以下、図面を参照して、実施形態に係る医用画像処理システムを説明する。なお、本願に係る医用画像処理システムは、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100の構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像診断装置110と、処理装置120と、医用画像保管装置130と、サーバ140と、医用画像表示装置150とを備える。
図1に示すように、医用画像処理システム100は複数の医用画像診断装置110を備える。ここで医用画像診断装置110とは、X線CT装置やMRI装置、超音波診断装置、X線診断装置など、医用画像データを収集する種々の装置である。医用画像診断装置110は、被検体の医用画像データを収集し、収集した医用画像データを処理装置120に出力する。
処理装置120は、医用画像診断装置110から出力される医用画像データを受信する。また、処理装置120は、医用画像データを医用画像保管装置130に保管させるとともに、サーバ140が有するデータベース上に登録させる。また、処理装置120は、医用画像データをサーバ140に送信し、サーバ140による画像処理を受けさせる。なお、以下では、処理装置120が医用画像データを医用画像保管装置130に送信して保管させる処理や、医用画像データをサーバ140に送信してデータベース登録させる処理、医用画像データをサーバ140に送信して画像処理させる処理等を、単に、「登録処理」とも記載する。
即ち、「登録処理」は、処理装置120が、医用画像データを処理装置120以外の他の装置に対して送信し、医用画像データが他の装置による種々の処理を受けることが可能な状態とする処理である。ここで、「他の装置」とは、例えば、医用画像保管装置130やサーバ140などである。また、「他の装置による種々の処理」とは、例えば、医用画像データの保管やデータベース登録、画像処理等である。また、「種々の処理を受けることが可能な状態」とは、例えば、医用画像データがサーバ140による画像処理を受けるためにサーバ140が有する画像処理キューに登録された状態である。なお、処理装置120は、「登録処理」として、医用画像データを医用画像保管装置130に送信して保管させる処理、医用画像データをサーバ140に送信してデータベース上に登録させる処理、医用画像データをサーバ140に送信して画像処理を受けさせる処理などの種々の処理のうちの全部を実行する場合であってもよいし、一部を実行する場合であってもよい。
また、処理装置120は、「登録処理」に関する処理として、「登録処理」そのものに加え、「登録処理」に先立つ種々の処理を実行する。例えば、処理装置120は、医用画像データの「登録処理」に先立ち、医用画像データを医用画像診断装置110から受信し、受信した医用画像データを一時保管する。そして、処理装置120は、一時保管した医用画像データの登録先となる登録処理キューを確認し、確認した登録処理キューに医用画像データを登録する。さらに、処理装置120は、登録処理キューから医用画像データを読み込み、読み込んだ医用画像データに対して圧縮処理を行う。そして、処理装置120は、圧縮処理を行った医用画像データについて「登録処理」を実行する。
また、図1に示すように、医用画像処理システム100は、複数の処理装置120を備える。ここで、複数の処理装置120は、ネットワークを通じて相互に接続される。また、複数の処理装置120は、それぞれ、ネットワークを通じて医用画像診断装置110、医用画像保管装置130、サーバ140及び医用画像表示装置150と接続される。
医用画像保管装置130は、処理装置120から送信される医用画像データを保管する記憶装置である。図1に示すように、医用画像処理システム100は複数の医用画像保管装置130を備える。また、図1に示すように、複数の処理装置120と複数の医用画像保管装置130とはそれぞれがネットワークを介して接続されており、医用画像保管装置130は、各処理装置120が送信する医用画像データを保管することができる。
サーバ140は、処理装置120から送信される医用画像データに関する種々の処理を行うサーバである。なお、医用画像処理システム100は複数のサーバ140を備える場合であってもよい。例えば、サーバ140は、医用画像データの情報をデータベースに登録し、管理する。一例を挙げると、サーバ140は、医用画像保管装置130における医用画像データの所在を示すデータをデータベース上で管理し、操作者からの要求に応じて医用画像保管装置130から医用画像データを呼び出し、医用画像表示装置150に表示させる。なお、サーバ140は、医用画像データを自ら保管する場合であってもよい。
また、例えば、サーバ140は、処理装置120から送信される医用画像データに対して種々の画像処理を実行する。一例を挙げると、サーバ140は、処理装置120により画像処理待ちのキューに登録された医用画像データを順に読み込み、画像処理を実行することで、表示用の医用画像を生成する。医用画像表示装置150は、操作者によって参照されるモニタであり、医用画像保管装置130に保管された種々の医用画像を表示する。
なお、医用画像処理システム100には、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)やRIS(Radiology Information System)、HIS(Hospital Information System)等の種々のシステムが導入される。例えば、サーバ140は、PACSのサーバとして、医用画像データをデータベースへ登録したり、医用画像表示装置150を介して医用画像データを読影医へ提供したりすることができる。
以上、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、処理装置120が行う登録処理に関する負荷を、複数の処理装置120の間で分散する。更に、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、登録処理に関する負荷を分散することで読影までの時間を短縮して検査の効率を向上させる。なお、医用画像データの登録処理に関する負荷には、登録処理そのものに基づく負荷に加え、登録処理に関連する処理(医用画像データの圧縮など)に基づく負荷が含まれる。以下、第1の実施形態においては、負荷の分散処理を処理装置120が行う場合を例に挙げて説明する。
まず、図2を用いて処理装置120の構成の一例を説明する。図2は、第1の実施形態に係る処理装置120の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、第1の実施形態に係る処理装置120は、受信回路121と、処理回路122と、圧縮回路123と、登録回路124と、記憶回路125とを備える。
受信回路121は、医用画像診断装置110から出力される医用画像データを受信する。また、受信回路121は、受信した医用画像データを、記憶回路125に記憶させることで一時保管する。また、受信回路121は、医用画像データを一時保管したことを医用画像診断装置110に対して通知する。なお、医用画像診断装置110は、受信回路121が医用画像データを一時保管したとの通知を受けることで、医用画像データの送信先が機能していることを確認し、次の医用画像データを収集する。なお、医用画像診断装置110は、受信回路121が医用画像データを一時保管したとの通知を受けるまで、医用画像データの収集をしないように制御することもできる。
処理回路122は、特定機能122aと、算出機能122bと、設定機能122cと、補正機能122dとを実行し、登録処理に係る負荷を分散する。具体的には、まず、処理回路122は、過去の検査において予約されていた検査の予約内容を示す予約実績情報の中から、検査の予約内容を示す予約情報と類似する予約実績情報を抽出し、抽出した予約実績情報に対応する検査の実績情報を、医用画像データの登録処理を行う複数の処理装置120それぞれの処理量の算出に用いる検査の実績情報として特定する。次に、処理回路122は、予約情報と、特定した実績情報のうち予約されていた検査について実行された検査内容を示す実績情報とに基づいて、複数の処理装置120それぞれの予約された検査に関する処理量を算出する。また、処理回路122は、特定した実績情報のうち予約外だった検査について実行された検査内容を示す実績情報に基づいて、複数の処理装置120それぞれの予約外の検査に関する処理量を算出する。そして、処理回路122は、予約された検査に関する処理量と予約外の検査に関する処理量とに基づいて、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てを設定する。なお、以下では、処理回路122が登録処理の割当てを設定する例として、登録処理そのものと、登録処理に付随する前段階の処理(登録処理待ちのキューから医用画像データを読み込む処理、及び、読み込んだ医用画像データに対する圧縮処理)とを併せて、複数の処理装置120に対する割当てを設定する場合について説明する。
また、処理回路122は、設定した登録処理の割当てに従い、医用画像データを処理装置120の各々が有する登録処理待ちのキューに登録する。例えば、処理回路122は、医用画像データを受信した処理装置120が有する登録処理待ちのキューに医用画像データを登録する。また、例えば、処理回路122は、医用画像データを受信した処理装置120とは異なる他の処理装置120が有する登録処理待ちのキューに医用画像データを登録する。そして医用画像データを登録処理待ちのキューに登録された処理装置120は、登録処理待ちのキューから医用画像データを読み込み、登録処理を実行する。なお、処理回路122の各機能については後述する。
圧縮回路123は、処理装置120が有する登録処理待ちのキューに登録された医用画像データを読み込み、医用画像データの圧縮処理を行う。即ち、圧縮回路123は、登録回路124による医用画像データの登録処理に先立って医用画像データを圧縮し、データの蓄積や伝送のコストを低減できる状態にした上で、医用画像データを登録回路124に送信する。
登録回路124は、医用画像データの登録処理を行う。例えば、登録回路124は、圧縮回路123により圧縮された医用画像データを医用画像保管装置130に対して送信して保管させる。なお、登録回路124は、複数の医用画像保管装置130の中から、空き容量等に応じて、医用画像データを送信する医用画像保管装置130を選択することができる。また、例えば、登録回路124は、医用画像データを医用画像保管装置130に保管させるとともに、保管した医用画像データの情報をサーバ140に送信して、データベース登録を行う。また、例えば、登録回路124は、医用画像データをサーバ140に送信してサーバ140が有する画像処理待ちのキューに登録させ、画像処理を受けさせる。
図1における実施形態では、受信回路121、処理回路122、圧縮回路123及び登録回路124が実行する各機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路125へ記録されている。受信回路121、処理回路122、圧縮回路123及び登録回路124は、プログラムを記憶回路125から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
例えば、各プログラムを読み出した状態の処理回路122は、図2に示した特定機能122a、算出機能122b、設定機能122c及び補正機能122dを有することとなる。なお、図2においては単一の処理回路にて、特定機能122a、算出機能122b、設定機能122c及び補正機能122dにて行われる処理機能が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路125に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路125にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
第1の実施形態における特定機能122aは、特許請求の範囲における特定部の一例である。また、第1の実施形態における算出機能122bは、特許請求の範囲における第1の算出部及び第2の算出部の一例である。また、第1の実施形態における設定機能122cは、特許請求の範囲における設定部の一例である。また、第1の実施形態における補正機能122dは、特許請求の範囲における補正部の一例である。
記憶回路125は、受信回路121、処理回路122、圧縮回路123及び登録回路124による種々の処理において用いられるデータを記憶する。例えば、記憶回路125は、受信回路121、処理回路122、圧縮回路123及び登録回路124によって実行される各プログラムを記憶する。また、記憶回路125は、受信回路121による制御の下、医用画像診断装置110から送信された医用画像データを一時保管する。また、記憶回路125は、検査の予約内容を示す予約情報、過去の検査において予約されていた検査の予約内容を示す予約実績情報、及び、実行された検査の検査内容を示す実績情報などを記憶することができる。なお、予約情報、予約実績情報及び実績情報については後述する。
次に、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100が行う処理について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100の処理を説明するための図である。まず、医用画像診断装置110は、被検体から医用画像データを収集する。次に、医用画像診断装置110は、図3に示すように、収集した医用画像データを処理装置120に対して送信する。なお、以下では、医用画像診断装置110と処理装置120とが対応付いており、医用画像データの送信先の処理装置120が固定されている場合について説明する。即ち、X線CT装置やMRI装置などのモダリティ装置ごとに、それぞれ対応する処理装置120が配置される場合について説明する。
受信回路121は、医用画像診断装置110が送信した医用画像データを受信する。例えば、受信回路121は、図3に示すように、医用画像診断装置110から送信された医用画像データを、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、受信することができる。また、受信回路121は、受信した医用画像データを記憶回路125に一時保管させる。また、受信回路121は、医用画像データが一時保管されたことを、医用画像診断装置110に通知する。
次に、処理回路122は、図3に示すように、登録処理を実行する処理装置120(キュー登録先)を確認する。具体的には、処理回路122は、各処理装置120の処理量に応じて、キュー登録先の処理装置120を決定する。例えば、処理回路122は、登録処理を、図3に示す処理装置120が有する登録回路124に行わせることもできるし、図3に示す処理装置120とは異なる他の処理装置120が有する登録回路124に行わせることもできる。なお、処理回路122によるキュー登録先の処理装置120の決定については後述する。
図3に示す処理装置120がキュー登録先の処理装置120として決定された場合、圧縮回路123は、登録処理待ちのキューに登録された医用画像データを読み込み、画像を圧縮する。そして、登録回路124は、図3に示すように、圧縮された医用画像データを医用画像保管装置130に保管させ、また、サーバ140にデータベース登録させる。また、登録回路124は、圧縮された医用画像データをサーバ140の画像処理キューに登録させ、画像処理を行わせる。
以下、登録処理キューへの医用画像データの登録について説明する。処理回路122は、まず、キュー登録先を確認するため、複数の処理装置120が実行する処理量をそれぞれ予測する。なお、「予測する」とは、登録処理に関する処理量のこれからの推移を、処理装置120ごとに算出することをいう。一例を挙げると、処理回路122は、対応付いた医用画像診断装置110からの医用画像データを受信した処理装置120が、受信した医用画像データの登録処理の全てを自ら行う場合に、処理装置120のそれぞれが実行する処理量を予測する。そして、処理回路122は、処理量の多い処理装置120の登録処理の一部が、処理量が少なく余裕のある処理装置120において実行されるよう、キュー登録先を設定する。以下、処理回路122による、登録処理を行う処理装置120(キュー登録先)の設定について、詳細に説明する。
まず、処理回路122が備える特定機能122aは、検査の予約内容を示す予約情報と、過去の検査において予約されていた検査の予約内容を示す予約実績情報とを比較する。ここで、予約情報とは、これから実行される検査の予約内容を示す。例えば、予約情報は、図4に示すように、検査UIDやサブオーダ番号、詳細No、患者のID及び氏名、患者の性別及び生年月日、依頼科、依頼医師、緊急区分、オーダの予約日時、オーダの作成日時、オーダの受付日時、オーダの撮影開始日時、オーダの実施日時、撮影装置名、モダリティ名、診断方法、部位、撮影方法、撮影室等の情報を含む。なお、図4は、第1の実施形態に係る予約情報を説明するための図である。
また、予約実績情報とは、過去に実行された検査の予約内容を示す。即ち、予約実績情報は、その予約内容に対応する検査が実行された後の予約情報を意味する。なお、以下では、予約情報と予約実績情報とを合わせて、オーダ情報とも記載する。オーダ情報は、例えば、RISやHISにより管理される情報である。また、オーダ情報は、図3に示すように、RISやHISから一定時間ごとに収集され、記憶回路125に記憶される。なお、以下では、記憶回路125にオーダ情報が記憶される場合について説明するが、オーダ情報を記憶する媒体は任意である。例えば、RISやHISとネットワークで接続される所定の記憶装置にオーダ情報が記憶される場合であってもよい。
そして、特定機能122aは、予約情報を予約実績情報と比較することで、予約実績情報の中から、予約情報と類似する予約実績情報を抽出する。例えば、特定機能122aは、図3に示す記憶回路125によって記憶されたオーダ情報から、予約情報と、過去の各日についての予約実績情報とを取得し、これらを比較する。そして、特定機能122aは、過去の各日についての予約実績情報の中から、予約情報とその予約内容が類似する日の予約実績情報を抽出する。そして、特定機能122aは、抽出した予約実績情報に対応する検査の実績情報を、処理量の算出に用いる検査の実績情報として特定する。
なお、予約情報と予約実績情報とが「類似する」とは、例えば、その予約内容の全部又は一部が、同一又は同程度な場合である。一例を挙げると、特定機能122aは、図4に示す情報のうち依頼科コード、オーダ撮影開始日時、オーダ実施日時、モダリティ名及び撮影方法コードのそれぞれを、予約情報と予約実績情報とで比較し、モダリティ、依頼科及び撮影方法が予約情報と同一であり、かつ、オーダ撮影開始日時及びオーダ実施日時が予約情報と同程度である予約実績情報を、予約情報に類似するものとして抽出する。
また、例えば、特定機能122aは、予約情報と予約実績情報との比較により抽出した日の検査の実績情報を、処理量の算出に用いる検査の実績情報として特定する。なお、特定機能122aは、任意の単位において、検査の実績情報を特定することができる。一例を挙げると、特定機能122aは、検査の実績情報を、週単位や日単位、時間単位等で特定することができる。また、特定機能122aは、検査の実績情報を複数特定することができる。
次に、算出機能122bは、予約情報と、特定機能122aが特定した検査の実績情報とを用いて、複数の処理装置120それぞれの処理量を算出する。なお、検査の実績情報とは、過去に実行された検査の内容を示す情報であり、例えば、医用画像処理システム100の各構成における処理の記録や、操作者に係る情報、被検体に係る情報、医用画像データに係る情報などである。
なお、検査の実績情報は、図3に示すように、一定時間ごとに収集され、記憶回路125に記憶される。また、図3は、記憶回路125に検査の実績情報が記憶される場合を示すが、検査の実績情報を記憶する媒体は任意であり、例えば、処理装置120とネットワークにて接続された所定の記憶装置に検査の実績情報が記憶される場合であってもよい。以下、算出機能122bが処理量の算出に用いる検査の実績情報について、詳細に説明する。
例えば、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査において実行された、処理装置120が有する登録処理待ちのキューへの医用画像データの登録(処理装置120のキュー登録)に係る情報を用いることができる。処理装置120のキュー登録に係る情報とは、例えば、図5に示すように、医用画像データを受信した日時や、医用画像データの送信元の情報、データ格納パス、患者のID及び氏名、検査UID、検査の日付、受付番号、モデル名、ステーション名、フレーム数、シリーズUID、モダリティ、SOPクラスUID、画像UID等の情報を含む。なお、図5は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
また、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査において実行された、サーバ140が有する画像処理待ちのキューへの医用画像データの登録(サーバ140のキュー登録)に係る情報を用いることができる。サーバ140のキュー登録に係る情報とは、例えば、図6に示すように、キューのIDや登録の日付及び時刻、更新の日付及び時刻、実行の日付及び時刻、エラーの日付及び時刻、優先度、リトライ回数、送信元及び送信先、医用画像データを受信した日付及び時刻、受診者ID、受診者名及びそのローマ字表記、受診者の生年月日及び性別、検査UID、検査の日付及び時刻、モダリティ、シリーズUID、画像UID、医用画像保管装置130のID、処理装置120での画像UID1、フレーム番号、AEタイトル等の情報を含む。なお、図6は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
また、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査において実行された検査の検査情報を用いることができる。なお、検査情報は、医用画像データの収集に関する情報であり、例えば、医用画像診断装置110が医用画像データを収集する際、医用画像データに付帯情報として埋め込まれる。そして、例えば、医用画像データを受信した処理装置120は、付帯情報に含まれる検査情報を、図3に示すように、所定の記憶装置に記憶する。また、検査情報とは、例えば、図7に示すように、検査UIDや登録の日付及び時刻、更新の日付及び時刻、患者ID、検査の日付及び時刻、モダリティ、依頼科、依頼医師、SOP INSTANCE数、シリーズ数、フレーム総数、ファイルサイズ、AEタイトル等の情報を含む。なお、図7は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
また、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査において実行された検査のシリーズ情報を用いることができる。なお、シリーズ情報は、医用画像データの収集単位に関する情報であり、例えば、医用画像診断装置110が医用画像データを収集する際、医用画像データに付帯情報として埋め込まれる。そして、例えば、医用画像データを受信した処理装置120は、付帯情報に含まれるシリーズ情報を、図3に示すように、所定の記憶装置に記憶する。また、シリーズ情報とは、例えば、図8に示すように、シリーズUIDや検査UID、登録の日付及び時刻、更新の日付及び時刻、受診者ID、シリーズ記述、部位、SOP INSTANCE数、フレーム総数、ファイルサイズ等の情報を含む。なお、図8は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
また、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査において収集された医用画像の画像情報を用いることができる。なお、画像情報は、医用画像データに関する情報であり、例えば、医用画像診断装置110が医用画像データを収集する際、医用画像データに付帯情報として埋め込まれる。そして、例えば、医用画像データを受信した処理装置120は、付帯情報に含まれる画像情報を、図3に示すように、所定の記憶装置に記憶する。また、画像情報とは、例えば、図9に示すように、画像UIDや検査UID、シリーズUID、登録の日付及び時刻、医用画像保管装置130、検査の日付及び時刻、モダリティ、画像番号、SOPクラス、SOP INSTANCEのUID、撮影の日付及び時刻、患者方向の行及び列、スライス厚、スライス位置、SYNCラベル、SYNCシリーズUID、フレーム数、ファイルサイズ等の情報を含む。なお、図9は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
また、算出機能122bは、検査の実績情報として、過去の検査における経過記録ログを用いることができる。経過記録ログとは、図10に示すように、処理装置120や医用画像保管装置130、サーバ140、医用画像表示装置150等で行われる種々の処理の経過を記録したものである。また、経過記録ログは、例えば、図10に示すように、ログIDやログ発生日時、ログ発生ホスト、イベント名、イベントクラス、ユーザID、患者ID、施設、検査日、検査UID、シリーズUID、SOP INSTANCEのUID、コンピュータ、レポートID、レポートRev番号、レポート履歴番号、ロールレベル、対象ユーザID、イベント付随情報1及びイベント付随情報2等の情報を含む。なお、図10は、第1の実施形態に係る実績情報を説明するための図である。
算出機能122bは、上述した検査の実績情報の一部又は全部を、処理装置120の処理量の算出に用いる。また、図5から図10までに示したように、処理装置120のキュー登録に係る情報、サーバ140のキュー登録に係る情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報及び経過記録ログは、いずれも検査UIDの情報を含んでいる。従って、算出機能122bは、図5から図10までに示した各情報を、検査UIDに従って紐付け、自由に組み合わせて用いることができる。なお、図4に示したように、オーダ情報も検査UIDの情報を含んでいる。従って、特定機能122aは、予約情報との比較により抽出した予約実績情報が有する検査UIDを用いて、処理装置120の処理量の算出に用いる検査の実績情報を特定することができる。
また、図5から図10までに示した情報は、算出機能122bが用いる実績情報の一例であり、算出機能122bは、図5から図10までに示していない情報を用いて、処理量を算出することもできる。例えば、算出機能122bは、処理装置120のそれぞれにおいて実行された登録処理に係る処理量の記録を示す処理量実績情報を用いて、処理装置120ごとの処理量を算出することができる。例えば、算出機能122bは、オーダ情報に含まれるモダリティ装置の情報から、対応する処理装置120それぞれの処理内容を特定する。そして、算出機能122bは、特定した処理内容に相当する処理量実績情報を用いて、処理装置120ごとのこれからの処理量を算出する。
ここで、「処理装置120の処理量」とは、医用画像データの登録処理に関し、処理装置120に加わる負荷である。例えば、「処理装置120の処理量」は、登録処理の前段階の各処理(医用画像データの受信や一時保管、登録処理待ちのキューへの登録、圧縮など)及び登録処理を実行する際に、処理装置120内のプロセッサに加わる負荷である。なお、「処理装置120の処理量」は、処理装置120内のプロセッサに加わる負荷の全体でなく、その一部であってもよい。例えば、「処理装置120の処理量」は、医用画像データの圧縮及び登録処理を行う際に、処理装置120内のプロセッサに加わる負荷である。
また、例えば、「処理装置120の処理量」は、処理装置120が処理する医用画像データのデータ量(ファイルサイズ)である。ここで医用画像データのファイルサイズは、圧縮回路123による圧縮処理を受ける前のファイルサイズであってもよいし、圧縮処理を受けた後のファイルサイズであってもよい。また、例えば、「処理装置120の処理量」は、処理装置120が処理する医用画像データの枚数である。
なお、算出機能122bが算出する処理量は、登録処理の前段階の各処理(医用画像データの受信や一時保管、登録処理待ちのキューへの登録、圧縮など)及び登録処理について、処理ごとに算出される場合であってもよい。例えば、算出機能122bは、処理装置120内のプロセッサが、医用画像データの圧縮を行うために扱うデータ量、及び、医用画像データの登録処理を行うために扱うデータ量をそれぞれ算出する。また、例えば、算出機能122bは、医用画像データの圧縮を行うプロセッサと登録処理を行うプロセッサとが別である場合に、登録処理に関する一連のフローを律速する段階(例えば、医用画像データの圧縮)を特定し、特定した段階を行う際に処理装置120内のプロセッサが扱うデータ量を、処理量として算出する。
上述したように、算出機能122bは、実績情報と予約情報とを用いて、処理装置120の処理量を算出する。ここで、算出機能122bは、処理装置120の処理量として、予約された検査に関する処理量と、予約外の検査に関する処理量とをそれぞれ算出する。即ち、算出機能122bは、予め計画されている検査に係る処理量と、急患等の飛び込み検査に係る処理量とを、それぞれ予測する。なお、以下では、予約された検査に関する処理量を第1の処理量と記載し、予約外の検査に関する処理量を第2の処理量と記載する。
また、特定機能122aが特定した検査の実績情報は、予約情報と類似した予約実績情報を有する日全体の検査の実績情報である。従って、特定機能122aが特定した検査の実績情報には、予約されていた検査について実行された検査内容を示す実績情報と、予約外だった検査について実行された検査内容を示す実績情報とが含まれる。以下では、特定機能122aが特定した検査の実績情報のうち、予約されていた検査について実行された検査内容を示す実績情報を、第1の実績情報と記載する。また、以下では、特定機能122aが特定した検査の実績情報のうち、予約外だった検査について実行された検査内容を示す実績情報を、第2の実績情報と記載する。
まず、算出機能122bは、予約情報と、第1の実績情報とに基づいて、予約された検査に関する第1の処理量を算出する。一例を挙げると、算出機能122bは、第1の実績情報に含まれる処理量実績情報を、予約情報に応じて補正することで、第1の処理量を算出することができる。なお、「第1の実績情報に含まれる処理量実績情報」とは、例えば、特定機能122aが特定した検査のうち予約されていた検査において処理装置120が処理した医用画像データのデータ量の経時的な変化の記録である。即ち、「第1の実績情報に含まれる処理量実績情報」は、予約内容が類似した過去の検査のうち、予約されていた検査に係る処理量の記録である。従って、算出機能122bは、第1の実績情報に含まれる処理量実績情報を、予約された検査に関する第1の処理量に類似するものとして取得する。ただし、予約情報と予約実績情報とで予約内容が同一であるとは限らないため、算出機能122bは、第1の実績情報に含まれる処理量実績情報を、予約実績情報と予約情報との違いに応じて補正する。例えば、予約実績情報と比べ、予約情報にて予約されている検査が一つ少ない場合、算出機能122bは、第1の実績情報に含まれる処理量実績情報から、検査一つに対応する処理量を減算する補正を行うことで、第1の処理量を算出することができる。
また、別の例を挙げると、算出機能122bは、まず、第1の実績情報のうち図8に示すフレーム総数及びファイルサイズから、医用画像データのデータ総量を、検査ごとに算出する。次に、算出機能122bは、各検査での医用画像データのデータ総量を検査時間の長さで除することで、単位時間あたりに処理された医用画像データのデータ量を算出する。次に、算出機能122bは、検査ごとに算出したデータ量を、検査が実行された時刻に対応付けて並べることで、予約内容が類似した過去の検査のうち予約されていた検査に係る処理量の経時的な変化を算出する。そして、算出機能122bは、算出した処理量の経時的な変化を、予約実績情報と予約情報との違いに応じて補正することで、第1の処理量を算出することができる。
次に、算出機能122bは、第2の実績情報に基づいて、予約外の検査に関する第2の処理量を算出する。一例を挙げると、算出機能122bは、特定機能122aが予約状況の類似性に基づいて特定した複数の検査の実績情報のうち、検査当日と日付や曜日、季節等が類似する日において実行された検査に係る第2の実績情報に含まれる処理量実績情報を、第2の処理量とすることができる。なお、「第2の実績情報に含まれる処理量実績情報」とは、例えば、特定機能122aが特定した検査のうち予約外だった検査において、処理装置120が処理した医用画像データのデータ量の経時的な変化の記録である。
また、別の例を挙げると、算出機能122bは、複数の第2の実績情報を用いて、予約外の検査に関する第2の処理量を算出することができる。例えば、算出機能122bは、複数の第2の実績情報に含まれる処理量実績情報の平均を第2の処理量とすることができる。なお、算出機能122bは、「処理量実績情報の平均」を、例えば、複数の処理量実績情報の各時刻における処理量の値を平均することで算出することができる。即ち、「処理量実績情報の平均」は、処理量の平均の経時的な変化である。また、例えば、算出機能122bは、複数の第2の実績情報に含まれる処理量実績情報のうち、ピークの高さや処理量の総量が最大値となる処理量実績情報を第2の処理量とすることができる。
上述したように、算出機能122bは、予約された検査に関する第1の処理量と、予約外の検査に関する第2の処理量とをそれぞれ算出する。そして、設定機能122cは、算出機能122bが算出した第1の処理量と第2の処理量とに基づいて、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てを設定する。例えば、設定機能122cは、まず、第1の処理量と第2の処理量とを合算し、処理装置120の処理量のこれからの経時的な変化を取得する。なお、設定機能122cは、第1の処理量及び第2の処理量の各時刻での処理量の値を足し合わせることで、第1の処理量と第2の処理量とを合算し、処理量のこれからの経時的な変化を算出することができる。
次に、設定機能122cは、処理装置120の処理量のこれからの経時的な変化に基づいて、処理装置120における処理量が処理能力を超える時間帯があると判断される場合、処理装置120にて実行されることが予定されている登録処理を、他の処理装置120に依頼する。そして、複数の処理装置120における設定機能122cのそれぞれが、自らを含む処理装置120の登録処理を必要に応じて他の処理装置120に依頼することで、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てが設定される。
ここで、設定機能122cによる、複数の処理装置120に対する登録処理の割当ての設定による負荷分散について、図11を用いて説明する。ここで、図11は、第1の実施形態に係る負荷分散を説明するための図である。なお、図11は、医用画像診断装置110と処理装置120とが対応付いており、医用画像データの送信先の処理装置120が固定されている場合を示す。また、図11は、複数の処理装置120が、ネットワークを通じて相互に接続されている場合を示す。
まず、設定機能122cは、図11に示すように、医用画像診断装置110が収集し、受信回路121によって受信された医用画像データの登録先を決定する。例えば、設定機能122cは、複数の処理装置120それぞれについて算出された処理量が処理装置120における処理能力を超えるか否かを基準として、負荷分散の要否及び内容を決定する。なお、設定機能122cは、負荷分散の要否及び内容を、検査ごとに決定する場合であってもよいし、時間ごとに決定する場合であってもよい。
なお、処理装置120における処理能力を処理量が超える場合とは、例えば、処理装置120が医用画像データを登録処理する速度よりも、医用画像診断装置110が医用画像データを収集、送信する速度の方が速い場合である。ただし、処理装置120が記憶回路125のような記憶装置に医用画像データを一時保管できる場合において、処理装置120が医用画像データを登録処理する速度より処理装置120が医用画像データを受信する速度の方が速いものの、医用画像データを一時保管することで滞りなく医用画像データを受信できる場合には、設定機能122cは、処理能力を処理量が超えないものと判定してもよい。
図11の左図に示す処理装置120において処理能力を処理量が超えると判断される場合、設定機能122cは、医用画像データの登録処理の一部を、図11の右図に示す処理装置120に依頼することができる。そして、設定機能122cは、図11の右図に示す処理装置120において登録処理を代行する余裕がある場合、図11の左図に示す処理装置120が受信した医用画像データを、図11の右図に示す処理装置120の登録処理待ちのキューに登録する。
一方で、例えば、設定機能122cは、図11の左図に示す処理装置120において処理能力を処理量が超えないと判断される場合、あるいは、処理能力を処理量が超えると判断されるものの登録処理を代行する余裕のある処理装置120が他にない場合、図11の左図に示す処理装置120が受信した医用画像データを、図11の左図に示す処理装置120の登録処理待ちのキューに登録する。
そして、圧縮回路123は、処理装置120の登録処理待ちのキューに登録された医用画像データを読み込み、画像を圧縮する。そして、登録回路124は、圧縮された医用画像データを医用画像保管装置130に保管させ、また、サーバ140にデータベース登録させる。また、登録回路124は、圧縮された医用画像データをサーバ140の画像処理待ちのキューに登録させ、画像処理を行わせる。
また、補正機能122dは、算出機能122bが算出した第2の処理量を補正することができる。以下、補正機能122dによる第2の処理量の補正について、図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態に係る処理量の補正を説明するための図である。また、図12においては、上述した算出機能122bによる第1の処理量及び第2の処理量の算出を毎日実行し、補正機能122dによる第2の処理量の補正を毎時実行する場合について説明する。
例えば、まず、診療時間前に第1の処理量及び第2の処理量が算出され、設定機能122cは、当日の処理量の予測に基づいて、登録処理の割当てを設定する。例えば、設定機能122cは、当日の処理量が処理装置120の処理能力を超えると予測される場合には、処理装置120における登録処理の一部を他の処理装置120に依頼する。そして、依頼を受ける余裕がある他の処理装置120がある場合には、設定機能122cは、キュー登録先の変更を行う。また、複数の処理装置120における設定機能122cのそれぞれが、自らを含む処理装置120における登録処理のキュー登録先の変更を行う結果として、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てが設定される。
次に、設定機能122cによる登録処理の割当ての設定に基づいて、種々の検査及び登録処理が実行される。ここで、予約されていた検査に加え、予約外の検査が飛び込みで実行される場合がある。また、算出機能122bが算出した第2の処理量は、飛び込み検査に係る処理量を予測したものであるが、実際にあった飛び込み検査に係る処理量と一致しない場合も考えられる。そこで、補正機能122dは、算出機能122bが算出した第2の処理量を、実際に行われた飛び込み検査に応じて、適宜補正する。
補正機能122dは、例えば、当日の診療時間前に算出された第2の処理量を、当日の診療時間内に補正する。また、補正機能122dは、第2の処理量を、当日の診療時間内に複数回補正することができる。以下では、補正機能122dが、算出機能122bが第2の処理量を算出した後の「所定の時点」において、第2の処理量を補正する場合について説明する。
補正機能122dは、例えば、図12に示すように、上述した第2の処理量の補正を一定の時間ごとに行うことができる。この場合、「所定の時点」とは、算出機能122bが第2の処理量を算出した後、一定の時間ごとに来る時点である。また、補正機能122dは、例えば、算出機能122bが算出した第2の処理量と、実行された飛込み検査に係る処理量との差が所定の閾値を超えた場合に、第2の処理量の補正を行うことができる。この場合、「所定の時点」とは、算出機能122bが第2の処理量を算出した後、第2の処理量と実行された飛込み検査に係る処理量との差が所定の閾値を超えた時点である。
一例を挙げると、まず、補正機能122dは、第2の処理量の算出後に実行された飛込み検査の実績情報を取得する。以下、算出機能122bが第2の処理量を算出した後に実行された検査のうち予約外だった検査の検査内容を示す実績情報を、第3の実績情報とも記載する。なお、第3の実績情報は、例えば、図12に示すように、記憶回路125に記憶される。
次に、補正機能122dは、第3の実績情報と検査内容が類似する検査の実績情報を、過去の検査の実績情報の中から抽出する。ここで、補正機能122dは、第3の実績情報と検査内容が類似する検査の実績情報として、例えば、当日と過去の各日において、第2の処理量を算出した時点に対応する時点から、「所定の時点」に対応する時点までの間にあった飛込み検査の量や内容が類似する日の検査の実績情報を抽出する。
一例を挙げると、当日に第2の処理量を算出した時刻が「8時」であり、第2の処理量の補正をする「所定の時点」の時刻が「13時」である場合、補正機能122dは、当日の「8時」から「13時」までの間にあった飛込み検査の量や内容と、過去の各日における「8時」から「13時」までの間にあった飛込み検査の量や内容とを比較し、類似する日を特定する。そして、補正機能122dは、特定した日の一日分の検査の実績情報を抽出する。
次に、補正機能122dは、抽出した過去の検査の実績情報を用いて、算出機能122bが算出した第2の処理量を補正する。例えば、補正機能122dは、抽出した検査の実績情報のうち、所定の時点に対応する時点以降に実行された飛込み検査に係る処理量実績情報を、補正後の第2の処理量とすることができる。また、例えば、補正機能122dは、抽出した検査の実績情報のうち所定の時点に対応する時点以降に実行された飛込み検査に係る処理量実績情報と、補正前の第2の処理量との重みづけ平均を、補正後の第2の処理量とすることができる。
一例を挙げると、第2の処理量の補正をする「所定の時点」の時刻が「13時」である場合、補正機能122dは、まず、「13時」までの飛込み検査の量や内容が類似する日を特定する。次に、補正機能122dは、特定した日における「13時」以降に実行された飛込み検査に係る処理量実績情報を、当日における「13時」以降に実行される飛込み検査に係る処理量(補正後の第2の処理量)とすることができる。
そして、設定機能122cは、算出機能122bが算出した第1の処理量と、補正機能122dが補正した第2の処理量とに基づいて、複数の処理装置120における今後の処理量を予測し、登録処理の割当て(キュー登録先)を更新する。即ち、処理回路122は、算出機能122bが算出した第1の処理量及び第2の処理量をベースとして保持しつつ、補正機能122dによる第2の処理量の補正に応じて、登録処理の割当てを適宜更新する。
また、第1の実施形態に係る処理装置120は、医用画像保管装置130の空き容量を考慮して、負荷分散を行うことができる。例えば、上述したように、各処理装置120で処理量が処理能力を超えないように登録処理の割当てを設定、更新した場合であっても、医用画像保管装置130の空き容量がなければ、処理装置120は、医用画像データの登録処理を行うことはできない。また、空き容量が少ない場合は、医用画像保管装置130の医用画像データを保管する速度が低下する場合がある。
以下、医用画像保管装置130の空き容量に基づいた負荷分散について、図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態に係る負荷分散を説明するための図である。ここで、図13に示すように、経過の記録におけるオーダNoや処理日時の情報により、オーダ情報や画像登録情報、処理装置120のキューやサーバ140のキューは紐付される。そして、このような紐付により、設定機能122cは、図13に示すように、サーバ140のログや、医用画像保管装置130の負荷の情報を取得することができる。
そして、設定機能122cは、サーバ140のログや医用画像保管装置130の負荷の情報から、サーバ140や医用画像保管装置130に対して医用画像データの登録処理を行う場合に、サーバ140や医用画像保管装置130側での反応速度を推定する。例えば、これら記憶装置の空き容量が十分でなければ、処理装置120との間で行われる登録処理の速度が低下し、処理装置120において、医用画像データを登録処理する速度よりも受信する速度の方が速くなる(登録処理が遅延する)場合がある。このような場合、例えば、設定機能122cは、医用画像データを登録する医用画像保管装置130を、空き容量が十分な他の医用画像保管装置130に変更することで、医用画像データの登録処理が滞る事態を回避することができる。また、例えば、サーバ140が複数ある場合において、設定機能122cは、医用画像データをキュー登録するサーバ140を、空き容量が十分な他のサーバ140に変更することで、医用画像データの登録処理が滞る事態を回避することができる。
また、処理回路122は、医用画像データの登録処理を行う医用画像保管装置130又はサーバ140を動的に変更することで、医用画像処理システム100全体で医用画像データの登録処理に係る負荷を分散することができる。ここで、医用画像処理システム100全体での負荷分散について、図14を用いて説明する。なお、図14は、第1の実施形態に係る負荷分散を説明するための図である。
上述したように、第1の実施形態に係る処理回路122は、医用画像診断装置110から送信される医用画像データの登録処理を、複数の処理装置120の間で分散する。即ち、処理回路122は、図14に示すように、医用画像データを送信する医用画像診断装置110と、医用画像データを受信する処理装置120との組み合わせを、動的に変えることができる。更に、処理回路122は、図14に示すように、医用画像データを送信する処理装置120と、医用画像データを受信する医用画像保管装置130との組み合わせを動的に変えることができる。従って、第1の実施形態に係る処理回路122は、医用画像診断装置110での医用画像データの収集から、医用画像保管装置130での医用画像データの保管に至るまでの処理の全体について、負荷分散をすることができる。
次に、処理回路122による負荷分散の手順の一例を、図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態に係る負荷分散の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS102は、特定機能122aに対応するステップである。ステップS103は、算出機能122bに対応するステップである。ステップS101、ステップS104、ステップS105、ステップS106、ステップS108及びステップS109は、設定機能122cに対応するステップである。ステップS107は、補正機能122dに対応するステップである。
まず、処理回路122は、負荷分散の開始コマンドを受け付けたか否か判断する(ステップS101)。開始コマンドを受け付けない場合(ステップS101否定)、処理回路122は、待機状態となる。一方、開始コマンドを受け付けた場合(ステップS101肯定)、処理回路122は、予約情報と予約実績情報とに基づいて、過去の検査の実績情報の中から、処理量の算出に用いる検査の実績情報を特定する(ステップS102)。次に、処理回路122は、特定した検査の実績情報と、予約情報とに基づいて、第1の処理量及び第2の処理量を算出する(ステップS103)。
そして、処理回路122は、算出した第1の処理量及び第2の処理量に基づいて、処理装置120において処理量が処理能力を超えるか否かを判定する(ステップS104)。処理量が処理能力を超えると判定した場合(ステップS104肯定)、処理回路122は、登録処理を他の処理装置120に依頼することで登録処理の割当を変更し(ステップS105)、再度ステップS104に移行する。一方、処理量が処理能力を超えないと判定した場合(ステップS104否定)、処理回路122は、登録処理の割当ての設定を終了する。
次に、処理回路122は、当日の飛び込み検査の実績情報に応じて、登録処理の割当を更新するか否かを適時に判定する(ステップS106)。登録処理の割当を更新する場合(ステップS106肯定)、処理回路122は、第2の処理量を補正し(ステップS107)、登録処理の割当を更新した後(ステップS108)、再度ステップS106に移行する。一方で、登録処理の割当を更新しない場合(ステップS106否定)、処理回路122は負荷分散の終了コマンドを受け付けたか否か判断する(ステップS109)。終了コマンドを受け付けない場合(ステップS109否定)、処理回路122は、待機状態となる。一方、終了コマンドを受け付けた場合(ステップS109肯定)、処理回路122は、処理を終了する。
なお、ステップS106にて登録処理の割当を更新しない場合とは、例えば、ステップS103にて算出した第1の処理量及び第2の処理量が、実際に行われた検査における処理量と十分に一致しており、登録処理の割当を更新する必要がない場合などである。また、処理回路122は、ステップS106、ステップS107及びステップS108を行わない場合であってもよい。即ち、処理回路122は、算出した第1の処理量及び第2の処理量に基づいて複数の処理装置120に対する登録処理の割当てを設定した後、その更新を行わない場合であってもよい。
上述したように、第1の実施形態によれば、特定機能122aは、過去の検査において予約されていた検査の予約内容を示す予約実績情報の中から、検査の予約内容を示す予約情報と類似する予約実績情報を抽出し、抽出した予約実績情報に対応する検査の実績情報を、医用画像データの登録処理を行う複数の処理装置120それぞれの処理量の算出に用いる検査の実績情報として特定する。また、算出機能122bは、予約情報と、特定機能122aが特定した実績情報のうち予約されていた検査について実行された検査内容を示す第1の実績情報とに基づいて、複数の処理装置120それぞれの予約された検査に関する第1の処理量を算出する。また、算出機能122bは、特定機能122aが特定した実績情報のうち予約外だった検査について実行された検査内容を示す第2の実績情報に基づいて、複数の処理装置120それぞれの予約外の検査に関する第2の処理量を算出する。また、設定機能122cは、第1の処理量と第2の処理量とに基づいて、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てを設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像データの登録処理に係る負荷を、複数の処理装置120の間で分散し、医用画像データの収集から登録に至るまでの処理を円滑化することができる。
また、上述したように、第1の実施形態によれば、補正機能122dは、算出機能122bが第2の処理量を算出した後に実行された検査のうち予約外だった検査の検査内容を示す第3の実績情報に基づいて、第2の処理量を補正する。また、設定機能122cは、第1の処理量と、補正機能122dが補正した第2の処理量とに基づいて、複数の処理装置120に対する登録処理の割当てを更新する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、当日の飛び込み検査に応じてこれからの飛び込み検査を予測し、処理量の算出及び負荷の分散をより正確に行うことができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像診断装置110と処理装置120との間での負荷分散に加え、処理装置120と医用画像保管装置130との間での負荷分散や、あるいは処理装置120とサーバ140との間での負荷分散を行う。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像診断装置110や処理装置120、医用画像保管装置130、サーバ140、医用画像表示装置150等からなる全体でのワークフローを円滑化することができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、一定時間ごとに収集され、更新される検査の実績情報に基づいて、処理装置120に対する登録処理の割当てを設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像診断装置110の増設や更新があった場合でも、定期的に更新された情報に基づいて負荷分散を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、図4から図10までに例を示した種々の情報に基づいて処理装置120での処理量を算出し、登録処理の割当てを設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、モダリティ種別や時間帯、依頼科、撮影方法等ごとにピークが変化する処理装置120での処理量を適切に算出し、負荷を分散することができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、予約された検査に関する第1の処理量と、予約外の検査に関する第2の処理量をそれぞれ予測し、予測した処理量に応じて登録処理の割当てを設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、需要予測を基に動的に負荷分散を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る処理装置120は、所定の医用画像診断装置110から送信される医用画像データを受信した上で、登録処理を他の処理装置120に依頼する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、医用画像診断装置110と処理装置120とが固定的に設定され、医用画像診断装置110側でデフォルト設定された送信先に医用画像データが送信される場合であっても、複数の処理装置120間で、登録処理に関する負荷を分散することができる。
また、第1の実施形態に係る処理装置120は、処理量の多い他の処理装置120から、登録処理の委託を受けることができる。従って、第1の実施形態に係る処理装置120は、固定的に設定された医用画像診断装置110にて画像収集が行われていない時に生じる余裕を有効に活用し、各処理装置120で想定画像処理数を超えて登録処理が遅延し、読影時に画像を参照できないといった事態を回避することができる。
また、第1の実施形態に係る処理装置120は、複数の処理装置120の間で、ピーク時の負荷を余裕のある処理装置120に分散することができる。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100は、各処理装置120の稼働率を向上させるとともに、飛込み検査等の突発的な変化に対しても対応できる。
また、上述した第1の実施形態では、処理装置120と医用画像診断装置110とが固定的に設定され、処理装置120は所定の医用画像診断装置110からの医用画像データを受信した上で、登録処理を他の処理装置120に委託する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、設定された登録処理の割当てに従い、医用画像診断装置110側で、医用画像データの送信先である処理装置120が設定される場合であってもよい。
また、上述した第1の実施形態では、複数の処理装置120が有する処理回路122のそれぞれが、自らを含む処理装置120の処理を他の処理装置120に依頼し、結果として複数の処理装置120に対する登録処理の割当てが設定される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、処理回路122が、複数の処理装置120それぞれにおける処理量の予測及び登録処理の割当てを一元的に管理する場合であってもよい。なお、この場合、複数の処理装置120のそれぞれが処理回路122を有する必要はなく、1つ以上の処理回路122によって負荷分散が実行される。
また、上述した第1の実施形態では、「登録処理の割当てを設定する」例として、図11に示したように、登録処理そのものと、登録処理に付随する前段階の処理(キュー読込及び画像圧縮)とを併せて、割当てを設定する場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、処理回路122が複数の処理装置120それぞれにおける処理量の予測及び登録処理の割当てを一元的に管理する場合には、割当てが設定される登録処理に付随する前段階の処理に、医用画像データの受信及び一次保管、キュー登録、キュー読込、画像圧縮等を含め、登録処理と併せて割当てを設定する場合であってもよい。また、例えば、割当てが設定される登録処理に、付随する前段階の処理を含めず、登録処理そのものの割当てのみを設定する場合であってもよい。
上述した第1の実施形態では、処理装置120が備える処理回路122が、負荷分散に係る処理を実行する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、処理装置120以外の他の構成(医用画像診断装置110や、図示しないサーバ等)が備える処理回路にて、特定機能122aや算出機能122b、設定機能122c、補正機能122dに対応する機能が実行され、これら機能により設定された登録処理の割当てに従い、処理装置120の間で負荷分散が実行される場合であってもよい。
上述した第1の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成する事ができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、第1の実施形態で説明した負荷分散方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、医用画像データの登録処理に関する負荷を分散し、処理を円滑化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。