JP6685119B2 - 眼科撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼科撮影装置に関する。
近年、レーザ光源等からの光ビームを用いて対象を画像化する光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)が注目を集めている。OCTは、X線CTのような人体に対する侵襲性を持たないことから、医療分野や生物学分野への応用が進んでいる。例えば眼科分野では、眼底や角膜のOCTを行う装置が実用化されている。OCT機能を備える眼科撮影装置として、被検眼の3次元領域のデータを収集するための2次元光スキャナを備えたものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2015−192915号公報
眼科用OCTでは、近赤外領域の中心波長を有する測定光が一般に使用されるが、測定光に可視成分が含まれていることもある。可視成分を含む測定光を用いて眼底のOCTを行う場合、測定光の移動軌跡を被検眼が追ってしまい、目的の部位のデータを取得できないことがあった。
例えば、眼底の3次元領域のデータを収集するためにラスタースキャンが適用される場合、従来の眼科撮影装置では、互いに平行に配列された複数のラインがその配列順にスキャンされる。そのため、複数のラインの配列方向に移動する赤い線状の像を眼で追いかけてしまうことがある。
本発明に係る眼科撮影装置の目的は、測定光の移動軌跡を被検眼が追従することを防止することにある。
実施形態の眼科撮影装置は、複数のラインが配列されてなるスキャンパターンで眼底の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を行うことが可能な眼科撮影装置であって、データ収集部と光スキャナと制御部と画像形成部とを備える。データ収集部は、眼底に測定光を投射し、その戻り光と参照光との干渉光を検出し、その検出データを収集するよう構成される。光スキャナは、測定光を2次元的に偏向可能に構成される。制御部は、複数のラインの配列順と異なる実質的にランダムな順序で当該スキャンパターンによるOCTを行うように光スキャナを制御するよう構成される。画像形成部は、制御部により光スキャナの制御を行いつつデータ収集部により収集された検出データに基づいて画像を形成するよう構成される。
実施形態によれば、測定光の移動軌跡を被検眼が追従することを防止することが可能である。
実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を説明するための概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を説明するための概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作の一例を表すフロー図。 実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図。 実施形態に係る眼科撮影装置の動作の一例を表すフロー図。
本発明の幾つかの実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態の眼科撮影装置は、少なくとも光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を実行する機能を備えた眼科装置である。
以下、スウェプトソースOCTと眼底カメラとを組み合わせた眼科撮影装置について説明するが、実施形態はこれに限定されない。例えば、OCTの種別はスウェプトソースOCTには限定されず、スペクトラルドメインOCT等であってもよい。ここで、スウェプトソースOCTは、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、この干渉光をバランスドフォトダイオード等で検出し、波長の掃引及び測定光のスキャンに応じて収集された検出データにフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。スペクトラルドメインOCTは、低コヒーレンス光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル分布を分光器で検出し、検出されたスペクトル分布にフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。
眼科撮影装置は、眼底カメラのような被検眼の写真(デジタル写真)を取得する機能を備えていてもいなくてもよい。また、眼底カメラの代わりに、走査型レーザ検眼鏡(SLO)や、スリットランプ顕微鏡や、前眼部撮影カメラや、手術用顕微鏡などが設けられてもよい。
〈第1実施形態〉
〈構成〉
図1に示すように、眼科撮影装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系が設けられている。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構が設けられている。演算制御ユニット200はプロセッサを含む。被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが、眼底カメラユニット2に対向する位置に設けられている。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
〈眼底カメラユニット2〉
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを撮影するための光学系や機構が設けられている。眼底Efを撮影して得られる画像(眼底像、眼底写真等と呼ばれる)には、観察画像や撮影画像がある。観察画像は、例えば、近赤外光を用いた動画撮影により得られる。撮影画像は、例えば、可視フラッシュ光を用いて得られるカラー画像若しくはモノクロ画像、又は近赤外フラッシュ光を用いて得られるモノクロ画像である。眼底カメラユニット2は、フルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能であってよい。
眼底カメラユニット2は、照明光学系10と撮影光学系30とを含む。照明光学系10は被検眼Eに照明光を照射する。撮影光学系30は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出する。OCTユニット100からの測定光は、眼底カメラユニット2内の光路を通じて被検眼Eに導かれ、その戻り光は、同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
照明光学系10の観察光源11は、例えばハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)である。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて被検眼E(特に眼底Ef)を照明する。
被検眼Eからの観察照明光の戻り光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この戻り光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、例えば所定のフレームレートで戻り光を検出する。なお、撮影光学系30のピントが眼底Efに合っている場合には眼底Efの観察画像が得られ、ピントが前眼部に合っている場合には前眼部の観察画像が得られる。
撮影光源15は、例えば、キセノンランプ又はLEDを含む可視光源である。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。被検眼Eからの撮影照明光の戻り光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。
LCD39は、被検眼Eを固視させるための固視標を表示する。LCD39から出力された光束(固視光束)は、その一部がハーフミラー33Aにて反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した固視光束は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。LCD39の画面における固視標の表示位置を変更することにより被検眼Eの固視位置を変更できる。なお、LCD39の代わりに、複数のLEDが2次元的に配列されたマトリクスLEDや、光源と可変絞り(液晶絞り等)との組み合わせなどを、固視光束生成手段として用いることができる。
眼底カメラユニット2にはアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する光学系のアライメントに用いられるアライメント指標を生成する。フォーカス光学系60は、被検眼Eに対するフォーカス調整に用いられるスプリット指標を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力されたアライメント光は、絞り52及び53並びにリレーレンズ54を経由し、ダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eに投射される。
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22、ダイクロイックミラー46及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を通過し、ミラー32により反射され、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント指標像)に基づき、従来と同様のマニュアルアライメントやオートアライメントを行うことができる。
フォーカス光学系60は、撮影光学系30の光路(撮影光路)に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、照明光学系10の光路(照明光路)に沿って移動される。反射棒67は、照明光路に対して挿脱可能である。
フォーカス調整を行う際には、反射棒67の反射面が照明光路に斜設される。LED61から出力されたフォーカス光は、リレーレンズ62を通過し、スプリット視標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同じ経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット指標像)に基づき、従来と同様のマニュアルアライメントやオートアライメントを行うことができる。
撮影光学系30は、視度補正レンズ70及び71を含む。視度補正レンズ70及び71は、孔開きミラー21とダイクロイックミラー55との間の撮影光路に選択的に挿入可能である。視度補正レンズ70は、強度遠視を補正するためのプラス(+)レンズであり、例えば+20D(ディオプター)の凸レンズである。視度補正レンズ71は、強度近視を補正するためのマイナス(−)レンズであり、例えば−20Dの凹レンズである。視度補正レンズ70及び71は、例えばターレット板に装着されている。ターレット板には、視度補正レンズ70及び71のいずれも適用しない場合のための孔部が形成されている。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用の光路とOCT用の光路とを合成する。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。OCT用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45が設けられている。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT用の光路の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含む。
光スキャナ42は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ42は、OCT用の光路を通過する測定光LSの進行方向を変更する。それにより、被検眼Eが測定光LSでスキャンされる。光スキャナ42は、xy平面の任意方向に測定光LSを偏向可能であり、例えば、測定光LSをx方向に偏向するガルバノミラーと、y方向に偏向するガルバノミラーとを含む。
〈OCTユニット100〉
図2に例示するように、OCTユニット100には、被検眼EのOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系の構成は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。すなわち、この光学系は、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系を含む。干渉光学系により得られる検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、一般的なスウェプトソースOCTと同様に、出射光の波長を高速で変化させる波長掃引型(波長走査型)光源を含む。波長掃引型光源は、例えば、近赤外レーザ光源である。
光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。更に、光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。
コーナーキューブ114は、入射した参照光LRの進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ114に対する参照光LRの入射方向と出射方向は互いに平行である。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
図1及び図2に示す構成では、測定光LSの光路(測定光路、測定アーム)の長さを変更するための光路長変更部41と、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114の双方が設けられているが、光路長変更部41とコーナーキューブ114のいずれか一方のみが設けられもよい。また、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバ119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバ121によりファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれてコリメータレンズユニット40により平行光束に変換され、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由し、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode)である。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力する。検出器125は、その検出結果(検出信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。
DAQ130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長掃引型光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、検出器125から入力される検出信号をクロックKCに基づきサンプリングする。DAQ130は、検出器125からの検出信号のサンプリング結果を演算制御ユニット200に送る。
〈演算制御ユニット200〉
演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。また、演算制御ユニット200は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算制御ユニット200は、一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器125により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等の信号処理を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算制御ユニット200は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。そのための演算処理は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。
演算制御ユニット200は、例えば、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には各種コンピュータプログラムが格納されている。演算制御ユニット200は、操作デバイス、入力デバイス、表示デバイスなどを含んでよい。
〈制御系〉
眼科撮影装置1の制御系の構成例を図3に示す。
〈制御部210〉
制御部210は、眼科撮影装置1の各部を制御する。制御部210はプロセッサを含む。制御部210には、主制御部211と記憶部212とが設けられている。
〈主制御部211〉
主制御部211は各種の制御を行う。例えば、主制御部211は、撮影合焦レンズ31、CCD(イメージセンサ)35及び38、LCD39、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、フォーカス光学系60、反射棒67、光源ユニット101、参照駆動部114A、検出器125、DAQ130などを制御する。参照駆動部114Aは、参照光路に設けられたコーナーキューブ114を移動させる。それにより、参照光路の長さが変更される。
〈記憶部212〉
記憶部212は各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者情報や、左眼/右眼の識別情報や、電子カルテ情報などを含む。
更に、記憶部212にはスキャン情報212aが予め記憶される。スキャン情報212aには、1以上のスキャンパターンのスキャン条件が記録されている。スキャンパターンが複数のラインを含む場合、そのスキャンパターンのスキャン条件には、複数のラインを順次にスキャンするときの順序を示す情報(スキャン順序情報)が含まれる。
図4A及び図4Bを参照してスキャン順序情報の具体例を説明する。図4Aは、複数のライン300−1、300−2、300−3、・・・、300−Nが互いに平行に配列されてなるラスタースキャン(3次元スキャン)300を表す。図4Bは、ラスタースキャン300について予め作成されたスキャン順序情報212bを表す。スキャン順序情報212bは、ラスタースキャン300に含まれるN本のライン300−n(n=1〜N)の配列順nと、それらのスキャン順mとを対応付けている。配列順nは、図4Aに示すように、N本のライン300−n(n=1〜N)の空間的配置を表す自然な順序である。また、スキャン順mは、N本のライン300−n(n=1〜N)に沿ったスキャンを順次に行うときの時間的な順序である。
なお、図4Aに示すN本のライン300−n(n=1〜N)の間隔(スペーシング)、つまり隣接するライン300−n及び300−(n+1)の間の距離は、任意に設定可能である。例えば、N本のライン300−n(n=1〜N)の間隔は一定でもよいし一定でなくてもよい。
また、1つのライン300−nのスキャンを複数回実行する計測手法がある。例えば、眼底Efの血管を強調表示するOCT−Angiographyが行われる場合、1つのライン300−nのスキャンが所定回数(例えば4回)だけ反復される。また、OCTを用いて血流動態(血流速度、血流量等)を測定する場合、1つのライン300−nのスキャンが所定時間(例えば2秒間)にわたって反復される。このような場合、N本のライン300−n(n=1〜N)のスキャンは、例えば、少なくとも次の2つの条件を満足するように実行される:(条件1)スキャン順mが示す順序でN本のライン300−n(n=1〜N)のスキャンを順次に実行する;(条件2)各ライン300−nのスキャンを所定回数ずつ又は所定時間ずつ実行する。
また、実際のスキャンにおいてトラッキングが適用される場合がある。トラッキングは、眼底Efの観察画像等を利用して被検眼Eの動きをモニタしつつ、その動きに合わせて光スキャナ42をリアルタイムで制御することにより、眼球運動や体動や拍動に伴う被検眼Eの位置ズレを打ち消す技術である。トラッキングが適用される場合、例えば、ライン300−nの形状及びサイズは不変であるが、その位置及び/又は向きがリアルタイムで調整される。ライン300−nのデフォルト位置やデフォルト向きからのオフセット量は、例えば、観察画像に描出される眼底Efの特徴点の位置の時系列変化から得られる。
さて、スキャン順序情報212bには、配列順nに対しスキャン順mが対応付けられている(n=1〜N)。N個のスキャン順m、m、m、・・・、mは、任意の異なる配列順n1とn2について、スキャン順mn1とmn2も異なる。また、配列順nの個数とスキャン順mの個数はともにNである。つまり、本例のスキャン順序情報212bは、ラスタースキャンに含まれるN本のライン300−n(n=1〜N)の置換(permutation)を与えるものであり、かつ、N本のライン300−n(n=1〜N)の空間的順序を時間的順序に変換するものである。また、この変換(置換)は恒等変換ではない(つまり、n≠mとなるnが少なくとも2つ存在する)。
スキャン順序情報212bを作成するための置換は、例えば、擬似乱数列に基づいて設定される。擬似乱数列は、公知の擬似乱数列生成法(擬似乱数列生成器)によって生成される。擬似乱数列生成法の例として、平方採中法、線形合同法(乗算合同法、混合合同法)、線形帰還シフトレジスタ、メルセンヌ・ツイスタ、キャリー付き乗算、Xorshift、Lagged Fibonacci法、Blum−Blum−Shub(BBS)、Fortunaなどがある。或いは、眼科撮影装置の製造者やユーザが配列順を任意に置換する(permute)ことによってスキャン順序情報212bを作成することもできる。
配列順n=1〜nの置換において、連続する2以上の配列順n、n+1、・・・、n+i(iは1〜N−1の間の任意の整数)がスキャン順mにおいて連続しないようにスキャン順序情報212bを作成することができる。或いは、そのような連続配列がせいぜい所定数だけ含まれるようにスキャン順序情報212bを作成することができる。また、連続する2つの配列順n、n+1に対応するスキャン順m、mn+1が所定間隔以上離れて配置されるようにスキャン順序情報212bを作成することができる。ここに例示したスキャン順序情報の作成方法は、空間的配列が連続するライン300−n〜300−(n+j)(jは1〜N−1の間の任意の整数)が時間的に連続してスキャンされることを可能な限り避けるための工夫である。この目的の達成を図るための任意の工夫をスキャン順序情報の作成において施すことが可能である。
スキャン順序情報は本例には限定されない。例えば、ラスタースキャン以外のスキャンパターンであっても、複数のラインが配列されてなるスキャンパターンであれば、本例と同様にしてスキャン順序情報を作成することができる。そのようなスキャンパターンの例として、複数のラインが放射状に配列されたラジアルスキャンや、互いに直交する2つのライン群(例えば互いに平行な5本のラインからなる群)からなるマルチクロススキャン、径が異なる複数のサークルが同心円状に配列された同心円スキャンなどがある。
また、同様のライン配列であっても、そのサイズや形状に応じたスキャンパターンを個別に設けることができる。例えば、正方形エリアに複数のラインが互いに平行に配列されたラスタースキャンや、長方形エリアに複数のラインが平行に配列されたラスタースキャンを設けることができる。また、正方形エリアのラスタースキャンであっても、例えば6mm×6mmのサイズのラスタースキャンと、9mm×9mmのサイズのラスタースキャンとを設けることができる。
スキャン情報212aは、複数のスキャン順序情報を含んでいてよい。ここで、同じスキャンパターンについて2以上のスキャン順序情報が設けられてもよいし、異なる2以上のスキャンパターンのそれぞれについてスキャン順序情報が設けられてもよい。複数のスキャン順序情報がスキャン情報212aに含まれる場合、事前に設定されたスキャンパターンに対応するスキャン順序情報が例えば主制御部211により選択される。1つのスキャンパターンについて2以上のスキャン順序情報が設けられている場合、例えば、被検眼Eに対して過去に適用されたスキャン順序情報(例えば、好適にスキャンが実施されたときに適用されたスキャン順序情報)が選択される。或いは、被検者の属性(年齢、疾患等)に応じてスキャン順序情報を選択することも可能である。
〈画像形成部220〉
画像形成部220は、DAQ130から入力された検出信号のサンプリング結果に基づいて、眼底Efの断面像の画像データを形成する。この処理には、従来のスウェプトソースOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの信号処理が含まれる。画像形成部220により形成される画像データは、スキャンラインに沿って配列された複数のAライン(z方向のライン)における反射強度プロファイルを画像化することにより形成された一群の画像データ(一群のAスキャン像データ)を含むデータセットである。
画像形成部220は、例えば、プロセッサ及び専用回路基板の少なくともいずれかを含む。なお、本明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。また、被検眼Eの部位とそれを表す画像とを同一視することがある。
〈データ処理部230〉
データ処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して画像処理や解析処理を施す。例えば、データ処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の補正処理を実行する。また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して画像処理や解析処理を施す。データ処理部230は、例えば、プロセッサ及び専用回路基板の少なくともいずれかを含む。
データ処理部230は、画像形成部220により形成された複数の断層像の間の画素を補間する補間処理を実行するなどして、眼底Efの3次元画像を形成する。3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像である。3次元画像としては、複数のスキャンラインに沿う複数の断層像をスキャンラインの位置関係に基づいて3次元的に配列することで得られるスタックデータや、スタックデータの補間等を行って得られるボクセルデータ(ボリュームデータ)などがある。3次元画像にレンダリング(ボリュームレンダリング、MIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施すことにより表示用画像が形成される。また、3次元画像に断面を設定し、それを表示することができる(多断面再構成:MPR)。また、3次元画像の少なくとも一部をz方向(Aライン方向、深さ方向)に投影することにより、プロジェクションデータやシャドウグラムが得られる。
〈ユーザインターフェイス240〉
ユーザインターフェイス240は表示部241と操作部242とを含む。表示部241は表示装置3を含む。操作部242は各種の操作デバイスや入力デバイスを含む。ユーザインターフェイス240は、例えばタッチパネルのような表示機能と操作機能とが一体となったデバイスを含んでいてもよい。ユーザインターフェイス240の少なくとも一部を含まない実施形態を構築することも可能である。例えば、表示デバイスは、眼科撮影装置に接続された外部装置であってよい。
〈動作〉
眼科撮影装置1の動作について説明する。動作の一例を図5に示す。
(S1:スキャンパターンを設定する)
まず、眼底EfのOCTのスキャンパターンが設定される。スキャンパターンは、例えば、ユーザインターフェイス240を用いて手動で設定される。或いは、過去に適用されたスキャンパターンや疾患種別に基づいて主制御部211がスキャンパターンを自動で設定することもできる。ここで、過去に適用されたスキャンパターンや疾患種別は、電子カルテ等を参照して取得される。
(S2:スキャンパターンに対応するスキャン順序情報を選択する)
主制御部211は、ステップS1で設定されたスキャンパターンに対応するスキャン順序情報をスキャン情報212aから取得する。
(S3:スキャン順序情報に基づき光スキャナを制御しつつOCTを行う)
OCT開始のトリガを受けて、主制御部211は、OCTユニット100や光スキャナ42を制御することにより、眼底EfのOCTを実行する。このとき、主制御部211は、ステップS2で取得されたスキャン順序情報に基づき光スキャナ42を制御する。
一例として、図4Bに示すスキャン順序情報212bが選択された場合、主制御部211は、図4Aに示すラスタースキャン300に含まれる複数のライン300−n(n=1〜N)を、スキャン順m、m、m、・・・、mが示す順序で実行する。それにより、複数のライン300−n(n=1〜N)に沿うスキャンが、その配列順と異なる順序で実行される。擬似乱数列が適用される場合、複数のライン300−n(n=1〜N)に沿うスキャンが実質的にランダムな順序で実行される。また、空間的に連続して配列された2以上のライン300−n、300−(n+1)、・・・、300−(n+j)に沿うスキャンが連続して実行されないように光スキャナ42を制御することができる。また、空間的に連続して配列された2つのライン300−n、300−(n+1)に沿うスキャンが所定時間間隔以上離れたタイミングで実行されるように光スキャナ42を制御することができる。このようなスキャンによれば、空間的配列が連続するライン300−n〜300−(n+j)(jは1〜N−1の間の任意の整数)が時間的に連続してスキャンされることを可能な限り避けることができる。
なお、前述したように、N本のライン300−n(n=1〜N)の間隔(スペーシング)を変更するためのパラメータがスキャン順序情報212bに含まれている場合、主制御部211は、スキャン順m、m、m、・・・、mが示す順序で、かつ、当該パラメータが表すスペーシングで複数のライン300−n(n=1〜N)を実行するように、光スキャナ42を制御することができる。また、後述のように、スキャンの速度(時間的間隔)を変更するためのパラメータがスキャン順序情報212bに含まれている場合、主制御部211は、スキャン順m、m、m、・・・、mが示す順序で、かつ、当該パラメータが表すスキャン速度で複数のライン300−n(n=1〜N)を実行するように、光スキャナ42を制御することができる。なお、スペーシングを変更するためのパラメータとスキャン速度を変更するためのパラメータの双方がスキャン順序情報212bに含まれている場合、スキャン順、スペーシング及びスキャン速度のうちの一部又は全部を変更するように制御を行うことが可能である。
(S4:OCT画像を形成する)
画像形成部220は、ステップS3で収集されたデータに基づいてOCT画像を形成する。このOCT画像をデータ処理部230により加工することができる。例えば、画像形成部220により形成された複数のBスキャン画像から3次元画像(ボリュームデータ、スタックデータ等)を形成することができる。
一例として、スキャン順序情報212bに基づき順序が変換されたラスタースキャン300が適用された場合、データ処理部230は、スキャン順序情報212bに基づき、複数のライン300−nに対応する複数のBスキャン画像を並べ替える。具体的には、データ処理部230は、スキャン順序情報212bに基づき、複数のBスキャン画像の時系列的順序を複数のライン300−nの空間的配列順序に逆変換する。つまり、スキャンを行うための変換f(n)=mの逆変換f−1(m)=nが適用される。なお、前述のように変換fは全単射であるから逆変換f−1が一意的に決定される。
データ処理部230は、更に、空間的配列順序に並べ替えられた複数のBスキャンを、複数のライン300−nの位置関係に基づき単一の3次元座標系に埋め込む。それによりスタックデータが生成される。データ処理部230は、このスタックデータからボリュームデータを作成することができる。更に、スタックデータ又はボリュームデータに基づいて、ボリュームレンダリング画像やMPR画像やプロジェクション画像やシャドウグラムを形成することができる。主制御部211は、Bスキャン画像や、スタックデータ又はボリュームデータから形成された画像を、表示部241に表示させることができる。
〈作用・効果〉
実施形態に係る眼科撮影装置の作用及び効果について説明する。
実施形態の眼科撮影装置は、複数のラインが配列されてなるスキャンパターンで眼底の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を行うよう構成され、データ収集部と光スキャナと制御部と画像形成部とを含む。
データ収集部は、眼底に測定光を投射し、その戻り光と参照光との干渉光を検出し、その検出データを収集するよう構成される。本実施形態では、OCTユニット100内の要素と、測定アームを形成する光学部材とが、データ収集部に含まれる。
光スキャナは、測定光を2次元的に偏向可能に構成される。本実施形態では、光スキャナ42がこれに相当する。
制御部は、複数のラインの配列順(つまり空間的な配列順序)と異なる順序(つまり時系列的な順序)でスキャンパターンによるOCTを行うように光スキャナを制御する。本実施形態では、主制御部211がこれに相当する。
画像形成部は、制御部により光スキャナの制御を行いつつデータ収集部により収集された検出データに基づいて画像を形成する。本実施形態では、画像形成部220(及びデータ処理部230)がこれに相当する。
このような実施形態によれば、スキャンパターンに含まれる複数のラインに沿うスキャンを複数のラインの空間的配列順序と異なる順序で実行することができる。したがって、複数のラインの空間的配列順序にしたがってスキャンを行う従来の装置と比較して、測定光の移動軌跡を被検眼が追従してしまう可能性が低減される。
〈第2実施形態〉
第1実施形態では、スキャン順序情報が予め記憶された眼科撮影装置について説明した。これに対し、第2実施形態では、スキャン順序情報を作成する機能を備えた眼科撮影装置について説明する。なお、特に言及しない限り、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を用いる。
本実施形態の眼科撮影装置は、第1実施形態と同様のハードウェアを備えてよい(図1〜図3等を参照)。本実施形態の制御系の構成の一部を図6に示す。図6に示す制御部210Aは、図3に示す制御部210の代わりに適用される。制御部210Aには、第1実施形態の主制御部211及び記憶部212と同様に主制御部211A及び記憶部212Aが設けられている。記憶部212Aは、スキャン情報212aを記憶していなくてよい。
制御部210Aには更に条件設定部213Aが設けられている。条件設定部213Aは、OCTスキャンに関する各種条件(スキャン条件)を設定する。スキャン条件としては、スキャンパターン、スキャンエリアのサイズ、測定光の波長帯、フォーカス位置などがある。本実施形態では特に、複数のラインを含むスキャンパターン(ラスタースキャン等)が適用される場合に、複数のラインの空間的な配列順と異なる順序(スキャン順序)を割り当てる処理を行う。条件設定部213Aは、任意の手法でスキャン順序を決定することができる(例えば第1実施形態で説明した各種の手法)。ここでは、擬似乱数列を利用して実質的にランダムなスキャン順序を設定可能な構成を説明する。
条件設定部213Aは、擬似乱数列生成部2131と順序変更部2132と順序割当部2133とを備える。擬似乱数列生成部2131は、擬似乱数列を生成する。擬似乱数列生成部2131は公知の擬似乱数列生成アルゴリズムを実行可能な擬似乱数列生成器を含む。擬似乱数列生成器は、擬似乱数列生成プログラムと、これを実行するプロセッサとを含む。
順序変更部2132は、擬似乱数列生成部2131により生成された擬似乱数列に基づいて、スキャンパターンに含まれる複数のラインの配列順(空間的配列順序)を変更する。それにより、複数のラインのスキャン順序(時系列的順序)が得られる。ここで、順序変更部2132は、擬似乱数列をそのまま用いて順序変更を行なってもよいし、擬似乱数列に加工を施して順序変更を行なってもよい。後者の例として、所定の条件を満足するように擬似乱数列(又は擬似乱数列をそのまま適用して得られたスキャン順序)を変更することができる。例えば、空間的に連続して配列された2以上のラインに沿うスキャンが連続して実行されないように加工を行ったり、空間的に連続して配列された2つのラインに沿うスキャンが所定時間間隔以上離れたタイミングで実行されるように加工を行ったりできる。このような条件を満足することで、空間的配列が連続するラインが時間的に連続してスキャンされることを可能な限り避けることができる。
順序割当部2133は、順序変更部2132により設定されたスキャン順序を、スキャンパターンに含まれる複数のラインに割り当てる。
眼科撮影装置1の動作について説明する。動作の一例を図7に示す。
(S11:スキャンパターンを設定する)
まず、眼底EfのOCTのスキャンパターンが設定される。スキャンパターンの設定は、第1実施形態と同様に行われる。
(S12:擬似乱数列を生成する)
擬似乱数列生成部2131は、ステップS1で設定されたスキャンパターンに含まれるラインの本数に基づいて擬似乱数列を生成する。
(S13:複数のスキャンラインの配列順を変更する)
順序変更部2132は、ステップS2で生成された擬似乱数列に基づいて、スキャンパターンに含まれる複数のラインの空間的配列順序を変更する。それにより、複数のラインのスキャン順序(時系列的順序)が得られる。
(S14:複数のスキャンラインにスキャン順序を割り当てる)
順序割当部2133は、ステップS13で得られたスキャン順序を、スキャンパターンに含まれる複数のラインに割り当てる。
(S15:スキャン順序情報に基づき光スキャナを制御しつつOCTを行う)
OCT開始のトリガを受けて、主制御部211は、OCTユニット100や光スキャナ42を制御することにより、眼底EfのOCTを実行する。このとき、主制御部211は、ステップS14で割り当てられたスキャン順序で複数のラインをスキャンするように光スキャナ42を制御する。
(S16:OCT画像を形成する)
画像形成部220は、ステップS15で収集されたデータに基づいてOCT画像を形成する。
本実施形態に係る眼科撮影装置の作用及び効果について説明する。
本実施形態の眼科撮影装置は、第1実施形態と同様に、複数のラインが配列されてなるスキャンパターンで眼底の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を行うよう構成され、データ収集部と光スキャナと制御部と画像形成部とを含む。
本実施形態の制御部(210A)は、条件設定部(213A)を含む。条件設定部は、OCTスキャンの条件を設定するよう機能し、特に、複数のラインの配列順(空間的配列順序)と異なる順序(スキャン順序)を複数のラインに割り当てる。制御部は、条件設定部により複数のラインに割り当てられた順序に基づいて光スキャナの制御を実行する。
条件設定部は、生成部と順序変更部とを含んでよい。生成部(擬似乱数列生成部2131)は、擬似乱数列を生成する。順序変更部(2132)は、生成部により生成された擬似乱数列に基づいて、スキャンパターンに含まれる複数のラインの配列順(空間的配列順序)を変更する。条件設定部は、順序変更部により得られた順序(スキャン順序、時系列的順序)を複数のラインに割り当てる(順序割当部2133)。
このような実施形態によれば、スキャンパターンに含まれる複数のラインに沿うスキャンを複数のラインの空間的配列順序と異なる順序で実行することができる。したがって、複数のラインの空間的配列順序にしたがってスキャンを行う従来の装置と比較して、測定光の移動軌跡を被検眼が追従してしまう可能性が低減される。
〈変形例〉
以上に説明した実施形態は本発明の一例に過ぎない。本発明を実施しようとする者は、本発明の要旨の範囲内における変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。
例えば、第1又は第2実施形態において、制御部210(又は210A)は、スキャンパターンに含まれる複数のラインの配列順(空間的配列順序)に応じてOCTを行う第1モードと、複数のラインの配列順と異なる順序(時系列的順序)でOCTを行う第2モードとを選択して光スキャナ42の制御を行うよう構成されてよい。例えば、被検者の年齢や、過去の検査における状況などに応じてモードを選択することができる。モードの選択は、ユーザ又は制御部210(210A)によって行われる。
また、制御部210(210A)は、OCTが行われる眼底Efの部位に応じて第1モード又は第2モードを選択するよう構成されてよい。例えば、スキャンエリアが眼底の中心領域に設定される場合(例えばスキャンエリアが黄斑を含む場合など)には、複数のラインの配列順と異なる順序が適用される第2モードを選択し、スキャンエリアが眼底の周辺領域(例えばスキャンエリアが黄斑を含まない場合)には、複数のラインの配列順がそのまま適用される第1モードを選択することが可能である。
上記の実施形態において、図4Aに示すN本のライン300−n(n=1〜N)を複数回ずつスキャンする計測手法がある。例えば、前述のOCT−Angiographyでは、眼底Efの同じ部位を複数回撮影し、その部位の構造の時間的な変化から動きの特徴を求める。複数回の撮影において、一般には撮影される眼底組織の部分は時間的に不変であるが、血管内部の血流部分は時間的に変化する。このような時間的変化が存在する部分(血流信号)を強調して描出する手法がOCT−Angiographyである。OCT−Angiographyでは、図4Aに示すようなラスタースキャンに含まれる複数のライン300−n(n=1〜N)が順次にスキャンされる。微弱な血流信号を抽出するには、短い時間間隔で同一部位を繰り返しスキャンして得られた複数の画像から血流信号を求めるよりも、比較的長い時間間隔で得られた複数の画像の時間的変化を抽出する方が、その変化量を確実に捉えることができる。同一部位に対するスキャンの時間間隔を長くするには、当該部位の複数回のスキャンを連続的にかつ時間間隔を空けて行うように光スキャナ42を制御するよりも、その空白時間に他の部位のスキャンを行う方が、スキャン全体を最適化できる(例えば、全撮影時間が短縮される)。よって、OCT−Angiographyでは、撮影時間や撮影フローが最適化されるように複数のライン300−n(n=1〜N)のスキャン順mが予め設定され、それに基づきスキャン順序情報212b(図4B)が作成される。なお、この場合のスキャン順序はランダムであってもよいが、規則的な順序が有効と考えられる。
上記の実施形態では、複数のライン300−n(n=1〜N)のスキャン順を変更する場合について説明したが、このようなスキャン順の変更に加えてスキャンの密度(空間的間隔)や速度(時間的間隔)の変更を適用することも可能である。例えば、複数のライン300−n(n=1〜N)を任意の順序でスキャンする場合において、初期のスキャン速度を速くし、中期のスキャン速度を遅くし、終期のスキャン速度を速くしつつ、検出側のサンプリングを一定速度で実行するように制御を行うことが可能である。それにより、比較的重要な部位のスキャンを高密度で行うことができる。特に、疾患部位や視神経乳頭周囲のような注目部位に対するスキャン密度を調整することが可能である。このような制御は、図4Aに示すような横方向に延びる複数のライン300−n(n=1〜N)を含むスキャンだけでなく、縦方向に並ぶ複数のラインを含むスキャンや同心円状に並ぶ複数のサークルを含むスキャンなどの任意のスキャンパターンにも適用可能である。
1 眼科撮影装置
42 光スキャナ
100 OCTユニット
210 制御部
220 画像形成部
230 データ処理部

Claims (5)

  1. 複数のラインが配列されてなるスキャンパターンで眼底の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を行うことが可能な眼科撮影装置であって、
    前記眼底に測定光を投射し、その戻り光と参照光との干渉光を検出し、その検出データを収集するデータ収集部と、
    前記測定光を2次元的に偏向可能な光スキャナと、
    前記複数のラインの配列順と異なる実質的にランダムな順序で前記スキャンパターンによるOCTを行うように前記光スキャナを制御する制御部と、
    前記制御部により前記光スキャナの制御を行いつつ前記データ収集部により収集された検出データに基づいて画像を形成する画像形成部と
    を備える眼科撮影装置。
  2. 前記実質的にランダムな順序は、擬似乱数列に基づいて設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記制御部は、前記擬似乱数列を生成する生成部を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記制御部は、
    前記実質的にランダムな順序を前記複数のラインに割り当てる条件設定部を含み、
    前記条件設定部により割り当てられた前記順序に基づき前記光スキャナの制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記条件設定部は、
    擬似乱数列を生成する生成部と、
    前記生成部により生成された前記擬似乱数列に基づき前記配列順を変更する順序変更部と
    を含み、
    前記順序変更部により得られた順序を前記複数のラインに割り当てる
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科撮影装置。
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