JP6690821B2 - 生分解紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、生分解性の紙に関する。
農業において育苗時に用いる苗を植えた土を包む容器に用いる材料に関する。
図2は容器に苗を植えた断面の模式図であり、図中の1が容器の断面である。この容器を本発明の生分解紙で作ると、耕作地に苗を植える際に、苗を容器に入ったまま容器ごと植えることができる。
一般の紙は例えば土壌中での生分解に長時間を要する。短時間に分解する紙が望まれている。パルプにクロレラ等の繊維状でない藻類を混ぜた抄紙原料をすいた紙(特許文献1に記載のもの)は、生分解性に優れるが、強度は弱い。またパルプにクロレラ等の繊維状でない藻類を混ぜた抄紙原料をすくと、メッシュがめづまりし、すく工程に時間がかかる。
特開2000−236757
本発明は、紙としての強度を有した上で、土壌中で短時間で分解する紙を提供しようとする。
課題を解決しようとする手段
本発明の要旨とするところは、繊維状藻類と天然性繊維とを含む抄紙原料から成ることを特徴とする生分解紙であり、前記繊維状藻類を含む培養液を撹拌して懸濁液と成し、この懸濁液を天然繊維を含む懸濁液に混ぜて撹拌して抄紙原料を含む懸濁液を作成し、この懸濁液を紙すき器ですいた後、乾燥することを特徴とする、生分解紙の製造方法である。抄紙原料を含む懸濁液は、繊維状藻類を含む培養液と天然繊維を予め混ぜてから撹拌した物であってもよい。
ここで抄紙原料は生分解紙を構成する原料をいう。
本発明は、繊維状藻類と天然性繊維とを主原料とする抄紙原料から成り、前記主原料の重量比が30wt%以上であり、前記繊維状藻類と前記天然繊維の重量比率が95:5から20:80であることを特徴とする生分解紙である。本発明における重量は試料を100℃1時間で乾燥後、20℃65%RHで24時間放置したときの重量をいう。
繊維状藻類とは細胞が鎖状(線状)に0.1mm以上つながった藻類である。ここでいう藻類は藍藻と緑藻を含む。藍藻の方が培養のコストが低く抑えられる。
前記抄紙原料に於いては、繊維状藻類が95wt%を越える比率のものを用いるとメッシュがめづまりしてすく操作に時間がかかることがあるので、前記抄紙原料に於ける繊維状藻類の比率は95wt%を越えないことが望ましい。
前記抄紙原料に於いて、藻類としてクロレラなどの繊維状でなく長径の小さいものを用いると、生分解紙の強度が小さい。また、前記抄紙原料に於いて、藻類としてクロレラなどの繊維状でなく長径の小さいものを用いると、脱水時に於ける藻類の漏れが多く、歩留まりが悪い。
前記抄紙原料に於いて、繊維状藻類の重量平均繊維長が、前記抄紙原料をすく工程までに、自然生息時または培養時での重量平均繊維長の1%以上が保たれていることが高強度の生分解紙を得る上で望ましい。
前記抄紙原料中の前記繊維状藻類と前記天然繊維の重量比率が20:80をはずれて前記繊維状藻類の比率が低いと、生分解紙の生分解性が充分でない。
前記抄紙原料において主原料の重量比率が30wt%未満と低いと、例えばもろくなるなどして、紙としての所定の用途に適した形状に加工する際の加工性が悪くなる場合がある。
主原料の重量比率は50wt%以上であることが紙がもろくならない点でさらに好ましい。
発明の効果
本発明により、紙としての強度を有し、生分解性の良好な生分解紙が提供される。繊維状藻類として藍藻類を用いると繊維状藻類の生産コストが低くすることができる。
本発明に用いる繊維状藻類の形態の一例を示す顕微鏡写真(図中の最小目盛りは0.01mm) 本発明の生分解紙を用いた、育苗ケースの模式図
本発明の生分解紙は、繊維状藻類と天然性繊維から成る抄紙原料を含んで成る紙である。この繊維状藻類とは細胞が鎖状に0.1mm以上つながった藻類である。図1に本発明に用いる繊維状藻類の形態の一例を示す顕微鏡写真を示す。図中のスケールの最小目盛りは0.01mmである。
ここでいう天然性繊維とは、木材パルプ、綿、麻などのセルロース繊維、絹、羊毛等の動物性繊維、レーヨンなどの再生繊維を含む。
繊維状藻類とは、細胞が長手方向に複数個連なって繊維状をしているものをいい、肉眼または顕微鏡で観察した形状が枝状のものも含まれる。
抄紙原料はパルプ、和紙の原料、藍藻類以外の藻類、生分解性プラスチック材料、食物繊維などの生分解性を有する、藻類以外の繊維状材料を含んでもよい。
本発明の生分解紙は50wt%以下の添加物を含んでもよい。
添加物としては、タルク、アルミナ、珪藻土、土、砂、粘土、ゼオライト、活性炭、栄養剤、着色剤、香料、肥料などが挙げられる。
繊維状藻類の抄紙原料に対する比率が95wt%を越える比率では、脱水に長時間を要するので、すく作業に長時間を要する。
繊維状藻類の抄紙原料に対する比率が40wt%以上であることが、生分解紙の生分解能を高くする上でさらに好ましい。
本発明の生分解紙引っ張り強度は0.5kgf/1.5cm以上に達することができる。耐折強度は荷重500gで10回以上に達することができる。いずれも通常の紙の強度に匹敵するものである。
本発明の生分解紙は育苗容器の素材として好適に用いることができる。図2に本発明の生分解紙を用いた育苗容器1の一例を示す。育苗容器1に培土3を入れ、培土3に苗2を埋設する。
本発明に用いる繊維状藻類のなかには水道水のみでも培養できるものがある。それを用いると、原料のコストが安くなる。ここでいう水道水のみでの培養とは、水道水に種となる藻を入れた後は、蒸発等により減少した水道水を補うのみで、他の物質を添加せずとも培養可能であることをいう。培養においては水道水に育成を大きく妨げない範囲で不可避的あるいは人為的に他の物質が含まれてもよい。
本発明における生分解紙中の繊維状藻類の重量比率は30wt%からwt80%がさらに好ましい。この重量比率が80wt%を超えると、抄紙原料をすく際の脱水に時間がかかる。生分解性の上から、生分解紙中の繊維状藻類の重量比が30wt%以上であることがさらに好ましい。
京都市北区にある洛星高等学校の屋上にある温室の水道水を貯留した水溜めに常温下で自生した藻類を回収したところ、繊維状藍藻類であった。この繊維状藍藻類は平均およそ40個の細胞が連なっていた。
この藻類を採取して水道水に懸濁し、撹拌機で1分間撹拌した後、沈殿あるいは浮遊した不純物を取り除いて懸濁液を得た。
この懸濁液400mLに0.15wt%パルプ懸濁液400mLを、混ぜ撹拌した。
これをJIS P 8222に準拠した手すき器ですいたところ、通常のパルプ抄紙における脱水と同程度の容易さで脱水できた。これを乾燥し、直径158.8mmの円形の生分解紙を得た。この生分解紙の乾燥重量を測定したところ、1.25gであった。この生分解紙中のパルプの重量は0.60gと見積もられる。従ってこの生分解紙中の藻とパルプの重量比は60:65であった。
この生分解紙を培養土と腐葉土とバーミキュライトを重量比8:1:1で混合した土壌中に30℃で28日埋めてから取り出し乾燥重量を測定したところ、乾燥重量が埋める前と比較して42.1%まで減った。パルプのみを漉いて作った同じ目付の紙を同じ条件で、埋めてから取り出し、乾燥重量を測定したところ埋める前と比較して64%が残った。この生分解紙がパルプのみの紙より生分解性に優れることが示された。
実施例1に用いたと同様の、繊維状藻類の懸濁液に、0.15wt%パルプ懸濁液800mLを混ぜ撹拌した。これをJIS P 8222に準拠した手すき器ですいたところ、実施例1と同程度の容易さで脱水できた。これを乾燥し、得た生分解紙中の藻とパルプの重量比は2:3であった。
[比較例]
0.15wt%パルプ懸濁液800mLとクロレラの懸濁液を混ぜ、撹拌しそれをJIS P 8222に準拠した手すき器ですいて乾燥し、クロレラとパルプの重量比が2:3であるクロレラ混入紙を得た。このすく工程で、クロレラの約1/4が流出した。
実施例2で得られた生分解紙と、比較例2で得られた、クロレラ混入紙の引張強度をそれぞれJIS P 8223に準じて測定したところ、前者が3.7kgf/1.5cmで、後者が0.8kgf/1.5cmであった。一方それぞれについて耐折強度をJIS P 8115に準じて、荷重500gで測定したところ、前者は696回で後者は1回から2回であった。ある一定の重量のパルプに対し、線状藻類とクロレラのような単細胞藻類をそれぞれ同じ重量を混ぜてすいた紙の強度を比較すると前者の方が大きい。
繊維状藻類とパルプの重量比率が4:3であることをのぞいては、実施例2に準じた操作で生分解紙を得た。この生分解紙を用いて、内径8cm高さ10cm育苗容器を作成し、そこにゴーヤの苗と土を入れ、土を入れたプランターに、埋設したところ、一ヶ月後、育苗容器は土中で一部が分解され、ゴーヤの苗はプランター中の土中に根付いた。
本発明の生分解紙は育苗容器の他に生分解性を必要とする用途に適用可能である。この用途の例としてはちりがみ、トイレットペーパーの芯、梱包容器、などが挙げられる。
1 生分解紙を用いた育苗容器
2 苗
3 培土

Claims (4)

  1. 生分解紙から作成される育苗容器であり、
    該生分解紙が、
    細胞が鎖状に0.1mm以上線状につながった繊維状藻類と天然性繊維とを含んでなる懸濁液をすいて成り、前記繊維状藻類と前記天然性繊維とからなる主原料の重量比が30wt%以上であり、前記繊維状藻類と前記天然性繊維の重量比が95:5から20:80であることを特徴とする生分解紙である、育苗容器
  2. 前記抄紙原料がパルプを含む、請求項1に記載の育苗容器
  3. 前記抄紙原料が、30wt%から80wt%の前記繊維状藻類を含む、請求項1または2に記載の育苗容器
  4. 前記繊維状藻類が、水道水で培養可能な藻類である請求項1から請求項3のいずれかに記載の育苗容器
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