JP6810530B2 - 巻取装置 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献3に記載の巻取装置においては、ダイヤル部材に形成されているラチェット爪が上下方向を向いており、装置全体の上下方向のサイズ(高さ)が大きくなるという問題がある。
そして、本発明の目的は、紐巻取ドラムを回転駆動するための歯部とラチェット爪とを有する部材の強度、耐久性及び信頼性を高めた巻取装置を提供することにある。
前記ダイヤル部材は、前記各ラチェット爪の上側の本体部に空洞部を設け、さらに前記ラチェット爪の下方に突出するように前記ダイヤル側歯部を設けることで、前記ダイヤル側歯部と前記各ラチェット爪とを一体成形にて備えている巻取装置。」を最も主要な特徴とするものである。
本発明の巻取装置において、前記ダイヤル部材は、前記バネ部材を収納するバネ収納部
を前記ラチェット爪の形成位置と重ならない内側位置に備えており、かつ、当該バネ収納
部は前記ダイヤル部材の上面にて開口しているものであってもよい。
前記軸部材は、円柱状に形成されており、略U字状に形成された前記バネ部材の一端部が当該軸部材の側部にて軸支されるものであってもよい。
従って、紐に大きな張力を加えるためのダイヤル部材が合成樹脂からなる小型で複雑形状で軽量なものであっても、紐による大きな張力とバネ部材による付勢力に耐える強度と耐久性を有するものとすることが可能となる。また、巻取装置を構成する部品点数を削減し、製造コストを削減することもできる。
ものであり、「上面に複数個のドラム側歯部32を環状に配置して備えた紐巻取ドラム3
と、当該紐巻取ドラム3を回転可能に保持する筒状の収納部22を備え、当該収納部22
の内周面に環状ギヤ24が形成されたベース部材2と、前記ドラム側歯部32と噛合する
複数個のダイヤル側歯部42と、前記環状ギヤ24の内側から当該環状ギヤ24と係合す
る複数個のラチェット爪41と、を備えたダイヤル部材4と、当該ダイヤル部材4をその
回転軸方向に沿って移動可能な状態で前記ベース部材2に装着するための軸部材5と、前
記ダイヤル部材4の前記ダイヤル側歯部42を前記紐巻取ドラム3の前記ドラム側歯部3
2と噛合した状態に維持するためのバネ部材6と、を備えた巻取装置1であって、
前記ダイヤル部材4は、前記各ラチェット爪41の上側の本体部4aに空洞部43を設
け、さらに、前記ラチェット爪41の下方に突出するように前記ダイヤル側歯部42を設
けることで、前記ダイヤル側歯部42と前記各ラチェット爪41とを一体成形にて備えて
いる巻取装置1」である。
さらに、本発明の巻取装置1は、そのダイヤル部材4における、前記ラチェット爪41の形成位置と、前記バネ部材6を収納するバネ収納部44の形成位置に特徴を有するものである。
図1は、本発明の一実施形態の靴紐巻取装置1を示し、図6に示す従来の靴紐巻取装置100と同様に、靴に装着することができ、ワイヤー状の靴紐Wによって靴Sの甲部を締め付けることができるようになっている。
この環状ギヤ24は、前記ダイヤル部材4に形成した4本の細長い板状のラチェット爪41と協働してラチェット機構を構成し、靴紐を巻き付ける方向(正回転)にのみ前記ラチェット爪41が移動できるように、断面が「のこぎり歯」状に形成されている。
前記紐巻取ドラム3は、その中央部に回転軸受部31が形成されており、当該回転軸受部31の内面側には、前記ベース部材2の前記回転軸23が挿入され、紐巻取ドラム収納部22内にて紐巻取ドラム3が回転可能となっている。
このラチェット爪41は、その先端部と、先端部から若干基端部寄りの位置の外面に形成された突部41aが、前記紐巻取ドラム収納部22の上部内周面に形成された環状ギヤ24とその内側から係合するようになっている。
なお、本実施形態においては、180度離間した2本のラチェット爪41にのみ突部41aを設けている。
このように、ラチェット爪41の形状を2本変えることで、ダイヤル部材4の本体部4aが分断されることなくつながり、ダイヤル部材4の強度を高めることができる。
このため、前記ダイヤル部材4を靴紐による大きな張力とバネ部材6による付勢力に耐える強度と耐久性を有するものとすることが可能となる。
また、靴紐巻取装置1の部品点数を削減し、その製造コストを削減し、かつ、組立作業を効率化することもできる。
特に、本実施形態において、前記バネ収納部44と前記各空洞部43との間には壁が形成されており、前記バネ収納部44と他の空間を形成する4箇所の前記空洞部43とは接続されていない。従って、前記ダイヤル部材4の本体部4aの強度を高く維持することができる。
さらに、ダイヤル部材4をコンパクトな形態とすることができ、かつ、バネ部材6をダイヤル部材4の上面側からダイヤル部材4に組み付けることができ、靴紐巻取装置1の組み立て作業を効率良く行うことができる。
従って、ラチェット爪41とバネ収納部44とをバランス良くコンパクトに配置でき、かつ、小さなダイヤル部材4のスペースを無駄なく活用して靴紐巻取装置1の小型・軽量化を図ることができるばかりか、強度、耐久性及び信頼性に優れた靴紐巻取装置1を提供することができる。
さらに、前記軸部材5が円柱状であるため、前記軸受部51の強度を高めることができる。
また、本実施形態において、前記バネ部材6は前記軸部材5の側部において逆方向(点対称の位置)に装着されている。
また、前記バネ部材6の他端部(バネ部62)は、前記バネ収納部44の開口部に形成した抜止突部44aによって前記バネ収納部44から抜け出さないようになっている。
さらに、当該ロック位置と解除位置との間の位置に前記バネ部材6のバネ部62が最も強く圧縮される反転位置が存在するように設定されている。
なお、前記カバー部材8の中央部には透孔81が形成されており、この透孔81を介してカバー部材8の内側(下側)のネジ7を操作してベース部材2から紐巻取ドラム3、ダイヤル部材4、軸部材5及びバネ部材6を取り外せるようになっている。
まず、靴紐巻取装置1のベース部材2に紐巻取ドラム3を装着するため、2ヶ所の靴紐引出口25にそれぞれ靴紐の先端を挿入し、紐巻取ドラム収納部22の内側からその靴紐の両端部を引き出す。
そして、靴紐の両端部を紐巻取ドラム3に固定し、紐巻取ドラム3を紐巻取ドラム収納部22内に配置する。
この場合、前記バネ部材6は、前記軸部材5が前記ダイヤル部材4の中央部に形成された軸穴46に挿入される際に、当該バネ部材6のバネ部62がダイヤル部材4の前記バネ収納部44に挿入されて前記ダイヤル部材4に組み付けられる。
なお、軸部材5の上端部に形成したフランジ52がダイヤル部材4の軸穴46の縁に当接するため、ダイヤル部材4が軸部材5から外れることはなく、また、ダイヤル部材4と軸部材5とのがたつきが防止される。
最後にカバー部材8をダイヤル部材4の上側に嵌め込むことで、靴紐巻取装置1を組み付けることができる。
メンテナンス又は修理のために靴紐巻取装置1を分解する際には、カバー部材8の透孔81からネジ回しを挿入し、ネジ7を外すことで、組み付けられたダイヤル部材4、軸部材5及びバネ部材6をベース部材2から取り外すことができる。
ベース部材2・・・ナイロン
紐巻取ドラム3、軸部材5・・・POM(ポリアセタール)
ダイヤル部材4・・・ナイロンとその周囲にTPE(熱可塑性エラストマー)
バネ部材6・・・ステンレス鋼
ネジ7・・・炭素鋼
カバー部材8・・・ABS樹脂
靴を履いた後に、靴紐を締め付けるには、靴紐巻取装置1のダイヤル部材4を前記ベース部材2に接近させたロック位置、即ち、ドラム側歯部32とダイヤル側歯部42が係合している状態にてダイヤル部材4を回転操作し、靴紐を紐巻取ドラム3に巻き付ける。
この場合、ダイヤル部材4のラチェット爪41の先端部及び突部41aが環状ギヤ24に当接することで、靴紐が緩む方向に紐巻取ドラム3が回転することはない。
この時、バネ部材6は、軸部材5を持ち上げダイヤル部材4を下に押さえる方向を向いている。
次に、靴紐の締め付けを緩めるには、ドラム側歯部32とダイヤル側歯部42との係合状態を解除する必要があり、靴紐巻取装置1のダイヤル部材4を上側へ引く。
前記バネ部材6の他端部(バネ部62)は、前記ダイヤル部材4のバネ収納部44の内面に設けた係止部45と常時当接しており、部品の摩耗を防ぐことができる。
上記のように前記ダイヤル部材4がロック位置から解除位置に移動すると、紐巻取ドラム3のドラム側歯部32とダイヤル側歯部42との噛合がスムーズに解除され、紐巻取ドラム3が自由に回転できるようになり、靴紐が緩められる。
本発明は靴紐を締め付けるための靴紐巻取装置1に限定されるものではなく、鞄や帽子など、他の物品の紐を締め付けるための巻取装置に具体化して実施してもよい。
2 ベース部材
21 フランジ
22 紐巻取ドラム収納部
23 回転軸
24 環状ギヤ
25 靴紐引出口
3 紐巻取ドラム
31 回転軸受部
32 ドラム側歯部
4 ダイヤル部材
4a 本体部
41 ラチェット爪
41a 突部
42 ダイヤル側歯部
43 空洞部
44 バネ収納部
44a 抜止突部
45 係止部
46 軸穴
5 軸部材
51 軸受部
52 フランジ
53 ネジ挿入孔
6 バネ部材
61 軸部(一端部)
62 バネ部(他端部)
7 ネジ
8 カバー部材
81 透孔
100 靴紐巻取装置(従来技術)
101 紐巻取ドラム
111 ドラム側歯部
102 ベース部材
121 収納部
122 環状ギヤ
103 ダイヤル側歯部とラチェット爪を有する部材
103a 爪状に形成した部分
131 ダイヤル側歯部
132 ラチェット爪
104 ダイヤル部材
105 軸部材
106 バネ部材
S 靴
W 靴紐
Claims (4)
- 上面に複数個のドラム側歯部を環状に配置して備えた紐巻取ドラムと、
当該紐巻取ドラムを回転可能に保持する筒状の収納部を備え、当該収納部の内周面に環状ギヤが形成されたベース部材と、
前記ドラム側歯部と噛合する複数個のダイヤル側歯部と、前記環状ギヤの内側から当該環状ギヤと係合する複数個のラチェット爪と、を備えたダイヤル部材と、
当該ダイヤル部材をその回転軸方向に沿って移動可能な状態で前記ベース部材に装着するための軸部材と、
前記ダイヤル部材の前記ダイヤル側歯部を前記紐巻取ドラムの前記ドラム側歯部と噛合した状態に維持するためのバネ部材と、
を備えた巻取装置であって、
前記ダイヤル部材は、前記各ラチェット爪の上側の本体部に空洞部を設け、さらに前記ラチェット爪の下方に突出するように前記ダイヤル側歯部を設けることで、前記ダイヤル側歯部と前記各ラチェット爪とを一体成形にて備えており、さらに、
前記ダイヤル部材は、その回転中心を中心として、互いに90度離間した位置にて前記ラチェット爪が計4個形成されており、当該ラチェット爪の形成位置から45度離れた位置に前記バネ部材を収納するバネ収納部が互いに180度離間した位置にて計2個形成されていることを特徴とする巻取装置。 - 前記ダイヤル部材は、前記バネ部材を収納するバネ収納部を前記ラチェット爪の形成位置と重ならない内側位置に備えており、かつ、当該バネ収納部は前記ダイヤル部材の上面にて開口していることを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
- 前記バネ部材は、略U字状に形成されており、その一端部が前記軸部材の側部にて軸支され、他端部が前記バネ収納部の内側面にて支持されており、前記ダイヤル部材がその回転軸方向に沿って移動すると、前記ダイヤル側歯部が前記ドラム側歯部から離脱した状態から噛合した状態となる間の位置において、圧縮方向が切り替わるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻取装置。
- 前記軸部材は、円柱状に形成されており、略U字状に形成された前記バネ部材の一端部が当該軸部材の側部にて軸支されるものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の巻取装置。
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