JP6685085B2 - 異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法 - Google Patents

異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法に関する。
フェルト生地は、産業において、抄紙用フェルトの他、プレス用クッション材等の工業用フェルトとして多岐に渡り利用されている。
これらのうち、抄紙用フェルトは、抄紙機において使用されるベルト状のフェルト部材である。抄紙用フェルトは、一般に、プレスパートに配置され、ワイヤーパートにおいて形成された湿紙を搬送、搾水するために用いられる。
このような抄紙用フェルトは、湿紙を担持および受け渡しするための適度な湿紙の密着性および剥離性(湿紙搬送性)ならびに湿紙中の水を効率よく搾り取るための優れた搾水性が要求される。さらに、抄紙用フェルトは、湿紙を担持し、圧搾により搾水を行うことから、湿紙表面の状態に大きな影響を与えるものであり、したがって、湿紙を平滑にするための湿紙平滑性も求められている。
湿紙を平滑にするためには、抄紙用フェルトの湿紙側に配置されたバット繊維層を均一にすることが重要である。このバット繊維層の凹凸が大きい、またはバット繊維の配置が均一でないと、湿紙の表面が粗くなる傾向にある。
他方、繊維中のプラスチック材料、織物片、バンド、ひも、箔片等の異物を検出する装置や、紡績機械におけるウェブを評価するための装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2005−120563号公報 特開平10−096124号公報 特開2004−052212号公報
ところで、抄紙用フェルトや工業用フェルトのバット繊維層の原料には、目的とするバット繊維に加え、微量の繊維状異物が混入している場合がある。このような繊維状異物は、通常のバット繊維と異なる繊維径を有している場合が多い。
本発明者らは、他の異物と比較して微小なこのような繊維状異物がバット繊維層の原料中に含まれる場合であっても、フェルトにより担持した製品の表面状態に影響を与えうるという問題を見出し、着目した。例えば、抄紙用フェルトの場合、繊維状異物に起因する形状が湿紙表面に転写され、得られる紙の平滑性や印刷適性に影響を与えうる。例えば、得られる紙に印刷を行った場合において、繊維状異物に起因する形状の印刷不良(白抜け)が生じてしまう。
したがって、本発明の目的は、フェルト製造用繊維中の上述したような繊維状異物を含む異物を検出、除去可能な異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、フェルト製造用繊維からウェブを形成し、ウェブに対し電磁波、特に可視光を透過させて透過した電磁波によって得られる画像を解析することにより、効率よく、かつ確実に繊維状異物を含む異物を検出できることを見出し、さらに鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の技術を基礎としたものである。
(1) フェルト製造用繊維を含んで形成されたウェブに対し電磁波を照射する照射部と、
ウェブを透過した電磁波を受光して、ウェブの透過画像情報を得る撮像部と、
透過画像情報からウェブ中に存在する繊維状異物を検出する検出部と、
検出された繊維状異物をウェブより除去する除去部と、を有する異物除去装置。
(2) 除去部は、繊維状異物を当該繊維状異物付近のフェルト製造用繊維とともに除去するように構成されている、(1)に記載の異物除去装置。
(3) 除去部は、繊維状異物を吸引により回収するように構成されている、(1)または(2)に記載の異物除去装置。
(4) 除去部は、繊維状異物を吸引するための吸引部を備え、
当該吸引部は、吸引時においてウェブから離間するように移動するように構成されている、(3)に記載の異物除去装置。
(5) さらに、フェルト製造用繊維を含む原料からカード処理によりウェブを形成するウェブ形成部を有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の異物除去装置。
(6) 形成されるウェブの目付量が、3〜30g/mである、(5)に記載の異物除去装置。
(7) 検出される繊維状異物の繊維径が、10〜1000μmである、(1)〜(6)のいずれかに記載の異物除去装置。
(8) 検出される繊維状異物の繊維径は、フェルト製造用繊維の平均繊維径の2〜100倍である、(1)〜(7)のいずれかに記載の異物除去装置。
(9) フェルト製造用繊維と繊維状異物との色が異なる、(1)〜(8)のいずれかに記載の異物除去装置。
(10) 電磁波が、可視光、赤外光または紫外光である、(1)〜(9)のいずれかに記載の異物除去装置。
(11) フェルト製造用繊維は、抄紙用フェルト製造用バット繊維である、(1)〜(10)のいずれかに記載の異物除去装置。
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載の異物除去装置と、
異物除去装置により処理されたフェルト製造用繊維をカード処理し、ウェブを形成するカード部と、
複数枚ウェブが積層された積層体に対しプレニードルパンチを行うプレニードルマシン部と、を有する、プレニードルマシンシステム。
(13) (1)〜(11)のいずれかに記載の異物除去装置と、
異物除去装置により処理されたフェルト製造用繊維をカード処理し、ウェブを形成するカード部と、
複数枚のウェブを基布と重ねた積層体に対し、ニードルパンチを行うニードルマシン部と、を有するフェルト製造システム。
(14) フェルト製造用繊維を含む原料中の繊維状異物を除去するための方法であって、
フェルト製造用繊維を含むウェブに対し電磁波を照射する照射工程と、
ウェブを透過した電磁波を用いてウェブの透過画像情報を得る画像情報取得工程と、
ウェブの透過画像情報よりウェブ中の繊維状異物を検出する検出工程と、
ウェブから繊維状異物を除去する除去工程と、を有する異物除去方法。
(15) (14)に記載の異物除去方法により繊維状異物が除去されたフェルト製造用繊維を用いてウェブを形成する工程と、
複数枚積層したウェブを基布と重ねた積層体に対しニードルパンチを行い、基布上にバット層を形成する工程と、を有するフェルトの製造方法。
以上の構成により、フェルト製造用繊維中の上述したような繊維状異物を含む異物を検出、除去可能な異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システム、異物除去方法およびフェルトの製造方法を提供することができる。
特に、ウェブに対し電磁波、特に可視光を透過させてウェブ中の異物を検出することにより、ウェブの表面のみならずウェブ内部に埋没した異物も確実に検出できる。繊維状異物は、周囲の繊維と絡み合った状態で存在し、ウェブ表面に現れない場合も多いため、このような電磁波を透過させる方法は、有利である。
図1は、本発明の第1実施態様に係る異物除去装置を示す概要図である。 図2は、図1に示す異物除去装置が備える異物検出除去部をウェブに沿って平面視した際の平面図である。 図3は、図1に示す異物除去装置が備える除去部の動作を示す概要断面図である。 図4は、本発明の第2実施態様に係るプレニードルマシンシステムの概要を示す平面配置図である 図5は、図4に示すプレニードルマシンシステムの一部を示す側面図である。 図6は、本実施態様に係るフェルト製造システムの概要を示す平面配置図である。 図7は、図6に示すフェルト製造システムの一部を示す側面図である。 図8(a)〜図8(f)は、それぞれ、本発明にかかる異物除去装置において検出されたウェブ中の繊維状異物の写真画像である。
以下、本発明を好適な実施態様に基づき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.異物除去装置、プレニードルマシンシステムおよびフェルト製造システム
<第1実施態様>
まず、本発明の第1実施態様について説明する。
図1は、本発明の第1実施態様に係る異物除去装置を示す概要図、図2は、図1に示す異物除去装置が備える異物検出除去部をウェブに沿って平面視した際の平面図、図3は、図1に示す異物除去装置が備える除去部の動作を示す概要断面図である。なお、図中、各部材の大きさは、適宜強調されており、実際の大きさ、比率を示すものではない。
図1に示す異物除去装置1は、フェルト製造用繊維100中の繊維状異物を含む異物103を検出、除去するための装置である。
ここで、フェルト製造用繊維100は、いかなるフェルトの製造に用いられる物であってもよく、例えば、プレス用クッション材等の工業用フェルト、抄紙用フェルト等の製造に用いることができる。特に、抄紙用フェルトは、湿紙の平滑性を向上させるために、その表面を均一かつ平滑にしておくことが求められるが、異物除去装置1によって処理されたフェルト製造用繊維100は、繊維状異物を含む異物103が除去されているため、抄紙用フェルトの製造に適している。さらに、このようなフェルト製造用繊維100は、例えば、これを用いて製造されるフェルトに樹脂等を含浸させて得られる、湿紙搬送用ベルト、抄紙用ベルト等の製造にも利用可能である。
また、フェルト製造用繊維100は、フェルトのいかなる原料として用いられるものであってもよいが、一般にフェルト中のバット繊維として使用される。バット繊維は、フェルト中においてフェルトの表面に露出しているが、異物除去装置1によって処理されたフェルト製造用繊維100は、繊維状異物を含む異物103が除去されているため、バット繊維が構成するバット繊維層が均一かつ平滑なものとなる。
また、フェルト製造用繊維としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1212、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、羊毛からなる群から選択された1種以上を原料とする短繊維が挙げられる。
また、繊維状異物103としては、特に限定されないが、例えば、ドリップファイバー、ヒューズドファイバー、未延伸ファイバー等の紡糸時に生じる不良繊維(異形繊維)や、基布糸、動物繊維、例えば人毛、着色繊維等の不本意に混入した繊維が挙げられる。ドリップファイバーは、繊維径が非定径な繊維であり、一般に白濁しており、表面が羽毛状を呈している。ヒューズドファイバーは、複数の繊維が接着して形成された繊維である。未延伸ファイバーは、繊維の製造工程において延伸処理がなされていない繊維である。これらの繊維は、紡糸時において生じる不良繊維(異形繊維)であり、通常原料繊維中に微量に存在する。いずれも、一般にフェルト製造用繊維よりもその繊維径が大きい場合が多く、フェルトの表面状態に影響を与えやすい。
図1に示す異物除去装置1は、原綿開繊部10と、ウェブ形成部20と、異物検出除去部30と、ウェブ回収部40とを有している。
原綿開繊部10は、原料であるフェルト製造用繊維100を開繊する開繊機11と、開繊された開繊体101をウェブ形成部20へ搬送する無端状の搬送ベルト12とを有している。
ウェブ形成部20は、いわゆるカード機であり、フィードローラー21と、テーカインローラー22と、プレシリンダー23と、トランスローラー24と、ワーカー25A、25Bと、ストリッパー26A、26Bと、メインシリンダー27と、ドッファー28と、コンデンサーローラー29とを有している。なお、ウェブ形成部20における各ローラーは、図中に示す矢印の方向に回転する。
フィードローラー21およびテーカインローラー22は、原綿開繊部20より開繊され、搬送された開繊体101をプレシリンダー23へ供給するローラーである。プレシリンダー23は、その周面上に配置されたワーカー25Aおよびストリッパー26Aとともに協働して、供給された開繊体101を予備的に開繊することができる。プレシリンダー23、ワーカー25Aおよびストリッパー26Aは、それぞれその周面に多数の櫛歯が配置されており、プレシリンダー23上の開繊体101をワーカー25Aが掻きとるとともに、ストリッパー26Aが掻き取られた開繊体101をプレシリンダー23上に戻すことにより、開繊体101の開繊を行う。
トランスローラー24は、プレシリンダー23より開繊体101を受け取るとともに、これをメインシリンダー27へ供給する。ここで、トランスローラー24は、その回転速度が調節されることにより、メインシリンダー27への開繊体101の供給量を調節する。
メインシリンダー27は、その周面上に配置されたワーカー25Bおよびストリッパー26Bとともに協働して、供給された開繊体101を開繊し、均一化することができる。メインシリンダー27、ワーカー25Bおよびストリッパー26Bは、それぞれその周面に多数の櫛歯が配置されており、メインシリンダー27上の開繊体101をワーカー25Bが掻きとるとともに、ストリッパー26Bが掻き取られた開繊体101をメインシリンダー27上に戻すことにより、開繊体101を開繊するとともにその進行方向に沿って引き揃える。
ドッファー28は、その周面がメインシリンダー27の周面と対向するように配置され、メインシリンダー27と比較してより低い周速で回転するように構成されている。ドッファー28は、メインシリンダー27より引き揃えられた開繊体101を低速で受け止めることにより開繊体101の目付量を大きくし、ウェブ102を形成する。
コンデンサーローラー29は、ドッファー28と比較してより低い周速で回転するように構成されており、ドッファー28において形成されたウェブ102を圧縮することによりこの目付量を調節する。
このようなウェブ形成部20により、開繊され、目付量が調節された帯状のウェブ102を連続的に形成することが可能である。
ウェブ形成部は、形成されるウェブ102の目付量が、特に限定されないが、例えば、3〜30g/m、好ましくは5〜26g/m、さらに好ましくは7〜22g/mとなるように構成することができる。
異物検出除去部30は、複数の搬送ベルト31A〜31Cと、照射部(光源)32と、撮像部33と、除去部34と、制御部(図示せず)とを有している。
搬送ベルト31A、31B、31Cは、それぞれ無端状のベルトであり、ウェブ形成部20からウェブ回収部40へかけてウェブ102を搬送するように搬送ベルト31A、31B、31Cの順に流れ方向に沿って配置されている。
照射部32は、搬送ベルト31Aと搬送ベルト31Bとの間に配置されている。図2に示すように、照射部32は、可視光を発する複数の光源321によって構成されており、光源321は、それぞれ、搬送ベルト31A、31Bの巾方向、すなわちウェブ102の巾方向に沿って、後述する撮像部33の撮像手段(カメラ)331と対をなし、かつ対向するように配置されており、ウェブ102の下方からウェブ102の一方の主面に向けて可視光を照射する。
このように、照射部32の光源が撮像部33の撮像手段331と対をなし、かつ対向するように配置されることにより、光源の位置に起因するウェブ102を透過する透過光のむらを抑制できる。なお、照射部32の光源が撮像部33の撮像手段331と対をなすことから、本実施態様において光源の数と、撮像手段の数とは一致する。
また照射部32によってウェブ102に照射される可視光の照度は、特に限定されず、可視光がウェブ102を適度に透過できるものであればよいが、例えば10万〜70万lx、好ましくは20万〜60万lx、より好ましくは30万〜50万lxとすることができる。これにより、可視光がウェブ102を十分に透過できるとともに、ウェブ102中に異物103が存在する場合等のウェブ102の状態の変化に対する可視光の透過度の変化をより明確に観察できるものとなる。
なお、光源としては、特に限定されないが、例えば、(無機)発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、蛍光灯、白熱電球、ハロゲンランプ、アーク灯、冷陰極型蛍光管等が挙げられる。これらのうち、光源としては、発光むらが少ない点および発熱量が少ない点、耐久性が高い点から、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)または蛍光灯が好ましく、発光ダイオードがより好ましい。
また、本実施態様においては、照射部32が可視光を照射するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、照射部は、繊維状異物が検出可能である限り、赤外光、紫外光を含む各種電磁波を適用可能である。
また、照射部32は、図示せぬ制御部に接続されており、制御部の指示に従って、照射部32の各光源321の駆動が行われる。
図2に示すように、撮像部33は、複数の撮像手段331を備えている。撮像手段331は、ウェブ102を巾方向に渡り撮像できるように搬送ベルト31A、31Bの巾方向に沿って配置されている。また、撮像手段331は、対となる照射部32の光源321と対向するように配置されている。各撮像手段331は、それぞれ対となった光源321から発され、ウェブ102を通過した透過光を受光し、ウェブ102の透過画像情報を得ることができる。
また、撮像手段331は、それぞれ、図示せぬ制御部に接続されている。これにより撮像手段331は、制御部からの指示に応じて撮像を行い、一方で、撮像によって得られた透過画像情報を制御部に送信することができる。また、撮像手段331は、制御部の指示に応じて、撮像時の受光感度(ISO感度)や、焦点距離等の各種撮像条件が設定される。
また、撮像手段331は、繊維状異物を含む異物103を十分に検出できるような画像解像度が得られ、かつ、ウェブ102の広い範囲を撮像できるように、ウェブ102との距離が調節されている。このような距離は、撮像手段331の種類、性能によって変わり得、特に限定されないが、例えば、10〜100cm、好ましくは20〜80cm、より好ましくは40〜60cmとすることができる。
さらに、隣り合う撮像手段331同士の距離は、各撮像手段331の撮像範囲の一部が互いに重複するものであればよいが、例えば、10〜100cm、好ましくは15〜80cm、より好ましくは20〜60cmとすることができる。
また、このような撮像手段331としては、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等の固体撮像素子や、撮像管を備えた装置が挙げられる。これらのうち、撮像手段331は、固体撮像素子を備えることが好ましく、CCDイメージセンサを備えたCCDカメラであることがより好ましい。
なお、図示の態様に限らず、撮像手段は、照射部によって照射される電磁波の種類に応じて適宜選択可能である。
また、このような撮像手段331によって得られる透過画像情報は、必要に応じてA/D変換処理がなされて、デジタルデータとして制御部に送信される。
除去部34は、搬送ベルト31C上に配置されており、ウェブ102の搬送方向において撮像部33よりも下流側に位置している。また、図2に示すように、除去部34は、複数の吸引部341を備えており、複数の吸引部341は、全体としてウェブ102の巾方向に渡り異物103を除去できるように、ウェブ102上を横断するようにして配置されている。
各吸引部341は、筒状体であり、一方の端部は図示せぬ吸引装置と配管を介して接続されている。また、一方の端部は、ウェブ102に対向しており、端部に設けられた開口(吸引口)342よりウェブ102中の異物、特に繊維状異物を吸引することが可能に構成されている。
なお、吸引部341による吸引に際しては、繊維状異物103は、当該繊維状異物103付近のフェルト製造用繊維100とともに除去するように構成されている。繊維状異物103は、通常ウェブ102中において他の繊維と絡み合って存在しているため、このように周辺部にあるフェルト製造用繊維100ごと繊維状異物103を除去するのが効率的である。また、圧縮空気等によって繊維状異物103を吹き飛ばすことも考えられるが、このような場合には、単にウェブ102が風圧により裂けるのみであり、繊維状異物103は除去されない。
また、吸引部341は、ウェブ102に対し、近接離間方向に移動可能に構成されている。
そして、吸引部341は、吸引前に異物103付近に移動するようにウェブ102に近接し(図3(a))、吸引が開始されるとともにウェブ102から離間するように構成されている(図3(b)、(c))。これにより、異物103が異物103付近のウェブ102とともに、吸引部に吸引、回収される。一方で、このように吸引と同時に吸引部341がウェブ102から離間することにより、繊維状異物103付近のフェルト製造用繊維100を無制限に吸引することが防止される。
なお、吸引部341の吸引および移動は、制御部の指示に従い行われる。
また、吸引部341に接続される吸引装置としては、特に限定されないが、例えば、ターボブロア式、ルーツブロア式(サイクロン式)、エジェクター式の各種吸引装置を用いることができる。このうち、瞬時に安定した風量を得るという観点から、ルーツブロア式が好ましい。
なお、吸引部341において吸引された異物103を含むフェルト製造用繊維100は、フィルタ等により回収される。回収された製造用繊維100は、異物103を除去した後に再利用することが可能である。
制御部は、演算装置、記憶装置、入力手段および表示手段を有する、いわゆる電子計算機(コンピューター)である。
制御部は、異物検出除去部30の各部位に接続しており、これらを制御する。
また、制御部は、撮像部33において取得した透過画像情報を解析して繊維状異物を含む異物103の検出を行う検出部としても機能する。具体的には、異物103の検出は、透過画像情報のドット情報を抽出し、コントラスト、色の差異を判断することにより、行うことができる。透過画像情報のコントラスト、色調等を適宜設定することにより、異物103の検出感度を変更することもできる。
また、撮像部33において撮像された透過画像および検出された異物103の情報等の異物検出除去部30に関する情報は、適宜表示手段に表示されることができる。表示手段としては、特に限定されないが、例えば、ディスプテレイ、ランプ、タッチパネル、スピーカ等が挙げられ、これらを単独もしくは組み合わせて利用可能である。
また、制御部は、入力手段を備えており、入力手段により、異物検出除去部30の制御条件の設定や起動、終了を指示することが可能である。なお、入力手段としては、特に限定されないが、例えば、マウス、トラックボール、ペンタブレット等のポインティングデバイスや、キーボード、タッチパネルまたは、入力、出力もしくは入出力端子等の接続端子や、ボタン、つまみ等が挙げられ、これらを単独もしくは組み合わせて利用可能である。
ウェブ回収部40は、収納容器であり、異物検出除去部30の搬送ベルト31A〜31Cによって搬送されたウェブ102を回収、収納する。ウェブ回収部40において回収されたウェブ102は、フェルトの製造に用いることができる。例えば、この後ウェブ102についてさらなるカード処理を行い、プレニードル処理を経てプレバット繊維層を得、基布とプレバット繊維層を重ねてニードリングを行うことにより基布上にバット繊維層を有するフェルトを得ることができる。あるいは、例えば、この後ウェブ102についてさらなるカード処理を行い、ウェブの積層体と基布とを重ねてニードリングを行うことにより基布上にバット繊維層を有するフェルトを得ることができる。
以上、本実施態様の異物除去装置1を用いて、従来異物として認識されていなかった繊維状異物を含む異物103を的確に検出し、除去することができる。
特に、ウェブ102中の繊維状異物103は、他の繊維と絡み合い、ウェブ102の表面のみを観察した場合に確実に検出することは困難であったが、ウェブ102を通過する透過光を用いて検出を行うことで、確実に検出することが可能である。なお、繊維状異物103は、従前から異物と認識されていたプラスチック材料、織物片、バンド、ひも、箔片と比較して微小なものであり、受光素子を用いて、ましてやウェブ中の複数の繊維が重複して像に反映される透過画像を用いて検出可能であるとは知られていなかったものである。
また、特に繊維状異物103を周辺の繊維ごと吸引によりウェブ102より除去することにより、確実に繊維状異物103を除去することができる。
<第2実施態様>
次に、本発明の第2実施態様について説明する。
図4は、本実施態様に係るプレニードルマシンシステムの概要を示す平面配置図、図5は、図4に示すプレニードルマシンシステムの一部を示す側面図である。なお、図中、上述した第1実施態様の構成と同一の構成については、同一の符号を付している。
以下、本実施態様の第1実施態様との相違点について詳細に説明し、同様の事項については、説明を省略する。
図4、図5に示す本実施態様に係るプレニードルマシンシステム2は、異物除去装置1Aに対し、カード部60およびプレニードルマシン部80が追加されてプレニードルマシンシステム2を形成している点で、第1実施態様に係る異物除去装置1と相違する。
プレニードルマシンシステム2は、異物除去装置1Aと、第1のクロスラッパー50Aと、カード部60と、第2のクロスラッパー50Bと、インクライン70と、プレニードルマシン部80とを有している。
異物除去装置1Aは、第1の実施態様に係る異物除去装置1においてウェブ回収部40が省略されたものである。異物除去装置1Aにおいて異物が除去されたウェブ102は、第1のクロスラッパー50Aに搬送される。
第1のクロスラッパー50Aは、異物除去装置1Aより搬送されたウェブ102を、複数枚に重ね合わせて積層体を形成しつつ、ウェブ102の積層体の搬送方向を供給されたウェブ102の搬送方向から90°変更して、カード部60に供給する。
なお、第1のクロスラッパー50Aは、特に限定されないが、山型クロスラッパー、水平式クロスラッパー等であることができる。
カード部60は、カード機61と、搬送ベルト62A、62Bとを有している。
搬送ベルト62Aは、第1のクロスラッパー50Aから供給されたウェブの積層体をカード機61に搬送する。
カード機61は、ウェブ形成部20と同様の構成を有し、供給されたウェブ102の積層体を再度開繊し、再度ウェブ102を形成する。なお、カード機61におけるウェブ102の開繊は、上述したウェブ形成部20における開繊と90°開繊方向が異なる。このように異なる方向から開繊を行うことにより、十分な開繊が可能となる。
搬送ベルト62Bは、カード機61より供給されるウェブ102をさらに第2のクロスラッパー50Bに搬送する。
第2のクロスラッパー50Bは、第1のクロスラッパー50Aと同様の機構を有し、カード部60より搬送されたウェブ102を、複数枚に重ね合わせて積層体104を形成しつつ、ウェブ102の積層体104の搬送方向を供給されたウェブ102の搬送方向から90°変更して、インクライン70に搬送する。
インクライン70は、搬送ベルトを有し、第2のクロスラッパー50Bにおいて形成された積層体104をプレニードルマシン部80に搬送する。
プレニードルマシン部80は、フィードテーブル81と、マシン本体82と、マシン本体82内に設けられたニードル部83と、回収ベルト84、85と、巻き取りロール86とを有している。
フィードテーブル81は、インクライン70から搬送された積層体104をガイドしつつマシン本体82に搬送する。
マシン本体82では、供給された積層体104に対し、複数のニードルが設けられたニードルボード831とベッドプレート832とを有するニードル部83において、ニードルパンチングを行う。これにより、積層体104中のフェルト製造用繊維100同士が絡合した、プレバット繊維層からなるシート105が形成される。
シート105は、回収ベルト84、85に支持されつつ巻き取りロール86により巻き取られて回収される。
本実施態様に係るプレニードルマシンシステム2は、第1の実施態様にかかる効果の他、一括で繊維状異物を含む異物103の除去と、プレバット繊維層の形成とを行うことができるという利点を有する。また、基布にバット繊維層を形成するニードルパンチングと、カード処理とが別個に行われるため、カード処理(開繊処理)とニードルマシンによるニードルパンチングの処理とにおけるウェブ102の搬送速度の差を考慮する必要がない。
なお、プレバット繊維層からなるシート105は、ニードルマシンに供されて、基布と積層された状態でニードリングされることにより、フェルト中のバット繊維層となることができる。
<第3実施態様>
次に、本発明の第3実施態様について説明する。
図6は、本実施態様に係るフェルト製造システムの概要を示す平面配置図、図7は、図6に示すフェルト製造システムの一部を示す側面図である。なお、図中、上述した第1実施態様、第2実施態様の構成と同一の構成については、同一の符号を付している。
以下、本実施態様の上述した第1実施態様、第2実施態様との相違点について詳細に説明し、同様の事項については、説明を省略する。
図6、図7に示す本実施態様に係るフェルト製造システム3は、プレニードルマシンシステム2のプレニードルマシン部80がニードルマシン部90に変更されている点で、第2実施態様に係るプレニードルマシンシステム2と相違する。
ニードルマシン部90は、フィードテーブル91と、複数(本実施態様では3本)の支持ロール92と、マシン本体93とを有している。
フィードテーブル91と、3本の支持ロール92とは、フェルトの製造に用いられる基布200を掛け入れることができるように構成されている。また、フィードテーブル91と3本の支持ロール92とは、掛け入れられた基布200に対し張力を作用させることができるとともに、基布200をその丈方向に沿って回転させることができる。
マシン本体93は、その筐体内に2つのニードル部94A、94Bを有している。2つのニードル部94A、94Bは、マシン本体93内において上下に並列に配置され、それぞれ掛け入れられた基布200が通過可能に構成されている。
ニードル部94A、94Bは、それぞれ、上部に設けられたニードルボード941A、941Bと下部に設けられたベッドプレート942A、942Bとを有している。これにより、ニードル部94Aは、基布200の外周面側からのニードルパンチが可能であり、ニードル部94Bは、基布200の内周面側からのニードルパンチが可能に構成されている。
そして、フィードテーブル91より複数のウェブ102を重ねた積層体104が供給されると、積層体104が基布200上に積層されて新たな積層体300が形成される。そして、ニードル部94Aにおいてニードルボード941Aとベッドプレート942Aとにより積層体300に対しニードルパンチを行うことができる。これにより、積層体104中のフェルト製造用繊維100が基布200に絡合し、フェルト製造用繊維100を含んで構成されるバット繊維層が基布200上に形成される。
一方で、ニードル部94Bにおいては、基布200の内周面にバット繊維の積層体、例えばプレバット層が供給された場合には、ニードルボード941Bとベッドプレート942Bとによりプレバット層と基布200に対しニードルパンチを行うことができる。
本実施態様に係るフェルト製造システム3は、第1の実施態様にかかる効果の他、一括で繊維状異物を含む異物103の除去とフェルトの製造とを行うことができるという利点を有する。
2.異物除去方法およびフェルトの製造方法
次に、本発明の異物除去方法およびフェルトの製造方法の好適な実施態様について説明する。
本発明の異物除去方法は、フェルト製造用繊維を含む原料中の繊維状異物を除去するための方法であって、
フェルト製造用繊維を含むウェブに対し電磁波を照射する照射工程と、
ウェブを透過した電磁波に基づいてウェブの透過画像情報を得る画像情報取得工程と、
ウェブの透過画像情報よりウェブ中の繊維状異物を検出する検出工程と、
ウェブから繊維状異物を除去する除去工程と、を有する。
また、本発明のフェルトの製造方法は、上記異物除去方法により繊維状異物が除去されたフェルト製造用繊維を用いてウェブを形成する工程と、
複数枚積層したウェブを基布と重ねた積層体に対しニードルパンチを行い、基布上にバット層を形成する工程と、を有する。
以下、詳細に説明する。なお、説明の容易化のため、上述した第3実施態様に係るフェルト製造システム3を使用するものとして説明する。
まず、フェルト製造用繊維100を含む原料から、ウェブ102を形成する(ウェブ形成工程)。
ウェブ102の形成は、ウェブ形成部20にフェルト製造用繊維100を供給してカード処理を行うことにより行われる。
形成されるウェブ102の目付量は、特に限定されないが、例えば、3〜30g/m、好ましくは5〜26g/m、さらに好ましくは7〜22g/mである。このような目付量のウェブ102は、可視光(電磁波)の透過が十分に可能であり、かつ、繊維状異物を含む異物の検出が比較的容易である。
次に、ウェブ102に対し、可視光を照射する(照射工程)。
具体的には、照射部32の各光源321よりウェブ102の下方からウェブ102の一方の主面に向けて可視光を照射する。
なお、可視光の照度は、特に限定されないが、例えば、上述したような範囲とすることができる。
次に、ウェブ102を透過した透過光を用いてウェブの透過画像情報を得る(画像情報取得工程)。
具体的には、撮像部33の撮像手段331において、それぞれ対となった光源321から発され、ウェブ102を通過した透過光を受光し、ウェブ102の透過画像情報を得る。
また、撮像時の撮像手段331の受光感度(ISO感度)や、焦点距離等の各種撮像条件は、制御部に対して入力を行うことにより、または制御部において予め設定しておくことにより、適宜設定、変更することができる。
例えば、3〜15g/mの軽目付のウェブの画像情報を取得する場合、取得した画像が白く抜けてしまうことを防止する為、制御部における調光機能を調節することによって、適切な画像情報を取得することができる。
また、得られた透過画像情報は、通常アナログデータであるため、A/D変換を行い、デジタルデータとすることが好ましい。
撮像手段331においてデジタルデータに変換された透過画像情報は、制御部に送信され、繊維状異物を含む異物の除去に用いられる。
次に、ウェブ102の透過画像情報よりウェブ102中の繊維状異物を含む異物103を検出する(検出工程)。
異物103の検出は、透過画像情報において、異物103の輪郭を得、これにより異物であるか否かを判断することにより行うことができる。なおこの処理および判断は、検出部を兼ねる制御部により行われる。
具体的には、例えば、制御部により、透過画像情報においてドット情報を抽出し、隣接するドット間の色差およびコントラスト比に関する情報を算出してこれをマッピングした二次元データを得る。
次に、マッピングした二次元データにおいて、色差およびコントラスト比が他の部位と異なる部位についての形状を識別し、繊維状異物を含む異物103の検出を行う。異物103が検出された場合には、制御部は、除去部34に対し、異物を除去するように指示する。
なお、繊維状異物を初めとする異物103は、フェルト製造用繊維100と比較して、その径や厚さが大きい場合が多く、このような場合、ウェブ102中のフェルト製造用繊維100のみ存在する部位と比較して可視光の透過率が小さくなる。そして、ウェブ102中における透過率の差異は透過画像情報における隣接するドット間のコントラスト比に反映される。
また、フェルト製造用繊維100と繊維状異物103との色が異なる場合には、このような色の違いは、透過画像情報における隣接するドット間の色差に反映される。
したがって、透過画像情報における隣接するドット間のコントラス比や色差等の情報の差異は、繊維状異物を含む異物103の検出に有用である。
また、検出される繊維状異物103の繊維径は、特に限定されないが、例えば10〜1000μm、好ましくは50〜800μm、より好ましくは80〜500μmであることができる。このような繊維径の繊維状異物103は、フェルトに用いた際に、フェルト表面の状態に影響を与えやすく、また一方で比較的繊維径が小さいため、フェルト製造用繊維100の製造時において除去することが困難である。
なお、抄紙用フェルトにおいては、バット繊維中に、繊維径が100μm以上の繊維が混在すると、担持する湿紙および得られる紙にその形状が転写されやすい。このような場合、印刷時においてその形状が転写された部位に、適切に印刷が行われない問題(白抜け)が生じ得る。
また、検出される繊維状異物103の繊維径は、特に限定されないが、フェルト製造用繊維100の平均繊維径の2〜100倍、好ましくは3〜50倍、より好ましくは4〜20倍である。上記範囲内であると、繊維状異物103とフェルト製造用繊維100との間の可視光による透過率の差異が明確となりやすく、より確実に繊維状異物103の検出が可能となる。また、このような繊維径の繊維状異物103は、フェルト表面の均一性および平滑性を低下させる。
なお、検出の目的とする繊維状異物103に応じて、検出条件(検出プログラム)を適宜変更することも可能である。また、複数の検出条件を同時に用いて同時に複数種の繊維状異物103を検出するように設定してもよい。
また、本発明者らは、上述したような照射部32、撮像部33、および検出部と同様の構成を備える装置を用いて、試験を行ったところ、図8(a)〜図8(f)に示すような繊維状異物の検出が可能であった。
図8(a)〜図8(f)は、それぞれ、本発明にかかる異物除去装置において検出されたウェブ中の繊維状異物の写真画像である。図8(a)に示される繊維状異物は、繊維径0.23mmのドリップファイバーであり、図8(b)に示される繊維状異物は、繊維径0.15mmのヒューズドファイバーであり、図8(c)に示される繊維状異物は、繊維径0.12mmの未延伸ドファイバーであり、図8(d)に示される繊維状異物は、繊維径0.12mmの基布糸であり、図8(e)に示される繊維状異物は、繊維径0.10mmの人毛であり、図8(f)に示される繊維状異物は、繊維径0.04mmの着色繊維である。
次に、ウェブ102から、検出された繊維状異物を含む異物103を除去する(除去工程)。
具体的には、制御部により除去部34に対し、異物103を行うよう指示を与える。なお、この指示には、ウェブ102中の繊維状異物等の異物103の位置についての情報が含まれている。次に、除去部34は、指示に応じて、搬送されるウェブ102の繊維状異物等の異物103の存在する位置において、作動し、繊維状異物等の異物103をウェブ102から除去する。
除去部34は、繊維状異物を含む異物103が検出されると、まず、幅方向においてその繊維状異物が存在する位置に対応する吸引部341がウェブ102に近接する(図3(a))。次に、吸引部341の吸引口付近に異物が搬送されると、吸引部341は、吸引を開始するとともに、ウェブ102からの離間を開始する(図3(b))。これにより、異物が異物付近のウェブ102とともに、吸引部に吸引、回収される(図3(c))。一方で、このように吸引と同時に吸引部341がウェブ102から離間することにより、繊維状異物103付近のフェルト製造用繊維100を無制限に吸引することが防止される。
なお、吸引部341の吸込仕事率は、特に限定されないが、例えば、各吸引部341の合計の吸込仕事率として、500〜3000W、好ましくは750〜2500W、より好ましくは1000〜2000Wとすることができる。なお、ここで吸込仕事率としては、例えば、JIS C 9108に定義されているものとすることができる。
また、吸引部341の真空度は、特に限定されないが、例えば、10〜90kPa、好ましくは20〜80kPa、より好ましくは30〜70kPaとすることができる。
以上により、フェルト製造用繊維を含む原料から、繊維状異物を含む異物103を検出、除去することができる。また、上述したような方法は、形成したウェブ102を連続的に搬送しつつ、異物103の検出、除去が可能である。また、このようにして異物103が除去されたフェルト製造用繊維100は、例えば以下の各工程に記載されるようにフェルトの製造に使用することができる。
次に、上述したようにして得られた異物103が除去されたウェブ102を第1のクロスラッパー50Aにより複数枚積層する(第1の積層工程)。積層するウェブの数は、特に限定されないが、例えば積層された積層体の目付量が30〜300g/m、好ましくは50〜200g/m、より好ましくは60〜150g/mとなるように積層を行うことができる。
次に、第1の積層工程において得られたウェブの積層体について、カード機61によりカード処理をおこない、再度ウェブ102を形成する(カード処理工程)。
次に、カード102を第2のクロスラッパー50Bにより複数枚積層して、積層体104を形成する(第2の積層工程)。積層するカード102の数は、特に限定されないが、例えば積層された積層体104の目付量が30〜300g/m、好ましくは50〜200g/m、より好ましくは60〜150g/mとなるように積層を行うことができる。
次に、ウェブを複数枚積層した積層体104とフィードテーブル91において無端状の基布の外周面に重ね、得られた積層体104に対しニードルマシン部90のニードル部94Aにおいてニードルパンチを行い、フェルト製造用繊維100を基布200と絡合一体化させて、フェルト製造用繊維を含んで構成されるバット繊維層を形成する(ニードリング工程)。
一方で、基布200の内周面には、図示せぬロールよりバット繊維のシートを供給してシートと基布200とを積層し、ニードル部94Bにおいてニードルパンチを行い、バット繊維を基布200と絡合一体化させて、内周面側のバット繊維層を形成する。なお、内周面側に供されるバット繊維は、上述した異物除去方法により異物が除去されていてもよいし、上述した異物除去方法の適用なしに用いてもよい。
以上により、基布上にバット繊維層が形成されたフェルトを得ることができる。このようなフェルトは、その外周面のバット繊維層から繊維状異物を含む異物が除去されている。したがって、例えば、抄紙用フェルトとして有用である。すなわち、得られたフェルトを抄紙用フェルトとして用いた場合、外周面のバット繊維層が均一かつ平滑になっているため、プレスパートにおいて担持する湿紙の平滑性を向上させることができる。また、このようなフェルトを用いて製造される紙の印刷適性が優れたものとなる。
また、以上により得られたフェルトは、例えば、プレス用クッション材等の工業用フェルト等の他、当該フェルトを材料として利用した湿紙搬送用ベルト、抄紙用ベルトの製造等にも使用することが可能である。
以上、本発明について好適な実施形態に基づき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
例えば、上述した実施態様では、異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システムは、それぞれ一体化した装置として説明したが、これに限定されない。例えば、異物除去装置、プレニードルマシンシステム、フェルト製造システムは、それぞれ装置、システムを構成する各部分が物理的に離れて構成されていてもよい。
また、例えば、上述した実施態様では、異物除去装置が、光源、撮像手段、吸引部がそれぞれ複数設けられたものとして説明したが、これに限定されない。例えば、光源、撮像手段、吸引部は、それぞれ、その機能、構成に応じて配置する数を適宜選択することができ、それぞれ1台のみ配置されることも可能である。また、例えば、光源、撮像手段および吸引部の数は、一致していなくてもよい。
また、光源は、ウェブの巾方向に渡って設けられた1の光源であってもよい。
また、吸引部は、ウェブの巾方向に渡って設けられた1のスリット状の吸引口を備えるものであってもよい。この場合、例えば、吸引口は、複数の蓋によって封されており、適宜異物の位置に対応した蓋のみが作動して吸引口の一部が開口するように構成されていてもよい。
また、例えば、上述した実施態様では、異物が除去されたフェルト製造用繊維を引き続きフェルトの製造に供したが、本発明のフェルトの製造方法はこれに限定されない。例えば、異物を除去した後に、フェルト製造用繊維は、一旦回収、保管されていてもよく、その後フェルトの製造に供されることができる。また、同様にフェルト製造用繊維は、異物が除去された後にカード処理を経てプレバット繊維層のためのシートの製造に用いられてもよい。この場合、必要に応じて保管され、その後フェルトの製造に供される。
1、1A:異物除去装置、2:プレニードルマシンシステム、3:フェルト製造システム、10:原綿開繊部、11:開繊機、12:搬送ベルト、20:ウェブ形成部、21:フィードローラー、22:テーカインローラー、23:プレシリンダー、24:トランスローラー、25A、25B:ワーカー、26A、26B:ストリッパー、27:メインシリンダー、28:ドッファー、29:コンデンサーローラー、30:異物検出除去部、31A、31B、31C:搬送ベルト、32:照射部、321:光源、33:撮像部、331:撮像手段、34:除去部、341:吸引部、40:ウェブ回収部、
50A、50B:クロスラッパー、60:カード部、61:カード機、62A、62B:搬送ベルト、70:インクライン、80:プレニードルマシン部、81:フィードテーブル、82:マシン本体、83:ニードル部、831:ニードルボード、832:ベッドプレート、84、85:回収ベルト、86:ロール、90:ニードルマシン部、91:フィードテーブル、92:支持ロール、93:マシン本体、94A、94B:ニードル部、941A、941B:ニードルボード、942A、942B:ベッドプレート、
100:フェルト製造用繊維、101:開繊体、102:ウェブ、103:異物(繊維状異物)、104:積層体、105:シート、200:基布、300:積層体

Claims (13)

  1. フェルト製造用繊維を含みカード処理により形成されたウェブに対し電磁波を照射する照射部と、
    ウェブを透過した電磁波を受光して、ウェブの透過画像情報を得る撮像部と、
    透過画像情報からウェブ中に存在する繊維状異物を検出する検出部と、
    検出された繊維状異物をウェブより除去する除去部と、を有し、
    除去部は、繊維状異物を吸引するための吸引部を備え、
    吸引部は、吸引時においてウェブから離間するように移動するように構成されている、
    異物除去装置。
  2. 除去部は、繊維状異物を当該繊維状異物付近のフェルト製造用繊維とともに除去するように構成されている、請求項1に記載の異物除去装置。
  3. さらに、フェルト製造用繊維を含む原料からカード処理によりウェブを形成するウェブ形成部を有する、請求項1または2に記載の異物除去装置。
  4. 形成されるウェブの目付量が、3〜30g/mである、請求項に記載の異物除去装置。
  5. 検出される繊維状異物の繊維径が、10〜1000μmである、請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置。
  6. 検出される繊維状異物の繊維径は、フェルト製造用繊維の平均繊維径の2〜100倍である、請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置。
  7. フェルト製造用繊維と繊維状異物との色が異なる、請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置。
  8. 電磁波が、可視光、赤外光または紫外光である、請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置。
  9. フェルト製造用繊維は、抄紙用フェルト製造用バット繊維である、請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置と、
    異物除去装置により処理されたフェルト製造用繊維をカード処理し、ウェブを形成するカード部と、
    複数枚ウェブが積層された積層体に対しプレニードルパンチを行うプレニードルマシン部と、を有する、プレニードルマシンシステム。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の異物除去装置と、
    異物除去装置により処理されたフェルト製造用繊維をカード処理し、ウェブを形成するカード部と、
    複数枚のウェブを基布と重ねた積層体に対し、ニードルパンチを行うニードルマシン部と、を有するフェルト製造システム。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の異物除去装置による、フェルト製造用繊維を含む原料中の繊維状異物を除去するための方法であって、
    フェルト製造用繊維を含みカード処理されたウェブに対し電磁波を照射する照射工程と、
    ウェブを透過した電磁波を用いてウェブの透過画像情報を得る画像情報取得工程と、
    ウェブの透過画像情報よりウェブ中の繊維状異物を検出する検出工程と、
    ウェブから繊維状異物を除去する除去工程と、を有する異物除去方法。
  13. 請求項12に記載の異物除去方法により繊維状異物が除去されたフェルト製造用繊維を用いてウェブを形成する工程と、
    複数枚積層したウェブを基布と重ねた積層体に対しニードルパンチを行い、基布上にバット層を形成する工程と、を有するフェルトの製造方法。
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