JP2018172951A - 鉄筋コンクリートの劣化抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制できる鉄筋コンクリートの劣化抑制方法を提供すること。また、簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制でき、施工前後の外観の変化が分かり難い鉄筋コンクリートの劣化抑制方法を提供する。【解決手段】劣化した鉄筋コンクリート1の表面に特定の水溶液を特定量塗布する工程と、その後、該鉄筋コンクリート1の表面に特定の撥水材を特定量塗布する工程を具備することを特徴とする。撥水材を塗布した鉄筋コンクリート1の表面には塗料を塗布。【選択図】図1
Description
本発明は、鉄筋コンクリートの劣化抑制方法に関する。詳しくは、劣化した鉄筋コンクリートの更なる劣化を簡便に抑制する鉄筋コンクリートの劣化抑制方法に関する。
鉄筋コンクリートが酷く劣化した場合は、劣化したコンクリートを除去した後、露出した鉄筋の錆を除去・防錆処理(防錆剤の塗布)した後に、コンクリートの断面欠損部分をモルタル又はコンクリートで修復することが行われ、そのような補修方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2、並びに非特許文献1参照。)。しかし、このような本格的な補修工事は大掛かりで且つ多額の費用が掛かることから、当該劣化の発見後速やかに行われることは少なく、調査・診断・補修設計・施工計画を検討し必要な予算を確保した上で実際の工事が行われることが多い。このため、劣化の発見から本格的な修復工事が行われるまでに月日が経ち劣化が進んでしまうことがある。そこで、本格的な補修工事を行うまでの間の劣化を抑制できる簡便な方法が望まれていた。鉄筋コンクリートの補修工事にコンクリートを除去せずに鉄筋コンクリート表面に防錆剤水溶液の塗布し、シリコン系又は/及びシラン系プライマーを塗布し更に塗料を上塗りする技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。また、補修工事を必要とされている鉄筋コンクリート構造物が、観光地の歴史的建造物等であった場合は、外観上変化が感じられない劣化抑制技術が望まれる。
社団法人建築学会編,「鉄筋コンクリート造建築物の耐久性調査・診断および補修指針(案)・同解説」,第1版第1刷,社団法人建築学会,1997年1月25日,p.29−34,104−111
本発明は、簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制できる鉄筋コンクリートの劣化抑制方法を提供することを目的とする。また、本発明は、簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制でき、施工前後の外観の変化が分かり難い鉄筋コンクリートの劣化抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、劣化した鉄筋コンクリートの表面に特定の水溶液を特定量塗布する工程を行った後に、当該鉄筋コンクリートの表面に特定の撥水材を特定量塗布する工程を行うことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)で表す鉄筋コンクリートの劣化抑制方法である。
(1)劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布量50〜300g/m2で塗布する工程を行った後に、該珪酸リチウム水溶液を塗布した鉄筋コンクリート表面に粘度1〜10mPa・sのシラン系撥水材を塗布量100〜400g/m2で塗布する工程を行うことを特徴とする鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
(2)劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布した後に、当該鉄筋コンクリートのひび割れに粘度1〜10mPa・sのシラン系撥水材を注入することを特徴とする上記(1)の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
(3)シラン系撥水材を塗布した上記鉄筋コンクリートの表面に塗料を塗布しないことを特徴とする上記(1)又は(2)の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
(1)劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布量50〜300g/m2で塗布する工程を行った後に、該珪酸リチウム水溶液を塗布した鉄筋コンクリート表面に粘度1〜10mPa・sのシラン系撥水材を塗布量100〜400g/m2で塗布する工程を行うことを特徴とする鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
(2)劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布した後に、当該鉄筋コンクリートのひび割れに粘度1〜10mPa・sのシラン系撥水材を注入することを特徴とする上記(1)の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
(3)シラン系撥水材を塗布した上記鉄筋コンクリートの表面に塗料を塗布しないことを特徴とする上記(1)又は(2)の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
本発明によれば、簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制できる鉄筋コンクリートの劣化抑制方法が得られる。また、本発明によれば、簡便でありながら鉄筋コンクリートの劣化を抑制でき、施工前後の外観の変化が分かり難い鉄筋コンクリートの劣化抑制方法が得られる。
本発明の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法は、劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布量50〜300g/m2で塗布する工程(工程A)を行った後に、該珪酸リチウム水溶液を塗布した鉄筋コンクリート表面に粘度1〜10mPa・sのシラン系撥水材を塗布量100〜400g/m2で塗布する工程(工程B)を行うことを特徴とする。工程Aよりも工程Bを先に行うと、珪酸リチウム水溶液がコンクリートに含浸し難くなることから、所定量の珪酸リチウム水溶液の塗布に時間が掛かり、又コンクリートの劣化抑制効果が不足するため相応しくない。
本発明に用いる珪酸リチウム水溶液としては、珪酸リチウムの濃度が1〜30質量%のものが、塗布回数を少なくでき且つコンクリートに含浸し易いことから好ましい。珪酸リチウム水溶液は、劣化した鉄筋コンクリート表面から含浸し、乾燥・固化することで劣化したコンクリート表面を強化する。亜硝酸カルシウム水溶液は防錆剤として機能する。塗布回数を少なくでき且つコンクリートに含浸し易いことから、珪酸リチウムの濃度が5〜25質量%のものがより好ましく、8〜20質量%のものが更に好ましい。同じようにコンクリートに塗布すると含浸し、コンクリート表面を硬化する類似の材料として珪酸ナトリウム水溶液及び珪酸カリウム水溶液があるが、これらは固化にコンクリートから溶け出るカルシウムイオンを必要としカルシウムイオンと反応することで固化する。しかし、風化や劣化が著しいコンクリートは、中性化やカルシウムイオンの溶脱が起きており、水溶液を塗布しても溶け出るカルシウムイオンが少ないため、本発明の珪酸リチウム水溶液の代わりに珪酸ナトリウム水溶液又は珪酸カリウム水溶液を用いることは、コンクリートの劣化抑制効果が不足するため相応しくない。
上記工程Aにおいて珪酸リチウム水溶液を鉄筋コンクリートの表面に塗布する方法は限定されないが、刷毛による塗布、ローラーによる塗布又は噴霧器による噴霧が、作業効率がよく且つ塗布量を把握し易いことから好ましい例として挙げられる。また、工程Aにおける珪酸リチウム水溶液の塗布量は、50〜300g/m2とする。50g/m2未満では、劣化した鉄筋コンクリートの表面強化が不足し、鉄筋コンクリートの劣化抑制効果が不足し易い。また、300g/m2を超えるとB工程で塗布するシラン系撥水材のコンクリート表面への含浸が阻害され、鉄筋コンクリートの劣化抑制効果が不充分となる。
本発明において、シラン系撥水材とは、シラン及び/又はシロキサンを主成分とする撥水材であり、アルキル変性、エポキシ変性、アミノ変性、アミド変性等の各種官能基で変性したシラン及び/又はシロキサンを主成分とするものでもよい。上記工程Bで使用するシラン系撥水材は、粘度0.5〜50mPa・sのものであればよい。粘度が50mPa・sを超えると、コンクリートへの浸透を阻害し、鉄筋コンクリートの劣化抑制効果が不足する。また、粘度が0.5mPa・s未満であると、所定量を塗布するための塗布回数が増加するため、作業効率が悪い。塗布回数を少なくでき且つコンクリートへの浸透性に優れることから、本発明で使用するシラン系撥水材は、粘度0.8〜40mPa・sのものが好ましく、粘度1〜35mPa・sのものがより好ましい。また、当該シラン系撥水材は、有効成分が95%以上のものが好ましい。工程Bにおけるシラン系撥水材の塗布量は、100〜400g/m2とする。100g/m2未満では鉄筋コンクリートの劣化抑制効果が不足し、400g/m2を超えると塗布作業に手間が掛かるが400g/m2を超えてシラン系撥水材を塗布しても水や塩化物等の劣化因子の浸透抑制効果は変わらないという問題がある。より好ましいシラン系撥水材の塗布量は、150〜400g/m2とする。このシラン系撥水材を塗布した表面に、塗料を塗布すると施工前後で外観が変化することから好ましくない。
上記工程Aで劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布した後に、当該鉄筋コンクリートのひび割れに粘度0.5〜50mPa・sのシラン系撥水材を注入する工程(工程C)を行うことが好ましい。この工程Cで用いるシラン系撥水材は工程Bと同じものを用いることが材料準備に手間が掛からず好ましい。工程Bと工程Cとは、何れを先に行ってもよく、又同時に行ってもよい。工程Aよりも工程Cを先に行うと、珪酸リチウム水溶液が鉄筋コンクリートのひび割れ部分に含浸し難くなることから、所定量の珪酸リチウム水溶液の塗布に時間が掛かり、又コンクリートの劣化抑制効果が不足するため相応しくない。
上記工程Cにおいてシラン系撥水材を劣化した鉄筋コンクリートのひび割れに注入する方法としては、特に限定されないが、例えば低圧注入器により注入する方法、シラン系撥水材を充填した注射器又はコーキングガン等の先端が細くなった容器の先端部をひび割れに押し当てた状態で当該先端部に設けた孔からシラン系撥水材を押し出し充填する方法、シラン系撥水材を充填した噴霧器のノズル部分をひび割れに近づけながら噴霧器を稼動させひび割れに噴霧する方法、シラン系撥水材を浸した刷毛でひび割れをなぞることで充填する方法等が好ましい例として挙げられる。ひび割れ長さが1m以上と長い場合は、ひび割れの表層をシリコーン等でコーキングし、当該ひび割れの数箇所にシラン系撥水材を充填した注射器型の低圧注入器を設置し低圧注入(低圧注入法による注入)を行うと、含浸されない部分なく当該ひび割れにシラン系撥水材が浸透し易いことから好ましい。
工程Aと工程Bとの間隔及び工程Aと工程Cとの間隔は、何れも、工程Aで塗布した珪酸リチウム水溶液が、塗布したコンクリート表面に含浸し、その表面が濡れた状態でなければよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<促進劣化試験>
底板から30mm,長手の横板から等距離の位置に直径16mm,長さ400mmの鉄筋を設置した100×100×400mmの型枠に、コンクリート(W/C:65%、単位塩化物イオン量:2kg/m3、圧縮強度:38N/mm2)を充填し、翌日脱型後材齢28日まで20℃で水中養生を行った。養生後に鉄筋に通電し、型枠の底板により形成された面(試験面)に、幅約1mmのひび割れが発生するまで電蝕を実施した。その後28日間気中養生(温度:20℃、湿度:60%)を行った鉄筋コンクリートを、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)として促進劣化試験に用いた。図1に鉄劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的なB−B’断面図を示した。また、図2に、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的なA−A’断面図を示した。また、図3に、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的な平面図を示した。
<促進劣化試験>
底板から30mm,長手の横板から等距離の位置に直径16mm,長さ400mmの鉄筋を設置した100×100×400mmの型枠に、コンクリート(W/C:65%、単位塩化物イオン量:2kg/m3、圧縮強度:38N/mm2)を充填し、翌日脱型後材齢28日まで20℃で水中養生を行った。養生後に鉄筋に通電し、型枠の底板により形成された面(試験面)に、幅約1mmのひび割れが発生するまで電蝕を実施した。その後28日間気中養生(温度:20℃、湿度:60%)を行った鉄筋コンクリートを、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)として促進劣化試験に用いた。図1に鉄劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的なB−B’断面図を示した。また、図2に、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的なA−A’断面図を示した。また、図3に、劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)の模式的な平面図を示した。
作製した基材の試験面に表1に示す塗布量の塗布材1を刷毛により塗布した(工程A)。工程Aで塗布した塗布材1による表面の濡れが無くなり乾燥した後、塗布材2を基材の試験面に表1に示す塗布量を刷毛で塗布した(工程B)。その後、電蝕により発生させたひび割れに低圧注入法によりひび割れ注入材1を注入した(工程C)。
以下に、試験でひび割れ注入材および塗布材に用いた材料を以下に示した。
・A1: 珪酸リチウム水溶液(濃度:10質量%)
・A2: 珪酸ナトウム水溶液(濃度:20質量%)
・C1: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:95質量%以上、粘度:2mPa・s)
・C2: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:95質量%以上、粘度:35mPa・s)
・C3: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:80質量%以上、粘度:約2000mPa・s)
・C4: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:90質量%以上、粘度:約700mPa・s)
・A1: 珪酸リチウム水溶液(濃度:10質量%)
・A2: 珪酸ナトウム水溶液(濃度:20質量%)
・C1: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:95質量%以上、粘度:2mPa・s)
・C2: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:95質量%以上、粘度:35mPa・s)
・C3: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:80質量%以上、粘度:約2000mPa・s)
・C4: シラン系撥水材系撥水材(有効成分:90質量%以上、粘度:約700mPa・s)
表1に示した補修工法により補修した模擬試験体について、以下の試験サイクルを1サイクルとして50サイクル及び100サイクル経過後の補修した模擬試験体の外観観察を行った。
・試験サイクル : 10質量%塩化ナトリウム水溶液に1日浸漬。その後20℃気中に2日間放置。
その結果を表1に合わせて記載した。このときの評価基準は、以下の通りとした。
・評価基準
○: 外観変化なし(目視で確認できる形状変化(新たなひび割れ発生)なし、良好)
△: 新たなひび割れ発生(ひび割れ幅:0.1mm未満、問題あり)
×: 新たなひび割れ発生(ひび割れ幅:0.1mm以上0.3mm未満、不良)、錆汁発生(総面積:4cm2未満)
××:激しい劣化発生(ひび割れ幅:0.3mm以上又は錆汁総面積が4cm2以上、不良)
・試験サイクル : 10質量%塩化ナトリウム水溶液に1日浸漬。その後20℃気中に2日間放置。
その結果を表1に合わせて記載した。このときの評価基準は、以下の通りとした。
・評価基準
○: 外観変化なし(目視で確認できる形状変化(新たなひび割れ発生)なし、良好)
△: 新たなひび割れ発生(ひび割れ幅:0.1mm未満、問題あり)
×: 新たなひび割れ発生(ひび割れ幅:0.1mm以上0.3mm未満、不良)、錆汁発生(総面積:4cm2未満)
××:激しい劣化発生(ひび割れ幅:0.3mm以上又は錆汁総面積が4cm2以上、不良)
本発明の実施例に相当する試験水準は、簡便で且つ劣化を充分抑制していた。また、本発明の実施例に相当する試験水準の試験体は、補修前後の外観の変化が殆ど見られなかった。
[実施例2]
<撥水材の含浸深さ試験>
コンクリートへの実施例1における塗布材1塗布後に、同塗布材2を塗布したときのコンクリートへの塗布材2の含浸深さを、JSCE−K 571「表面含浸材の試験方法(案)」に準じて測定した。コンクリートは実施例1で用いたものと同じ配合として、試験体の大きさを100×100×100mmのとした。塗布材2(シラン系撥水材)の含浸深さの試験結果の評価を、塗布材1及び塗布材2の塗布条件とともに表2に示した。このときの評価基準を以下に示した。
・評価基準
○: 含浸深さ3.5mm以上(良好)
△: 含浸深さ2〜3.5mm未満(不充分)
×: 含浸深さ2.0mm未満(不良)
<撥水材の含浸深さ試験>
コンクリートへの実施例1における塗布材1塗布後に、同塗布材2を塗布したときのコンクリートへの塗布材2の含浸深さを、JSCE−K 571「表面含浸材の試験方法(案)」に準じて測定した。コンクリートは実施例1で用いたものと同じ配合として、試験体の大きさを100×100×100mmのとした。塗布材2(シラン系撥水材)の含浸深さの試験結果の評価を、塗布材1及び塗布材2の塗布条件とともに表2に示した。このときの評価基準を以下に示した。
・評価基準
○: 含浸深さ3.5mm以上(良好)
△: 含浸深さ2〜3.5mm未満(不充分)
×: 含浸深さ2.0mm未満(不良)
実施例1における実施例と同じ条件で塗布材をコンクリート表面に塗布した水準(試験No.11〜14)は、塗布材2(シラン系撥水材)が3.5mm以上の含浸深さに含浸しており、このことにより、実施例1の実施例に当たる補修方法(鉄筋コンクリートの劣化抑制方法)を施した試験水準の試験体は、劣化を充分抑制されていたと考えられる。
[実施例3]
<表面強化確認試験>
モルタル基板(W/C:65%、細骨材の質量に対するセメント質量の割合(セメント/細骨材):1/3、大きさ:7×7×2cm)に、表3に示した条件で塗布材1を塗布し、その塗布した塗布材1が乾燥後に、表3に示した条件で塗布材2を塗布し、試験体を作製した。試験体の塗布材1及び塗布材2を塗布した表面の表面強度を、JIS A 6909「建築用仕上塗材」6.10「付着強さ試験」に準じて付着強さを測定した。その試験結果の評価を、塗布材1及び塗布材2の塗布条件とともに表3に示した。このときの評価基準を以下に示した。
・評価基準
○: 付着強さ1.2N/mm2以上(良好)
×: 付着強さ1.2N/mm2未満(不良)
<表面強化確認試験>
モルタル基板(W/C:65%、細骨材の質量に対するセメント質量の割合(セメント/細骨材):1/3、大きさ:7×7×2cm)に、表3に示した条件で塗布材1を塗布し、その塗布した塗布材1が乾燥後に、表3に示した条件で塗布材2を塗布し、試験体を作製した。試験体の塗布材1及び塗布材2を塗布した表面の表面強度を、JIS A 6909「建築用仕上塗材」6.10「付着強さ試験」に準じて付着強さを測定した。その試験結果の評価を、塗布材1及び塗布材2の塗布条件とともに表3に示した。このときの評価基準を以下に示した。
・評価基準
○: 付着強さ1.2N/mm2以上(良好)
×: 付着強さ1.2N/mm2未満(不良)
実施例1における実施例と同じ条件で塗布材をコンクリート表面に塗布した水準(試験No.21〜24)は、付着強さ1.2N/mm2以上であり、このことにより、実施例1の実施例に当たる補修方法(鉄筋コンクリートの劣化抑制方法)を施した試験水準の試験体は、試験面が充分強化されていたと考えられる。
本発明は、劣化した鉄筋コンクリート構造物を簡便な作業で、劣化の進行を抑制できる。
1 劣化した鉄筋コンクリートの模擬試験体(基材)
2 型枠の底板により形成された面(試験面)
3 鉄筋
4 電蝕により発生させたひび割れ
5 コンクリート
2 型枠の底板により形成された面(試験面)
3 鉄筋
4 電蝕により発生させたひび割れ
5 コンクリート
Claims (3)
- 劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布量50〜300g/m2で塗布する工程を行った後に、該珪酸リチウム水溶液を塗布した鉄筋コンクリート表面に粘度0.5〜50mPa・sのシラン系撥水材を塗布量100〜400g/m2で塗布する工程を行うことを特徴とする鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
- 劣化した鉄筋コンクリートの表面に珪酸リチウム水溶液を塗布した後に、当該鉄筋コンクリートのひび割れに粘度0.5〜50mPa・sのシラン系撥水材を注入することを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
- シラン系撥水材を塗布した上記鉄筋コンクリートの表面に塗料を塗布しないことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄筋コンクリートの劣化抑制方法。
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