置。
  5. 前記自転車に乗車した状態の自転車乗員について、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節を示す部位を節点とし、前記股関節、前記膝関節及び前記足首関節の各節点を繋ぐ自転車乗員の部位をリンクとしてモデル化した自転車乗員モデルを用いて、関節トルクを推定する
    請求項4に記載の関節トルク演算装置。
  6. 前記取得部は、記憶部に記憶された前記骨格データ、及び前記構造データを取得する
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の関節トルク演算装置。
  7. 前記負荷データは、前記ペダルに作用する踏力を検出する踏力検出部で検出された踏力データを含む
    請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の関節トルク演算装置。
  8. 自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得し、
    前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定し、
    前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する
    関節トルク演算方法。
  9. 自転車乗員の関節の位置及び関節間の距離を含む自転車乗員の骨格を示す骨格データと、変位可能に自転車本体に取り付けられたサドルの初期位置及び回転可能に前記自転車本体に取り付けられたペダルの軌道並びに前記サドルと前記ペダルとの間の距離を含む自転車の構造を示す構造データと、自転車乗員による前記ペダルにかかる負荷を示す負荷データと、を取得し、
    前記骨格データ、前記構造データ、及び前記負荷データの少なくともペダル1回転分のデータを用いて、初期位置の前記サドルに自転車乗員が着座した際の前記ペダル1回転分の自転車乗員の関節の軌道を含む自転車乗員の動作を推定し、かつ推定した自転車乗員の動作に基づいて、自転車乗員の各関節の関節トルクを逆動力学解析により推定し、
    前記推定した関節トルク、前記負荷データ、及び前記初期位置からの前記サドルの変位量を用いて、前記サドルを変位させた場合の関節トルクを推定する
    ことを含む処理をコンピュータに実行させるための関節トルク演算プログラム。
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