JP6710305B2 - 細胞・組織片輸送用無揺動ケース - Google Patents

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Description

本発明は、iPS細胞などの細胞を車両その他各種の輸送手段を使って輸送するのに使用する細胞・組織片輸送用無揺動ケースに関する。
iPS細胞の登場により、国内における再生医療の臨床研究が加速し、現在、培養や分化に関する研究開発が急ピッチで進められている。そして近時、iPS細胞を凍結せず生の状態で研究機関や企業に配布することが開始され、これにより解凍などの手間がなくなり、効率が上がることが期待されている。
ところで、iPS細胞を凍結せずに生で配布する場合、iPS細胞はシャーレなどの容
器に入れて車両などにより輸送することとなるが、この場合、生きた細胞にダメージを与えず活性を維持した状態で輸送することが求められ、温度管理、ガス(酸素、二酸化炭素)管理、輸送中の振動などの外力からの保護などが必要になる。
この種の細胞輸送用の容器が特許文献1により提案されている。この文献1の容器は、雰囲気調整剤と、気体は透過するが液体は実質的に透過しない隔離膜を有する細胞収容容器とを備え、細胞にストレスを与えずに細胞の輸送及び/又は保管を行うことができるようになっている。また、この容器では、細胞収容容器を保持する装着部やスウィング機構部を設けることができるとしている。この場合、装着部は、密閉容器内に設けられ、細胞を保持できるもの、スウィング機構部は、密閉容器の内部壁面に対し、装着部を揺動自在に支持して、細胞や培地などの内容物を安定して保持できるものとされている。さらに、この容器には、温度制御機構や衝撃緩衝機構を設けることができるとしている。
特開2014-83002公報
しかしながら、この文献1の容器では、細胞収容容器を装着部で保持し、この装着部をスウィング機構により揺動自在に支持するため、例えば、この容器を自動車で輸送する場合に、容器が自動車の走向中の揺れにより揺動し、これにより、容器内のiPS細胞の培地が波立ち、この波立った培地の衝撃でiPS細胞が浮遊し破壊が生じる恐れがある、という問題がある。
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、iPS細胞などの細胞を車両その他各種の輸送手段を使って輸送する場合に、輸送中の揺れや傾動による細胞の破壊を防止することのできる細胞・組織片輸送用無揺動ケースを提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の細胞・組織片輸送用無揺動ケースは、
細胞・組織片を収納する容器を水平に保持するための容器ホルダと、
前記容器ホルダに取り付けられ、前記容器ホルダを支持するガイドと、
前記容器ホルダを前記ガイドを介して支持する支持装置と、
を備え、
前記ガイドは、複数のフリーローラベアリングからなり、前記各フリーローラベアリングが下方に向けて前記容器ホルダの底面に取り付けられ、
前記支持装置は、前記容器ホルダを内包可能な少なくとも底面を球状とする密閉式のケース体と、前記ケース体を前記容器ホルダの底面側に前記各フリーローラベアリングに接触させて配置するための取付ベースとを有し、
前記支持装置及び前記容器ホルダに対する揺動方向の外力に対して、前記支持装置と前記容器ホルダとの間の相対運動によって、前記容器ホルダを無揺動に支持する、
ことを要旨とする。
この細胞・組織片輸送用無揺動ケースはさらに次のように具体化される。
(1)容器ホルダは、容器を支持する支持プレートと、前記容器を上から押えるための押えプレートと、前記支持プレートと前記押えプレートとの間を締め込むねじ装置とからなる。
(2)取付ベースは、設置ベースと、前記設置ベースの中心とケース体の底面の中心との間に介装されるコイルスプリングと、前記コイルスプリングの周囲で前記設置ベースと前記ケース体との間に介設される複数のダンパとを具備する。
本発明の細胞・組織片輸送用無揺動ケースによれば、細胞・組織片を収納する容器を水平に保持するための容器ホルダに取り付けられ、容器ホルダを支持するガイドと、容器ホルダをガイドを介して支持する支持装置とを備え、ガイドは、複数のフリーローラベアリングからなり、各フリーローラベアリングが下方に向けて容器ホルダの底面に取り付けられ、支持装置は、容器ホルダを内包可能な少なくとも底面を球状とする密閉式のケース体と、ケース体を容器ホルダの底面側に各フリーローラベアリングに接触させて配置するための取付ベースとを有し、支持装置及び容器ホルダに対する揺動方向の外力に対して、支持装置と容器ホルダとの間の相対運動によって、容器ホルダを無揺動に支持するようにしたので、iPS細胞などの細胞を車両その他各種の輸送手段を使って輸送する場合に、輸送中の揺れによる容器内の細胞の培地の波立つ動きを可及的に小さくして、細胞の破壊を防止することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態における細胞・組織片輸送用無揺動ケースの構成を示す正面図 同無揺動ケースの動作を示す正面図 本発明の第2の実施の形態における細胞・組織片輸送用無揺動ケースの構成を示す正面図 同無揺動ケースの動作を示す正面図
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1に第1の実施の形態を示している。
図1に示すように、細胞・組織片輸送用無揺動ケースC1(以下の第1の実施の形態の説明の中で、単に本ケースC1ということがある。)は、細胞・組織片を収納する容器を水平に保持するための容器ホルダ11と、容器ホルダ11に取り付けられ、容器ホルダ11を支持するガイド12と、容器ホルダ11をガイド12を介して支持する支持装置13とを備える。
容器ホルダ11は、容器を支持する支持プレート111と、容器を上から押えるための押えプレート113と、これら支持プレート111と押えプレート113との間を締め込むねじ装置115とからなる。
この場合、支持プレート111は所定の外径を有する円形のプレートで、その外周縁部に90度間隔で4つのねじ挿通孔112が形成される。押えプレート113は支持プレート111よりも少し大きい所定の外径を有する円形のプレートで、その外周部側に支持プレート111の各ねじ挿通孔112に対応して90度間隔で4つのねじ挿通孔114が形成される。ねじ装置115は4組のねじ116とナット117とからなる。このようにして細胞・組織片を収納する容器を支持プレート111で支持し、この容器の上から容器を押えプレート113で押えて、各ねじ116を支持プレート111の各ねじ挿通孔112から通し、押えプレート113の各ねじ挿通孔114に挿通して、押えプレート113上
で各ねじ116と各ナット117を締結することにより、容器を支持プレート111及び押えプレート113で挟持するようになっている。
また、この容器ホルダ11には容器ホルダ11の下部中央からシャフト118が突出され、このシャフト118にウェイト(錘)119が吊り下げられる。この場合、シャフト118は2本のシャフトが連結されてなり、これが容器ホルダ11の押えプレート113及び支持プレート111の中央に形成された軸挿通部に押えプレート113側から通されて、一端が押えプレート113上でナット117により固定され、他端側が支持プレート111から下方に向けて突出される。このシャフト118の下端には一つ又は複数のウェイト119がねじなどにより着脱可能に取り付けられる。このようにして容器ホルダ11は後述するガイド12内に配置され、その下方のウェイト119が重力方向に向けられて、容器ホルダ11の水平を取るようになっている。
ガイド12は、少なくとも容器ホルダ11の下方から容器ホルダ12の側方全周に向けて延展する球状の面を有している。
このガイド12は、容器ホルダ11を内包可能な少なくとも底面を球状とする密閉式のケース体で、この場合、上下に2分割可能な全体を球体とするケースからなり、上面に開口を有する半球状の下部ケース121と、下面に開口を有する半球状の上部ケース122とを具備する。これら下部ケース121、上部ケース122はそれぞれの開口内周縁部に全周に亘ってリング123、124が設けられて相互に当接し、また、一方のリング、この場合、下部ケース121側のリング123の上面全周に亘って溝125が形成されこの溝125にOリング126が嵌着されて、下部ケース121、上部ケース122が相互に気密に結合されるようになっている。また、これら下部ケース121、上部ケース122の結合部間には、円周方向に所定の間隔(この場合、90度間隔)で下部ケース121と上部ケース122とを締め付けて結合するための複数(この場合、4つ)のファスナ127が取り付けられる。これらのファスナ127は汎用品として一般に知られているもので、固定基板aと、固定基板aに枢支され、先端に操作レバーbを有する可動本体cと、可動本体cにこの可動本体cの枢支点よりも操作レバーb側にずれた部位に枢支された略U字形形状の引掛け枠dと、フック形状(逆L字形形状)の受具eとからなり、この場合、固定基板aが上部ケース122の開口外周縁に近接する外面にビスなどの固着具により取り付けられて、この固定基板aにより可動本体cが上部ケース122と下部ケース121の結合部間に回動可能に取り付けられ、受具eが下部ケース121の開口外周縁に近接する外面にビスなどの固着具により取り付けられる。このようにして、上下部の各ケース121、122が相互のリング部123、124を合わせて結合され、この状態から、操作レバーbを引き上げて可動本体cを固定基板aから引き離す方向に回動させるとともに、引掛け枠dを受具eに向けて回動させ、引掛け枠dを受具eに引掛けて、この状態から、今度は反対に、操作レバーbを押し下げ、可動本体cを固定基板aに向けて回動させて、可動本体cで受具eに引掛けられた引掛け枠dを(上部ケース122側に)引張ることにより、この引掛け枠dの引張力の作用で、上下部の各ケース121、122を密閉状態に締め付け保持するようになっている。
さらに、このガイド12には、下部ケース121の底面中央、すなわち、下部ケース121の底面の最下点にシャフト挿通部128が設けられる。このシャフト挿通部128にはシャフト挿通部128とこれに通されるシャフト118との間を密閉するための密閉管129が併せて挿着される。
このようにして容器ホルダ11とガイド12は容器ホルダ11がガイド12の下部ケース121内に配置され、容器ホルダ11の下部中央から突出されるシャフト118が下部ケース121のシャフト挿通部128に通されて一体化されるとともに、シャフト118の下端にウェイト119が取り付けられる。そして、この下部ケース121に、既述のとおり、上部ケース122が気密に結合され、この状態が各ファスナ127により保持されるようになっている。
支持装置13は、ガイド12の球状の面に沿って接触し全方向に回転可能な複数のフリーローラベアリング130からなる。
この支持装置13は、ガイド12の天面、すなわち、上部ケース122の天面側の外面を複数点支持(この場合は4点支持)する複数(この場合は4つ)のフリーローラベアリング130と、ガイド12の底面、すなわち、下部ケース121の底面側の外面を複数点支持(この場合は4点支持)する複数(この場合は4つ)のフリーローラベアリング130と、各フリーローラベアリング130をガイド12の天面及び底面にそれぞれ接触配置するための取付ベース131とを具備する。
フリーローラベアリング130は汎用品として一般に知られているもので、半球状の凹面を有するケースfと、ケースfの半球状の凹面に回転可能に配置されるボールgと、ケースfの半球状の凹面上に被せ付けられ、ボールgを保持するキャップhなどからなり、ケースf内でボールgが全方向に回転可能になっている。
取付ベース131は、設置ベース132と、設置ベース132にこの設置ベース132の中心から等距離で相互に等間隔に所定の高さに立設される複数(この場合は4つ)のフリーローラベアリング取付部133と、設置ベース132に各フリーローラベアリング取付部133よりも高い所定の高さに門形に立設される取付フレーム134と、取付フレーム134の上部に取付軸135及びばね部材136を介して上下方向に伸縮可能に取り付けられ、等間隔に複数方向に延ばされる複数(この場合は4つ)のフリーローラベアリング取付アーム137とを具備する。この場合、設置ベース132は、断面L字形のフレームが略矩形状に組まれてなり、全体がガイドの外周よりも少し大きくなっている。各フリーローラベアリング取付部133は、所定の高さを有する略コ字形のフレームからなり、上部にフリーローラベアリング130を斜め上方に向けて取り付け可能なフリーローラベアリング取付面を有し、設置ベース132の前後左右の各フレームの中央に設置固定される。これらフリーローラベアリング取付部133の各フリーローラベアリング取付面にそれぞれフリーローラベアリング130がローラを斜め上方に向けて取り付けられる。取付フレーム134は、一対の支柱1341、1342と、これらの支柱1341、1342間に一端がヒンジ1343を介して枢支され、他端がストッパー1344を介して連結されるアーム1345と、アーム1345の下面中央に垂設される取付軸135及びこの取付軸135上に巻回されるばね部材としてコイルスプリング136とからなる。なお、この場合、ストッパー1344は、他端側の支柱1342の上端部に形成され、上方に延び、その一部に水平方向に細長いスリットs0を有するロック部s1と、アーム1345の他端側に形成され、他端側の支柱1342のロック部s1を挿通可能なロック穴s2と、アーム1345の他端側の上面に水平方向に回転可能に取り付けられ、他端側の支柱1342のロック部s1のスリットs0に係脱可能な突起s31を有するロック部材s3とからなり、アーム1345のロック穴s2に他端側の支柱1342のロック部s1を通し、この支柱1342のスリットs0にアーム1345上のロック部材s3を回動させてその突起s31を係合させることにより、他端側の支柱1342とアーム1345が連結ロックされ、この状態から、他端側の支柱1342のスリットs0に係合されるアーム1345上のロック部材s3を回動させてその突起s31をスリットs0から外すことにより、他端側の支柱1342とアーム1345とのロックが外れ、アーム1345を他端側の支柱1342のロック部s1から抜き、引き上げ可能になっている。各フリーローラベアリング取付アーム137は、中央のプレートP1と、このプレートP1の外周から等間隔に4方向に水平に延び、先端が下方斜めに形成されて、先端にフリーローラベアリング130を斜め下方に向けて取り付け可能なフリーローラベアリング取付面を有する4つのアームP2とからなり、中央のプレートP1の中心に取付フレーム134(アーム1345)の取付軸135が挿通されて取り付けられ、中央のプレートP1とアーム1345との間にコイルスプリング136が圧縮されて、上下方向に伸縮可能に取り付けられる。これらフリーローラベアリング取付アーム137の各フリーローラベアリング取付面にそれぞれフリーローラベアリング130がローラを斜め下方に向けて取り付けられる。
このようにして支持装置13は球体のガイド12の天面、すなわち、上部ケース122の天面側の外面を複数(4つ)のフリーローラベアリング130で複数点支持(4点支持)し、球体のガイド12の底面、すなわち、下部ケース121の底面側の外面を複数(4つ)のフリーローラベアリング130で複数点支持(4点支持)するようになっている。
このようにしてこの細胞・組織片輸送用無揺動ケースC1は、容器ホルダ11と一体化された球体状のガイド12が支持装置13の上下の各フリーローラベアリング130により支持されて、支持装置13及び容器ホルダ11に対する揺動方向の外力に対して、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動によって、容器ホルダ11を無揺動に支持し、また、支持装置13及び容器ホルダ11へ作用する慣性力に対しては、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動によって、容器ホルダ11を、慣性力によって生じる加速度(合成加速度)方向に対し直角に支持するようになっている。
本ケースC1を所謂ミニバンなどの車両に装備して、iPS細胞を車両で輸送する場合について図2を用いて説明する。
(本ケースの車両への装備)
図2(a)に示すように、まず、本ケースC1を車両M内に装備する。この場合、本ケースC1の支持装置13(設置ベース132)を車両Mの荷台M1に設置固定して車両内に装備する。また、この場合、本ケースC1を荷台M1の車幅方向中央に設置することが好ましい。
(iPS細胞の車両への積み込み)
iPS細胞を本ケースC1に積み込む際は、支持装置13のストッパー1344(ロック部材s3)を外して、支柱1342からアーム1345を引き上げ、この状態で支持装置13から容器ホルダ11をガイド12とともに取り外す。
iPS細胞は、通常、シャーレなどの容器Sに所定のガス管理が行われて収納されており、まず、この容器Sを容器ホルダ11内に保持する。この場合、ガイド12の各ファスナ127を外して、下部ケース121から上部ケース122を取り外し、さらに、容器ホルダ11の各ナット117を各ねじ116から外して押えプレート113を取り外す。そして、容器ホルダ11の支持プレート111上にiPS細胞を入れた容器Sを置き、その上から押えプレート113を被せ、ねじ116とナット117の締結により、容器Sを支持プレート111と押えプレート113とにより挟持する。続いて、下部ケース121上に上部ケース122を合わせ、両者間を各ファスナ127により締め付け、ガイド12内部を気密に保持する。この時点で、容器ホルダ11はガイド12の下部ケース121内に配置され、容器ホルダ11の下部中央から突出されるシャフト118が下部ケース121のシャフト挿通部128に通されて、容器ホルダ11とガイド12が一体化され、下部ケース121の底面から突出されるシャフト118にはウェイト119が取り付けられているので、ウェイト119は重力方向にあり、下部ケース121内で容器ホルダ11は水平を取り、容器ホルダ11内の容器Sが水平に保持される。
そして、この一体化した容器ホルダ11及びガイド12を支持装置13に支持する。この場合、まず、ガイド12の下部ケース121を支持装置13の各フリーローラベアリング取付部133の各フリーローラベアリング130上に置く。次に、支持装置13のアーム1345を下ろし、アーム1345に軸支された各フリーローラベアリング取付アーム137の各フリーローラベアリング130をガイド12の上部ケース122上に当接させた後、アーム1345をコイルスプリング136の付勢力に抗して押し下げ、このアーム1345をストッパー1344により支柱1342に連結ロックして、球体のガイド12を上下の各フリーローラベアリング130の8点支持により支持する。これにより、ガイド12の最下点から突出されるシャフト118に取り付けられたウェイト119は重力方向にあり、ガイド12内で容器ホルダ11は水平を取り、容器ホルダ11内の容器Sは水平に保持される。
(iPS細胞の車両での輸送)
このiPS細胞を載せた車両が走向を開始し、このときに本ケースC1に慣性力が作用すると、図2(b)に示すように、支持装置13上で容器ホルダ11及びガイド12はウェイト119とともに慣性力によって生じる加速度(合成加速度)方向に振れる(傾動する)。この慣性力に対して、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動により、容器ホルダ11は、慣性力によって生じる加速度方向に対し直角に支持されるとともに、容器ホルダ11内の容器SはiPS細胞の培地とともにこの慣性力によって生じる加速度方向に対し直角に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。この状態は容器ホルダ11(ウェイト119)が重力方向に戻されるまで保持される。
iPS細胞を載せた車両の走向中に、車両の横揺れなど本ケースC1に揺動方向の外力が生じると、これに対して、図2(a)に示すように、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ12との間の相対運動によって、支持装置13が車両の振動に追従しても容器ホルダ11は無揺動に支持される。これにより、容器ホルダ11内の容器SはiPS細胞の培地とともに水平を維持され、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。また、車両が長いカーブを高速で走向し、支持装置13及び容器ホルダ11に遠心力が作用すると、図2(b)に示すように、支持装置13上で容器ホルダ11及びガイド12はウェイト119とともに遠心力方向に振れる(傾動する)。この遠心力に対して、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動により、容器ホルダ11は、遠心力によって生じる加速度方向に対し直角に支持されるとともに、容器ホルダ11内の容器SはiPS細胞の培地とともにこの遠心力によって生じる加速度方向に対し直角に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。この状態は容器ホルダ11(ウェイト119)が重力方向に戻されるまで保持される。
そして、このiPS細胞を載せた車両が走向を終え、このときに本ケースC1に慣性力が作用しても、同様に、この慣性力に対して、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動により、容器ホルダ11は、慣性力によって生じる加速度方向に対し直角に支持されるとともに、容器ホルダ11内の容器SはiPS細胞の培地とともにこの慣性力によって生じる加速度方向に対し直角に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。この状態は容器ホルダ11(ウェイト119)が重力方向に戻されるまで保持される。
以上説明したように、本ケースC1によれば、細胞・組織片を収納する容器Sを水平に保持するための容器ホルダ11に取り付けられ、容器ホルダ11を支持するガイド12と、容器ホルダ11をガイド12を介して支持する支持装置13とを備え、このガイド12が、少なくとも容器ホルダ11の下方から容器ホルダ11の側方全周に向けて延展する球状の面を有し、支持装置13が、ガイド12の球状の面に沿って接触し全方向に回転可能な複数のフリーローラベアリング130からなり、支持装置13及び容器ホルダ11に対する揺動方向の外力に対して、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動によって、容器ホルダ11を無揺動に支持し、また、本ケースC1(支持装置13及び容器ホルダ11)へ作用する慣性力に対しては、ガイド12の球状の面と支持装置13の各フリーローラベアリング130との係合案内による支持装置13と容器ホルダ11との間の相対運動によって、容器ホルダ11を、慣性力によって生じる加速度方向に対し直角に支持するようにしたので、iPS細胞などの細胞を車両その他各種の輸送手段を使って輸送する場合に、輸送中の揺れや傾動による容器S内の細胞の培地の波立つ動きを小さくして、細胞の破壊を防止することができる。
また、本ケースC1では、容器ホルダ11が、容器Sを支持する支持プレート111と、容器Sを上から押えるための押えプレート113と、支持プレート111と押えプレート113との間を締め込むねじ装置115とからなり、細胞を入れた容器Sを上下から挟持するようにしたので、容器Sの密閉状態を確実に保持することができる。
さらに、本ケースC1では、容器ホルダ11と一体化された球体状のガイド12が支持装置13の上下の各フリーローラベアリング130により8点支持されるので、容器ホルダ11を支持装置13に安定的に支持することができる。
図3に第2の実施の形態を示している。
図3に示すように、細胞・組織片輸送用無揺動ケースC2(以下の第2の実施の形態の説明の中で、単に本ケースC2ということがある。)は、細胞・組織片を収納する容器を水平に保持するための容器ホルダ21と、容器ホルダ21に取り付けられ、容器ホルダ21を支持するガイド22と、容器ホルダ21をガイド22を介して支持する支持装置23とを備える。
容器ホルダ21は、容器を支持する支持プレート211と、容器Sを上から押えるための押えプレート213と、これら支持プレート211と押えプレート213との間を締め込むねじ装置215とからなる。
この場合、支持プレート211は所定の外径を有する円形のプレートで、その外周縁部に90度間隔で4つのねじ挿通孔212が形成される。押えプレート213は支持プレート211よりも少し大きい所定の外径を有する円形のプレートで、その外周部側に支持プレート211の各ねじ挿通孔212に対応して90度間隔で4つのねじ挿通孔214が形成される。ねじ装置215は4組のねじ216とナット217とからなる。このようにして細胞・組織片を収納するシャーレなどの容器を支持プレート211で支持し、この容器の上から容器を押えプレート213で押えて、各ねじ216を支持プレート211の各ねじ挿通孔212から通し、押えプレート213の各ねじ挿通孔214に挿通して、押えプレート213上で各ねじ216と各ナット217を締結することにより、容器を支持プレート211及び押えプレート213で挟持するようになっている。
ガイド22は、後述する支持装置23の球状の面に沿って接触し全方向に回転可能な複数のフリーローラベアリング220からなる。
このガイド23は、複数、この場合、4つのフリーローラベアリング220からなり、各フリーローラベアリング220がボールを下方に向けて容器ホルダ21の底面、すなわち支持プレート211の底面にこの底面の中心から等距離に相互に等間隔に取り付けられる。
なお、フリーローラベアリング220は、既述のとおりで、半球状の凹面を有するケースfと、ケースfの半球状の凹面に回転可能に配置されるボールgと、ケースfの半球状の凹面上に被せ付けられ、ボールgを保持するキャップhなどからなり、ケースf内でボールgが全方向に回転可能になっている。
支持装置23は、少なくとも容器ホルダ21の下方から容器ホルダ21の側方全周に向けて延展する球状の面を有する。
この支持装置23は、容器ホルダ21を内包可能な少なくとも底面を球状とする密閉式のケース体23Aと、ケース体23Aを容器ホルダ21の底面側に各フリーローラベアリング220に接触させて配置するための取付ベース23Bとを具備する。
この場合、ケース体23Aは、上下に2分割可能な半球体と円柱体からなり、上面に開口を有する半球状の下部ケース231と、上面が閉塞され下面に開口を有する円柱状の上部ケース232とを具備する。これら下部ケース231、上部ケース232はそれぞれの開口内周縁部に全周に亘ってリング233、234が設けられて相互に当接し、また、一方のリング、この場合、下部ケース231側のリング233の上面全周に亘って溝235が形成されこの溝235にOリング236が嵌着されて、下部ケース231、上部ケース232が相互に気密に結合されるようになっている。また、これら下部ケース231、上部ケース232の結合部間には、円周方向に所定の間隔(この場合、90度間隔)で下部ケース231と上部ケース232とを締め付けて結合するための複数(この場合、4つ)のファスナ237が取り付けられる。これらのファスナ237は汎用品として一般に知られているもので、固定基板aと、固定基板aに枢支され、先端に操作レバーbを有する可動本体cと、可動本体cにこの可動本体cの枢支点よりも操作レバーb側にずれた部位に枢支された略U字形形状の引掛け枠dと、フック形状(逆L字形形状)の受具eとからなり、この場合、固定基板aが上部ケース232の開口外周縁に近接する外面にビスなどの固着具により取り付けられて、この固定基板aにより可動本体cが上部ケース232と下部ケース231の結合部間に回動可能に取り付けられ、受具eが下部ケース231の開口外周縁に近接する外面にビスなどの固着具により取り付けられる。このようにして、上下部の各ケース231、232が相互のリング233、234を合わせて結合され、この状態から、操作レバーbを引き上げて可動本体cを固定基板aから引き離す方向に回動させるとともに、引掛け枠dを受具eに向けて回動させ、引掛け枠dを受具eに引掛けて、この状態から、今度は反対に、操作レバーbを押し下げ、可動本体cを固定基板aに向けて回動させて、可動本体cで受具eに引掛けられた引掛け枠d(上部ケース232側に)引張ることにより、この引掛け枠dの引張力の作用で、上下部の各ケース231、232を密閉状態に締め付け保持するようになっている。
さらに、下部ケース231の底面中央、すなわち、下部ケース231の底面の最下点にはばねを装着するための係合部238が凸状に形成され、底面の上部に90度間隔でダンパを取り付けるための取付部239が設けられる。
取付ベース23Bは、設置ベース241と、設置ベース241の中心とケース体23Aの底面の中心との間に介装されるコイルスプリング242と、その周囲で設置ベース241とケース体23Aとの間に介設される複数のダンパ243とを具備する。この場合、設置ベース241は、断面L字形のフレームが略矩形状に組まれてなり、全体がガイド22の外周と略同じ大きさになっている。この設置ベース241の中央にばねを装着するための係合部241aが凸状に設けられ、四隅にそれぞれダンパを取り付けるための取付部241bが設けられる。コイルスプリング242はケース体23Aの底面の係合部238と取付ベース23Bの設置ベース241に設けられた係合部241aとの間に介装される。ダンパ243は一般に知られている汎用品で、シリンダと、シリンダに伸縮可能に挿通されるロッドからなる。この場合、4本のダンパ243がそれぞれ、ケース体23A底面上部の各取付部239と取付ベース23B(設置ベース241の四隅)の各取付部241bとの間に介設される。
このようにして支持装置23はケース体23Aが取付ベース23B(のコイルスプリング242及び4本のダンパ243)を介して弾性的に支持されて構成され、ケース体23Aで容器ホルダ21をガイド22をなす複数(4つ)のフリーローラベアリング220を介して支持するようになっている。
このようにしてこの細胞・組織片輸送用無揺動ケースC2は、容器ホルダ21がこれに一体化された複数のフリーローラベアリング220からなるガイド22を介して支持装置23のケース体23Aにより支持されて、支持装置23及び容器ホルダ21に対する揺動方向の外力に対して、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23の球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、容器ホルダ21を無揺動に支持し、また、支持装置23及び容器ホルダ21へ作用する慣性力に対しても、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23の球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、容器ホルダ21を無揺動に支持するようになっている。
本ケースC2を所謂ミニバンなどの車両に装備して、iPS細胞を車両で輸送する場合について説明する。
(本ケースの車両への装備)
図4(a)に示すように、まず、本ケースC2を車両M内に装備する。この場合、本ケースC2の支持装置23(設置ベース241)を車両Mの荷台M1に設置固定して車両M内に装備する。また、この場合、本ケースC2を荷台M1の車幅方向中央に設置することが好ましい。
(iPS細胞の車両への積み込み)
iPS細胞を本ケースC2に積み込む際は、まず、支持装置23のケース体23Aの各ファスナ237を外して、下部ケース231から上部ケース232を取り外し、さらに、容器ホルダ21の各ナット217を各ねじ216から外して押えプレート213を取り外す。
iPS細胞は、既述のとおり、シャーレなどの容器Sに所定のガス管理が行われて収納されており、まず、この容器Sを容器ホルダ21内に保持する。この場合、容器Sを容器ホルダ21の支持プレート211上に置き、その上から押えプレート213を被せ、ねじ216とナット217の締結により、容器Sを支持プレート211と押えプレート213とにより挟持する。続いて、下部ケース231上に上部ケース232を合わせ、両者間を各ファスナ237により締め付け、ガイド22内部を気密に保持する。この時点で、ケース体23Aは、真下に設置されたコイルスプリング242と、その周囲の4本のダンパ243により弾性的に支持されて、揺らぎが抑制され、このケース体23A内で容器ホルダ21は底面が重力方向に向けられて水平に保持される。
(iPS細胞の車両での輸送)
このiPS細胞を載せた車両が走向を開始し、このときに本ケースC2に慣性力が作用すると、図4(b)に示すように、支持装置23のケース体23Aは慣性力によって生じる加速度(合成加速度)方向に振れる(傾動する)。この慣性力に対して、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23のケース体23Aの球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、支持装置23のケース体23Aが慣性力によって生じる加速度(合成加速度)方向に振れてもこのケース体23A内で容器ホルダ21は無揺動に支持され、容器ホルダ21内の容器SはiPS細胞の培地とともに略水平に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。
iPS細胞を載せた車両の走向中に、車両の横揺れなど本ケースC2に揺動方向の外力が生じると、これに対して、図4(a)に示すように、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23のケース体23Aの球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、支持装置23が車両の振動に追従しても支持装置23のケース体23A内で容器ホルダ21は無揺動に支持される。これにより、容器ホルダ21内の容器SはiPS細胞の培地とともに水平を維持され、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。また、車両が長いカーブを高速で走向し、本ケースC2に遠心力が作用すると、支持装置23のケース体23Aが遠心力方向に振れる(傾動する)。この遠心力に対して、図4(b)に示すように、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23のケース体23Aの球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、支持装置23のケース体23Aが遠心力方向に振れてもこのケース体23A内で容器ホルダ21は無揺動に支持され、容器ホルダ21内の容器SはiPS細胞の培地とともに水平に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。
そして、このiPS細胞を載せた車両が走向を終え、このときに本ケースC2に慣性力が作用しても、同様に、この慣性力に対して、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23のケース体23Aの球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、支持装置23のケース体23Aが振れてもこのケース体23A内で容器ホルダ21は無揺動に支持され、容器ホルダ21内の容器SはiP
S細胞の培地とともに略水平に保持されて、iPS細胞の培地に波立つ動きがない、又は極めて小さく抑えられる。
以上説明したように、本ケースC2によれば、細胞・組織片を収納する容器Sを水平に保持するための容器ホルダ21に取り付けられ、容器ホルダ21を支持するガイド22と、容器ホルダ21をガイド22を介して支持する支持装置23とを備え、ガイド22が支持装置23の球状の面に沿って接触し全方向に回転可能な複数のフリーローラベアリング220からなり、支持装置23が少なくとも容器ホルダ21の下方から容器ホルダ21の側方全周に向けて延展する球状の面を有し、支持装置23及び容器ホルダ21に対する揺動方向の外力に対して、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23の球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、容器ホルダ21を無揺動に支持し、さらに、支持装置23及び容器ホルダ21へ作用する慣性力に対しても、ガイド22の各フリーローラベアリング220と支持装置23の球状の面との係合案内による支持装置23と容器ホルダ21との間の相対運動によって、容器ホルダ21を無揺動に支持するようにしたので、iPS細胞などの細胞を車両その他各種の輸送手段を使って輸送する場合に、輸送中の揺れや傾動による容器内の細胞の培地の波立つ動きを小さくして、細胞の破壊を防止することができる。
また、本ケースC2では、容器ホルダ21が、容器Sを支持する支持プレート211と、容器Sを上から押えるための押えプレート213と、支持プレート211と押えプレート213との間を締め込むねじ装置215とからなり、細胞を入れたシャーレなどの容器Sを上下から挟持するようにしたので、容器Sの密閉状態を確実に保持することができる。
さらに、本ケースC2では、容器ホルダ21がガイド22の複数のフリーローラベアリング220を介して支持装置23の略半球状の密閉式のケース体23A内に支持されるので、容器ホルダ21を支持装置23に安定的に支持することができる。
さらに、本ケースC2の場合、支持装置23のケース体23Aを略半球状とし、これをコイルスプリング242及びダンパ243により支持するようにしたので、第1の実施の形態に比べて、装置全体をコンパクトにすることができ、車両などに省スペースに装備することができる。
なお、第1の実施の形態では、ガイド11を球体としたが、第2の実施の形態のケース体23Aと同様に、略半球状に形成してもよく、このようにしても第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ、この場合、さらに、装置全体を小型化できる利点がある。
また、第2の実施の形態では、支持装置23のケース体23Aを略半球状としたが、第1の実施の形態のガイド12(ケース体)と同様に、球体状に形成してもよく、このようにしても第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
C1 細胞・組織片輸送用無揺動ケース(本ケース)
11 容器ホルダ
111 支持プレート
112 ねじ挿通孔
113 押えプレート
114 ねじ挿通孔
115 ねじ装置
116 ねじ
117 ナット
118 シャフト
119 ウェイト(錘)
12 ガイド
121 下部ケース
122 上部ケース
123 リング
124 リング
125 溝
126 Oリング
127 ファスナ
a 固定基板
b 操作レバー
c 可動本体
d 引掛け枠
e 受具
128 シャフト挿通部
129 密閉管
13 支持装置
130 フリーローラベアリング
f ケース
g ボール
h キャップ
131 取付ベース
132 設置ベース
133 フリーローラベアリング取付部
134 取付フレーム
1341 支柱
1342 支柱
1343 ヒンジ
1344 ストッパー
s0 スリット
s1 ロック部
s2 ロック穴
s3 ロック部材
s31 突起
1345 アーム
135 取付軸
136 コイルスプリング(ばね部材)
137 フリーローラベアリング取付アーム
P1 中央のプレート
P2 アーム
C2 細胞・組織片輸送用無揺動ケース(本ケース)
21 容器ホルダ
211 支持プレート
212 ねじ挿通孔
213 押えプレート
214 ねじ挿通孔
215 ねじ装置
216 ねじ
217 ナット
22 ガイド
220 フリーローラベアリング
f ケース
g ボール
h キャップ
23 支持装置
23A ケース体
231 下部ケース
232 上部ケース
233 リング
234 リング
235 溝
236 Oリング
237 ファスナ
238 係合部
239 取付部
23B 取付ベース
241 設置ベース
241a 係合部
241b 取付部
242 コイルスプリング
243 ダンパ
S 容器
M 車両
M1 荷台

Claims (3)

  1. 細胞・組織片を収納する容器を水平に保持するための容器ホルダと、
    前記容器ホルダに取り付けられ、前記容器ホルダを支持するガイドと、
    前記容器ホルダを前記ガイドを介して支持する支持装置と、
    を備え、
    前記ガイドは、複数のフリーローラベアリングからなり、前記各フリーローラベアリングが下方に向けて前記容器ホルダの底面に取り付けられ、
    前記支持装置は、前記容器ホルダを内包可能な少なくとも底面を球状とする密閉式のケース体と、前記ケース体を前記容器ホルダの底面側に前記各フリーローラベアリングに接触させて配置するための取付ベースとを有し、
    前記支持装置及び前記容器ホルダに対する揺動方向の外力に対して、前記支持装置と前記容器ホルダとの間の相対運動によって、前記容器ホルダを無揺動に支持する、
    ことを特徴とする細胞・組織片輸送用無揺動ケース。
  2. 容器ホルダは、容器を支持する支持プレートと、前記容器を上から押えるための押えプレートと、前記支持プレートと前記押えプレートとの間を締め込むねじ装置とからなる請求項1に記載の細胞・組織片輸送用無揺動ケース。
  3. 取付ベースは、設置ベースと、前記設置ベースの中心とケース体の底面の中心との間に介装されるコイルスプリングと、前記コイルスプリングの周囲で前記設置ベースと前記ケース体との間に介設される複数のダンパとを具備する請求項2に記載の細胞・組織片輸送用無揺動ケース。
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