JP6732167B2 - 関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラム - Google Patents

関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラムに関する。
下記特許文献1には、関節力及び関節モーメントのフィードバック推定方法並びに装置が開示されている。この推定方法並びに装置は、バイオメカニクス分野(Biomechanics
field)において、逆動力学に基づいて人間や動物の動作の解析に使用されている。例えば、上記推定方法及び装置では、人間や動物の関節トルクや関節間の力を見積もることができる。
特許第4264345号公報
逆動力学に基づいて解析される一般的な動作として、「歩行」が対象とされている。上記推定方法並びに装置では、例えば人間の場合、床との接触力(床反力)と下肢の動きとに基づいて、膝関節や股関節の関節トルクを算出することができる。
ところで、自転車、自動車等を操作中の人間の動作や、ゴルフ等をプレー中の人間の動作では、人間と床との接触点だけではなく、人間と床以外との接触点が存在し、これらの複数の接触点において接触力が発生する。詳しく説明すると、例えば自転車を操作する人間の体幹部の関節トルクを計算する場合に、人間の足とペダルとの接触力から順次計算する方法と、人間の手とハンドルとの接触力から順次計算する方法がある。理想的には双方の計算結果は一致するはずである。しかしながら、位置や力の計測誤差や人間モデルの誤差が含まれ、過剰決定問題が原因となり、現実的には計算結果が一致しない。
一方、誤差を小さくする最適化の計算方法が提案されている。例えば、フリーソフトウエアのオープンシミュレータ(Open Sim)では、運動方程式の加速度の項が計測により得られた決定値ではなく、加速度の項を未知数として運動方程式を解く手法が採用されている。しかしながら、このような計算方法では、加速度を求める際に、最適化手法を用いて新しい運動軌道を算出するので、計算に時間が掛かる。このため、逆動力学に基づく関節トルクの測定誤差を小さくし、かつ、測定時間を短くするには、改善の余地があった。
本発明は、上記事実を考慮し、測定誤差が小さく、かつ、測定時間が短い逆動力学に基づく関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラムを提供する。
本発明の第1実施態様に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法は、2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべてのリンクの位置、リンクに作用する力及びモーメントを測定し、位置情報、力情報及びモーメント情報を取得するステップと、位置情報、力情報及びモーメント情報に基づいて、オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップと、加速度情報に基づいて、関節の関節トルクを算出し、関節トルク情報を取得するステップと、を備えている。
第1実施態様に係る関節トルクの測定方法では、運動方程式の加速度及び角加速度が便宜的に未知数として取り扱われ、不整合な成分を加速度及び角加速度の調整により吸収させて加速度情報が取得される。この加速度情報を用いて関節トルクが測定されるので、過剰決定問題を原因とする関節トルクの不一致を解決し、関節トルクの測定誤差を小さくすることができる。加えて、多くの演算処理が必要とされる最適化プロセスが無くなるので、測定時間を短縮することができる。
本発明の第2実施態様に係る関節トルクの測定方法では、第1実施態様に係る関節トルクの測定方法において、加速度情報を取得するステップは、グローバル座標系において、すべてのリンクの並進速度及び角速度を定式化し、すべての関節に関する位置拘束条件及び関節間の角加速度を測定して取得される角加速度情報に基づいて、加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップである。
第2実施態様に係る関節トルクの測定方法によれば、位置拘束条件及び角加速度情報が設定されることにより、数式の数と未知数の数とを整合させることができるので、未知数を解くのに十分な数の方程式を得ることができる。
本発明の第3実施態様に係る関節トルクの測定方法では、第1実施態様又は第2実施態様に係る関節トルクの測定方法において、関節トルク情報を取得するステップの後に、関節トルク情報に基づいて、関節トルクに寄与する成分情報を取得するステップを更に備えている。
第3実施態様に係る関節トルクの測定方法によれば、関節トルクに寄与する成分情報を取得することができるので、関節トルクの発生機構のメカニズムを解析することができる。
本発明の第4実施態様に係る関節トルクの測定方法では、第1実施態様に係る関節トルクの測定方法において、加速度情報を取得するステップは、グローバル座標系において、すべての関節におけるリンク間の相対加速度を測定し、相対姿勢角度情報を取得し、すべての関節の角加速度を測定し、角加速度情報を取得し、相対姿勢角度情報及び角加速度情報に基づいて、加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップである。
第4実施態様に係る関節トルクの測定方法によれば、第1実施態様に係る関節トルクの測定方法とは別の測定方法であっても、関節トルクの測定誤差を小さくすることができ、測定時間を短縮することができる。
本発明の第5実施態様に係る逆動力学計算システムは、2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべてのリンクの位置を測定し、位置情報を取得する位置測定ユニットと、リンクに作用する力及びモーメントを測定し、力情報及びモーメント情報を取得する力及びモーメント測定ユニットと、位置情報、力情報及びモーメント情報に基づいて、オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出して加速度情報を生成し、加速度情報に基づいて関節の関節トルクを算出して関節トルク情報を生成する演算処理ユニットと、を備えている。
第5実施態様に係る逆動力学計算システムでは、関節トルクの測定誤差を小さくすることができ、測定時間を短縮することができる関節トルクの測定方法を実現することができる。
本発明の第6実施態様に係る、位置測定ユニットと、力及びモーメント測定ユニットと、演算処理ユニットとを備える逆動力学計算システムとして動作させる、コンピュータに実行させる測定プログラムであって、2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべてのリンクの位置、リンクに作用する力及びモーメントを測定し、位置情報、力情報及びモーメント情報を取得するステップと、位置情報、力情報及びモーメント情報に基づいて、オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップと、加速度情報に基づいて、関節の関節トルクを算出し、関節トルク情報を取得するステップと、を備えている。
第6実施態様に係る関節トルクの測定プログラムでは、逆動力学計算システムをコンピュータを用いて動作させ、関節トルクの測定誤差を小さくし、かつ、測定時間を短縮することができる上記関節トルクの測定方法を実現することができる。
本発明は、測定誤差が小さく、かつ、測定時間が短い逆動力学に基づく関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラムを提供することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法においてオブジェクトのリンク構成を説明する模式図である。 オブジェクトのリンク間の関節位置を説明する図1に対応する模式図である。 第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法に使用される数式のシンボル名、シンボルの定義及びシンボルのディメンションを説明する図(表)である。 図3の続きを説明する図(表)である。 図4の続きを説明する図(表)である。 第1実施の形態に係る逆動力学計算システムの概略ブロック構成図である。 第1実施の形態に係る関節トルクの測定プログラムを説明するフローチャートである。 第1実施の形態の実施例に係るオブジェクトのリンク構成とリンクに作用する力とを示す模式図である。 実施例に係る体幹部の関節トルクの測定結果を示すグラフであって、(A)は第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法が適用されたときの関節トルクの測定結果を示すグラフであり、(B)は比較例に係る関節トルクの測定結果を示すグラフである。 実施例に係る腰部の並進加速度に関する推定値と測定値との関係を示すグラフであって、(A)は第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法が適用されたときのグラフであり、(B)は比較例に係るグラフである。 実施例に係る体幹部の関節トルク値と関節トルクに寄与する構成要素に発生する力とを示すグラフであって、(A)は1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフであり、(B)は他の1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフである。 実施例に係るハンドルからオブジェクトへ加わる反力の測定結果を示すグラフであって、(A)は右ハンドルからの反力の測定結果を示すグラフであり、(B)は左ハンドルからの反力の測定結果を示すグラフである。 本発明の第2実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法において、関節トルクの測定プログラムを説明するフローチャートである。 第2実施の形態に係る関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る関節トルクの測定結果とを比較したグラフであって、(A)は1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフであり、(B)は他の1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフである。 本発明の第3実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法において、関節トルクの測定プログラムを説明するフローチャートである。 第3実施の形態に係る関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る関節トルクの測定結果とを比較したグラフであって、(A)は1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフであり、(B)は他の1つのオブジェクトの測定結果を示すグラフである。 本発明の第4実施の形態に係る測定方法を用いた足首の関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る測定方法を用いた足首の関節トルクの測定結果とを比較したグラフである。 第4実施の形態に係る測定方法を用いた膝関節の関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る測定方法を用いた膝関節の関節トルクの測定結果とを比較したグラフである。 第4実施の形態に係る測定方法を用いた股関節の関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る測定方法を用いた股関節の関節トルクの測定結果とを比較したグラフである。 第4実施の形態に係る測定方法を用いた体幹部の関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る測定方法を用いた体幹部の関節トルクの測定結果とを比較したグラフである。
(第1実施の形態)
以下、図1〜図12を用いて、本発明の第1実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラムを説明する。
[関節トルクの測定方法]
本実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法(計算方法)は、人間の関節トルクを測定する方法として説明する。なお、本発明は、人間の関節トルクの測定方法に限定されるものではない。本実施の形態に係る関節トルクの測定方法は、動物、ロボット等の剛体と見なせる2以上の自然数N個のリンク(セグメント)とN−1個の関節(ジョイント)とを含んで構成されるオブジェクト(測定対象物)の関節トルクの測定方法に適用可能である。さらに、後述する本実施の形態に係る逆動力学計算システム及び関節トルクの測定プログラムも、同様に、人間、動物、ロボットのいずれかのオブジェクトに対して適用可能である。
図1に示されるように、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、オブジェクト10は人間とされている。このオブジェクト10は15(=N)個のリンク12(1)〜12(15)を有する。すべてのリンク12(1)〜12(15)は、各々、X軸、Y軸及びZ軸を含む3次元座標系において3つの位置的自由度及び3つの速度的自由度を有する、合計6個の自由度を備えている。また、図2に示されるように、オブジェクト10のリンク12(1)〜12(15)の間には、合計14(=N−1)個の関節14(1)〜14(14)を備えている。
ここで、本実施の形態では、リンク12(1)〜12(15)を総称して単に「リンク12」として説明する場合があり、同様に、関節14(1)〜14(14)を総称して単に「関節14」として説明する場合がある。
オブジェクト10としての人間の動きは、下記式(1)に示される運動方程式により表される。
式(1)は関節14の拘束条件を課したことを加味しながら表現される人間全体の運動方程式である。
ここで、図3〜図5に、本実施の形態並びに後述する実施の形態において、説明や数式に使用されるシンボル(記号)名と、シンボルの定義と、シンボルのディメンションとが総括して示されている。また、下記式(2)〜式(14)は行列の定義を一括して示している。なお、 i ( i は1以上の自然数)はリンク12の番号、 j ( j は1以上の自然数)は外部反力(単に「外力」と表現する場合がある)の番号である。
上記式(1)において、
は、定式化された並進加速度及び角加速度を表現しており、いずれも慣性座標系での値とされている。この定式において
は未知数として取り扱われる。
は、関節反力及び関節トルクを表しているが、数学的にはラグランジェ(Lagrange)の未定乗数である。
上記式(1)では、数式の数が未知数の数に対して少ない。そこで、式(1)に対して下記式(15)及び式(16)が追加される。
上記式(15)は、拘束式(位置拘束条件)であり、各関節14におけるピンジョイント結合を意味している。上記式(15)によって、コリオリ力(Coriol force)や遠心力(Centrifugal force)が発生する。
上記式(16)は駆動拘束条件を意味している。式(16)では、実験により得られた各関節14での相対的な角度の時系列データ(角加速度情報)が純粋に追随される。
は角度と速度の関数である。上記式(1)、式(15)及び式(16)を合わせることにより、未知数を解くのに十分な数の方程式を得ることができる。この式(1)、式(15)及び式(16)を連立して解くと、下記式(17)に示されるように、関節反力及び関節トルクに関して解を得ることができる。
上記式(17)の各項は慣性座標系において記述されている。
式(17)を上記式(1)に代入すると、加速度に関して下記式(18)に示される解を得ることができる。
式(17)は過剰決定問題を解決することができる関節トルクに関する解である。ニュートンオイラー法(Newton Euler method)の過剰決定問題はすべての加速度が既知の値として取り扱われていることから生じる。既知の加速度と既知の外力との関係が不整合な場合において過剰決定問題が生じる。
そこで、加速度(並進加速度)及び角加速度を便宜的に未知数として取り扱うことにより、上記のような不整合な成分を加速度及び角加速度の調整により吸収することができる。また、上記式(17)を用いることにより、各関節トルクの構成成分としての、外部反力項や運動学的項の寄与を定量的に求めることができる。
上記式(17)において、右辺第1項は重力項である。重力成分は外部反力項により担保されるので、重力項は常にゼロとなる。右辺第2項は輸送項である。右辺第3項は運動学的項である。運動学的項は、関節14においてピンジョイント結合により生じる、コリオリ力と遠心力の成分である。運動学的項は、ランニング動作、投擲動作等の外部との拘束がない運動条件において顕著となる。一方、例えば、自転車の操作ではハンドル、サドル又はペダルによる外部との拘束が強い運動条件となるので、このような拘束が強い運動条件では、運動方程式全体において運動学的項の寄与が小さくなる。
右辺第4項は、マルティボディダイナミクス(Multi-body dynamics)分野において、駆動拘束項と呼ばれている。駆動拘束項は、計測により得られた相対的な角度の時刻歴を追随するための項である。
一般的に、関節トルクの精度を大きく低下させる要因として、測定(計測)により得られた加速度が挙げられる。しかし、加速度成分は駆動拘束項のみに存在しており、数式全体として駆動拘束項の寄与がそれほど大きくない場合は、加速度の精度の議論に必要以上に拘る必要がない。右辺第5項は外部反力の寄与の項である。外部反力と各関節トルクの直接的な関係を定量的に解析することができる。
[逆動力学計算システムの構成]
図6に示されるように、本実施の形態に係る逆動力学計算(測定)システム20は、自転車を操作する人間の関節トルクを測定するシステムとして構築されている。詳しく説明すると、逆動力学計算システム20は、位置測定ユニット24と、力測定ユニット26と、演算処理ユニット28とを主要な構成として備えている。さらに、逆動力学計算システム20は、入力インターフェースユニット22と、出力ユニット30とを含んで構成されている。入力インターフェースユニット22等は共通バス32を介して相互に接続されている。
さらに、逆動力学計算システム20には運動器具34が組み込まれている。運動器具34としては、実際の自転車の操作に近い負荷をオブジェクト(ここでは人間)10に与えられるエルゴメータ(Ergometer)が使用されている。なお、共通バス32は、ここでは有線とされているが、無線とされてもよい。
入力インターフェースユニット22は、タッチパネル、キーボード、マウスの少なくとも1つの入力デバイスを備えている。この入力インターフェースユニット22では、逆動力学計算システム20の起動操作、条件設定操作、全体の制御操作等の操作を行うことができる。
位置測定ユニット24は、オブジェクト10の関節14に相当する位置に取り付けられる複数の反射マーカ24Aと、反射マーカ24Aを撮影する複数台のモーションキャプチャカメラ24Bとを含んで構成されている。すなわち、位置測定ユニット24として、光学式モーションキャプチャシステム(Motion capture system)が使用されている。位置測定ユニット24では、オブジェクト10のすべてのリンク12の位置が測定され、位置情報を取得することができる。なお、位置測定ユニット24は、慣性センサ式、機械式、磁気式等のいずれかのモーションキャプチャシステムにより構成してもよい。
力測定ユニット26は、力検出センサ26A〜26Cを含んで構成されている。力検出センサ26A〜26Cには、例えば水晶圧電方式によりX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3方向に作用する力を測定する3分力計が使用されている。力検出センサ26Aは運動器具(エルゴメータ)34のサドル34Aに取り付けられている。力検出センサ26Bは左右一対のペダル34Bにそれぞれ取り付けられている。力検出センサ26Cはハンドル34Cに取り付けられている。力測定ユニット26では、オブジェクト10のすべのリンク12に作用する力が測定され、力情報を取得することができる。
本実施の形態では、リンク12に作用するモーメントの値が小さいので、力測定ユニット26を用いて力情報が取得されているが、実際には、力及びモーメント測定ユニットが使用される。力及びモーメント測定ユニットは、すべてのリンク12に作用する力及びモーメントを測定し、力情報及びモーメント情報を取得する。力及びモーメント測定ユニットとしては、6分力計を使用することができる。
演算処理ユニット28は、図示を省略したコンピュータ(CPU:Central Processing
Unit)及び記憶媒体を含んで構成されている。上記記憶媒体としては、読出し専用メモリ(Read Only Memory)、読出し書込み可能なメモリ(Random Access Memory)、大記憶容量を有するハードディスク(Hard Disk)等が使用されている。
演算処理ユニット28は、位置測定ユニット24から位置情報を取得し、力測定ユニット26から力情報を取得し、これらの情報に基づいて、オブジェクト10の系全体の運動方程式(式(1))が釣り合う加速度及び角加速度を算出して加速度情報を生成する。そして、演算処理ユニット28では、加速度情報に基づいて、オブジェクト10のすべての又は一部の関節14に作用する関節トルクを算出して関節トルク情報が生成される。なお、加速度情報の生成には、上記の通り、力情報に加えてモーメント情報が含まれる。
出力ユニット30は、詳細な構成を省略するが、表示デバイス、プリンタの少なくとも一方を含んで構成されている。出力ユニット30は、逆動力学計算システム20の操作状態の管理の表示や出力、又関節トルク情報等の演算結果の表示や出力を行う。
[関節トルクの測定プログラム]
図6に示される逆動力学計算システム20では、演算処理ユニット28の記憶媒体に関節トルクの測定プログラムが格納されている。この測定プログラムは、コンピュータに実行させることにより逆動力学計算システム20を動作させ、関節トルク情報を生成する。
詳しく説明すると、まず最初に、図7に示されるように、逆動力学計算システム20が起動される。図6に示されるように、オブジェクト10としての人間が運動器具34としてのエルゴメータを操作する。オブジェクト10のすべての関節14には、関節14の位置、リンク12の位置及び姿勢等をグローバル座標系において測定する反射マーカ24Aが装着されている。
逆動力学計算システム20では、位置情報及び力情報(及びモーメント情報)が取得される(S1)。位置情報は、オブジェクト10のすべてのリンク12の位置を位置測定ユニット24を用いて測定し、この測定結果に基づいて取得される。具体的には、オブジェクト10に装着された反射マーカ24Aの動きがモーションキャプチャカメラ24Bにより撮影され、この撮影情報が位置測定ユニット24に格納される。力情報は、オブジェクト10のすべてのリンク12に加わる力が力測定ユニット26を用いて測定され、この測定結果に基づいて取得される。具体的には、サドル34Aに取り付けられた力検出センサ26A、ペダル34Bに取り付けられた力検出センサ26B及びハンドル34Cに取り付けられた力検出センサ26Cのそれぞれに加わる力を測定し、この測定情報が力測定ユニット26に格納される。
位置測定ユニット24において取得された位置情報及び力測定ユニット26において取得された力情報は演算処理ユニット28(図6参照)に送信される。演算処理ユニット28は、位置情報及び力情報を受信し、取得する。演算処理ユニット28では、位置情報及び力情報に基づいてオブジェクト10の各リンク12の速度と加速度及び角加速度とが算出され、速度情報及び加速度情報が取得される(S2)。
次に、演算処理ユニット28では、オブジェクト10の最初に解析する関節トルクの算出に必要な情報が位置情報、力情報、速度情報及び加速度情報に基づいて設定される(S3)。この設定された情報に基づいて、演算処理ユニット28では、上記式(1)の運動方程式が生成され(S4)、更に上記式(15)及び式(16)の幾何学拘束方程式が生成される(S5)。
引き続き、演算処理ユニット28では、加速度及び角加速度が便宜的に未知数として取り扱われ、オブジェクト10の系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報が取得される(S6)。ここでは、前述の過剰決定問題の原因となる不整合な成分が、加速度及び角加速度の調整により加速度及び角加速度に吸収される。
引き続き、演算処理ユニット28では、運動方程式及び幾何学的拘束方程式から導き出される上記式(17)を用い、加速度情報に基づいて関節トルクが算出され、関節トルク情報が取得される(S7)。ここで、関節トルクが算出されると、関節トルクに寄与する各成分、例えばコリオリ力の成分、遠心力の成分等が算出され、関節トルクに寄与する成分情報が取得される(S8)。
次に、最後に解析する関節トルクか否かが判定される(S9)。最後に解析する関節トルクではない場合には、関節トルクを解析する関節14が更新される(S10)。最後に解析する関節トルクである場合には、本実施の形態に係る測定プログラムが終了する。
[実施例]
本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムを用いて、自転車のペダリング動作(操作)におけるオブジェクト10の関節トルクを測定し、測定結果の有効性が確認された。ここでは、従来のニュートンオイラー法では過剰決定問題が起因して算出が難しかった体幹部の関節トルクが測定され、上体部の動作を変化させたときに体幹部の関節トルクがどのように変化したのかが検討された。
1.測定条件
図6に示される運動器具34には、ブリヂストンサイクル株式会社製のエルゴメータが使用された。グローバル座標系は、紙面左から右に向かう自転車の進行方向に相当する方向をX軸、紙面手前から奥行きに向かう方向をY軸、紙面下から上に向かう方向をZ軸として定義された。
力測定ユニット26の複数の力検出センサ26A〜26Cが取り付けられ、外部反力が測定された。力検出センサ26A〜26Cにはいずれも3分力計が使用された。エルゴメータのサドル34Aには力検出センサ26Aが左右に(Y軸方向へ)対に配置され、左右のペダル34Bにもそれぞれに力検出センサ26Bが配置された。力検出センサ26A及び力検出センサ26Bがそれぞれ対に配置されているので、グローバル座標系のY軸周りのモーメントが測定可能とされた。ハンドル34Cには単一の力検出センサ26Cが配置された。力情報のサンプリング周波数は1250[Hz]に設定された。
位置測定ユニット24のモーションキャプチャカメラ24Bがオブジェクト10の周囲に配置され、位置情報(運動学的情報)が測定された。モーションキャプチャカメラ24Bには、マックスリーディシステム(MAC3D system, Motion Analysis Corp.(米国)社製)が使用され、13台のモーションキャプチャカメラ24Bが配置された。オブジェクト10には38個の反射マーカ24Aが装着され、エルゴメータには20個の反射マーカ24Aが装着された。位置情報のサンプリング周波数は125[Hz]に設定された。
2.測定対象物及び測定プロトコール
オブジェクト10として健康な2名の日本人男性アスリートが選出され、2種類のペダリング動作においてそれぞれ関節トルクが測定された。一方のオブジェクト10(符号「10(1)」として説明する場合がある)のペダリング動作は通常のペダリング動作とされる。この一方のペダリング動作では、予め設定されたパワー値及びクランク回転数が遵守される以外に、漕ぎ方の制約はない。
他方のオブジェクト10(符号「10(2)」として説明する場合がある)ペダリング動作では、一方のペダリング動作に対してパワー値及びクランク回転数の設定が同一とされ、一方のペダリング動作に比べてハンドル34Cの押し引きが強く設定された。ここでは、ペダル34B(クランク)が上死点に達したときにハンドル34Cを強く引く動作とされた。なお、下肢系の動作について制約はない。
予め設定されたパワー値は、事前にチェックされた有酸素運動において最大パワー値とされた。また、クランク回転数は70[rpm]に設定された。
3.解析
オブジェクト10の身体の各部位の重さ等を定義した身体セグメントパラメータ(BSP:Body Segment Parameter)モデルには阿江らのモデルが使用された。オブジェクト10は15個のリンク12に分割され、オブジェクト10には14個の関節14が存在する。各関節14の中心位置に挟み込んで反射マーカ24Aが装着され、各関節14の中心位置が明示された。この関節トルクの測定方法では、体幹部の関節トルクが測定項目とされ、関節位置としてトランクポイント(TP:Trunk Point)の位置が採用された。
解析の評価項目は、体幹部の関節トルク及び腰部の加速度(並進加速度及び角加速度)である。これらの値は、上記式(17)及び式(18)を用いて取得された。関節トルクの測定(算出)は、過剰決定問題が解決できたかどうかを確認するために実施された。また、加速度の算出は、得られた推定加速度が実測により得られた計測加速度に対して逸脱していないかを確認するために実施された。
図8に示されるように、ペダリング動作において、オブジェクト10の5箇所に外部反力f1 〜f5 が加わる。ここで、前述の図1に示されるリンク12(1)〜12(15)の順番は、図8に示されるように、外部反力f1 〜f5 が加わる順番に応じて入れ替えた。
外部反力f1 はハンドル34Cから右手に相当するリンク12(1)に、外部反力f2 はハンドル34Cから左手に相当するリンク12(2)に、外部反力f3 はサドル34Aから腰部に相当するリンク12(3)に、それぞれ加わる。また、外部反力f4 はペダル34Bから右足に相当するリンク12(4)に、外部反力f5 はペダル34Bから左足に相当するリンク12(5)に、それぞれ加わる。他のリンク12(5)〜12(15)は図8に示される順番とされた。
は、図8に示されるリンク12の順番に従うと、下記式(19)により表される。
式(19)により、上記式(17)の右辺第5項は、更に下記式(20)の通り表される。
式(20)において、各項は各外部反力が各関節トルクに及ぼす定量的な項となる。
4.データ処理
すべてのデータはクランク10回転分を平均した値とされた。時系列データはバタワースフィルタ(Butterworth filter:4次、8[Hz])により処理された。各データは、時系列データから右クランク角度の関数に変換された。データ処理には、MathWorks, Inc.社製の数値解析ソフトウエア「マトラブ(MATLAB)、version 15b」が使用された。
演算処理ユニット28(図6参照)のコンピュータとしてIntel社製のコア i7(core
i7)が使用され、メモリ(RAM)容量が8[GB]のとき、関節トルクの算出に要する計算時間は、約1100ステップの演算項目に対して2.5[秒]であった。フリーの筋骨格モデルシミュレーションソフト「Open Sim」を利用した場合に、同様の計算時間に300[秒]が必要とされた。
5.関節トルク値の一貫性
図9(A)及び図9(B)にはY軸周りの体幹部の関節トルクの測定結果が示されている。オブジェクト10(1)は1人の日本人男性の一方のペダリング動作における測定結果である。オブジェクト10(2)は他の1人の日本人男性の他のペダリング動作における測定結果である。いずれのグラフも、横軸は右クランク角度[deg]、縦軸は関節トルク[Nm]である。
図9(B)に示された測定結果は比較例に係るニュートンオイラー法を用いて算出された。オブジェクト10の上肢側から算出された関節トルクτTと、下肢側から算出された関節トルクτBとの2種の関節トルクが測定結果として示されている。双方の関節トルクτT、τBは一致しない。これは過剰決定問題によるものである。
図9(A)に示された測定結果は、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムを適用した測定結果である。すなわち、上記式(18)を用いて得られた加速度及び角加速度(加速度情報)を再度用いて、ニュートンオイラー法により算出した結果である。オブジェクト10の上肢側から算出された関節トルクτTと、下肢側から算出された関節トルクτBとが一致する。この測定結果から過剰決定問題を原因とする関節トルクの不一致を解決することができる。
図10(A)及び図10(B)には、腰部の並進加速度に関して、X軸方向の加速度、Z軸方向の加速度のそれぞれの推定値と測定値との関係が示されている。いずれのグラフも、横軸は右クランク角度[deg]、縦軸は加速度[m/s2]である。
図10(B)に示されるように、比較例に係るニュートンオイラー法を用いて算出されたX軸方向の加速度の推定値αeは同一方向の加速度の測定値αm に対して近いものの、推定値αeの波形は測定値αm の波形に対して一致していない。Z軸方向の加速度の推定値αeと測定値αm との関係も同様である。
一方、図10(A)に示されるように、本実施の形態が適用された場合には、X方向の加速度の推定値αeの波形は同一方向の加速度の測定値αm の波形に対して大まかに一致した結果が得られた。また、本実施の形態が適用された場合には、推定値αeにオフセット値が乗る等の特徴が見られる。さらに、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムでは、最適化プロセスが含まれていないので、関節トルクの算出による計算時間が短く、関節トルクの測定コストがかなり小さくなる。
6.関節トルクの寄与解析
本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムによれば、過剰決定問題を解決することができると共に、関節トルクに寄与する構成要素を定量的に把握することができる。
図11(A)及び図11(B)には、上記式(17)、式(19)及び式(20)を用いて得られた体幹部の関節トルク値を示すグラフと、この関節トルクに寄与する構成要素に発生する力を関節トルク値から分離して示すグラフとを纏めたグラフが示されている。横軸は右クランク角度[deg]、縦軸はトルク[Nm]である。図11(A)はオブジェクト10(1)に関する測定結果、図11(B)はオブジェクト10(2)に関する測定結果である。図11(A)及び図11(B)に示されるように、自転車のペダリング動作では、コリオリ力や遠心力等の運動学的成分が、外部反力の成分と比較して小さい。
また、オブジェクト10(2)の他方のペダリング動作は、オブジェクト10(1)の一方ペダリング動作に対して、ハンドル34Cの握り方も含めて上肢系の動きに強めの違いを与えている。図12(A)はペダリング動作と右ハンドルからのX軸方向の反力との関係を示すグラフである。図12(B)はペダリング動作と左ハンドルからのX軸方向の反力との関係を示すグラフである。横軸は右クランク角度[deg]、縦軸は反力[N]である。通常のハンドル34Cの握り方の場合の測定結果は符号「N(Normal)」を付して実線により示されている。また、ハンドル34Cを強く握り絞めた場合の測定結果は符号「G(Grip)」を付して破線により示されている。
図11(A)及び図11(B)に戻って、体幹部の関節トルクに対するハンドル34Cの反力成分は、ペダル34Bの反力成分やサドル34Aの反力成分と比較すると小さい。従って、体幹部の関節トルクにおいて評価する限り、オブジェクト10とハンドル34Cとの力の遣り取りはすべての運動を変化させるためのきっかけに過ぎず、関節トルクを決めている要因はサドル34Aやペダル34Bの反力成分が主体とされている。
オブジェクト10が人間の場合、関節トルクに寄与する構成要素を分離することによって、人間のトルクの発生機構のメカニズムを解析することができる。また、自転車ペダリング動作に限らず、人間の歩行動作、ゴルフ等をプレー中の人間の動作、動物やロボットの動作においても、トルクの発生機構のメカニズムを解析することができる。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法は、以下のステップを備えている。まず最初に、図1及び図2に示されるように、N個のリンク12がN−1個の関節14を介して連結されるオブジェクト10に対して、すべてのリンク12の位置とリンク12に作用する力及びモーメントとが測定され、位置情報、力情報及びモーメント情報が取得される(図7においてステップS1参照)。引き続き、位置情報、力情報及びモーメントに基づいて、オブジェクト10の系全体の上記式(1)に示される運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報が取得される(図7においてステップS6参照)。そして、加速度情報に基づき、上記式(17)を用いて関節14の関節トルクを算出し、関節トルク情報が取得される。
上記関節トルクの測定方法では、運動方程式の加速度及び角加速度が便宜的に未知数として取り扱われ、不整合な成分を加速度及び角加速度の調整により吸収させて加速度情報が取得される。このため、関節トルクの測定方法によれば、この加速度情報を用いて関節トルクが測定されるので、過剰決定問題を原因とする関節トルクの不一致を解決し、関節トルクの測定誤差を小さくすることができる。加えて、関節トルクの測定方法によれば、多くの演算処理が必要とされる最適化プロセスが無くなるので、測定時間を短縮することができる。
また、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、加速度情報を取得するステップS6は、グローバル座標系において、すべてのリンク12の並進速度及び角速度を定式化し、すべての関節14に関する上記式(15)に示される位置拘束条件及び関節14間の角加速度を測定して取得される上記式(16)に示される角加速度情報に基づいて、加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップである。
このため、位置拘束条件及び角加速度情報が設定されることにより、数式の数と未知数の数とを整合させることができるので、未知数を解くのに十分な数の方程式を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法は、関節トルク情報を取得するステップ(図7においてステップS7参照)の後に、関節トルク情報に基づいて、関節トルクに寄与する成分情報を取得するステップ(図7においてステップS8参照)を備える。
このため、関節トルクに寄与する成分情報を取得することができるので、関節トルクの発生機構のメカニズムを解析することができる。
また、本実施の形態に係る逆動力学計算システム20は、図6に示されるように、位置測定ユニット24と、力測定ユニット26と、演算処理ユニット28とを備える。位置測定ユニット24は、N個のリンク12がN−1個の関節14を介して連結されるオブジェクト10に対して、すべてのリンク12の位置を測定し、位置情報を生成する。力測定ユニット26は、リンク12に作用する力(及びモーメント)を測定し、力情報(及びモーメント情報)を生成する。演算処理ユニット28は、位置情報及び力情報(及びモーメント情報)を取得し、位置情報及び力情報(及びモーメント情報)に基づいて、オブジェクト10の系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出して加速度情報を生成する。加えて、演算処理ユニット28は、加速度情報に基づいて関節14の関節トルクを算出して関節トルク情報を生成する。
このため、逆動力学計算システム20では、関節トルクの測定誤差を小さくすることができ、測定時間を短縮することができる上記関節トルクの測定方法を実現することができる。
さらに、本実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定プログラムは、図7に示されるように、上記関節トルクの測定方法と同様の各ステップを備えている。
このため、関節トルクの測定プログラムでは、逆動力学計算システム20をその演算処理ユニット28に含まれる図示省略のコンピュータを用いて動作させ、関節トルクの測定誤差を小さくし、かつ、測定時間を短縮することができる上記関節トルクの測定方法を実現することができる。
(第2実施の形態)
図13及び図14を用いて、本発明の第2実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法を説明し、併せて関節トルクの測定プログラムを説明する。本実施の形態に係る逆動力学計算システムは、図6に示される演算処理ユニット28に格納される関節トルクの測定プログラムに変更があるだけで、実質的に第1実施の形態に係る逆動力学計算システム20と同一の構成とされている。従って、逆動力学計算システム20の構成の説明は省略する。後述する本発明の第3実施の形態についても同様である。なお、本実施の形態並びに後述する実施の形態において、第1実施の形態において説明した構成要素と同一又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[関節トルクの測定方法]
本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、前述の図1及び図2に示されるオブジェクト10において系全体のうち6自由度のみに不整合分が解消される。これにより、オブジェクト10の系全体の運動方程式を縮退化させることができ、下記式(21)及び式(22)を得るこができる。
は、内圧であり、式(21)及び式(22)により消去される。
上記2つの式(21)及び式(22)は、物理的意味合いとして、オブジェクト10全体、ここでは人間全体の重心に関する運動方程式である。
詳しく説明すると、この運動方程式は、オブジェクト10全体の重心と外部反力の総和との釣り合いを意味する。そして、運動方程式の釣り合いが取れていないとき、過剰決定問題が発生する。
上記式(21)及び式(22)を下記式(23)に示すように書き直すことができる。
は下記式(24)により定義される。
上記式(21)及び式(22)は6個の方程式しかないので、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法と同様に、上記式(15)及び式(16)を追加し、連立することにより、下記式(25)を得ることができる。
は、式(25)では消去されて直接求められないので、ニュートンオイラー法を用いて算出される。
[関節トルクの測定プログラム]
前述の図6に示される逆動力学計算システム20と同一構成の逆動力学計算システム20が使用され、演算処理ユニット28の記憶媒体に関節トルクの測定プログラムが格納されている。この測定プログラムは、コンピュータに実行させることにより逆動力学計算システム20を動作させ、関節トルク情報を生成する。
詳しく説明すると、図7に示される関節トルクの測定プログラムと同様に、図13に示されるように、逆動力学計算システム20が起動されると、逆動力学計算システム20では位置情報及び力情報(及びモーメント情報)が取得される(S1)。位置情報は、位置測定ユニット24を用いて測定し、この測定結果に基づいて取得される。力情報(及びモーメント情報)は、力測定ユニット(力及びモーメント測定ユニット)26を用いて測定し、この測定結果に基づいて取得される。
位置情報及び力情報は演算処理ユニット28(図6参照)に送信され、演算処理ユニット28は位置情報及び力情報を取得する。演算処理ユニット28では、位置情報及び力情報に基づいてオブジェクト10の各リンク12の速度及び加速度(加速度及び角加速度)が算出され、速度情報及び加速度情報が取得される(S2)。
次に、演算処理ユニット28では、オブジェクト10の最初に解析する関節トルクの算出に必要な情報が位置情報、力情報、速度情報及び加速度情報に基づいて設定される(S3)。この設定された情報に基づいて、演算処理ユニット28では、上記式(23)の運動方程式が生成され(S11)、更に上記式(15)及び式(16)の幾何学拘束方程式が生成される(S5)。
引き続き、演算処理ユニット28では、加速度及び角加速度が便宜的に未知数として取り扱われ、オブジェクト10の系全体の運動方程式が釣り合う加速度を算出し、加速度情報が生成される(S6)。ここでは、前述の過剰決定問題の要因となる不整合な成分が、加速度及び角加速度の調整により加速度及び角加速度に吸収される。
引き続き、演算処理ユニット28では、運動方程式及び幾何学的拘束方程式から導き出される上記式(25)を用い、加速度情報及びニュートンオイラー法を用いて関節トルクが算出され、関節トルク情報が取得される(S12)。ここで、関節トルクが算出されると、関節トルクに寄与する各成分、例えばコリオリ力の成分、遠心力の成分等が算出されるので、必要に応じて関節トルクに寄与する成分情報が取得される(S8)。
次に、最後に解析する関節トルクか否かが判定される(S9)。最後に解析する関節トルクではない場合には、関節トルクを解析する関節14が更新される(S10)。最後に解析する関節トルクである場合には、本実施の形態に係る測定プログラムが終了する。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムでは、前述の第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムにより得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
図14(A)及び図14(B)には、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた体幹部の関節トルク値(トランクトルク値)と、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた体幹部の関節トルク値との比較結果が示されている。図14(A)は、通常のハンドル34Cの握り方の場合のオブジェクト10(1)において、グローバル座標系のY軸周りの関節トルク値の比較結果を示すグラフである。図14(B)は、ハンドル34Cを強く握り絞めた場合のオブジェクト10(2)において、グローバル座標系のY軸周りの関節トルク値の比較結果を示すグラフである。いずれも、横軸は右クランク角度[deg]、縦軸はトルク[Nm]である。細い実線により示されるM1は第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。太い破線により示されたM2は本実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。
図14(A)及び図14(B)から明らかなように、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法による測定結果は、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法による測定結果と一致する。すなわち、関節トルクの測定誤差が小さくなり、測定精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムでは、オブジェクト10の系全体の運動方程式を縮退化させているので、演算処理に要する時間を短くし、測定時間をより一層短縮することができる。
(第3実施の形態)
図15及び図16を用いて、本発明の第3実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法を説明し、併せて関節トルクの測定プログラムを説明する。
[関節トルクの測定方法]
第1実施の形態並びに第2実施の形態に係る関節トルクの測定方法は慣性座標系における測定方法であるが、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法は、別の自由度を用いて運動方程式を生成し、この運動方程式を用いて関節トルクを測定する方法である。詳しく説明すると、ここでの運動方程式は、相対姿勢角度としての相対関節角度(各関節14において3個の自由度)と起点リンクの慣性座標系に対する6個の自由度とのみで表現される。自由度はq を用いて表現される。
運動方程式は、下記式(26)により表わされる。
自由度q は、下記式(27)に表される相対関節角度と起点リンク12の慣性座標系に対する6自由度に分離される。
式(27)を用いると、上記式(26)を下記式(28)及び式(29)に示すように変形することができる。
がすべて測定値であるとすれば、τ 以外のすべての項が測定値となる。上記式(28)はτ を調整項として利用することにより、方程式に矛盾が生じない。
しかしながら、式(28)の上側には調整項が存在しないので、左辺と右辺とが釣り合う保証がない。両辺に釣り合いが取れないと、過剰決定問題が生じる。
は、未知数とすることにより上側の式の不釣合いを調整し、下記式(30)により求められる。
式(30)を上記式(28)に代入することにより、下記式(31)に示されるように、τ を得ることができる。
上記式(31)は相対姿勢角度を用いた座標系における過剰決定問題を解決して得られる関節トルクの方程式である。
上記式(31)を下記式(32)に書き直すことにより、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法と同様に、関節トルクに寄与する構成要素を定量的に把握することができる。
[関節トルクの測定プログラム]
前述の図6に示される逆動力学計算システム20と同一構成の逆動力学計算システム20が使用され、演算処理ユニット28の記憶媒体に関節トルクの測定プログラムが格納されている。この測定プログラムは、コンピュータに実行させることにより逆動力学計算システム20を動作させ、関節トルク情報を生成する。
詳しく説明すると、図7に示される関節トルクの測定プログラムと同様に、図15に示されるように、逆動力学計算システム20が起動されると、逆動力学計算システム20では位置情報及び力情報(及びモーメント情報)が取得される(S1)。位置情報は、位置測定ユニット24を用いて測定し、この測定結果に基づいて取得される。力情報は、力測定ユニット26を用いて測定し、この測定結果に基づいて取得される。
位置情報及び力情報は演算処理ユニット28(図6参照)に送信され、演算処理ユニット28は位置情報及び力情報を取得する。演算処理ユニット28では、位置情報及び力情報に基づいてオブジェクト10の各リンク12の速度、加速度、更に関節14間の相対姿勢角度が算出され、速度情報、加速度情報及び相対姿勢角度情報が取得される(S2)。
次に、演算処理ユニット28では、オブジェクト10の最初に解析する関節トルクの算出に必要な情報が位置情報、力情報、速度情報、加速度情報及び相対姿勢角度情報に基づいて設定される(S3)。この設定された情報に基づいて、演算処理ユニット28では、上記式(28)の運動方程式が生成される(S13)。
ここで、関節14間の角加速度が便宜的に未知数として取り扱われる。演算処理ユニット28では、この未知数が上記式(30)により算出され、起点リンク12の角加速度が算出され、角加速度情報が取得される(S14)。さらに、演算処理ユニット28では、相対姿勢角度情報及び角加速度情報に基づき、上記式(31)を用いて、運動方程式が釣り合う関節トルクを算出し、関節トルク情報が取得される(S15)。関節トルク情報では、相対姿勢角度を用いた座標系における過剰決定問題が解決される。
引き続き、演算処理ユニット28では、上記式(32)を用いて、関節トルクに寄与する各成分が算出され、関節トルクに寄与する成分情報が取得される(S16)。
次に、最後に解析する関節トルクか否かが判定される(S9)。最後に解析する関節トルクではない場合には、関節トルクを解析する関節14が更新される(S10)。最後に解析する関節トルクである場合には、本実施の形態に係る測定プログラムが終了する。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムでは、前述の第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムにより得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
図16(A)及び図16(B)には、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた体幹部の関節トルク値(トランクトルク値)と、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた体幹部の関節トルク値との比較結果が示されている。図16(A)は、通常のハンドル34Cの握り方の場合のオブジェクト10(1)において、グローバル座標系のY軸周りの関節トルク値の比較結果を示すグラフである。図16(B)は、ハンドル34Cを強く握り絞めた場合のオブジェクト10(2)において、グローバル座標系のY軸周りの関節トルク値の比較結果を示すグラフである。いずれも、横軸は右クランク角度[deg]、縦軸はトルク[Nm]である。細い実線により示されたM1は第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。太い破線により示されたM3は本実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。
図16(A)及び図16(B)から明らかなように、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法による測定結果は、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法による測定結果と一致する。すなわち、関節トルクの測定誤差が小さくなり、測定精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムでは、第1実施の形態、第2実施の形態のそれぞれに対して、別の手法を用いても、同様の測定結果を得ることができる。すなわち、第1実施の形態、第2実施の形態、第3実施の形態のそれぞれに係る関節トルクの測定方法、逆動力学計算システム20及び関節トルクの測定プログラムは、以下の3つの理由により実質的に等価である。
(1)加速度及び角加速度が未知数として取り扱われる。
(2)加速度及び角加速度のうち6自由度を除く他の成分はすべてピンジョイント拘束及び駆動拘束により拘束を受けている。
(3)残りの6成分は、全体系の慣性項が外部反力の6成分との釣り合いを取るための調整項として利用される。
(第4実施の形態)
図17〜図20を用いて、本発明の第4実施の形態に係る逆動力学に基づく関節トルクの測定方法を説明し、併せて関節トルクの測定プログラムを説明する。本実施の形態に係る逆動力学計算システム20(図6参照)についての説明は、第1実施の形態に係る逆動力学計算システム20と同一構成であるので、省略する。
[関節トルクの測定方法]
本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、一般化逆行列を用いて、上記式(1)の運動方程式を解いて、関節トルクが測定される。詳しく説明すると、前述の通り、運動方程式の数式の数が未知数の数に対して少ないので、運動方程式を解くことができない。
そこで、最初に、上記式(1)及び式(7)に基づいて、下記式(33)に示されるように、運動方程式を書き直す。
上記式(33)に下記式(34)に示される定義式と、下記式(35)に示される一般化逆行列を連立して、下記式(36)に示されるように、運動方程式を書き直すことができる。
すなわち、一般化逆行列を用いて運動方程式を解いてしまう。最終的には、下記式(37)に示される関節トルクを求める運動方程式を導くことができる。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法に対して、関節トルクを数式により解いてしまうので、多くの演算処理が必要とされる最適化プロセスが無くなり、測定時間を短縮することができる。さらに、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法では、第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法において必要とされる拘束条件(上記式(15)及び式(16)に相当)を生成する必要が無いので、更に関節トルクの測定時間を短縮することができる。
図17〜図20には、本実施の形態に係る関節トルクの測定方法を用いて測定された関節トルクの測定結果と第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法を用いて測定された関節トルクの測定結果とが比較されている。
詳しく説明すると、図17では、オブジェクト10の右足首の関節トルクの測定結果が比較されている。横軸は右クランク角度[deg]、縦軸はトルク[Nm]である。横軸及び縦軸は図18〜図20でも同じである。細い実線により示されたM1は第1実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。太い実線により示されたM4は本実施の形態に係る関節トルクの測定方法により得られた測定結果である。図17から明らかなように、測定結果M4は測定結果M1と一致する。
図18では、オブジェクト10の右膝の関節トルクの測定結果が比較されている。右膝の関節トルクに関して、測定結果M4は測定結果M1と概ね一致する。
図19では、オブジェクト10の右股関節の関節トルクの測定結果が比較されている。右股関節の関節トルクに関して、測定結果M4は、測定結果M1に対して、多少のずれはあるものの、傾向が似ており、概ね一致する。
図20では、オブジェクト10の腰部の関節トルクの測定結果が比較されている。腰部の関節トルクに関して、測定結果M4は、測定結果M1に対して、多少のずれはあるものの、傾向が似ており、概ね一致する。
[その他の実施形態]
上記実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、3次元モデルのオブジェクトの関節トルクの測定方法等について説明したが、本発明は、2次元モデルのオブジェクトの関節トルクの測定方法等に適用してもよい。
また、オブジェクトがロボットの場合、本発明では、2以上のリンクが1以上の関節を介して連結されたロボットであれば、関節トルクを測定することができる。
10 オブジェクト
12 リンク
14 関節
20 逆動力学計算システム
22 入力インターフェースユニット
24 位置測定ユニット
26 力測定ユニット
28 演算処理ユニット
30 出力ユニット

Claims (6)

  1. 2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべての前記リンクの位置、前記リンクに作用する力及びモーメントを測定し、位置情報、力情報及びモーメント情報を取得するステップと、
    前記位置情報、前記力情報及び前記モーメント情報に基づいて、前記オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップと、
    前記加速度情報に基づいて、前記関節の関節トルクを算出し、関節トルク情報を取得するステップと、
    を備えた逆動力学に基づく関節トルクの測定方法。
  2. 前記加速度情報を取得するステップは、
    グローバル座標系において、すべての前記リンクの並進速度及び角速度を定式化し、
    すべての前記関節に関する位置拘束条件及び前記関節間の角加速度を測定して取得される角加速度情報に基づいて、前記加速度及び角加速度を算出し、前記加速度情報を取得するステップである
    請求項1に記載の関節トルクの測定方法。
  3. 前記関節トルク情報を取得するステップの後に、
    前記関節トルク情報に基づいて、前記関節トルクに寄与する成分情報を取得するステップを更に備えた請求項1又は請求項2に記載の関節トルクの測定方法。
  4. 前記加速度情報を取得するステップは、
    グローバル座標系において、すべての前記関節における前記リンク間の相対加速度を測定し、相対姿勢角度情報を取得し、
    すべての前記関節の角加速度を測定し、角加速度情報を取得し、
    前記相対姿勢角度情報及び前記角加速度情報に基づいて、前記加速度及び前記角加速度を算出し、前記加速度情報を取得するステップである
    請求項1に記載の関節トルクの測定方法。
  5. 2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべての前記リンクの位置を測定し、位置情報を取得する位置測定ユニットと、
    前記リンクに作用する力及びモーメントを測定し、力情報及びモーメント情報を取得する力及びモーメント測定ユニットと、
    前記位置情報、前記力情報及び前記モーメント情報に基づいて、前記オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出して加速度情報を生成し、当該加速度情報に基づいて前記関節の関節トルクを算出して関節トルク情報を生成する演算処理ユニットと、
    を備えた逆動力学計算システム。
  6. 位置測定ユニットと、力及びモーメント測定ユニットと、演算処理ユニットとを備える逆動力学計算システムとして動作させる、コンピュータに実行させる測定プログラムであって、
    2以上の自然数N個のリンクがN−1個の関節を介して連結されるオブジェクトに対して、すべての前記リンクの位置、前記リンクに作用する力及びモーメントを測定し、位置情報、力情報及びモーメント情報を取得するステップと、
    前記位置情報、前記力情報及び前記モーメント情報に基づいて、前記オブジェクトの系全体の運動方程式が釣り合う加速度及び角加速度を算出し、加速度情報を取得するステップと、
    前記加速度情報に基づいて、前記関節の関節トルクを算出し、関節トルク情報を取得するステップと、
    を備えた逆動力学に基づく関節トルクの測定プログラム。
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