JP6685862B2 - 道路標示シート - Google Patents
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Description
即ち、本発明に係る道路標示シートは、加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、前記熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートはそれぞれ横方向に配置され、該各基材シートの各々の縁同士が当接すると共に、前記各基材シートの下面に付着する前記熱可塑性接着剤が前記各基材シートに架け渡される膜部を形成して前記各基材シートが一体的な状態となされており、一体的な状態となされた一方の前記基材シートの他方の前記基材シートからの抜け落ちが前記熱可塑性接着剤で形成される前記膜部によって抑制されていることを特徴とするものである。
また、加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、前記熱可塑性接着剤はエチレン−酢酸ビニル共重合体が配合されていると共に、該熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートには、エチレン−酢酸ビニル共重合体がそれぞれ配合されており、エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合する前記熱可塑性接着剤の軟化点が、前記各基材シートにそれぞれ配合されるエチレン−酢酸ビニル共重合体の軟化点よりも高い温度であることを特徴とするものである。
また、加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、前記熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートはそれぞれ上下方向に配置され、一方の基材シートの下面と他方の基材シートの上面とが前記熱可塑性接着剤を介して接着されていることを特徴とするものである。
また、前記熱可塑性接着剤が施工時の加熱によって軟化、又は溶融するので、軟化、又は溶融することで生じる前記各基材シートの変形を前記熱可塑性接着剤が阻害せず、道路標示シートの施工性が良好となる。
図面において、1は道路標示シートである。
図1に示す道路標示シート1は、四隅を角丸に設けた矩形シート状に形成しており、上面に「止まれ」の文字を表している。
前記各基材シート2bは基材シート2aの上面に取り付けている。
具体的には、各基材シート2bは、その下面に熱可塑性接着剤3を塗布し、基材シート2aの上面へ接着している。このように各基材シート2bを基材シート2aへ取り付けることで、「止まれ」の標示を表す各基材シート2bが基材シート2a上で位置ずれせず、施工前に各基材シート2bの位置を修正するような余計な手間が生じない。
図1〜3に示す道路標示シートにおいて、前記熱可塑性接着剤3は各基材シート2bの下面の略全面に亘って塗布しているが、各基材シート2bが基材シート2aから容易に分離しない程度の強度で接着できればよく、熱可塑性接着剤3を各基材シート2bの下面の一部のみに塗布させてもよい。
具体的には、前記基材シート2a、2bは、加熱によって軟化、又は溶融し、加熱を停止すると再び固まる結合材を原料として含有している。詳細には、前記基材シート2a、2bは、前記結合材の他に、ワックスや、顔料などの添加剤を原料として含有しており、これらを均一に溶融混合させ、シート状に形成して、前記基材シート2a、2bを設けている。
尚、色調の異なる前記基材シート2aと各基材シート2bとは、異なる顔料をそれぞれ含有させているが、顔料以外の原料は略同一である。
図1〜3に示す道路標示シートでは、熱可塑性接着剤3に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト系接着剤を用いている。
熱可塑性接着剤3を用いて各基材シート2bを基材シート2aへ取り付けることで、加熱する前に各基材シート2bが基材シート2a上で位置ずれするような問題が生じにくく、また、加熱したときには各基材シート2a、2bがそれぞれ軟化、又は溶融し、互いの位置にずれが生じにくい状態となる。即ち、熱可塑性接着剤3を用いて各基材シート2bを基材シート2aへ取り付けることで、基材シート2aと各基材シート2bとの一体的な状態が、施工前から施工が完了するまで維持されるので、施工性が向上する。例えば、道路標示シート1を持ち運びしたり、設置面へ載置させた道路標示シート1の位置を調整する等の場合に、各基材シート2bが基材シート2aの上で位置ずれする等の問題が抑制できる。
このような熱可塑性接着剤3を用いることで、道路標示シート1を施工するために加熱したときに、各基材シート2a、2bが軟化、又は溶融すると共に、熱可塑性接着剤3も軟化、又は溶融するようになされる。このため、路面等の設置面に凸凹が存在する場合、施工のための加熱で軟化、又は溶融した各基材シート2a、2bが前記凸凹に追随して変形するが、熱可塑性接着剤3も軟化、又は溶融するのでこれらの変形を熱可塑性接着剤3が阻害することがなく、道路標示シート1を設置面へ良好に付着させることができる。
各基材シート2a、2bの結合材の軟化点と同一、又は、より低い軟化点の熱可塑性接着剤3を用いても良いが、より軟化点の高い前記熱可塑性接着剤3を利用することで、道路標示シート1を施工するために加熱したときに、各基材シート2a、2bが軟化する前に熱可塑性接着剤3が軟化するような状況が生じにくくなされるので、各基材シート2a、2bが軟化する前にそれぞれ分離してしまうような問題が生じにくく、施工性が向上する。
図4に示す道路標示シート1は、四隅を角丸に設けた矩形シート状に形成しており、上面に「ZONE」の文字と、「30」の数字を表している。
尚、図4に示す道路標示シート1の基材シート2a及び各基材シート2bの材質や軟化点等の性質などは、図1〜3に示す道路標示シート1の基材シート2a及び各基材シート2bと同一である。
前記基材シート2aと、各基材シート2bとは、それぞれ横方向に配置している。
具体的には、前記基材シート2aには、前記各基材シート2bの外形形状に対応する孔部を切り抜いて形成しており、前記各基材シート2bは基材シートに設けた各孔部に嵌め込んで配置させている。
更に、「ZONE」の「O」の文字や、「30」の「0」の数字を構成する基材シート2bにおいては、リング状の各基材シート2bの内側に、対応する外形に切り出した基材シート2aを嵌め込んでいる。
このように各基材シート2a、2bを配置させることで、各基材シート2a、2bの上面が前記道路標示シート1の上面を構成するとともに、各基材シート2a、2bの下面が道路標示シート1の下面を構成するように設けられる。
具体的には、熱可塑性接着剤3は、道路標示シート1の下面を構成する各基材シート2a、2bの下面へ向けてスプレーで吹き付けて塗布しており、各基材シート2bの下面の全面と、各基材シート2bの縁付近の基材シート2aの下面へ向けて吹き付けている。
尚、図4〜7に示す道路標示シート1の熱可塑性接着剤3の材質や軟化点などの性質は、図1〜3に示す道路標示シート1の熱可塑性接着剤3と同一である。
前記道路標示シート1の基材シート2aと各基材シート2bとは、各々の縁同士が当接するように配置させているが、これらの下面へ熱可塑性接着剤3を塗布することで、前記基材シート2aの下面と、各基材シート2bの下面とに架け渡すように膜部31を形成させている。
このように膜部31を形成することで、基材シート2aと、基材シート2aの孔部へ嵌め込んだ各基材シート2bとが一体的な状態となり、道路標示シート1を持ち運びしたり、設置面へ載置させた道路標示シート1の位置を調整する等の場合に、各基材シート2bが基材シート2aから抜け落ちるような問題を抑制できる。
図8に示す道路標示シート1は、その下面に塗布する熱可塑性接着剤3の範囲が、図4〜7に示す道路標示シート1との主な相違点である。
尚、前記基材シート2a、2b、及び熱可塑性接着剤3は、図4〜7に示す道路用標示体1の前記基材シート2a、2b、及び熱可塑性接着剤3と同一である。
例えば、図1〜3に示す道路標示シート1、図4〜7に示す道路標示シート1、及び図8に示す道路標示シート1は、熱可塑性接着剤3の塗布をスプレーによる吹き付けで行っているが、これに限るものではなく、スプレーによる吹き付けや、グルーガンを用いる方法や、はけ塗り、転写、カーテンコートなど、公知の塗布方法を選択又は組み合わせて用いても良い。
例えば、図4〜7や図8に示す道路標示シート1において、施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シート2cを用意し、各基材シート2a、2bの上方に前記基材シート2cを配置させて熱可塑性接着剤3を用いて接着させてもよい。即ち、図1〜3に示す道路標示シート1の基材シート2bと同様に、前記基材シート2cの下面に熱可塑性接着剤3を塗布し、少なくとも前記基材シート2a、2bのいずれかの上面へ貼り付けて設けても良い。
2a、2b 基材シート
3 熱可塑性接着剤
31 膜部
S 隙間
Claims (5)
- 加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、
該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、
該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、
前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、
前記熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートはそれぞれ横方向に配置され、該各基材シートの各々の縁同士が当接すると共に、前記各基材シートの下面に付着する前記熱可塑性接着剤が前記各基材シートに架け渡される膜部を形成して前記各基材シートが一体的な状態となされており、
一体的な状態となされた一方の前記基材シートの他方の前記基材シートからの抜け落ちが前記熱可塑性接着剤で形成される前記膜部によって抑制されていることを特徴とする道路標示シート。 - 前記熱可塑性接着剤はエチレン−酢酸ビニル共重合体が配合されていると共に、
該熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートには、エチレン−酢酸ビニル共重合体がそれぞれ配合されていることを特徴とする請求項1に記載の道路標示シート。 - エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合する前記熱可塑性接着剤の軟化点が、前記各基材シートにそれぞれ配合されるエチレン−酢酸ビニル共重合体の軟化点よりも高い温度であることを特徴とする請求項2に記載の道路標示シート。
- 加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、
該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、
該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、
前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、
前記熱可塑性接着剤はエチレン−酢酸ビニル共重合体が配合されていると共に、
該熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートには、エチレン−酢酸ビニル共重合体がそれぞれ配合されており、
エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合する前記熱可塑性接着剤の軟化点が、前記各基材シートにそれぞれ配合されるエチレン−酢酸ビニル共重合体の軟化点よりも高い温度であることを特徴とする道路標示シート。 - 加熱されて設置面へ付着する道路標示シートであって、
該道路標示シートは施工時の加熱によって軟化、又は溶融する熱可塑性を有する基材シートを複数備えており、
該基材シートの少なくとも1枚は外形形状によって標示を表すように設けられると共に、熱可塑性接着剤によって異なる他の基材シートへ取り付けられ、
前記熱可塑性接着剤は前記施工時の加熱によって軟化、又は溶融するように設けられており、
前記熱可塑性接着剤によって取り付けられている前記各基材シートはそれぞれ上下方向に配置され、一方の基材シートの下面と他方の基材シートの上面とが前記熱可塑性接着剤を介して接着されていることを特徴とする道路標示シート。
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