以下、実施の形態の一例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、パチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板31(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。保留表示エリアでは、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する保留表示エリアが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板31(遊技制御基板)および演出制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御基板80に搭載されたROM102には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、ROM102には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、など)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(例えば数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図11のS1217,S1228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[保留表示およびアクティブ表示の説明]
ここで、保留表示およびアクティブ表示について、簡単に説明する。既に説明したとおり、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。演出図柄の変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示(画面において最も左側に表示されている保留表示)が消去される。また、残りの保留表示は、左側に1つずつシフトされる。消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示すアクティブ画像(アクティブ表示)を表示するアクティブ表示エリアが画面の左下に表示される。アクティブ表示エリアにおいては、変動表示の開始に伴い消去された保留表示が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留表示に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ表示が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
[特定演出の説明]
次に、特定演出を説明する。特定演出は、変動表示に対応する所定表示の表示態様を変化させる演出である。変動表示に対応する所定表示とは、たとえば、保留表示またはアクティブ表示のことである。したがって、特定演出は、たとえば、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる演出である。保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させることによって、その保留表示またはアクティブ表示が遊技者によって有利となることを示唆する。遊技者にとって有利とは、たとえば、その保留表示またはアクティブ表示に対応する変動表示の結果が大当りになることであり、その他、その保留表示またはアクティブ表示の変動表示が大当りの期待の高いリーチとなることである。
なお、特定演出が実行される変動表示では、特定演出が変動表示中に実行される各種の演出と被らないように、特定演出中は変動表示の表示領域を縮小するようにしてもよい。また、画面の表示領域を分割して、変動表示に関する演出が実行される領域と、特定演出が実行される領域との区別が付くようにしてもよい。また、別の画像表示装置を設け、その表示領域において特定演出が実行されるようにしてもよい。また、所定表示にボールや剣あるいは矢などが衝突あるいは刺さる如く、所定表示に作用表示が作用することによって、所定の操作手段の操作を促す操作促進表示を完成するものとしてもよい。
保留表示の表示態様を変化させる特定演出の具体例を図15に示す。また、アクティブ表示の表示態様を変化させる特定演出の具体例を図22、図29、および図30のそれぞれに示す。はじめに、保留表示の表示態様を変化させる特定演出の具体例を説明する。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)]
図15は、保留変化演出を示す図である。保留変化演出は、保留表示に関する特定演出の一例である。また、保留変化演出は、ターゲットとなる保留表示の態様を変化させることによって、その保留表示に対応する変動表示に関する動作を予告する演出であるから、先読み演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介する保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示にぶつかって割れることで、対象の保留表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示が大当りである期待度が高い(図17参照)。保留表示の色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる(図18参照)。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
以下、図15に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像THまたはHが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示は、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下には、アクティブ表示エリアAHAが表示されている。アクティブ表示エリアAHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。
図15(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、変動表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール930の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図15(b)に示す。このような速度を減速させる(「減速制御」ということもある)演出は、たとえば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボールの931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図15(c)は成功パターンを示し、図15(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120が振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン120が振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン120に代えて、あるいは、プッシュボタン120に加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン120が振動する場合の方が、プッシュボタン120が振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン120の振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン120の強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン120が強振動する場合の方が、プッシュボタン120が弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色から複数の色のいずれかに変化する。たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示に衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示に衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示に衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
図16は、保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。特に、図16(A)は、大当り時保留変化演出実行決定テーブルを示し、図16(B)は、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留変化演出を実行するか否かが乱数SR2によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、大当り時保留変化演出実行決定テーブルの方がはずれ時保留変化演出実行決定テーブルよりも「あり」が選択される割合が高くなっており、特には、保留変化演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当りとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。図16に示す保留変化演出実行決定テーブルを用いることによって、保留変化演出に対して遊技者に興味を抱かせることができる。
図17は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出において保留表示の色の変化を決定するために用いられる。特に、図17(A)は、大当り時保留変化態様決定テーブルを示し、図17(B)は、はずれ時保留変化態様決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留表示の色の変化が乱数SR3によって振り分けて抽選される。
保留変化演出には、成功パターンと失敗パターンとがある(図15参照)。成功パターンは、カラーボールが割れて保留表示の色が変化するパターンであり、その際に保留表示の色は、青、緑、赤のいずれかに変化する。失敗パターンは、カラーボールが割れないパターンであり、そのために、保留表示の色は変化しない。変化した保留表示の色は、その保留表示が大当りに対応することの期待度を示唆しており、たとえば、赤が最も大当り期待度が高く、次が緑、その次が青である。また、色が変化しない場合の大当り期待度は、色が変化するいずれの場合よりも低い。このように、色に応じて大当り期待度を示唆できるようにするため、保留変化態様決定テーブルでは、各色に対応する乱数SR3が図17に示すように割り振られている。なお、色が変化する前の保留表示の色は、青、緑、赤以外のいずれでもよく、たとえば、白である。
図17に示す保留変化態様決定テーブルを用いることによって、保留表示の色が変化するか否かという点のみならず、変化する色にも遊技者を注目させることできる。
図18は、減速期間決定テーブルを示す図である。減速期間決定テーブルは、保留変化演出においてカラーボールの減速制御を実行するときの減速期間を決定するために用いられる。減速期間とは、キャラクタによって放たれたカラーボールの速度が初速とは異なる速度に減速し始めてから、その減速を終えるまでの期間である。特に、図18(A)は、成功パターン用減速期間決定テーブルを示し、図18(B)は、失敗パターン用減速期間決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。成功パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を成功パターンとするときに用いられるテーブルである。失敗パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を失敗パターンとするときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、減速期間を3秒および5秒のうちのいずれにするかが乱数SR4によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、成功パターン用減速期間決定テーブルの方が失敗パターン用減速期間決定テーブルよりも減速期間5秒が選択される割合が高くなっており、特には、減速期間が長い場合の方が短い場合よりも、その保留変化演出が成功パターンとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。なお、ここでは、複数の減速期間として、3秒と5秒とを例示したが、それ以外の減速期間を採用してもよく、3つ以上の減速期間を採用してもよい。なお、大当りか否かにより減速期間が異なるようにしてもよい。
このように、減速期間の違いによって成功パターンとなる期待度が異なるため、遊技者に対して、減速期間に注目させることができる。特に、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタがボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通としているため、ボールが減速を開始した段階で遊技者に減速期間の長短を悟らせることがなく、遊技者の期待感を維持することができる。
図19は、演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。演出実行タイミング決定テーブルは、複数の保留表示が存在する場合に、保留表示が何回シフトした段階で保留変化演出を実行するかを決定するために用いられる。複数の保留表示が存在する場合には、保留変化演出の対象となる保留表示は、それらの複数の保留表示のうちの最後に消化される保留表示としている。たとえば、保留表示が3つであれば、左から3つ目の保留表示が保留変化演出の対象となり、保留表示が8つであれば、左から8つ目の保留表示が保留変化演出の対象となる。演出実行タイミング決定テーブルを用いて、対象の保留表示が何回右側シフトした段階(いくつの保留記憶を消化した段階)で、保留変化演出を実行するかが乱数抽選によって決定される。
演出実行タイミング決定テーブルには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数別に、保留変化演出の各実行タイミングに対して割り当てられた乱数の割合(パーセント表示)が示されている。たとえば、合算保留記憶数が2の場合には、左から2つ目の保留表示が保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)に決定される。つまり、2つの保留表示のうちの左側の保留表示がアクティブ表示に変化し、右側の保留表示が左にシフトした段階で、保留変化演出が開始されることになる。
合算保留記憶数が4の場合には、左から4つ目の保留表示が保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)、2回シフトが発生したとき(シフト回数=2)、および3回シフトが発生したとき(シフト回数=3)のいずれかに乱数抽選によって決定される。その決定割合は、シフト回数=1が45%、シフト回=2が30%、シフト回数=3が25%である。
演出実行タイミング決定テーブルから理解されるとおり、合算保留記憶数がいずれの場合であっても、シフト回数が少ない段階で保留変化演出が実行される割合の方が、シフト回数が多い段階で保留変化演出が実行される割合よりも高い。これにより、保留変化演出の実行機会を極力多くすることができる。
図20は、先読み予告処理を示すフローチャートである。本フローチャートにより、保留変化演出が実現される。本フローチャートは、図14のS500のサブルーチンである。はじめに、合算保留記憶数指定コマンドおよび変動種別コマンドの受信時であるか否かが判断される(S501)。それらのコマンドの受信時でなければ処理が終了するが、それらのコマンドの受信時であれば、変化演出制限フラグがすでにセットされているか否かが判断される(S502)。変化演出制限フラグは、保留変化演出の実行有が決定されてからその演出を終えるまでにセット状態が保持されるフラグである。変化演出制限フラグは、保留変化演出を終えていないにも関わらず、新たに保留変化演出の実行が決定されることを防ぐためのフラグである。
したがって、変化演出制限フラグがセットされているときには処理が終了するが、セットされていないときには、保留合計数が2以上か否かが判断される(S503)。保留合計数が2以上でなければ、保留変化演出を行なわないので処理が終了するが、保留合計数が2以上であれば、新たな保留記憶は、リーチの変動パターン種別であるか否かが判断される(S504)。ここで、“新たな保留記憶”とは、複数ある保留記憶(S503)のうちで最新の保留記憶のことであり、換言すると、最も右側に表示されている保留表示に対応する保留記憶のことである。既に、図20を用いて説明したとおり、そのような保留記憶が保留変化演出の対象として選定され得る。したがって、S505では、保留変化演出の対象として選定され得る保留記憶が大当りか否かが判断されている。
S505において、新たな保留記憶が大当りであると判断されたときには、大当り時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S506)、S507において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いて大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S508)。保留変化態様は、成功パターンと失敗パターンとに大別される。成功パターンは、保留表示にぶつかったカラーボールが割れて保留表示の色が変わるパターンであり、失敗パターンは、保留表示にぶつかったカラーボールが割れずに跳ね返り、その結果、保留表示の色が変わらないパターンである。成功パターンは、さらに、変化する保留表示の色が青、緑、赤の3つのパターンに分かれる。S508では、失敗パターンまたは3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S507において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、図16(A)に示したとおりであり、大当り時保留変化態様決定テーブルは、図17(A)に示したとおりである。
S505において、新たな保留記憶がはずれであると判断されたときには、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S515)、S515において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いてはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S517)。なお、S517では、失敗パターンまたは変化する保留表示の色が青、緑、赤の3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S516において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、図16(B)に示したとおりであり、はずれ時保留変化態様決定テーブルは、図17(B)に示したとおりである。
S508またはS517の処理において、保留変化態様が成功パターンに決定されたときには(S509でYES)、成功パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。一方、S508またはS517の処理において、保留変化態様が失敗パターンに決定されたときには(S509でNO)、失敗パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。成功パターン用減速期間決定テーブルは、図18(A)に示したとおりであり、失敗パターン用減速期間決定テーブルは、図18(B)に示したとおりである。減速制御される期間(減速期間)は、図18に示すとおり、3秒および5秒のいずれかに決定される。
S510において、成功パターンとするときの減速期間が決定された後、ボタン報知演出を実行することが決定される(S511)。ボタン報知演出は、図15を用いて説明したとおり、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120を振動させることによって、成功パターンを遊技者に予告する演出である。
S511またはS518の後、変化演出制限フラグがセットされる(S512)。次に、演出実行タイミング決定テーブルにより、保留変化演出の実行タイミングが決定される(S513)。演出実行タイミング決定テーブルは、図19に示したとおりである。この処理によって、保留変化演出の対象となる保留表示がいくつシフトした段階で保留変化演出を実行するかが決定される。次に、本先読み予告処理において決定された内容が記憶領域に保存され(S514)、処理が終了する。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、図37に示す各種演出の内容の決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理については、後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)の変形例]
図15に示したキャラクタ930は、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するよう、予め定めた複数の速度(たとえば、低速、中速、高速の3種類)のいずれかをマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合、単にランダムにその速度を選択するのではなく、たとえば、選択された速度に応じて、成功パターンになるか失敗パターンになるかの割合が異なるようにしてもよい。
さらに、キャラクタ930が投球する位置を複数設定してもよい。たとえば、対象の保留表示からの距離が遠い遠距離位置と、その距離が当該遠距離位置に比較して近い近距離位置とからマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合には、遠距離位置のときのカラーボール931の初速が早いほど成功パターンになりやすく、近距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いほど成功パターンになりやすくしてもよい。遠距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いと、カラーボール931が対象の保留表示に衝突するまでに長い時間がかかるため、演出が間延びしてしまうが、初速を早くすることで演出が間延びするとことを防止できる。一方、近距離位置のときのカラーボール931の初速が早いと、カラーボール931が短い時間で対象の保留表示に衝突するため、十分に演出を遊技者が楽しめない可能性があるが、初速を遅くすることで遊技者が十分に演出を楽しむ時間を確保することができる。
キャラクタ930が、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するようにした場合であっても、減速期間に入ったときのその減速時の速度は、いずれも共通とすることが考えられる。減速時の速度を共通化することによって、減速時の速度を複数の中から選択的に設定する場合と比較して減速制御を単純化できる。
保留変化演出において、必ず減速制御を伴うのではなく、減速制御を伴わない場合があるようにしてもよい。この場合、減速制御を伴った方が、それを伴わなかった場合に比較して成功結果が得られる期待度が高くなるように設計すれば、減速制御の実行に対する遊技者の期待感を高めることができる。
カラーボールの減速期間は様々に設定できる。たとえば、保留表示にカラーボールが衝突する前に元の速度にもどしてもよい。また、成功パターンであっても、プッシュボタン120が振動しない場合があるようにしてもよい。また、失敗パターンであっても、成功パターンのときよりも低い割合であるものの、プッシュボタン120が振動する場合があるようにしてもよい。
演出結果が失敗となるパターンを実行するときには、減速制御が継続している状態でカラーボールが対象の保留表示に衝突するのではなく、衝突前にカラーボールの速度が元の速度に戻り、保留表示に衝突して跳ね返った後に落下、あるいは、保留表示に衝突することなく、通過するようにしてもよい。
所定表示に対して作用表示が作用する例として、ここでは、カラーボールが作用する例を挙げた。しかしながら、このような作用表示に代えて、たとえば、対象の保留表示の周辺が他の保留表示の周辺とは異なる色に変化するようなエフェクトを与えることを以て、作用表示としてもよい。
また、減速制御を行なう際に、減速したタイミングに合わせて、背景画像における変化対象(所定表示としての保留表示やアクティブ表示等)および作用物(作用表示としてのカラーボール)とを含む領域と、それ以外の領域とで画面の明るさを変えるようにしてもよい。具体的には、減速タイミングにおいて変化対象および作用物以外の背景画像を暗くすることで特定演出(保留変化演出や後述するアクティブ保留変化演出)に注目させることができる。逆に、変化対象および作用物を明るくすること、または、変化対象および作用物に所定のエフェクト画像を付加することで強調表示するようにしてもよい。なお、明るさの設定等は、変化対象と作用物とのうちいずれか一方のみにおいて実行されるようにしてもよい。
図15に示した保留変化演出は、保留表示の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出をアクティブ表示の変化に関わるアクティブ保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図15を参照して、キャラクタ930は保留表示Hに向けてボールを投げるのではなく、アクティブ表示AHに向けてボールを投げる演出とする。演出の内容としては、図15を用いて説明したものに準じて、成功パターンと失敗パターンとに変化するものとする。また、その制御も図16〜図18に示した各テーブルを用いて実行するとよい。
保留変化演出やアクティブ保留変化演出以外で減速制御が行なわれるようにしてもよい。たとえば、変動中に画面の中央に所定の画像を表示し、当該所定の画像に作用表示が作用する際に、減速制御を行なうようにしてもよい。所定の画像は、保留表示やアクティブ表示とは関連のない画像である。そして、所定の画像に作用表示が作用することにより、成功するパターンと、失敗するパターンとを設けてもよい。成功するパターンでは、所定の画像に作用表示が作用することで、プッシュボタン120等の操作手段の操作を促す操作促進表示が完成するようにしてもよい。このような演出は、通常の遊技状態で行なわれてもよいし、高確率中や時短中で行なわれてもよい。より具体的には、高確率中に画面中央に手の画像を表示し、そこにボタンを示す画像が飛んできて、当る手前で減速制御を開始し、手の画像がボタン画像をキャッチすれば、ボタン操作を促す操作促進表示の演出へと発展し、手の画像がボタンが画像をキャッチできなければ、演出が終了するものとしてもよい。そして、操作促進表示の演出の実行中にプッシュボタンを操作することで、大当りとなったことやハズレとなったことを示す画像が表示される演出が実行されるようにすればよい。
保留表示は、画像以外のもので表されるようにしてもよい。たとえば、保留表示は、LED等の点灯で示されるようにしてもよい。そして、作用表示としてしめされる画像の減速制御を保留表示に対応するLEDの手前で行なえばよい。失敗パターンでは、LEDの点灯色は変更せず、成功パターンでは、LEDの点灯色を変更すればよい。
[アクティブ表示に関する特定演出(アクティブ保留変化演出)]
図22は、アクティブ保留変化演出を説明するための図である。アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に関する特定演出の一例である。また、アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の態様を変化させることによって、進行中の変動表示に関する動作を予告する演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介するアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に向けて投げ放たれたカラーボールがそのアクティブ表示にぶつかって割れることで、アクティブ表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。見事にボールが割れてアクティブ表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずにアクティブ表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、進行中の変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、かつ、その期待度は、変化する色によっても異なる(図24参照)。
たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、進行中の変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。対象がアクティブ表示であるという点や減速期間が存在しない点などを除けば、図22に示すアクティブ保留変化演出は、図15を用いて説明した保留変化演出と演出内容が共通している。
特に、図22に示すアクティブ保留変化演出が図15に示す保留変化演出と大きく異なる点は、カラーボール931を投げるキャラクタ930の位置によって、成功パターン(アクティブ表示の色が変わる)となる成功率と、成功パターンのときに最も大当り期待度の段階の高い色(赤)となる率が異なる点である。なお、キャラクタ930の種類は、その位置の違いに関わらず同じである。このように、キャラクタ930が共通であるので、位置を変更したときにキャラクタ930がその場所を移動したように遊技者に感じさせることができる。ただし、位置によって異なるキャラクタを表示するようにしてもよい。
以下、図22に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、アクティブ表示エリアAHA、アクティブ表示AH、および保留表示Hが表示されている。
図22(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を携えたキャラクタ930が位置Aに登場する。キャラクタ930が登場した段階で画面には、プッシュボタンの操作が有効である旨が表示される(図示省略)。このとき、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Aから位置Bに移動し、さらに、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Bから位置Cに移動し、さらにプッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Cから位置Aに移動する。このように、プッシュボタン120の操作に応じて、キャラクタ930の位置がA→B→C→A→B…と繰り返して変化する。したがって、演出の開始位置を変更する面白みを遊技者に提供できる。アクティブ表示AHからは、位置Aが最も近く、位置Cが最も遠い。図22(b)には、キャラクタ930の位置として位置Cが選択されている状態が示されている。なお、操作が有効な期間は予め定めらており、その操作有効期間を画面上でカウントダウンしてもよい。
図22(c)には、アクティブ表示AHに最も近い位置Aからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図22(d)には、そのカラーボール931が見事に割れてアクティブ表示AHの色が変わった様子が示されている。
一方、図22(e)には、アクティブ表示AHから最も遠い位置Cからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図22(f)には、そのカラーボール931が割れることなく跳ね返っている様子が示されている。したがって、この時は、アクティブ表示AHの色は変化しない。
このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、演出が成功パターンとなる割合が高く、したがって、アクティブ表示AHの色が成り上がる割合も高い。したがって、その観点のみからすると、遊技者としては、プッシュボタン120を操作してキャラクタ930の位置を位置Aに設定することを望むことになる。しかしながら、このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、3種類の色のうち、最も大当り期待度の低い赤にしかアクティブ表示AHの色が成り上がらない割合が高くなっている。
つまり、アクティブ表示が大当りであるならば、本来的には成功パターンにおいて最も大当り期待度の高い赤にアクティブ表示AHの色を成り上げるべきなのであるが、そのときのキャラクタ930の位置が位置Aに設定されていると、成功パターンが選択される割合が高いものの、その際の成り上がりの色が、赤ではなく最も期待度の低い青に設定されてしまう訳である。言いかえると、位置Aは、成り上がりの演出を見易いものの、その演出が示す成り上がりの色が、本来の大当り期待度に対応した色に到達せずに、それよりも大当り期待度の観点において段階の低い色に制限されてしまう可能性が高くなるということである。この場合、遊技者は、大当り期待度に応じた本来の成り上がり色は、それよりも段階の高い色であるかもしれないという不安な気持ちを抱かざるを得ない。
一方で、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHから遠い程、演出が成功パターンとなる割合が低いために、成り上がりの演出を見ることのできる機会が減るのであるが、運よく、成功パターンを見ることができたときには、そのときの成り上がりの色は、本来の大当り期待度に対応した色である可能性が高くなるということである。たとえば、大当りが決定されているときにアクティブ表示AHから最も通り位置Cで演出を実行すると、成功パターンは発生し難いものの、もし、成功パターンが発生したときには、その時の色が実際の期待度を示すものとなる。その結果、遊技者は本来の大当り期待度をその成り上がった色から察することができる。
このように、このアクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。このような演出を実現するために、パチンコ遊技機1においては、成功パターンのときのアクティブ表示AHの成り上がりの色を2段階で決定している。
第1段階として、キャラクタ930の位置を考慮せずに、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から成り上がりの色を決定する。このときに決定した色を“最終色”と称する。最終色は、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から決定された色であるので、その色はアクティブ表示が大当りとなる期待度を忠実に反映している。ただし、決定された“最終色”が実際に演出に用いられるか、あるいは、それよりも大当り期待度の低い色が演出に用いられるかは、次の第2段階での決定によって決まる。
第2段階として、キャラクタの投球位置を考慮して、第1段階で決定した“最終色”を実際に演出に用いるか、あるいは、それに制限をかけることによって、大当り期待度を表す指標が“最終色“以下の色にするかを決定する。たとえば、“最終色”が赤である場合でも、制限をかけた場合には、実際の成り上がり色として採用する色は青とする。これら第1段階、および第2段階の決定の詳細は図24〜図28の説明によってより明らかとなる。
このアクティブ保留変化演出では、アクティブ表示AHから近い位置の方が成功パターンの期待度が高いため、近い位置の方が変化し易いのではないかという遊技者の想定に合致した演出を提供できる。なお、このアクティブ保留変化演出において、図15を用いて説明した減速制御の演出を加えてもよいし、また、失敗パターンとしては、投げ放たれたボールがアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。
図23は、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、アクティブ保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。アクティブ保留変化演出を実行するか否かが乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、演出ありと演出なしとの比率が2:3となるように設定されている。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図24は、アクティブ保留最終色決定テーブルを示す図である。アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出においてアクティブ表示の色を変えるときの色(成り上がりの色)の種類を決定するために用いられる。すでに説明したとおり、実際に演出に用いられる成り上がり色は、ここで決定される“最終色”とは異なる場合がある。特に、図24(A)は、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルを示し、図16(B)は、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、“最終色”が乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、変化なしについては、はずれのときの方が大当りのときよりも選択率が高く、青、緑、赤については、その順に大当り期待度が高くなるような態様とされている。なお、“最終色”は、投球するキャラクタの位置に関わりなく、アクティブ保留最終色決定テーブルに基づいて選択される、いわば、仮決めされた成り上がり色である。
図25は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、図21のS616にて実行されるサブルーチンである。はじめに、変化演出制限フラグがセットされているか否かが判断される(S901)。変化演出制限フラグがセットされているときには、重複して演出が実行されることのないよう、処理が終了する。一方、変化演出制限フラグがセットされていないときには、今回実行される変動がリーチであるか否かが判断され(S902)、リーチでないときには処理が終了し、リーチのときには、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルにより、アクティブ保留変化演出の実行の有無が決定される(S903)。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、図23に示したとおりである。
S904において、アクティブ保留変化演出の実行有と判断されたときには、今回実行されている変動表示が大当りであるか、すなわち、アクティブ表示が大当りに対応するものであるかが判断される(S905)。大当りである場合には、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定され(S906)、大当りでなくはずれの場合には、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定される(S908)。大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルおよびはずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、図24に示したとおりである。これらの決定処理によって、アクティブ保留変化演出が成功したときの成り上がり色が仮決めされる。
S906またはS908の後、決定された内容が記憶領域に保存され(S907)、処理が終了する。
図26は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理は、図14のS802にて実行されるサブルーチンである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
次に、プッシュボタン120の操作に応じて、操作演出処理が行なわれる(S846)。操作演出処理の詳細は図28を用いて後述する。
次に、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S848でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848N)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848Y)、S849に移行する。このように、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図27は、演出の開始位置と成功率および変化割合との関係を示す図である。図示する対応関係のデータは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図22を用いてアクティブ保留変化演出を説明した際に併せて説明したとおり、アクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。図27示す位置A,B,Cは、図22に示した画面の各位置に対応している。
アクティブ表示から最も近い位置Aでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Aでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率、期待度)は100%である。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示に近い位置Aでアクティブ保留変化演出を開始させると、遊技者は、必ず、成功パターンの演出を見ることができる。ただし、そのときに、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は20%に過ぎず、80%の割合で大当り期待度の最も低い1段階目の色、すなわち、青に決定されてしまう。
アクティブ表示から最も遠い位置Cでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Cでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率)は20%に過ぎない。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示から遠い位置Cでアクティブ保留変化演出を開始させると、その他の位置で演出を開始させた場合に比較して、遊技者が成功パターンの演出を見ることのできる可能性は低くなる。しかしながら、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は100%であり、もし、成功パターンを見ることができた場合には、そのときの成り上がり色が示す大当り期待度に対して遊技者は信頼を抱くことができる。
したがって、遊技者は、極力、成功パターンを見たいのか、あるいは、成功パターンによって示される成り上がりの色の信頼度を高めたいのか、という観点から、アクティブ保留変化演出を開始させる位置を自身の操作で選択できる。このため、演出に遊技者の意思を反映させることができ、より、面白みのある遊技者参加型の演出を提供できる。
なお、図27に示す成功率と色の変化割合とは、上述した効果を発揮し得る範囲において、様々に調整可能である。たとえば、位置Aのとき、最終色まで変化することがなく、1段階目の色にしか変化しないようにしてもよく、また、位置Cのとき、ごくわずかな割合で1段階目の色に変化する場合があるようにしてもよい。また、位置Cで変化した場合には、位置Cでしか見ることのできない特殊な態様(特殊な色)に変化するようにしてもよい。特殊な態様とは、たとえば、大当りに決定されているときにレインボーに変化する色でアクティブ表示を表示するような態様である。
図28は、操作演出処理を示すフローチャートである。操作演出処理は、図26のS846で実行されるサブルーチンである。はじめに、アクティブ保留変化演出を実行するか否かが判断される(S860)。アクティブ保留変化演出を実行しない場合には処理が終了するが、実行する場合には、プッシュボタン120の操作有効期間中であるか否かが判断される(S861)。プッシュボタン120の操作有効期間中でなければ、S865に進む。プッシュボタン120の操作有効期間中であれば、プッシュボタン120の操作が検出されたか否かが判断される(S862)。操作が検出されなければS864に進むが、操作が検出された場合には、そのボタン操作に応じて、アクティブ保留変化演出の開始位置が変更される(S863)。具体的には、操作が検出される毎に、図22に示したキャラクタ930の位置が位置A→B→C→A→B…と変更される。
次に、操作有効期間の終了時であるか否かが判断され(S864)、終了時でなければ一旦処理が終了するが、終了時の場合には、現時点で選択されている演出の開始位置から、図27に示した「演出の開始位置と成功率および変化割合との関係」に従って、アクティブ保留変化演出の内容が決定される(S865)。その結果、このステップでは、演出のパターンをアクティブ表示の色の成り上がりが生じる成功パターンとするか、アクティブ表示の色の成り上がりが生じない失敗パターンとするか、および、成功パターンとするときには、その成り上がり色を先に図25のS906またはS908で仮決めした“最終色”とするか、あるいは1段階の色(赤)とするか、が決定される。次に、決定された内容が記憶領域に保存され(S866)、処理が終了する。
[アクティブ保留変化演出の第1変形例(一発告知)]
図29は、アクティブ保留変化演出の第1変形例を示す図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する第1変形例の演出パターンを追加することが考えられる。第1変形例は、アクティブ保留変化演出の失敗パターンを経た後に、バトル演出が開始し、そのバトル演出の結果が出る前にボール等の作用演出を伴うことなくアクティブ表示の色がいきなり成り上がる例である。バトル演出は、その勝敗の結果によって今回の変動表示が大当りになるか否かを示す演出である。バトル演出の結果が出る前にアクティブ表示の色が成り上がるため、成り上がった色は、バトル演出の結果を予告するものとなる。
第1変形例は、図22に示したアクティブ保留変化演出の失敗パターンと同様に進行する(図29(a)〜(c))。特に、図29の例では、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始されている例が示されている。既に説明したとおり、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始された場合には、失敗パターンが選択される割合が高い(図27参照)。このため、位置Cを敢えて演出の開始位置として選択した遊技者は、成功パターンをみることができず、落胆してしまうかもしれない。
しかしながら、第1変形例のようなパターンも発生し得るようにすることで、一旦、落胆した遊技者を再び継続する演出の面白さに引込むことができる。すなわち、図29(c)のごとく、失敗パターンが表示された後、画面上でリーチが発生すると(図29(d))、やがて、画面上で敵味方でのバトル演出が開始する。遊技者はその結果を待つ訳であるが、そのバトル演出の途中で、いきなり何の前触れもなく、アクティブ表示の色が成り上がるのである(図29(e))。このときの成り上がりの色は、図24などを用いて説明した“最終色”とすることが望ましい。そうすれば、遊技者は、大当り期待度が反映された本来の成り上がり色を以て、大当りの可能性を推測できるからである。
あるいは、このような第1変形例のパターンでは、失敗パターン(図29(c))を経ていることを理由として、遊技者にとっては望ましい“最終色”ではなく、“最終色”よりも大当り期待度の指標が低い色にしか成り上がらないようにしてもよい。
あるいは、このような第1変形例のパターンは、表示結果が大当りである場合にのみ、実施するようにしてもよい。その場合、成り上がりの色は、大当りが確定していることを示す特殊な色(たとえば、レインボーカラー)としてもよい。
このような変形例1を加えることによって、演出の幅を広げることができる。特に、失敗パターンとなってしまったときの遊技者の失望感を軽減させることができる。なお、変形例1のパターンは、図27に示す成功率に従い、失敗パターンが選択されたときに、さらに乱数抽選することによって、選択するように制御してもよい。また、ここでは、バトル演出後に何の前触れもなくアクティブ表示の色が成り上がるものとして説明したが、その兆候となる演出を先に加えてもよい。
[アクティブ保留変化演出の第2変形例(タイマー変化演出)]
次に、図30〜図37を用いて、アクティブ保留変化演出の第2変形例を説明する。図30は、アクティブ保留変化演出の第2変形例を説明するための図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、あるいは、さらに、第1変形例を加えたものに対して、以下に説明する第2変形例の演出パターンを追加することが考えられる。もちろん、アクティブ保留変化演出としては、第2変形例のみを実行するパチンコ遊技機としてもよい。
第2変形例は、キャラクタが一定時間(たとえば、10秒)の中でボールを右手と左手とに交互に移し替えることを繰り返している間にボールの色が順次変化していき、一定時間が経過したときに、そのボールをキャラクタがアクティブ表示に向かって投げることで、アクティブ表示の色がボールの色に変化するという演出である。以下、第2変形例に関わるアクティブ保留変化演出を“タイマー変化演出”と称する。
図30(a)は、第2変形例に関わるタイマー変化演出が実行されるときの演出表示装置9の表示画面を説明するための図である。また、図30(b)〜(f)は、演出表示装置9の表示画面に表示される各種の画像のうち、タイマー変化演出に関する表示画像を拡大して示したものである。図30において、示唆表示910は、キャラクタ画像とボール画像911とからなる。示唆表示910は、アクティブ表示エリアAHAの中のアクティブ表示AHが変化することを示唆する画像である。また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行時間を示す画像である。タイマー表示920の値が0秒を示す値となるときにキャラクタがボール画像911を投げることでボール画像911がアクティブ表示AHに作用し、アクティブ表示AHの表示態様が変化する演出が実行される。
図30(a)に示すように、変動表示中には、演出表示装置9の右上の表示領域において、タイマー変化演出が実行される。タイマー変化演出中は、キャラクタがお手玉をする示唆表示910と示唆表示910の下部に表示されるタイマー表示920とが演出表示装置9の表示領域に重畳表示される。示唆表示910およびタイマー表示920は、演出表示装置9の右上の表示領域にて重畳表示される画像である。このような画像は、表示に要する領域が大きくなり過ぎないので、変動表示において実行される各種演出を阻害しないようにすることができる。
また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行期間を示している。具体的には、タイマー表示920は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマー表示の値が0(0秒を示す値)となる。タイマーの表示の値が0となったことに基づいて、所定表示の表示態様が実行されていたタイマー変化演出に関連して変化される。タイマー変化演出は、このようにタイマー表示920の値が0となり、所定表示の表示態様が変化するまでの演出である。このようなタイマー表示920は、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされる。ここで、タイマー表示920は、秒より下の位2桁についても実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
図30(b)に示すように、タイマー変化演出の開始時は、アクティブ表示AHの表示態様が変化することを示唆する示唆表示910として、キャラクタとボール画像911とが表示される。タイマー変化演出の開始時におけるボール画像911の色は、青色である。このような青色は、保留表示エリア18cに示される保留表示Hの色と同じである。保留表示Hは、青色で表示される。また、アクティブ表示AHは、通常青色で表示され、タイマー変化演出により色が変化する場合がある。アクティブ表示AHの色は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に大当り期待度が高くなる。キャラクタは、お手玉をするようにボール画像911を上方に投げる。タイマー表示920には、「10:00」と表示され、タイマー変化演出が10秒間実行されることが示される。
図30(b)の状態から3秒経過後、図30(c)のように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が7秒であることを示す「07:00」で表示される。このとき、ボール画像911の色が青色から緑色(図中の斜線)へと変化する。色が変化することで、大当りの期待度が向上する。その後、タイマー変化演出開始時から9秒経過後、図30(d)に示すように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が1秒であることを示す「01:00」で表示される。ボール画像911の色は、図30(c)の状態と同じ緑色である。
図30(d)の状態からさらに1秒経過後(タイマー変化演出から10秒経過後)、図30(e)のように、タイマー表示920が「00:00」とタイマー変化演出の残り時間が0秒であることが示される。そして、0秒となったときに、示唆表示として表示されるキャラクタがボール画像911をアクティブ表示エリアAHAに向かって投げる演出が実行される。投げられたボール画像911は、図30(f)に示すように、アクティブ表示AHに命中する。アクティブ表示AHの表示態様は、ボール画像911が命中することで青色からタイマー変化演出の関連した態様の緑色へと変化する。青色から緑色に変化することで、実行されている変動表示の期待度が向上する。
このように、タイマー変化演出の実行中は、タイマー表示920により、タイマー変化演出の実行期間を知らせることができるので、図30(e)、(f)に示すように、アクティブ表示AHの表示態様が変化するタイミングを明確にすることができる。よって、タイマー表示920が0秒となるまでの期間に遊技者にタイマー表示920の表示値に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、図30(b)、(c)に示すように、タイマー変化演出実行中に示唆表示910におけるボール画像911の色を変化させることで大当り期待度が向上するので、示唆表示910におけるボール画像911の表示態様に遊技者を注目させることができる。
図31は、タイマー変化演出の実行期間を説明するためのタイミングチャートである。タイミングチャートの横軸は、時間(t)を示し、低レベルは変動停止、高レベルは変動中を示している。この形態では、図6に示すノーマルリーチとスーパーリーチとの変動パターンのうち、スーパーリーチの変動パターンにおいてタイマー変化演出が実行される。スーパーリーチの変動パターンには、第1〜第4スーパーリーチの変動パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560からスーパーリーチの変動パターンを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図6の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
図31に示すように、SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
タイマー変化演出は、このようなSPリーチが実行されるまでの期間において実行される。このようにすれば、SPリーチ前のタイマー変化演出について遊技者を注目させることができる。また、大当り期待度の高いSPリーチ演出についても、SPリーチによる演出を阻害することなく、遊技者に注目させることができる。
図32は、タイマー変化演出実行決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行決定テーブルは、タイマー変化演出を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行決定テーブルには、図32(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルと、図32(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図32(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する>タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図32(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する<タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図32(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、タイマー変化演出が実行される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図33は、タイマー変化演出実行時間決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、各変動毎にタイマー変化演出の実行される時間(秒数)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行時間決定テーブルには、図33(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルと、図33(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行時間決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図33(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒<15秒<20秒」という大小関係となるように、長いタイマー変化演出実行時間(長い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図33(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒>15秒>20秒」という大小関係となるように、短いタイマー変化演出実行時間(短い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図33(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、長いタイマー変化演出の実行時間に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出の実行時間が長い場合には、タイマー変化演出の実行時間が短い場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。このようにすれば、遊技者にいずれのタイマー表示920の表示態様が表示されたかに注目させることができる。
また、図33に示すように、タイマー変化演出の実行時間は複数設けられている。よって、タイマー表示920として最初に表示される表示態様が複数あるので、タイマー表示920による演出が多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図34は、タイマー変化演出のための変化回数決定テーブルを示す図である。変化回数決定テーブルでは、タイマー変化演出において、ボール画像911の色の変化の回数が決定される。変化回数決定テーブルには、図34(A)の大当り時変化回数決定テーブルと、図34(B)のはずれ時変化回数決定テーブルとが含まれる。これらの変化回数決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ボール画像911の色の変化回数によって大当り当りとなる期待度が異なる。
変化回数決定テーブルにおけるタイマー変化演出実行時間(秒)は、タイマー変化演出の実行時間を示している。この形態では、10秒,15秒,20秒ごとに変化回数が2パターンずつ設定されている。タイマー変化演出の実行時間が10秒の場合には、変化回数として0回または1回のいずれかに決定される。変化回数が0回とは、タイマー変化演出においてボール画像911の色が青色から変化しないことを示している。また、タイマー変化演出の実行時間が15秒の場合には、変化回数として1回または2回のいずれかに決定される。また、タイマー変化演出の実行時間が20秒の場合には、変化回数として2回または3回のいずれかに決定される。
図34(A)の大当り時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回<1回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回<2回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「2回<3回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
また、図34(B)のはずれ時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回>1回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回>2回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、常に2回が決定されるようにデータが設定されている。このように、はずれ時には、変化パターンとしてボール画像911が3回変化する場合がないので、3回変化することで大当りとなることが確定する。
図34(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、どのタイマー変化演出実行時間についても多い方の変化回数に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出においてボール画像911の変化回数が多い場合には、変化回数が少ない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図35は、タイマー変化演出のための変化パターン決定テーブルを示す図である。変化パターン決定テーブルでは、タイマー変化演出におけるボール画像911の色の変化パターンが決定される。変化パターン決定テーブルには、図35(A)の大当り時変化パターン決定テーブルと、図35(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルとが含まれる。これらの変化パターン決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ここで、図35に示すテーブルでは、色が変化する程大当り期待度が高くなっている。大当り期待度は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に高くなる。なお、虹色は、大当りとなる場合にしか決定されない色である。
図35(A)の大当り時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』<『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』<『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に赤色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑→赤の変化パターン』<『青→緑→赤→虹の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に虹色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図35(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』>『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に黄色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』>『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、はずれの場合には3回変化する変化パターンには設けられていない。
図35(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、最終的に変化するボール画像911の色が大当り期待度の高い色となる割合が高くなる。よって、最終的に変化したボール画像911の色の種類により、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図36は、変化タイミング決定テーブルを示す図である。変化タイミング決定テーブルでは、変化回数に応じたボール画像911の変化タイミングが決定される。図36変化タイミング決定テーブルでは、タイマー変化演出実行時間が10秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「7:00」と「2:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「10:00」と「5:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「10:00」、2回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」、3回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」、3回目が「2:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
図36でのデータの設定により、タイマー変化演出実時間と変化回数とが決定されている場合に、複数の変化タイミングの中からいずれかの変化タイミングに決定することができる。また、このように変化タイミングが複数設けられているので、いずれのタイミングで示唆表示910としてのボール画像911が変化するかについて遊技者に注目させることができる。
図37は、タイマー変化演出のための演出図柄変動開始処理における演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図37においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、タイマー変化演出の設定に関係する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、タイマー変化演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンがスーパーリーチを指定する変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S901)。受信した変動パターンコマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域にスーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンでなければS908の処理へ移行する。スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、抽出した乱数値と図32に示すタイマー変化演出実行決定テーブルとを用いて、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、タイマー変化演出の実行の有無を決定する(S902)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
S903においては、S902の決定結果に基づいて、タイマー変化演出が実行ありと決定されたか否かを判定する(S903)。タイマー変化演出を実行する決定がされていなければ、S908の処理へ移行する。タイマー変化演出を実行すると決定されていれば、S904において、SR3の値を抽出し、抽出した乱数値と図33に示すタイマー変化演出実行時間決定テーブルとにより、タイマー変化演出実行時間(タイマー変化演出を実行する秒数)を決定する。次いで、S905において、SR4の値を抽出し、抽出した乱数値と図34に示す変化回数決定テーブルとにより、タイマー変化演出中においてボール画像911の色を変化させる回数(変化回数)を決定する。
次いで、S906の処理へ移行し、SR5を抽出し、抽出した乱数値と図35に示す変化パターン決定テーブルとにより、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、ボール画像911の色の変化パターンを決定する(S906)。次いで、S907においてSR6の値を抽出し、抽出した乱数値と図36に示す変化タイミング決定テーブルとにより、タイマー変化演出においてボール画像911の色が変化するときの変化タイミングを決定する(S907)。ボール画像911の色は、タイマー表示920が特定の表示値となったときに変化するので、変化タイミングは、変化時のタイマー表示値を決定することにもなる。
次いで、S908では、タイマー変化演出以外に今回の変動表示中に実行されるその他の演出を決定し、決定した演出を実行するように設定する。演出設定処理においては、決定した演出を実行するためのデータがRAM102に記憶される。演出設定処理において設定された演出は、演出制御パターンとして選択され、その演出制御パターンに基づいて、S802の演出図柄変動中処理において、演出図柄の変動表示中に実行される。
[タイマー変化演出の変形例]
保留変化演出が実行された保留表示Hに対してタイマー変化演出を実行してもよい。たとえば、保留変化演出において保留表示Hの色を通常態様の青色から黄色に変化させる。そして、変化した保留表示Hがアクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AHとして表示されたときにタイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色をさらに変化させるようにしてもよい。
このような場合には、始動入賞が発生した際に大当りか否かにより予め定められた色の最終色を最初に決定しておき、保留変化演出では、保留表示Hの色をその途中まで変化させ、タイマー変化演出では、アクティブ表示AHの色を最終色まで変化するように制御すればよい。また、先読み演出で実行される演出は、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出でもよく、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出であってもよい。たとえば、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出としては、所定のキャラクタを登場させ、そのキャラクタが保留変化が実行される保留表示Hを叩くなどの所定の作用を実行することにより、保留表示Hの色が変化するような演出が考えられる。また、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出としては、保留表示Hの表示態様を「タイマー準備中」と記載された準備保留に変化させ、変化させた保留に対する変動表示が実行されるときに、タイマー変化演出を実行し、タイマー表示920が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、保留表示Hの段階からタイマー変化演出が実行されることに遊技者に注目させることができる。なお、準備保留は、変動開始時に必ず実行されるものではなく、実行されない場合があるようにしてもよい。また、準備保留では、タイマー表示920を表示してもよいし(タイマー表示をするがカウントダウンはしないなど)、表示しないようにしてもよい。
アクティブ表示AHを変化させる演出としてタイマー変化演出とは別のアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。アクティブ変化演出としては、たとえば、キャラクタがアクティブ表示AHに対してビームを発射する作用をする作用演出により、アクティブ表示AHの表示態様(たとえば、色)が変化するようにしてもよい。このようなアクティブ変化演出をSPリーチの前とSPリーチ中とのいずれかのタイミングにおいて実行してもよい。このような場合には、SPリーチ前のアクティブ変化演出とSPリーチ中のアクティブ変化演出とで演出期間が異なるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前はアクティブ変化演出の演出期間が長く、SPリーチ中は、アクティブ変化演出の演出期間が短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、アクティブ変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をアクティブ変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。なお、SPリーチ中のアクティブ変化演出は、その変動表示についての最終の当否煽りの演出(たとえば、その後に大当りか否かが分かるリーチ終盤のカットイン演出等)までの時間に実行されることが望ましい。
また、SPリーチ中のアクティブ変化演出については、演出期間を短くするのではなく、アクティブ変化演出の表示を縮小する、SPリーチ前に比べてアクティブ変化演出の演出自体を地味にするようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前には、演出表示装置9の画面上で派手な演出を実行したり、役物を動作させたりするが、SPリーチ中は、SPリーチ前よりも簡素な演出を実行すればよい。
また、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とを実行可能としてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行される場合には、アクティブ変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。また、逆にアクティブ変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、演出が煩雑になってしまい、遊技者がいずれの演出に注目すればよいのかが定まらないようになることを防止することができる。なお、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とが重複しないタイミングであれば、2つの演出を一の変動表示中に実行してもよい。
SPリーチ演出中にタイマー変化演出を実行してもよい。このような場合には、SPリーチの開始前とSPリーチ中とでタイマー変化演出の実行時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ中のタイマー変化演出の実行期間がSPリーチ前の実行期間よりも短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、タイマー変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をタイマー変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。
リーチとなる前にタイマー変化演出を実行し、リーチ後にはタイマー変化演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、リーチ後の演出に遊技者を集中させることができる。
タイマー変化演出が複数回実行されるようにしてもよい。たとえば、1回目のタイマー変化演出の実行時にアクティブ表示AHの色を変化させ、一旦示唆表示910やタイマー表示920を消去してもよい。そして、その後再びタイマー変化演出が実行され、当該タイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色が変化するようにしてもよい。
図34に示すように、タイマー変化演出は実行時間が長い程、多い変化回数に決定される割合が高くなっていた。そして、タイマー変化演出の実行時間が短い場合には、変化しない場合(変化回数0回)もあった。しかしながら、タイマー変化演出が実行された場合には必ずアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。また、タイマー変化演出の実行時間として長い時間に決定されていても、変化回数が少ない場合や変化しない場合が設けられていてもよい。
図35に示すように、変化回数が1回の場合には、大当り期待度の高い赤色に変化するパターンが設けられていなかった。しかし、変化回数が少ない場合に大当り期待度の高いパターンを設けてもよい。また図35(B)に示すように、はずれの場合には、3回変化するパターンが設けられていなかったが、表示結果がはずれとなる場合にも3回変化するパターンを設けてもよい。
大当りの場合とはずれの場合とで、図36のような変化タイミング決定テーブルが異なるようにしてもよい。たとえば、変動表示の表示結果が大当り表示結果になる場合とはずれ表示結果になる場合とで、変化タイミングが異なるようにしてもよい。また、大当り表示結果となる場合にしか決定されない変化タイミング(たとえば、残り「7:77」で変化するなど)を設けてもよい。
図6に示す第1〜第4のいずれのスーパーリーチでもタイマー変化演出が実行される場合を示した。しかし、タイマー変化演出は、特定のスーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。たとえば、タイマー変化演出は、大当り期待度の高い第4スーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。
時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマー表示920について説明した。しかし、タイマー表示920は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
タイマー変化演出が実行される場合に、タイマー表示920の開始時の秒数が異なる場合を示した。しかし、タイマー表示920の表示態様が異なることについて、表示される秒数が異なるのではなく、タイマー表示920の大きさが異なること、タイマー表示920の色が異なること、タイマー表示920の形(枠の形など)が異なることのいずれか、または、その組合せであってもよい。
図30(e),(f)に示すように、示唆表示910としてのボール画像911が直接アクティブ表示AHに当たりアクティブ表示AHが変化する場合を示した。しかし、キャラクタから投げられたボール画像911が一旦演出表示装置9の画面上で拡大されて表示された後に、アクティブ表示AHに当たる(作用する)ような演出が実行されてもよい。また、キャラクタから投げられたボール画像911がアクティブ表示AHに当たるときに、さらに、アクティブ表示の表示態様が変化するようにしてもよい。たとえば、黄色のボール画像911がアクティブ表示AHに当たることで、アクティブ表示AHの表示態様が赤色にさらに変化してもよい。
図33に示すようにタイマー変化演出の実行時間が長い程、大当り期待度が高くなるようにデータが設定されていた。しかし、タイマー変化演出の実行期間は、大当り期待度に関わらず一定にしてもよい(たとえば、常に10秒)。このような場合には、大当り期待度に応じてタイマー表示920の枠の色を変化させるなど、数字以外の部分で大当り期待度が異なるようにしてもよい。
図30の示唆表示910として示すキャラクタを複数種類設けてもよい。そして、キャラクタの違いにより、タイマー変化演出によりボール画像の変化する回数、タイマー表示920の秒数が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出の実行中にタイマー表示920のカウントダウンを数秒間停止する演出(以下、フリーズ演出と称する)を実行してもよい。フリーズ演出後は、タイマー表示920が再びカウントダウンするようにすればよい。また、フリーズ演出を経由する場合とフリーズ演出を経由しない場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出で実行されるタイマー表示920が0秒を示す値となったときに、タイマー表示920の値が増加する特別パターンを設けてもよい。また、このような特別パターンは複数回実行されるようにしてもよい。また、特別パターンが実行される毎に、タイマー変化演出により、ボール画像911の色が変化するようにしてもよい。
変動表示中に実行されている他の演出の種類により、タイマー変化演出が実行される位置を変更するようにしてもよい。たとえば、第1の演出が実行されている場合には、演出表示装置9の右上の位置でタイマー変化演出を実行し、第2の演出が実行されている場合には演出表示装置9の左下の位置でタイマー変化演出を実行してもよい。また、演出の種類によりタイマー変化演出が実行される位置を変えるのではなく、タイマー変化演出として表示される示唆表示910の大きさを変えるようにしてもよい。
タイマー変化演出におけるタイマー表示920の表示態様を0秒となるまでに変化させてもよい。たとえば、10秒からカウントダウンが開始され、変化タイミングの7秒でタイマー表示920の数字や枠の色を変化させてもよい。また、このときの色は、ボール画像911の変化の色に対応させてもよい。
図30に示すうようにタイマー変化演出としてキャラクタがお手玉をして1つのボール画像911を変化させる演出を示した。このような、ボール画像911は1つではなく複数個表示されるようにしてもよい。また、複数のボール画像911のうち、少なくとも1個以上のボール画像911がタイマー変化演出の実行中に変化するようにしてもよい。たとえば、ボール画像911を2個用いてキャラクタがお手玉をする場合、タイマー変化演出中に一方のボール画像911を青色から緑色に変化させ、他方のボール画像911は青色から赤色に変化させるようにしてもよい。そして、タイマー表示920が0秒となったときに、キャラクタがこれらのボール画像911のうちのいずれかをアクティブ表示AHに向けて投げるようにしてもよい。このようにすれば、最終的にアクティブ表示AHの表示態様がどのような表示態様になるかが分からないので、遊技者をタイマー変化演出に注目させることができる。また、大当り期待度が高い場合には、タイマー変化演出において表示されるボール画像911の数が多くなるようにしてもよい。また、1個目のボール画像911によりアクティブ表示AHの表示態様が変化した後に、2個目のボール画像911をキャラクタが再度アクティブ表示AHに向けて投げることにより、より期待度の高い表示態様へとアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。
遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、タイマー変化演出が実行されるようにすればよい。スロットマシンでタイマー変化演出を実行する場合には、所定の抽選対象役に当選したときに保留表示を表示すればよい。そして、次のゲームにおいて保留表示をアクティブ表示領域に移動させ、当該ゲームにおいて、遊技者にとって有利となる有利状態(たとえば、遊技者にとって有利な操作手順を報知するAT)に当選したときに、タイマー変化演出を実行すればよい。また、このような場合のタイマー変化演出では、遊技の進行を遅延させる遅延制御とともに実行するようにしてもよい。遅延制御中に所定期間タイマー表示を表示し、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、アクティブ表示の表示態様を変更するようにしてもよい。
[アクティブ保留変化演出のその他の変形例]
図22に示したアクティブ保留変化演出は、演出開始位置を予め定めた位置A〜Cの中から遊技者が選択可能なものとした。しかし、操作手段の操作によって、遊技者が自由にその位置を選択可能な構成としてもよい。
図22に示したアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図22を参照して、キャラクタ930はアクティブ表示AHに向けてボールを投げるのではなく、いずれかの保留表示Hに向けてボールを投げる演出とする。いずれの保留表示Hを対象とし、どのタイミングで演出を開始するかは任意であるが、たとえば、保留変化演出の制御に用いる演出実行タイミング決定テーブル(図19)を用いて、それらを決定してもよい。ただし、保留表示Hの場所に応じて、位置A〜Cとの距離が異なってしまう。いずれの保留表示Hが対象とされた場合であっても保留表示と位置A〜Cとの距離関係を共通にするためには、対象とされた保留表示Hの位置に応じて、位置A〜Cの位置をずらすようにしてもよい。
図22に示したアクティブ保留変化演出は、成功パターンとなったときにはアクティブ表示の色が“最終色”に成り上がるか、若しくは大当り期待度が成り上がりの色の中で最も低い1段階目の色(青)に成り上がるかのいずれかである。しかし、そのような1段階目の色に代えて、2段階目の色(緑)に成り上がるようにしてもよく、1段階目または2段階目のいずれかの色に成り上がるようにしてもよい。ただし、“最終色”が元々、1段階目の色に決定されているときには、2段階目の色に成り上がらないように規制する必要がある。
図30に示したタイマー変化演出は、アクティブ保留変化演出の第2変形例である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、保留表示Hに対して、図30のタイマー表示920を用いたタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。つまり、先読み演出としてタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行されるまでに実行される変動表示がタイマー変化演出を実行することのできる変動時間であるか否かを判定し、タイマー変化演出を実行できる変動時間であれば、タイマー変化演出を実行すればよい。そして、タイマー変化演出により、アクティブ表示AHではなく、保留表示Hが変化するようにしてもよい。
[特定演出(保留変化演出およびアクティブ保留変化演出)のパターンの採用]
この形態においては、保留表示あるいはアクティブ表示に向かって投げられたボールは、必ず対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつかる演出とした。しかし、投げ放たれたボールが対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。たとえば、途中で横風に煽られて、ボールが上手く対象の保留表示あるいはアクティブ表示にあたらずに通過していくような失敗パターンに代えること、あるいは、そのような失敗パターンをさらに追加することが考えられる。
パチンコ遊技機1は、特定演出として、これまでに説明した保留変化演出およびアクティブ保留変化演出のうちの一方のみを採用したものとしてもよいし、双方を採用したものとしてもよい。また、保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。同様に、アクティブ保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。
[その他の変形例]
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
上記では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、変動表示(可変表示等)を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
変動表示に対応する所定表示(保留表示、あるいはアクティブ表示等)を表示可能な所定表示手段(保留表示エリア18c、アクティブ表示エリアAHA等)と、
作用表示(ボール等)を作用させることにより前記所定表示の表示態様を変化させる特定演出(図15(a)(b)(c)に示すように、キャラクタ930がカラーボール931を保留表示THに向けて投げると、カラーボール931が保留表示THに衝突して保留表示THの色が変わる等)を実行可能な特定演出実行手段(保留表示エリア18c、アクティブ表示エリアAHA等)と、
優先度が異なる複数種類の事象に対応しての異常の発生を判定可能な異常判定手段(例えば、CPU90103が、図56に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたときに、該判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了し、該判定された異常についての報知を行う異常報知手段(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に、遊技停止フラグがセットされていない場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が実行するエラー報知処理において、該優先度の高いエラーのエラー報知を、既に実行されているエラー報知に代えて実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたことにもとづいて、該判定された異常に対応した状態に制御する状態制御手段(例えば、CPU90103が、S90411において遊技球の発射を禁止して遊技停止状態とする部分)と、
を備え、
前記異常報知手段は、前記状態制御手段により制御されている状態が所定状態(例えば、遊技停止フラグがセットされている遊技停止状態)であるときに、異常に対応する新たな事象が発生した場合には、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続し(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に遊技停止フラグがセットされている場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信しないことにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が、該優先度の高いエラーのエラー報知を実行せずに、既に実行中のエラーの報知を継続する部分)、
前記特定演出実行手段は、
前記作用表示の表示を開始し、所定期間経過後に前記所定表示の表示態様を変化させる第1パターン(図15(a)(b)(c)での成功パターン等)と、前記作用表示の表示を開始し、所定期間経過後に前記所定表示の表示態様を変化させない第2パターン(図15(a)(b)(d)での失敗パターン等)と、を実行可能であり、
前記第1パターンと前記第2パターンとの所定期間における共通のタイミングにおいて、対象となる前記所定表示に対する前記作用表示の速度を減速させること(図15(b)に示すとおり、成功時と失敗時とで同じタイミングでボールの速度の減速を開始させる等)が可能である遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、作用表示に変化を与えることによって遊技の興趣を向上させることができる。また、所定状態に制御される契機となった事象が確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
上記遊技機において、変動表示中に特定演出が行われているときに異常判定手段によって異常が判定された場合、異常の報知を優先する点より特定演出の実行は中止されてもよいし、そのまま継続して特定演出が実行されてもよい。なお、そのまま継続して特定演出が実行される場合、異常の報知を優先する点より、異常の報知に関する表示は特定演出に比べて目立つように表示されてもよい。例えば、異常の報知に関する表示は特定演出に重複して表示され、重複する部分は異常の報知に関する表示が優先して表示される形態や、異常の報知に関する表示は特定演出に比べて派手に大きく表示される形態などが挙げられる。
さらに、所定状態に制御される契機となった事象が確認困難となってしまうことを防ぐことができる遊技機の一例として、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
優先度が異なる複数種類の事象に対応しての異常の発生を判定可能な異常判定手段(例えば、CPU90103が、図56に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたときに、該判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了し、該判定された異常についての報知を行う異常報知手段(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に、遊技停止フラグがセットされていない場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が実行するエラー報知処理において、該優先度の高いエラーのエラー報知を、既に実行されているエラー報知に代えて実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたことにもとづいて、該判定された異常に対応した状態に制御する状態制御手段(例えば、CPU90103が、S90411において遊技球の発射を禁止して遊技停止状態とする部分)と、
を備え、
前記異常報知手段は、前記状態制御手段により制御されている状態が所定状態(例えば、遊技停止フラグがセットされている遊技停止状態)であるときに、異常に対応する新たな事象が発生した場合には、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続する(例えば、メイン側エラー処理のS90407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に遊技停止フラグがセットされている場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信しないことにより、演出制御基板9012の演出制御用CPU90120が、該優先度の高いエラーのエラー報知を実行せずに、既に実行中のエラーの報知を継続する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、図面を参照しつつ、詳細に説明する。尚、以下においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記することがある。図38は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。尚、遊技盤902の前面は、遊技機用枠(台枠)903に、開閉可能に設けられたガラス扉枠903aによって覆われている。尚、これらガラス扉枠903aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠90Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠903aを開放することはできないようになっている。
遊技盤902の所定位置(図38に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。尚、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを方形状とした形態を例示したが、これに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(「飾り図柄」ともいう)が変動表示される。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置905の表示領域には、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア905Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア905Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
図38に示す例では、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置905の左右には、一般入賞口9050A,9050Dが設けられているとともに、一般入賞口9050Aの下方の領域には、一般入賞口9050B,9050Cとが設けられている。また、演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図39に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図38中実線位置参照)と傾動位置(図38中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図39に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図39に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、一般入賞口9050A,9050B,9050C,9050Dを通過(進入)した遊技球は、図39に示す第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bが一体化された特別可変入賞球ユニット907が設けられている。
ここで、特別可変入賞球ユニット907の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機901を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図38に示すように、特別可変入賞球ユニット907は、左部側が第1特別可変入賞球装置907Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置907Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット907の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット907内、特に第2特別可変入賞球装置907B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置907Aは、ソレノイド9082(図39参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉90701を備え、該第1大入賞口扉90701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット907の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉90701は、ソレノイド9082の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置907Aでは、ソレノイド9082がオン状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド9082がオフ状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ9023(図39参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ9023によって検出される。第1カウントスイッチ9023を通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置906Bに誘導され、普通可変入賞球装置906Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
図45に示す第2特別可変入賞球装置907Bは、第1特別可変入賞球装置907Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド9083(図39参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉90711を備え、該第2大入賞口扉90711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置907Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉90711は、ソレノイド9083の駆動によって第2大入賞口を開放する第1状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第2状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置907Bでは、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオン状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオフ状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図45に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ9024Aを通過することで、該第2カウントスイッチ9024A内によって検出される。第2カウントスイッチ9024Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図45に示すように、第2特別可変入賞球装置907B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路90750が形成されている。遊技球流路90750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路90740(図45中実線に沿う領域)と該主経路90740から分岐する分岐路90741(図45中点線に沿う領域)とを有する。主経路90740と分岐路90741との間には後述する逆流防止部材90730が配設されている。また、主経路90740における逆流防止部材90730の上流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第1分岐部90742が設けられており、主経路90740における逆流防止部材90730の下流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第2分岐部90743が設けられている。つまり、主経路90740を流下する遊技球は、第1分岐部90742または第2分岐部90743から分岐路90741側に移動可能とされている。
主経路90740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ9024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ9024Bを通過することで、該第3カウントスイッチ9024Bによって検出される。第3カウントスイッチ9024Bを通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。また、分岐路90741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ9024Cを通過することで、該第4カウントスイッチ9024Cによって検出される。
尚、この例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉90711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、パチンコ遊技機901では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
主経路90740における第1分岐部90742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材90721が設けられている。規制部材90721は、ソレノイド9085(図39参照)の駆動によって主経路90740内に突出することで、遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路90740内から退避することで遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材90721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路90741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路90740に設けられている。このため、規制部材90721が規制状態であるときに主経路90740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材90721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部90743を経由して分岐路90741に向けて流下するように誘導される。
主経路90740と分岐路90741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材90730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材90730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材90721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側から接触したときに主経路90740側から分岐路90741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路90740と分岐路90741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路90740と分岐路90741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材90721の上方には前方に向けて突出するリブ90801が設けられており、逆流防止部材90730は規制位置において該リブ90801に正面視で反時計回り方向から当接する。
尚、逆流防止部材90730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側から第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材90730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路90741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材90730がリブ90801に当接していることによって逆流防止部材90730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側から第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側への遊技球の移動が確実に規制される。
図38に戻って、遊技盤902の所定位置(図38に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、通過ゲート9041は、特別可変入賞球ユニット907における第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907B間に設置されている。尚、通過ゲート9041内には、後述するゲートスイッチ9021が内蔵されている。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球ユニット907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。
この例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置906A及び普通可変入賞球装置906Bに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置906B、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bに入賞可能、かつ、通過ゲート9041を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bに入賞不能、かつ、通過ゲート9041を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が図39に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図39に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図39に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
パチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置907Aの第1大入賞口扉90701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置907Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
尚、小当り遊技状態において第2大入賞口扉90711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、これに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第3カウントスイッチ9024Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU90103は、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第4カウントスイッチ9024Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU90103は、該遊技球の第4カウントスイッチ9024Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bが第1状態に制御されるようになっているが、これに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置907Aが第1状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器9020による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機901には、例えば図39に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、ターミナル基板(情報出力基板)9016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板9011には、図46(A)に示すように、パチンコ遊技機901の背面側から視認可能な表示モニタ9029が設けられており、該表示モニタ9029に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。
また、主基板9011には、図39に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ9060、電磁波による不正を検知するための電波センサ9070、パチンコ遊技機901に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ9080、遊技盤902の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠903aの開放を検知する扉開放センサ9090、第1大入賞口扉90701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉90711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ9092、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ9093、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ9094等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、図39において球切れセンサ9094は、主基板9011に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081〜9083に伝送する出力回路90111、ターミナル基板9016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路90112が搭載されている。
また、図39に示す主基板9011は、図46(A)に示すように、基板ケース90201に封入されており、主基板9011の中央には表示モニタ9029(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ9029は、主基板9011を視認する際の正面に配置されている。主基板9011は、ガラス扉枠903aを開放していない状態では視認できないので、主基板9011を視認する際の正面とは、ガラス扉枠903aを開放した状態における遊技盤902の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機901の正面とは異なる。ただし、主基板9011を視認する際の正面とパチンコ遊技機901の正面とが共通するようにしてもよい。
また、主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、各入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ9029に表示されるようになっており、これら入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。つまり、パチンコ遊技機901のメーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機901を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、パチンコ遊技機901では、当該パチンコ遊技機901において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。
尚、出力回路90111は、ソレノイド9085を駆動させるためのコントローラ9084にも接続されている。コントローラ9084は、パチンコ遊技機901の起動時に出力回路90111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100から起動信号を受信することでソレノイド9085の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ9084がソレノイド9085を駆動することにより、規制部材90721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図40(A)は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図40(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図40(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図40(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図40(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機901においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、図56に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板9012側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(図67参照)によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア905Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア905Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100は、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)90106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図41は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図41に示すように、この実施例では、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR’1の他、大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3、普図表示結果判定用の乱数値MR’4、MR’4の初期値決定用の乱数値MR’5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR’1〜MR’5は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図42は、変動パターンを示している。この例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、「非リーチ変動パターン」(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、「リーチ変動パターン」(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、「大当り変動パターン」と称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、「小当り変動パターン」と称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、これに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、・・・のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ・・・といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図5に示すように、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、おけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR’3のみを用いて決定するようにしているが、これに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR’3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図43などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図43(A)に示す表示結果判定テーブル、図43(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図43(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図43(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図43(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR’1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図43(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、MR’1の値が図43(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR’1が図43(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、図43(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、CPU90103は、図43(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、この例では、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図43(B)、(C)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図43(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図43(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR’2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、図43(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図43(D)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR’2)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR’2によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
ここで、大当り種別について図43(E)を用いて説明すると、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
尚、大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、これに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
また、図43(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR’2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
一方で、図43(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR’2の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
また、図43(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR’2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR’3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、おける小当りの変動パターンとしてはPC1−1のみが設けられているが、これに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR’3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図42に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図39に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図44に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図44に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155とを備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR’1や大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR’1や大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR’4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数回路90104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR’1〜MR’4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図39に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図39に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板9012の側においても、主基板9011と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図39に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば演出表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果ランプ909の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図39に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S9072、図66参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
ここで、主基板9011における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
主基板9011には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ9029は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)を表示するようになっている。連比とは、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。つまり、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ9029は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される60000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と60000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、パチンコ遊技機901から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率は、42000を60000で除算することにより0.70小数点以下3桁切り捨て)として求められる。しかしながら、パチンコ遊技機901に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
上記した例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまりこの例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、パチンコ遊技機901に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機901に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法ではパチンコ遊技機901で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース90201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板9011、及び表示モニタ9029が視認可能になっている。基板ケース90201には主基板9011に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板9011の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板9011に設けられた表示モニタ9029は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ9029の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板9011を視点としての真正面を意味し、主基板9011を視認しようとする従業員等と主基板9011との間を意味する。
ここで、パチンコ遊技機901に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機901に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ90100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ9029に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ90100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ9029は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図46(A)に示す表示モニタ9029では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
尚、この例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する形態を例示したが、これに限定されるものではなく、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数、連続役物獲得球数を集計するようにしてもよい。
以下、連比役比の表示について、より具体的に説明する。主基板9011は、遊技盤902(図38参照)の裏面側に設けられている。遊技盤902の裏面側には、主基板9011以外の他、演出制御基板9012などの各周辺基板も設けられている。
主基板9011におけるRAM90102には、ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。尚、この例では、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)の入賞数を大入賞数カウンタにて集計する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら第1大入賞口への入賞数を集計する第1大入賞数カウンタと、第2大入賞口への入賞数を集計する第2大入賞数カウンタとを個別に設けて、第1大入賞口への入賞数と第2大入賞口への入賞数とを個別に集計し、これらの各入賞数を合計してアタッカーへの入賞数とするようにしてもよい。
ゲート通過数カウンタは、ゲートスイッチ9021が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ9022Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ9022Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ9026Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ9026Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ9026Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ9026Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、第1カウントスイッチ9023と第2カウントスイッチ9024Aとが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
尚、主基板9011には、図示しないクリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤902の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM90102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板9011に送信される。
尚、主基板9011には、前述したように、RTC90106が設けられおり、RTC90106によって現在時刻を検出できる。RTC90106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、RTC90106は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板9011は、図46(A)に示すように、基板ケース90201に収容されている。基板ケース90201には、かしめピン9011Bが取り付けられている。このかしめピン9011Bが設けられていることにより、主基板9011が基板ケース90201に完全に封入された状態となり、主基板9011に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース90201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ9029は、主基板9011上に設けられている。また、基板ケース90201には、主基板9011が封入されたことを証明するための封印シール9011Sが貼られている。封印シール9011Sは例えば基板ケース90201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール9011Sは、主基板9011からは離れた位置に配置されており、表示モニタ9029の真正面など、表示モニタ9029の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ9029は、封印シール9011Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ9029は、第1表示部9029A、第2表示部9029B、第3表示部9029C、及び第4表示部9029Dを備えている。第1表示部9029A〜第4表示部9029Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部9029A〜第4表示部9029Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ9029には、図46(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部9029A及び第2表示部9029Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数は、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部9029A及び第2表示部9029Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板9011は、連比及び役比を算出するにあたり、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU90103は、メイン処理において、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、並びに、第1一般入賞口スイッチ9026A〜第4一般入賞口スイッチ9026Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理を行っている。
このスイッチ処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、ゲートスイッチ9021から検出信号が出力された場合には、ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ9022A,第2始動口スイッチ9022Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024Aから検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM90102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理であるスイッチ処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板9011のCPU90103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM90102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図47に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM90102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU90103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM90102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM90102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM90102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板9011のCPU90103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板9011のCPU90103のメモリ空間について説明する。図48は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU90103は、上述の内蔵レジスタ、ROM90101、RAM90102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図48のメモリマップに示すように、ROM90101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(この形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU90103は、このROM領域を指定してROM90101からのデータの読み出しを行う。また、この例では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(この実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU90103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM90102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(この実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU90103は、このRWM領域を指定してRAM90102からのデータの読み出しやRAM90102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(この実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM90102の記憶領域に対応するRAM領域(この実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図49に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM90102の記憶領域には、CPU90103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU90103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM90102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM90102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM90102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM90102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM90102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM90102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM90102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、この実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM90102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM90102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板9011は、表示モニタ9029に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板9011は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図50(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図50(A)に示すように、表示モニタ9029に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図50(B−1)に示すように、第1表示部9029Aに「y」の文字が表示され、第2表示部9029Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部9029Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部9029Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図50(B−2)に示すように、第1表示部9029Aに「y」の文字が表示され、第2表示部9029Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部9029Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部9029Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図50(B−3)に示すように、第1表示部9029Aに「A」の文字が表示され、第2表示部9029Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部9029Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部9029Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図50(B−4)に示すように、第1表示部9029Aに「A」の文字が表示され、第2表示部9029Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部9029C及び第4表示部9029Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部9029Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部9029Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図50(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ9029は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板9011では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図52に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM90102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM90102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM90102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図52のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図52に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定し、各スイッチに対応する入賞数カウンタへの加算を実行する(S9011)。
続いて、入賞が発生した場合、つまり、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dからの検出信号の入力があった場合には、各検出信号による入賞に対応した賞球個数の設定などを行う賞球処理(S9012)を実行する。
次いで、CPU90103は、役比、連比等の入賞情報を算出する入賞情報処理(S9013)、該入賞情報処理にて算出された役比、連比等の入賞情報を表示モニタ9029に表示する入賞情報表示制御処理(S9014)を行う。その後、所定のメイン側エラー処理(S9015)を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、払出情報などのデータを出力する(S9016)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR’1や乱数値MR’1〜MR’4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9017)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S9018)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S9019)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S9020)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
図53は、入賞情報処理を示すフローチャートである。CPU90103は、図53に示すように、入賞情報処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(S90301)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(S90301;Y)には、警告表示準備を行い(S90302)、S90303に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(S90301;N)には、入賞情報を取得する(S90303)。入賞情報は、第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023及び第2カウントスイッチ9024A、並びに、第1一般入賞口スイッチ9026A〜第4一般入賞口スイッチ9026Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(S90304)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC90106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(S90304;Y)、ガラス扉枠903aが閉鎖されているか否かを扉開放センサ9090からの出力信号により判断する(S90305)。
その結果、扉開放センサ9090から信号が出力されておらず、ガラス扉枠903aが閉鎖されている場合には(S90305;Y)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(S90306)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC90106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ9023による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(S90306;N)には、S90303で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(S90307)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま入賞情報処理を終了する。賞球数加算処理では、図47に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(S90308)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(S90308;N)には、そのまま入賞情報処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(S90308;Y)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(S90309)。
それから、S90307で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(S90310)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(S90310;N)、そのまま入賞情報処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(S90310;Y)、連比及び役比を算出する(S90311)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(S90312)、入賞情報処理を終了する。
また、S90304で営業時間内でないと判断した場合(S90304;N)、S90305でガラス扉枠903aが閉鎖していないと判断した場合(S90305;N)、S90306で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(S90306;Y)には、エラー表示準備を行う(S90313)。その後、入賞情報処理を終了する。
図54は、入賞情報表示制御処理(S9014)を示すフローチャートである。CPU90103は、図54に示すように、まず、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(S90321)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(S90321;N)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(S90322)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(S90322;Y)には、エラー表示を行う(S90323)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ9029の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば演出表示装置905、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ909を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ908L、908Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板9011に設けられたパチンコ遊技機901のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(S90324)。また、S90322において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断していないと判断した場合(S90322;N)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(S90324)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(S90324;Y)には、警告表示を行う(S90325)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ9029の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ9029を点滅させてもよいし、表示モニタ9029の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ9029の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば演出表示装置905、第1特別図柄表示器904Aに、第2特別図柄表示器904B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ909を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ908L、908Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板9011に設けられたパチンコ遊技機901のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。尚、演出表示装置905に他のエラー表示等が行われている場合には、これら表示されているエラーの表示を消去しないように警告表示を行うことが好適である。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、S90324で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(S90324;N)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(S90321;Y)には、短期連比表示を行う(S90326)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S90327)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S90327;N)には、S90326に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S90327;Y)には、S90328に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(S90328)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S90329)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S90329;N)には、S90328に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S90329;Y)には、S90330に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(S90330)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S90331)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S90331;N)には、S90330に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S90331;Y)には、S90332に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(S90332)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S90333)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S90333;N)には、S90332に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(S90333;Y)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、パチンコ遊技機901では、主基板9011に設けられた表示モニタ9029によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比が表示される。また、表示モニタ9029は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板9011上に設けられている。このため、遊技盤902に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような調整が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ9029は、主基板9011を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ9029に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板9011は、基板ケース90201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板9011上に設けられた表示モニタ9029が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板9011上に設けられた表示モニタ9029に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板9011は、主基板9011以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板9011上に設けられた表示モニタ9029が演出制御基板9012などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板9011上に設けられた表示モニタ9029に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ9029には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ9029は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ9029には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ9029は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ9029は、かしめられた基板ケース90201内に収容された主基板9011に設けられている。このため、表示モニタ9029における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、パチンコ遊技機901は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、ガラス扉枠903aの開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。パチンコ遊技機901は、遊技場の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、パチンコ遊技機901は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、パチンコ遊技機901の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
パチンコ遊技機901では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠903aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記のパチンコ遊技機901では、RAM90102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記のパチンコ遊技機901では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、パチンコ遊技機901では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。パチンコ遊技機901では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
図55は、メイン側エラー処理(S9015)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU90103は、まず、演出制御基板9012側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90401)
異常報知中タイマが動作中でない場合(S90401;N)にはS90402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S90401;Y)には、S90420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90421;N)には、S90402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S90421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S90422)、S90402に進む。
S90402においては、図56に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。パチンコ遊技機901では、図56に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機901の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
この例では、図56に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図56に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ9070による電磁波の検出や磁気センサ9060による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ9023や第2カウントスイッチ9024Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図56に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ9080により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
また、各エラー(異常)には、図56に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板9016からパチンコ遊技機901の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(例えば4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、異常判定処理においてCPU90103は、主基板9011に接続されている磁気センサ9060、電波センサ9070、振動センサ9080、扉開放センサ9090、第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉センサ9092、満タンセンサ9093、球切れセンサ9094の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024Aの遊技球の検知状態等に基づいて、図56に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S90402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S90403)、異常の発生を判定していない場合(S90403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S90403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S90404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S90404;N)には、S410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S90411に進む。
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S90401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S90404;Y)には、S90410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S90405)、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S90406)。
S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S90406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S90406;N)には、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S90407)。S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S90407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S90413のステップが実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板9012に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S90407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S90408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S90408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS90402にて判定されても、S90413のステップやS90414のステップが実行されることがないため、演出制御基板9012に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S90408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S90409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS90410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S90411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S90411;N)には、S90412を経由することなくS90413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S90411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S90412)、S90413に進む。
S90413においては、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板9012に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S90414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS90414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S9016)において、ターミナル基板9016からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
尚、S90413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S9020のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板9012に送信される。そして、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図67参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
このように、パチンコ遊技機901の主基板9011においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(図67参照)が実行されることにより、図57に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に図56に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、図58(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒に亘って演出表示装置905において表示されることにより報知される。
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、図58(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、図58(B)に示すように、演出表示装置905の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置905に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、図58(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414のステップが実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
図59は、特別図柄プロセス処理として、図52に示すS9018にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9031の処理のいずれかを選択して実行する。
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR’1、大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部90151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部90151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR’1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR’3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S9022の特別図柄通常処理やS9023の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR’1、大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S9024の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部90153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S9024の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉90701用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S9028の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(例えば「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(例えば「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S9029の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
尚、この例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
S9030の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ9024Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S9031の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図60は、特別図柄通常処理として、図59のS9022にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図60に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90141の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S90141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90141;N)、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR’1、大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部90151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR’1〜MR’3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S90144)、S90149に移行する。
一方、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S90141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90145の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S90145の処理は、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S90145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90145;N)、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR’1、大当り種別判定用の乱数値MR’2、変動パターン判定用の乱数値MR’3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S90146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部90151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR’1〜MR’3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S90148)、S90149に移行する。
S90149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図43(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR’1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S90150)。
S90150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S90151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S90151;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S90152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S90153)。このとき、CPU90103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図43(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図43(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR’2を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90154)。
S90154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90155)、決定された大当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S90151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S90151;N)、CPU90103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S90151a)。「小当り」であると判定された場合には(S90151a;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S90151a)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図43(D)参照)を選択してセットする(S90151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR’2を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90151d)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90151e)、決定された小当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S90156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S90151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S90154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S90156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S90157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S90145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S90145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S90158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図61は、特別図柄停止処理として、図59のS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU90103は、S9032の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S90181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器904Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器904Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板9012に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S90182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S90183)、大当りフラグがセットされていない場合(S90183;N)には、S90189aに移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S90183;Y)には、CPU90103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S90184)、演出制御基板9012に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S90185)。尚、S90185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
更にCPU90103は、演出制御基板9012に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S90186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S90188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90189aにおいてCPU90103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S90189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S90189a;Y)には、S90190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S90189a;Y)、CPU90103は、演出制御基板9012に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S90189b)。尚、S90189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S90189d)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S9026)に対応した値である“7”に更新し(S90189e)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S90190においてCPU90103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90190;Y)には、S90196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S90190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S90191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S90193)、「0」でない場合(S90193;N)にはS90196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S90194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S90195)、S90196に進む。S90196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図62は、小当り開始前処理として、図59のS9029にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU90103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S90201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S90202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマに予め定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S90203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S9030)に対応した値である“8”に更新し(S90204)、当該小当り開放前処理を終了する。
図63は、小当り開放中処理として、図59のS9030にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU90103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S90211)。そして、CPU90103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90212)。
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S90212;Y)、S90230に移行し、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S90213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S90214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S90215)、S90216に移行する。尚、S90215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S90213;N)、S90214及びS90215を経由せずにS90216に移行する。
S90216において、CPU90103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S90216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S90216;Y)、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S90217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S90218)、S90223に移行する。尚、S90218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S90216;N)、S90217及びS90218を経由せずにS90223に移行する。
S90223において、CPU90103は、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90223)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90223;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90224;N)、V入賞フラグをセットする(S90225)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S90227)。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9017)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S90228)、開放時間タイマをクリアする(S90229)。
そして、S90230において、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S9031)に対応した値である“9”に更新し(S90230)、当該小当り開放中処理を終了する。
図64は、小当り終了処理として、図59のS9031にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU90103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S90231;N)、小当りフラグをクリアし(S90232)、演出制御基板9012に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90233)。尚、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)において演出制御基板9012に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S90234)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S90231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S90235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S90236;N)、CPU90103は第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90237)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていり場合は(S90237;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90238;N)、V入賞フラグをセットする(S90239)。
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S90241)、小当り終了処理を終了する。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9017)において演出制御基板9012に送信される。
また、S90236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S90236;Y)、CPI103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90242)。V入賞フラグガセットされている場合は(S90242;Y)、CPU90103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S90243、S90244)。そして、CPU90103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S90246)。尚、大当り種別は、図43(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90247)、決定された大当り種別を記憶してS90248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
S90247の実行後、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90248)、小当り終了処理を終了する。
つまり、この例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
尚、S90242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S90242;N)、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S9022)に対応した値である“0”に更新し(S90249)、小当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。図65は、演出制御基板9012に搭載されている演出制御用CPU90120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S9054)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU90120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM90122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図40参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S9056)。
そして、図67に示すエラー報知処理(S9057)を実行した後、S9052に移行する。
図66は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S9072)。
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9082のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)、小当り表示処理(S9080)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S9080):変動時間の終了後、演出表示装置905に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S9081)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S9081):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S9082)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S9082):演出表示装置905において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)または大当り表示処理(S9077)に対応した値に更新する。
図67は、エラー報知処理(S9057)を示すフロー図である。エラー報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90501)。
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S90502に進む。
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S90510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90511)。
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90511;N)には、S90512とS90513を経由することなくS90502に進む。
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S90511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S90512)、実行中のエラー報知を終了して(S90513)、S90502に進む。
S90502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板9011から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S9054)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S90502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S90502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S90503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S90504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置905に表示する内容と、遊技効果ランプ909の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S90505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S90506)。
次いで、S90504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S90507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S90506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S90507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS90501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S90506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
以上、パチンコ遊技機901によれば、所定状態として、エラー(異常)の判定による遊技停止状態であるときに新たにエラー(異常)が判定された場合には、該判定されたエラー(異常)の優先度が報知中のエラー(異常)の優先度より高くても、先のエラー(異常)の報知を継続するので、遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となって、適切な対応が不能となってしまうことを防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機901によれば、遊技停止状態に制御されるエラー(異常)として、図56に示すように、複数のエラー(異常)が設定されているので、より多くの遊技停止状態となる異常の発生を判定できる。
また、パチンコ遊技機901によれば、特定領域である第3カウントスイッチ9024Bを遊技球が通過(進入)することで遊技者にとって有利な大当りとなる第2特別可変入賞球装置907Bを備えるパチンコ遊技機901において、該第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711の開放時において振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて遊技停止状態に制御されるので、振動によって遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過(進入)するようにする不正をエラー(異常)の発生と判定することができる。
(変形例1)
次に、前述したメイン側エラー処理についての変形例1について図68に基づいて説明する。尚、メイン側エラー処理以外の構成等に関しては、前述した実施例と同一である。
図55において示したように、前述した実施例では、所定状態である遊技停止状態においてもエラー(異常)の発生を判定するが、該判定したエラー(異常)の発生の報知を制限することで、所定状態である遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となってしまうことを防ぐようにしているが、図68に示す変形例1においては、遊技停止状態となった場合には、エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を含むメイン側エラー処理自体を実行しないようにすることで、新たなエラー(異常)の発生の判定を行わないように制限することにより、所定状態である遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となってしまうことを防ぐようにしている。
具体的には、図68に示すように、メイン側エラー処理の最初のステップにおいて、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定し、遊技停止フラグがセットされている場合(S90400;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了し、遊技停止フラグがセットされていない場合(S90400;N)には、S90401以降の処理を実行するようにすればよい。
尚、S90401以降の処理については、S90408のステップの処理を除いて前述した実施例と同一であるので、ここでの説明は省略する。
このように、上記した変形例1によれば、所定状態である遊技停止状態のときには、優先度に関係なく新たなエラー(異常)の判定が制限されるようになるので、所定状態である遊技停止状態に制御される契機となった異常が確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
(変形例2)
次に、前述したエラー報知処理についての変形例2について図69に基づいて説明する。尚、エラー報知処理以外の構成等に関しては、メイン側エラー処理を除き前述した実施例と同一である。但し、図56に示す、各エラー(異常)の優先度を特定するためのデータについては、演出制御基板9012側の演出制御用CPU90120が読み出し可能に記憶されているものとする。
図55において示したように、前述した実施例では、メイン側エラー処理において新たに判定したエラー(異常)の優先度を特定し、該特定した優先度が報知中のエラー(異常)よりも高いか否かを判定して、優先度が報知中のエラー(異常)よりも高い場合においてのみ、エラー指定コマンドを送信することで、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)側では、優先度の特定や比較による判定等を行わない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、前述した実施例におけるメイン側エラー処理においては、S90407のステップを実行しないことで、優先度に関係なくエラー(異常)の発生を判定してエラー指定コマンドの送信設定を行い、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)側で、図69に示すエラー報知処理を実行することで、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)側において、新たに判定されたエラー(異常)の優先度の特定や比較による判定等を行うようにしてもよい。
つまり、図69に示すように、S90504の処理に続いて、エラー報知中フラグがセットされているか否か、すなわち、エラー報知中であるか否かを判定し(S90504a)、エラー報知中フラグがセットされていない場合(S90504a;N)には、S90505に進む一方、エラー報知中フラグがセットされている場合(S90504a;Y)には、S90504bに進んで、S90504にて特定したエラー種別の優先度は、報知中のエラー種別の優先度よりも高いか否かを更に判定し、報知中のエラー種別の優先度よりも高くない場合(S90504b;N)には、当該エラー報知処理を終了することで、既に実行しているエラー報知を継続する一方、報知中のエラー種別の優先度よりも高い場合(S90504b;N)には、実行中のエラー報知を終了した後(S90504c)、S90505に進むことで、S90504にて特定したエラー種別のエラー報知を、実行中のエラー報知に代えて開始するようにすればよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれらに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例や前記変形例では、所定状態である遊技停止状態を、遊技球の発射を制限することで遊技を不能化し、主基板9011においては、遊技可能時と同様に遊技制御用タイマ割込処理を実行することで、スイッチの検出や、賞球の払い出しや、入賞情報の算出や表示、演出制御コマンドの送信等が可能な状態とすることで、例えば、磁石センサや電波センサ等の誤作動やノイズ等による誤検知等によって誤って遊技停止状態となっても、賞球の払い出し等は実行されるようになるので、例え、誤って遊技停止状態となっても不都合が生じてしまうこと等を防ぐことができるようになっているが、これに限定されるものではなく、遊技停止状態を、遊技制御用タイマ割込処理をほぼ実行しないようにして、スイッチの検出や、賞球の払い出しや、入賞情報の算出や表示、演出制御コマンドの送信等が不能な状態としてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、所定状態として遊技停止状態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら所定状態を、遊技停止状態とは異なる状態、例えば、セキュリティ信号が出力されている状態やエラー(異常)を報知中である状態とすることで、セキュリティ信号が出力されている場合やエラー(異常)を報知中である場合には、新たなセキュリティ信号の出力や新たなエラー(異常)の報知や新たなエラー(異常)の判定を制限するようにしてもよいし、これら所定状態を、エラー(異常)に起因しない状態、例えば、営業時間外である状態や閉店時間前の所定期間である状態等のように、時間的な条件を満たす状態であっても良いし、遊技に関する所定の条件を満たす状態(例えば、ベースが設計値としての基準範囲の上限値を超える状態又は下限値を下回る状態)であっても良い。
また、所定状態は、例えば、原点位置から離れた動作位置に変位可能に設けられ、少なくとも動作範囲の一部が重なることで同時に動作すると衝突する可能性のある複数の役物(可動体)と、各々の役物(可動体)が原点位置に位置していることを検出可能な原点センサ(検出手段)とを備える場合において、各役物(可動体)を順次初期化する初期化処理において、1の役物(可動体)を原点位置に位置させる原点復帰動作において原点センサによって役物(可動体)を検出できず、該役物(可動体)を原点位置に位置させることが不能であることによって、該役物(可動体)が異常である旨の報知を行いつつ、少なくとも一部の動作範囲が重なる複数の役物(可動体)の動作を制限するようなものであってもよい。この場合には、複数の役物(可動体)の動作が制限されることにより、1の役物(可動体)以外の他の役物(可動体)については、原点位置に位置させる復帰動作のエラー判定とそれに伴うエラー報知を行わないので、どの役物(可動体)のエラーで複数の役物(可動体)の動作が制限されたのかを確認不能となることを防ぐことができるとともに、無用な異常判定による処理負荷の増大を防ぐことができる。つまり、各々の役物(可動体)について、原点復帰動作において原点センサによって検出されないことを原点復帰エラー(異常)として判定するようにし、1の役物(可動体)について原点復帰エラー(異常)が判定された場合には、他の役物(可動体)については、原点復帰エラー(異常)の判定や報知を行わないようにすればよい。また、1の役物(可動体)の動作異常に伴って、セキュリティ信号出力する場合には、他の役物(可動体)については、セキュリティ信号出力を行わないようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、役比や連比を算出して表示モニタ9029に表示しているだけで、役比や連比についての異常を判定しない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、役比が所定の役比規定値(例えば、7割)を超えた状態、又は連比が連比規定値(例えば、6割)を越えた状態を異常として判定し、異常報知するようにしてもよい。また、役比が役比規定値から外れた度合いや連比が連比規定値から外れた度合いによって、異なる種類のエラーとして判定又は報知するようにしてもよい。尚、この場合、役比が役比規定値から外れた度合いや連比が連比規定値から外れた度合いによって、報知優先度を設定してもよい。
また、役比や連比について異常の判定を行う場合、これらの異常について、図56に示すような報知優先度を予め設定すれば、図55に示すメイン側エラー処理に基づいて役比や連比についての異常を報知することが可能である。
また、これら役比や連比について複数種類のエラーを設定する場合、優先度が高いエラーについては遊技停止状態にしたりセキュリティ信号を出力する処理を行うようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、各エラー(異常)の優先度は、図56に示すように予め設定されていて、遊技場が適宜変更することができない形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら各エラー(異常)の優先度等を、遊技場が適宜に変更できる優先度変更手段を備えるようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、遊技機として、小当りとなることにより開放される第2特別可変入賞球装置907Bを備え、該第2特別可変入賞球装置907Bにおいて特定領域である第3カウントスイッチ9024Bを遊技球が通過(進入)することで遊技者にとって有利な大当りとなるパチンコ遊技機901を例示したが、これに限定されるものではなく、これら第2特別可変入賞球装置907Bを備えずに、第1特別可変入賞球装置907Aのみを備えるものであってもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、役比や連比等の入賞情報を表示可能な表示モニタ9029を備え、入賞情報処理や入賞情報表示制御処理を実行する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら表示モニタ9029を備えておらず、入賞情報処理や入賞情報表示制御処理を実行しないものであってもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、表示モニタ9029を主基板9011に設けた形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら表示モニタ9029を、主基板9011以外の基板、例えば、払出基板や電源基板や中継基板9015や演出制御基板9012等に設けるようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動表示結果が小当りとなった場合、遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで大当り種別判定用乱数値MR’2を抽出し、該抽出した大当り種別判定用乱数値MR’2とV入賞用大当り種別判定テーブルを用いることで小当り遊技終了後の大当り遊技における大当り種別を決定する形態を例示したが、これに限定されるものではなく、小当りに複数の種別(小当り種別)を設けるとともに、各小当り種別の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで、一義的に小当り遊技終了後の大当り遊技における大当り種別を決定するようにしてもよい。
具体的には、例えば、小当り種別として「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」を設けるとともに、「小当りA」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りA」に決定し、「小当りB」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りB」に決定し、「小当りC」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りC」に決定すればよい。