JP6685550B2 - オートフォーカス装置及びオートフォーカス用プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、コントラスト方式で合焦位置を検出するオートフォーカス装置及びオートフォーカス用プログラムに関する。
従来、オートフォーカス装置は、光学系のレンズ焦点位置を段階的に変化させつつ被写体を撮像し、各段階での被写体の撮影画像に基づいてコントラスト情報等の評価値を取得する。そして、最適な評価値(例えば、最大となる評価値)を得られる段階のレンズ焦点位置を、合焦位置として検出する。オートフォーカス装置は、環境や被写体に応じてより最適な合焦位置を検出するために、様々な改良がなされている。
例えば、特許文献1のオートフォーカスカメラは、被写体までの距離情報に依存して撮影レンズのピント位置を制御する演算制御部を有する。そして、演算制御部は、距離情報および距離以外の背景情報に基づいてピント位置を決定する。
また、特許文献2のオートフォーカス装置は、撮影視野の中央部と全体の2つのAFエリアについてAF評価値を発生するAF評価値発生部を設ける。更に、これらのAFエリアのAF評価値から割り出されるフォーカスレンズの合焦位置がほぼ等しい場合、中央部AFエリアと全体AFエリアのAF評価値の差からフォーカスレンズの合焦位置を割り出すCPUを設ける。
特開2000−321483号公報 特開2004−309722号公報
しかしながら、従来のオートフォーカス装置は、フォーカスのターゲットが小面積であって周囲のコントラストが大きい被写体等の場合には、周囲にフォーカスを合わせたときのコントラスト情報(評価値)が最大となって、フォーカスが周囲に引かれ易いという問題がある。この場合、周囲にピントを合わせた合焦位置で本撮影が行われて、ターゲットがぼけた画像が生成されてしまう。例えば、電子部品等を検査するマシンビジョンシステムでは、電極等の突起状部材を有する電子部品を突起部の先端側から撮影して突起部の位置を判定することがある。このとき、突起部の先端がフォーカスのターゲットとなるが、周囲よりも突出しているため、先端側から見ると、小面積で周囲のコントラストが大きくなっていてフォーカスを合わせ難くなっている。
これに対して、ターゲット近辺のみに関心領域(ROI:Region Of Interest)を設定し、周囲を参照しないように覆うことによって、当然ながらターゲットにピントを合わせた合焦位置で撮影することが可能である。しかしながら、一般的にフォーカスをオートで制御したいような撮影条件においては、画角内でのターゲットの位置は正確には未知であることが多く、撮像するタイミング間でも変動が起こり得る。また、ターゲットは、サイズが小さいほど、位置の変動によって、予め固定した関心領域から外れる確率が高くなる。
また、そのような状況を避けるため、パターンマッチング等によって適応的にターゲット位置を識別して、その位置へ専用の画角や関心領域を追従させて撮影を行う技術も提案されているが、このようなパターンマッチング及び追従処理は、構成や処理が複雑化し、負荷が高くなってしまう。さらには、ターゲットが複数あり、それらの位置関係が未知の場合には、ターゲットに合わせた領域でのコントラスト情報の検出がより困難となる。
更に、例えば、製造装置に用いられるフォーカス機構等は、フォーカスの対象とする被写体の物理条件がある程度限定されている代わりに、検出の精度や速度に対して非常に高い性能が求められる場合がある。しかしながら、上記したような従来のフォーカス装置では、フォーカスのターゲットを小面積に限定した場合に、ターゲットの検出の精度や速度の性能が低下するおそれがある。
本発明は上記した課題を解決すべくなされたものであり、フォーカスのターゲットの数や位置の変動に拘らず、小さい負荷で、適切なオートフォーカスを実現することを目的とするものである。
本発明のオートフォーカス装置は、上記した目的を達成するため、被写体の画像のコントラストに応じて前記被写体に対する焦点制御状態を決定するオートフォーカス装置であって、複数の焦点位置のそれぞれにおいて前記被写体を撮像して得られる複数の画像のそれぞれについて、合焦位置の判定に用いられる評価値を算出する評価値算出部と、前記複数の焦点位置のそれぞれに対して算出された複数の前記評価値に基づいて、合焦位置を判定する合焦位置判定部と、を備え、前記評価値算出部は、前記各画像に含まれる複数の局所領域のそれぞれについて、前記被写体のフォーカスのターゲットを含む大きさの第1領域に対して算出される第1のスコア成分と、前記第1領域の周囲で前記ターゲットの周辺部分の少なくとも一部以上を含む大きさの第2領域に対して算出される第2のスコア成分とを用いて、前記第1のスコア成分に正の重みで寄与し、前記第2のスコア成分に負の重みで寄与するように計算した評価データを生成し、前記各画像内の前記複数の局所領域のそれぞれについて生成された複数の前記評価データに基づいて前記評価値を算出することを特徴とする。
例えば、前記評価値算出部は、前記各画像内の前記各局所領域の画素データに対して、前記正の重みに対応する正の係数を前記第1領域に与えると共に前記負の重みに対応する負の係数を前記第2領域に与える空間的加重フィルタを用いた畳み込み演算を行い、前記畳み込み演算の結果に基づいて前記評価データを生成するとよい。
また、前記評価値算出部は、前記各画像内の前記各局所領域の画素データに対して所定のバンドパス特性を持つ空間的周波数フィルタを用いた周波数フィルタ処理を行い、前記周波数フィルタ処理後のデータに基づいて振幅成分の大小を表す値へ換算する換算処理を行い、前記換算処理の結果に基づいて前記第1のスコア成分及び前記第2のスコア成分を算出するとよい。あるいは、前記評価値算出部は、前記加重フィルタと前記周波数フィルタとを予め結合させた結合空間フィルタを用いて前記畳み込み演算を行ってもよい。
更に、例えば、前記評価値算出部は、前記各画像内の画素データとして、各画素位置に結像される前記被写体の輝度に線形又は非線形な関係を持つ階調に相当する情報を用いて、前記階調が前記各画像内の前記複数の局所領域毎に分布したコントラストに相当する指標を算出する。
なお、前記評価値算出部は、前記各画像について、前記複数の評価データの中から最大値を前記評価値とするとよく、前記合焦位置判定部は、前記複数の焦点位置のそれぞれに対する前記複数の評価値の中から最大値が得られる焦点位置を合焦位置として判定するとよい。
これらのような構成によれば、オートフォーカス装置は、フォーカスのターゲットとこのターゲットの周辺部分とで合焦する焦点位置が異なる被写体の場合でも、ターゲットにピントを合わせた合焦位置を検出することができる。そのため、例えば、電極等の突起状部材を有する電子部品のように、周辺部分よりも小面積のターゲットを有する被写体を突起部の先端側から本撮影する場合でも、突起部の先端にピントを合わせた合焦位置を検出することができる。あるいは、凹部を有する部品を凹みの正面から本撮影する場合でも、凹部の深部にピントを合わせた合焦位置を検出することができる。また、オートフォーカス装置は、撮影するタイミングに応じてターゲットの位置が変動する場合でも、複雑な処理や構成を備えることなく、迅速且つ確実にターゲットの合焦位置を検出することができる。そのため、このオートフォーカス装置をマシンビジョンシステム等に採用する場合には、撮影及び検査の処理速度の向上や、処理負担の軽減、更には、設備コストの抑制を実現することができる。
更に、前記評価値算出部は、前記周波数フィルタ処理後のデータに対して画素サイズ縮小処理を行い、前記縮小処理後のデータに基づいて前記第1のスコア成分及び前記第2のスコア成分を算出するとよい。
このような構成によれば、オートフォーカス装置は、オートフォーカス動作における処理速度を向上すると共に、処理負担を軽減することが可能となる。
更に、前記評価値算出部は、前記第1領域と前記第2領域との間に、重みが0である不感帯としての第3領域を持つ前記加重フィルタを用いてもよい。
このような構成によれば、例えば、撮影側から見て突起部のターゲットの先端が微小面積を有し、先端から基端にかけて面積が増加している被写体を撮影する場合や、撮影側から見て凹部のターゲットの深部が微小面積を有し、深部から凹部縁側にかけて面積が増加している被写体を撮影する場合でも、ターゲットの先端や深部以外での合焦を回避して、確実にターゲットの合焦位置を検出することができる。
更に、オートフォーカス装置は、前記焦点位置に対して適正な分布範囲または極性の情報を取得する適正分布取得部を備え、前記合焦位置判定部は、前記複数の焦点位置に対する前記複数の評価値の中から局所的ピーク位置を1つ以上算出し、前記適正分布に最も適する前記局所的ピーク位置が得られた前記焦点位置を合焦位置として判定してもよい。
このような構成によれば、被写体において焦点位置の異なる2つ以上の突起部や凹部が存在する場合でも、最適なターゲットを選択してフォーカスを合わせることが可能となる。
更に、オートフォーカス装置は、前記第1領域の大きさ及び前記第2領域の大きさの少なくとも一方を変更することができる領域設定部を備えてもよいし、前記第1のスコア成分に寄与させる前記正の重み及び前記第2のスコア成分に寄与させる前記負の重みの少なくとも一方を変更することができる寄与率設定部を備えてもよい。
これらのような構成によれば、オートフォーカス装置は、被写体においてピントを合わせるべきターゲットについて、被写体(例えば、マシンビジョンシステム等での検査製品)毎に、詳細な設定を行うことが可能となる。
また、本発明のオートフォーカス用プログラムは、上記の何れかのオートフォーカス装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、上記のオートフォーカス装置に備わる評価値算出部及び合焦位置判定部や、適正分布取得部、領域設定部及び寄与率設定部と同様の機能の各処理ステップを有して構成される。
本発明によれば、フォーカスのターゲットの数や位置の変動に拘らず、小さい負荷で、適切なオートフォーカスを実現することができる。
本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムを示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の撮影画像の例を示す概要図である。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置におけるオートフォーカス動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係るオートフォーカス装置の加重フィルタ生成部で生成される加重フィルタの例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の画像データの例を示す概要図である。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の画像データの一部の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の画像データに基づく空間フィルタリング処理後のデータの一部の例を示すグラフである。 オートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の画像データに基づく振幅成分への換算処理後のデータの一部の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システムで撮影した被写体の画像データに基づく重み付け処理後のデータの一部の例を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明のオートフォーカス装置は、独立した装置でもよいが、カメラ、スマートフォン、タブレット端末等のように撮像部を備えていて撮像制御や画像処理が可能な様々な機器の一部として備わるオートフォーカス装置でもよく、マシンビジョンシステム等の撮像システムにおいて撮像部に接続されていて撮像制御や画像処理が可能な管理装置等の様々な機器の一部として備わるオートフォーカス装置でもよい。即ち、本発明のオートフォーカス装置は、撮像画像に基づくオートフォーカス機能を有する様々な装置やコンピュータの一部として備わるものであればよい。同様にして、本発明のオートフォーカス用プログラムも、撮像画像に基づくオートフォーカス機能を有する様々な装置やコンピュータの一部として備わるものであればよい。本実施形態では、本発明に係るオートフォーカス装置を備えた撮像システム1について説明する。
図1に示すように、撮像システム1は、光学系10と、光学系駆動部11と、撮像部12と、撮像駆動部13と、A/D変換部14と、画像処理部15と、領域設定部16と、加重フィルタ生成部17と、評価値算出部18と、合焦位置判定部19とを備える。また、撮像システム1は、CPU等からなる制御部30と、ROMやRAM等からなる記憶部31と、画像データを記録する記録媒体32と、操作部33と、表示部34とを備える。図1では、撮像システム1の各部間でやり取りされる被写体像や画像データ等を点線で示し、制御信号や駆動信号等を実線で示す。
撮像システム1は、例えば、光学系10、光学系駆動部11、撮像部12、撮像駆動部13及びA/D変換部14からなるカメラ(撮像装置)と、他の各部を含むパーソナルコンピュータ(管理装置)とを通信可能に接続して構成される。あるいは、撮像システム1は、各部を1つのカメラに備えて構成されてもよい。撮像システム1のオートフォーカス装置は、少なくとも、領域設定部16、加重フィルタ生成部17、評価値算出部18及び合焦位置判定部19を備えて構成され、入力画像データに基づいて光学系10の光学駆動部12を制御する。
撮像システム1は、バス30aを介して各部に接続された制御部30が各部を制御することで動作するように構成される。記憶部31は、例えば、撮影制御、オートフォーカス制御、画像処理制御等に必要なプログラムやデータ、その他の撮像システム1の機能を制御するためのプログラムやデータを記憶している。そして、制御部30は、記憶部31に記憶された各プロクラム等に従って演算処理を実行して、制御部30に接続された各部を制御する。
例えば、画像処理部15は、記憶部31に記憶されて制御部30に実行されるプログラム(即ち、画像処理プログラム)で構成されてよい。また、領域設定部16、加重フィルタ生成部17、評価値算出部18及び合焦位置判定部19、並びに後述する寄与率設定部20及び適正分布取得部21は、記憶部31に記憶されて制御部30に実行されるプログラム(即ち、撮像システム1やカメラに適用されるオートフォーカス用プログラム)で構成されてよい。この場合、領域設定部16、加重フィルタ生成部17、評価値算出部18及び合焦位置判定部19、並びに後述する寄与率設定部20及び適正分布取得部21は、オートフォーカス用プログラムの各処理ステップとして動作する。例えば、オートフォーカス用プログラムは、撮像システム1やカメラの撮影モードが被写体の突出した先端や凹部の深部にピントを合わせるピンフォーカスモード等に選択された場合に動作するように組み込まれる。
光学系10は、被写体像を取り込んで撮像部12に入射する光入射機構である。光学系10は、図示しないが、ズームレンズ、フォーカスレンズ、シャッタ機構や絞り機構を、所定の光軸上に配置して備える。光学系10は、光学系駆動部11からの駆動信号に応じてフォーカスレンズが光軸方向に変位するように構成される。
光学系駆動部11は、制御部30からの制御信号に基づいて、光学系10のフォーカスレンズの位置を変動させる駆動信号を光学系10へと出力する。例えば、光学系駆動部11は、コントラスト方式(山登り方式)のオートフォーカス動作時には、フォーカスレンズの位置(焦点位置)を段階的に変動させる駆動信号を順次出力する。また、光学系駆動部11は、オートフォーカス動作等で合焦位置(合焦するレンズ位置)が決定した場合には、決定したレンズ位置にフォーカスレンズを変動させる駆動信号を出力する。
撮像部12は、図示しないが、撮影画像の1画面を形成する撮像面及び水平転送路を備え、撮像面が、各画素に対応する複数の感光部及び複数の垂直転送路を備える。各感光部は、入射光を受光した際に、光を受光光量に応じた電気信号に光電変換する光センサである。例えば、撮像部12は、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)や金属酸化膜型半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)等のイメージセンサで構成される。撮像部12は、光学系10を介してその撮像面に結像される被写体像を、撮像駆動部13からの駆動信号に基づいて光電変換し、これにより得られた各画素の信号電荷をアナログ電気信号の撮像画像に変換してA/D変換部14へと出力する。
撮像駆動部13は、制御部30からの制御信号に基づいて撮像部12を駆動する。例えば、撮像駆動部13は、各感光部から電荷を読み出すための電荷読出パルス、水平転送路や垂直転送路での電荷の転送を行うための転送パルス等の駆動信号を撮像部12へと出力する。
A/D変換部14は、撮像部12で生成されたアナログ電気信号の撮像画像を、ディジタル画像信号の撮像画像へと変換する。
画像処理部15は、A/D変換部14で得られたディジタル画像信号の撮像画像に画像処理を施す。例えば、画像処理部15は、記録媒体32等で記録可能なフォーマットの画像データを生成して、記録媒体32に記録する。また、画像処理部15は、表示部34等で表示可能なフォーマットの画像データを生成して、表示部34に表示させる。更に、画像処理部15は、オートフォーカス動作時には、光学系10のフォーカスレンズを各段階に変動させる度に画像データを生成し、即ち、複数の焦点位置のそれぞれの画像データを生成する。
領域設定部16は、被写体40を撮影する際のフォーカスのターゲット41に相当する領域を設定する機能を有する(図2参照)。領域設定部16は、図2に示すように、被写体40の画像データの全画像領域43の中で、ターゲット41を含む大きさの主対象範囲44と、主対象範囲44の周囲でターゲット41の周辺部分42を少なくとも一部以上含む大きさの周辺範囲45とを設定する。領域設定部16は、被写体40の画像データとして予め定めた基準データに基づいて、あるいは、複数の被写体40が撮影される際に最初に撮影した画像データに基づいて、主対象範囲44や周辺範囲45を設定してもよい。領域設定部16は、主対象範囲44及び周辺範囲45を、基準データに基づいて自動的に設定してもよいが、操作部33を介したユーザーの手動操作に応じて設定してもよい。例えば、領域設定部16は、ユーザーの手動操作のために、画像データの全画像領域43を表示部34に表示し、全画像領域43上の範囲選択を操作部33を介して受け付け、選択された範囲を主対象範囲44や周辺範囲45として設定する。このように、領域設定部16は、主対象範囲44及び周辺範囲45の大きさの少なくとも一方を変更可能に構成され、これにより、下記の局所領域の第1領域46の大きさ及び第2領域47の大きさの少なくとも一方を変更可能となっている。
ターゲット41は、全画像領域43の中の一部であり、例えば、周辺部分42よりも小面積である。主対象範囲44は、ターゲット41が既知である前提で、ターゲット41を含む画像サイズ(主対象サイズ)であり、例えば、8×8画素以上の矩形で設定される。周辺範囲45は、ターゲット41の合焦時にぼけているターゲット41の周辺部分42(背景)を包含する領域のサイズ(周辺サイズ)であり、ターゲット41の周囲に対称的に位置するような矩形で設定される。なお、周辺範囲45は、画像データの全画像領域43に複数のターゲット41がある場合には、主対象範囲44に対応するターゲット41に隣接する他のターゲットを含まないように設定される。被写体が複数のターゲット41を含む場合でも、周辺範囲45が隣接する他のターゲットを含まずに設定されることにより、確実にターゲット41の合焦位置を検出できるようになる。
加重フィルタ生成部17は、領域設定部16で設定された主対象範囲44及び周辺範囲45に対応する空間的加重フィルタ(カーネル)を生成する。加重フィルタ生成部17は、加重フィルタにおいて、主対象範囲44に相当する領域には主対象重み係数として正の値(正の重みに対応する正の係数)を設定し、周辺範囲45に相当する領域には周辺重み係数として負の値(負の重みに対応する負の係数)を設定する。なお、主対象範囲44や周辺範囲45に設定される重み係数は、加重フィルタ生成部17が自動的に設定してもよいが、操作部33を介したユーザーの手動操作によって調整可能としてよい。例えば、撮像システム1が、主対象範囲44に対して設定された主対象重み係数、及び周辺範囲45に対して設定された周辺重み係数の少なくとも一方を変更することができる寄与率設定部20を備えてもよい。寄与率設定部20は、例えば、主対象重み係数や周辺重み係数を設定するための寄与率設定画面を表示部34に表示して、主対象重み係数や周辺重み係数のユーザーによる設定入力を寄与率設定画面上で操作部33を介して受け付けるとよい。
主対象重み係数は、オートフォーカス動作時に焦点のみが異なる画像間の相対比較を行う際に、ターゲット41に合焦した画像のコントラストを明瞭にするための重み係数であり、絶対値は必ずしも限定しないが、ここでは、主対象範囲44のサンプリング点の合計が1.0となるように正規化した値とする。周辺重み係数は、ターゲット41の周辺部分42に合焦した画像のコントラストを抑制するための重み係数であり、即ち、周辺範囲45は、画像データのコントラストから得られるスコア(評価値)にペナルティを与える領域である。周辺重み係数は、負の値であれば必ずしも限定せずにペナルティ効果を考慮して選択すればよいが、ここではサイズによって適用後のレベルが変動しないような値に設定するため、例えば、周辺範囲45のサンプリング点合計が−2.0となるように正規化する。
上記の加重フィルタは、各焦点位置の画像データ(全画像領域43)において画素位置の異なる複数の局所領域のデータ(以下、単に局所領域と称する)のそれぞれに対する畳み込み演算に用いられる。局所領域は、主対象範囲44及び周辺範囲45を含む大きさであり、即ち、主対象範囲44に対応する第1領域46と周辺範囲45に対応する第2領域47とを含む。例えば、全画像領域43に亘って画素位置毎にスキャンすることで複数の局所領域が得られる。この畳み込み演算の結果に基づいて、各局所領域の評価データが算出される。各局所領域の評価データは、詳細は後述するが、鮮鋭度と相関が高いスコア成分(鮮鋭度の指標となるスコア成分)に基づいて算出される。加重フィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、第1領域46の第1のスコア成分を算出するときには第1のスコア成分に正の重みが寄与することになり、また、第2領域47の第2のスコア成分を算出するときには第2のスコア成分に負の重みが寄与することになる。
評価値算出部18は、オートフォーカス動作時に撮像された各焦点位置の画像データに基づいて、最適な合焦位置を評価するための評価値を算出する。即ち、評価値算出部18は、各焦点位置での評価値を算出する。オートフォーカス動作時の評価値の算出について、図3のフローチャートを参照して説明する。
オートフォーカス動作時を開始する前に、上記の加重フィルタ生成部17によって加重フィルタを生成しておく(ステップS1)。加重フィルタ生成部17は、2次元の主対象範囲44及び周辺範囲45に対応する加重フィルタを生成するが、理解を容易にするため、1次元(左右方向)の加重フィルタを図4のグラフに示す。図4において、縦軸は重み係数のレベルを定めるフィルタ係数Fを示し、横軸は左右方向の画素位置座標iを示していて、横軸の原点は主対象範囲44の中心を示す。図4に示すように、加重フィルタは、主対象範囲44に主対象重み係数を設定すると共に、周辺範囲45に周辺重み係数を設定して構成される。
評価値算出部18は、例えば、図5に示すような全画像領域43を構成する2次元の画像データを入力するが(ステップS2)、理解を容易にするため、線Bに沿った1次元(左右方向)の画像データを図6のグラフに示す。図5において、ターゲット41は被写体40から撮影側(カメラ側)に突出している。図6(a)はターゲット41の周辺部分42に合焦した状態(周辺合焦状態)のデータを示し、図6(b)はターゲット41に合焦した状態(ターゲット合焦状態)のデータを示す。以下、図7、図8及び図9でも、理解を容易にするため、図6と同様にして1次元(左右方向)のデータを示す。
評価値算出部18は、各焦点位置の画像データの評価値を算出するために、画像データに含まれる複数の局所領域のそれぞれについて評価データを生成し、これらの複数の評価データに基づいて各焦点位置の評価値を算出する。評価データの生成及び評価値の算出の詳細は後述する。なお、この局所領域には、主対象範囲44に対応する同じ大きさの第1領域46と、周辺範囲45に対応する同じ大きさの第2領域47との少なくとも2つの領域が含まれる。評価値算出部18は、各焦点位置の画像データとして、例えば、各画素位置に結像される被写体40の輝度に線形又は非線形な関係を有する階調に相当する情報を用いて、この階調が全画像領域43内の複数の局所領域毎に分布したコントラストに相当する指標を算出して、その算出結果の画素データを用いる。ここで用いられる画素データは、例えば、輝度に線形に比例するモノクロ信号(グレースケール)でよい。あるいは、三原色RGBからなる画像データから抽出したG成分のみのデータや、ガンマ特性等の被線形に符号化されたデータを用いてもよい。
評価値算出部18は、評価データ生成のために、先ず、各画像データの各局所領域の画素データに対して所定のバンドパス特性を有する空間的周波数フィルタを用いて周波数フィルタ処理を行い(ステップS3)、エッジ部を中心に局所的な明暗の相対変化のみをデータとして算出する。そして、周波数フィルタ処理後のデータに基づいて、複数の局所領域のそれぞれについて、鮮鋭度と相関が高いスコア成分(鮮鋭度の指標となるスコア成分)を算出する。例えば、各局所領域のデータを、振幅成分でコントラストの大小を表す数値に換算する換算処理を行う。これにより、各局所領域の第1領域46に対する第1のスコア成分と第2領域47に対する第2のスコア成分とが算出される。
このような空間フィルタリング処理では、例えば、ローカットフィルタによって、鮮鋭度と相関の低い明暗差を除き、ハイカットフィルタによって、フォーカス判定に関連の低いノイズ成分の影響を抑える。あるいは、この空間フィルタリング処理では、図6に示すデータに対して、最小限の簡易な処理として平均を除いて振幅のみを抽出する計算を行うことによって、図7に示すデータが得られる。なお、周波数フィルタ処理は、画像データから局所的なコントラストを検出するための手法の一つであり、局所的なコントラストを検出することができれば、周波数フィルタ処理以外の手法を適用してもよい。
ここで一般的には、振幅成分でコントラストの大小を表す数値に換算するために、例えば、二乗平均や最大値と最小値との差等によって算出することができる。また、図8のように絶対値したデータの平均を用いる処理は、各値をY(iは、データ数n以下の整数)、各値の平均値をYmeanとすると、次の数式(1)によって行うことができる。
Figure 0006685550
しかしながら、このように単純に平均化したデータでは、図8(a)の周辺合焦状態は、図8(b)のターゲット合焦状態に比べて、全体的に絶対値が高いため、このままでは、図8(a)の周辺合焦状態の方がコントラストが高いと判断されてしまうことがある。
従って、評価値算出部18は、コントラストを表す数値への換算処理の前に、追加的に加重フィルタ処理を行う(ステップS5)。ここでは、周波数フィルタ後の振幅成分Aに対して(例えば、上記のように絶対値化されたレベル|Y−Ymean|に対して)、上記の加重フィルタを適用する畳み込み演算を行い、次の数式(2)で表すことができる。
Figure 0006685550
このとき、同一の局所領域において、加重フィルタの主対象範囲44に対して第1領域46内にターゲット41に相当するデータ(ターゲットデータ)があると共に周辺範囲45に対して第2領域47内に周辺部分42に相当するデータ(周辺部データ)がある場合には、畳み込み演算によって全体的にデータのレベルが下げられるがターゲットデータのピークは維持される(図9(b)参照)。一方、同一の局所領域において、加重フィルタの主対象範囲44に対して第1領域46内にターゲット41に相当するデータ(ターゲットデータ)がない場合には、畳み込み演算によって全体的にデータのレベルが下げられ、即ち、ターゲット41の周辺部分42に合焦した画像に対する全体的なレベルは抑制される(図9(a)参照)。
従って、このような畳み込み演算後のデータに対して上記の換算処理を行うと(ステップS6)、各局所領域の第1領域46に対して算出される第1のスコア成分に対しては、加重フィルタの主対象範囲44に設定された主対象重み係数が寄与していて、各局所領域の第2領域47に対して算出される第2のスコア成分に対しては、加重フィルタの周辺範囲45に設定された周辺重み係数が寄与するように計算(統合)した評価データが得られる。
そして、評価値算出部18は、上記の畳み込み演算を利用して生成された複数の局所領域の評価データに基づいて、注目する一定範囲から合焦位置を判定する指標となる1つの評価値を算出するための統計処理を行う(ステップS7)。例えば、評価値算出部18は、各画像データの全画像領域に亘る複数の評価データの中から最大値を取得して評価値とする。このとき、図9(b)に示すようなターゲット合焦状態の評価データは、ターゲット41に相当する位置でピークを有するため、図9(a)に示すような周辺合焦状態の評価データに比べて、高い評価値が得られる。
なお、評価値算出部18は、図9(b)に示すような統計処理前の段階において、ターゲット41に合焦した場合の評価値の最大値が損なわれない解像度を維持できるなら、空間フィルタリング処理(ステップS3)の後に画像データの縮小処理(画素サイズ縮小処理)を行うことによって、その後の演算量を減らしてもよい(ステップS4)。
合焦位置判定部19は、異なる複数の各焦点位置において評価値算出部18で算出された評価値を分析し、最大の評価値が得られた焦点位置を、合焦位置として検出する(ステップS8)。例えば、各焦点位置の評価データの内、図9(b)のターゲット合焦状態の評価データがターゲット41に相当する位置でピークを有して最大の評価値が得られる場合には、このターゲット合焦状態の画像データを得たときの焦点位置(ターゲット41にピントを合わせた焦点位置)が、合焦位置として検出される。
なお、本実施形態では、周波数フィルタを用いた空間フィルタリング処理と、加重フィルタを用いた追加的なフィルタリング処理とを、別個に行う例を説明したが、本発明は、この例に限定されない。例えば、他の実施形態では、周波数フィルタと加重フィルタとを予め結合させた結合空間フィルタを用いて、畳み込み演算を空間フィルタリング処理と共に行ってもよい。
また、本実施形態では、加重フィルタを用いた畳み込み演算によって、第1領域46の第1のスコア成分に対して正の値の主対象重み係数を寄与させると共に、第2領域47の第2のスコア成分に対して負の値の周辺重み係数を寄与させる例を説明したが、本発明は、この例に限定されない。例えば、第1領域46の第1のスコア成分に対して正の値の主対象重み係数を寄与させるフィルタと、第2領域47の第2のスコア成分に対して負の値の周辺重み係数を寄与させるフィルタとを別個に備えて、各フィルタ処理結果を加算することで、各局所領域の評価データを算出してもよい。あるいは、第1領域46の第1のスコア成分に対して正の値の主対象重み係数を寄与させ、また、第2領域47の第2のスコア成分に対して負の値の周辺重み係数を寄与させることができれば、加重フィルタ等のフィルタを用いた畳み込み演算以外の手法を適用してもよい。
上述のように、本実施形態によれば、撮像システム1のオートフォーカス装置は、被写体40の画像のコントラストに応じて被写体40に対する焦点制御状態を決定する装置である。このオートフォーカス装置は、評価値算出部18と、合焦位置判定部19とを備える。評価値算出部18は、複数の焦点位置のそれぞれにおいて被写体40を撮像して得られる複数の画像データのそれぞれについて、合焦位置の判定に用いられる評価値を算出する。合焦位置判定部19は、複数の焦点位置のそれぞれに対して算出された複数の評価値に基づいて合焦位置を判定する。また、評価値算出部18は、各画像データに含まれる複数の局所領域のそれぞれについて、被写体40のフォーカスのターゲット41を含む大きさの第1領域46に対して算出される第1のスコア成分と、第1領域46の周囲でターゲット41の周辺部分42を少なくとも一部以上含む大きさの第2領域47に対して算出される第2のスコア成分とを用いて、第1のスコア成分に正の重みで寄与し、第2のスコア成分に負の重みで寄与するように計算した評価データを生成し、各画像データ内の複数の局所領域のそれぞれについて生成された複数の評価データに基づいて評価値を算出する。
例えば、評価値算出部18は、各画像データ内の各局所領域の画素データに対して、正の重みに対応する正の係数を第1領域46に与えると共に負の重みに対応する負の係数を第2領域47に与える空間的加重フィルタを用いた畳み込み演算を行い、畳み込み演算の結果に基づいて評価データを生成するとよい。
また、例えば、評価値算出部18は、各画像データ内の各局所領域の画素データに対して所定のバンドパス特性を持つ空間的周波数フィルタを用いた周波数フィルタ処理を行い、周波数フィルタ処理後のデータに基づいて振幅成分の大小を表す値へ換算する換算処理を行い、換算処理の結果に基づいて第1のスコア成分及び第2のスコア成分を算出するとよい。あるいは、評価値算出部18は、加重フィルタと周波数フィルタとを予め結合させた結合空間フィルタを用いて畳み込み演算を行ってもよい。
更に、例えば、評価値算出部18は、各画像データ内の画素データとして、各画素位置に結像される被写体40の輝度に線形又は非線形な関係を持つ階調に相当する情報を用いて、階調が各画像データ内の複数の局所領域毎に分布したコントラストに相当する指標を算出する。
なお、評価値算出部18は、例えば、各画像データについて、複数の評価データの中から最大値を評価値とするとよく、合焦位置判定部19は、複数の焦点位置のそれぞれに対する複数の評価値の中から最大値が得られる焦点位置を合焦位置として判定するとよい。
これらのような構成により、オートフォーカス装置は、フォーカスのターゲット41とこのターゲット41の周辺部分42とで合焦する焦点位置が異なる被写体の場合でも、ターゲット41にピントを合わせた合焦位置を検出することができる。そのため、例えば、電極等の突起状部材を有する電子部品のように、周辺部分42よりも小面積のターゲット41を有する被写体を突起部の先端側から本撮影する場合でも、突起部の先端にピントを合わせた合焦位置を検出することができる。あるいは、凹部を有する部品を凹みの正面から本撮影する場合でも、凹部の深部にピントを合わせた合焦位置を検出することができる。また、オートフォーカス装置は、撮影するタイミングに応じてターゲット41の位置が変動する場合でも、複雑な処理や構成を備えることなく、迅速且つ確実にターゲット41の合焦位置を検出することができる。そのため、このオートフォーカス装置をマシンビジョンシステム等に採用する場合には、撮影及び検査の処理速度の向上や、処理負担の軽減、更には、設備コストの抑制を実現することができる。
また、本実施形態によれば、評価値算出部18は、周波数フィルタ処理後のデータに対して画素サイズ縮小処理を行い、縮小処理後のデータに基づいて第1のスコア成分及び第2のスコア成分を算出してもよい。
これにより、オートフォーカス装置は、オートフォーカス動作における処理速度を向上すると共に、処理負担を軽減することが可能となる。
また、本実施形態によれば、撮像システム1のオートフォーカス装置は、第1領域46の大きさ及び第2領域47の大きさの少なくとも一方を変更することができる領域設定部16を備えてもよいし、第1のスコア成分に寄与させる正の値の主対象重み係数(正の重み)及び第2のスコア成分に寄与させる負の値の周辺重み係数(負の重み)の少なくとも一方を変更することができる寄与率設定部20を備えてもよい。
これらにより、オートフォーカス装置は、被写体40においてピントを合わせるべきターゲット41について、被写体40(例えば、マシンビジョンシステム等での検査製品)毎に、詳細な設定を行うことが可能となる。
本実施形態では、加重フィルタ生成部17が主対象範囲44の周囲の周辺範囲45に対して負の重み係数を均一に設定して加重フィルタを生成する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。他の実施形態では、加重フィルタ生成部17は、各画像データの各局所領域において第1領域46と第2領域47との間に、重みが0である不感帯としての第3領域を持つように、正の値の主対象重み係数が設定される主対象範囲44と、負の値の周辺重み係数が設定される周辺範囲45との間に、0の重み係数が設定される不感帯範囲を有して加重フィルタを生成してもよい。このような他の実施形態によれば、例えば、撮影側から見て突起部のターゲット41の先端が微小面積を有し、先端から基端にかけて面積が増加している被写体40を撮影する場合や、撮影側から見て凹部のターゲット41の深部が微小面積を有し、深部から凹部縁側にかけて面積が増加している被写体40を撮影する場合でも、ターゲット41の先端や深部以外での合焦を回避して、確実にターゲット41の合焦位置を検出することができる。あるいは、加重フィルタ生成部17は、周辺範囲45を内側(ターゲット41に近い側)から外側(ターゲット41より遠い側)にかけて多段階領域に分割し、より外側の段階領域に対して、より少ない負の重み係数を設定して加重フィルタを生成してもよい。
また、本実施形態では、合焦位置判定部19が、複数の焦点位置のそれぞれに対する複数の評価値の中から最大値が得られる焦点位置を合焦位置として判定する例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、合焦位置判定部19は、複数の焦点位置に対する複数の評価値の中から局所的ピーク位置を1つ以上算出し、所定の適正分布に最も適する局所的ピーク位置が得られた焦点位置を合焦位置として判定してもよい。この場合、撮像システム1は、ターゲット41の合焦位置に対して適正な分布範囲又は極性の情報を示す所定の適正分布を取得するために適正分布取得部21を備えて構成されるとよい。適正な分布範囲や極性の情報は、複数の焦点位置に亘って見られる1つ以上の局所的ピーク位置の内、最適なものを評価するための情報である。例えば、「分布範囲」は、複数の焦点位置の中で、近距離側や遠距離側等の予め想定できる範囲である。これにより、被写体40において焦点位置の異なる2つ以上の突起部や凹部が存在する場合でも、最適なターゲット41を選択してフォーカスを合わせることが可能となる。
なお、本実施形態では、領域設定部16が、ターゲット41を含む大きさの主対象範囲44と、主対象範囲44の周囲の周辺範囲45とを設定する構成を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、領域設定部16は、ターゲット41を含む大きさの主対象範囲44の他に、ターゲット41の周辺部分42を少なくとも一部以上含む複数の領域を設定してもよい。また、領域設定部16は、主対象範囲44や周辺範囲45の形状として、矩形に限定されず、ターゲット41やその周辺部分42に対応する領域であれば、他の形状を設定することもできる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うオートフォーカス装置やオートフォーカス用プログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 撮像システム
10 光学系
11 光学系駆動部
12 撮像部
13 撮像駆動部
14 A/D変換部
15 画像処理部
16 領域設定部
17 加重フィルタ生成部
18 評価値算出部
19 合焦位置判定部
20 寄与率設定部
21 適正分布取得部
30 制御部
31 記憶部
32 記録媒体
33 操作部
34 表示部
40 被写体
41 ターゲット
42 周辺部分
43 全画像領域
44 主対象範囲
45 周辺範囲
46 第1領域
47 第2領域

Claims (13)

  1. 被写体の画像のコントラストに応じて前記被写体に対する焦点制御状態を決定するオートフォーカス装置であって、
    複数の焦点位置のそれぞれにおいて前記被写体を撮像して得られる複数の画像のそれぞれについて、合焦位置の判定に用いられる評価値を算出する評価値算出部と、
    前記複数の焦点位置のそれぞれに対して算出された複数の前記評価値に基づいて、合焦位置を判定する合焦位置判定部と、を備え、
    前記評価値算出部は、前記各画像に含まれる複数の局所領域のそれぞれについて、前記被写体のフォーカスのターゲットを含む大きさの第1領域に対して算出される第1のスコア成分と、前記第1領域の周囲で前記ターゲットの周辺部分を少なくとも一部以上含む大きさの第2領域に対して算出される第2のスコア成分とを用いて、前記第1のスコア成分に正の重みで寄与し、前記第2のスコア成分に負の重みで寄与するように計算した評価データを生成し、前記各画像内の前記複数の局所領域のそれぞれについて生成された複数の前記評価データに基づいて前記評価値を算出することを特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 前記評価値算出部は、前記各画像内の前記各局所領域の画素データに対して、前記正の重みに対応する正の係数を前記第1領域に与えると共に前記負の重みに対応する負の係数を前記第2領域に与える空間的加重フィルタを用いた畳み込み演算を行い、前記畳み込み演算の結果に基づいて前記評価データを生成することを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカス装置。
  3. 前記評価値算出部は、前記各画像内の前記各局所領域の画素データに対して所定のバンドパス特性を持つ空間的周波数フィルタを用いた周波数フィルタ処理を行い、前記周波数フィルタ処理後のデータに基づいて振幅成分の大小を表す値へ換算する換算処理を行い、前記換算処理の結果に基づいて前記第1のスコア成分及び前記第2のスコア成分を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のオートフォーカス装置。
  4. 前記評価値算出部は、前記加重フィルタと前記周波数フィルタとを予め結合させた結合空間フィルタを用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項3に記載のオートフォーカス装置。
  5. 前記評価値算出部は、前記各画像内の画素データとして、各画素位置に結像される前記被写体の輝度に線形又は非線形な関係を持つ階調に相当する情報を用いて、前記階調が前記各画像内の前記複数の局所領域毎に分布したコントラストに相当する指標を算出することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  6. 前記評価値算出部は、前記周波数フィルタ処理後のデータに対して画素サイズ縮小処理を行い、前記縮小処理後のデータに基づいて前記第1のスコア成分及び前記第2のスコア成分を算出することを特徴とする請求項3に記載のオートフォーカス装置。
  7. 前記評価値算出部は、前記第1領域と前記第2領域との間に、重みが0である不感帯としての第3領域を持つ前記加重フィルタを用いることを特徴とする請求項2に記載のオートフォーカス装置。
  8. 前記評価値算出部は、前記各画像について、前記複数の評価データの中から最大値を前記評価値とすることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  9. 前記合焦位置判定部は、前記複数の焦点位置のそれぞれに対する前記複数の評価値の中から最大値が得られる焦点位置を合焦位置として判定することを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  10. 前記焦点位置に対して適正な分布範囲または極性の情報を取得する適正分布取得部を備え、
    前記合焦位置判定部は、前記複数の焦点位置に対する前記複数の評価値の中から局所的ピーク位置を1つ以上算出し、前記適正分布に最も適する前記局所的ピーク位置が得られた前記焦点位置を合焦位置として判定することを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  11. 前記第1領域の大きさ及び前記第2領域の大きさの少なくとも一方を変更することができる領域設定部を備えることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  12. 前記第1のスコア成分に寄与させる前記正の重み及び前記第2のスコア成分に寄与させる前記負の重みの少なくとも一方を変更することができる寄与率設定部を備えることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のオートフォーカス装置。
  13. 請求項1ないし12の何れかに記載のオートフォーカス装置としてコンピュータを機能させるためのオートフォーカス用プログラム。
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