本明細書では、例えばバスケットカテーテル及び/又はそのセンサに関して臓器の極領域に又はその近くに位置付けられた遠隔ソース(例えば極ソース)を含む心拍リズム障害のような生体リズム障害の回転ソースの場所を識別するシステム及び方法を開示する。以下に続く説明では、例示的な実施形態又は態様の完全な理解を与えるために、説明目的で数多くの特定の詳細内容を示す。しかし、当業者には、開示するこれらの特定の詳細の全てを用いなくても例示的実施形態を実施することができることは明らかであろう。
本発明の実施形態により、生体リズム障害又は心拍リズム障害の素因を治療において医師を支援することができるフォーマットで表すシステム及び方法を提供する。例えば、特に生体リズム障害のロータ、ソース、又は他の素因が、心臓情報データの収集及び編成において実施される感知デバイス、カテーテル、カテーテルのセンサ、又は他のデバイスに対して遠隔に位置付けられた場合に、賦活軌跡の観察を可能にし、障害のそのようなロータ、限局性ソース、又は他の素因のコアの視覚的位置付けを可能にするために視覚表示画面をプロセッサに接続することができる。音声フォーマットも、単独で又は視覚フォーマットとの組合せで用いることができる。例えば、コアを視覚的に識別することができるようなソースの視覚描示に加えて又はその代わりに、障害の場所及び素因に関してソース及びそのコアの座標を音声指示によってユーザに提示することができる。視覚描示は、施術者に素因の明確な表現を提示し、治療の選択を大幅に容易にする素因のコアを識別するための基準を提供することから特に望ましい。例えば、実際のロータ又は限局性拍動の視覚表現は、施術者が、遠隔に位置付けられた活動を識別し、障害のソースが判別可能になった後に切除カテーテル又は他の治療を導く場所を正確に決定することを可能にする。
本発明の別の実施形態により、障害の素因及び/又はソースが識別された後に、リズム障害を治療又は除去するために、識別されて場所が特定されたソースの部位を改変又は破壊するための治療デバイス又は治療法を用いることができる。治療デバイス及び治療法の非限定例は、切除カテーテル等による破壊エネルギー(切除)の使用、外科的切除法、外科的除去又は心臓の内部における埋め込みリード又は他の物理的デバイスのようなデバイスの使用、刺激エネルギー(ペーシング)、薬剤の直接送達、細胞療法、又は他の介入技法を含む。一実施形態では、身体、特に心臓からの信号を感知することができるカテーテルは、切除エネルギー、刺激エネルギー、薬物療法、幹細胞又は遺伝子療法のような細胞療法を送達する能力のような治療手段、又は他の治療手段を含むこともできる。従って、そのようなカテーテルは、障害の検出と治療の両方に用いることができる。
本発明は、例えば、VF、多形性VT、倒錯性心室頻拍、及びAFのような複合心拍リズム障害の検出、診断、及び治療に特に適切であり、場所が特定された素因が正確に識別されて照準されると、場所が特定された素因のターゲットを定めた正確な切除を実施することができる。上記で解説したように、心臓情報を収集、再構成、及び/又は画像化するバスケットカテーテルのような感知デバイス又は他の感知デバイスに対して臓器の遠隔又は極での場所における素因の識別及び身体的な場所の特定はこれまで可能ではなく、従って経験豊富な施術者であっても首尾良く治療すること、更に実質的に改善又は除去することなどは極度に困難であった。
図1は、心拍リズム障害に関連する1又は2以上のソースの場所を識別するための例示的システム100を例示している。例示的システム100は、心拍リズム障害のソースを識別する又はその場所を特定するために患者の心臓120から検出された心臓信号に関連付けられた回転活動、持続性回転活動、ロータ、遠心性のパターン、又は伝播(放射状発出又は他の見かけ分散のどちらであるかに関わらず)のようないずれかの回転ソース、1又は2以上のソースの大体のコア、推進源、及び/又は他の活動を識別するように構成される。心臓120は、右心房122と、左心房124と、右心室126と、左心室128とを含む。
例示的システム100は、カテーテル102と、信号処理デバイス114と、コンピュータデバイス116と、解析データベース118とを含む。
図示の実施形態では、カテーテル102は、心臓内の賦活情報を含む心臓情報を検出し、検出した心臓電気情報を信号処理デバイス114に無線接続又は有線接続のどちらかを介して送信するように構成される。カテーテルは、患者の血管を通して心臓内に挿入することができるプローブ/センサ104のアレイを含む。センサ104は、単極及び/又は双極の信号を供給することができる。
好ましい実施形態では、バスケット型カテーテルが患者の心臓内に導入される。様々な心拍リズム障害の回転ソースが様々な心腔内の様々な箇所に位置付けられる可能性があり、様々な回転中心の回りで様々な方向(例えば、時計方向、反時計方向)に回転する可能性があることに注意されたい。回転ソースは、心臓の外周囲に位置付けられる可能性があり、それにより、これらの回転ソースのコンピュータ生成2次元電子グリッド像を観察する上で付帯的な難題が課される可能性がある。ソースは、本質的に持続性のものである可能性もあるが、それにも関わらず心臓の他の場所へと歳差回転する可能性もある。これらのソースは、反復し、非常に反復性の高いもの、他に発現した活動形態で持続するものである可能性がある検出された限局性拍動を含む他のソースと回転経路内で重畳する可能性もある。
一部の実施形態又は態様では、センサ104のうちの1又は2以上は、患者の心臓120の内部に挿入されない。例えば、センサ、他の感知デバイス、及び/又は他の心臓情報信号検出デバイスは、心臓電気情報を患者の面を通じて検出する(例えば心電図)又は患者と接触することなく遠隔的に検出することができる(例えば、電気情報を逆解法によって識別する心磁図又は他の方法)。別の例として、センサは、非電気感知デバイス(例えば心エコー図)の心臓運動から心臓電気情報を導出することもできる。様々な実施形態又は態様において、これらのセンサ及び/又は他の感知デバイスは、別個に又は様々な組合せで用いることができ、更にこれらの別個のもの又は様々な組合せは、患者の心臓120又は他の臓器内に挿入されるセンサとの組合せで用いることもできる。
センサ104は、空間的に心臓内の組織に隣接するか、接触するか、又は心臓120の近くにあるかのいずれかにあるそれぞれの様々なセンサ場所に位置決めされる。センサ104は、センサ場所で心臓電気活動を検出することができ、信号処理デバイス114に出力される対応する感知心臓情報信号を生成することができる。センサ104は、特にセンサ場所が心臓組織に隣接又は接触する時に、心臓120を切除するためのエネルギーを様々なセンサ場所に送達するように更に構成することができる。
信号処理デバイス114は、センサ104によって検出されて生成された感知心臓信号を処理(例えば明瞭化及び増幅)し、対応する心臓信号を出力するように構成される。コンピュータデバイス116は、心臓信号を解析又は処理するために心臓信号を受信し、又はそれにアクセスし(受信段階又はアクセス段階と呼ぶ)、これらの信号を本明細書で開示する方法に従って処理する。一部の実施形態では、信号処理デバイス114は単極信号を供給するように構成されるが、他の実施形態では、信号処理デバイス114は双極信号を供給することができる。
本発明に開示の方法は、心臓信号から伝えられる又は検出される回転活動(時計方向又は反時計方向)の場所及び/又は心臓活動情報、他の電気活動、回転活動、回転活動に関連付けられたコア、回転活動に関連付けられた大体のコア、限局性活動、限局性拍動、遠心性賦活が発出する原点、及び/又は回転ソースのコア、持続性の反復的な賦活のものを含む他の活動、及び/又は反復的であるかそうでないかに関わらずあらゆる他の活動及び賦活を識別するために用いられる。生体リズム障害又は心拍リズム障害に関連付けられたソースは、心臓の内部領域内にあるバスケットカテーテルサブアセンブリの位置に対してかなり遠隔にある心臓又は臓器の領域内に位置付けられた又は縁部の活動と考えられる場合がある。ソースのうちの一部は、臓器又は心臓内へのバスケットカテーテルサブアセンブリの送達に対して臓器又は心臓の極又は縁部の領域にあるとみられる場合があり、従って回転活動は、場所を特定して識別するのが一般的にかなり困難であると考えられる。開示する発明に従って、心臓又は臓器内にあるバスケットカテーテルサブアセンブリの位置に対して遠隔に位置付けられた限局性ソース又は他の遠心性パターンを含むソースを検出するための方法を本明細書の下記において説明する。
コンピュータデバイス116は、信号処理デバイス114からの心臓信号を受信する(又はそれにアクセスする)ように構成され、更に、心拍リズム障害のソースの場所を特定してそれを識別することができ、それによって識別されたソースを除去することができるように心臓の極又は縁部領域を含む患者の心臓の様々な領域内の規則性を決定するために本明細書で開示する方法、関数、又は論理に従って心臓信号を解析又は処理するように構成される。本発明に開示の方法により、バスケット様式のカテーテルを心臓内に導入することができる。処理された信号は、回転ソースの場所の識別を支援するために様々なスプライン/電極点において回転させることができる心臓の3次元モデルを生成し、更に心拍リズム障害の回転ソース(例えばロータ)の2次元グリッド表現又は他のマップを生成する。
コンピュータデバイス116は、例えば、心臓信号の複数の単相活動電位(MAP)電圧表現からのデータを組み合わせて空間的に割り付けた賦活伝播マップ(APM)の形態にある第1の表現150を生成する。APMビデオは、ある時間期間にわたる一連の時間増分に関連付けられた一続きのAPMフレームを含む。図示の例に記載の矢印152は、表示情報の回転シフトを示す。MAP表現内の各要素は、センサアレイのそれぞれのセンサ104に関連付けられる。MAP表現は、電圧(又は電荷)対時間及び他の指標を含む。図1に更に例示している他の想定実施形態は、複合リズム障害の1又は2以上のソースに関連付けられた1又は2以上の第2の表現であり、そのような1又は2以上の第2の表現は、視覚、聴覚、触覚、他の感覚のデータ、及び/又はこれらの組合せ又は派生形態の形態で生成される。第1の表現150は、表示、臨床表現、感覚表現、他の表現、及び/又はこれらの組合せの形態にあるものとすることができ、リズム障害のソースの識別を容易にする機構によってリズム障害の識別及び治療において施術者を支援する。1又は2以上の第2の表現154は、表示、臨床表現、感覚表現、他の表現、及び/又はこれらの組合せの形態にあるものとすることができ、リズム障害のソースの識別を容易にすることによってリズム障害の識別及び治療において施術者を支援する。リズム障害の治療において施術者にとって判別可能な他の表現は、デバイス、ディスプレイ、コンピュータ可読媒体、表現ツール又は表現デバイス、及び/又はメモリのいずれに送達される及び/又はこれらの上に格納されるかに関わらず、リズム障害の治療の前又は最中に施術者を実際に誘導する視界、音、感触、匂い、触覚、及び/又は運動のような1又は2以上の感覚様相を1又は2以上の臨床表現及び/又は感覚表現として統合することを可能にする多感覚表現を含む。
図1のシステムに示している第1の表現150及び1又は2以上の第2の表現154は、リズム障害を治療又は除去する上で医師を導き、支援するために用いられる視覚、聴覚、触覚、これらの組合せのいずれであるかに関わらず、リズム障害の素因又はソースの識別情報又は場所の感覚表現に関連付けられる。例えば、このモジュールは、障害のロータ、限局性又は他の素因の文字、図形、及び/又は音による画面上での視覚映像をより明確に視覚化すること、又は施術者がこれらの場所を特定することを可能にする表示画面を含むことができる。一部の実施形態では、1又は2以上の第2の表現154は、場所が特定されて画面上に動画ビデオフォーマットで提示される障害の「動画」クリップとして生成される。そのようなクリップは、障害の実際の素因及び場所の実時間表現である。例えば、本発明の開示の処理、すなわち、カテーテルセンサに対して遠隔に位置付けられた複合リズム障害のソースの場所の識別に従ってデータの解析が実施された状態で、解析結果は、賦活軌跡の形態で画面上に示されることになる。賦活軌跡のパターンが中心コアの回りを周回する一連の賦活を示した場合にはロータが見つかり、実際にそれが障害の素因である。同様に、賦活軌跡のパターンが、中心コア領域から放射状に発出する一連の賦活を示した場合には、限局性拍動が見つかり、実際にそれが障害の素因である。このように、この処理は、他に遠隔場所又は極領域内に位置付けられて2次元グリッドフォーマット又は他の視覚表現に変換された時に判別不能である障害の素因の直接的な発見を可能にする。それにより、施術者にとって好適な障害の存在、タイプ、及び場所の視覚映像が、第1の表現150及び/又は1又は2以上の第2の表現154において生成される。
例えば、心臓情報を施術者に生体リズム障害に関するソースを示す識別情報、場所、及び他の特性に関連付けられた代表的な聴覚表現又は触覚表現へと音声化又は変換する聴覚信号、触覚信号、又は同様の感覚信号のような聴覚表現は、1又は2以上の第2の表現154の形態で生成することができる。例として、処理された心臓情報信号を触覚印象へと変換することによって触覚感覚表現が生成される。触覚印象は、ユーザによって感触され、ユーザが他に視力及び/又は聴力によって判別可能である複合リズム障害のソースに関連付けられた場所の識別情報及び他の情報についての視覚情報又は聴覚情報を感触によって取得することを可能にする。更に、触覚印象は、触覚表示又は触覚感覚表現の少なくとも一部分の触覚振動によって生成することができる。そのような表現は、関連の手技を実施しながら複合リズム障害のソースの場所をより正確に特定するように施術者を更に詳しく導くことができる。あらゆるそのような第1の表現150及び/又は第2の表現154は、表示デバイス、これらの表現を格納するコンピュータ可読媒体、又は臨床表現を含む表現(150、154)を生成する他のデバイスに送達することができる。ロータのような回転活動を検出するために、この検出において、回転角、立体角、角速度、及び回転円周における接線速度のような情報と位相情報とを用いることができる。限局性ソースでは、情報は、遠心性指標(速度及び加速度等)と求心性指標(速度及び加速度等)とを含むこともできる。一般的に、求心性指標は、不活性区域(ソースではない)を示すが、センサから遠ざかるようにシフトするソースを示すことができる。全てのソースに関して、ソースは心臓領域内で定常的及び動的にシフトする可能性があることから、定量化は、ドップラー偏移、コアの崩壊、及びエントロピー尺度のような動的シフトの徴候を含む。
情報は、センサアレイのセンサ104によって感知される電気活動に関連付けられた賦活開始時間情報を含むこともできる。MAP表現は、時間軸線と電圧軸線との上の曲線、並びに極プロット図及び3次元プロット図を含む一部の他の表現としてマッピングすることができる。
本明細書で用いる場合、賦活開始時間は、賦活の最中の他の時点に対して細胞又は組織内で賦活が開始する時点である。賦活は、細胞が休止(弛緩)状態から活性(電気)状態へとその動作を開始する過程である。
コンピュータデバイス116は、APMビデオのような信号表現を受信する、それにアクセスする、又はそれを第1の表現150へと生成する。APMビデオの生成及び単相活動電位(MAP)形態にある信号表現の例は、米国特許第8,165,666号明細書に説明されており、この文献は、その全内容が引用によって本明細書に組み込まれている。特に、‘666特許の図11は、MAPのAPMビデオ150を例示している。他の有用な信号は、ノイズ不在の単極電位図及び処理された単極電位図を含む。同様に、他のシステム及び方法は、賦活時間、位相情報、及び開始期を含むように心臓賦活情報又は生体賦活情報を再構成することができる。
第1の表現150、例えばAPMビデオは、賦活情報、電気活動、回転活動、及び/又は回転活動、遠心性活動、限局性活動に関連付けられたコア、及び/又は放射状又は他の見かけ分散形態における持続性又は反復性の発出を含む遠心性賦活又は回転賦活が発出又は伝播する原点の動的ビデオ表現を生成するために経時的な心臓電気情報又は生体電気情報を表示、処理、又は再構成することができるシステム及び方法によって生成することができる。
一実施形態又は態様では、回転賦活は、動的賦活情報が回転運動を示すことができる位相特異点による位相マッピングから示される。例えば、第1の感覚表現150内に生成されるAPMビデオは、フレーム毎に実施される計算によって決定することができる位相特異点のインジケータ、例えば白点を表示することができる。各フレームは、当該フレームの時点で行われた測定に基づいて情報を表示する。この実施形態における各回転推進源の信頼度は、位相特異点の経時的持続性によって示される。短い時間量の間にしか検出されない特異点は、数フレーム以内にしか表示されない可能性があり、従って、視覚指標は視認不能である、僅かにしか視認可能ではない、及び/又は素早く消失する。持続性がある場合には、フレーム毎の回転運動は、観察者に対して視認可能で検出可能なものとすることができる。
図2は、例えばバスケット様式のマッピングカテーテルの挿入の前の心臓(200)の左心房(200)及び僧帽弁(205)の図を例示している。カテーテルは、一般的に、カテーテルガイド又は送達シースを用いて所望の静脈内に送達可能である。カテーテルは、弁輪のうちの1つに概ね対面して位置決めされ、弁輪は、左心房(200)内では僧帽弁輪(205)である。心臓(120)内の電気事象は、一般的に感知電極又はセンサを用いて記録される。これらの電極は、特別設計の記録カテーテルを含む心腔又は心血管系内に配置されるカテーテルとすることができる。電極は、埋め込みペースメーカー又は心臓除細動器−細動除去器からのリード延長部とすることもできる。一般的に、右上大静脈及び下大静脈(まとめて「大静脈」)、右上肺静脈(203)、右肺静脈(204)、左上肺静脈(206)、左下肺静脈(202)、又は冠状静脈洞を通じて到着する単相活動電位又は他の信号を記録するために用いられるカテーテルとすることもできる。
図3Aは、スプラインが放射状に拡張した状態にあるように示されたバスケットサブアセンブリを含むバスケットカテーテルの拡大側面図を例示している。バスケットカテーテルアセンブリ(301)の図示の実施形態において含まれるものは、バスケットサブアセンブリの放射状拡張構成にあるスプライン(A〜H)(305)に接続するカテーテルシャフト(300)である。バスケットアセンブリ(301)のスプライン(305)は、カテーテルが位置決めされた場所、例えば左心房における心臓の内壁の輪郭に適合するのに十分に高い可撓性を有する。各スプライン(305)の面に沿って等距離で縦断配置され、更に一部の実施形態では各スプライン(305)の外面に沿って互いの間に異なる距離を挟んで縦断配置された最大で8つの電極又はセンサ(303)が存在する。電極又はセンサ(303)は、心内膜面からの複数の局所電圧を検出するために用いられる。スプラインバスケットサブアセンブリ(301)のスプライン(305)は、バスケット(301)の一方の端部、すなわち、遠位端で遠位先端(306)によって固定され、バスケット(301)の反対の端部、すなわち、近位端で近位アンカー(307)によって更に固定される。他の実施形態は、他の構成のバスケットサブアセンブリを実施することができる。
図3Bは、図3Aのバスケットサブアセンブリ(301)のスプラインの正面透視図を例示している。各スプライン(305)は、長さ方向に点線(315)の交点に表記した中間点(314)に至るまで放射状に対称に拡張した状態で示されている。センサ又は電極番号1〜4(要素(308)〜(311))(すなわち、最も遠位の点から最も近位の点まで)と表記して図3Aに示しているセンサ(303)は、図3Bに1〜4(要素(308)〜(311))(すなわち、スプライン(305)上で最も遠位の点から最も近位の点まで)と表記している電極に対応する。一般的に、蛍光透視下でスプライン/電極の誤識別を防止するのが望ましい。バスケットアセンブリカテーテル設計における最近の進歩は、引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,644,902号明細書に説明されているように、心臓の場所、すなわち、左又は右の心房内に配備された後のバスケットアセンブリカテーテルの誤識別及び位置的不安定性の問題に対処している。
図3Aと図3Bの両方に示し、AからHまでで表記したスプライン(305)は、複数の露出電極(少なくとも308から311まで)を誘導するために一般的に可撓性を有し、近位部分(313)と、遠位部分(306)と、これらの間の中間部分(314)とを有する。バスケットカテーテル設計は、患者内の心拍リズム障害に関連付けられた回転ソースの3次元及び2次元のグラフィカルマッピングを容易にするのを助ける。患者の心臓内に配備された状態で、バスケット型カテーテルの基準電極303に沿って電極1〜8の間でこれらの電極の付近にあるいずれかの場所、及び基準スプライン307に沿ってスプラインA〜Hの間でこれらのスプラインの付近にあるいずれかの場所に存在する回転ソースを医師が評価することができる。様々な心拍リズム障害の回転ソースは、様々な心腔、右又は左の心房、又は心臓の様々な部分の中の様々な場所に配置されている可能性があり、様々な回転中心の回りに様々な方向(例えば時計方向)に回転する可能性があることに注意されたい。
図4は、スプラインC(401)が僧帽弁輪(402)に最も直接対面する状態で心臓(400)の左心房内に送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリ(403)の例図である。一般的に、A〜Hと表記したスプライン(404)のいずれも僧帽弁輪(402)に対面する状態で心臓の心房内に送達することができることに注意されたい。しかし、カテーテルサブアセンブリ(403)の配置及び送達は、患者の解剖学的寸法比率と、手技を実施する外科医にとってより注目度の高い心臓の区域(すなわち、症状を示している)とに概ね依存する。カテーテルは、心内膜又は心外膜の面を含む他の心腔、例えば、左心房、右心室、左心室、又は心腔の組合せの中に送達することができる。心臓は一様又は平面の構造ではないことから、各スプライン(305)上における電極(303)の空間的配置は、心臓(400)の対象領域内へのバスケットカテーテル(403)の送達に依存して変化する可能性がある。これに加えて、ある一定の実施形態では、螺旋放射状スポーク又は他の空間的配置のようなセンサ(303)の様々な空間的配置を有する様々なカテーテルを用いることができる。バスケットカテーテル(301)のスプライン(305)は、心臓(120)の腔壁の輪郭と概ね共形になる。従って、各スプライン(405)に沿って設置されたセンサ(303)の空間的配置は、患者の心臓(120)の構造に依存し、更に最終的にスプライン/センサが心臓(120)内で心臓壁に対してどのように向いているかに依存して変化する。
図5は、少なくとも1つのスプライン(504)が三尖弁に直接対面する状態で心臓(120)の右心房(501)内に送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリ(503)の例図である。この特定の実施形態では、カテーテルは、心臓(120)の南極(506)から送達される。例えば、バスケットサブアセンブリ(503)のスプラインAは、右心房(501)の三尖弁に直接対面する。A〜Hと表記したスプラインのうちの概ねいずれも、これらのスプラインのうちのいずれかのものが三尖弁に直接対面する状態で(同様に患者の解剖学的寸法比率と、手技を実施する外科医にとってより注目度の高い心臓の区域(すなわち、症状を示している)とに概ね依存して)送達することができることに注意されたい。カテーテルサブアセンブリ(503)は、複数の電極センサ(507)を誘導するためのスプライン(504)を含み、これらの電極センサは、各スプライン(504)に沿って空間的に配置され、これらの電極センサの場所での心内膜面からの局所電圧を検出するために用いられる。バスケットカテーテル(503)のスプライン(507)は、心臓(501)の腔壁の輪郭と概ね共形になる。最も遠位の部分が遠位先端(508)として示されている。従って、各スプライン(504)に沿って設置されたセンサ(507)の空間的配置は、患者の心臓の解剖学的構造に依存して変化する。カテーテルの送達に向けた技法の変化形態が生じる可能性があることにも注意されたい。
一実施形態では、カテーテルは、筋肉を貫通して所望の静脈内に誘導される。カテーテル、一般的に長い誘導シースを用いることができ、鋭い中空針又は套管針を用いて血管又は空洞を穿刺することができる。導入カテーテルは、ガイドワイヤを用いて心臓の対象の空洞又は血管内に位置決めすることができる。これらのシナリオでは、カテーテルは心臓の空洞内に送達されるが、血管又は空洞が穿刺された後には、スプライン、従って感知電極は限られた操作性しか有さない。従って、本発明に開示の方法は、回転ソースの識別を含む信号のそれぞれの3Dモデル作成を可能にする。本発明に開示の方法は、それぞれの取り込み信号の解析に向けて、それぞれの信号の2次元グリッドへの数学的変換が本発明の開示の実施形態に従って発生することができるように3Dカテーテル画像を回転させる実施可能性を含む。
図6は、カテーテルガイドが心臓の下領域内に位置決めされた状態でバスケットカテーテルサブアセンブリ(604)が送達された心臓(120)の左心房(600)を例示している。スプライン(605)(A〜Hと表記している)は、センサ(603)(1〜8と表記している)が各スプライン(605)に沿って設置された状態で放射状に拡張した状態にある。図示の実施形態では、カテーテルサブアセンブリ(604)は、右心房を経由し、隔壁を貫通する穿刺手技によって心臓(120)の左心房(600)へのアクセスを得ることによって心臓(601)の左心房(600)内に導入及び送達される。
図7は、図1に例示しているセンサの場所に関連する感知要素を有するグリッドを例示している。図7は、ある時間期間で連続する均等に離間した時間増分(例えば1ミリ秒(msec)毎又は10msec毎)に対応する一連のフレーム(例えばAPMビデオ150)のうちの例示的2次元APMフレーム700を提示している。時間期間は、2秒〜10秒又はそれとは異なる間隔とすることができる。各APMフレーム700は、時間期間の時点tにおいて複数のMAP信号をサンプリングすることによって生成することができる。
APMフレーム700は、1〜8と標記した電極基準704と、A〜Hと標記したスプライン基準705とを有するグリッド702を含む。電極基準704とスプライン基準705とは、センサアレイ(例えば64個のセンサ)のそれぞれのセンサ104に対応するセンサ要素とも呼ぶ64個の交差要素を有する。例えば、センサ要素706、708、710、712は、グリッド702(1〜8、A〜H)上のそれぞれの交点に対応し、更にセンサアレイのそれぞれのセンサ104に対応する。特に、センサ要素706、708、710、712は、グリッド702上で、それぞれ(6,G)、(6,H)、(5,H)、及び(5,G)と標記することができる交差要素の場所に位置付けられる。
グリッド702は、各々が少なくとも3つのセンサ要素によって定義又は境界が定められた複数の区域へと分割される。これらの区域は多角形(例えば、三角形、長方形、又は正方形)として構成され、一部の場合は、グリッド702全域を網羅することができる。各区域を定義するセンサ要素は、当該区域の頂点に位置決めされる。例示的区域714は、(6,G)、(6,H)、(5,H)、及び(5,G)と標記することができる交差要素に頂点を有する正方形である。区域714は、正方形の4つの頂点(G〜H、6〜5)に位置決めされたセンサ要素706、708、710、712によって定義される。図示の例では、グリッド702全域が切れ目のない非重畳正方形区域によって網羅され、各正方形は、4つのセンサ要素によって境界が定められる又は定義される。区域714は、センサ要素706、708、710、712に対応するセンサ104によって定義又は境界が定められる。別の実施形態では、区域は重畳することができる。同様に、例示的な第2の区域は、それぞれのセンサ104に対応するセンサ要素716、718、720、722によって定義される。
APMフレーム700のセンサ要素には、MAP信号の電圧(又は電荷)に対応するグレースケールレベルが割り当てられる。センサ要素706、708、710、712の間に位置付けられた要素に対するグレースケールレベルは、内挿(例えば代表的なMAP信号に基づく)を用いて決定することができる。各々の全内容が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,521,266号明細書、米国特許第8,700,140号明細書、及び米国特許出願第13/844,562号明細書は、一連のAPMフレームを生成するためのシステム及び方法を説明している。
一連のAPMフレーム700は、例えば、ビデオストリーム(APMビデオ150)として順次表示することができる。観察者は、経時的に描示される表示電圧(又は電荷)の変化を見ることができる可能性がある。この手法は、回転ソース又は限局性ソースのどちらを表示することもできる。この例では、電圧変化は経時的な回転パターンを有し、センサ104によって位相特異点が感知されたことを示す。より顕著なのは、持続性の回転ソース又は遠心性パターン(限局性ソース)である。それ程目立たないのは、不定、短命、及び/又は非持続性の回転パターンであり、回転方向を変化させる、又は歳差回転する、及び/又は弱い回転度しか有さない。実際に、回転パターンのうちの一部は、十分なフレーム数を観察者に対して視認可能にするようには表示されない場合があり、それに対して他の回転パターンは視認可能であるが、その後に消失又は歳差回転する場合がある。これら全てのことにも関わらず、APMフレーム700のビデオ150は、グリッド702上における経時的動的変化及び回転パターンを含む有用な情報を外科医に提供することができる。
回転パターンが歳差回転し、2次元グリッド700の表示上で外科医に対してもはや視認可能とすることができない場合であっても、本発明に開示の方法は、3Dカテーテルモデル(例えば表現)の軸線上回転シフトを確実に可能にし、更に2次元グリッド表示702(例えば、感覚表現又は臨床表現のどちらであるかに関わらない表現)上である一定の時間フレームにおいてユーザが選択したスプライン−センサの場所のある一定のセットにおける観察を可能にする。ロータは、それが持続性を有し、ほとんど歳差回転せず、グリッド702の視野から消失しない場合に、グリッド702の完全視野又は部分視野内で場合によって再出現する可能性がある。本発明に開示の方法を下記でより詳細に説明する。
図8は、患者内の心拍リズム障害に関連付けられた例示的回転ソース806の例示的グラフィカルマッピング800を例示している。例えば、回転ソース806は、独自の回転中心812(疑問符で印した場所のうちの1又は2以上)の回りに反時計方向の回転パターンで進行することが観察され、電極基準804に沿って電極4〜5〜6の間でこれらの電極の付近にあるいずれかの場所、及びスプライン基準802に沿ってスプラインB〜Cの間でこれらのスプラインの付近にあるいずれかの場所にあると医師が評価することができる患者の心臓の右心房内にある心拍リズム障害のソースである。様々な心拍リズム障害の回転ソースが様々な心腔内の様々な場所に配置されている可能性があり、様々な回転中心の回りに様々な方向(例えば時計方向)に回転する可能性があることに注意されたい。
例示的回転ソース806は、サイクル時間、例えば100ms〜300msにわたって独自の回転中心812の回りに反時計方向回転パターンで進行する複数の賦活マッピング808、810を含むことができる。賦活マッピング808、810の各々は、スプライン基準802及びセンサ基準804におけるセンサの電荷レベル(又は電圧レベル)を表す要素814を含むことができる。賦活マッピング808、810は、心臓リズム障害の1又は2以上の拍動(回転ソース点又は限局性ソース点から伝播する賦活を含む)に関する複数のセンサにおける賦活開始時間を識別する再構成賦活情報(心臓信号の再構成信号データ)を表す。例えば、賦活マッピング808、810は、全内容が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,165,666号明細書及び米国特許出願第13/840,354号明細書において特許取得されている心臓賦活情報を再構成するためのシステム及び方法によって生成することができる。
例えば、賦活マッピング808、810(又は賦活波面)は、‘666特許の図11に示されている複数の処理された心臓信号に対して生成された単相活動電位(MAP)電圧表現とすることができる。特に複数の心臓信号は、‘666特許に説明されているように処理され、これらの処理された信号に基づいてMAP表現が生成される。全てのMAP表現の電気活動は、順次マッピングすることができ、様々な時点における例示的賦活マッピング808、810が示され、例えば、賦活マッピング808は、賦活マッピング810よりも早い。本発明の開示の明瞭化及び簡潔化の目的で2つの賦活マッピング808、810(又は賦活波面)しか示していないが、更なる賦活マッピングを独自の回転中心812の回りの回転ソース806の一部とすることができることに注意されたい。
同様に、回転ソースを生成するために心臓賦活情報又は生体賦活情報を再構成することができる他のシステム及び方法は、心臓内に位置決めされたバスケットスプライン及び/又はセンサに対して遠隔に位置付けられたソースを含む回転経路の場所を識別する本発明のシステム及び方法への入力として用いることができる。また、これらの回転ソースに関連付けられた大体の回転コアを識別することもできる。
一部の事例では、回転ソース806は、賦活波面808のような1又は2以上の拡散セクションを有する可能性がある。賦活波面808は、一般的に独自の回転中心812の回りに回転し、患者の心臓のセクションの周囲に拡散して広がり、又は放射状又は幾分放射状に伝播し、心拍リズム障害を大幅に推進させることに回転ソース806の他の賦活波面810のうちの1又は2以上よりも低い程度にしか寄与しないとみられる。
図9は、例示的な直交(x−y座標)グラフィカルマッピング900を例示している。直交グラフィカルマッピング900は、このグラフィカルマッピング900内に例示しているスプライン/電極基準802、804からこの直交グラフィカルマッピング900に例示しているx−y座標への心臓信号の再構成信号データの例示的変換法[図10A〜図11Bに示している2Dグラフィカルマッピングを参照しながら説明する1又は2以上の計算及び/又は決定において実施される]を提示している。更に、下記で図13及び図18に関連して説明する2又は3以上の方向の回転シフト及び/又は回転傾斜(例えば、3Dスプラインカテーテルモデル1001(例えば表現)のカテーテルの位置への角度調節を生成することによる)の場合に、付加的なスプラインオフセットアルゴリズム及び/又はスプライン−センサオフセットアルゴリズムを適用することができる。
図示の例では、直交グラフィカルマッピング900は、x−y(0,0)からx−y(28,28)まで延びる。例示的な複数のx−y座標場所902は、図8の賦活波面810の要素914を表すことができる。座標場所902(場所904〜912を含む)及びそれに関連付けられた電荷(電圧)レベルは、グラフィカルマッピング800の要素914から内挿することができる。これに従って、図1の賦活波面808、810の他の要素は、同様に直交座標へと変換することができる。
変換Tx914は、x−y座標場所をスプライン−電極基準へと変換することができる。例えば、x−y座標(4,8)における場所は、以下のスプライン(spline)−電極(electrode)基準へと変換することができる。
spline=((x+1)/4)+A=((4+1)/4)+A=1.25+A=B、及び
electrode=((y+1)/4)+1=((8+1)/4)+1=2.25+1=3.25=3
一部の実施形態では、スプライン−電極基準値は、最も近い整数のスプライン及び整数の電極に丸められる。様々な他の実施形態では、ある一定の用途に対して非整数スプラインを利用することができる。
変換Rx916は、変換Tx914の逆である。変換Rx216は、上述のスプライン−電極基準をx−y座標場所へと変換することができる。例えば、スプライン−電極場所B−3は、以下のx−y座標場所へと変換することができる。
x=4(spline−A)=4(B−A)=4(1)=4、及び
y=4(electrode−1)=4(3−1)=4(2)=8
上述の例では、電極は、これらの電極に割り当てられた実際の番号の利点を有する。しかし、スプラインには文字が割り当てられている。上記に示した数学演算を実施するために、スプラインは、A、B…Hを1、2…8で表すように番号で表される。
従って次式のスプライン計算を容易に実施することができる。
A−A=(1−1)=0
B−A=(2−1)=1
…
H−A=(8−1)=7
スプライン表現は、加算のような他のスプライン計算、並びに全内容が本明細書に組み込まれている‘354出願に説明されている他の数学計算を実施するために用いることもできる。
図10Aは、患者の左心房(124)の僧帽弁に対面する状態で送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリの例図、並びに対応するグリッド表示(1004)である。図示のように、カテーテルサブアセンブリ(301)は、スプラインC(1012)が図2の3Dモデル(1001)内に示している僧帽弁(205)の輪に対面する状態で位置決めされる。観察者(1018)は、スプラインCとBとの間を観察しており、その後、対応するパノラマグリッド投影像(1004)を形成するためにこの3D視野を分割する。対応する2次元グリッド(1004)は、例えば図9で説明したもののようなスプライン/電極基準の各々からの心臓信号の変換信号データを描示している。
特に、グリッド(1004)内でそのx軸線に沿ってセンサ要素1〜8(1005)と表記している電極及びグリッドのy軸線に沿って位置付けられたスプラインA〜H(1006)は、スプラインA〜H(1008)の各々によって検出された心臓信号又は生体信号及び各スプラインA〜H(1008)の面上に設置された対応するセンサ1〜8(1002)を描示している。各センサ及びスプラインによって検出された心臓信号の対応するマッピングは、グリッド(1004)によって形成されたxy平面上の(x,y)座標点として示されている(xは各センサに対する番号であり、yは各スプラインに対する文字である)。スプラインC(1012)は、下記で詳細に説明するアルゴリズムを適用してグリッド表示(1004)へと変換される。スプラインC(1012)は、3Dカテーテルモデル(1001)の分割時であるが3Dカテーテルモデル(1001)のシャフト(1030)のいずれかの回転又は角度傾斜の前の第1の対応するオフセットスプライン(1016)としてグリッド表示内に示されている。スプラインB(1011)は、グリッド(1004)のy軸線上の最後のオフセットスプライン(1017)に対応する。従ってカテーテルモデル(1001)の元の位置に対する角度調節又は傾斜が生成済みである。
2つのスプライン(1008)のうちのどちらかにおいて又はこれらの間において下記で詳細に説明する数学アルゴリズムの適用によって分割を実施することにより、ユーザが、患者の心臓活動を包括的なグリッドフォーマット(1004)で観察することが可能になる。特定の時点における潜在的な回転ソース、ロータ、反復遠心性ソース、又は反復的賦活の包括的なビデオフレームは、変換2Dグリッド(1004)又はこのグリッド(1004)内の一連のフレーム内で視認可能である。要するに、ユーザが心臓リズム障害に関連付けられた電気活動をより高い精度で観察及び分析し、場合によってはそこから回転ソースを識別することを可能にするために、各センサ場所で様々な心臓信号を取り込んだ3Dモデルは平坦な2Dグリッドへとスライスされる。
本発明に開示の方法は、回転ソースが外科医によってグリッド(1004)内でより容易に識別可能であるように、処理された心臓信号の正確な拡大2D視野を提供する。この特定の図では、3Dバスケットカテーテルモデル(1001)はまだ回転されていない。グリッド(1004)内に示されているように、有界部分(1007)の内部に抽出された明るめの部分及び最も明るい部分は、心臓リズム障害に関連付けられたかなり顕著な賦活(場合によっては高めの強度も)、反復的賦活(遠心性ソースから伝播した賦活を含む)、限局性ソース、及び/又は回転ソースを表す区域を示している。有界部分(1007)の外側に位置付けられたグリッド(1004)の暗めの部分は、ごく僅かな賦活又は賦活の不在を示している。
この特定の実施形態では、外科医は、輪郭線引き部分(1007)の内部で心臓リズム障害の潜在的なソース(例えばロータ又は回転ソース)に関連付けられた活動の場所を特定済みであり、又は心臓リズム障害のソースに関連付けられた区域を全体的に示し、反復性を有する場合及び患者内の心臓リズム障害の推進源、ソースの内側コア、及び/又はソースであると決定された場合に切除治療を必要とする可能性がある反復的賦活、賦活開始期、及び/又は賦活開始時間の潜在的な賦活軌跡を示す少なくとも実質的な賦活の場所を特定済みである。
図10Bは、患者の左心房の僧帽弁に対面する状態で送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の例図、並びに対応するグリッド表示の図である。図10(b)は、時計方向又は反時計方向のどちらかのカテーテルモデル(1001)の回転の開始期を示している。対応するグリッド(1004)に示しているように、明るめの有界部分(1007)の顕著なシフトはなく、従って3Dモデルが回転し、スプラインのうちの1つ又はそのほぼ近くで視野を分割し、それによってy及びxスプライン要素(1006)におけるグリッド表示への変換時にスプラインがシフトされない限り、グリッドがシフトすることにはならないことが例証されている。
図10Aと図10Bの両方において、C、D、A、及びBと表記しているスプライン(それぞれ1012、1013、1019、及び1011)は、変換後には点1016、1020、1021、及び1017それぞれにおけるグリッドのy軸要素(1006)に対応する。
図10Aと図10Bの両方に示しているグリッド(1004)は、例えば、スプライン/電極基準(1008)及び(1002)の各々からの心臓信号の変換されて再構成された信号データを表すことができる。この実施形態では、グリッド表示(1004)内のスプラインC(1012)は、3次元カテーテルモデルのいずれかの回転又は角度傾斜の前の第1の対応するオフセットスプライン(1006)として示されている。図10Aに記載の3Dカテーテルモデル(1001)の小さい回転の後であっても、図10Bのグリッド(1004)のスナップショットは、観察者に対して静止したままに留まる。図10Bのグリッド表示(1004)内に示している進行の欠如は、ある事前決定閾値を上回る回転が観察者(2つのスプライン間でモデルを観察している)の視点を次のスプラインにシフトさせるように、3Dカテーテルモデル(1001)の回転がこの閾値よりも大きく又はそれに等しくなければならないことを例示している。従って、3Dカテーテルモデル(1001)の回転がそのような閾値よりも大きい又はそれに等しいと決定された状態で、グリッド(1004)(例えばグリッド表現)上の対応するy軸スプライン要素(1006)のオフセット変化が起こることになり、それによって3Dモデル(1001)の観察者の視野範囲(1018)内のスプライン(1008)のうちの1つ又はその近くで観察者の分割が実質的に生じる。グリッド(1004)(例えば、印加された摂動から生じ、少なくとも1変位単位のオフセットを引き起こす変位されたグリッド表現)の連続するスプライン要素(1006)において次のオフセットを生成する回転は、0°〜360°の間のいずれかの角度の3Dモデル(1001)の回転(例えば第1の方向のオフセット単位の)によって実現することができる。例として、ユーザは、3Dモデルを僅かに5°の角度だけ回転させることができ、この角度は、角変位単位だけ印加された回転摂動に起因してグリッド(1004)上のスプライン(1006)のシフト又は変位を起こす閾値を超えるのに十分とすることができる。
既に説明したように、ある一定の実施形態では、センサは、患者の心臓(120)に対して空間的に配置され、従って賦活情報を再構成するために用いられる又は電気心臓信号の処理に用いられるカテーテルのいずれかの対応するセンサアレイが心臓(120)の様々な部分を網羅することができることに注意されたい。心臓(120)は均一又は平面の構造ではないことから、心臓(120)内の電気信号又は電気活動の検出を改善するために、そのようなアレイ内における電極又はセンサの空間的配置を心臓(120)の形状に対して変化させることができる。センサアレイ内において、螺旋、放射状スポーク、又は他の空間的配置のようなセンサの様々な空間的配置を有する様々なカテーテルを用いることもできる。
同じく、全内容が本明細書に組み込まれている米国特許第8,594,777号明細書の図4に関連して説明されているものは、カテーテルの例示的センサアレイ、及び心臓賦活情報(例えば賦活開始期)を再構成するためのセンサからの信号の例示的選択である。所与の解析信号に関する隣り合う信号の数は、アレイ内のセンサの空間的配置、解析対象の心腔、及び治療下にある心拍リズム障害に依存して少ない又は多いものとすることができる。
従って、3Dモデル(1001)を観察する際のユーザの基準フレーム、患者の心臓(120)内に送達される実際のカテーテルサブアセンブリ(301)上でのスプライン(305)の各々の実際の分離度、及び上記で説明した他の因子に依存して、これらの因子は、3Dモデル(1001)上のスプライン(1008)における分割及び変換のy軸スプライン要素(1006)における対応するシフトを引き起こすのに必要とされる回転度に影響を与える可能性がある。
図10Cは、患者の左心房(124)の僧帽弁に対面する状態で送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の例図、並びに3次元カテーテル(1001)モデルの1スプライン回転の後の対応するグリッド表示である。図10Cは、時計方向(図10Aに対して)にスプライン1つ分回転し、その結果スプラインBが僧帽弁(201)に対面した3Dカテーテルモデル(1001)を示している。対応するグリッド(1004)に示されているように、例えば、少なくとも第1の時間期間にわたって順次回転する賦活の回転活動、例えば、少なくとも第1の時間期間にわたって発出する遠心性伝播、又は例えば少なくとも第1の時間期間にわたって識別可能な限局性ソースのような賦活及び/又は他の活動の大きめの区域を示す明るめの有界部分(1007)も、少なくとも1スプラインセグメント(1022)だけ下向きの方向にシフトしている。このことは、3Dモデルがスプラインのうちの1つ又はその近くで観察者の視野を分割するのに十分な事前決定閾値を上回って回転しない限り、グリッド(1004)内で見つかるグリッド要素がシフトすることにはならない点を更に例示している。スプライン要素(1008)は、y軸スプライン要素(1006)の場所に示しているようにグリッド表示への変換時にシフトすることになる。
図10Cでは、B、C、H、及びAと表記したスプライン(1011、1012、1025、及び1019)は、グリッド(1004)へと変換された状態で、点1016、1020、2021、及び1017それぞれでのy軸要素(1006)に対応する。グリッド(1004)へと変換される際の分割は、それぞれグリッド(1004)上で視認可能なスプラインB(1016)とA(1017)との間で明白である。
図10Dは、患者の左心房(124)の僧帽弁(205)に対面する状態で送達されたバスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の例図、並びに図10Cに対する3Dカテーテル(1001)モデルの1スプライン回転後の対応するグリッド表示である。図10Dは、時計方向(図10Cに対する)の1スプライン回転後に結果としてスプラインA(1019)が僧帽弁(201)に対面することを示している。対応するグリッド(1004)内に示しているように、回転活動、遠心性活動、又は限局性ソースのような賦活及び/又は他の活動の大きめの区域を示す明るめの有界部分(1007)も少なくとも1スプラインセグメント(1022)だけ下向きにシフトしている。
図10Dでは、A、B、G、及びHと表記したスプライン(1019、1011、1026、及び1025)は、グリッド(1004)へと変換された状態で、点1016、1020、2021、及び1017それぞれでのy軸要素(1006)に対応する。グリッド(1004)へと変換される際の分割は、これらの点においてそれぞれグリッド(1004)上で視認可能なスプラインA(1016)とA(1017)との間で明白である。
センサ間の活動に関してグレースケールレベルを用いて図10A−10Dの両方のグリッド表示内に示しているように、有界区域(1007)の最も明るい部分は、概ね、特定の時間期間で描示されるかなり顕著な電気活動及び/又は表示電圧(又は電荷)の変化を示す区域である。しかし、グリッド表示(1004)上で1つのフレーム内に描示したビデオフォーマットにおける一連のAPMフレームの観察者は、経時的な回転活動を見ることができる可能性がある。APMフレームのAPMビデオは、各処理された信号に対して生成されたMAP(単相活動電位)電圧表現の経時的な動的変化及び回転パターンを含む有用な情報をグリッド表示(1004)上で外科医に確実に提示する。‘666特許に説明されている図11は、各処理された信号から生成された単相活動電位(MAP)電圧表現を例示している。複数の信号は処理することができ、MAPは、これらの処理された信号に基づいて生成することができる。全てのMAPの電気活動は、賦活開始期を示すために一続きの例示的賦活へとマッピングされる。
図11Aは、患者の左心房の僧帽弁に対面する状態で送達された後に撮像されたバスケットカテーテルサブアセンブリの例図、並びに対応するグリッド表示(1004)である。この例図は、外科医によって患者の心臓(120)内に当初送達された3次元カテーテルモデル1001の回転の前のものである。一般的に、実際のカテーテルサブアセンブリ(301)は、患者の心臓(120)の心房の内壁に接して位置決めされた後には回転されないことに注意されたい。しかし、カテーテル撮像モデル(1001)は、センサ−スプライン信号が3次元モデルを回転させるために選ばれた方向に依存してグリッド表示(1004)上で追従してシフトされるように回転させることができる。これに加えて、この視野は、より注目度の高い活動を取り込んで対応するグリッド(1004)へと変換するために分割される。3次元視野からの2つのスプライン間のそのような分割は、ユーザの選択のスプラインのうちのあらゆるもの及び/又はセンサのうちのあらゆるものにおいて生成することができる。対応するグリッドオフセット視野は、2つのスプライン間で分割され、各対応するスプライン−センサ場所で対応する2次元形態へと変換された3次元モデルの「平坦化」視野である。3次元球体を1つの方向に回転させるか別の方向に回転させるかというユーザの選択、並びに視野を2つの特定のセンサ間で分割するというユーザの選択に様々な因子が影響を与える可能性がある。一般的に、ユーザは、賦活が少なくとも1回又は少なくともある時間期間にわたって内部で順次回転するグリッド(例えば表現)上で回転ソースを視覚化されたものとして識別するために、2つのスプライン及び/又はセンサ間で視野を回転又は分割しようとする場合がある。ある一定の実施形態では、この視覚化は、カテーテルモデル(1001)に回転シフト、2次元シフト、及び/又は傾斜角を適用するためにユーザによって選ばれる方向を決定する上での推進因子とすることができる。
これに加えて、本発明の開示の他の実施形態では、例えば、回転ソースが少なくとも1回回転する時又は賦活が少なくとも第1の時間期間にわたって順次回転する時に、他に観察者にとって視覚的に分かり難く又は判別不能であり、例えば少なくとも1回回転する例えばロータ又は回転ソースを示さない特定の電気活動の場所を特定するために、特定の角度で適用された特定の傾斜を有する3次元モデルを生成することができる。通常、これらの事例は、ロータ又は回転ソースが心臓(120)の領域内へのカテーテルサブアセンブリ(301)の元の送達に対して遠隔領域内に位置付けられた時に発生する。これらのタイプの事例を縁部条件と呼ぶ。例えば、そのような縁部条件は、他にカテーテルサブアセンブリ(301)の元の配置では認識不能又は検出不能である心臓の縁部、周囲に沿って、又は極領域に沿ってさえも持続する可能性があるロータによって特徴付けることができる。従って、そのような場合には、ロータは、手技中に心臓(120)の壁に接して適所に留置された各センサ/スプラインのそれぞれの場所のうちのいずれにおいても検出されない又は識別不能である。そのような場合には、回転ソース又はロータに関連付けられたいずれかの回転活動(持続性であるか否かに関わらず)ではなく分散した不規則な電気活動が見られる可能性がある。
図11Bは、3次元カテーテルモデル(1001)の回転(患者の心臓(120)内への物理的なバスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の回転ではなく)の後の図11Aのバスケットカテーテルサブアセンブリの例図である。図示の実施形態では、この表現は、3次元カテーテルモデル(1001)で例示しているように回転され、それによってスプラインA〜Hは、対応するグリッド(1006)上で下向き方向にシフトする。この特定の実施形態では、元々図11Aの1100の場所でのグリッドの下部に示されていたスプラインA及びBは、その後、図11Bのグリッド(1006)のスプライン軸線の位置(1101)にあるグリッド(1004)の上側部分にシフトされている(例えば、少なくとも1スプライン−センサ単位の変位)。3次元カテーテル画像モデルの回転シフトは、対応するグリッド表現(1004)の特定の方向の平行移動又はオフセット(例えば、カテーテルモデル表現の変位)に直接対応する(例えば、グリッド表現の1又は2以上の方向の変位)。これに加えて、図11Aの(1007)に示している高めの電気活動を全体的に示す明るめの部分は、図11Bの外形区域(1102)に示しているグリッド(1004)の底部分に向けてシフトしている。
図12Aは、3Dカテーテルモデルのいずれかの回転の前のスプラインA〜Hを描示するカテーテルサブアセンブリ(301)の3次元(3D)モデルの上面図を例示している。この図は、患者の心臓(120)に空間的に関連付けられたセンサから取得された心臓信号を表す一連のフレームの初期静止状態である。図示のように、スプライン(1008)は、バスケットカテーテル(1001)の遠位先端(1201)で接合される。
各スプライン(1008)に沿ったセンサは、外科医によって処理及び解析される心臓信号を検出する。放射状に延びる各スプライン(1008)の間に存在し、約45°の角度を有する角度θが示されている。従って、それぞれAからHと表記している8つのスプライン(1008)は角度θによって分離される。そのような関係は、カテーテルモデル(1001)の対称又は実質的に対称な3次元モデルを生成するために用いられる事前決定角度関係(ばらつきの影響も受ける)である。そのような対称性は、結果として生じるパノラマグリッド投影像(1203)への取得された心臓信号又は生体信号の数学的に関連付けられた変換を生成する上で実施される。
図示の実施形態は、基準カテーテルモデル(1001)内のスプラインC(1211)の場所付近で施された3Dモデルの分割を伴う3次元カテーテルモデルを描示している。この分割は、概ね観察者の視点(1218)の透視方向から発生する。観察者の視点(1218)は、ほぼスプラインB(1217)とC(1211)との間に位置付けられるが、それぞれのアルゴリズム(下記でより詳細に説明する)の適用後に、分割は、Cスプライン(1211)の方に近いと決定され、従ってCスプライン(1211)において生じることになる。従って、スプラインC(1211)における分割は、各スプライン(1008)に沿ったセンサ(1002)によって取り込まれた心臓信号及び/又は生体信号の2次元パノラマグリッド(1203)の投影像に変換されることになる。グリッド軸線(1006)に示しているように、変換されたスプラインC(1214)は、点(1214)にあるグリッドスプライン要素(1006)の最上側部分に位置付けられる。スプラインB(1212)は、点(1212)にあるグリッド軸線の最低部分に位置付けられる。従って、3Dモデル視野の分割又はスライスは、スプラインBとCの間で発生し、3Dカテーテルモデル(1001)のグリッド投影像(1203)内で点(1214)及び点(1212)の場所に示しているように変換される。
各々が遠位先端(1201)から近位アンカー端部(1209)へと延びる放射状に延びるスプライン(1008)は、理論的に球面投影像(1208)の円周を形成する。更に、パノラマグリッド(1203)の投影像は、3次元カテーテルモデル(1001)を少なくとも1回転スプライン単位(1210)よりも小さく又はそれに等しくシフト又は回転させることによってスプライン要素(1006)で示しているY軸線に沿って下向き方向にシフトさせることができる(例えば、1又は2以上のx−yセンサ座標場所における表現の変位)。更に、3Dカテーテルモデル(1001)は、1回転スプライン単位(1210)よりも大きく回転させることができる。スプラインの実際の場所、スプラインのほぼ近く、又は3次元モデルを分割すべき2つのスプライン間のいずれかにおいて基準点が選択される。結果として生じる変換パノラマグリッド投影像(1203)は、例えば図10Bの変換グリッド表示(1004)内に示している様々な処理された心臓信号から生成される。施術者は、ロータのような回転ソース、限局性ソース、遠心性伝播、放射状発出、又は他の賦活活動、又は複合心臓リズム障害を含む心臓リズム障害のソースを示す他のタイプの分散に関連付けられたいずれかの電気活動をグリッド表示(1004)上で観察することができる。
図12Bは、3次元カテーテルサブアセンブリの1スプライン単位(1210)の回転後に整合されたスプラインを描示するカテーテルサブアセンブリの上面図を例示している。約45°の角度を有する角度θ(1200)も示されている。それぞれAからHと表記している8つのスプライン(1008)は、角度θ(1200)だけ分離される。この例証的な図では、3次元カテーテルモデル(1001)は、1角度単位θ(1200)又は1スプライン単位又はスプラインセグメント(1210)のどちらかだけ回転させることができる。回転単位の他の変化形態を実施することもできる。図示の実施形態は、スプラインB(1217)又はその近くで3次元カテーテルモデル(1001)の分割を有する3次元カテーテルモデルを描示している。図12Aに対して、3次元カテーテルモデル(1001)は、少なくとも1スプライン単位(1210)又は球状円周(1208)単位の1/8(1210)だけ時計方向に回転される。結果として得られるパノラマグリッド(1203)の投影像は、Y軸スプライン要素(1006)を図12Aに示しているその元の向きから下向き方向に又は図12Bに示しているように少なくとも1y軸スプライン単位(1205)だけ下向き方向にシフトさせる。方向成分及び単位は代表的なものに過ぎず、従って、他の実施形態は、パノラマグリッド投影像の変換において様々なシフトを伴う3次元カテーテルモデル(1001)の反時計方向回転シフトを含む。
元々図12Aのy軸線(1006)の下側セクション(1213)に位置決めされていたスプラインオフセット要素Aは、そこから、グリッド投影像(1203)のグリッドオフセット要素(1006)の最低セクション(1212)にシフトしている。元々図12Aのセクション(1212)に位置付けられていたスプラインオフセット要素Bは、図12Bのグリッド投影像(1203)のグリッドオフセット要素(1006)の最上部(1214)にシフトしている。元々図12Aのセクション(1214)に位置付けられていたスプラインオフセット要素Cは、セクション(1215)にシフトしており、1y軸スプライン単位(1205)の1回の下向きシフトを表している。元々図12Aのセクション(1207)に位置決めされていたスプライン要素Eは、図12Bに示している位置(1206)に1y軸スプライン単位(1205)だけ下にシフトしている。y軸スプライン要素(1006)におけるこの下向きシフトは、観察者の視野(1218)がスプラインB(1217)において3Dカテーテルモデル(1001)を分割又はスライスする結果である。スプラインb(1217)における視野(1218)のこの分割は、他にロータ及び/又は遠心性発出のような回転活動の3次元判別不能視野であるものの平坦化を可能にする。グリッド平行移動の方向は、下向き方向に変位される。スプラインC(1214)は、変換された状態でグリッド表現の最上部分に位置し、スプラインB(1212)は、変換された状態でグリッド表現の最低部分に位置する。
図12Cは、3次元カテーテルサブアセンブリモデルの2スプライン単位(1210)(例えば、センサ場所を第1の単位で第1の方向に変位させる2オフセット単位)の回転(図12Aの3Dカテーテルモデルの元の静止位置を基準フレームとして用いた)に続くAスプラインでの分割の後に整合された放射状に延びるスプラインを有するカテーテルサブアセンブリの上面図を例示している。この例証的な図では、3次元カテーテルモデル(1001)は、約2角度単位θ(1200)又は2スプラインセグメント(1210)のどちらかで回転させることができる。3Dカテーテル表現のスプライン−センサの信号の元の位置の変位において、回転単位の他の変化形態(例えば、1又は2以上の方向のオフセット単位)を実施することもできる。更に、約45°の角度を有する角度θ(1200)が示されているが、これらの角度は他の実施形態では変化することが可能である。図示の実施形態は、視野の分割が図12Cに示しているスプラインA(1220)又はその近くで発生した状態の3次元カテーテルモデル(1001)を描示している。図12Aのカテーテルモデル(1001)を基準フレームとして用いて、3次元カテーテルモデル(1001)は、約2スプライン単位(1210)又は球状円周(1208)単位(1210)の2/8だけ時計方向に回転されている。しかし、この実施形態では、3Dモデル(1001)は、観察者を次の2つのスプラインに移すのに過不足なく回転されており、それによってグリッド(1203)上で下向きシフトが起こったものである。観察者の視点(1218)に注目すると、観察者は、スプラインH(1219)よりもスプラインA(1220)に近いが、それ程の量ではなく1球単位(1210)よりも小さい量だけ近い。従って、時計方向の回転は、スプラインA(1220)においてグリッド(1203)の不連続分割が起こるまで実行される。
一般的に、この分割は、パノラマグリッド(1203)内で施術者にとってできる限り多くのデータが視認可能である状態でデータをパノラマグリッド投影像へと変換するために実施される。分割は、この場合にはスプラインA(1220)の近くに位置付けられた観察者の視点(1218)から発生する。分割及びグリッド(1203)への変換を実施するために数学アルゴリズム(本発明の開示の演算を実施する上で他の数学アルゴリズムも企図されていることに注意されたい)が適用されると、この実施形態ではスプラインA(1220)において結果として生じる数学的分割が起こる。カテーテルモデル(1001)の回転は、図12AのY軸スプライン要素(1006)の元の向きからスプライン要素2つ分下向きにシフトしたスプライン要素を有するパノラマグリッド(1203)の投影像を生じる。
しかし、図12Bを元の基準フレームとして用いると、スプライン要素(1006)は、1スプライン単位(1205)しか下向き方向にシフトしていない。方向成分及び単位は代表的なものに過ぎず、従って、他の実施形態は、信号を観察する施術者に対する関連信号の最大の視界及び露出を伴うパノラマグリッド投影像の理想的な変換を形成するために実施することができる3次元モデル内の単位の様々なシフトによる3次元カテーテルモデルの反時計方向の回転シフトを含む。
更に、図12Cに示しているように、元々図12Bのy軸線(1006)の最低セクション(1212)に位置決めされていたスプラインオフセット要素Aは、その後、y軸線グリッドオフセット要素(1006)の最上セクション(1214)にシフトしている。元々図12Bのセクション(1214)に位置付けられていたスプラインオフセット要素Bは、図12Cのセクション(1215)にシフトしている。元々図12Bのセクション(1215)に位置付けられていたスプラインオフセット要素Cは、セクション(1207)にシフトしており、1y軸スプライン単位(1205)の下向きシフトを表している。元々図12Bのセクション(1206)に位置決めされていたスプライン要素Eは、1y軸スプライン単位(1205)だけ図12Cに示されている位置(1216)へと下に(例えば南又は負のy軸線方向に)シフト又は変位されている。
しかし、図12Aを元の基準フレームとして用いると、スプライン要素(1006)は、図12(a)のグリッド要素(1006)の最底セクション(1212)及び(1213)に位置付けられているスプラインA及びBが図12Cの最上セクション(1214)及び(1215)それぞれにシフトしていることを除き、各々が2スプライン単位(1006)だけ下向きにシフトしている。
図13は、特定のスプラインでの3Dカテーテルモデルの視野の分割から生じるグリッドへの2Dスプラインオフセット変換を計算する例示的方法を例示している。この図は、観察者の視野(1305)に対するスプラインレベルにおける3Dカテーテルモデルの分割を実施する上で実施される例示的アルゴリズムセットを示している。これに加えて、この方法は、心臓リズム障害のソースを識別する上で3Dカテーテルモデルに適用されるロール角又は回転スプラインシフトから平行移動を決定する。この例では、αは、可変とすることもできる2つのスプライン間の角度(1303)である。図示の例では、バスケットカテーテル(301)の8つのスプラインが例示されており、α=45°であり、式(1300)へのスプラインの本数値η=8splinesの適用を下記に示す。
δsplinesは、対象スプラインが任意の第1のスプラインから離れているオフセットスプライン本数として具体的に定義されたスプラインオフセット値である。この値は、離散スプラインオフセット値と考えられる。例として、スプライン“A”(1307)を0°の場所に位置付けられた任意の第1のスプラインとして用いると、対象の“B”スプライン(1308)は、1というスプラインオフセット値又はδsplines=1を有すると考えられる。同じくスプライン“A”(1307)を任意の第1のスプラインとして用いると、スプライン“C”(1309)は、2というスプラインオフセット値又はδsplines=2を有する。
θ(1304)は、観察者の視点(1305)に対する3Dモデル(1001)の回転度の値である(図13ではバスケットアセンブリは上面図(1306)に示されている)。この回転度は、3Dカテーテルモデル(1001)に適用されるロール角と呼ぶ場合もある。ロール角は、中心化された視野又は2Dグリッドの境界から十分にシフトされた視野内の2Dグリッド(1004)への心臓情報の変換を起こすために適用される。その効果は、心臓リズム障害のソースが識別可能であるように、ロール角が、変換対象の心臓信号の元来判別不能な視野をシフトさせることである。ロール角は、2Dグリッド上へのソースの変換又は描示が、複数のセンサ(1002)から取得された心臓情報信号の元の変換において先に判別不能であった時に決定されて3Dモデルに適用される。図示の例では、θは、0°から359°までのこれらの値を含む範囲にわたるものとすることができる。図示の例では、カテーテルモデル(1001)を遠位先端正面視野(1306)で観察すると、3Dカテーテルモデルは、カテーテルシャフト(1030)の回りに、0°の場所に位置付けられたスプラインA(1307)の位置に対して時計方向又は反時計方向のどちらかに回転される。例として、スプラインA(1307)とDとの間に位置付けられたθ(1304)を決定するために、図示の例では下記に示す式(1301)が適用される。
δsplines=3(スプラインAとDとの間のスプラインオフセット値)を有する、
は、θ=120°のロール角を適用して以下のように計算される。
ロール角又はθの値はカテーテルを回転させるが、上記の計算に天井関数が適用されて次のスプラインに完全には達しない角度までしか回転させないことに注意されたい。図示の例では、ロールは、スプラインDが結果として生じるスプラインであるようには回転させず、適用される計算は、天井関数を算入して値を最も近いスプラインに丸める。この場合、式に適用される120°の適用角度は、3というスプラインオフセット値の値を与え、その結果、この時点でスプラインDが観察者の視野平面(1305)内に生じ、そこで分割が発生することになる。
θに対して360°を超えて計算されるあらゆる値は以下の範囲に制限されることに注意されたい。
0°≦θ≦360°
この範囲は下記に挙げる式の適用によって与えられる。
θ=mod(初期角度)
従って、例として初期角度が365°である場合には、θ=mod(初期角度)はθ=5°を生じる。いずれか所与の初期角度に対して、mod(初期角度)は、結果として生じる角度θが0°≦θ≦360°の間に収まることを意味する。これらの角度は、ある一定の角度に達した時に「ラップアラウンドする」と言われ、この場合、360°が「ラップアラウンド」モジュラス値と見なされる。
図13に更に示しているのは、下記に示す式(1302)を適用してオフセットスプラインの文字を決定することができる設計構想である。
(1302)λspline= ‘A’+δsplines
式中のAは、第1の任意のスプラインの文字のユニコード又はASCII値である。この値λspline(1302)は、図示の例ではスプライン‘A’である任意の第1のスプラインに対するオフセットスプラインの文字である。この式の適用は、対象のオフセットスプラインの表示可能なアルファベット文字を生成する。スプラインA(1307)で始まり、一般的に時計方向に実施される(しかし、実施形態に依存して反時計方向を適用することもできる)オフセットスプラインδsplines(1301)の本数が計算されて表現に適用される。上記に示した例では、δsplinesは3であり、従ってスプラインAから始めて3スプラインオフセット単位を適用することによってスプライン‘D’(1310)というアルファベットスプラインオフセット値が生じる。カテーテルモデル表現の同じ変位を生じ、その結果、少なくとも1サイクルにわたる回転活動又は少なくとも1つの時間期間にわたる遠心性発出のような識別可能なソースをグリッド表現内で観察するためのシフト及び運び入れを生じることができる他のアルゴリズムが企図される。
図14は、バスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の正面透視図である。バスケットカテーテル(301)のスプライン(1008)は、バスケットカテーテル(301)の一方の端部、すなわち、遠位端において遠位先端(306)によって固定され、更に図3(a)に示しているバスケットカテーテルサブアセンブリ(301)の反対の端部、すなわち、近位端において近位アンカー(307)によって固定される。他の構成のバスケットサブアセンブリを実施することができる。
観察者の平面は、この平面上の点が確実に収束する場所での理論的な線を形成する(3D画像平面上に投影された時にも)中心線軸線(1400)として示されている。A〜Hと表記しているスプライン(1008)の各々は、カテーテルサブアセンブリ(301)の遠位先端(306)から外向きに放射状に延びる。極水平線交差線(1401)が、観察者の平面(1400)に対して垂直に延びている。一般的に、極線(1401)は、下記で開示する方法に従って、カテーテルサブアセンブリ(301)の配置に対して心臓(120)又は臓器の遠隔領域の近くに位置付けられた潜在的な縁部条件を暴露する時のガイドラインとしての役割を果たす。この図は、スプライン(1008)、センサ(1002)の各々と、極水平線交差線(1401)及び観察者中心線軸線の平面(1400)を含む重要な平面との間の関係を例示している。
3Dカテーテルモデル(1001)に対するこれらのガイドラインの場所は、心臓リズム障害のソースを示す遠隔に位置付けられた回転ソース又は他の活動の場所を決定する上で実施される。極ソースのようなこれらの遠隔に位置付けられた回転ソース又は他の遠隔に位置付けられた活動は、一般的に心臓又は臓器内へのカテーテルサブアセンブリ(301)の配備時に明確には判別不能な臓器の領域内に位置付けられる。これらのソースの場所は、少なくともカテーテルサブアセンブリ(301)及びカテーテル(1001)の対応する3Dモデルの場所に対して離れていると見なされ、処理又は未処理に関わらず、ロータ、遠心性ソース、限局性ソース、又は回転ソースを含むソースを示す心臓内のいずれかのそのような電気活動、電気信号、及び他の活動を最初には明確に示さない可能性がある。これらの信号は、対応するグリッド又は3Dモデル(1001)内で、例えば、ロータ、遠心性ソース、限局性ソース、又は回転ソースを示す電気活動及び/又は賦活のいかなる凝集性も有さない混乱又は分散した活動として出現する可能性がある。下記でより詳細に説明する本発明に開示の方法により、観察者中心線軸線の平面(1400)、極水平線(1401)、各スプライン(1008)(AからHと表記した)の場所、及び/又はセンサ(それぞれA1からA8、H1からH8と表記している)(1002)の場所のようなバスケット(1001)の座標点は、ソースの場所を識別する上で実施される。
図15Aは、カテーテルサブアセンブリ(301)に対して極領域に位置付けられた例示的ロータを示すカテーテルモデル(1001)の側面図を示している。この例では、カテーテル(301)は心房腔内に配備され、そこでバスケットの遠位先端(306)は、例えばロータ(1500)内に示される電気活動と一致する領域内の心内膜面に接触する。観察者の視点(1218)は、カテーテルシャフト(1030)に対して垂直に位置付けられるが、この場合、特定の回転中心の周囲の(又は歳差回転する中心点であってもその周囲の)波面、賦活、又は電気活動の連続的な進行の観察及び識別を可能にするような対応するグリッド表示(1004)又は他の表示内への賦活波面投影を可能にしない。この例における観察者は、ロータが、点線(1505)から遠位先端(306)までに表記しているカテーテルモデル(1001)の区域内付近に位置付けられた極領域(1501)内に存在するものの、少なくとも人間の目ではこのロータを可視化又は認識することができない。図示の例では、回転活動、限局性ソース、又はロータ(1500)を示す賦活波面は、電気活動を投影する視野上で各サイクルにおいて進行を中断しながら直線経路を辿り、従ってこれまでは施術者にとって判別不能であった。
この例は、ロータが「極ロータ」と見なされることになる条件を示し、更にこのロータをグリッド視野投影像上で可視化するのが何故困難であるのかを示している。従って、下記で詳細に説明する本発明に開示の方法により、本方法は、区域(1503)内に描出した遠位極電極によって感知される電気活動を取り込むために、下記でより詳しく説明する本発明の開示の実施形態に従ってスプライン(1008)のレベル及び/又はセンサ(1002)のレベルのいずれかで3Dカテーテルモデル(1001)の2次元グリッド(1004)視野を分割する。本方法は、図15Bのこの描出区域(1503)の周囲の回転活動(1500)の明示を可能にし、これらの信号をグリッド視野(1004)のほぼ中心領域に平行移動させる。この方法は、ロータによって発現する電気活動の適正な平行移動を可能にし、従ってカテーテルモデル(1001)に対する極領域を含む心臓(120)の特定の領域の周囲の連続的な回転の可視化を可能にする。
図15Bは、遠位先端の近くに位置付けられた例示的ロータを放射状に延びるスプライン(1008)と共に示すカテーテルモデル(1001)の上面図を例示している。図示の例では、ロータ(1500)は遠位先端(306)の回りに回転する。この視点からの連続的な回転経路内にこの視点賦活活動の進行が示されている。この進行は、回転ソースが心臓(120)内のカテーテルの場所に対して遠隔に位置付けられた場合であっても臓器又は心臓のそれぞれの区域を切除又は他の治療技法のどちらかによって治療することができるような理想的な位置にあることを例示している。
図16Aは、カテーテルの遠位極に位置付けられ、変換2Dグリッド上で判別不能であり、分散して明確ではない又は完全には視野内にないロータの初期視点を例示している。ロータ(1600)は、2Dグリッド(1004)上にその上部及び下部の境界(1601)を跨いで断片化されるものとして変換される。変換2Dグリッド上に存在するロータのこの断片化された又は不規則な電気活動は、図15A及び図15Bで説明した極ロータ又は他の縁部条件に関連付けることができる。一般的に、そのような遠隔に位置付けられたロータ、賦活、限局性ソース、波面、又は他の電気活動は、カテーテルがそのような活動又はソースを感知し、判別し、更に処理するのがかなり困難であると考えられるカテーテル(1001)の遠位(306)にある部分又は心臓の相対区域の付近又はその近くで発現する。グリッド(1004)内に示しているように、ロータ(1600)は、モデル(1001)の区域(1603)内に表記しているスプラインA及びH、並びにそれぞれのセンサA3、A4、H4、及びH3の近くの部分において断片化される。不規則な電気活動の場所に関するこの情報は、続いてそれぞれのグリッド視野(1004)をどのように調節すべきかに関する決定を行うために用いられる。最低でも、この情報は、観察者の視点(1218)がカテーテルモデル(1001)上でスプラインAとHとの間に位置付けられて分割される最初の基準フレームをユーザに提供する。ユーザは、ロータが2Dグリッド上に全容を現すように変換されるように3Dカテーテルモデル(1001)を調節して完全なロータを中心に置くことによってロータ(1600)の断片化された部分を取り込んで接合することができ、そのような方法は、下記でより詳細に説明するアルゴリズムに従う。
図16Bは、スプライン分割がスプラインA−Hの間で実施され、2Dグリッド(1004)上に変換された際に変換ロータが断片化されて識別不能であるロータの調節された視野を例示している。この図は、カテーテルサブアセンブリ(301)に相対的な心臓の領域内に縁部条件が存在し、変換のソース又はロータ(1600)が2Dグリッド(1004)上でまだ全容を現すようにはシフトされていない時を例示している。図示のように、変換された観察者(1218)の平面は、グリッド(1004)上で、スプラインDとEとの間に延びる点線(1400)として示された中心線軸線の場所に位置付けられる。この図は、3Dモデル(1001)上のスプラインAとH(1002)との間のスプライン分割を実施することにより、変換グリッド(1004)上でロータが全容を現すようにシフトされていない又は運び入れられていないことを例示している。グリッド(1004)上に示されているように、ロータは、グリッド(1004)の右境界(1602)に沿って更に明らかに断片化及び/又は分散されている。回転ソース又はロータがカテーテル(301)の遠位点(306)に位置付けられた場合に、完全な回転ソースを2Dグリッド(1004)上に取り込むためには、一般的に2Dグリッド(1004)に対する信号の補足的なオフセット調節が必要とされる。この実施形態では、センサによって感知された様々な電気信号のグリッド(1004)上への変換において完全なロータを取り込むために、スプライン(1008)において視野を分割するのに加えて、センサ(1002)のレベルにおける視野の分割が実施される(下記で説明する方法に従って)。
図16Cは、ロータの連続的な表示が変換2Dグリッド上で判別可能であるようにスプライン間でスプライン分割が実施されたロータの更に調節された図を例示している。図示の実施形態では、3Dカテーテルモデル(1001)上の視点は、スプラインBとCとの間に調節されたものである。変換グリッド視野(1004)は、施術者にとって判別可能なロータ又は回転ソースを示す全体又は大体のコア区域を示している。これに加えて、離散した時間セグメント又は複数の時間セグメントにわたって視認可能で識別可能な連続的な回転ソース又はロータの場所は、心臓リズム障害を軽減、治療、及び/又は改善するために考えられる切除治療又は他の治療に向けて臓器の区域をターゲットに定めるために施術者が用いることができる。
図17Aは、システム、コンピュータデバイス、又はプロセッサによって3Dカテーテルシャフトの元の軸線に対するこの軸線への角度傾斜調節が適用された3Dカテーテルモデルの調節されたに図を例示している。カテーテルモデル(1001)のシャフト(1030)は、観察者の軸線の平面(1400)又は水平x軸線に対して約45°の角度で下向きにシフトされている。カテーテルモデル(1001)は、北東方向に約45°の角度でシフトしている。遠位点(306)が北東方向にシフトされるようにモデル(1001)の上向きの角度シフトが適用される。見かけ上の回転ソースは、カテーテルモデル(1001)の元の位置に対してその遠位点の近くにほぼ位置付けられる。しかし、スプライン(1008)のレベルで視野の分割を実施することによってロータを視野内に運び入れることができない場合(例えば、図16Bで説明したシナリオ等)には、電気信号がグリッド(1004)へと変換された後にロータの完全な回路又はほぼ完全な回路をグリッド(1004)の境界範囲内にシフトさせるための補足的な方法が実施される。グリッド(1004)の表現が区域(1700)内に示されているスプラインのセンサ1から6まで及び区域(1701)内に示されているスプラインのセンサ1から2までのみを表示するようなセンサレベルにおける視野の分割が実施される。ほぼ網掛け区域(1703)内に位置付けられ、更にほぼ区域(1700)と(1701)との間にある近くのスプライン及びセンサに沿って位置付けられたスプライン−センサ基準において分割を実施すること(下記でより詳細に説明する方法)により、カテーテルモデル(1001)の上半球が2Dグリッド(1004)上に変換される。施術者は、グリッド(1004)上に示しているように、心臓リズム障害に関連付けられたロータ又は回転ソースを示す少なくとも1つの完全な回転ソース(1600)又は少なくとも1つの離散時間期間にわたる連続的な回転活動を観察することができる。
図17Bは、カテーテルモデル(1001)に対してシステム、プロセッサ、及び/又はコンピュータデバイスによって角度傾斜調節が適用され、ほぼ点線(1711)の上方に位置付けられたモデル(1001)のほぼ遠位極領域(1713)内にあるカテーテル(1001)の遠位半球(1708)に位置付けられたセンサ間で分割が実施された3Dカテーテルモデル(1001)の調節された視野を例示している。図17(b)に示しているように、グリッド(1705)の近位アンカーに位置付けられたスプラインは、スプラインF及びGである。スプラインA及びH(1706)の関連性は、2Dグリッド(1004)に低い寄与しか有していない。カテーテルモデル(1001)に対する調節及び遠位半球(1708)の近くにあるセンサ及びスプラインにおいて適用された分割は、カテーテルモデル(1001)の近位アンカー部分に関連するある一定のスプライン、すなわち、A及びH(ほぼセンサ2〜8)の寄与をシフトさせている。A及びHは、グリッド(1004)上の遠位極水平線(1707)を跨いでシフトしている。バスケットカテーテル(1708)の遠位極は実質的に「平坦化」されており、従って、この時点で観察者は、遠位半球(1708)の上部にわたって「観察」しており、従って、この領域内のスプライン−センサによって感知されたそれぞれの信号は、グリッド境界に沿って分割された断片(図16A及び図16Bで説明した)ではなく2Dグリッド(1004)上で包括的に観察することができる。
従って、図示の例では、視野がセンサ−スプラインレベルで分割された後にスプラインB及びG(1708)が遠位極水平線(1709)の上に出現している。図示の例では、3Dモデル(1001)の分割は、スプラインA及びHのセンサA1及びH1それぞれにおいて発生する。観察者の視点(1218)は、スプライン−センサ分割の大体の決定に向けたガイド点である。スプラインA及びHは、特にセンサA1及びH1(1710)において、後にこれらのそれぞれのセンサにおける信号の2D変換が、その「平坦化」された視野内でグリッド(1004)上のロータの大体の場所を描出するように遠位極水平線(1707)を跨いで視野を固定することにも注意されたい。水平線(1709)は、観察者の中心線軸線(1400)の平面と回転ソース又はロータ(1600)のコア又は中心の領域付近で交差する。完全な回転ソース(1600)がグリッド(1004)上の視野内に完全にシフトされたわけではないが、この時点でロータのかなりの部分が判別可能であることから、ここで施術者は、回転ソース又はロータが臓器のそれぞれの場所から又はその近くで発出していることを少なくとも判別して識別することができる。しかし、ロータは歳差回転する可能性もあり、従ってこの場所は、離散した時間セグメント中のそれぞれの回転活動のユーザの観察中にシフトする可能性がある。
図18は、3Dカテーテルモデル(1001)の軸線傾斜から生じるグリッドへのスプライン−センサ変換を計算し、カテーテルのモデル又は表現の分割を更に実施する例示的方法を示している。更に図18は、観察者の視野(1305)に相対的なスプライン−センサレベルにおける3Dカテーテルモデルの分割を実施する上で実施される例示的アルゴリズムセットを示している。
図示の例では、一般的に、βは、実施される特定のタイプのカテーテルに対する固定値である2つのスプライン(1800)の間の角度である。しかし、この値は、ある一定の実施形態では可変とすることもできる。バスケットカテーテルサブアセンブリ(301)内に例えば8つのスプライン(1008)及び8つのセンサが存在する場合に、下記の段落[0136]に提示している式(1803)を適用すると、ε=1であり、εの値を下記の段落[0137]に提示している式(1805)に適用して
が与えられる。
δsensor(1802)は、より具体的には、3Dカテーテルモデル(1001)の角度傾斜が適用された後にグリッドのセンサ軸線(1005)上で調節された単位(例えばスプライン単位)の数として定義されたセンサ−スプラインオフセットである。この値は、離散したセンサ−スプラインオフセット値と考えられる。Φ(1801)は、カテーテル(1001)及びそのシャフト(1030)がx−y−z平面のうちのいずれかに対して傾斜された状態で、カテーテルシャフト(1030)の軸線(一般的にx軸線)の元の向きとシャフト(1030)との間に形成された傾斜角として定義される。
一例として、傾斜角又はロール角φが45°であり(3Dモデルに適用される傾斜角又は回転角として45°を用いる)、β=20°であるβの値を適用すると、スプライン−オフセット値は、2.75という値であると考えられることになる。図示の実施形態では、スプライン−オフセット値は、次の整数である3という単位値又はδsensor=3へと丸めることができる。結果として生じるセンサ−スプラインオフセット値は、各センサがグリッド上に変換される際にシフトされる単位と考えられる。
図18に示している回転ソース(1600)は、図17Bと比較して、そこから2センサ−スプライン単位だけ左にシフトしており、この時点で連続的な活動が特定の時間期間にわたって明らかであることから、グリッド(1004)上で判別可能である。センサ(1002)間で分割された調節された視野は、全体のロータ回路領域(1600)を明示している。観察者(1304)は、患者の臓器内でソースの大体の場所を決定し、場合によっては切除又は他の利用可能な治療法を用いた治療に向けて臓器の区域をターゲットに定めるためにこの情報を用いることができる。
図19は、カテーテルモデルに角度傾斜調節又はロール角が適用され、カテーテルの遠位半球でのセンサ間で視野の分割が実施された3Dカテーテルモデルの調節された視野を例示している。調節されたグリッド視野は、心臓(120)の遠位極(1708)と少なくとも1つの他の領域との両方に位置付けられた縁部条件を観察する上での高い柔軟性に向けてスプラインとセンサとの両方でオフセットされたものである。ロータ1(1901)及びロータ2(1900)という2つのロータがグリッド(1004)上で視認可能であり、少なくとも離散時間期間にわたって連続する回転ソースとして識別可能であるように、モデルは、センサ場所とスプライン場所との両方で調節される。観察されるソースは、心臓リズム障害に関連付けられる。観察者の初期視点(1218)は、スプラインG(1906)とF(1907)の間で分割される。
システムが、図18で説明したアルゴリズムを適用してカテーテルモデル(1001)の回転傾斜を実施した状態で、グリッド(1004)内に示される変換モデルは、2つのロータを十分に中心に定め、従って、これらのロータは、グリッド(1004)の境界範囲内で視認可能であり、グリッドの同じ境界範囲内に十分に中心に定められる。ロータ1(1901)は、分割をカテーテルモデル(1001)の赤道線のほぼ近くにあるセンサであるセンサA4からG4の付近で実施することによって視野内にシフトされる。カテーテルモデルは、シャフト(301)が3次元空間内である一定の角度に相対的に角度が定められて図19に示しているページから突き出すように調節されている。ロータ2(1900)の区域は、グリッド(1004)内に示されているセンサC1、F1、E1、D1、及びD2又はその近くにほぼ位置付けられる。施術者は、カテーテルモデル(1001)上にあるものと同じセンサの近くに位置付けられた心臓壁を切除することができる。ロータ2(1900)の区域は、グリッド(1004)内に示されているセンサC1、F1、E1、D1、及びD2又はその近くにほぼ位置付けられる。施術者は、少なくともカテーテルモデル(1001)上の有界区域(1903)に対応するものとして示されるものと同じセンサの近くに位置付けられた心臓壁を切除することができる。一般的に、追加的に各視認可能なロータ(1900)及び(1901)の表示区域を囲む少なくとも1つの電極ユニットが存在し、この区域で施術者は心臓組織を切除又は治療することができる。
図19は、グリッド(1004)上で少なくとも離散時間期間にわたって連続する賦活又は電気活動を示すセンサの近くに位置付けられた心臓領域内で識別可能なロータ又は回転ソースが1よりも多く存在する可能性があることも例示している。視野は、ロータ又は回転ソースがグリッド(1004)の中心に向けて動かされ、グリッド(1004)の境界から離れるようにシフトされるが、両方のロータがグリッド(1004)内で識別可能及び視認可能であるのに十分な程度にしかシフトされない。平均して、心臓リズム障害に悩まされる患者が、それに関連付けられたロータ又は回転ソースを少なくとも2つ又は更にそれよりも多く有することは公知である。
図示の例では、ロータ2(1900)は、カテーテルの遠位極(1708)の近くに位置付けられ、ロータ1(1901)は、カテーテルモデル(3D)の赤道線の近く又は中央スプライン半球線(1902)に沿って患者の心臓に空間的に関連付けられたセンサA4からG4又はその近くに位置付けられる。カテーテルモデル(1001)の回転傾斜は表現に適用され、結果として生じるグリッド(1004)のスプラインG及びH(1904)並びにスプラインE及びF(1905)は視野内でシフトし、その結果、グリッドの左軸線(1908)との関連性が低くなることにも注意されたい。スプラインG及びH(1904)並びにE及びF(1905)の各々は、グリッド(1004)の要素(1910)及び(1911)に示しているようにグリッドの右辺(1909)にシフトされている。このシフトは、適用されたカテーテルモデル(1001)の回転傾斜がカテーテルモデル(1001)の上半球(1913)の実質的に「平坦化」された視野を可能にしたことから、グリッド(1004)上のモデル(1001)の上半球の視野のシフトと関連がある。この平坦化は、赤道線(1902)において、更にそれを越えてカテーテルの遠位極(1708)に向けて発生し、大きめの番号のセンサ4〜8を左軸線(1908)に近めのグリッド(1004)の左部分に向けて平行移動させ、その一方で小さめの番号のセンサ1〜2及びスプラインHからEまでを右軸線(1909)に近めのグリッド(1004)の右部分に向けて平行移動させる。これに加えて、図示の例では、スプラインA〜Hの各々に対するセンサ7及び8は、変換グリッド(1004)上の視野の完全に外にシフトされており、もはや視野内に存在しないことに注意されたい。
システム及び方法を赤道線(1902)を越えて上半球を「平坦化」し、グリッド(1004)への対応する賦活信号の変換を遠位極(1708)から中心半球線(1902)に向かう半球の上側半分に集中したものとして説明した。本発明に開示の方法は、他に容易に判別可能又は識別可能ではなかった完全な回転ソースをグリッド視野内にシフトさせるために、遠位極(1708)から平坦化された3D半球モデル(1001)の一部分のみに焦点を置くズームインと特徴的に類似する。他の実施形態は、カテーテル(1001)の近位極(1708)から中央スプライン線(1902)に向かうカテーテルモデル(1001)の近位半球の平坦化を用いてカテーテルモデルの一部分上にズームインすることができる。他の実施形態では、カテーテルモデル(1001)の更に他の区域上に焦点が存在する。心臓(及びカテーテルモデル)の特定の領域に対する本発明に開示の方法の適用は、心臓リズム障害の治療に妥当な区域と考えられるものに依存する。施術者は、互いに相互関連し、相互作用する限局性ソース又は他のソースの賦活を含む複数の賦活を識別することもできる。そのような場合の賦活信号及び/又はソースの変換視野は、グリッド視野上でシフトさせることで心臓賦活信号、限局性ソース、又は複数の回転ソースを識別可能にするために調整すること又はシフトさせることが必要となる。
図20Aは、ロータ回路領域をグリッドに関して中心化するために分割がセンサ間で実施された3Dカテーテルモデルの調節された視野を例示している。分割は、カテーテルの中央線(1902)から遠位極(1708)までのセンサ間で実施される。本発明の開示の実施形態では、グリッド視野(1004)は、カテーテルシャフト(1030)に回転シフトを適用して遠位極(1708)をz軸線に沿って観察者の視野から遠ざけることによって更に調節される。カテーテルシャフト(1030)は、遠位極との整合状態で実質的に大きめに回転されるが、y軸線に対して約30°の場所に回転される。この回転は、カテーテルモデル(1001)のシャフト(1030)が今度は遠位極(1708)の軸線又はy軸線に対して南向きの方向に延びるようなカテーテルモデル(1001)の回転傾斜によって達成することができる。この調節は、グリッド(1004)上に変換されたロータ1(1600)をグリッド(1004)の大体の中心位置又は少なくとも表示区域内にシフトさせるために3Dカテーテルモデル(1001)に適用される。この図のロータは、カテーテル(1001)の遠位極(1708)の領域の近くに位置付けられ、そのことから、3Dモデルの遠位点(1708)から赤道線又は中央線(1902)に向かう3Dモデル、すなわち、遠位半球(1913)の平坦化が必要であった。
スプラインA及びB(1904)及びスプラインG及びH(1905)は、カテーテルモデル(1001)の遠位半球(1913)の平坦化及びそこへの集束の結果としてグリッドの反対の縁部(1909)にシフトされている。適用されたカテーテルモデル(1001)の回転傾斜は、視野を実質的に「平坦化」し、カテーテル(1001)の上半球(1913)から発出する賦活に集束したものである。この平坦化は、赤道線(1902)において、更にそれを越えて遠位極(1708)に向けて発生し、小さめの番号のセンサ1から5までを線(1914)の西に、かつセンサ1から3までを線(1914)の東に平行移動させる。一方、スプラインB、A、H、及びGは、それぞれ、グリッド(1004)の右縁部(1909)に向けて場所(1910)及び(1911)それぞれにシフトされるものとして平行移動される。これに加えて、スプラインA〜Hの各々に対するセンサ6から8までは、変換グリッド(1004)上の視野の完全に外にシフトしており、従って、もはや視野内に存在しないことに注意されたい。グリッド(1004)の境界範囲内に平行移動されて識別可能なソース(1600)は、少なくとも離散時間期間にわたって連続する回転ソース(又はロータ)として識別可能である。
図20Bは、今度はカテーテルモデルが遠位極軸線に整合され、カテーテルの中央線(1902)から遠位極(1708)までのセンサ(1002)の間で分割が実施された図20Aの3Dカテーテルモデルの調節された視野を例示している。グリッド視野(1004)は、カテーテルシャフト(1030)をカテーテルモデル(1001)の遠位極(1708)と整合させることによって調節される。これは、カテーテルモデル(1001)のシャフト(1030)が今度は遠位極(1708)に対して南向きの方向に延びるようなカテーテルモデル(1001)の回転傾斜によって達成することができる。この調節は、ロータ(1600)をグリッド(1004)上の大体の中心位置にシフトさせるために3Dカテーテルモデルに適用される。この図のロータは、カテーテル(1001)の遠位極領域に中心が定められており、そのことから、3Dモデルの遠隔に位置付けられた領域(1708)から赤道線又は中央線(1902)に向かう3Dモデルの平坦化が必要であった。
スプラインA及びB(1904)及びスプラインG及びH(1905)は、カテーテルモデル(1001)の遠位半球(1913)の平坦化及びそこへの集束の結果としてグリッドの反対の縁部(1909)にシフトされている。図19Bで説明したように、適用されたカテーテルモデル(1001)の回転傾斜は、視野を実質的に「平坦化」し、カテーテル(1001)の上半球(1913)から発出する賦活に集束したものである。この平坦化は、赤道線(1902)において、更にそれを越えて遠位極(1708)に向けて発生し、小さめの番号のセンサ1から4までをグリッド(1004)上の線(1914)から始まって視野内で対称になるように平行移動させる。一方、スプラインB、A、H、及びGは、それぞれ、グリッド(1004)の右縁部(1909)に向けてシフトされるものとして平行移動される。これに加えて、スプラインA〜Hの各々に対するセンサ5から8までは、変換グリッド(1004)上の視野の完全に外にシフトされており、もはや視野内に存在しないことに注意されたい。グリッド(1004)上の中心に示されたソース(1600)は、少なくとも離散時間期間にわたって連続する回転ソース(又はロータ)として識別可能である。
図21Aは、本発明に開示の方法に従ってカテーテルサブアセンブリ301が患者の心臓(120)の左心房(124)内に送達された後に3Dカテーテルモデル(1001)の調節のための開始点としてユーザが選択したターゲット電極を例示している。施術者は、照明されたセンサ(2100)として視認可能なターゲット電極を選択し、モデルをスプライン(1008)及び/又はセンサ(1002)のレベルで調節するための基準点として追加のセンサ(1002)を選択することができる。一般的に、施術者は、選択した電極(2100)に少なくとも近いソースに関連付けられたかなり顕著な活動、例えば賦活又は他の活動を認めており、電極(2100)の近くに位置付けられたカテーテルモデル(1001)の領域を更に詳しく観察するための開始点としてセンサ(2100)を選択する。他の実施形態では、施術者は、上記で既に説明した方法によるモデル(1001)の調節のための開始点としてセンサ(2100)を用いることもできる。この特徴を用いる追加の実施形態を下記でより詳細に開示する。
図21Bは、本発明に開示の方法に従ってバスケットサブアセンブリ301が患者の心臓(120)の左心房(124)内に送達された後に3Dカテーテルモデル(1001)の調節のための別の開始点としてユーザが選択したターゲット電極を例示している。ユーザは、照明されたセンサ(2101)として視認可能なターゲット電極を選択し、変換グリッド視野(1004)上で回転ソースを識別するために3Dモデル(1001)をスプライン及び/又はセンサのレベルで調節するための追加のセンサ(1002)を選択することができる。一般的に、施術者は、選択した電極(2100)に少なくとも近いソースに関連付けられたかなり顕著な活動、例えば賦活又は他の活動をカテーテルモデル(1001)を用いて決定することができ、電極(2100)の近くに位置付けられたカテーテルモデル(1001)の領域を更に詳しく観察するための開始点としてセンサ(2100)を選択する。他の実施形態では、ユーザは、上記で既に説明した方法によるモデル(1001)の調節のための開始点としてセンサ(2101)を用いることができる。この特徴を用いる追加の実施形態を下記でより詳細に開示する。
図21Cは、本発明に開示の方法に従って患者の心臓(120)の左心房(124)内に送達された3Dカテーテルモデル(1001)の調節のための別の開始点として選択されたターゲット電極を例示している。照明されたセンサ(2102)として視認可能なターゲット電極がシステムによって選択され、変換グリッド視野(1004)上で回転ソースを識別するためにカテーテルモデル(1001)をスプライン及び/又はセンサのレベルで調節するための追加のセンサ(1002)を選択することもできる。一般的に、選択された電極(2102)に少なくとも近いソースに関連付けられたかなり顕著な活動、例えば賦活又は他の活動が認められ、センサ(2102)は、電極(2102)の近くに位置付けられたカテーテルモデル(1001)の領域を更に詳しく観察するための開始点として選択される。他の実施形態では、施術者は、上記で既に説明した方法によるモデル(1001)の調節のための開始点としてセンサ(2102)を用いることもできる。この特徴を用いる追加の実施形態を下記でより詳細に開示する。
図22Aは、グリッド上で選択されて平行移動された3つの併置された頂点を有する3Dカテーテルモデルを例示している。3つの頂点、すなわち、P(2206)、Q(2204)、及びR(2205)は、反復的賦活及び/又は回転ソース又は限局性ソースのようないずれかの連続する活動又は伝播を示す区域として選択されたものである。区域の選択は、変換グリッド上に位置的頂点P(2201)、Q(2203)、及びR(2202)で表している少なくとも3つのセンサ場所によって境界が定められた患者の心臓(120)の区域の任意選択の結果とすることもできる。3つの位置的頂点によって境界が定められた区域(2200)は、3Dモデル(1001)内でセンサによって心臓情報信号が検出されてグリッド(1004)へと変換された後の例えば反復的賦活、他の反復的活動、回転ソース、限局性ソース、遠心性伝播、ロータ、又はソース(限局性ソース、回転ソース、ソースの推進源、ソースの大体のコア領域、内側コア、及び/又はソースの他の活動のいずれであるかに関わらず)に関連付けられたあらゆる他の識別可能な活動を示すことができる。3つの位置的頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)は、3Dカテーテルモデル(1001)上のセンサD5、C3、及びB6のほぼ近くに位置付けられる。グリッド(1004)へと変換された状態で、頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)においてセンサによって検出された心臓情報信号は、グリッド(1004)上でD5(2202)、C3(2203)、及びB6(2201)の場所に示している同じセンサ場所に対応する。3Dモデル(1001)の頂点又は有界区域(2007)は、例えば、図21A〜図21Cで説明した照明された電極によって示されるものとして選択することができることに注意されたい。
図22Bは、グリッド上に変換され、回転ソース(1600)の境界を定めるように示される3つの選択された併置頂点を有する3Dカテーテルモデルを例示している。3つの頂点、すなわち、P(2206)、Q(2204)、及びR(2205)は、反復的賦活、遠心性伝播、及び/又は回転ソース又は限局性ソースのようないずれかの連続する活動、他にソース又は推進源に関連付けられたあらゆる他の識別可能な活動を示す区域として選択されたものである。区域の選択は、変換グリッド上に位置的頂点P(2201)、Q(2203)、及びR(2202)で表している少なくとも3つのセンサ場所によって境界が定められた患者の心臓(120)の区域の任意選択の結果とすることもできる。3つの位置的頂点によって境界が定められた区域(2200)は、3Dモデル(1001)内でセンサによって心臓情報信号が検出されてグリッド(1004)へと変換された後の反復的賦活、他の反復的活動、回転ソース、又はロータを示すことができる。3つの位置的頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)は、3Dカテーテルモデル上のセンサD5、C3、及びB6のほぼ近くに位置付けられる。変換された状態で、図示の頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)においてセンサによって検出された心臓情報信号は、グリッド(1004)上でD5(2202)、C3(2203)、及びB6(2201)の場所に示している同じセンサ場所に対応する。3Dモデル(1001)の頂点又は有界区域(2007)は、図21(a)〜図21(c)で説明した照明された電極によって示されるものとして選択することができることに注意されたい。
図22Cは、システムによって決定され、グリッドへと変換された任意区域の境界を定めるn個の位置的頂点を有する3Dカテーテルモデルを例示している。図示の例では、4つの位置的頂点、すなわち、P(2206)、Q(2204)、R(2205)、及びS(2009)が、反復的賦活、限局性ソース、遠心性伝播、及び/又は回転ソースのようないずれかの連続する活動を示す任意区域(2007)として選択される。任意区域(2007)の選択は、変換グリッド上に位置的頂点P(2201)、Q(2203)、R(2202)、及びS(2008)で表している少なくとも4つのセンサ場所によって境界が定められた患者の心臓(120)の区域の任意選択の結果とすることもできる。3つの位置的頂点によって境界が定められた任意区域(2200)は、3Dモデル(1001)内でセンサによって心臓情報信号が検出されてグリッド(1004)へと変換された後の反復的賦活、他の反復的活動、回転ソース、限局性ソース、又はロータを示すことができる。選択された位置的頂点R(2205)、Q(2204)、P(2206)、及びS(2008)は、3Dカテーテルモデル(1001)上のセンサC3、A4、B6、及びD5のほぼ近くに位置付けられる。変換された状態で、図示の頂点P(2201)、Q(2203)、R(2202)、及びS(2008)においてセンサによって検出された心臓情報信号は、グリッド(1004)上でD5(2009)、C3(2202)、B6(2201)、及びA4(2203)の場所に示す同じセンサ場所に対応する。3Dモデル(1001)の頂点又は有界区域(2007)は、図21(a)〜図21(c)で説明した照明された電極によって示されるものとして選択することができる。
図22Dは、選択されてグリッド上に変換された3つの併置頂点を有し、スプライン−センサ調節が適用された3Dカテーテルモデルを例示している。3つの頂点、すなわち、P(2206)、Q(2204)、及びR(2205)は、反復的賦活、遠心性伝播、及び/又は推進源及び/又は推進源の内側コア領域を含む回転ソース又は限局性ソースのようないずれかの連続する活動を示す区域として選択されたものである。区域の選択は、変換グリッド上に位置的頂点P(2201)、Q(2203)、及びR(2202)で表している少なくとも3つのセンサ場所によって境界が定められた患者の心臓(120)の区域の任意選択の結果とすることもできる。3つの位置的頂点によって境界が定められた区域(2200)は、3Dモデル(1001)内でセンサによって心臓情報信号が検出されてグリッド(1004)へと変換された後の反復的賦活、他の反復的活動、回転ソース、限局性ソース、又はロータを示すことができる。3つの位置的頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)は、3Dカテーテルモデル(1001)上のセンサE4、D2、及びF3のほぼ近くに位置付けられる。
図示の実施形態では、観察者(1218)は、図18で説明した方法に従ってカテーテル(1001)のモデルに回転傾斜又はロール角を適用している。位置的頂点P(2201)、Q(2203)、及びR(2202)によって境界が定められるが、グリッド(1004)の境界に対して有界区域(2200)をシフトさせる連続する回転ソース、遠心性活動、又は反復的活動を観察するために、変換グリッド(1004)にスプライン−センサオフセット調節が適用される。
変換されると、頂点R(2205)、Q(2204)、及びP(2206)においてセンサによって検出された心臓情報信号は、グリッド(1004)上でA4(2202)、D2(2203)、及びF3(2201)の場所に示している同じセンサ場所に対応する。これに加えて、図20Aで説明したように、スプラインD及びE(2210)及びスプラインB及びC(2211)は、カテーテルモデル(1001)の遠位半球(1913)の平坦化及びそこへの集束の結果としてグリッドの反対の縁部(1909)にシフトされている。適用されたカテーテルモデル(1001)の回転傾斜は、視野を実質的に「平坦化」し、カテーテル(1001)の上半球(1913)から発出する賦活に集束したものである。この平坦化は、中央線赤道線(1902)において、更にそれを越えて遠位極(1708)に向けて発生し、この場合、適用された傾斜角に依存して、小さめの番号のセンサ1から2までを線(1914)の西に、かつセンサ1から6までを線(1914)の東に平行移動させる。一方、スプラインE、D、C、及びBは、それぞれ、グリッド(1004)の右縁部(1909)に向けて場所(2212)及び(2213)それぞれにシフトされるものとして平行移動される。これに加えて、スプラインA〜Hの各々に対するセンサ7及び8は、変換グリッド(1004)上の視野の完全に外にシフトしており、従って、もはや視野内に存在しないことに注意されたい。グリッド(1004)の境界範囲内に平行移動されて識別可能であり、かつ頂点P(2201)、Q(2203)、及びR(2202)によって境界が定められたソース(1600)は、少なくとも離散時間期間にわたって連続する回転ソース(又はロータ)として識別可能である。3Dモデル(1001)の頂点又は有界区域(2007)は、図21A〜図21Cで説明した照明された電極によって示されるものとして選択することができることに注意されたい。
図22A〜図22Dで説明したように、3Dモデル(1001)の頂点又は有界区域(2007)は、図21A〜図21Cで説明した照明された電極によって示されるものとして選択することができる。これに加えて、図22A〜図22Dで説明した方法を実施するある一定の実施形態では、3又は4以上のセンサ場所を表す位置的頂点は、ユーザのコンピュータ画面(又はディスプレイ)上でのスプライン及び/又はセンサのデータの手入力か、又はカテーテルモデル(1001)上の選択対象頂点の「クリックアンドドラッグ」を実施するマウス又は同様のデバイスを用いるかのどちらかで選択することができることに注意されたい。マウス又は同様のデバイスを用いると、ユーザは、有界区域(2007)を選択し、回転傾斜又はロール角が3Dカテーテルモデル(1001)に適用されるようにこの場所をドラッグすることができる。信号は、スプライン調節に関して図13で説明し、かつセンサ調節に関して図18で説明した方法に従って変換される。続いてユーザは、有界信号のグリッド(1004)への変換に基づいて、いずれかの反復的電気活動、連続的回転ソース、又はロータが識別可能であるか否かを決定する。更に、ユーザは、2Dグリッド(1004)上に変換された連続的ソース、反復的賦活(遠心性のものを含む)、及び/又はソースに関連付けられたあらゆる他の識別可能な活動又は賦活が識別されるまでカテーテルモデル(1001)に対して1又は2以上の調節を実施することができる。ユーザは、回転シフト及び/又はロール角を適用するためのスプライン(1008)及び/又はセンサ(1002)の値を入力することもできる。続いて、カテーテルモデル(1001)上で選択された各関連のスプライン及び/又はセンサの変換信号にスプラインオフセット及び/又はセンサオフセットを適用することができる。
図23は、スプラインオフセット事象を実現するために実施されるマウスのドラッグ又はシフト事象、及び/又は変換グリッド上のスプラインオフセット事象を例示している。ユーザは、カテーテルモデル(1001)上の不規則な又は特定のセンサ(1002)の選択によってマウスドラッグ事象を実施することができる。ユーザは、カテーテルモデル(1001)を空間内のx方向に単位距離dx(2303)だけシフトさせることができ、及び/又はカテーテルモデル(1001)をその上の特定のセンサ場所及び/又は不規則な場所で単位距離dy(2304)だけシフトさせることができる。図示の図では、カテーテルモデル(1001)は、点(2307)で開始されてx方向に距離dx(2303)だけシフトされる。更に、カテーテルモデル(1001)は、点(2307)から開始されてy方向に単位dy(2304)だけシフトされる。バスケット幅(2301)は、モデル(1001)の最下点(2305)から最上点(2306)まで直線的に延びる。バスケット長(2300)は、カテーテルモデル(1001)の遠位点(1708)と近位点(1704)の間で直線的に延びる。dx成分(2303)のシフトは、カテーテルモデル(1001)のバスケット長(2300)の軸線と対応する。dy成分(2304)のシフトは、カテーテルモデル(1001)のバスケット幅(2301)の軸線と対応する。
シフト事象(2302)は、シフト事象(2302)を開始するための関連の開始点(2307)のユーザ入力と、2Dグリッド上で遠隔回転ソースを識別して観察するためにカテーテルモデル(1001)のシフト及び/又は回転傾斜を果たすためのdx、dy、及び/又はdzの距離単位(例えば3D空間)を含むシフト事象(2302)を果たすのに必要とされるあらゆる他のデータ入力とによって達成される。データのユーザ入力は、ユーザがモデルをシフト及び/又は回転させようとする起点であるターゲットとするスプライン(1008)及び/又はセンサ(1002)の点の入力を含むこともできる。このデータ入力は、カテーテルモデル(1001)のシフト事象(2302)及び/又は回転傾斜を達成するための開始スプライン点及び/又は開始センサ点、ユーザが特定の方向にシフトさせようとするスプライン(1008)及び/又はセンサ(1002)の点の個数、ユーザが目標終点(2307)にシフトさせようとするスプライン(1008)の文字及び/又はセンサ(1002)の点の番号の実際の識別情報を含むことができる。
dx、dy、及び/又はdzの各々は、3次元空間x、y、及びz内の3つの軸線のうちの1又は2以上の離散単位のシフトを示す。これらの距離単位は、下記で図24においてより詳細に説明する方法に従って実施される。
上述のようなマウスドラッグ事象(2302)は、例えば、マウス又はクリックアンドドラッグ又は同様の機能を有するあらゆる他の携帯入力デバイスのクリックアンドドラッグ機能を用いて3Dモデル(1001)をシフトさせる又はモデル(1001)の回転傾斜を達成する事象を開始することもできる。ユーザは、開始点(2307)を選択し、モデル(1001)のx方向、y方向、及び/又はz方向のいずれかのシフト及び/又は回転傾斜が達成されるようにマウスを終点(2307)にドラッグすることになる。
図24は、少なくとも図13、図18、及び/又は図23に例示している方法を用いてカテーテルモデルにスプライン−センサオフセットを適用することによって心臓リズム障害の回転ソースを識別する例示的方法(2400)を示す流れ図である。例示的方法は、下記で説明し、図25を参照しながらより詳細に説明するコンピュータシステム(2500)によって実施することができる。
より具体的には、例示的方法(2400)は、ユーザインターフェーススレッド(2401)と、3D解剖モデルスレッド(2402)と、グリッド表示スレッド(2403)と、アニメーションスレッド(2404)とを含む図示の4つの同時の方法を実施する。
4つの同時のスレッドは、図8の心拍リズム障害の回転ソース(806)に関連付けられた再構成された信号データ(例えば賦活開始時間が割り当てられた)が例示的方法(2405)によって提供される又はこの方法がアクセスすることができる作動(2405)で始まる。作動2406では、本発明の開示のシステム及び方法によって賦活マップ(例えば賦活開始期のマップ)が選択され、それによって作動(2422)でアニメーションスレッド(2404)が開始される。賦活マップの連続的な供給が作動(2423)で再生されることになる。他の3つのスレッドの各々が機能している間に非同期的に作動するUIスレッド(2401)は、次に、このスレッド(2401)が、選択された賦活マップ信号をロードする作動(2407)を実施する。3D解剖モデルスレッド(2402)は、作動(2413)で開始され、そこでシステムは、3Dモデル(1001)のデフォルトのロール角及び/又は傾斜角を設定する。グリッド表示スレッド(2403)は、3D解剖モデルスレッド(2402)の作動(2413)に応じて(2418)で作動を開始する。作動(2418)では、システムは、賦活マップに基づいて2Dグリッドモデルのデフォルトのグリッドオフセットを設定する。システムは、上記で図23において説明したユーザインターフェース(UI)事象(例えばシフト事象又はマウスドラッグ事象(2302))を待機する作動(2408)でUIスレッド(2401)にループバックする。
作動(2409)では、入力が3Dアイコン又は3Dカテーテルモデル(1001)に変化を引き起こすか否かの決定が行われる。入力が3Dアイコン又は3Dカテーテルモデル(1001)に変化を引き起こすという決定がなされた場合には、本方法は、作動(2414)で3D解剖モデルスレッド(2402)にループバックする。作動2415は、上記で図13及び/又は図18において説明したスプラインオフセット及び/又はスプライン−センサオフセットの計算に適宜基づいて計算されたロール角及び傾斜角に基づいて3Dアイコン又は3Dモデルの変化を設定する。グリッド表示スレッド(2403)は、次に、作動2420において、作動2415で計算されたロール角及び/又は傾斜角に基づいてグリッドのスプラインオフセット及び/又はセンサオフセットをグリッド表示に設定することになる。作動2416では、3D視野内容のリフレッシュがトリガされる。作動2417では、3Dアイコンが新しいアイコンとして再描示され、又は3Dモデルが再描示され、次に、作動(2410)でUIスレッドの表示バッファが更新される。
作動2409では、ユーザ入力が作動2409で3Dアイコン又は3Dモデルへの変化をまだ引き起こしていないという決定がなされた状態で、本方法は、UIスレッド(2401)の作動2410で表示バッファを同様に更新することになる。
これらの方法は非同期的に実施され、同時に作動するのは、グリッド表示スレッド(2403)とアニメーションスレッド(2404)である。アニメーションスレッドは、段階(2422)で作動を開始し、選択された賦活マップを作動(2423)で連続再生すると、作動(2424)で再生フレームを増分し、グリッド表示スレッド(2403)の作動(2419)での静止フレームの再生に対するタイムラインを設定する。この段階は、2Dグリッド上で離散時間期間(例えば2ms)内に静止画と同様の賦活マップの表示を達成する。本方法がアニメーションスレッド(2404)にループバックすると、次に、作動2425では、観察内容のリフレッシュ内容がリフレッシュされる。作動(2421)では、マップグリッドが再描示され、次に、作動(2426)で表示バッファが更新され、この更新に対して作動(2427)でフレームレート一時停止を置くことができ、アニメーションスレッドは連続再生作動で作動(2423)にループバックする。
同時に機能するのは、手順(2411)が完了したかどうか、及び/又はユーザが退出を要求したかどうかを作動2411でチェックするUIスレッド(2401)であり、ユーザは、段階(2412)で退出することになる。手順が引き続き進行し、ユーザが、心臓リズム障害の回転ソース、例えばロータ又はカテーテルサブアセンブリ(301)に対して心臓(120)の縁部条件で位置付けられたソースのような遠隔に位置付けられたロータを求めて識別しようと依然として試みている場合に、本方法は、更なるユーザインターフェース(UI)事象を待機する作動(2408)にループバックすることになる。
アクセス、変換、決定、及び計算される上述のデータは、例示的方法2400に従う後の使用に向けて格納することができる(コンピュータメモリ又はストレージデバイスのような中に)ことに注意されたい。
作動時に、心拍リズム障害を除去するために、上記の開示に従って定義される図1に例示している心拍リズム障害の回転ソースを患者の心臓内で治療することができる。例えば、この場合、定義された回転経路上又はその範囲内にある患者の心臓組織は、治療のためのターゲットに定めることができる。コアが識別された場合に、コアの外側の心臓組織を除き、コア上又はその内部にある心臓組織を治療のターゲットとして定めることができる。様々な場合に、治療目的で、回転経路又はコアを越える周囲を定めることができる。例えば、回転経路又は有力なコアよりも若干大きい(例えば、1ミリメートル又は数ミリメートルの)心臓組織領域を治療のためのターゲットとして定めることができる。
治療は、例えば、切除によってターゲット心臓組織(周囲を伴う/伴わない回転経路又はコア)に首尾良く送達することができる。当然ながら、ターゲット心臓組織の他の治療、例えば、様々なエネルギー源(高周波、低温エネルギー、マイクロ波、及び超音波を含むがこれらに限定されない)、遺伝子療法、幹細胞療法、ペーシング刺激、薬剤、又は他の療法が可能である。
図25は、一般的なコンピュータシステム2500の例示的実施形態のブロック図である。コンピュータシステム2500は、本明細書に開示する方法又はコンピュータベースの機能のうちのいずれか1又は2以上をコンピュータシステム2500に実施させるように実行することができる命令セットを含むことができる。コンピュータシステム2500又はそのいずれの部分も、独立型デバイスとして作動することができ、又は例えばネットワーク2524又は他の接続を用いて他のコンピュータシステム又は周辺デバイスに接続することができる。
コンピュータシステム2500は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、モバイルデバイス、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、通信デバイス、制御システム、ウェブ機器、又は取られるアクションを指定する命令セットを実行することができる(順次又は別途)あらゆる他の機械のような様々なデバイスとして実施するか、又はこれらのデバイス内に組み込むこともできる。更に、単一のコンピュータシステム2500を例示しているが、「システム」という用語は、1又は2以上のコンピュータ機能を実施するために単数又は複数の命令セットを個々に又は連携して実行するシステム又はサブシステムのあらゆる集合を含むことも理解されたい。
図25に例示しているように、コンピュータシステム2500は、プロセッサ2502、例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、又はこれらの両方を含むことができる。更に、コンピュータシステム250は、バス2526を通じて互いに通信することができる主メモリ2504と静的メモリ2506とを含むことができる。図示のように、コンピュータシステム2500は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、固体ディスプレイ、又は陰極線管(CRT)のようなビデオ表示ユニット2510を更に含むことができる。これに加えて、コンピュータシステム2500は、キーボードのような入力デバイス2512と、マウスのようなカーソル制御デバイス2514とを含むことができる。コンピュータシステム2500は、ディスクドライブユニット2516と、スピーカ又は遠隔制御器のような信号発生デバイス2522と、ネットワークインターフェースデバイス2508とを含むこともできる。
図25に描示している特定の実施形態又は態様では、ディスクドライブユニット2516は、1又は2以上の命令セット2520、例えば、ソフトウエアを内部に埋め込む、符号化する、又は格納することができる機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体2518を含むことができる。更に、命令2520は、本明細書に説明する方法又は論理のうちの1又は2以上を具現化することができる。特定の実施形態又は態様では、命令2520は、主メモリ2504、静的メモリ2506の内部に完全に又は少なくとも部分的に存在し、及び/又はコンピュータシステム2500による実行中にプロセッサ2502の内部に存在することができる。主メモリ2504及びプロセッサ2502は、コンピュータ可読媒体を含むこともできる。
別の実施形態又は態様では、本明細書に説明する方法のうちの1又は2以上を実施する上で、特定用途向け集積回路、プログラミング可能論理アレイ、及び他のハードウエアデバイスのような専用ハードウエア実施を構成することができる。様々な実施形態又は態様の装置及びシステムを含むことができるアプリケーションは、様々な電子システム及びコンピュータシステムを広範に含むことができる。本明細書に説明する1又は2以上の実施形態又は態様は、相互接続された2又は3以上の特定のハードウエアモジュール又はデバイスをこれらのモジュールの間でこれらのモジュールによって通信することができる関連の制御信号及びデータ信号と共に用いて又は特定用途向け集積回路の一部として機能を実施することができる。それに応じて、本発明のシステムは、ソフトウエア実装、ファームウエア実装、及びハードウエア実装を包含する。
様々な実施形態又は態様により、本明細書に説明する方法は、プロセッサ可読媒体内に有形に具現化されてプロセッサが実行することができるソフトウエアプログラムによって実施することができる。更に、例証的で非限定的な実施形態又は態様では、実施は、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、及び並列処理を含むことができる。これに代えて、本明細書に説明する方法又は機能のうちの1又は2以上を実施する上で、仮想コンピュータシステム処理を構成することができる。
コンピュータ可読媒体が命令2520を含むか、又はネットワーク2524に接続されたデバイスがネットワーク2524を介して音声、ビデオ、又はデータを通信することができるように、伝播信号に応じて命令2520を受信して実行することも企図している。更に、命令2520は、ネットワークインターフェースデバイス2508を経由し、ネットワーク2524を介して送信又は受信することができる。
コンピュータ可読媒体を単一の媒体であるものとして示しているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、集中データベース又は分散データベース、及び/又はそれに関連付けられた1又は2以上の命令セットを格納するキャッシュ及びサーバのような単一又は複数の媒体を含む。「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサによる実行に向けて命令セットを格納又は符号化することができる又は本明細書に開示する方法又は作動のうちのいずれか1又は2以上をコンピュータシステムに実施させるあらゆる有形媒体を同じく含むことになる。
特定の非限定的な例示的実施形態又は例示的態様では、コンピュータ可読媒体は、1又は2以上の不揮発性読取専用メモリを収容するメモリカード又は他のパッケージのような固体メモリを含むことができる。更に、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ又は他の揮発性再書込可能メモリとすることができる。これに加えて、コンピュータ可読媒体は、ディスク、テープ、又は送信媒体を介して通信される信号のような搬送波信号を取り込んで格納するための他のストレージデバイスのような光磁気媒体又は光媒体を含むことができる。有形格納媒体と同等な分散媒体として、e−メールへのデジタルファイル添付又は他の自己内蔵情報アーカイブ又はアーカイブセットを考えることができる。それに応じて、本明細書には、データ又は命令を格納することができるコンピュータ可読媒体又は分散媒体、他の均等物、及び後継媒体のうちのいずれか1又は2以上が含まれる。
様々な実施形態又は態様により、本明細書に説明する方法は、コンピュータプロセッサ上で実行される1又は2以上のソフトウエアプログラムとして実施することができる。本明細書に説明する方法を実施する上で、特定用途向け集積回路、プログラミング可能論理アレイ、及び他のハードウエアデバイスを含むがこれらに限定されない専用ハードウエア実施を同様に構成することができる。更に、本明細書に説明する方法を実施する上で、分散処理又はコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、又は仮想機械処理を含むがこれらに限定されない別のソフトウエア実施を構成することもできる。
本発明に開示の方法を実施するソフトウエアは、ディスク又はテープのような磁気媒体、ディスクのような光磁気媒体又は光媒体、又は1又は2以上の読取専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、又は他の再書込可能(揮発性)メモリを収容するメモリカード又は他のパッケージのような固体媒体のような有形格納媒体上に任意的に格納することができることにも注意すべきである。ソフトウエアは、コンピュータ命令を含有する信号を利用することもできる。有形格納媒体と同等な分散媒体として、e−メールへのデジタルファイル添付又は他の自己内蔵情報アーカイブ又はアーカイブセットが考えられる。それに応じて、本明細書には、本明細書のソフトウエア実施を格納することができる本明細書に列記する有形格納媒体又は分散媒体、並びに他の均等物及び後継媒体が含まれる。
すなわち、心拍リズム障害のような生体リズム障害に関連付けられた回転ソースを定義するためのシステム及び方法を本明細書に説明した。特定の例示的実施形態又は例示的態様を説明したが、本発明の広義の範囲から逸脱することなくこれらの実施形態又は態様に様々な修正及び変更を加えることができることが明らかであろう。それに応じて、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で捉えるべきものである。本明細書の一部を構成する添付図面は、主題を実施することができる特定の実施形態又は態様を限定ではなく具体例として示すものである。当業者が本明細書に開示する教示を実施することを可能にするために、例示する実施形態又は態様を十分に詳細に説明した。本発明の開示の範囲から逸脱することなく構造的かつ論理的な代替及び変更を加えることができるように、これらの実施形態又は態様から他の実施形態又は態様を利用し、かつ導出することができる。従って、本明細書は、限定的な意味で捉えるべきものではなく、様々な実施形態又は態様の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びにそのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全ての範囲によってのみ定義される。
本明細書では、本発明の主題のこのような実施形態又は態様は、便宜のためにのみかつ本出願の範囲をいずれかの単一の発明に又は実際に1よりも多くのものが開示される場合には本発明の設計構想に任意に限定することを意図することなく「発明」という用語で個々及び/又は集合的に記す場合がある。従って、本明細書では特定の実施形態又は態様を例示して説明したが、同じ目的を達成するために計算されるあらゆる構成は、示している特定の実施形態又は態様に対して代用することができることを理解されたい。本発明の開示は、様々な実施形態又は態様のいずれか及び全ての改変又は変更を網羅することを意図したものである。当業者には、上記の説明を精査した上で、上記の実施形態又は態様、及び本明細書には具体的に説明していない他の実施形態又は態様の組合せが明らかであろう。
「要約」は、「37 C.F.R.§1.72(b)」に準拠して提供され、かつ閲読者が技術的な開示内容の性質及び要旨を素早く確認することを可能にするであろう。それは、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために用いられることにはならないという理解の下に提出したものである。
実施形態又は態様の上記の説明では、本発明の開示を効率化する目的で、様々な特徴を単一の実施形態内に互いにまとめている。この開示方法は、特許請求する実施形態又は態様が各請求項内に明示的に具陳する特徴よりも多くの特徴を有することを反映するものであると解釈すべきではない。上記の反映とは逆に、以下に続く特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示する単一の実施形態又は態様の全ての特徴よりも少ないところに存する。従って、以下に続く特許請求の範囲は、引用によって本明細書に組み込まれており、各請求項は、別個の例示的実施形態又は例示的態様として独自に成立する。本明細書に説明する様々な実施形態又は態様は、本明細書に明示的に言及していない異なる組合せで組み合わせる又はまとめることができることを想定している。更に、そのような異なる組合せを含む特許請求の範囲は、同様に、「発明を実施するための形態」に組み込むことができる別個の例示的実施形態又は例示的態様として独自に成立することができることを更に想定している。