JP6686738B2 - 転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニット - Google Patents

転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニット Download PDF

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Description

本発明は、転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニットに関する。
歯科治療においては、小型軽量のエアタービンハンドピースが多用される。
図22に一例として歯科エアタービンハンドピース120を示す。この歯科エアタービンハンドピース120は、グリップ部121と、グリップ部121の先端部に設けられたヘッド部122と、を備える。術者は、このグリップ部121を持って、例えば歯牙の切削加工を行う。
この種のエアタービンハンドピースは、給気口と排気口とを有するヘッドハウジング(以下、単に「ハウジング」と記す)の内部に、給気口からの圧縮空気を受けるタービンブレードを有する回転軸が回転自在に収納されている。回転軸は、転がり軸受を介して高速回転自在にハウジングに支持される。この回転軸に取り付けられた治療用工具を高速回転させつつ、術者がエアタービンハンドピースを操作することにより、歯牙の切削等が行われる。
特許文献1には、転がり軸受に耐熱性メカニカルシールを設けたエアタービンハンドピースが記載されている。この耐熱性メカニカルシールは、圧縮空気による圧力が作用しているとき、つまりタービンブレードを有する回転軸が回転しているときには、転がり軸受に接触するように弾性変形して、圧縮空気を遮蔽する。これにより、使用時に作用する圧縮空気の影響で、転がり軸受内部の潤滑油が抜け出てしまうことを防止する。一方、圧縮空気による圧力が作用していないとき、つまり回転軸が回転していないときには、転がり軸受に非接触となるように元の状態に戻る。これにより、回転開始時における耐熱性メカニカルシールと転がり軸受との摩擦抵抗をなくし、回転軸に取り付けられた治療用工具のスムーズな起動を可能としている。
特開2003−135486号公報
エアタービンハンドピースは、約40万min−1という超高速回転で使用される。その一方で、回転停止操作がなされたとき、すなわち、圧縮空気の供給が停止されたときには、転がり軸受の回転の早急な停止が求められる。
しかし、特許文献1に記載の転がり軸受は、耐熱性メカニカルシールに圧縮空気による圧力が作用しているとき、つまりタービンブレードが取り付けられた回転軸が回転しているときに、回転軸を支持する転がり軸受に耐熱性メカニカルシールが接触し、転がり軸受の抵抗を大きくする構造になっている。そのため、約40万min−1という超高速回転での使用には適さない。また、圧縮空気の供給を停止すると耐熱性メカニカルシールが転がり軸受に接触しなくなり、転がり軸受の摩擦抵抗が小さくなるため、転がり軸受を早急に停止させる上でも不利である。
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも更に高速な超高速回転とその迅速な停止とを両立可能な転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外輪と、
内輪と、
前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記外輪と前記内輪との間の軸受内部空間の軸方向一端部に設けられ、芯金が無い弾性体からなる略環状部材と、を備え、
前記略環状部材は、径方向に延びる円環形状の基部と、前記基部の径方向内側に径方向内側に向かうに従って圧縮空気の供給方向下流側である軸方向外側に傾斜し形成されたリップ部とを有し、前記外輪の前記軸方向一端部の内周面に形成されたテーパ面と該テーパ面より軸方向内側の軸方向内側面とを有する溝部に前記基部、前記略環状部材と前記テーパ面とに当接する止め輪のみによって固定されて、内周部が弾性変形可能にされており、
前記内輪の外周面は、軸端に向かって大径から小径となる傾斜面又は段差を有し、
前記軸方向一端部は、前記軸受内部空間に供給される圧縮空気の入口とは反対側であるエアタービン用転がり軸受。
この転がり軸受によれば、内輪の外周面が、軸端に向かって大径から小径となる傾斜面又は段差を有することにより、内外輪間を通過した圧縮空気を低抵抗で軸受外に排出でき、圧縮空気の流れがスムーズになる。そのため、従来よりも更に高速な超高速回転を実現できる。そして、略環状部材に圧縮空気による圧力が作用しない場合、内輪の外周面に略環状部材が接触することで、回転の迅速な停止を実現できる。
(2) 前記略環状部材が前記内輪の外周面に接触する部位は、前記傾斜面又は前記段差である(1)に記載のエアタービン用転がり軸受。
この転がり軸受によれば、傾斜面又は段差に略環状部材が接触することにより、略環状部材と内輪との接触圧が低減し、圧縮空気による略環状部材の開閉をスムーズにできる。よって、従来よりも更に高速な超高速回転とその迅速な停止とを実現できる。
(3) 前記略環状部材は、前記傾斜面に接触可能なリップ部を有し、
前記リップ部は、径方向内側に向かうに従って、前記圧縮空気の供給方向下流側に傾斜する形状である(1)又は(2)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材の内輪との接触部が、より弾性変形しやすい形状となる。この弾性変形しやすいリップ部を、内輪の傾斜面に接触可能に構成することにより、略環状部材の開閉動作をより低い圧力で行える。
(4)前記リップ部は、径方向内側に向かうに従って、径方向からの傾斜角が大きくなる(3)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材に圧縮空気の圧力が作用した際に、リップ部が弾性変形しやすくなる。
(5) 前記略環状部材に前記圧縮空気による圧力が作用しない場合に、前記リップ部が前記傾斜面に全周にわたって接触する(3)又は(4)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材に圧縮空気による圧力が作用しない場合に、略環状部材と内輪との摩擦抵抗による大きなブレーキ効果が得られ、回転の迅速な停止を効率よく実現できる。
(6) 前記略環状部材に前記圧縮空気による圧力が作用しない場合に前記リップ部が前記傾斜面と接触する接触領域は、前記リップ部の内周面全体の10%以上である(3)又は(4)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材に圧縮空気による圧力が作用しない場合に、略環状部材と内輪との摩擦抵抗による十分なブレーキ効果が得られる。
(7) 前記略環状部材に前記圧縮空気による圧力が作用する場合に、前記リップ部と前記傾斜面とが互いに完全に非接触の状態になる(3)又は(4)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材と内輪との摩擦抵抗がなくなり、超高速回転を実現できる。
(8)前記略環状部材の内周側の先端には、前記内輪の前記傾斜面又は前記段差に面接触する接触面が設けられている(1)〜(7)のいずれか一つに記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材が内輪の傾斜面又は段差に面接触するため、シール部材に作用する面圧が小さくなり、摩耗が軽減される。また、接触面積が増えることでシール性が向上する。
(9)前記略環状部材の内周側の先端には、前記内輪の前記傾斜面又は前記段差に線接触する接触面が設けられている(1)〜(7)のいずれか一つに記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材が内輪の傾斜面又は段差に線接触するため、シール部材との摩擦が面接触の場合よりも軽減され、高速回転に有利となる。
(10)前記略環状部材は、前記圧縮空気が作用するとき、前記内輪の前記傾斜面又は前記段差との間で径方向内側に向かう空気の排出通路を形成する(1)〜(9)のいずれか一つに記載に転がり軸受。
この転がり軸受によれば、軸受内部空間に流れる空気の流動方向が略環状部材の位置で変化するため、圧縮空気による圧力が略環状部材に確実に伝達される。
(11) 前記外輪の外径がφ10mm以下である(1)〜(10)のいずれか一つに記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、歯科エアタービン用軸受ユニット等に好適に適用できる。
(12) 前記略環状部材は、耐水アクリルゴム又は耐水フッ素ゴムからなる(1)〜(11)のいずれか一つに記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材が適切な弾性を有することで、耐久性が向上する。
(13) 前記略環状部材は、ゴム硬度がショアA硬さ60〜90である(12)に記載の転がり軸受。
この転がり軸受によれば、略環状部材が適度なゴム硬度であることで、耐摩擦性能を維持できる。
(14) 圧縮空気を受けて回転するタービンブレードと、
前記タービンブレードが一体に固定され、工具を取り付け可能な回転軸と、
前記圧縮空気が作用しないとき、前記略環状部材が前記内輪の外周面に接触し、前記圧縮空気が作用するとき、前記圧縮空気が作用しないときと比べて前記略環状部材と前記内輪の外周面との接触面積が小さくなる、又は非接触となる(1)〜(13)のいずれか一つに記載のエアタービン用転がり軸受を介して、前記回転軸を回転自在に支持するハウジングと、
を備えるエアタービン用軸受ユニット。
このエアタービン用軸受ユニットによれば、工具を取り付け可能な回転軸のより一層の超高速回転と、回転軸の迅速な停止とが両立可能となる。
(15)グリップ部と、
前記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部と、を備え、
前記ヘッド部は、
前記ハウジングと、(14)に記載のエアタービン用軸受ユニットとを備える、エアタービンハンドピース。
このエアタービンハンドピースによれば、工具を取り付け可能な回転軸のより一層の超高速回転と回転軸の迅速な停止とを両立し、歯牙の切削や研削等、歯科治療時間の短縮が可能となる。
本発明の転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニットによれば、従来よりも更に高速な超高速回転とその迅速な停止とを両立できる。
第1実施形態の歯科エアタービンハンドピースの要部断面図である。 第1実施形態の転がり軸受の停止状態を示す部分断面図である。 図1に示すシール部材の断面図である。 図3に示すシール部材のリップ部の断面図である。 第1実施形態の転がり軸受の動作状態を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例のシール部材の断面図である。 第2実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。 第3実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。 第4実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。 第5実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 その他の実施形態を例示するシール部材の正面図である。 外輪にカウンタボアが形成されたアンギュラタイプの転がり軸受の一部断面図である。 内輪にカウンタボアが形成されたアンギュラタイプの転がり軸受の一部断面図である。 歯科エアタービンハンドピースの概略側面図である。
以下、本発明に係るエアタービン用転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の歯科エアタービンハンドピースの要部断面図である。
エアタービン用軸受ユニット100は、歯科エアタービンハンドピース200のヘッド部201に搭載される。エアタービン用軸受ユニット100は、圧縮空気を受けて回転するタービンブレード103と、タービンブレード103が一体に固定され、一端に工具(例えば、歯科処置工具)を取り付け可能な回転軸101と、ハウジング105に対して回転軸101を回転自在に支持する一対のエアタービン用転がり軸受1(以降は、転がり軸受と呼称する)と、を備える。
各転がり軸受1は、ハウジング105の環状凹部109,111に装着されたゴム製リング113を介してハウジング105に支持される。また、一方の転がり軸受1は、スプリングワッシャ115により他方の転がり軸受1側に付勢される。
歯科エアタービンハンドピース200に組み込まれるハンドピース用軸受の外径サイズは、一般的に外径φ6.35mmのものが多用されるが、本構成の転がり軸受1では、タービンヘッドの大きさに応じて、外径φ10mm程度まで大きくできる。
図2は第1実施形態の転がり軸受の停止状態を示す部分断面図である。
転がり軸受1は、外輪軌道面10aを有する外輪10と、内輪軌道面20aを有する内輪20と、外輪10と内輪20との間に転動自在に配置された複数の玉(転動体)3と、複数の玉3をそれぞれ転動自在に保持する保持器5と、を備える軸受である。なお、図示例の軸受に限らず、アンギュラタイプの軸受であってもよい。外輪10は、図1に示すゴム製リング113を介してハウジング105に保持される。内輪20は、回転軸101に固定される。保持器5は、いわゆる冠型保持器であり、略円環状のリム部7が、玉3よりも圧縮空気の供給方向上流側、すなわち、図2における右方側に位置する。図中の矢印Pは、圧縮空気の流れる向きを示している。
外輪10と内輪20との間には、円環状のシール部材(略環状部材)30が設けられる。シール部材30は、芯金を備えずに弾性材料のみから構成される弾性体からなる。シール部材30の外周部は、外輪10の内周面に形成された溝部13に止め輪40によって固定されて、内周部が軸受の軸方向や径方向へ弾性変形可能となっている。
シール部材30を構成する弾性部材としては、例えば、ショアA硬さ(JIS K 6253)60〜90の耐水アクリルゴム、ショアA硬さ60〜90の一般耐水フッ素ゴム等を使用できる。シール部材30は、上記材料を用いることで、適切な弾性特性が得られ、耐久性、耐摩耗性も向上する。
シール部材30は、玉3よりも圧縮空気の供給方向下流側、すなわち、図2における左方側に設けられる。つまり、シール部材30は、軸受内部空間Sの圧縮空気供給側(圧縮空気の入口)とは反対側の軸方向一端部に設けられる。外輪10の内周面11には、シール部材30を固定する溝部13が形成される。溝部13には、シール部材30が止め輪40によって固定される。シール部材30の形状は、円環状に限らず、後述するように略環状であれば他の形状であってもよい。
内輪20の外周面21は、圧縮空気の供給方向下流側、すなわち、図2における左方側の端部に傾斜面23を有する。傾斜面23は、軸方向シール部材側の軸端に向かって大径から小径となるように傾斜した円環形状(円錐面状)に形成される。
図3は図1に示すシール部材の断面図である。
シール部材30は、径方向に延びる円環形状の基部31と、基部31の径方向内側に一体に形成されたリップ部33と、を有する。シール部材30の基部31に対するリップ部33の傾斜角θ、すなわち、基部31の径方向と、リップ部33の延出方向とのなす角は、30°〜80°、好ましくは40°〜70°、更に好ましくは45°〜65°とする。例えば、傾斜角θを上記範囲内の55°に設定することで、摩擦抵抗と、圧縮空気の流れのバランスが良好となる。傾斜角θが上記範囲より小さい場合には接触抵抗が過大となり、大きい場合には圧縮空気の流動抵抗が過大となり、後述する意図した性能が得られない。
基部31は、図2に示すように、止め輪40とともに溝部13に挿入され、溝部13に固定される。溝部13は、軸方向内側に向かうに従って径方向外側に傾斜して拡径して止め輪40が接するテーパ面15と、テーパ面15よりも軸方向内側で、基部31の軸方向側面が接する軸方向内側面17と、を有する。テーパ面15には、止め輪40の外径側端部が周方向に沿って線接触状態となる。そして、止め輪40は径方向外側に向けて付勢される弾性部材からなることで、シール部材30を軸方向内側に押圧する力を発生する。これにより、シール部材30は、その基部31が止め輪40と軸方向内側面17との間で強く挟まれて、外輪10に強固に固定される。なお、止め輪40は、断面矩形状である他、断面円形であってもよい。また、止め輪40に傾斜面を設け、溝部13を断面矩形状とし、断面矩形状の溝部13の角部を止め輪40の傾斜面に押し当てる構成にしてもよい。
図4は図3に示すシール部材のリップ部の断面図である。
リップ部33は、径方向内側に向かうに従って圧縮空気の供給方向下流側(軸方向外側)に傾斜し、内輪20の傾斜面23に当接可能とされている。図4に示すように、リップ部33の内周面35の形状は円環形状(円錐面状)である。このリップ部33が当接可能な内輪20の傾斜面23の形状も円環形状(円錐面状)である。そのため、リップ部33の内周面35は、内輪20の傾斜面に全周にわたって接触可能となる。つまり、シール部材30は、外輪10の内周面11と内輪20の外周面21との間の軸受内部空間Sを全周にわたってシール可能となっている。
図5は第1実施形態の転がり軸受の動作状態を示す部分断面図である。
上記のように構成されたエアタービン用軸受ユニット100(図1参照)は、歯科エアタービンハンドピース200の駆動によりタービンブレード103に圧縮空気が供給されると、図5に示すように、供給された圧縮空気が軸受内部空間Sに流入し、シール部材30に圧縮空気の圧力が作用する。すると、リップ部33が圧縮空気の流れの下流側に向かって弾性変形する。その結果、圧縮空気の圧力が作用しない場合と比べて、リップ部33の内周面35と内輪20の傾斜面23との接触面積が小さくなる。すなわち、リップ部33は圧縮空気を連通させる開状態となる。
シール部材30は、芯金を有さず弾性材料のみからなるので、全体的に弾性変形しやすい構造になっている。特に、リップ部33は止め輪40と全く干渉しないため、シール部材30は、外輪10に弾性変形容易に支持された状態となる。そのため、圧縮空気がシール部材30にある特定の圧力を超えて作用すると、シール部材30の内周部が軸方向外側に向けて弾性変形し、リップ部33の内周面35と内輪20の傾斜面23との接触面積が小さくなる。
このように、本構成においては、圧縮空気の供給圧力が比較的小さい場合でも、シール部材30のリップ部33が確実に弾性変形し、接触面積を低減できる。
これにより、スムーズなエアタービンの起動が行え、シール部材30と内輪20との摩擦抵抗を小さくでき、回転軸101の約40万min−1の超高速回転を実現できる。更に、傾斜面23が内輪20の外周面21における圧縮空気の供給方向下流側の端部に設けられることにより、リップ部33と傾斜面23との間を通過する圧縮空気の流れがスムーズになり、従来よりも更に高速な超高速回転を実現できる。
一方、歯科エアタービンハンドピース200の駆動停止によりタービンブレード103への圧縮空気の供給が停止されると、リップ部33に作用する圧縮空気の圧力が低下する。すると、リップ部33は図2に示す状態に戻り、リップ部33の内周面35が内輪20の傾斜面23に全周にわたって接触した状態になる。すなわち、リップ部33は閉状態とされ、リップ部33が内輪20のブレーキとして機能する。この場合、リップ部33の内周面35が内輪20の傾斜面23に全周にわたって接触するため、シール部材30と内輪20との摩擦抵抗による最も大きなブレーキ効果が得られる。これにより、内輪20に固定された回転軸101を最も迅速に停止させることが可能となる。
また、シール部材30の特に弾性変形しやすいリップ部33が、内輪20の傾斜面23と接触する構成にしたため、シール部材30と傾斜面23との接触圧を径方向に接触する場合と比較して軽減できる。その結果、圧縮空気によるシール部材30の開閉動作が、スムーズに且つ高い応答性で実施できる。また、従来の構造よりも少ない圧縮空気の圧力で上記接触圧を軽減でき、回転軸101の回転速度の更なる向上と停止時間の短縮とを同時に実現できる。回転軸101の回転速度とブレーキ性能とのバランスは、傾斜面23の傾斜や、シール部材30の傾斜角の調整によって最適に設定できる。
シール部材30の先端のリップ部33に、内輪20の傾斜面23と面接触する接触面が設けられることで、シール部材30に作用する面圧が小さくなり、摩耗が軽減される。また、接触面積が増えることでシール性が向上する。
更に、リップ部33の接触面は、内輪20の傾斜面23に線接触する面であってもよい。その場合には、面接触する場合よりも摩擦抵抗が軽減され、高速回転に有利となる。
特に歯科エアタービンハンドピース200においては、歯を削る際に極めて高速な回転が求められ、停止時には2秒以内、好ましくは1秒以内の急峻な回転停止性能が求められる。本構成によれば、上記の回転速度の増加と停止時間の短縮効果が安定して得られるため、歯科エアタービンハンドピース200の使い勝手を格段に向上できる。
そして、歯科エアタービンハンドピース200の駆動時には、シールド無しの場合と比べて、圧縮空気が軸受内部から漏れにくくなるため、駆動時の騒音が低減され、高い静粛性が得られる。
また、図1に示すように、回転軸101に一対配置される転がり軸受1は、シール部材30が、外輪10の圧縮空気の入口とは反対側となる軸方向一端部に配置される。これにより、一対の転がり軸受1同士の間から、スプレー注油することで、シール部材30が配置されない軸受端部側から各転がり軸受1内に潤滑油が供給可能となる。また、スプレー注油側の反対側にはシール部材30が配置されるため、各転がり軸受1からヘッド部201の外部へ液漏れを生じることがない。
通常、歯科エアタービンハンドピース200は、使用後に高温洗浄・滅菌処理するオートクレーブが施される。この処理によって転がり軸受1内の潤滑油量が減少するが、シール部材30が転がり軸受1の軸方向一端部にのみ配置されるため、軸方向他端部から潤滑油を容易に供給できる。そのため、転がり軸受1を常に良好な潤滑状態にでき、回転軸101の安定した回転駆動が可能となる。
なお、シール部材30の寸法は、図3に示すように、径方向内側縁から外側縁までの幅をW1、傾斜したリップ部33の径方向幅をW2、基部31の厚さをt1、基部31から傾斜したリップ部33の先端までの最大厚さをt2とすると、幅の比W2/W1は0.2〜0.4、好ましくは0.3〜0.35であり、厚さの比t1/t2は0.4〜0.7、好ましくは0.5〜0.6である。
また、図5に示すように、内輪20の傾斜面23の形状は、傾斜面23の軸方向長さをL1、径方向差をL2とすると、長さの比L2/L1は0.4〜0.7、好ましくは0.5〜0.6である。また、径方向差L2はシール部材30の基部31の厚さt1の0.7〜1.3倍、好ましくは0.9〜1.1倍である。
更に、断面矩形状の止め輪40の径方向長さをL3、軸方向長さをL4とすると、シール部材30と止め輪40との寸法比は、W1/L3が2〜4、好ましくは2.5〜3.5であり、t1/L4が0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2である。
(変形例)
次に、上記構成のシール部材の変形例を説明する。
図6に第1実施形態の変形例であるシール部材の断面図を示す。
本変形例のシール部材30Aは、径方向に延在する円環形状の基部31と、基部31の径方向内側に一体に形成されたリップ部33を有する。リップ部33は、基部31に接続される第1リップ部33Aと、第1リップ部33Aの径方向内側に接続される第2リップ部33Bと、を有する。
第1リップ部33A、第2リップ部33Bは、基部31の径方向からの傾斜角がそれぞれ異ならせて形成される。図示例では、第1リップ部33Aの径方向からの傾斜角θ1よりも、第2リップ部33Bの径方向からの傾斜角θ2が大きくされている。
本構成のシール部材30Aは、内周側ほど傾斜角が大きくなる2段階の傾斜角のリップ部33を有するため、圧縮空気による圧力がリップ部33に負荷される際に、前述したシール部材30の場合よりも弾性変形しやすくなる。よって、リップ部33の柔軟性が増し、更なる高速応答性が得られ、歯科エアタービンハンドピース200の使い勝手をより向上できる。また、圧縮空気の漏れが更に生じにくくなり、より高い静粛性が得られる。
上記シール部材30Aは、2段階の傾斜角を有する構成であるが、これに限らず、3段以上の複数段の傾斜角を有した構成や、径方向内側に向けて連続的に傾斜角が増加する断面湾曲形状の構成であってもよい。
<第2実施形態>
次に、エアタービン用軸受ユニット100の第2実施形態を説明する。以降の説明においては、同一の部材や部位については、同一の符号を付与することで、その説明を簡単化、又は省略する。
図7は第2実施形態の転がり軸受の動作状態を示す部分断面図である。
本実施形態のシール部材30Bは、圧縮空気が軸受内部空間Sに流入し、シール部材30Bに圧縮空気の圧力が作用した場合に、リップ部33の内周面35と内輪20の傾斜面23とが互いに完全に非接触の状態になる。そして、この非接触の状態が、リップ部33と傾斜面23との間を流れる圧縮空気によって維持される。
一方、圧縮空気の圧力がシール部材30Bに作用しない場合には、リップ部33の内周面35が内輪20の傾斜面23に全周にわたって接触する。
上記構成のシール部材30Bによれば、圧縮空気の圧力がシール部材30Bに作用する場合に、シール部材30Bと内輪20との接触による摩擦抵抗が完全になくなるので、前述した第1実施形態の場合よりも更に高速の超高速回転が実現できる。また、圧縮空気の圧力が作用しない場合に、シール部材30Bと内輪20との接触による摩擦抵抗によって、大きなブレーキ効果が得られ、回転軸101を迅速に停止できる。
また、第1実施形態と同様に、本構成の転がり軸受1Bにおいても、シール部材30Bが内輪20の傾斜面23と接触する構成にしたため、シール部材30Bと傾斜面23との接触圧を軽減できる。その結果、圧縮空気によるシール部材30Bの開閉動作が、スムーズに且つ高い応答性で実施できる。また、従来の構造よりも少ない圧縮空気の圧力で、回転速度の更なる増加と停止時間の短縮とを図れる。
<第3実施形態>
次に、エアタービン用軸受ユニット100の第3実施形態を説明する。
図8は第3実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。
本実施形態の転がり軸受1Cは、内輪20Aを外輪10よりも軸方向外側まで延在させ、シール部材30Cを外輪10よりも軸方向外側に突出させている。
内輪20Aは、第1,第2実施形態と同様に、圧縮空気の供給方向下流側となる外周面21の端部、つまり、図8における左方側の外周面21の一端部に傾斜面23を有する。傾斜面23は、軸方向シール部材側の軸端に向かって大径から小径となるように傾斜した円環形状(円錐面状)に形成される。
また、シール部材30Cは、リップ部33の内周面35が、外輪10よりも軸方向外側で内輪20Aの傾斜面23に接触可能に配置される。
この構成によれば、リップ部33の径方向からの傾斜角θ3を、前述の第1、第2実施形態の場合の傾斜角θ,θ1,θ2よりも大きくできる。そのため、圧縮空気によるリップ部33の開閉動作をよりスムーズに行える。その他の作用効果は、前述の第1、第2実施形態と同様である。
<第4実施形態>
次に、エアタービン用軸受ユニット100の第4実施形態を説明する。
図9は第4実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。
本実施形態の転がり軸受1Dは、内輪20Bの圧縮空気の供給方向下流側となる外周面21の一端部に小径部61が形成される。外周面21には、内輪軌道面20aに接続される肩部65と、小径部61との間に、段差67が形成される。段差67は、径方向に切り立った壁面が全周にわたって形成されてなる。
シール部材30Dは、内周側のリップ部33の側面が段差67の壁面に接触可能に外輪10の溝部13に取り付けられる。なお、図示例ではシール部材30Dは弾性変形可能な平坦円盤状で、段差67が軸方向に略垂直な壁面となっているが、これに限らない。例えば、シール部材30Dのリップ部33と段差67は、いずれか一方が、径方向から僅かに傾斜していてもよい。
本構成によれば、シール部材30Dのリップ部33が、内輪20の段差67と軸方向に接触する構成にしたため、シール部材30Dと段差67との接触圧を径方向に接触する場合と比較して軽減できる。これにより、シール部材30Dや内輪20Bの加工が簡単になるため、製造コストを低減でき、更に前述した第1〜第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第5実施形態>
次に、エアタービン用軸受ユニット100の第5実施形態を説明する。
図10は第5実施形態の転がり軸受を示す部分断面図である。
本実施形態の転がり軸受1Eは、保持器7Aを外輪案内型にした点以外は、第1実施形態の構成と同様である。
本構成によれば、保持器7Aが外輪10側に配置され、内輪20の外周面21と保持器7Aの内周面と間の内側隙間71が、外輪10側の外側隙間73より広くなる。すると、圧縮空気が軸受内部空間Sに流入した際、圧縮空気は、主に内側隙間71を通ってシール部材30側に流れ、シール部材30のリップ部33に吹き当てられる。
シール部材30は、リップ部33に圧縮空気が直接吹き当てられることで、圧縮空気の供給圧力が比較的低い場合でも、確実に弾性変形可能となる。これにより、圧縮空気によるシール部材30の開閉動作が、よりスムーズに且つ高い応答性で実施できる。
ここで、圧縮空気の気流について更に詳細に説明する。
軸受内部空間Sに供給された圧縮空気は、玉3の間の隙間を通過して軸受外に排気される。内輪20の外周面21に傾斜面23が存在しない場合、圧縮空気の供給方向下流側となる内輪端面側には、気流による空気の剥離が生じ、その結果、カルマン渦が発生する。
また、転がり軸受の内輪20は、タービンブレード103(図1参照)に固定され、タービンブレード103の回転軸101の回転速度と、内輪20の回転速度が一致する。しかし、玉3は内輪20に転動しながら移動するので、玉3の回転速度は回転軸101の回転速度より遅くなる。したがって、玉3同士の間の隙間空間の回転速度も回転軸101の回転速度より遅くなる。回転軸101と玉3間の隙間空間との間に速度差が生じると、隙間空間を通過する圧縮空気によって、隙間空間に隣接する玉3の背面に空気の剥離層が発生する。これが空気流動の抵抗となる。
しかし、本構成においては、内輪20に傾斜面23(又は段差67)を設けてあるので、シール部材30と傾斜面23(又は段差67)との間の空気流れにガイド効果が生じ、コンバージェント・ノズルの作用が発生する。これにより、空気流れを加速でき、相乗的に空気の排出流速が高められる。よって、剥離する空気層は、強制的に排気されて、空気の排気効率が高められる。その結果、回転軸101の高速回転がより安定することになる。
また、シール部材30を捲り上げる際、シール部材30の弾性力や支点位置が一定だとすると、シール部材30が外輪10に固定される支点と、圧縮空気が吹き当てられる力点とが一致又は近い場合には、シール部材30を弾性変形させるために大きな力が必要となる。しかし、図10に示すように、圧縮空気が吹き当てられる力点P1が支点P2から離れるほど、小さな力でもシール部材30を容易に弾性変形させられる。また、内輪20の傾斜面23とシール部材30との接触点である作用点は、傾斜面23の存在によって、内輪20の外周面21が一様径である場合の作用点QAから、作用点QBの位置に移る。そのため、支点P2から作用点までの距離が、LAよりも長いLBとなる。よって、少ない力でシール部材30を捲り上げることができ、スムーズなエアタービンの起動が行える。また、本構成によれば、シールの動作応答性が向上する。
ブレーキ性能の向上を目的に、シール部材30の内輪20との接触面積を増加させるように、シール部材30と内輪20との接触面の軸方向断面長さを延長した場合、傾斜面を有さない従来構造では、ダイバージェント・ノズル効果が生じ、シール部材30と内輪20との間を通過する空気の流速を低下させる可能性があった。しかし、本構成のように傾斜面23や段差67によってシール部材30と内輪20との接触面積を増加させると、高い排気効率がそのまま維持される。その結果、排気に対する影響が少なくなり、高いブレーキ性能の実現と高速な回転駆動との両立が可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
第1〜第4実施形態の転がり軸受1に用いる保持器5は、一端側のリム部7が、玉3よりも圧縮空気の供給方向上流側に配置されているが、これに限らず、リム部7が軸方向反対側のシール部材側に配置された構成であってもよい。
また、シール部材は、転がり軸受1の軸方向一端側のみに配置されるため、外輪10の溝部13、内輪20,20Aの傾斜面23,段差67は、軸方向一端側のみに形成されるが、これに限らず、軸方向他端側にも対称に形成した構成であってもよい。その場合、一対の傾斜面又は段差のうち、一方が使用されないことになるが、転がり軸受の組み立て工程において、組み付け方向を意識する必要がなくなり、作業工程を簡単化できる。
また、シール部材は、リップ部の肉厚が一定の厚みであってもよいが、径方向内側に向かって徐々に小さくしてもよい。
また、シール部材のリップ部33における内周面35の形状は、図11、図12に示すように、略楕円形状でも略三角形状でもよい。以下に説明するシール部材30の他の例は、前述のシール部材30A,30B,30C,30Dについても同様に適用可能である。
また、リップ部33の内周面35には、図13に示すように少なくとも一つの通気孔41を設けてもよく、図14〜図16に示すように少なくとも一つの切り込み43を設けてもよい。なお、図13においては、1つの円形の通気孔41が設けられた例が示されているが、通気孔41は2つ以上であってもよく、通気孔41の形状も円形に限定されない。また、図14〜図16には、それぞれ2つ、4つ、及び8つの切り込み43が円周方向等間隔に設けられた例が示されているが、切り込み43の数や円周方向間隔はこれに限定されない。
また、図17〜図19に示すように、リップ部33の先端部が円周方向に連続して切り欠かれ、リップ部33の内周面35が、内輪20の外周面21に部分的に接触するようにしてもよい。図17〜図19では、それぞれリップ部33の内周面35、つまり、内輪20の外周面21に接触する接触領域(円弧長さ)を、内周面35の全体の50%、25%、10%を占めるようにしている。
このように、リップ部33の内周面35の形状を変更することで、当該内周面35と内輪の外周面との接触面積を適宜変更し、リップ部33の所望のブレーキ性能や密封性能を満足することが可能となる。
なお、シール部材がブレーキ機能を果たすためには、図11〜図19のシール正面図に示すリップ部33の内周面35の接触領域(図17〜図19では、接触円弧長)は、圧縮空気の圧力がシール部材に作用しない場合に、シール部材の内周面全体のうち、少なくとも10%以上の領域で内輪に接触することが望ましい。
これは、圧縮空気がシール部材30,30A,30Bに当たるときに、シール部材30,30A,30Bを、内輪との接触状態から非接触状態に変化しやすくするためである。接触領域がシール部材の内周面全体の10%未満となると、空気漏れにより、接触状態が変化しにくくなる。また、圧縮空気による圧力が作用しない場合に、リップ部33の内周面35と内輪20との接触が少ないため、ブレーキ機能を十分に果たさない可能性がある。一方、10%以上であれば、十分なブレーキ性能を発揮できる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記例では転がり軸受として玉軸受を用いているが、ころ軸受等の他の方式の転がり軸受であってもよい。また、上記例の転がり軸受は内輪回転型であり、シール部材が外輪に固定されているが、シール部材を内輪に固定して、外輪に接触する構成にしてもよい。更に、保持器形状を変更することで、上記例よりも軸受幅を広げた構成にしてもよい。
また、図20は外輪にカウンタボア81が形成されたアンギュラタイプの転がり軸受に本発明の傾斜面23とシール部材30を適用したアンギュラタイプの転がり軸受の一部断面図である。
図21は内輪にカウンタボア83が形成されたアンギュラタイプの転がり軸受に本発明の傾斜面23とシール部材30を適用したアンギュラタイプの転がり軸受の一部断面図である。
図20,図21に示すように、アンギュラタイプの転がり軸受であっても、傾斜面23にシール部材30に接触させることで、前述同様の作用効果を奏することができる。なお、図20,図21は一例であって、他の形態のアンギュラタイプの転がり軸受であって同様である。
1,1B,1C,1D,1E 転がり軸受
3 玉(転動体)
5 保持器
7 リム部
10,10A 外輪
11 内周面
13 溝部
15 テーパ面
17 軸方向内側面
20,20A,20B,20C 内輪
21 外周面
23 傾斜面
30,30A,30B,30C,30D シール部材
31 基部
33 リップ部
35 内周面
40 止め輪
41 通気孔
43 切り込み
67 段差
100 エアタービン用軸受ユニット
200 歯科エアタービンハンドピース
201 ヘッド部
S 軸受内部空間

Claims (3)

  1. 外輪と、
    内輪と、
    前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記外輪と前記内輪との間の軸受内部空間の軸方向一端部に設けられ、芯金が無い弾性体からなる略環状部材と、を備え、
    前記略環状部材は、径方向に延びる円環形状の基部と、前記基部の径方向内側に径方向内側に向かうに従って圧縮空気の供給方向下流側である軸方向外側に傾斜し形成されたリップ部とを有し、前記外輪の前記軸方向一端部の内周面に形成されたテーパ面と該テーパ面より軸方向内側の軸方向内側面とを有する溝部に前記基部、前記略環状部材と前記テーパ面とに当接する止め輪のみによって固定されて、内周部が弾性変形可能にされており、
    前記内輪の外周面は、軸端に向かって大径から小径となる傾斜面又は段差を有し、
    前記軸方向一端部は、前記軸受内部空間に供給される圧縮空気の入口とは反対側であるエアタービン用転がり軸受。
  2. 前記略環状部材が前記内輪の外周面に接触する部位は、前記傾斜面又は前記段差である請求項1に記載のエアタービン用転がり軸受。
  3. 圧縮空気を受けて回転するタービンブレードと、
    前記タービンブレードが一体に固定され、工具を取り付け可能な回転軸と、
    前記圧縮空気が作用しないとき、前記略環状部材が前記内輪の外周面に接触し、前記圧縮空気が作用するとき、前記圧縮空気が作用しないときと比べて前記略環状部材と前記内輪の外周面との接触面積が小さくなる、又は非接触となる請求項1又は請求項2に記載のエアタービン用転がり軸受を介して、前記回転軸を回転自在に支持するハウジングと、
    を備えるエアタービン用軸受ユニット。
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