JP6685302B2 - 陽電子断層撮像法のデータの処理方法および装置 - Google Patents

陽電子断層撮像法のデータの処理方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、陽電子断層撮像法(PET)のデータを処理するため、例えば、対象内での散乱効果および/またはランダム効果を補正するためにPETデータを処理するための方法および装置に関する。
陽電子断層撮像法(PET)は、広く使用されている医療用画像モダリティである。PET走査方法を使用して対象の画像、例えば、患者の画像を得ることができる。医療用PET走査において、放射性核種が患者の体内に導入され、患者の関心領域(例えば、腫瘍)に集中する。放射性核種は陽電子を放出し、陽電子は電子と対消滅して511keVのエネルギーを有する光子対を連続的に生成する。ここで、各光子は511keVのエネルギーを有する。
患者または他の対象は、放出された光子を検出するために複数の検出要素を使用するPET検出器に配置される。検出要素は、患者の周りに環状アレイとして配置することができ、例えば、関連する光電子倍増管とともにシンチレータ結晶を含むことができる。
光子が検出要素の1つにエネルギーを与えると、PETシステムは、いつどこでエネルギーの付与が発生したかを記録し、どれだけのエネルギーが与えられたかを記録することができる。光子がその全てのエネルギーを単一の検出要素に与える場合、約511keVのエネルギーが記録される。公知のPETシステムは、所与の時間窓(例えば、10ns)内で、PET検出器の反対側にて検出要素対において約511keVのエネルギー付与が記録される事象を利用している。このような事象は、陽電子の対消滅からの連続的な光子対に対応するとみなすことができる。このシステムは、検出器対間の直線であるラインオブレスポンス(応答線)を決定し、対消滅事象がラインオブレスポンス上で発生したとみなす。
しかしながら、放出された光子の幾らかは、検出要素に到達する前に散乱される。例えば、放出された光子は、患者または対象の体内において散乱を受ける。散乱された光子は、散乱時に方向を変え得る。
従って、連続的な光子対における1つまたは両方の光子が検出要素によって受信される前に散乱される場合、光子対が受信される検出要素間で引かれるラインは、対消滅事象の位置をもはや通らないだろう。このような事象は散乱事象と呼ぶことができ、データ処理においてこのような事象を補正する処理は散乱補正と呼ぶことができる。
また、場合によっては、2つの対消滅が時間的に非常に接近して発生し、ある連続対からの第1の光子が、別の連続対からの第2の光子と間違ってマッチングされうる。このような事象は、偶発同時と呼ぶことができる。偶発事象は、シンチレータ結晶が光を自己放射する場合にも発生しうる。
ある事象においては、各入射光子の全てのエネルギーが単一の検出要素、例えば単一のシンチレータ結晶に与えられる。別の事象においては、光子は第1の検出要素内でコンプトン散乱を受け、そのエネルギーの一部を第1の検出要素に与え、そのエネルギーの残りを1以上の別の検出要素に与える。検出器において光子の両方が散乱を受ける(従って、各光子がそのエネルギーを2以上の検出要素に与える)事象は、対コンプトン事象またはPC PET事象と呼ぶことができる。
散乱事象および偶発同時は画像データにノイズを加える。PET画像データにおける散乱事象および偶発同時に対する補正を試みるために、多くの方法が使用されてきた。例えば、511keV付近に閾値を設定することにより、(光子が散乱されるとエネルギーが失われるため)データから多くの散乱事象を除去することができる。しかしながら、閾値が511keVに非常に近く設定される場合、多くの真の事象も除去されうる。PET装置において採用されている光子シンチレータ検出器の典型的なエネルギー解像度は、真の事象および散乱事象の達成可能な分離を制限しうる。
ある既存のシステムにおいては、モンテカルロシミュレーション法を用いて散乱事象の補正を試みている。同じ時間窓内において約511keVの2つのエネルギー付与が記録されたPET検出器によって受信された全ての事象を使用して第1の画像が再構成される。この画像は、散乱事象を含む可能性があり、ノイズだらけの可能性がある。3次元の典型的なPET画像において、散乱光子は測定データの30%〜50%を構成しうる。
次いで、測定データに最も一致する散乱モデルを構成するために、モンテカルロシミュレーションが使用される。モンテカルロシミュレーションは、測定事象に最もなりそうな患者内の質量分布をモデル化する。得られた散乱モデルを用いて事象データを重み付け、例えば、画像からモデルによって散乱事象であると決定された事象を重み付けして、散乱補正データを生成することができる。次いで、画像は、散乱補正データから再構成することができる。散乱モデリング技術および散乱補償技術は、非特許文献1において説明されている。
現在のあるシステムにおいては、散乱モデルの構築に数時間かかり、多くの計算パワーを必要としうる。散乱モデルのリアルタイムに、例えばPETデータの取得と同じセッションで構築することは不可能だろう。大きな画像源に対して、PETシステムは、線源分布をマップするために、X線源を用いる追加の走査を採用することができる。X線源を用いた追加の走査の実行は、走査に線量を追加しうる。
以前、各入射光子に対する分極情報が入手できる場合、例えば旋光計を用いて各光子の分極を測定する場合、非散乱事象から散乱事象を区別可能かも知れないことが示唆されてきた(例えば、McNamaraらによる非特許文献2参照)。McNamaraは、直交分極を用いて連続光子対をシミュレートし、シミュレーションを使用して、2つの光子が検出器に到達したときのそれらの分極ベクトルの内積を抽出した。現在のシステムは、2つの光子の分極を連続的に測定することはできないだろう。
シンチレータ結晶の前に散乱子を備えるコンプトンカメラを使用する幾つかのPETデータ再構成法が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。コンプトンカメラは、各事象に対して、可能なγ線源の位置を描いた円錐を決定することができる。多くの楕円の交点を使用して、線源の位置を決定することができる。
国際公開第2006/058432号
Habib Zaidiand Kenneth F. Korai, "Scatter Modeling and Compensationin Emission Tomography", Eur. J. Nucl. Med. Mol. Imaging, 2004 may; 31(4); 762-782. McNamara et al, "Positron emission tomography coincidence detection with photo polarization correction", Medical Imaging 2013: Physics of Medical Imaging, Proc of SPIE Vol.8668, 86681
本発明第1の態様において、陽電子断層撮像法(PET)が提供され、該方法は、PET検出器からPETデータを得るステップであって、PET検出器は、シンチレータ要素のアレイを備え、PETデータは物体の少なくとも部分のPET測定を表す、ステップを含む。本方法は、PETデータにおいて、複数の対事象を特定するステップであって、各対事象は、PET検出器の第1の領域における第1の光子事象および検出器の第2の領域における第2の光子事象とを含む、ステップをさらに含む。第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱に起因するアレイの第1のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、散乱された第1の光子によるアレイの第2のシンチレータ結晶への関連するエネルギー付与とを含み、第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱に起因する前記アレイの第3のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、散乱された第2の光子によるアレイの第4のシンチレータ結晶への関連するエネルギー付与とを含む。本方法は、対事象に対する前記方位散乱角に基づいて、PETデータを処理するステップをさらに含む。
方位散乱角を用いることにより、物体内で散乱された事象の比率を散乱されなかった事象の比率から区別することができる。PETデータを処理して、散乱事象の比率を非散乱事象の比率から高速に、例えばリアルタイムに区別することができる。散乱事象の再構成画像への影響は、もつれ光子の分極特性を用いることにより低減することができる。従って、改善された信号対雑音比を有する画像を生成することができる。
対事象に対する方位散乱角に基づくPETデータの処理は、非もつれ光子対に関連する対事象の比率をもつれ光子対に関連する対事象の比率から区別するステップを含む。非もつれ光子対は、物体内での散乱に起因してもつれを失った可能性がある。
非もつれ光子対の少なくとも幾つかは、第1光子事象および第2の光子事象の誤ったペアリングにより、誤って対にされたものである可能性がある。光子は、別々の陽電子消滅に起因している可能性がある。誤った対が発生した事象はランダム同時事象でありうる。
アレイは、単一層のシンチレータ要素を備えることができる。複数のシンチレータ要素の各々は、PET検出器の中心軸から約同じ半径距離にて配置することができる。
既知のPET検出器アレイは、単一層のシンチレータ要素を備え、既知の方法は、こうした既知のPET検出器アレイを用いて得られた処理データにおいて本発明を使用することができる。単一層の使用は、事象の数が多いことが期待され、方位非対称が高いことが期待される散乱極角θの領域において発生する多くの事象の使用となり得る。
アレイは、複数層アレイを備えることができる。各層は、中心軸から異なる半径距離にて配置することができる。アレイは、軸状PETアレイを備えることができる。アレイは、CZT(テルル化カドミウム亜鉛)検出器アレイを備えることができる。CZT検出器アレイは、空間分解能を改善するように、複数層の検出要素を備えることができる。検出器アレイは、複数層を有する検出器アレイは、相互作用の深さの情報を提供することにより、視差を低減することができただろう。
アレイにおける各シンチレータ要素は、光子の散乱に起因してエネルギーが与えられるあるエネルギーの付与と、散乱光子によるあるエネルギー付与を受ける。各シンチレータ要素は、光子のエネルギーの一部がシンチレータ要素に付与される事象を受けることができるのみならず、光子の全エネルギーがシンチレータ要素に与えられる事象(511keV光子事象)を受けることができる。
対事象に対する方位散乱角に基づくPETデータの処理は、各対事象に対して相対方位散乱角を決定するステップを含むことができる。各対事象に対して相対方位散乱角を決定するステップは、各対事象に対して、第1の方位散乱角と第2の方位散乱角との差を決定するステップを含むことができる。x+180°の相対方位散乱角は、x°の相対方位散乱角と区別できないという曖昧さが存在しうる。相対方位散乱角は、PET検出システムのジオメトリによって正確さが与えられるx°またはx+180°と決定することができる。
本方法は、第1のシンチレータ要素と第2のシンチレータ要素との相対位置に基づいて第1の方位散乱角を決定するステップと、第3のシンチレータ要素と第4のシンチレータ要素との相対位置に基づいて第2の方位散乱角を決定するステップとをさらに含むことができる。
対事象に対する方位散乱角に基づくPETデータの処理は、相対方位散乱角の第1の範囲を有する対事象に第1のセット、および相対方位散乱角の第2の範囲を有する対事象に第2のセットを決定するステップを含むことができる。
相対方位散乱角の前記第1の数値範囲は、散乱角、要すれば相対方位散乱角に対するカウント数のプロットがピークを有する少なくとも1つの数値範囲を含むことができる。第2の数値範囲は、散乱角、要すれば相対散乱角に対するカウント数のプロットが谷を有する少なくとも1つの数値範囲を含むことができる。ピークおよび/または谷の各々は、プロットにおいて変換点および/またはプロットの散乱角に関する第1の微分係数が実質的にゼロの値を有する点を含むことができる。
相対散乱角に対するカウント数のプロットは、cos(2Δφ)依存性を有することができ、ここでΔφは相対散乱角である。相対散乱角の第1の数値範囲は、約−90°の間隔で数値範囲を有し、約90°の間隔で数値範囲を有することができる。各間隔は、例えば、10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°または90°とすることができる。相対方位散乱角の第1の数値範囲は、−120°と−60°との間の値を含み、60°と120°との間の値を含むことができる。相対散乱角の第2の数値範囲は、約0°の間隔で数値範囲を有し、約180°の間隔で数値範囲を有することができる。各間隔は、例えば、10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°または90°とすることができる。相対方位散乱角の第2の数値範囲は、−150°と150°との間の値を含み、−30°と30°との間の値を含むことができる。
本方法は、対事象の第1のセットから第1の画像を再構成するステップと、対事象の第2のセットから第2の画像を再構成するステップと、第1の画像を第1の重みで重み付けし、第2の画像を第2の重みで重み付けするステップと、重み付けされた画像を結合するステップとを含むことができる。第1の重みおよび第2の重みの一方が1であり、第1の重みおよび第2の重みの他方が−1であることができる。
第1の重みおよび第2の重みは非整数の重みとすることができる。対事象の第1のセットに対する重みおよび対事象の第2のセットに対する重みは、関数を方位非対称分布にフィッティングすることにより決定された複数のフィッティングパラメータを用いて計算することができる。フィッティングパラメータは、関数F(Δφ,θ,θ)=a+b×cos(Δφ)+c×cos(2Δφ)を複数の方位非対称分布にフィッティングすることにより決定することができる。事象は事象毎に重み付けすることができる。
本方法は、対事象の第1のセットからの第1の画像を再構成するステップと、対事象の第2のセットからの第2の画像を再構成するステップと、第1の画像および前記第2の画像の一方から前記第1の画像および前記第2の画像の他方を引くステップとをさらに含むことができる。
第1の数値範囲からの第1の画像および第2の数値範囲からの第2の画像を再構成するステップおよび第1および第2の画像を引くステップは、少なくとも幾つかの散乱事象を除去することによりノイズが低減された、画像再構成に対する高速な方法を提供することができる。幾つかの状況において、画像再構成はリアルタイムに行うことができる。
対事象について前記第1および第2の方位散乱角に基づいてPETデータを処理するステップは、方位散乱角、要すれば相対方位散乱角の分布を決定するステップを含むことができる。
対事象について第1および第2の方位散乱角に基づいてPETデータを処理するステップは、もつれ光子に起因する対事象に対する決定された分布の理想分布との比較をさらに含むことができる。
決定された分布と理想分布との比較により、対事象が誤った一致の結果である尤度または確率を決定することができる。対事象は、以下の理由の少なくとも1つの理由に起因する誤った一致に起因するものとすることができる。すなわち、1つまたは双方の光子が物体内で散乱する、光子が別々の対消滅事象に由来する、またはノイズ源に起因する1以上のエネルギー測定である。
対事象について第1および第2の方位散乱角に基づいて前記PETデータを処理するステップは、事象カウントを、散乱角、要すれば相対散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップをさらに含むことができる。
相対方位散乱角の分布の決定は、複数のラインオブレスポンスの各々に対する相対方位散乱角の分布の決定を含むことができる。
事象カウントを散乱角、要すれば相対散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップは、各ラインオブレスポンスに対する事象カウントを、ラインオブレスポンスに対する相対方位散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップを含むことができる。本方法は、調節された事象カウントを用いて画像を再構成するステップをさらに含むことができる。各ラインオブレスポンスに対する事象数を調節するステップは、存在することが期待される誤った一致の数によってラインオブレスポンスに重みを適用するステップを含むことができる。各誤った一致は、例えば、以下の理由の少なくとも1つによるものとすることができる。すなわち、すなわち、1つまたは双方の光子が物体内で散乱する、光子が別々の対消滅事象に由来する、またはノイズ源に起因する1以上のエネルギー測定である。
画像を再構成するステップは、逆投影法、フィルタ補正逆投影法および期待値最大化法の少なくとも1つを用いて画像を再構成するステップを含むことができる。
本方法は、各対事象に対して、第1の光子事象に対する散乱極角および第2の光子事象に対する散乱極角を決定するステップをさらに含むことができる。本方法は、第1の光子事象に対する決定された散乱極角および第2の光子事象に対する決定された散乱極角に基づいて、対事象を選択するステップをさらに含むことができる。散乱極角の決定において曖昧さが存在しうる。
本方法は、対事象の各々に対してラインオブレスポンスを決定するステップをさらに含むことができる。応答平均線を決定することができる。ラインオブレスポンスの選択を決定することができる。
PET検出器は、複数のシンチレータ結晶の各々からPETデータが個別に得られるように構成することができる。
PETデータは、複数のエネルギー付与の各々について、時間、エネルギー、および位置データを含むことができる。
PET検出器は医療用PET検出器を含み、物体は人間または動物を含むことができる。物体の少なくとも一部は、脳、頭、心臓、胴部、腹部、腫瘍、胸部、血流システムおよび臓器の少なくとも1つを含むことができる。
PET検出器は、産業用PET検出器を含むことができる。物体の少なくとも一部は、産業用パイプ、エンジン、ギアボックスまたは多孔性物質の少なくとも一部を含むことができる。
本発明の更なる態様において、本方法を実行するように構成されたコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
本発明の別の態様において、本方法を実行するように構成された処理ソフトウェアをインストールすることによりPET装置を適合させる方法を提供する。本方法は、既存のPET装置を修復するステップを含むことができる。
本発明の更なる独立の態様において、陽電子断層撮像(PET)装置を提供し、該装置は、PET検出器と同時検出器と処理ユニットとを備え、PET検出器は、シンチレータ要素のアレイと、シンチレータ要素によって放出された光を検出するように構成された複数の光検出器と複数の光検出器からの信号を読み出すための読み出し電子機器とを有する。PET検出器は、物体の少なくとも一部のPET測定を表すPETデータを得るように構成されている。同時検出器は、PETデータにおいて複数の対事象を特定するように構成され、各対事象はPET検出器の第1の領域における第1の光子事象とPET検出器の第2の領域における第2の光子事象とを含む。第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱による前記アレイの第1のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、アレイの第2のシンチレータ要素における散乱された第1の光子による関連するエネルギーの付与とを含む。第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱によるアレイの第3のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、アレイの第4のシンチレータ要素における散乱された第2の光子による関連するエネルギーの付与とを含む。処理ユニットは、対事象の第1および第2の方位散乱角に基づいてPETデータを処理するように構成されている。
複数のシンチレータ要素は、複数のシンチレータ結晶を含むことができる。シンチレータ結晶は、セリウムドープリチウムイットリウムオルトケイ酸(LuSiO[Ce]またはLSO)結晶、ビスマスゲルマニウム酸化物(BiGe12またはBGO)結晶、ガドリニウムオキシオルトケイ酸(GdSiO[Ce]またはGSO)結晶、ルテチウムオルトケイ酸塩結晶、タリウムドープヨウ化ナトリウム(NeI[Tl])結晶、フッ化バリウム(BaF)結晶、アルミン酸イットリウム(YalO[Ce]またはYAP)結晶、タングステン酸カドミウム(CdWO)結晶、フッ化バリウム(BaF)結晶、フッ化セシウム(CsF)結晶、ナトリウムドープヨウ化セシウム(CsI[Na])結晶、タリウムドープヨウ化セシウム(CsI[Tl])結晶、ユーロピウムドープフッ化カルシウム(CaF[Eu])結晶の少なくとも1つを含むことができる。複数の光検出器は、光電子増倍管、アバランシェ発光ダイオードおよびシリコン光電子増倍管の少なくとも1つを含むことができる。読み出し電子機器は結晶毎の読み出しを提供するように構成することができる。読み出し電子機器は結晶グループの読み出しを提供するように構成することができる。
本発明の更なる独立の態様において、PETデータ処理装置が提供される。該装置は、同時検出器と処理ユニットとを備えるPETデータ処理装置であって、同時検出器は、物体の少なくとも一部のPET測定を表すPETデータを受信し、PETデータにおいて複数の対事象を特定するように構成されており、各対事象は、PET検出器の第1の領域における第1の光子事象およびPET検出器の第2の領域における第2の光子事象を含む。第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱に起因するアレイの第1のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、散乱された第1の光子によるアレイの第2のシンチレータ結晶への関連するエネルギー付与とを含む。第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱に起因するアレイの第3のシンチレータ要素へのエネルギー付与と、散乱された第2の光子によるアレイの第4のシンチレータ結晶への関連するエネルギー付与とを含む。処理ユニットは、対事象の第1および第2の方位散乱角に基づいてPETデータを処理するように構成されている。
添付の図面を参照してここで実質的に説明した方法、装置またはコンピュータプログラム製品を提供する。
本発明の1つの態様における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせで、本発明の別の態様に適用することができる。例えば、装置の特徴は方法の特徴に適用でき、逆もまた可能である。
ここで、非限定の例によって本発明の実施形態について説明し、以下の図に示す。
PETスキャナの模式図である。 検出光子に対するカウント数とエネルギーとのプロットである。 散乱角度に対する方位非対称のプロットであり、検出器の分解能が考慮されている。 第1の実施形態のプロセスの概要を示すフローチャートである。 第2の実施形態のプロセスの概要を示すフローチャートである。 相対方位散乱角における曖昧さを表すダイアグラムである。 コンプトン散乱後の電子および光子のエネルギーの関数としての方位非対称の規模のプロットである。 7aは、もつれ光子に対する期待される相対角度分布のプロットである。7bは、期待される相対角度分布のプロットであり、ピークおよび谷の領域を示している。 aおよびbは、角度非対称を測定するように設計された実験装置を示す図である。 8cは、図8aおよび図8bの実験装置の部分の写真である。 連続的光子対の各々がそれぞれのシンチレータ結晶において散乱する事象のダイアグラムである。 方位非対称の測定実験のプロットである。 対コンプトンPET事象のシミュレーションプロットである。
一実施形態において、PETデータは、PETスキャナシステム1を用いて受信され、処理される。PETスキャナシステム1は、図1に模式的に示されている。
PETスキャナシステム1は、アレイに配列された複数の検出要素2を有するPET検出装置を備える。検出要素2は、シンチレータ結晶を含み、上記アレイは、シンチレータ結晶の等しい直径の複数のリングを含む。単一層のシンチレータ結晶が使用される。各シンチレータ結晶は、PETスキャナの中心軸から略同一の距離にて配置される。別の実施形態においては、異なる検出器ジオメトリを使用することができる。
幾つかの実施形態において、検出要素のアレイは複数のブロックを備え、各ブロックはそれぞれの結晶アレイを含む。上記ブロックにおける各結晶は、ブロック表面が平坦でありカーブしていないため、中心軸からわずかに異なる半径とすることができる。幾つかの実施形態において、検出装置は、非円形ジオメトリを有し、例えば五角形ジオメトリを有する。
本実施形態においては、シンチレータ結晶はLYSO結晶(セリウムドープリチウムイットリウムオルトケイ酸塩)である。別の実施形態においては、任意の適切なシンチレータ結晶、例えば、BGO(酸化ビスマスゲルマニウム)、GSO(ガドリニウムオキシオルトケイ酸塩)、LSO(ルテチウムオルトケイ酸塩)またはヨウ化ナトリウム(NaI)を使用できる。本実施形態においては、各シンチレータ結晶は、寸法が4×4×22mmである。別の実施形態においては、任意の適切な寸法の結晶を使用できる。
更なる実施形態において、検出要素2は、異なるシンチレータ材料、例えば液体シンチレータ材料または気体シンチレータを含むことができる。各検出要素は、液体シンチレータまたは気体シンチレータの一部とすることができる。
代替の実施形態において、2以上の層の検出要素2を使用することができる。シンチレータ結晶または別のシンチレータ要素のアレイは、複数層のアレイを含んでもよい。例えば、第2のシンチレータ結晶層は、第1のシンチレータ結晶層よりも大きな軸からの半径距離で位置されてよい。更なる実施形態において、PET検出装置は、(結晶が放射状に重ねられることができる)軸状PETフィルム検出器を備えてもよい。第2の層の結晶は第1の層の結晶と隣接されてもよい。
幾つかの実施形態において、検出要素2はCZT(テルル化カドミウム亜鉛)検出器を含むことができ、ヒット位置での3次元情報を提供することができる。検出要素2は、ワイヤチャンバにおいて気体シンチレータを含むことができる。PET検出器は、3次元PETフィルム検出器または2次元PETフィルム検出器とすることができる。
各シンチレータ結晶により生成された光は、光検出器により取得される。本実施形態においては、光検出器は光電子増倍管である。幾つかの実施形態においては、光電子増倍管は、マルチアノード光電子増倍管とすることができる。別の実施形態においては、光検出器は、(シリコン光電子増倍器とすることができる)アバランシェ発光ダイオードとすることができる。シリコン光電子増倍器は、ガイガーモードで動作するアバランシェ発光ダイオードとすることができる。ガイガーモードで動作しないアバランシェ発光ダイオードは、光検出のために使用することができる。幾つかの実施形態において、光検出器は、マイクロチャンネルプレート検出器とすることができる。マイクロチャンネルプレート検出器は、良好な時間分解能および磁場に対する優れた不感性を与えることができる。更なる実施形態において、任意の適切な光検出器を使用することができる。
読み出し電子機器は、光電子増倍管からの信号を取得する。本実施形態において、PETシステムは結晶単位で読み出しを行う。データは、各シンチレータ結晶に対して個別に記録される。別の実施形態においては、結晶はブロック状に配置され、ブロック単位の読み出しを提供することができる。
最新のPET検出器においては、シンチレータブロックを提供することができる。シンチレータブロックは、アレイの効果の幾つかを生成するように、途中でカットしてもよい。例えば、4本の光電子増倍管を、部分的に13×13アレイにセグメント化されているブロックに取り付けることができる。セグメントカットの深さは、対象に面する表面に亘って変化してもよい。ブロック端でのカットは、ほぼブロック全体に行い、中央でのカットは、最小限の深さとすることができる。結晶サイズが光電子増倍管窓と同程度の時に、4つの光電子増倍管のエネルギー重み付けを使用して、単一結晶に対するものよりもより正確にヒット位置を再構成することができる。幾つかのシステムにおいて、部分的にセグメント化されたブロックの面にて画像の特定領域において結晶内散乱の高い可能性があると判定することが可能であろう。幾つかの状況において、ブロック間散乱が起きたと判定することが可能であろう。
幾つかの実施形態においては、4つのヒットが特定できる限り、結晶グループの読み出しも可能であろう。例えば、各ブロックが結晶アレイを含むことにより、4つのブロックを読み出すことができる。
幾つかの実施形態において、結晶のセグメント化アレイから放出された光が位置検出型光電子増倍管によって読み出される読み出しシステムを使用することが可能であろう。ここの結晶に関連するピーク強度間の信号強度が存在するだろう。その信号強度は、(ある結晶において光子が散乱され、別の結晶において吸収される)2倍の結晶ヒットを表すだろう。
PETスキャナシステム1は、さらに以下に説明する基準によって対事象を判定するように構成されている同時検出器9と、同時検出器9から受信したデータを処理して画像再構成を実行する処理ユニット10を備えることができる。同時検出器9および処理ユニット10の各々は、例えば、PC、ラップトップ、サーバ、ワークステーションまたは任意の適切なコンピュータ装置を備えることができる。幾つかの実施形態において、単一のコンピュータ装置は、同時検出器9と処理ユニット10とを備える。更なる実施形態において、同時検出器9の機能性は、専用の電子ハードウェアによって与えることができる。幾つかの実施形態において、処理ユニット10は、例えば、あるコンピュータ装置は初期データを処理するように構成され、別の装置は画像再構成を実行するように構成された、2以上のコンピュータ装置を備えることができる。
更なる実施形態において、PETデータ処理装置は、同時検出器9と処理ユニット10とを備えるが、PET検出器を備えないPETデータ処理装置が設けられる。PETデータ処理装置は、別のPET検出器からのデータを読み、処理することができる。データは、PETデータ処理装置によって読み出されて処理される前にデータストアに記憶することができる。
図2は、単一の代表的なシンチレータ結晶チャネルからの較正されたエネルギースペクトルの一例である。事象数(エネルギー付与数)が事象のエネルギーに対してプロットされている。プロットのピーク30は、511keVで生じている。ピーク30は、光ピークとして参照することができる。ピーク30は、検出器の有限なエネルギー分解能により広げられ得る。ピーク30内のエネルギーは、511keV光子がシンチレータ結晶によって完全に吸収された事象に対応するとすることができる。ピーク30はガウス関数でフィッティングされ、平均値は511.3keV、標準偏差は74.8keVである。
511keVピークに加えて、プロットは、ピークよりは小さいもののカウントの実質的な数を含み、約100keVから約300keVまで延在する更なる領域32を含む。更なる領域32は、対消滅光子の511keVエネルギーの一部のみが当シンチレーション結晶に与えられた代表的な事象である。このような事象は、本体において光子がコンプトン散乱され(散乱においてそのエネルギーの幾らかを失い、残りのエネルギーをシンチレータ結晶に与え)る時、および/または光子がコンプトン散乱され(そのエネルギーの一部をシンチレータ結晶に与え、そのエネルギーの残りを1以上の更なるシンチレータ結晶に与え)るときに発生する。光子が180°の極角で外部の散乱物体から結晶中に散乱する後方散乱事象(170keVでのピーク)の寄与もあり得る。
更なる領域32の理論的上限は、理論的コンプトンエッジとなり得、511keV光子に対しては340keVである。エネルギー分解能効果は、記録された散乱事象に対してより大きなエネルギー値としうる。従って、散乱事象は光ピーク30に悪影響を及ぼしうる。更なる領域32の理論的下限は、0keVに近づきうる。エネルギーがほとんど与えられないとレイリー散乱が起こりうる。更なる領域32が延在するエネルギーの範囲は、PET検出器が変われば変わりうる。PET検出器の分解能は、結晶タイプや光収集効率等の要因に依存して変わりうる。光ピーク30は、図2に示したほど解像度が良くない可能性がある。更なる領域32からのコンプトン事象は、実験分解能により、光ピーク領域30に悪影響を与えうる。
幾つかの現在のPETスキャナにおいては、各光子のエネルギーが511keVピーク30内に入る事象のみが画像再構成において使用されている。幾つかのPETスキャナにおいて、事象を取得する窓は、更なる領域32において生じるコンプトン事象をサンプルするように変更することができる。更なる領域32内のエネルギーの単一のヒットは、患者内散乱の検出エネルギーへの影響を評価するのを試みるのに使用できる。評価散乱は、モデルを使用して光ピーク領域30に外挿することができる。
以下に説明する実施形態において、更なる領域32における事象(511keVエネルギーの一部のみがここのシンチレータ結晶に与えられる事象)を画像再構成において使用することができる。画像再構成法は、連続的光子の対の各々がそれぞれの第1の検出器結晶において散乱され、それぞれの第2の検出器結晶において吸収される事象を利用する。以下の実施形態の方法は、患者内散乱を受けた散乱事象を、患者内散乱を受けなかった事象から区別するのを試みるために、連続的光子対の分極特性を使用することができる。患者散乱を受けた事象をPETデータから除去することにより、データセットから再構成される画像におけるノイズを改善することができる。患者内散乱を受けたと考えられる事象は、検出器結晶に到達する前に散乱された任意の事象を含みうる。患者内散乱は、例えば、患者が横たわるベッドにおける散乱、鉛シールドにおける散乱、コリメーション隔壁における散乱、またはシンチレータ結晶に到達する前に装置の任意の部分における散乱を含みうる。
陽電子が電子と対消滅するときに生成された連続的光子は、互いに直角に分極し、量子力学的にもつれる。これは、例えば、両光子がコンプトン散乱を受けるとき、それらの散乱の軌跡は確率的に関連していることを意味している。相対方位角が、第1の散乱軌跡の方位角と第2の散乱軌跡の方位角との差として定義される場合、散乱光子軌跡間のリンクは、もつれ光子対に対する相対方位散乱角(Δφ)の分布において非対称となる。特定の例を与えるために、特定の例を挙げると、対光子は、Δφ=0よりもΔφ=90°にてより散乱する。
これに対して、1つまたは両方の光子が患者内散乱を受ける光子対は、シンチレータ結晶に到達する前にもつれを失う。もつれていない光子対はそれぞれのシンチレータ結晶において散乱するとき、各対における第1および第2の光子の相対散乱角は、もつれ光子ほど相対方位散乱角分布を有していない。
スナイダーら(H. A. Snyder, S. Pasternak, J. Hornbostel, Angular Correlation of Scattered Annihilation Radiation, Physical Review Vol. 73, No. 5, March 1 1948)は、相対方位散乱角を測定するのに使用できる簡単な実験装置について記載している。スナイダーの図1は、実験装置に関連する相対方位散乱角Δφを示している。スナイダーの図1は、連続的光子に対する対のコンプトン散乱の分布を、相対散乱角Δφおよび分極散乱角をθ、θの関数として測定するのに適した検出システムを示している。
対消滅放射源、陽電子源Sは、鉛コリメータ内に位置している。連続的光子対は、狭いチャネルを通過して鉛コリメータに入る。対の1つの光子は、散乱子S1により散乱されて検出器C1により検出され、他の光子は散乱子S2により散乱され検出器C2により検出される。C1および2は、光子が物体S1およびS2により散乱されて検出器に入る毎にカウントするシンチレーション検出器である。
まず、S1により散乱されてC1により検出される光子(第1の光子と参照する場合がある)を考える。第1の光子の軌跡の元の方向が球面座標系の天頂を定義する球面座標系が定義される。この場合の極角θ=θは、天頂と散乱光子の軌跡との間の角である。この場合の方位角φは、軌跡の元方向に直交する面における角である。スナイダーの図1において、散乱光子の方位角は0°である。
S2により散乱されてC2により検出される光子(第2の光子と参照する場合がある)に向かうと、極角θ=θは、第1の光子の軌跡の元方向と散乱光子の軌跡との間で取られる。第2の散乱光子の方位角φは、第1の光子の方位角φが決定されたのと同じ座標スキームにおいて決定される。光子間の相対方位角は、第2の光子の方位角から第1の光子の方位角を引くこと、あるいは第1の光子の方位角から第2の光子の方位角を引くことにより決定できる。スナイダーの図1において、第1の光子の方位角は0°であり、第1および第2の光子間の相対方位角はφである。
光子がもつれているため、ある相対方位角が別のものより出やすい。相対方位角の分布は、散乱極角θおよびθに依存する。
方位非対称Aは、2つの光子が同じ散乱極角を有するθ=θである事象として定義できる。方位非対称Aは、φ=0の相対方位角を有する光子対の数に対するφ=90の相対方位角を有する光子対の数の比として定義される。
ここで、P(Δφ)はΔφで対コンプトンPET事象が発生する確率、N(Δφ)はΔφで発生したカウント数であり、θおよびθは連続的光子の散乱極角である。
方位非対称は、光子が異なる散乱極角を有する事象に対しても定義でき、この場合、方位非対称は極角θおよびθの双方の関数として計算される。
スナイダーの図2は、散乱極角θに対する方位非対称の理論プロットであり、光子の双方は同じ散乱極角、つまりθ=θで散乱する。光子はもつれているものの、低い散乱極角(例えば、30°)および高い散乱極角(例えば、150°)にて、方位角非対称のエンハンスメントはない。つまり、低および高散乱極角にて、φ=90の相対方位角での事象の数は、φ=0の相対方位角での事象の数にほぼ等しい。しかしながら、プロットの真ん中付近での散乱極角(例えば、70°と100°との間)では、方位非対称Aはかなりのものである。例えば、対光子の各々がφ=90°の散乱極角で散乱する事象について、φ=0°の相対方位角で散乱する光子対の数に対するφ=90°の相対方位角で散乱する光子対の数の比は2.60である。
図3は、散乱極角θ(θ=θ=θ)に対する方位非対称のプロットであり、相対方位角Δφにおいて検出器の角度分解能を考慮している。ライン46、47および48は、Δφにおける異なる検出器角度分解能での理論的な結果を表している。ライン46に対するΔφにおける検出器分解能は1°、ライン47に対しては30°、ライン48については45°である。図3は、測定角度非対称は、検出器角度分解能が低いときにより低いことが期待されることを示している。
角度非対称は、連続的光子の分極特性およびもつれ特性である。もつれておらず分極されていない光子は、スナイダーの図2および本願の図3に示した角度非対称を示すことは期待されない。患者内散乱を受けない連続的光子の関連する分極特性およびもつれ特性は、以下に図4および5として参照される改善されたコントラストを有する画像を生成するのに使用することができる。
上述のように、幾つかの現在のPET画像システムにおいては、狙いは、連続的光子が、所定の時間間隔で、検出リングの反対側に位置するシンチレータ結晶における全エネルギー吸収を介して(光電子効果により)検出される事象のみを保持することとなり得る。このようなシステムは、2つの光子がそれぞれ実質的に全てのエネルギーをそれぞれの単一のシンチレータ結晶に与える事象(ツーヒット事象と呼ぶことができる)のみを使用することができる。連続的光子を全エネルギー吸収により検出する意図のシステムにおいては、患者内散乱は、簡単に分離できない。患者内散乱事象は、画像劣化の主因となりうる。
フォーヒット事象は、第1の光子に対する2つおよび第2の光子に対する2つの、4つのエネルギー付与が発生する事象である。フォーヒット事象は、シンチレータ検出器の反対側の対(またはグループ)において、コンプトン散乱に続いて別の光子に対するエネルギー付与が起こる事象である。フォー(またはそれより多い)ヒット事象が含まれる時に、患者内散乱が発生した可能性が高いとすることができる。患者内散乱が発生したとき、分極ベクトルの回転および量子もつれが失われることにより、事象のΔφ分布は変わる。従って、フォーヒット対コンプトン事象の測定されたΔφ分布は、事象がシンチレータ結晶に入る前に患者内において散乱を受けた可能性を決定するのに使用できる。
異なる陽電子対消滅からの2つの光子が連続的光子に紛れるランダム事象からの貢献を定量化することも可能である。2つの陽電子対消滅は、PET検出器の分解時間内に生じ、4つの光子が得られる。2つの光子(各対消滅から1つ)が患者を免れ検出器において検出された場合にも、これらの事象から生成された画像は誤りとなり得る。しかしながら、2つの検出光子は、分極補正を有していないだろう。従って、もつれ事象および非もつれ事象間を区別する方法を使用してランダム同時事象を除去することができる。
また、フォーヒット事象における5つのエネルギー付与の1つがシンチレータ結晶における自己放出からのものである比率を定量化することもできる。
図4は、第1の実施形態のプロセスのフローチャートを示している。ステージ50にて、PETスキャナシステム1を用いて行われたPET測定からPETデータが得られる。PET測定は、単一データの取得または異なる時間での連続データの取得を含むことができる。
本実施形態において、例えば、放射線トレーサーの注入または吸入により放射性核種が患者の体内に導入される。放射性核種は、例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18またはルビジウム82とすることができる。患者の領域は、例えば、脳、頭、心臓、胴体、腹部、胸部、血流系、臓器または体の任意の領域とすることができる。患者の領域は、腫瘍の存在が分かっているか、疑われる領域とすることができる。患者は、患者の関心領域が件リュ津リングによって囲まれるように、検出要素2のリング内に配置される。放射性核種からの陽電子は、患者の体内で対消滅して連続的光子を放出し、それらの幾つかは、シンチレータ結晶2にエネルギーを与える。シンチレータ結晶2へのエネルギー付与によって得られる光は、光電子増倍管によって電気信号に変換される。光電子増倍管における電気信号は、読み出し電子機器によって取得され、各エネルギー付与事象の時間、エネルギーおよび位置に変換される(位置は、エネルギー付与が生じた結晶の位置である)。
PET測定から得られたPETデータは、複数の事象に対する時間およびエネルギーデータを含み、各事象は、個々の結晶における検出である。更なる実施形態において、PETデータは、結晶毎のデータではなく、ブロック毎のデータとすることができる。
本実施形態においては、PETデータは、PETスキャンから直接得られるが、別の実施形態においては、PETデータは記憶されたデータとすることができ、ステージ50は、PETデータを任意の適切なデータストアから得るステップを含むことができる。
ステージ52にて、同時検出器9は、PETスキャナからPETデータを受信する。同時検出器9は、少なくとも1つの所定の条件に合う事象のみを記録するトリガとして動作する。
幾つかの実施形態において、同時検出器9は、PET検出器の反対側でツーヒットを判定する。同時検出器9は、シンチレータ結晶におけるコンプトン散乱を受けたより多くの事象を受けるために、幾つかの現在のPET検出器よりも広いエネルギー窓を使用できる。
幾つかの実施形態において、トリガによって2つの条件のいずれかが満たされる場合にデータは記録される。第1の条件(標準PETモード動作とも言う。)において、トリガは、2つのシングルヒットの各々のエネルギーが光ピーク窓内にあることを必要とした。第2の条件(PC PETモード動作とも言う。)において、トリガは、2つのダブルヒットの各々の合計エネルギーが光りピーク窓内にあることを必要とすることができる。
結晶ヒット多重度は、各事象にタグ付けすることができ、その事象にどれだけ多くの結晶が関係しているかを示す。
処理ユニット10は、PETデータを処理して、図2の更なる領域32におけるエネルギーでの第1のエネルギー付与に続いて、第2のシンチレータ結晶における第2のエネルギー付与が行われる事象を特定する。第2のシンチレータ結晶は、第1のシンチレータ結晶に隣接することができる。事象の特定は、PETデータ内のデータ要素を選択するステップおよび関連づけるステップ、例えば、位置、エネルギーおよびタイミングデータの第1セットを位置、エネルギーおよびタイミングデータの第2セットに関連づけるステップを含むことができる。
本実施形態において、処理ユニット10は、閾値を設定して、第1のエネルギー付与および第2のエネルギー付与の和が閾値を超える事象のみを受け取る。光子が第1のシンチレータ結晶においてコンプトン散乱され、次いで第2の検出結晶において吸収されるとき、第1のエネルギー付与に続いて第2のエネルギー付与が隣接する結晶で発生しうる。このような事象はコンプトン事象として記載することができる。
処理ユニット10は、PET検出器の反対側でほぼ同時に発生したコンプトン事象の対を関連づけ、各対をラインオブレスポンスに関連づける。事象は、それらが時間窓、例えば10ナノ秒内で発生した場合、ほぼ同時に発生したと考えることができる。コンプトン事象の対は、対コンプトン事象またはPC PET事象と呼ぶことができる。
PET検出アレイにおける第1の領域における第1の光子事象は、PET検出アレイにおける第2の領域における第2の光子事象と対にすることができ、ここで第1および第2の領域は互いに反対側である。領域は、2以上の検出要素(本実施形態では、2以上のシンチレータ結晶)を有する検出器アレイの一部を参照することができる。反対側の領域は、第1および第2の領域間の線が患者を通過するか近くを通る任意の第1および第2の領域とすることができる。
第1の光子事象は、第1のシンチレータ結晶へのエネルギー付与および引き続き第2のシンチレータ結晶へのエネルギー付与を含む第1の光子散乱事象を含むことができる。第1のシンチレータ結晶は、第2のシンチレータ結晶に隣接することができる。第2の光子事象は、第3のシンチレータ結晶へのエネルギー付与および引き続き第4のシンチレータ結晶へのエネルギー付与を含む第2の光散乱事象を含むことができる。第1および第2シンチレータ結晶は第3および第4のシンチレータ結晶の反対側とすることができる。ラインオブレスポンスは、第1および第2領域間の線とされる。
本実施形態においては、タイムオブフライト(time of flight)処理は使用されない。更なる実施形態において、タイムオフフライト処理を使用して、各事象をラインオブレスポンスの特定の部分に関連づけることができる。
コンプトン方程式は、コンプトン散乱事象の散乱エネルギーとその散乱極角θに関連させる方程式である。処理ユニット10は、第1のシンチレータ結晶に付与されたエネルギーを用いて、第1の光子散乱事象に対する極角θ1を決定する。本実施形態において、処理ユニット10は、第2のシンチレータ結晶に付与されたエネルギーを用いて、極角θ1をさらに決定する。処理ユニット10は、第3のシンチレータ結晶に付与されたエネルギーを用いて、第2の光子散乱事象に対する極角θ2を決定する。本実施形態において、処理ユニット10は、第4のシンチレータ結晶に付与されたエネルギーを用いて、極角θ2をさらに決定する。処理ユニット10は、各決定された極角を角度ビンに割り当てる。更なる実施形態において、処理ユニット10は、極角を正確に決定することなく与えられたエネルーに基づいて、事象を極角ビンに割り当てることができる。
処理ユニット10は、第1シンチレータ結晶および第2シンチレータ結晶の相対位置を用いて、第1の光子散乱事象に対して方位角φを決定する。φの分解能は、結晶サイズに依存する。例えば、分解能は+/−22.5°である。ヒットは各結晶内でどこでも起こりうるため、正確な分解能を正確に知ることはできない。
幾つかの実施形態において、隣接する結晶のみが使用される。第1のシンチレータ結晶および第2のシンチレータ結晶は、隣接していることが必要である。第2のシンチレータ結晶は、第1のシンチレータ結晶を囲む8つの結晶の1つであることを必要とすることができる。
別の実施形態において、第1のシンチレータ結晶および第2のシンチレータ結晶は、結晶の幅よりも大きく離されていることができる。第1のシンチレータ結晶を囲む8つの結晶は、最近接結晶と呼ぶことができる。8つの最近接結晶は、16の次の最近接結晶によって囲まれていることができる。幾つかの実施形態において、第2のシンチレータ結晶は、第1のシンチレータ結晶に対して最近接結晶または第2最近接結晶とすることができる。第2近接結晶を用いることにより、最近接結晶のみを用いる場合に対して、測定角度分解能を改善することができる。
シミュレーションは、検出されるPC PET事象のほとんどは、最近接結晶の元であると期待されるが、幾つかは第2近接結晶および第2近接結晶において起こりうることを示している。発生するPC PET事象の確率は、第1シンチレータ結晶と第2シンチレータ結晶との間の距離とともに急激に減少する。
処理ユニット10は、第3のシンチレータ結晶と第4のシンチレータ結晶との間の相対位置を用いて、第2の光子散乱事象に対する方位角φを決定する。処理ユニット10は、第1の事象に対する方位角を第2の事象に対する方位角から除去することにより、相対方位角を決定する。処理ユニット10は、各決定された相対方位角を角度ビンに割り当てる。更なる実施形態において、処理ユニット10は、相対方位角を正確に計算することなく、方位角の対を方位角ビンに割り当てることができる。別の実施形態において、処理ユニット10は、対コンプトン事象を、方位角を正確に計算することなく、どのシンチレータ結晶が第1、第2、第3および第4結晶かに基づいて、方位角ビンに割り当てることができる。
図6aは、相対方位散乱角の曖昧さを示している。図6は、検出器の片側における2つのシンチレータ結晶、および検出器の反対側の2つのシンチレータ結晶を表している。検出器の各側において、光子はあるシンチレータ結晶において散乱し、別のシンチレータ結晶に吸収される。図示した座標系において、Δφ=0°の相対散乱角の事象は、Δφ=180°の相対散乱角の事象と区別できない。
2つのシンチレータ結晶、例えば第1および第2のシンチレータ結晶において生じる各光検出は、どちらの結晶が(最初の散乱が発生した)第1のシンチレータ結晶で、どちらが(続く吸収が発生した)第2のシンチレータ結晶かを決定することができない。第1の一途位置が分からないことは、PC PET事象のラインオブレスポンスは、エネルギーが単一の結晶に与えられるPET事象に対するラインオブレスポンスよりも大きな不確かさを有していることを意味しうる。
所定の光子事象に対してどちらが第1のシンチレータ結晶であり、第2のシンチレータ結晶であるかを決定することはできない場合、極角の決定に曖昧さがあり得る。散乱極角の曖昧さを知ることなく本実施形態の技術を実行することはできるが、追加の不明確さが生じうる。
図6bは、方位非対称振幅を、コンプトン散乱(第1および第2のエネルギー付与)後の電子および光子エネルギーの関数として示している。第1および第2の相互作用に対して、大きな非対称を維持する1つの共通エネルギー範囲を選択することができる。図6bのライン80、81および82は、光子のエネルギーを示している(検出器分解能は、ライン80に対しては1°、ライン81に対しては30°、ライン82に対しては45°である)。図6bのライン90、91および92は、電子のエネルギーを示している(検出器分解能は、ライン90に対しては1°、ライン91に対しては30°、ライン92に対しては45°である)。
幾つかの実施形態において、処置の事象に対して、どの結晶が第1のシンチレータ結晶であり、第2のシンチレータ結晶であるかを示すために技術を使用することができる。例えば、その技術は、T. Kamae, R. Enomotoand N. Hanardaらによる “A new method to measure energy, direction, and polarization of gamma rays”, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelarators, Spectrometers, Detectors and ssociated Equipment, Volume 260, Issue 1, 1 October 1987, pages 254 to 257に詳細が記載された技術に類似するものとすることができる。
処理ユニット10は、PC PET事象データのセットを決定する。対PC PET事象データは、各ラインオブレスポンスに対する事象カウント数を表すことができ、その事象カウント数は、複数の相対方位角ビンの各々に対するカウント数に細分化されている。各ラインオブレスポンスに対するものである。対事象データは、例えば、リストまたはサイノグラムとして提供することができる。サイノグラムを使用する場合、サイノグラムは、相対方位角に対するビン範囲を表す追加データと関連させることができる。サイノグラムは、極角またはエネルギーのビン範囲を表す追加データに関連させることができる。
必要な格納スペースを最小化するために、幾つかの既存のPETシステムにおいてサイノグラムデータが使用される。サイノグラムは、それ自身で、ラインオブレスポンスのセットを再構成するための十分な情報のみを含むことができる。本実施形態においては、相対方位角および極角またはエネルギーに対するビン範囲の情報も必要となり得る。
リストモードデータを使用する場合、角度および/またはエネルギーによる貯蔵は画像再構成ステージまで必要ではなくなりうる。
スキャナシステムがPET−CTシステムである実施形態において、減衰係数は、CTスキャン中または後に構成することができる。リストモードデータは、PETスキャンにおいて取得される。PET画像が再構成されるとき、画像を改善するためにCTスキャンからの減衰係数を使用する選択肢があり得る。
本実施形態において、対PC PET事象データは、光子対における第1の光子に対する極角θが、光子対における第2の光子に対する極角θと同じ角度ビン内に入るように決定された事象のみを含む。別の実施形態において、光子がより大きな極角の差を有する事象を含めることができる。PC PET事象データは、各ラインオブレスポンスに対するカウント数を含み、各ラインオブレスポンスに対するカウント数は、複数の相対方位角ビンの各々に対するカウント数に細分化もされている。
本実施形態において、処理ユニット10も、511keV付近のピーク30におけるエネルギーが単一のシンチレータ結晶に与えられた事象を特定し、所定の時間窓内に発生する事象の対を関連づける。処理ユニット10は、各事象の対をラインオブレスポンスに関連づける。ピーク30におけるエネルギーを有する事象の対は、対511keV事象と呼ぶことができ、実際、ピーク30は、約511keVのエネルギー範囲を含み、従って、このような事象は、511keVより低いまたは高いエネルギーを有しうる。対511keV事象を選択するために使用される時間窓は、511keVより低いか高いエネルギーを有することができる。対511keV事象を選択するために使用される時間窓は、PC PET事象を選択するのに使用されるのと同じ時間窓としてもしなくてもよい。
処理ユニット10は、対511keV事象に関するデータを提供する。対511keV事象に対して、データは、各ラインオブレスポンスに対するカウント数を含む。データは、例えば、リストまたはサイノグラムを含むことができる。
ステージ54にて、処理ユニット10は、対511keV事象およびPC PET事象から、散乱補正を用いることなく初期画像を再構成する。各ラインオブレスポンスに対して、処理ユニット10は、そのラインオブレスポンスに対する対511keV事象の数とそのラインオブレスポンスに対する対PC PET事象の数の和であるカウント数を含むことができる(全ての相対方位散乱角での事象を含む)。処理ユニット10は、繰り返し再構成を実行して、各ラインオブレスポンスに対する事象カウントから画像を再構成する。別の実施形態において、別の再構成法を使用できる。代替の実施形態において、処理ユニット10は、PC PET事象のみ、または対511keV事象のみから初期画像を再構成できる。更なる実施形態において、初期画像は、ステージ54では再構成されずに省略される。初期画像は利用者に表示することができる。
ステージ54の初期画像再構成において、散乱効果に対して補正はなされない。初期画像データを再構成するために、ステージ52からの全ての対事象データが使用される。対事象データは、患者内散乱が生じた事象を含む。患者内散乱が生じた事象は、ラインオブレスポンスを不正確に決定している可能性がある。従って、初期画像はノイズが多い可能性がある。
ステージ56にて、処理ユニット10は、PC PET事象に対応するデータを分析する。本実施形態では、各ラインオブレスポンスについて、処理ユニット10は、相対方位角Δφに対してカウント数分布をプロットする。処理ユニット10は、相対方位角Δφに対するカウント数分布に対して関数をフィットさせる。本実施形態において、処理ユニットは、関数a+b×cos(Δφ)+c×cos(2Δφ)をフィットさせる。別の実施形態において、22の適切な関数を使用することができる。
事象がもつれ光子の大きな比率を含む場合、フィットされた分布がcos(2Δφ)依存性を示すことが期待されうる。図7aは、cos(2Δφ)依存性を示す分布のプロットを示している。Δφ=90°の事象の数は、Δφ=0°の事象の数よりも多い。
cos(2Δφ)依存性の規模は、光子がもつれている事象の比率に依存しうることが期待される。低い比率の事象がもつれている場合、Δφ=90°の事象の数とΔφ=0°の事象の数との差がほとんどないことが期待でき、ラインオブレスポンスは結晶の面法線に関して大きな角度をなさない。結晶の面法線に関して大きな角度をなすラインオブレスポンスは、cos(Δφ)依存性を生成しうる。関連する分極を有しない非もつれ事象に対しては、方位角分布におけるカウント数の最大差は、Δφ=0°の事象の数とΔφ=180°の事象の数との差とすることができる。
処理ユニット10は、フィットされた関数を光子がもつれている事象の理想分布を表す関数と比較する。処理ユニット10は、cos(2Δφ)依存性の規模から、事象がもつれている尤度または確率を決定する(または事象がもつれていない尤度または確率を決定する)。もつれている事象の尤度は、受信した事象が、患者内散乱を受けなかった、正しく対にされた事象である尤度とすることができる。非もつれ事象のcos(2Δφ)依存性は、各検出器に対してモデル化して、理想分布の決定に考慮することができる。cos(2Δφ)依存性は、尤度の決定に使用することができる。cos(2Δφ)依存性は、源が中心にないときよりも、源が検出器の中心にあるときに大きくなりうる。
処理ユニット10は、決定された尤度またはパーセントに従って、カウント数が、非散乱事象(患者内散乱を受けなかった事象)と考えられる事象の数に対応するように、所定のラインオブレスポンスに対するカウント数を調節する。
各ラインオブレスポンスについて、処理ユニット10は、分布をプロットし、関数とフィットし、フィットした関数に基づいて尤度または確率を決定し、カウント数を調節する。更なる実施形態において、処理ユニット10は、ラインオブレスポンスをグループにし、分布をプロットし、関数をフィットし、フィットした関数に基づいて尤度または確立を決定し、ラインオブレスポンスの各グループに対してカウント数を調節する。
本実施形態において、第1および第2の光子の極角が、同じ極角ビン内にある事象に対するデータを使用して分布を決定する。各ラインオブレスポンスに対するPC PET事象は、相対方位角によって貯蔵(ビン)されるが、極角θに従っては分けられない。代替の実施形態において、各ラインオブレスポンスに対するPC PET事象は、相対方位角および極角によって貯蔵(ビン化)される。幾つかの実施形態において、関数は、各θビンにおいてデータにフィットされる。角ビンからのデータは、フィッティングパラメータに従って、ラインオブレスポンスにおいて重み付けすることができる。ビンの最適量は、例えば、処理パワー、格納スペースおよび修正されたデータの量に依存することができる。
このような実施形態において、極角によって、事象を、相対方位角に対して3次元プロットでプロットでき、3次元関数をデータにフィットさせることができる。処理ユニット10は、フィットされた(3次元)関数に基づいて、事象が非散乱である尤度または確率を決定する。別の実施形態において、ある値間の極角を有するPC PET事象、例えば、θ=θ=θかつ70°<θ<100°のPC PET事象のみを分析のために選択することができる。
ステージ57にて、処理ユニット10は、ステージ56にてラインオブレスポンスに対して決定されたPCPET事象の調節された数を用いて、画像を再構成する。本実施形態において、画像は、繰り返し再構成法を用いて再構成される。別の実施形態において、任意の画像再構成法を使用することができる。再構成された画像は、利用者に表示することができる。
方位非対称を測定することにより、処理ユニット10は、もつれている事象の比率を評価して、患者内散乱を受ける、および/または誤って対にされた事象の比率を決定することができる。もつれ光子の方位角非対称特性を用いて、再構成画像に対する散乱事象の影響を低減することができる。従って、図4の方法を用いて、改善された信号対雑音比を有する画像を生成することができる。
本実施形態において、PC PET事象のみをステージ57での画像の再構成において使用することができる。代替の実施形態において、PC PET事象および対511keV事象の双方をステージ57での画像の再構成において使用することができる。処理ユニット10は、ステージ56にて決定された尤度またはパーセンテージに従って、カウント数が非散乱事象と考えられるカウント数に対応するように、対511keV事象に対する事象カウントを調節する。
第2の実施形態の方法が図5のフローチャートに示されている。ステージ50にて、PETデータがPETスキャンから得られる。ステージ52にて、得られたデータが処理されて、PC PET事象および対511keV事象を含む同時事象を得る。処理ユニット10は、検出器のジオメトリによって規定される許容範囲内の全てのθの散乱範囲を受け取る。本実施形態において、40°から140°まで(97から326keVまで)の角度範囲θの散乱極角を有するPC PET事象が受け取られる。
ステージ54にて、処理ユニット10は、散乱補正を行うことなく、対511keV事象およびPC PET事象から、初期画像を再構成する。
ステージ55にて、処理ユニット10は、各ラインオブレスポンスについて、PC PET事象に対するカウント数を用いて、同時検出器9から受信したデータを処理し、相対方位角によって貯蔵(ビン化)される。処理ユニット10は、各ラインオブレスポンスに対して、ピーク事象に対応するカウント数および谷事象に対応するカウント数を決定する。
この実施形態におけるピークおよび谷との用語は、もつれ光子に対するΔφの予測分布に関連しており、図7aに示すようにcos(2Δφ)を有することが期待され、Δφ=90°およびΔφ=−90°でピークの中心が位置し、Δφ=0°およびΔφ=180°で谷の中心が位置する。本実施形態において、ピーク事象は−120°<Δφ<−60°および60°<Δφ<120°の相対方位角を有する事象として定義され、谷事象は、−150°<Δφ<150°および−30°<Δφ<30°の相対方位角を有する事象として定義される。実際には、図6aを参照して上述のように説明した曖昧さのために、所定の相対方位角Δφでの事象をΔφ+/−180°の相対方位角を有する事象から区別することは不可能かも知れない。ピーク領域62および谷領域64は、図7bにマークされている。別の実施形態において、任意の適切な角度範囲を使用して、ピーク事象および谷事象を定義することができる。
ステージ58にて、処理ユニット10は、ピーク事象として特定されたPC PET事象(例えば、−120°<Δφ<−60°に対するPC PET事象および60°<Δφ<120°に対するPC PET事象)のみを用いて第1画像を再構成する。また、処理ユニット10は、谷事象として特定されたPC PET事象(例えば、−150°<Δφ<150°に対するPC PET事象および−30°<Δφ<30°に対するPC PET事象)のみを用いて第2画像を再構成する。本実施形態においては、処理ユニット10は、繰り返し再構成法を用いて第1および第2画像を再構成するが、別の実施形態においては、任意の適切な再構成法を用いることができる。
ステージ60にて、処理ユニット10は、第1の画像から第2の画像を除去して、散乱補正画像を得る。
ピーク事象の数と谷事象の数との差は、非散乱事象よりも散乱事象に対してずっと小さいことが期待できる。体内において散乱されなかった(従ってもつれている)事象について、谷事象よりもピーク事象が多いことが期待される。従って、谷事象から再構成された画像をピーク事象から再構成された画像から除去することは、(ピークと谷とで同じになる)散乱事象の大きな割合を除去して、非散乱のもつれた事象の寄与を高めることができる。散乱事象を除去することにより、得られる画像のノイズレベルを改善することができる。
ランダム同時事象は、谷からピークを除去することにより除去することができる。異なる対消滅事象からの2つの光子が誤ってマッチングされる場合、2つの光子は、分極が補正されるべきではない。従って、ランダム同時事象は、ピーク事象と谷事象との間の差がもつれ光子に対するものよりもずっと小さい分布を生成しうる。
ピーク事象から第1の画像を、谷事象から第2の画像を再構成すること、および第1および第2画像を引くことにより、散乱補正画像を得る高速で効率的な方法を提供することができる。幾つかの実施形態において、再構成画像は、ツーヒットデータのみを用いて再構成されたオンライン画像、例えば、対511keV事象のみを用いて再構成された画像に対して、同様の速度にて生成することができる。
本実施形態において、ピーク事象から画像が生成され、谷事象から画像が生成され、2つの画像が引かれる。代替の実施形態において、各ラインオブレスポンスに対して、谷事象の数がピーク事象の数から引かれ、残りの事象の数が得られる。各ラインオブレスポンスに対する残りの事象の数は、単一の散乱補正画像を再構成するために使用される。更なる実施形態において、方位非対称Aに対する値を得るために、ピーク事象の数は、谷事象の数によって割られ、カウント数は、得られた方位非対称Aに対する値を用いてスケールされる。
本実施形態において、事象は、2つの光子の各々に対する散乱極角θが、シンチレータ結晶によって決定されるジオメトリ許容内にあるものが受領され、ジオメトリ許容内(本実施形態においては、40°から140°まで)の極角を有する事象は、極角によってグループにされない。別の実施形態においては、θの値によって事象は分離される。
ピーク画像から谷画像を引く計算は、ピークの重み付けを1とし、谷の重み付けを−1とする重み付けを利用するステップを含む。別の実施形態において、1:−1とは別の重み付けを使用することができる。幾つかの実施形態において、重み付けを使用して、フラットではないΔφにおける既知または期待される散乱分布に対して補償することができる。例えば、重み付けを使用して、真の同時事象(患者内散乱のない事象)のcos(2Δφ)依存性よりも小さい振幅を有するcos(2Δφ)依存性を有する既知または期待される散乱分布を補償することができる。重み付けを使用して、全てが結晶表面に垂直に到達しない光子によって引き起こされるcos(2Δφ)分布を補償することができる。
ピークおよび谷領域に事象に対して、非整数の重み付けを使用することができる。ピークおよび谷における事象に対する重み係数は、複数のフィッティングパラメータを用いて計算することができる。フィッティングパラメータは、関数を、異なる画像シナリオまたは画像領域における複数の方位非対称分布にフィッティングすることによって決定できる。例えば、フィッティングパラメータは、関数F(Δφ,θ,θ)=a+b×cos(Δφ)+c×cos(2Δφ)を、異なる画像シナリオまたは画像領域における複数の方位非対称分布にフィッティングすることにより得られる。例えば、異なる画像シナリオは、患者内散乱が支配的であることが期待される仮想データ事象を用いるステップと、点光源を用いるステップと、シミュレーションデータを使用するステップと、標準PETスキャンからのデータを使用するステップを含むことができる。事象は事象毎に重み付けすることができる。
大角患者内散乱が発生する事象は、画像再構成において、小角患者内散乱が発生する事象よりも問題となり得る。量子もつれは、患者内散乱中に失われるが、散乱光子によって保持される相対分極方向の程度は、小角患者内散乱に対するものの方が、大角患者内散乱が発生した場合よりも大きいに違いない。図4または5の方法を適用することにより、小角散乱事象よりも大角散乱事象のより大きな比率を除去することができる。
図4および5を参照して上述のように説明した方法は、幾つかの既知の散乱補正方法よりも高速になり得る。図4および5の方法は、幾つかの既知の散乱補正方法より計算的に強い。幾つかの状況に置いて、図4および5の方法は、リアルタイムに実行できる。例えば、図4および5の方法は、PETスキャンにおけるPETデータの取得中またはすぐ後に実行できる。
図4または5の方法は、もつれ光子事象の特性を使用して、分布における正しい同時事象および誤った同時事象の比をより定量化することができる。図4および5の方法は、光ピーク30の領域において本当に存在する散乱を決定する方法を提供することができる。患者内散乱におけるもつれの損失によるΔφにおける変調のサイズの変化を用いて、PET画像化を通知することができる。
図4および5の方法は、幾つかの標準PET処理において使用されるものよりも、より低いエネルギー範囲をしようすることを可能にする。図5および5の方法は、より低いエネルギーを含められ、散乱事象の区別のみならず、別々の対消滅および/またはシンチレータ材料からの自己放出による事象からランダム事象を区別することができる。シンチレータ光の自己放出は、標準PETに対して使用されるエネルギーよりも低いエネルギーで発生する傾向にあるが、記録データに対して許容されるエネルギー範囲が低い値から始まるとき、寄与しうる。
図4および5関連する上述の実施形態は、繰り返し再構成法を用いた画像再構成を説明したが、任意の適切な画像再構成アルゴリズムを用いることができる。幾つかの実施形態において、フィルタ補正逆投影法を使用することができる。幾つかの実施形態において、最大尤度画像再構成アルゴリズムを使用することができる。上述の方位角の計算を使用して、所定の事象が検出器に到達する前に体内で散乱される尤度を決定することができる。
幾つかの実施形態において、同時検出器9によって得られるPC PET事象に関するデータをシミュレーション、例えばモンテカルロシミュレーションに対する入力として使用することができる。シミュレーションを用いて、どの事象が散乱事象か決定することができる。幾つかの実施形態において、図4または図5の方法を用いて画像が再構成され、後に更なる画像が再構成され、そこではモンテカルロシミュレーションを行って、(PC PET事象および/または対511keV事象を含むことができる)観測された事象に最も一致する患者内の質量分布をモデル化する。
図4および5の実施形態の方法は、単一層のシンチレータ結晶を備える既存のPET検出装置を用いて行うことができる。図4および5の方法を用いることにより、偏光計のような余計な検出器の必要なしに、もつれた事象の比率に関する統計情報を得ることができる。追加の検出層または散乱子を必要としない。
図4および5の方法は、シンチレータ結晶の単一層を備える従来のPET検出器を用いる。処理に使用されるPC PET事象は、各光子が、あるシンチレータ結晶から同一の結晶層における別の隣接する結晶に散乱される事象である。PC PET事象に対する散乱極角は、角度非対称が特に明確であることが期待される70°<θ<100°の領域の角度を含む。シミュレーション研究によれば、70°<θ<100°領域は、最もコンプトン散乱事象が検出されるのが期待される。単一層ジオメトリにおいて、より前の散乱事象を取得する機会はより少なくなりうる。
更なる実施形態において、PET検出器は、任意の適切な検出要素を備えることができる。PET検出器は、1層以上の検出要素を備えることができる。1層以上の検出要素を用いることにより、各光子に対する第1のヒット位置を特定するのを助けることができる。PET検出器は、CZT検出器を備えることができる。CZT検出器は、複数層の検出要素を有して、空間分解能を向上させることができる。空間分解能の向上は、視差の低減により達成することができる。
図4および5を参照して上述のように説明した方法に類似する方法に対する複数層のしようにより、方位角を、使用するコアの方法を真の同時事象および誤った同時事象に対する確率に関する追加の情報を提供するのに使用することができる識別子として使用するコアの方法を変更することはできない。複数層の使用は、ある状況においては、単一層検出器と比較して検出効率を向上させることができる。しかし、方位非対称の使用は、大きな散乱極角にて最も効果的になり得る。スナイダーの論文に記載されているように、方位非対称は、θ=82°の散乱極角で最大になることが期待できる。
幾つかの現在のPETシステムは、各光子が単一の結晶においてその全てのエネルギーを与え、結晶内にコンプトン散乱のない事象のみを使用している。幾つかのシステムにおいて、約50%のPET光子事象が(それらのエネルギーを単一の結晶ではなく2つの結晶に付与する)2結晶効果(two−crystal effect)を有することが分かった。幾つかの現在のシステムにおいて、システムは、結晶においてコンプトン散乱が発生しない事象を探すため、約25%の事象のみが使用される。
両方の光子がそれぞれのシンチレータ結晶によってコンプトン散乱される事象の数は、全対消滅の数の約25%となりうる。図4および5の方法は、既存のシステムによって無視されうる事象を利用することができる。
将来のPETシステムは、現在のシステムにおいて使用されるものよりも小さい結晶を使用する可能性型階。より小さな結晶を使用して、より良好な角度分解能を得ることができる。より小さな結晶の使用により、光子がある結晶から隣接する結晶にコンプトン散乱する事象の数を増やすことができる。従って、エネルギーが複数の結晶に亘って付与される事象を使用することができることがより重要になり得る。より短い結晶は、90°付近のより小さな極角θの範囲を使用でき、従って高い方位非対称となる極角度範囲におけるより多くの事象を有しうる。
図4および5の方法は、各光子がそのエネルギーを2つのシンチレータ結晶に付与する事象のみを使用しているが、類似の方法を、1つまたは両方の光子がそれらのエネルギーを3以上のシンチレータ結晶に付与する事象に拡張することができる。第1のツーヒットを使用して方位角を決定することができる。別のヒットを使用して、追加のエネルギー情報を提供することができる。
上述の方法は、PET画像のみに関するが、説明された実施形態の方法は、PET−CTイメージングや、PETとMRIの組み合わせ、またはPETとSPECTの組み合わせに適用することもできる。幾つかの既存のSPECTマシンは、図2に示した511keVスペクトルのコンプトン部分のエネルギーに一致する、100keV未満から360keVまでの光子を検出するように設計されている。光子当たりの複数の検出を、結晶において散乱され、光吸収される事象を、検出ブロックにおいてシングルヒットとして記録するのではなく、記録することができる。SPECT機能を有するマシンを使用して、陽電子源を使用してSPECTマシンにおける連続的光子を生成することにより、図4および図5の方法を試験することができる。
上述の実施形態は、患者の医療イメージングを参照して説明された。しかし、PETイメージングは、別の用途、例えば、産業イメージングに使用することもできる。一例として、金属パイプのPETイメージングを行って、流れを(例えば、オイル産業において、または放射性廃棄物に対して)確立することができる。流体ダイナミクス研究において、リアルタイムPETイメージングを使用することができる。PETイメージングを使用して、多孔性物質、例えば砂岩または不浸透性物質中の亀裂における動きを追跡することもできる。PETイメージングを使用して、建築材料における水の取り込みを画像化、記事またはペーストの押し出しを画像化や、スラリー内の固体分布を決定することができる。PETイメージングを使用して、例えば潤滑油の分布を画像化するために、エンジンまたはギアボックスを画像化することができる。
このような産業イメージングにおいて、物体において散乱する事象により、PETデータを決定することができる。従って、物体において散乱された事象を物体において散乱されなかった事象から区別することはより重要になり得る。産業PETイメージングにおいて、医療PETイメージングのために使用されるものとは異なるジオメトリを使用することができる。幾つかの状況に置いて、ジオメトリは寄り柔軟にすることができる。例えば、アレイの反映は、イメージングシナリオに対して調整可能にすることができる。使用する結晶の数を変更することができる。検出器システムをセグメント化することにより、異なる結晶数を利用できる。
幾つかの実施形態において、既存のPETスキャナシステムを、改造された装置が上記実施形態の方法を実施できるように改造することができる。処理ソフトウェアを同時検出器または処理ユニット、あるいはPETスキャナシステムの部分または関連する任意の別のコンピュータ装置にインストールすることができる。処理ソフトウェアは、同時検出器、処理ユニットおよび/または別の装置が、PC PET事象に関連するデータを処理するのを可能にする。処理ソフトウェアは、画像再構成において使用される散乱事象の比率を低減するために、方位散乱角に基づいてPC PET事象に関連するデータが処理されるのを可能にする。
シンチレータ結晶において検出されたもつれ光子対の方位非対称の規模を測定する室内研究を行った。以下、図8a、8b、8cおよび9を参照して上記室内研究について説明する。
商用PETスキャナの一部を表すように設計された検出システムを図8aおよび8bに示されている。各々が9つのシンチレータ結晶を含む2つの検出ブロック70、72を製造した。各結晶は、4×4×22mmの寸法を有するLYSO(セリウムドープルテチウムイットリウムオルトケイ酸塩)で形成された。図8cは、検出ブロック72の写真である。
第1の検出ブロック70において、(図8aおよび8bにおいてA5およびA8が付されている)2つのシンチレータ結晶の各々は、光ファイバーケーブル配線を用いて、それぞれの光検出器およびデータ取得システムに結合された。第2の検出ブロック72において、(図8aおよび8bにおいてB5、B6、B8およびB9が付されている)4つのシンチレータ結晶の各々は、光ファイバーケーブル配線を用いて、それぞれの光検出器およびデータ取得システムに結合されている。各光検出器は、浜松フォトニクス社製の直径1cmの円筒形の光電子増倍管とした。単一のデータ取得システムを全ての結晶に対して使用した。
Na22源74を陽電子源として使用した。源自体は小さく、プラスチックシリンダ内に入れられた。プラスチックシリンダは、源を含み陽電子が対消滅する電子の密な媒体を提供する二重の機能を有していた。少量の散乱がプラスチックシリンダホルダ内で生じた可能性はある。しかし、光子の大部分は、シンチレータ結晶に入る前に散乱しなかったことが期待される。
結晶のサイズよりも著しく小さい源は、中央の結晶の中心軸上に位置していた。中央の結晶は、同時モードで動作したときにデータ取得システムをトリガするために使用された。
シンチレータに到達した光子の幾つかは、それらが入射した第1のシンチレータ結晶により完全に吸収された。光子が結晶にて受信されたとき、データ取得システムによって、光子のエネルギーに比例する、対応する電荷が記録された。
A5およびB5にて入射した光子は、図2のエネルギースペクトルに対応する電荷スペクトルを形成した。スペクトルの光ピークを使用し、記録された電荷のエネルギーとの一致を測定することにより、エネルギー読み出しを較正した。
エネルギー読み出しを較正するために、任意の個々のチャネル(ORモード)をオンにし、シンチレータ結晶A5およびB5を同時にオンにしないように、データ取得システムを設定した。ORモードで記録された電荷スペクトルのそでを使用して、各チャネルに対して電荷のゼロ点を決定した。各チャネルの光ピークをガウス関数でフィッティングし、ピークが511keVの位置にあると仮定して、電荷のエネルギーへの変換係数を決定した。次に、これらの袖および電荷エネルギー変換係数を使用して、ANDモード動作におけるエネルギースペクトルを較正した。
関心のあるPC PET事象は、連続的光子対の各々が、あるシンチレータ結晶においてコンプトン散乱を受け、別の隣接するシンチレータ結晶において吸収される事象である。このような事象が図9に示されている。連続的光子対がNa22源74にて、または近くで放出される。光子対の第1の光子は、シンチレータ結晶A5上に入射し、コンプトン散乱を受け、光として検出されるある量のエネルギーを与える。シンチレータ結晶A5において検出されるエネルギー量は、図2の更なる領域32内にある。散乱光子は、角度(θ,φ)で結晶Aに入る。ここで、θは元の第1の光子の入射方向に関する極角であり、φは方位角である。散乱光子は、その残りの全てまたはほぼ全てを結晶A8に与える。光子対の第2の光子は、シンチレータ結晶B5に入りコンプトン散乱を受け、そのエネルギーの幾らかを与える。光子は、結晶B8に散乱される。
(A5およびA8における)第1の光子事象および(B5およびB8における)第2の光子事象は、以下に示すようにそれらのタイミングによって、対として関連づけることができる。図8に示すように、B5からBへの散乱の方位角は、A5からA8への散乱の方位角と同じである。従って、この事象は、Δφ=0°に対する事象としてカウントすることができる。
別の事象において、A5からA8に散乱する第1の光子は、B5からBに散乱する第2の光子に関連づけられる。これらの事象は、Δφ=90°に対する事象としてカウントすることができる。
ANDモード動作において、データ取得システムは、シンチレータ結晶A5およびB5における同時事象対をオンにするように構成された。データ取得システムのトリガがA5およびB5に適用されて、(付与されたエネルギーに比例する)電圧信号が、両チャネル(A5を表す第1のチャネルおよびB5を表す第2のチャネル)に対する閾値を超えることが必要とされた。同時モードにおいて論理正トリガ信号を形成するためには、閾値を超える信号が、100nmの時間間隔でA5およびB5において発生することが必要とされた。
QDC(電荷デジタル変換器)およびTDC(時間デジタル変換器)に対するゲートは、400nsのオーダーとした。各トリガについて、QDCおよびTDCは、400nmの間記録した。QDCおよびTDCにおける各チャネルは、入力信号の記録を同時に開始および終了した。各事象は、同じ長さの時間の間記録された。
ゲートが400nmに設定されたのは、結晶において各光子が相互作用する点から、シンチレータ結晶における蛍光プロセスに起因する光学的光子の完全な分布が生成され、光電子増倍管に到達するのにある量の時間がかかるためである。LYSOの減衰時間や約50nsである。400nsは、PMTからの完全なエネルギースペクトルを記録するのに必要な時間であった。
光電子変換およびコンプトン散乱事象に対する記録電荷がQCD範囲の境界内に入るように、信号は、光電子増倍管によって受信された後、10倍に増幅された。増幅器は、電荷信号を、信号が直接光電子増倍管から取得された場合よりも、広い時間範囲に広げたかも知れない。
トリガを生成するためのA5とB5との間の一致のタイミングは、ゲート時間よりもずっと短くされた。その後、より厳格なタイミングがデータ取得後の分析において適用された。
事象をカウントするために、各チャネルについて2つの条件を満たすことが必要とされた。第1の条件は、タイミングの条件だった。タイミングは、トリガの+/−17.5ns内に入ることが必要とされた。第2の条件は極角の条件だった。(散乱前後の極角をエネルギーに関連させる標準コンプトン式を用いて)エネルギー付与から計算された極角は、当の極角ビン内に入ることが必要とされた。光子当たりのエネルギー付与の双方を使用して、コンプトン散乱式の関連する変化を用いて、極角を別々に計算した。散乱極角θ1は、2回(A5に付与されたエネルギーから1回、A8に付与されたエネルギーから1回)測定され、散乱極角θ2は2回(例えば、B5に付与されたエネルギーから1回、B8に付与されたエネルギーから1回)測定された。実験結果から、散乱極角が40°から140°(97から326keV)の角度範囲に入る事象を使用した。
PC PET事象をカウントするために、A5、A8、B5およびB8の各々は、タイミング条件および極角条件を満たすことが必要とされた。
規格化事象も記録された。規格化事象は、ある検出器ブロックのある結晶(A5)および別の検出器ブロックにおける2つの結晶(B5およびB8)にエネルギーが付与された事象であった。規格化事象をカウントするために、A5、B5およびB8の各々は、タイミング条件および極角条件を満たすことが必要とされた。
実際のPETスキャナにおいては、より厳密でない条件を必要とすることも可能である。しかし、説明した方法においては、源はPETイメージングにおいて使用されるものよりも弱く、6つの結晶のみが使用されたことから、条件が選択された。
第1の光子に対する計算された極角θ1が、第2の光子に対する計算された極角θ2と同じ角度ビン内に入る事象がカウントされた。角度非対称は、各極角ビンに対して決定された。各ついにおける光子が同じ極角を有するとき、角度非対称は、Δφ=90°に対する対事象の数とΔφ=0°に対する対事象の数の比である。
ここで、P(Δφ)はΔφで対コンプトンPET事象が発生する確率、N(Δφ)はΔφで発生したカウント数であり、θおよびθは連続的光子の散乱極角である。
スリーヒット事象を用いて、カウント速度を規格化した。Δφは、スリーヒット事象に対して定義できない。異なるチャネルの変動する効率を説明するために、規格化を使用した。
N(Δφ=0°)に対する規格化された値は、A5、A8、B5およびB8でのフォーヒット事象の数をA5、B5およびB8でのスリーヒット事象の数で割ることによって計算された。N(Δφ=90°)に対する規格化された値は、A5、A8、B5およびB8でのフォーヒット事象の数をA5、B5およびB6でのスリーヒット事象の数で割ることによって計算された。非対称Aは、N(Δφ=90°)をN(Δφ=0°)で割ることによって計算された。
図8aおよび8bを参照して上述のように説明した実験の結果が図10に示されている。図10は、極角(極角は、ビンのサイズ内で対における各光子に対して同じである)に対する方位非対称のプロットである。図10は、連続的光子に対する相対方位散乱角(Δφ)における非対称Aに対する室内実験の結果および対応する理論曲線をプロットしている。
三角マークは理論計算によって決定された点である。理論計算によって決定された点は、正確にθ=θ=θである値に対してプロットされている。散乱極角θにおける幾何学的な不明確さが含まれている。セミスパンが極角度ビンの範囲の半分として使用された。20°の値は、実験データに最も一致することが分かったことから、理論計算においては、パラメータαは20°に設定された。αは、スナイダーの論文の447ページに定義されており、システムの有限のジオメトリを理論的に考慮している。検出器の真の分解能は現在知られていない。
丸マークは、図8aおよび8bを参照して上述のように説明した実験によって決定された点である。実験データ点は、各ビンに対して中央の散乱極角(θ)にてプロットされており、θおよびθの双方がθビンの範囲内にある事象のみを含んでいる。図10におけるエラーバーは、純粋に統計的であり、カウントを用いて計算された。
非対称Aは、約70°<θ<100°の範囲に対して最大であることが分かる。70°<θ<100°の範囲は、ほとんどのPC PET事象が典型的なPET検出システムにおいて発生することが期待される角度範囲と一致する。図11は、シミュレーション分析からの出力を示しており、検出されたPC PET事象の分布を散乱極角の関数として示している。カウント数が散乱極角θおよび散乱極角θに対してプロットされている。再度、ほとんどの事象が70°<θ<100°の範囲において発生することが分かる。Δφ非対称は、シミュレーションがほとんどのPC PET事象が典型的なPET検出器において発生することを示している極角度範囲に亘って最大である。0.5>A>2.5を有する離れた点は、グラフから省略された。
幾つかの光子は、表面法線に対して大きな角度をなす方向ベクトルで結晶表面に到達したに違いないという事実から、システム的な不明確が生じるかも知れない。このようなシステム的な不明確は、計算されなかった。このようなシステム的な不明確を無視する影響は、シミュレーションされたデータにおいて観察された。その影響は、中央の結晶に与えられたエネルギーが非常に低いか非常に高いコンプトン範囲にある場合に最大となった。その影響は、全ての光子が結晶表面に垂直に到達した場合よりも非対称値をわずかに大きくしたかも知れない。
室内実験の結果は、方位散乱角非対称は、単一層を有する結晶毎の読み出しPET検出ジオメトリにおいて測定できることを示している。従来のPET検出器において使用されるとき、PET結晶の単一層からの分極情報を得ることは可能かもしれない。
本発明は純粋に例として上述のように説明されたが、本発明の範囲内で詳細の変更を行うことができることを理解することができる。
説明、請求項および図面において開示された各特徴は、独立に、または任意に適切に組み合わせて提供することができる。

Claims (37)

  1. 陽電子断層撮像法(PET)であって、
    PET検出器からPETデータを得るステップであって、前記PET検出器は、検出要素のアレイを備え、前記PETデータは物体の少なくとも部分のPET測定を表す、ステップと、
    前記PETデータにおいて、複数の対事象を特定するステップであって、各対事象は、前記PET検出器の第1の領域における第1の光子事象および前記PET検出器の第2の領域における第2の光子事象とを含み、
    前記第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱に起因する前記アレイの第1の検出要素へのエネルギー付与と、前記散乱された第1の光子による前記アレイの第2の検出要素への関連するエネルギー付与とを含み、
    前記第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱に起因する前記アレイの第3の検出要素へのエネルギー付与と、前記散乱された第2の光子による前記アレイの第4の検出要素への関連するエネルギー付与とを含前記第1の検出要素へのエネルギー付与、前記第2の検出要素へのエネルギー付与、前記第3の検出要素へのエネルギー付与、前記第4の検出要素へのエネルギー付与の位置を検出することによって前記複数の対事象を特定する、ステップと、
    前記検出された位置に基づいて前記対事象の前記第1および前記第2の方位散乱角を決定するステップと、
    前記対事象に対する前記第1および前記第2の方位散乱角に基づいて、前記PETデータを処理するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、非もつれ光子対に関連する対事象の比率をもつれ光子対に関連する対事象の比率から区別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非もつれ光子対の少なくとも幾つかは、物体内における散乱により非もつれになった、以前はもつれていた光子対に起因する非もつれ光子対である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記非もつれ光子対の少なくとも幾つかは、前記第1光子事象および前記第2の光子事象の誤ったペアリングにより、誤って対にされたものである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記アレイは、単一層の検出要素を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、各対事象に対して相対方位散乱角を決定するステップを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 各対事象に対して相対方位散乱角を決定するステップは、各対事象に対して、第1の方位散乱角と第2の方位散乱角との差を決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の検出要素と前記第2の検出要素との相対位置に基づいて前記第1の方位散乱角を決定するステップと、前記第3の検出要素と前記第4の検出要素との相対位置に基づいて前記第2の方位散乱角を決定するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、相対方位散乱角の第1の範囲を有する対事象の第1のセット、および相対方位散乱角の第2の範囲を有する対事象の第2のセットを決定するステップを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対事象の第1のセットから第1の画像を再構成するステップと、
    前記対事象の第2のセットから第2の画像を再構成するステップと、
    前記第1の画像を第1の重みで重み付けし、前記第2の画像を第2の重みで重み付けするステップと、
    前記重み付けされた画像を結合するステップと、
    をさらに含む、請求項9に記載された方法。
  11. 前記第1の重みおよび前記第2の重みの一方が1であり、前記第1の重みおよび前記第2の重みの他方が−1である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の範囲の値は、相対散乱角に対するカウント数のプロットがピークを有する少なくとも1つの数値範囲を含み、前記第2の範囲の値は、相対散乱角に対するカウント数のプロットが谷を有する少なくとも1つの数値範囲を含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、方位散乱角、要すれば相対方位散乱角の分布を決定するステップを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、決定された分布のもつれ光子による対事象に対する理想分布との比較をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対事象に対する前記方位散乱角に基づく前記PETデータの処理は、事象カウントを、要すれば散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップをさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 方位散乱角の分布を決定するステップは、複数のラインオブレスポンスの各々に対して、方位散乱角の分布を決定するステップを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 事象カウントを相対散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップは、各ラインオブレスポンスに対する事象カウントを、前記ラインオブレスポンスに対する相対方位散乱角の決定された分布に基づいて調節するステップを含む、請求項15を引用する請求項16に記載の方法。
  18. 前記調節された事象カウントを用いて画像を再構成するステップをさらに含む、請求項15または17に記載の方法。
  19. 各対事象に対して、前記第1の光子事象に対する散乱極角および前記第2の光子事象に対する散乱極角を決定するステップをさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記第1の光子事象に対する決定された散乱極角および前記第2の光子事象に対する決定された散乱極角に基づいて、対事象を選択するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記対事象の各々に対してラインオブレスポンスを決定するステップをさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記PET検出器は、前記複数の検出要素の各々からPETデータが個別に得られるように構成されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記PETデータは、複数のエネルギー付与の各々について、時間、エネルギー、および位置データを含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記PET検出器は医療用PET検出器を含み、前記物体は人間または動物を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記物体の少なくとも一部は、脳、頭、心臓、胴部、腹部、腫瘍、胸部、血流システムおよび臓器の少なくとも1つを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記PET検出器は、産業用PET検出器を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記物体の少なくとも一部は、産業用パイプ、エンジン、ギアボックスまたは多孔性物質の少なくとも一部を含む、請求項1〜24、26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記複数の検出要素は、複数のシンチレータ要素を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記複数の検出要素は、複数のテルル化カドミウム(CZT)検出要素を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  30. 請求項1〜29のいずれかに記載の方法を実行するように構成された、コンピュータ可読命令を含む、コンピュータプログラム製品。
  31. 請求項1〜29の何れかに記載の方法を実行するように構成された処理ソフトウェアをインストールすることによりPET装置を適合させる方法。
  32. 陽電子断層撮像(PET)装置であって、
    PET検出器と同時検出器と処理ユニットとを備え、前記PET検出器は、検出要素のアレイと、前記検出要素によって放出された光を検出するように構成された複数の光検出器と前記複数の光検出器からの信号を読み出すための読み出し電子機器とを有し、
    前記PET検出器は、物体の少なくとも一部のPET測定を表すPETデータを得るように構成されており、
    前記同時検出器は、前記PETデータにおいて複数の対事象を特定するように構成され、各対事象は前記PET検出器の第1の領域における第1の光子事象と前記PET検出器の第2の領域における第2の光子事象とを含み、
    前記第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱による前記アレイの第1の検出要素へのエネルギー付与と、前記アレイの第2の検出要素における前記散乱された第1の光子による関連するエネルギーの付与とを含み、
    前記第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱による前記アレイの第3の検出要素へのエネルギー付与と、前記アレイの第4の検出要素における前記散乱された第2の光子による関連するエネルギーの付与とを含み、前記第1の検出要素へのエネルギー付与、前記第2の検出要素へのエネルギー付与、前記第3の検出要素へのエネルギー付与、前記第4の検出要素へのエネルギー付与の位置を検出することによって前記複数の対事象を特定し、
    前記処理ユニットは、前記検出された位置に基づいて前記第1および前記第2の方位散乱角を決定し、前記対事象の前記第1および前記第2の方位散乱角に基づいて前記PETデータを処理するように構成されていることを特徴とする装置。
  33. 前記複数のシンチレータ要素は、複数のシンチレータ結晶を含み、要すれば、前記複数の検出要素は、セリウムドープリチウムイットリウムオルトケイ酸塩、ビスマスゲルマニウム酸化物、ガドリニウムオキシオルトケイ酸塩、ルテチウムオルトケイ酸塩、ヨウ化ナトリウム結晶の少なくとも1つを含む、請求項32に記載の装置。
  34. 前記検出要素はテルル化カドミウム(CZT)検出要素を含む、請求項32に記載の装置。
  35. 前記検出要素のアレイは複数の光検出器を備え、前記複数の光検出器は、光電子増倍管、アバランシェ発光ダイオード、シリコン光電子増倍管の少なくとも1つを有する、請求項32または33に記載の装置。
  36. 前記読み出し電子機器は結晶毎の読み出しを提供するように構成されている、請求項33に記載の装置。
  37. 同時検出器と処理ユニットとを備えるPETデータ処理装置であって、
    前記同時検出器は、物体の少なくとも一部のPET測定を表すPETデータを受信し、前記PETデータにおいて複数の対事象を特定するように構成されており、各対事象は、前記PET検出器の第1の領域における第1の光子事象および前記PET検出器の第2の領域における第2の光子事象を含み、
    前記第1の光子事象は、第1の方位散乱角での第1の光子の散乱に起因する前記アレイの第1の検出要素へのエネルギー付与と、前記散乱された第1の光子による前記アレイの第2の検出要素への関連するエネルギー付与とを含み、
    前記第2の光子事象は、第2の方位散乱角での第2の光子の散乱に起因する前記アレイの第3の検出要素へのエネルギー付与と、前記散乱された第2の光子による前記アレイの第4の検出要素への関連するエネルギー付与とを含み、前記第1の検出要素へのエネルギー付与、前記第2の検出要素へのエネルギー付与、前記第3の検出要素へのエネルギー付与、前記第4の検出要素へのエネルギー付与の位置を検出することによって前記複数の対事象を特定し、
    前記処理ユニットは、前記検出された位置に基づいて前記第1および前記第2の方位散乱角を決定し、前記対事象の前記第1および前記第2の方位散乱角に基づいて前記PETデータを処理するように構成されていることを特徴とする装置。
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