JP6697527B2 - 皮膜形成装置及び皮膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膜形成装置及び皮膜形成方法に関する。
管の表面に皮膜を形成する技術が従来技術として知られている。例えば、特許文献1に開示されている外面防食管は、鉄系材料で構成された管の表面に防食層が形成され、この防食層は、Snが10質量%を超え、かつ、50質量%未満であり、残部がZnであるZn−Sn系合金溶射皮膜を含有する。
特開2013−241682号公報(2013年12月5日公開)
特許文献1に開示されている技術では、特定の組成から構成される防食皮膜を形成するために、互いに異なる材料から構成された2種の線材を用いてアーク溶射することで皮膜を形成している。しかし、このような皮膜の形成方法は、溶射対象面積が広い場合の生産性向上に困難を伴うことがあること、線材に加工できる金属にしか適用することができず材料選択の自由度が低いこと、などの問題がある。本発明の一態様は、生産性のさらなる向上、及び材料選択の自由度の向上により、管の表面に効率的に皮膜を形成することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る皮膜形成装置は、管の表面に皮膜を形成する皮膜形成装置であって、前記管を回転させる回転部と、前記皮膜を形成するための溶射材料を貯留する貯留槽から吐出された前記溶射材料を、前記回転部により回転されている前記管に対して、前記管の断面に係る円の接線と略垂直な方向から吹き付ける吹付部と、を備える。
前記構成によれば、管の断面に係る円の接線と略垂直な方向から溶射材料を管に吹き付けることにより、溶射材料が管に向かう方向とは異なる方向に飛散することを低減することができる。よって、管の表面に溶射材料を効率的に付着させることができるため、管の表面に効率的に皮膜を形成することができる。また、溶射材料を貯留する貯留槽から吐出された溶射材料を管に対して吹き付けるため、アーク溶射することで皮膜を形成する場合と比べて、生産性のさらなる向上、及び材料選択の自由度の向上を実現することができる。
前記吹付部は、前記管の中心よりも上方に配置されており、かつ、前記管が回転する場合に前記管の表面が上方から下方に向かう側に配置されていてもよい。前記構成によれば、管に吹き付けられた溶射材料が管の回転方向に沿って飛散する。このため、吹付部が管の中心よりも下方に配置されている場合、及び吹付部が、管が回転する際に管の表面が下方から上方に向かう側に配置されている場合と比べて、管の表面に溶射材料をより効率的に付着させることができる。
前記吹付部による吹き付け方向と、水平面とのなす角度の範囲は、30°以上60°以下であってもよい。前記構成によれば、管に吹き付けられた溶射材料が管の回転方向に沿って飛散する。このため、管の表面に溶射材料を効率的に付着させることができる。
前記皮膜形成装置は、前記貯留槽は、前記溶射材料を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された前記溶射材料の量を可変させる可変機構と、前記可変機構により前記貯留部から移動された前記溶射材料を貯留すると共に、前記貯留部の第1底面より高い第2底面を有し、前記第2底面に前記溶射材料を吐出するための吐出孔が形成されている補助貯留部と、を有してもよい。
前記構成によれば、可変機構により貯留槽に貯留される溶射材料の液面を、補助貯留部の第2底面より高い位置に維持することにより、吐出孔から溶射材料を吐出することができる。また、可変機構により貯留槽に貯留される溶射材料の液面を補助貯留部の第2底面より低い位置に維持することにより、吐出孔からの溶射材料の吐出を停止することができる。
したがって、溶射材料の吐出を停止するとき、吐出孔を直接塞ぐことにより溶射材料の吐出を停止する場合と比べて、溶射材料の液面が補助貯留部の第2底面より低い位置に維持されるため、溶射材料が外部に漏れることを防ぐことができる。さらに、溶射材料の吐出を停止しているとき、吐出孔は溶射材料から露出しているため、吐出孔の清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
前記第2底面には、前記吐出孔から前記貯留部に向かうにつれて前記第1底面に近づくように形成された傾斜面が含まれてもよい。前記構成によれば、溶射材料の吐出を停止するために溶射材料の液面を補助貯留部の第2底面より低い位置にしたとき、溶射材料が傾斜面に沿って貯留部の方に流れる。このため、補助貯留部の第2底面において吐出孔の周囲に溶射材料が残存することを低減することができる。よって、溶射材料が外部に漏れることを防ぐことができる。
前記可変機構は、前記貯留部に貯留された前記溶射材料を押し込む押込部と、前記第1底面に向かって前記押込部を移動させるように駆動する駆動部と、を有してもよい。前記構成によれば、押込部を貯留部の第1底面に近づけるように移動させることにより、貯留槽に貯留される溶射材料の液面を、補助貯留部の第2底面より高い位置に維持することができる。これにより、吐出孔から溶射材料を吐出することができる。
また、押込部を貯留部の第1底面から遠ざけるように移動させることにより、貯留槽に貯留される溶射材料の液面を補助貯留部の第2底面より低い位置に維持することができる。これにより、吐出孔からの溶射材料の吐出を停止することができる。
前記貯留槽を形成する複数の壁部のうち少なくとも1つの壁部は、少なくとも2枚の板部の間にヒーターが挟み込まれた構造からなってもよい。前記構成によれば、貯留槽に貯留された溶射材料の温度を維持することができるため、貯留槽に貯留された溶射材料が固まることを防ぐことができる。
本発明の一態様に係る皮膜形成方法は、管の表面に皮膜を形成する皮膜形成方法であって、前記管を回転させる回転工程と、前記皮膜を形成するための溶射材料を貯留する貯留槽から吐出された前記溶射材料を、前記回転工程により回転されている前記管に対して、前記管の断面に係る円の接線と略垂直な方向から吹き付けることにより、前記管の表面に前記皮膜を形成する皮膜形成工程とを含む。
本発明の一態様によれば、生産性のさらなる向上、及び材料選択の自由度の向上により、管の表面に効率的に皮膜を形成することができる。
本発明の実施形態1に係る皮膜形成装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る皮膜形成方法を示す図である。 図1に示す皮膜形成装置が備える貯留槽の断面を示す断面図である。 図3に示す貯留槽に係る上面図である。 図3に示す貯留槽について紙面における右方向から見た側面図である。 図3に示す貯留槽について壁部(底面)の構造を示す斜視図である。
〔実施形態1〕
(皮膜形成装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る皮膜形成装置1の構成を示す模式図である。皮膜形成装置1は、管T1の表面に皮膜を形成する装置であり、図1に示すように、回転ローラ10a・10b(回転部)、吹付部20、貯留槽30、及び支持台40を備えている。回転ローラ10a・10bは、自身が回転しており、管T1と接触しながら回転することにより管T1を回転させる。なお、回転ローラ10a・10bは、管T1を回転させることが可能な部材ないし機構(例えば、管T1の中心に回転軸を設け、当該回転軸をベルトまたはチェーンにより回転させるなど)に代替することもできる。
また、回転ローラの個数は、図1に示すような2個に限定されるものではなく、管T1を安定的に回転させる限りにおいては何個であってもよい。また、管T1としては、金属からなり口径が200mm以上1000mm以下のものを対象としているが、本発明を適用し得る管の材質・寸法はこれに限定されるものではない。
吹付部20は、例えば、溶射材料M1を管T1の表面に吹き付けるためのスプレーノズルである。吹付部20は、溶射材料M1を貯留する貯留槽30から吐出された溶射材料M1を、回転ローラ10a・10bにより回転されている管T1に対して、管T1の断面に係る円の接線L1と略垂直な方向D1から吹き付ける。
具体的には、吹付部20は、噴出口21を有し、方向D1から溶射材料M1を管T1に対して吹き付けることが可能なように、噴出口21が方向D1を向いている。換言すると、噴出口21は、管T1の中心Oを向いている。なお、接線L1と略垂直な方向D1とは、溶射材料M1が管T1に向かう方向とは異なる方向に飛散することを低減することができ、管T1の表面に溶射材料M1を効率的に付着させることができる程度に、接線L1と垂直な方向D1ということである。
このように、管T1の断面に係る円の接線L1と略垂直な方向D1から溶射材料M1を管T1に吹き付けることにより、溶射材料M1が管T1に向かう方向とは異なる方向に飛散することを低減することができる。よって、管T1の表面に溶射材料M1を効率的に付着させることができるため、管T1の表面に効率的に皮膜を形成することができる。また、溶射材料M1を貯留する貯留槽30から吐出された溶射材料M1を管T1に対して吹き付けるため、アーク溶射することで皮膜を形成する場合と比べて、生産性のさらなる向上、及び材料選択の自由度の向上を実現することができる。
貯留槽30から吐出される溶射材料M1は、管T1の表面に形成される皮膜を形成するための材料である。溶射材料M1の原料としては、例えば、Zn、Al、Sn、Mg等の低融点の金属であってもよいが、特に限定されない。なお、溶射材料M1の原料が低融点の金属である場合、溶射材料M1の原料を容易に溶解することができ、貯留槽30に貯留する溶射材料M1を容易に生成することができる。なお、溶射材料M1の原料は、貯留槽30で溶解されてもよく、溶射材料M1の原料を溶解するための溶解炉で溶解された後に貯留槽30に貯留されてもよい。
また、溶射材料M1を貯留槽30に貯留した後に、貯留槽30から溶射材料M1を吐出することにより、異なる種類の材料を複数混合して生成したものを溶射材料M1として吐出することができる。これにより、アーク溶射により溶射材料M1を生成する場合と比べて、さらに多くの種類の材料を混合して生成したものを溶射材料M1として吐出することができる。よって、さらに多くの種類の材料が混合された溶射材料M1を管T1に吹き付けることができ、管T1の表面に形成する皮膜の種類の幅を広げることができる。理由としては、アーク溶射では、線材にできない材料を溶射材料M1として生成することができないためである。
吹付部20は、管T1の中心Oよりも上方に配置されており、かつ、管T1が回転する場合に管T1の表面が上方から下方に向かう側に配置されていることが好ましい。図1に示すように、例えば、管T1が右回りに回転している場合、管T1の表面が上方から下方に向かう側は、管T1の右側となる。つまり、管T1が右回りに回転している場合、吹付部20は、管T1の右側に配置される。
一方、管T1が左回りに回転している場合、管T1の表面が上方から下方に向かう側は、管T1の左側となる。つまり、管T1が左回りに回転している場合、吹付部20は、管T1の左側に配置される。このような構成により、管T1に吹き付けられた溶射材料M1が管T1の回転方向に沿って飛散する。このため、吹付部20が管T1の中心Oよりも下方に配置されている場合、及び吹付部20が、管T1が回転する際に管T1の表面が下方から上方に向かう側に配置されている場合と比べて、管T1の表面に溶射材料M1をより効率的に付着させることができる。
さらに、吹付部20による吹き付け方向D1と、水平面H1とのなす角度αの範囲は、30°以上60°以下であることが好ましい。吹付部20による吹き付け方向D1は、管T1の断面に係る円の接線L1と略垂直な方向D1と同一である。水平面H1は、皮膜形成装置1が配置されている床面F1と平行な平面である。なす角度αの範囲が30°以上60°以下であることにより、管T1に吹き付けられた溶射材料M1が管T1の回転方向に沿って飛散する。このため、管T1の表面に溶射材料M1を効率的に付着させることができる。支持台40は、回転ローラ10a・10b及び管T1を支持する台である。支持台40は、床面F1に配置される。
(皮膜形成方法)
図2は、本発明の実施形態1に係る皮膜形成方法を示す図である。図2に示すように、皮膜形成装置1は、4つの回転ローラ10a・10b・10c・10dを備えていてもよい。また、皮膜形成装置1は、1つの貯留槽を備えていてもよいが、複数の貯留槽を備えていてもよい。図2では、皮膜形成装置1は、2つの貯留槽30・30aを備えている。貯留槽30aの形状は、貯留槽30の形状と同一である。管T1の表面に皮膜を形成する皮膜形成方法としては、まず、4つの回転ローラ10a・10b・10c・10dを回転させることにより、管T1を回転させる(回転工程)。
管T1を回転させた後、管T1の長手方向に沿って管T1を移動させる。管T1を移動させるとき、管T1を支持する支持台40を、管T1の長手方向に沿って移動させる。管T1を移動させながら、貯留槽30・30aから吐出された溶射材料M1を、回転ローラ10a・10b・10c・10dにより回転されている管T1に対して、吹付部20によって管T1の断面に係る円の接線L1と略垂直な方向D1から吹き付ける。
管T1に対して溶射材料M1を吹き付けることにより、管T1の表面に皮膜を形成する(皮膜形成工程)。具体的には、管T1の表面に吹き付けられた溶射材料M1は、時間が経過することにより固まり、管T1の皮膜となる。吹付部20は、貯留槽30・30aそれぞれの近傍に配置される。
貯留槽30と貯留槽30aとの間の距離DT1は、管T1の長手方向における長さDT2の半分であってもよい。これにより、貯留槽が1つの場合と比べて、管T1を移動させる距離が半分で済むため、溶射材料M1の吹き付けに要する時間を短縮することができる。管T1を移動させる距離は、距離DT1と同一である。また、管T1を移動させずに、貯留槽30・30aを管T1の長手方向に沿って移動させることにより、管T1の表面に溶射材料M1を吹き付けてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(貯留槽30の構成)
貯留槽30は、管T1の表面に皮膜を形成するための溶射材料M1を貯留する。貯留槽30は、図1に示すように、吹付部20の近傍に配置される。吹付部20が貯留槽30から吐出される溶射材料M1を管T1に対して吹き付けることが可能なように、貯留槽30は、管T1の長手方向に対して傾いて配置されている。具体的には、後述する貯留部305及び補助貯留部310が並ぶ方向が、管T1の長手方向に傾いている。貯留槽30は、図3〜図5に示すように、貯留部305、補助貯留部310、及び可変機構330を備えている。図3は、図1に示す皮膜形成装置1が備える貯留槽30の断面を示す断面図であり、図4は、図3に示す貯留槽30に係る上面図であり、図5は、図3に示す貯留槽30について紙面における右方向から見た側面図である。
貯留部305は、貯留槽30において溶射材料M1を貯留する部分である。図3に示すように、貯留部305の側方には補助貯留部310が設けられており、貯留部305が形成する空間は、補助貯留部310が形成する空間と一体になっている。また、補助貯留部310は第2底面320を有し、第2底面320は貯留部305の第1底面315より高い。貯留槽30に溶射材料M1を供給することが可能なように、貯留部305及び補助貯留部310の上方は開放されている。
つまり、貯留部305に溶射材料M1が貯留された場合、補助貯留部310は、後述する可変機構330により貯留部305から移動された溶射材料M1を貯留する。具体的には、可変機構330の押込部331によって貯留部305に貯留された溶射材料M1が押し込まれると、貯留部305に貯留された溶射材料M1の液面が上昇し、当該液面が補助貯留部の第2底面320より高くなる。これにより、貯留部305に貯留された溶射材料M1の一部が補助貯留部310に移動する。
図4に示すように、図4における上下方向において、補助貯留部310における前記上下方向に沿った幅は、貯留部305における前記上下方向に沿った幅と同一である。なお、補助貯留部310における前記上下方向に沿った幅は、貯留部305における前記上下方向に沿った幅より小さくてもよい。前記上下方向とは、貯留部305及び補助貯留部310が並ぶ方向と垂直であり、かつ、後述する2枚の板部B1・B2が並ぶ方向と垂直である方向である。
補助貯留部310の第2底面320には、溶射材料M1を吐出するための吐出孔325が形成されている。吐出孔325は、第2底面320から下方に突出する形状を有する。つまり、第2底面320から下方にパイプが突出している。押込部331によって貯留部305に貯留された溶射材料M1が押し込まれることにより、貯留部305に貯留された溶射材料M1の一部が補助貯留部310に移動すると、補助貯留部310に貯留された溶射材料M1が吐出孔325から吐出される。吐出孔325の形状は、真っ直ぐに延伸する形状であることが好ましい。これにより、吐出孔325の清掃を容易に行うことができる。
可変機構330により貯留槽30に貯留される溶射材料M1の液面を、補助貯留部310の第2底面320より高い位置に維持することにより、吐出孔325から溶射材料M1を吐出することができる。また、可変機構330により貯留槽30に貯留される溶射材料M1の液面を補助貯留部310の第2底面320より低い位置に維持することにより、吐出孔325からの溶射材料M1の吐出を停止することができる。
したがって、溶射材料M1の吐出を停止するとき、吐出孔325を直接塞ぐことにより溶射材料M1の吐出を停止する場合と比べて、溶射材料M1の液面が補助貯留部310の第2底面320より低い位置に維持されるため、溶射材料M1が外部に漏れることを防ぐことができる。さらに、溶射材料M1の吐出を停止しているとき、吐出孔325は溶射材料M1から露出しているため、吐出孔325の清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
なお、1つの貯留部305に対して複数の補助貯留部が設けられてもよく、1つの貯留部305に対して複数の吐出孔325が形成されていてもよい。具体的には、1つの貯留部305の側方に複数の補助貯留部が設けられてもよい。この場合、複数の補助貯留部は1つの貯留部305を介して接続される。また、複数の補助貯留部のそれぞれに1つまたは複数の吐出孔325が形成されていてもよい。さらに、1つの補助貯留部310の第2底面320に複数の吐出孔325が形成されてもよい。
また、図3及び図4に示すように、補助貯留部310の第2底面320には、吐出孔325から貯留部305に向かうにつれて貯留部305の第1底面315に近づくように形成された傾斜面322が含まれる。具体的には、補助貯留部310の第2底面320は、水平な面である水平面321、及び傾斜した面である傾斜面322からなる。水平面321には吐出孔325が形成される。
傾斜面322は、吐出孔325が形成された水平面321と貯留部305との間に存在する面である。傾斜面322は、吐出孔325から貯留部305に向かうにつれて下がるように傾斜した面である。なお、第2底面320に水平面321を形成せず、傾斜面322のみを形成してもよい。この場合、吐出孔325は傾斜面322に形成される。
このような構成によれば、溶射材料M1の吐出を停止するために溶射材料M1の液面を補助貯留部310の第2底面320より低い位置にしたとき、溶射材料M1が傾斜面322に沿って貯留部305の方に流れる。このため、補助貯留部310の第2底面320において吐出孔325の周囲に溶射材料M1が残存することを低減することができる。よって、溶射材料M1が外部に漏れることを防ぐことができる。また、補助貯留部310及び吐出孔325のメンテナンスを容易に行うことができる。
貯留部305の上方の内面には、排液孔DR1が形成されている。排液孔DR1は、管T1に溶射材料M1を吹き付ける作業が完了した後に、貯留部305に貯留された溶射材料M1を貯留槽30の外部に排出するための孔である。管T1に溶射材料M1を吹き付ける作業が行われているときに、貯留部305に貯留された溶射材料M1が排液孔DR1から外部に排出されないように、排液孔DR1は、貯留部305の内面の上部に形成されている。
排液孔DR1は、図4に示すように、壁部W3から側方に突出する形状を有する。つまり、壁部W3から側方にパイプが突出している。貯留部305の上方の内面に排液孔DR1が形成されることにより、貯留部305の上方の開放しているところから溶射材料M1を外部に排出する場合に比べて、壁部W2・W3等に設けられた、後述するヒーターに溶射材料M1が付着することを防ぐことができる。なお、貯留槽30には排液孔DR1が形成されていなくてもよい。
可変機構330は、図5に示すように、押込部331、駆動部332、及び板部333を備えている。可変機構330は、貯留部305に貯留された溶射材料M1の量を可変させる。押込部331は、駆動部332が押込部331を駆動することにより、貯留部305に貯留された溶射材料M1を押し込む。
押込部331は、例えば、溶射材料M1より融点が高い鋼材、鋼、ステンレス等であってもよいが、溶射材料M1より融点が高ければ、特に限定されない。つまり、押込部331の材料の融点は、溶射材料M1の融点より高い。これにより、溶射材料M1に押込部331が押し込まれても、押込部331の材料が溶射材料M1に溶け込むことを防ぐことができる。押込部331の形状は、角柱状であってもよく、円柱状であってもよいが、溶射材料M1を押し込むことができ、溶射材料M1の液面を上昇させることが可能であれば、特に限定されない。
また、押込部331の内部にはヒーターが設けられていてもよい。溶射材料M1に押込部331が押し込まれているときに、ヒーターによって押込部331を加熱することにより、熱が押込部331を介して溶射材料M1に伝わる。さらに、押込部331を溶射材料M1に押し込む前に、押込部331を事前に加熱しておいてもよい。
これにより、溶射材料M1も加熱されることになり、溶射材料M1が固まることを防ぐことができるため、溶射材料M1が液体である状態で貯留槽30から溶射材料M1を吐出することができる。よって、溶射材料M1が液体である状態で管T1に溶射材料M1を吹き付けることができる。
駆動部332は、板部333を介して押込部331と接続されている。駆動部332は、板部333の位置を上下に移動させることにより、貯留部305の第1底面315に向かって押込部331を移動させるように駆動する。駆動部332は、例えば、エアーシリンダーであってもよいが、貯留部305の第1底面315に向かって押込部331を移動させるように駆動することが可能であれば、特に限定されない。
このような構成によれば、押込部331を貯留部305の第1底面315に近づけるように移動させることにより、貯留槽30に貯留される溶射材料M1の液面を、補助貯留部310の第2底面320より高い位置に維持することができる。これにより、吐出孔325から溶射材料M1を吐出することができる。
また、押込部331を貯留部305の第1底面315から遠ざけるように移動させることにより、貯留槽30に貯留される溶射材料M1の液面を補助貯留部310の第2底面320より低い位置に維持することができる。これにより、吐出孔325からの溶射材料M1の吐出を停止することができる。
図6は、図3に示す貯留槽30について壁部W1(底面)の構造を示す斜視図である。壁部W1の上面は、図3に示すように、貯留部305の第1底面315である。壁部W1は、図6に示すように、2枚の板部B1・B2及び4つのヒーターh1〜h4を備えている。壁部W1は、2枚の板部B1・B2の間に4つのヒーターh1〜h4が挟み込まれた構造からなる。
ヒーターh1〜h4はそれぞれ、板部B1・B2に形成された凹部に嵌め込まれる。ヒーターh1〜h4の長手方向の長さは、板部B1・B2の1辺の長さより長い。板部B1・B2は複数のボルトBB1で互いに固定される。なお、ヒーターh1〜h4の長手方向の長さは、板部B1・B2の1辺の長さと同一であってもよい。
また、壁部W2の側面は、図4に示すように、貯留部305の側面及び補助貯留部310の側面である。壁部W2は、壁部W1と同様に、2枚の板部B3・B4の間にヒーターが挟み込まれた構造からなる。さらに、壁部W3の側面は、図4に示すように、貯留部305の側面及び補助貯留部310の側面である。壁部W3は、壁部W1と同様に、2枚の板部B5・B6の間にヒーターが挟み込まれた構造からなる。
なお、貯留槽30を形成する複数の壁部のうち、壁部W1〜W3以外の壁部も、2枚の板部の間にヒーターが挟み込まれた構造からなっていてもよい。つまり、貯留槽30を形成する複数の壁部のうち少なくとも1つの壁部は、少なくとも2枚の板部の間にヒーターが挟み込まれた構造からなる。
これにより、貯留槽30に貯留された溶射材料M1の温度を維持することができるため、貯留槽30に貯留された溶射材料M1が固まることを防ぐことができる。このため、溶射材料M1が液体である状態で貯留槽30から溶射材料M1を吐出することができる。よって、管T1に溶射材料M1を吹き付けることができる。なお、これらの壁部において、2枚の板部の間に挟み込むヒーターの数は、特に限定されない。また、「壁部」には、壁部W1のように、底面も含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 皮膜形成装置 10a、10b、10c、10d 回転ローラ(回転部)
20 吹付部 30、30a 貯留槽
305 貯留部 310 補助貯留部
315 第1底面 320 第2底面
H1 水平面 322 傾斜面
325 吐出孔 330 可変機構
331 押込部 332 駆動部
B1、B2、B3、B4、B5、B6 板部
D1 方向 h1、h2、h3、h4 ヒーター
L1 接線 M1 溶射材料
T1 管 W1、W2、W3 壁部
α なす角度

Claims (6)

  1. 管の表面に皮膜を形成する皮膜形成装置であって、
    前記管を回転させる回転部と、
    前記皮膜を形成するための原料を溶解して得られた液状の溶射材料を貯留する貯留部と、
    前記貯留部の側方に設けられ、前記貯留部が形成する空間と一体となる空間を形成し、前記貯留部の第1底面より高い第2底面を有する補助貯留部と、
    駆動部と、
    前記第2底面に形成された吐出孔から前記溶射材料を吐出させるべく、前記駆動部の駆動により前記第1底面に向かって移動して前記貯留部に貯留された前記溶射材料を押し込み、前記貯留部から前記補助貯留部に前記溶射材料を移動させるとともに、前記溶射材料の液面を上昇させる、押込部と、
    前記吐出孔から吐出された前記溶射材料を、前記管に吹き付ける吹付部と、を備えることを特徴とする皮膜形成装置。
  2. 前記吹付部は、前記管の中心よりも上方に配置されており、かつ、前記管が回転する場合に前記管の表面が上方から下方に向かう側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成装置。
  3. 前記吹付部による吹き付け方向と、水平面とのなす角度の範囲は、30°以上60°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の皮膜形成装置。
  4. 前記第2底面には、前記吐出孔から前記貯留部に向かうにつれて前記第1底面に近づくように形成された傾斜面が含まれることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成装置。
  5. 前記貯留部または前記補助貯留部を形成する複数の壁部のうち少なくとも1つの壁部は、少なくとも2枚の板部の間にヒーターが挟み込まれた構造からなることを特徴とする請求項1に記載の皮膜形成装置。
  6. 管の表面に皮膜を形成する皮膜形成装置を用いた皮膜形成方法であって、
    前記皮膜形成装置は、
    前記管を回転させる回転部と、
    前記皮膜を形成するための原料を溶解して得られた液状の溶射材料を貯留する貯留部と、
    前記貯留部の側方に設けられ、前記貯留部が形成する空間と一体となる空間を形成し、前記貯留部の第1底面より高い第2底面を有する補助貯留部と、
    駆動部と、
    押込部と、
    吹付部と、を備えるものであり、
    前記回転部により前記管を回転させる回転工程と、
    前記駆動部の駆動により前記押込部を前記第1底面に向かって移動させ、前記貯留部に貯留された前記溶射材料を押し込み、前記貯留部から前記補助貯留部に前記溶射材料を移動させるとともに、前記溶射材料の液面を上昇させ、前記第2底面に形成された吐出孔から前記溶射材料を吐出する吐出工程と、
    前記吐出工程で吐出された前記溶射材料を前記吹付部により前記管に吹き付ける吹付工程と、
    を含むことを特徴とする皮膜形成方法。
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