JP6710173B2 - 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構 - Google Patents

繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構 Download PDF

Info

Publication number
JP6710173B2
JP6710173B2 JP2017039414A JP2017039414A JP6710173B2 JP 6710173 B2 JP6710173 B2 JP 6710173B2 JP 2017039414 A JP2017039414 A JP 2017039414A JP 2017039414 A JP2017039414 A JP 2017039414A JP 6710173 B2 JP6710173 B2 JP 6710173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cut
fiber
kneaded material
kneaded
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017039414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018144287A (ja
Inventor
賢一 蓬莱
賢一 蓬莱
隆一 木村
隆一 木村
込山 隆士
隆士 込山
喜瑛 田渕
喜瑛 田渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Ltd
Original Assignee
Kurimoto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurimoto Ltd filed Critical Kurimoto Ltd
Priority to JP2017039414A priority Critical patent/JP6710173B2/ja
Publication of JP2018144287A publication Critical patent/JP2018144287A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6710173B2 publication Critical patent/JP6710173B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、繊維と熱可塑性樹脂との混練物から繊維強化樹脂成形体を製造する繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維と熱可塑性樹脂とが混練された繊維強化樹脂混練物の搬送機構に関する。
繊維強化樹脂成形体は、例えば、混練装置で繊維と樹脂との混練物を製造し、この混練物を成形装置で成形することにより製造される。このような製造装置は、例えば、特公平6−94130号公報(特許文献1)に開示されている。
具体的には、この特許文献1には、熱可塑性樹脂と強化用繊維とを混練する押出し装置と、混練物を所定の寸法及び形状に成形する予成形装置と、この予成形装置で成形された予成形押出物を成形する圧縮成形機と、予成形押出物を圧縮成形機まで搬送するコンベア装置とを備えている装置が開示されている。
特公平6−94130号公報
熱可塑性樹脂を含む混練物は冷えると固まる性質があるため、成形装置(圧縮成形機)までの混練物の搬送距離または搬送時間が長い場合、搬送途中において混練物が冷却固化してしまう可能性がある。搬送途中において混練物が固化すると、成形装置において混練物を適切に加圧成形することが困難となる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、繊維と熱可塑性樹脂との混練物から適切に繊維強化樹脂成形体を製造することのできる、繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法を提供することである。
また、適切に繊維強化樹脂成形体を製造するために、繊維と熱可塑性樹脂との混練物(裁断混練物)の固化を防止または抑制することのできる、繊維強化樹脂混練物の搬送機構を提供することも他の目的とする。
この発明のある局面に従う繊維強化樹脂成形体の製造装置は、繊維と熱可塑性樹脂との混練物を製造する混練装置と、混練物を裁断して、裁断混練物を生成する裁断装置と、裁断装置の下流側に配置され、裁断混練物を所定の取出し位置まで搬送する搬送装置と、搬送装置により取出し位置まで搬送された裁断混練物を、成形型に移送する移送装置と、移送装置により移送された裁断混練物を成形型で加圧成形して繊維強化樹脂成形体を製造する成形装置とを備える。この製造装置は、搬送装置および移送装置のそれぞれに、裁断混練物の温度低下を防止するための保温手段が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、搬送装置は、裁断混練物を搬送するコンベアを含む。この場合、搬送装置に設けられた保温手段は、コンベアの上方空間を囲う囲い部材と、囲い部材の内側に取り付けられた第1の加温部材とを含むことが望ましい。
搬送装置としてのコンベアは、例えば、ベルトの回転により裁断混練物を搬送するベルトコンベアである。この場合、搬送装置に設けられた保温手段は、裁断混練物を載置する載置面を形成するベルトの下方に配置される第2の加温部材をさらに含むことが望ましい。
好ましくは、搬送装置は、その上面に取出し位置が形成される台座を含む。搬送装置に設けられた保温手段は、台座の下方に設けられた第3の加温部材を含むことも望ましい。
好ましくは、移送装置は、取出し位置に送り出された裁断混練物を拾い上げる拾い上げ部と、拾い上げ部を成形型まで動かす移動部材とを含む。この場合、移送装置に設けられた保温手段は、拾い上げ部に拾い上げられた裁断混練物を加温する第4の加温部材を含むことが望ましい。
第4の加温部材は、拾い上げ部を見下ろす位置に配置されることが望ましい。
裁断装置は、混練物を裁断位置まで移送する移送部材を含む。裁断装置にも、移送部材により移送される混練物を加温するための第5の加温部材が設けられていてもよい。
この発明の他の局面に従う繊維強化樹脂混練物の搬送機構は、繊維と熱可塑性樹脂とを混練する混練装置から吐出された混練物を、成形型に搬送する搬送機構であって、混練物を所定の取出し位置まで搬送する搬送装置と、搬送装置により取出し位置まで搬送された混練物を、成形型に移送する移送装置とを備える。この搬送機構は、搬送装置および移送装置のそれぞれに、混練物の温度低下を防止するための保温手段が設けられていることを特徴とする。
この発明のさらに他の局面に従う繊維強化樹脂成形体の製造方法は、繊維と熱可塑性樹脂とを混練する工程と、繊維と熱可塑性樹脂とが混練された混練物を裁断して、裁断混練物を生成する工程と、裁断混練物を、保温状態で所定の取出し位置まで搬送する工程と、取出し位置まで搬送された裁断混練物を、保温状態で成形型に移送する工程と、移送された裁断混練物を成形型で加圧成形して繊維強化樹脂成形体を製造する工程とを備える。
本発明によれば、繊維と熱可塑性樹脂との混練物(裁断混練物)の固化を防止または抑制することができる。その結果、繊維と熱可塑性樹脂との混練物から適切に繊維強化樹脂成形体を製造することが可能となる。
本発明の実施の形態における繊維強化樹脂成形体の製造装置を側方から模式的に見た状態を示す図である。 本発明の実施の形態における繊維強化樹脂成形体の製造装置を上方から見た状態を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における搬送装置の要部拡大図である。 本発明の実施の形態における位置決め手段の動作およびロボットハンドの動作を説明するための図解図である。 裁断混練物の配置パターンを示す図である。 本発明の実施の形態における搬送機構を模式的に示す図である。 移送装置の待機状態を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。また、本明細書において、原料が導入される方を上流側及び後方(図2において右側)とし、原料が排出される方を下流側及び前方(図2において左側)とする。
<繊維強化樹脂成形体の製造装置の基本構成について>
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態の繊維強化樹脂成形体の製造装置1の基本構成について説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態の繊維強化樹脂成形体の製造装置1は、混練装置2と、裁断装置3と、搬送装置100と、移送装置4と、成形装置5とを備えている。混練装置2は、樹脂と繊維との混練物を製造し、混練物を吐出する。裁断装置3は、吐出部から押し出された混練物を裁断して、裁断混練物を生成する。搬送装置100は、裁断混練物を所定の取出し位置まで搬送する。移送装置4は、取出し位置まで搬送された裁断混練物を例えばロボットハンドにより保持して成形装置5にまで運び、それを成形装置5の成形型に移送し、成形型に裁断混練物を投入する。成形装置5は、成形型で裁断混練物を加圧成形して、繊維強化樹脂成形体を製造する。
(混練装置)
混練装置2は、LFT−D(Long Fiber Thermoplastics - Direct)法により、熱可塑性樹脂に繊維が混入されてなる成形体材料としての混練物を製造する装置である。つまり、熱可塑性樹脂と複数本の連続した繊維の束とを導入し、繊維を裁断しながら開繊させ、樹脂と繊維とを混練して混練物を生成する。熱可塑性樹脂及び繊維は特に限定されないが、熱可塑性樹脂はポリアミド樹脂であることが好ましく、繊維はガラス繊維、炭素繊維などであることが好ましい。炭素繊維を用いた場合には、製造装置1において熱可塑性CFRP(炭素繊維強化プラスチック:Carbon Fiber Reinforced Plastics)成形体が製造される。
図1に示すように、混練装置2は、第1混練機10と、第2混練機20と、繊維供給部30とを含んでいる。第1混練機10は、熱可塑性樹脂と繊維とを混練する。第2混練機20は、第1混練機10に導入される熱可塑性樹脂を、第1混練機10内での繊維との混練に先立って、混練・溶融する。繊維供給部30は、第1混練機10に繊維を供給する。
第1混練機10は、混練軸11と、シリンダー12と、駆動部13aと、減速機13bと、堰体14と、ダイ15とを含んでいる。
混練軸11は、スクリュー11aと、回転軸11bとを有している。第1混練機10は、1本の混練軸11を有する単軸混練機であってもよく、複数本の混練軸11を含む多軸混練機であってもよいが、本実施の形態では、互いに並列に配置された2本の混練軸11を含んだ2軸混練機としている。2本の回転軸11bは、軸方向に相互に回転可能に配設されており、互いの回転方向は同じであってもよく、異なっていてもよい。
スクリュー11aは、回転することによって熱可塑性樹脂と繊維とを混練する。このスクリュー11aは、回転軸11bに組み込まれている。スクリュー11aは、混練軸11において上流側の端部と下流側の端部に配置されていれば特に限定されず、スクリュー11aのみが回転軸11bに組み込まれていてもよく、中間部にはパドルが組み込まれていてもよい。
この2本の混練軸11を内部に収容するようにシリンダー12が設けられている。シリンダー12と混練軸11との隙間は、熱可塑性樹脂及び/または繊維が通過する流路となる。シリンダー12は、第2混練機20から供給される熱可塑性樹脂を第1混練機10内に導入するための樹脂供給口12aと、繊維供給部30から供給される複数本の連続した繊維を第1混練機10内に導入するための繊維供給口12bとを有している。繊維供給口12bには、導入される連続した繊維を切断するための部材が設けられてもよいが、本実施の形態ではそのような部材は省略されており、繊維供給部30から導入される連続した繊維をそのまま第1混練機10内へ送る。
混練軸11の一方(上流側)の軸端には、混練軸11にトルクを分配する減速機13bを経由して駆動部13aが接続されている。減速機13bは、混練軸11を所定の回転速度で同期させて回転させる。
混練軸11の他方(下流側)の軸端側には、堰体14が接続されている。堰体14は、ブレーカープレートと中間軸受とを兼用でき、流路と交差する方向に延びるように配置されているので、熱可塑性樹脂と繊維との混練物に背圧を与える。
堰体14は、混練物の流路となる開口部を有している。本実施の形態の堰体14は、2本の混練軸11のスクリュー11aのそれぞれの回転方向に沿う円弧状の開口部を複数有している。開口部は、混練軸11ごとに対応して設けられている。
この堰体14においてスクリュー11aと反対側には、ダイ15が設けられている。ダイ15は、混練物を排出する吐出部15aを有している。
第2混練機20は、上述した第1混練機10のシリンダー12の樹脂供給口12aに導入される熱可塑性樹脂を予め溶融し、スクリュー21aを有する混練軸21と、シリンダー22と、駆動部23aと、減速機23bと、ホッパー24とを含んでいる。第2混練機20は、1本の混練軸21を有する単軸混練機であってもよく、複数本の混練軸21を含む多軸混練機であってもよい。混練軸21は、スクリュー21aのみが回転軸21bに組み込まれていてもよく、中間部にはスクリューに代えてパドルが組み込まれていてもよい。シリンダー22は、溶融された熱可塑性樹脂を第1混練機10に供給する吐出部22aを有している。駆動部23a及び減速機23bは、混練軸21を所定の回転速度で回転させる。ホッパー24は、混練軸21とシリンダー22との間で混練される熱可塑性樹脂の原料25を受ける。
繊維供給部30は、上述した第1混練機10のシリンダー12の繊維供給口12bに導入される繊維原料32を供給する。繊維供給部30は、複数本の連続する繊維の束が巻回された繊維原料32を載置する載置部31を含んでいる。載置部31は、繊維原料32から繊維の束の先端を取り出し、第1混練機10のシリンダー12の繊維供給口12bに導入するための第1及び第2案内部31a、31bを有している。
(裁断装置)
図1及び図2に示すように、裁断装置3は、混練物を前方に向けて押し出す混練装置2の吐出部15aに配置されている。裁断装置3は、混練装置2の吐出部15aから押し出された連続する混練物K1を、成形装置5の成形型50に投入する非連続的な裁断混練物K2に計量を伴って変えるためのものである。
図1に示すように、裁断装置3は、裁断刃36と、制御部37と、第1コンベア33と、第2コンベア34とを含んでいる。
裁断刃36は、吐出部15aから押し出されて前方に移動する長尺の混練物K1を、裁断する。この裁断刃36は、吐出部15aから押し出される混練物K1の上方に配置され、混練物K1に対して上方から下方に向けて移動されることにより、混練物K1を裁断する。裁断刃36の上流側の面には、混練物の熱融着を防止するように表面処理されている。
制御部37は、裁断刃36の裁断動作を制御する。制御部37は、前方に押し出される混練物K1に対して直交するように裁断刃36を移動させてもよく、混練物K1に対して傾斜するように裁断刃36を移動させてもよい。このような裁断刃36の移動を補助するために、バネなどを利用してもよい。制御部37は、例えば、サーボモータ制御装置である。
第1コンベア33は、吐出部15aと裁断刃36との間に配置され、吐出された混練物K1を下方から支持して、裁断刃36に向けて前方に移動させる。つまり、第1コンベア33は、吐出部15aから吐出された混練物K1を裁断位置(裁断刃36の位置)P1まで移送する。第1コンベア33の載置面(上面)と、吐出された混練物K1の下面とは、同一平面上に位置している。
第2コンベア34は、第1コンベア33の前方に配置され、裁断された混練物、すなわち裁断混練物K2を下方から支持して前方に移動させる。つまり、第2コンベア34は、裁断混練物K2を裁断位置P1から搬送装置100に移送する。第2コンベア34の載置面は、第1コンベア33の載置面と同一平面上に位置している。
なお、裁断装置3は、裁断位置P1で、裁断混練物を把持する把持部(図示せず)と、この把持部を前方に向けて移動させ、裁断混練物K2を裁断前の混練物K1と分離する移送部(図示せず)とを備えていてもよい。把持部は、裁断混練物K2の両側方を把持することで、裁断時に混練物が入刃方向にずれた場合、再び所定の位置に戻すことができる。把持部と移送部とによって、裁断混練物K2と裁断前の混練物K1との間隔を大きくできるので、裁断混練物K2が混練装置2から押し出される裁断前の混練物K1と再び接着することを防止できる。
(搬送装置)
図1に示すように、搬送装置100は、混練装置2から吐出された繊維と樹脂との混練物を裁断する裁断装置3の下流側に配置される装置である。本実施の形態における搬送装置100は、図2に示すように、裁断装置3で裁断された裁断混練物K2を搬送する搬送手段110と、この搬送手段110から搬送された複数の裁断混練物K2を、成形型50に投入するパターンに位置決めする位置決め手段120とを含んでいる。
搬送手段110は、例えば裁断混練物K2を位置決め手段120まで連続的に搬送するコンベアであり、本実施の形態では、輪状にしたベルトを台車の上で回転させ、その上に裁断混練物を載置して移動させるベルトコンベアを用いている。裁断混練物K2を裁断装置3から位置決め手段120まで搬送する方向、すなわち搬送手段110が延びる方向を、以下「搬送方向」という。
搬送手段110としてのコンベアは、第2コンベア34の前方に配置され、裁断混練物K2を下方から支持して前方に移動させる。搬送手段110としてのコンベアの載置面は、第1コンベア33及び第2コンベア34の載置面と同一平面上に位置している。つまり、裁断混練物K2は、押し出し方向において前方に直進するように搬送される。これにより、裁断混練物K2の伸縮を防止して、搬送されるので、裁断混練物K2の品質を高めることができる。
なお、搬送手段110としてのコンベアと、第2コンベア34とは分離されたものではなく、1つのコンベアであってもよい。つまり、裁断装置3が第2コンベア34を有さず、搬送装置100の搬送手段110が、裁断位置P1に隣接して設けられていてもよい。
図2及び図3に示すように、位置決め手段120は、X方向移送位置決め手段121と、Y方向移送位置決め手段122とを有している。
X方向移送位置決め手段121は、例えばコンベアであり、搬送手段110の前方に設置され、裁断混練物K2を受け取る。その後、X方向移送位置決め手段121は、受け取った裁断混練物K2をX方向、すなわち裁断混練物K2の搬送方向(図2及び図3における左右方向)と同方向(図3における矢印A)に移送し、裁断混練物K2を所定の位置にまで運ぶ。図示した実施形態では、2個のX方向移送位置決め手段121が設けられており、それらは後述するY方向移送位置決め手段122上に保持されている。
図示した実施形態のX方向移送位置決め手段121は、コンベアであり、そのコンベアの載置面は、搬送手段110のコンベアの載置面よりもやや下方または同一平面上に位置している。したがって、搬送手段110のコンベアに搬送された裁断混練物K2をスムーズにX方向移送位置決め手段121のコンベア載置面に移すことができる。
Y方向移送位置決め手段122は、複数のX方向移送位置決め手段121を下から保持し、それらをY方向、すなわち裁断混練物K2の搬送方向と交差する方向(図3における矢印B)に動かすことができる。本実施の形態のY方向移送位置決め手段122は、X方向移送位置決め手段121を図3における矢印Bに沿って移動させる移動部材として、複数のX方向移送位置決め手段121を下から保持する保持台124と、この保持台124をY方向に移動させるための油圧シリンダ等の駆動手段とを備える。あるいは、Y方向移送位置決め手段122は、複数のX方向移送位置決め手段121を下から保持する保持台124と、この保持台124をY方向に移動させるためのガイドレールとを備えてもよい。
X方向移送位置決め手段121は、裁断混練物K2をX方向に所定距離だけ移送し、裁断混練物K2のX方向位置を定める。Y方向移送位置決め手段122は、裁断混練物K2をY方向に所定距離だけ移送し、裁断混練物K2のY方向位置を定める。したがって、X方向移送位置決め手段121によるX方向移送距離及びY方向移送位置決め手段122によるY方向移送距離を制御部(図示せず)が制御することにより、複数の裁断混練物K2の配置パターンを任意に変更することができる。
図4及び図5を参照して、位置決め手段120の動作を再度説明する。説明の便宜上、非常に単純な動作パターンを例示する。まず、図4(a)に示すように、搬送手段110によって運ばれてきた裁断混練物K2は、中継手段123を介して第1のX方向移送位置決め手段121上に移される。コンベアの形態の第1X方向移送位置決め手段121は、裁断混練物K2を受け取ると、所定の距離だけ裁断混練物K2をX方向に動かし、所定の位置で停止する。所定の距離の感知は、例えばセンサによって行う。
次に、図4(b)に示すように、Y方向移送位置決め手段122は、第1及び第2のX方向移送位置決め手段121をY方向に動かし、第2X方向移送位置決め手段121を中継手段123に整列させる。その後、第2X方向移送位置決め手段121は、2個目の裁断混練物K2を受け取り、それを所定の距離だけX方向に動かし、所定の位置で停止する。所定の距離の感知は、例えばセンサによって行う。
次に、図4(c)に示すように、Y方向移送位置決め手段122が第1及び第2のX方向移送位置決め手段121をY方向に沿って原位置まで後退させる。移送装置4のロボットハンドとしての拾い上げ部72は、取出し位置P2において所定のパターンで配置されている2個の裁断混練物K2をその配置パターンのままで取り出し、成形装置5にまで運ぶ。なお、取出し位置P2は、搬送装置100の最下流位置を意味し、取出し位置P2は、台座の上面に形成される。本実施の形態では、取出し位置P2は、位置決め手段120の(複数の)X方向移送位置決め手段121のコンベア上面に形成される。
図5は、ロボットハンドによって保持された2個の裁断混練物K2の配置パターンを示している。(a)に示すパターンでは、2個の裁断混練物K2のY方向位置は同じである。(b)に示すパターンでは、2個の裁断混練物K2のY方向位置はずれている。
図4及び図5は、単純な配置パターンを示したが、複雑な配置パターンにすることも可能である。例えば、3個以上の裁断混練物K2によって所定の配置パターンにしても良いし、複数の裁断混練物K2を全面的又は部分的に重なり合うようにすることも可能である。さらに、図示した実施形態では、コンベア形態のX方向移送位置決め手段121を2個設けたが、X方向移送位置決め手段の数は、1個でも良いし、3個以上であっても良い。
このように、本実施の形態に係る製造装置1が、位置決め手段120を備えることで、製造が難しい厚み変化の大きな形状の物でも安定した製造を行うことができるので、設計形状の自由度が高く、軽量化効果の大きな繊維強化樹脂成形体を製作することができる。また、繊維強化樹脂成形体の繊維の配向を安定させることができるため、品質を安定させることができる。量産性を伴いながら、製品形状に応じて所定の位置に様々なパターンで混練物を同時に搬送できるため、複雑な形状でも品質の安定した成形を行うことができる。
(移送装置)
図1及び図2に示すように、移送装置4は、搬送装置100により取出し位置P2まで搬送された裁断混練物K2を、成形装置5の成形型50に移送し、投入する。
移送装置4は、例えば、ロボットハンドである。移送装置4は、取出し位置P2に送り出された裁断混練物K2を拾い上げる拾い上げ部72と、拾い上げ部72を成形型50まで動かす移動部材73とを含む。移動部材73は、ハンド部としての拾い上げ部72を移動させるアーム部である。図2に示すように、移動部材73は支点71を中心として拾い上げ部72を円弧状に移動させる。この円弧状上に、位置決め手段120のX方向移送位置決め手段121及び成形型50が位置している。すなわち、拾い上げ部72の移動経路上に、取出し位置P2及び成形型50が位置している。
本実施の形態において、拾い上げ部72は、搬送装置100における裁断混練物K2の載置面と略平行な方向に延在する薄板部材により構成されており、取出し位置P2に配置された複数の裁断混練物K2を掬って拾い上げる。拾い上げ部72は、X方向移送位置決め手段121から、X方向移送位置決め手段121上における配置パターンを維持した状態で、複数の裁断混練物K2を拾い上げる。
(成形装置)
図1に示すように、成形装置5は、裁断混練物を加圧成形して、繊維強化樹脂成形体を製造する。成形装置5は、ホルダ44と、プレート45と、把持部46と、載置部47と、上型51と下型52とを有する成形型50とを含んでいる。
ホルダ44は、裁断混練物が配置された下型52を支持する。プレート45は、成形型50の上型51を支持する。
成形型50は、上型51と下型52とを含み、上型51と下型52との空洞部分であるキャビティに裁断混練物が配置され、上型51と下型52とが閉じられることにより、この裁断混練物を加圧成形する。
成形型50により製造された繊維強化樹脂成形体を把持するために、把持部46が設けられている。把持部46により把持された繊維強化樹脂成形体を、載置部47に載置する。載置部47は、完成品である繊維強化樹脂成形体を載置する台である。
<繊維強化樹脂成形体の製造方法について>
続いて、上記した構成の製造装置1による繊維強化樹脂成形体の製造方法について、図1〜図3を参照して説明する。
まず、樹脂と繊維とを混練して、混練物を製造する。この工程では、図1に示す混練装置2により、以下のように、成形体材料としての混練物を生成する。
第2混練機20のホッパー24を経由して熱可塑性樹脂の原料25を供給する。駆動部23a及び減速機23bを用いて混練軸21を所定の回転速度で回転させ、混練軸21によりシリンダー22内の熱可塑性樹脂の原料25を溶融・混練する。
また、複数本の連続した繊維原料32を準備する。複数本とは、例えば1万2千本以上であり、2万4千本以上であってもよく、5万本以上であってもよい。本実施の形態では、繊維原料32として、1万2千本以上の繊維の束(ロービング)とし、この繊維の束を複数束準備する。複数本の連続した繊維が巻回された繊維原料32を繊維供給部30の載置部31に載置し、繊維原料32の先端部を第1案内部31aに通し、第2案内部31bに支持させる。
次に、第1混練機10に、第2混練機20で溶融した樹脂と、繊維供給部30で準備した複数本の連続した繊維とを導入する。この工程では、第2混練機20の吐出部22aから排出される溶融された樹脂を、第1混練機10の樹脂供給口12aに導入する。また、繊維供給部30の第1案内部31a及び第2案内部31bから導かれる複数本の繊維の先端部を、第1混練機10の繊維供給口12bに導入する。
次に、繊維を裁断しながら熱可塑性樹脂と繊維とを混練することで混練物を製造する。具体的には、駆動部13aを用いて回転軸11bを回転させることにより、混練軸11を所定の回転速度で回転させる。混練軸11のスクリュー11a(パドルを含む場合はスクリュー11a及びパドル)の回転によって、混練軸11とシリンダー12との間に形成される流路を移動する樹脂及び繊維に圧力が加えられるので、繊維を裁断しながら、樹脂と繊維とを混練する。
スクリュー11aの回転に伴って、混練軸11とシリンダー12との間の流路を移動した混合物は、最下流に位置するスクリュー11aと堰体14との間に充満され、スクリュー11aが回転しない領域で適度な背圧が加えられるので、ショートパスした未開繊の繊維をばらばらにできる。開繊された繊維には、樹脂が含浸される。この混練物K1は、堰体14の開口部を通過し、ダイ15の吐出部15aから排出される。
次に、裁断装置3で、混練装置2から吐出される混練物K1を裁断して裁断混練物K2を生成し、裁断前の混練物K1と分離する。この裁断工程では、具体的には以下の工程を実施する。
裁断装置3により混練装置2から前方に吐出される混練物K1を裁断して、裁断混練物K2を生成する。この工程では、混練装置2の吐出部15aから押し出された混練物K1を第1コンベア33で下方から支持して前方に移動させつつ、裁断刃36を混練物K1上から下方に向けて移動させる。これにより、長尺の混練物K1を裁断して、適切なサイズ及び重量を有する裁断混練物K2を生成する。裁断混練物K2は、第2コンベア34で下方から支持される。
この工程では、裁断位置P1で、把持部により、裁断混練物K2を把持し、移送部により把持部を前方に向けて移動させ、裁断前の混練物K1と分離する。
次に、搬送工程において、搬送装置100の搬送手段110により、裁断混練物K2を搬送する。本実施の形態では、裁断混練物K2は、前方(混練物の押出方向)に向けて搬送される。なお、この工程は、第2コンベア34で裁断混練物K2を移送する工程と兼ねてもよい。
次に、位置決め手段120によって、搬送された裁断混練物K2を成形型に投入するパターンに位置決めする。この工程では、X方向移送位置決め手段により、裁断混練物K2を搬送方向と同方向に移送するとともに、Y方向移送位置決め手段により、裁断混練物K2を搬送方向と交差する方向に移送する。この工程において、複数の裁断混練物K2を図3に示す矢印A及び矢印Bの方向に搬送することによって、所定のパターンに位置決めされた複数(図4では2個)の裁断混練物K2をX方向移送位置決め手段121上に配置できる。この工程を実施することによって、裁断装置3で裁断された裁断混練物K2は、搬送される流れを止められて、成形型50でプレスされるために投入されるパターンに位置決めされる。
次に、移送工程において、移送装置4によって、取出し位置P2に送り出された複数の裁断混練物K2を成形装置5の成形型50に移送する。この工程では、拾い上げ部72が、位置決め手段120により所定のパターンに位置決めされた複数の裁断混練物K2を、X方向移送位置決め手段121から掬って成形型50に移送する。このため、複数の裁断混練物K2は所定のパターンを有した状態で、成形型50の下型52のキャビティに配置される。
次に、混練物を加圧成形する。具体的には、図1に示すように、プレート45に取り付けられた上型51を下方に移動させて、上型51と下型52とを合わせて加圧成形する。この工程により、繊維強化樹脂成形体を製造できる。
製造した繊維強化樹脂成形体を、図1に示すように把持部46で把持し、載置部47上に載置する。
以上説明した製造装置1及び製造方法によって、繊維と熱可塑性樹脂との混練物から繊維強化樹脂成形体が成形される。
ここで、混練装置2から吐出された混練物は、成形装置5の成形型50に搬送される途中、空気に触れる。そのため、裁断位置P1から成形型50にまで搬送される途中、空気に冷やされて裁断混練物K2が固化するおそれがある。そうすると、成形装置5において適切に繊維強化樹脂成形体を成形することが困難となる。
そこで、本実施の形態に係る製造装置1は、裁断混練物K2の温度低下を防止するための保温手段を備えている。以下に、本実施の形態における保温手段について詳細に説明する。
<保温手段について>
図2において概念的に示されるように、搬送装置100および移送装置4のそれぞれに、保温手段6,8が設けられている。これにより、上述の搬送工程において、裁断混練物K2を、保温状態で取出し位置P2まで搬送し、上述の移送工程において、取出し位置P2まで搬送された裁断混練物K2を、保温状態で成形型50に移送することができる。保温手段6,8の具体的な構成例については、図6を参照して説明する。
搬送装置100の保温手段6は、直線状に延びる搬送手段110に設けられている。保温手段6は、搬送手段110を構成するベルトコンベアの上方空間を囲う囲い部材61と、囲い部材61の内側に取り付けられた加温部材(第1の加温部材)62とを含む。
囲い部材61は搬送手段110の一端から他端まで延在し、トンネル状に形成されている。囲い部材61は、ベルトコンベア(搬送手段110)の載置面、すなわちベルト111の上面と略平行に配置される上壁部と、上壁部の交差方向両端に接続される一対の側壁部とを有する。以下の説明において、ベルト111のうち、載置面を形成する部分(上側の部分)をベルトの上部分111aという。
加温部材62は、囲い部材61の上壁部に取り付けられている。これにより、ベルトの上部分111aに載置される裁断混練物K2は、囲い部材61の内部において、加温部材62により上方から加温される。したがって、側壁部に加温部材62が取付けられる場合に比べて、裁断混練物K2の全体を均一に加温することができる。
このように、トンネル状の囲い部材61と加温部材62とにより、内部を通過する搬送物を加熱する炉が形成される。したがって、裁断混練物K2を効率良く加温することができる。
本実施の形態において、保温手段6は、裁断混練物K2を下方からも加温できるように、ベルトコンベア内部に設けられた加温部材(第2の加温部材)63をさらに含んでいる。具体的には、加温部材63は、ベルトの上部分111aの真下に配置される。上側の加温部材62と下側の加温部材63とが上下方向において重なる位置に配置され、裁断混練物K2は加温部材62,63により上方および下方から加温される。
加温部材62,63は、例えば株式会社浅野研究所製の中赤外線ヒータであることが望ましい。この場合、裁断混練物K2は、加温部材62,63からの照射光により加温される。中赤外線ヒータは、セラミックヒータ等に比べて約60倍の昇温応答性を有するヒータである。中赤外線は、例えば波長が1.5μm〜3.0μmの赤外線である。
ベルトの上部分111aの下方から裁断混練物K2を照射するためは、ベルト111がメッシュ(網目)状であるネットコンベアが、搬送手段110として採用され得る。これにより、ベルト111に形成された多数の孔を照射光が通過するため、ベルト111上の裁断混練物K2を加温することができる。メッシュ状のベルト111は、例えばステンレスにより形成される。なお、ネットコンベアもベルトコンベアの一種であるものとする。
保温手段6が、加温部材62,63を有することで、搬送手段110により搬送される裁断混練物K2の温度低下を防止することができる。なお、ここでの搬送手段110は、図1に示した裁断装置3の裁断位置P1よりも前方に位置する第2コンベア34を含むことが望ましい。これにより、裁断刃36による裁断後すぐに裁断混練物K2を加温することができる。
移送装置4の保温手段8は、拾い上げ部72に載置された裁断混練物K2を加温する加温部材(第4の加温部材)82を含む。拾い上げ部72は、搬送装置100の取出し位置P2に送り出された裁断混練物K2を掬い上げる構成であるため、加温部材82は拾い上げ部72を見下ろす位置に配置されることが望ましい。
具体的には、拾い上げ部72を構成する薄板部材の上面に対面する位置に、加温部材82が配置される。拾い上げ部72の上面は、裁断混練物K2の掬い面(載置面)である。加温部材82は、例えば、移動部材73に固定された庇部81の下面に取り付けられる。この加温部材82もまた中赤外線ヒータであってよい。
このように、拾い上げ部72を見下ろす位置に加温部材82が設けられるため、搬送装置100の前端位置である取出し位置P2から成形装置5の成形型50に移送する移送工程において常時、裁断混練物K2を上方から加温することができる。
なお、搬送装置100による搬送工程においても常時、裁断混練物K2を保温状態とするために、図6に示されるように、搬送手段110だけでなく、位置決め手段120にも加温部材(第3の加温部材)64が設けられることが望ましい。具体的には、位置決め手段120のうち、X方向移送位置決め手段121を構成するコンベア内に、加温部材64が配置される。すなわち、加温部材64は、搬送手段110における加温部材63と同様に、コンベアの上部分の真下に配置される。位置決め手段120が複数のX方向移送位置決め手段121を含む場合には、X方向移送位置決め手段121ごとに加温部材64が設けられる。
X方向移送位置決め手段121を構成するコンベアは、移送装置4の拾い上げ部7が裁断混練物K2を拾い上げる際の摩擦抵抗を考慮すると、ローラコンベアであることが望ましい。この場合、ローラコンベア内に配置される加温部材64としては、例えばセラミックヒータなどの汎用ヒータが用いられる。なお、X方向移送位置決め手段121を構成するコンベアを、搬送手段110のコンベアと同様に、ネットコンベアとし、ネットコンベアの内部に配置される加温部材64を、中赤外線ヒータとしてもよい。
このように、X方向移送位置決め手段121に加温部材64が設けられることで、裁断混練物K2を位置決めのためにX方向およびY方向に移送している間も、裁断混練物K2を継続的に加温することが可能となる。
ここで、移送装置4は、裁断混練物K2を成形型50に移送した後すぐに、拾い上げ部72を搬送装置100の取出し位置P2の近傍へ移動させて、取出し位置P2の近傍で裁断混練物K2が取出し位置P2に送られるのを待機する。つまり、拾い上げ部72は、位置決め手段120による裁断混練物K2の位置決めが完了する前から、取出し位置P2の近傍で待機する。
この場合、ロボットハンドとしての拾い上げ部72は、庇部81と対面する作業位置と、庇部81に対面しない後退位置(図6において想像線で示す位置)との間を変位可能に構成されていることが望ましい。
図7は、移送装置4の待機状態を模式的に示す図である。図7に示されるように、移送装置4は、待機状態において、拾い上げ部72を後退位置とし、庇部81を位置決め手段120の上に位置させる。つまり、移送装置4は、庇部81が、X方向移送位置決め手段121の少なくとも一部と対面する位置で待機する。これにより、待機中の(位置決め途中の)裁断混練物K2を、位置決め手段120側の加温部材64と移送装置4側の加温部材82とで、上方および下方の両方向から加温することができる。
なお、位置決め手段120側の加温部材は、取出し位置P2が形成される面よりも下に配置されていればよく、たとえば、Y方向移送位置決め手段122の保持台124の下部に、加温部材が配置されてもよい。また、この場合、加温部材は、保持台124のうちX方向移送位置決め手段121が載せられる部分の下部にのみ配置されていてもよい。保持台124は、上述のように、裁断混練物K2が載せられるX方向移送位置決め手段121を上面に載置した状態で、Y方向に移動する。そのため、保持台124の下部に加温部材が設けられる形態においても、裁断混練物K2を位置決めのためにX方向およびY方向に移送している間、裁断混練物K2を継続的に加温することが可能となる。
また、裁断装置3の第1コンベア33にも保温手段が設けられることが望ましい。この保温手段は、第1コンベア33により裁断位置P1まで移送される混練物K1を加温するための加温部材(図示せず)を含む。また、この保温手段は、第1コンベア33の上方空間を囲う囲い部材をさらに含み、上述の保温手段6のように、囲い部材と加温部材とにより混練物K1を加熱する炉を形成してもよい。
このように、裁断装置3にも保温手段が設けられることで、混練工程から成形工程までの間の全工程、すなわち混練物(混練物K1および裁断混練物K2)が空気に触れる期間全体において、混練物を保温することができる。その結果、成形工程において適切に繊維強化樹脂成形体を成形することが可能となる。
なお、本実施の形態では、搬送装置100が位置決め手段120を含み、例えばX方向移送位置決め手段121を構成するコンベアが、上面に取出し位置P2を形成する台座として機能することとした。しかしながら、搬送手段110の出口外部に、その上面に取出し位置P2が形成される台座が設けられていればよく、搬送装置100は位置決め手段120を含まなくてもよい。
拾い上げ部72は、裁断混練物K2を掬い上げることなく把持または保持してもよい。
以上説明したような、混練物を保温状態で成形型50まで搬送/移送する搬送装置100および移送装置4を取り出して、搬送機構200(図6)として提供することもできる。このような搬送機構200によれば、混練物の固化を防止または抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 製造装置、2 混練装置、3 裁断装置、4 移送装置、5 成形装置、6,8 保温手段、10 第1混練機、11,21 混練軸、11a,21a スクリュー、11b,21b 回転軸、12,22 シリンダー、12a 樹脂供給口、12b 繊維供給口、13a,23a 駆動部、13b,23b 減速機、14 堰体、15 ダイ、15a,22a 吐出部、20 第2混練機、24 ホッパー、25 原料、30 繊維供給部、31,47 載置部、31a 第1案内部、31a 第2案内部、32 繊維原料、33 第1コンベア、34 第2コンベア、36 裁断刃、37 制御部、44 ホルダ、45 プレート、46 把持部、50 成形型、51 上型、52 下型、61 囲い部材、62,63,63,64,82 加温部材、71 支点、72 拾い上げ部、73 移動部材、81 庇部、100 搬送装置、110 搬送手段、111 ベルト、120 位置決め手段、121 X方向移送位置決め手段、122 Y方向移送位置決め手段、123 中継手段、124 保持台、200 搬送機構、K1 混練物、K2 裁断混練物、P1 裁断位置、P2 作業位置、P3 取出し位置。

Claims (7)

  1. 繊維と熱可塑性樹脂との混練物を製造する混練装置と、
    前記混練物を裁断して、裁断混練物を生成する裁断装置と、
    前記裁断装置の下流側に配置され、前記裁断混練物を所定の取出し位置まで搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置により前記取出し位置まで搬送された前記裁断混練物を、成形型に移送する移送装置と、
    前記移送装置により移送された前記裁断混練物を前記成形型で加圧成形して繊維強化樹脂成形体を製造する成形装置とを備え、
    前記搬送装置および前記移送装置のそれぞれに、前記裁断混練物の温度低下を防止するための保温手段が設けられており、
    前記移送装置は、前記取出し位置に送り出された前記裁断混練物を拾い上げる拾い上げ部と、前記拾い上げ部を前記成形型まで動かす移動部材と、前記移動部材に固定された庇部とを含み、
    前記移送装置に設けられた前記保温手段は、前記庇部の下面に設けられ、前記拾い上げ部に拾い上げられた前記裁断混練物を上方から加温する第1の加温部材を含み、
    前記拾い上げ部は、前記庇部と対面する作業位置と、前記庇部に対面しない後退位置との間を変位可能に構成されている、繊維強化樹脂成形体の製造装置。
  2. 前記搬送装置は、前記裁断混練物を搬送するコンベアを含み、
    前記搬送装置に設けられた前記保温手段は、前記コンベアの上方空間を囲う囲い部材と、前記囲い部材の内側に取り付けられた第2の加温部材とを含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体の製造装置。
  3. 前記搬送装置としてのコンベアは、ベルトの回転により前記裁断混練物を搬送するベルトコンベアであり、
    前記搬送装置に設けられた前記保温手段は、前記裁断混練物を載置する載置面を形成するベルトの下方に配置される第3の加温部材をさらに含む、請求項2に記載の繊維強化樹脂成形体の製造装置。
  4. 前記搬送装置は、その上面に前記取出し位置が形成される台座を含み、
    前記搬送装置に設けられた前記保温手段は、前記台座の下方に設けられた第4の加温部材を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造装置。
  5. 前記裁断装置は、前記混練物を裁断位置まで移送する移送部材を含み、
    前記裁断装置には、前記移送部材により移送される前記混練物を加温するための第5の加温部材が設けられている、請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造装置。
  6. 繊維と熱可塑性樹脂とを混練する混練装置から吐出された混練物を、成形型に搬送する搬送機構であって、
    前記混練物を所定の取出し位置まで搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置により前記取出し位置まで搬送された前記混練物を、成形型に移送する移送装置とを備え、
    前記搬送装置および前記移送装置のそれぞれに、前記混練物の温度低下を防止するための保温手段が設けられており、
    前記移送装置は、前記取出し位置に送り出された前記混練物を拾い上げる拾い上げ部と、前記拾い上げ部を前記成形型まで動かす移動部材と、前記移動部材に固定された庇部とを含み、
    前記移送装置に設けられた前記保温手段は、前記庇部の下面に設けられ、前記拾い上げ部に拾い上げられた前記混練物を上方から加温する加温部材を含み、
    前記拾い上げ部は、前記庇部と対面する作業位置と、前記庇部に対面しない後退位置との間を変位可能に構成されている、繊維強化樹脂混練物の搬送機構。
  7. 繊維と熱可塑性樹脂とを混練する工程と、
    繊維と熱可塑性樹脂とが混練された混練物を裁断して、裁断混練物を生成する工程と、
    前記裁断混練物を、保温状態で所定の取出し位置まで搬送する工程と、
    前記取出し位置まで搬送された前記裁断混練物を、移送装置の拾い上げ部で拾い上げ、前記移送装置の移動部材に固定された庇部の下面に設けられた加温部材によって、前記拾い上げ部で拾い上げた前記裁断混錬物を上方から加温した状態で成形型に移送する工程と、
    移送された前記裁断混練物を前記成形型で加圧成形して繊維強化樹脂成形体を製造する工程とを備え、
    前記拾い上げ部は、前記庇部と対面する作業位置と、前記庇部に対面しない後退位置との間を変位可能に構成されている、繊維強化樹脂成形体の製造方法。
JP2017039414A 2017-03-02 2017-03-02 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構 Active JP6710173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017039414A JP6710173B2 (ja) 2017-03-02 2017-03-02 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017039414A JP6710173B2 (ja) 2017-03-02 2017-03-02 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018144287A JP2018144287A (ja) 2018-09-20
JP6710173B2 true JP6710173B2 (ja) 2020-06-17

Family

ID=63589216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017039414A Active JP6710173B2 (ja) 2017-03-02 2017-03-02 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6710173B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7056512B2 (ja) * 2018-10-25 2022-04-19 トヨタ自動車株式会社 繊維強化樹脂の製造装置
JP7370741B2 (ja) 2019-06-25 2023-10-30 株式会社栗本鐵工所 材料の移送装置
JP7370740B2 (ja) 2019-06-25 2023-10-30 株式会社栗本鐵工所 混練物の移送装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018144287A (ja) 2018-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11214003B2 (en) Device and method for producing a three-dimensional object with a fibre feeding device
JP6769784B2 (ja) 長繊維補強添加材製造における材料を切断するためのシステム及び方法
JP6710173B2 (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造装置および製造方法、ならびに、繊維強化樹脂混練物の搬送機構
JP2021514311A (ja) 繊維強化3dプリント
JP5873887B2 (ja) 成形品製造装置及び成形品の製造方法
KR20160016985A (ko) 단일의 노즐과 단일의 노즐히터를 사용해서 멀티컬러 제품성형이 가능한 3차원 프린터장치 및 그 구동 방법
JP6641315B2 (ja) 裁断分離装置及び繊維強化樹脂成形体の製造装置
JP6211503B2 (ja) 成形品の製造方法、成形品、および成形品の製造装置
CN104884223B (zh) 搬运装置、成形品制造装置及成形品的制造方法
KR20110098498A (ko) 촉매펠렛제조장치
JP2826272B2 (ja) 中空樹脂成形品の製造装置及び製造方法
JP6710171B2 (ja) 位置決め装置、繊維強化樹脂成形体の製造装置及び成形型投入方法
CN107225755A (zh) 一种垂直螺杆出料型3d挤出成型装置及工艺
JP6645948B2 (ja) 裁断分離装置及び繊維強化樹脂成形体の製造装置
CN108908932B (zh) 一种基于多区间连续控温的3d打印机辅热装置
JP7370741B2 (ja) 材料の移送装置
JP7370740B2 (ja) 混練物の移送装置
JP6847144B2 (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造装置および混練物移送方法
TW202216414A (zh) 光學鏡片模造裝置
JP7030737B2 (ja) 混練物移送装置
JP2020116832A (ja) 混練物の加熱構造および加熱方法
JP3066121B2 (ja) 光学素子の成形装置
JP7292252B2 (ja) 混練物の位置ずれ修正装置
JP2020078877A (ja) 繊維強化樹脂成形体の中間製品の製造装置および製造方法
JP7343777B2 (ja) 廃プラスチック成形物の製造装置、および廃プラスチック成形物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6710173

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250