JP6685947B2 - 装甲車用の部材及び装甲車 - Google Patents

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Description

本発明は、装甲車用の部材及び装甲車に関する。
装甲車は、車体を保護するための装甲が、車体の表面に設けられている。このような装甲車には、装甲の外側にも部材が設けられている場合がある。この部材は、装甲の作動を補助するための所定の機能が付与されている。このような部材としては、例えば、水陸両用車の前方に設けられた前方フラップが挙げられる。前方フラップは、装甲に対して可動する板状部材であり、水上航走時に開くことで、水上航走時における水陸両用車の推進を補助する。引用文献1には、前方フラップが設けられた水陸両用車が記載されている。従来、前方フラップなどの装甲の外側の部材として、金属材料が用いられている。
米国特許5765497号公報
このような部材は、装甲車の車体を保護するものではないが、装甲車が衝撃を受けた際にも、機能を維持することが求められる。機能を維持するためには、部材の表面に沿った方向への損傷を抑制する必要がある場合がある。例えば、前方フラップの損傷面積が大きい場合、適切に車両の推進を補助できなくなる。また、このような部材は、走行速度の向上のためなどの理由で、重量を抑制することが求められている。しかし、従来のような金属材料を用いた場合、重量を抑制しつつ表面に沿った方向への損傷を抑制することは困難である。すなわち、例えば表面に沿った方向への損傷を抑制するために高強度の金属材料を用いると、重量が増加するおそれがある。一方、軽量化のために軽い金属材料を用いた場合、強度が低下して、表面に沿った方向への損傷を抑制することができなくなるおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、重量を抑制しつつ、表面に沿った方向への損傷を抑制する装甲車用の部材及び装甲車を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る装甲車用の部材は、装甲を備える装甲車に取付けられ、前記装甲の外側に設けられる装甲車用の部材であって、互いに交差する複数の繊維が平面方向に沿って配列した層である複数の繊維層が、前記平面方向に直交する積層方向に沿って積層される積層体と、前記積層方向に沿って、前記複数の繊維層の繊維の間に挿通される縦繊維と、を有する三次元複合層部を有する。
この装甲車用の部材は、三次元複合層部を有しているため、重量を抑制しつつ、装甲車に物体が衝突した場合に、表面に沿った方向への損傷を抑制することができる。
前記装甲車用の部材において、前記繊維層は、前記複数の繊維が互いに織り込まれた織物層であることが好ましい。この部材は、これにより、平面方向の強度をより向上させ、平面方向への損傷をより好適に抑制することができる。
前記装甲車用の部材において、前記平面方向に沿って隣接する前記縦繊維同士の中心間距離は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。この部材は、中心間距離を1mm以上5mm以下とすることで、衝突物による部材の変形を抑制しつつ、平面方向の強度を適切に向上させることができる。
前記装甲車用の部材において、前記縦繊維は、前記繊維層の繊維と同じ材質及び外径であることが好ましい。この部材は、繊維の強度のバランスを適切にして、平面方向への損傷をより好適に抑制することができる。
前記装甲車用の部材は、前記積層方向に沿って貫通する複数の開口を有する枠体と、前記開口を覆う複数の前記三次元複合層部と、を有することが好ましい。この部材を用いると、修理する際のコストを削減することが可能となる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る装甲車は、前記装甲車用の部材を、前記装甲の外側に配設することが好ましい。この装甲車は、重量を抑制しつつ、物体が衝突した場合に、平面方向への損傷を抑制することができる。
前記装甲車は、前記装甲車用の部材に接続され、前記装甲車用の部材を前記装甲に対して移動させる可動部を更に有することが好ましい。この装甲車は、可動する部材の変形を抑制することで、衝撃を受けた後でも、部材を適切に可動することができる。
前記装甲車は、前記装甲車用の部材が、前記装甲車が衝撃を受けた場合において前記平面方向の損傷を抑制する必要がある所定位置に配設されることが好ましい。この装甲車は、このような位置に三次元複合層部を有する部材を配設することで、平面方向の損傷を適切に抑制することができる。
前記装甲車は、水陸両用車であり、前記部材は、前記装甲車の前方に設けられた前方フラップであることが好ましい。この装甲車は、前方フラップが三次元複合層部を有することで、衝撃を受けた際にも、水上航行を適切に行うことができる。
本発明によれば、重量を抑制しつつ、表面に沿った方向に対する損傷を抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係る装甲車の模式的な斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る装甲車の側面図である。 図3は、第1実施形態に係る装甲車の側面図である。 図4は、第1実施形態に係る前方フラップの模式的な断面図である。 図5は、第1実施形態に係る前方フラップの模式的な断面図である。 図6は、第2実施形態に係る前方フラップの模式的な斜視図である。 図7は、第2実施形態に係る枠体の模式図である。 図8は、外部損傷領域と内部損傷領域との測定結果を示す表である。 図9は、ピッチが異なる三次元複合層部の残留強度を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る装甲車の模式的な斜視図である。図2及び図3は、第1実施形態に係る装甲車の側面図である。図1に示すように、第1実施形態に係る装甲車1は、装甲11が備えられた車両である。装甲11は、装甲車1の車両本体10を覆うように、車両本体10の周囲に設けられる。装甲11は、装甲車1に衝突する物体などから車両本体10を保護するための板状の部材である。装甲11は、例えば鋼鉄製の板である。装甲11は、乗用車などの一般の車両の外装よりも強度が高く、例えば被弾した場合にも破損が抑制される程度の強度を有する。第1実施形態に係る装甲車1は、陸上及び水上を移動可能な水陸両用車である。ただし、装甲車1は、装甲11が備えられた車両であれば、水陸両用車に限られない。
図1から図3に示すように、装甲車1は、車両本体10と、装甲11と、前方フラップ部14Aと、後方フラップ部14Bと、車両本体10の両側方の下部に設けられた走行装置20と、を備える。車両本体10には、水上航走モードで使用するプロペラ又はウォータジェットを備えた推進器(不図示)が設けられている。走行装置20は、エンジンなどの駆動装置(不図示)により回転駆動されるスプロケット21と、このスプロケット21により回転駆動される履帯22と、複数のスカート23とを備える。スカート23は、スプロケット21及び履帯22の外側(表面)を覆うように設けられる板状の部材である。スカート23は、陸上走行時には、スプロケット21の赤外線放射量を低減し、水上航走時には、履帯22への水の巻き込みを抑制する。装甲車1は、車両本体10の走行方向Frにおける前面の上部には、車窓13が設けられており、この車窓13から、車両本体10内の運転者が外部を視認可能になっている。なお、走行方向Frは、装甲車1が前進走行する方向である。また、図1においては、履帯22を有する走行装置20によって車両本体10を駆動する例について説明したが、履帯22に代えてタイヤを有する走行装置を用いてもよい。
前方フラップ部14Aは、装甲11の前面11aに取り付けられている。前面11aは、装甲車1の走行方向Frにおける装甲11の前方側の表面である。前方フラップ部14Aは、下部フラップ141Aと、上部フラップ142Aと、ヒンジ15A、17Aと、支持部材16Aと、を有する。下部フラップ141A及び上部フラップ142Aは、板状の部材である。前方フラップ部14Aは、下部フラップ141Aの一端部が、装甲11の前面11aの下端部に固定されている。下部フラップ141Aは、ヒンジ15Aを介して前面11aの下端部に取り付けられている。上部フラップ142Aは、下部フラップ141Aの他端部にヒンジ17Aを介して一端部が固定されている。前方フラップ部14Aは、支持部材16Aを介して、前面11aと表面141a、142aとが所定の角度をなすように、前面11aに取付けられている。支持部材16Aは、装甲車1の走行方向Frに沿って伸縮可能に設けられる部材である。また、表面141aは、下部フラップ141Aの表面であり、表面142aは、上部フラップ142Aの表面である。
下部フラップ141Aは、駆動部(不図示)によってヒンジ15Aを駆動して前面11aに対して表面141aを回動可能に固定してもよく、また駆動部(不図示)によって支持部材16Aを駆動して前面11aに対して表面141aを回動可能に固定してもよい。また、上部フラップ142Aは、駆動部(不図示)によってヒンジ17Aを駆動して前面11aに対して表面142aを回動可能に固定してもよい。すなわち、ヒンジ15A、17A及び支持部材16Aは、前方フラップ部14Aを装甲11に対して移動させる可動部として機能する。また、詳しくは後述するが、下部フラップ141Aと上部フラップ142Aとは、同様の構造を有する板状部材である。下部フラップ141Aと上部フラップ142Aとを互いに区別しない場合は、前方フラップ140Aと記載する。また、前方フラップ140Aの表面、すなわち表面141aと表面142aとを互いに区別しない場合、表面14aと記載する。
後方フラップ部14Bは、装甲11の後面11bに設けられている。後面11bは、装甲車1の走行方向Frにおける装甲11の後方側の表面である。後方フラップ部14Bは、後方フラップ140Bと、ヒンジ15Bと、支持部材16Bとを有する。後方フラップ140Bは、表面14bを有する板状の部材である。後方フラップ部14Bは、後面11bに対して後方フラップ140Bの表面14bが傾斜するように、ヒンジ15Bを介して後面11bの下端部に取り付けられている。後方フラップ部14Bは、支持部材16Bを介して、表面14bと後面11bとが所定の角度をなすように取り付けられている。支持部材16Bは、装甲11の下端部に一端が固定された伸縮可能な部材である。
後方フラップ部14Bは、ヒンジ15Bを介して、後面11bに対して相対的に回動可能に固定されている。後方フラップ部14Bは、固定部材(不図示)によって後面11bに固定可能に構成されている。なお、後方フラップ部14Bは、駆動部(不図示)によってヒンジ15Bを駆動して後面11bに対して表面14bを回動可能に固定してもよく、また駆動部(不図示)によって支持部材16Bを駆動して後面11bに対して表面14bを回動可能に固定してもよい。すなわち、ヒンジ15B及び支持部材16Bは、後方フラップ部14Bを装甲11に対して移動させる可動部として機能する。
図2及び図3は、前方フラップ部14A及び後方フラップ部14Bを移動させた場合の一例を示している。装甲車1は、例えば陸上走行時には、図2に示すように、前方フラップ140Aの表面14aと後方フラップ140Bの表面14bとを、装甲11の表面に対向、より詳しくは接触させる。具体的には、装甲車1は、陸上走行時に、下部フラップ141Aの表面141aを、装甲11の前面11aに接触させ、上部フラップ142Aの表面142aを装甲11の斜面11dに接触させる。斜面11dは、前面11aよりも上方に設けられた装甲11の表面である。また、装甲車1は、陸上走行時に、後方フラップ140Bの表面14bを、装甲11の後面11bに接触させる。支持部材16Aは、車両本体11の前面11aに設けられた収容空間(不図示)に収容可能であり、支持部材16Bは、車両本体11の後面11bに設けられた収容空間(不図示)に収容可能である。このように、装甲車1は、相互に折り畳み可能な下部フラップ141A及び上部フラップ142Aによって、前方フラップ部14Aを折り畳み可能に構成することにより、水上から陸地に上陸した際に、前方フラップ部14Aを装甲11にコンパクトに固定することが可能となる。そして、装甲車1は、後方フラップ部14Bも同様に装甲11に対してコンパクトに固定することが可能となる。
装甲車1は、例えば水上航走時には、図3に示すように、前方フラップ140Aの表面14aと後方フラップ140Bの表面14bとを、装甲11の表面から離間させる。具体的には、装甲車1は、水上航走時に、下部フラップ141Aの表面141aを、装甲11の前面11aから離間させ、表面141aと前面11aとが所定の角度を有する位置で固定する。そして、装甲車1は、水上航走時に、上部フラップ142Aの表面142aを、装甲11の斜面11dから離間させ、表面142aと斜面11dとが所定の角度を有する位置で固定する。また、装甲車1は、水上航走時に、後方フラップ140Bの表面14bを、装甲11の後面11bから離間させ、表面14bと後面11bとが所定の角度を有する位置で固定する。このような状態においても、図3に示すように、前方フラップ140Aの表面14aと後方フラップ140Bの表面14bとは、装甲11の表面から離間しているが、装甲11の表面とは対向している。装甲車1は、このように前方フラップ140Aと後方フラップ140Bとを装甲11の表面から離間させた状態で固定することにより、水上の波を整流して、適切に水上を航走することが可能となる。
以上説明した前方フラップ140Aは、装甲11よりも外側に設けられる装甲車1用の部材であるということができる。前方フラップ140Aの表面14aは、装甲11の表面である前面11aと対向している。また、前方フラップ140Aは、ヒンジ15A、17A及び支持部材16Aに接続され、これらにより、装甲11に対して移動可能となっている。同様に、後方フラップ140Bも、装甲11よりも外側に設けられる装甲車1用の部材であるということができる。後方フラップ140Bの表面14bは、装甲11の表面である後面11bと対向している。また、後方フラップ140Bは、ヒンジ15B及び支持部材16Bに接続され、これらにより装甲11に対して移動可能となっている。
次に、前方フラップ140Aの構造について詳細に説明する。図4及び図5は、第1実施形態に係る前方フラップの模式的な断面図である。図4に示すように、前方フラップ140Aの表面14aと平行な方向を、X方向とし、表面14aに平行であってX方向と直交する方向を、Y方向とする。また、X方向及びY方向に直交する方向、すなわち表面14aに交差する方向を、Z方向とする。すなわち、X方向及びY方向を含む表面14aに平行な方向が、平面方向である。また、Z方向は、平面方向に交差(直交)する方向であり、後述する繊維層36が積層する方向である積層方向となる。
図4は、Y方向が紙面に垂直な方向となる向きから見た断面図である。図5は、Z方向が紙面と垂直な方向となる向きから見た断面図である。図4に示すように、前方フラップ140Aは、三次元複合層部30を有する。三次元複合層部30は、積層体32と、縦繊維としての縦繊維34と、接合部35と、を有する。
図4に示すように、積層体32は、複数の繊維層36がZ方向(積層方向)に沿って積層された積層体である。繊維層36は、互いに交差する複数の繊維が平面方向に沿って配列した層である。より具体的には、繊維層36は、複数のX繊維38と複数のY繊維39とを有する。X繊維38は、X方向に沿って延在する繊維である。複数のX繊維38は、方向Yに並んでいる(図5を参照)。Y繊維39は、Y方向に沿って延在する繊維である。複数のY繊維39は、X方向に並んでいる。X繊維38とY繊維39とは、互いに交差しており、より詳しくは、互いに織り込まれている。織り込まれるとは、例えば、X方向に沿って隣接する2つのY繊維39のうち、一方のY繊維39は、あるX繊維38よりもZ方向に沿った上側に位置しているのに対し、他方のY繊維39は、同じX繊維38よりもZ方向に沿った下側に位置している。すなわち、X繊維38とY繊維39とは、互いに交錯している。ただし、繊維層36は、X繊維38とY繊維39とがこのように交互に織り込まれた平織されていなくてもよく、X繊維38とY繊維39とが交差するように設けられていればよい。例えば、繊維層36は、X繊維38とY繊維39とが、綾織や朱子織されていてもよい。
X繊維38は、繊維の材質が炭素である炭素繊維(Carbon Fiber)であるが、材質は炭素に限られず、ガラス繊維であってもよい。また、X繊維38は、複数の繊維を撚って(捩り合わせて)一本の糸としたものである。また、X繊維38は、外径が、例えば3mm以上6mm以下である。Y繊維39は、X繊維38と同じ材質及び外径であることが好ましい。また、Y繊維39は、X繊維38と同様に、複数の繊維を撚って一本の糸としたものであることが好ましい。
このように、繊維層36は、互いに交差する複数のX繊維38及びY繊維39が平面方向に沿って配列した層であり、表面が平面方向に沿うシート状の部材である。そして、積層体32は、この繊維層36が、Z方向に複数積層されて構成される。
図4及び図5に示すように、縦繊維34は、Z方向に沿って、複数の繊維層36の平面方向に沿って並んだ繊維の間に挿通される糸である。縦繊維34は、Z方向に沿って、Y方向に並んだX繊維38同士の間及びX方向に沿って並んだY繊維39同士の間を、複数の繊維層36にわたって貫通している。そして、縦繊維34は、複数の繊維層36にわたって繊維の間を貫通しながら、所定のピッチで蛇行してX方向に沿って延在している。言い換えれば、縦繊維34は、積層体32の内部の箇所では、並んだ2本のX繊維38と並んだ2本のY繊維39とで囲われた隙間を、複数の繊維層36にわたって貫通しながら、Z方向に沿って延在する。そして、縦繊維34は、積層体32よりも外側の箇所では、Z方向から折り返して、X方向に所定距離だけ延在し、再度Z方向に折り返して積層体32の内部を延在する。
さらに詳しくは、縦繊維34は、箇所34Aから箇所34Bまで、並んだ2本のX繊維38と並んだ2本のY繊維39とで囲われた隙間を、複数の繊維層36にわたって貫通しながら、Z方向に沿って延在する。箇所34Aは、積層体32の背面14c側の表面より外側の箇所であり、箇所34Bは、積層体32の表面14a側の表面より外側の箇所である。また、背面14cは、前方フラップ140Aの表面14aと反対側の表面である。そして、縦繊維34は、箇所34Bから箇所34Cまで、X方向に沿って積層体32の表面14a側の表面の外側を延在する。箇所34Cは、積層体32の表面14a側の表面より外側の箇所であり、箇所34BよりもX方向に沿って離れた箇所である。縦繊維34は、箇所34Cから箇所34Dまで、並んだ2本のX繊維38と並んだ2本のY繊維39とで囲われた隙間を、複数の繊維層36にわたって貫通しながらZ方向に沿って延在する。箇所34Dは、積層体32の背面14c側の表面より外側の箇所であり、箇所34AよりもX方向に沿って離れた箇所である。縦繊維34は、箇所34Dから、X方向に沿って離間する次の箇所34Aまで、積層体32の背面14c側の表面の外側をX方向に沿って延在する。縦繊維34は、箇所34Aから箇所34Dまでの蛇行を繰り返して、X方向に沿って延びている。
また、三次元複合層部30は、複数の縦繊維34を有している。図5に示すように、複数の縦繊維34は、Y方向に並んでいる。なお、縦繊維34は、X方向ではなくY方向に沿って蛇行し、複数がX方向に並んでいてもよい。また、前方フラップ部14Aは、一本の縦繊維34が、X繊維38同士の間及びY繊維39同士の間をZ方向に沿って貫通しつつ、X方向及びY方向に沿って蛇行していてもよい。
縦繊維34は、X繊維38及びY繊維39と同じ材質及び外径であることが好ましい。また、縦繊維34は、X繊維38と同様に、複数の繊維を撚って一本の糸としたものであることが好ましい。このように、縦繊維34は、材質及び外径が、X繊維38及びY繊維39と同じであり、強度がX繊維38及びY繊維39と同じとなる。また、縦繊維34は、X方向に沿ったピッチD1が、1mm以上5mm以下となるように、Y方向に沿って蛇行している。ピッチD1は、X方向に沿って隣接する縦繊維34の中心C同士間の距離である。さらに詳しくは、ピッチD1は、積層体32の内部の領域において、折り返されることによりX方向に沿って隣接することとなった縦繊維34の中心C同士の間の距離である。言い換えれば、ピッチD1は、縦繊維34の、積層体32の外側で延在する長さ(箇所34Bから箇所34Cまでの長さ、及び箇所34Dから箇所34Aまでの長さ)に相当する。ピッチD1は、3mm以上5mm以下であることがより好ましい。
また、複数の縦繊維34は、Y方向に沿ったピッチD2が、1mm以上5mm以下となるように、Y方向に沿って配列している。ピッチD2は、Y方向に沿って隣接する縦繊維34の中心同士間の距離である。ピッチD2は、3mm以上5mm以下であることがより好ましい。本実施形態において、ピッチD2は、ピッチD1と長さが同一であることが好ましい。なお、図5に示すように、縦繊維34は、2つのY繊維39毎にX方向に沿って折り返されており、複数の縦繊維34は、2つのX繊維38毎にY方向に沿って配列している。ただし、これは一例であり、ピッチD1、D2が所定の長さであればよい。
接合部35は、X繊維38、Y繊維39、及び縦繊維34の表面や各繊維同士の間に充填されている。接合部35は、例えば樹脂であり、X繊維38、Y繊維39、及び縦繊維34同士を接合している。三次元複合層部30は、炭素繊維であるX繊維38、Y繊維39、及び縦繊維34に、樹脂である接合部35を含浸して形成される炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)である。
前方フラップ140Aは、このような構造の三次元複合層部30で構成される。すなわち、前方フラップ部14Aは、三次元複合層部30で構成される板状部材の下部フラップ141Aと、三次元複合層部30で構成される板状部材の上部フラップ142Aとを有する。前方フラップ部140Aは、三次元複合層部30の平面方向に沿った表面(表面14a)が、装甲の表面と対向する。言い換えれば、前方フラップ部140Aは、三次元複合層部30の平面方向に沿った表面(表面14a)が、装甲車1に向かってくる物体の進行方向に交差した方向となるように、装甲車1に取付けられている。なお、前方フラップ140Aは、三次元複合層部30の表面に、表面処理を施した表面層を更に有していてもよい。
以上説明したように、三次元複合層部30は、前方フラップ140Aの材料として用いられる。前方フラップ140Aは、走行性能の向上のため、軽量であることが求められている。また、前方フラップ140Aは、装甲11よりも外側に設けられているため、装甲車1に向かってくる物体が衝突する可能性がある。装甲車1は、このような衝突物による衝撃から、装甲11によって車両本体10を保護するが、前方フラップ140Aが車両本体10を保護する必要はない。そのため、装甲車1は、衝突物が、前方フラップ140AをZ方向に沿って貫通して、装甲11に衝突することを許容する。しかし、装甲車1は、前方フラップ140Aの貫通する面積(平面方向に沿った貫通穴の面積)が大きいと、水上の波を適切に整流することができず、水上航走を適切に行うことができなくなるおそれがある。従って、前方フラップ140Aは、Z方向(積層方向)に沿った損傷を許容する一方、平面方向に沿った損傷を抑制する必要がある。言い換えれば、前方フラップ140Aは、Z方向(積層方向)に沿った損傷よりも、平面方向に沿った損傷をより抑制する必要がある。
また、前方フラップ140Aは、Z方向(積層方向)に沿った強度を高くし過ぎず、適切な強度に保つことが好ましい。Z方向(積層方向)に沿った強度が高くなり過ぎると、前方フラップ140Aは、衝突物により貫通穴が形成されず、衝突物の衝撃により変形する。前方フラップ140Aは、変形が大きくなると、装甲11に対して適切に移動できず、水上航走を適切に補助できなくなるおそれがある。従って、前方フラップ140Aは、Z方向(積層方向)に沿った損傷よりも、平面方向に沿った損傷をより抑制して、物体が衝突した場合に、変形を抑制しつつ、面積が小さい貫通穴が開口することが好ましい。
第1実施形態に係る前方フラップ140Aは、繊維で構成される三次元複合層部30を有することで、重量を抑制することができる。三次元複合層部30を用いると、例えばアルミニウム合金に対して、重量を約20%低減することができる。また、三次元複合層部30は、縦繊維34によりZ方向(積層方向)に沿った強度を保ちつつ、繊維層36により平面方向に沿った強度を保っている。さらに、三次元複合層部30は、縦繊維34を繊維層36の繊維間に挿通して積層体32を結束することで、積層体32の平面方向の強度をより高くしている。これにより、三次元複合層部30は、平面方向に沿った強度を、Z方向(積層方向)に沿った強度より適切に高くしている。そして、前方フラップ140Aは、表面14aが装甲11の表面と対向しており、言い換えれば、三次元複合層部30の平面方向が装甲11の表面と対向している。また言い換えれば、前方フラップ140Aは、表面14aが、装甲車1に向かってくる物体の進行方向に交差した方向となっている。従って、前方フラップ140Aは、Z方向(積層方向)が衝突物の進行方向に沿った方向となり、平面方向が衝突物による貫通穴が広がる面積方向となる。前方フラップ140Aは、このように配置されているため、衝突物による平面方向に沿った損傷を抑制することで、貫通穴の面積が大きくなることを抑制する。このように、前方フラップ140Aは、三次元複合層部30を有することで、重量を抑制しつつ、平面方向に沿った損傷を抑制することができる。
なお、本実施形態では、三次元複合層部30を備える装甲車1の部材として、前方フラップ部14Aを例に説明したが、三次元複合層部30を備える装甲車1の部材は、前方フラップ部14Aに限られない。例えば、三次元複合層部30を備える装甲車1の部材は、後方フラップ140Bやスカート23であってもよい。三次元複合層部30を備える装甲車1の部材は、装甲11の外側に設けられるものであれば、任意である。特に、部材の平面方向に沿った表面が走行11の表面に対向して設けられる場合は、部材の平面方向に沿った表面が飛来物の進行方向に対し交差することが多くなるので、平面方向に沿った損傷を抑制する上で有利である。ここでの装甲11の外側に設けられた部材とは、装甲11以外の部材であって装甲車1の表面に露出している部材を指す。さらに言えば、装甲11の外側に設けられた部材とは、装甲11の外側であって装甲11に重畳する箇所に設けられた部材や、装甲11の外側であって装甲11が設けられていない箇所、すなわち装甲11に重畳しない箇所に設けられた部材である。装甲11に重畳する箇所に設けられた部材としては、前方フラップ14A及び後方フラップ140Bなどが該当し、装甲11に重畳しない箇所に設けられた部材としては、スカート23などが該当する。
また、三次元複合層部30を備える装甲車1の部材は、Z方向(積層方向)に沿った損傷よりも、平面方向に沿った損傷をより抑制する必要がある箇所に設けられることが好ましい。言い換えれば、装甲車1は、衝撃を受けた場合において平面方向の損傷を抑制する必要がある所定位置に、この部材が配設されることが好ましい。平面方向に沿った損傷をより抑制する必要がある箇所とは、車両本体10を保護する必要がない箇所であり、前方フラップ部14Aの他には、例えば後方フラップ部14Bが有する後方フラップ140Bや、スカート23が該当する。また、平面方向に沿った損傷をより抑制する必要がある箇所でないものは、例えば装甲11が該当する。装甲11は、車両本体10を保護するため、貫通を抑制する必要がある。すなわち、装甲11は、平面方向に沿った損傷よりも、Z方向(積層方向)に沿った損傷を抑制する必要がある。
以上説明したように、第1実施形態に係る装甲車1用の部材(上記の例では前方フラップ140A)は、装甲11を備える装甲車1に取付けられ、装甲11の外側に設けられる。この部材は、三次元複合層部30を有する。三次元複合層部30は、積層体32と縦繊維34とを有する。積層体32は、複数の繊維層36が積層方向(Z方向)に沿って積層されている。繊維層36は、互いに交差する複数の繊維(X繊維38及びY繊維39)が平面方向に沿って配列した層である。縦繊維34は、積層方向に沿って、複数の繊維層36の繊維(X繊維38同士及びY繊維39同士)の間に挿通される。この部材は、三次元複合層部30を有しているため、重量を抑制しつつ、例えば被弾など、装甲車1に物体が衝突した場合に、表面に沿った方向(平面方向)への損傷を抑制することができる。
また、繊維層36は、複数の繊維(X繊維38及びY繊維39)が互いに織り込まれた織物層である。これにより、この部材は、平面方向の強度をより向上させ、平面方向への損傷をより好適に抑制することができる。
また、平面方向に沿って隣接する縦繊維34同士の中心間距離(ピッチD1及びピッチD2)は、1mm以上5mm以下である。この部材は、縦繊維34同士の中心間距離を5mm以下とすることで、積層体32の結束力を強くして平面方向の強度を適切に向上させることができる。さらに、この部材は、縦繊維34同士の中心間距離を5mm以下とすることで、衝突物によって貫通穴が空いた場合においても、強度を好適な範囲に維持することができる。また、この部材は、縦繊維34同士の中心間距離を1mm以上とすることで、積層方向(Z方向)の強度が高くなり過ぎることを抑制して、衝突物による部材の変形を抑制している。また、この部材は、縦繊維34同士の中心間距離を1mm以上とすることで、製造が困難となることを抑制する。なお、部材は、縦繊維34同士の中心間距離を3mm以上5mm以下とすることがより好ましい。中心間距離を3mm以上とすることで、衝突物による部材の変形を抑制しつつ、製造をより容易にすることが可能となる。
また、縦繊維34は、繊維層32が有する繊維(X繊維38及びY繊維39)と同じ材質及び外径である。これにより、この部材は、各繊維の強度のバランスを適切にして、平面方向への損傷をより好適に抑制することができる。
また、第1実施形態に係る装甲車1は、上記部材(上記の例では前方フラップ140A)を、装甲11の外側に配設する。これにより、装甲車1は、重量を抑制しつつ、物体が衝突した場合に、平面方向への損傷を抑制することができる。
また、装甲車1は、上記部材に接続され、この部材を装甲11に対して移動させる可動部(上記の例ではヒンジ15A、17A及び支持部材16A)を更に有する。この装甲車1は、この部材を可動部により移動させることで、走行などを適切に行っている。そして、このような部材は、変形した場合、適切に可動することができなくなるおそれがある。しかし、この可動する部材は、三次元複合層部30を有するため、Z方向(積層方向)に沿った損傷よりも、平面方向に沿った損傷をより抑制することができる。従って、この部材は、物体が衝突した場合にも、面積が小さい貫通穴が開口することで衝撃を吸収し、変形を抑制する。このように、この装甲車1は、可動する部材の変形を抑制することで、衝撃を受けた後でも、部材を適切に可動することができる。
また、装甲車1は、衝撃を受けた場合において平面方向の損傷を抑制する必要がある所定位置に、この部材を配設する。装甲車1は、このような位置に三次元複合層部30を有する部材を配設することで、平面方向の損傷を適切に抑制することができる。
また、装甲車1は、水陸両用車であり、部材は、装甲車1の前方に設けられた前方フラップ140Aである。この装甲車1は、前方フラップ140Aが三次元複合層部30を有することで、衝撃を受けた際にも、水上航行を適切に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る装甲車1は、前方フラップ140Aaの構造が第1実施形態とは異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る前方フラップの模式的な斜視図である。図6に示すように、第2実施形態に係る前方フラップ140Aaは、複数の三次元複合層部30と、枠体50とを有する。
図7は、第2実施形態に係る枠体の模式図である。図7に示すように、枠体50は、外枠部52と、X骨部54と、Y骨部56とを有する。外枠部52は、X枠部52A、52AとY枠部52B、52Bとを有する。X枠部52Aは、X方向に沿って延在する柱状の部材であり、2つがY方向に沿って互いに対向している。Y枠部52Bは、Y方向に沿って延在する柱状の部材であり、2つがX方向に沿って互いに対向している。X枠部52AとY枠部52Bとは、端部が互いに接続されており、矩形の四辺を構成している。外枠部52は、X枠部52AとY枠部52Bとの内側の領域が開口している。
X骨部54は、一方の端部が一方のY枠部52Bに接続され、他方の端部が他方のY枠部52Bに接続されている。X骨部54は、一方の端部から他方の端部まで、X枠部52AとY枠部52Bとの内側の領域を、X方向に沿って延在している。図7の例では、X骨部54は、複数がY方向に沿って配列している。Y骨部56は、一方の端部が一方のX枠部52Aに接続され、他方の端部が他方のX枠部52Aに接続されている。Y骨部56は、一方の端部から他方の端部まで、X枠部52AとY枠部52Bとの内側の領域を、Y方向に沿って延在している。図7の例では、Y骨部56は、複数がX方向に沿って配列している。
枠体50は、外枠部52、X骨部54、及びY骨部56同士で囲まれる領域が開口58として開口している。開口58は、Z方向(積層方向)に沿って貫通している。すなわち、枠体50は、積層方向に沿って貫通する複数の開口58を有する。枠体50は、積層体32と接合部35によって構成されている。すなわち、枠体50は、三次元複合層部30に対し縦繊維34が除かれた構造となっている。ただし、枠体50の構造は任意であり、三次元複合層部30と同様の構造であってもよく、また、合金製であってもよい。
複数の三次元複合層部30は、この枠体50の開口58を覆うように、例えばねじ60により、枠体50に取付けられる。複数の三次元複合層部30は、枠体50の表面を、X方向及びY方向に沿って配列しているが、配列の仕方や数は、任意である。なお、複数の三次元複合層部30の枠体50と反対側の表面に、例えばチタン製の板材を配設してもよい。
このように、第2実施形態に係る部材(ここでは前方フラップ140Aa)は、積層方向に沿って貫通する複数の開口58を有する枠体50と、開口58を覆う複数の三次元複合層部30とを有する。この部材は、複数の三次元複合層部30を有するため、複数のうち一部に貫通穴が開口した場合に、この一部だけを取り換えることで、部材を修理することができる。従って、第2実施形態に係る部材を用いると、修理する際のコストを削減することが可能となる。
(実施例1)
次に、実施例1について説明する。実施例1では、第1実施形態の三次元複合層部30に対し、物体を衝突させて、外部損傷領域と内部損傷領域とを測定した。外部損傷領域とは、貫通穴が開口した領域である。内部損傷領域とは、貫通穴は開口していないが損傷が生じた領域である。実施例1の三次元複合層部30は、ピッチD1、D2を3mmとした。また、比較例1及び比較例2に係る部材についても、同様の条件で物体を衝突させ、外部損傷領域と内部損傷領域とを測定した。比較例1の部材は、複数のX繊維38を接合部35で接合した板状部材である。すなわち、比較例1の部材は、繊維が一方向に沿ってのみ延在する板状部材である。また、比較例2の部材は、積層体32を接合部35で接合した板状部材である。すなわち、比較例2の部材は、繊維が二方向に沿って延在する板状部材である。一方、実施例1の三次元複合層部30は、繊維が三方向に沿って延在する板状部材である。
図8は、外部損傷領域と内部損傷領域との測定結果を示す表である。図8に示すように、実施例1の外部損傷領域は、29×30mmであった。すなわち、実施例1の外部損傷領域は、X方向に29mmの長さであり、Y方向に30mmの長さであった。また、実施例1の内部損傷領域は、42×59mmであった。すなわち、実施例1の外部損傷領域は、X方向に42mmの長さであり、Y方向に59mmの長さであった。一方、比較例1の外部損傷領域及び内部損傷領域は、78×133mmであった。そして、比較例2の外部損傷領域は、55×31mmであり、内部損傷領域は、57×64mmであった。実施例1のように三次元複合層部30を用いると、損傷領域の面積が大きくなることを抑制することが分かる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2では、ピッチD1、D2が異なる第1実施形態の三次元複合層部30に対して、貫通穴を開口させ、貫通穴が開口した後の強度(残留強度)を計測した。
図9は、ピッチが異なる三次元複合層部の残留強度を示すグラフである。図9の横軸は、縦繊維34のピッチD1、D2であり、縦軸は、貫通穴が開口した後の残留強度(MPa)である。図9のポイントP1に示すように、ピッチD1及びD2が3mmの場合、残留強度は201MPaであった。また、ポイントP2に示すように、ピッチD1及びD2が6mmの場合、残留強度は107.8MPaであった。また、ポイントP3に示すように、ピッチD1及びD2が9mmの場合、残留強度は84.4MPaであった。線分L1は、このポイントP1からP3の近似線であり、各ピッチ毎の残留強度の推定値を示す。また、線分L2は、アルミニウム合金の、貫通穴の開口する前の無損傷自体での降伏応力を示す。線分L2に示すように、アルミニウム合金の降伏応力は、125MPaである。
図9に示すように、三次元複合層部30は、ピッチD1、D2が5mm以下である場合に、貫通穴が開口したとしても、無損傷のアルミニウム合金以上の強度を保持することができる。従って、三次元複合層部30は、ピッチD1、D2が5mm以下であることが好ましいことが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 装甲車
10 車両本体
11 装甲
11a 前面
14a、14b 表面
14A 前方フラップ部
14B 後方フラップ部
23 スカート
30 三次元複合層部
32 積層体
34 縦繊維
35 接合部
36 繊維層
38 X繊維
39 Y繊維
140A 前方フラップ(部材)
140B 後方フラップ
141A 下部フラップ
142A 上部フラップ

Claims (9)

  1. 装甲を備える水陸両用車である装甲車に取付けられ、前記装甲の外側に設けられる装甲車用の部材であって、
    互いに交差する複数の繊維が平面方向に沿って配列した層である複数の繊維層が、前記平面方向に直交する積層方向に沿って積層される積層体と、
    前記積層方向に沿って、前記複数の繊維層の繊維の間に挿通される縦繊維と、
    を有する三次元複合層部を有し、
    前記部材は、前記装甲車の水上航行を補助するフラップであり、一方の表面から他方の表面にわたって、前記三次元複合層部が形成されている、
    装甲車用の部材。
  2. 前記繊維層は、前記複数の繊維が互いに織り込まれた織物層である、請求項1に記載の装甲車用の部材。
  3. 前記平面方向に沿って隣接する前記縦繊維同士の中心間距離は、1mm以上5mm以下である、請求項1又は請求項2に記載の装甲車用の部材。
  4. 前記縦繊維は、前記繊維層の繊維と同じ材質及び外径である、請求項3に記載の装甲車用の部材。
  5. 前記積層方向に沿って貫通する複数の開口を有する枠体と、
    前記開口を覆う複数の前記三次元複合層部と、を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装甲車用の部材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装甲車用の部材を、前記装甲の外側に配設した装甲車。
  7. 前記装甲車用の部材に接続され、前記装甲車用の部材を前記装甲に対して移動させる可動部を更に有する、請求項6に記載の装甲車。
  8. 前記装甲車用の部材が、前記装甲車が衝撃を受けた場合において前記平面方向の損傷を抑制する必要がある所定位置に配設される、請求項6又は請求項7に記載の装甲車。
  9. 記部材は、前記装甲車の前方に設けられた前方フラップである、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の装甲車。
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