以下、図面とともに検出エリア判定装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、検出エリア判定装置1を含む検出エリア判定システム4のシステム構成図である。図1に示す通り、検出エリア判定システム4は、検出エリア判定装置1、レシーバ2a及びレシーバ2b(以降、それらを総称してレシーバ2と呼ぶ)、並びにタグ3を含んで構成される。
検出エリア判定装置1は、サーバ装置などのコンピュータ装置である。検出エリア判定装置1は、外部装置などからネットワークなどを介してタグ3(検出対象)が滞在している検出エリア(レシーバ2が形成するエリア)の照会要求を取得すると、当該検出エリアを検索し、検索した検出エリアに関する情報を照会要求の応答として返信する。検出エリア判定装置1は、検出エリアを検索した際に複数の検出エリアが検索された場合、検索された複数の検出エリアの中から、タグ3が本来滞在すべき又はタグ3が滞在している可能性が高い適切な検出エリアを判定する。検出エリア判定装置1の詳細については後述する。
レシーバ2は、タグ3が発信する無線信号を受信するコンピュータ装置であり、本実施形態では、タグ3が発信するアドバタイズ信号を受信するBluetooth(登録商標)スキャナである。レシーバ2は、タグ3が発信するアドバタイズ信号を受信可能な範囲であるエリア(検出エリア)を形成する。レシーバ2が形成する検出エリアは、例えば、レシーバ2の物理的位置を中心とする半径1m〜100mの円の内側である。レシーバ2は、常時又は一定間隔で、タグ3から発信されるアドバタイズ信号の受信を試みるスキャンを行う。レシーバ2と検出エリア判定装置1とはインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能に構成されている。
レシーバ2は、タグ3から発信されるアドバタイズ信号の受信に成功すると、まず、イベントとして「in」又は「out」を判定する。イベント「in」は、タグ3がレシーバ2の検出エリアに入ったことを示し、イベント「out」は、タグ3がレシーバ2の検出エリアから出たことを示す。例えば、レシーバ2は、時刻Tで検出したタグ3が、前回スキャン時(時刻T−1)で検出していなければ「in」と判定する。一方、時刻T−1で検出していたが、時刻Tで検出しなくなった場合は「out」と判定する。次に、レシーバ2は、アドバタイズ信号に含まれる情報(例えば、当該アドバタイズ信号を送信したタグ3の識別情報であるタグID)と、当該レシーバ2に関する情報(例えば、当該レシーバ2の識別情報であるレシーバID)と、判定したイベント(「in」又は「out」)と、受信に成功した日時とをネットワークを介して検出エリア判定装置1に通知する。
レシーバ2がタグ3から発信されるアドバタイズ信号の受信に成功することは、レシーバ2の検出エリアにタグ3が物理的に存在(滞在)していることを意味する。レシーバ2の物理的位置は、移動していてもよいが、基本的には固定である。例えば、レシーバ2は小学校、コンビニ、老人ホーム及び塾にそれぞれ固定配置され、それぞれ検出エリアとして小学校エリア、コンビニエリア、老人ホームエリア及び塾エリアを形成する。なお、説明の便宜上、本実施形態では、レシーバ2と、レシーバ2が形成する検出エリアとは、同様の意味で用いる場合があり、適宜両者を読み替えてもよい。
タグ3は、無線信号を周囲に発信するコンピュータ装置であり、本実施形態では、アドバタイズ信号を周囲に発信するBluetooth(登録商標)アドバタイザである。タグ3は、常時又は一定間隔で、アドバタイズ信号を周囲に発信する。タグ3が発信するアドバタイズ信号には、タグ3のタグIDが含まれる。タグ3の物理的位置は、固定であってもよいが、基本的には移動している。より具体的には、各ユーザがタグ3を携帯して移動することを想定している。そして、検出エリア判定装置1は、タグ3から発信されるアドバタイズ信号を受信したレシーバ2からの通知に基づき、タグ3が現在滞在している検出エリア(スポット)を判定する。
検出エリア判定システム4は、1つの検出エリア判定装置1、1つ以上のレシーバ2、及び1つ以上のタグ3を含んで構成される。本実施形態では、説明の便宜上、検出エリア判定システム4は図1に示す通り、1つの検出エリア判定装置1、2つのレシーバ2(レシーバ2a及びレシーバ2b)、及び1つのタグ3を含んで構成されるものとする。また、図1に示す通り、レシーバ2aは検出エリア2aAを形成し、レシーバ2bは検出エリア2bAを形成し、検出エリア2aAと検出エリア2bAとは重なるエリアがあり、当該重なるエリアにタグ3が現在位置しているものとする。そして、検出エリア判定装置1は、タグ3が検出エリア2aAと検出エリア2bAとのどちらに滞在しているとみなすのが適切かを判定する。
図2は、検出エリア判定装置1の機能ブロック図である。図1に示す通り、検出エリア判定装置1は、収集部10、検出情報格納部11、集計部12、検出エリア特徴情報格納部13、照会要求取得部14、検出エリア抽出部15、及び、検出エリア判定部16を含んで構成される。
図2に示す機能ブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、検出エリア判定装置1などは、本発明の検出エリア判定処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図3は、検出エリア判定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の検出エリア判定装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。検出エリア判定装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
検出エリア判定装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の収集部10、集計部12、照会要求取得部14、検出エリア抽出部15及び検出エリア判定部16などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、本実施形態で説明する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、検出エリア判定装置1の収集部10、集計部12、照会要求取得部14、検出エリア抽出部15及び検出エリア判定部16などは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る検出エリア判定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の収集部10、照会要求取得部14及び検出エリア判定部16などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、検出エリア判定装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以下、図2に示す検出エリア判定装置1の各機能ブロックについて説明する。
収集部10は、通信可能な1つ以上のレシーバ2からの通知を収集する。上述した通り、通知には、タグ3が発信したアドバタイズ信号に含まれる情報(タグID)と、当該アドバタイズ信号を受信したレシーバ2に関する情報(レシーバID)と、イベントと、当該アドバタイズ信号の受信に成功した日時とが含まれる。収集部10は、収集した通知を後述の検出情報に変換した上で検出情報格納部11に格納(保存)する。
検出情報格納部11は、タグ3と、当該タグ3が検出された検出エリアと、当該検出されたタイミングとを対応付けた検出情報を格納する。図4は、検出情報のテーブル例を示す図である。図4に示す通り、検出情報は、各レコードの識別情報であるレコードIDと、タグIDと、レシーバIDと、イベントと、日時とが対応付いている。例えば、図4に示す検出情報のテーブル例において、レコードID「1027」のレコードは、タグID「a」のタグ3がレシーバID「x」のレシーバ2が形成する検出エリアに日時「2016年2月1日8:00:00」に入ったことを示す。また、レコードID「1034」のレコードは、タグID「a」のタグ3がレシーバID「x」のレシーバ2が形成する検出エリアから日時「2016年2月1日15:21:00」に出たことを示す。この2つのレコードから、タグID「a」のタグ3によるレシーバID「x」のレシーバ2が形成する検出エリアに8時から15時21分までの7時間21分滞在したことがわかる。すなわち、同じタグID及び同じレシーバIDのレコードの(レコード上隣接する)「in」と「out」との日時差分が、当該タグIDが示すタグ3による当該レシーバIDが示すレシーバ2が形成する検出エリアでの滞在時間となる。
集計部12は、検出情報格納部11によって格納された検出情報を集計することで(検出情報に基づいて)、各レシーバ2が形成する各検出エリアでのタグ3の過去の検出に基づく当該検出エリアの特徴情報を(既知の一般的な算出方法で)算出し、検出エリア特徴情報格納部13に格納(保存)する。
検出エリア特徴情報格納部13は、集計部12によって算出された各検出エリアの特徴情報を格納する。より具体的には、検出エリア特徴情報格納部13は、各検出エリアの特徴情報として、当該検出エリアでの検出対象の滞在時間に基づく滞在時間情報を格納する。図5は、滞在時間情報のテーブル例を示す図である。図5に示す通り、滞在時間情報は、レコードIDと、レシーバIDと、平均滞在時間と、標準偏差と、サンプル数とが対応付いている。ここで、平均滞在時間及び標準偏差とは、レシーバIDが示すレシーバ2が形成する検出エリアにおいて、過去に滞在した(1つ以上の)タグ3の滞在時間の平均及び標準偏差であり、サンプル数とは当該計算に用いたタグ3の数である。例えば、図5に示す滞在時間情報のテーブル例において、レコードID「28」のレコードは、レシーバID「x」のレシーバ2が形成する検出エリアにおいて、サンプル数「2,431」のタグ3の平均滞在時間が「360分」、分散が「120」であることを示す。
照会要求取得部14は、(ユーザなどが指定した)指定のタグ3(一の検出対象)が滞在している検出エリアの照会要求を取得する。照会要求には、指定のタグ3のタグIDが含まれる。照会要求取得部14は、ネットワークなどを介して外部装置から照会要求を取得してもよいし、検出エリア判定装置1の入力装置1005によって(直接)入力された照会要求を取得してもよい。照会要求取得部14は、取得した照会要求を検出エリア抽出部15に出力する。
検出エリア抽出部15は、照会要求取得部14より(タグ3が滞在している検出エリアの)照会要求が入力されると、検出情報格納部11によって格納された検出情報に基づいて当該検出エリアを抽出する。具体的には、まず、検出エリア抽出部15は、検出情報格納部11によって格納された検出情報のうち、「タグID」列の値が、入力された照会要求に含まれるタグIDであるレコードを抽出する。
次に、検出エリア抽出部15は、抽出したレコードのうち、イベント「in」のみが発生し、イベント「out」が発生していないレコードをさらに抽出する。より具体的には、抽出したレコードのうち、同じ「レシーバID」列の値のレコードの最新レコード(「日時」列の値が最も新しいレコード)がイベント「in」であるレコードをさらに抽出する。なお、検出エリア抽出部15は、抽出する際に、レコードの「日時」が規定の時間経過していないレコードのみを抽出してもよい。これにより、「in」イベントは発生したが、レシーバ2の故障などで、当該レシーバ2付近からタグ3が離れたにも関わらず「out」イベントが発生しないケースなどの異常系をケア(対策)することができる。
次に、検出エリア抽出部15は、抽出したレコードに含まれる「レシーバID」列のレシーバIDを取得する。ここで取得したレシーバIDは、入力された照会要求に含まれるタグIDが示すタグ3が現在滞在している検出エリアを構成するレシーバ2のレシーバIDを示す。すなわち、これにより検出エリア抽出部15は、タグ3が滞在している検出エリアを抽出したことになる。検出エリア抽出部15は、取得したレシーバID(又は抽出した検出エリアに関する情報)を検出エリア判定部16に出力する。
検出エリア判定部16は、検出エリア抽出部15によって複数の検出エリアが抽出された場合(複数の検出エリアに関する情報が入力された場合、又は複数のレシーバIDが入力された場合)に、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該複数の検出エリアそれぞれの特徴情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく指定のタグ3の特徴情報とに基づいて、当該複数の検出エリアのうち一つの検出エリアを選択し、選択した検出エリアを照会要求の応答とする。より具体的には、検出エリア判定部16は、当該複数の検出エリアに含まれる検出エリア毎の、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該検出エリアの滞在時間情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく、当該検出エリアでの指定のタグ3の滞在時間に基づく情報との類似度に基づいて、一つの検出エリアを選択する。検出エリア判定部16による一つの検出エリアの選択方法の詳細については、後述の図7に示すフローチャートと共に説明する。
検出エリア判定部16は、選択した検出エリアに関する情報を、照会要求取得部14による照会要求の取得元に送信することで、照会要求の応答とする。また、検出エリア判定部16は、選択した検出エリアに関する情報を、他の外部装置に送信してもよいし、検出エリア判定装置1の出力装置1006に出力してもよい。また、選択した検出エリアに関する情報には、当該検出エリアを形成するレシーバ2のレシーバIDや、当該レシーバ2の緯度及び経度、当該検出エリアに入った(「in」した)時刻などが含まれていてもよい。ここで、緯度及び経度は、検出エリア判定装置1において事前にレシーバ2毎に登録されている緯度及び経度を利用してもよいし、レシーバ2からの通知に当該レシーバ2の緯度及び経度が含まれていて、当該通知に基づき検出エリア判定装置1において登録され、当該登録された緯度及び経度を利用してもよい。また、検出エリアに入った時刻は、検出情報格納部11に格納された検出情報を参照することで取得できる。
続いて、図6に示すシーケンス図を用いて、検出エリア判定システム4における検出エリア判定方法の処理について説明する。
まず、タグ3がレシーバ2aにより形成される検出エリアに入っていると、タグ3より、レシーバ2aにアドバタイズ信号が送信される(ステップS01)。次に、レシーバ2aにより、タグ3の検出に関する通知が検出エリア判定装置1に送信される(ステップS02)。次に、検出エリア判定装置1の収集部10により、通知が受信され、通知に基づく検出情報が検出情報格納部11に格納される(ステップS03)。
同様に、タグ3がレシーバ2bにより形成される検出エリアに入っていると、タグ3より、レシーバ2bにアドバタイズ信号が送信される(ステップS04)。次に、レシーバ2bにより、タグ3の検出に関する通知が検出エリア判定装置1に送信される(ステップS05)。次に、検出エリア判定装置1の収集部10により、通知が受信され、通知に基づく検出情報が検出情報格納部11に格納される(ステップS06)。
なお、S01〜S03及びS04〜S06の処理は、任意のタイミングで実行されてもよい。
次に、外部装置からタグ3の位置問い合わせに関する照会要求が検出エリア判定装置1に送信され、検出エリア判定装置1の照会要求取得部14により取得される(ステップS07)。なお、S07のタイミングはいかなるタイミングであってもよい。次に、検出エリア判定装置1の検出エリア抽出部15により、タグ3が滞在しているレシーバ2の読み出し(抽出)が行われる(ステップS08)。次に、検出エリア判定装置1の検出エリア判定部16により、タグ3が最も滞在している確率が高い(あるいはタグ3が滞在しているのが適切な)検出エリア(を形成するレシーバ2)が判定される(ステップS09)。次に、検出エリア判定装置1の検出エリア判定部16により、判定結果が外部装置に返答として送信される(ステップS10)。
続いて、図7に示すフローチャート図を用いて、図6に示すシーケンス図のS09の処理(検出エリア判定装置1の検出エリア判定部16による処理)の詳細について説明する。
まず、検出エリア抽出部15の抽出結果に基づき、直近でタグ3(指定のタグ3)を検出しているレシーバ2が1つ以上あるか否か判定される(ステップS20)。S20にてないと判定されると(S20:NO)、タグ3の滞在エリア(タグ3が滞在する検出エリア)は不明と判定され(ステップS21)、当該判定結果が照会要求の応答となり、処理が終了する。一方、S20にてあると判定されると(S20:YES)、続いて、検出エリア抽出部15の抽出結果に基づき、直近でタグ3を検出しているレシーバ2が2つ以上あるか否か判定される(ステップS22)。S22にてないと判定されると(S22:NO)、検出された1つのレシーバ2が形成する検出エリアがタグ3の滞在エリアと判定され(ステップS23)、当該滞在エリアが照会要求の応答となり、処理が終了する。一方、S22にてあると判定されると(S22:YES)、タグ3の滞在時間が読み出される(ステップS24)。
S24について説明する。S24にて、検出エリア判定部16は、S22にて2つ以上あると判定されたレシーバ2それぞれに対して、検出情報格納部11によって格納されたタグ3の検出情報に基づく、当該レシーバ2が形成する検出エリアでのタグ3の滞在時間(滞在時間に基づく情報)を算出する。当該滞在時間は、検出情報において、当該タグ3のタグID、当該レシーバ2のレシーバID、イベント「in」のレコードのうち、日時が直近のレコードの日時と現在日時との差分である。
S24に続いて、レシーバ2の滞在時間特徴が読み出される(ステップS25)。S25について説明する。S25にて、検出エリア判定部16は、S22にて2つ以上あると判定されたレシーバ2それぞれに対して、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該レシーバ2(の検出エリア)の平均滞在時間(滞在時間情報、滞在時間特徴)を算出する。
なお、S24とS25の順番は逆でもよい。
S25に続いて、S24にて読み出されたタグ3の滞在時間と、S25にて読み出されたレシーバ2の平均滞在時間とから最も滞在確率が高いレシーバ2が判定される。例えば、レシーバ2ごとの、タグ3の滞在時間とレシーバ2の平均滞在時間との類似度が最も高いレシーバ2が判定される。また例えば、レシーバ2ごとの、タグ3の滞在時間とレシーバ2の平均滞在時間との差分の絶対値が最も小さいレシーバ2が判定される。また例えば、図5に示すテーブル例に含まれる標準偏差及びサンプル数をさらに用いた判定を行ってもよい。
標準偏差は、タグ3の滞在時間が正規分布に従うと仮定される場合に、タグ3の滞在時間がどのレシーバ2の平均滞在時間と近いか判断する際に使用する。例えば、タグ3の滞在時間をT、レシーバ2aの平均滞在時間をE
a、標準偏差をσ
a、レシーバ2bの平均滞在時間をE
b、標準偏差をσ
bとして、タグ3とレシーバ2aの類似度P
aを
、タグ3とレシーバ2bの類似度P
bを
で算出し、類似度が高い方のレシーバ2が判定される。これは、滞在時間ばらつきが小さいレシーバ2と、ばらつきが大きいレシーバ2があった際に、タグ3の滞在時間が両者に同じ程度近ければ、前者のレシーバ2の確度が高いと判断するロジックである。サンプル数は、例えば規定個数以下のログ数しかない場合、類似度判定の精度が低いため、類似度判定をしない場合に用いてもよい。
(変形例)
本実施形態の変形例について説明する。なお、本実施形態と同様の内容については説明を省略する。変形例において、検出エリア特徴情報格納部13は、各検出エリアの特徴情報として、当該検出エリアで検出されたタグ3が当該検出エリアの前に検出された検出エリアに関する移動元検出エリア情報を格納する。そして、検出エリア判定部16は、当該複数の検出エリアに含まれる検出エリア毎の、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該検出エリアの移動元検出エリア情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく、指定のタグ3が当該検出エリアの前に検出された検出エリアに関する情報との類似度に基づいて、一つの検出エリアを選択する。
図8は、移動元検出エリア情報のテーブル例を示す図である。図8に示す通り、移動元検出エリア情報は、レコードIDと、レシーバIDと、移動元レシーバIDと、移動回数とが対応付いている。ここで、移動元レシーバIDとは、レシーバIDが示すレシーバ2が形成する検出エリアで検出されたタグ3が当該検出エリアの前に検出された検出エリアを形成するレシーバ2のレシーバIDを示す。また、移動回数とは、移動元レシーバIDが示すレシーバ2が形成する検出エリアから、レシーバIDが示すレシーバ2が形成する検出エリアへ、過去にタグ3が移動した回数を示す。
図8に示すテーブル例に基づいて具体例を挙げると、指定のタグ3が現在、レシーバID「z」のレシーバ2が形成する検出エリアと、レシーバID「z’」のレシーバ2が形成する検出エリアとの重なり部分に位置している場合、検出エリア判定部16は、指定のタグ3の直近で滞在していたレシーバ2のレシーバIDが「x」であれば、レシーバIDが「x」から「z」の方が、「x」から「z’」の方よりも移動回数が多いため、指定のタグ3はレシーバIDが「z」であるレシーバ2が形成する検出エリアに滞在していると判定する。すなわち、検出エリア判定部16は、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された移動元検出エリア情報を、過去の移動履歴から、タグ3が、現在どのレシーバ2が形成する検出エリアに滞在しているかを判定する場合に用いる。
なお、本実施形態の内容と、変形例の内容とを組み合わせてもよい。例えば、検出エリア判定装置1の検出エリア特徴情報格納部13は、各検出エリアの特徴情報として、滞在時間情報を格納すると共に、移動元検出エリア情報を格納する。そして、検出エリア判定装置1の検出エリア判定部16は、滞在時間情報に基づく判定を行った後に、さらに移動元検出エリア情報に基づく判定を行う。又は、検出エリア判定部16は、移動元検出エリア情報に基づく判定を行った後に、さらに滞在時間情報に基づく判定を行ってもよい。
その他、検出エリア判定部16は、各検出エリアの特徴情報としてタグ3の滞留時刻を用いて判定を行ってもよい。具体的には、検出エリア判定部16は、日中しか開いていない店を含む検出エリアと、夜間も開いている店を含む検出エリアがあり、タグ3が夜間に滞在しているのであれば、後者の検出エリアの滞在と判定する。
次に、本実施形態のように構成された検出エリア判定装置1の作用効果について説明する。
本実施形態の検出エリア判定装置1によれば、検出エリア抽出部15により、指定のタグ3が滞在している検出エリアの照会要求が取得されると、検出情報格納部11によって格納された検出情報に基づいて当該検出エリアが抽出される。そして、複数の検出エリアが抽出された場合に、検出エリア判定部16により、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該複数の検出エリアそれぞれの特徴情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく指定のタグ3の特徴情報とに基づいて、当該複数の検出エリアのうち一つの検出エリアが選択され、選択された検出エリアが照会要求の応答とされる。かかる構成を採れば、検出対象が滞在している検出エリアとして複数の検出エリアが検出(抽出)された場合でも、当該複数の検出エリアそれぞれの特徴情報と検出対象の特徴情報とに基づいて一つの検出エリアが判定(選択)される。すなわち、複数の検出エリアそれぞれの特徴情報と検出対象の特徴情報とが加味された適切な検出エリアを判定することができる。
また、本実施形態の検出エリア判定装置1によれば、検出エリア判定部16により、複数の検出エリアに含まれる検出エリア毎の、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該検出エリアでの検出対象の滞在時間に基づく滞在時間情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく、当該検出エリアでの指定のタグ3の滞在時間に基づく情報との類似度に基づいて、一つの検出エリアが選択される。かかる構成を採れば、複数の検出エリアに含まれる検出エリアのうち、検出エリアの滞在時間情報と当該検出エリアでの検出対象の滞在時間に基づく情報との類似度に基づいて、検出エリアを選択することができるため、例えば、各検出エリアの過去の滞在時間情報を加味したより適切な検出エリアを判定することができる。
また、本実施形態の検出エリア判定装置1によれば、検出エリア判定部16により、複数の検出エリアに含まれる検出エリア毎の、検出エリア特徴情報格納部13によって格納された当該検出エリアの移動元検出エリア情報と、検出情報格納部11によって格納された指定のタグ3の検出情報に基づく、指定のタグ3が当該検出エリアの前に検出された検出エリアに関する情報との類似度に基づいて、一つの検出エリアが選択される。かかる構成を採れば、複数の検出エリアに含まれる検出エリアのうち、検出エリアの移動元検出エリア情報と検出対象が当該検出エリアの前に検出された検出エリアに関する情報との類似度に基づいて、検出エリアを選択することができるため、例えば、各検出エリアの過去の移動元検出エリア情報を加味したより適切な検出エリアを判定することができる。
従来、例えば、重要スポットごとにエリアを形成し、対象がどのスポットにいるか否かを判断したい場合がある。しかしながら、エリア境界では、距離、電波強度などその時点で観測できるデータからだけでは上記判断が難しいという課題がある。本実施形態に係る検出エリア判定装置1によれば、スポット毎に特徴量を記録し、特徴量への類似度を用いて、対象がどのエリアに属するべきか決定する。ここで、特徴量は、滞留時間、滞留時刻を用いてもよい。例えば、「学校」と「コンビニ」がスポットとして隣接しているとする。あるアドバタイザ(BLE(Bluetooth Low Energy)タグ)が1時間、スポットのエリア境界に存在した場合、滞留時間の特徴量でみると学校(平均7時間)>コンビニ(平均5分)となるため、学校エリアにいると判定することができる。すなわち、検出エリア判定装置1によれば、スポット毎に特徴量を記録することで、エリア境界においても適切な所属エリア(スポット)を判定することが可能になる。つまり、エリア境界で、どちらのエリアに属するのが正しいか適切に判定することができる。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語での「a」、「an」及び「the」のように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。