JP6682697B1 - 摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法を提供する。【解決手段】本発明の摩擦攪拌接合装置(1)は、接合ツール(7)と、主軸モータと、主軸モータを支持する接合ヘッド(5)と、主軸モータに駆動信号を送信する制御部(11)を有する装置本体(2)と、を備え、制御部(11)は、接合温度に応じて主軸モータの負荷トルクが目標とする値になるように接合ツール(7)のZ軸方向の位置を制御することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法に関する。
円柱状の接合ツールを回転させて発生する摩擦熱で被接合材料を軟化させ、その部分を攪拌することで被接合材料同士を接合する摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)は、被接合材料以外の素材を用いないため、疲労強度が高く、材料も溶融しないことから溶接変形(ひずみ)の少ない接合が可能であり、航空機や自動車のボディなど、幅広い分野での応用が期待されている。
摩擦攪拌接合に関する技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1には回転するツールを被接合材に挿入し、被接合材と相対的に移動させることにより被接合材を接合する摩擦攪拌接合装置において、ツールを回転する主軸モータの負荷トルク又はそれに流れる電流値が所定の範囲にあるように、被接合材へのツールの挿入方向におけるツールと被接合材との相対的位置又は被接合材へのツールの挿入深さを制御する制御装置を有することを特徴とする摩擦攪拌接合装置が記載されている。
これまで、特許文献1に記載のように、主軸モータの負荷トルクを一定にするように、接合ツールの被接合部材への挿入量の制御(Z軸方向の位置制御)を行ってきた。これにより、被接合部材が攪拌接合時に変形しても接合ツールのZ軸方向の位置が適切に制御され、高品質の攪拌接合を行うことができた。
特開2003−80380号公報
しかしながら、本件発明の発明者らは、高品質の攪拌接合を行うには、さらに、被接合部材の接合部の軟化状態を考慮して主軸モータの負荷トルクを制御する、すなわち、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御することが必要であることを見出した。
したがって、本発明の目的は、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる摩擦攪拌接合装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の摩擦攪拌接合装置の一態様は、複数の被接合部材の間に挿入され、回転しながら進行して前記被接合部材を接合するショルダーと、ショルダーに支持されたプローブから構成する接合ツールと、接合ツールに接続され、接合ツールに回転駆動力を与える主軸モータと、主軸モータを支持する接合ヘッドと、接合ヘッドを支持し、主軸モータに駆動信号を送信する制御部を有する装置本体と、を備え、制御部は、接合温度に応じて、主軸モータの負荷トルクが目標とする値になるように接合ツールのZ軸方向の位置を制御することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明の摩擦攪拌接合方法の一態様は、複数の被接合部材の間を回転しながら加圧して被接合部材同士を接合部を介して接合する接合ツールと、接合ツールに接続され、接合ツールに回転駆動力を与える主軸モータと、主軸モータを支持する接合ヘッドと、接合ヘッドを支持し、主軸モータに駆動信号を送信する制御部を有する装置本体と、を備える摩擦攪拌接合装置を用いて被接合部材の摩擦攪拌接合を実施する摩擦攪拌接合工程を有し、摩擦攪拌接合工程において、制御部は、接合温度に応じて、主軸モータの負荷トルクが目標とする値になるように接合ツールのZ軸方向の位置を制御することを特徴とする。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる摩擦攪拌接合装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の摩擦攪拌接合装置の模式図 図1の接合ツールの拡大図 実施例2の摩擦攪拌接合装置を示す模式図 図3の接合ツールの拡大図 摩擦攪拌接合装置を用いて接合される冷却構造体の一例を示す模式図 図5の接合線の拡大図 接合ツールの基準位置情報と主軸モータの基準負荷トルクの相関および摩擦攪拌接合工程における経過時間と主軸モータの基準負荷トルクの相関を求める手順を示す図
本発明の摩擦攪拌接合装置の具体的な構成を説明する前に、本発明の背景および意義について詳述する。
摩擦攪拌接合装置(以下、「FSW装置」とも称する。)により被接合部材を攪拌接合するとき、接合ツールの回転により、被接合部材の接合部およびその近傍には入熱が生じ、接合部が軟化・塑性流動化する。入熱は、接合ツールの接合部における滞留時間、接合ツールの進行方向を示す接合線の粗密状態(直線部分は粗であり曲線部分は密)等の条件により異なってくる。入熱は、接合ツールの滞留時間が長いほど、接合線が密状態ほど、蓄熱現象により大きくなる。
入熱が大きくなると、接合部の軟化・塑性流動化の度合いも大きくなる。これは、従来のように、主軸モータの負荷トルク又はそれに流れる電流値が所定の範囲被接合部材へのツールの挿入方向におけるツールと被接合材との相対的位置又は被接合部材へのツールの挿入深さを制御しても、入熱が大きいと接合ツールの挿入深度が大きくなることを意味する。したがって、上述した特許文献1のように、主軸モータの負荷トルクを一定にするように接合ツールのZ軸方向の位置制御を行っても、接合ツールのZ軸方向の位置が適切に配置されるとは限らない。
このような課題は、近年、急速に市場が拡大しているハイブリッドEV、更にはピュアEVなど、電動移動体分野で使用される二次電池(LiB:リチウムイオン電池)の収納パッケージにおいて顕著となっている。
LiBの特徴としては、(1)高いエネルギー密度を有し、(2)急速充放電に対応し、(3)小型化に対応し、(4)自己放電が少ない等を挙げることができる。しかしながら、LiBには、次のデメリットも兼ね備える。(5)充放電での発熱により媒体の劣化が進む。(5)のデメリットは、航続距離拡大のための大容量化、充電時間の短縮、という電動移動体普及のために、今後ますます顕著なものとなっていく。電動移動体を普及させるには、このデメリットに対策を講じる必要がある。
この対策として、電池パックの冷却システムとして、空冷方式のものに代えて水冷(液体冷却)方式のものが採用され始めた。つまり、電池パックの周囲に冷媒通路を張り巡らせ、冷媒通路を通して冷却装置により温度管理された冷媒を電池パック周囲に供給して電池を冷却した後、冷却装置に回収してから再び冷却するシステムである。水冷方式は空冷方式と比較して冷却速度が速く、充電時間をより短縮することができる。
このシステムを構成する際、構造的な問題として、冷媒通路の蓋部は、パッキンとネジ止めでは、長時間使用に耐えられず、冷媒漏れが生じることが挙げられる。これは、FSW装置を用いて、蓋部を冷媒通路に摩擦攪拌接合して密閉することで解決することが可能である。より冷却効果を高めるには、冷媒通路を蛇行させ、冷媒の滞留時間を多くすることが必要である。
図5は摩擦攪拌接合装置を用いて接合される冷却構造体の一例を示す模式図であり、図6は図5の接合線の拡大図である。図5に示すように、冷却構造体50を構成する冷却通路51は、摩擦攪拌接合による接合線で構成されるものであるが、この冷却通路51を蛇行させて複雑構造化すると、FSW装置は単なる直線の接合線に従って摩擦攪拌接合するのではなく、曲率半径の小さな曲線となる接合線に従って摩擦攪拌接合することとなる。このような摩擦攪拌接合においては、接合線が直線、又は、曲率半径の大きな曲線では生じない課題が存することを、発明者らは確認した。すなわち、曲率半径の小さな部分は、各接合線間の距離が小さいことから、近傍の接合線において摩擦攪拌接合した際の入熱の影響を受けることである。
図6に示すように、冷却通路となる接合線61が直線だけ、または、曲線を含んでいても粗な構成となっている領域(接合線粗状態領域)62は、近傍の接合部の入熱の影響による蓄熱現象が顕著とならず、接合部位による接合温度の大きな偏差が生じないときは有効である。しかしながら、接合線の曲線部分が密状態となっている領域(接合線密状態領域)63、近傍の接合部の入熱の影響による蓄熱現象が顕著な場合は、接合部位によっては接合温度が高くなり、軟化度合いが大きくなり、接合ツールの挿入深度に影響を与えることとなる。(挿入深度が大きくなる。)
そこで、本発明の摩擦攪拌接合装置は、上述したように、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる摩擦攪拌接合装置を提供する。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施に好適な形態を説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組合せや改良が可能である。
本実施例では、摩擦攪拌接合装置に設けた温度測定装置によって測定された接合温度と主軸モータの負荷トルクの関係に基づいて接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御する態様について説明する。
[FSW装置の構成(1)]
図1は実施例1の摩擦攪拌接合装置の模式図であり、図2は図1の接合ツールの拡大図である。図1に示すように、摩擦攪拌接合装置1aは、主要な構成として、複数の被接合部材10の間に挿入され、挿入部を回転しながら加圧して被接合部材同士を接合部を介して接合する接合ツール7と、接合ツール7に接続され、接合ツール7に回転駆動力を与える主軸モータ(図示せず)と、主軸モータを支持する接合ヘッド5と、接合ヘッド5を支持し、主軸モータに駆動信号を送信する制御部11を有する装置本体2とを有する。
接合ヘッド5と装置本体2との間には、さらに上下動駆動機構部3、スイング機構部4および回動機構部6が設けられている。上下動駆動機構部3には、図1に例示するように、例えばボールスクリューなどが用いられる。
図2に示すように、接合ツール7はショルダー8及びプローブ9で構成され、ショルダー8を介してプローブ9が接合ヘッド5に支持されている。接合ツール7には温度測定装置12が設けられている。温度測定装置12については、追って詳述する。なお、後述するように、本発明の摩擦攪拌接合装置1aは温度測定装置12を必須の構成とするものではない。
プローブ9が被接合部材10の突き合せ部に挿入され、プローブ9の被接合部材10への挿入部が高速回転することでプローブ9と被接合部材10の間に摩擦熱が発生し、摩擦熱により被接合部材10内で塑性流動が生じ、接合部が攪拌される。プローブ9が被接合部材10の外へ抜かれると、攪拌部(接合部)が冷却されて、被接合部材10同士が接合される。
装置本体2には、摩擦攪拌接合装置1aの動作を制御する制御部11が設置されている。制御部11は、接合ツール7による接合条件を決定する接合条件信号やスイング機構部4を制御するスイング制御信号、上下動駆動機構部3による接合ツール7の高さ方向(Z軸方向)の保持位置(プローブ9の挿入深度)を決定する保持位置決定信号などの接合パラメータ(FSW接合条件)および温度測定装置12で測定された接合温度と主軸モータの負荷トルクとの関係を記憶する記憶部(図示せず)を備えている。
制御部11は、接合ヘッドに配設された非接触式の温度測定装置12で測定された接合温度に応じて、主軸モータの負荷トルクが目標とする値になるように接合ツール7のZ軸方向の位置を制御する。ここで、本発明において「接合温度」とは、接合ツール7の被接合部材10に挿入される部分(挿入部)の温度、非接触式の温度測定装置12で測定されたショルダー8の表面温度、または、挿入部近傍でバリを回避した被接合部材10の表面温度を含むものとする。
本発明のFSW装置1は、接合温度に応じて主軸モータの負荷トルクを制御するため、温度測定装置12は接合温度をできるだけ精度高く反映する部分に設けられていることが好ましい。さらに、摩擦攪拌接合中に発生するバリの影響を受けない箇所に設けることが好ましい。図2では、温度測定装置12をショルダー8に設けているが、温度測定装置12を設ける箇所に限定は無く、接合部の温度を精度高く反映し、バリの影響を受けない箇所であれば他の箇所に設けていても良い。
[接合温度帯域に対応する基準負荷トルクのデータベース作成]
次に、接合温度と主軸モータの負荷トルクの関係を示す基準負荷トルクデータベースの作成について説明する。FSW装置を用いて被接合部材を摩擦攪拌接合する工程の前段階において、あらかじめ、被接合部材10の接合条件(被接合部材の材質)に応じて、接合温度の帯域(基準接合温度帯域)と、それに対応する主軸モータのトルク値の計算値(基準負荷トルク)との対応をデータベース化する。
基準接合温度帯域は、挿入部の最低の値と最高の値とを含む。接合ツール7のZ軸方向の位置をより精度よく制御するために、この基準接合温度帯域をさらに分割した分割基準接合温度帯域を設定し、この分割基準接合温度帯域に対応する負荷トルクを算出することが好ましい。分割基準接合温度帯域と主軸モータの負荷トルクとの関係(基準負荷トルクデータベース)は、例えば下記表1のように定める。表中、黒丸および黒四角には、任意の数字が入る。
Figure 0006682697
接合温度と主軸モータの負荷トルクの関係は、接合ツール7を被接合部材10に挿入して被接合部材10を攪拌接合する接合段階より前段階において、予め、試験用の被接合部材を用いて摩擦攪拌接合した時のデータから求めることが好ましく、計算機を用いたシミュレーションにより求めても良い。
基準負荷トルクは、以下の手順で求めることができる。基準温度帯域の最低の温度、または、最高の温度を下記式(1)で表される第1の関係式に代入して、それぞれの基準温度帯域に対応する変形抵抗を算出する。なお、第1の関係式に分割基準接合温度帯域の温度を代入するときは、摂氏温度ではなく、華氏温度に変換して代入する。
Figure 0006682697
次に、上記手順で求めたそれぞれの変形抵抗を、下記式(2)で表される第2の関係式に代入して、それぞれの分割基準接合温度帯域準に対応する基準負荷トルクを算出して、基準とする接合温度と主軸モータの負荷トルクの相関関係を求めてデータベース化する。
Figure 0006682697
上述した方法で作成した基準負荷トルクデータベースの一例を下記に示す。被接合部材の材質は、アルミ板材(A5052)である。
Figure 0006682697
基準負荷トルクデータベースは、被接合部材の材質によって異なるものであるから、被接合部材の材質ごとに求めることが好ましい。
[摩擦攪拌接合工程における負荷トルク制御(1)]
次に、上述した基準負荷トルクデータベースを用いた摩擦攪拌接合の実施手順について説明する。まず始めに、被接合部材10の予め定めた深さまで接合ツール7を挿入する。制御部11は、前摩擦攪拌接合工程において、接合温度を非接触の温度測定装置12により取得するとともに、主軸モータから負荷トルクを現在負荷トルク値として取得する(稼動情報取得処理)。
次に、制御部11は、基準負荷トルクデータベースにおいて、温度測定装置12により取得した接合温度の属する分割基準接合温度帯域を特定し、それに対応する基準負荷トルクを目標とする値(目標負荷トルク値)として抽出する。
制御部11は、現在負荷トルク値が上記目標負荷トルク値と等しくなるように(許容される誤差を含む)、接合ツール7のZ軸方向の位置制御を行う。(Z軸位置制御処理)。接合ツール7のZ軸方向の位置制御は、例えば、所定のステップ量で上下動作することで行うことができる。
制御部11は、上述した稼動情報取得処理とZ軸位置制御処理とを摩擦攪拌接合が終了するまで定時に繰り返す。
上述した実施例によれば、接合温度を考慮し、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御するため、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御することができる。
本実施例では、接合温度と主軸モータの負荷トルクの関係および接合温度と接合ツール7のX軸およびY軸の座標(X,Y)情報とに基づいて、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御する態様について説明する。
[FSW装置の構成(2)]
図3は実施例2の摩擦攪拌接合装置を示す模式図であり、図4は図3の接合ツールの拡大図である。図3および図4に示す摩擦攪拌接合装置1bは、温度測定装置12を備えていない点が実施例1の摩擦攪拌接合装置1aと異なる。
[摩擦攪拌接合工程における負荷トルク制御(2)]
実施例2の負荷トルク制御方法について説明する。以降において、摩擦攪拌接合における接合線の始点から終点までの経過時間と、その経過時間に対応する接合ツールの座標(X,Y)情報を総称して基準位置情報とする。図7は接合ツールの座標(X,Y)情報と主軸モータの基準負荷トルクの相関および摩擦攪拌接合工程における経過時間と主軸モータの基準負荷トルクの相関を求める手順を示す図である。制御部11は、摩擦攪拌接合工程の前段階において、基準負荷トルクのデータベース(図7中の表(B))を作成した後、接合線の始点から終点まで被接合部材をテスト摩擦攪拌接合する。その際、接合ツールの座標情報または経過時間と接合温度情報とを関連付けて取得し、接合線の始点から接合ツール7が進行する際の経過時間と接合温度との対応を示す時間温度データベース(図7中の表(C))、または、接合ツール7の座標(X,Y)情報と接合温度との対応を示す座標温度データベース(図7中の表(D))、の何れかを作成する。なお、上述した基準負荷トルクのデータベースと、時間温度データベースまたは座標温度データベースとは、どちらを先に作成しても良い。
次に、基準負荷トルクデータベースの分割基準接合温度帯域情報と、時間温度データベースまたは座標温度データベースの接合温度情報と、を照合して、その接合温度情報が上述した分割基準接合温度帯域情報の何れに属するかを特定して紐づけし、接合温度の要素を排除した2つの相関、すなわち、接合ツールの座標(X,Y)情報と主軸モータの基準負荷トルクの相関(図7中の(3)の左表)または経過時間と主軸モータの基準負荷トルクの相関(図7中の(3)の右表)のいずれかを求める。なお、図7では接合温度の要素を排除しているが、基準位置情報と主軸モータの基準負荷トルクの情報が紐づけられていれば、上述した相関において接合温度の情報は排除せずに含めたままでもよい。
摩擦攪拌接合工程においては、主軸モータの現在の負荷トルクおよび接合ツール7の現在位置情報または経過時間を取得して、現在位置情報を基準位置情報または経過時間と照合して対応する基準負荷トルクを抽出し、現在負荷トルク値が基準負荷トルクの値となるように接合ツール7のZ軸位置を制御する。
実施例2の摩擦攪拌接合装置1bによれば、被接合部材10を接合する摩擦攪拌接合装置1bに温度測定装置を設けていなくても、事前のテスト摩擦攪拌接合において得た接合温度と主軸モータの基準負荷トルクの関係および接合温度と接合ツールの位置情報または経過時間から、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる。
上述したように、本発明の摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法は、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて、予め定めた基準負荷トルクとなるように接合ツールのZ軸方向の位置制御を行うこととする。これにより、被接合部材10の摩擦攪拌接合時の変形および接合温度の変動の何れにも対応して高品質の攪拌接合を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明によれば、被接合部材の接合部の軟化状態に応じて主軸モータの負荷トルクを制御し、接合ツールのZ軸方向の位置を適切に制御して高品質な摩擦攪拌接合を行うことができる摩擦攪拌接合装置を提供できることが示された。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1a,1b…摩擦攪拌接合装置、2…装置本体、3…上下動駆動機構部(ボールスクリュー)、4…スイング機構部、5…ホルダ部(接合ヘッド)、6…回動機構部、7…接合ツール、8…ショルダー、9…プローブ、10…被接合部材、11…制御部、12…温度測定装置、50…冷却構造体、51…冷却通路、61…接合線、62…接合線粗状態領域、63…接合線密状態領域。

Claims (11)

  1. 複数の被接合部材の間に挿入され回転しながら進行して前記被接合部材を接合するショルダーと、
    前記ショルダーに支持されたプローブから構成する接合ツールと、
    前記接合ツールに接続され、前記接合ツールに回転駆動力を与える主軸モータと、
    前記主軸モータを支持する接合ヘッドと、
    前記接合ヘッドを支持し、前記主軸モータに駆動信号を送信する制御部を有する装置本体と、を備え、
    前記制御部は、前記接合ツールを前記被接合部材に挿入して、前記被接合部材を摩擦攪拌接合するときの前記接合ツールの挿入部の接合温度に応じて、前記主軸モータの現在負荷トルクを目標負荷トルク値となるように前記接合ツールのZ軸位置を制御することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
  2. 前記制御部は、前記接合ツールを前記被接合部材に挿入して前記被接合部材を攪拌接合する接合段階より前段階において、前記接合温度の最低の値と最高の値とを含む基準接合温度帯域を定め、前記基準接合温度帯域をさらに所定の間隔ごとの分割基準接合温度帯域に分割し、それぞれの前記分割基準接合温度帯域に対応する基準負荷トルクを算出し、前記分割基準接合温度帯域と前記基準負荷トルクの値との関係を示す基準負荷トルクデータベースを作成して前記制御部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
  3. 前記制御部は、前記接合段階において定時に前記接合温度を取得し、前記基準負荷トルクデータベースに基づき、前記接合温度の属する前記分割基準接合温度帯域を特定して前記接合温度に対応する前記基準負荷トルクの値を抽出して前記目標負荷トルク値として設定することを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合装置。
  4. 前記制御部は、前記接合ツールを前記被接合部材に挿入して前記被接合部材を攪拌接合する接合段階より前段階において、
    前記接合温度の最低の値と最高の値とを含む基準接合温度帯域を定め、前記基準接合温度帯域をさらに所定の間隔ごとの分割基準接合温度帯域に分割し、それぞれの前記分割基準接合温度帯域に対応する基準負荷トルクを算出し、前記分割基準接合温度帯域と前記基準負荷トルクの値との関係を示す基準負荷トルクデータベースを作成し、
    接合線の始点位置から終点位置まで前記接合ツールを進行させて前記被接合部材をテスト接合し、前記始点位置からの経過時間または座標(X,Y)で示す前記接合ツールの位置情報と接合温度とを関連付けて取得し、前記経過時間または前記位置情報と前記接合温度の関係を示すデータベースを作成し、
    前記データベースの前記接合温度の情報が前記基準負荷トルクデータベースの前記分割基準接合温度帯域の何れに属するかを特定して紐づけし、前記経過時間または前記接合ツールの位置情報と前記基準負荷トルクデータベースを関連付けたデータベースを作成すること、を特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
  5. 前記制御部は、前記接合段階において、定時に前記接合ツールの位置情報を取得し、前記基準負荷トルクデータベースを用い、前記位置情報に対応する前記基準負荷トルクの値を抽出して前記目標負荷トルク値として設定することを特徴とする請求項4に記載の摩擦攪拌接合装置。
  6. 前記制御部は、前記接合ヘッドに配設された非接触式の温度計測装置により、前記ショルダーの表面温度を、または、前記挿入部近傍でバリを回避した前記被接合部材の表面温度を前記接合温度として取得することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  7. それぞれの前記分割基準接合温度帯域の最低の温度または最高の温度を下記式(1)で表される第1の関係式に代入して、それぞれの前記分割基準接合温度帯域に対応する変形抵抗を算出し、
    それぞれの前記変形抵抗を下記式(2)で表される第2の関係式に代入してそれぞれの前記分割基準接合温度帯域に対応する基準負荷トルクを算出することを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合装置。
    Figure 0006682697
    Figure 0006682697
  8. 前記制御部は、前記主軸モータの現在負荷トルクが対応する基準負荷トルクに等しくなるまで、前記接合ヘッドを所定のステップ量で上下動作して前記接合ツールのZ軸方向の位置を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  9. 前記制御部は、前記被接合部材の材質ごとに前記基準負荷トルクデータベースを作成することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  10. 前記制御部は、前記接合ツールを前記被接合部材に最初に挿入する段階においては、予め定めたZ軸方向の位置まで前記接合ツールを前記被接合部材に挿入することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  11. 複数の被接合部材の間に挿入され回転しながら進行して前記被接合部材を接合するショルダーと、前記ショルダーに支持されたプローブから構成する接合ツールと、前記接合ツールに接続され、前記接合ツールに回転駆動力を与える主軸モータと、前記主軸モータを支持する接合ヘッドと、前記接合ヘッドを支持し、前記主軸モータに駆動信号を送信する制御部を有する装置本体と、を備える摩擦攪拌接合装置を用いて前記被接合部材の摩擦攪拌接合を実施する摩擦攪拌接合工程を有し、
    前記摩擦攪拌接合工程において、前記接合ツールを前記被接合部材に挿入して、前記被接合部材を摩擦攪拌接合するときの前記接合ツールの挿入部の接合温度に応じて、前記主軸モータの負荷トルクが目標とする値になるように前記接合ツールのZ軸方向の位置を制御することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
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