JP6707500B2 - 河川水位予測システム - Google Patents

河川水位予測システム Download PDF

Info

Publication number
JP6707500B2
JP6707500B2 JP2017168378A JP2017168378A JP6707500B2 JP 6707500 B2 JP6707500 B2 JP 6707500B2 JP 2017168378 A JP2017168378 A JP 2017168378A JP 2017168378 A JP2017168378 A JP 2017168378A JP 6707500 B2 JP6707500 B2 JP 6707500B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water level
river water
river
rainfall
prediction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017168378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019045290A (ja
Inventor
望 高倉
望 高倉
一則 柴野
一則 柴野
山田 正
正 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo University
Tokyu Construction Co Ltd
Original Assignee
Chuo University
Tokyu Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chuo University, Tokyu Construction Co Ltd filed Critical Chuo University
Priority to JP2017168378A priority Critical patent/JP6707500B2/ja
Publication of JP2019045290A publication Critical patent/JP2019045290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6707500B2 publication Critical patent/JP6707500B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/40Controlling or monitoring, e.g. of flood or hurricane; Forecasting, e.g. risk assessment or mapping
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather

Landscapes

  • Emergency Alarm Devices (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)

Description

本発明は、中小河川の集中豪雨による河川水位の変化を予測する河川水位予測システムに関するものである。
近年、局所的な集中豪雨によって、急激に中小河川の水位が上昇し、洪水となって氾濫が起きることが頻発しており、円滑な水防活動や避難活動のためにも、正確に河川水位の予測が行えるシステムの開発が望まれている。
特許文献1−3及び非特許文献1には、いわゆる中小河川を対象とした降雨洪水予測システムや情報配信システムが開示されている。特に都市型の河川は、非特許文献1にも開示されているように、対象河川流域への降水からの洪水到達時間が短く、水位上昇速度も速いため、短時間で解析を行えるように様々な手法が開発されている。
特開2002−107462号公報 特開2012−194738号公報 特開2008−50903号公報
周郷友義、「特集/雨水管理の最先端技術(その2:水位) 東京都における洪水予報」、VOL.105 水循環 貯留と浸透、公益社団法人雨水貯留浸透技術協会、2017年7月7日、p.19-22
しかしながら、短時間で解析を行うための単純化された流出解析モデルでは、高精度の予測を行うことは難しい。また、短い時間の予測となると、予測誤差の影響も大きくなる。例えば、安全側に考えて、洪水が到達する最も早い時間と水位を予測した場合に、それよりも遅い時間により大きな水位上昇が起きることがある。
そこで、本発明は、予測誤差を考慮してより安全性の高い河川水位予測システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の河川水位予測システムは、中小河川の集中豪雨による河川水位の変化を予測する河川水位予測システムであって、対象河川流域をメッシュ状に分割するとともにメッシュごとの流出率及び洪水到達時間を決定する河川流域情報部と、前記対象河川流域の降雨量情報を取得するとともに降雨量データとして抽出する降雨情報処理部と、前記河川水位の予測をする予測地点の水位と流量の関係である水位流量曲線を求める河川情報部と、流出解析モデルに前記流出率及び洪水到達時間並びに前記降雨量データを入力して流量予測を行う流量解析部と、前記流量予測の結果と前記水位流量曲線とから河川水位を算出する水位算出部と、前記水位算出部で算出された河川水位を河川水位曲線として出力する出力部とを備え、前記洪水到達時間は、メッシュごとに幅を持って設定され、前記流量解析部では少なくとも洪水到達時間が早くなるモデルと遅くなるモデルの2通りの流量予測が行われるとともに、前記出力部には少なくとも2通りの河川水位曲線が出力されることを特徴とする。
ここで、前記出力部には、河川水位の閾値が設定されており、予測された前記河川水位曲線のいずれかが前記閾値を超える場合に報知を行う報知手段を有する構成にすることが好ましい。
また、前記メッシュは、1辺が250m以下であることが好ましい。さらに、前記出力部には、前記降雨量情報を表示する雨量表示領域と、前記予測された河川水位曲線を表示する予測水位表示領域とが隣接して設けられる構成とすることができる。
このように構成された本発明の河川水位予測システムは、対象河川流域の降雨量情報から流出解析モデルによって流量予測を行う際に、少なくとも洪水到達時間が早くなるモデルと遅くなるモデルの2通りの流量予測を行う。
このため、予測誤差があったとしても、洪水到達時間と水位の両方について複数のモデルを考慮することが可能になるので、より安全性の高い河川水位の予測とすることができる。
また、出力部に河川水位の閾値が設定されていて、予測された河川水位曲線のいずれかが閾値を超える場合に報知を行う報知手段を有していれば、水位上昇が起きる可能性が高い状況のときに、管理者は見落とすことなく警戒体制に移行することができる。さらに、メッシュの1辺が250m以下であれば、より精度の高い予測を行うことができるようになる。
そして、出力部に雨量表示領域と予測水位表示領域とが隣接して設けられていれば、リアルタイムの降雨量情報と比較しながら予測された河川水位曲線を見ることができるので、さらに安全側の判断をするなど対応に幅を持たせることができるようになる。
本発明の実施の形態の河川水位予測システムの構成及び処理の流れを示した説明図である。 対象河川流域をメッシュ状に分割した一例を示した図である。 ピーク河川水位と洪水到達時間との関係を示した図である。 水位流量曲線(H−Q曲線)の一例を示した図である。 降雨量データと河川水位曲線とを上下に並べて示すとともに、ピーク河川水位の発生時間が異なる2つのモデルの予測結果の一例を示した図である。 雨量表示領域と予測水位表示領域とが隣接して表示された出力部の一例を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の河川水位予測システム1の構成及び処理の流れを示した説明図である。
本実施の形態の河川水位予測システム1は、中小河川の集中豪雨による河川水位の変化を予測することを目的にしている。ここで、「中小河川」とは、流域面積が小さく、貯留現象を考慮する必要のない河川をいう。例えば、流域面積が800km2程度以下の河川、都市型の河川などが含まれる。
また、「集中豪雨」は、降雨強度20mm/h以上の降雨を対象とし、特に降雨強度50mm/h以上の降雨が対象河川流域に降れば、河川水位予測システム1による予測は必ず行われることになる。
河川水位予測システム1は、図1に示すように、河川流域情報部2と、降雨情報処理部3と、河川情報部4と、解析部5(流量解析部51,水位算出部52)と、出力部6(画面出力部61,報知手段となるアラート部62)とによって主に構成される。また、実際の河川水位を観測させる観測部7を設けることもできる。
まず、河川流域情報部2では、対象河川流域をメッシュ状に分割する。図2には、中小河川である対象河川21の流域22(対象河川流域)をメッシュ状に分割した一例を示した。
流域22は、河川水位の予測を行う予測地点24の水位に影響を与える降雨になるエリアが設定される。例えば、予測地点24の半径10km以内で、河川水位に影響を与える降水が降る範囲を、流域22に設定することができる。
流域22を分割するメッシュ23は、例えば1辺が250mの正方形のメッシュとすることができる。すなわち、流域22の全域が、1辺250m四方のメッシュ23,・・・によって分割されることになる。
各メッシュ23には、それぞれ流出率(流出係数)が設定される。流出率は、地形や土地の利用状況によって異なる値が設定され、舗装された地表面が多く且つ下水道からの放流も多い一般都市部であれば0.8-0.9(一般市街地0.8,密集市街地0.9)、畑や原野であれば0.6、水田であれば0.7などが設定される。
また、各メッシュ23には、それぞれ洪水到達時間も設定される。この「洪水到達時間」は、あるメッシュ23に降った降雨が予測地点24に達するまでに要する時間となる。
本実施の形態の河川水位予測システム1では、各メッシュ23において、洪水到達時間が幅を持って設定される。例えば、洪水到達時間の最も早い時間と最も遅い時間の2つの時間が、メッシュごとに設定される。
ここで、図3に、ピーク河川水位と洪水到達時間との関係を示した。図示したプロットは、この流域22にある3地点(A地点、B地点、C地点(図2参照))の観測値と、実用推定式による推定値を示している。
この図を見るとわかるように、洪水到達時間は、20-60分の間に幅を持って分散している。また、プロットに基づいて最小二乗法によって引かれた直線はほぼ水平であり、洪水到達時間が遅いケースがピーク河川水位になる可能性があることを示している。
そこで、洪水到達時間が最も早い時間に設定されたモデル(早達モデル611)と、洪水到達時間が最も遅い時間に設定されたモデル(遅達モデル612)とを構築する(図5,6参照)。
一方、降雨情報処理部3では、流域22の降雨量情報を取得する。降雨量情報としては、気象庁から数値予報による降雨量情報を得ることができる。例えば、降水ナウキャストであれば、1km四方の解像度で降水の短期予報を得ることができる。
さらには、高解像度降水ナウキャストであれば、250m四方の解像度で降水の短期予報を得ることができる。すなわち、メッシュ23を250mの正方形とすることで、高解像度降水ナウキャストによって降雨量が得られる範囲と一致させることができる。
そこで、高解像度降水ナウキャストの降雨量情報から、流域22のメッシュ23,・・・に該当する降雨量データを、降雨情報処理部3によって抽出する。この降雨情報処理部3による降雨量データの抽出は、例えば現況時間後1時間、現況時間前3時間及び洪水到達時間に対して行われる。
また、河川情報部4では、予め河川水位の予測をする予測地点24の水位Hと流量Qの関係である水位流量曲線(H−Q曲線)を求めておく。図4に、水位流量曲線(H−Q曲線)の一例を示した。
この水位流量曲線(H−Q曲線)は、予測地点24の河川と洪水の影響を受ける限られた範囲(限定範囲)を決定して作成される。ここでは、図2に示した流域22が限定範囲となる。限定範囲の河道41においては、河積(河道41の断面積)、河川勾配、径深、マニングの粗度係数を決定する。ここで、河積及び径深は、河川水位411によって変動する。
図4では、河川水位増加量Hと流量Qとの関係を示した。このような水位流量曲線(H−Q曲線)を予め作成しておくことで、流量予測の結果を直ぐに河川水位に置き換えることができるようになる。
そして、流域22に所定値以上の降雨があると、解析部5の流量解析部51によって、流出解析モデルによる予測地点24の流量予測が行われる。流出解析モデルは、流域22に降る降雨から出力される河川流量を直接的に算出できる概念モデルが、入力情報や演算負荷を低減できることから好ましい。本実施の形態の河川水位予測システム1では、流出解析モデルとして、合成合理式を使用する。
合成合理式は、実務レベルにおける中小河川や下水道の計画に多く用いられている流出解析モデルである。合成合理式では、対象河川流域を小流域に分割して、流域の平均降雨量から流出率と洪水到達時間を考慮して合理式で求められた小流域のそれぞれのピーク流量を合成して、予測地点24の流量を予測する方法である。
流量解析部51では、河川流域情報部2から各メッシュ23,・・・の流出率及び洪水到達時間を取得するとともに、降雨情報処理部3から各メッシュ23,・・・の降雨量データを取得して解析を行う。
流量解析部51では、洪水到達時間が早くなる早達モデル611と遅くなる遅達モデル612の2通りの解析が行われるので、2通りの流量予測が算出されることになる。
そして、算出された流量予測に対しては、水位算出部52において河川水位の予測として算出される。すなわち、予測された流量を河川情報部4の水位流量曲線(H−Q曲線)によって河川水位に置き換えることで、河川予測水位を算出することができる。
ここで、流量予測は経時値として得られるため、河川予測水位も経時値として算出されて河川水位曲線としてグラフ化することができる。図5に、予測された河川水位曲線の一例を示した。
この図5では、上段に降雨量データが示され、下段に河川水位の経時変化が示されている。ここで、降雨量データは、M1エリア、M2エリア、M3エリア、M4エリア及びM5エリアの5つのエリアと、加重平均で示されている。この5つのエリアは、合成合理式で対象河川流域を分割する小流域に相当し、本実施の形態では流域22を5つのエリア(小流域)に分割したことを例示している。
そして図5の下段には、ピーク河川水位の発生時間が早いモデルとなる早達モデル611の予測結果と、ピーク河川水位の発生時間が遅いモデルとなる遅達モデル612の予測結果とを、河川水位曲線にして示している。
また、比較のために、予測地点24で観測部7によって計測された実際の河川水位を観測値として示している。この観測値との比較によれば、この降雨のケースでは、早達モデル611の予測結果の方が近い予測ができたと言える。
図6は、出力部6の一例を示している。出力部6は、コンピュータのモニタ画面や専用端末画面などが該当する。また、プリンタを出力部とすることもできる。
この出力部6には、雨量表示領域6aと、それに隣接する予測水位表示領域6bと、風速情報表示領域6cと、発表情報表示領域6dと、数値情報表示領域6eとが設けられている。
雨量表示領域6aには、気象庁から定期的に得られる高解像度降水ナウキャストの表示が出力される。また、風速情報表示領域6c及び発表情報表示領域6dには、同じく気象庁から得られる地上と上空の風速情報と、警報や注意報などの気象庁が発表する情報が表示される。発表情報表示領域6dは、注意報の場合は黄色で表示させ、警報の場合は赤色で表示させることもできる。
一方、予測水位表示領域6bには、画面出力部61として、2通りの河川水位曲線が出力される。ここでは、早達モデル611による河川水位曲線と遅達モデル612による河川水位曲線とが出力されている。この河川水位曲線の予測は、最長でも5分間隔で更新される。
この2通りの河川水位曲線の予測に対して、画面出力部61には、2つの河川水位の閾値も表示される。ここで、水位が低い方の閾値を1次管理値621(例えば2.2m)とし、水位が高い方の閾値を2次管理値622(例えば3.5m)とする。
そして、予測された河川水位曲線のピーク河川水位が、1次管理値621以下であれば、報知手段となるアラート部62には、「河川水位アラートなし」の表示がされる。
これに対して、予測された2通りの河川水位曲線のいずれかのピーク河川水位が1次管理値621を超えた場合は、アラート部62には、「注意」の表示がされるとともに、登録されている携帯端末にアラートメールによる発報がされる。
さらに、予測された2通りの河川水位曲線のいずれかのピーク河川水位が2次管理値622を超えた場合は、アラート部62には、「危険」の表示がされるとともに、現場に設置された回転灯が点滅し、携帯端末にはアラートメールの発信がされる。
ここで、河川水位曲線の水位の値は、数値情報表示領域6eからも読み取ることができる。この数値情報表示領域6eには、観測部7によって計測された現時点の河川水位の観測値と、現時点から1時間先までの複数の予測値が、数値として表示される。
次に、本実施の形態の河川水位予測システム1の運用について説明する。
まず、河川水位を監視する予測地点24を決め、その予測地点24の河川水位に影響を与える降雨となる対象河川流域を流域22として設定する(図2参照)。この流域22に対しては、降雨情報処理部3で取得可能な降雨量データの解像度などを参照して、メッシュ23,・・・による分割を行う。
続いて、分割されたメッシュ23,・・・に対しては、河川流域情報部2において、それぞれに流出率と予測地点24までの洪水到達時間の設定を行う。ここで、洪水到達時間は、早達モデル611用の早い時間と、遅達モデル612用の遅い時間の設定を行う。
一方、河川情報部4では、予測地点24の限定範囲の河道41における水位流量曲線(H−Q曲線)を求めておく。また、予測地点24には、観測部7として水位計などを設置して、河川水位予測システム1に取り込める状態にしておく。
そして、これらの初期条件が揃った時点で、コンピュータにインストール又はクラウド上に記憶された河川水位予測システム1の運用プログラムを起動させる。以下で説明する各処理は、コンピュータを機能させる命令によって実行される。
河川水位予測システム1の運用が開始されると、例えば5分以内の間隔で、降雨情報処理部3に気象庁から降雨量情報が取得され、降雨量データとして抽出される。この取得された降雨量情報は、出力部6となるモニタ画面の雨量表示領域6aに表示される。雨量表示領域6aには、3時間前から1時間先までの雨雲レーダ画像が表示される。
また、流量解析部51では、抽出された降雨量データと、河川流域情報部2から取り込まれたメッシュ23,・・・ごとの流出率及び洪水到達時間に基づいて、早達モデル611と遅達モデル612による予測地点24における流量予測が行われる。
この予測された2通りの流量は、河川情報部4から取り込まれた水位流量曲線(H−Q曲線)によって河川予測水位に変換され、出力部6となるモニタ画面の予測水位表示領域6bに表示される。予測水位表示領域6bには、2時間前(又は3時間前)から1時間先までの2本の河川水位曲線(611,612)が表示される。
ここで、予測水位表示領域6bには、予測された2本の河川水位曲線(611,612)の他に、1次管理値621と2次管理値622とが表示される。また、観測部7によって計測された現時点までの河川水位の観測値も併せて表示することができる。
予測された2本の河川水位曲線のいずれのピーク河川水位も1次管理値621を超えない場合は、そのまま所定の間隔で、降雨量情報の取得から河川水位の予測までの処理が繰り返される。
一方、予測されたいずれかのピーク河川水位が1次管理値621を超えた場合は、出力部6となるモニタ画面のアラート部62に「注意」の表示がされるとともに、管理者の携帯電話などにアラートメールが発信される。
さらに、予測されたいずれかのピーク河川水位が2次管理値622を超えた場合は、出力部6となるモニタ画面のアラート部62に「危険」の表示がされるとともに、管理者の携帯電話などにアラートメールが発信される。また、回転灯を作動させて、多くの人に視覚的な注意喚起を行わせることもできる。
次に、本実施の形態の河川水位予測システム1の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の河川水位予測システム1は、対象河川流域となる流域22の降雨量情報から、合成合理式のような流出解析モデルによって流量予測を行う際に、少なくとも洪水到達時間が早くなる早達モデル611と遅くなる遅達モデル612との2通りの流量予測を行う。
このため、実際の河川水位の上昇と異なる予測誤差があったとしても、洪水到達時間と水位の両方について複数のモデル(611,612)を考慮するので、より安全性の高い河川水位の予測及び管理をすることができる。
また、出力部6に河川水位の閾値(621,622)が設定されていて、閾値を予測された河川水位曲線(611,612)のいずれかが超える場合に報知を行う報知手段(アラート部62、アラートメール発報、回転灯などによる情報伝達機能)を有していれば、水位上昇が起きる可能性が高い状況のときに、管理者は見落とすことなく警戒体制に確実に移行することができる。
例えば、早達モデル611の予測に従えば、より早い時点で水防活動や避難活動を開始できるが、早達モデル611のピーク河川水位では1次管理値621を超えない場合、報知がされず水防活動等の開始には繋がらない。これに対して、早達モデル611のピーク河川水位が1次管理値621を超えない場合でも遅達モデル612のピーク河川水位が閾値を超える場合があるため、早達モデル611の予測だけでは充分でない場合も、遅達モデル612の予測を加えることで、水防活動等を安全側で開始できるようになり、より安全性の高い管理を行うことができるようになる。
また、観測部7によって実際に水位上昇が計測されてから水防活動等を開始した場合では、10分程度で危険水位に達することがあるため、避難するしかできないことがある。これに対して、精度の高い河川水位の予測ができていれば、建設現場であれば資機材の撤去の時間が確保できるなど、安全性が高いうえに損害の少ない有用な管理を行うことができるようになる。
また、早達モデル611と遅達モデル612の2通りの予測がされていれば、局所的な集中豪雨が止んだ後に、河川水位が平時に戻る時間の予想がし易くなり、安全が担保された状態で迅速に避難解除や回復措置の行動に移行することができるようになる。
さらに、メッシュ23,・・・の1辺が250m以下で、高解像度降水ナウキャストのように狭い範囲の詳細な降雨量情報が取得できる環境になれば、より精度の高い河川水位の予測を行うことができる。
そして、出力部6に雨量表示領域6aと予測水位表示領域6bとが隣接して設けられていれば、リアルタイムの降雨量情報と比較しながら予測された河川水位曲線を見ることができる。この場合は、例えばアラート部62の表示に関わらず、管理者が降雨量情報を見ながら予測の補完を行うことができるようになるので、さらに安全側の判断をするなど対応に幅を持たせることができる。
さらには、出力部6のモニタ画面に、雨量表示領域6a及び予測水位表示領域6bに加えて、風速情報表示領域6cや気象庁からの発表情報表示領域6dが設けられていれば、管理者はより多くの情報から総合的な判断を行うことができるようになる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、早達モデル611と遅達モデル612の2通りの河川水位曲線の予測を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3通り以上の河川水位曲線の予測を行って表示させることもできる。
また、前記実施の形態では、流出解析モデルとして合成合理式を例に説明したが、これに限定されるものではなく、タンクモデル、単位図法などを流出解析モデルとすることもできる。
さらに、前記実施の形態では、流域22を1辺が250mの正方形のメッシュ23,・・・に分割する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1辺が250mより大きい、例えば1辺が1km四方のメッシュに分割することもできる。
1 河川水位予測システム
2 河川流域情報部
21 対象河川(中小河川)
22 流域(対象河川流域)
23 メッシュ
24 予測地点
3 降雨情報処理部
4 河川情報部
411 河川水位
5 解析部
51 流量解析部
52 水位算出部
6 出力部
6a 雨量表示領域
6b 予測水位表示領域
61 画面出力部
611 早達モデル(洪水到達時間が早くなるモデル)
612 遅達モデル(洪水到達時間が遅くなるモデル)
62 アラート部(報知手段)
621 1次管理値(閾値)
622 2次管理値(閾値)

Claims (4)

  1. 中小河川の集中豪雨による河川水位の変化を予測する河川水位予測システムであって、
    対象河川流域をメッシュ状に分割するとともにメッシュごとの流出率及び洪水到達時間を決定する河川流域情報部と、
    前記対象河川流域の降雨量情報を取得するとともに降雨量データとして抽出する降雨情報処理部と、
    前記河川水位の予測をする予測地点の水位と流量の関係である水位流量曲線を求める河川情報部と、
    流出解析モデルに前記流出率及び洪水到達時間並びに前記降雨量データを入力して流量予測を行う流量解析部と、
    前記流量予測の結果と前記水位流量曲線とから河川水位を算出する水位算出部と、
    前記水位算出部で算出された河川水位を河川水位曲線として出力する出力部とを備え、
    前記洪水到達時間は、メッシュごとに幅を持って設定され、前記流量解析部では少なくとも洪水到達時間が早くなるモデルと遅くなるモデルの2通りの流量予測が行われるとともに、前記出力部には少なくとも2通りの河川水位曲線が出力されることを特徴とする河川水位予測システム。
  2. 前記出力部には、河川水位の閾値が設定されており、予測された前記河川水位曲線のいずれかが前記閾値を超える場合に報知を行う報知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の河川水位予測システム。
  3. 前記メッシュは、1辺が250m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の河川水位予測システム。
  4. 前記出力部には、前記降雨量情報を表示する雨量表示領域と、前記予測された河川水位曲線を表示する予測水位表示領域とが隣接して設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の河川水位予測システム。
JP2017168378A 2017-09-01 2017-09-01 河川水位予測システム Active JP6707500B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017168378A JP6707500B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 河川水位予測システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017168378A JP6707500B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 河川水位予測システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019045290A JP2019045290A (ja) 2019-03-22
JP6707500B2 true JP6707500B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=65815622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017168378A Active JP6707500B2 (ja) 2017-09-01 2017-09-01 河川水位予測システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6707500B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102328326B1 (ko) * 2021-07-26 2021-11-18 대한민국 (관리부서 : 환경부 국립환경과학원장) 수질예측 고도화를 위한 분포형 모델이 적용된 수리수문 해석 장치

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7348429B2 (ja) * 2019-05-13 2023-09-21 特定非営利活動法人防災・災害ボランティア かわせみ 浸りdas(水害危険区域表示手法)
CN110377868B (zh) * 2019-06-20 2023-06-20 河海大学 一种基于实时雨情的动态水系提取方法
CN110553631B (zh) * 2019-08-22 2022-03-04 中山大学 一种关于水位流量关系的水位测量系列误差分析方法
CN110570031A (zh) * 2019-08-23 2019-12-13 河海大学 一种预测平原河网两级分汊河道分流比的方法
CN111008362B (zh) * 2019-11-13 2023-06-02 广东省水文局韶关水文分局 一种洪水预报启动及停止计算的动态降雨判别方法
CN111143498B (zh) * 2019-12-25 2023-04-18 中国电建集团中南勘测设计研究院有限公司 小河流洪水预报方法
JP6813865B1 (ja) * 2020-02-25 2021-01-13 Arithmer株式会社 情報処理方法、プログラム、情報処理装置及びモデル生成方法
WO2021171730A1 (ja) * 2020-02-25 2021-09-02 Arithmer株式会社 情報処理方法、プログラム、情報処理装置及びモデル生成方法
CN111814407B (zh) * 2020-07-28 2023-10-13 安徽沃特水务科技有限公司 一种基于大数据和深度学习的洪水预报方法
CN112381285B (zh) * 2020-11-12 2024-06-07 中国科学院空天信息创新研究院 一种基于遥感的洪涝淹没预测方法
CN113916318B (zh) * 2021-08-31 2024-08-13 福建枋洋水利投资发展有限公司 一种基于水情监测的大坝安全监测方法
CN114111730B (zh) * 2021-11-19 2022-08-02 河南省鹤壁水文水资源勘测局 一种下游水文情报预测的方法及系统
CN114461713A (zh) * 2022-01-12 2022-05-10 中国电建集团西北勘测设计研究院有限公司 一种小流域暴雨及洪水在线分析和预测方法
CN114638436A (zh) * 2022-03-31 2022-06-17 邯郸市水利水电勘测设计研究院 河道整治工程应急预警方法及系统
JP7355305B1 (ja) 2022-04-19 2023-10-03 株式会社ガリレオ 水位計測システム
CN114821974A (zh) * 2022-05-06 2022-07-29 雷浩伟 一种偏僻山区用暴雨预警监测方法及系统
CN115165466B (zh) * 2022-07-07 2024-01-23 北京奥达清环境检测有限公司 一种河道自动监测水站的取水系统
CN115421217B (zh) * 2022-07-27 2023-06-23 中国科学院地理科学与资源研究所 一种基于降雨预报信息的洪水过程及其类型预报方法
KR20240015368A (ko) * 2022-07-27 2024-02-05 배재대학교 산학협력단 홍수 수위 예측 모델 관리 시스템
CN116011687B (zh) * 2023-03-30 2023-08-11 山东锋士信息技术有限公司 一种基于Copula函数的洪水预报方法、系统及介质
CN117433604A (zh) * 2023-10-24 2024-01-23 重庆市三峡生态环境技术创新中心有限公司 一种基于双因子判断逻辑的城市内涝预警系统及方法
CN117953370B (zh) * 2024-01-17 2024-07-26 国家能源集团新疆吉林台水电开发有限公司 一种基于图遥感技术与三维gis系统的电站水量预测方法
CN117807510B (zh) * 2024-02-29 2024-05-28 中国一冶集团有限公司 结合多源数据处理的河网动态分区方法及系统
CN118094178B (zh) * 2024-04-28 2024-07-19 中国安能集团第二工程局有限公司 堰塞湖溃决后的水流量预测方法及系统
CN118229735A (zh) * 2024-05-24 2024-06-21 中国电建集团西北勘测设计研究院有限公司 一种冰川前缘松散物质累积速率的计算方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002269656A (ja) * 2001-03-12 2002-09-20 Foundation Of River & Basin Integrated Communications Japan 河川情報提供システム
JP2003014868A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Foundation Of River & Basin Integrated Communications Japan 洪水予測情報提供システム
JP4922511B2 (ja) * 2001-08-21 2012-04-25 財団法人河川情報センター 流域情報生成システム
JP4082686B2 (ja) * 2002-12-03 2008-04-30 財団法人河川情報センター リアルタイム動的氾濫シミュレーションシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102328326B1 (ko) * 2021-07-26 2021-11-18 대한민국 (관리부서 : 환경부 국립환경과학원장) 수질예측 고도화를 위한 분포형 모델이 적용된 수리수문 해석 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019045290A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6707500B2 (ja) 河川水位予測システム
JP6954425B2 (ja) 災害予測方法、災害予測システム、および、災害予測プログラム
Silvestro et al. A hydrological analysis of the 4 November 2011 event in Genoa
CN111080030B (zh) 融雪性洪水预测方法、装置、电子设备和存储介质
JP2008050903A (ja) 洪水予測方法および洪水予測システム
JP2023026680A (ja) 土砂崩落の発生時刻を推定するシステム
CN103453944B (zh) 泥石流起动临界清水流量测算方法及起动监测方法
CN117057616B (zh) 基于数字孪生的水利监测方法及系统
KR102485941B1 (ko) 침수 예경보시스템 및 방법
Acosta-Coll et al. Early warning system for detection of urban pluvial flooding hazard levels in an ungauged basin
Allen et al. Glacial lake outburst flood hazard under current and future conditions: worst-case scenarios in a transboundary Himalayan basin
JP2014006605A (ja) 警戒システム
Corral et al. Advances in radar-based flood warning systems. The EHIMI system and the experience in the Besòs flash-flood pilot basin
Inomata et al. Quantification of the risks on dam preliminary release based on ensemble rainfall forecasts and determination of operation
Valchev et al. Prototype of early warning system for coastal storm hazard (Bulgarian Black Sea coast)
Perini et al. Costal flood risk in Emilia-Romagna (Italy): the sea storm of February 2015
JP6867638B2 (ja) 下水道監視システム及び下水道監視プログラム
JP6084332B1 (ja) 土砂災害予測システム
JP2012160029A (ja) 警戒システム
Morita Risk assessment method for flood control planning considering global climate change in urban river management
Yamanoi et al. Study on warning and evacuation system during sediment disaster in mountainous area employing multi‐hazard simulator
JP7341737B2 (ja) 防災支援装置、防災支援システム、防災支援方法、及びプログラム
Noor et al. Development of flood forecasting using statistical method in four river basins in Terengganu, Malaysia
Holzbecher et al. Advanced Tools for Flood Management: An Early Warning System for Arid and Semiarid Regions
Dirckx et al. EPIGONE: the argus on the daily operation of throttle structures

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6707500

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250