JP6604525B1 - バイオマス原料保管方法および保管システム - Google Patents

バイオマス原料保管方法および保管システム Download PDF

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Abstract

【課題】所定の量のバイオマス原料の保管に際して、バイオマス原料の発酵を制御し、さらに、所定の時間だけ安全に保管できる方法およびシステムを提供する。【解決手段】本発明のバイオマス原料保管方法は、受け入れした有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量を分析する原料分析工程と、前記分析の結果に基づき、前記有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、複数の原料保管槽の中から、前記分析した有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管するための原料保管槽を選択する原料保管槽選択工程と、前記バイオマス原料が保管された原料保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御するための原料発酵制御工程と、を有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオガス発生装置などに供給されるバイオマス原料を安全に保管するためのバイオマス原料保管方法および保管システムに関する。
従来、バイオマス原料から嫌気発酵によりバイオガスを生成するバイオガス発生装置が知られている。バイオガス発生装置に供給するバイオマス原料としては、例えば食品廃棄物や生ゴミなどの有機性廃棄物が一般的に利用されている。これらの有機性廃棄物から嫌気性条件下でメタン発酵させてメタンガスを回収する処理系において、有機性廃棄物は適宜粉砕されてスラリー状のバイオマス原料とされ、原料槽に保管される。
例えば特許文献1に開示されるバイオマスガス化システムにおいては、破砕されスラリー状とされた混合物やバイオマスが、原料槽に供給された後に発酵槽に供給されることが開示されている。
さらに特許文献2や特許文献3には、食品廃棄物のメタン発酵処理システムにおいて、破砕されスラリー状とされた食品廃棄物や、液状廃棄物を主体とした食品廃棄物を原料として、メタン発酵処理によりバイオガスを生成し回収する方法が開示されている。
WO2016/038724号国際公開パンフレット 特開平11−300323号公報 特開2008−284499号公報
しかしながら、上述した各特許文献に限らず現在の技術では、市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、以下に述べるごとき課題が存在する。
すなわち、上記したバイオガス発生システムにおいて、破砕されスラリー状とされた食品廃棄物や、液状廃棄物を主体とした食品廃棄物が、バイオマス原料として使用されている。これらのバイオマス原料は、引き続きメタン発酵の工程に供されるのであるが、バイオマス原料の状態で取引される形態も一般に行われている。そして、これらのバイオマス原料が、保管槽に所定の時間保管されている際に、意図せぬ発酵を制御することができなくなり、装置の配管からバイオマス原料が溢れ出して周辺を汚染したり、周辺に強い臭気を放ったりする事故が発生している。
そのため、このような事故を防止するため、バイオマス原料の発酵を制御する方法や、バイオマス原料を、所定の時間安全に保管できる方法を見いだすことが求められていた。
上記した課題を鑑みて、本発明は、所定の量のバイオマス原料の保管に際して、バイオマス原料の発酵を制御し、さらに、所定の時間安全に保管できる方法を提供することを目的とする。
(1)本発明のバイオマス原料保管方法は、
受け入れした有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量を分析する原料分析工程と、
前記分析の結果に基づき、前記有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、複数の原料保管槽の中から、前記分析した有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管するための原料保管槽を選択する原料保管槽選択工程と、
前記バイオマス原料が保管された原料保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御工程と、
を有し、前記複数の原料保管槽が、少なくとも、糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、繊維質リッチ槽、及び、混合タイプ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されていることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管方法は、上記()において、
前記保管槽選択工程では、
主栄養素となる前記栄養素が存在しないと分析された場合に前記混合タイプ槽が選択されると共に、
前記主栄養素となる栄養素を含む前記有機性エネルギー資源に対しては、当該主栄養素となる栄養素によって区分けされた前記原料保管槽がそれぞれ選択されることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管方法は、上記()において、
前記保管槽選択工程では、
前記混合タイプ槽を最優先の選択先とし、
次いで主栄養素となる栄養素を含む前記有機性エネルギー資源に対し、当該主栄養素となる栄養素によって区分けされた前記原料保管槽が選択されることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管方法は、上記(1)〜()において、
前記原料発酵制御工程における原料保管槽の維持管理のパラメータが、少なくとも、原料保管槽内の温度、pH、のいずれかを含み、
前記温度、又は前記pHは原料保管槽毎に異なるように管理されることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管システムは、
有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、
を有し、
前記資源受入手段は、
液状物又は汚泥を含む前記有機性エネルギー資源を流動化させる中和混合流動化手段と、
前記液状物又は前記汚泥以外の前記有機性エネルギー資源を粉砕する粉砕機を有する粉砕手段と、を含んで構成されることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管システムは、
有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、を有し、
前記複数の原料保管槽が、少なくとも、糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、繊維質リッチ槽、及び、混合タイプ槽を含むことを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管システムは、上記(又は(6)において、
前記原料保管槽選択手段は、予め定められた選択優先順位に基づいて前記保管先を選択し、
前記選択優先順位は、前記混合タイプ槽を最優先の選択先とし、次いで前記分析した主栄養素に対応した保管先を選択するように順位付けされていることを特徴とする。
)本発明のバイオマス原料保管システムは、
有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、
取引先で用いられるバイオマス原料の情報を受信する受信手段と、
当該取引先のバイオマス原料の成分に基づいて、前記取引先へ供給する前記バイオマス原料の保管槽を決定する供給バイオマス原料決定手段と、をさらに含むことを特徴とする。
(9)本発明のバイオマス原料保管システムは、上記(5)〜(7)のいずれかにおいて、
取引先で用いられるバイオマス原料の情報を受信する受信手段と、
当該取引先のバイオマス原料の成分に基づいて、前記取引先へ供給する前記バイオマス原料の保管槽を決定する供給バイオマス原料決定手段と、をさらに含むことを特徴とする。
本発明のバイオマス原料保管方法および保管システムによれば、所定の量のバイオマス原料の保管に際して、バイオマス原料の発酵を制御し、さらに、所定の時間安全に保管できる。
さらに、本発明のバイオマス原料保管方法および保管システムによれば、バイオマス原料を取引する際にも意図しない発酵を制御することが可能となり、安全な輸送を行うことが可能となる。
第1実施形態におけるバイオマス原料保管方法を示すフローチャートである。 バイオマス原料保管システムの模式図である。 第2実施形態におけるバイオマス原料保管方法を示すフローチャートである。
次に本発明を実施するための実施形態について説明する。
≪第1実施形態≫
[バイオマス原料保管方法]
まず本発明の第1実施形態におけるバイオマス原料保管方法について、図1を適宜参照しながら説明する。
図1に示すとおり、本実施形態のバイオマス原料保管方法は、例えば、バイオマス原料から嫌気発酵によりバイオガスを生成するバイオガス発生システム中において有効に活用可能な方法である。
より詳細には、本実施形態のバイオマス原料保管方法は、有機性エネルギー資源を受け入れる受入工程(ステップ1)と、受け入れした有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量を分析する原料分析工程(ステップ2)と、分析の結果に基づき有機性エネルギー資源の主栄養素を特定する主栄養素特定工程(ステップ3)と、前記分析の結果に基づき、前記有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、複数の原料保管槽の中から、前記分析した有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管するための原料保管槽を選択する原料保管槽選択工程(ステップ4)と、この有機性エネルギー資源をバイオマス原料として、選択された原料保管槽に投入する投入工程(ステップ5)と、前記バイオマス原料が保管された原料保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御するための原料発酵制御工程(ステップ6)と、を有する。
なお本発明は少なくとも上記ステップ2、4及び6を含んでいればよく、以下では特に原料分析工程、原料保管槽選択工程および原料発酵制御工程について詳細に説明する。
<原料分析工程>
図1のステップ2で示される原料分析工程は、ステップ1で受け入れた有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量を分析する工程である。
受入工程において受け入れられた有機性エネルギー資源は、必要に応じて粉砕工程を経て、原料分析工程に提供される。
なお、本実施形態のバイオマス原料保管方法において、有機性エネルギー資源とはいわゆるバイオマス原料となる資源であり、食品廃棄物、あるいは食品以外の有機性廃棄物を含む。食品廃棄物としては、例えば野菜、果物、魚、肉などの他、加工済みの食品、調味料、等も含まれる。一方で有機性廃棄物としては、木材、落ち葉、草花、等が含まれる。
これらの有機性エネルギー資源に含まれる栄養素としては、糖質、脂質、タンパク質、繊維質、等が挙げられる。
そして従来、バイオガス発生システム中において、投入する有機性廃棄物の栄養素によって、メタンガスの発生効率が異なることが指摘されていた。この理由としては例えば、食品廃棄物中のタンパク質の分解により、アンモニア態窒素が生成され、メタン発酵を阻害すること等が挙げられる。
現時点において、嫌気性発酵の新陳代謝システムは完全に解明されていない。理論的には、炭水化物、脂質、タンパク質のメタンガス発生量の理論値は、各々、50%、68%、71%とも指摘されている(H. Schulz and B. Eder:バイオガス実用技術,オーム社出版局,pp. 24-30 (2002))。
一方で、実際のメタン発酵においては、発酵温度、アンモニア態窒素の濃度、pH、VFA濃度などの発酵環境に発酵性能が左右される。
本発明では、本発明者らが鋭意検討した結果、有機性エネルギー資源の栄養素を分析し、この有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、複数の保管槽の中から適切な保管槽を選択すること、及び、それら複数の保管槽を、それぞれ異なる条件で維持管理すること、により、保管槽に保管されたバイオマス原料の発酵を制御して安全に長期間保管できることを見出したものである。
本実施形態における原料分析工程として用いられる分析方法としては、具体的には、近赤外線などの赤外線分光法が好ましく適用されるが、これに限られるものではない。
例えば赤外線分光法以外にも、原料中の栄養素の定性・定量ができる公知の分析方法を使用することができ、例えば、高速液体クロマトグラフィーや、蛍光X線元素分析などによる方法等であってもよい。
本実施形態の原料分析工程によれば、分析を施した有機性エネルギー資源中における、栄養素の種類、及び各栄養素の含有量が明らかにされる。
原料分析工程において分析される栄養素の種類としては、本実施形態においては、後述するように、「糖質、脂質、タンパク質、繊維質、混合タイプ」の5種類とした。しかしながら「混合タイプ」を必須とする限りにおいてこれらの分類に限られるものではなく、「混合タイプ」以外については適宜設定することが可能である。
また、栄養素の含有量の単位としては、重量%であることが好ましいが、それに限られるものではない。
そして、この分析結果に応じて、後の保管槽選択工程20において、前記有機性エネルギー資源がバイオマス原料として保管されるための適切な保管槽が選択されることとなる。
<原料保管槽選択工程>
次に、本実施形態における原料保管槽選択工程について説明する。
図1のステップ4で示される保管槽選択工程は、上記した原料分析工程における分析結果に基づいて、有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管するための原料保管槽を選択するための工程である。すなわち、本実施形態においては、後述するとおりバイオマス原料を保管するための原料保管槽Tが複数設置されている。
本実施形態において複数の原料保管槽Tとしては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4及び、混合タイプ槽T5を含むことが好ましい。ここで、糖質リッチ槽T1は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して糖質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。同様に、脂質リッチ槽T2は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して脂質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、タンパク質リッチ槽T3は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比してタンパク質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、繊維質リッチ槽T4は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として、他の栄養素と比して繊維質が主栄養素として多く含まれるバイオマス原料を保管するための槽である。また、混合タイプ槽T5は、ある有機性エネルギー資源中の栄養素として他の栄養素と比して主栄養素となる栄養素がないバイオマス原料を保管するための槽である。
なお本実施形態においては、糖質リッチ槽T1は、糖質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽として設定した。同様に、タンパク質リッチ槽T2はタンパク質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、脂質リッチ槽T3は脂質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、繊維質リッチ槽T4は繊維質が50%以上含まれるバイオマス原料を保管するための原料保管槽、混合タイプ槽T5は主栄養素として50%以上含まれる栄養素がない原料を保管するための原料保管槽とそれぞれ設定した。
すなわち本実施形態においては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、及び、繊維質リッチ槽T4のいずれにも収容されない原料を収容するための保管槽として、上記した混合タイプ槽T5を設置した。
なお第2実施形態で後述するとおり、混合タイプ槽T5は様々な栄養素が混在する槽であることから、栄養素の分析を行わずに優先的に原料を収容するための保管槽として設定してもよい。
本実施形態の保管槽選択工程においては、原料分析工程を経たある有機性エネルギー資源が、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、及び、繊維質リッチ槽T4のいずれに収容されるか選択され、上記4槽のいずれにも収容されない場合には混合タイプ槽T5に収容されることとなる。
なお、受け入れられる原料分析工程を経た原料は、多くの場合には混合タイプ槽T5に収容されることとなる。
なお、本実施形態においては、保管槽選択工程における選択基準を、上記のように設定したが、本発明は上記のような設定に限定されるものではない。例えば「糖質が主栄養素として多く含まれる原料」として、糖質リッチ槽T1の設定を、「糖質が40%以上、且つ栄養素の中で最も多く含まれる」原料を保管するための保管槽、等に設定することも可能である。
いずれにせよ、本実施形態の保管槽選択工程では、主栄養素となる栄養素が存在しないと分析された場合に混合タイプ槽が選択されると共に、主栄養素となる栄養素を含む有機性エネルギー資源に対しては主栄養素によって区分けされた原料保管槽がそれぞれ選択される。
また、本実施形態においては、原料分析工程で分析する栄養素の種類を、「糖質、脂質、タンパク質、繊維質」の4種類としたが、これらの栄養素に限られず、適宜設定することが可能である。例えば、「炭水化物、脂質、タンパク質」の3種類に設定してもよい。そしてこの場合、設置される複数の原料保管槽Tとしては、「炭水化物リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽」の3つを少なくとも含むことが好ましい。
<原料発酵制御工程>
次に、本実施形態における原料発酵制御工程30について説明する。
図1のステップ6で示される原料発酵制御工程30は、上記保管槽選択工程において選択された原料保管槽T中において、原料のメタン発酵を制御させるために施される工程である。
すなわち、バイオガスを生成するバイオガス発生システム中においては、バイオマス原料がメタン発酵工程に供される前に、長期間保管されたり、輸送されたりする事態が想定される。この場合、バイオマス原料の発酵及びガスの発生を制御して、安全に保管できるように、原料を保管槽T内において適切に維持管理することが必要とされる。
具体的には、保管槽T内のバイオマス原料は、温度、pH、液体粘度、アルカリ度、VFA(揮発性脂肪酸及び低級脂肪酸)、TS(固形物濃度)などのパラメータにより維持管理される。
そして、本実施形態においては、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、混合タイプ槽T5が、それぞれ異なる条件で維持管理されていることが好ましい。なお各々の原料保管槽における管理条件は、発酵が制御されたコントロール下にある限り、上記のとおりそれぞれ異なる条件で維持管理されていてもよいし、ほぼ同じ条件で維持管理されていてもよい。
以下に、上記した維持管理の条件が異なる場合の具体的な条件の一例について説明する。
本実施形態においては、糖質リッチ槽T1には、糖質が50%以上含まれる原料が収容されている。糖質リッチ槽T1の維持管理のパラメータを「温度、pH、液体粘度」の3つとした場合、各々、以下の範囲内に維持されることが好ましい。
すなわち、糖質リッチ槽T1内においては、温度30±5℃、pH3〜6、液体粘度0.5〜20mPa・s、であることが、メタン発酵を制御するためには好ましい。
このように本実施形態では、前記原料発酵制御工程における原料保管槽の維持管理のパラメータが、少なくとも、原料保管槽内の温度、pH、液体粘度、のいずれかを含み、前記温度、前記pH、及び前記液体粘度の少なくとも1つは原料保管槽毎に異なるように管理されることが好ましい。
なお、上記した維持管理のパラメータを所定の範囲内とするため、原料保管槽T内は、加温したり、公知の物質等を添加したりしてもよい。
例えば、糖質リッチ槽T1内の温度を上記範囲内に維持するため、原料保管槽内に温度計を設置し、所定の時間ごとに温度を測定して、公知の加熱冷却装置により適宜加熱冷却を行ってもよい。
また、糖質リッチ槽T1内のpHを上記の範囲内に維持するため、原料保管槽内のpHを所定の時間ごとに測定し、公知の酸性液体(例えば、ギ酸、酢酸等の有機酸)やアルカリ性液体(例えば、水酸化ナトリウム水溶液など)を添加してもよい。
なお、本実施形態においては、糖質リッチ槽T1内の維持管理のパラメータを「温度、pH、液体粘度」の3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば「温度、pH」の2つとすることも可能である。
脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、及び、繊維質リッチ槽T4の各々の維持管理条件としては、例えば以下のように設定することができる。
(1)脂質リッチ槽T2
温度:40±5℃
pH:3〜6
液体粘度:0.5〜20mPa・s
(2)タンパク質リッチ槽T3
温度:30〜70℃
pH:3〜6
液体粘度:1〜15mPa・s
(3)繊維質リッチ槽T4
温度:20〜50℃
pH:3〜6
液体粘度:5〜20mPa・s
次に、本実施形態において、混合タイプ槽T5の維持管理条件について説明する。
本実施形態においては、上述したように、分析された有機性エネルギー資源において、糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、及び、繊維質リッチ槽T4のいずれの収容条件にも合致しなかった場合には、混合タイプ槽T5に収容される。
すなわち、混合タイプ槽T5内に収容されているバイオマス原料において、栄養素の含有量は、新たな原料が投入されるたびに変更されると予測できる。
よって、本実施形態においては、混合タイプ槽T5の維持管理のパラメータにおいて、設定範囲を、新たなバイオマス原料としての有機性エネルギー資源の投入の都度、変更することが可能である。
例えば、まず、混合タイプ槽T5内にバイオマス原料N1が100Kg収容されていることを想定する。バイオマス原料N1の栄養素の含有量としては、糖質40重量%、脂質30重量%、タンパク質15重量%、繊維質15重量%とする。
この時点で、混合タイプ槽T5の各パラメータの範囲は以下のように設定されている。
温度:20〜35℃
pH:3〜6
液体粘度:10〜20mPa・s
次に、混合タイプ槽T5内にバイオマス原料N2が新たに100Kg追加されたことを想定する。バイオマス原料N2の栄養素の含有量としては、糖質40重量%、脂質40重量%、タンパク質20重量%、繊維質0重量%とする。
そうすると、混合タイプ槽T5内にバイオマス原料N2が新たに追加された時点において、混合タイプ槽T5内の栄養素の含有量は、糖質40重量%、脂質35重量%、タンパク質17.5重量%、繊維質7.5重量%となる。
混合タイプ槽T5に原料N2が新たに投入された場合、維持管理の各パラメータの範囲を以下のように変更することが可能である。
温度:20〜40℃
pH:3〜6
液体粘度:10〜20mPa・s
なお上記の例では温度のみ条件を変更したが、温度、pH、および液体粘度の少なくとも1つを変更するようにしてもよい。
このように、混合タイプ槽T5の維持管理のパラメータにおいて、設定範囲を変更することにより、混合タイプ槽T5に収容されたバイオマス原料の発酵を適切に制御することが可能となる。
なお設定範囲の変更のタイミングに関しては、新たな原料の投入した時点でもよいし、定期的に槽内の栄養素を検出し、その時点で最適な範囲に変更してもよい。
また上記設定範囲の上限及び下限については、原料中における栄養素の種類や、周囲の温度等に鑑みて適切に設定することが可能である。
なお、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、混合タイプ槽T5の各槽の維持管理のパラメータを所定の範囲内とするため、各槽内を加温したり、公知の物質等を添加したりしてもよいことは、糖質リッチ槽T1についての説明と同様である。
[バイオマス原料保管システム]
次に図2を参照しつつ、本実施形態におけるバイオマス原料保管システム200について説明する。
同図に示されるとおり、バイオマス原料保管システム200は、バイオマス発電設備BPGを有するバイオマス発電事業者CM1、CM2とインターネットなどの公知のネットワークNを介して通信可能となっている。なお図示では合計2つの事業者がそれぞれPCやスマートフォンなどの情報端末ITを具備して例示されているが、ネットワークNを介して接続される事業者やその所在地は特に限定されず、局所的な地域や全国各地に無数存在することができる。
より具体的に本実施形態のバイオマス原料保管システム200は、有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段210と、前記資源受入手段210に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段220と、前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段230と、前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽Tと、特定した前記主栄養素に基づいて主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽Tの中から保管先を選択する原料保管槽選択手段240と、前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段250と、を含んで構成されている。
なお本実施形態では更に、取引先(バイオマス発電事業者CM1、CM2)で用いられるバイオマス原料の情報を受信する受信手段260と、当該取引先のバイオマス原料の成分に基づいて前記取引先へ供給する前記バイオマス原料の保管槽を決定する供給バイオマス原料決定手段270と、をさらに含むことが望ましい。これら受信手段260及び供給バイオマス原料決定手段270の具体例としては、後述する主栄養素特定手段230や原料保管槽選択手段240としても機能する公知コンピュータが例示できる。
これにより、例えばバイオマス発電事業者CM1におけるバイオマス発電設備BPGにおいて糖質分の多いバイオマス原料が必要な場合に、このニーズに対応して糖質リッチ槽T1から糖質分の多いバイオマス原料を、供給車両Cbを介してバイオマス発電事業者CM1へ供給することが可能となる。
ここで図2に示すとおり、資源受入手段210は、液状物又は汚泥を含む前記有機性エネルギー資源を流動化させる中和混合流動化手段210aと、前記液状物又は前記汚泥以外の前記有機性エネルギー資源を粉砕する粉砕機を有する粉砕手段210bと、を含んで構成されていてもよい。
中和混合流動化手段210aは、受け入れた有機性エネルギー資源のうち例えば液状物(水分、糖質、脂質、たんぱく質、繊維質の混在物)や汚泥などを貯留しつつ中和しながらミキシングする公知のミキサー付き容器が例示できる。
粉砕手段210bは、公知のローラーミルやジェットミルを備えた容器であり、上記した液状物や汚泥に比して粒度が高い有機性エネルギー資源が貯留される。
このように本実施形態のバイオマス原料保管システム200は、受け入れ時に有機性エネルギー資源の状態(粒の大きさや密度など)に応じて受け入れ先の槽を異ならせている。また図2に示すとおり、様々な有機性エネルギー資源を積載した運搬車両Caが資源受入手段210へ有機性エネルギー資源を搬入することが可能となっている。
複数の原料保管槽Tは、本実施形態では糖質リッチ槽T1、脂質リッチ槽T2、タンパク質リッチ槽T3、繊維質リッチ槽T4、及び、混合タイプ槽T5を含んで構成されている。上述のとおりこれらの種類分けは一例であって、例えば混合タイプ槽T5以外のいずれかを省略してもよい。
また、図示から明らかなとおり、混合タイプ槽T5は他の原料保管槽に比して大きな容量となっている。さらに、各原料保管槽Tには、それぞれ不図示のセンサーが配置されており、それぞれの保管槽内でどの程度のバイオマス原料が保管されているか検出することが可能となっている。
栄養素分析手段220は、上述のとおり近赤外線などの公知の赤外線分光法が好ましく適用される。さらに赤外線分光法以外にも、有機性エネルギー資源中の栄養素の定性・定量ができる公知の分析方法を使用することができる。
一例として、本実施形態では、日本ビュッヒ株式会社製の近赤外分析計NIRMasterを使用しているが、これに限られるものではない。
主栄養素特定手段230は、公知のCPUやメモリを含むコンピュータである。この主栄養素特定手段230は、栄養素分析手段220による分析の結果に基づいて、上記した原料分析工程で説明した分析を行う。これにより、分析した有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の種類や量が特定されることから、そのうちのいずれが主栄養素であるか特定される。
原料保管槽選択手段240は、予め定められた選択優先順位に基づいて保管先を選択する機能を有している。この原料保管槽選択手段240は、上記主栄養素特定手段230としても機能する公知のCPUやメモリを含むコンピュータである。
なお、上記した選択優先順位は、電子データとして上記メモリに格納されていてもよい。
本実施形態における選択優先順位の内容としては、(α)主栄養素となる栄養素が存在しないと分析された場合に混合タイプ槽T5が選択されると共に、(β)主栄養素となる栄養素を含む有機性エネルギー資源に対しては当該主栄養素によって区分けされた原料保管槽がそれぞれ選択される、というものである。
なお上記した選択優先順位は一例であって、例えば後述する第2実施形態のように、まず混合タイプ槽T5を最優先の選択先とし、次いで主栄養素となる栄養素を含む有機性エネルギー資源に対して当該主栄養素によって区分けされた原料保管槽を選択するようにしてもよい。
原料発酵制御手段250は、上記した原料発酵制御工程で説明した手法によって各原料保管槽Tに保管されたバイオマス原料の発酵を制御する機能を有している。より具体的に各保管槽T内には、それぞれ不図示の温度計、pH計、液体粘度計、アルカリ度計、VFA計などの各種計測機器が配設されており、これらの機器で計測されるパラメータが上記の所定範囲になるように原料発酵制御手段250によって維持管理される。
以上説明したように、本発明のバイオマス原料保管方法およびバイオマス原料保管システムによれば、バイオマス原料の発酵を制御しつつ所定の時間だけ安全に保管することができ、多くのバイオマス発電設備への原料供給に資することができる。
なお、上記実施形態においては、原料の発酵を制御することに主眼をおいて説明したが、本発明を効率的なメタン発酵及び高効率なメタンガス発生に適用することも可能である。
200 バイオマス原料保管システム
210 資源受入手段
220 栄養素分析手段
230 主栄養素特定手段
240 原料保管槽選択手段
250 原料発酵制御手段
260 受信手段
270 供給バイオマス原料決定手段
BPG バイオマス発電設備
CM バイオマス発電事業者

Claims (9)

  1. 受け入れした有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量を分析する原料分析工程と、
    前記分析の結果に基づき、前記有機性エネルギー資源に含まれる栄養素の量に応じて、複数の原料保管槽の中から、前記分析した有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管するための原料保管槽を選択する原料保管槽選択工程と、
    前記バイオマス原料が保管された原料保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御工程と、
    を有し、
    前記複数の原料保管槽が、少なくとも、糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、繊維質リッチ槽、及び、混合タイプ槽を含み、各々の槽がそれぞれ異なる条件で維持管理されていることを特徴とする、バイオマス原料保管方法。
  2. 前記保管槽選択工程では、
    主栄養素となる前記栄養素が存在しないと分析された場合に前記混合タイプ槽が選択されると共に、
    前記主栄養素となる栄養素を含む前記有機性エネルギー資源に対しては、当該主栄養素となる栄養素によって区分けされた前記原料保管槽がそれぞれ選択される
    ことを特徴とする、請求項に記載のバイオマス原料保管方法。
  3. 前記保管槽選択工程では、
    前記混合タイプ槽を最優先の選択先とし、
    次いで主栄養素となる栄養素を含む前記有機性エネルギー資源に対し、当該主栄養素となる栄養素によって区分けされた前記原料保管槽が選択される
    ことを特徴とする、請求項に記載のバイオマス原料保管方法。
  4. 前記原料発酵制御工程における原料保管槽の維持管理のパラメータが、少なくとも、原料保管槽内の温度、pH、のいずれかを含み、
    前記温度、又は前記pHは原料保管槽毎に異なるように管理されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のバイオマス原料保管方法。
  5. 有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
    前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
    前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
    前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
    特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
    前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、
    を有し、
    前記資源受入手段は、
    液状物又は汚泥を含む前記有機性エネルギー資源を流動化させる中和混合流動化手段と、
    前記液状物又は前記汚泥以外の前記有機性エネルギー資源を粉砕する粉砕機を有する粉砕手段と、を含んで構成されることを特徴とする、バイオマス原料保管システム。
  6. 有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
    前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
    前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
    前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
    特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
    前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、を有し、
    前記複数の原料保管槽が、少なくとも、糖質リッチ槽、脂質リッチ槽、タンパク質リッチ槽、繊維質リッチ槽、及び、混合タイプ槽を含むことを特徴とする、バイオマス原料保管システム。
  7. 前記原料保管槽選択手段は、予め定められた選択優先順位に基づいて前記保管先を選択し、
    前記選択優先順位は、前記混合タイプ槽を最優先の選択先とし、次いで前記分析した主栄養素に対応した保管先を選択するように順位付けされていることを特徴とする、請求項5又は6に記載のバイオマス原料保管システム。
  8. 有機性エネルギー資源を受け入れる資源受入手段と、
    前記資源受入手段に受け入れられた前記有機性エネルギー資源の栄養素を分析する栄養素分析手段と、
    前記分析した栄養素のうち主栄養素となる主栄養素を特定する主栄養素特定手段と、
    前記有機性エネルギー資源をバイオマス原料として保管する複数の原料保管槽と、
    特定した前記主栄養素に基づいて、主栄養素毎に区分された異なる前記複数の原料保管槽の中から保管先を選択する原料保管槽選択手段と、
    前記バイオマス原料が保管された保管槽内で、前記バイオマス原料の発酵を制御する原料発酵制御手段と、
    取引先で用いられるバイオマス原料の情報を受信する受信手段と、
    当該取引先のバイオマス原料の成分に基づいて、前記取引先へ供給する前記バイオマス原料の保管槽を決定する供給バイオマス原料決定手段と、を有することを特徴とする、バイオマス原料保管システム。
  9. 取引先で用いられるバイオマス原料の情報を受信する受信手段と、
    当該取引先のバイオマス原料の成分に基づいて、前記取引先へ供給する前記バイオマス原料の保管槽を決定する供給バイオマス原料決定手段と、をさらに含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載のバイオマス原料保管システム。
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