以下、実施形態に係る静電容量式タッチスイッチ及び収納装置について説明する。
<収納装置の全体構成について>
まず、収納装置の全体構成について説明する。図1は収納装置10を示す斜視図であり、図2は収納装置10の部分正面図である。
収納装置10は、収納部としてのキャビネット12と、扉ロック機構20と、開閉操作ユニット30とを備える。
キャビネット12は、収納本体部14と、扉16a、16bとを備える。
収納本体部14は、一方側(前方側)が開口する箱状に形成されており、収納本体部14内に収納空間14Sが形成されている。
収納本体部14の開口部に、開閉部材として、両開きタイプの扉16a、16bが開閉可能に取付けられている。扉16a、16bの突き合せ部分は、重なり合って配設されており、外側で重なる一方の扉16a(図1及び図2では右側の扉)を閉じた状態では、内側で重なる他方の扉16bを開くことができないようになっている。
なお、ここでは、キャビネット12が両開きタイプの扉16a、16bを備える例で説明するが、キャビネットは、片開きタイプの扉を備えるものであってもよい。また、キャビネットは、収納スペースに対して引出及び押込可能に引出部が設けられた構成であってもよい。この場合、引出が収納スペースに対して開閉可能な開閉部材である。
一方の扉16aには、扉ロック機構20が設けられている。扉ロック機構20は、当該扉16aに組込まれ、扉16a、16bを閉ロック状態又は開可能状態にする機構である。ここでは、扉ロック機構20は、シャフト22と、ロック爪部24とを備える。シャフト22は、扉16aの内側に上下方向に沿って、かつ、回転可能に取付けられている。シャフト22のいずれか一方の端部には、ロック爪部24が当該シャフト22に対して相対回転不能に取付けられている。そして、扉16aを閉じた状態で、シャフト22を回転させると、ロック爪部24が姿勢変更して収納本体部14の開口部の縁に形成されたロック孔に係止する。これにより、扉16aが閉ロック状態となる。また、シャフト22を回転させて、ロック爪部24を姿勢変更させると、ロック爪部24とロック孔との係止が解除され、扉16aを開可能状態にすることができる。扉ロック機構としては、上記構成の他、シャフトをその軸方向に移動させて、収納本体部の開口部の縁に係脱させる構成、係止爪を他方の扉に係脱させる構成等、周知構成を含む各種構成を採用することができる。
上記一方の扉16aに、利用者の認証、扉ロック機構20の操作受付、扉ロック機構20の動作規制を行う開閉操作ユニット30が扉16aに組込まれている。
<開閉操作ユニットの全体構成について>
開閉操作ユニット30の全体構成について説明する。
図3は開閉操作ユニット30の全体構成を示す斜視図であり、図4は同開閉操作ユニット30の一部分解斜視図である。
開閉操作ユニット30は、枠部材32と、取っ手部40と、ロック駆動部50と、静電容量式タッチスイッチ装置60とを備える。
枠部材32は、樹脂等によって形成された部材であり、第1収容部33と、第2収容部34と、第3収容部35とを備える。ここでは、第1収容部33、第2収容部34及び第3収容部35は、この順で一列に並ぶように形成されている。第1収容部33にロック駆動部50が組込まれ、第2収容部34に取っ手部40が組込まれ、第3収容部35に静電容量式タッチスイッチ装置60が組込まれる。
取っ手部40は、上記枠部材32の第2収容部34に姿勢変更可能に支持されている。本開閉操作ユニット30が扉16aの裏面側に取付けられた状態で、取っ手部40と上記シャフト22とは、取っ手部40の姿勢変更に連動してシャフト22を回転させるように連結されている。なお、上記ロック爪部24をロック孔に係止させる方向に、シャフト22がコイルバネ等の付勢部材によって付勢されている。そして、取っ手部40を操作(例えば、引っ張り操作)することで、ロック爪部24とロック孔との係止が解除される。また、取っ手部40を操作する力を解除(例えば、引っ張り操作を解除)すると、取っ手部40が元の姿勢に戻り、ロック爪部24が付勢力によって姿勢変更して、ロック爪部24がロック孔に係止可能となる。なお、取っ手部40からシャフト22への連結は一方向への連結であり、従って、取っ手部40を操作することで、シャフト22を回転させることができる一方、取っ手部40を初期姿勢(引っ張らない状態)に保った状態で、シャフト22を回転させてロック爪部24をロック孔に係止させることができるようになっている。
ロック駆動部50は、上記静電容量式タッチスイッチ装置60の制御に応じて動作制御され、上記扉ロック機構20の動作規制を行う。ロック駆動部50は、ソレノイドアクチュエータ52と、規制片54とを備えている。ソレノイドアクチュエータ52は、コイルと可動鉄心等を備えるアクチュエータであり、このソレノイドアクチュエータ52によって規制片54が往復駆動される。なお、ソレノイドアクチュエータ52は、ソレノイドケース53内に収容されている。規制片54は、上記取っ手部40又は取っ手部40とシャフト22との連結部分等の側方に配設され、取っ手部40の姿勢変更を可能にする位置と取っ手部40の姿勢変更を規制する位置との間で往復移動可能に支持されている。そして、ソレノイドアクチュエータ52の駆動下、規制片54が移動することで、取っ手部40の姿勢変更が可能な状態と姿勢変更が規制された状態とに切替えられる。取っ手部40が姿勢変更可能な状態では、当該取っ手部40を操作することで、上記扉ロック機構20のロック爪部24とロック孔との係止を解除できる。つまり、この状態が、扉16aを開可能な状態にするロック解除状態である。また、取っ手部40が姿勢変更不能な状態に規制された状態では、取っ手部40を操作して扉ロック機構20のロック爪部24とロック孔との係止を解除できなくなる。つまり、この状態が、扉16aを閉じた状態に保つロック状態である。なお、上記したように、この状態でも、扉16aを開いた状態から閉じると、ロック爪部24をロック孔に係止させることができる。
本実施形態では、扉ロック機構20、取っ手部40及びロック駆動部50が、開閉部材である扉16aを閉じた状態に保つロック状態(施錠状態)と、扉16aを開可能な状態にするロック解除状態(解錠状態)とに切替可能なロック機構である。もっとも、ロック機構が上記構成であることは必須ではない。例えば、取っ手部を、扉を開閉操作するための持ち手として設け、ロック機構として、認証結果、動作制御されるソレノイドアクチュエータ等によって、収納本体部に係脱可能なロック爪部が直接的に姿勢又は位置変更される構成を採用してもよい。
静電容量式タッチスイッチ装置60は、利用者によるタッチ操作を受付けると共に、そのタッチ操作に基づいて上記ロック駆動部50を制御可能に構成されている。ここでは、静電容量式タッチスイッチ装置60は、外部の非接触式通信装置との間で通信を行い、その通信結果に基づいてロック駆動部50を制御可能にも構成されている。
すなわち、本実施形態では、開閉操作ユニット30は、利用者によるタッチ操作、及び、利用者による非接触式通信装置を用いた認証操作の少なくとも一方に応じて、ロック駆動部50を制御し、扉16a、16bを閉じた状態と開くことが可能な状態とに切替える。
なお、本開閉操作ユニット30には、電源ユニット45が一体的に組合わされる。電源ユニット45は、乾電池等の一次電池又は充電可能な2次電池を含み、本開閉操作ユニット30に対する電力供給を行う。電源ユニット45は、好ましくは、本開閉操作ユニット30を1年程度操作させることができる程度の容量を有している。
<開閉操作ユニットの電気的構成について>
上記開閉操作ユニット30の電気的構成について説明しておく。図5は開閉操作ユニット30の電気的構成を示すブロック図である。
開閉操作ユニット30は、電気的構成要素として、実装基板70に実装された諸電気要素と、タッチシート90に設けられた諸電気要素と、ソレノイドアクチュエータ52とを備える。
実装基板70には、認証コントローラ200、タッチ検知回路部210C、通信回路部212C、発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)(なお、これらを区別する必要が無い場合、これらを総称して単に発光部214と記載する場合がある)と、発光部214の駆動回路215と、スイッチ216(1)、216(2)と、ソレノイドアクチュエータ52の駆動回路218とを備える。
認証コントローラ200は、中央演算ユニットと記憶装置202とを含む一般的なマイクロコンピュータによって構成されている。中央演算ユニットは、記憶装置202に格納されたプログラム203に記述された各処理ステップを実行する。記憶装置202は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成されている。記憶装置202は、中央演算ユニットが実行するプログラム203を格納すると共に、プログラム203を実行するにあたって必要となる各種の情報(後述する許可情報204、履歴205等)を格納する。また、記憶装置202は、プログラム203を実行するための作業領域を提供する。実装基板70では、当該実装基板70に形成された回路パターンによって、認証コントローラ200と他の諸電気要素とが電気的に接続されている。
タッチ検知回路部210Cは、上記認証コントローラ200に接続されると共に、後述する電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(5)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)(なお、これらを区別する必要が無い場合、これらを総称して単に電極部210と記載する場合がある)に接続されている。そして、各電極部に利用者の手指等が近接すると、当該手指による静電容量の変化を検出し、その検出信号を認証コントローラ200に出力する。これにより、認証コントローラ200は、電極部のいずれに手指が近接したかを検出できるようになる。
通信回路部212Cは、上記認証コントローラ200に接続されると共に、後述するアンテナ212に接続されている。そして、通信回路部212Cは、アンテナ212を通じて後述する外部の非接触式通信装置との間で非接触通信を行い、非接触式通信装置から受信した情報を認証コントローラ200に与え、又は、認証コントローラ200からの情報を非接触通信装置に送信する。非接触通信装置としては、後述するカード型端末装置140、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ等が想定され、通信回路部212Cと非接触通信装置との間の通信としては、電波通信等が想定される。
発光部214は、発光ダイオード等の自発光可能な素子であり、上記実装基板70に実装されることで、当該実装基板70上の一定位置に固定されている。各発光部214は、駆動回路215を通じて認証コントローラ200に接続されている。そして、認証コントローラ200の制御下、各発光部214が個別に発光駆動される。
スイッチ216(1)、216(2)は、上記認証コントローラ200に接続されている。そして、各スイッチ216(1)、216(2)の開閉状態に応じた信号が認証コントローラ200に入力される。例えば、スイッチ216(1)、216(2)は、常開型の押ボタン式スイッチであり、その一方の接点が電源電圧に接続されると共に、他方の接点がプルダウン抵抗Rを介して接地されると共に、認証コントローラ200に接続されている。そして、スイッチ216(1)、216(2)が開状態であると、スイッチ216(1)、216(2)からオフ信号が認証コントローラ200に入力され、スイッチ216(1)、216(2)がオン操作されて閉状態になると、スイッチ216(1)、216(2)からオン信号が認証コントローラ200に入力される。
駆動回路218は、認証コントローラ200に接続されると共に、上記ソレノイドアクチュエータ52に接続されている。そして、認証コントローラ200の制御下、ソレノイドアクチュエータ52の駆動が制御され、上記規制片54が往復進退移動する。
タッチシート90には、電気的構成要素として、静電容量検出用の電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(5)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)と、アンテナ212とが設けられている。
電極部は、導体によって形成されており、タッチシート90に分散して位置するように設けられている。そして、利用者の手指等が当該電極部のいずれかに選択的に近接できるようになっている。
また、アンテナ212は、上記通信回路部212Cが外部の非接触通信装置と通信を行うためのアンテナであり、導体によって形成されている。このアンテナ212は、タッチシート90において、電極部210を避けた位置に設けられている。
これらの電極部210及びアンテナ212については、後で詳細に説明する。
なお、開閉操作ユニット30は、認証コントローラ200と接続されたUSB端子220を備える。開閉操作ユニット30は、本USB端子220を通じて当該USB端子に接続された外部機器とも通信可能である。
<静電容量式タッチスイッチ装置について>
静電容量式タッチスイッチ装置60の全体構成について説明する。図6及び図7は、静電容量式タッチスイッチ装置60の分解斜視図である。
図3、図4、図6及び図7に示すように、静電容量式タッチスイッチ装置60は、タッチシート90と、発光部214と、介在部材80とを備える。そして、各発光部214から照射された光が、介在部材80を通って、タッチシート90に至るようになっている。各光が、介在部材80を通る際に広げられ、静電容量式タッチスイッチ装置60を外部から観察すると、その各タッチスイッチ部130(図17参照)がより広範囲で光って観察されるようになる。
より具体的には、静電容量式タッチスイッチ装置60は、実装基板70、介在部材80、タッチシート90及びカバーシート100がこの順で積層状態に組合わされ、この積層体が本体ケース62に組付けられた構成とされている。
以下、静電容量式タッチスイッチ装置60の各部構成について説明する。
<本体ケースについて>
本体ケース62は、底部63と、当該底部63の一方主面側で底部63の一方主面側を囲む囲壁部66とを備える筺状に形成されている。本体ケース62は、底部63の反対側で開口している。この本体ケース62の開口62hは、扉16a側を向くように配設される。また、底部63は、本体ケース62の底側を部分的に閉塞するように設けられており、従って、本体ケース62の底側のうち底部63が設けられた箇所以外は開口している。この開口63hを通じて外部の電源ユニット45、ソレノイドアクチュエータ52への配線が引出される。
図8は本体ケース62の底部63を示す斜視図であり、図9は底部63のうちスイッチ操作部64(1)、64(2)が設けられた部分を示す概略断面図である。
図7〜図9に示すように、底部63には、複数(ここでは2つ)のスイッチ操作部64(1)、64(2)が隣合って設けられている。各スイッチ操作部64(1)、64(2)は、実装基板70に実装されるスイッチ216(1)、216(2)のそれぞれと対向する位置に設けられている。各スイッチ操作部64(1)、64(2)は、スイッチ216(1)、216(2)を押し操作可能なように当該スイッチ216(1)、216(2)に対して進退可能に設けられている。ここでは、各スイッチ操作部64(1)、64(2)は、底部63にU字状のスリットを形成することによって、底部63の表裏方向に弾性変形可能に設けられている。そして、各スイッチ操作部64(1)、64(2)を押し操作すると、各スイッチ操作部64(1)、64(2)が底部63の内側に弾性変形して、スイッチ操作部64(1)、64(2)の内側に設けられた対応するスイッチ216(1)、216(2)を押し、これにより、各スイッチ216(1)、216(2)をオン状態にする。また、スイッチ操作部64(1)、64(2)を押し操作する力を解除すると、スイッチ操作部64(1)、64(2)が元の形状に弾性復帰し、スイッチ216(1)、216(2)が元のオフ状態に復帰する。
また、各スイッチ操作部64(1)、64(2)は、底部63の外側に向けて突出する操作用突部64a(1)、64a(2)を含む。操作用突部64a(1)、64a(2)は、各スイッチ操作部64(1)、64(2)のそれらを押し操作容易にするための部分である。
本静電容量式タッチスイッチ装置60では、スイッチ216(1)、216(2)のいずれか又は両方を押し操作することで、所定の指示を入力することができる。このため、各スイッチ操作部64(1)、64(2)を選択的に押し操作すること、及び、スイッチ操作部64(1)、64(2)を同時押し操作することをより確実に行える構成であることが好ましい。
そこで、ここでは、上記操作用突部64a(1)、64a(2)の突出寸法を異ならせている。ここでは、操作用突部64a(1)の突出寸法は、操作用突部64a(2)の突出寸法よりも大きい。このため、図10に示すように、手指F等によって操作用突部64a(1)だけを押し操作し易い。また、操作用突部64a(2)を押し操作する際には、図11に示すように、比較的大きく突出している操作用突部64a(1)を避けつつ、操作用突部64a(2)だけを手指F等で押し操作することも容易である。さらに、図12に示すように、操作用突部64a(1)を押し操作したことを触感等で認識しつつ手指F等をさらに押込んで操作用突部64a(2)を押し操作すれば、スイッチ操作部64(1)、64(2)を同時押し操作することも容易である。
このように、複数のスイッチ216(1)、216(2)を押し操作するための複数のスイッチ操作部64(1)、64(2)を、各スイッチ216(1)、216(2)に対応して設けた上で、各スイッチ操作部64(1)、64(2)の操作用突部64a(1)、64a(2)の突出寸法を異ならせることで、スイッチ216(1)、216(2)の別々の押し操作、同時押し操作を容易に行うことができる。本構成は、静電容量式タッチスイッチ装置60に組込まれる場合だけでなく、各種電気部品のスイッチ装置として設けることが可能である。
図6及び図7に示すように、上記囲壁部66の内面には、底部63から開口63hの手前に至る凸条部67が形成されている。ここでは、囲壁部66の内面を構成する4つの面のそれぞれにおいて、間隔をあけて並列状に延在する凸条部67が形成されている。底部63と開口63hとを結ぶ方向において、各凸条部67の開口63h側の端部の位置は一致している。そして、実装基板70が本体ケース62内に収容されると、各凸条部67の開口63h側の端部が実装基板70の周縁部に当接する。これにより、実装基板70が本体ケース62内においてその底側から一定位置で受止めて支持される。
また、囲壁部66のうち対向する一組の側壁部分66aには、介在部材80の係止凸部83pを嵌め込み可能な係止凹部66ahが形成されている。ここでは、各側壁部分66aのうち上記凸条部67よりも開口63h側の位置に2つの係止凹部66ahが形成されている。係止凹部66ahは、側壁部分66aを内外に貫通しているが、貫通しない凹みであってもよい。そして、介在部材80を本体ケース62内に押込むと、介在部材80の各係止凸部83pが対応する係止凹部66ahに係止して、介在部材80が本体ケース62内の一定位置に固定される。この状態では、実装基板70は、上記凸条部67と介在部材80との間に挟み込まれた状態で、本体ケース62内に保持される。
また、囲壁部66の4つの外向き面のうち開口63hに近い側の部分のそれぞれに、2つの位置決め凹部68が並列状に形成されている。ここでは、各位置決め凹部68は、囲壁部66の開口63h側に開口する溝状に形成されている。また、介在部材80の4つの外向き面のうち当該各位置決め凹部68と対応する部分に位置決め凸部83qが形成されている。そして、介在部材80を本体ケース62内に嵌め込むと、各位置決め凸部83qが対応する位置決め凹部68に挿入され、介在部材80が本体ケース62に対してより確実に一定位置で保持される。
また、本体ケース62の4つの外向き面のうち底部63に近い側の部分のそれぞれに、ケース固定凹部69が形成されている。ケース固定凹部69は、本体ケース62を開口63hから底部63に向けて見た正面視において、4回対称性を示す位置に形成されている。ここでは、本体ケース62の4つの外向き面のそれぞれに、2つのケース固定凹部69が間隔をあけて形成されている。
一方、本体ケース62を収容固定する枠部材32の第3収容部35の両側部には、上記ケース固定凹部69に係止可能なケース固定片35Pが形成されている(図4参照)。ここでは、第3収容部35の両側部のそれぞれに、2つのケース固定片35Pが形成されている。各ケース固定片35Pは、第3収容部35の両側部に、その表側(扉の表側)から裏側(扉の裏側)に延在する長尺状の片を形成し、その片の先端部に内向きに突出する係止凸部を形成した構成とされている。そして、第3収容部35の裏側から本体ケース62を押込むように挿入すると、各ケース固定片35Pの先端部の係止凸部が本体ケース62の外側面に当接して、ケース固定片35Pが外向きに弾性変形する。そして、係止凸部がケース固定凹部69に達するまで本体ケース62を押込むと、ケース固定片35Pが元形状に弾性復帰して、係止凸部がケース固定凹部69に係止する。これにより、本体ケース62が第3収容部35に対して裏側に抜けないように保持される。この状態では、本体ケース62の囲壁部66のうち底側の周縁部から外方に突出するように形成された縁部66pが第3収容部35に対して裏側から当接する。このため、本体ケース62は、第3収容部35の表側にも抜け無いように保持されている。これにより、本体ケース62が第3収容部35内で一定位置に保持される。
なお、第3収容部35は、正方形枠状に形成されており、本体ケース62も正方形枠状に形成されている。このため、本体ケース62を、その開口63hから底部63に向う軸周りに90度毎に回転させた任意の姿勢で、本体ケース62を第3収容部35に嵌め込むことができる。この際、本体ケース62の4つの外向き面のそれぞれにケース固定凹部69が形成されているため、本体ケース62を上記のように90度毎に回転させた任意の姿勢で、各ケース固定片35Pは、本体ケース62の両側部のケース固定凹部69に係止することができる。従って、静電容量式タッチスイッチ装置60を、90度毎に回転させた任意の姿勢で、第3収容部35に収容して固定することができる。
後述するように、カバーシート100には、数字が印刷されているため、正面から見て上下、左右の方向性を有する。一方、本開閉操作ユニット30については、その取付対象部位に応じて、90度回転させた横向き姿勢で扉等に組込む構成に流用されることもあり得る。第3収容部35に対する静電容量式タッチスイッチ装置60の取付姿勢を変更可能とすることで、開閉操作ユニット30の取付姿勢の変更に対しても容易に対応できる。
<実装基板について>
実装基板70は、正方形板状に形成されており、その一方主面に発光部214が実装固定され、他方主面に、認証コントローラ200、タッチ検知回路部210C、通信回路部212C、スイッチ216(1)、216(2)と、駆動回路218等を構成するICチップ等の電子部品72、スイッチ216(1)、216(2)が実装固定されており、それらの各部は、実装基板70に形成された回路パターンを通じて電気的に接続されている。
実装基板70の一方主面では、発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)が格子点状、ここでは、縦3行、横3列に並ぶように固定されている。各発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)は、それぞれ各電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(5)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)に対応して設けられている。
また、実装基板70の他方主面では、上記スイッチ216(1)、216(2)は、スイッチ操作部64(1)、64(2)の裏面側に対応する位置に固定されており、スイッチ操作部64(1)、64(2)の押し操作によって、対応するスイッチ216(1)、216(2)が押し操作されるようになっている。
また、実装基板70の他方主面側には、USB端子220も実装固定されている。USB端子220は、本体ケース62の底部63を避けた開口部分の内側に設けられており、当該開口を通じて外部機器側のUSB端子を本USB端子220に接続できるようになっている。
本実装基板70は、上記したように、本体ケース62内で各凸条部67と介在部材80との間に挟み込まれた状態で、一定位置に保持される。
<介在部材について>
介在部材80は、タッチシート90と発光部214との間に介在し、各発光部214から照射される光を電極部210に向けて案内可能に構成されている。ここでは、介在部材80は、各発光部214から照射される光を広げつつ電極部210に向けて案内可能に構成されている。なお、介在部材80において、光が広げられることは必須ではなく、発光部214から照射される光を後述する光透過孔によって制限する構成であってもよい。光通過孔の形状を所望の形状に形成することで、発光領域の形状、範囲を任意に設定することができる。
ここでは、介在部材80は、発光部214と電極部210との間に間隔を設けることで、各発光部214から照射される光を広げる構成とされている。
より具体的には、介在部材80は、介在本体部82と、窓部88とを備える。
介在本体部82は、樹脂等によって形成された部材であり、直方体ブロック状に形成されている。介在本体部82は、光を通さない材料、例えば、黒色の樹脂等によって形成されていることが好ましい。介在本体部82をその一方主面(正面)から観察すると、本体ケース62内に収容可能な正方形の外形を有している。また、介在本体部82内には、発光部214から電極部210に向けて貫通する光通過孔84が形成されている。ここでは、上記各発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)に対応して複数の光通過孔84が形成されている。すなわち、9つの光通過孔84が、格子点状、ここでは、縦3行、横3列に並ぶように形成されている。
ここでは、各光通過孔84は、正方形孔状に形成されている。もっとも、光通過孔は、丸孔、多角形孔等であってもよい。また、光通過孔は、複数の発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)に共通して形成される単一の孔であってもよい。
各光通過孔84のうち電極部210側の開口は、その他の部分よりも段部84Sを介して広がる開口縁部85に形成されている。窓部88は、アクリル樹脂等の透明材料によって形成されており、開口縁部85に嵌め込み可能な板状、すなわち、方形板状に形成されている。そして、各光通過孔84の開口縁部85に窓部88が嵌め込み保持される。これにより、介在部材80のうちタッチシート90が配設される面は、介在本体部82のうちタッチシート90側の面と窓部88とが面一状に広がる形状となる。
実装基板70に実装された発光部214は、対応する光通過孔84のうち実装基板70側の部分内に配設されるため、各発光部214から照射された光は、各光通過孔84を通って電極部210に至る。つまり、発光部214は、ある程度の距離を通って電極部210に至る。通常、発光ダイオード等の発光部から照射される光は、平行光ではなく、拡散角度が比較的小さい拡散光である。このため、発光部から照射される光は、光通過孔84を通る際にある程度広がる。このため、外部から見て静電容量式タッチスイッチ装置60のタッチスイッチ部130をなるべく広範囲に発光させることができる。
本実施形態における介在部材80は、発光部214と電極部210との間に一定の距離を設けることで、光を広げる構成である。介在部材が上記構成であることは必須ではない。介在部材が光を散乱させる光散乱部分を含み、当該光散乱部分によって、発光部214からの光を広げる構成であってもよい。
また、上記介在本体部82の周囲4つの面のうち対向する2つの面には、それぞれ外方に突出する係止凸部83pが形成されている。ここでは、対向する2つの面のそれぞれに、間隔をあけて2つの係止凸部83pが形成されている。そして、既述したように、介在部材80が本体ケース62内に収容された状態で、各係止凸部83pが本体ケース62の係止凹部66ahに係止する。
また、介在本体部82の周囲4つの面のそれぞれに2つの位置決め凸部83qが並列状に形成されている。そして、既に述べたように、介在部材80を本体ケース62内に嵌め込んだ状態で、各位置決め凸部83qが本体ケース62側の各位置決め凹部68に嵌り込む。
<タッチシートについて>
図13はタッチシート90を示す正面図である。図6、図7及び図13に示すように、タッチシート90は、シート92と、電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(5)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)とを備える。
シート92は、ポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂シートによって形成されている。シート92は、正方形状に形成されており、上記介在部材80の表側の正方形面の全体に配設される。シート92の1つの辺の中央からは、電極部210と実装基板70とを電気的に接続するための配線を形成するための延長シート部93が延設されている。介在部材80とシート92とは、例えば、両面テープ等によって貼り合わされる。なお、ここでは、シート92の角部は丸められているが、これは必須ではない。なお、シート92の一方面又は両面には、透明のポリエステルフィルム等によって形成された保護シートが設けられていることが好ましい。シート92のうち電極部210が設けられた面側では、保護シートは、電極部210を覆うように設けられていることが好ましい。
電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(5)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)は、それぞれ各発光部214(1)、214(2)、214(3)、214(4)、214(5)、214(6)、214(7)、214(8)、214(9)に対応する各位置に設けられている。すなわち、9つの光通過孔84及び9つの電極部210が、一定間隔をあけてマトリクス状に、ここでは、縦3行、横3列に並ぶように形成されている。
また、ここでは、電極部210は、正方形状に形成されている。本例では、電極部210は、各窓部88の位置及び大きさとも一致している。もっとも、電極部は、その他の多角形状、円形状等であってもよい。
シート92及び延長シート部93には、各電極部210から延長シート部93を通って実装基板70に接続される電極用配線211が形成されている。
上記電極部210及び電極用配線211は、シート92に導電性膜を形成し、当該導電性膜を所定パターンでエッチングすること、又は、シート92に所定パターンで導電性膜を印刷すること等により形成することができる。
電極部210は、透光性を有することが好ましい。ここでの透光性とは、発光部214の光を、電極部210を通じて外部から視認可能な程度で、光が電極部210及び電極用配線211を透過できる性質を有することを意味する。そのために、電極部210を形成する材料としては、酸化インジウムスズや酸化亜鉛等を用いることができる。
また、ここでは、シート92に、アンテナ212が形成されている。アンテナ212は、電極部210の外周であって、電極部210との間に間隔を設けると共に、シート92の縁との間に間隔を設けた位置に形成されている。より具体的には、正方形ループ状のアンテナ212が、シート92の外周に沿って形成されている。
アンテナ212を全電極部210の外周に設けることで、アンテナ212の長さ寸法を大きくでき、結果、アンテナ212の受信感度を良好にすることができる。
また、各電極部210のうち外周側にある電極部210(1)、210(2)、210(3)、210(4)、210(6)、210(7)、210(8)、210(9)とアンテナ212との間には、間隔が設けられている。また、アンテナ212とシート92の縁との間にも間隔が設けられている。これによっても、アンテナ212の受信感度を良好にすることができる。
すなわち、アンテナ212の内周側直近及び外周側直近に他の導電体が存在すると、電波が、アンテナ212の外周側及び内周側を通過するのに障害となる。本実施形態では、シート92は、扉16aに形成された開口16h内に配設されるところ(図16参照)、扉16aは金属板等によって構成されている。このため、アンテナ212がシート92の縁に設けられていると、アンテナ212の外周側で扉16aが電波を遮断してしまう。また、電極部210も導電体であるので、アンテナ212が電極部210直近に形成されていると、電極部210が電波を遮断してしまう。
そこで、上記のように、シート92とアンテナ212との間に間隔を設けると共に、電極部210とアンテナとの間に間隔を設けることで、アンテナ212の内周側及び外周側の両方で、電波が通過可能な領域を確保することができ、アンテナ212の受信感度を良好にすることができる。
アンテナ212は、上記電極部210と同じ導電材料によって形成されていてもよいし、他の導電材料によって形成されていてもよい。アンテナ212が形成された部分では、光を透過させなくてもよいので、導電性を重視して、アルミニウム、銅等の金属によって形成されていてもよい。アンテナ212についても、上記電極部210と同様に、シート92に導電性膜を形成し、当該導電性膜を所定パターンでエッチングすること、又は、シート92に所定パターンで導電性膜を印刷すること等により形成することができる。
なお、アンテナ212は、延長シート部93を通るアンテナ用配線213を介して実装基板70に接続される。
上記電極部210及びアンテナ212は、シート92のうち表側(操作者が存在する側)に形成されることが好ましい。電極部210及びアンテナ212をなるべく外部に近づけて、タッチ感度又は受信感度を良好にするためである。
<カバーシートについて>
図14はカバーシート100を示す正面図であり、図15はカバーシート100を示す背面図であり、図16はカバーシート100が扉16aに装着された状態を示す概略断面図である。また、図17は静電容量式タッチスイッチ装置60の一部が発光している状態を示す説明図であり、図18は静電容量式タッチスイッチ装置60の部分概略断面図である。図18では、説明の便宜上、カバーシート100、タッチシート90等の厚みが誇張して描かれている。
カバーシート100は、シート基部102を備える。
シート基部102は、ポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂シートによって形成されている。シート基部102は、カバーシート本体部103と、カバーシート周縁部105とを備える。
カバーシート本体部103は、タッチシート90と同じ大きさ又はこれよりも大きい(僅かに大きい)の正方形状に形成されている。カバーシート本体部103の各角部は丸められているがこれは必須ではない。カバーシート本体部103の周縁部には、その一方面側(タッチシート90側)に向けて突出する周壁部104が突設されている。当該周壁部104の突出側の縁部からカバーシート周縁部105が外方に向けて延出している。このため、カバーシート周縁部105は、カバーシート本体部103の周囲から段差105Sを介して凹むように設けられている。
好ましくは、段差105Sの寸法(カバーシート本体部103の外向き面とカバーシート周縁部105の外向き面との差)は、扉16aのうち本静電容量式タッチスイッチ装置60が設けられる開口63hの周縁部分の厚みと同じに設定される。これにより、カバーシート周縁部105を当該開口63hの周縁部の内向き部分に接触させるようにして、静電容量式タッチスイッチ装置60を扉16aに取付けた状態で、カバーシート周縁部105の外向き面と扉16aの外向き面とを面一状に配設することができる。もっとも、段差105Sの寸法が、開口63hの周縁部分の厚みと同じであることは必須ではない。
上記シート基部102は、例えば、平面状のシートを、所定形状の金型にてバキューム成型すること等によって形成することができる。当初均一の厚みを呈する平面状のシートをバキューム成型すれば、バキューム成型後のシート基部102も、カバーシート本体部103では、比較的均一な厚みを保ち易いという利点がある。なお、シート基部102は、プレス成型によって形成することも可能である。
カバーシート本体部103のうち外向き部分は、シボ面106に形成されている。シボ面106は、例えば、カバーシート本体部103の外向き表面に触感可能な程度の厚みのインク等を塗布するように印刷すること、或は、所定の金型面に形成されたシボ加工面の形状を、カバーシート本体部103の外向き表面に形状転写すること等により形成することができる。カバーシート本体部103の外向き表面がシボ面106を呈していると、手指等を当該カバーシート本体部103のシボ面106に接触させた際に、当該手指等を、シボ面106に引っ掛かるせることなく、滑らかに移動させることができる。これにより、利用者が、本静電容量式タッチスイッチ装置60に対するタッチ入力(特に、後述するジェスチャー入力)を円滑に行える。
また、カバーシート本体部103のうち内向き部分には、第1印刷部107及び第2印刷部108が形成されている。第1印刷部107及び第2印刷部108は、それぞれ半透光性を有する印刷膜である。第1印刷部107は、カバーシート本体部103の内向き部分のうち表示部102a(ここでは、1〜9を表す数字表示部)の領域以外の領域に形成されている。また、第2印刷部108は、カバーシート本体部103の内向き部分のうち表示部102aを囲む領域以外の領域に形成されている。ここでは、表示部102aを囲む領域は、方形領域(ここでは、正方形領域)である。当該領域は、その他の多角形領域、円形領域等であってもよい。もっとも、この領域は、後述するようにぼんやりと光る領域である。この領域が円形領域等であると、指先で隠れ、当該発光を外部から認識し難い可能性がある。この領域を方形領域とすることによって、その部分に指先を近づけた場合でも、コーナー部分が指先がはみ出るため、その領域の発光を認識し易いという利点がある。このように、カバーシート100は、表示部102aの部分においてもっとも高い透光性を示し、その周囲の領域で2番目に高い透孔性を示し、その他の領域は、最も低い透光性を示す。
上記第1印刷部107及び第2印刷部108は、カバーシート本体部103の裏面側に形成されているため、カバーシート本体部103の表面に触れる手指等によってすり減りにくい。このため、上記発光表示を長期間に亘って維持することができるという利点がある。
なお、上記表示部102aがあることは必須ではない。
図18を参照して開閉操作ユニット30における発光態様について説明しておく。図18において、タッチシート90とカバーシート100との間、介在部材80とタッチシート90との間には、両面テープ等による粘着層Bが介在している。粘着層Bを形成する材料としては、アクリル系の粘着剤等を用いることができる。
同図に示すように、発光部214からの光は、介在部材80の光通過孔84を通ってタッチシート90に達する。光が光通過孔84を所定距離に亘って通過する際に拡散され、電極部210と同じ程度又はこれよりも大きく広がる。タッチシート90に達した光は、シート92及び電極部210を透過して、カバーシート100に達する。カバーシート100のうち上記表示部102aに達した光は、ほとんど遮られることなく、カバーシート100の外方に出射する。このため、カバーシート100を外部から観察すると、図17に示すように、表示部102aが最も明るく光って観察される。また、カバーシート100のうち上記表示部102aの周りに達した光は、第1印刷部107によって部分的に遮られる。このため、カバーシート100を外部から観察すると、図17に示すように、表示部102aがぼんやと光って観察される。各表示部102aを区切る格子状の領域に対しては、介在部材80における各光通過孔84の間の仕切部分によって光の進入が抑制されていること、及び、第1印刷部107及び第2印刷部108によって光が遮られること等から、ほとんど光らない状態となる。
また、この開閉操作ユニット30では、カバーシート100の裏側のタッチシート90に電極部210が設けられている。開閉操作ユニット30のうち各電極部210が設けられた部分が、手指等の近接を検出するタッチスイッチ部130である。本開閉操作ユニット30では、カバーシート100のいずれかのタッチスイッチ部130に手指等を近接させることで、タッチ入力が可能となる。
<動作例>
本開閉操作ユニット30では、タッチスイッチ部130、スイッチ216(1)、216(2)を通じて、諸指示を入力可能であり、また、アンテナ212、USB端子220を通じて諸指示又はデータを入出力可能である。また、本開閉操作ユニット30は、ソレノイドアクチュエータ52の制御及び各発光部214の発光動作の制御が可能である。これらを前提として、開閉操作ユニット30の認証動作例について説明する。
まず、初期状態においては、許可情報204として、認証可能なジェスチャ情報が登録されているとする。ジェスチャ情報とは、静電容量式タッチスイッチ装置60のカバーシート100の表面に対して手指が描くべき軌跡を示す情報である。例えば、図19に示すように、手指がカバーシート100の表面に対してZ字状の軌跡Zを描くべき場合には、ジェスチャ情報として、“1、2、3、5、7、8、9”が記憶される。そして、手指が各タッチスイッチ部130に対して当該順で近接したことを検出した場合に、認証可となる。
また、初期状態においては、許可情報204として、認証可能な識別番号が登録されているとする。識別番号は、キャビネット12を利用可能な利用者に対して割当てられた番号である。利用者に対しては、図20に示すように、アンテナ212を通じて開閉操作ユニット30と通信可能な非接触通信装置としてカード型端末装置140が貸与されている。このカード型端末装置140には、事前に識別番号が割り与えられており、カード型端末装置140が本開閉操作ユニット30のアンテナ212の前方、すなわち、カバーシート100の前方に近接させると、開閉操作ユニット30がアンテナ212を通じてカード型端末装置140との間で通信を行い、当該カード型端末装置140に記憶された識別番号を読取るようになっている。このような通信システムとしては、NFC(Near Field Communication)通信システム等の周知技術を含む種々の構成を採用することができる。
また、本開閉操作ユニット30は、ワンタッチ認証モード、ジャスチャ認証モード、カード認証モード、及び、ジェスチャプラスカード認証モードを設定可能とされており、初期状態において、いずれかのモードが設定されており、当該設定されたモードに従って、下記の動作を実行する。
上記初期状態の設定は、外部のパソコンを、USB端子220又はアンテナ212を通じて、開閉操作ユニット30に通信可能に接続し、当該パソコンを通じて行うことができる。或は、タッチスイッチ部130及びスイッチ216(1)、216(2)を利用することによっても、当該初期状態の設定を行うことができる。
図21はワンタッチ認証モードが設定されている場合における開閉操作ユニット30の認証コントローラ200の処理手順を示すフローチャートである。
認証コントローラ200は、ウエイクアップ状態よりも消費電力が低いスリープ状態となっており、ステップS1において、タッチスイッチ部130への手指等の近接有りと判定されると、次ステップS2に進む。ステップS1におけるタッチスイッチ部130への手指等の近接の判定は、全てのタッチスイッチ部130を対象として行ってもよいし、或は、複数のタッチスイッチ部130のうちの一部である特定のタッチスイッチ部(例えば、中央にある数字”5”に対応するタッチスイッチ部)を対象として行ってもよい。
ステップS2では、認証コントローラ200がウエイクアップ状態に移行して、発光部214を点灯させる。この際の発光部214の点灯は、認証コントローラ200がウエイクアップ状態となって、ソレノイドアクチュエータ52の駆動制御、すなわち、ロック機構の解錠及び施錠動作が可能になったことを示す。この際、複数の発光部214の全てが発光してもよいし、一部が発光してもよい。また、発光部214は、一定時間、継続的に発光し続けてもよいし、或は、点滅を繰返してもよい。
この後、ステップS3では、認証可と判定され、次ステップS4に進む。つまり、本モードでは、利用者は、タッチスイッチ部130に触れるだけで、認証される。このため、本モードは、利用者に対する制限がなく、全ての利用者がキャビネット12を利用できるモードである。
ステップS4では、認証コントローラ200は、認証点灯、解錠、及び履歴記憶の各処理を実行する。認証点灯処理は、発光部214を点灯させる処理である。この際の発光部214の点灯は、認証されたこと(つまり、利用者が利用可能であること)を示す。この際、複数の発光部214の全てが発光してもよいし、一部が発光してもよい。また、発光部214は、一定時間、継続的に発光し続けてもよいし、或は、点滅を繰返してもよい。解錠処理として、認証コントローラ200は、ソレノイドアクチュエータ52を駆動し、取っ手部40を姿勢変更可能な状態とする。これにより、利用者は、取っ手部40を姿勢変更させて、ロック爪部24とロック孔との係止を解錠させて、扉16a、16bを開けるようになる。また、認証コントローラ200は、その利用の履歴205を記憶装置に記憶させる。ここでは、利用者が特定されていないため、利用日時(認証又は解錠したした日時)等が履歴205として記憶装置202に記憶される。なお、記憶装置202に記憶された履歴205は、USB端子220を介した通信、アンテナ212を利用した無線通信によって、外部のパソコン等に送信可能である。
次ステップS5では、第1時間経過したか否かが判定される。第1時間は、利用者による取っ手部40の操作可能時間として、事前に設定された時間(例えば、2秒)である。ステップS5において、第1時間経過したか否かが判定されると、次ステップS6に進む。
ステップS6では、認証コントローラ200は、施錠処理を実行する。具体的には、ソレノイドアクチュエータ52を駆動し、取っ手部40を姿勢変更不能な状態とする。これにより、利用者は、扉16aを開いたか否かにかかわらず、取っ手部40を操作して、ロック爪部24とロック孔部との係止を解除できなくなる。なお、既に扉16aを開いていた場合には、取っ手部40の姿勢変更が規制されているかにかかわらず、ロック爪部24とロック孔部とを係止させることができる。このため、ステップS6以降においても、扉16aを閉めてロックすることができる。
次ステップS7では、認証コントローラ200は、スリープモードへ移行し、処理を終了する。これにより、利用者は、タッチスイッチ部130に触れるだけで、扉16aを開いてキャビネット12を利用することができる。
図22はジャスチャ認証モードが設定されている場合における開閉操作ユニット30の認証コントローラ200の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS11及びS12は、ステップS1及びS2と同じである。
ステップS12の次のステップS13では、第2時間内でのタッチスイッチ部130への手指等の近接の有無が判定される。第2時間は、認証コントローラ200がウエイクアップ及び点灯した後、利用者によるジェスチャ操作を受付ける待機時間(例えば、2秒)であり、事前に設定された時間である。第2時間内にタッチスイッチ部130への手指等の近接が無いと判定されると、ステップS19に進み、認証コントローラ200は、スリープ状態となる。一方、第2時間内にタッチスイッチ部130への手指等の近接が有ると判定されると、ステップS14に進む。
ステップS14では、認証コントローラ200は、各タッチスイッチ部130を通じて入力されたジェスチャ操作(タッチスイッチ部130への近接検出順)を取得する。なお、認証コントローラ200がタッチスイッチ部130を通じてジェスチャ操作を受付ける際、手指等の近接が検出された電極部210に対応する発光部214を、その近接が検出される毎に発光させることが好ましい。これにより、利用者は、いずれのタッチスイッチ部130に手指が近接したのかを確認しつつ、ジェスチャ操作を行える。
次ステップS15では、認証コントローラ200は、取得されたジェスチャ操作を、記憶装置202に登録済みのジェスチャ情報と比較し、両者が一致している場合を認証可と判定し、両者が不一致である場合に認証不可と判定する。認証不可と判定された場合には、ステップS13に戻る。なお、ステップS15が繰り返され、認証不可と判定された回数が予め設定された回数以上となった場合には、音又は表示等による警告を発し、施錠状態を保つようにしてもよい。認証可と判定された場合には、ステップS16に進む。
ステップS16及び以降のステップS17、S18、S19は、上記ステップS4〜S7と同じである。
これにより、利用者は、タッチスイッチ部130に触れた後、所定のジェスチャ操作を行うことで、扉16aを開いてキャビネット12を利用することができる。
図23はカード認証モードが設定されている場合における開閉操作ユニット30の認証コントローラ200の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS21及びS22は、ステップS1及びS2と同じである。
ステップS22の次のステップS23では、第2時間内での外部の非接触通信装置との通信の有無が判定される。第2時間は、認証コントローラ200がウエイクアップ及び点灯した後、利用者によるカード型端末装置140のタッチ操作を受付ける待機時間(例えば、2秒)であり、事前に設定された時間である。第2時間内に利用者がカード型端末装置140をアンテナ212近く、すなわち、カバーシート表面に近接させると、認証コントローラ200とカード型端末装置140との間で近接無線通信が確立され、通信有りと判定され、ステップS24に進む。第2時間内での通信が無いと判定されると、ステップS29に進み、認証コントローラ200は、スリープ状態となる。
ステップS24では、認証コントローラ200は、アンテナ212等を通じて、カード型端末装置140から識別番号を取得する。
次ステップS25では、認証コントローラ200は、取得された識別番号を、記憶装置202に登録された、利用可である識別番号と比較する。そして、取得された識別番号が、記憶装置202に登録されたいずれかの識別番号と一致している場合を認証可と判定し、いずれの識別番号とも一致しない場合を認証不可と判定する。認証不可と判定された場合には、ステップS23に戻る。なお、ステップS25が繰り返され、認証不可と判定された回数が予め設定された回数以上となった場合には、音又は表示等による警告を発し、施錠状態を保つようにしてもよい。認証可と判定された場合には、ステップS26に進む。
ステップS26及び以降のステップS27、S28、S29は、上記ステップS4〜S7と同じである。
これにより、利用者は、タッチスイッチ部130に触れた後、カード型端末装置140を開閉操作ユニット30にかざすことで、扉16aを開いてキャビネット12を利用することができる。
図24はジェスチャプラスカード認証モードが設定されている場合における開閉操作ユニット30の認証コントローラ200の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS31及びS32は、ステップS1及びS2と同じである。
ステップS32の次のステップS33、S34及びS35は、上記ステップS13、S14及びS15と同じである。これにより、利用者によるジェスチャ操作による認証がなされる。
ステップS35において、認証可と判定された場合は、ステップS36移行の処理が実行される。ステップS36,S37、S38の処理は、上記ステップS24、S25。S26の処理と同じである。これにより、利用者によるカード型端末装置140を用いた認証がなされる。
カード型端末装置140を用いて認証において利用可と判定されると、ステップS40、S41、S42が実行される。これらのステップは、上記ステップS4〜S7と同じである。
これにより、利用者は、タッチスイッチ部130に触れた後、所定のジェスチャ操作を行い、さらに、カード型端末装置140を開閉操作ユニット30にかざすことで、扉16aを開いてキャビネット12を利用することができる。なお、ジェスチャ操作による認証と、カード型端末装置140による認証とは、いずれが先になされてもよい。
<効果等>
以上のように構成された静電容量式タッチスイッチ装置60及び収納装置10によると、発光部214から照射される光が介在部材80によって電極部210に向けて案内される。光が介在部材80を通る際に、当該光による発光領域を任意に設定することができる。ここでは、光を広げて広範囲に発光させるようにしている。また、光通過孔84の形状によって方形状の発光領域に設定している。また、タッチシート90のうち電極部210が設けられた部分は、手指等の検出対象を検出するタッチスイッチ部130として機能する。このため、静電容量式タッチスイッチ装置60のタッチスイッチ部130を外から見た発光領域を容易に設定することができる。ここでは、なるべく広範囲に発光させることができる。
また、実装基板70には、発光部214及びタッチ検知回路部210Cが実装されている。このため、介在部材80は、電極部210とタッチ検知回路部210Cとを隔てることができる。これにより、電極部210とタッチ検知回路部210Cとの干渉を抑制し、タッチ感度を良好にすることができる。
また、アンテナ212は、タッチシート90のシート92に形成されている。このため、アンテナ212を、静電容量式タッチスイッチ装置60のうち外部になるべく近い位置に設けることができる。これにより、アンテナ212を介して外部の非接触通信装置との通信を確立させ易い。
しかも、アンテナ212は、電極部210の外周であって、当該電極部210との間に間隔を設けると共に、シート92の外縁との間に間隔を設けた位置に形成されている。このため、アンテナ212をなるべく長く設けることができ、かつ、アンテナ212の内周及び外周に電磁波が通過可能な空間を確保することができ、アンテナ212の感度を良好にすることができる。
また、シート92及び電極部210は透光性を有しているため、発光部214からの光は、シート92及び電極部210を通過する。これにより、外から見て、タッチスイッチ部130をより明るく発光させることができる。
{変形例}
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。