JP6702002B2 - 下地塗膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下地塗膜の形成方法に係り、特に、防食用の下地塗膜の形成方法に関する。
橋梁、プラント等の構造部材には、防食のために重防食塗装が施されている。重防食塗装は、通常、構造部材の表面に防食用の下地塗膜を形成し、下地塗膜の上に、例えば、下塗り塗膜、中塗り塗膜、上塗り塗膜を順に形成して行われる。下地塗膜には、通常、亜鉛粉末を含むジンクリッチ塗料が用いられている。特許文献1には、橋梁等の鋼製構造物をジンクリッチ塗料で塗装することが記載されている。
特開2005−74271号公報
ところで、ジンクリッチ塗料は、結合剤としてアルキルシリケートを含む無機ジンクリッチ塗料と、結合剤として有機系樹脂を含む有機ジンクリッチ塗料とがある。無機ジンクリッチ塗料は、アルキルシリケートを含むので、下地塗膜中に空隙が多く形成される。下地塗膜中に空隙が多く形成されると、下地塗膜の上に、更に塗膜を重ねた際に発泡が生じて防食上の弊害となる。このため、無機ジンクリッチ塗料を塗装した後に、重防食塗装に用いられる下塗り塗料等を溶剤で希釈した常温の塗料液を塗装して、ミストコート処理することが行われている。
一方、このようなミストコート処理では、下地塗膜の表層からの塗料液の浸透深さが浅く、下地塗膜中に多くの空隙が残留しているので、下地塗膜が傷等に対して脆弱となる。これにより、下地塗膜に傷等が入ると、傷等の箇所を起点として割れや剥離が生じて下地塗膜の付着力が弱くなり、防食性が低下する可能性がある。
そこで本発明の目的は、防食性をより向上させることが可能な下地塗膜の形成方法を提供することである。
本発明に係る下地塗膜の形成方法は、防食用の下地塗膜の形成方法であって、基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、前記下地塗膜本体に、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を加温して塗装することにより封孔処理する封孔処理工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る下地塗膜の形成方法は、防食用の下地塗膜の形成方法であって、基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、前記下地塗膜本体に、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を塗装し、塗装後に真空引きして封孔処理する封孔処理工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る下地塗膜の形成方法は、防食用の下地塗膜の形成方法であって、基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗布して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、前記下地塗膜本体が形成された基材を、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液に浸漬し、真空含浸して封孔処理する封孔処理工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る下地塗膜の形成方法において、前記封孔処理工程は、前記樹脂塗料溶液を60℃以上、且つ前記希釈剤の沸点より低い温度に加温して塗装することを特徴とする。
上記構成によれば、下地塗膜の表層からの樹脂塗料溶液の浸透深さが深くなることから、傷等に対して下地塗膜の付着力が強くなり、防食性をより向上させることが可能となる。
本発明の第一実施形態において、防食用の下地塗膜の形成方法を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態において、基材に形成した下地塗膜本体の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態において、基材に形成した下地塗膜の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態において、樹脂塗料溶液の塗装後の真空引きを説明するための図である。 本発明の第三実施形態において、樹脂塗料溶液の真空含浸方法を説明するための図である。 本発明の実施例において、下地塗膜を形成した試験片の断面観察結果を示す写真である。 本発明の実施例において、塩水噴霧試験前における下地塗膜を形成した試験片の外観観察結果を示す写真である。 本発明の実施例において、310時間経過後における下地塗膜を形成した試験片の外観観察結果を示す写真である。 本発明の実施例において、2000時間経過後のさび幅を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について説明する。図1は、防食用の下地塗膜の形成方法を示すフローチャートである。防食用の下地塗膜の形成方法は、下地塗膜本体形成工程(S10)と、封孔処理工程(S12)と、を備えている。
下地塗膜本体形成工程(S10)は、基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する工程である。図2は、基材10に形成した下地塗膜本体12の構成を示す図である。
基材10は、例えば、橋梁、船舶、プラント、ボイラ等に用いられる鋼製の構造部材等である。基材10の表面は、下地塗膜本体12を形成する前に、ブラスト処理等して素地調整されることが好ましい。
無機ジンクリッチ塗料は、亜鉛粉末14と、アルキルシリケートと、を含んで構成されている。亜鉛粉末14は、犠牲防食としての機能を有している。亜鉛粉末14の含有率は、例えば、70質量%から90質量%とするとよい。アルキルシリケートは、亜鉛粉末14を結合するバインダとしての機能を有している。アルキルシリケートには、エチルシリケート等を用いることが可能である。無機ジンクリッチ塗料には、市販されているものを用いることができる。
無機ジンクリッチ塗料の塗装には、スプレーガン等を用いたスプレーや、刷毛塗り等の一般的な塗装方法を用いることができる。無機ジンクリッチ塗料を塗装した後に、常温(約10℃から30℃)、大気中等で乾燥させる。これにより、アルキルシリケートが大気中等から水分を吸収して加水分解し、縮合反応することにより硬化収縮して亜鉛粉末14を結合し、下地塗膜本体12が形成される。下地塗膜本体12は、亜鉛粉末14と、空隙16と、を含んで構成されている。空隙16は、アルキルシリケートが加水分解して硬化収縮等することにより形成される。下地塗膜本体12の厚みは、例えば、50μmから100μmであり、75μmとするとよい。
封孔処理工程(S12)は、下地塗膜本体12に、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を加温して塗装することにより封孔処理する工程である。
樹脂塗料溶液は、粘度を低下させて下地塗膜本体12の空隙16に浸透させるために、樹脂塗料と、希釈剤とを含んで構成されている。樹脂塗料には、重防食塗装の下塗り塗料等に用いられるエポキシ樹脂系塗料等を用いることができる。希釈剤には、キシレン、トルエン、アルコール類等の有機溶剤や水等を用いることが可能である。樹脂塗料溶液の希釈率は、30質量%以上60質量%以下とするとよい。希釈率は、樹脂塗料と希釈剤との質量比であり、例えば、希釈率30質量%の場合には、質量比で樹脂塗料:希釈剤=1:0.3である。
下地塗膜本体12に、樹脂塗料溶液を加温して塗装する。下地塗膜本体12に、加温した樹脂塗料溶液が塗装されると、下地塗膜本体12の空隙16内の空気が熱せられて膨張する。これにより、下地塗膜本体12の空隙16内の空気が排出されて、空隙16内の空気と、樹脂塗料溶液とが置換され易くなるので、樹脂塗料溶液が下地塗膜本体12の表層から深く浸透することができる。
樹脂塗料溶液は、60℃以上、且つ希釈剤の沸点より低い温度に加温されることが好ましい。樹脂塗料溶液の温度が60℃以上であれば、下地塗膜本体12の空隙16に、樹脂塗料溶液が浸透しやすくなるからである。また、樹脂塗料溶液の温度を、希釈剤の沸点より低い温度とすることにより、希釈剤の気化を抑えて樹脂塗料溶液の粘度上昇を抑制することができる。樹脂塗料溶液は、例えば、60℃以上80℃以下で加温されるとよい。樹脂塗料溶液の塗装には、スプレーガン等を用いたスプレーや、刷毛塗り等の一般的な塗装方法を用いることができる。樹脂塗料溶液を塗装した後に常温等で乾燥することにより、下地塗膜本体12の空隙16に樹脂塗料が充填されて、下地塗膜が形成される。樹脂塗料溶液が下地塗膜本体12の表層から深く浸透しているので、下地塗膜本体12の空隙16に、樹脂塗料を高充填化することが可能となる。
次に、この下地塗膜の作用について説明する。図3は、基材10に形成した下地塗膜18の構成を示す図である。下地塗膜18は、下地塗膜本体12と、下地塗膜本体12の空隙16に充填された樹脂塗料20と、を備えている。樹脂塗料20は、下地塗膜本体12の表面を覆うようにして設けられていてもよい。下地塗膜18は、下地塗膜本体12の空隙16が樹脂塗料20で高充填化されているので強固な塗膜になる。これにより、下地塗膜18に傷(カット)等がついた場合でも、下地塗膜18の割れや剥離が抑制されて付着力が高くなるので、防食性が向上する。また、下地塗膜本体12の空隙16が樹脂塗料20で充填されているので、重防食塗装をしたときに発泡が抑制される。更に、下地塗膜18は、亜鉛粉末14を含有しているので、鋼材等の基材10に対して犠牲防食機能を有している。
また、基材10に重防食塗装する場合には、下地塗膜18を形成した基材10に、下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料等を順に塗装して行うことができる。下塗り塗料には、エポキシ樹脂系塗料等を用いるとよく、中塗り塗料には、ウレタン樹脂系塗料用中塗り、フッ素樹脂系塗料用中塗り等を用いるとよく、上塗り塗料には、ウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等を用いるとよい。このようにして、基材10に重防食塗装することが可能である。
以上、上記構成によれば、無機ジンクリッチ塗料で形成した下地塗膜本体に、樹脂塗料溶液を加温して塗装することにより封孔処理するので、下地塗膜本体の表層からの樹脂塗料溶液の浸透深さが深くなり、下地塗膜本体の空隙に樹脂塗料がより多く充填される。これにより、下地塗膜が強固になるので、防食性を向上させることが可能となる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態における防食用の下地塗膜の形成方法は、下地塗膜本体形成工程と、封孔処理工程と、を備えている。第二実施形態における下地塗膜の形成方法は、第一実施形態と、下地塗膜本体形成工程が同じであり、封孔処理工程が相違している。なお、同様の要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
下地塗膜本体形成工程は、基材10の表面に、亜鉛粉末14と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体12を形成する工程である。下地塗膜本体形成工程は、第一実施形態の下地塗膜本体形成工程(S10)と同じであるので詳細な説明を省略する。
封孔処理工程は、下地塗膜本体12に、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を塗装し、塗装後に真空引きして封孔処理する工程である。
樹脂塗料溶液の塗装については、樹脂塗料溶液を常温(約10℃から30℃)で塗装してもよいし、樹脂塗料溶液を、例えば、60℃から80℃に加温して塗装してもよい。なお、樹脂塗料溶液の構成については、第一実施形態の樹脂塗料溶液と同じであるので詳細な説明を省略する。
樹脂塗料溶液の塗装後の真空引きについては、樹脂塗料溶液が塗装された下地塗膜本体12を形成した基材10を、真空チャンバ等に入れて真空引きすればよい。真空引きは、樹脂塗料溶液の乾燥を抑制するために、樹脂塗料溶液を塗装した直後に行うことが好ましい。真空圧は、例えば、ゲージ圧で−0.1MPa以上0MPa未満とするとよい。塗装後の真空引きにより、下地塗膜本体12の空隙16内の空気が排出され易くなるので、樹脂塗料溶液が下地塗膜本体12の表層から深く浸透することができる。真空装置については、基材10を収容可能な真空チャンバ等を備える一般的な真空装置を用いることができる。真空引き後に大気開放して常温等で乾燥させることにより、下地塗膜本体12の空隙16に樹脂塗料が充填されて、下地塗膜が形成される。樹脂塗料溶液が下地塗膜本体12の表層から深く浸透しているので、下地塗膜本体12の空隙16に、樹脂塗料を高充填化することが可能となる。
樹脂塗料溶液の塗装後の真空引きについては、次のようにして行うことも可能である。図4は、樹脂塗料溶液の塗装後の真空引きを説明するための図である。
樹脂塗料溶液22が塗装された下地塗膜本体12を形成した基材10が、真空バックフィルム24で覆われる。真空バックフィルム24の周縁部が、リークを防止するためにシーラント26で基材10に取り付けられる。真空バックフィルム24は、ナイロン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム等で形成されている。
樹脂塗料溶液22が塗装された下地塗膜本体12の近傍に、真空排気するための真空排気口28が設けられる。真空排気口28は、真空引き用の口金等で構成されている。真空排気口28には、真空ポンプ(図示せず)が接続される。
真空排気口28から真空引きを行い、真空バックフィルム24で覆われた箇所を減圧する。これにより、下地塗膜本体12の空隙16内の空気が排出されて、空隙16に樹脂塗料溶液22が浸透する。樹脂塗料溶液22を下地塗膜本体12に浸透させた後に、大気開放し、真空バックフィルム24を除去して乾燥させる。この方法によれば、真空チャンバを備える真空装置が不要となるので、大型構造体や屋外でも容易に封孔処理することができる。
なお、下地塗膜の作用については、第一実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
以上、上記構成によれば、無機ジンクリッチ塗料で形成した下地塗膜本体に、樹脂塗料溶液を塗装し、塗装後に真空引きして封孔処理するので、下地塗膜本体の表層からの樹脂塗料溶液の浸透深さが深くなり、下地塗膜本体の空隙に樹脂塗料がより多く充填される。これにより、下地塗膜が強固になるので、防食性を向上させることが可能となる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態における防食用の下地塗膜の形成方法は、下地塗膜本体形成工程と、封孔処理工程と、を備えている。第三実施形態における下地塗膜の形成方法は、第一実施形態と、下地塗膜本体形成工程が同じであり、封孔処理工程が相違している。なお、同様の要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
下地塗膜本体形成工程は、基材10の表面に、亜鉛粉末14と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体12を形成する工程である。下地塗膜本体形成工程は、第一実施形態の下地塗膜本体形成工程(S10)と同じであるので詳細な説明を省略する。
封孔処理工程は、下地塗膜本体12が形成された基材10を、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液に浸漬し、真空含浸して封孔処理する工程である。
下地塗膜本体12が形成された基材10を処理槽に入れて、樹脂塗料溶液に浸漬させる。樹脂塗料溶液を構成する樹脂塗料と希釈剤とについては、第一実施形態の樹脂塗料溶液と同じであるが、希釈率は、90質量%以上110質量%以下とするとよい。希釈率が90質量%以上であれば、樹脂塗料溶液の粘度が低下して、下地塗膜本体12の空隙16に樹脂塗料溶液を含浸し易くなるからである。また、希釈率が110質量%より大きいと、樹脂塗料の含有率が小さくなるので、下地塗膜本体12の空隙16に樹脂塗料を充填し難くなるからである。樹脂塗料溶液の温度は、常温(約10℃から30℃)でもよいし、樹脂塗料溶液を、例えば、60℃から80℃に加温してもよい。
次に、下地塗膜本体12が形成された基材10と、樹脂塗料溶液とを入れた処理槽を、真空チャンバ等に入れて真空引きし、樹脂塗料溶液を真空含浸する。これにより、下地塗膜本体12の空隙16内の空気が排出されて、空隙16に樹脂塗料溶液が浸透する。真空装置については、第二実施形態の真空装置と同様のものを用いることができる。真空圧は、例えば、ゲージ圧で−0.1MPa以上0MPa未満とするとよい。真空引き後に大気開放して常温等で乾燥させることにより、下地塗膜本体12の空隙16に樹脂塗料が充填されて、下地塗膜が形成される。樹脂塗料溶液が下地塗膜本体12の表層から深く浸透しているので、下地塗膜本体12の空隙16に、樹脂塗料を高充填化することが可能となる。
樹脂塗料溶液の真空含浸については、次のようにして行うこともできる。図5は、樹脂塗料溶液の真空含浸方法を説明するための図である。
下地塗膜本体12が形成された基材10が、真空バックフィルム24で覆われる。真空バックフィルム24の周縁部が、リークを防止するためにシーラント26で基材10に取り付けられる。下地塗膜本体12の近傍に、真空排気するための真空排気口28が設けられる。真空排気口28には、真空ポンプ(図示せず)が接続される。
樹脂塗料溶液注入口30は、下地塗膜本体12の近傍に設けられる。樹脂塗料溶液注入口30は、樹脂塗料溶液を貯めたタンク(図示せず)に接続されている。タンク(図示せず)には、樹脂塗料溶液を加温するためのヒータ等の加熱手段を設けるようにしてもよい。樹脂塗料溶液注入口30は、基材10に形成された下地塗膜本体12を挟んで真空排気口28と対向する位置に設けられることが好ましい。これにより、下地塗膜本体12の空隙16から空気が抜け易くなるので、樹脂塗料溶液を含浸し易くすることができる。
真空排気口28から真空引きを行い、真空バックフィルム24で覆われた箇所を減圧する。これにより、下地塗膜本体12の空隙16から空気が排出される。真空排気口28から真空引きを行いながら、樹脂塗料溶液注入口30から樹脂塗料溶液を注入する。注入された樹脂塗料溶液は、下地塗膜本体12の空隙16に浸透する。樹脂塗料溶液を下地塗膜本体12に浸透させた後に、大気開放し、真空バックフィルム24を除去して乾燥させる。この方法によれば、真空チャンバを備える真空装置が不要となるので、大型構造体や屋外でも容易に封孔処理することができる。
なお、下地塗膜の作用については、第一実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
以上、上記構成によれば、無機ジンクリッチ塗料で形成した下地塗膜本体に、樹脂塗料溶液を真空含浸して封孔処理するので、下地塗膜本体の表層からの樹脂塗料溶液の浸透深さが深くなり、下地塗膜本体の空隙に樹脂塗料がより多く充填される。これにより、下地塗膜が強固になるので、防食性を向上させることが可能となる。
下地塗膜の形成試験を行った。まず、実施例1の下地塗膜の形成方法について説明する。試験片には、鋼材(SS400)で矩形状に形成したものを用いた。試験片のサイズは、150mm×70mm×3.2mmとした。試験片の表面に、亜鉛粉末と、エチルシリケートとを含む厚膜無機ジンクリッチ塗料を塗装して、ジンクリッチ塗膜を形成した。ジンクリッチ塗膜の厚みは、平均で75μmとした。厚膜無機ジンクリッチ塗料には、ニッペジンキー1000QC(日本ペイント株式会社製)を用いた。
ジンクリッチ塗膜に、加温した樹脂塗料溶液を塗装して封孔処理した。樹脂塗料溶液には、下塗り用のエポキシ樹脂系塗料にシンナー(有機溶剤)を添加し、希釈率50質量%で希釈したものを使用した。下塗り用のエポキシ樹脂系塗料には、ハイポン30マスチックプライマーK(日本ペイント株式会社製)を用いた。シンナーには、ハイポンエポキシシンナー(日本ペイント株式会社製)を用いた。60℃に加温した樹脂塗料溶液を、エアスプレーガンでジンクリッチ塗膜に塗装して封孔処理した。なお、ジンクリッチ塗膜の上に形成した樹脂塗料の膜厚は、平均35μmとした。
実施例2の下地塗膜の形成方法について説明する。実施例2の下地塗膜の形成方法は、実施例1の下地塗膜の形成方法と、封孔処理が相違しており、その他の構成については同じとした。実施例2の下地塗膜の形成方法では、ジンクリッチ塗膜に樹脂塗料溶液を塗装し、塗装後に真空引きして封孔処理した。樹脂塗料溶液には、実施例1の下地塗膜の形成方法で用いたものと同じものを使用した。ジンクリッチ塗膜に、常温(約10℃から30℃)で樹脂塗料溶液を塗装し、塗装した直後に塗装後の試験片をデシケータに入れて真空引きして封孔処理した。真空圧については、ゲージ圧で−0.1MPaとした。なお、ジンクリッチ塗膜の上に形成した樹脂塗料の膜厚は、平均35μmとした。
実施例3の下地塗膜の形成方法について説明する。実施例3の下地塗膜の形成方法は、実施例1の下地塗膜の形成方法と、封孔処理が相違しており、その他の構成については同じとした。実施例3の下地塗膜の形成方法では、ジンクリッチ塗膜が形成された試験片を、樹脂塗料溶液に浸漬し、真空含浸して封孔処理した。樹脂塗料溶液には、エポキシ樹脂系下塗り塗料をシンナー(有機溶剤)により希釈率100質量%で希釈したものを使用した。なお、エポキシ樹脂系下塗り塗料と、シンナー(有機溶剤)とは、実施例1の下地塗膜の形成方法で使用したものと同じものを用いた。ジンクリッチ塗膜が形成された試験片を容器に入れて、樹脂塗料溶液に浸漬させた。ジンクリッチ塗膜が形成された試験片と、樹脂塗料溶液とを入れた容器をデシケータに入れて真空引きすることにより、樹脂塗料溶液を真空含浸して封孔処理した。真空圧については、ゲージ圧で−0.1MPaとした。なお、ジンクリッチ塗膜の上に形成した樹脂塗料の膜厚は、平均35μmとした。
次に、比較例1の下地塗膜の形成方法について説明する。比較例1の下地塗膜の形成方法は、実施例1の下地塗膜の形成方法と、ジンクリッチ塗膜に樹脂塗料溶液を塗装するときの樹脂塗料溶液の温度が相違しており、その他の構成については同じとした。比較例1の下地塗膜の形成方法では、常温(約10℃から30℃)の樹脂塗料溶液をジンクリッチ塗膜に塗装した。樹脂塗料溶液には、実施例1の下地塗膜の形成方法で使用したものと同じものを使用した。なお、ジンクリッチ塗膜の上に形成した樹脂塗料の膜厚は、平均35μmとした。
次に、下地塗膜を形成した試験片をデジタルマイクロスコープで断面観察し、樹脂塗料の充填性を評価した。図6は、下地塗膜を形成した試験片の断面観察結果を示す写真であり、図6(a)は、実施例1の下地塗膜の形成方法の写真であり、図6(b)は、実施例2の下地塗膜の形成方法の写真であり、図6(c)は、実施例3の下地塗膜の形成方法の写真であり、図6(d)は、比較例1の下地塗膜の形成方法の写真である。なお、実施例1、2、比較例1の下地塗膜の形成方法で下地塗膜を形成した試験片の断面観察については、倍率500倍で行い、実施例3の下地塗膜の形成方法で下地塗膜を形成した試験片の断面観察については、倍率1000倍で行った。また、図6(a)から図6(d)の写真において、ジンクリッチ塗膜の厚みをA、ジンクリッチ塗膜中に充填された樹脂塗料の厚み(ジンクリッチ塗膜の表層からの樹脂塗料溶液の浸透深さ)をBで示している。ジンクリッチ塗膜の厚みAと、樹脂塗料の厚みBとから、樹脂塗料の充填割合(B/A×100)を算出した。
この結果、比較例1の下地塗膜の形成方法では、充填割合が27%であるのに対して、実施例1の下地塗膜の形成方法では、充填割合が53%、実施例2の下地塗膜の形成方法では、充填割合が45%、実施例3の下地塗膜の形成方法では、充填割合が84%であった。実施例1から3の下地塗膜の形成方法では、比較例1の下地塗膜の形成方法よりも樹脂塗料の充填割合が大きいことが明らかとなった。更に、実施例3の下地塗膜の形成方法では、他の下地塗膜の形成方法よりも樹脂塗料の充填割合が大きくなることがわかった。
次に、実施例2、3、比較例1の下地塗膜の形成方法で下地塗膜を形成した試験片に対して、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を行い、防食性を評価した。下地塗膜を形成した試験片の下半分に対して幅0.3mmのクロスカットを入れて、塩水噴霧試験を実施した。
図7は、塩水噴霧試験前における下地塗膜を形成した試験片の外観観察結果を示す写真であり、図7(a)は、実施例2の下地塗膜の形成方法の写真であり、図7(b)は、実施例3の下地塗膜の形成方法の写真であり、図7(c)は、比較例1の下地塗膜の形成方法の写真である。
図8は、310時間経過後における下地塗膜を形成した試験片の外観観察結果を示す写真であり、図8(a)は、実施例2の下地塗膜の形成方法の写真であり、図8(b)は、実施例3の下地塗膜の形成方法の写真であり、図8(c)は、比較例1の下地塗膜の形成方法の写真である。
図8(a)から図8(c)の写真に示すように、比較例1の下地塗膜の形成方法による試験片では、310時間経過時点でクロスカット箇所より錆びが認められたが、実施例2、3の下地塗膜の形成方法による試験片では、310時間経過時点で防食性を維持していた。また、実施例2の下地塗膜の形成方法による試験片では、950時間経過時点まで防食性を維持していた。更に、実施例3の下地塗膜の形成方法による試験片では、1160時間経過時点まで防食性を維持していた。
2000時間経過後のクロスカット箇所より生じたさび幅を4箇所測定して平均値を求めた。図9は、2000時間経過後のさび幅を示すグラフである。図9のグラフにおいて、縦軸は、さび幅を示している。実施例2の下地塗膜の形成方法による試験片では、比較例1の下地塗膜の形成方法による試験片に対して、さび幅が2/3以下となった。実施例3の下地塗膜の形成方法による試験片では、比較例1の下地塗膜の形成方法による試験片に対して、さび幅が1/2以下となった。この結果から、実施例2、3の下地塗膜の形成方法による試験片では、樹脂塗料の充填割合を高めることにより、比較例1の下地塗膜の形成方法による試験片よりも防食性が向上することがわかった。
10 基材
12 下地塗膜本体
14 亜鉛粉末
16 空隙
18 下地塗膜
20 樹脂塗料
22 樹脂塗料溶液
24 真空バックフィルム
26 シーラント
28 真空排気口
30 樹脂塗料溶液注入口

Claims (4)

  1. 防食用の下地塗膜の形成方法であって、
    基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、
    前記下地塗膜本体に、樹脂塗料と、有機溶剤からなる希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を加温して塗装することにより封孔処理する封孔処理工程と、
    を備えることを特徴とする下地塗膜の形成方法。
  2. 防食用の下地塗膜の形成方法であって、
    基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、
    前記下地塗膜本体に、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液を塗装し、塗装後に真空引きして封孔処理する封孔処理工程と、
    を備えることを特徴とする下地塗膜の形成方法。
  3. 防食用の下地塗膜の形成方法であって、
    基材の表面に、亜鉛粉末と、アルキルシリケートとを含む無機ジンクリッチ塗料を塗装して、下地塗膜本体を形成する下地塗膜本体形成工程と、
    前記下地塗膜本体が形成された基材を、樹脂塗料と希釈剤とを含む樹脂塗料溶液に浸漬し、真空含浸して封孔処理する封孔処理工程と、
    を備えることを特徴とする下地塗膜の形成方法。
  4. 請求項1に記載の下地塗膜の形成方法であって、
    前記封孔処理工程は、前記樹脂塗料溶液を60℃以上、且つ前記希釈剤の沸点より低い温度に加温して塗装することを特徴とする下地塗膜の形成方法。
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