JP6686026B2 - チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその使用 - Google Patents

チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6686026B2
JP6686026B2 JP2017531836A JP2017531836A JP6686026B2 JP 6686026 B2 JP6686026 B2 JP 6686026B2 JP 2017531836 A JP2017531836 A JP 2017531836A JP 2017531836 A JP2017531836 A JP 2017531836A JP 6686026 B2 JP6686026 B2 JP 6686026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonate
titanium
zirconium
aryl
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017531836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018501232A (ja
Inventor
バポルチャン,ガロ・ガルビス
ユイ,クンチュエン
Original Assignee
シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー filed Critical シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
Publication of JP2018501232A publication Critical patent/JP2018501232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6686026B2 publication Critical patent/JP6686026B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • C08G64/307General preparatory processes using carbonates and phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/06Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from organic carbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/08Purification; Separation; Stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/96Esters of carbonic or haloformic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/003Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table without C-Metal linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/28Titanium compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物、このような組成物を調製する方法、このような組成物を使用してジアリールカーボネートのような芳香族カーボネートを調製する方法、ならびにこのようにして調製されたジアリールカーボネートからポリカーボネートを製造する方法に関する。
チタン及びジルコニウムアルコキシド及びアリールオキシドは、周囲温度及び圧力で固体になり得ることが知られている。例えば、新たに蒸留されたチタンテトラエトキシド(Ti(OEt))は、標準状態、すなわち25℃の標準温度及び100kPaの標準圧力において無色の液体である。しかし、標準状態では、液体チタンテトラエトキシドは、経時的に固体の結晶質物質に変換する(J.A.Ibers,”Crystal and Molecular Structure of Titanium (IV) Ethoxide”,Nature 197(4868):686,1963)。このことはまた、チタンテトラメトキシド、チタンテトラ(n−プロポキシド)、チタンテトライソプロポキシド及びチタンテトラフェノキシドのような他のチタンアルコキシドまたはアリールオキシドに対して、例えば−10℃〜+25℃の周囲温度でも観察される。
上記は、ジルコニウムアルコキシド及びアリールオキシド、例えばZr(OEt)及びZr(OPr)にも適用される(V.W.Day et al.,”Isolation and Structural Characterization of Tetra−n−propyl Zirconate in Hydrocarbon Solution and the Solid State”,Inorganic Chemistry 40(23):5738−46,2001)。
Ti(OMe)、Ti(OPh)及びTi(OEt)はそれぞれ200〜210℃、154℃及び54℃の比較的高い融解温度を有することにより、(25℃及び100kPaにおける)標準状態で固体として存在する。それぞれ17℃及び20℃の融解温度を有するTi(OPr)及びTi(OPr)のように、アルキル基がイソプロピル基またはn−プロピル基である場合、標準状態では液体として存在する。しかし、温度が、例えば輸送及び/または貯蔵の間に、温度がこれらの融解温度より低い温度に低下する場合、これらの液状チタンテトラプロポキシドは固化するであろう。
チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、様々な化学的製造プロセスにおける触媒として使用することができる。例えば、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、芳香族カーボネート製造プロセスにおいて触媒として使用され得る。ジアルキルカーボネート及びアリールアルコールから芳香族カーボネートを製造することが知られている。例えば、芳香族カーボネートはジアルキルカーボネート及びアリールアルコールから調製することができるジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートであってもよい。このような方法において、ジアルキルカーボネートは、以下のステップを経てジアリールカーボネートに変換される。第1のステップでは、ジアルキルカーボネートとアリールアルコールとのエステル交換反応が起こり、アルキルアリールカーボネート(芳香族カーボネートでもある)及びアルキルアルコールが得られる。第2のステップにおいて、アルキルアリールカーボネートの不均化が起こり、ジアリールカーボネート及びジアルキルカーボネートが得られる。ジアリールカーボネート及びアルキルアルコールを生成するアリールアルコールによるアルキルアリールカーボネートのさらなるエステル交換反応もまた起こり得る。
比較的高い融解温度を有する上記のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドのうちの1つを触媒として用いる化学的製造方法では、上記のチタンテトラエトキシドが使用される場合には、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを溶融状態に保持するために、比較的高い温度例えば55℃より高いものを使用しなければならない。第一に、これは望ましくない実質的なエネルギー必要量を課す。また、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドをこのような高温で長時間溶融状態に保持すると着色が始まり、芳香族カーボネートを製造するための出発原料として用いた場合、得られる生成物色調が損なわれ易く、通常の芳香族カーボネート生成物として使用することができない。
さらに、比較的高温でのチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの熱安定性は、比較的低い。これは、例えば、水分(水)が存在する場合、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドが高温でそのような水と容易に反応する可能性があることを意味する。これは、チタンアルコキシドに関して以下に説明される。
Ti(OR)+4HO→Ti(OH)+4ROH(加水分解)
Ti(OH)→TiO・xHO+(2−x)HO(縮合)
したがって、前記反応は、酸化チタン(IV)またはチタニアとしても知られている式TiOの二酸化チタンの生成をもたらす。このようなTiOの存在は、それが触媒活性をほとんどまたは全く持たないため、特にジアルキルカーボネート及びアリールアルコールから芳香族カーボネートを調製するための上記の方法において不利である。したがって、TiOの形成を防止し、高価なTi金属の損失を可能な限り防止することが望ましい。さらに、TiOは、ほとんどの溶媒に溶解しない粉末である。したがって、TiO形成の別の欠点は、この粉末が任意の不均一系触媒の表面を覆い、それによって触媒細孔へのアクセスを妨げることである。要約すると、水との前記反応は、その活性が所望の活性レベルよりはるかに低くてもよい触媒をもたらす可能性がある。
さらに、チタン及びジルコニウムアルコキシドは、特に長時間の加熱後に、水分が存在しなくても縮合反応を起こすことができる。これは、チタンアルコキシドに関して以下に説明される。
(RO)Ti−OR+RO−Ti(OR)
(RO)Ti−O−Ti(OR)+R−O−R(縮合)
この縮合反応は、Ti−O−Ti含有化合物の触媒活性が低いだけでなく、Ti(OR)よりもさらに高い溶融温度を有するため、不利である。
さらに、液体材料用のほとんどの標準輸送容器は、70℃を超える温度を維持するように装備されていない。しかしながら、溶融したチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの安全な輸送及び取り扱い(例えば、タンク洗浄からの最小限の廃棄物を伴う)は、好ましくは融点より約20℃高い温度で生成物を維持することを必要とする。このような温度での液体材料の輸送は、多量のエネルギーを必要とし、適切に取り扱わなければ材料が凝固する問題を引き起こす可能性がある。限られた数の容器のみが、これらの温度でこのように適切に取り扱えることが可能であっても、いずれもかなり小さいタンクサイズである。
したがって、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを溶融状態に保つために比較的高い温度に関係する上記の問題を考慮すると、周囲条件でチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを固体として輸送し貯蔵するほうがよい。しかしながら、今度はこれもまた問題である。例えば、固体チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド触媒を化学品製造場所に輸送し、それを固体状態でそのような場所に貯蔵することは問題である。例えば、固体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを粉体として取り扱う場合、粉体が装置の配管等を詰まらせやすく、また溶媒への溶解が低下するおそれがある。このため、固体状のチタンまたはジルコニウムアルコキシドまたはアリールオキシドを長時間使用して連続運転し続けることは困難であり、コンベア等の装置を洗浄するために繰り返し運転を停止させなければならず、したがってかなりの生産ロスにつながる。
固体チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの取り扱い及び輸送は、一般的な固体の取り扱いに共通する欠点がある。さらに、特に、固体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、水分に敏感であり、Ti(OR)に関して上述したように、容易に加水分解する。したがって、固体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、乾燥窒素環境下で取り扱われ及び輸送されるべきである。このような乾燥窒素環境を提供し、維持することは煩雑である。
したがって、固体状態のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを固体状態で輸送するには、その製造後にチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを凝固させる必要がある。これは、通常、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドに固体を形成させることにより、また次いでそれを袋に入れて固体材料として輸送することができる適当な粒子に形成することにより、達成される。一般に、このような固体化及び粒子形成には、大きく複雑な設備が必要である。あるいは、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、製造後に特別な容器中に貯蔵及び固体化され、次いで使用時に再融解され得る。しかし、これはまた、自己発熱能力を有するか、または例えば高温室で加熱することができる特別な容器のような複雑な装置を必要とする。
そのような大型で複雑な設備は、不必要に設備投資を増加させ、そして運転に費用がかかり、エネルギー多消費である。したがって、一般的には固体状態でチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを貯蔵及び輸送する必要がないものを対象としている。
上記に鑑みて、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを比較的低い温度で液体として保持することができるように、その保持温度を低下させる必要がある。そのようにして、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド触媒を、上記の欠点を有さずに、比較的低温で、液体形態で有利に輸送及び貯蔵することができる。
これを達成する1つの解決策は、異なるチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを配合することである。例えば、使用される所望の触媒がTi(OEt)である場合、これは、得られた配合物が標準状態で(25℃及び100kPaで)の液体であるように、例えば3〜20重量%のTi(OPr)と配合されてもよい。そのような液体配合物は、市販されている。例えば、Santa Cruz Biotechnology,Inc.は、80〜97%のチタン(IV)エトキシド及び3〜20%のチタン(IV)イソプロポキシドを含有する製品sc−251257を販売している。さらに、Sigma−Aldrichは、約80%のチタン(IV)エトキシド及び約20%のチタン(IV)イソプロポキシドを含む工業グレードのチタンエトキシド製品であるAldrich−244759を販売している。しかしながら、温度が25℃の標準状態温度から−10℃またはそれ以下の低温であり得る比較的低い温度に低下する場合、前記配合物はなおも固化する可能性があり、この温度低下は、これらの配合物の輸送及び/または貯蔵中に発生し得る。
さらに、ジアルキルカーボネート及びアリールアルコールから芳香族カーボネートを製造するプロセスにおいて触媒を使用する場合のこのような配合物の欠点は、アルコール不純物がプロセスに導入されることである。例えば、ジエチルカーボネートをアリールアルコールと反応させる場合、第一にエチルアリールカーボネートとエタノールが形成される。そのような場合、Ti(OEt)とTi(OPr)との配合物を触媒として使用すると、以下の一般的な配位子交換反応(R=エチルまたはイソプロピル)によって一定量のイソプロパノールが形成される。
Ti(OR)+アリールアルコール→Ti(アリールオキシド)+4ROH
このイソプロパノール不純物は、次により多量のエタノールと混合する。
このようなアルコール混合物の形成は、エタノールを例えば先行するステップへリサイクルする場合不都合であり、例えば、このようなリサイクルされるエタノールを用いて(例えば、そのエタノールをエチレンカーボネートと反応させて、ジエチルカーボネート及びモノエチレングリコールを生成させることによって)、さらなるジエチルカーボネートを製造する場合、イソプロパノールを最初にアルコール混合物から分離する必要があり、面倒である。さらに、形成されたイソプロパノールは、芳香族カーボネート製造プロセスに供給され及び/または形成されたカーボネートと反応して、対応するカーボネートを形成し得、また、それは生成物及びプロセス流を汚染し、したがって精製を複雑にするという不都合もある。
したがって、本発明の目的は、固体チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを取り扱うことに関する上記の問題ならびにチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを液体状態で保持するために比較的高温で取り扱うことに関する問題を上記で議論したようないずれかの他のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを配合することなしに、回避または低減させる方法を見出すことにある。
驚くべきことに、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドに0.1〜50重量%の有機カーボネートを組み合わせて提供することにより、上記の目的が達成できることが見出された。驚くべきことに、また都合の良いことには、そのような組み合わせは、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの溶融温度を低下させて、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを比較的低温で液体として保持することができ、その結果チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド触媒を比較的低温で、液体形態で輸送及び貯蔵することができる。
したがって、本発明は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物に関し、チタンまたはジルコニウムアルコキシド中のアルコキシ基は、式R−O(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である)で表される基であり、チタンまたはジルコニウムアリールオキシド中のアリールオキシ基は、式Ar−O(式中、Arは炭素原子数6〜12のアリール基である)で表される基であり、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて0.1〜50重量%の有機カーボネートをさらに含む。
したがって、比較的低温で液体であることにより、本発明のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド組成物は、非常に簡単な方法で貯蔵及び処理(輸送を含む)することができる。そして、そのチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド組成物の貯蔵寿命を大幅に延ばすことができる。さらに、液体であるということは、それが使用されるプロセスにポンプを適用することによって直接供給できることを意味し、その使用をやはり簡単にする。
さらに、有機カーボネートの0.1〜50重量%とのチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの組み合わせを含む本発明の組成物は、該有機カーボネートが、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドが触媒として使用される、後続の化学的製造方法において使用及び/または製造される任意の有機カーボネートに対応するように選択することができるので有利である。このようにして都合の良いことに、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドをそのような有機カーボネートと最初に組み合わせることにより、新たな化学物質を導入せずに、後続の化学的製造方法が行われる。例えば、後続の化学的製造方法が、エタノールが遊離される、エチルアリールカーボネートの中間生成を介するジエチルカーボネート及びアリールアルコールからのジアリールカーボネートの調製に関する場合、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、触媒としての使用の前に、ジエチルカーボネート、エチルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートのうちの1種以上、好ましくはジエチルカーボネートと組み合わせることができる。
さらに、本発明は、このようなチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドと有機カーボネートとを、得られた組成物が、該組成物の総重量に基づいて有機カーボネートを0.1〜50重量%含むような量で配合することを含む、上記の本発明の組成物の調製方法に関する。さらに、本発明は、上記本発明の組成物または上記の方法により調製された組成物を用いて、アルキルアリールカーボネートまたはジアリールカーボネートであってもよい芳香族カーボネートの調製方法に関する。またさらに、本発明は、本発明の芳香族カーボネートの調製方法に従って調製されたジアリールカーボネートからポリカーボネートを製造する方法に関する。
本発明の組成物は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含み、チタンまたはジルコニウムアルコキシド中のアルコキシ基は式R−O(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である)で表される基であり、そしてチタンまたはジルコニウムアリールオキシド中のアリールオキシ基は式Ar−O(式中、Arは炭素原子数6〜12のアリール基である)で表される基である。
本発明を具体的に示す任意のプロセス及び/または組成物は、様々に記載された特徴及び/またはステップを「含む(comprising)」、「含有する(containing)」または「包含する(including)」という用語で記載されると同時に、それらはまた、様々に記載された特徴及びステップ「から本質的になる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」ことができる。したがって、本発明の組成物及びプロセスは、それぞれ1つ以上の様々に記載された構成要素及びステップを「含む」、「含有する」または「包含する」という用語で記載されると同時に、それらはまた、それぞれ1つ以上の様々に記載された構成要素及びステップ「から本質的になる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」ことができる。
本明細書において、前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、前記金属に加えて、同じかまたは異なり得る1つ以上の配位子を含有するチタンまたはジルコニウム含有化合物を意味し、前記1つ以上の配位子は、アルコキシ基及び/またはアリールオキシ基であり、いずれかの残留配位子は、アリールアルコキシ基、アルキルアリールオキシ基、アルキル基、アリールアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、水酸化物基、カルボキシレート基、カルボネート基及びハライド基からなる群から選択される。好ましくは、前記配位子はすべて同じであり、アルコキシ基及び/またはアリールオキシ基であり、より好ましくはアルコキシ基またはアリールオキシ基である。より好ましくは、チタンまたはジルコニウムアルコキシドは、式M(OR)(式中、M=TiまたはZr、最も好ましくはTiであり、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である)で表されるものであり、他方チタンまたはジルコニウムアリールオキシドは、式M(OAr)(式中、M=TiまたはZr、最も好ましくはTiであり、Arは炭素原子数6〜12のアリール基である)で表されるものである。
本明細書において、「アリールアルコキシ」基は、式Ar−R−O(式中、Arはアリール基であり、Rはアルキル基である)で表される基である。「アリールオキシ」基は、式Ar−O(式中、Arはアリール基である)で表される基である。「アルキルアリールオキシ」基は、式R−Ar−O(式中、Rはアルキル基であり、Arはアリール基である)で表される基である。「アルキル」基は、式Rで表される基である。「アリールアルキル」基は、式Ar−R(式中、Arがアリール基であり、Rがアルキル基である)で表される基である。「アリール」基は、式Arで表される基である。「アルキルアリール」基は、式R−Ar(式中、Rがアルキル基であり、Arがアリール基である)で表される基である。「水酸化物」基は、式HOで表される基である。カルボキシレート基は、式R’−C(=O)−O(式中、R’は、アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基であってよい)で表される基である。例えば、前記カルボキシレート基は、アセトキシ基であってもよい。カーボネート基は、式O−C(=O)−Oで表される基である。これらのアルキル基及びアリール基は、置換または非置換であってもよい。さらに、アルキル基は、分枝または直鎖、好ましくは直鎖、C〜Cアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基)、さらに好ましくはC〜Cアルキル基(メチル基またはエチル基)であり、最も好ましくはCアルキル基(エチル基)である。アリール基は、フェニル基であってもよい。ハロゲン化物基は、フッ化物(F)、塩化物(Cl)、臭化物(Br)及びヨウ化物(I)からなる群から選択することができる。
好ましくは、本発明の組成物に含有され得るチタンまたはジルコニウムアルコキシド中のアルコキシ基に対する前記アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する。さらに好ましくは、前記アルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基からなる群から選択され、より好ましくはエチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基からなる群から選択され、最も好ましくはエチル基及びイソプロピル基からなる群から選択される。アルキル基がn−プロピル基である場合、酸素原子はプロピル基の最初の、第1の炭素原子に結合している。アルキル基がイソプロピル基である場合、酸素原子はプロピル基の第2の、第2番目の炭素原子に結合している。より好ましくは、前記アルキル基は、メチル基、エチル基及びn−プロピル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは、前記アルキル基は、メチル基またはエチル基である。最も好ましくは、前記アルキル基は、エチル基である。上記のように、好ましくは、チタンまたはジルコニウムアルコキシドは、式M(OR)(式中、M=TiまたはZr、最も好ましくはTiであり、Rは前記アルキル基である)で表されるものである。最も好ましくは、本発明の組成物は、チタンテトラエトキシドを含む。
本発明において、チタンまたはジルコニウムアリールオキシドにおけるアリールオキシ基は、式Ar−O(式中、Arは炭素原子数6〜12のアリール基である)で表される基である。好ましくは、前記アリール基は、フェニルである。上記のように、好ましくはチタンまたはジルコニウムアリールオキシドは、式M(OAr)(式中、M=TiまたはZr、最も好ましくはTiであり、Arは前記アリール基である)で表される基である。チタンまたはジルコニウムアリールオキシドの特に適切な例は、チタンテトラフェノキシドである。
本発明の組成物は、上記のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドに加えて、有機カーボネートを含む。驚くべきことに、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドに有機カーボネートを添加することにより、得られる組成物(配合物)の融解温度は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド単独の融点と比較して低下し、組成物を比較的低温で液体として保持することができ、それによって比較的低温で液体形態のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド触媒の輸送及び貯蔵を可能にする。
好ましくは、有機カーボネートは、標準状態で、すなわち25℃の標準温度及び100kPaの標準圧力において、液体である有機カーボネートである。
有機カーボネートの化学組成としては、任意の有機カーボネートを用いることができる。例えば、有機カーボネートは、式ROC(=O)OR’(式中、R及びR’は同じであっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基またはアリール基であり得る)で表される化合物、特にジアルキルカーボネート及びアルキルアリールカーボネートからなる群から選択される化合物である。前記アルキル基は、1〜4個、好適には1〜3個の炭素原子を有することができる。好適には、前記アルキル基は、メチル基またはエチル基、より好適にはエチル基である。該アリール基は、6〜12個の炭素原子を有することができる。適切には、前記アリール基は、フェニル基である。前記アルキルアリールカーボネートの好適な例は、メチルフェニルカーボネート及びエチルフェニルカーボネートである。好ましくは、式ROC(=O)OR’で表される前記有機カーボネートは、R及びR’がC1−4アルキル基、好ましくはC1−3アルキル基であるジアルキルカーボネートである。より好ましくは、前記ジアルキルカーボネートは、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートであり、最も好ましくはジエチルカーボネートである。さらに、有機カーボネートは、アルキレンカーボネート、例えば3〜6個、好適には3〜4個の炭素原子を有するアルキレンカーボネートのような環状カーボネートであってもよい。アルキレンカーボネートの適切な例は、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートである。
本発明の組成物中の有機カーボネートの量は必須ではなく、組成物の総重量に基づいて0.1〜50重量%である。したがって、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを50〜99.9重量%含むことができる。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜6重量%の有機カーボネートを含む。したがって、本発明の組成物は、好ましくは、70〜99.9重量%、より好ましくは90〜99.5重量%、最も好ましくは94〜99重量%のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む。本発明の組成物を液体として保持するのに必要な有機カーボネートの最小量は、該組成物が輸送及び/または貯蔵されるべき温度に依存する。前記温度が低いほど、より多くの有機カーボネートが必要とされる。さらに、これは有機カーボネートの性質に依存する。
本発明の組成物中の有機カーボネートの量は、組成物の総重量に基づいて少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも2.5重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも3.5重量%、より好ましくは少なくとも4重量%、より好ましくは少なくとも4.5重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%である。さらに、前記量は、少なくとも6重量%、または少なくとも7重量%、または少なくとも8重量%であってもよい。
本発明の組成物中の有機カーボネートの量は、組成物の総重量に基づいて最大50重量%、好ましくは最大40重量%、より好ましくは最大30重量%、より好ましくは最大25重量%、より好ましくは最大20重量%、より好ましくは最大15重量%、より好ましくは最大10重量%、最も好ましくは最大8重量%である。さらに、前記量は、最大7重量%、または最大6重量%であってもよい。
本発明の文脈において、本発明を具体化する組成物が2種以上の成分を含む場合、これらの成分は100重量%を超えない全量で選択されるべきである。
さらに、本発明は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物の調製方法に関し、チタンまたはジルコニウムアルコキシド中のアルコキシ基は、式R−O(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である)で表される基であり、チタンまたはジルコニウムアリールオキシド中のアリールオキシ基は、式Ar−O(式中、Arは炭素原子数6〜12のアリール基である)で表される基であり、本方法は、得られる組成物が本組成物の総重量に基づいて0.1〜50重量%の有機カーボネートを含むような量でチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドと有機カーボネートとを配合することを含む。
チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドと有機カーボネートとを含む本発明の組成物は、任意の方法で調製されてもよい。例えば、固体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、有機カーボネートと配合する前に、加熱によって液体チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドに変換することができる。あるいは、固体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを有機カーボネートと配合し、次いで加熱して液体組成物を得ることができる。上記の2つの選択肢は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドが製造された後に固化した場合に適用可能である。しかし、本発明の組成物は、例えば、製造した(例えば、新たに蒸留した)直後の液体のままである場合に、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを製造するためのプロセスの最終段階で調製することもできる。例えば、組成物は、液体のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドと有機カーボネートとを配合することによって調製することができる。好ましくは、本発明の組成物は、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドが製造される製造現場で調製して、液体配合物を輸送及び/または貯蔵の前に製造することができる。
さらに、本発明は芳香族カーボネートの調製方法に関し、本方法は、ジアルキルカーボネートまたはアルキルアリールカーボネートと、アリールアルコールまたはアルキルアリールカーボネートとを反応させることを含み、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む上記の組成物または上記方法に従って調製されたチタンもしくはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物が、有機カーボネートまたは(好ましくはフェノールである)アリールアルコール、好ましくは有機カーボネートと混合され、このようにして得られた混合物が前記ジアルキルカーボネートまたはアルキルアリールカーボネート、及びアリールアルコールまたはアルキルアリールカーボネートと接触させて、芳香族カーボネートの調製を触媒する。したがって、本発明はまた、芳香族カーボネートの調製方法に関し、本方法は、上記方法に従ってチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物を調製することと、この組成物を有機カーボネートまたは(好ましくはフェノールである)アリールアルコール、好ましくは有機カーボネートと混合することと、このようにして得られた混合物をジアルキルカーボネートまたはアルキルアリールカーボネート、及びアリールアルコールまたはアルキルアリールカーボネートと接触させて、アルキルアリールカーボネートまたはジアリールカーボネートである芳香族カーボネートの調製を触媒することとを含む。本発明のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその調製方法に関して上記に記載した実施態様及び好ましい実施形態はまた、それぞれ本発明の芳香族カーボネートの調製方法に使用するこのような組成物に、また該調製方法のこのような組成物の調製ステップに、適用される。
本発明の芳香族カーボネート調製方法において、ジアルキルカーボネート及びアルキルアリールカーボネート中のアルキル基は、1〜4個、好適には1〜3個の炭素原子を有することができる。好適には、前記アルキル基は、メチル基またはエチル基、より好適にはエチル基である。さらに、本発明の芳香族カーボネートの調製方法において、アリールアルコール、アルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートのアリール基は、炭素原子数6〜12であることが好ましい。好ましくは、前記アリール基は、フェニル基である。したがって、好ましくは、前記アリールアルコールは、フェノールであり、前記ジアリールカーボネートは、ジフェニルカーボネートである。前記アルキルアリールカーボネートの好適な例は、メチルフェニルカーボネート及びエチルフェニルカーボネートである。好ましくは、前記ジアルキルカーボネートは式ROC(=O)OR’(式中、R及びR’は同じでも異なっていてもよく、C1−4アルキル基、好ましくはC1−3アルキル基である)で表されるものである。より好ましくは、前記ジアルキルカーボネートはジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートであり、最も好ましくはジエチルカーボネートである。さらに、好ましくは、本発明の芳香族カーボネートの調製方法において、ジアルキルカーボネートをアリールアルコールと反応させて、対応するアルキルアリールカーボネートを得る。
好ましくは、本発明の芳香族カーボネート調製方法において、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物と混合され得る有機カーボネートは、式ROC(=O)OR’(式中、R及びR’は、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基またはアリール基である)で表されるものであり、特に、ジアルキルカーボネート及びアルキルアリールカーボネートからなる群から選択される化合物である。より好ましくは、前記有機カーボネートはジアルキルカーボネート、好ましくはジエチルカーボネートである。本発明のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物に含有される有機カーボネートに関連して上述した実施形態及び好ましい実施形態はまた、後者の組成物が本発明の芳香族カーボネート調製方法の一部として混合され得る有機カーボネートにも適用される。好ましくは、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物に含有される有機カーボネートは、前記組成物に混合する有機カーボネートと同じである。
一般に、本発明のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物を調製することと、本発明の芳香族カーボネート調製方法の一部として有機カーボネートまたはアリールアルコールとそれらを混合することとの間に、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物は、芳香族カーボネートの調製物の場所に輸送され、必要に応じて貯蔵されル必要がある。したがって、好適には、有機カーボネートまたはアリールアルコールを、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物と混合するステップに先行して、前記組成物を輸送するステップ、特に前記組成物を芳香族カーボネート調製物の場所へ及び/または場所に例えば、芳香族カーボネート調製物の場所に輸送し、そして場合によってはそのような場所に前記組成物を貯蔵することを含むステップが行われる。このような輸送、例えば芳香族カーボネート調製物の場所への輸送は、例えば輸送がパイプ内で行われ、貯蔵タンクから同じ部位にある反応器への前記組成物の輸送をカバーする。さらに、好適には、このような輸送中及び場合により貯蔵中の温度は、−10〜50℃、好ましくは0〜40℃である。本発明では、有機カーボネートとの組み合わせは、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドの融点の低下をもたらし、その結果、チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドは、比較的広い温度範囲で液体形態のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシド触媒の輸送及び貯蔵を可能にする。
ジアルキルカーボネート及びアリールアルコールの、ジアリールカーボネートへの変換をアルキルアリールカーボネートの中間体生成を介して完了させるために、一連の合計2または3個、好ましくは3個の反応蒸留塔を適用することができる。3つの反応蒸留塔が使用される方法を開示する上述のWO2011/067263に開示されているような様々な実施形態を本発明の芳香族カーボネート調製方法に適用することができる。WO2011/067263の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
前記3つの反応蒸留塔における圧力は、広い範囲内で変化し得る。第1の反応蒸留塔の頂部の圧力は、2〜7バール、好ましくは2.5〜5バールであってよい。第2反応蒸留塔の頂部の圧力は、0.1〜3バール、好ましくは0.3〜1.5バールであってもよい。第3の反応蒸留塔の頂部の圧力は、10〜600mバール、好ましくは20〜500mバールであってよい。好ましくは、第1の反応蒸留塔の頂部における圧力は、順次第3の反応蒸留塔の圧力よりも高い第2の反応蒸留塔の圧力よりも高い。
前記3つの反応蒸留塔の温度はまた、広い範囲内で変化してもよい。第1、第2、及び第3の反応蒸留塔の底部の温度は、50〜350℃、好ましくは120〜280℃、より好ましくは150〜250℃、最も好ましくは160〜240℃であってよい。
前記3つの反応蒸留塔のうちの1つ以上における触媒は、本発明のチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物に含有されるチタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドであり得る。これは均一系触媒である。さらに、これらの反応蒸留塔のうちの第1の塔に、不均一触媒を使用することができる。
さらに、本発明は、本発明の芳香族カーボネートの調製方法に従って調製されたジアリールカーボネートからポリカーボネートの製造方法に関する。したがって、本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関し、ジヒドロキシ芳香族化合物を、上記の芳香族カーボネート調製方法に従って調製されたジアリールカーボネートと反応させることを含む。さらに、したがって本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関し、本方法は、上記芳香族カーボネートの調製方法に従ってジアリールカーボネートを調製することと、ジヒドロキシ芳香族化合物とそのようにして得られたジアリールカーボネートとを反応させることとを含む。本発明の芳香族カーボネート調製方法に関連して上述した実施形態及び好ましい実施形態はまた、本発明のポリカーボネート製造方法の前記ジアリールカーボネート調製ステップにも適用される。
さらに、好ましくは前記ジヒドロキシ芳香族化合物は、4,4’−(プロパン−2−イリデン)ジフェノールであるビスフェノールAである。ジアリールカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物、例えばビスフェノールAとの重合によるポリカーボネートの製造はよく知られている。例えば、US5747609、WO2005/026235、及びWO2009/010486を参照されたいが、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
本実施例では、標準状態で結晶化した固体であり及び融点が54℃である純チタンテトラエトキシド(Ti(OEt)、TiO含量により測定された純度99.7%)を、乾燥ジエチルカーボネート(DEC)またはジメチルカーボネート(DMC)(前記乾燥DECまたはDMCは10ppmw未満の含水量を有する)と、様々なTi(OEt):DECまたはTi(OEt):DMC配合重量比において混合した。次いで、得られた配合物の固相/液相挙動を調べて経時的に監視した。
乾燥DECまたはDMCと配合する前に、固体Ti(OEt)を最初に約60℃に加熱してそれを完全に溶融させた。次いで、乾燥したDECまたはDMCを添加していくらか混合した後、加熱を停止しそしてTi(OEt)/DECまたはTi(OEt)/DMC配合物を周囲温度(約25℃)または5℃まで冷却させた。次いで、冷却された配合物の固相/液相挙動を経時的に監視した。Ti(OEt)は水分に敏感なため、すべての実験は乾燥した不活性環境下で行った。配合物の固相/液相挙動に関してされた経時的な観察を以下の表1に示す。
Figure 0006686026
表1から、驚くべきことに、Ti(OEt)にわずか3重量%のDECを添加することによって、得られた配合物は標準状態(25℃及び100kPaにおいて)での均質な液体のままであることが見られる。さらに、驚くべきことに、DECをさらに追加することにより、Ti(OEt)の溶融温度をさらに低下させることができるようである。例えば、わずか8重量%のDECがTi(OEt)に添加された場合、得られた配合物は5℃のより低い温度で均質な液体のままである。
DMCについて同様の効果が見られる。Ti(OEt)にわずか10重量%のDMCのみを加えた場合、得られた配合物はまた5℃で均質な液体のままである。
上記のDEC及びDMCの好ましい効果は、Ti(OEt)含有配合物について上述されたと同じ実験手順を行う、DECまたはDMCと、17℃の融点を有するTi(OPr)との配合物についてもまた示される。Ti(OPr)含有配合物の結果を以下の表2に示す。
Figure 0006686026
表2から、驚くべきことに、Ti(OPr)にわずか5重量%のDECまたはDMCを添加することによって、得られた配合物はまた5℃の低い温度で均質な液体のままであることが見られる。さらに、驚くべきことに、DECまたはDMCをもっと加えることによって、Ti(OPr)の溶融温度をさらに低下させることができるようである。例えば、わずか8重量%のDECまたはDMCがTi(OPr)に添加された場合、得られた配合物は0℃のより低い温度で均質な液体のままである。
上記の驚くべき利点とは別に、Ti(OEt)またはTi(OPr)へのDECまたはDMCの添加は、得られる触媒組成物が、例えばジアリールカーボネートがDECまたはDMC及びフェノールから調製される化学的製造プロセスにおいて使用される場合問題にならない。DECまたはDMCをTi(OEt)またはTi(OPr)に添加することにより、DECまたはDMCは既にその化学的製造プロセスにおいて出発物質であるので、新たな化学物質は導入されないことが有利である。

Claims (9)

  1. 芳香族カーボネートの調製方法であって、ジアルキルカーボネートまたはアルキルアリールカーボネートと、アリールアルコールまたはアルキルアリールカーボネートとを反応させて、アルキルアリールカーボネートまたはジアリールカーボネートである芳香族カーボネートを生じることを含み、
    チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物が、有機カーボネートまたはアリールアルコールと混合され、このようにして得られた混合物を、前記ジアルキルカーボネートまたはアルキルアリールカーボネート、及びアリールアルコールまたはアルキルアリールカーボネートに接触させて、前記芳香族カーボネートの前記調製を触媒し、
    前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシド中のアルコキシ基が、式R−O (式中、Rはメチル、エチル、n−プロピル、及びイソプロピルから成る群から選択される)で表される基であり、
    前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物は、該組成物の総重量に基づいて0.1〜50重量%の有機カーボネートをさらに含み、
    前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物に含まれる有機カーボネートは、式ROC(=O)OR’(式中、R及びR’は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基である)で表されるジアルキルカーボネートである、前記方法。
  2. チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物中に含まれる前記有機カーボネートの量が、前記組成物の総重量に基づいて0.1〜20重量%である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物中に含まれる前記有機カーボネートがジエチルカーボネートである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物と混合される前記有機カーボネートは、式ROC(=O)OR’(式中、R及びR’は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基またはアリール基である)で表されるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物中と混合される前記有機カーボネートが、ジアルキルカーボネートである、請求項に記載の方法。
  6. 前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物に含有される前記有機カーボネートが、前記組成物が一緒に混合される前記有機カーボネートと同じものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記チタンまたはジルコニウムのアルコキシドを含む組成物と有機カーボネートとを混合する前記ステップの前に、前記組成物を輸送することを含むステップが行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 輸送中の温度が−10〜50℃である、請求項に記載の方法。
  9. ポリカーボネートの製造方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法に従ってジアリールカーボネートを調製することと、ジヒドロキシ芳香族化合物と、このように得られたジアリールカーボネートとを反応させることとを含む、方法。
JP2017531836A 2014-12-23 2015-12-21 チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその使用 Active JP6686026B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14200068.6 2014-12-23
EP14200068 2014-12-23
PCT/EP2015/080783 WO2016102458A1 (en) 2014-12-23 2015-12-21 Composition comprising titanium or zirconium alkoxide or aryloxide and use thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018501232A JP2018501232A (ja) 2018-01-18
JP6686026B2 true JP6686026B2 (ja) 2020-04-22

Family

ID=52146321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017531836A Active JP6686026B2 (ja) 2014-12-23 2015-12-21 チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその使用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10239994B2 (ja)
EP (1) EP3237425B1 (ja)
JP (1) JP6686026B2 (ja)
KR (1) KR102558991B1 (ja)
CN (1) CN107108448B (ja)
ES (1) ES2827699T3 (ja)
SG (1) SG11201704403XA (ja)
TW (1) TWI682811B (ja)
WO (1) WO2016102458A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5747609A (en) 1996-01-17 1998-05-05 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing an aromatic polycarbonate having improved melt stability
MY141753A (en) 2003-09-15 2010-06-30 Shell Int Research Method for producing polycarbonate
ES2383720T3 (es) 2007-07-18 2012-06-25 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Método para el almacenamiento y/o transporte de bisfenolacetona y método para producir policarbonato aromático
EP2507201B1 (en) * 2009-12-04 2018-05-30 Shell International Research Maatschappij B.V. Process for preparing diaryl carbonates
KR101467648B1 (ko) * 2010-02-23 2014-12-01 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 아릴옥시티탄 조성물의 제조 방법 및 아릴옥시티탄 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
CN107108448A (zh) 2017-08-29
CN107108448B (zh) 2021-04-16
KR20170093856A (ko) 2017-08-16
TWI682811B (zh) 2020-01-21
JP2018501232A (ja) 2018-01-18
KR102558991B1 (ko) 2023-07-25
SG11201704403XA (en) 2017-07-28
US20170342209A1 (en) 2017-11-30
EP3237425A1 (en) 2017-11-01
WO2016102458A1 (en) 2016-06-30
TW201627069A (zh) 2016-08-01
EP3237425B1 (en) 2020-08-12
US10239994B2 (en) 2019-03-26
ES2827699T3 (es) 2021-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6052253B2 (ja) ポリカーボネートの製造方法
BRPI0517045B1 (pt) Método para produzir um carbonato aromático
CN103874678B (zh) 制备用于热塑性聚酯的反增塑剂
ZA200601416B (en) Method for producing polycarbonate
JP6686026B2 (ja) チタンまたはジルコニウムのアルコキシドまたはアリールオキシドを含む組成物及びその使用
EP2167566B1 (en) Method for storage and/or transport of bisphenolacetone and method for producing aromatic polycarbonate
KR102537896B1 (ko) 방향족 카보네이트 제조 방법에 있어서 타이타늄 또는 지르코늄 알콕사이드 또는 아릴옥사이드를 포함하는 조성물의 용도
KR20170091101A (ko) 방향족 카보네이트 생산 촉매의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6686026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250