JP6704753B2 - 回転機械の回転異常を検出する方法及びその方法を実現する回転機械 - Google Patents

回転機械の回転異常を検出する方法及びその方法を実現する回転機械 Download PDF

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Description

本発明は、小型の遠心分離機等の回転機械の回転異常を検出する方法及びその方法を実現する装置に関する。
遠心分離機、洗濯機等の回転機械は、試験管等を載置するロータ或いは被洗濯物を収納する回転ドラム等である回転体を含む。そして、上記回転体を回転駆動するモータと、上記モータと上記回転体を連結する回転軸とを備える。そしてその回転軸は、通常は軸受けで支承されている。これらの回転機械の回転体の質量分布は、そこに載置される各試験管の重量が均一でないため、或いは被洗濯物の形状や質量分布に不均一であるため、質量分布が回転軸の回りで極端に回転対称から外れると、これが原因で回転軸が異常振動を起こすことがある。異常振動が起こると、最終的には、機械的或いは電気的損傷が起こり、機械が壊れることもある。
回転機械の回転軸の回転異常を診断するために、特許文献1(特開2009−243908号公報)は、非回転部の動的ひずみをひずみゲージで検出することを提案している。
特許文献2(特開2000−074794号公報)は、ケーシングの内部で回転するランナーとガイドベーンを有する水力機械の回転異常を検出するために、ガイドベーンの振動をひずみゲージで検出することを提案している。
特許文献3(特開平06−129955号公報)は、回転機械の回転の健全性を評価するため、例えば、圧電型加速度計からなるセンサーを、ポンプなどの回転機械の軸受部に代表される振動測定部に、マグネット等で取り付け、センサーからの入力信号を、高周波抽出部と低周波抽出部に分岐して解析することを提案している。
上記特許文献1、2、3 の教示は有効であるとしても、小型遠心分離機等の比較的安価な回転機械において実施するためには、材料原価、センサーの占有空間の大きさ、取り付け工数の観点などから、コストアップの原因となり、採用が困難な場合がある。
誘導電動機は一般に、起動時に500%程度の過電流が流れる。このときモータが過負荷になり、過電流が許容時間以上流れるとモータは焼けてしまう。したがって、過電流が流れると、これを検出して電流を遮断しなければならない。しかし定格値を超えるとすぐにモータの過電流防止機構がはたらくと、モータを起動するとすぐ遮断することなり、モータの運転ができない。このため、過負荷要素の電流要素は定格値以下で動作させ、限界値を設定し、この限界値を超えると停止するよう定める。この限界値は定格値の125〜150%程度に設定するのが一般的である。
モータは過電流が流れてもすぐに焼けるわけではなく、ある程度の時間の過電流は許される。このため、過電流がモータに流れている電流が限界値を超えているかどうかを検出しても即座に電流を遮断せず、限界値を超える過電流が流れても所定の時間は耐えられるようにモータを設計或いは選択することが行われている。そしてこの所定の時間を超えて過電流が流れると、初めてモータへの電流を遮断することが行われている。過電流の大きさが大きいときモータが昇温する時間も短いので、過電流の大きさに応じてその所定時間の長さを変えることも行われている。
特開2009−243908号公報 特開2000−074794号公報 特開平06−129955号公報
モータ駆動回路の設計においては、構成部品として余裕のある定格値を持つものを選択し、また回路設計を行っている。すなわち、モータの始動時の突入電流が流れても構成部品が破損することがないように設計されている。
しかし、なんらかの原因によって、設計時に想定した突入電流より大きな過大電流が流れると、構成電子部品が破損したり、或いは発熱によって破損したりすることがある。これを防止するために、モータ駆動電流を検出し、その電流値が所定の基準値(第1の基準値)を超えているか否かを判定する過電流検出手段を設け、その基準値を超える時、モータを停止させるようにされている。
回転機械のモータの始動に成功しても、回転系の質量分布の不均一性等に起因して、その後に回転軸の異常振動が起こることがある。異常振動が一旦発生すると、急速に成長し、回転機械のロータ、回転軸、回転軸の軸受け或いはモータを損傷し、回転機械が破壊されてしまう。これ故、異常振動が発生すると手動で、または自動でモータの駆動電流を遮断する。
モータが停止してもその原因が分からないと、再び電源を投入し、また異常振動を起こすことを繰り返しがちである。モータが停止したときに、異常振動の程度が表示されれば、それに対応する原因を想到できる可能性がある。例えば、ロータ上に載置される試験管の配置を変え、できるだけ回転軸の回りに点対象とすることにより問題を解決することが示唆され得る。
そこで、本発明の第1の課題は、小型遠心分離機のような内部空間が狭く、かつ商品価格が比較的安価な回転機械においても実施できる、回転異常の検出方法を提案することであり、第2の課題は、その方法を実施できる回転機械を提案することである。
上述した第1の課題は、請求項1に記載された回転機械の回転異常を検出する方法により解決された。
具体的には、回転体と、上記回転体を回転駆動するモータと、上記モータと上記回転体を連結する回転軸とを備える回転機械の回転異常を検出する方法において、上記モータを流れる駆動電流を検出する電流検出過程と、上記電流検出過程の出力を入力とし所定の時定数を有するCR回路で上記駆動電流を遅延させて出力する遅延過程と、上記回転機械が正常な状態における上記CR回路の出力の定常値A0より大きい第1の基準値R1と上記CR回路の出力Aを比較し、モータの過電流発生を監視する第1の比較過程と、上記第1の基準値R1より大きく、上記回転機械の異常振動が激しく過電流の程度が大きい場合の上記CR回路の出力より小さい第2の基準値R2と上記CR回路の出力Aを比較し、回転機械の異常振動発生を監視する第2の比較過程と、上記第1の基準値R1より小さく、上記定常値A0より大きい第3の基準値R3と上記CR回路の出力Aを比較し、上記回転体の質量の偏在を検出する第3の比較過程と、上記第1、第2、第3の比較過程の出力に基づいて、上記回転機械の異常振動発生と上記モータの過電流発生と上記回転体の質量の偏在を検出する判定過程を含むことを特徴とする、回転機械の回転異常を検出する方法によって解決された。
そして、この発明の好ましい実施形態は、請求項2に記載されている。
また、上述した第2の課題は、請求項3に記載された回転異常を検出することができる回転機械により解決された。
具体的には、回転体と、上記回転体を回転駆動するモータと、上記モータと上記回転体を連結する回転軸とを備える回転機械において、上記モータを流れる駆動電流を検出する電流検出回路と、上記電流検出過程の出力を入力とし所定の時定数を有するCR回路で上記駆動電流を遅延させて出力する遅延回路と、上記回転機械が正常な状態における上記CR回路の出力の定常値A0より大きい第1の基準値R1と上記CR回路の出力Aを比較し、モータの過電流発生を監視する第1の比較回路と、上記第1の基準値R1より大きく、上記回転機械の異常振動が激しく過電流の程度が大きい場合の上記CR回路の出力より小さい第2の基準値R2と上記CR回路の出力Aを比較し、回転機械の異常振動発生を監視する第2の比較回路と、上記第1の基準値R1より小さく、上記定常値A0より大きい第3の基準値R3と上記CR回路の出力Aを比較し、上記回転体の質量の偏在を検出する第3の比較回路と、上記第1、第2、第3の比較回路の出力に基づいて、上記回転機械の異常振動発生と上記モータの過電流発生と上記回転体の質量の偏在を検出する判定回路を含むことを特徴とする、回転異常を検出することができる回転機械によって解決された。
そして、この発明の好ましい実施形態は、請求項4に記載されている。
本発明に係る回転機械の回転異常を検出する方法と回転異常を検出することができる回転機械は、回転異常の程度を検出し、それを表示することを可能にする。その回転異常の原因を示唆することにより、回転異常を繰り返すことなく、その回転異常の原因に対処することを可能にする。
請求項1と請求項4の発明は、第2の基準値と比較することにより、異常回転を検出することができる。
請求項2と請求項5の発明は、異常振動の程度を表示する表示装置を含むので、その表示された異常の程度により、異常振動に対する的確な対策を想到させたり示唆したりすることができる。
請求項3と請求項6の発明は、回転機械が遠心分離機であるとき、その回転異常を検出することができる。その結果、例えばロータに載置されている試験管の質量分布を改善するなどして、回転異常に速やかに対処でき、遠心分離機の故障を未然に防止できる。
本発明の一つの実施形態としての遠心分離機の回転軸を通る立面断面図である。 図1の遠心分離機のロータの平面図である。 本発明の一つの実施形態である回転機械のモータ駆動回路の概念的な回路図である ロータに載置されたロータの荷重の偏在がモータ駆動電流の値とCR回路の出力に及ぼす影響を概念的に示す図である。
以下、上記した本発明に係る回転機械の好適な実施の形態を、遠心分離機を例に挙げて詳細に説明するが、本発明は、何らこの実施の形態に限定されるものではなく、例えば電気洗濯機等の回転機械にも適用できる。
図1は、本発明の一つの実施形態としての遠心分離機の回転軸を通る立面断面図である。図示したように、モータ1の回転軸1aは鉛直方向に配置され、モータ1は、その下部においては支持台2に軸承され、上部においてはカバー3に軸承されている。回転軸1aの上端にはロータ4が固定されている。
図2は、図1の遠心分離機のロータ4の平面図である。ロータ4には、試験管などを挿入するための挿通穴4aが複数箇所(図示の実施の形態では8ケ箇所)設けられている。遠心分離機の原理及び一般的構造は広く知られているので、この明細書では遠心分離機自体の詳しい説明は省略する。
正しい遠心分離機の使用方法では、このロータの挿通穴4aに試験管を挿入する際、ロータ4の質量分布が偏在せず、回転軸1aの回りで点対称となるように配置しなければならない。点対称に配置されていないと、モータ1を駆動したときに、遠心力によって回転軸1aがたわみ、回転軸1aが軸受け等と不均一に接触したりして、異常振動が起こることがある。
これを防止するために、ロータ4の質量分布をできるだけ均一にするように、複数の試験管をロータ4に配置するのが普通であるが、不注意により、或いは他の理由によりロータに載置された試験管等の質量分布が偏在し、中心軸を中心とする点対称から大きく外れていると、回転軸1aが撓み、撓みが遠心力によって増大し、いわゆる異常振動が発生してしまう。
ロータ4に載置された試験管の質量分布の偏在の問題で回転軸1aの異常振動が発生する場合、その質量分布の偏在の程度によって異常振動の大きさも異なり、その結果、過電流の程度も異なる。本発明は、この過電流の程度から質量分布の偏在を検出する。なお、異常振動の発生原因はロータの質量分布の問題以外の理由、例えば軸受け不良等によっても発生する。
図3は、本発明の一つの実施形態である回転機械のモータ駆動回路の概念的な回路図である。モータ駆動回路Dの出力に応じて、モータ駆動電流制御素子FETを流れる電流が制御される。モータ駆動電流制御素子FETと、モータMと、抵抗体からなるモータ駆動電流検出回路Zが直列に接続されている。モータ駆動電流検出回路Zの出力は、必要に応じてモータ駆動回路Dにフィードバックされることがある。
モータ駆動電流検出回路Zの出力は、CR回路からなる遅延回路に入力され、CR回路の時定数程度の時間で平均化された電流値を出力する。
この実施形態においては、CR回路の出力の正常な定常値A0の150%程度の値を第1の基準値R1として設定した(故に、A0<R1)。第1の比較回路C1で、基準値R1とCR回路の出力を比較する。なお、CR回路の時定数Tは、モータ始動時過電流が減衰する時定数T0と同じ程度に設定する。
この実施形態では、さらに、過電流の程度を判別するために、第2の比較回路C2と、第3の比較回路C3が設けられている。第2の比較回路C2は、第2の基準値R2とCR回路の出力を比較し、第3の比較回路C3は、第3の基準値R3と上記CR回路の出力とを比較する。第2の基準値R2は、第1の基準値R1より大であるように設定されている(R1<R2)。定常状態におけるCR回路の正常な定常出力をA0とする時、第3の基準値R3は、A0と同じまたはそれより少しだけ大であるように設定されている(A0<R3<R1)。
結局、A0<R3<R1<R2の不等式が成り立つ。
この明細書では、全ての比較回路C1,C2,C3は、その比較回路で判定される入力値がその比較回路の基準値より小さいとき、「L」という出力を出し、その基準値より大きいとき、「H」という出力を出すものとする。
このように設定されている時、モータの始動時に時定数T0程度の時間だけ過電流が流れるが、回転機械が正常であれば、その後は定常状態となる。CR回路の出力Aは定常状態では第1の基準値R1を越えず(A<R1)、かつ、A=A0<R3なので何も起こらない。すなわち、全ての比較回路C1,C2,C3の出力は、「L」である。
異常振動が激しく過電流の程度が大きい場合、CR回路の出力は急速に増大し、第2の基準値R2をも越えて、第2の比較回路C2は「H」を出力する。すなわち、全ての比較回路C1,C2,C3が、「H」を出力する。
異常振動のイベントが発生してもその程度が弱く、したがって過電流の程度が弱い場合、CR回路の出力値は第2の基準値R2を越えないことが起こる。この場合、第2の比較回路C2は「L」を出力する。すなわち、第2の比較回路C2だけが「L」を出力し、他の比較回路は「H」を出力する。
なお、例えば、ロータが何かに引っかかり、モータの回転軸が回転できない時などには、第1の比較回路C1の出力が時定数Tより長い期間にわたって、かつ第1の基準値R1を超える過電流が流れるようなイベントが起こる。このように、異常振動が起こらない場合でも、第1の比較回路C1は過電流発生に対応する信号「H」を発生する。この場合第2の比較回路C2が「H」になるか「L」になるかは、ケースバイケースである。第2の比較回路C2の出力が「L」で、第1の比較回路C1の出力が「H」の場合は、その原因については曖昧性が残ることは否めないが、警告としての意味がある。
質量の偏在が僅かである場合、異常振動は発生しないが、やはり偏在があるのでモータの負荷は大きく、モータ駆動電流は正常な定常状態の時より大きい。CR回路の出力の定常値も正常時よりは大きいので、これを第3の基準値R3と第3の比較回路C3で比較して検出できる。この場合、第3の比較回路C3のみが「H」を出力する。
判定回路Jは、第1と第2と第3の比較回路C1,C2,C3の出力の組み合わせに基づいて、回転軸の異常振動の発生を判定する。すなわち、全ての比較回路の出力が「L」である場合は、正常状態であり、異常振動は発生していないと判断する。逆に全ての比較回路が「H」を出力しているときは、程度の大きい異常振動が発生しているか、それに相当する過電流が発生していると判断する。第2の比較回路だけが「L」を出力し、他の比較回路が「H」を出力するときは、中程度の異常振動が発生しているか、またはそれに相当する過電流が発生していると判断する。第3の比較回路C3だけが「H」を出力し、他の比較回路は「L」を出力するときは、基準値を越えるほどの過電流は流れないが、少し異常が起こっていると判断できる。
判定回路Jの出力に応じて、電源を即座に遮断したり、CR回路の出力を高い電圧に所定期間だけ引き上げて電源のオンオフが急速に起こることを繰り返すことを防止したり、表示装置Pの対応するLEDを点灯したり、表示装置Pとしての文字情報表示装置に異常振動の程度や対処策を表示したりする。
要求される条件によっては、第2の比較回路C2を異なる複数の基準値と比較する回路とすることもできる。また第3の比較回路C3を省略することもできる。
図4は、ロータ4に載置されたロータの荷重の偏在がモータ駆動電流の値とCR回路の出力に及ぼす影響を概念的に示す図である。(A)はロータの荷重が偏在していない場合、(B)は強く偏在している場合、(C)は中程度に偏在している場合、(D)は僅かに偏在している場合である。
図4の(A)は、ロータ4の8つの挿通穴4aに同じ質量の8本の試験管を載置した場合を示す(黒丸は試験管を載置した挿通穴)。モータ駆動電流(破線)は、モータ起動時に過電流が瞬間的に流れた後、一定の定常電流が流れている。この定常電流Aoの150%程度の値を第1の基準値R1として設定する。CR回路の出力(実線)は、CR回路の時定数に従って徐々に上昇する。しかし、最終的な平衡値は第1の基準値R1を超えない。従って、第一の比較回路C1は、「L」を出力する。
図4の(B)は、ロータ4の8つの挿通穴4aの片側に4本の試験管を載置した場合を示す〔黒丸は試験管を載置した挿通穴、白丸は試験管を載置していない挿通穴。(C),(D)でも同じ〕。すなわち、ロータに載置された試験管の質量は大きく偏在している。この場合、起動時の過電流が終わっても、回転軸の異常振動が発生し、その結果としてモータ駆動電流に過電流が起こり、CR回路の出力(実線)は上昇する。質量の偏在が大きく大きな異常振動が起こると、CR回路の出力は高い第2の基準値R2をも越える。この結果、第2の比較回路C2は、「H」を出力する。
図4の(C)は、ロータ4の8つの挿通穴4aに1本の試験管(2.0mL)を載置した場合を示す。すなわち、ロータに載置された試験管の質量は弱く偏在している。この場合も、起動時の過電流が終わっても、回転軸の異常振動が発生することがある。しかしモータ駆動電流の過電流は比較的に小さく、CR回路の出力(実線)はゆっくり上昇する。質量の偏在が小さいのでCR回路の出力は第1の基準値R1を超えるが、第2の基準値R2を越えない場合がある。この時、第2の比較回路C2は、「L」を出力する。
図4の(D)は、ロータ4の8つの挿通穴4aに1本の小さい試験管(1.5mL)を載置した場合を示す。すなわち、ロータに載置された試験管の質量は小さく偏在している。この場合、回転軸の異常振動が発生しないことがある。この時、第1と第2の比較回路C1,C2は、「L」を出力する。しかし質量の偏在があるのでモータの負荷は大きく、モータ駆動電流(破線)は正常な定常状態の時より大きい。CR回路の出力(実線)の定常値も正常時よりは大きいので、これを第3の基準値R3と第3の比較回路C3で比較して検出する。この場合、第3の比較回路C3のみが、「H」を出力する。なお図4(B)と(C)の場合も、第3の比較回路C3は、「H」を出力する。
結局、次のように各比較回路は出力する。
1)異常振動が起っていない時は、全ての比較回路の出力は「L」。
2)大きな異常振動が起こっている時は、全ての比較回路の出力は「H」。
3)小さい異常振動が起こっている時は、第2の比較回路C2の出力のみが「L」で、他は「H」。
4)極弱い異常振動が起こっている時は、第3の比較回路の出力のみが「H」で、他は「L」。
判定回路Jは、第1、第2、第3の比較回路C1,C2,C3の出力に基づき、異常振動発生の有無およびその程度を判定する。その結果に従って、モータ駆動電流を停止したり、異常振動の程度を警告灯で表示したり、異常振動発生に対する対処策を表示するための信号を対応する表示装置Pに送る。
以上、本発明を、遠心分離機を例に挙げて詳しく説明してきたが、本発明は、既述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想としての本発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能であることは当然である。
以上、説明した本発明に係る回転機械の回転異常を検出する方法及びその方法を実現する回転機械は、モータにより回転駆動される回転体を備え、回転軸の異常振動が起こり得る全ての回転機械に適用することができるものである。
1 モータ
1a 回転軸
2 支持台
3 カバー
4 ロータ
4a 挿通穴
0 回路の正常な定常状態での出力
CR 遅延回路
D モータ駆動回路
FET モータ駆動電流制御素子
J 判定回路
M モータ
R1,R2,R3 第1と第2と第3の基準値
C1,C2,C3 第1と第2と第3の比較回路
Z モータ駆動電流検出回路
B 電源
G グランド
P 表示装置

Claims (4)

  1. 回転体と、上記回転体を回転駆動するモータと、上記モータと上記回転体を連結する回転軸とを備える回転機械の回転異常を検出する方法において、上記モータを流れる駆動電流を検出する電流検出過程と、上記電流検出過程の出力を入力とし所定の時定数を有するCR回路で上記駆動電流を遅延させて出力する遅延過程と、上記回転機械が正常な状態における上記CR回路の出力の定常値A0より大きい第1の基準値R1と上記CR回路の出力Aを比較し、モータの過電流発生を監視する第1の比較過程と、上記第1の基準値R1より大きく、上記回転機械の異常振動が激しく過電流の程度が大きい場合の上記CR回路の出力より小さい第2の基準値R2と上記CR回路の出力Aを比較し、回転機械の異常振動発生を監視する第2の比較過程と、上記第1の基準値R1より小さく、上記定常値A0より大きい第3の基準値R3と上記CR回路の出力Aを比較し、上記回転体の質量の偏在を検出する第3の比較過程と、上記第1、第2、第3の比較過程の出力に基づいて、上記回転機械の異常振動発生とモータの過電流発生と上記回転体の質量の偏在を検出する判定過程を含むことを特徴とする、回転機械の回転異常を検出する方法。
  2. 上記回転体が試料を載置するロータであり、上記回転機械が遠心分離機であることを特徴とする、請求項1記載の回転機械の回転異常を検出する方法
  3. 回転体と、上記回転体を回転駆動するモータと、上記モータと上記回転体を連結する回転軸とを備える回転機械において、上記モータを流れる駆動電流を検出する電流検出回路と、上記電流検出過程の出力を入力とし所定の時定数を有するCR回路で上記駆動電流を遅延させて出力する遅延回路と、上記回転機械が正常な状態における上記CR回路の出力の定常値A0より大きい第1の基準値R1と上記CR回路の出力Aを比較し、モータの過電流発生を監視する第1の比較回路と、上記第1の基準値R1より大きく、上記回転機械の異常振動が激しく過電流の程度が大きい場合の上記CR回路の出力より小さい第2の基準値R2と上記CR回路の出力Aを比較し、回転機械の異常振動発生を監視する第2の比較回路と、上記第1の基準値R1より小さく、上記定常値A0より大きい第3の基準値R3と上記CR回路の出力Aを比較し、上記回転体の質量の偏在を検出する第3の比較回路と、上記第1、第2、第3の比較回路の出力に基づいて、上記回転機械の異常振動発生と上記モータの過電流発生と上記回転体の質量の偏在を検出する判定回路を含むことを特徴とする、回転異常を検出することができる回転機械
  4. 上記回転体が試料を載置するロータであり、上記回転機械が遠心分離機であることを特徴とする、請求項3記載の回転異常を検出することができる回転機械
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