JP6689896B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
凹部の開口内には、別の車体カバーに設けられた突出部が配置されている。
本発明の目的は、車体前部の通気抵抗を低減可能な鞍乗り型車両を提供することにある。
また、上記発明において、前記ダクト(56)は、車幅方向の内側と外側とにそれぞれ側壁(56a,56b)を有し、外側の前記側壁(56b)は、内面に前記ダクト(56)内に向かって凸状に湾曲する湾曲部(56y)を有しても良い。
また、上記発明において、前記ダクト(56)の側方にウインカ(84)が設けられても良い。
また、上記発明において、前記くちばしカウル(62)の後端と前記サイドカバー(63)の後部との合わせ部に開口(121)を有し、前記開口(121)は、前記くちばしカウル(62)の下縁から延ばした延長線(126)よりも下方に設けられても良い。
また、上記発明において、ダクトは、車幅方向の内側と外側とにそれぞれ側壁を有し、外側の側壁は、内面にダクト内に向かって凸状に湾曲する湾曲部を有するので、ダクト内に走行風が滞留することが抑えられるため、走行風の通気抵抗を低減できる。
また、上記発明において、ダクトの側方にウインカが設けられるので、ダクトとウインカとの高さ位置を合わせることで、外観性を向上できる。
また、上記発明において、くちばしカウルの後端とサイドカバーの後部との合わせ部に開口を有し、開口は、くちばしカウルの下縁から延ばした延長線よりも下方に設けられるので、くちばしカウルの下方からサイドカバー内に入り込んだ走行風を開口から抜きやすくでき、くちばしカウルの下方の走行風を滞留しにくくすることができる。
図1は、本発明に係る自動二輪車10を示す左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11の前端部にフロントフォーク12を介して支持された前輪13と、車体フレーム11の下部にスイングアーム14を介して支持された後輪16と、車体フレーム11の上部に支持されたシート17とを備える。このように、自動二輪車10は、運転者がシート17に跨って乗車する鞍乗り型車両である。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21(図5参照)、メインフレーム22(図5参照)、左右一対のセンターフレーム23、左右一対のシートフレーム(不図示)、ダウンフレーム26、左右一対のロアフレーム27、左右一対のサブフレーム28を備える。
左右のセンターフレーム23、ダウンフレーム26及び左右のロアフレーム27にはエンジン35が支持されている。
エンジン35は、クランクケース41と、クランクケース41の前部上部から立ち上げられたシリンダ部42とを備える。
クランクケース41の後部には、変速機44が一体的に設けられている。
シリンダ部42は、シリンダヘッド46を備え、シリンダヘッド46の後部に吸気装置47が接続され、シリンダヘッド46の前部に排気装置48が接続されている。排気装置48は、シリンダヘッド46に接続された排気管51と、排気管51の後端部に接続されたマフラ52とを備える。
車体カバー60は、フロントカバー61、くちばしカウル62、左右一対のフロントサイドカバー63、左右一対のボディサイドカバー64を備える。
フロントカバー61は、ステー(不図示)を介してフロントフォーク12に取付けられ、フロントフォーク12の上部を前方から覆う。また、フロントカバー61は、フロントフォーク12の前方に配置されたヘッドライト71の周囲を覆う。
くちばしカウル62は、ヘッドライト71の下方に配置されて、ヘッドライト71の下方から鳥類のくちばしのように前方に突出している。
左右のボディサイドカバー64は、燃料タンク31の両側部の下方及びシート17の両側部の下方を側方から覆う左右一対の前ボディカバー68と、前ボディカバー68の後縁から後方斜め上方に延びる左右一対の後ボディカバー69とから構成される。左右の後ボディカバー69は、シート17の両側部の下方を側方から覆っている。
くちばしカウル62の上面62aの後方には左右一対のダクト56が設けられている。左右のダクト56は、車両前方の走行風を、車体カバー60内、詳しくはフロントフォーク12の周りやフロントフォーク12の後方に流す役目をする。
前輪13は、上方からフロントフェンダ76に覆われている。フロントフェンダ76の上方には、フロントフェンダ76に沿うようにくちばしカウル62が位置する。これにより、くちばしカウル62も、フロントフェンダ76と同じように、前輪13から跳ね上げられた雨水、石、泥等が運転者側に飛散するのを防止する。
後輪16は、上方からリヤフェンダ77に覆われている。センターフレーム23の下端部には運転者用ステップ81が設けられている。運転者用ステップ81の近傍にはギアチェンジペダル82が配置されている。
フロントカバー61の両側方であってくちばしカウル62の上方には、左右一対のダクト56が配置されている。左右のダクト56は、ヘッドライト71の両側方(真横)に位置する。また、左右のダクト56の両側方には、左右一対のフロントウインカ84が位置する。ダクト56の開口56xは、くちばしカウル62の上面62aとダクト56とから形成される矩形を成している。
ダクト56の開口56xには、開口56xの前方の走行風、くちばしカウル62の上面62aに沿って流れた走行風、ヘッドライト71及びフロントカバー61に一旦当たってから両脇に流れた走行風が流れ込む。
一方(右側)の前サイドカバー66の内側には、エンジン35(図1参照)内のオイルを冷却するためのオイルクーラー86が配置されている。オイルクーラー86は、前方からガード部材87によって覆われている。
図3に示すように、車体カバー60は、左右のダクト56の後部をそれぞれ上方から覆う左右一対のダクトカバー57を備える。
左右のダクトカバー57は、フロントカバー61の後方に配置されるとともに、くちばしカウル62の後部を構成する左右一対の延長部62cの上方に重ねられる。
左右のダクトカバー57の前部の車幅方向内側にはメータ88が配置されている。平面視で、ダクトカバー57の前端は、フロントフォーク12を構成するボトムブリッジ91よりも前方に位置し、ダクトカバー57の後端は、フロントフォーク12を構成するトップブリッジ92と前後方向で重なっている。
スリット57cは、通気路106内の空気を上方及び後方に向けて放出する部分である。
左右の前サイドカバー66の後端部は、それぞれビス89によって燃料タンク31側に取付けられている。
左右のフロントウインカ84は、発光部を有するウインカ本体84aと、ウインカ本体84aから車幅方向内側に突出する内側突出部84bとを備え、内側突出部84bが、ボルト94によってくちばしカウル62のウインカハーネス保持部62dに締結されている。
くちばしカウル62は、ヘッドライト71の下方から前方に前下がりに突出するくちばし部62bと、くちばし部62bの後端から後方に延びる左右の延長部62cとから構成される。
左右の延長部62cの上面62aにそれぞれダクト56が配置される。
左右の延長部62cは、ダクト56の後方で階段状に上方斜め後方に延びる階段部62eと、階段部62eよりも後方で左右のフロントサイドカバー63の上縁(詳しくは、前サイドカバー66の上縁66a)に沿って後方に延びる後方延出部62fとを備える。
階段部62eは、フロントフォーク12、詳しくは、フロントフォーク12を構成するとともにボトムブリッジ91及びトップブリッジ92によって左右に連結される左右一対のフォークパイプ93やトップブリッジ92よりも前方に位置する。
後方延出部62fは、トップブリッジ92に取付けられたバーハンドル37よりも下方に配置されている。後方延出部62fの後端は、燃料タンク31の側方に位置する。
ヘッドライト71は、ハウジング101と、ハウジング101の周縁部101aに取付けられたレンズ102と、バルブ又はLEDなどの光源を固定する基板103とを備える。
ヘッドライト71の両側方には、ダクト56が配置されている。
ダクト56は、車幅方向内側の側壁56a及び車幅方向外側の側壁56bと、側壁56a,56bの上縁及び下縁を接続する上壁56c及び底壁56dと、上壁56c及び側壁56bを覆う外壁56eと、側壁56aから上方に延びる上延出壁56fとを備える。
車幅方向外側の側壁56bは、通気路106内に向けて凸状に湾曲する湾曲部56yを備える。
このように、側壁56bに内側に湾曲する湾曲部56yを備えることで、通気路106内を流れる走行風が側壁56bの内面56gから離れやすくなり、通気抵抗をより小さくすることができる。
底壁56dの底面56hは、くちばしカウル62の上面62aに接している。即ち、くちばしカウル62の上面62aに底壁56dの底面56hが連続するように設けられる。これにより、くちばしカウル62の上面62aと通気路106とが連続するため、くちばしカウル62の上面62aに沿って流れる走行風が、スムーズにダクト56内に入り込むため、通気抵抗を低減することができる。
外側壁56jの下部は、側方からフロントサイドカバー63が重ねられている。外上壁56kの縁部には、上方からフロントカバー61が重ねられ、フロントカバー61によって上延出壁56fが側方から覆われている。
ダクト56の一対の側壁56a,56bは、車両前方から車両後方に向かうにつれて次第に間隔が広くなるように形成されている。このように、一対の側壁56a,56bの間隔を次第に広げることで、通気路106を通過する走行風の通気抵抗を低減することができる。
一対の側壁56a,56bの後方には、くちばしカウル62に形成された一対の側壁62g,62hが配置されている。一対の側壁62g,62hは、車幅方向に対向させて設けられ、ダクト56の側壁56aの後方に側壁62g、ダクト56の側壁56bの後方に側壁62hが配置されている。
くちばしカウル62の左右の側壁62g,62hと、左右の側壁62g,62hを繋ぐ底壁62kと、ダクト56及びくちばしカウル62の上部に被せられるダクトカバー57(図3参照)とで、通気路106の後部が形成される。通気路106の後開口110は、後方に向けて開口している。後開口110を形成する底壁62kの後縁62mは、外側方斜め後方に直線状に延びている。
くちばしカウル62は、前サイドカバー66のウインカ嵌合穴66bの周縁部であるウインカ支持部66cの車幅方向内側で且つ側壁62hの車幅方向外側に、フロントウインカ84に通電するワイヤーハーネス114を通すハーネス空間115を備える。
ハーネス空間115は、側壁62hと、側壁62hの上部から車幅方向外側に延びる上壁62nと、上壁62nの外縁から下方に延びる外側壁62pとから形成される。
通気路106は、フロントウインカ84の車幅方向内側位置から上方に延びるように形成され、通気路106の上壁は、ダクトカバー57によって形成されている。
フロントサイドカバー63の前サイドカバー66は、ウインカ支持部66cの上方に、車幅方向内側に延びる内側延出部66dを一体に備える。内側延出部66dは、前サイドカバー66をくちばしカウル62の上壁62nに取付ける部分であり、内側延出部66dが、上壁62nにねじ117で取付けられている。
図9に示すように、くちばしカウル62の左右の延長部62cの前後方向中間部にダクト56が配置され、ダクト56、くちばしカウル62の一部及びダクトカバー57(図3参照)によって前後方向に延びる通気路106(太い破線で示した部分である。)が形成されている。
通気路106の外側方に位置する延長部62cには、フロントウインカ84が取付けられるウインカハーネス保持部62dが設けられている。
また、左右の延長部62cの後部には、ビス挿通穴62sがそれぞれ開けられている。ビス挿通穴62sにはビス123(図3参照)が通され、このビス123によって、延長部62cの後部が燃料タンク31(図3参照)側に取付けられる。
車両走行中に、ヘッドライト71及びフロントカバー61に当たってフロントカバー61の左右を流れた走行風及びくちばしカウル62のくちばし部62bの上面62aに沿って後方に流れた走行風は、左右のダクト56の通気路106内に流れ込む。そして、走行風は、通気路106を通って通気路106の後方に排出される。ここで、走行風が排出される通気路106の後方とは、図3及び図5において、トップブリッジ92及び左右のフォークパイプ93の側方を含むフロントフォーク12の周りである。走行風は、更に、運転者の側方を通って後方に流れる。
メインフレーム22は、ヘッドパイプ21から後方に延びる。ヘッドライト71は、ヘッドパイプ21の前方に位置する。左右のフロントサイドカバー63は、ヘッドライト71の左右側方にてメインフレーム22を左右側方から覆う。
この構成によれば、くちばしカウル62上を流れる走行風をダクト56に導きやすくできるため、車体前部の通気抵抗を低減でき、ひいては、自動二輪車10の空気抵抗を低減することができる。
この構成によれば、車両前方から取入れた走行風をフロントフォーク12の周りから開放させることができ、走行風の通気性を向上できる。
この構成によれば、ダクト56内に走行風が滞留することが抑えられるため、走行風の通気抵抗を低減できる。
また、ダクト56の側方にウインカとしてのフロントウインカ84が設けられるので、ダクト56とフロントウインカ84との高さ位置を合わせることで、外観性を向上できる。
この構成によれば、くちばしカウル62が、ダクト56、ウインカハーネス保持部62dを兼ねることができ、部品数を減らすことができる。
左右のフロントサイドカバー63にそれぞれ設けられた左右の後サイドカバー67のうち、一側(右側)の後サイドカバー67は、複数の六角形の開口67aが形成されたハニカム構造を有する。
この一側の後サイドカバー67の前方にはオイルクーラー86が配置されている。上記したように、オイルクーラー86の後方に配置された後サイドカバー67に複数の開口67aを設けることで、オイルクーラー86を通過した走行風を後サイドカバー67の複数の開口67aから後方に逃がしやすくすることができる。従って、オイルクーラー86を通過する走行風を増やすことができ、オイルクーラー86の冷却性を高めることができる。
また、オイルクーラー86の後方に後サイドカバー67を設けない場合に比べて、オイルクーラー86を後方から見えにくくすることができ、外観性を向上させることができる。また、後サイドカバー67にハニカム構造を採用することで、新規な印象を与えることができ、自動二輪車10の商品魅力を向上させることができる。
このような開口121を設けることで、車体カバー60に対する走行風の抜けを促すことができて、車体カバー60における通気抵抗を低減することができ、ひいては、自動二輪車10の空気抵抗を低減することができる。
また、図5において、開口121は、くちばしカウル62の下縁62t(詳しくは、階段部62eとして立ち上がり始める点125)から延ばした接線(延長線)126よりも下方に設けられる。これにより、くちばしカウル62の下方を流れる走行風を開口121からも抜くことができる。
この構成によれば、くちばしカウル62の下方からフロントサイドカバー63内に入り込んだ走行風を開口121から抜きやすくできるので、くちばしカウル62の下方の走行風を滞留しにくくすることができる。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
12 フロントフォーク
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム(フレーム)
56 ダクト
56a,56b 側壁
56y 湾曲部
62 くちばしカウル
62d ウインカハーネス保持部(ウインカ取付部)
63 フロントサイドカバー(サイドカバー)
71 ヘッドライト
84 フロントウインカ(ウインカ)
91 ボトムブリッジ
121 開口
126 接線(延長線)
Claims (7)
- ヘッドパイプ(21)と、前記ヘッドパイプ(21)から後方に延びるフレーム(22)と、前記ヘッドパイプ(21)の前方に位置するヘッドライト(71)と、前記ヘッドライト(71)の左右側方にて前記フレーム(22)を左右側方から覆う左右一対のサイドカバー(63)とを備えた鞍乗り型車両において、
前記サイドカバー(63)の車幅方向内側で前記ヘッドライト(71)の車幅方向外側に前後方向に延びるダクト(56)が設けられ、前記ダクト(56)は、前端に前方に開放する開口(56x)を備え、
前記ヘッドライト(71)の下方にくちばし形状とされたくちばしカウル(62)を備え、
前記くちばしカウル(62)の上面(62a)に前記ダクト(56)の底壁(56d)が接していることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記ダクト(56)により形成される通気路(106)の後端は、上面視で、前記ヘッドパイプ(21)に支持されるフロントフォーク(12)のボトムブリッジ(91)の前端よりも後方に位置することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記ダクト(56)は、車幅方向の内側と外側とにそれぞれ側壁(56a,56b)を有し、外側の前記側壁(56b)は、内面に前記ダクト(56)内に向かって凸状に湾曲する湾曲部(56y)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記ダクト(56)は、上面視で後方に向かって広がることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記ダクト(56)の側方にウインカ(84)が設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記くちばしカウル(62)は、前記ダクト(56)により形成される通気路(106)の少なくとも一部と、前記ウインカ(84)が取付けられるウインカ取付部(62d)とを備えることを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両。
- 前記くちばしカウル(62)の後端と前記サイドカバー(63)の後部との合わせ部に開口(121)を有し、前記開口(121)は、前記くちばしカウル(62)の下縁から延ばした延長線(126)よりも下方に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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