JP6700385B2 - 走査プローブ・センサおよび走査プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査プローブ・センサおよび走査プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、走査プローブ・センサ(scanning probe sensor)に関する。本発明は、関係付けられる走査プローブ顕微鏡、関係付けられる方法、および、関係付けられるコンピュータ・プログラム製品にさらに関する。
様々な走査プローブ顕微鏡検査(scanning probe microscopy)技法が、ナノスコピックの、およびさらには、原子のスケールに至る、試料の表面および電気的特性をイメージングするために実在する。すべてのこれらの技法は、典型的には、鋭い探針を備える、走査プローブに依拠するものであり、その探針は、プローブと試料との間の相互作用、例えば、力またはトンネル電流を監視するために、試料表面のすぐ近傍にあり、またはさらには、試料表面と接触する。測定される信号は基本的には、探針−試料接触を規定する、走査プローブの形状(鋭さ、開き角度)に関係付けられる。鋭い探針は典型的には、原子の、およびさらには、分子間の分解能限界に至る、高い空間分解能を達成するために要される。鋭い走査プローブ探針の製作は、難題にしてやりがいのあるものであるが、10nmより小さい探針頂部半径が、典型的には、現今の電子線リソグラフィにより達成され得る。
しかしながら、探針頂部の厳密な形状は、典型的には、製造プロセスでは完全には制御されない。走査電子顕微鏡検査(SEM)が、測定の前の探針をより良好に描出するために応用されることが度々ある。探針形状の特色を明らかにするための他の技法は、明確に規定された、知られているトポグラフィの表面をイメージングすることによる、頂部形状の逆イメージング技法および数学的再構成に基づく。表面トポグラフィが不明であるとき、ブラインド再構成が、探針頂部形状を定量化するために応用される。
探針形状を測定するためのこれらの実現可能なことがあるにもかかわらず、残存する不確かさ、および、測定の間の探針形状の継続的な変化は、定量分析のための走査プローブ顕微鏡検査方法の使用において難題のままである。探針形状を制御および維持することは、特色を明らかにされることになる試料特性、および、走査プローブ探針それ自体の特性の畳み込みにより獲得される、走査プローブ測定信号にとって重大な意味をもつ。
非接触走査モードとさらには記載される動的走査モードが、数ナノメートルの桁での高い空間分解能を達成するために開発されてきた。動作のこれらのモードを使用すると、プローブ探針と試料との間の相互作用力は、非常に精密に制御され得る。このことは、液体小滴表面のイメージングを可能にした。
米国特許第4,604,229号
走査プローブ顕微鏡における走査プローブ・センサの探針形状が制御および維持されることが、高い分解能を達成するために必要である。
第1の態様によれば、本発明は、走査プローブ顕微鏡における走査プローブ・センサとして具現化される。走査プローブ・センサは、強磁性流体を備えるプローブ探針を含む。さらにまた、走査プローブ・センサは、強磁性流体に作用する磁場を発生させるように適合される磁場発生器を備える。加えて、磁場発生器の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、流体の形状を制御するように構成されるセンサ・コントローラが用意される。
別の態様によれば、第1の態様による走査プローブ・センサを含む走査プローブ顕微鏡が提供される。走査プローブ顕微鏡は、試料を走査プローブ・センサとの関係で位置決めするように構成される試料位置決め器を含む。さらにまた、走査プローブ・センサは、試料位置決め器および走査プローブ・センサを制御するように構成されるシステム・コントローラを含む。
別の態様によれば、第1の態様による走査プローブ・センサを動作させるための方法が提供される。方法は、強磁性流体に作用する磁場を発生させるステップを含む。方法は、磁場の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、流体の形状を制御するさらなるステップを含む。
別の態様によれば、第1の態様による走査プローブ・センサを制御するためのコンピュータ・プログラム製品が提供される。コンピュータ・プログラム製品は、走査プローブ・センサが、磁場発生器の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、流体の形状を制御するようにするための、走査プローブ・センサのセンサ・コントローラにより実行可能なプログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を備える。
走査プローブ・センサを備える走査プローブ顕微鏡のブロック線図を示す図である。 強磁性流体を備えるプローブ探針を伴うカンチレバー、および、磁場を強磁性流体に付与することにより引き出され得る種々の探針形状を示す図である。 強磁性流体を備えるプローブ探針の3つの実施形態を示す図である。 磁場を強磁性流体に付与することにより引き出され得る、強磁性流体からなるプローブ探針の形状の一部の例を示す図である。 接触走査モードで動作させられる、本発明の実施形態による走査プローブ・センサのプローブ探針の形状を示す図であり、プローブ探針は、試料との異なる接触域サイズを有する。 接触走査モードで動作させられる、走査プローブ・センサのプローブ探針、および、対応するトポグラフィ測定信号の形状を示す図であり、プローブ探針は、試料の表面での表面トレンチをイメージングするための異なる形状を有する。 本発明の別の実施形態による走査プローブ・センサの強磁性プローブ探針を備えるチューニング・フォークを示す図である。 本発明の実施形態による走査プローブ・センサを動作させるための方法の方法ステップを示す図である。 走査プローブ顕微鏡を動作させるように適合されるコンピュータ・システムの実施形態の概略ブロック図である。
時にはフェロ流体とさらには記載される強磁性流体は、磁場の存在下で磁化された様態になる液体と定義され得る。強磁性流体は、キャリア流体内で懸濁するナノスケール強磁性粒子で作製されるコロイド液体を包含する。キャリア流体は、例えば有機溶媒または水として具現化され得る。各々の粒子は、クラスタリングを抑制するために、界面活性剤で覆われ得る。粒子の磁気引力は、磁性粒子のクラスタリングが、界面活性剤を使用することにより防止され得るほどに、十分に弱い。
強磁性流体が垂直磁場にさらされる時、強磁性流体の表面は、山および谷の規則的なパターンを形成する。この効果は、法線場不安定性(normal-field instability)として知られている。不安定性は、磁場により生じる。そのことは、流体のどの形状がシステムの総エネルギーを最小化するかを考えることにより説明され得る。磁気エネルギーの視点からは、山および谷は、エネルギー的に有利である。起伏のある構成では、磁場は山に集中する。強磁性流体は、空気より容易に磁化されるので、磁気エネルギーは低下する。結果として、強磁性流体のスパイクは、関与する力が平衡になるまで、力線に乗って外の空間内に向かう。
同時に、山および谷の形成は、重力および表面張力の抵抗を受ける。流体を谷からスパイク内に移動させるのにエネルギーがかかり、流体の表面域を増大させるのにエネルギーがかかる。要約すると、起伏の形成は、液体の表面自由エネルギーおよび重力エネルギーを増大させるが、磁気エネルギーを低減させる。起伏は、磁気エネルギーの低減が、表面エネルギーおよび重力エネルギーの項の増大に勝る時、臨界磁場強度より上で形を成すのみであることになる。強磁性流体は、非常に高い磁気感受率を有し、起伏の発現のための臨界磁場は、例えば、小さな棒磁石により現実化され得る。
図1は、走査プローブ顕微鏡110に対する走査プローブ・センサ100を示す。走査プローブ・センサ100は、プローブ探針120を備える。プローブ探針120は、強磁性流体125を備える。より詳しくは、図1でのプローブ探針120は、もっぱら強磁性流体125からなるプローブ探針として具現化される。プローブ探針120は、カンチレバー140に接して配置構成される。カンチレバー140は、カンチレバー位置決め器145により位置決めされ得るものであり、後者は、カンチレバー140の1つの端部に配置構成される。カンチレバー位置決め器145は、様々な方策で具現化され得る。1つの実施形態によれば、そのカンチレバー位置決め器145は、カンチレバー140の位置決めをZ方向で提供し得る。他の実施形態によれば、そのカンチレバー位置決め器145は、カンチレバー140の位置決めを、3つの方向で、すなわち、X方向、Y方向、およびZ方向で提供し得る。プローブ探針120に近接して、磁場発生器130が、カンチレバー140に接して配置構成される。磁場発生器130は、強磁性流体125に作用する磁場を発生させるように適合される。磁場発生器130は、例えば、複数の電気コイル135により具現化され得る。電気コイル135は、図示されない電流源に結合され得るものであり、後者は、電流を電気コイル135に供給するように適合される。電気コイル135を通って流れる電流は、強磁性流体125に作用する磁場Bを誘導する。特に、3つのコイルの配置構成を使用することができ、第1のコイルの軸は、X方向に配置構成され、第2のコイルの軸は、Y方向に配置構成され、第3のコイルの軸は、Z方向に配置構成される。このことは、強磁性流体125に作用する3次元磁場Bを発生させることを可能とする。
磁場発生器130は、一定磁場Bまたは交番磁場Bを発生させるように適合される。プローブ探針120に作用する一定磁場Bは、強磁性流体125の一定形状を結果的に生じさせる。プローブ探針120に作用する交番磁場Bは、強磁性流体125の交番の、または、周期的に変化する形状を結果的に生じさせる。
走査プローブ・センサ100は、さらにまた、強磁性流体125に対するリザーバ160と、強磁性流体を、流路167を通してリザーバ160からプローブ探針120にポンピングするためのポンプ165とを備える。リザーバ160、ポンプ165、および流路167は、好ましくは、カンチレバー140に接して配置構成される。走査プローブ・センサ100は、さらにまた、磁場発生器130の1つまたは複数のパラメータを制御するように構成されるセンサ・コントローラ150を備える。このことは、強磁性流体125の形状を制御することを可能とする。
実施形態によれば、走査プローブ・センサ100は、パラメータとして、磁場の強度を制御するように構成される。このことは、例えば、磁場発生器130の電気コイル135に供給される電流の強度を変動させることにより実施され得る。一般的には、強磁性流体125に作用する磁場Bが強いほど、プローブ探針120は鋭くなる。
センサ・コントローラ150は、パラメータとして、磁場Bの1つまたは複数の方向を制御するようにさらに構成され得る。このことは、例えば、上記で説明されたように、磁場発生器130の、第1の、第2の、および第3のコイルに付与される電流の強度を制御することにより実施される。磁場Bの1つまたは複数の方向を制御することにより、プローブ探針120の向きは、適合され、規定される。より詳しくは、例えば、X方向に配置構成されるコイルに供給される電流の強度が、Y方向およびZ方向でのコイルに供給される電流の強度より高いとき、強磁性流体125は、X方向に偏移または傾斜し得る。
走査プローブ顕微鏡110は、走査プローブ顕微鏡110により走査するために用意される試料表面172を伴う試料170をさらに備える。試料170は、試料位置決め器175上で固定される。試料位置決め器175は、試料170を、走査プローブ・センサ100との関係で、特に、プローブ探針120との関係で位置決めするために用意される。試料位置決め器175は、様々な方策で具現化され得る。1つの実施形態によれば、その試料位置決め器175は、試料170の位置決めを、3つの方向で、すなわち、X方向、Y方向、およびZ方向で提供し得る。別の実施形態によれば、その試料位置決め器175は、試料170の位置決めを、2つの方向で、すなわち、X方向およびY方向で提供し得るものであり、試料170とプローブ探針120との間の、Z方向での相対的な移動は、カンチレバー位置決め器145により提供される。
走査プローブ顕微鏡110は、さらにまた、コンピュータ・システム180を備える。コンピュータ・システム180は、複数のユーザ機能を伴う、走査プローブ顕微鏡110を動作させるためのユーザ・インターフェイスを、ユーザに提供する。コンピュータ・システム180は、例えば、図9を参照して、より詳細に説明されるようなコンピュータ・システムとして具現化される。特にコンピュータ・システム180は、走査プローブ・センサ100を含む走査プローブ顕微鏡110の動作を制御するように構成されるシステム・コントローラ185を備える。システム・コントローラ185は、特に、試料位置決め器175、カンチレバー位置決め器145、およびセンサ・コントローラ150を制御するために用意され得る。別の実施形態によれば、システム・コントローラ185はさらには、センサ・コントローラ150を備える。換言すれば、センサ・コントローラ150およびシステム・コントローラ185は、本発明の実施形態によれば、1つのユニットに統合される。
実施形態によれば、センサ・コントローラ150は、強磁性流体125と試料170との間の相互作用に依存して、強磁性流体125の形状を制御するように構成される。このことは、走査プローブ顕微鏡110を様々な測定モードで動作させること、および、測定をそれぞれの試料−流体相互作用に適合させることを可能とする。
本発明の実施形態は、走査プローブ探針120の形状を制御および維持するための技術的解決策を提供する。このことは、走査プローブ顕微鏡110の精密な測定を手助けする。より詳しくは、強磁性流体125の制御された形状により、プローブ探針120の形状は、常に制御されるものであり、走査プローブ顕微鏡110のそれぞれの測定タスク/動作に対して、維持または適合され、あるいはその両方が行われ得る。ゆえに、本発明の実施形態は、不明の探針形状に起因する測定信号の畳み込みが回避され得るという利点を提供する。加えて、本発明の実施形態は、例えば、従来技術システムでのような、複数の走査動作の後の、鈍化(bluntening)、または粒子ピック・アップ、あるいはその両方により引き起こされる劣化に困苦しない、安定的な信頼性の高い探針形状を提供する。
図2は、強磁性流体を備えるプローブ探針120を伴うカンチレバー140、および、磁場Bを強磁性流体に付与することにより得られる種々の探針形状を示す。探針形状の鋭さは、探針形状210の第1のセットによって例解されるように、Z方向での磁場の強度を大きくすることにより増すことができる。探針形状の向きまたは傾斜は、強磁性流体に作用する磁場Bの向きを変化させることにより調整され得る。探針形状220のセットでは、X方向での磁場を増大させ、それにより、探針形状をZ方向からX方向に向けて偏移/傾斜させる。
ゆえに、プローブ探針120の形状は、プローブ探針に付与される磁場により調整され得るものであり、詳細な探針形状は、Rosenweig不安定性の結果として予測され得る。より詳しくは、達成可能な探針頂部半径は、強磁性流体の体積、表面エネルギー、および、付与される磁場の強度の関数として予測され得る。達成され得る最小頂部半径は、強磁性流体を形成する磁性粒子のサイズ(典型的なサイズ<10nm)、および、強磁性液体の表面エネルギーにより制限される。試料材料に依存して、油性または水性の強磁性流体が、本発明の実施形態に従って使用され得る。
以下の式が、実施形態に従って、要される磁場強度Bを推定するために使用され得る。

ただし、B=磁場強度、Bo=磁気結合数(magnetic bond number)(約25)、μ=真空透磁率(4π×10−7H/m)、γ=表面張力(例えば、水性強磁性流体に対して、43mN/m)、χ(B)=磁気感受率(0.75)、および、Ro=初期滴半径(例えば、1mm)である。
例として、100nmの曲率半径のプローブ探針には、強磁性流体おおよそ0.5nlに対応する、1μmの初期滴半径を使用し、水性強磁性流体に対して1.3421テスラ、20mN/mの表面張力を想定される油性強磁性流体に対して1テスラ未満の磁場を要する。
図3は、プローブ探針の3つの異なる実施形態を例解する。第1のプローブ探針310は、もっぱら強磁性流体125からなる。このことは、図1を参照して説明されたようなプローブ探針120の実施形態に対応する。この実施形態は、種々の探針形状に対する自由の高められたレベルを提供し、コアまたはキャリア構造に非依存的である。別のプローブ探針320は、強磁性流体125により包囲された固体コア325として具現化される。固体コア325は、安定的な支持をプローブ探針320に対して提供する。さらにまた、その固体コア325は、プローブ探針を創出するために必要とされる強磁性流体125の量を制限する。別のプローブ探針330は、強磁性流体125に対する流路337を備える固体キャリア構造335として具現化される。そのような固体キャリア構造335は、安定的な支持をプローブ探針330に対して提供する。さらにまた、その固体キャリア構造335は、プローブ探針330を創出するために必要とされる強磁性流体125の量を制限する。
図4は、磁場を強磁性流体に付与することにより得られる、強磁性流体からなるプローブ探針120の形状の一部の例を示す。第1の形状401は、強磁性流体に作用する磁場Bなしで形成される幾分円形の小滴を示す。別の形状402は、負のZ方向での磁場Bを強磁性流体に付与することにより形成される。別の形状403は、探針の別の形状402に付与される磁場より強い負のZ方向での磁場Bを、強磁性流体に付与することにより形成される。
実施形態によれば、プローブ探針の形状を、例えば、図4の第1の形状401と別の形状402との間で、変化させる、または変更するための時間スケールは、10ミリ秒以下であり得る。このことは、走査プローブ顕微鏡110の動作の間の、探針形状の動的適合を可能とする。
実施形態によれば、走査プローブ・センサ100は、非接触走査モードで動作するように構成される。このことは、プローブ探針120が無傷であることを手助けする。さらにまた、そのような実施形態は、毛管力に対する、試料に起因する液体メニスカスの形成を防止することができる。そのような実施形態は、典型的な原子間力顕微鏡検査(AFM)測定を実行することを可能とする。典型的なAFM操作では、プローブ探針は、時には偶発的に、予想されるより強く、試料に干渉することがある。本発明の実施形態による強磁性流体を備えた探針を使用することにより、探針形状は、付与される磁場に応じて、直ちに復元され得る。このことは、従来技術のシステムでのような、損傷を受けた、または汚染された、あるいはその両方である探針を回避する。
一部の実施形態によれば、センサ・コントローラ150は、強磁性流体125の形状が周期的に変化するよう、磁場発生器130の1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される。このことは、動的モード動作を提供し得るものであり、プローブ探針120と、試料170の表面172との間の周期的相互作用の発生を手助けする。強磁性流体125の形状の周期的変化は、強磁性流体125に作用する、周期的に振動する磁場を、磁場発生器130により提供することにより実現され得る。そのような周期的に振動する磁場は、交番AC電流を、磁場発生器130の電気コイル135に供給することにより達成される。周期的に変化する探針形状を提供することにより、周期的な探針−試料表面相互作用を発生させるための、容易な信頼性の高い方策が達成される。
実施形態によれば、多数の励磁周波数が、いくつかの同時測定、例えば、トポグラフィ測定および静電気力測定を可能とするために使用される。他の実施形態によれば、走査プローブ・センサ100は、接触走査モードで動作するように構成される。そのような実施形態によれば、プローブ探針120は、試料170との、より強い機械的接触に至らせることができる。
そのような接触走査モードは、プローブ探針120と試料170との間の接触を活用する測定を実行するために使用され得る。このことは、例えば、走査熱顕微鏡検査で使用されるような、プローブ探針120と試料170との間の伝熱であり得る。さらにまた、そのことは、摩擦力顕微鏡検査で使用されるような、プローブ探針120と試料170との間の摩擦力、または、広がり抵抗顕微鏡検査もしくは走査コンダクタンス顕微鏡検査で使用されるような、プローブ探針120と試料170との間の電子輸送であり得る。
図5を参照して示されるように、接触走査モードの実施形態によれば、走査プローブ・センサ100のセンサ・コントローラ150は、強磁性流体125と試料170との間の接触域のサイズが動的に適合されるよう、磁場発生器130の1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される。接触走査モードの実施形態では、プローブ探針120と試料表面172との間の接触域のサイズは、測定のデータを定量化するために使用されるパラメータである。ゆえに、そのような実施形態は、それぞれ接触域の接触直径またはサイズに依存する、輸送特性の固有長さスケールなどの、測定される特性に関する情報の抽出、および、プロービング深さの変動を可能とする。
これらの特性に関する情報を集めるために、接触域のサイズは、本発明の実施形態により、信頼性の高い多用途の方法で変化させることができる。さらに、本発明の実施形態は、プローブ探針の強磁性流体に作用する適切な磁場を付与することにより、測定における接触直径を、ある大きさの桁にわたって、またはより多く変えることができる。
強磁性流体のプローブ探針120を使用することにより、接触幾何形状は、接触角度により表面エネルギーの影響を受ける。このことは、強磁性流体125内に誘導される磁気力を使用して修正される。よって、最終的なプローブ探針−試料表面接触サイズまたは接触半径が動的に調整され得る。図5は、強磁性流体125と試料170との間の接触域の3つの異なるサイズをもった強磁性流体125の3つの異なる形状を示す。第1の形状511は、相対的に大きなサイズの接触域501を提供する。大きな接触域501は、プローブ探針120での大きな測定信号521と対応する。第2の形状512は、中間のサイズの接触域502を提供する。中間のサイズの接触域502は、プローブ探針120での中間の測定信号522と対応する。第3の形状513は、小さなサイズの接触域503を提供する。小さなサイズの接触域503は、プローブ探針120での小さな測定信号523と対応する。
図6を参照して示されるような、さらなる実施形態によれば、走査プローブ・センサ100、および、より詳しくは、センサ・コントローラ150は、複数のあらかじめ規定された探針形状が提供されるべく、磁場発生器130の1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される。そのような実施形態によって、例えば、従来技術のAFMトポグラフィ測定で観察される典型的な畳み込みの特徴を説明することができる。実施形態によれば、試料表面の現実のトポグラフィは、同じ試料表面、または、試料表面の同じ特徴を、あらかじめ規定された形状の2つ以上で走査することにより再構成され得る。
図6の実施形態では、トレンチ620を備える試料170が用意される。幾分平坦な探針を伴うプローブ探針120の第1の形状601は、トレンチ620に入ることができない。それゆえに、走査プローブ顕微鏡の対応する測定信号610は、幾分小さい。より鋭い探針を伴うプローブ探針120の第2の形状602は、トレンチ620にわずかに入ることができる。それゆえに、走査プローブ顕微鏡の対応する測定信号610は、第1の形状601により提供される測定信号より大きい。プローブ探針120の第3の形状603は、探針がトレンチ620に底部まで入ることができるようにすべく、相当に鋭い。それゆえに、走査プローブ顕微鏡の対応する測定信号610は、第1の形状601および第2の形状602により提供される測定信号より大きい。
別の実施形態によれば、強磁性流体125は導電性であり、走査プローブ・センサ100は、強磁性流体125の中の電子輸送に関係付けられる電気的測定を実行するように構成される。このことは、導電性AFM、または走査広がり抵抗顕微鏡、または走査トンネル顕微鏡でも実現することを可能とする。
一般的には、油性強磁性流体の抵抗は、1010オーム毎cmの範囲内でかなり高く、ゆえに、事実上ほとんど誘電体である。実施形態によれば、米国特許第4,604,229号で説明されるような強磁性流体組成物が使用される。米国特許第4,604,229号は、本明細書に、参照として組み込まれる。この実施形態によれば、導電性フェロ流体組成物は、不揮発性液体キャリアと、磁気特性をフェロ流体組成物に提供するのに充分な量でのコロイド・サイズ単磁区磁性粒子と、導電特性をフェロ流体組成物に提供するのに充分な量でのコロイド・サイズ導電性炭素粒子と、液体キャリア内のコロイド磁性粒子および導電性炭素粒子を、分散および安定化させるのに充分な量での分散剤とから実質的になるものである。
そのような組成物を使用することにより、強磁性流体は、100オーム.cmの程度まで導電性にされ得る。このことは、導電性AFMまたは走査広がり抵抗顕微鏡などの電気的測定を実行するのに充分である。
導電性強磁性流体を伴うプローブ探針を有する、本発明の実施形態はさらには、プローブ探針が局所はんだ付けプローブとして使用されることが、制御される電気パルスの付与により、ナノ材料(例えば、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、2D材料)と、それらのそれぞれの接触金属との間の接触抵抗を低減させることができるように行われる実験をサポートし得る。本発明の実施形態による強磁性流体を備えるプローブ探針によって、プローブ探針と試料との間で相互作用する力が、最適レベルに制御されるようになり、そのような具現化される探針の寿命は、従来型の導電性AFM探針の寿命より有意に高くなる。
図7は、チューニング・フォーク710を備える、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、プローブ探針120は、カンチレバーの代わりにチューニング・フォーク710に接して配置構成される。プローブ探針120を、チューニング・フォークを有する走査プローブ顕微鏡検査システムに接した様態で用意することは、カンチレバーを有する走査プローブ・システムに関するものと同様の利点を提供する。
本発明の実施形態による強磁性流体を備えるプローブ探針は、特に、表面上に定着された単一のバクテリア細胞、ならびに、ss−DNAおよびRNAなどの長鎖ゲノム分子を含む、低減された寸法の生体材料の走査プローブ顕微鏡検査に対して有益である。そのようなプローブ探針が、従来型の硬質の窒化ケイ素探針より優れたものとして提供し得る利点は、研究中の生体材料の実際の表面およびトポロジの忠実な再現を生み出すことを、破裂を誘発したり、または、細胞株を破壊したりすることなく行い得ることである。そのような実施形態によれば、高い横方向分解能を伴う、生体材料の非侵入型およびラベル・フリーの分析を提供することができる。
図8は、本発明の実施形態による走査プローブ・センサを動作させるための方法の方法ステップを例解する。
ブロック800で示されるように、走査プローブ動作が開始される。ブロック810で示されるように、磁場発生器130が、強磁性流体125に作用する磁場Bを発生させる。ブロック820で示されるように、試料170が、プローブ探針に対して相対的に、試料位置決め器175により位置決めされる。ブロック830で示されるように、流体−試料相互作用が、走査プローブ測定信号として測定される。ブロック840で示されるように、磁場発生器130の1つまたは複数のパラメータが制御され、それにより、強磁性流体125の形状を制御する。特に、強磁性流体125の形状は、ブロック830で測定される走査プローブ測定信号により提供されるような、強磁性流体125とブロック試料170との間の相互作用に依存して制御される。ブロック810、820、830、および840は、反復するように繰り返される。最終的には、ブロック850で示されるように、走査プローブ動作は終了する。
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるための、コンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または、複数の媒体)を含む。
本発明は特に、走査プローブ・センサ100を制御するためのコンピュータ・プログラム製品として具現化される。コンピュータ・プログラム製品は、例えばセンサ・コントローラ150内にロードされる。コンピュータ・プログラム製品は、走査プローブ・センサ100が、磁場発生器130により発生させる磁場の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、強磁性流体125の形状を制御するようにするための、走査プローブ・センサ100のセンサ・コントローラ150により実行可能なプログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を有する。
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持および記憶する有形のデバイスである。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または、上述のものの任意の好適な組み合わせであり得るが、それらに制限されない。コンピュータ可読記憶媒体の、より具体的な例の非網羅的な列挙としては、以下のもの、すなわち、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、memory stick(R)、フロッピィ(R)・ディスク、パンチ・カードまたは命令が記録されている溝内の隆起構造などの機械的に符号化されるデバイス、および、上述のものの任意の好適な組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で使用される際は、電波もしくは他の自由伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または、電線を通して伝送される電気信号などの、一時的な信号それ自体であると解釈されるべきではない。
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、それぞれのコンピューティング/処理デバイスにコンピュータ可読記憶媒体から、あるいは、外部コンピュータまたは外部記憶デバイスに、ネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、もしくは無線ネットワーク、またはその組み合わせを経てダウンロードされる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組み合わせを備える。各々のコンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェイスは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイスの中のコンピュータ可読記憶媒体での記憶のために転送する。
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態セッティング・データ、または、1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き記される、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードのいずれかであり得るものであり、それらのプログラミング言語は、Smalltalk(R)、C++、または類するものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。コンピュータ可読プログラム命令は、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンド・アローン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、かつ部分的にリモート・コンピュータ上で、または、全体的にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行される。最後のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続され、または接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通して)為される。本発明の態様を実現するために、ある実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行する。
本発明の態様は、本明細書では、本発明の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品の、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明されている。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各々のブロック、および、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方でのブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令により実施され得るということが理解されよう。
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサによって実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の、ブロックまたは複数のブロックで指定される機能/行為を実施するための手段を創出すべく、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供される。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、さらには、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス、あるいはそれらの組み合わせに、特定の様式で機能するように指示し得るものであってよく、そのような命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の、ブロックまたは複数のブロックで指定される機能/行為の態様を実施する命令を含む製品を含む。
コンピュータ可読プログラム命令はさらには、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の、ブロックまたは複数のブロックで指定される機能/行為を実施すべく、コンピュータ実施プロセスを生み出すために、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス上にロードされることが、一連の動作ステップを、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行させるために行われる。
図面でのフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能性、および動作を示すものである。この点に関して、フローチャートまたはブロック図での各々のブロックは、指定される論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または一部分を表し得る。一部の代替的実装形態では、ブロックで記される機能は、図で記される順序から外れて出現することがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されることがあり、または、ブロックは時には、関与する機能性に依存して、逆の順序で実行されることがある。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各々のブロック、および、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方でのブロックの組み合わせは、指定される機能もしくは行為を実行する、または、専用ハードウェアおよびコンピュータ命令を組み合わせて実行する、専用ハードウェア・ベースのシステムにより実施され得るということが、さらには注目されよう。
図9は、例えば、図1を参照して説明されるコンピュータ・システム180のような、走査プローブ顕微鏡を動作させるように適合されるコンピュータ・システムの実施形態の概略ブロック図を示す。
コンピュータ化されたデバイスが、本明細書で説明されるような本発明の実施形態を実施するために、好適に設計される。本明細書で説明されるような走査プローブ・センサおよび走査プローブ顕微鏡を動作させるための方法は、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)、ハードウェア、または、それらの組み合わせで実施される。例示的な実施形態では、本明細書で説明される方法は、ソフトウェアで、実行可能プログラムとして実装され、後者は、好適なデジタル処理デバイスにより実行される。
実施例として、図9で図示されるシステム900は、コンピュータ901、例えば汎用コンピュータを概略的に表す。例示的な実施形態では、ハードウェア・アーキテクチャの見地から、図9で示されるように、コンピュータ901は、プロセッサ905と、メモリ・コントローラ915に結合されるメモリ910と、ローカル入出力コントローラ935を経て通信可能に結合される、1つまたは複数の、入力または出力あるいはその両方(I/O)のデバイス940、945、950、955(または、周辺機器)とを含む。ローカル入出力コントローラ935は、当技術分野で知られているような、1つまたは複数の、バスまたは他の有線もしくは無線接続であり得るが、それらに限定されない。ローカル入出力コントローラ935は、通信を可能にするための、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、および受信器などの、簡潔性のために省略される追加的な要素を有する。さらにローカル・インターフェイスは、前に述べられた構成要素の間の適切な通信を可能にするための、アドレス接続、制御接続、またはデータ接続、あるいはその組み合わせを含む。
プロセッサ905は、ソフトウェア、特にメモリ910に記憶されるものを実行するためのハードウェア・デバイスである。プロセッサ905は、任意の注文製の、もしくは市販で入手可能なプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、コンピュータ901と関連付けられるいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップまたはチップ・セットの形式での)、または一般的には、ソフトウェア命令を実行するための任意のデバイスである。
メモリ910は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダム・アクセス・メモリ)および不揮発性メモリ要素の、任意の1つまたは組み合わせを含む。さらに、メモリ910は、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、または他のタイプの記憶媒体、あるいはその組み合わせを組み込んでいてもよい。メモリ910は、様々な構成要素が、互いから遠隔に配置させられるが、プロセッサ905によりアクセスされる、分散アーキテクチャを有していてもよいということに注目されたい。
メモリ910内のソフトウェアは、1つまたは複数の別個のプログラムを含み得るものであり、それらのプログラムの各々は、論理機能を実施するための実行可能命令の順序付けリスティングを含む。図9の例では、メモリ910内のソフトウェアは、例示的な実施形態に従って本明細書で説明される方法と、好適なオペレーティング・システム(OS)911とを含む。OS911は本質的には、本明細書で説明されるような方法などの、他のコンピュータ・プログラムの実行を制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、ならびに、通信制御、および、関係付けられるサービスを提供する。
本明細書で説明される方法は、実行されることになる命令のセットを含む、ソース・プログラム、実行可能プログラム(オブジェクト・コード)、スクリプト、または、任意の他のエンティティの形式でのものであり得る。ソース・プログラム形式でのとき、プログラムは、メモリ910の中に含まれていても、または含まれていなくてもよいが、それ自体で知られているような、コンパイラ、アセンブラ、インタプリタ、または類するものによってトランスレートされることが、OS911との関係で適正に動作するために必要とされる。さらにまた、本方法は、データおよびメソッドのクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、あるいは、ルーチン、サブルーチン、もしくは関数、またはその組み合わせを有する手続き型プログラミング言語として書き記されることができる。
おそらくは、従来型のキーボード(I/Oデバイス)950およびマウス(I/Oデバイス)955は、ローカル入出力コントローラ935に結合される(特に、BSに対して、必要とされるとき)。他のI/Oデバイス940〜955は、センサ(ことに、ネットワーク要素の事例では)、すなわち、温度または圧力に類する物理条件(監視されることになる物理データ)の変化に対する測定可能な応答を生み出すハードウェア・デバイスを含み得る。典型的には、センサにより生み出されるアナログ信号は、アナログ−デジタル変換器によりデジタル化され、ローカル入出力コントローラ935に、さらなる処理のために送出される。センサ・ノードは、理想的には小さく、消費エネルギーが少なく、自律的であり、無人で動作する。
加えてI/Oデバイス940〜955は、入力および出力の両方を伝達するデバイスをさらに含む。システム900は、ディスプレイ(I/Oデバイス)930に結合されるディスプレイ・コントローラ925をさらに含む。例示的な実施形態では、システム900は、ネットワーク965に結合するためのネットワーク・インターフェイスまたはトランシーバ960をさらに含む。
ネットワーク965は、データをコンピュータ901と外部システムとの間で送信および受信する。ネットワーク965はおそらくは、無線方式で、例えば、WiFi(R)、WiMax(R)、その他などの、無線プロトコルおよび技術を使用して実装される。ネットワーク965は、固定無線ネットワーク、無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、無線ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)、イントラネット、または、他の好適なネットワーク・システムであり得るものであり、信号を受信および送信するための機器を含む。
ネットワーク965はさらには、コンピュータ901と、任意の外部サーバ、クライアント、および類するものとの間の、ブロードバンド接続を経ての通信のための、IPベースのネットワークであり得る。例示的な実施形態では、ネットワーク965は、サービス・プロバイダにより運営管理されるマネージドIPネットワークであり得る。加えて、ネットワーク965は、LAN、WAN、インターネット・ネットワーク、その他のパケット交換ネットワークである。
コンピュータ901が、PC、ワークステーション、インテリジェント・デバイス、または類するものであるとき、メモリ910内のソフトウェアは、基本入出力システム(BIOS)をさらに含み得る。BIOSは、コンピュータ901が活動化される時にBIOSが実行され得るべく、ROMに記憶される。
コンピュータ901が動作中、プロセッサ905は、メモリ910の中に記憶されたソフトウェアを実行して、メモリ910への、および、メモリ910からのデータを伝達することと、コンピュータ901の動作をソフトウェアに準じて、全体として制御することとを行うように構成される。本明細書で説明される方法、およびOS911は、全体または部分的に、プロセッサ905により読み出され、典型的にはプロセッサ905の中にバッファリングされ、次いで実行される。本明細書で説明される方法がソフトウェアで実施される時、本方法は、記憶装置920などの任意のコンピュータ可読媒体上に記憶されることが、任意のコンピュータ関連システムもしくは方法により、または、それらのシステムもしくは方法との関係で使用するために行われ得る。
本発明の様々な実施形態の説明は、例解の目的のために提示されているが、網羅的であること、または、開示される実施形態に限定されることは意図されない。多くの変更および変形が、当業者には、説明される実施形態の範囲および思想から逸脱することなく明らかとなろう。本明細書で使用される専門用語は、市場で見出される技術より優れた、実施形態の原理、実用的用途、もしくは技術的改善を最良に解説するために、または、当業者の他の者が、本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選定されたものである。

Claims (20)

  1. 走査プローブ顕微鏡に対する走査プローブ・センサであって、
    強磁性流体を備えるプローブ探針と、
    前記強磁性流体に作用する磁場を発生させるように適合される磁場発生器と、
    前記磁場発生器の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、前記流体の形状を制御するように構成されるセンサ・コントローラと
    を含む、走査プローブ・センサ。
  2. 前記センサ・コントローラは、前記流体と試料との間の相互作用に依存して、前記流体の前記形状を制御するように構成される、請求項1に記載の走査プローブ・センサ。
  3. 前記センサ・コントローラは、前記磁場の強度を制御するように構成される、請求項1または2に記載の走査プローブ・センサ。
  4. 前記センサ・コントローラは、前記磁場の1つまたは複数の方向を制御するように構成される、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  5. 前記プローブ探針は、前記強磁性流体により包囲される固体コアを備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  6. 前記プローブ探針は、前記強磁性流体に対する流路を含む固体キャリア構造を備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  7. 前記プローブ探針は、前記強磁性流体からなる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  8. 前記走査プローブ・センサは、
    前記強磁性流体のためのリザーバと、
    前記強磁性流体を、前記リザーバから前記プローブ探針にポンピングするためのポンプと
    を含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  9. 前記走査プローブ・センサは、非接触走査モードで動作するように構成される、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  10. 前記センサ・コントローラは、前記流体の前記形状が周期的に変化するよう、前記磁場発生器の前記1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される、請求項9に記載の走査プローブ・センサ。
  11. 前記走査プローブ・センサは、接触走査モードで動作するように構成される、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  12. 前記センサ・コントローラは、前記流体と試料との間の接触域のサイズが動的に適合されるよう、前記磁場発生器の前記1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される、請求項11に記載の走査プローブ・センサ。
  13. 前記強磁性流体は導電性であり、前記走査プローブ・センサは、前記流体の中の電子輸送に関係付けられる電気的測定を実行するように構成される、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  14. 前記センサ・コントローラは、複数のあらかじめ規定された探針形状が提供されるべく、前記磁場発生器の前記1つまたは複数のパラメータを制御するように構成される、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  15. 前記走査プローブ・センサは、カンチレバーを備え、前記プローブ探針は、前記カンチレバーに接して配置構成される、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  16. 前記走査プローブ・センサは、チューニング・フォークを備え、前記プローブ探針は、前記チューニング・フォークに接して配置構成される、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の走査プローブ・センサ。
  17. 強磁性流体を備えるプローブ探針と、前記強磁性流体に作用する磁場を発生させるように適合される磁場発生器と、前記磁場発生器の1つまたは複数のパラメータを制御し、それにより、前記流体の形状を制御するように構成されるセンサ・コントローラとを備える、走査プローブ・センサと、
    試料を前記走査プローブ・センサとの関係で位置決めするように構成される試料位置決め器と、
    前記試料位置決め器および前記走査プローブ・センサを制御するように構成されるシステム・コントローラと
    を含む、走査プローブ顕微鏡。
  18. 前記センサ・コントローラは、前記流体と試料との間の相互作用に依存して、前記流体の前記形状を制御するように構成される、請求項17に記載の走査プローブ顕微鏡。
  19. 前記センサ・コントローラは、前記磁場の強度を制御するように構成される、請求項17または18に記載の走査プローブ顕微鏡。
  20. 前記センサ・コントローラは、前記磁場の1つまたは複数の方向を制御するように構成される、請求項17ないし19のいずれか一項に記載の走査プローブ顕微鏡。
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