JP6687307B2 - 巻取装置 - Google Patents
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Description
そこで、これら従来の巻取装置においては、リールの厚み、フィン同士が噛み合ったりフィン同士の噛み合いを外すための厚み、ダイヤルの厚み、ダイヤルを固定するための軸の厚み、ダイヤルの上面を覆うカバーの厚みなどを確保する必要があり、装置全体の厚みが大きくなり、靴や鞄などの物品に装着した場合に、邪魔になったり、デザイン上の圧迫感が生じるという問題がある。
そして、本発明の目的は、強度、耐久性及び信頼性を低下させることなく、靴紐などのための巻取装置の小型・軽量化を図ることができ、さらには、同じ大きさの巻取装置において、強度、耐久性及び信頼性を高め、適用できる用途を拡大することができる巻取装置を提供することにある。
当該ダイヤルの下向きフィンを前記リールの上向きフィンに係合させてダイヤルの回転をリールに伝達できるロック状態と、前記下向きフィンを前記リールの上向きフィンから切り離してリールが自由に回転できる解除状態とを実現するようにした巻取装置であって、
当該巻取装置の強度、耐久性及び信頼性を低下させることなく前記フィン同士が噛み合うための厚みを薄くするために、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合したり係合が解除される樹脂製の係合面が、係合状態においては上下方向に外れ難いように噛み合う斜状に形成されており、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の傾斜角度は、89度〜80度の範囲内である巻取装置。」を主要な特徴とするものである。
当該軸部材の頭部を覆うようにカバーし、前記ダイヤルの上面に装着されるカバー部材と、
をさらに備え、
前記ダイヤルがロック位置から解除位置まで移動することで前記リールのロック状態から解除状態に切替可能とするとともに、
前記カバー部材の裏面と前記ダイヤルの上面との間の空間を無くし、前記リール収納部の内底面から前記カバー部材の表面までの距離を短く抑制したものであってもよい。
前記ダイヤルのロック位置と解除位置の間の位置に前記バネ部材が最も圧縮される反転位置を設定し、当該ロック位置と解除位置との間でバネ部材が圧縮される方向が切り替わるようにしたものであってもよい。
従って、強度、耐久性及び信頼性を低下させることなく、巻取装置の小型・軽量化を図ることができ、さらには、同じ大きさの巻取装置において、強度、耐久性及び信頼性を高め、適用できる用途を拡大することができる巻取装置を提供することができる。
本発明の巻取装置において、前記下向きフィンと前記上向きフィンの噛み合う際の遊びの長さを、前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の先端部が基端部から突出する長さより大きいものとすることで、下向きフィンと上向きフィンとをスムーズに噛み合わせることができ、かつ、それらの噛み合いの解除もスムーズに行うことができる。
当該ダイヤルの下向きフィンを前記リールの上向きフィンに係合させてダイヤルの回転をリールに伝達できるロック状態と、前記下向きフィンを前記リールの上向きフィンから切り離してリールが自由に回転できる解除状態とを実現するようにした巻取装置であって、
当該巻取装置の強度、耐久性及び信頼性を低下させることなく前記フィン同士が噛み合うための厚みを薄くするために、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合したり係合が解除される樹脂製の係合面が、係合状態においては上下方向に外れ難いように噛み合う斜状に形成されており、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の傾斜角度は、89度〜80度の範囲内であり、
さらに、前記フィン同士のスムーズな噛み合わせを実現するために、前記下向きフィンと前記上向きフィンの噛み合う際の遊びの長さは、前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の先端部が基端部から突出する長さより大きく、かつ、両フィンの断面は前記各係合面の反対側の斜面がなだらかな「のこぎり歯」状に形成されている巻取装置」であって、以下において説明する実施形態などにより好適に具体化することができる。
図3は、本発明の一実施形態の靴紐巻取装置1を足の甲の外側上面と対応する位置に装備した靴Sを示し、この靴Sは、樹脂被覆された金属製のワイヤーからなる靴紐2によって靴Sの甲部を締め付けることができるようになっている。
前記ストッパー部材5は、図11に示すように、前記ダイヤル6の下側に装着されて当該ダイヤル6と一体化し、ダイヤル6の下面部を構成するようになっている。
このギヤ34は、前記ストッパー部材5に形成した4本の細長い板状の爪51と協働してラチェット機構を構成し、靴紐2を巻き付ける方向(正回転)にのみ前記爪51が移動できるように、断面が「のこぎり歯」状に形成されている。
前記リール4の前記溝部44は、ベース部材3の底部に面する側(下側)に配置され、前記靴紐巻取ドラム41の外周面側から前記溝部44内に導入される靴紐2の先端部を挟み込んで当該溝部44内に保持するための係止突起45を当該溝部44内に2個設けたものとなっている。
本発明の靴紐巻取装置1において、図1(D)及び(E)に示すように、前記下向きフィン52と上向きフィン46の互いに係合する係合面fの傾斜角度θを89度〜80度の範囲内とすることで、即ち、前記下向きフィン52と前記上向きフィン46の互いに係合する係合面fが、上下方向に外れ難いように噛み合う斜状に形成されることで、前記下向きフィン52と前記上向きフィン46の係合面fの高さを低くしても安定した噛み合い状態を得ることができ、かつ、それらの噛み合いの解除もスムーズに行うことができる。
一例として、前記両フィン46,52の高さが1.55mmで、遊びの長さt1が0.29mmである場合、傾斜角度θが89度〜80度の範囲内であれば、前記長さt2が0.027〜0.273mmとなり、遊びの長さt1を超えることがない。
しかし、傾斜角度θを79度にすると、前記長さt2が0.301mmとなり、遊びの長さt1を超え、前記フィン46,52同士のスムーズな噛み合いに支障が生じるおそれがある。
前記ストッパー部材5に形成された4本の爪51は、細長い板状であって、互いに90度離間して形成されており、その先端部と、先端部から若干基端部寄りの位置の外面に形成された突部51aが、前記リール収納部32の内周面に形成されたギヤ34と係合するようになっている。
さらに、前記ストッパー部材5の中央部に形成された軸穴54の周囲上面側には、前記軸部材7の頭部付近(後記するフランジ72の付近)を埋没させることができる凹所56が形成されており、ダイヤル6の厚みを減少できるようになっている。
また、図9(E)に示すように、前記軸部材7の前記軸受部71は、その中央部付近が軸部材7の軸心に沿って透設したネジ挿入孔73と連通することで、前記軸部材7の小型化が図られている。
前記バネ部材8の他端部(バネ部82)が当接する前記係止部62は、前記ダイヤル6とストッパー部材5の境界部分に楔状に形成したバネ収納空間63の外端最狭部に設けられている。
さらに、当該ロック位置と解除位置との間の位置に前記バネ部材8のバネ部82が最も軸部材7側に圧縮される反転位置が存在するように設定されている。
なお、カバー部材10の中央部には透孔11が形成されており、この透孔11を介してカバー部材10の内側(下側)のネジ9を操作してベース部材3からリール4、ダイヤル6、軸部材7を取り外せるようになっている。
さらに、前記カバー部材10の下面において、前記透孔11の周囲には環状溝12が形成されており、そこに前記軸部材7の上端部が入り込むことで、前記カバー部材10の厚みが増さないようになっている。
まず、靴紐巻取装置1のベース部材3にリール4を装着するため、2ヶ所の靴紐引出口35にそれぞれ靴紐2の先端を挿入し、リール収納部32側からその靴紐2の両端部を引き出す。
そして、リール4に6ヶ所設けたワイヤー挿通孔47に靴紐2の先端を縫うようにして順次挿通することで、靴紐2の両端をリール4に固定し、リール4をリール収納部32内に配置する。
なお、軸部材7の上端部に形成したフランジ72がダイヤル6の軸穴64の縁に形成した係止段部65に当接するため、ダイヤル6が軸部材7から外れることはない。
このとき、前記軸受部71の下方位置まで前記ネジ9の頭部が挿入されるように、前記ネジ挿入孔73の拡径部73aを形成することで、軸部材7の軸心方向の長さを短くし、靴紐巻取装置1の厚みを減少させるようにしている。即ち、靴紐巻取装置1を薄型のコンパクトな形態とすることができる。
メンテナンス又は修理のために靴紐巻取装置1を分解する際には、カバー部材10の透孔11からネジ回しを挿入し、ネジ9を外すことで、組み付けられたストッパー部材5、ダイヤル6、軸部材7及びバネ部材8をベース部材3から取り外すことができる。
ベース部材3・・・ナイロン
リール4、ストッパー部材5、軸部材7・・・POM(ポリアセタール)
ダイヤル6・・・ナイロンとその周囲にTPE(熱可塑性エラストマー)
バネ部材8・・・ステンレス鋼
ネジ9・・・炭素鋼
カバー部材10・・・ABS樹脂
靴Sを履いた後に、靴紐2を締め付けるには、靴紐巻取装置1のダイヤル6を前記ベース部材3に接近させたロック位置、即ち、上向きフィン46と下向きフィン52が係合している状態にてダイヤル6を回転操作し、靴紐2をリール4に巻き付ける。
この場合、ストッパー部材5の爪51の先端部及び突部51aがギヤ34に当接することで、靴紐2が緩む方向にリール4が回転することはない。
この時、バネ部材8は、軸部材7を持ち上げダイヤル6を下に押さえる方向を向いている。
前記バネ部材8の他端部(バネ部82)は、前記ダイヤル6の内面に設けた係止部62と常時当接しており、部品の摩耗を防ぐことができる。
上記のように前記ダイヤル6がロック位置から解除位置に移動すると、リール4の上向きフィン46とストッパー部材5の下向きフィン52との噛合がスムーズに解除され、リール4が自由に回転できるようになり、靴紐2が緩められる。
2 靴紐
3 ベース部材
31 フランジ
32 リール収納部
33 回転軸
34 ギヤ
35 靴紐引出口
4 リール
41 靴紐巻取ドラム
42 回転軸部
43 環状部
44 溝部
45 係止突起
46 上向きフィン
47 ワイヤー挿通孔
5 ストッパー部材
51 爪
51a 突部
52 下向きフィン
53 取付用爪部
54 軸穴
55 斜面
56 凹所
6 ダイヤル
61 係合穴
62 係止部
63 バネ収納空間
64 軸穴
64a 拡張部
65 係止段部
66 壁部
7 軸部材
71 軸受部
72 フランジ
73 ネジ挿入孔
73a 拡径部
8 バネ部材
81 軸部(一端部)
82 バネ部(他端部)
9 ネジ
10 カバー部材
11 透孔
12 環状溝
f 係合面
S 靴
t1 遊びの長さ
t2 係合面の先端部が基端部から突出する長さ
θ 角度
Claims (5)
- 紐を巻き取るための紐巻取ドラムを備えたリールであって、上面側に前記紐巻取ドラムの内周面に沿った複数の上向きフィンを有する樹脂製のリールと、
当該リールを収納するためのリール収納部を備えたベース部材と、
前記リールを回転駆動するためのダイヤルであって、下面側に前記リールの上向きフィンと係合する複数の下向きフィンを有する樹脂製のダイヤルと、
を備え、
当該ダイヤルの下向きフィンを前記リールの上向きフィンに係合させてダイヤルの回転をリールに伝達できるロック状態と、前記下向きフィンを前記リールの上向きフィンから切り離してリールが自由に回転できる解除状態とを実現するようにした巻取装置であって、
当該巻取装置の強度、耐久性及び信頼性を低下させることなく前記フィン同士が噛み合うための厚みを薄くするために、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合したり係合が解除される樹脂製の係合面が、係合状態においては上下方向に外れ難いように噛み合う斜状に形成されており、
前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の傾斜角度は、89度〜80度の範囲内であり、
さらに、
前記フィン同士のスムーズな噛み合わせを実現するために、前記下向きフィンと前記上向きフィンの噛み合う際の遊びの長さは、前記下向きフィンと前記上向きフィンの互いに係合する係合面の先端部が基端部から突出する長さより大きく、かつ、両フィンの断面は前記各係合面の反対側の斜面がなだらかな「のこぎり歯」状に形成されていることを特徴とする巻取装置。 - 前記ダイヤルを前記ベース部材に装着するために前記ベース部材に固定される軸部材であって、前記ダイヤルを前記ベース部材に接近させたロック位置と当該ベース部材から離した解除位置との間で移動可能な状態で保持し案内することができる軸部材と、
当該軸部材の頭部を覆うようにカバーし、前記ダイヤルの上面に装着されるカバー部材と、
をさらに備え、
前記ダイヤルがロック位置から解除位置まで移動することで前記リールのロック状態から解除状態に切替可能とするとともに、
前記カバー部材の裏面と前記ダイヤルの上面との間の空間を無くし、前記リール収納部の内底面から前記カバー部材の表面までの距離を短く抑制したことを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。 - 前記軸部材の頭部付近を前記ダイヤルに埋没させることができる凹所をダイヤルの中心部に形成することで、前記軸部材のカバー部材方向への突出量を抑制し、
前記リール収納部の内底面から前記カバー部材の表面までの距離を短く抑制したことを特徴とする請求項2に記載の巻取装置。 - 前記軸部材は、当該軸部材の軸心方向と直交する方向にて軸部材の側部に形成した軸受部に一端部が軸支されたバネ部材であって、他端部が前記ダイヤルの内面に設けた係止部と常時当接するバネ部材を備え、
前記ダイヤルのロック位置と解除位置の間の位置に前記バネ部材が最も圧縮される反転位置を設定し、当該ロック位置と解除位置との間でバネ部材が圧縮される方向が切り替わるようにしたことを特徴とする請求項2又は3に記載の巻取装置。 - 前記軸部材は、当該軸部材の中心に設けたネジ挿入孔に挿入されるネジによって前記ベース部材に固定されるものであり、当該軸部材に形成したバネ部材を軸支するための軸受部を前記軸部材の上端部付近に配置するとともに、当該軸受部の下方位置まで前記ネジの頭部が挿入されるように前記ネジ挿入孔の拡径部を形成することで、軸部材の軸心方向の長さを短くしたことを特徴とする請求項4に記載の巻取装置。
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