JP6705052B2 - 入力装置とその制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、コンピュータやスマートフォン等の機器において情報の入力に用いられるタッチパッドやタッチセンサなどの入力装置に係り、特に、指やペンなどの物体が近接することによる静電容量の変化に応じた情報を入力する入力装置に関するものである。
スマートフォンなど入力インターフェースとして、指やペンなどの物体の接触位置を検出するセンサを備えたタッチパッドやタッチパネルなどの装置が広く普及している。物体の接触位置を検出するセンサには、抵抗膜方式や光学方式など種々のタイプが存在するが、静電容量方式のセンサは比較的構成が簡易で小型化が可能であることから、近年多くのモバイル機器の入力インターフェースに採用されている。
静電容量式のセンサには、主に自己容量型センサと相互容量型センサがある。自己容量型センサは、検出電極と物体(グランド)との間の静電容量(自己容量)の変化を検出する。そのため、複数の位置で自己容量を検出するためには、それと同じ数の検出電極が必要となる。一方、相互容量型のセンサは、物体の近接に伴う駆動電極と検出電極と間の静電容量(相互容量)の変化を検出するため、1つの検出電極で複数の位置の相互容量を検出できる。従って、相互容量型センサは自己容量型センサに比べて多点検出に適している。
相互容量型センサにおいて相互容量が形成された部分(駆動電極と検出電極との交差部分)に指が近づくと、相互容量は小さくなる。一般に、駆動電極と検出電極との間に形成される相互容量は非常に小さく、その変化は更に小さいため、温度などに応じて変化し易い。そこで、一般的な相互容量型センサでは、相互容量の変化を求めるための基準値が所定のタイミングで適宜更新される。すなわち、指などが接触していない状態が続くと、検出結果の相互容量値が新たな基準値として設定され、それ以降は、検出結果の相互容量値を基準値から減算した値が相互容量の変化を示すデータとして使用される。
相互容量型センサでは、グランドに対して大きな容量結合を持った物体(人体)が近接した場合に相互容量の減少を生じるが、例えばコインなどのようにグランドとの容量結合が小さい導体が近接すると、相互容量が逆に大きくなる。相互容量が大きくなるだけでは物体の近接と見なされないが、この状態で上述した基準値の更新が行われた場合、コイン等を取り除くことで相互容量が減少すると、この相互容量の減少が物体の近接によるものとして誤検出されてしまう。
このような誤検出を生じる基準値を速やかに再設定するため、下記の特許文献1に記載される装置では、相互容量の変化量が所定のしきい値以上の場合に、この変化量が積算値として記憶部に記憶され、浮遊電位の浮遊導体を監視するための浮遊導体監視状態となる。そして、相互容量の変化量と記憶部に記憶された積算値とが基準値に対して正負逆向きで略一致する場合、再測定された相互容量が基準値として設定し直される。浮遊導体監視状態において指を認識した後に指を非認識した場合は、コイン等の導体が存在しないと推定されるため、浮遊導体監視状態が解除される。
ところで、近年のノートブック型PCなどのタッチパッドには、NFC(Near Field Communication)のリーダー・ライター機能を搭載したものがある。このようなタッチパッドでは、操作面にICカードをかざすことで、ICカードのデータの読み取りや書き込みを行うことができる。
通常、ICカードには、リーダー・ライターと無線通信を行うためのループアンテナが埋め込まれている。ICカードがタッチパッドの操作面に載置されると、ループアンテナが駆動電極及び検出電極に沿って近接するため、相互容量の変化が生じる。このとき、ICカードのループアンテナはグランドとの容量結合が小さいため、コイン等が操作面に置かれる場合と同様に相互容量が増大する。従って、ICカードが操作面に載置された状態で基準値の更新が行われた場合、ICカードを操作面から取り除くと、上述したコイン等と同様な誤検出が発生する。
仮に、特許文献1の装置の操作面に予めICカードを置いた状態で装置の電源をオフからオンにした場合、ICカードを操作面に置くときに生じる相互容量の変化(増大)が装置に検出されていないため、浮遊状態監視状態に移行しない。従って、タッチパッドの電源をオンした後でICカードを操作面から取り除いても、そのとき浮遊状態監視状態でないため、相互容量の減少が物体の近接によるものとして誤検出されたままとなる。
また、ICカードは薄い絶縁体で形成されていることから、特許文献1の装置においてICカードを操作面に載置した状態で、ICカードを取り除くために指を近づけると、ICカードを介して近接した指による相互容量の変化が検出される。その結果、ICカードを操作面から取り除くときに指が一瞬認識されてしまい、浮遊状態監視状態が解除される。従って、ICカードを取り除いたときの相互容量の減少が物体の近接によるものとして誤検出されたままとなる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ICカードのループアンテナのような導体が駆動電極及び検出電極に沿って近接することによる基準値の異常を適切に解消できる入力装置とその制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の観点は、物体の近接に伴う静電容量の変化に応じた情報を入力する入力装置に関する。この入力装置は、駆動電圧が印加される複数の駆動電極と、複数の検出電極とを含み、前記複数の検出電極と前記複数の駆動電極との間に複数の容量結合部が形成されたセンサ部と、前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極との間に形成される複数の前記容量結合部の静電容量を検出する静電容量検出部と、前記静電容量検出部において検出された1つの前記容量結合部の静電容量値と当該1つの容量結合部について設定された静電容量の基準値との差を示す1つの検出データを、前記複数の容量結合部の各々について算出し、各行が1つの前記検出電極における複数の前記容量結合部に対応するとともに、各列が1つの前記駆動電極における複数の前記容量結合部に対応し、前記容量結合部の配置と対応するように前記検出データが配列された2次元データを生成する2次元データ生成部と、前記静電容量検出部において検出された前記複数の容量結合部の前記静電容量値に基づいて、前記複数の容量結合部の前記基準値を更新する基準値更新部と、前記2次元データ生成部により生成された前記2次元データの中から、前記容量結合部に物体が近接したことを示す前記検出データを対象データとして特定する特定部と、前記対象データが属する前記2次元データの行に基づいて選択した対象行、及び、前記対象データが属する前記2次元データの列に基づいて選択した対象列の少なくとも一方について、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す第1パターンに当てはまるか否かを判定する判定部とを有する。前記基準値更新部は、前記対象行及び前記対象列の少なくとも一方若しくは両方が前記第1パターンに当てはまると判定された場合、前記基準値の更新を行う。
この構成によれば、ICカードのループアンテナのようにグランドとの容量結合の弱い導体が1つの前記駆動電極と1つの前記検出電極とに沿って近接した場合、前記1つの駆動電極と前記1つの検出電極とによって形成される1つの前記容量結合部では、静電容量が増大し易くなる。前記1つの容量結合部において静電容量が増大した状態で前記1つの容量結合部の基準値が更新され、その更新後に前記導体が取り除かれると、前記1つの容量結合部では、更新後の前記基準値に対して静電容量が減少する。この静電容量の減少により、前記1つの容量結合部では、物体が近接したことを示す前記検出データが得られる。この検出データは、前記対象データとして特定される。
また、前記1つの検出電極や前記1つの駆動電極に形成される他の前記容量結合部では、前記導体が近接することによって静電容量が減少し易くなる。この静電容量の減少状態において前記他の容量結合部の基準値がそれぞれ更新され、その更新後に前記導体が取り除かれると、前記他の容量結合部では、更新後の前記基準値に対して静電容量が増大する。従って、前記対象データが属する前記2次元データの行に基づいて選択された前記対象行や、前記対象データが属する前記2次元データの列に基づいて選択された前記対象列は、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す前記第1パターンに当てはまり易くなる。
前記対象行及び前記対象列の少なくとも一方若しくは両方が前記第1パターンに当てはまる場合、前記導体の近接による前記基準値の異常が生じていた可能性があるため、前記基準値の更新が行われる。これにより、前記基準値の異常が解消される。
好適に、前記判定部は、前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象行に隣接する少なくとも1つの隣接行について、前記基準値に近似する前記静電容量値を持った前記容量結合部が連続していることを示す第2パターンに当てはまるか否かの判定を行い、前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象列に隣接する少なくとも1つの隣接列について、前記第2パターンに当てはまるか否かの判定を行ってよい。前記基準値更新部は、前記対象行が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまる第1条件と、前記対象列が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまる第2条件との少なくとも一方若しくは両方を満たす場合に、前記基準値の更新を行ってよい。
この構成によれば、ICカードのループアンテナのような前記導体が1つの前記駆動電極と1つの前記検出電極とに沿って近接した場合、前記1つの検出電極に隣接する前記検出電極の前記容量結合部や、前記1つの駆動電極に隣接する前記駆動電極の前記容量結合部では、前記基準値に対する前記静電容量値の差が小さくなり易い。そのため、前記対象行に隣接する前記隣接行や、前記対象列に隣接する前記隣接列は、前記基準値に近似する前記静電容量値を持った前記容量結合部が連続していることを示す前記第2パターンに当てはまり易くなる。従って、前記対象行が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまる第1条件や、前記対象列が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまる第2条件を満たす場合、前記導体の近接による前記基準値の異常が生じていた可能性がより高くなる。従って、前記第1条件や前記第2条件を満たす場合に前記基準値の更新を行うことで、より適切に前記基準値の異常が解消される。
好適に、前記判定部は、前記対象行及び前記隣接行について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに1つの第1評価値を算出し、前記対象行の1つの前記検出データについて1つの前記第1評価値を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データと、当該1つの検出データに列方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データとに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合い、及び、前記隣接行の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いの両方を表す前記第1評価値を算出し、前記対象行について算出した前記第1評価値の系列において、しきい値に達する前記第1評価値が連続するならば、前記第1条件を満たすと判定してよい。
好適に、前記判定部は、前記対象列及び前記隣接列について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに1つの第2評価値を算出し、前記対象列の1つの前記検出データについて1つの前記第2評価値を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データと、当該1つの検出データに行方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データとに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合い、及び、前記隣接列の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いの両方を表す前記第2評価値を算出し、前記対象列について算出した前記第2評価値の系列において、しきい値に達する前記第2評価値が連続するならば、前記第2条件を満たすと判定してよい。
この構成によれば、前記対象行について算出した前記第1評価値の系列において、しきい値に達する前記第1評価値が連続するか否かにより、前記第1条件を満たすか否かが判定される。そのため、前記対象行及び前記隣接行についての前記第1パターン及び前記第2パターンの判定が簡易になる。
また、この構成によれば、前記対象列について算出した前記第2評価値の系列において、しきい値に達する前記第2評価値が連続するか否かにより、前記第2条件を満たすか否かが判定される。そのため、前記対象列及び前記隣接列についての前記第1パターン及び前記第2パターンの判定が簡易になる。
好適に、前記判定部は、前記対象行及び前記隣接行について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに、対象行評価値及び隣接行評価値を含んだ1つの第1評価値群を算出し、前記対象行における1つの前記検出データについて1つの前記第1評価値群を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象行評価値を算出するとともに、当該1つの検出データに列方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データに基づいて、前記隣接行の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いを表す前記隣接行評価値を算出し、前記対象行について算出した前記第1評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値としきい値に達する前記隣接行評価値とを含んだ前記第1評価値群が連続するならば、前記第1条件を満たすと判定してよい。
好適に、前記判定部は、前記対象列及び前記隣接列について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに、対象列評価値及び隣接列評価値を含んだ1つの第2評価値群を算出し、前記対象列における1つの前記検出データについて1つの前記第2評価値群を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象列評価値を算出するとともに、当該1つの検出データに行方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データに基づいて、前記隣接列の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いを表す前記隣接列評価値を算出し、前記対象列について算出した前記第2評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値としきい値に達する前記隣接列評価値とを含んだ前記第2評価値群が連続するならば、前記第2条件を満たすと判定してよい。
この構成によれば、前記対象行及び前記隣接行について算出した前記第1評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値としきい値に達する前記隣接行評価値とを含んだ前記第1評価値群が連続するか否かにより、前記第1条件を満たすか否かが判定される。そのため、前記対象行が前記第1パターンに当てはまることと、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまることとを、独立の評価値に基づいて正確に判定し易くなる。
また、この構成によれば、前記対象列及び前記隣接列について算出した前記第2評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値としきい値に達する前記隣接列評価値とを含んだ前記第2評価値群が連続するか否かにより、前記第2条件を満たすか否かが判定される。そのため、前記対象列が前記第1パターンに当てはまることと、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまることとを、独立の評価値に基づいて正確に判定し易くなる。
好適に、前記判定部は、前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに1つの対象行評価値を算出し、前記対象行における1つの前記検出データについて1つの前記対象行評価値を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象行評価値を算出し、前記対象行について算出した前記対象行評価値の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値が連続するならば、前記対象行が第1パターンに当てはまると判定してよい。
好適に、前記判定部は、前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに1つの対象列評価値を算出し、前記対象列における1つの前記検出データについて1つの前記対象列評価値を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象列評価値を算出し、前記対象列について算出した前記対象列評価値の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値が連続するならば、前記対象列が第1パターンに当てはまると判定してよい。
この構成によれば、前記対象行について算出した前記対象行評価値の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値が連続するか否かにより、前記対象行が前記第1パターンに当てはまるか否かが判定される。
また、この構成によれば、前記対象列について算出した前記対象列評価値の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値が連続するか否かにより、前記対象列が前記第1パターンに当てはまるか否かが判定される。
好適に、前記判定部は、前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象データが属する前記2次元データの行を含む複数の隣接する行の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを列ごとに選択し、当該選択した検出データの系列を前記対象行として前記第1パターンの判定を行ってよい。
好適に、前記判定部は、前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象データが属する前記2次元データの列を含む複数の隣接する列の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを行ごとに選択し、当該選択した検出データの系列を前記対象列として前記第1パターンの判定を行ってよい。
ICカードのループアンテナのような前記導体が1つの前記検出電極とこれに隣接する前記検出電極に沿って近接した場合、前記対象データが属する行だけではなく、これに隣接する行においても、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す前記第1パターンが現れ易くなる。このような場合、前記対象データが属する行を含む複数の隣接する行の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを列ごとに選択することにより、当該選択した検出データの系列は前記第1パターンに当てはまり易くなる。従って、前記選択した検出データの系列を前記対象行として前記第1パターンの判定を行うことにより、前記導体の近接による前記基準値の異常が適切に判定される。
同様に、前記導体が1つの前記駆動電極とこれに隣接する前記駆動電極に沿って近接した場合、前記対象データが属する列だけではなく、これに隣接する列においても、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す前記第1パターンが現れ易くなる。このような場合、前記対象データが属する列を含む複数の隣接する列の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを行ごとに選択することにより、当該選択した検出データの系列は前記第1パターンに当てはまり易くなる。従って、前記選択した検出データの系列を前記対象列として前記第1パターンの判定を行うことにより、前記導体の近接による前記基準値の異常が適切に判定される。
本発明の第2の観点は、物体の近接に伴う静電容量の変化に応じた情報を入力する入力装置の制御方法に関する。前記入力装置は、駆動電圧が印加される複数の駆動電極と、複数の検出電極とを含み、前記複数の検出電極と前記複数の駆動電極との間に複数の容量結合部が形成されたセンサ部と、前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極との間に形成される複数の前記容量結合部の静電容量を検出する静電容量検出部とを含む。この入力装置の制御方法は、前記静電容量検出部において検出された1つの前記容量結合部の静電容量値と当該1つの容量結合部について設定された静電容量の基準値との差を示す1つの検出データを、前記複数の容量結合部の各々について算出し、各行が1つの前記検出電極における複数の前記容量結合部に対応するとともに、各列が1つの前記駆動電極における複数の前記容量結合部に対応し、前記容量結合部の配置と対応するように前記検出データが配列された2次元データを生成することと、前記静電容量検出部において検出された前記複数の容量結合部の前記静電容量値に基づいて、前記複数の容量結合部の前記基準値を更新することと、生成された前記2次元データの中から、前記容量結合部に物体が近接したことを示す前記検出データを対象データとして特定することと、前記対象データが属する前記2次元データの行に基づいて選択した対象行、及び、前記対象データが属する前記2次元データの列に基づいて選択した対象列の少なくとも一方について、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す第1パターンに当てはまるか否かを判定することとを有する。前記基準値を更新することは、前記対象行及び前記対象列の少なくとも一方若しくは両方が前記第1パターンに当てはまると判定された場合に前記基準値の更新を行うことを含む。
好適に、前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合に、前記対象行に隣接する少なくとも1つの隣接行について、前記基準値に近似する前記静電容量値を持った前記容量結合部が連続していることを示す第2パターンに当てはまるか否かを判定することと、前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合に、前記対象列に隣接する少なくとも1つの隣接列について、前記第2パターンに当てはまるか否かを判定することとを有する。前記基準値を更新することは、前記対象行が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまる第1条件と、前記対象列が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまる第2条件との少なくとも一方若しくは両方を満たす場合に前記基準値の更新を行うことを含む。
本発明の第3の観点は、上記第2の観点に係る入力装置の制御方法をコンピュータにおいて実行させるためのプログラムに関する。
本発明によれば、ICカードのループアンテナのような導体が駆動電極や検出電極に沿って近接することによる基準値の異常を適切に解消できる入力装置とその制御方法及びプログラムを提供できる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態に係る入力装置について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施形態に係る入力装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。図1に示す入力装置は、静電センサ11を含んだセンサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。
本実施形態に係る入力装置は、静電センサ11に指やペンなどの物体を近接させることによって、その近接位置における静電センサ11の静電容量の変化に応じた情報を入力する。なお、本明細書における「近接」は近くにあることを意味しており、接触の有無を限定しない。
[センサ部10]
センサ部10は、操作面上の複数の検出位置において、指やペンなどの物体の近接をそれぞれ検出する装置であり、図1の例において、静電センサ11と、駆動部13と、静電容量検出部14を含む。
[センサ部10]
センサ部10は、操作面上の複数の検出位置において、指やペンなどの物体の近接をそれぞれ検出する装置であり、図1の例において、静電センサ11と、駆動部13と、静電容量検出部14を含む。
静電センサ11は、複数の検出位置において物体の近接に伴う静電容量の変化を検出する。静電センサ11は、複数の駆動電極Edと複数の検出電極Esとを含む。複数の駆動電極Edと複数の検出電極Esとの間には、物体の近接に応じて静電容量が変化する複数の容量結合部12が形成される。
複数の駆動電極Edは、それぞれY方向(図1では縦方向)に延びており、X方向(図1では横方向)において平行に並んでいる。複数の検出電極Esは、それぞれX方向に延びており、Y方向において平行に並んでいる。複数の駆動電極Edと複数の検出電極Esとが格子状に交差しており、その各交差位置に容量結合部12が形成される。なお、図1の例において駆動電極Ed及び検出電極Esは単純な帯状に描かれているが、例えば複数のひし形電極を従属接続したものなどでもよく、他の形状でもよい。
駆動部13は、処理部20の後述するセンサ制御部21の制御に従って、静電センサ11における複数の駆動電極Edの各々に駆動電圧を印加する。例えば駆動部13は、複数の駆動電極Edから順に1つの駆動電極Edを選択し、選択した1つの駆動電極Edに所定の振幅のパルス電圧を印加する。
静電容量検出部14は、各駆動電極Edへの駆動電圧の印加によって各容量結合部12に出入りする電荷に基づいて、各容量結合部12の静電容量を検出する。例えば静電容量検出部14は、駆動電極Edへの駆動電圧の印加時に検出電極Esが一定の電圧に保たれるように、検出電極Esの容量結合部12へ電荷を供給するチャージアンプを含む。容量結合部12に供給した電荷に応じてチャージアンプが出力する信号は、容量結合部12の静電容量に応じた信号となる。複数のチャージアンプを設けることにより、複数の検出電極Esにおける静電容量の検出を並行して行うことができる。また、静電容量検出部14は、各チャージアンプにマルチプレクサを介して複数の検出電極Esを接続してもよい。マルチプレクサを用いることにより、複数の検出電極Esの各々を順に選択してチャージアンプに接続し、静電容量の検出を行うことができる。
センサ部10は、静電容量検出部14において出力される静電容量の検出結果の信号を図示しないアナログ−デジタル変換器においてデジタル値に変換する。センサ部10は、各容量結合部12の静電容量の検出結果を、デジタルの静電容量値Sとして処理部20に出力する。
[処理部20]
処理部20は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えばプログラムの命令コードに従って処理を行うコンピュータや、専用のロジック回路を含んで構成される。処理部20の処理は、全てをコンピュータのプログラムに基づいて行なってもよいし、その一部若しくは全部をロジック回路で行なってもよい。
[処理部20]
処理部20は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えばプログラムの命令コードに従って処理を行うコンピュータや、専用のロジック回路を含んで構成される。処理部20の処理は、全てをコンピュータのプログラムに基づいて行なってもよいし、その一部若しくは全部をロジック回路で行なってもよい。
図1の例において、処理部20は、センサ制御部21と、2次元データ生成部22と、基準値更新部23と、特定部24と、判定部25と、座標演算部26とを有する。
センサ制御部21は、センサ部10における検出のタイミングを制御する。具体的には、センサ制御部21は、駆動部13における駆動電極Edの選択と駆動電圧の発生、並びに、静電容量検出部14における検出電極Esの選択と検出動作が適切なタイミングで行われるように、これらの回路を制御する。
2次元データ生成部22は、静電容量検出部14において検出された1つの容量結合部12の静電容量値Sと当該1つの容量結合部12について設定された静電容量の基準値Bとの差「B−S」を示す1つの検出データDを、複数の容量結合部12の各々について算出する。基準値Bは、容量結合部12に指などの物体が近接していないときの容量結合部12の静電容量値であり、容量結合部12ごとに設定される。
2次元データ生成部22は、複数の容量結合部12の各々について算出した一群の検出データDを、行列形式の2次元データ33として記憶部30に保存する。2次元データ33の各行は1つの検出電極Esにおける複数の容量結合部12に対応し、2次元データ33の各列は1つの駆動電極Edにおける複数の容量結合部12に対応する。2次元データ33の各検出データDは、静電センサ11の操作面における容量結合部12の行列状の配置と対応するように配列される。
例えば図1に示すように、記憶部30には、各容量結合部12における静電容量の基準値Bが基準値行列31として記憶されている。2次元データ生成部22は、静電容量検出部14において検出された各容量結合部12の静電容量値を、静電容量値行列32として記憶部30に保存する。2次元データ生成部22は、この静電容量値行列32を基準値行列31から減算する行列演算を行い、演算結果を2次元データ33(検出データの行列)として記憶部30に保存する。
基準値更新部23は、静電容量検出部14において検出された複数の容量結合部12の静電容量値Sに基づいて、複数の容量結合部12における基準値Bを更新する。例えば基準値更新部23は、後述する特定部24の処理結果などに基づいて、静電センサ11に物体が近接していない状態が一定時間続いたと判定した場合に基準値Bの更新を行う。1つの容量結合部12の基準値Bは、当該1つの容量結合部12について検出された最新の静電容量値Sでもよいし、当該1つの容量結合部12について一定期間に渡って検出された静電容量値Sの平均でもよい。
また、基準値更新部23は、後述する判定部25において基準値Bに異常があることを示す判定結果が得られた場合にも基準値Bの更新を行う。
特定部24は、2次元データ生成部22により生成された2次元データ33の中から、容量結合部12に指などの物体が近接したことを示す検出データDを「対象データ」として特定する。例えば特定部24は、検出データDが所定のしきい値に達している場合(静電容量値Sを基準値Bから引いた差「B−S」がしきい値を超える場合)、これを対象データとして特定する。なお特定部24は、後述する基準値Bの異常によって静電容量値Sが大きく減少した場合も、その検出データDを対象データとして特定する。
また、特定部24は、2次元データ33を構成する各検出データDについて、物体の近接の有無を判定し、その判定結果を二値のデータ(「1」と「0」など)で表した近接判定行列を生成する。
座標演算部26は、特定部24において生成された近接判定行列に基づいて、物体が近接した位置の座標を演算する。例えば座標演算部26は、近接判定行列に基づいて、個々の物体が近接した領域を特定し、特定した領域内における検出データDのピーク値などに基づいて、領域内の一点を物体の近接位置の座標として計算する。
判定部25は、対象データに対応する2次元データ33の行と列について、基準値Bの異常が生じている場合の所定のパターンに当てはまるか否かの判定を行う。判定部25が判定する基準値Bの異常は、後述するように、ICカードのループアンテナのような導体が駆動電極Ed及び検出電極Esに沿って近接した状態で基準値Bの更新が行われた場合に生じる異常である。
(2次元データ33の行についてのパターン判定)
判定部25は、2次元データ33の行についての判定を行う場合、特定部24で特定された対象データが属する2次元データ33の行を「対象行」として選択する。判定部25は、選択した対象行について「第1パターン」に当てはまるか否かを判定するとともに、対象行に隣接する行(隣接行)について「第2パターン」に当てはまるか否かを判定する。「第1パターン」は、基準値Bより大きい静電容量値S(S>B)を持った容量結合部12が連続することを表すパターンである。「第2パターン」は、基準値Bに近似する静電容量値S(S≒B)を持った容量結合部12が連続することを示すパターンである。
(2次元データ33の行についてのパターン判定)
判定部25は、2次元データ33の行についての判定を行う場合、特定部24で特定された対象データが属する2次元データ33の行を「対象行」として選択する。判定部25は、選択した対象行について「第1パターン」に当てはまるか否かを判定するとともに、対象行に隣接する行(隣接行)について「第2パターン」に当てはまるか否かを判定する。「第1パターン」は、基準値Bより大きい静電容量値S(S>B)を持った容量結合部12が連続することを表すパターンである。「第2パターン」は、基準値Bに近似する静電容量値S(S≒B)を持った容量結合部12が連続することを示すパターンである。
判定部25は、対象行とその隣接行について第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合、具体的には、対象行の検出データDごとに1つの第1評価値H1を算出する。この第1評価値H1は、対象行の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合い、及び、隣接行の静電容量値Sが基準値Bに近似する度合いの両方を表す値である。判定部25は、対象行の1つの検出データDについて1つの第1評価値H1を算出する場合、対象行の中で当該1つの検出データDを含んだ一連の検出データと、当該1つの検出データDに列方向で隣接する少なくとも1つの検出データDとに基づいて第1評価値H1を算出する。
本実施形態において、第1評価値H1は例えば次の式で表される。
H1=H11+H12 … (1)
式(1)における「H11」は、対象行の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いを表す「対象行評価値」である。対象行の1つの検出データD(i,j)について算出される対象行評価値H11は、例えば次の式で表される。
式(1)における「H11」は、対象行の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いを表す「対象行評価値」である。対象行の1つの検出データD(i,j)について算出される対象行評価値H11は、例えば次の式で表される。
H11=α・D(i−1,j)+β・D(i,j)+α・D(i+1,j) …(2)
ただし、「i」は2次元データ33の行の順番を表す整数であり、「j」は2次元データ33の列の順番を表す整数である。「D(i,j)」は、2次元データ33におけるi行j列の検出データDを示す。「α」及び「β」は、重み係数を示す。例えば、重み係数αの値は「−1」、重み係数βの値は「−2」に設定される。検出データDは「B−S」により算出される値であり、静電容量値Sが基準値Bを超過するとマイナスの値になる。従って、重み係数α、βが負の値に設定される場合、静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いが大きくなるほど、対象行評価値H11は正の方向に増大する。
ただし、「i」は2次元データ33の行の順番を表す整数であり、「j」は2次元データ33の列の順番を表す整数である。「D(i,j)」は、2次元データ33におけるi行j列の検出データDを示す。「α」及び「β」は、重み係数を示す。例えば、重み係数αの値は「−1」、重み係数βの値は「−2」に設定される。検出データDは「B−S」により算出される値であり、静電容量値Sが基準値Bを超過するとマイナスの値になる。従って、重み係数α、βが負の値に設定される場合、静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いが大きくなるほど、対象行評価値H11は正の方向に増大する。
式(1)における「H12」は、隣接行の静電容量値Sが基準値Bに近似する度合いを表す「隣接行評価値」である。対象行の1つの検出データD(i,j)について算出される隣接行評価値H12は、例えば次の式で表される。
H12=γ・|D(i,j−1)|+γ・|D(i,j+1)| …(3)
式(3)における「γ」は重み係数であり、例えば「−2」に設定される。重み係数γが負の値に設定される場合、隣接行評価値H12の符号は負である。隣接行評価値H12は、検出データD(i,j)の列方向に隣接する検出データD(i,j−1)、D(i,j+1)の絶対値が小さくなるほど(隣接行の静電容量値Sが基準値Bに近似するほど)ゼロに近づく。
式(3)における「γ」は重み係数であり、例えば「−2」に設定される。重み係数γが負の値に設定される場合、隣接行評価値H12の符号は負である。隣接行評価値H12は、検出データD(i,j)の列方向に隣接する検出データD(i,j−1)、D(i,j+1)の絶対値が小さくなるほど(隣接行の静電容量値Sが基準値Bに近似するほど)ゼロに近づく。
従って、対象行評価値H11と隣接行評価値H12との和である第1評価値H1は、検出データD(i,j)とその前後の対象データD(i−1,j)、D(i+1,j)において静電容量値Sが基準値Bより大きくなるほど正の方向に増大する。また、第1評価値H1は、検出データD(i,j)の列方向に隣接する検出データD(i,j−1)、D(i,j+1)において静電容量値Sが基準値Bに近づくほど正の方向に増大する。
判定部25は、上述した第1評価値H1を対象行の各検出データDについて算出し、その結果として得られる第1評価値H1の系列について判定を行う。すなわち、判定部25は、第1評価値H1の系列において、所定のしきい値に達する第1評価値H1が所定の個数以上連続した場合、対象行が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接行が第2パターンに当てはまると判定する。以下、対象行が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接行が第2パターンに当てはまることを「第1条件」と呼ぶ。
基準値更新部23は、判定部25において「第1条件」を満たしたと判定された場合、基準値Bに異常が生じているとみなして、基準値Bの更新処理を実行する。
(2次元データ33の列についてのパターン判定)
他方、判定部25は、2次元データ33の列についての判定を行う場合、特定部24で特定された対象データが属する2次元データ33の列を「対象列」として選択する。判定部25は、選択した対象列について第1パターンに当てはまるか否かを判定するとともに、対象列に隣接する列(隣接列)について第2パターンに当てはまるか否かを判定する。
(2次元データ33の列についてのパターン判定)
他方、判定部25は、2次元データ33の列についての判定を行う場合、特定部24で特定された対象データが属する2次元データ33の列を「対象列」として選択する。判定部25は、選択した対象列について第1パターンに当てはまるか否かを判定するとともに、対象列に隣接する列(隣接列)について第2パターンに当てはまるか否かを判定する。
判定部25は、対象列とその隣接列について第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合、具体的には、対象列の検出データDごとに1つの第2評価値H2を算出する。この第2評価値H2は、対象列の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合い、及び、隣接列の静電容量値Sが基準値Bに近似する度合いの両方を表す値である。判定部25は、対象列の1つの検出データDについて1つの第2評価値H2を算出する場合、対象列の中で当該1つの検出データDを含んだ一連の検出データと、当該1つの検出データDに行方向で隣接する少なくとも1つの検出データDとに基づいて第2評価値H2を算出する。
本実施形態において、第2評価値H2は例えば次の式で表される。
H2=H21+H22 … (4)
式(4)における「H21」は、対象列の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いを表す「対象列評価値」である。対象列の1つの検出データD(i,j)について算出される対象列評価値H21は、例えば次の式で表される。
式(4)における「H21」は、対象列の静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いを表す「対象列評価値」である。対象列の1つの検出データD(i,j)について算出される対象列評価値H21は、例えば次の式で表される。
H21=ν・D(i,j−1)+η・D(i,j)+ν・D(i,j+1) …(5)
ただし、式(3)における「ν」及び「η」は重み係数を示す。例えば、重み係数νは重み係数αと同じ値「−1」に設定され、重み係数ηは重み係数βと同じ値「−2」に設定される。重み係数ν、ηが負の値に設定される場合、静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いが大きくなるほど、対象列評価値H21は正の方向に増大する。
ただし、式(3)における「ν」及び「η」は重み係数を示す。例えば、重み係数νは重み係数αと同じ値「−1」に設定され、重み係数ηは重み係数βと同じ値「−2」に設定される。重み係数ν、ηが負の値に設定される場合、静電容量値Sが基準値Bを超過する度合いが大きくなるほど、対象列評価値H21は正の方向に増大する。
式(4)における「H22」は、隣接列の静電容量値Sが基準値Bに近似する度合いを表す「隣接列評価値」である。対象列の1つの検出データD(i,j)について算出される隣接列評価値H22は、例えば次の式で表される。
H22=κ・|D(i−1,j)|+κ・|D(i+1,j)| …(6)
式(6)における「κ」は重み係数であり、例えば重み係数γと同じ値「−2」に設定される。重み係数κが負の値に設定される場合、隣接列評価値H22の符号は負である。隣接列評価値H22は、検出データD(i,j)の行方向に隣接する検出データD(i−1,j)、D(i+1,j)の絶対値が小さくなるほど(隣接列の静電容量値Sが基準値Bに近似するほど)ゼロに近づく。
式(6)における「κ」は重み係数であり、例えば重み係数γと同じ値「−2」に設定される。重み係数κが負の値に設定される場合、隣接列評価値H22の符号は負である。隣接列評価値H22は、検出データD(i,j)の行方向に隣接する検出データD(i−1,j)、D(i+1,j)の絶対値が小さくなるほど(隣接列の静電容量値Sが基準値Bに近似するほど)ゼロに近づく。
従って、対象列評価値H21と隣接列評価値H22との和である第2評価値H2は、検出データD(i,j)とその前後の対象データD(i,j−1)、D(i,j+1)において静電容量値Sが基準値Bより大きくなるほど正の方向に増大する。また、第2評価値H2は、検出データD(i,j)の行方向に隣接する検出データD(i−1,j)、D(i+1,j)において静電容量値Sが基準値Bに近づくほど正の方向に増大する。
判定部25は、上述した第2評価値H2を対象列の各検出データDについて算出し、その結果として得られる第2評価値H2の系列について判定を行う。すなわち、判定部25は、第1評価値H1の系列において、所定のしきい値に達する第2評価値H2が所定の個数以上連続した場合、対象列が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接列が第2パターンに当てはまると判定する。以下、対象列が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接列が第2パターンに当てはまることを「第2条件」と呼ぶ。
基準値更新部23は、判定部25において「第2条件」を満たしたと判定された場合、基準値Bに異常が生じているとみなして、基準値Bの更新処理を実行する。
[記憶部30]
記憶部30は、処理部20において処理に使用される定数データや変数データ(基準値行列31、静電容量値行列32、2次元データ33)を記憶する。処理部20がコンピュータを含む場合、記憶部30はそのコンピュータにおいて実行されるプログラムPRGを記憶してもよい。記憶部30は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んで構成される。
[インターフェース部40]
インターフェース部40は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部20は、記憶部30に記憶される情報(物体の座標の演算結果など)をインターフェース部40から図示しない制御装置へ出力する。
[記憶部30]
記憶部30は、処理部20において処理に使用される定数データや変数データ(基準値行列31、静電容量値行列32、2次元データ33)を記憶する。処理部20がコンピュータを含む場合、記憶部30はそのコンピュータにおいて実行されるプログラムPRGを記憶してもよい。記憶部30は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んで構成される。
[インターフェース部40]
インターフェース部40は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部20は、記憶部30に記憶される情報(物体の座標の演算結果など)をインターフェース部40から図示しない制御装置へ出力する。
記憶部30に格納するプログラムPRGは、記憶部30のROMなどに予め書き込まれてもよいし、図示しない上位装置からインターフェース部40を介してダウンロードしたものを記憶部30に保存してもよいし、図示しない読み取り装置等によって光ディスクやUSBメモリなどの媒体から読み出したものを記憶部30に書き込んでもよい。
ここで、図2〜図6を参照して、ICカードのループアンテナが静電センサ11に載置された状態で基準値Bの更新が行われた場合に生じる基準値Bの異常について説明する。
図2は、物体の近接による駆動電極Edと検出電極Esとの間の静電容量(以下、「相互容量」と記す場合がある。)の変化を説明するための図である。駆動電極Edに駆動電圧Vdが印加されると、図2Aに示すように、駆動電極Edと検出電極Esとの間には電界が生じる。静電容量検出部14は、駆動電圧Vdの印加に伴って検出電極Esに供給される電荷Qxに基づいて相互容量を検出する。
指などの物体1は、グランドに対して比較的大きな容量結合を持っており、その静電容量は相互容量に比べて十分に大きいため、図2Bに示すように接地しているとみなせる。従って、物体1が駆動電極Edと検出電極Esとの間に近づくと、これらの電極の間を渡る電気力線Fxの一部が物体1によって遮蔽される。そのため、接地とみなせる物体1が近接した場合、相互容量は相対的に減少する。
図3は、接地されたループ状の導体が近接した場合とICカードのループアンテナが近接した場合とで検出データDのパターンが異なることを示す図である。図3Aは接地されたループ状導体を静電センサ11に置いた場合の2次元データ33の例を示し、図3BはICカードを静電センサ11に置いた場合の2次元データ33の例を示す。
図3の例において、駆動電極Edの本数は27であり、検出電極Esの本数は16である。左端の列の「Y0」〜「Y15」は2次元データ33の各行を示し、上端の行の「X0」〜「X26」は2次元データ33の各列を示す。欄内の個々の数値は検出データDの値を示しているが、全体の数値を見やすくするために、値が「0」の箇所を空欄にしている。検出データDは、基準値Bから静電容量値Sを引いた「B−S」の値を持つため、正の値は静電容量値Sが基準値BSより小さいこと、すなわち、物体の近接によって相互容量が減少していることを示す。
接地されたループ状の導体を静電センサ11に置いた場合の2次元データ33は、図3Aに示すように、導体に近接した位置の検出データDがいずれも比較的大きな正の値となる。他方、ICカードのループアンテナは、絶縁物で覆われているため、接地されたループ状の導体とは異なり、グランドから絶縁されている。また、ループアンテナのサイズは比較的小さいため、グランドに対する容量結合が比較的弱い。このような違いがあることから、ICカードを静電センサ11に置いた場合の2次元データ33は、図3Aとは異なる検出データDのパターンを示す。
図3Bをみると、ループアンテナの外形に外接する矩形の範囲の四隅において検出データDが負の値となっており、静電容量値Sが基準値Bよりも大きくなっている。また、ループアンテナの導体に近接した位置の検出データDは正の値となるが、その絶対値は接地されたループ状導体の場合より小さい。そのため、ループアンテナの導体に近接した位置は、物体が近接した位置とは判定されない。ICカードを静電センサ11に置いたまま放置すると、静電センサ11に物体が近接していないと判定される状態が続くため、基準値更新部23において基準値Bの更新処理が実行される。
図4は、ICカードを置いた状態で基準値Bを更新した後、ICカードを取り除いたときの2次元データ33の例を示す図である。図4の上段は、ICカードを置いた図3Bの状態で基準値Bの更新を行った後の2次元データ33を示す。基準値Bの更新により、各静電容量値Sは基準値Bと等しくなるため、2次元データ33の各検出データDは一旦ゼロになる。この状態でICカードを静電センサ11から取り除くと、図4の下段に示すように、図3Bの各検出データDの符号を反転させたものに略等しい2次元データ33が得られる。図3Bにおいて負の値であった矩形領域の四隅の検出データDは、図4の下段の2次元データ33において正の値となる。大きな正の値の検出データDは物体の近接を示すため、図4の下段の2次元データ33では、矩形の範囲の四隅に物体が近接していると判定されてしまう。
図5は、静電センサに近接した物体と静電センサの各電極との間に形成される寄生キャパシタを説明するための図である。図5Aはグランドとの容量結合が強い指などの物体1が静電センサ11に近づいた場合を示し、図5Bはグランドとの容量結合が弱い導電性の物体1が静電センサ11に近づいた場合を示す。各図において、「Cfg」は物体1とグランドとの間に形成されるキャパシタを示し、「Cm」は駆動電極Edと検出電極Esとの間に形成されるキャパシタを示し、「Cfd」は駆動電極Edと物体1との間に形成されるキャパシタを示し、「Cfs」は検出電極Esと物体1との間に形成されるキャパシタを示し、「Cbd」は駆動電極Edとグランドとの間に形成されるキャパシタを示し、「Cbs」は検出電極Esとグランドとの間に形成されるキャパシタを示す。
静電容量検出部14は、一定電位に保たれた検出電極Esに供給される電荷Qxに基づいて、駆動電極Edと検出電極Esとの間の静電容量(相互容量)を検出する。この電荷Qxは、主にキャパシタCm、Cfs,Cfd,Cfgの影響を受ける。図5Aの場合、物体1が接地しているとみなせるため、検出電極Esが一定電位とすると、キャパシタCfsの電荷量は殆ど変化しない。従って電荷QxはキャパシタCfs,Cfd,Cfgの影響をあまり受けず、概ねキャパシタCmの静電容量に比例する。図2Bにおいて説明したように、このキャパシタCmの静電容量は、接地とみなせる物体が近接することにより減少する。
一方、図5Bの場合、キャパシタCfgの静電容量が比較的小さいため、物体1の電位が変動する。従って、電荷QxはキャパシタCfs,Cfd,Cfgの影響も受ける。キャパシタCfd,Cfsの静電容量がキャパシタCfgに比べて十分に小さいものとすると、駆動電極Edと検出電極Esとの間の静電容量Cdsは次の式で表される。
Cds=Cm+(Cfs・Cfd)/Cfg …(7)
ただし、「Cm」,「Cfs」,「Cfd」,「Cfg」は、それぞれ同一符号のキャパシタの静電容量を示す。式(7)から分かるように、接地しているとみなせない物体1が近接した場合における駆動電極Edと検出電極Esとの間の静電容量Cdsは、キャパシタCmの静電容量よりも大きくなる。
ただし、「Cm」,「Cfs」,「Cfd」,「Cfg」は、それぞれ同一符号のキャパシタの静電容量を示す。式(7)から分かるように、接地しているとみなせない物体1が近接した場合における駆動電極Edと検出電極Esとの間の静電容量Cdsは、キャパシタCmの静電容量よりも大きくなる。
図6は、静電センサ11の各電極とループアンテナとが容量結合を生じることを説明するための図である。図6AはICカード90に内蔵されたループアンテナATの例を示し、図6Bは検出電極Es及び駆動電極EdとループアンテナATとの間で容量結合が形成される領域の例を示す。
図6Aに示すように、ICカード90の内部には楕円状のループアンテナATが埋め込まれており、ループアンテナATにはICチップ91が接続されている。ICカード90を静電センサ11の操作面に載置すると、図6Bに示すように、ループアンテナATと電極(Es,Ed)とが互いに平行に近い状態で近接する領域(点線で示す領域)が生じる。検出電極Es1,Es2とループアンテナATとが近接する領域には、キャパシタCfs1,Cfs2がそれぞれ形成される。駆動電極Ed1,Ed2とループアンテナATとが近接する領域には、キャパシタCfd1,Cfd2がそれぞれ形成される。これらのキャパシタの静電容量が大きくなると、式(7)の右辺2項目の分子が大きくなるため、静電容量Cdsが大きくなる。従って、2つの検出電極Es1,Es2と2つの駆動電極Ed1,Ed2とが交差する4つの位置において、それぞれ静電容量Cdsが大きくなる。図4の下段に示すように、ループアンテナATの外形に外接する矩形の範囲の四隅において検出データDが大きくなるのは、このような理由による。
本実施形態に係る入力装置では、上述した基準値Bの異常を判定するため、2次元データ33に現れる検出データDのパターンを利用する。図4Bの下段に示す2次元データ33の例において、太い四角で囲った検出データD(3,1)、D(3,13)、D(22,1)及びD(22,13)は、所定のしきい値を超える正の値を持つ。そのため、特定部24は、これらの検出データDを対象データとして特定する。通常、対象データは物体の近接を示すものである。しかしながら、上述した基準値Bの異常が生じている場合、2次元データ33には、対象データに関連した2つの特徴が表れる。
第1の特徴は、対象データが属する行や列において、負の値の検出データDが連続することである。負の値の検出データDは、静電容量値Sが基準値Bより大きいことを示すため、負の値の検出データDが連続することは、基準値Bより大きい静電容量値S(S>B)を持った容量結合部12が連続することを示す。この第1の特徴に該当する検出データDのパターンが「第1パターン」である。
第2の特徴は、対象データが属する行に隣接する行や、対象データが属する列に隣接する列において、ゼロに近い検出データDが連続することである。ゼロに近い検出データDは、静電容量値Sが基準値Bに近似していることを示すため、ゼロに近い検出データDが連続することは、基準値Bに近似する静電容量値S(S≒B)を持った容量結合部12が連続することを示す。この第2の特徴に該当する検出データDのパターンが「第2パターン」である。
判定部25による第1パターン及び第2パターンの判定方法について、図7〜図10を参照して具体的に説明する。
判定部25は、行方向における第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合、対象データが属する2次元データ33の行を対象行として選択する。図4の下段に示す2次元データ33の場合、対象データD(3,1)及びD(22,1)についての対象行は「Y1」であり、対象データD(3,13)及びD(22,13)についての対象行は「Y13」である。
判定部25は、列方向における第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合、対象データが属する2次元データ33の列を対象列として選択する。図4の下段に示す2次元データ33の場合、対象データD(3,1)及びD(3,13)についての対象列は「X3」であり、対象データD(22,1)及びD(22,13)についての対象列は「X22」である。
判定部25は、選択した対象行の各検出データDについて、式(1)〜(3)で表される第1評価値H1を算出する。図7は、第1評価値H1の算出方法について説明するための図である。図7Aは、矢印で示した対象行における1つの検出データD(i,j)とその周囲の検出データDを示し、図7Bはこれらの検出データDに対する演算の内容を示す。図7Bに示すように、判定部25は、対象行において連続する検出データD(i−1,j)、D(i,j)、D(i+1,j)に重み係数として「−1」、「−2」、「−1」を乗じる。また判定部25は、検出データD(i,j)と列方向に隣接する検出データD(i,j−1)、D(i,j+1)を絶対値に変換し、重み係数として「−2」を乗じる。判定部25は、各検出データDに対するこれらの演算結果を足し合わせることにより第1評価値H1を算出する。
判定部25は、選択した対象列の各検出データDについて、式(4)〜(6)で表される第2評価値H2を算出する。図8は、第2評価値H2の算出方法について説明するための図である。図8Aは、矢印で示した対象列における1つの検出データD(i,j)とその周囲の検出データDを示し、図8Bはこれらの検出データDに対する演算の内容を示す。図8Bに示すように、判定部25は、対象列において連続する検出データD(i,j−1)、D(i,j)、D(i,j+1)に重み係数として「−1」、「−2」、「−1」を乗じる。また判定部25は、検出データD(i,j)と行方向に隣接する検出データD(i−1,j)、D(i+1,j)を絶対値に変換し、重み係数として「−2」を乗じる。判定部25は、各検出データDに対するこれらの演算結果を足し合わせることにより第2評価値H2を算出する。
図9は、第1評価値H1の算出結果の例を示す図である。図9Aは、対象行及び隣接行が第1パターン及び第2パターンに当てはまる場合の算出結果を示す。図9B及び図9Cは、隣接行において静電容量値Sと基準値Bとの差が大きい場合の算出結果を示す。図9Dは、対象行において基準値Bより大きい静電容量値Sが連続していない場合の算出結果を示す。これらの算出結果を比較すると、隣接行が第2パターンに当てはまらない図9B及び図9Cの場合や、対象行が第1パターンに当てはまらない図9Dの場合は、図9Aの場合に比べて第1評価値H1が明確に小さくなっている。従って、対象行が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接行が第2パターンに当てはまる「第1条件」を満たしているか否かを、第1評価値H1に基づいて判定可能である。同様に、対象列が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接列が第2パターンに当てはまる「第2条件」を満たしているか否かは、第2評価値H2に基づいて判定可能である。
図10は、図4の下段における2次元データ33の例に基づいて算出された第1評価値H1の系列及び第2評価値H2の系列を示す図である。図10Aは第1評価値H1の系列の算出結果を示し、図10Bは第2評価値H2の系列の算出結果を示す。各図において太い四角で囲ったものは、値が「60」以上の評価値を示している。第1パターン及び第2パターンの特徴が強く表れている位置で、値が「60」以上の評価値が連続している。従って、判定部25は、第1評価値H1の系列において所定のしきい値に達したものが所定数以上連続している場合、「第1条件」を満たしていると判定する。また、判定部25は、第2評価値H2の系列において所定のしきい値に達したものが所定数以上連続している場合、「第2条件」を満たしていると判定する。
次に、本実施形態に係る入力装置の動作について、図11及び図12のフローチャートを参照して説明する。
図11は、2次元データ33の生成と対象データの特定に関する動作の一例を説明するためのフローチャートである。入力装置の処理部20は、図11に示す処理を所定の周期で繰り返し実行する。
センサ制御部21は、センサ部10の駆動部13や静電容量検出部14を制御し、静電センサ11に形成された複数の容量結合部12の静電容量値Sをそれぞれ検出する。2次元データ生成部22は、静電センサ11の各容量結合部12について、検出された静電容量値Sと静電容量の基準値Bとの差(B−S)を示す検出データDを算出し、各容量結合部12の検出データDを要素とする行列形式の2次元データ33を生成する(ST100)。
特定部24は、生成された2次元データ33の中から、容量結合部12に物体が近接したことを示す検出データDを対象データとして特定する(ST105)。
物体が近接したことを示す対象データが特定部24において特定された場合(ST110)、座標演算部26は、特定された対象データに基づいて物体の近接位置の座標を算出する(ST115)。
図12は、基準値Bの更新に関する動作の一例を説明するためのフローチャートである。入力装置の処理部20は、図12に示す処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
基準値更新部23は、特定部24において周期的に特定される対象データや、座標演算部26において算出される物体の近接位置の座標などに基づいて、静電センサ11に対する操作がなされていない無操作状態を監視する。無操作状態は、例えば物体が何も近接していない状態や、近接している物体が移動しない状態である。基準値更新部23は、無操作状態が所定時間以上継続したか否かを判定する(ST200)。
無操作状態が所定時間以上継続した場合(ST200)、基準値更新部23は、特定部24において1以上の対象データが特定されているか否か(静電センサ11に物体が近接しているか否か)を判定する(ST205)。特定部24において対象データが特定されていない場合(静電センサ11に物体が近接していない場合)、基準値更新部23は、基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
1以上の対象データが特定されている場合、判定部25はその中から1つの対象データを選択し(ST210)、選択した対象データが属する対象行の各検出データDについて第1評価値H1を算出する(ST215)。
判定部25は、対象行について算出した第1評価値H1の系列において、所定のしきい値に達する第1評価値H1が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST220)。しきい値に達する第1評価値H1が所定個数以上連続している場合、第1条件を満たすため、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
第1評価値H1の系列においてしきい値に達する第1評価値H1が所定個数以上連続していない場合(ST220)、判定部25は、ステップST210で選択した対象データが属する対象列の各検出データDについて第2評価値H2を算出する(ST225)。
判定部25は、対象列について算出した第2評価値H2の系列において、所定のしきい値に達する第2評価値H2が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST230)。しきい値に達する第2評価値H2が所定個数以上連続している場合、第2条件を満たすため、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
第2評価値H2の系列においてしきい値に達する第2評価値H2が所定個数以上連続していない場合(ST230)、判定部25は、他の対象データがあるならば(ST235)、当該他の対象データについてステップST210以降の処理を繰り返す。特定部24で特定された全ての対象データについてステップST210〜ST230の処理が行われた場合、判定部25は現在の2次元データ33についての判定処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ICカードのループアンテナのようにグランドとの容量結合の弱い導体が1つの駆動電極Edと1つの検出電極Esとに沿って近接した場合、当該1つの駆動電極Edと当該1つの検出電極Esとによって形成される1つの容量結合部12では、静電容量が増大し易くなる。当該1つの容量結合部12において静電容量が増大した状態で当該1つの容量結合部12の基準値Bが更新され、その更新後に導体が静電センサ11から取り除かれると、当該1つの容量結合部12では、更新後の基準値Bに対して静電容量が減少する。この静電容量の減少により、当該1つの容量結合部では、物体が近接したことを示す検出データDが得られる。この検出データDは、対象データとして特定される。また、当該1つの検出電極Esや当該1つの駆動電極Edに形成される他の容量結合部12では、ループアンテナ等の導体が近接することによって静電容量が減少し易くなる。この静電容量の減少状態において他の容量結合部12の基準値Bがそれぞれ更新され、その更新後に導体が静電センサ11から取り除かれると、他の容量結合部12では、更新後の基準値Bに対して静電容量が増大する。従って、対象データが属する2次元データ33の行に基づいて選択された対象行や、対象データが属する2次元データ33の列に基づいて選択された対象列は、基準値Bより大きい静電容量値を持つ容量結合部12が連続していることを示す「第1パターン」に当てはまり易くなる。対象行及び対象列の少なくとも一方が第1パターンに当てはまる場合、ループアンテナ等の導体の近接による基準値Bの異常が生じていた可能性があるため、基準値Bの更新が行われる。そのため、従来の装置のように基準値Bが更新される前の静電容量値Sの情報を用いることなく、2次元データ33の検出データDのパターンに基づいて基準値Bの異常の有無を判定できる。従って、例えば電源をオンする前に近接していたループアンテナ等の導体が電源のオンの後に取り除かれた場合でも、基準値Bの異常を適切に判定して速やかに解消できる。
また、本実施形態によれば、ICカードのループアンテナのような線状の導体が1つの駆動電極Edと1つの検出電極Esとに沿って近接した場合、当該1つの検出電極Esに隣接する検出電極Esの容量結合部12や、当該1つの駆動電極Edに隣接する駆動電極Edの容量結合部12では、基準値Bに対する静電容量値Sの差が小さくなり易い。そのため、対象行に隣接した隣接行や、対象列に隣接した隣接列は、基準値Bに近似する静電容量値Sを持った容量結合部12が連続していることを示す「第2パターン」に当てはまり易くなる。従って、対象行が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接行が第2パターンに当てはまる「第1条件」や、対象列が第1パターンに当てはまり、かつ、隣接列が第2パターンに当てはまる「第2条件」を満たす場合、ループアンテナ等の導体の近接による基準値Bの異常が生じていた可能性がより高くなる。従って、「第1条件」や「第2条件」を満たす場合に基準値Bの更新を行うことで、より適切に基準値Bの異常を解消できる。
更に、本実施形態によれば、対象行について算出した第1評価値H1の系列において、しきい値に達する第1評価値H1が所定個数以上連続するか否かにより「第1条件」を満たすか否かが判定される。また、対象列について算出した第2評価値H2の系列において、しきい値に達する第2評価値H2が所定個数以上連続するか否かにより「第2条件」を満たすか否かが判定される。従って、対象行のパターン判定や対象行のパターン判定において、第1パターン及び第2パターンを1つの評価値(H1、H2)に基づいて判定できるため、判定に関わる演算を簡易化できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部25の処理を変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同様である。以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部25の処理を変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同様である。以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
第2の実施形態に係る入力装置において、判定部25は、対象行及び隣接行について第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合に、対象行の検出データDごとに1つの第1評価値群を算出する。この第1評価値群は、既に説明した対象行評価値H11(式(2))と隣接行評価値H12(式(3))とを含む。すなわち、判定部25は、対象行評価値H11と隣接行評価値H12とを足し合わせて第1評価値H1(式(1))を算出するのではなく、対象行評価値H11と隣接行評価値H12とをそれぞれ独立に算出する。
判定部25は、対象行の各検出データDについて算出した第1評価値群(対象行評価値H11及び隣接行評価値H12)の系列において、所定のしきい値に達する対象行評価値H11と所定のしきい値に達する隣接行評価値H12とを含んだ第1評価値群を特定し、当該特定した第1評価値群が連続する個数を数える。所定のしきい値に達する対象行評価値H11とは、例えば、式(2)において「α<0」かつ「β<0」とした場合に、所定の正のしきい値より大きい対象行評価値H11である。また、所定のしきい値に達する隣接行評価値H12とは、例えば、式(3)において「γ=1」とした場合に、所定の正のしきい値より小さい隣接行評価値H12である。このような対象行評価値H11及び隣接行評価値H12を含む第1評価値群が所定個数以上連続する場合、判定部25は「第1条件」を満たしていると判定する。
また、判定部25は、対象列及び隣接列について第1パターン及び第2パターンの判定を行う場合、対象列の検出データDごとに1つの第2評価値群を算出する。この第2評価値群は、既に説明した対象列評価値H21(式(5))と隣接行評価値H22(式(6))とを含む。すなわち、判定部25は、対象列評価値H21と隣接列評価値H22とを足し合わせて第2評価値H2(式(4))を算出するのではなく、対象列評価値H21と隣接列評価値H22とをそれぞれ独立に算出する。
判定部25は、対象列の各検出データDについて算出した第2評価値群(対象列評価値H21及び隣接列評価値H22)の系列において、所定のしきい値に達する対象列評価値H21と所定のしきい値に達する隣接列評価値H22とを含んだ第2評価値群を特定し、当該特定した第2評価値群が連続する個数を数える。所定のしきい値に達する対象列評価値H21とは、例えば、式(5)において「ν<0」かつ「η<0」とした場合に、所定の正のしきい値より大きい対象列評価値H21である。また、所定のしきい値に達する隣接列評価値H22とは、例えば、式(6)において「κ=1」とした場合に、所定の正のしきい値より小さい隣接列評価値H22である。このような対象列評価値H21及び隣接列評価値H22を含む第2評価値群が所定個数以上連続する場合、判定部25は「第2条件」を満たしていると判定する。
図13は、行方向の判定に用いられる第1評価値群(対象行評価値H11、隣接行評価値H12)の算出方法を説明するための図である。図13Aは、矢印で示した対象行における1つの検出データD(i,j)とその周囲の検出データDを示す。図13Bは対象行評価値H11を算出する場合の各検出データDに対する演算の内容を示し、図13Cは隣接行評価値H12を算出する場合の各検出データDに対する演算の内容を示す。図13Bに示すように、判定部25は、対象行において連続する検出データD(i−1,j)、D(i,j)、D(i+1,j)に重み係数として「−1」、「−2」、「−1」を乗じ、これらの演算結果を足し合わせることにより対象行評価値H11を算出する。また判定部25は、検出データD(i,j)と列方向に隣接する検出データD(i,j−1)、D(i,j+1)をそれぞれ絶対値に変換して足し合わせることにより、隣接行評価値H12を算出する。
図14は、列方向の判定に用いられる第2評価値群(対象列評価値H21、隣接列評価値H22)の算出方法を説明するための図である。図14Aは、矢印で示した対象列における1つの検出データD(i,j)とその周囲の検出データDを示す。図14Bは対象列評価値H21を算出する場合の各検出データDに対する演算の内容を示し、図14Cは隣接列評価値H22を算出する場合の各検出データDに対する演算の内容を示す。図14Bに示すように、判定部25は、対象列において連続する検出データD(i,j−1)、D(i,j)、D(i,j+1)に重み係数として「−1」、「−2」、「−1」を乗じ、これらの演算結果を足し合わせることにより対象列評価値H21を算出する。また判定部25は、検出データD(i,j)と行方向に隣接する検出データD(i−1,j)、D(i+1,j)をそれぞれ絶対値に変換して足し合わせることにより、隣接列評価値H22を算出する。
図15は、第2の実施形態における基準値Bの更新に関する動作の一例を説明するためのフローチャートである。図15に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートにおけるステップST215〜ST230をステップST215A〜ST230Aに変更したものであり、他のステップは図12に示すフローチャートと同じである。以下、図12に示すフローチャートとの相違点のみ説明する。
判定部25は、ステップST210において1つの対象データを選択すると、この選択した対象データが属する対象行の各検出データDについて、第1評価値群(対象行評価値H11及び隣接行評価値H12)を算出する(ST215A)。判定部25は、算出した第1評価値群の系列において、対象行評価値H11及び隣接行評価値H12がそれぞれ所定のしきい値に達している第1評価値群を特定し、当該特定した第1評価値群が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST220A)。当該特定した第1評価値群が所定個数以上連続している場合、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
第1評価値群の系列においてしきい値に達する評価値(H11,H12)を含んだ第1評価値群が所定個数以上連続していない場合(ST220A)、判定部25は、ステップST210において選択した対象データが属する対象列の各検出データDについて、第2評価値群(対象列評価値H21及び隣接列評価値H22)を算出する(ST225A)。判定部25は、算出した第2評価値群の系列において、対象列評価値H21及び隣接列評価値H22がそれぞれ所定のしきい値に達している第2評価値群を特定し、当該特定した第2評価値群が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST230A)。当該特定した第2評価値群が所定個数以上連続している場合、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
第2評価値群の系列においてしきい値に達する評価値(H21,H22)を含んだ第2評価値群が所定個数以上連続していない場合(ST230A)、判定部25は、他の対象データがあるならば(ST235)、当該他の対象データについてステップST210以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、対象行及び対象列について算出した第1評価値群の系列において、所定のしきい値に達する対象行評価値H11と所定のしきい値に達する隣接行評価値H12とを含んだ第1評価値群が所定個数以上連続するか否かにより、「第1条件」を満たすか否かが判定される。また、対象列及び隣接列について算出した第2評価値群の系列において、所定のしきい値に達する対象列評価値H21と所定のしきい値に達する隣接列評価値H22とを含んだ第2評価値群が所定個数以上連続するか否かにより、「第2条件」を満たすか否かが判定される。従って、対象行や対象列が第1パターンに当てはまることと、隣接行や隣接列が第2パターンに当てはまることとを、それぞれ独立の評価値に基づいて正確に判定できる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部25の処理を変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同様である、以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部25の処理を変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同様である、以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
第3の実施形態に係る入力装置において、判定部25は、対象行について第1パターンの判定を行う場合、対象行の検出データDごとに1つの対象行評価値H11(式(2))を算出する。すなわち、本実施形態における判定部25は、対象行評価値H11と隣接行評価値H12とを足し合わせて第1評価値H1(式(1))を算出するのではなく、第1評価値H1より簡易な対象行評価値H11を算出する。
判定部25は、対象行について算出した対象行評価値H11の系列において、所定のしきい値に達する対象行評価値H11が所定個数以上連続するか否かを判定する。所定のしきい値に達する対象行評価値H11とは、例えば、式(2)において「α<0」かつ「β<0」とした場合に、所定の正のしきい値より大きい対象行評価値H11である。所定のしきい値に達する対象行評価値H11が所定個数以上連続する場合、判定部25は、対象行が第1パターンに当てはまると判定する。
また、判定部25は、対象列について第2パターンの判定を行う場合、対象列の検出データDごとに1つの対象列評価値H21(式(5))を算出する。すなわち、本実施形態における判定部25は、対象列評価値H21と隣接列評価値H22とを足し合わせて第2評価値H2(式(4))を算出するのではなく、第2評価値H2より簡易な対象列評価値H21を算出する。
判定部25は、対象列について算出した対象列評価値H21の系列において、所定のしきい値に達する対象列評価値H21が所定個数以上連続するか否かを判定する。所定のしきい値に達する対象列評価値H21とは、例えば、式(5)において「ν<0」かつ「η<0」とした場合に、所定の正のしきい値より大きい対象列評価値H21である。所定のしきい値に達する対象列評価値H21が所定個数以上連続する場合、判定部25は、対象列が第1パターンに当てはまると判定する。
図16は、第3の実施形態における基準値Bの更新に関する動作の一例を説明するためのフローチャートである。図16に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートにおけるステップST215〜ST230をステップST215B〜ST230Bに変更したものであり、他のステップは図12に示すフローチャートと同じである。以下、図12に示すフローチャートとの相違点のみ説明する。
判定部25は、ステップST210において1つの対象データを選択すると、この選択した対象データが属する対象行の各検出データDについて、対象行評価値H11を算出する(ST215B)。判定部25は、算出した対象行評価値H11の系列において、所定のしきい値に達している対象行評価値H11が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST220B)。所定のしきい値に達している対象行評価値H11が所定個数以上連続している場合、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
対象行評価値H11の系列において所定のしきい値に達する対象行評価値H11が所定個数以上連続していない場合(ST220B)、判定部25は、ステップST210において選択した対象データが属する対象列の各検出データDについて、対象列評価値H21を算出する(ST225B)。判定部25は、算出した対象列評価値H21の系列において、所定のしきい値に達している対象列評価値H21が所定個数以上連続しているか否かを判定する(ST230B)。所定のしきい値に達している対象列評価値H21が所定個数以上連続している場合、基準値更新部23は基準値Bの更新処理を実行する(ST240)。
対象列評価値H21の系列においてしきい値に達する対象列評価値H21が所定個数以上連続していない場合(ST230B)、判定部25は、他の対象データがある場合には(ST235)、他の対象データについてステップST210以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、対象行について算出した対象行評価値H11の系列において、所定のしきい値に達する対象行評価値H11が所定個数以上連続するか否かにより、対象行が第1パターンに当てはまるか否かが判定される。また、対象列について算出した対象列評価値H21の系列において、所定のしきい値に達する対象列評価値H21が所定個数以上連続するか否かにより、対象列が第1パターンに当てはまるか否かが判定される。従って、対象行や対象列が第1パターンに当てはまることを簡易な演算で判定できる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る入力装置は、上述した第1〜第3の実施形態に係る入力装置の判定部25において、対象行及び対象列の選択の方法を変更したものであり、他の構成は第1〜第3の実施形態に係る入力装置と同様である、以下では、これらの実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る入力装置は、上述した第1〜第3の実施形態に係る入力装置の判定部25において、対象行及び対象列の選択の方法を変更したものであり、他の構成は第1〜第3の実施形態に係る入力装置と同様である、以下では、これらの実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
上述した各実施形態における判定部25は、対象データが属する行を対象行として選択し、対象データが属する列を対象列として選択する。一方、本実施形態における判定部25は、対象データが属する行を含む複数の隣接する行の中から対象行を選択し、対象データが属する列を含む複数の隣接する列の中から対象列を選択する。
すなわち判定部25は、対象行について第1パターンの判定を行う場合、対象データが属する2次元データ33の行を含む複数の隣接する行の中から、静電容量値Sが相対的に大きいことを示す1つの検出データDを列ごとに選択し、当該選択した検出データDの系列を対象行として第1パターンの判定を行う。
また判定部25は、対象列について第1パターンの判定を行う場合、対象データが属する2次元データ33の列を含む複数の隣接する列の中から、静電容量値Sが相対的に大きいことを示す1つの検出データDを行ごとに選択し、当該選択した検出データDの系列を対象列として第1パターンの判定を行う。
図17は、第4の実施形態における対象行の選択方法を説明するための図である。図17において、太い四角で囲んだ検出データD(1,12)が対象データであり、丸で囲んだ検出データDの系列が対象行である。判定部25は、検出データD(1,12)が属する行Y12と、これに隣接する行Y11及びY13とからなる範囲において、対象行の各検出データDを選択する。すなわち、判定部25は、行Y11〜Y13の範囲において列ごとに最も値が小さい検出データD(静電容量値Sが相対的に大きい検出データD)を、対象行の検出データDとして選択する。例えば列X4において、行Y11〜Y13の範囲における検出データD(4,11)、D(4,12)、D(4,13)の値はそれぞれ「−14」、「−1」、「12」である。判定部25は、これらの中で最も値が小さい検出データD(4,11)を対象行の検出データとして選択する。
ICカードのループアンテナのような線状の導体が1つの検出電極Esとこれに隣接する検出電極Esに沿って近接した場合(検出電極Esに対してやや傾いた状態で近接した場合など)、対象データが属する行だけではなく、これに隣接する行においても、基準値Bより大きい静電容量値Sを持つ容量結合部12が連続していることを示す第1パターンが現れ易くなる。このような場合でも、本実施系形態によれば、対象データが属する行を含む複数の隣接する行の中から、静電容量値Sが相対的に大きいことを示す1つの検出データDを列ごとに選択することにより、当該選択した検出データDの系列は第1パターンに当てはまり易くなる。従って、この検出データDの系列を対象行として第1パターンの判定を行うことにより、線状の導体の近接による基準値Bの異常を適切に判定できる。また、本実施形態によれば、対象列についても対象行と同様に、複数の隣接する列の中から選択するため、線状の導体が1つの駆動電極Edとこれに隣接する駆動電極Edに沿って近接する場合の基準値Bの異常を適切に判定できる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
上述した第1〜第3の実施形態では、1つの対象データに関する行方向の「第1条件」及び列方向の「第2条件」の少なくとも一方を満たす場合に基準値が更新されるが、本発明の他の実施形態では、「第1条件」及び「第2条件」の両方を満たす場合に基準値が更新されてもよい。
上述した各実施形態における第1評価値H1(対象行評価値H11及び隣接行評価値H12)の算出方法や第2評価値H2(対象列評価値H21及び隣接列評価値H22)の算出方法は一例であり、本発明はこの例に限定されない。各評価値の算出に使用する検出データや重み係数は、基準値の異常の状態等に応じて任意に設定してよい。
なお、上記した入力装置は、プログラムを記憶したメモリーと、該メモリーに接続され、該メモリーに記憶されたプログラムを実行するプロセッサーによって実現されてもよい。
本出願は2017年3月15日に出願した日本国特許出願第2017−049586号に基づくものであり、その全内容は参照することによりここに組み込まれる。
10…センサ部、11…静電センサ、12…容量結合部、13…駆動部、14…静電容量検出部、20…処理部、21…センサ制御部、22…2次元データ生成部、23…基準値更新部、24…特定部、25…判定部、26…座標演算部、30…記憶部、31…基準値行列、32…静電容量値行列、33…2次元データ、40…インターフェース部、90…ICカード、91…ICチップ、Ed…駆動電極、Es…検出電極、AT…ループアンテナ、PRG…プログラム、D…検出データ、S…静電容量値、B…基準値、H1…第1評価値、H2…第2評価値、H11…対象行評価値、H12…隣接行評価値、H21…対象列評価値、H22…隣接列評価値
Claims (9)
- 物体の近接に伴う静電容量の変化に応じた情報を入力する入力装置であって、
駆動電圧が印加される複数の駆動電極と、複数の検出電極とを含み、前記複数の検出電極と前記複数の駆動電極との間に複数の容量結合部が形成されたセンサ部と、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極との間に形成される複数の前記容量結合部の静電容量を検出する静電容量検出部と、
前記静電容量検出部において検出された1つの前記容量結合部の静電容量値と当該1つの容量結合部について設定された静電容量の基準値との差を示す1つの検出データを、前記複数の容量結合部の各々について算出し、各行が1つの前記検出電極における複数の前記容量結合部に対応するとともに、各列が1つの前記駆動電極における複数の前記容量結合部に対応し、前記容量結合部の配置と対応するように前記検出データが配列された2次元データを生成する2次元データ生成部と、
前記静電容量検出部において検出された前記複数の容量結合部の前記静電容量値に基づいて、前記複数の容量結合部の前記基準値を更新する基準値更新部と、
前記2次元データ生成部により生成された前記2次元データの中から、前記容量結合部に物体が近接したことを示す前記検出データを対象データとして特定する特定部と、
前記対象データが属する前記2次元データの行に基づいて選択した対象行、及び、前記対象データが属する前記2次元データの列に基づいて選択した対象列の少なくとも一方について、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す第1パターンに当てはまるか否かを判定する判定部とを有し、
前記基準値更新部は、前記対象行及び前記対象列の少なくとも一方若しくは両方が前記第1パターンに当てはまると判定された場合、前記基準値の更新を行う、
入力装置。 - 前記判定部は、
前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象行に隣接する少なくとも1つの隣接行について、前記基準値に近似する前記静電容量値を持った前記容量結合部が連続していることを示す第2パターンに当てはまるか否かの判定を行い、
前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象列に隣接する少なくとも1つの隣接列について、前記第2パターンに当てはまるか否かの判定を行い、
前記基準値更新部は、前記対象行が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまる第1条件と、前記対象列が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまる第2条件との少なくとも一方若しくは両方を満たす場合に、前記基準値の更新を行う、
請求項1に記載の入力装置。 - 前記判定部は、
前記対象行及び前記隣接行について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに1つの第1評価値を算出し、
前記対象行の1つの前記検出データについて1つの前記第1評価値を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データと、当該1つの検出データに列方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データとに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合い、及び、前記隣接行の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いの両方を表す前記第1評価値を算出し、
前記対象行について算出した前記第1評価値の系列において、しきい値に達する前記第1評価値が連続するならば、前記第1条件を満たすと判定し、
前記判定部は、
前記対象列及び前記隣接列について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに1つの第2評価値を算出し、
前記対象列の1つの前記検出データについて1つの前記第2評価値を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データと、当該1つの検出データに行方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データとに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合い、及び、前記隣接列の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いの両方を表す前記第2評価値を算出し、
前記対象列について算出した前記第2評価値の系列において、しきい値に達する前記第2評価値が連続するならば、前記第2条件を満たすと判定する、
請求項2に記載の入力装置。 - 前記判定部は、
前記対象行及び前記隣接行について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに、対象行評価値及び隣接行評価値を含んだ1つの第1評価値群を算出し、
前記対象行における1つの前記検出データについて1つの前記第1評価値群を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象行評価値を算出するとともに、当該1つの検出データに列方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データに基づいて、前記隣接行の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いを表す前記隣接行評価値を算出し、
前記対象行について算出した前記第1評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値としきい値に達する前記隣接行評価値とを含んだ前記第1評価値群が連続するならば、前記第1条件を満たすと判定し、
前記判定部は、
前記対象列及び前記隣接列について前記第1パターン及び前記第2パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに、対象列評価値及び隣接列評価値を含んだ1つの第2評価値群を算出し、
前記対象列における1つの前記検出データについて1つの前記第2評価値群を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象列評価値を算出するとともに、当該1つの検出データに行方向で隣接する少なくとも1つの前記検出データに基づいて、前記隣接列の前記静電容量値が前記基準値に近似する度合いを表す前記隣接列評価値を算出し、
前記対象列について算出した前記第2評価値群の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値としきい値に達する前記隣接列評価値とを含んだ前記第2評価値群が連続するならば、前記第2条件を満たすと判定する、
請求項2に記載の入力装置。 - 前記判定部は、
前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象行の前記検出データごとに1つの対象行評価値を算出し、
前記対象行における1つの前記検出データについて1つの前記対象行評価値を算出する場合、前記対象行の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象行の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象行評価値を算出し、
前記対象行について算出した前記対象行評価値の系列において、しきい値に達する前記対象行評価値が連続するならば、前記対象行が第1パターンに当てはまると判定し、
前記判定部は、
前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象列の前記検出データごとに1つの対象列評価値を算出し、
前記対象列における1つの前記検出データについて1つの前記対象列評価値を算出する場合、前記対象列の中で当該1つの検出データを含んだ一連の前記検出データに基づいて、前記対象列の前記静電容量値が前記基準値を超過する度合いを表す前記対象列評価値を算出し、
前記対象列について算出した前記対象列評価値の系列において、しきい値に達する前記対象列評価値が連続するならば、前記対象列が第1パターンに当てはまると判定する、
請求項1に記載の入力装置。 - 前記判定部は、
前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象データが属する前記2次元データの行を含む複数の隣接する行の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを列ごとに選択し、当該選択した検出データの系列を前記対象行として前記第1パターンの判定を行い、
前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合、前記対象データが属する前記2次元データの列を含む複数の隣接する列の中から、前記静電容量値が相対的に大きいことを示す1つの前記検出データを行ごとに選択し、当該選択した検出データの系列を前記対象列として前記第1パターンの判定を行う、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の入力装置。 - 物体の近接に伴う静電容量の変化に応じた情報を入力する入力装置の制御方法であって、
前記入力装置は、
駆動電圧が印加される複数の駆動電極と、複数の検出電極とを含み、前記複数の検出電極と前記複数の駆動電極との間に複数の容量結合部が形成されたセンサ部と、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極との間に形成される複数の前記容量結合部の静電容量を検出する静電容量検出部とを含み、
前記静電容量検出部において検出された1つの前記容量結合部の静電容量値と当該1つの容量結合部について設定された静電容量の基準値との差を示す1つの検出データを、前記複数の容量結合部の各々について算出し、各行が1つの前記検出電極における複数の前記検出データに対応するとともに、各列が1つの前記駆動電極における複数の前記検出データに対応した2次元データを生成することと、
前記静電容量検出部において検出された前記複数の容量結合部の前記静電容量値に基づいて、前記複数の容量結合部の前記基準値を更新することと、
生成された前記2次元データの中から、前記容量結合部に物体が近接したことを示す前記検出データを対象データとして特定することと、
前記対象データが属する前記2次元データの行に基づいて選択した対象行、及び、前記対象データが属する前記2次元データの列に基づいて選択した対象列の少なくとも一方について、前記基準値より大きい前記静電容量値を持つ前記容量結合部が連続していることを示す第1パターンに当てはまるか否かを判定することとを有し、
前記基準値を更新することは、前記対象行及び前記対象列の少なくとも一方若しくは両方が前記第1パターンに当てはまると判定された場合に前記基準値の更新を行うことを含む、
入力装置の制御方法。 - 前記対象行について前記第1パターンの判定を行う場合に、前記対象行に隣接する少なくとも1つの隣接行について、前記基準値に近似する前記静電容量値を持った前記容量結合部が連続していることを示す第2パターンに当てはまるか否かを判定することと、
前記対象列について前記第1パターンの判定を行う場合に、前記対象列に隣接する少なくとも1つの隣接列について、前記第2パターンに当てはまるか否かを判定することとを有し、
前記基準値を更新することは、前記対象行が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接行が前記第2パターンに当てはまる第1条件と、前記対象列が前記第1パターンに当てはまり、かつ、前記隣接列が前記第2パターンに当てはまる第2条件との少なくとも一方若しくは両方を満たす場合に前記基準値の更新を行うことを含む、
請求項7に記載の入力装置の制御方法。 - 請求項7又は8に記載の入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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