JP6697201B1 - バイオマス原料供給装置およびシステム並びに供給方法 - Google Patents

バイオマス原料供給装置およびシステム並びに供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】それぞれの事業者に適した配合のバイオマス原料となるように、当該事業者へ所望のバイオマス原料を安全に供給可能なバイオマス原料供給装置およびシステム並びに供給方法を提供する。【解決手段】本発明のバイオマス原料供給装置は、依頼者で用いられるバイオマス原料の調合割合を決定するレシピ決定手段と、前記レシピ決定手段が決定した調合割合に基づいて、栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する供給バイオマス原料決定手段と、を有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオガス発生装置などに供給されるバイオマス原料を各事業者に供給するバイオマス原料供給装置およびシステム並びに供給方法に関する。
従来、例えばバイオマス発電用途として、バイオマス原料から嫌気発酵によりバイオガスを生成するバイオガス発生装置が知られている。バイオガス発生装置に供給するバイオマス原料としては、例えば食品廃棄物や生ゴミなどの有機性廃棄物が一般的に利用されている。これらの有機性廃棄物から嫌気性条件下でメタン発酵させてメタンガスを回収する処理系において、有機性廃棄物は適宜粉砕されてスラリー状のバイオマス原料とされ、原料槽に保管される。
例えば特許文献1に開示されるバイオマスガス化システムにおいては、破砕されスラリー状とされた混合物やバイオマスが、原料槽に供給された後に発酵槽に供給されることが開示されている。
さらに特許文献2や特許文献3には、食品廃棄物のメタン発酵処理システムにおいて、破砕されスラリー状とされた食品廃棄物や、液状廃棄物を主体とした食品廃棄物を原料として、メタン発酵処理によりバイオガスを生成し回収する方法が開示されている。
WO2016/038724号国際公開パンフレット 特開平11−300323号公報 特開2008−284499号公報
しかしながら、上述した各特許文献に限らず現在の技術では、市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、以下に述べるごとき課題が存在する。
すなわち、例えば上記したバイオマス原料を発電などに利用する事業者においては、それぞれの事業者で独特の原料配合を行っていることがある。例えば自己の領地で牧畜を営んでいるケースでは牛糞をそのバイオマス発電の原料として利用することが想定される。このとき、一般的には牛糞はタンパク質や脂質が少ないためにこれらが欠乏気味のバイオマス原料となる。
このようにバイオマス原料は事業者によって異なる成分となることが想定されるが、上記した特許文献を含む従来技術では、バイオマス原料を購入したい事業者のニーズを満たしていない。なお上記は、事業者の一例としてバイオマス原料を利用する発電事業者を例示したが、事業としては発電に限られずその他の事業者として例えばガス製造業者などもバイオマス原料を利用する事業者となり得る。
上記した課題を一例に鑑みて、本発明は、それぞれの事業者に適した配合のバイオマス原料となるように、当該事業者へ所望のバイオマス原料を安全に供給可能なバイオマス原料供給装置およびシステム並びに供給方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態におけるバイオマス原料供給装置は、(1)依頼者が希望するバイオマス原料の希望レシピを受信する希望レシピ受信手段と、前記希望レシピに含まれる栄養素の分析を行うとともに当該希望レシピの発酵リスクを分析する栄養素分析・特定手段と、前記栄養素分析・特定手段にて(i)前記希望レシピに発酵リスクがないと分析された場合には当該希望レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合を決定し、(ii)前記希望レシピに前記発酵リスクがあると分析された場合には前記希望レシピとは異なる調合割合の次善レシピを生成して当該次善レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合をそれぞれ決定するレシピ決定手段と、前記レシピ決定手段が決定した調合割合に基づいて、糖質、脂質、タンパク質及び繊維質が混合された混合タイプ槽を少なくとも含む原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する供給バイオマス原料決定手段と、を有することを特徴とする。
なおこのとき、上記した(1)に記載のバイオマス原料供給装置においては、(2)前記希望レシピは、前記依頼者で実使用されているバイオマス原料の調合割合であることが好ましい。
また上記した(1)又は(2)に記載のバイオマス原料供給装置においては、()前記原料保管槽が、さらに糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、及び繊維質リッチ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されていることが好ましい。
また上記した()に記載のバイオマス原料供給装置においては、()前記供給バイオマス原料決定手段は、前記栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合することが好ましい。
また上記した()に記載のバイオマス原料供給装置においては、()前記希望レシピが発酵リスクを有する場合に前記依頼者へリスク通知を行う報知手段と、をさらに備えることが好ましい。
そして本発明の一実施形態におけるバイオマス原料供給システムは、()上記した(1)〜()のいずれかに記載のバイオマス原料供給装置と、ネットワークを介して前記バイオマス原料供給装置に希望するバイオマス原料の希望レシピを送信する依頼者側情報端末と、を有することを特徴とする。
また本発明の一実施形態におけるバイオマス原料供給方法は、(依頼者が希望するバイオマス原料の希望レシピを受信する希望レシピ受信工程と、前記希望レシピに含まれる栄養素の分析を行うとともに当該希望レシピの発酵リスクを分析する栄養素分析・特定工程と、前記栄養素分析・特定工程にて(i)前記希望レシピに発酵リスクがないと分析された場合には当該希望レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合を決定し、(ii)前記希望レシピに前記発酵リスクがあると分析された場合には前記希望レシピとは異なる調合割合の次善レシピを生成して当該次善レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合をそれぞれ決定するレシピ決定工程と、前記レシピ決定工程で決定した調合割合に基づいて、糖質、脂質、タンパク質及び繊維質が混合された混合タイプ槽を少なくとも含む原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する調合工程と、を有することを特徴とする。
また本発明の一実施形態におけるバイオマス原料供給方法は、(8)依頼者が希望する品質のバイオマス原料の調合割合を決定するレシピ決定工程と、前記レシピ決定工程で決定した調合割合に基づいて、栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する調合工程と、前記依頼者で用いられるバイオマス原料を分析する栄養素分析・特定工程と、を有し、前記栄養素分析・特定工程では、前記依頼者で実使用されているバイオマス原料の試料における栄養素が分析され、前記レシピ決定工程では、前記試料における栄養素に基づいて、当該依頼者に最適な調合割合が決定されることを特徴とする
また、上記した()に記載のバイオマス原料供給方法においては、()前記原料保管槽が、さらに糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、及び繊維質リッチ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されていることが好ましい。
また上記した(9)に記載のバイオマス原料供給方法においては、(10)前記調合工程は、前記栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合することが好ましい。
また上記した()に記載のバイオマス原料供給方法においては、(11)前記希望レシピが発酵リスクを有する場合に前記依頼者へリスク通知を行う報知工程と、をさらに有することが好ましい。
本発明によれば、依頼者にとって最適な配合のバイオマス原料となるように当該依頼者へ所定量のバイオマス原料を安全に供給することが可能となる。
第1実施形態におけるバイオマス原料供給装置を含むバイオマス原料供給システムを示す模式図である。 第1実施形態におけるバイオマス原料供給方法を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるバイオマス原料供給方法を示すフローチャートである。 バイオマス原料供給装置におけるバイオマス試料の分析結果を示す表示画面例である。 バイオマス原料供給装置におけるバイオマス試料のリスク分析の結果を示す表示画面例である。 第3実施形態におけるバイオマス原料供給方法を示すフローチャートである。 事業者から送信されるバイオマス原料の調合依頼を示す表示画面例である。
次に本発明を実施するための実施形態について説明する。
≪第1実施形態≫
[バイオマス原料供給装置100]
まず図1を参照しつつ、本実施形態におけるバイオマス原料供給装置100について説明する。
同図に示されるとおり、バイオマス原料供給装置100は、それぞれバイオマス発電設備BPGを有する事業者CM1、CM2およびCM3とインターネットなどの公知のネットワークNを介して通信可能となっている。なお図示では合計3つの事業者がそれぞれPCやスマートフォンなどの情報端末ITを具備して例示されているが、ネットワークNを介して接続される事業者やその所在地は特に限定されず、局所的な地域や全国各地に無数存在することができる。
また本実施形態の「依頼者」とは、バイオマス原料を用いて事業を行い得る者であって、上記した発電事業には限られない。以下では実際に事業を行っている事業者の一例としてバイオマス発電事業者を例にして説明するが、本発明が適用可能な「依頼者」は、例えばガス製造事業を行う者など発電とは無関係の事業を行う者も「事業者」であり、さらには将来的に何らかの事業を行うことを企画している者も含まれる。
より具体的に本実施形態のバイオマス原料供給装置100は、有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段110と、前記資源受入手段110に受け入れられた有機性エネルギー資源の栄養素を分析するとともに前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する栄養素分析・特定手段120と、前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽Tと、後述するレシピ決定手段130と、特定した前記主栄養素に基づいて主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽Tの中から保管先を選択する原料保管槽選択手段140と、前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段150と、を含んで構成されている。
さらに本実施形態のバイオマス原料供給装置100では、取引先(事業者CM1、CM2)で用いられるバイオマス原料の情報(後述する)を受信する送受信手段160と、前記レシピ決定手段が決定した調合割合に基づいて、主たる栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する供給バイオマス原料決定手段170を含んで構成されている。
これら送受信手段160及び供給バイオマス原料決定手段170の具体例としては、後述する主栄養素分析・特定手段120や原料保管槽選択手段140としても機能する公知コンピュータが例示できる。
ここで図1に示すとおり、資源受入手段110は、液状物又は汚泥を含む前記有機性エネルギー資源を流動化させる中和混合流動化手段110aと、前記液状物又は前記汚泥以外の前記有機性エネルギー資源を粉砕する粉砕機を有する粉砕手段110bと、を含んで構成されていてもよい。
なお有機性エネルギー資源とは、いわゆるバイオマス原料となる資源であり、食品廃棄物、あるいは食品以外の有機性廃棄物を含む。食品廃棄物としては、例えば野菜、果物、魚、肉などの他、加工済みの食品、調味料、等も含まれる。一方で有機性廃棄物としては、木材、落ち葉、草花、等が含まれる。
中和混合流動化手段110aは、受け入れた有機性エネルギー資源のうち例えば液状物(水分、糖質、脂質、たんぱく質、繊維質の混在物)や汚泥などを貯留しつつ中和しながらミキシングする公知のミキサー付き容器が例示できる。
粉砕手段110bは、公知のローラーミルやジェットミルを備えた容器であり、上記した液状物や汚泥に比して粒度が高い有機性エネルギー資源が貯留される。
このように本実施形態のバイオマス原料供給装置100は、食品廃棄物などの有機性エネルギー資源を再利用可能な資源として受け入れ可能に構成されており、受け入れ時に有機性エネルギー資源の状態(粒の大きさや密度など)に応じて受け入れ先の槽を異ならせている。
複数の原料保管槽Tは、本実施形態では糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、及び、混合タイプ槽T5を含んで構成されている。上述のとおりこれらの種類分けは一例であって、例えば混合タイプ槽T5以外のいずれかを省略してもよい。
このように有機性エネルギー資源に含まれる栄養素としては、糖質、脂質、タンパク質、繊維質、等が挙げられる。そして従来、バイオガス発生システム中において、投入する有機性廃棄物の栄養素によって、メタンガスの発生効率が異なることが指摘されていた。この理由としては例えば、食品廃棄物中のタンパク質の分解により、アンモニア態窒素が生成され、メタン発酵を阻害すること等が挙げられる。
なお現時点において、嫌気性発酵の新陳代謝システムは完全に解明されていない。理論的には、炭水化物、脂質、タンパク質のメタンガス発生量の理論値は、各々、50%、68%、71%とも指摘されている(H. Schulz and B. Eder:バイオガス実用技術,オーム社出版局,pp. 24-30 (2002))。一方で、実際のメタン発酵においては、発酵温度、アンモニア態窒素の濃度、pH、VFA濃度などの発酵環境に発酵性能が左右される。
なお図示から明らかなとおり、混合タイプ槽T5は他の原料保管槽に比して大きな容量となっている。さらに、各原料保管槽Tには、それぞれ不図示のセンサーが配置されており、それぞれの保管槽内で残量としてどの程度のバイオマス原料が保管されているか検出することが可能となっている。
栄養素分析・特定手段120は、例えば近赤外線などの公知の赤外線分光法を利用した公知の分析装置を搭載する公知のコンピュータである。なお分析手法としては、上記した赤外線分光法以外にも、原料中の栄養素の定性・定量ができる公知の分析方法を使用することができ、例えば高速液体クロマトグラフィーや蛍光X線元素分析などによる方法等であってもよい。
本実施形態の栄養素分析・特定手段120は、上記分析装置による分析の結果に基づいて、受け入れした有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の種類や量を特定したり、各事業者CM1〜CM3から送られてくるバイオマス原料(試料)に含まれる栄養素の種類や量を分析または特定したり、あるいは後述する事業者からのレシピ情報(希望レシピなど)に含まれる栄養素の種類や量を分析または特定したりする。
なお本実施形態におけるレシピ決定手段130、原料保管槽選択手段140および原料発酵制御手段150は、栄養素分析・特定手段120としても機能する上記コンピュータにより構成されている。
また、栄養素分析・特定手段120は、分析を他の装置で代替してもよく、かような分析装置の一例として、例えば日本ビュッヒ株式会社製の近赤外分析計NIRMasterなどが例示できる。
レシピ決定手段130は、一例として、前記した栄養素分析・特定手段120の分析結果に基づいて、事業者CM1〜CM3などへ供給するバイオマス原料の調合割合を決定する。本実施形態の栄養素分析・特定手段120は、事業者のバイオマス発電設備BPGで使用されるバイオマス原料をバイオマス試料として栄養素を分析する機能を有している。したがって本実施形態のレシピ決定手段130は、前記したバイオマス試料における栄養素に基づいて当該事業者に最適な調合割合を決定する機能を具備して構成されている。
なおレシピ決定手段130は、不図示のメモリなどの記憶手段に記憶された事業者の過去のレシピ(調合割合)を参照し、この過去のレシピと今回のレシピが異なる場合にはその旨を警告する表示を行ってもよい。
なお、レシピ決定手段130は、必ずしも栄養素分析・特定手段120の分析結果に基づいて上記した最適な調合割合を決定せずともよい。すなわち、例えば「事業者」としてガス製造事業者に対してバイオマス原料の有用性をデモンストレーション(バイオマス原料から生成される硫化水素を燃焼ガスとして今後利用する提案など)を行う場合などは、上記硫化水素を多量に発生するバイオマス試料となるようにレシピ決定手段130が上記した調合割合を決定してもよい。かような場合には、このガス製造業者としては未だバイオマス原料を用いていないことから、必ずしも事前に事業者のバイオマス原料を栄養素分析・特定手段120で分析する必要はないからである。
また、本実施形態の栄養素分析・特定手段120は、事業者から調合依頼のある希望レシピに含まれる栄養素の種類や量を分析する機能も有している。
より具体的には、後述する送受信手段160が前記した事業者が希望するバイオマス原料に関する情報(希望レシピ)を受信した場合に、この栄養素分析・特定手段120は受信した希望レシピ情報に含まれる栄養素を分析する。
さらに本実施形態の栄養素分析・特定手段120は、この希望レシピの発酵リスクを分析する機能を有している。より具体的に栄養素分析・特定手段120は、希望レシピの分析結果から、事業者の居所への配達距離や季節(夏季や冬季など)、あるいはバイオマス発電に供する利用時期などの各種条件に基づいて、運搬車CCが各事業者CM1〜CM3まで安全に発酵を制御した状態(例えば意図せず多量のバイオガスが発生しない状態など)でバイオマス原料を届けられるか否かを判定する。
そしてレシピ決定手段130は、この希望レシピが発酵リスクを有すると判定された場合には、この希望レシピと異なる次善レシピを生成する機能を備えている。ここで「次善レシピ」とは、事業者が当初希望した希望レシピとは栄養素の種類や量が異なるレシピであって、上記した発酵リスクがより低減されたレシピをいう。
なおレシピ決定手段130は、前記した希望レシピが発酵リスクを有する場合にはその事業者へリスク通知を行うことが好ましい。この場合には、レシピ決定手段130が報知手段としても機能する。リスク通知の具体例としては、例えば図5の「リスク内容」に例示されるごとき概況と注意喚起でもよいし、より具体的な要因などを掲載するようにしてもよい。
原料保管槽選択手段140は、資源受入手段110で受け入れた有機エネルギー資源について、予め定められた選択優先順位に基づいてその保管先を選択する機能を有している。この原料保管槽選択手段140は、上記のとおり公知のCPUやメモリを含むコンピュータで構成されている。なお、上記した選択優先順位は、電子データとして上記不図示のメモリなどに格納されていてもよい。
本実施形態における選択優先順位の内容としては、(α)主栄養素となる栄養素が存在しないと分析された場合に混合タイプ槽T5が選択されると共に、(β)主栄養素となる栄養素を含む有機性エネルギー資源に対しては当該主栄養素によって区分けされた原料保管槽がそれぞれ選択される、というものである。
なお上記した選択優先順位は一例であって、例えば、まず混合タイプ槽T5を最優先の選択先とし、次いで主栄養素となる栄養素を含む有機性エネルギー資源に対して当該主栄養素によって区分けされた原料保管槽を選択するようにしてもよい。
図1および4からも明らかなとおり、本実施形態において複数の原料保管槽T(T1、・・・、Tn)としては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4及び、混合タイプ槽T5を含むことが好ましい。ここで、糖質リッチ槽T1は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して糖質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。同様に、脂質リッチ槽T2は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して脂質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、タンパク質リッチ槽T3は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比してタンパク質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、繊維質リッチ槽T4は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して繊維質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、混合タイプ槽T5は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として他の栄養素と比して主栄養素となる栄養素がないバイオマス原料を保管するための槽である。
なお本実施形態においては、糖質リッチ槽T1は、糖質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽として設定した。同様に、脂質リッチ槽T2はタンパク質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、タンパク質リッチ槽T3は脂質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、繊維質リッチ槽T4は繊維質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、混合タイプ槽T5は主栄養素として50%以上含まれる栄養素がない原料を保管するための原料保管槽とそれぞれ設定した。
すなわち本実施形態においては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、及び、繊維質リッチ槽T4のいずれにも収容されない原料を収容するための保管槽として、上記した混合タイプ槽T5を設置した。
なお混合タイプ槽T5は様々な栄養素が混在する槽であることから、栄養素の分析を行わずに優先的に原料を収容するための保管槽として設定してもよい。
原料発酵制御手段150は、以下で詳述する手法によって各原料保管槽Tに保管されたバイオマス原料の発酵を制御(例えば抑制など)する機能を有している。より具体的に各原料保管槽T内には、それぞれ不図示の温度計、pH計、液体粘度計、アルカリ度計、VFA計などの各種計測機器が配設されており、これらの機器で計測されるパラメータが所定範囲になるように原料発酵制御手段150によって維持管理される。
すなわち、バイオガスを生成するバイオガス発生システム中においては、バイオマス原料がメタン発酵工程に供される前に、長期間保管されたり、輸送されたりする事態が想定される。この場合、バイオマス原料の発酵及びガスの発生を制御して、安全に保管できるように、原料を原料保管槽T内において適切に維持管理することが必要とされる。
具体的には、上述のとおり原料保管槽T内のバイオマス原料は、温度、pH、液体粘度、アルカリ度、VFA(揮発性脂肪酸及び低級脂肪酸)、TS(固形物濃度)などのパラメータにより維持管理される。
なお本実施形態においては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、混合タイプ槽T5が、それぞれ異なる条件で維持管理されていることが好ましい。なお各々の原料保管槽における管理条件は、発酵が制御されたコントロール下にある限り、上記のとおりそれぞれ異なる条件で維持管理されていてもよいし、ほぼ同じ条件で維持管理されていてもよい。
以下に、一例として、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、および混合タイプ槽T5に適用可能な維持管理の条件を例示する。
(1)糖質リッチ槽T1
温度:30±5℃
pH:3〜6
液体粘度:0.5〜20mPa・s
(2)脂質リッチ槽T2
温度:40±5℃
pH:3〜6
液体粘度:0.5〜20mPa・s
(3)タンパク質リッチ槽T3
温度:30〜70℃
pH:3〜6
液体粘度:1〜15mPa・s
(4)繊維質リッチ槽T4
温度:20〜50℃
pH:3〜6
液体粘度:5〜20mPa・s
(5)混合タイプ槽T5
温度:20〜35℃
pH:3〜6
液体粘度:10〜20mPa・s
なお上記の例において維持管理の条件を任意のタイミングで変更してもよく、さらには温度、pHおよび液体粘度以外のパラメータを用いて維持管理してもよい。維持管理条件の設定範囲の変更のタイミングに関しては、新たな原料の投入した時点でもよいし、定期的に槽内の栄養素を検出し、その時点で最適な範囲に変更してもよい。また上記設定範囲の上限及び下限については、原料中における栄養素の種類や、周囲の温度等に鑑みて適切に設定することが可能である。
送受信手段160は、希望レシピ受信手段としても機能し、公知の通信機器であり、上記したネットワークNを介して各事業者CM1〜CM3の情報端末ITと電気的に接続されている。したがって上記した事業者からの希望レシピ情報やバイオマス原料供給装置100からの分析結果や次善レシピ情報は、この送受信手段160を介して伝送される。
供給バイオマス原料決定手段170は、前記レシピ決定手段130が決定したレシピ(調合割合)に基づいて、主たる栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽Tから所望の原料を抽出して調合する機能を有して構成されている。
より具体的に本実施形態の供給バイオマス原料決定手段170は、例えば公知のロボットハンドラーなどで構成されていてもよい。あるいは本実施形態の供給バイオマス原料決定手段170としては、各原料保管槽Tに設置されて上記した資源受入手段110などと連通する配管と、この配管に設置されて流量を調整可能なバルブとによって構成されていてもよい。
また、供給バイオマス原料決定手段170は、後述するとおり、希望レシピに基づいて主たる栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽Tから所望の原料を抽出して調合する機能を具備していてもよい。
[バイオマス原料供給システム200]
次いで図1を参照しつつ、本実施形態におけるバイオマス原料供給システム200について説明する。
同図に示すとおり、バイオマス原料供給システム200は、上記したバイオマス原料供給装置100と、ネットワークNを介してバイオマス原料供給装置100と通信可能な依頼者側情報端末ITと、含んで構成されている。
依頼者側情報端末ITとしては、例えば通信機能を備えた公知のパーソナルコンピューターやスマートフォンなどの携帯端末が例示できる。かような依頼者側情報端末ITは、例えば事業者CMのオフィス内に設置されている。
なお後述するとおり、依頼者側情報端末ITは、バイオマス原料供給装置100に希望するバイオマス原料の希望レシピを送信する機能を有していてもよい。
[バイオマス原料供給方法]
次いで図2を参照しつつ、本実施形態におけるバイオマス原料供給方法について説明する。まずステップ1では、クライアントである依頼者から目的や要望など依頼内容に関するヒアリングを行う。なお上記した依頼内容としては、目的や要望は一例であって上記に限られず、例えばクライアントの事業計画など事情遂行上において有用な情報を含んでいてもよい。換言すれば、本実施形態における依頼者とは、後述の第2実施形態のようにバイオマス発電事業を既に営んでいる事業者だけに限られず、他の事業を営んでいたり、あるいはこれから何らかの事業を実施することを企画したりしている者も含む。
次いでステップ2では、このクライアントに対してバイオマス原料を供給することが可能か否かを判定する。すなわち上記したヒアリング内容から、例えばそもそも使用目的に問題があるなど当該クライアントの事業に対してバイオマス原料を供給することが適さないと判定されるときは、当該クライアントへのバイオマス原料の供給依頼をお断りする(Endへ)。
一方、ステップ2でクライアントへのバイオマス原料の供給が可能であるときは、ステップ3において依頼者からの依頼レシピの有無が判定される。なおこの依頼レシピの具体的な内容については、例えば一例として図7で説明するバイオマス原料の調合依頼などが例示できる。
そしてステップ3で依頼レシピがある場合、続くステップ4では当該依頼レシピに関するリスク分析の要望があるか否かが判定される。なおステップ4でリスク分析の要望がない場合には、後述するステップ13に移動して発注が有るか否かの判定が行われる。また、ステップ4でリスク分析の要望がある場合には、後述するステップ5に移動する。
翻ってステップ3で依頼レシピがない又はステップ4でリスク分析の要望がある場合には、続くステップ5では既存設備および使用原料の有無が判定される。そしてこのステップ5で「無」の場合、すなわち既存設備を有さないクライアントの場合には、後述するステップ9に移動してリスク分析が行われる。このように既存設備を有さないクライアントの場合にも、例えば事業開始前などで実験だけしたいケースなどが想定できる。
一方、ステップ5で「有」の場合、続くステップ6では施設・設備情報のヒアリングが行われる。なお「施設・設備情報」の具体例としては、例えば設備規模、設備内の工程内容、運転状況など施設や設備の稼働状況や規模に関する情報が含まれる。
そしてステップ6に続くステップ7では、依頼者から、実使用されている又は使用を企画しているバイオマス原料を試料として受領する。より具体的には例えば小包に梱包した形態で郵送や持ち込みなどによって依頼者から上記したバイオマス原料供給装置100に向けて送付される。
次いでステップ8では、上記した栄養素分析・特定手段120によって、この依頼者で用いられているバイオマス原料(試料)を分析する(分析工程)。これにより、依頼者で実使用されているバイオマス原料における栄養素の種類や量が解明できる。
そして上記したバイオマス試料における栄養素の種類や量が解明した後は、ステップ9でリスク分析が行われる。なお、このステップ9におけるリスク分析としては、例えば受領したバイオマス試料における発酵リスクの高低や、施設・設備などハード面での適/不適が判定される。このうちハード面での適/不適とは、例えばバイオマス原料の撹拌能力が不足しているなど品質面でバイオマス原料を適切に維持できない場合などが例示できる。なおステップ5で既存施設がないと判断されてステップ9に移行した場合には、このステップ9でハード面での適/不適は判定されないことは言うまでもない。
そしてステップ9でリスク分析を経た後は、当該リスク分析の結果をふまえてステップ10で上記レシピは安全に供給可能か否かが判定される。そして上記レシピは安全に供給可能である場合(ステップ10でYes)には、ステップ11でその分析結果、提案レシピおよび発酵リスクなどが依頼者に伝達される。
なお、上記の「提案レシピ」とは、ステップ3で依頼レシピがない場合には上記ヒアリングをふまえて決定した最適なレシピ(後述する「最適レシピ」を一例として参照)のことであり、依頼レシピがある場合には当該依頼レシピそのものやこの依頼レシピの調合割合を修正したレシピのことでもある。
次いでステップ12では、上記分析結果、提案レシピおよび発酵リスクなどの情報が伝達された依頼者において、供給を受けるレシピが決定される。この場合、例えば依頼者は、リスク分析が済んだ依頼レシピ(依頼レシピがある場合)や、上記レシピ決定手段130で決定された提案レシピから選択して決定することができる。
そしてステップ13では依頼者から発注があったか否かが判定され、最終的に発注がなければ(No)そのまま処理が完了される。一方でステップ13において依頼者から発注がある場合(Yes)には、ステップ12で決定されたレシピに基づいて上記供給バイオマス原料決定手段170を介して所望の原料を調合する。
そしてステップ14を経た後で、ステップ15において、上記調合したバイオマス原料を依頼者へ納品する。
以上がバイオマス原料の納品までのフローであるが、本実施形態では以下で説明する検証工程をさらに含んでいることが好ましい。
すなわち、ステップ15でバイオマス原料を納品して所定期間(依頼者側での実施あるいは試用の期間)が経過した後で、ステップ16で結果/効果の検証が行われる。この結果/効果の検証の例としては、例えば依頼者側の設備で安全にバイオマス原料が発酵して維持管理されているかなどが挙げられる。
次いでステップ17では、依頼者の要求を満足しているかが判定される。より具体的には、例えば依頼者が当初意図していた仕様や性能で上記バイオマス原料による発電が行えているか、あるいは意図しない発酵リスクが低減されたバイオマス原料が所望の量だけ受領できたか、などが判定される。
ステップ17で依頼者の要求が満足されている場合(Yes)には、そのまま処理が完了される。一方でステップ17において依頼者の要求が満たされていない場合(No)には、ステップ18に移行してその原因究明が行われる。かような原因究明の例としては、例えば原料の再分析を含む発酵リスクの再評価や、依頼者側でのバイオマス原料の維持管理の条件や、依頼者の施設・設備とレシピとのマッチングなどが検討される。
続くステップ19では、上記原因究明の結果に基づいて、その調査結果や再提案レシピと発酵リスクなどの情報が依頼者に伝達される。なお本実施形態における「再提案レシピ」とは、上記原因究明の結果に基づいて、上記レシピ決定手段130を介して調合割合が改訂されたレシピを言い、例えば後述する「次善レシピ」なども含まれ得る。
そしてステップ19で調査結果や再提案レシピと発酵リスクなどの情報が依頼者に伝達された後は、ステップ13に移行して依頼者が再提案レシピの発注を行ったか否かが判定され、以降は上述した処理が継続される。
以上説明した本実施形態におけるバイオマス原料供給装置100およびバイオマス原料供給方法によれば、それぞれの依頼者にとって最適なバイオマス原料となるように当該依頼者へ所定量のバイオマス原料を安全に供給することが可能となっている。
≪第2実施形態≫
次に図3〜5を参照しつつ第2実施形態にかかるバイオマス原料供給方法について説明する。なお以下で説明するバイオマス原料供給方法では、事業者が実際にバイオマス発電で用いているバイオマス原料をバイオマス試料として受領し、このバイオマス試料を分析して当該事業者に適した(最適な)バイオマス原料のレシピを生成する点などに特徴がある。換言すれば、本実施形態における依頼者としては、既にバイオマス発電事業を営んでいる事業者などが例示できる。
すなわち図3に示すとおり、まずステップAにおいては、事業者(例えばCM1)から実使用されているバイオマス原料を試料として受領する。より具体的には例えば小包に梱包した形態で郵送や持ち込みなどによって事業者からバイオマス原料供給装置100に向けて送付される。
次いでステップBでは、上記した栄養素分析・特定手段120によって、事業者で用いられるバイオマス原料(試料)を分析する(分析工程)。これにより、事業者で実使用されているバイオマス原料における栄養素の種類や量が解明できる。
そして上記したバイオマス試料における栄養素の種類や量が解明した後は、ステップCにおいて、上記したレシピ決定手段130を用いて、前記した分析工程における分析結果に基づいて事業者(本例ではCM1)へ供給するバイオマス原料の調合割合を決定する(レシピ決定工程)。さらに本実施形態では、上記したレシピ決定工程で決定したレシピ(これを「最適レシピ」と称する)を含む分析結果を、ネットワークNを介して事業者CM1へ送信する。
図4に、事業者CM1へ送信される分析結果の画面例を示す。
同図に示されるように、分析結果の画面例には、分析日A1、顧客識別情報A2、最適レシピA3、およびこの最適レシピの在庫量A4が含まれている。なお最適レシピA3以外は必須ではなく適宜省略してもよい。これにより事業者CM1は、自身の環境下におけるバイオマス発電にとって最適なバイオマス原料における栄養素の種類や量を一目で把握することができる。
なお本例では上記のとおり、複数の原料保管槽Tが、少なくとも、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、及び混合タイプ槽T5で構成されており、各槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されている。したがって上記した分析結果の画面例においても、最適レシピの場合における各栄養素の割合A3a〜A3eが表示されている。
これにより、分析結果を受領した事業者CM1は、その後に発注するか否かを適宜選択することが可能となる。
そしてステップDでは事業者(本例ではCM1)からバイオマス原料の発注依頼があるかが判定され、事業者CM1から発注があった場合にはステップEに移行する。
するとステップEでは事業者CM1からの発注依頼の内容が最適レシピの注文であるか判定される。ステップEで発注内容が最適レシピであった場合には、続くステップF−1において、供給バイオマス原料決定手段170を介して、前記レシピ決定工程で決定した調合割合(この場合は最適レシピ)に基づいて主たる栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する(調合工程)。
そしてステップF−1の調合工程を経た後は、例えば運搬車CC1(図1参照)を介して、調合したバイオマス原料を事業者CM1に納品する(ステップG)。
一方でステップEにおいて発注内容が最適レシピでない場合には、事業者CM1からの発注内容が次善レシピ(後述)であるか否かが判定される(ステップF−2)。なおこのステップF−2で発注内容が次善レシピであった場合には、依頼レシピ(この場合は次善レシピ)に基づいて、供給バイオマス原料決定手段170を介して主たる栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する(ステップF−6)。そして調合した後は、上記と同様に調合したバイオマス原料を事業者CM1に納品する(ステップG)。
翻ってステップF−2で発注内容が次善レシピでない場合には、事業者CM1が独自で決定した独自レシピであるので、その独自レシピにおけるリスク分析が済んでいるか判定される(ステップF−3)。
そしてステップF−3でリスク分析が済んでいる場合(例えば過去に分析した記録が残っているレシピや他の事業者に対して行ったリスク分析と整合する場合など)には上記ステップF−6へ移行して処理が継続される。他方でステップF−3においてリスク分析が済んでいない場合には、続くステップF−4でリスク分析が実行される。
より具体的には、ステップF−4では、上記したバイオマス原料供給装置100の栄養素分析・特定手段120を用いて、前記した独自レシピの発酵リスクを分析する。次いでステップF−5で分析結果の判定が行われ、発酵リスクが低く問題が生じにくい場合にはステップF−6へ移行して上述した処理が継続される。一方、ステップF−5で発酵リスクが相対的に高く問題が生じやすい場合には、その次善レシピを含むリスク分析結果が事業者CM1へ送付される(ステップF−7)。
図5に、事業者CM1へ送信されるリスク分析結果の画面例を示す。
同図に示されるように、リスク分析結果の画面例には、分析日B1、顧客識別情報B2、リスク内容B3、および次善レシピB4が含まれている。このうち、リスク内容B3には、事業者CM1が選定した独自レシピを使用した場合におけるデメリットなどの具体的リスクB3aと、予想される発酵時期B3bが含まれている。また、次善レシピB4には、新旧レシピ内容が一目で把握可能なように変更前と変更後の各栄養素の割合変化が示される。これにより事業者CM1は、自身が独自で選定したバイオマス原料を使用する場合のデメリットと、このデメリットを解消しうる代替提案を効率的に把握することができる。
そしてステップF−7でリスク分析結果(リスク通知と次善レシピ)が事業者CM1に送付された後は、ステップDに戻って事業者CM1から発注があったか否かが監視される。
なお本実施形態では事業者CM1とのやりとりを説明したが、事業者CM2やCM3など他の複数の事業者とも並行して上記処理が実行されるように構成されていてもよい。
≪第3実施形態≫
次に図6および7を参照しつつ、第3実施形態にかかるバイオマス原料供給方法について説明する。なお以下では、実使用のバイオマス原料を試料として受領する代わりに、事業者(例えばCM2)が希望する配合割合のレシピ(これを「希望レシピ」と称する)を受領する点が第2実施形態に対して異なっている。
よって以下では第3実施形態で特有の点を中心に説明し、既述したバイオマス原料供給装置100も参照しつつ、既述の構成についての説明は適宜省略する。
すなわち本実施形態では、まずステップ1として、事業者CM2が希望するバイオマス原料の希望レシピ情報を、ネットワークNを介して送受信手段160(希望レシピ受信手段)で受信する(希望レシピ受信工程)。
図7に、事業者CM2から送信されるバイオマス原料の調合依頼(希望レシピ)の画面例を示す。同図に示されるように、バイオマス原料調合依頼の画面例には、例えば、希望納期C1、希望品種/数量C2、利用時期C4、予算C5などが含まれている。特に本実施形態の事業者CM2における情報端末ITはネットワークNを介してバイオマス原料供給装置100と電気的に接続されているため、各希望品種(各リッチ槽や混合タイプ槽)における現在の残量C3も表示される態様となっている。
次いでステップ2として、受信した希望レシピにおける栄養素の種類や量を分析することでそのリスク(具体的には意図しない発酵リスク)を分析する。なお、より具体的なリスク分析の手法は第1実施形態と同様であるのでここでの説明は省略する。
そしてステップ3で発酵リスクがなしと判定された場合には、上記した第1実施形態のステップ6−6と同様に、依頼レシピに基づいて希望のバイオマス原料となるように調合が開始される(ステップ4−1)。
翻ってステップ3で発酵リスクがありと判定された場合には、上記した第1実施形態のステップ6−7と同様に、次善レシピを含むリスク分析結果が事業者CM2へ送付される(ステップ4−1)。その後は、上記した第1実施形態のステップ4と同様に、事業者CM2からの発注依頼があるかが監視される(ステップ4−3)。そして発注依頼があった場合には、上記した第1実施形態のステップ6−2と同様に、その発注内容が次善レシピであるかが判定され(ステップ4−4)、次善レシピであった場合には上記したステップ4−1に移行して依頼されたレシピに基づいてバイオマス原料の調合が開始される。
他方で本実施形態では、その発注内容が次善レシピでなかった場合には、ステップ2に戻ってそのレシピのリスク分析が実行されることとなる。
以上説明した第2実施形態においても、事業者が希望するバイオマス原料の調合割合(希望レシピ)に基づいて、そのリスク分析を実行しつつ場合により代替案(次善レシピ)を提案することで、それぞれの事業者にとって好適な配合のバイオマス原料となるように当該事業者へ所定量のバイオマス原料を供給することが可能となっている。
以上説明した第1乃至第3実施形態は本発明を実施する上で好適な形態であって、これらに限定されるものではなく適宜変形することができる。
例えば各事業者からの発注が競合した場合、各栄養素の槽における残留量を検出し、発注を受けた事業者すべてには満足しない場合は混合タイプ槽T5から代替するとともに価格を下げる提示を行ってもよい。
また各事業者CMに対する運搬車CCによるバイオマス原料の納品は、例えば季節に応じて常温で輸送してもよいし、冷蔵して輸送してもよいし、冷凍して輸送してもよい。
以上説明したように、本発明のバイオマス原料供給装置および供給システム並びにバイオマス原料供給方法は、バイオマス原料の発酵を制御しつつ各事業者でそれぞれ適したバイオマス原料を供給するシステムに資することができる。
100 バイオマス原料供給装置
110 資源受入手段
120 栄養素分析・特定手段
130 レシピ決定手段
140 原料保管槽選択手段
150 原料発酵制御手段
160 送受信手段
170 供給バイオマス原料決定手段
200 バイオマス原料供給システム
BPG バイオマス発電設備
CM バイオマス発電事業者

Claims (11)

  1. 依頼者が希望するバイオマス原料の希望レシピを受信する希望レシピ受信手段と、
    前記希望レシピに含まれる栄養素の分析を行うとともに当該希望レシピの発酵リスクを分析する栄養素分析・特定手段と、
    前記栄養素分析・特定手段にて(i)前記希望レシピに発酵リスクがないと分析された場合には当該希望レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合を決定し、(ii)前記希望レシピに前記発酵リスクがあると分析された場合には前記希望レシピとは異なる調合割合の次善レシピを生成して当該次善レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合をそれぞれ決定するレシピ決定手段と、
    前記レシピ決定手段が決定した調合割合に基づいて、糖質、脂質、タンパク質及び繊維質が混合された混合タイプ槽を少なくとも含む原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する供給バイオマス原料決定手段と、
    を有することを特徴とするバイオマス原料供給装置。
  2. 前記希望レシピは、前記依頼者で実使用されているバイオマス原料の調合割合である、請求項1に記載のバイオマス原料供給装置。
  3. 前記原料保管槽が、さらに糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、及び繊維質リッチ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されている、請求項1又は2に記載のバイオマス原料供給装置。
  4. 前記供給バイオマス原料決定手段は、前記栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する、請求項に記載のバイオマス原料供給装置。
  5. 前記希望レシピが発酵リスクを有する場合に前記依頼者へリスク通知を行う報知手段と、をさらに備える、請求項に記載のバイオマス原料供給装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のバイオマス原料供給装置と、
    ネットワークを介して前記バイオマス原料供給装置に希望するバイオマス原料の希望レシピを送信する依頼者側情報端末と、
    を有することを特徴とするバイオマス原料供給システム。
  7. 依頼者が希望するバイオマス原料の希望レシピを受信する希望レシピ受信工程と、
    前記希望レシピに含まれる栄養素の分析を行うとともに当該希望レシピの発酵リスクを分析する栄養素分析・特定工程と、
    前記栄養素分析・特定工程にて(i)前記希望レシピに発酵リスクがないと分析された場合には当該希望レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合を決定し、(ii)前記希望レシピに前記発酵リスクがあると分析された場合には前記希望レシピとは異なる調合割合の次善レシピを生成して当該次善レシピに含まれるバイオマス原料の調合割合をそれぞれ決定するレシピ決定工程と、
    前記レシピ決定工程で決定した調合割合に基づいて、糖質、脂質、タンパク質及び繊維質が混合された混合タイプ槽を少なくとも含む原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する調合工程と、
    を有することを特徴とするバイオマス原料供給方法。
  8. 依頼者が希望する品質のバイオマス原料の調合割合を決定するレシピ決定工程と、
    前記レシピ決定工程で決定した調合割合に基づいて、栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する調合工程と、
    前記依頼者で用いられるバイオマス原料を分析する栄養素分析・特定工程と、
    を有し、
    前記栄養素分析・特定工程では、前記依頼者で実使用されているバイオマス原料の試料における栄養素が分析され、
    前記レシピ決定工程では、前記試料における栄養素に基づいて、当該依頼者に最適な調合割合が決定されることを特徴とするバイオマス原料供給方法。
  9. 前記原料保管槽が、さらに糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、及び繊維質リッチ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されている、請求項に記載のバイオマス原料供給方法。
  10. 前記調合工程は、前記栄養素ごとに保管された複数の原料保管槽から所望の原料を抽出して調合する、請求項に記載のバイオマス原料供給方法。
  11. 前記希望レシピが発酵リスクを有する場合に前記依頼者へリスク通知を行う報知工程と、をさらに有する、請求項に記載のバイオマス原料供給方法。
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