JP6694182B2 - 微小試料観測システム及び微小試料の観察方法 - Google Patents

微小試料観測システム及び微小試料の観察方法 Download PDF

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本発明は、位相差画像検査装置を用いた微小試料観測システム及び微小試料の観察方法に関する。
特許文献1には、可干渉性レーザの平行光束中に置かれた偏光ビームスプリッタと、液晶ディスプレイLCOS(Liquid Crystal on Silicon)の高精細画像書込み型画像表示器と、を備えて形成される多重マッチトフィルタ(MMSF: multiplexed Matched Spatial Filter )を有する光学系で、異なる形状の複数の被検査画像を同時検出する方法において、
前記高精細画像書込み型画像表示器が2つのセグメントに分けられ、それぞれのセグメントにフレネルレンズ機能と平面波発生機能を持たせた画像パターンを搭載し、
基準画像のサイズと回転角に応じて垂直または水平に平行移動させる対数極座標変換機能を持つ画像処理手段によって異なる形状の複数の基準画像についてそれぞれの対数極座標変換パターンを取得し、前記高精細画像書込み型画像表示器のフレネルレンズ機能搭載セグメントに、取得された異なる形状の複数の基準画像についてそれぞれの対数極座標変換パターンを重ねて書き込み、書き込まれた異なる形状の複数基準画像についての光回折されたそれぞれの対数極座標変換パターンと共に平面波の参照光を、前記高精細画像書込み型画像表示器に搭載のフレネルレンズ機能の焦点面に設置されたホログラム作成器上で同時に得て、干渉縞を形成する、画像識別の多重性を確保した多重マッチトフィルタを形成し、フレネルレンズ機能搭載セグメントに、異なる形状の複数の被検査画像のそれぞれの対数極座標変換パターンを重ねて書き込み、可干渉性レーザ平行光束を前記高精細画像書込み型画像表示器に照射し、多重マッチトフィルタによって、同形状でサイズと回転角が基準画像と異なる被検査画像を同時に識別すること
を特徴とする異なる形状の複数の被検査画像を同時検出する方法が記載されている。
特許文献2には、レーザ光源、可干渉性拡大平行レーザ光束を形成するレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ、該フーリエ変換レンズの前側に設けられた物体導入手段、該フーリエ変換レンズの後焦点面に設けられてフーリエ変換像の光回折パターンを通す位相フィルタ、前記フーリエ変換レンズの後焦点面を前焦点面として設置され、位相フィルタを通過した高次の回折光および零次光を集光する逆フーリエ変換レンズ、および該逆フーリエ変換レンズの集光面に結像された光学像を撮影するために設置された電子カメラ、のそれぞれが光軸上に設置されて、から構成される、物体導入手段から投写される導入物体の位相差物体干渉像を形成する位相差画像作成光学系を備え、
該位相差画像作成光学系は、前記フーリエ変換レンズが可干渉性拡大平行レーザ光束中に設置されて、前記フーリエ変換レンズの前焦点面導入物体の画像を前記逆フーリエ変換レンズの後焦点面に結像させる該後焦点面の位置に、前記フーリエ変換レンズの前焦点面上の光軸上および光軸から直角方向に外方に外れた位置の導入物体の位相差像を広い視野で撮り込むことを特徴とする位相差画像表示装置が記載されている。
非特許文献1には、血液サンプル(Blood)を用いた場合の血中循環がん細胞CTC検査を行った例が示されている。血液サンプル(Blood)を用いた場合の血中循環がん細胞CTC検査を行った例を示す。
特許第5712728号公報 特許第5733940号公報
出典:ハーバード・メデイカル・スクール Murat Karabacak 氏 NEDO海外レポートNO.1105,2014.3.20
生体細胞の検査には、従来型の顕微鏡の検査機では視野が狭く、被写界深度が浅く、迅速で高精細な検査に難点があった。特許文献1あるいは特許文献2に記載されたレーザ位相差顕微鏡によれば、従来の位相差顕微鏡(光線の位相差をコントラストに変換して観察できる顕微鏡)の性能が、上述した光学フィルタを活用することで高められ、「広くて深い視野」を持つ位相差画像表示装置が実現された。
このような技術開発の結果、研究所や創薬会社へ、従来の観察手法を効率化したり、研究目的の効果を高める方法を提案したりすることが求められるようになった。また、血球検査や菌検査の検査技術を製品化している企業間のコラボレーションを図り、両者の製品を組み合わせて、検査作業の効果を高める方法を提案することが求められるようになった。
本発明は、かかる点に鑑み開発された「広くて深い視野」を持つ位相差画像検査装置を有効に活用することで、研究所、創薬会社化粧品製造会社、飲料水製造会社等の製造会社へ、効率化した観察手法を提供し、研究目的の効果を高める検査方法あるいは検査技術によって、検査作業の効果を高め、溶液中の微小試料の動きを継続的に観測することができ、画像解析がし易くなることで、企業間のコラボレーションを図るための情報を提供することを目的とする。
本発明は、具体的には、
干渉性のあるレーザ拡大平行光が、微小試料の流動する溶液に照射され、微小試料からの屈折・散乱・回折の画像情報が高口径比のレンズで受けられ、フーリエ変換されて散乱光を零次回折光と高次回折光に分けて、光の位相と強度が光学フィルタで自動加工後干渉され、画像形成されるようにして画像が生成される位相差画像検査装置からの計測された微小試料の画像が取得される微小試料観測システムであって、
前記位相差画像表示装置が流動路内を流動する溶液に対してその流動方向と並行するように対峙して設置され、
微小試料を含んだ溶液の流動路が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を流動する溶液に照射したときに、照射方向に対して直角方向に多数個並列させたときの該多数個並列させた微小試料を撮像可能な寸法の断面積を持つように形成され、
当該流動路に対する測定視野が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路と並行方向から照射される範囲で定まり、直角方向に、流動する微小試料の深みの設定された撮像画像が、流動する溶液と共に継続して撮影されることで取得されること
を特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、
流動する微小試料の深みの異なる撮像画像から微小試料についての数量情報と共に縁、核または/及び内部粒子についての性状が解析情報として取得されて、微小試料構造解析情報が形成されること
を特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、測定視野及び深みが、600μm×400μm以上の範囲で設定されることを特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、前記微小試料微細構造解析情報が、生死判別されたときに、生きた微小試料、死んだ微小試料、あるいは生きた微小試料及び死んだ微小試料についての微小試料微細構造解析情報であることを特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、溶液が生体細胞を含有する溶液であるとき、前記撮像画像が、微細構造画像が非染色状態で取得されることを特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、前記撮像画像が、0.5μm以下の微細サイズの細胞の撮像画像であることを特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、上述された微小試料観測システムにおいて、前記撮像画像が、膨大な数の血球粒子群の中の細胞についての撮像画像であることを特徴とする微小試料観測システムを提供する。
本発明は、干渉性のあるレーザ拡大平行光が、微小試料の流動する溶液に照射され、微小試料からの屈折・散乱・回折の画像情報が高口径比のレンズで受けられ、フーリエ変換されて散乱光を零次回折光と高次回折光に分けて、光の位相と強度が光学フィルタで自動加工後干渉され、画像形成されるようにして画像が生成される位相差画像検査装置からの計測された微小試料の画像が取得される微小試料観測システムによる微小試料観測方法であって、
前記位相差画像表示装置が流動路内を流動する溶液に対してその流動方向と並行するように対峙して設置され、
微小試料を含んだ溶液の流動路が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を流動する溶液に照射したときに、照射方向に対して直角方向に多数個並列させたときの該多数個並列させた微小試料を撮像可能な寸法の断面積を持つように形成され、
当該流動路に対する測定視野を、前記可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路と並行方向から照射される範囲で定め、直角方向に、流動する微小試料の深みの設定された撮像画像を、流動する溶液と共に継続して撮影することで取得され、
流動する微小試料の深みの異なる撮像画像から微小試料についての数量情報と共に縁、核または/及び内部粒子についての性状が解析情報として取得されて、微小試料構造解析情報が形成され、
前記微小試料微細構造解析情報が、生死判別されたときに、生きた微小試料、死んだ微小試料、あるいは生きた微小試料及び死んだ微小試料についての微小試料微細構造解析情報であること
を特徴とする微小試料観測システムによる微小試料観測方法を提供する。
本発明によれば、流動路に対する測定視野が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路と並行方向から照射される範囲で定まり、直角方向に、流動する微小試料の深みの設定された撮像画像が、流動する溶液と共に継続して撮影されることで取得され得る。また、流動する微小試料の深みの異なる撮像画像から微小試料についての数量情報と共に縁、核または/及び内部粒子についての性状が解析情報として取得されて、生死判別されたときに、生きた微小試料、死んだ微小試料、あるいは生きた微小試料及び死んだ微小試料についての微小試料微細構造解析情報微小試料構造解析情報を形成することができる。
これによって、広くて深い視野」を持つ位相差画像検査装置を有効に活用し、研究所、創薬会社化粧品製造会社、飲料水製造会社等の製造会社へ、効率化した観察手法を提供し、研究目的の効果を高める検査方法あるいは検査技術によって、検査作業の効果を高め、溶液中の微小試料の動きを継続的に観測することができ、画像解析がし易くなることで、企業間のコラボレーションを図るための情報を提供することができる。
本発明の実施例を説明する図。 血液に適用されたときの本発明の実施例を説明する図。 本発明の実施例で使用される広視野レーザ位相差顕微鏡の仕様の1例を示す図。 微小試料観測システム100をブロックで示す図。 本発明の実施例の概念を示す図。 セットにした微小試料画像写真を示す図。 菌(バクテリア)画像写真を示す図。 血球画像写真を示す図。 時々刻々に継続して計測された、血球粒子測定写真を示す図。 多重マッチトフィルタMMSF作成の参照光と物体光の簡便な光路作成法の説明図。 参照光と物体光の簡便な光路作成法を用いたMMSFによる複数形状の同時識別法の説明図。 複数の対数極座標変換画像のMMSFによる同時識別法の概略図。 サイズと回転角が異なる画像の対数極座標変換パターンの取得法の概略図。 サイズと回転角が異なる複数画像の同時識別法の概略図。 参照光と物体光の簡便な作成法を用いたMMSFによる複数形状の同時識別装置を示す図 サイズと回転角が異なる画像を含んだ複数形状画像の同時識別装置構成の概略図。 サイズと回転角が異なる画像を含んだ複数形状画像の同時識別のための一体型装置構成の概略図。 可干渉性レーザ平行光照射フーリエ変換像零次光干渉による位相差干渉画像計測装置の光学系説明図。 同一形状同一サイズの被検査粒子の異なる位置に対する光回折パターン構成位置と位相差画像撮影光学系を示す図。 位相物体の鮮明な位相物体干渉回折パターンと光回折パターンの位相差干渉画像との取得方法と装置の概略を示す図。 位相物体の鮮明な像を取得する反射型装置の概略を示す図。 位相物体の鮮明な干渉回折パターンを得る装置構成の概略と位相物体の複数形状の自動識別を可能にする方法と装置を示す図。 位相物体の複数形状の自動識別を可能にする方法と装置を示す図。 多重マッチトフィルタを用いた複数形状の同時識別と形状ごとの粒子の挙動の同時測定結果の例を示す図。 位相物体粒子のフーリエ変換像(光回折パターン)、フーリエ変換像(光回折パターン)と球面波零次光との干渉画像の例を示す図。 本発明の実施例の位相差画像表示装置の概略構成を示す図。 図26に示された図の内の最上の図を拡大して示す図。 引用文献2に記載された位相差画像表示装置の概略構成を示す図。 本発明の実施例の位相差画像検査装置及び引用文献2に記載された位相差画像を示す図。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を説明する図であり、図1は、本発明の実施例に使用される管の概略構造を示し、図2は、本発明の実施例として血液が採用されたときの管の概略構造を示す。
位相差画像検査装置については、詳細構造を図16以降に示す。位相差画像検査装置は、干渉性のあるレーザ拡大平行光を微小試料が流動する溶液に照射され、微小試料からの屈折・散乱・回折の画像情報が高口径比のレンズで受けられ、フーリエ変換されて散乱光を零次回折光と高次回折光に分けて、光の位相と強度が光学フィルタで自動加工後干渉され、画像形成されるようにして画像が生成される検査装置である。
この位相差画像検査装置で計測したデータである画像が本発明の実施例の微小試料観測システム100に取り入れられる。
微小試料観測システム100において、微小試料が並列に流動可能な溶液が流動する管1が設けられる。管1は、本体部分2、入口部分2、滞留部分3、計測部分4及び出口部分5から形成され、管1の内部に流動路6を持つ。微小試料とは、微小検査物のことであり、菌、バクテリア等の微生物、μmサイズの異物が検査対象になる。管1の内部に形成された流動路6内を0.5μm以下の微小試料を含む微小試料が並列に流動する。本発明の実施例は、サイズが0.5μm以下の微小試料を含み、それ以上のサイズの微小試料が検査対象となる。したがって、0.5μm以下の微小試料を含んだ微小試料とは、サイズが0.5μm以下の微小試料を撮像可能であって、それ以上のサイズの場合、微小試料が検査対象として含まれることになるということである。
位相差画像表示装置が流動路内を流動する溶液に対してその流動方向と並行するように対峙して設置され、微小試料を含んだ溶液の流動路が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を流動する溶液に照射したときに、照射方向に対して直角方向に多数個並列させたときの該多数個並列させた微小試料を撮像可能な寸法の断面積を持つように形成される。
このような微小試料としては、
・化粧品に含まれる微小試料
・飲料品に含まれる微小試料
・再生医療に必要なiPS細胞中の微小試料
・薬品中の微小試料
・血球中の微小試料
・微細細胞中の微小試料
・生体細胞中の微小試料
等がある。
図1において、入口部分2に、入口2Aが形成され、出口部分5に出口5Aが形成される。流動路6が入口部分2、滞留部分3、計測部分4及び出口部分5から形成される。計測部分4は、本体部分2の流動路6中央部に形成される。すなわち管1は、流路となる流動路6を備え、入口2Aから微小試料を含む溶液7が導入される。計測された微小試料を含む溶液7は、出口5Aから導出される。図には、流動路6に断面積を大きくした滞留部分3、滞留部3Aを備えた構造が示されるが、このような滞留部分3、滞留部3Aを備える必要がなく、ストレート構造の流動路としてもよい。
流動路を、微小試料が並列に流動可能な溶液が流動する。すなわち、流動路6は、微小試料が長手方向に対して直角方向(断面積方向)に並列に流動可能なほどのサイズの管径、あるいは大きさを持つ。微小試料を流下させる溶液は、入口2Aから取り込まれ、流動路6へと流れる。流動路6を流れる溶液の流動速度が予め設定される。また、流動路6の断面積は、予め知られる。
管1に面して、すなわち流動路6に面して上下方向に位相差画像検査装置が設置され固定される。
流動路内を流動する溶液に対峙して設置された位相差画像表示装置から、可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路に直角方向から照射されて当該流動路に対する測定視野が定められる。
測定視野が、流動路の長手方向に、長手方向対する直角方向断面全域を含んだ面積範囲に設定され、深みが、当該面積範囲の深さ方向に予め定めた範囲内を含むように設定される。
前記溶液が流動路内を流動する状態で、0.5μm以下の微小試料を含んだ微小試料についての撮像された画像が取り込み可能とされる。
継続的に計測された微小試料の縁、核または/及び内部粒子を撮像した複数の微細構造画像と該微細構造画像の解析がなされたときの解析情報とを含んだ微小試料微細構造解析情報が取得される。
測定視野が、例えば600μm×400μm以上の面積範囲に設定される。深みの調整幅は、例えば5μm以上の範囲内を含むように設定される。例えば5μm以上とすることで、並行に流れる0.5μmの微小試料の10倍の範囲をカバーする。
細胞の場合、計測された微小試料の微小試料の縁、核または/及び内部粒子が細胞の縁、核または/及び内部顆粒である。
撮像された画像に基づいて細胞について、生死判別による解析をすることが出来、生死判別されたときに、生きた微小試料、死んだ微小試料、あるいは生きた微小及び死んだ微小試料についての微小試料微細構造解析情報が取得される。
この実施例では、例えば微小流体技術を用いたCTC(Circulating Tumor Cells)-ichipシステムでCTCと白血球だけを慣性集束の広い流動路内に流し入れたそれらの粒子群を上述の広い視野、深みで、染色することなく同時並列に検査をした。慣性集束された広い流動路内を並列に流れるCTC粒子と白血球を同時に形状識別して選り分け、検査した。広くて深い視野での非染色並列高速検査がなされた。
図2は、非特許文献1に記載された血液サンプル(Blood)を用いた場合の微細血中循環がん細胞CTC検査を行った例を示す。この例では、管2は、2つの流動路を持ち、2つの入口を持つ。測定視野は双方の流動路をカバーする。一方の入口から血液が導入され、他方の入口から分離用溶液が導入された。微小流体技術を用いたCTC-ichipシステムは、まず大きさで血液サンプルの中の血球を分類した。赤血球、血小板、他小粒子と白血球と血中循環がん細胞CTCとの分類し、それにより血中循環がん細胞CTCと白血球が一方の流動路である慣性集束のチャンバに入れられ、それらの血球を一列縦隊に並べた状態で、位相差画像検査装置による計測が継続的になされた。画像が双方の流動路について取得された。その後、磁気ビーズで標識された血球を変更させ、血中循環がん細胞についての計測が続行された、取得された画像を基に血中循環がん細胞についての解析がなされた。これによって微小試料微細構造解析情報が取得された。
図2(a)に代えて図2(b)に示される構造の管2が採用されてもよい。この例では、測定視野7は、下方の流動路について設定され、上方の流動路については設定されない。それにより血中循環がん細胞CTCと白血球が一方の流動路である慣性集束のチャンバに入れられ、それらの血球を一列縦隊に並べた状態で、位相差画像検査装置による計測が継続的になされた。
図3は、位相差画像検査装置の典型的な広視野レーザ位相顕微鏡の仕様例を示す。対物レンズは、これらの例に限定されずに使用可能である。
図4は、微小試料観測システム100をブロックで示す。このシステムは、パソコン内に形成される。
微小試料観測システム100は、入力手段11、演算処理手段12、出力手段13、記憶手段14及び画像表示手段15を備える。画像表示手段15は、画面15Aを備え、画像を表示することが出来る。
入力手段11は、
・溶液情報(流動速度・溶液量)
・広く、深い視野で撮像された画像情報
・解析情報
を入力する。位相差画像検査装置から、取得された画像が撮像ごと時々刻々に取り入れられる。解析情報が、画像解析者によって解析されたときに解析情報として、あるいは解析装置で解析されたときには解析装置から電子情報として入力される。
演算処理手段12は、
細胞の場合、断続的に計測された微小試料の細胞の縁、核または/及び内部顆粒を撮像した微細構造画像を含み、微細構造の解析がなされたときに溶液流動状態の微小試料微細構造解析情報を取得する。
解析には、
・画像中の微小試料の数の取得
・微小試料が並列に流動する溶液の特定の容量中に存在する微小試料の数量の取得
・溶液全量中の微小試料数量の観測データ
を含め得る。
出力手段13は、
演算処理手段12で取得した微小試料微細構造解析情報を出力する。
・微小試料微細構造解析情報には、観測された溶液所定量中の微小試料数量が含まれる。
記憶手段14は、
・過去の観測データを含む微小試料情報
・微小試料数量閾値情報
を記録する。また、位相差画像表示装置情報が含まれる。
画面表示手段15は、出力手段が出力するデータを画面15Aに画像として表示する。
図5は、本発明の実施例の概念を示す。
流動路内を流動する溶液に対峙して設置された前記位相差画像表示装置から、可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路に直角方向から照射されて当該流動路に対する測定視野が定められる。
上述したように、位相差画像検査装置から、送出された継続的に計測された微小試料の縁、核または/及び内部粒子を撮像した微細構造画像が微小試料観測システム100に取り入れられる。
画像解析がなされ、細菌数や最近サイズ、蛍光強度などを詳細に解析される。個々の生理状態や属種などを、解析を通じて知ることが出来る。また、コンピュータを用いて一定の基準で解析を行うと、迅速に客観的な解析結果を得ることが出来る。位相差画像検査装置と画像解析システムとを組み合わせることで、肉眼では検出できなかった微小試料の特徴が観測される。
観測視野は、流動路の長手方向に、長手方向対する直角方向断面全域を含んだ面積範囲に設定されるが、典型的には、600μm×400μm以上の範囲に設定される観測視野は、倍率と関係するが、1mm×1mmにも設定することができる。
深みが、当該範囲の深さ方向(流動方向に対して直角方向)に予め定めた範囲内を含むように設定される。5μm以上に設定するのがよいが、1.5mmにも設定可能であり、典型的には20μmという深い深さに設定できる。前記溶液が流動路内を流動する状態で、0.5μm以下の微小試料を含んだ微小試料についての撮像された画像が取り込み可能とされ、継続的に計測された微小試料の縁、核または/及び内部粒子を撮像した複数の微細構造画像と該微細構造画像の解析がなされたときの解析情報とを含んだ微小試料微細構造解析情報が取得される解析情報は、位相差画像表示装置の複数の使用者からインターネットを介して送信されたものを取り入れるようにしてもよい。
図6は、継続的に計測された微小試料の細胞の縁、核または/及び内部顆粒を撮像した複数の一連の微細構造画像を示す。本例では時々刻々に、すなわち連続して断続的に撮影された4枚セットとなった写真組を示す。複数枚であればよく、4枚セットに限定されない。
各フレームに示すように、上図における一つの微小試料が下図に拡大して示された。また、各写真を一つの写真に集合させ、流動状態を観測することができる。
このように断続的に撮影された写真をセットとすることで、写真について分析装置によって、あるいはその分野で精通した人間の解析と通じて解析情報が的確に、迅速に得られ、セットになった写真と結合された総合的な情報が取得される。微細構造画像から撮像された微小試料の解析がなされたときの解析情報が取得される。
以下、事例について、撮像した複数の微細構造画像と解析情報とを結合した微小試料微細構造解析情報を示す。
事例1:菌(バクテリア)測定に適用した事例
図7は、時々刻々に継続して計測された、菌(バクテリア)測定写真である。
流動路に対する測定視野が、前記可干渉性拡大平行レーザ光束が当該流動路と並行方向から照射される範囲で定まり、直角方向に、流動する微小試料の深みの設定された撮像画像が、流動する溶液と共に継続して撮影された。
観測視野及び深さ:幅600μm〜800μm×深さ調整幅20μm
菌のサイズ:0.5μm以下
菌バクテリア測定写真から溶液流動状態の微小試料微細構造解析情報が取得された。
流動する微小試料の深みの異なる撮像画像から微小試料についての数量情報と共に縁、核または/及び内部粒子についての性状が解析情報として取得されて、微小試料構造解析情報が形成された。前記微小試料微細構造解析情報が、生死判別されたときに、生きた微小試料、死んだ微小試料、あるいは生きた微小試料及び死んだ微小試料についての微小試料微細構造解析情報であった。
事例2:血球測定に適用した事例
図8は、時々刻々に継続して計測された、血球粒子測定写真である。事例1と同様に撮影された。
観測視野及び深さ:幅600μm〜800μm×深さ調整幅100μm
血球のサイズ:白血球5μm以上 赤血球; 5μm程度
事例1と同様に、血球測定写真から液流動状態の微小試料微細構造解析情報が取得された。
上述の観測視野サイズと深さの領域で、白血球及び赤血球の数量を特定できた。また、白血球及び赤血球の形状・寸法別数量を特定できた。
事例3:血球計算盤に0.5μm粒子を入れて測定した事例
図9は、時々刻々に継続して計測された、血球粒子測定写真である。事例1と同様に撮影された。
観測視野及び深さ:幅600μm〜800μm×深さ調整幅100μm
血球のサイズ:白血球5μm以上 赤血球; 5μm程度
事例1と同様に、血球測定写真から液流動状態の微小試料微細構造解析情報が取得された。
上述の観測視野サイズと深さの領域で、白血球及び赤血球の数量を特定できた。また、白血球及び赤血球の形状・寸法別数量、大きさを特定できた。
これらの撮影を非染色でなし、観測することができた。
これらの事例から分かるように、菌類の解析には、0.5μm以下の微小試料の写真が必要とされ、0.5μm以下の微小試料を撮影したセット写真は、微生物の解析に有効な手段を提供する。微小試料によっては、解析にこれほどまでの性能を必要ではないが、汎用性を所持させるために0.5μm以下の微小試料の写真撮影が出来るようにしておくのがよい。
このように、測定視野が、流動路の長手方向に、長手方向対する直角方向断面全域を含んだ範囲に設定され、深みが、当該範囲の深さ方向に予め定めた範囲内を含むように設定され、溶液が流動路内を流動する状態で、0.5μm以下の微小試料を含んだ微小試料についての撮像された画像が取り込み可能とされ、継続的に計測された微小試料の細胞の縁、核または/及び内部顆粒を撮像した複数の微細構造画像と該微細構造画像の解析がなされたときの解析情報とを含んだ微小試料微細構造解析情報が取得された。
以下、位相差画像検査装置について述べる。
図10〜図17に示される位相差画像検査装置(1)は、特許文献1に記載された位相差画像検査装置である。
図10に、高精細画像書込み型画像表示器上で物体光と参照光を簡便に作成し、多重マッチトフィルタMMSFを容易に作成する方法の概略を示した。
レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)105に照射する。LCOS105上には、該LCOS105が2つのセグメント(領域)に分けられ、それぞれのセグメントにフレネルレンズパターンと回折格子(白黒のロンキーパターン)の格子状パターンが書き込まれており、LCOS105に可干渉性平行レーザ光束が照射されると前記のパターンによるフレネルレンズ機能と平面波発生機能が出現する。LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に識別したい異なる形状の複数基準画像が重ねて書き込まれれば、可干渉性平行レーザ光はLCOS105で反射され、λ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通って、搭載されたフレネルレンズの焦点面に置かれたPPH107上に、複数基準画像の光回折パターン群が零次光中心に重なって現われ、また、参照光が同時に現われて、複数基準画像の光回折パターン群と参照光がホログラム作成器106のホログラム乾板面に干渉縞を構成する(114、115参照)。例として示された光回折パターンの平面波との干渉縞14,15はそれぞれの光回折パターンが平面波参照光と干渉したものであり、PPH106上で零次光中心に重なって現われる。なお、図中の112、113はそれぞれAとBの光回折パターンの参照光との干渉縞を示している。参照光とそれぞれの基準画像との位置によって交差角が異なるから、それらの干渉縞の縞間隔は異なり、それぞれの基準画像の光回折パターンは重なっても分離可能となる。
従って、それらの干渉縞を多重ホログラムとして光導伝プラスチックホログラムPPH作成器106上に書き込めば、前記複数の基準画像のそれぞれの光回折パターンと参照光との干渉縞の縞間隔を異にするホログラムを得ることができる。これによって、すなわち、各基準画像の光回折パターンの搬送周波数を異にすることによって、画像識別の多重性を確保した多重マッチトフィルタ(MMSF: multiplexed Matched Spatial Filter )106を作成することができた。以上に述べた方法によって、MMSF作成用の参照光の光路を、ハーフミラー等の光学部品によって特に構築することなく、高精細画像書込み型画像表示器上で簡便に作成することができた。本発明によって、MMSFがホログラム作成器上で簡便に作成可能となった。
なお、多重マッチトフィルタMMSFに基準画像を投影する方法は、PCで制御されたCCDカメラで撮り込まれた複数の異なる形状の基準画像あるいはPCから送られた複数の異なる形状の基準画像を、LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に投影することによって行われる。以上のMMSF作成法が実験的に確かめられた。(図10参照)。
図11に、高精細画像書込み型画像表示器上で物体光と参照光の発生機構を構築し、多重マッチトフィルタMMSFを簡便迅速に作成して、MMSFで複数の異なる形状ごとの画像の空間分布や数を簡便迅速に識別することを可能とする、本発明の方法の概略を示した。
さて、MMSFの作成は前項で述べた如くに行われた。そして、PPH106上で作成されたMMSFを前焦点として参照光の光軸上に集光レンズ108を設置し、集光108の後焦点面を画像識別結果の相関光群の出現面として、これをCCDカメラで撮影することによって、複数の異なる形状ごとの画像の空間分布や数を同時並列に測定することができた。図11にはその測定法の概略が示されている。
レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)105に照射する。LCOS105上には、該LCOS105が2つのセグメント(領域)に分けられ、それぞれのセグメントにフレネルレンズパターンと格子状パターンが書き込まれている。異なる形状の複数の基準画像のMMSFの作成はつぎのように行われた。前記LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に、PCで制御されたCCDカメラで撮り込まれた複数の異なる形状の基準画像あるいはPCから送られた複数の異なる形状の基準画像を投影する。前記LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に、一例として、AとBの基準画像が重ねて書き込まれた状態を示した(LCOS画面111参照)。
そのLCOS105にレーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS105からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通ってPPH106上でMMSF106を構成する。
複数の異なる形状の画像の検査はつぎのように行われた。LCOS105上に基準画像作成時と同じ形のフレネルレンズのパターンを書き込み、そこにCCDカメラまたはPCから被検査画像を重ねて投射する(LCOS画面116参照)。このLCOS105の画面に可干渉性レーザ平行光束を照射すれば、λ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通ってMMSF106に照射された被検査画像の光回折パターン群は、MMSF106によって識別され、集光レンズ108の後焦点面上に、被検査画像を示す相関光が、各形状の基準画像の設定位置を中心に点対象に同時に出現する。従って、この相関光群をCCDカメラ109で撮影すれば、基準画像の形状ごとに被検査画像の位置と数が検出される。この方法は実験的に成立することが確認された。(図11参照)。
異なる複数形状画像のそれぞれに対応する対数極座標変換パターンがサイズ変化と回転変化に応じてそれぞれが同一形状で垂直または水平に平行移動する。従って、それぞれの基準画像の形状に応じて垂直または水平に平行移動する被検査画像と基準画像の対数極座標変換パターンを多重マッチトフィルタ識別法で識別可能にする方法を開発した。
図12にその方法の概略を示した。
レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)105に照射する。LCOS105上には、該LCOS105が2つのセグメント(領域)に分けられ、それぞれのセグメントにフレネルレンズパターンと格子状パターンが書き込まれている。異なる形状の複数の基準画像の対数極座標変換パターン群のMMSFの作成はつぎのように行われた。
LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に、PCで制御されたCCDカメラで撮り込まれた複数の異なる形状の基準画像の対数極座標変換パターンあるいはPCから送られた複数の異なる形状の基準画像の対数極座標変換パターンを投影する。前記LCOS105上のフレネルレンズパターン領域に、一例として、AとBの基準画像の対数極座標変換パターンが重ねて書き込まれた状態を示した(LCOS画面111参照)。
そのLCOS105にレーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS105からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通ってPPH106上でMMSF106を構成する。
複数の異なる形状画像の対数極座標変換パターンの検査はつぎのように行われた。LCOS105上に基準画像作成時と同じ形のフレネルレンズのパターンを書き込み、そこにCCDカメラまたはPCから被検査画像の対数極座標変換パターンを重ねて投射する。このLCOS105の画面に可干渉性レーザ平行光束を照射すれば、λ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通ってMMSF106に照射された被検査画像の光回折パターン群は、MMSF106によって識別され、集光レンズ108の後焦点面上に、被検査画像を示す相関光が、各形状の基準画像の設定位置を中心に点対象に同時に出現する。従って、この相関光群をCCDカメラ109で撮影すれば、基準画像の対数極座標変換パターンの形状ごとに被検査画像の対数極座標変換パターンの位置と数が検出される。
図13のLCOS画面131に示すように、フレネルレンズのパターンが書き込まれたLCOS105上に、例えば文字AとBのような複数の検査画像がCCDカメラまたはPCから重ねて書き込まれたときに、図13に示す対数極座標変換機構を用いれば、検査画像の対数極座標変換パターンは検査画像のサイズと回転角が変化しても、それぞれの画像の対数極座標変換パターンの大きさは変らず、検査画像のサイズと回転角の変化に対応して対数極座標変換パターンの位置が上下左右に変化するだけである。
一例として、フレネルレンズのパターンが書き込まれたLCOS105上にAとBの文字を同時に重ね書きして得られる複数の検査画像の対数極座標変換パターンの取得機構の概要説明を図13に示した。
上記複数検査画像をLCOS105に重ね書きして、該LCOS105に、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS105からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通って、対数極座標変換パターンとフレネルレンズのパターンとが重ね書きされている第二のLCOS120の画面に照射される。LCOS120で反射されたレーザ光は対数極座標変換されて波長板を通り、フレネルレンズ機能の焦点面に集光されて、複数の検査画像の対数極座標変換パターンが同時に得られる。それらの対数極座標変換パターンは検査画像のサイズと回転角の変化に対応してその位置が上下左右に変化する。
なお、第二のLCOS120の画面では、LCOS105からの照射光である検査画像AとBの回折光がフレネルレンズ機能の焦点面上で重なるが、検査画像の回折光の位相情報が保存されているために、それらの重なった対数極座標変換パターンは自動的に分離されてCCDカメラまたは空間光変調器の画像面121上に検査画像の位置に対応して分離されて出現する。
図14に、複数の異なる形状画像を基準画像として、基準画像に対してサイズ変化や回転角変化した複数画像を含めた被検査画像を、基準画像の形状ごとに同時識別し、その形状ごとの空間分布と数を同時表示する方法の実施例を示した。
検査画像のサイズと回転角が変化したときに検査画像の対数極座標変換パターンは同一サイズでその位置が上下左右に変化する。従って、図13に示した、同一形状で異なるサイズや回転角の検査画像を対数極座標変換パターンの位置の変化に直す方法と、図12に示した、空間分布する複数の検査画像の対数極座標変換パターンを分離して同時に識別する方法、とを合体させて、検査画像のサイズと回転角が変化したときでも、同一形状の画像であることが識別できる方法を図14に示すように構成した。
フレネルレンズのパターンが書き込まれたLCOS105上に、図14に示すように、例えばAとBの文字のような複数基準検査画像を重ね書きして、該LCOS105に、レーザ1から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS105からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通って、対数極座標変換パターンとフレネルレンズのパターンとが重ね書きされている第二のLCOS120の画面(LCOS画面132参照)に照射される。LCOS120で反射されたレーザ光は対数極座標変換されて波長板を通り、フレネルレンズ機能の焦点面に集光されて、複数の基準検査画像の対数極座標変換パターンが同時に得られる。なお、それらの対数極座標変換パターンは基準検査画像のサイズと回転角の変化に対応してその位置が上下左右に変化する。前記で得られた基準画像の対数極座標変換画像をCCDカメラまたは空間光変調器の画像面121上で、CCDカメラで撮り込みまたは空間光変調器の入射面に照射して、それらの基準画像の対数極座標変換画像をLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に重ね書きする。
そして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、光導伝プラスチックホログラムPPH乾板上に基準画像の対数極座標変換画像と参照光の干渉画像が得られ、PPHをその場現像して基準画像の多重マッチトフィルタMMSFを作成することができる。
基準検査画像とサイズや回転角が異なるものも含めた複数の被検査画像の識別はつぎのように行われた。
被検査画像をLCOS105上に重ね書きして、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS105上に照射すれば、CCDカメラまたは空間光変調器の画像面121上で被検査画像の対数極座標変換画像が得られ、それをLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に自動的に重ね書きするようにして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、基準画像が書き込まれたPPH146で自動的に形状識別されて、基準形状画像ごとに識別された相関光が集光レンズ148の後焦点面に基準形状ごとに分離して現われる。それをCCDカメラで撮影すれば、異なる形状の複数画像がサイズや回転角の変化にかかわらず同時に識別される。
従来の技術では、多重情報を分離するために用いられる参照光作成照射法において、参照光の照射光学系が物体光の光学系に重なって、識別光学系の寸法を長くし、複雑にするという欠点があった。これに対して、特別な参照光作成光路をつくらずに高精細画像書込み表示器で参照光の光路を構成する簡便な光学系で、多重マッチトフィルタMMSFを作成し、複数形状の画像を同時自動識別可能にする装置が提供された。
図15に示す如く高精細画像書込み表示器で参照光の光路を構成する装置は、外部振動を防ぐために1本の光学レール152の上に、可干渉性レーザ光源101、レーザ平行光作成光学系を構成する凹レンズ102と凸レンズ103、λ/2板107を載せた光学ベース、偏光ビームスプリッタ104、液晶ディスプレイLCOS(Liquid Crystal on Silicon)等の高精細画像書込み型画像表示器105、光導伝プラスチックホログラム(PPH)作成器106、PPH106を前焦点面とした集光レンズ108、集光レンズ108の後焦点面を焦点面として設置されたCCDカメラ等の撮影機109を、一体として設置し、高精細画像書込み表示器で参照光の光路を構成する簡便な光学系で、多重マッチトフィルタMMSFを作成し、複数形状の画像を同時自動識別可能にするように、構成された。
この装置を用いて複数形状の画像を同時自動識別はつぎのように行われた。可干渉性レーザの平行光束中に置かれた偏光ビームスプリッタ104と、LCOS等高精細画像書込み型画像表示器、とで構成される光学系において、LCOS等の該高精細画像書込み型画像表示器105上に画面表示111に示すような二つのセグメントに分けたそれぞれのセグメントにフレネルレンズ機能と平面波発生機能を持たせた画像パターンを搭載する。
CCDカメラまたはPCから取り込まれた識別したい異なる形状の複数の基準画像を該高精細画像書込み型画像表示器105上のフレネルレンズ機能搭載セグメントにこれに重ねて書き込み、可干渉性レーザ平行光束を該高精細画像書込み型画像表示器105に照射することによって、前記の高精細画像書込み型画像表示器105上に書込んだ識別したい異なる形状の複数基準画像の光回折パターンを同時に発生させると共に平面波の参照光も同時に発生させて、前記高精細画像書込み型画像表示器105に搭載のフレネルレンズ機能の焦点面に設置されたホログラム作成器106上で、複数の基準画像の光回折パターン群と参照光とを同時に得て、ホログラム作成面上に干渉縞を構成する。
該干渉縞をホログラムとしてホログラム作成器106上に書き込んで、前記複数の基準画像のそれぞれの光回折パターンと参照光との干渉縞の干渉縞間隔を異にすることによって、すなわち、各基準画像の光回折パターンの搬送周波数を異にすることによって、画像識別の多重性を確保した多重マッチトフィルタ(MMSF: multiplexed Matched Spatial Filter )106を作成する。
複数画像の検査はつぎのように行われる。
基準画像を設置した高精細画像書込み型画像表示105の画像表示面に基準画像作成時に書き込んだフレネルパターンと同じ機能を持つパターンだけを書き込み、その同じ画像表示面に外部のCCDカメラから取り込んだまたはPCから取り込んだ複数の被検査画像を高精細画像書込み型画像表示器105の全面にフレネルパターンが書き込まれた画面に重ねて書き込んで、画像表示面にレーザ光を照射すれば、MMSF作成時に発生した参照光の光軸上にMMSFを前焦点面として設置された集光レンズ108の後焦点面上で、各基準画像に対する相関光群が、異なる形状ごとに基準画像設置位置を中心にして被検査画像の位置と点対象の位置に得られ、該相関光群を集光レンズ8の後焦点面で、CCDカメラ等の画像撮影機109で取得して、複数の異なる形状ごとの画像を自動的に識別可能にした。
これによって、特別な参照光作成光路をつくらずに高精細画像書込み表示器で参照光路を構成する簡便な光学系で、多重マッチトフィルタMMSFを作成し、複数形状の画像を同時自動識別可能にする装置が開発された。
図16に、複数の異なる形状画像を基準画像として、基準画像に対してサイズ変化や回転角変化した複数画像を含めた被検査画像を、基準画像の形状ごとに同時識別し、その形状ごとの空間分布と数を同時表示する装置の実施例を示した。
外部振動を防ぐために1本の光学レール155の上に、可干渉性レーザ光源101、レーザ平行光作成光学系を構成する凹レンズ102と凸レンズ103、λ/2板107、偏光ビームスプリッタ104、CCDカメラ121、および、該偏光ビームスプリッタ104と共にその両脇にλ/2板107とLCOS(Liquid Crystal on Silicon)等の高精細画像書込み型画像表示器156およびLCOS120を搭載した光学ベースを載せて、検査画像のサイズと回転角の変化に対応して検査画像の対数極座標変換パターンの位置が上下左右に変化する複数の検査画像の対数極座標変換パターンが同時に得られ装置を構成する。
また、外部振動を防ぐために1本の光学レール151の上に、
画面表示134に示すような二つのセグメントに分けたそれぞれのセグメントにフレネルレンズ機能と平面波発生機能を持たせた画像パターンを搭載したLCOS(Liquid Crystal on Silicon)等の高精細画像書込み型画像表示器145、λ/2板147、該偏光ビームスプリッタ144、LCOS147のフレネルレンズ機能の焦点面にPPH作成器146、PPH作成器146を前焦点面とした集光レンズ148、集光レンズ148の後焦点面を画像の焦点面としてCCDカメラ149を、同時に光学レール151上に載せると共に、光学ベース152上に偏光ビームスプリッタ144と共に可干渉性レーザ光源101、レーザ平行光作成光学系を構成する凹レンズ102と凸レンズ103、λ/2板107を載せて、一体型に配置して設置し、LCOS等の高精細画像書込み型画像表示器145のフレネル機能を搭載したセグメントに前記検査画像の対数極座標変換パターン同時取得装置のCCDカメラ121から投入される複数の検査画像の対数極座標変換パターンが重ねて書き込まれれば、それらの対数極座標変換パターンの同時識別が自動的に行われる装置を構成する。
これらの2つの装置を一体化させて、検査画像のサイズと回転角が変化したときでも、
同一形状の画像であることが識別できる装置を図16に示すように構成した。
サイズと回転角が変化したものも含めた複数画像の同時識別はこの装置を用いてつぎのように行われた。
フレネルレンズのパターンが書き込まれたLCOS105上に、LCOS105につながったCCDカメラあるいはPCから、図16に示すように、例えばAとBの文字のような複数基準検査画像を重ね書きする(LCOS画面131参照)。そして、該LCOS105に、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS 105からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通って、対数極座標変換パターンとフレネルレンズのパターンとが重ね書きされている第二のLCOS120の画面(LCOS画面132参照)に照射する。LCOS120で反射されたレーザ光は対数極座標変換されて波長板を通り、フレネルレンズ機能の焦点面に集光されて、複数の基準検査画像の対数極座標変換パターンが同時に得られる。なお、それらの対数極座標変換パターンは基準検査画像のサイズと回転角の変化に対応してその位置が上下左右に変化する。前記で得られた基準画像の対数極座標変換画像をCCDカメラ121または空間光変調器の画像面121上で、CCDカメラで撮り込みまたは空間光変調器の入射面に照射して、それらの基準画像の対数極座標変換画像をLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に重ね書きする。
そして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、光導伝プラスチックホログラムPPH乾板上に基準画像の対数極座標変換画像と参照光の干渉画像が得られ、PPHをその場現像して基準画像の多重マッチトフィルタMMSFを作成する。
基準検査画像とサイズや回転角が異なるものも含めた複数の被検査画像の識別はつぎのように行われた。
LCOS105につながったCCDカメラあるいはPCから、被検査画像をLCOS105上に重ね書きして、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS105上に照射すれば、CCDカメラまたは空間光変調器の画像面121上で被検査画像の対数極座標変換画像が得られ、それをLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に自動的に重ね書きするようにして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、基準画像が書き込まれたPPH146で自動的に形状識別されて、基準形状画像ごとに識別された相関光が集光レンズ148の後焦点面に基準形状ごとに分離して現われる。それをCCDカメラ149で撮影すれば、異なる形状の複数画像がサイズや回転角の変化にかかわらず同時に識別された。
異なる形状の複数画像がサイズや回転角の変化にかかわらず同時に識別される装置を開発した。装置の概要を図17に示した。
外部振動を防ぐために1本の光学レール155の上に、可干渉性レーザ光源101、凹レンズ102と凸レンズ103、λ/2板107、偏光キューブ104、液晶ディスプレイLCOS等の高精細画像書込み型画像表示器121、を設置し、該偏光キューブ104の光軸直交軸の両側にそれぞれLCOS等の高精細画像書込み型画像表示器105および120とλ/2板107とを備えて構成される、複数の異なる形状の画像のサイズ変化と回転角変化に応じて垂直または水平に平行移動する対数極座標変換パターン群を簡便に得ることを特徴とする画像処理装置を設置する。同時に、光学レール155の上に、LCOS等の高精細画像書込み型画像表示器145、λ/2板147、光学ベース152上に可干渉性レーザ光源141、レーザ平行光作成光学系を構成する凹レンズ142と凸レンズ143、λ/2板147、偏光キューブ144、を搭載した一体の可干渉性レーザ平行光照射光学系、LCOS 145の焦点面に設置された光導伝プラスチックホログラム(PPH)作成器146、PPH146を前焦点面として設置された集光レンズ148、集光レンズ148の後焦点面を画像焦点面として設置されたCCDカメラ149、が搭載されて、全体の識別装置が構成される。これによって、異なる形状の複数画像がサイズや回転角の変化にかかわらず同時に識別される装置を構成した。
サイズと回転角が変化したものも含めた複数画像の同時識別はこの装置を用いてつぎのように行われた。
フレネルレンズのパターンが書き込まれたLCOS105上に、LCOS105につながったCCDカメラあるいはPCから、図17に示すように、例えばAとBの文字のような複数基準検査画像を重ね書きする。そして、該LCOS105に、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通して照射する。LCOS 5からの反射光はλ/2板107と偏光ビームスプリッタ104を通って、対数極座標変換パターンとフレネルレンズのパターンとが重ね書きされている第二のLCOS120画面に照射する。LCOS120で反射されたレーザ光は対数極座標変換されて波長板を通り、フレネルレンズ機能の焦点面に集光されて、複数の基準検査画像の対数極座標変換パターンが同時に得られる。なお、それらの対数極座標変換パターンは基準検査画像のサイズと回転角の変化に対応してその位置が上下左右に変化する。前記で得られた基準画像の対数極座標変換画像をCCDカメラ121または空間光変調器の画像面121上で、CCDカメラで撮り込みまたは空間光変調器の入射面に照射して、それらの基準画像の対数極座標変換画像をLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に重ね書きする。
そして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、光導伝プラスチックホログラムPPH乾板上に基準画像の対数極座標変換画像と参照光の干渉画像が得られ、PPHをその場現像して基準画像の多重マッチトフィルタMMSFを作成する。
基準検査画像とサイズや回転角が異なるものも含めた複数の被検査画像の識別はつぎの
ように行われた。
LCOS105につながったCCDカメラあるいはPCから、被検査画像をLCOS105上に重ね書きして、レーザ101から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ102、λ/2板107と凸レンズ103を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ104を通してLCOS105上に照射すれば、CCDカメラまたは空間光変調器の画像面121上で被検査画像の対数極座標変換画像が得られ、それをLCOS145上のフレネルレンズパターンが書き込まれたセグメント上に自動的に重ね書きするようにして、レーザ141から照射された可干渉性レーザ光を、凹レンズ142、λ/2板147と凸レンズ143を通して可干渉性平行光束とし、偏光ビームスプリッタ144を通してLCOS(Liquid Crystal on Silicon)145に照射すれば、基準画像が書き込まれたPPH146で自動的に形状識別されて、基準形状画像ごとに識別された相関光が集光レンズ148の後焦点面に基準形状ごとに分離して現われる。それをCCDカメラ149で撮影すれば、異なる形状の複数画像がサイズや回転角の変化にかかわらず同時に識別された。
図18〜図25に位相差画像検査装置(2)が示される。
図18に検査装置の概略を示した。装置は、可干渉性レーザ光源201、顕微鏡用対物レンズとピンホールであるいは逆ガウシアンフィルタでほぼ均一強度分布光とする光学系、レンズ202および203によって構成されるレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ207、該フーリエ変換レンズ207の前側に設けられた物体導入手段206、該フーリエ変換レンズ207の後焦点面に設けられてフーリエ変換像または光回折パターンの零次光だけを高次の回折光と異なる位相差光として通す位相フィルタ220と零次光の減光フィルタ208、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209、および、該逆フーリエ変換レンズ209の集光面に設置された電子カメラ210、のそれぞれが、外乱振動からの防振のために1本の光学レール224上または光学レール上の基盤に設置されて、位相差画像作成光学系を構成し、物体導入手段から投写される複数の被検査位相差形状群を大視野で簡便に観察を可能とすることを特徴とする、位相差画像検査装置、である。
作用はつぎのようになっている。レーザ光源201から照射された可干渉性光はレーザの後に設置された顕微鏡用対物レンズとピンホールであるいは逆ガウシアンフィルタでほぼ均一強度分布光とされ、レンズ202、203を通して平行光束として照射される。可干渉性平行光束中に置かれたフーリエ変換レンズ207の前側あるいはフーリエ変換レンズ7の前焦点面付近に設置された物体導入手段206に被検査物体を入れれば、そのフーリエ変換像(光回折パターン)はフーリエ変換レンズ207の後焦点面に形成される。該フーリエ変換像の零次光を、位相板(λ/4板)220を通し光強度調整の減光フィルタ208を通して、フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209を通せば、逆フーリエ変換した物体光と位相変換して減光し平行光とされた零次参照光とが逆フーリエ変換レンズ209の集光面で位相差物体の干渉像として、電子カメラ210で撮像される。
本装置においては、光源レーザとしては、LD:λ=660nm、30mWが用いられた。レーザの平行光束は光束中でほぼ均一強度分布を保つようにレーザ光源の後に顕微鏡対物レンズとピンホールを組み合わせた光学系または逆ガウシアンフィルタ光学系が設置されている。なお、物体導入手段206の位置は、フーリエ変換レンズ207の前焦点面付近がよいが、フーリエ変換レンズ207の前側であればよく、フーリエ変換レンズ207の前焦点面あるいは前焦点面付近である必要はない。
測定視界の深さと広さは従来法に比べて遥かに深くて広いことがつぎのことでも証明された。すなわち、深さは、物体導入手段206がフーリエ変換レンズ207の前焦点距離に限定することなくレンズ207に近付けて設置しても、同一検査物体からのフーリエ変換像はフーリエ変換レンズ207の後焦点面では全く同一の形状サイズになることからも検査視界の深さが従来法に比べて極端に深いことが認められる。このことは、つぎのことによって確かめられる。図19中で、破線で示される、散乱光とフーリエ変換像の光路図は、フーリエ変換レンズの前焦点面に検査物体を置いた場合のものであり、従来のフーリエ変換画像処理法で示されているものである。検査物体導入手段がフーリエ変換レンズの前焦点面以外に在っても、実線でフーリエ変換像を示すように、フーリエ変換レンズの後焦点面に同じサイズと同じ形状で同位置にフーリエ変換像が出現する。このことからも、被検査物体の位置の許容度は光軸方向に深いといえる。従って、視界の深さが従来法に比べて極端に深いことが分かる。
さらに、検査視界の広さは、被検査物体が光軸に対して直交方向に拡がっても、図19に示されるように、同一形状同サイズの物体の回折光像(光回折パターン)はフーリエ変換レンズ7の後焦点面で同じ位置に同じ形状で出現する。従って、測定視界の幅も広いことが確認できる。このように、測定視界の広さは、照射レーザ光の広さとフーリエ変換レンズの口径に依存するので、照射レーザ光を広い平行光束とし、フーリエ変換レンズは通常の顕微鏡レンズよりも口径の大きいものを使うことによって、検査視界の広さは、従来法に比べて極端に広くなった。
なお、被検査物体位置が光軸の前後にずれた場合の逆フーリエ変換像の位置のずれは、カメラレンズにテレセントリックレンズを使うことによって解消された。
また、位相フィルタ220は、素通しのガラス基板上の中心に位相板として直径2mm程度のλ/4板を張りつけたもの、または、位相板としてのλ/4板の中心を零次光が透過するような直径2mm程度の穴を開け、その穴に減光フィルタを付けたものが使われた。なお、中心に零次光を通す穴だけを開けた位相板を使う場合には、減光フィルタは零次光だけを減光するものが用いられる。
前記記載の位相差画像検査装置において、位相フィルタ220に代えて、透過型LCOS(液晶ディスプレイ)220を前記位相フィルタとして用いて位相差画像検査装置を構成すれば、LCOSの中心部すなわちフーリエ変換零次光が当たる部分の液晶と高次光が当たる部分の液晶の通過光の位相差設定がLCOS制御によって容易に行える。従って、位相差画像検査装置の構成に、位相差を容易に制御できることを特徴とする透過型LCOS(液晶ディスプレイ)220を前記位相フィルタとして用いて、位相差を容易に制御できる装置とすることができた。
簡便な位相物体干渉回折パターンの取得方法と装置の実施例はつぎのようであった。
図20に位相物体干渉回折パターンの取得方法と装置の実施例の概要を示す。位相差光学装置は、レーザ光源201、偏光板222、レンズ202とレンズ203で構成されるレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ207、該フーリエ変換レンズの前側に設けられた物体導入手段206、フーリエ変換レンズの後に設置された偏光ビームスプリッタ(PBS: Polarization Beam Splitter)204、該偏光ビームスプリッタ204の後で該フーリエ変換レンズ207の後焦点面に設けられて零次光だけを位相差光として位相差を与え減光して反射させ高次の回折光とは位相を異なるものとする位相フィルタと減光フィルタおよび反射鏡230あるいは反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230、該反射零次回折光を偏光ビームスプリッタ204、偏光板205、凹面鏡212を通して平行な位相差参照光として構成する光学系、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209または集光レンズ209、および、該逆フーリエ変換レンズ209の集光面に設置された電子カメラ210、のそれぞれが、外乱振動からの防振のために1本の光学レール224上または光学レール上の基盤225に設置されて、構成された。
物体導入手段206に一つまたは複数の物体を入れてレーザ平行光を照射すると物体形状を持つレーザ光が射出される。それをフーリエ変換レンズ207を通すことによって得られる物体形状のフーリエ変換(光回折)光を偏光ビームスプリッタ204に通し、位相物体のフーリエ変換像(光回折パターン)を得ることができる。
位相差参照光を前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面で得られる位相物体のフーリエ変換像(光回折パターン)と干渉させて、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面上で位相差干渉フーリエ変換像(光回折パターン)を作成させることができる。さらに、該位相差干渉フーリエ変換像(光回折パターン)を前記集光レンズ209を通して、前記集光レンズ209の集光面で結像させ、前記電子カメラ210で一つ一つの物体の位相差干渉画像を鮮明に把握する。この装置が、各位相差物体の詳細な位相差画像を得ることを特徴とする、フーリエ変換像(光回折パターン)の位相差干渉像作成装置、である。
この実施例に示す装置発明によって、生体細胞のような位相物体の鮮明な光回折パターンの位相差干渉画像を得ることが可能な、簡便な位相物体干渉回折パターンの取得方法と装置を提供することができた。
また、位相物体の鮮明な像の取得装置としては、図20で示される装置と多少異なった光路を持つ装置が提供された。図21にそれを示す。図21は図20に示される光学系を反射型にしたものである。
レーザ光源201、偏光板222、レンズ202、203により作成されるレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ207、該フーリエ変換レンズ207の前側に設けられた物体導入手段206、前記フーリエ変換レンズ207の後に設置された偏光ビームスプリッタ((PBS: Polarization Beam Splitter))204、該偏光ビームスプリッタ204の後で該フーリエ変換レンズ207の後焦点面に設けられて零次光だけを位相差光として高次の回折光と位相差を与える位相フィルタ205と零次光を減光させ反射させ、高次の回折光を減光させずに反射させる反射鏡230あるいは反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230で構成される光学系、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209、および、該逆フーリエ変換レンズ209の集光面に設置された電子カメラ210、のそれぞれが、外乱振動からの防振のために1本の光学レール224上または光学レール上の基盤225に設置されて、位相差光学系が構成されている。
前記物体導入手段206に一つまたは複数の物体を入れて物体形状をレーザ光で写し出し、それを前記フーリエ変換レンズ207を通すことによって得られる物体形状のフーリエ変換(光回折)光と、前記位相差参照光とを前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面で干渉させて、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面で位相差干渉フーリエ変換像(光回折パターン)を作成させ、さらに、該位相差干渉フーリエ変換像(光回折パターン)を、前記逆フーリエ変換レンズ209を通して、前記逆フーリエ変換レンズ209の集光面で結像させ、前記電子カメラ210で一つ一つの物体の位相差干渉画像を鮮明に把握すると、各位相物体の詳細な位相差画像を得ることができる。これが反射型のフーリエ変換像(光回折パターン)の位相差干渉像作成装置、となる。この光学装置を用いても位相物体の鮮明な像を取得することができた。
さらに、位相差画像検査装置によって、生体細胞のような位相物体の識別を容易にし、かつ、位相差を含めた異なる複数形状の粒子群を同一形状ごとに同時にその数や挙動を自動的に計測することができる、多重マッチトフィルタを用いた、位相物体の複数形状を形状ごとに数や挙動を自動計測する、方法や装置を提供した。
図22に位相差を含めた異なる複数形状の粒子群を同一形状ごとに同時にその数や挙動を自動的に計測することができる、方法や装置について述べる。
レーザ光源201、偏光板222、レンズ202、203を含むレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ207、該フーリエ変換レンズ207の前側に設けられた物体導入手段206、前記フーリエ変換レンズ207の後に設置された偏光ビームスプリッタ204、該偏光ビームスプリッタ(PBS: Polarization Beam Splitter)204の後で該フーリエ変換レンズ207の後焦点面に設けられて零次光だけを位相差光として位相差を与え減光して反射させ高次の回折光とは位相を異なるものとする位相フィルタと減光フィルタおよび反射鏡230あるいは反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230、該反射零次光を偏光ビームスプリッタ204、偏光板205、凹面鏡212を通して平行な位相差参照光として構成する光学系、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209、該逆フーリエ変換レンズ209の集光面に設置された電子カメラ210、および、前記反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230の後に設置された光導電プラスチックホログラム(PPH)作成器221、のそれぞれが、外乱振動からの防振のために1本の光学レール224上または光学レール上の基盤225に設置されて、位相差光学系を構成する。前記物体導入手段206に一つまたは複数の基準形状物体を入れてホログラムを作成して多重マッチトフィルタ221とし、該多重マッチトフィルタ221で前記物体導入手段206に入れた被識別物体の識別相関光を前記逆フーリエ変換レンズ209で集光し電子カメラ210で形状識別領域ごとの相関光を撮り込んで、位相物体の複数形状を基準形状ごとにその位置と数を自動識別することができる。
これが、位相物体の複数形状の自動識別を可能とすることを特徴とする、位相差物体の形状識別装置、となる。
図23には位相物体の光回折パターンの違いをさらに鮮明にさせて、位相物体の複数形状の自動識別を可能にする方法を示した。レーザ光源201、偏光板222、レンズ202、203を含むレーザ光拡大平行光構成光学系、レーザ光拡大平行光中に設けられたハーフミラー213で作成される参照光と物体光に分割する参照光作成光学系、物体光である可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ207、該フーリエ変換レンズ207の前側に設けられた物体導入手段206、前記フーリエ変換レンズ207の後に設置された偏光ビームスプリッタ204、該偏光ビームスプリッタ204の後で該フーリエ変換レンズ207の後焦点面に設けられて零次光だけを位相差光として、位相差を与え減光して反射させ高次の回折光とは位相を異なるものとする機能を持たせる位相フィルタと減光フィルタおよび反射鏡をまとめた光学部品230あるいは反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230、該反射零次光を偏光ビームスプリッタ204、偏光板205、凹面鏡212を通して平行な位相差参照光として構成する光学系、前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ209、該逆フーリエ変換レンズ209の集光面に設置された電子カメラ210、前記反射型LCOS(液晶ディスプレイ)230の後に設置された光導電プラスチックホログラム(PPH)作成器221、および、参照光作成光学系、のそれぞれが、外乱振動からの防振のために1本の光学レール上または光学レール上の基盤に設置されて、位相差光学系を構成し、前記物体導入手段206に一つまたは複数の基準形状物体を入れて前記フーリエ変換レンズ207の後焦点面で得られる。
そして、フーリエ変換像(光回折パターン)の位相差参照光との干渉像に、参照光作成光学系の光路から前記偏光ビームスプリッタ205を介して照射される参照光と二重に干渉させて、PPH作成器221の乾板上でホログラムをつくって多重マッチトフィルタとする。
該多重マッチトフィルタで前記物体導入手段206に入れた被識別物体の識別相関光を逆フーリエ変換レンズ209で集光し電子カメラ210で形状識別領域ごとの相関光を撮り込んで、位相物体の複数形状を基準形状ごとにその位置と数を自動識別することができる。これが、位相物体のフーリエ変換干渉像の多重マッチトフィルタを用いて位相物体の複数形状を同時並列に識別することを可能にする、詳細な位相物体の自動形状識別を可能にすることを特徴とする、位相差物体の形状識別装置、となる。
この実施例に示すように、本発明によって、生体細胞のような位相物体の識別を容易にし、かつ、位相差を含めた異なる複数形状の粒子群を同一形状ごとに同時にその数や挙動を自動的に計測することができる、多重マッチトフィルタを用いた、位相物体の複数形状を形状ごとに数や挙動を自動計測する、方法や装置を提供した。
なお、図23、あるいは図22に示す装置図において、形状識別はつぎのように行われる。複数の識別したい形状があるときには、多重マッチトフィルタであるホログラムの作成時に、基準となる識別したい形状を識別領域が重ならないようにそれらを多少離して設置し、ホログラムをつくる。基準の物体形状を互いに離して設置してホログラムをつくる理由は、識別形状の識別領域がホログラム上でお互いに重なりあわないようにするためである。
すなわち、形状識別にあたっては、その物体導入手段206に基準物体を入れて、レーザ光で基準物体形状を読み出し、フーリエ変換レンズ207の光軸中心の後焦点面に設置された光導伝プラスチックホログラム(PPH)作成装置221の多重マッチトフィルタの作成材料すなわちホログラム乾板の面上に基準物体のフーリエ変換画像を投射して、多重マッチトフィルタ221をつくる。
つぎに、複数形状識別の操作はつぎのように行われる。
多重マッチトフィルタ221で複数形状の同時識別を行う。なお、識別にあたっては、参照光は用いない。被識別物体を物体導入手段206に入れて、レーザ光照射された物体光を多重マッチトフィルタ221に照射すれば、基準画像と同じ形状画像があれば、その形状に対応した再生参照光が相関光として集光レンズ209の焦点面で集光される。再生参照光の集光点は物体導入手段206の基準形状を設置した位置を中心とした物体設置位置と点対象の位置に輝点として、集光レンズ209の焦点面に現われる。なお、集光レンズ209は多重マッチトフィルタ221を前焦点面として設置されている。この相関輝点の領域と位置を電子カメラ210で撮影すれば、被識別物体の形状と位置が実時間的に把握される。
なお、図24には、一般的な画像を用いて、多重マッチトフィルタによる複数形状の同時識別と形状ごとの粒子の挙動の同時測定が行われる例を示した。
図24に示した多重マッチトフィルタによる複数形状の同時識別と形状ごとの粒子の挙動の同時測定の手法を多少詳しく説明すれば、つぎのようである。図24(a)は図22または図23中の物体導入手段206中に置かれた基準形状△、☆と○の配置である。この配置の基準形状粒子に平行レーザ物体光を照射し、その物体光のフーリエ変換像(光回折パターン)をPPH(光導電プラスチックホログラム)221の乾板に物体光として照射し、参照光を同時にPPH乾板に照射してホログラムをつくる。そのホログラムが多重マッチトフィルタとなる。物体形状識別は、図24(b)に示すように○、☆、△の形状を物体導入手段に入れるとそれらの光回折パターンが多重マッチトフィルタ上に投影されて自動識別され、それぞれの物体光に対応した参照光が再生される。再生された参照光をホログラム面を前焦点面として設置された集光レンズ209の後焦点面で電子カメラ210で撮影すれば、物体形状の識別相関光が図24(c)に示されるように、それぞれの基準形状設置を中心にして被検査物体位置と点対象の位置現われる。
なお、図24中の(d)と(e)は形状ごとの粒子の挙動を実時間的に計測した例を示している。図24の(d)は○、☆、△の形状粒子が物体導入手段の視界中でそれぞれ大きな丸、星、三角の形状に従って動き、図24(e)には、集光レンズ209の集光面でそれぞれの形状粒子を検出したことを示す相関光の輝点がそれぞれの移動軌跡を描いていることが示されている。
図25には一例として、可干渉性平行光束中に置かれた杉花粉粒子、粒子のフーリエ変換像(光回折パターン)、およびフーリエ変換像(光回折パターン)干渉画像を示した。図25の、(A)は粒子画像、(B)はフーリエ変換像(光回折パターン)、(C)はフーリエ変換像(光回折パターン)と球面波零次光との干渉画像、を示す。
この例に示すように、可干渉性平行光束中の生体細胞などの位相差画像のフーリエ変換像(光回折パターン)干渉画像や位相差物体干渉画像が明確に把握された。
図26〜図29に示される位相差画像検査装置(3)は、本件特許出願人になる特願2016−9399に記載された位相差画像検査装置である。
図26に位相差画像表示装置300の全体概略を示す。図27は、図26のimage plane 位置での拡大図である。拡大図についての詳細説明は、図中に記載した。
図28は、図26に示した位相差画像表示装置300を容易に理解できるように対比して提示した特許文献2に記載された位相差画像表示装置300Aを示した。
図26に示した位相差画像検査装置300(位相差画像表示装置ともいえる)及び図28に示した位相差画像検査装置300A共、レーザ光源301から照射された可干渉性光はレンズ302、303を通して平行光束として照射される。可干渉性平行光束中に置かれたフーリエ変換レンズ(フーリエ変換レンズ手段、以下同じ)307の前側あるいはフーリエ変換レンズ307の前焦点面付近に設置された物体導入手段306に被検査物体を入れれば、そのフーリエ変換像(光回折パターン)はフーリエ変換レンズ307の後焦点面に形成される。
図28の位相差画像検査装置300Aにあっては、該フーリエ変換像の零次光を、位相板(λ/4板)320を通し光強度調整の減光フィルタを通して、フーリエ変換レンズ307の後焦点面を前焦点面として設置された逆フーリエ変換レンズ309を通せば、逆フーリエ変換した物体光と位相変換して減光し平行光とされた零次参照光とが逆フーリエ変換レンズ309の集光面で位相差物体の干渉像が電子カメラ310で撮像される。
図28に示される技術は、可干渉性平行レーザ光を検査物体の照射光として使ったために、検査法は極めて単純になり、従来法のように、照射光のリング絞りと集光レンズの後焦点面のリング状の位相板の位置合わせに労力を要しない。また、本技術では、フーリエ変換レンズの後焦点面に位相板と減光フィルタを置くだけで、フーリエ変換像の零次光は確実に位相画像の参照光になって、位相物体の位相差が光強度画像情報に変えられるから、本技術は、位相画像の単純化効果を持つ。
図26に示される位相差画像検査装置300にあっても、位相板(λ/4板)320、逆フーリエ変換レンズ309及び電子カメラ310を備え、上述した効果を達成する。位相差画像検査装置300は、位相板(λ/4板)320と偏光板323とをペアフィルタ(pair filter)として構成している。この構成によって、当該実施例は、位相画像の鮮明化という効果を達成する。更に、回転可能なλ/2板(πフィルタ)321を組み合わせている。通常、円偏光と直線偏光は干渉せず、偏光板があってはじめて同じ偏光面の光波が干渉する。この構成によって、当該実施例は、位相画像の更なる鮮明化という効果を達成する。なお、高次光の他の偏光面を持つ円偏光は物体の細部情報の明確化に寄与する。
図26において、位相差画像検査装置300は、レーザ光源301、回転可能なλ/2板(πフィルタ)321、可干渉性拡大平行レーザ光束を形成するレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性平行レーザ光束中に設置されたフーリエ変換レンズ307、このフーリエ変換レンズの前側に設けられた物体導入手段306、このフーリエ変換レンズの後焦点面に設けられてフーリエ変換像の光回折パターンの零次光だけを通す穴322を中央に備え高次回折光を円偏光に変えて透過させるλ/4板(π/2フィルタ)位相フィルタ320、前記フーリエ変換レンズの後焦点面を前焦点面として設置され、位相フィルタ320を通過した高次の回折光および零次光を集光する逆フーリエ変換レンズ309、このフーリエ変換レンズ307の前または後ろに設置された回転可能な偏光板323、および該逆フーリエ変換レンズの集光面に結像された光学像を撮影するために設置された電子カメラのそれぞれが光軸上に設置され構成される、物体導入手段306から投写される導入物体の位相差物体干渉像を形成する位相差画像作成光学系を備える。
この位相差画像作成光学系は、フーリエ変換レンズ307が可干渉性拡大平行レーザ光束中に設置されて、フーリエ変換レンズ307の前焦点面導入物体の画像を前記逆フーリエ変換レンズ309の後焦点面に結像させる後焦点面の位置に、フーリエ変換レンズ307の前焦点面上の光軸上および光軸から直角方向に外側に外れた位置の導入物体の位相差像を電子カメラ310に広い視野で撮り込むことが出来る。λ/4板(π/2フィルタ)位相フィルタ320は、典型的にフーリエ変換レンズ307の後焦点面に設けられてフーリエ変換像の光回折パターンの零次光を通す穴322を中央に備え高次回折光を円偏光に変えて透過させる。穴322を減光フィルタで塞いで零次光を減光させることはできるが、減光フィルタの強度を連続的変えて、零次光の強度を任意に変えるために穴とすることがよい。したがって、本実施例における穴とは、物理的な穴ばかりでなく、零次光を通すことに何の障害もない手段をも意味している。
フーリエ変換レンズ307の前または後ろに設置された偏光板323が、光軸上に設置され、強度差が調整された前記透過した零次光と前記高次回折光とで、物体導入手段から投写される導入物体の位相差物体干渉像を形成する。零次光と高次光との強度比を連続的に変えられる。
前記フーリエ変換レンズ307の前焦点面導入物体の画像を前記逆フーリエ変換レンズ309の後焦点面に結像させる該後焦点面の位置に、前記フーリエ変換レンズ307の前焦点面上の光軸上および光軸から直角方向に外方に外れた位置の導入物体についての、強度差が調整された前記透過した零次光と前記高次回折光によって形成された位相差物体干渉像を広い視野で撮り込む。
上述したように、可干渉性拡大平行レーザ光束を形成するレーザ光拡大平行光構成光学系のレーザ光源301の後ろに回転可能なλ/2板(πフィルタ)321を備える。回転することで角度が調節される。レーザ光源301の後ろに置いたλ/2板321は直線偏光しているレーザ光の偏光面を変える(直線偏光の偏光面の角度が変わる)働きをする。λ/2板が無くても本発明の特徴は得られるが、λ/2板321を配設することによって偏光依存性を持つ試料を観測する場合に効果的な働きを得ることが出来る。
乱光との干渉を図ることに対し、本実施例では広い領域を持つλ/4板中央に零次光透過の穴322を開け、カメラ310の前方に偏光板323を置くことにより特許文献2に記載された技術とは逆に散乱高次光をλ/4板を通過させ、偏光板323通過で減光した零次光と干渉させる。
λ/2板(πフィルタ)321は、πフィルタによる偏光面を形成し、λ/2板(πフィルタ)321の回転によって照射光又は零次光(赤色表示)、及び高次回折光(青色表示)を、偏光面方向に偏光させる。
試料を通った零次直線偏光と高次回折円偏光とが形成される。
π/2フィルタを透過した高次回折円偏光(青色表示)と零次直線偏光(赤色表示)は、図に示す形態となる。
今、偏光板323の角度が図に示される位置(黒色表示)に調整されたとする。
図に、穴あきλ/4板320と角度調節可能な偏光板323とからなるフィルタ対を透過した透過光の形態状態が黒、赤及び青色3色で表示される。偏向板323の作用によって、偏光板の偏光透過面(図で黒色表示)の方向と円偏光の高次光(青色表示)の同方向偏光透過光の強さがベクトルで示されるようになり、高次回折光の微細画像作像の寄与度が高められる。
ここで、λ/4板通過の散乱高次光は円偏光になり、偏光板での減衰が少ないことから、偏光板323を零次光の口径にあわせ微細加工する必要がないという簡便さの利点が得られる。
穴あきλ/4板320と角度調節可能な偏光板323とからなるフィルタ対を用いることで、次のような利点が得られる。
(1)広いλ/4板で回折光を高次光まで取り込むことにより高次光による微細画像再構成で輪郭明確化が実現される。
(2)λ/4板中央に零次光透過穴を開けることにより、試料透過の零次光が自己干渉を起こすことを防ぎ、従来型に生ずる零次光干渉の効果による、後光効果(halo effect)を防ぐことができる。
(3)偏光板の角度調整により、零次光を減衰させ、バックグラウンド光を弱めることで、散乱光強度を相対的に強め、零次光のバックグラウンド光と高次散乱光との干渉を強め、画像のコントラストを強め、検査体の輪郭ばかりでなく内部構造までも明確な画像とすることができる。
図29は、本発明の実施例の位相差画像検査装置300(図29(a))及び引用文献2に記載された位相差画像検査装置300Aによって取得されたガラス破片の顕微鏡画像(図29(b))の比較を示す図である。
本実施例によって取得された画像はガラス破片の傾斜部の厚さ情報が図に示されるように内部が等高線になって現れ、位相差情報が引用文献2に記載された位相差画像検査装置によって取得されたガラス破片の顕微鏡画像に比べて輪郭ばかりでなく内部まで明確に現われる。
また、透明物体の微細な情報が細部に亘って明確になり、取得画像は引用文献2に記載された位相差画像検査装置によって取得されたガラス破片の顕微鏡画像と質的に異なることが示されている。
図26、図27において、2のλ/2板(πフィルタ)の代わりにλ/4板(π/2フィルタ)とし、穴あきλ/4板(π/2フィルタ)の代わりにガラス板の中央に貼った零次光だけが通る大きさの円形λ/4板とした位相フィルタの組み合わせによっても、上述した効果と同等の効果を生じさせることができる。この組み合わせフィルタでも、高次回折光は円偏光となり、零次光は直線偏光となるので、カメラの前に設置された偏光板323によって、同等の効果が生ずる。すなわち、零次光を直線偏光とする零次光の直線偏光化フィルタ手段及び高次回折光を円偏光とする高次回折光円偏光化フィルタ手段を設ける。
本実施例の位相差画像検査装置は、ポリスチレンラテックス20.3μm、10.3μm及び5.0μm標準粒子群についても適用して粒子画像の縁が引用文献2に記載された位相差画像検査装置によって取得された顕微鏡画像に比べて明確に現われた。

Claims (3)

  1. レーザ光源、可干渉性拡大平行レーザ光束を形成するレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性拡大平行レーザ光束中に設置され、後焦点面に、零次光と高次の回折光からなる光回折パターンを形成するフーリエ変換レンズ、該フーリエ変換レンズの後焦点面に設けられてフーリエ変換像の前記光回折パターンを通す光学フィルタ、該フーリエ変換レンズの後焦点面に前焦点面として設置され、当該高次の回折光と当該零次光を集光し、当該高次の回折光及び当該零次光による位相差干渉像を形成する逆フーリエ変換レンズ及び該逆フーリエ変換レンズの集光面に結像された前記位相差干渉像を撮影し微小試料の位相差干渉画像を取得する電子カメラを備えた位相差画像検査装置を備え、当該位相差画像検査装置で取得された該位相差干渉画像と該位相差干渉画像の画像解析から取得された解析情報とを結合した微小試料微細構造解析情報を画面に表示する表示手段を備える微小試料観測システムであって、
    前記位相差画像検査装置は、該フーリエ変換レンズの前側に設置され、可干渉性拡大平行レーザ光束を、流動路内を流動する溶液に照射するときに、照射方向に対して直角方向に形成された前記微小試料を含んだ溶液の流動路を備え、該流動路に対する、測定視野及び微小試料についての測定する深みを設定する測定視野設定手段及び深み設定手段を備え、前記測定視野を、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を当該流動路に直角方向から照射される範囲内に設定し、かつ前記深みを深さ方向に予め定めた範囲内を含むように設定し、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を、前記測定視野及び前記深みの設定された前記流動路内に流動する溶液に照射し、前記微小試料の位相差干渉画像を継続的に取得し、
    前記微小試料観測システムが、前記位相差画像検査装置で継続的に取得された前記位相差干渉画像を入力する入力手段を備え、前記継続的に取得された前記微小試料の複数の一連の前記位相差干渉画像と前記微小試料の解析情報とを結合した微細試料微細構造解析情報を前記表示手段の画面に表示すること
    を特徴とする微小試料観測システム。
  2. 請求項1に記載された微小試料観測システムにおいて、
    前記位相差画像検査装置が、前記微小試料の前記位相差干渉画像として、微小試料の縁、核又は/及び内部粒子の微細構造画像を取得し、
    前記微小試料観測システムが、過去の前記微細試料微細解析情報を記録する記憶手段を備えること
    を特徴とする微小試料観測システム。
  3. レーザ光源、可干渉性拡大平行レーザ光束を形成するレーザ光拡大平行光構成光学系、可干渉性拡大平行レーザ光束中に設置され、後焦点面に、零次光と高次の回折光からなる光回折パターンを形成するフーリエ変換レンズ、該フーリエ変換レンズの後焦点面に設けられてフーリエ変換像の前記光回折パターンを通す光学フィルタ、該フーリエ変換レンズの後焦点面に前焦点面として設置され、当該高次の回折光と当該零次光を集光し、当該高次の回折光及び当該零次光による位相差干渉像を形成する逆フーリエ変換レンズ及び該逆フーリエ変換レンズの集光面に結像された前記位相差干渉像を撮影し微小試料の位相差干渉画像を取得する電子カメラを備えた位相差画像検査装置を備え、当該位相差画像検査装置で取得された該位相差干渉画像と該位相差干渉画像の画像解析から取得された解析情報とを結合した微小試料微細構造解析情報を画面に表示する表示手段を備える微小試料観測システムによる微小試料観測方法において、
    前記位相差画像検査装置は、該フーリエ変換レンズの前側に設置され、可干渉性拡大平行レーザ光束を、流動路内を流動する溶液に照射するときに、照射方向に対して直角方向に形成された前記微小試料を含んだ溶液の流動路を備え、該流動路に対する、測定視野及び微小試料についての測定する深みを設定する測定視野設定手段及び深み設定手段を備え、前記測定視野を、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を当該流動路に直角方向から照射される範囲内に設定し、かつ前記深みを深さ方向に予め定めた範囲内を含むように設定し、前記可干渉性拡大平行レーザ光束を、前記測定視野及び前記深みの設定された前記流動路内に流動する溶液に照射し、前記微小試料の位相差干渉画像を継続的に取得し、
    前記微小試料観測システムが、前記位相差画像検査装置で継続的に取得された前記位相差干渉画像を入力する入力手段を備え、前記継続的に取得された前記微小試料の複数の一連の前記位相差干渉画像と前記微小試料の解析情報とを結合した微細試料微細構造解析情報を前記表示手段の画面に表示すること
    を特徴とする微小試料観測システムによる微小試料観測方法。
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