JP6691972B2 - 結晶形態 - Google Patents

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Description

本明細書は、式(I)の化合物の新規結晶形態に関する。
参照により組み込まれる国際公開第2009/001132号パンフレットは、呼吸器疾患を処置するために有用なピラジノン誘導体、それらの調製のための工程およびその医薬組成物を開示する。特に、国際公開第2009/001132号パンフレットは、228頁の実験例259として、化合物N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミド(本明細書中で以後、式(I)の化合物と呼ぶ)を開示する。式(I)の化合物の構造を以下に示す。
結晶化は、活性医薬成分の合成中の最終段階であることが多く、結晶化工程は、その粒径、形態および多形相などの物質の物理学的属性に影響を与え得る。これらの特性は、製粉、造粒、打錠および微粉化などの有効な下流処理に重要であり得るだけでなく、製品性能の要件を満たすためにも必要であり得る。当業者が認識しているように、一般的には、分子構造のみから、化合物の結晶化挙動も、いかなる結晶形態の物理学的特性も予想することは不可能である。
国際公開第2009/001132号パンフレットに記載の精製工程は、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RPHPLC)を使用し、別個の結晶化工程の記載はない。式(I)の化合物を単離するためのRPHPLCの使用は、商業的スケールでの使用には厄介なものであり得る。参照により組み込まれる国際公開第2010/071583号パンフレットに記載の結晶化工程は、式(I)の化合物のA型(A型)を得るために酢酸エチル−ヘプタン溶媒系を使用する。この方法を用いて作製されたA型の結晶粒子は、縦横アスペクト比が高い(>20)比較的薄い針状物であり、事実上、静電気性である。このような粒子は、微粉化にはあまり適切であり得ず、市販スケールでは微粉化回収率が低くなり得る。一般的には、国際公開第2010/071583号パンフレットに記載の工程により得られるように、A型を用いた場合の製粉装置の閉塞ゆえに観察される微粉化損失は最大で約50%である。
今回、発明者らは、式(I)の化合物の新しい結晶形態(S型)を見出した。S型は、意外にも、既存のA型を凌ぐ多くの長所を有する。例えば、S型は化学安定性の向上を示し、したがって、その結果、医薬製品に対してより長い保存可能期間が得られ得る。S型の結晶粒子によってまた、微粉化工程中の流動性が改善され、材料の付着が減少する。例えばS型の場合、典型的な微粉化損失は5%未満である。
したがって、約2−シータ=9.1°で少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有する、N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、約2−シータ=15.1°で少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、約2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°でのピークから選択される少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、約2−シータ=9.1°および15.1°で少なくとも2つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、約2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°で特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、約2−シータ=9.1、11.6、13.7、15.1、15.5、16.2、16.8、18.1、20.8および23.8°で特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、図1で示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1°プラスまたはマイナス0.2°2−シータで少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=15.1°プラスまたはマイナス0.2°2−シータで少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°でのピークから選択される少なくとも1つの特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1°および15.1°で少なくとも2つの特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°で特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、11.6、13.7、15.1、15.5、16.2、16.8、18.1、20.8および23.8°で特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1°プラスまたはマイナス0.1°2−シータで少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=15.1°プラスまたはマイナス0.1°2−シータで少なくとも1つの特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°でのピークから選択される少なくとも1つの特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.1°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1°および15.1°で少なくとも2つの特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.1°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°で特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.1°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
さらなる態様において、2−シータ=9.1、11.6、13.7、15.1、15.5、16.2、16.8、18.1、20.8および23.8°で特異的ピークがあり、その値がプラスまたはマイナス0.1°2−シータであり得るX線粉末回折パターンを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
本明細書が、本明細書中で開示される化合物、例えば式(I)の化合物、の結晶形態に関するということが本明細書中で述べられる場合、結晶化度は、都合よく、約60%より高く、より都合よく、約80%より高く、好ましくは約90%より高く、より好ましくは約95%より高い。最も好ましくは、結晶化度は約98%より高い。
N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドのS型は、図1で示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じであるX線粉末回折パターンを提供し、表Aで示される10個の値(角度2−シータ値)を示す。X線粉末回折パターンの2−シータ値は、機器によって、または試料によって僅かに変動し得るので、引用される値は絶対的なものと解釈すべきではないことが理解されよう。
測定条件(装置、試料調製または使用機器など)に依存して1つ以上の測定エラーがあるX線粉末回折パターンが得られ得ることが知られている。特に、X線粉末回折パターンにおける強度は、測定条件に依存して上下し得ることが一般に知られている。したがって、N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)は、図1で示されるX線粉末回折パターンと同一であるX線粉末回折パターンを提供する結晶に限定されず、図1で示されるものと実質的に同じX線粉末回折パターンを提供する何れの結晶も本発明の範囲内に入ることを理解すべきである。X線粉末回折の技術分野の当業者は、X線粉末回折パターンの実質的な同一性を判断可能である。
X線粉末回折の技術分野の当業者は、ピークの相対強度が、例えばサイズが30ミクロンを上回る粒子および非ユニタリーアスペクト比によって影響を及ぼされ得、これが試料の分析に影響し得ることを理解しよう。当業者は、反射の位置が、回折計において試料が位置する正確な高さおよび回折計のゼロ較正により影響を受け得ることも理解しよう。試料の表面の平面性もまた小さな影響を有し得る。ゆえに、示される回折パターンデータは絶対値とみなすべきではない(さらなる情報については、Jenkins,R & Snyder,R.L.‘Introduction to X−Ray Powder Diffractometry’ John Wiley & Sons 1996;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;Klug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),X−Ray Diffraction Proceduresを参照)。
一般に、X線粉末ディフラクトグラムにおける回折角度の測定エラーは、およそプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり、このような測定エラーの度合いは、図1のX線粉末回折パターンを考えるとき、表Aを読み取るときに考慮すべきである。さらに、強度は、実験条件および試料調製(好ましい配向性)に依存して上下し得ることを理解すべきである。
さらなる態様において、図2で示されるFT−ラマンスペクトルと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有するN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態が提供される。
A型と比較して、S型は化学安定性が向上し、有効期間がより長くなっている可能性があるので、S型は医薬組成物としての処方に特に適し得る。
本明細書の医薬組成物は、例えば局所(肺および/または気道へ、または皮膚へ、など)、経口、直腸または非経口投与により処置することが所望される疾患状態に対して標準的な方式で投与され得る。これらの目的のために、例えば、エアロゾル剤、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル、シロップ、粉末、顆粒剤、水性もしくは油性溶液または懸濁液、(脂質)エマルション、分散性粉末、坐薬、軟膏、クリーム、ドロップおよび滅菌注射用水性もしくは油性溶液または懸濁液の形態へと当技術分野で公知の手段によって式(I)の化合物を処方し得る。
本明細書の特定の医薬組成物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または喘息などの呼吸器疾患を処置する場合に式(I)の化合物を投与するために特に有用な方法である吸入投与、吸入に適切なものである。
吸入により投与する場合、適切な噴霧剤中で、エタノール、界面活性剤、潤滑剤または安定化剤などのさらなる賦形剤ありまたはなしで、分散された活性成分を投与するために定量噴霧式吸入装置を使用し得る。適切な噴霧剤としては、炭化水素、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカン(例えばヘプタフルオロアルカン)噴霧剤または何らかのこのような噴霧剤の混合物が挙げられる。好ましい噴霧剤はP134aおよびP227であり、これらのそれぞれが、単独で使用され得るかまたは他の噴霧剤および/または界面活性剤および/または他の賦形剤と組み合わせて使用され得る。霧状化水性懸濁液または好ましくは溶液も、単位用量または複数回投与処方物の何れかとして、適切なpHおよび/または浸透圧調整ありまたはなしで使用され得る。
単独で、または薬学的に許容可能な担体、例えばラクトースなどと組み合わせて活性成分を投与するために、乾燥粉末吸入器を使用し得、後者の場合、微粉化粉末としてまたは規則混合物としての何れかである。乾燥粉末吸入器は単回投与または複数回投与であり得、乾燥粉末または粉末含有カプセルを利用し得る。定量噴霧式吸入器、ネブライザーおよび乾燥粉末吸入装置は周知であり、様々なこのような装置を利用可能である。
したがって、本明細書のさらなる態様において、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)と、薬学的に許容可能な希釈剤または担体とを含む医薬組成物が提供される。
別の実施形態において、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)と、薬学的に許容可能な希釈剤または担体とを含み、吸入投与のために処方される医薬組成物が提供される。
別の実施形態において、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)と、ラクトースとを含み、吸入投与のために処方される医薬組成物が提供される。
式(I)の化合物の生物学的活性は、p38酵素阻害アッセイにおいて、pIC50=10.0で国際公開第2009/001132号パンフレットで測定されている。ゆえに、式(I)の化合物はp38キナーゼ阻害剤としての活性を有する。したがって、式(I)の化合物は、関節リウマチ、変形性関節症、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬および炎症性腸疾患など(であるが限定されない)炎症性疾患の処置に適切である。特に式(I)の化合物は、喘息およびCOPDなどの呼吸器疾患の処置に有用である。
したがって、さらなる態様において、治療での使用のための、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)が提供される。
さらなる態様において、喘息およびCOPDなどの呼吸器疾患の処置での使用のための、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)が提供される。
またさらなる態様において、COPDの処置での使用のための、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)が提供される。
またさらなる態様において、COPDの処置での使用のための薬剤の製造における、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)の使用が提供される。
またさらなる態様において、ヒトなどの温血動物においてCOPDを処置する方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)の治療的有効量を投与することを含む方法が提供される。
国際公開第2010/071583号パンフレットにおいて、式(I)の化合物は、様々な第2の活性成分と組み合わせた場合、呼吸器疾患の処置での使用に適切であることも見出される。
したがって、本明細書のさらなる態様において、組み合わせて、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)である第1の活性成分と、次のもの:
ムスカリン性アンタゴニス;
βアドレナリン受容体アゴニスト;
二重βアドレナリン受容体アゴニスト/M受容体アンタゴニスト(MABA化合物);
ステロイド系グルココルチコイド受容体アゴニスト;
非ステロイドグルココルチコイド受容体アゴニスト;
IKK2キナーゼ阻害剤;
ホスホジエステラーゼPDE4阻害剤;または
好中球エラスターゼの阻害剤
から選択される第2の活性成分とを含む医薬製品が提供される
さらなる態様において、組み合わせて、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)である第1の活性成分と、ステロイド系グルココルチコイド受容体アゴニストである第2の活性成分とを含む医薬製品が提供される。
さらなる態様において、組み合わせて、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)である第1の活性成分と、ブデソニドである第2の活性成分とを含む医薬製品が提供される。
さらなる態様において、組み合わせて、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)である第1の活性成分と、非ステロイドグルココルチコイド受容体アゴニストである第2の活性成分とを含む医薬製品が提供される。
またさらなる態様において、組み合わせて、本明細書中で記載のようなN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの結晶形態(S型)である第1の活性成分と、3−{5−[(1R,2S)−2−[(2,2−ジフルオロプロパノイル)アミノ]−1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)プロポキシ]−1H−インダゾール−1−イル}−N−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニル]ベンズアミド[国際公開第2009/142571号パンフレット、実施例6]である第2の活性成分とを含む医薬製品が提供される。
別の態様において、式(I)の化合物のための新規の結晶化工程が提供される。別の態様において、アセトニトリルを含有する溶媒系中の式(I)の化合物の溶液、懸濁液またはスラリーから式(I)の化合物を結晶化させることを含む結晶化工程が提供される。さらなる態様において、結晶化工程は、アセトニトリル中の式(I)の化合物の溶液、懸濁液またはスラリーから式(I)の化合物を結晶化させることを含む。さらなる態様において、本結晶化工程は冷却結晶化工程であり、ここで、所望の単離温度に冷却する前に内容物を可溶化するためにアセトニトリル中の式(I)の化合物の溶液、懸濁液またはスラリーを加熱する。別の態様において、溶液、懸濁液またはスラリーを60〜90℃、例えば75〜85℃など、例えば約80℃に加熱する。さらなる態様において、加熱された溶液を0〜15℃、例えば約5℃の単離温度に冷却する。さらなる態様において、溶液の冷却速度は、0.01〜0.05℃/分、例えば約0.04℃/分などである。さらなる態様において、結晶化工程は、式(I)の化合物の種晶の添加を含み得る。
式(II)の化合物から出発する式(I)の化合物への一般的合成経路を下記スキーム1で示し、ここでPGはアミン保護基であり、Xはハロゲンである。中間体(II)の合成は、調製4bとして国際公開第2010/071583号パンフレットで開示される。
一態様において、下記のスキーム2に記載のとおり、一般式(III)のピラジノン中間体を合成するための新規経路が開示されるが、ここでXはハロゲンであり、RはC1−3アルキルである。
本明細書中で使用される場合、ハロゲン原子は一般的にはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
本明細書中で使用される場合、アルキル基は、直鎖または分岐鎖、例えばC1−6アルキルまたはC1−4アルキルであり得る。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ヘプチルまたはn−ヘキシル、例えばメチル、エチル、i−プロピルまたはt−ブチルである。
本明細書中で使用される場合、保護基は、続く化学反応での化学選択性を得るために、分子中の官能基との反応によってその分子に導入され、その後、後の化学反応において除去される化学部分である。アミン保護基は、当業者にとって周知であり、例えばW.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley−Interscience,2006またはP.J.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,2005により記載されている。アミン保護基の例としては、カルバメート、アセトアミド、フタルイミド、ベンジルアミン、ナフチルアミン、アリルアミン、トリチルアミン、イミンおよびスルホンアミドが挙げられる。当業者は、アミン保護基のこのような一般クラスの命名が、保護しようとする分子におけるアミン窒素への言及を含み得ることを認識する。したがって、本明細書において、当業者は、PGへの言及が、アミン保護基の一般クラスへの言及であると解釈され得るか(アミン窒素が名称中に含まれる場合、例えばベンジルアミン)または、このアミン窒素に連結される具体的な化学部分への言及であると解釈され得る(アミン窒素が名称に含まれない場合、例えばベンジル基)ことを認識する。したがって、単なる実例として、アミン保護基のクラスがベンジルアミンである場合、本願のPGは、ベンジルアミン(一般的クラス)またはベンジル基(特異的な化学部分)と呼ばれ得る。
したがって、さらなる態様において、式(III)の化合物(式中、Xはハロゲンである)を調製するための工程であって、式(VIII)の化合物を(i)ハロゲン化剤および(ii)シクロプロピルアミンと反応させ、任意選択によりその後にその塩を形成させることを含む工程が提供される。
本明細書中で使用される場合、ハロゲン化剤は、反応が行われる分子に1つ以上のハロゲン原子を移すことを意図する試薬である。ハロゲン化剤の例としては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、N−ブロモスクシンイミドおよび1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインが挙げられるが限定されない。一態様において、ハロゲン化剤はオキシ臭化リンである。
ハロゲン化反応は、塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で行われ得る。一態様において、この塩基はトリエチルアミンを含む。
本反応は様々な有機溶媒中で行われ得る。一態様において、溶媒はアセトニトリルを含む。
本反応は、様々な温度、例えば75〜80℃で行われ得る。
式(VIII)の化合物は、式(VII)の化合物の酸触媒環化を介して得られ得る(スキーム3)。
したがって、別の態様において、式(VIII)の化合物を調製するための工程であって、式(VII)の化合物(式中、RはC1−3アルキルである)を酸と反応させ、任意選択によりその後にその塩を形成させることを含む工程が提供される。さらなる態様において、Rはメチルである。
環化反応は酸の存在下で行われる。適切な酸としては、有機酸、例えばメタンスルホン酸、酢酸またはトルエンスルホン酸が挙げられる。一態様において、酸はメタンスルホン酸を含む。
本反応は、様々な溶媒中で行われ得る。一態様において、溶媒は酢酸を含む。
本反応は、様々な温度、例えば105〜110℃で行われ得る。
式(VII)の化合物は、式(V)の化合物と式(VI)の化合物との反応を介して得られ得る(スキーム4)。
別の態様において、式(VII)の化合物を調製するための工程であって、式(V)の化合物を式(VI)の化合物(式中、RはC1−3アルキルである)と反応させ、任意選択によりその後にその塩を形成させることを含む工程が提供される。さらなる態様において、Rはメチルである。
本反応は、当業者にとって公知の方法により、銅触媒などの金属触媒下で行われ得る。例えば、本反応は、銅(I)触媒、例えばヨウ化銅(I)など、適切な配位子、例えばトランス−(1R,2R)−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンなどおよび適切な塩基、例えば炭酸カリウムなどを利用することにより行われ得る。
本反応は、様々な有機溶媒中で行われ得る。一態様において、溶媒はジメチルホルムアミド(DMF)を含む。
本反応は、様々な温度、例えば105〜110℃で行われ得る。
さらなる態様において、式(VII)の化合物またはその塩(式中、RはC1−3アルキルである)が提供される。
さらなる態様において、化合物3−[[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−2−オキソ−アセチル]アミノ]−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸またはその塩が提供される。またさらなる態様において、化合物3−[[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−2−オキソ−アセチル]アミノ]−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸が提供される。
さらなる態様において、式(VIII)の化合物またはその塩が提供される。
またさらなる態様において、化合物3−(2,3−ジオキソ−1H−ピラジン−4−イル)−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸が提供される。
さらなる態様において、式(III)の化合物またはその塩(式中、Xはハロゲンである)が提供される。
さらなる態様において、化合物3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミドまたはその塩が提供される。またさらなる態様において、化合物3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミドが提供される。
本明細書の様々な態様は、次の実施例により例示される。これらの実施例は、単なる説明のために与えられ、限定するものではない。
式(I)の化合物のS型結晶のXRPD−ディフラクトグラムを示す。 式(I)の化合物のS型結晶のFT−ラマンスペクトルを示す。
略語
Ti(OPr) チタンテトライソプロポキシド
BF.(EtO) ボロントリフルオリドエーテレート
EtMgBr 臭化エチルマグネシウム
EtZn ジエチル亜鉛
MeLi メチルリチウム
ClTi(OPr) 塩化チタントリイソプロポキシド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
PrMgCl イソプロピルマグネシウムクロリド
CsCO 炭酸セシウム
Pd/C パラジウム炭素
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
NH HCO ギ酸アンモニウム
NaH 水素化ナトリウム
TFA トリフルオロ酢酸
LiI ヨウ化リチウム
LiOPr リチウムイソプロポキシド
DPPA ジフェニルホスホリルアジド
DMCDA トランス−(1R,2R)−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン
PIFA ビス[(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン
pTSA パラ−トルエンスルホン酸
TEA トリエチルアミン
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
NaOH 水酸化ナトリウム
MeOH メタノール
EtOH エタノール
NaOMe ナトリウムメトキシド
2−MeTHF 2−メチルテトラヒドロフラン
IPA イソプロピルアルコール
MeCN アセトニトリル
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
過酸化水素
CO 炭酸カリウム
CbzCl クロロギ酸ベンジル
PrOAc 酢酸イソプロピル
BuOH tert−ブタノール
EtBnNCl ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド
一般的方法
別段の断りがない限り、出発物質は市販品であった。溶媒および市販試薬は全て研究グレードであり、受け取ったままで使用した。別段の断りがない限り、操作は全て、周囲温度で、すなわち17〜28℃で行い、必要に応じて、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行った。
大スケール反応は、伝熱ジャケットが装着され、適切な補助装置が提供されたステンレス鋼またはガラスライニング鋼の反応容器中で行った。
与えられる場合、1H NMRスペクトルは、Bruker Avance 600(600MHz)、Bruker DRX500(500MHz)、Bruker 300(300MHz)またはVarian UnityInova 500MHz、400MHzまたは300MHz機器で記録した。クロロホルム−d(CDCl3;δH7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d6(d6−DMSO;δH2.50ppm)またはメタノール−d4(CD3OD;δH3.31ppm)またはテトラメチルシランの内部標準(TMS;δH0.00ppm)の何れかの中央ピークを参照として使用した。分析体共鳴から(例えばマレイン酸からの)交換性プロトンシグナルを遠ざけるために、試料溶液は、アッセイ測定のための内部標準(例えばマレイン酸、2,3,5,6−テトラクロロニトロベンゼンまたは安息香酸ベンジル)および/または添加トリフルオロ酢酸も含有し得る。スペクトルデータは、標準的な略語(s=一重線、d=二重線、m=多重線、t=三重線、q=四重線、br=幅広線など)を用いて、各シグナルの記載とともに化学シフト(δ、ppm単位)のリストとして報告する。化学シフトおよびJ−カップリング定数が試料調製の差異、例えば検体濃度および添加物(例えばNMRアッセイ標準物質またはトリフルオロ酢酸)が含まれるか否かなどの結果として僅かに変動し得ることは、当技術分野で周知である。
分析的HPLC後に、Agilent MSD(+veおよび−ve APCIおよび/またはエレクトロスプレー(例えば多モード))またはWaters Micromass ZQ(+veおよび−veエレクトロスプレー)において、質量分析を記録した。m/zに対する値が与えられる場合、一般に親質量を示すイオンのみを報告し、引用される質量イオンは、陽性または陰性質量イオンである:[M]+、[M+H]+、[M−H]−または[M+2H−BOC]+。
例えばKitaigorodsky,A.I.(1973),Molecular Crystals and Molecules,Academic Press,New York;Giacovazzo,C.et al(1995)、Fundamentals of Crystallography,Oxford University Press;Jenkins,R.and Snyder,R.L.(1996),Introduction to X−Ray Powder Diffractometry,John Wiley & Sons,New York;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;またはKlug,H.P.&Alexander,L.E.(1974),X−Ray Diffraction Procedures,John Wiley and Sons,New Yorkに記載のものなど、標準的方法に従い調製した試料に対してX線粉末回折分析(XRPD)を行った。内部参照としてコランダムありおよびなしでX線粉末回折データを測定した。シリコン単結晶であるゼロバックグラウンドホルダー上に試料を置き、薄層に試料を広げることによって、X線粉末回折パターンを決定した。45KVおよび40mAでニッケルフィルター(X線Ka1波長=1.5418Å)とともに銅陽極を用い、Theta−Theta PanAlytical X’Pert Pro機器を使用して、X線分析を行った。自動可変発散(Automatic variable divergence)および散乱除去スリットを使用し、測定中に試料を回転させた。PIXCEL検出器(有効長3.35°2−シータ)と一緒に、0.013°のステップ幅および115.77sのカウント時間を使用して、2.4−50°2−シータから試料をスキャンした。Bragg−BrentanoジオメトリーでXRPDパターンを得た。
測定条件(装置、試料調製または使用機器など)に依存して1つ以上の測定エラーを有するX線粉末回折パターンが得られ得ることは、当技術分野で公知である。特に、X線粉末回折パターンにおける強度が測定条件および試料調製に依存して上下し得ることは、一般に知られている。例えば、X線粉末回折の技術分野の当業者は、ピークの相対強度が、試験下および使用される機器のタイプおよび設定での試料の配向によって変動し得ることを認識する。当業者はまた、反射の位置が、回折計で試料が位置する正確な高さおよび回折計のゼロ較正により影響され得ることも認識する。試料の表面の平面性も小さな影響を有し得る。ゆえに、当業者にとって当然のことながら、本明細書中で提供される回折パターンデータは絶対的なものと解釈すべきでなく、本明細書中で開示されるものと実質的に同一である粉末回折パターンを提供する結晶形態は何れも本開示の範囲内に入る。一般に、X線粉末回折パターンにおける回折角度の測定エラーは、約5%以下、一般的にはプラスまたはマイナス0.2°2−シータである。
標準的手順に従い、Nd:YAG(1064nm)レーザーおよびLN−Geダイオード検出器を備えたBruker FT−ラマンMultiRAM機器を使用して、FT−ラマンスペクトルを測定した。レーザー出力を1000mWに設定し、解像度を2cm−1にした。波長較正の正確性は±1cm−1であった。レーザービームの焦点をぼかし、5mmの開口を使用した。およそ30mgの試料を96ウェルプレートに置き、機器HTSモードを使用して、スペクトルを収集した。異なる結晶形態間の特異的ピークの波長シフトは小さく、ゆえに、形態間を区別するためにいくつかのピークおよび全体的スペクトルシグナルの相互関係を考慮しなければならない。スペクトルは機器応答に対して補正しなかった。
実施例1
1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−アミンジパラ−トルエンスルホン酸の調製(スキーム5)
段階1:2−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]アセトニトリル
2−メチルテトラヒドロフラン(1000mL、10相対体積)中の2−(2−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル(100g、0.74モル、1.0当量)、N−ベンジル−2−クロロ−N−メチル−エタンアミン塩酸塩(163.53g、0.72モル、0.98当量)およびベンジルトリエチル塩化アンモニウム(34.25g、0.15モル、0.2当量)の混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(20%w/v、248.47mL、2.0当量)を添加し、反応混合物を撹拌しながら50〜55℃に加熱した。50〜55℃で4時間後、さらなる水酸化ナトリウム水溶液(20%w/v、62.12mL、0.5当量)を添加し、50〜55℃でさらに16時間、撹拌を続けた。さらなる水酸化ナトリウム水溶液(20%w/v、62.12mL、0.5当量)を添加し、混合物をさらに8時間撹拌した。完了についてHPLCにより反応を監視し(2−(2−ヒドロキシフェニル)アセトニトリルが4%面積を下回る)、20〜25℃に冷却し、相を沈降させた。下方の水層を分離し、有機層を水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、1000mL、10相対体積)で洗浄し、続いて塩化ナトリウム水溶液(20%w/v、1000mL、10相対体積)で洗浄した。得られた有機層を減圧下で3〜4相対体積に濃縮した。ジメチルスルホキシド(1000mL、10相対体積)を濃縮塊に添加し、残留2−MeTHFを除去するために蒸留を続けた。94.3%純度および84.7%収率で、2−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]アセトニトリルをジメチルスルホキシド中の13.3%w/w淡褐色溶液(100%強度で1315g)として単離した。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.36−7.25(m,7H),6.95(t,15.04Hz,1H),6.85(d,8.0Hz,1H),4.12(t,12.04Hz,2H),3.66(s,2H),3.61(s,2H),2.85(t,11.52Hz,2H),2.35(s,1H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):156.03,138.85,129.47,129.1,129.0,128.34,127.18,120.89,118.81,118.09,111.38,66.75,62.87,55.78,43.08,18.7.
段階2:1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−カルボニトリル
DMSO中の2−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]アセトニトリル(138.9g、10.8%w/w、100%w/wで15.0g、0.49モル、1.0当量)の溶液をさらにDMSO(60mL)で希釈し、続いて水酸化ナトリウム粉末(5.35g、2.5当量)を添加した。得られた懸濁液を撹拌し、その後、スルホラン(37.5mL、2.5相対体積)中の硫酸エチレン(8.66g、1.3当量)の溶液を20〜25℃で2時間にわたり滴下して添加した。混合物を撹拌し、さらなる水酸化ナトリウム粉末(2.21g、1.0mol 当量)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌し、続いてMTBE(135mL、9.0相対体積)および水(150mL、10.0相対体積)を添加した。次いで、2相混合物を沈降させ、下方の水相を分離し、さらなるMTBEで再抽出した。合わせたMTBE抽出物を10%w/v塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボニトリルを75%収率でメチルtert−ブチルエーテル中の6.9%w/w溶液(100%強度で12.3g)として単離した。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.36−7.2(m,7H),6.91−6.84(m,2H),4.19(t,11.56Hz,2H),3.66(s,2H),2.98(t,12.04Hz,2H),2.92(s,3H),1.58−1.55(m,2H),1.26−1.23(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):158.23,139.12,129.91,128.97,128.31,127.06,124.1,123.1,120.44,111.63,67.21,62.91,56.11,43.02,15.29,10.31.
段階3:1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−カルボキサミド
メチルtert−ブチルエーテル中の1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボニトリルの溶液(1563g、6.4%w/w、100%w/wで93.4g、0.33モル、1.0当量)を3〜4相対体積に減圧下で濃縮した。Tert−ブチルアルコール(1500mL、15相対体積)を添加し、合わせた反応塊がおよそ10相対体積に到達するまで蒸留を続けた。得られた混合物を40℃に冷却し;水酸化カリウム粉末(64.65g、0.98モル、3.0当量)を一度に添加し、反応混合物を78〜80℃に加熱した。反応混合物を3時間還流させ、完了についてHPLCにより監視した(未反応1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−カルボニトリルが3%面積を下回る)。混合物を40℃に冷却し、水(800mL、8相対体積)で反応停止させ、10分間撹拌した。撹拌を停止し、相を沈降させた。下方の水相を流出させ、有機層を3〜4相対体積に減圧下で濃縮した。濃縮混合物を40℃に冷却し、40℃にて、酢酸イソプロピル(1000mL、10相対体積)で希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液(5%w/v、800mL、8相対体積)で洗浄し、続いて塩化ナトリウム水溶液(5%w/v、800mL、8相対体積)で洗浄した。有機層を3〜4相対体積に減圧下で濃縮し、40℃に冷却し、これに対して、1−[2−[2−[ベンジル(メチル)−アミノ)−エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド(0.1g、0.1%w/w)で種晶添加を行った(適切なシードは、溶液の一部を第2の容器に移し、過飽和点を下回るようにこれを冷却して自然な結晶化を誘導することによるか、または溶媒の蒸発によってバッチから作製し得る)。40℃で15分間撹拌した後、混合物を1時間かけて20〜25℃に冷却した。20〜25℃で4時間、撹拌を維持しながら、ヘプタン(1200mL、12相対体積)を2時間かけて滴下して添加した。次いで懸濁液をろ過し、ヘプタン(200mL、2相対体積)で洗浄した。湿潤生成物を15時間にわたり45℃にて真空オーブン中で乾燥させた。1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミドを96.7%w/w強度で薄黄色結晶性固形物として単離した(92g、98.9%純度、90.0%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.33−7.24(m,7H),6.93(t,14.52Hz,1H),6.87(d,8.52Hz,1H),5.55(s,1H),5.18(s,1H),4.15(t,11.52Hz,2H),3.61(s,2H),2.88(t,11.56Hz,2H),2.33(s,3H),1.61−1.58(m,2H),1.02−0.99(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):176.42,158.17,139.98,131.96,129.3,128.96,128.30,127.06,120.77,111.65,66.90,62.86,56.05,42.94,26.06,16.08.
段階4:1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−アミンジパラ−トルエンスルホン酸
2−メチルテトラヒドロフラン(250mL、5相対体積)中で1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド(50g、0.15モル、1.0当量)を懸濁し、ジイソプロピルエチルアミン(24.39g、0.19モル、1.2当量)を一度に添加し、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(250mL、5相対体積)中で溶解させた[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(93.73g、0.22モル、1.4当量)の溶液を2時間かけて滴下して添加した。得られた混合物を20〜25℃で2時間にわたり撹拌し、完了についてHPLCによって反応進行について監視した(未反応1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)−エトキシ]フェニル]−シクロプロパン−カルボキサミドが2%面積を下回る)。反応混合物を28℃まで温め、脱塩水(200mL、4相対体積)中で溶解させた濃塩酸(128.44g、1.23モル、8当量)の溶液を1時間かけて滴下して反応停止させた。得られた混合物を28℃でさらに1時間撹拌し、層を沈降させ、分離した。水層を回収し、2−メチルテトラヒドロフラン(150mL、3相対体積)で洗浄した。2−メチルテトラヒドロフラン(250mL、5相対体積)を得られた水層に添加し、水酸化ナトリウム水溶液(20%w/v、150.7mL、5.8当量)を使用してpHを9.5〜10.5に調整した。2層を分離し、得られた水層を2−メチルテトラヒドロフラン(250mL、5相対体積)で逆抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム水溶液(20%w/v、250mL、5相対体積)で洗浄し、およそ5相対体積に減圧下で濃縮した。反応混合物を20〜25℃に冷却し、これに対して、1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンアミンジ−pTSA(0.30g、0.5%w/w)で種晶添加を行った(最初のシード粒子は、シードの非存在下でpTSA溶液(イソプロピルアルコール中)を濃縮2−Me THF溶液に直接添加し、次いでジ−pTSA塩を析出させるために撹拌することを除いて同じ工程に従って作製した)。塊を20〜25℃で10分間撹拌し、イソプロピルアルコール(125mL、2.5相対体積)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(101.7g、0.52モル、3.4当量)の溶液を20〜25℃で2時間かけて滴下して添加した。得られたスラリーをおよそ7時間にわたり20〜25℃で撹拌し、ろ過した。ろ過ケーキを2−メチルテトラヒドロフラン(150mL、3相対体積)で洗浄し、45℃にて真空オーブン内でおよそ3時間にわたり乾燥させた。1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパンアミンジ−pTSAを95%w/w強度で灰白色結晶性固形物として単離した(78g、99.0%純度、75.0%収率)。
H−NMR(δ,DMSO,400MHz):9.75(s,1H),8.26(s,1H),7.60−7.36(m,11H),7.13−7.11(m,5H),7.02(t,15.04Hz,1H),4.69−4.32(m,4H),3.69(s,2H),2.85(s,3H),2.29(s,6H),1.26−1.21(m,2H),1.14−0.97(m,2H).
13C−NMR(δ,DMSO,100.6MHz):156.9,144.8,138.2,131.1,130.8,130.7,130.1,129.6,128.9,128.2,125.4,124.5,120.9,111.9,62.6,59.1,54.1,33.3,20.7,10.9.
実施例2
1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−アミンの調製(スキーム6)
段階1:1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボン酸
メタノール(25mL、5相対体積)中の1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド(実施例1、段階3)(5g、0.013モル、1.0当量)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、22.35mL、5.0当量)を添加し、続いて水酸化テトラブチルアンモニウム(4.35mL、0.007モル、0.5当量)を添加し、反応混合物を還流温度に加熱した。19時間後、さらなる水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、22.35mL、5.0当量)を添加し、65〜70℃での撹拌をさらに42時間継続した。さらなる水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、22.35mL、5.0当量)およびメタノール(25mL、5相対体積)を添加し、混合物をさらに66時間撹拌した。完了についてHPLCにより反応を監視した(2−(1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミドが4%面積を下回る)。反応混合物をおよそ10相対体積に濃縮し、次いで2−メチルテトラヒドロフラン(50mL、10)で希釈し、その後、層を沈降させ、分離した。相分離後、有機層を水(50mL、10相対体積)で洗浄した。合わせた水層のpHをおよそ5に調整し、所望の生成物を2−メチルテトラヒドロフラン(50mL、10相対体積)に抽出した。有機層を減圧下で乾固するまで濃縮した。1−[2−[2−ベンジル(メチル)−アミノ]エトキシ]−フェニル]シクロプロパンカルボン酸を薄黄色固形物として単離した(2.4g、96.1%純度、55.6%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.29−7.16(m,7H),6.88(t,15.04Hz,1H),6.75(d,8.04Hz,1H),4.14(t,10.52Hz,2H),3.76(s,2H),2.95(t,10.04Hz,2H),2.40(s,3H)1.53−1.52(m,2H),1.02−1.01(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):178.8,157.9,134.9,130.5,130.1,129.9 128.5,128.0,120.6,111.4,65.1,61.3,54.8,41.4,25.6,16.1.
段階2:1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンアミン
20〜25℃でジクロロメタン(15mL、15相対体積)中の1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボン酸(1.0g、0.003モル、1.0当量)の溶液に、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA、0.66mL、0.003モル、1.0当量)を添加し、続いてトリエチルアミン(0.51mL、0.004モル、1.2当量)を添加した。反応混合物を20〜25℃で2時間撹拌し、次いで完了についてHPLCにより監視した(1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンカルボン酸は4%面積を下回る)。反応を塩化アンモニウム水溶液(20%w/v、10mL、10相対体積)で停止させ、層を分離させた。相分割後、有機層をトルエン(10mL、10相対体積)で希釈した。次いで有機相をおよそ10相対体積に減圧下で濃縮し、その後、希塩酸(10mL、0.012モル、4.0当量)を入れた。反応混合物を65〜70℃に加熱し、18時間撹拌した。次いで反応混合物を20〜25℃に冷却し、相を分離した。水層を水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、4mL、4相対体積)で塩基性化し、所望の生成物をメチル−tert−ブチルエーテル(20mL、20相対体積)に抽出し、減圧下で完全に乾固するまで濃縮した。1−[2−[2−ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロパンアミンを薄黄色油状物質として単離した(0.34g、98.5%純度、37.3%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.33−7.16(m,7H),6.88−6.82(m,2H),4.16(t,11.04Hz,2H),3.63(s,2H),2.89(t,11.52Hz,2H),2.34(s,3H)0.94−0.91(m,2H),0.81−0.79(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):157.93,138.87,134.24,129.03,128.35,128.35,127.97,127.14,120.40,111.47,66.38,62.95,56.32,42.88,35.08,14.11.
実施例3
ベンジルN−[2−[2−(1−アミノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートパラ−トルエンスルホン酸の調製(スキーム7)
段階1:ベンジルN−[2−[2−(シアノメチル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート
トルエン(50mL、10相対体積)中の2−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]アセトニトリル(実施例1、段階1)(5g、0.02モル、1.0当量)の溶液に、クロロギ酸ベンジル(2.89mL、0.02モル、1.2当量)を20〜25℃で滴下して添加し、得られた塊を4時間撹拌した。次に、さらなるクロロギ酸ベンジル(1.21mL、0.01モル、0.5当量)を入れ、反応塊をさらに3時間撹拌し続けた。完了についてHPLCにより反応を監視し(2−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]アセトニトリルは4%面積を下回る)、次いで、重炭酸ナトリウム水溶液(5%w/v、50mL、10相対体積)で反応停止させ、層を沈降させた。2層を分離し、得られた有機層を水(50mL、10相対体積)で洗浄した。有機層を完全に乾固するまで減圧下で濃縮した。残渣(黄色油状物質)をヘキサン(25mL、5相対体積)で2回洗浄し、得られた油状物質をヘキサン(25mL、5相対体積)中で20〜25℃にて2時間撹拌して、ベンジルN−[2−[2−(シアノメチル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートを薄黄色固形物として得た(3.9g、93.1%純度、77.5%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.36−7.25(m,7H),6.96(t,15.04Hz,1H),6.88−6.77(m,1H),5.14(s,2H),4.18−4.09(m,2H),3.73−3.71(m,2H),3.62−3.56(m,2H)3.07(s,3H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz)回転異性体の混合物:156.44,155.87,155.69,136.69,133.55,129.61,129.42,128.51,128.12,127.90,121.22,121.14,118.65,117.92,111.12,67.42,67.24,66.35,66.24,48.91,48.14,36.08,35.83,18.77.
段階2:ベンジルN−[2−[2−(1−シアノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート
ジメチルスルホキシド(20mL、10相対体積)中のベンジルN−[2−[2−(シアノメチル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート(2g、0.006モル、1.0当量)の溶液に、粉末水酸化ナトリウム(0.59g、0.014モル、2.5当量)を添加し、得られた塊を20〜25℃で10分間撹拌した。次いでテトラヒドロフラン(4mL、4相対体積)中の1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(1.09g、0.009モル、1.5当量)の溶液を20〜25℃にて反応塊に滴下して添加し、得られた塊を1時間撹拌した。さらなる粉末水酸化ナトリウム(0.24g、0.006モル、1.0当量)を入れ、反応塊をさらに15分間撹拌し続けた。完了についてHPLCにより反応を監視した(N−[2−[2−(シアノメチル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートは4%面積を下回る)。反応塊をメチル−tert−ブチルエーテル(20mL、10相対体積)で、続いて水(20mL、10相対体積)で反応停止させ、層を沈降させた。2層を分離し、得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液(5%w/v、20mL、10相対体積)で洗浄した。次いで有機層を完全に乾固するまで減圧下で濃縮して、ベンジルN−[2−[2−(1−シアノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートを薄黄色油状物質として得た(1.7g、91.2%純度、84.6%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz)回転異性体の混合物:7.37−7.15(m,7H),6.90−6.76(m,2H),5.15,5.13(s,2H,回転異性体),4.21−4.13(m,2H),3.78−3.74(m,2H),3.16,3.14(s,3H,回転異性体),1.53(m,2H),1.22−1.17(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz)回転異性体の混合物:157.98,156.36,156.03,136.75,129.97,129.82,128.42,128.12,127.80,126.79,123.34,122.88,120.69,111.52,67.23,67.07,66.87,49.09,48.25,36.32,36.12,15.14,10.18.
段階3:ベンジルN−[2−[2−(1−カルバモイルシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート
メタノール(10mL、10相対体積)中のベンジルN−[2−[2−(1−シアノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート(1g、0.003モル、1.0当量)の溶液を0〜5℃に冷却し、炭酸カリウム(0.43g、0.003モル、1.2当量)をそれに添加した。次いで、過酸化水素水(30%w/w、1.32mL、0.013モル、5.0当量)を入れ、得られた反応塊を徐々に20〜25℃に温めた。反応塊を20〜25℃で17時間撹拌し、完了についてHPLCにより反応を監視した(ベンジルN−[2−[2−(1−シアノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートは4%面積を下回る)。得られた塊を水(8mL、8相対体積)、続いて酢酸エチル(10mL、10相対体積)で反応停止させ、層を沈降させた。2層を分離し、有機層を塩化ナトリウム水溶液(5%w/v、10mL、10相対体積)で洗浄した。得られた有機層を完全に乾固するまで減圧下で濃縮して残渣(薄黄色油状物質)を得て、次に20〜25℃にてメチル−tert−ブチルエーテル(10mL、10相対体積)中で2時間撹拌して、ベンジルN−[2−[2−(1−カルバモイルシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートを灰白色固形物として得た(260mg、99.4%純度、28.0%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):7.35−7.24(m,7H),6.97−6.81(m,2H),5.38−5.35(m,2H),5.13(s,2H),4.18−4.08(m,2H),3.96−3.68(m,2H),3.09(s,3H),1.60−1.59(m,2H),1.01−1.00(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz)回転異性体の混合物:176.41,176.33,158.10,156.40,156.00,136.78,131.82,129.46,128.50,128.06,127.84,121.14,121.05,111.63,67.27,67.08,67.03,66.95,49.31,48.42,36.56,36.39,25.99,16.10.
段階4:ベンジルN−[2−[2−(1−アミノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートパラ−トルエンスルホン酸
2−メチルテトラヒドロフラン(5mL、5相対体積)中のベンジルN−[2−[2−(1−カルバモイルシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメート(1g、0.002モル、1.0当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.53mL、0.003モル、1.2当量)の混合物に、20〜25℃で2−メチルテトラヒドロフラン(5mL、5相対体積)中の[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(1.66g、0.004モル、1.5当量)の溶液を滴下して添加した。得られた反応塊を20〜25℃で1時間撹拌し、完了についてHPLCにより反応を監視した(ベンジルN−[2−[2−(1−カルバモイルシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートは4%面積を下回る)。次いで反応塊を水(5mL、5相対体積)中の塩酸溶液(36.5%w/w、1.72mL、0.02モル、8.0当量)で反応停止させ、層を沈降させた。2層を分離し、得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液(10%w/v、5mL、5相対体積)で洗浄し、完全に乾固するまで減圧下で濃縮した。残渣(淡褐色油状物質)をヘキサン(20mL、20相対体積)で2回洗浄し、もう一度蒸留して、減圧下で完全に乾固した。2−メチルテトラヒドロフラン(5mL、5相対体積)中で残渣を再溶解させ、2−メチルテトラヒドロフラン(2.5mL、2.5相対体積)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(0.48g、0.002モル、1.0当量)の溶液をそれに滴下して入れた。得られた塊を20〜25℃で1時間撹拌し、次いで2相対体積まで減圧下で濃縮した。20〜25℃で1時間にわたりイソプロピルアルコール(10mL、10相対体積)中で得られた塊を撹拌し、次いでろ過してベンジルN−[2−[2−(1−アミノシクロプロピル)フェノキシ]エチル]−N−メチル−カルバメートpTSA塩を白色固形物として得た(90mg、97.6%純度、10.6%収率)。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz)回転異性体の混合物:8.23−8.21(m,3H),7.49(d,8.04Hz,2H),7.36−7.33(m,7H),7.13−6.94(m,4H),5.11,5.08(s,2H,回転異性体),4.19(t,10.52Hz,2H),3.74(s,2H),3.01,2.99(s,3H,回転異性体),2.28(s,3H)1.24(m,2H),1.04−1.01(m,2H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz)回転異性体の混合物:157.59,156.00,155.65,145.38,137.80,136.84,130.62,128.40,128.09,127.80,127.12,125.46,124.35,120.37,111.56,66.29,65.75,47.96,47.42,35.64,34.70,33.64,21.26,20.74,10.73.
実施例4
3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミドの調製(スキーム8)
段階1:N’−(2,2−ジメトキシエチル)オキサミド
エタノール(40mL、1相対体積)中の2,2−ジメトキシエタンアミン(36.8mL、334mmol)の溶液を10分間にわたりエタノール(320mL、8相対体積)中のエチル2−アミノ−2−オキソ−アセテート(40g、334.76mmol)の温(50℃)懸濁液に入れた。この反応物を還流温度(80℃)に加熱し、反応進行をHPLCにより監視した。一連の反応中に固形物が沈殿した。完了したら、反応混合物を4時間にわたり徐々に周囲温度に冷却した。固形生成物をろ過し、エタノールで洗浄し、60℃の真空オーブン中で一晩乾燥させ、N’−(2,2−ジメトキシエチル)オキサミドが白色綿毛状の固形物として残った(53.5g、99.1%純度、90%収率)。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):3.24(8H,m),4.49(1H,t),7.80(1H,s),8.10(1H,s),8.60(1H,s).
13C−NMR(δ,CDCl,101MHz):40.9,53.4,101.6,160.8,162.4.
段階2:3−フルオロ−5−ヨード−4−メチル−安息香酸
3−フルオロ−4−メチル安息香酸(60g、389mmol、1.0当量)に濃硫酸(210mL、3.5相対体積)を添加した。混合物を周囲温度でおよそ15分間撹拌し、次いで−5℃〜−10℃に冷却した。内部温度を−5℃〜−10℃の範囲に維持しながら、conc.硫酸(360mL)中のN−ヨードスクシンイミド(NIS、140.1g、623mmol、1.6当量)の溶液をゆっくりと添加した。混合物をこの温度でさらに2時間撹拌し、完全な変換について監視した。温度を30℃以下に維持しながら、反応混合物を水(1.8L、30相対体積)に添加した。得られた懸濁液をろ過し、ろ過ケーキを5%aq.NaSO溶液(600mL、10相対体積)中でスラリー化した。ろ過およびトルエン(90mL、1.5相対体積)からの再結晶化後、3−フルオロ−5−ヨード−4−メチル−安息香酸(71.9g、66%収率)を白色固形物として単離した。
H−NMR(δ,DMSO,400MHz):2.3(d,3H),7.6(dd,1H),8.0−8.3(m,1H).
13C−NMR(δ,DMSO,101MHz):20.4,102.7,116.0,132.1,133.7,135.5,159.3,165.3.
段階3:3−[[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−2−オキソ−アセチル]アミノ]−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸
冷却器、窒素注入/吸引口およびオーバーヘッド撹拌機を取り付けた500mLジャケット付き容器に3−フルオロ−5−ヨード−4−メチル−安息香酸(40g、141.41mmol、1.0当量)、N’−(2,2−ジメトキシエチル)オキサミド(30.2g、170mmol、1.2当量)および炭酸カリウム(39.1g、283mmol、2.0当量)を入れた。DMF(320mL、8相対体積)を添加し、混合物を激しく撹拌して、全ての固形物を懸濁状態にし続けた。トランス−(1R,2R)−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(7.04mL、42.4mmol、0.3当量)を入れ、針を介した表面下散布(sub−surface sparging)によって混合物を脱気した。混合物を50℃に加熱し、その後、ヨウ化銅(8.24g、42.4mmol、0.3当量)を懸濁液に入れた。混合物を窒素雰囲気下、110℃で19時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。暗緑色懸濁液に20℃エタノール(80mL、2相対体積)を入れ、容器の内容物を、1Mクエン酸(640mL、16相対体積)で満たされた2Lビーカーにゆっくりと排出させた。得られたスラリーを水(200mL、5相対体積)で希釈し、ろ過した。ろ過ケーキを水(4x200mL)で洗浄し、60℃の真空オーブン中で一晩乾燥させて、3−[[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−2−オキソ−アセチル]アミノ]−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸(36.42g、98.9%純度、77%収率)を白色固形物として得た。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):2.16(3H,s),3.28(6H,s),3.33(2H,t),4.55(1H,t),7.53(1H,d),7.89(1H,s),8.92(1H,t),10.46(1H,s),13.24(1H,s).
段階4:3−(2,3−ジオキソ−1H−ピラジン−4−イル)−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸
酢酸(350mL、10相対体積)中で3−[[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−2−オキソ−アセチル]アミノ]−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸(35.00g、102mmol、1.0当量)を周囲温度で懸濁して、濃厚な懸濁液を得た。メタンスルホン酸(6.67mL、102mmol、1.0当量)を一度に添加し、懸濁液を110℃で15時間加熱した。混合物を20℃に冷却した後、酢酸エチル(101mL、2.9相対体積)を入れ、反応物を20℃で4時間撹拌した。沈殿した固形物をろ過によって回収し、酢酸エチル(100ml、3相対体積)、水(170mL、5相対体積)で洗浄し、週末にわたり50℃の真空オーブン中で乾燥させて、3−(2,3−ジオキソ−1H−ピラジン−4−イル)−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸(25.0g、96.0%純度、88.8%収率)を灰色の固形物として得た。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):2.07(3H,d),6.40−6.52(2H,m),7.70−7.77(2H,m),11.31−11.47(1H,m),13.34(1H,s).
13C−NMR(δ,DMSO,101MHz):10.62,110.12,113.99,116.17,124.91,128.33,131.20,140.84,156.24,156.44,160.74,165.94.
段階5:3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミド
トリエチルアミン(5.10mL、36.6mmol、1.0当量)をアセトニトリル(80mL、8相対体積)中の3−(2,3−ジオキソ−1H−ピラジン−4−イル)−5−フルオロ−4−メチル−安息香酸(10.0g、36.3mmol、1.0当量)の懸濁液に添加した。混合物を80℃に加熱した。熱い撹拌混合物に、アセトニトリル(50mL、5相対体積)中のオキシ臭化リン(20.8g、72.55mmol、2.0当量)の溶液を20分間にわたり滴下して添加し、反応物を80℃でさらに1時間撹拌した。混合物を30分間にわたりRTまで冷まし、次いでさらに−9度まで冷却した。内部温度を0℃以下に維持しながら、アセトニトリル(20mL、2相対体積)中のシクロプロピルアミン(15.1mL、218mmol、6.0当量)の溶液を35分間にわたり滴下して添加し、次いでこの温度でさらに30分間撹拌した。反応物を周囲温度まで温め、次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液(200mL)で反応停止させ、酢酸エチル(500mL)および水(50mL)で希釈した。下方の水相を除去し、上方の有機相を炭酸ナトリウム水溶液(200mL)、1Mクエン酸水溶液(2x100mL)、水(3x100mL)および最後にブライン(100mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、黄色/褐色固形物を得て、次に熱い酢酸エチルから結晶化させた。固形物をMTBE(100mL)中で一晩再スラリー化し、ろ過により単離し、2時間風乾して、3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミド(12.31g、88.6%純度、82.0%収率)をクリーム状固形物として得た。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):0.56(2H,s),0.64−0.78(2H,m),2.03(3H,s),2.8−2.9(1H,m),7.31(1H,d),7.72(2H,s),7.79(1H,d),8.55(1H,s).
13C−NMR(δ,DMSO,101MHz):5.6,5.7,9.9,23.1,114.7,122.1,122.4,125.6,130.1,134.2,139.9,141.6,151.5,160.2,164.8.
実施例5
N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−ベンズアミドの調製(スキーム9)
段階1:ベンジル−[2−[2−[1−[[4−[5−(シクロプロピルカルバモイル)−3−フルオロ−2−メチル−フェニル]−3−オキソ−ピラジン−2−イル]アミノ]シクロプロピル]フェノキシ]エチル]−メチル−アンモニウムヘミ−オキサレート
冷却器、窒素注入口、オーバーヘッド撹拌機、内部温度プローブおよび酸素センサーを取り付けた250mLジャケット付き容器を完全に不活性化し、窒素をフラッシュして、酸素レベルを0.12%に低下させた。3−(3−ブロモ−2−オキソ−ピラジン−1−イル)−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミド(12.00g、30.0mmol、1.0当量)を固形物としてこの容器に入れ、続いて脱気した酢酸イソブチル(121mL、10相対体積)、1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロパン−アミンジパラ−トルエンスルホン酸(21.2g、33.1mmol、1.1当量)および炭酸カリウム(13.7g、99.1mmol、3.3当量)を入れた。酸素レベルが<0.2%に下落するまで周囲温度にて混合物を窒素下で30分間撹拌し、その後、内部温度を110℃に設定した。バッチを110℃で24時間撹拌し、次いで40℃まで冷ました。混合物に0.5M水酸化ナトリウムの溶液(60mL)を添加し、続いてエタノール(8.8mL、150mmol、5.0当量)を添加した。混合物を5分間撹拌し、相を分離させた。下方の水相を除去し、上方の有機相を0.5M水酸化ナトリウム(60mL)で洗浄した。塩基性水相を除去し、2M塩酸(60.5mL)およびエタノール(8.8mL、150mmol、5.0当量)を有機層に添加し、混合物を加熱し、40℃で5分間撹拌した(この時、生成物は酸性水相中に存在する)。有機相を分離し、廃棄し、水相を酢酸イソブチル(2x60mL)で洗浄した。相を分離した後、有機層を再び廃棄し、次いで酸性層を35分間にわたり、tert−ブチルメチルエーテル(99mL)、4M水酸化ナトリウム(33mL)およびエタノール(8.8mL)の温めた(40℃)混合物に滴下して添加し、続いて、さらなるtert−ブチルメチルエーテル(60mL)を添加した。混合物を40℃で5分間撹拌し、次いで分離させた。有機相を保持し、水相を廃棄した。エタノール(60.5mL)を入れ、続いて純粋なエタノールのみが留出するまで常圧蒸留を行い、110mL(10相対体積)エタノール中の粗製生成物の最終濃度にすることによって、有機相に対して純粋エタノールへの溶媒交換を行った。エタノール溶液を50℃で撹拌し、水(49.5mL、4.5相対体積)を30分間にわたり滴下して添加した。ここで濁った混合物の内部温度を55℃に上昇させて、透明な溶液を得て、その後、10mgの生成物で種晶添加を行った(シードは、溶液のアリコートを採取し、0〜10℃にこれを冷却することによって得られ得る)。混合物を55℃で15.5時間撹拌し、その後、水(5.5mL、0.5相対体積)を5分間にわたり入れた。次いで懸濁液を一定の速度で55℃〜20℃に5時間にわたり冷却し、次いで温度を20℃に30分間保持した。生成物をろ過し、スラリーを5℃にて30分間(1:1)エタノール/水(55mL、5相対体積)で洗浄した。ろ過および50℃の真空オーブン中での2日間の乾燥によって、3−[3−[[1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミドをベージュ色の固形物(12.33g、97%純度、65%収率)として得た。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):0.5−0.6(2H,m),0.6−0.7(2H,m),1.0−1.2(4H,m),1.9(3H,d),2.2(3H,s),2.8−2.9(2H,m),2.8−2.9(1H,m),3.6(2H,s),4.1(2H,br t),6.7(1H,d),6.8−6.9(1H),6.8−6.9(1H,m),6.9(1H,d),7.1−7.2(1H,m),7.2(1H,d),7.2−7.3(2H,m),7.3(1H,s),7.3−7.3(2H,m),7.5(1H,dd),7.6(1H,s),7.7−7.8(1H,m),8.4(1H,d).
13C−NMR(δ,DMSO,127MHz):5.6,5.7,10.0,14.0,14.1,23.1,32.8,42.3,55.7,62.0,66.0,111.7,114.3,117.5,119.4,121.7,121.9,125.6,126.8,128.1,128.3,128.7,129.5,130.2,134.0,139.1,139.9,150.1,151.0,157.7,160.3,164.7.
ヘミ−シュウ酸塩への再結晶化:
3−[3−[[1−[2−[2−[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]−N−シクロプロピル−5−フルオロ−4−メチル−ベンズアミド(18.23g、28.52mmol、1.0当量)を2−プロパノール(83mL、4.5相対体積)中で溶解させ、65℃に加熱した。熱い溶液に、シュウ酸(1.29g、14.3mmol、0.5当量)を添加し、混合物をゆっくりと冷まし始めた。およそ57〜58℃で、所望のヘミ−シュウ酸塩のシード(89mg、0.5%;ヘミ−シュウ酸塩のシードは、熱い溶液のアリコートを回収し、これを周囲温度まで冷ますことによって得られ得;結晶化は自然に起こる)を添加し、50℃に冷却しながら、混合物を30分間撹拌した。次いで、混合物を3時間にわたり20℃まで冷まし、20℃で一晩(15時間)撹拌した。生成物をろ過により単離し、50℃で真空オーブン中で乾燥させて、ベンジル−[2−[2−[1−[[4−[5−(シクロプロピルカルバモイル)−3−フルオロ−2−メチル−フェニル]−3−オキソ−ピラジン−2−イル]アミノ]シクロプロピル]フェノキシ]エチル]−メチル−アンモニウムヘミオキサレート(16.56g、97.9%純度、90.8%収率)をクリーム状の固形物として得た。
H−NMR(δ,DMSO,500MHz):0.5(2H,m),0.6−0.7(2H,m),1.0−1.1(1H,m),1.1−1.2(3H,m),1.9(3H,d),2.5−2.5(3H,m),2.8−2.8(1H,m),3.1(2H,br s),3.9(2H,br s),4.2(2H,br t),6.7(1H,d),6.8−6.9(1H,m),6.8−6.9(1H,m),6.9(1H,d),7.2(1H,td),7.3−7.4(3H,m),7.4(2H,d),7.4(1H,s),7.5(1H,dd),7.6(1H,s),7.7(1H,dd),8.5(1H,d).
13C−NMR(δ,DMSO,127MHz):5.6,5.7,10.0,14.0,14.1,23.1,32.7,41.2,55.1,60.7,64.7,111.7,114.3,117.5,119.7,121.7,122.0,125.6,127.8,128.4(m,3C),128.4,129.4 129.7,130.6,134.0,139.9,150.1,151.0,157.4,160.3,164.7.
段階2:N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミド
1:1イソプロパノール:水の混合液(100mL、10相対体積)中のベンジル−[2−[2−[1−[[4−[5−(シクロプロピルカルバモイル)−3−フルオロ−2−メチル−フェニル]−3−オキソ−ピラジン−2−イル]アミノ]シクロプロピル]フェノキシ]エチル]−メチル−アンモニウムヘミオキサレート(10.29g、15.9mmol、1.0当量)およびPd−C(Johnson Mattey type 5R87L湿潤ペースト、3%w/w Pd、425mg、0.12mmol、0.0075当量)の懸濁液に対して50℃、4bar水素圧力で4時間にわたり水素添加を行った。この時間の終了時に、20℃で25%w/w水酸化ナトリウム水溶液(およそ1.9mL)を使用して、混合物のpHを12.5〜13.0に調整した。次に、混合物を30℃に加熱し、Harborlite(登録商標)ベッドに通してろ過して、パラジウム炭素を除去した。ろ過ケーキをイソプロパノール(20mL、2相対体積)で洗浄し、ろ液を主要なバッチと合わせた。酢酸イソプロピル(80mL、8相対体積)を合わせたろ液に添加して、2相の混合物を得て、次にこれを分離し、下方の水相をさらなる酢酸イソプロピル(80mL、8相対体積)で再抽出した。次に、水相を廃棄し、合わせた有機相を25%w/w NaCl水溶液(50mL、5相対体積)および次に水(50mL、5相対体積)で洗浄した。次いで、残留溶液が70mL(7相対体積)になるまで、有機相を65℃〜70℃(蒸発温度:およそ50℃)に設定した水浴温度で300mbarで蒸留した。さらなる酢酸イソプロピル(100mL、10相対体積)を混合物に添加し、残留する混合物が60mL(6相対体積)になるまで300mbarで蒸留を継続した。この点で、<0.5%w/w未満であることを確認するために混合物の水分含量を測定した[これより高い場合、さらなる酢酸イソプロピル(5相対体積)を添加すべきであり、的確な水分レベルが得られるまで蒸留を反復する]。混合物の温度を60℃に調整し、バッチに対して、N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]−アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミド(10mg、入力出発材料に対して0.1%w/w)で種晶添加を行った。[シードは、熱い溶液のアリコートを回収し、自然な結晶化が起こるまでこれを周囲温度まで冷ますことによって得られた]。残留する混合物が40mL(4相対体積)になるまで蒸留を継続した。バッチの温度が60℃を下回らないようにした。60℃で1時間にわたりn−ヘプタン(40mL、4相対体積)を混合物に滴下して添加し、次いで懸濁液を20℃に3時間冷却し、20℃で4時間撹拌した。次いで、生成物をろ過し、吸引乾燥し、次いでn−ヘプタン(20mL、2相対体積)で洗浄し、吸引乾燥した。次に、生成物を50℃の真空オーブン中で乾燥させて、N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]−アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミド(7.4g、90%収率)を自由流動性の固形物として得た。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):0.51−0.53(m,2H),0.65−0.70(m,2H),1.02−1.05(m,1H),1.18(s,3H),1.96(s,3H),2.38(s,3H),2.82−2.90(m,3H),4.05(t,5.52Hz,2H),6.74(d,4.52Hz,1H),6.83−6.88(m,2H),6.96(d,8.04Hz,1H),7.17−7.21(m,1H),7.48−7.51(m,2H), 7.60(s,1H),7.73(d,10.00Hz,1H),8.46(d,4.00Hz,1H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):5.6,9.9,13.8,14.0,23.1,32.1,36.1,50.4,67.4,111.9,114.1,114.4,117.3,119.5,121.7,121.9,125.5,125.7,128.3,129.7,130.3,133.9,134.0,139.9,150.1,151.0,157.8,159.1,161.5,164.7,164.7.
段階3:N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミド、S型を得るための再結晶化
粗製N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミド(20.0g、407mmol、1.0当量)を容器に入れ、続いてアセトニトリル(170mL、8.5相対体積)を入れた。混合物を還流温度に1時間加熱し、次いで篩にかけて第2の容器に入れ、異物を除去した。第1の容器をアセトニトリル(10mL、0.5相対体積)ですすぎ、これも篩にかけて第2の容器に入れた。アセトニトリル溶液を15分間にわたり70℃に加熱し、その後、55℃に冷却した。アセトニトリル(1mL、0.05相対体積)中のシードN−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミドS型(140mg)の懸濁液を透明な溶液に入れ、得られた懸濁液を55℃で10時間保持した。[S型のシードは、熱溶液のアリコートを回収し、これを周囲温度までゆっくりと冷ますことによって得た]。次に、得られたスラリーを20時間かけて5℃に冷却した。懸濁液をろ過し、ろ過ケーキをMTBE(各洗浄40mL、2相対体積)で2回洗浄した。50℃の真空オーブン中で20時間乾燥させた後、N−シクロプロピル−3−フルオロ−4−メチル−5−[3−[[1−[2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル]シクロプロピル]アミノ]−2−オキソ−ピラジン−1−イル]ベンズアミドS型(16.6g、83%収率)を顆粒状の固形物として単離した。
H−NMR(δ,CDCl,400MHz):0.51−0.53(m,2H),0.65−0.70(m,2H),1.02−1.05(m,1H),1.18(s,3H),1.96(s,3H),2.38(s,3H),2.82−2.90(m,3H),4.05(t,5.52Hz,2H),6.74(d,4.52Hz,1H),6.83−6.88(m,2H),6.96(d,8.04Hz,1H),7.17−7.21(m,1H),7.48−7.51(m,2H), 7.60(s,1H),7.73(d,10.00Hz,1H),8.46(d,4.00Hz,1H).
13C−NMR(δ,CDCl,100.6MHz):5.6,9.9,13.8,14.0,23.1,32.1,36.1,50.4,67.4,111.9,114.1,114.4,117.3,119.5,121.7,121.9,125.5,125.7,128.3,129.7,130.3,133.9,134.0,139.9,150.1,151.0,157.8,159.1,161.5,164.7,164.7.
実施例5、段階3により得られた式(I)の化合物のS型のXRPDディフラクトグラムを下の図1で示す。
X線粉末回折ピークは表Aで示す。
実施例6
式(I)の化合物のS型の化学的安定性のA型との比較
上記実施例5に記載の方法を使用して、式(I)の化合物のS型の結晶性粒子を得た。国際公開第2010/071583号パンフレットに記載の酢酸エチル−ヘプタン結晶化系を使用してA型の結晶性粒子も得た。A型およびS型の試料を加速分解実験に供した。温度および相対湿度の様々な組み合わせで各結晶形態の試料を保管し、第0、14および28日にHPLCによって純度について分析した。試験の結果を表Bで示す。試料が曝露された全ての条件下で、S型がA型よりも顕著に少ない分解を示したことが分かり得る。
実例となる実施形態の以上の記載は、出願者の明細書を用いて他の当業者にその原理およびその実際的な適用を単に知らせようとするものであるので、当技術分野の他の当業者は、特定の使用の要件に最適となり得るように、その多くの形態の仕様に容易に適応し、適用し得る。この記載およびその具体例は、本願の実施形態を示しながら、単なる例示を目的とするものである。したがって、本明細書は、本明細書中に記載の例示的な実施形態に限定されず、様々に改変され得る。さらに、明確にする目的で、個別の実施形態の文脈で記載される本明細書の様々な特性はまた、単一の実施形態を形成するために組み合わせられ得ることが認識されるはずである。逆に、簡潔にする目的で、単一の実施形態の文脈で記載される本明細書の様々な特性はまた、そのサブコンビネーションを形成するために組み合わせられ得る。

Claims (14)

  1. −シータ=9.1、15.1、16.2、16.8および23.8°(これらの値はプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得る)に特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物:
    の結晶形態。
  2. −シータ=9.1、11.6、13.7、15.1、15.5、16.2、16.8、18.1、20.8および23.8°(これらの値はプラスまたはマイナス0.2°2−シータであり得る)に特異的ピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態。
  3. 図で示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態。
  4. 該X線粉末回折パターンが銅放射を使用して得たものである、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態。
  5. 該X線粉末回折パターンがニッケルフィルターとともに銅陽極を使用して得たものである、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態。
  6. 下図で示されるFT−ラマンスペクトルと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有する、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態の作製のための方法であって、アセトニトリルを含有する溶媒系中の式(I)の化合物の溶液、懸濁液またはスラリーから前記化合物を結晶化させることを含む、方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態と、薬学的に許容可能な希釈剤または担体とを含む、医薬組成物。
  9. 呼吸器疾患の処置での使用のための、請求項に記載の医薬組成物。
  10. 慢性閉塞性肺疾患の処置での使用のための、請求項に記載の医薬組成物。
  11. 喘息の処置での使用のための、請求項に記載の医薬組成物。
  12. 呼吸器疾患を処置するための医薬の製造における、請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態の使用。
  13. 慢性閉塞性肺疾患を処置するための医薬の製造における、請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態の使用。
  14. 喘息を処置するための医薬の製造における、請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態の使用。
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